りゅうすいけんちそうちのぎじゅつじょうのきかくをさだめるしょうれい
流水検知装置の技術上の規格を定める省令
昭和58年自治省令第2号
消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2第2項の規定に基づき、流水検知装置の技術上の規格を定める省令(昭和50年自治省令第18号)の全部を改正する省令を次のように定める。
(趣旨)
第1条 この省令は、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備又は泡消火設備に使用する流水検知装置(以下「流水検知装置」という。)の技術上の規格を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この省令において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 流水検知装置 湿式流水検知装置、乾式流水検知装置及び予作動式流水検知装置をいい、本体内の流水現象を自動的に検知して、信号又は警報を発する装置をいう。
二 湿式流水検知装置 1次側(本体への流入側で弁体までの部分をいう。以下同じ。)及び2次側(本体からの流出側で弁体からの部分をいう。以下同じ。)に加圧水又は加圧泡水溶液(以下「加圧水等」という。)を満たした状態にあり、閉鎖型スプリンクラーヘッド又は一斉開放弁その他の弁(次号において「閉鎖型スプリンクラーヘッド等」という。)が開放した場合、2次側の圧力低下により弁体が開き、加圧水等が2次側へ流出する装置をいう。
三 乾式流水検知装置 1次側に加圧水等を、2次側に加圧空気を満たした状態にあり、閉鎖型スプリンクラーヘッド等が開放した場合、2次側の圧力低下により弁体が開き、加圧水等が2次側へ流出する装置をいう。
四 予作動式流水検知装置 1次側に加圧水等を、2次側に空気を満たした状態にあり、火災報知設備の感知器、火災感知用ヘッドその他の感知のための機器(以下「感知部」という。)が作動した場合、弁体が開き、加圧水等が2次側へ流出する装置をいう。
五 使用圧力範囲 流水検知装置の機能に支障を生じない1次側の圧力の範囲をいう。
六 圧力設定値 2次側に圧力の設定を必要とする流水検知装置において、使用圧力範囲における1次側の圧力に対応する2次側の圧力の設定値をいう。
(構造)
第3条 湿式流水検知装置の構造は、次に定めるところによらなければならない。
一 加圧送水装置を起動させるものにあっては、逆止弁構造を有すること。
二 堆積物により機能に支障を生じないこと。
三 管との接続部は、管と容易に接続できること。
四 加圧水等の通過する部分は、滑らかに仕上げられていること。
五 本体及びその部品は、保守点検及び取替えが容易にできること。
六 弁座面は、機能に有害な影響を及ぼすきずがないこと。
七 スイッチ類は、防滴のための有効な措置が講じられていること。
八 感度調整装置は、露出して設けられていないこと。
2 乾式流水検知装置の構造は、前項各号(第1号を除く。)の規定の例によるほか、次に定めるところによらなければならない。
一 開放した弁体は、作動圧力比(弁体の開放直前の1次側の圧力を2次側の圧力で除した値をいう。)が1・5以下のものを除き、水撃、逆流等により再閉止しない装置を有すること。
二 2次側に加圧空気を補充できること。
三 弁体を開放することなく信号又は警報の機能を点検できる装置を有すること。
四 1次側と2次側とが中間室で分離されているものにあっては、中間室に溜る水を外部に自動的に排水する装置を有すること。
五 2次側に予備水を必要とするものにあっては、予備水の必要水位を確保する装置を有すること。
六 2次側に予備水を必要としないものにあっては、2次側に溜る水を外部に排水する装置を有すること。
3 予作動式流水検知装置の構造は、第1項各号(第1号を除く。)及び前項各号(第2号を除く。)の規定の例によるほか、2次側に圧力の設定を必要とするものにあっては、加圧空気を補充できるものでなければならない。
(材質)
第4条 流水検知装置の材質は、次に定めるところによらなければならない。
一 本体の主要部分はJIS(産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項の日本産業規格をいう。以下この号において同じ。)G5501、JISG5151、JISH5120若しくはJISH5121に適合し、又はこれらと同等以上の強度及び耐食性を有すること。
二 さびの発生するおそれのある部分は、有効な防錆処理を施すこと。
三 ゴム、合成樹脂等は、容易に変質しないこと。
(最高使用圧力の範囲)
第5条 流水検知装置の最高使用圧力は、次の表の上欄に掲げる呼びの区分に応じて同表の下欄に掲げる圧力の範囲内でなければならない。
呼び | 圧力(メガパスカル) |
10K | 1・0以上1・4以下 |
16K | 1・6以上2・2以下 |
(耐圧力)
第6条 湿式流水検知装置の弁箱は、次の表の上欄に掲げる呼びの区分に応じて同表の下欄に掲げる圧力を2分間加えた場合、漏水、変形、損傷又は破壊を生じないものでなければならない。
呼び | 圧力(メガパスカル) |
10K | 2・0 |
16K | 3・2 |
2 乾式流水検知装置及び予作動式流水検知装置の弁箱は、最高使用圧力に対応する圧力設定値の3倍又は前項の表の上欄に掲げる呼びの区分に応じた同表の下欄に掲げる圧力のいずれか大きい値の圧力を2分間加えた場合、漏水、変形、損傷又は破壊を生じないものでなければならない。
3 乾式流水検知装置及び予作動式流水検知装置は、1次側の使用圧力に対応する圧力設定値の圧力を2次側に、当該使用圧力の1・1倍の圧力を1次側に2分間加えた場合、弁座からの漏水を生じないものでなければならない。
(機能)
第7条 湿式流水検知装置の機能は、次に定めるところによらなければならない。
一 使用圧力範囲内の圧力及び検知流量定数(流水現象として検知し、信号又は警報の作動を制御するための流量をいう。以下同じ。)に応じて、次に掲げる流水量で流水開始後1分以内に連続して信号又は警報を発し、かつ、流水停止の場合に信号又は警報が停止すること。
イ 検知流量定数80のもの及び検知流量定数50のものにあっては、次の式により求めた流水量。ただし、圧力が0・5メガパスカル以下の場合には、検知流量定数80のものにあっては毎分80リットル、検知流量定数50のものにあっては毎分50リットルとする。
Q=0.75×K√10P
Q 流水量(リットル毎分)
K 検知流量定数
P 圧力(メガパスカル)
ロ 検知流量定数60のものにあっては、使用圧力範囲内の圧力において毎分60リットル
二 流速毎秒4・5メートルの加圧水等を流水した場合に連続して信号又は警報を発し、かつ、流水停止の場合に信号又は警報が停止すること。
三 最低使用圧力における不作動水量(信号又は警報を発しない本体内の最大の流水量として定められたものをいう。以下同じ。)で流水開始しても信号又は警報を発しないこと。
四 1次側に瞬間的な圧力変動が生じた場合に連続して信号又は警報を発しないこと。
2 乾式流水検知装置の機能は、前項第4号の規定の例によるほか、次に定めるところによらなければならない。
一 呼称15の閉鎖型スプリンクラーヘッドから加圧空気を放出した場合、次の表の上欄に掲げる内径に応じて同表の下欄に掲げる2次側の配管容積において、30秒以内に弁体が開き、かつ、1分以内に連続して信号又は警報を発すること。
内径(ミリメートル) | 2次側の配管容積(リットル) |
50 | 70 |
65 | 200 |
80 | 400 |
100 | 750 |
125 | 千二百 |
150 | 二千八百 |
200 | 二千八百 |
二 流速毎秒4・5メートルの加圧水等を流水した場合に連続して信号又は警報を発すること。
3 予作動式流水検知装置の機能は、第1項第4号及び前項第2号の規定の例によるほか、次に定めるところによらなければならない。
一 感知部が作動した場合、前項第1号の表の上欄に掲げる内径に応じて同表の下欄に掲げる2次側の配管容積において、30秒以内に弁体が開き、かつ、1分以内に連続して信号又は警報を発すること。
二 感知部の作動の停止によって弁体の再閉止を行うものにあっては、感知部の作動が停止した場合に信号又は警報が停止すること。
(耐久)
第8条 流水検知装置は、流速毎秒4・5メートルの加圧水等を30分間流水した場合、機能に支障を生じないものでなければならない。
2 乾式流水検知装置及び予作動式流水検知装置は、前条第2項第1号の表の上欄に掲げる内径に応じて同表の下欄に掲げる2次側の配管容積において、最高使用圧力で作動させた後、1次側の圧力を大気圧にした場合、機能に支障を生じないものでなければならない。
(構成部品の機能)
第9条 圧力スイッチは、その定格電圧及び定格電流において零メガパスカルから最高使用圧力(当該圧力スイッチに加わる最高圧力が最高使用圧力より低い場合はその圧力)までの圧力変動を通電時間1秒となるように繰り返して2000回加えた場合、機能に支障を生じないものでなければならない。
2 ウォーター・モーター・ゴングは、次に定めるところによらなければならない。
一 3時間連続して鳴動させた場合、機能に支障を生じないこと。
二 3メートル離れた位置で、90デシベル以上の音量があること。
(圧力損失)
第10条 湿式流水検知装置の圧力損失は、次の表の上欄に掲げる内径に応じて同表の下欄に掲げる流水量で流水を行った場合、0・05メガパスカル以内でなければならない。
内径(ミリメートル) | 流水量(リットル毎分) |
25 | 130 |
32 | 200 |
40 | 350 |
50 | 550 |
65 | 900 |
80 | 千三百五十 |
100 | 二千百 |
125 | 三千三百 |
150 | 四千八百 |
200 | 八千五百 |
(表示)
第11条 流水検知装置には、次に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。
一 湿式、乾式又は予作動式の別
二 種別及び型式番号
三 製造者名又は商標
四 製造年
五 製造番号
六 内径、呼び及び使用圧力範囲
七 直管に相当する長さで表した圧力損失値
八 2次側に圧力の設定を必要とするものにあっては、圧力設定値
九 湿式流水検知装置にあっては、最低使用圧力における不作動水量
十 流水方向を示す矢印
十一 取付け方向
十二 構成部品の組合せ
十三 検知流量定数50のものにあっては「50」、検知流量定数60のものにあっては「60」
(基準の特例)
第12条 新たな技術開発に係る流水検知装置について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。
附則
1 この省令は、昭和58年4月1日から施行する。
2 この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う消防用機械器具等についての試験を申請している流水検知装置に係る試験については、なお従前の例による。
附則 (昭和62年3月18日自治省令第7号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成7年9月13日自治省令第30号)
1 この省令は、平成7年10月1日から施行する。
2 この省令の施行の際、現に型式承認を受けている流水検知装置に係る型式承認は、改正後の流水検知装置の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成10年9月28日自治省令第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成11年10月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請をしている消火器、消火薬剤、閉鎖型スプリンクラーヘッド、消防用ホース、一斉開放弁、泡消火薬剤、感知器及び発信機、流水検知装置、差込式結合金具並びにねじ式結合金具に係る試験については、なお従前の例による。
9 この省令の施行の際、現に型式承認を受けている流水検知装置に係る型式承認及び第1項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた流水検知装置に係る型式承認は、第8条の規定による改正後の流水検知装置の技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成12年9月14日自治省令第44号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (令和元年6月28日総務省令第19号)
この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。
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