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しょうぼうようきゅうかんのぎじゅつじょうのきかくをさだめるしょうれい

消防用吸管の技術上の規格を定める省令

昭和61年自治省令第25号
消防法(昭和23年法律第186号)第21条の16の3第1項の規定に基づき、消防用吸管の技術上の規格を定める省令(昭和45年自治省令第7号)の全部を改正する省令を次のように定める。

第1章 総則

(趣旨)
第1条 この省令は、消防用吸管の技術上の規格を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この省令において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 消防用吸管 動力消防ポンプ(動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令(昭和61年自治省令第24号。以下「ポンプ規格省令」という。)第2条第1号に規定するものをいう。)の吸水口に結合して使用する吸水のための導管をいう。
 大容量泡放水砲用吸管 石油コンビナート等災害防止法施行令(昭和51年政令第129号)第13条第3項に規定する大容量泡放水砲用防災資機材としての用途にのみ用いられる、大容量泡放水砲用消防ポンプ自動車(ポンプ規格省令第2条第4号に規定するものをいう。)又は大容量泡放水砲用可搬消防ポンプ(ポンプ規格省令第2条第5号に規定するものをいう。)に使用する消防用吸管をいう。
 呼び径 大容量泡放水砲用吸管の設計された内径(単位 ミリメートル)をいう。

第2章 消防用吸管

(構造)
第3条 消防用吸管(大容量泡放水砲用吸管を除く。以下この章において同じ。)の構造は、次の各号に適合するものでなければならない。
 きず、気泡、き裂等の欠陥がなく、かつ、内面にしわ等の不均一な部分がないこと。
 補強線は、ゴム(天然ゴム及びその誘導体をいう。以下同じ。)、合成ゴム又は合成樹脂で覆われていること。
 布又は補強線(合成樹脂製のものを除く。)が露出している部分には、はつ水性の塗料の塗布、ゴムによる被覆等の防水処理が施されていること。
(内径)
第4条 消防用吸管は、内径の寸法により、次の表の上欄に掲げる呼称に区分するものとし、その内径は、JIS(産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項の日本産業規格をいう。以下同じ。) K 6330—1(ゴム及びプラスチックホース試験方法—第1部:ホース及びホースアセンブリの寸法測定)のホースの内径寸法測定D法により測定した場合において、その呼称に応じ、次の表の下欄に掲げる範囲内の寸法でなければならない。ただし、結合金具の装着部(たけのこ式のものを除く。)に装着する部分にあっては、この限りでない。
呼称 内径の寸法(ミリメートル)
150 152以上156以下
140 140以上144以下
125 127以上131以下
115 114以上117以下
100 102以上105以下
90 89以上92以下
75 76以上79以下
65 63・5以上66・5以下
50 51以上54以下
40 38以上41以下
25 26以上28以下
(材料)
第5条 消防用吸管に使用する材料は、次の各号に適合するものでなければならない。
 ゴム、合成ゴム及び合成樹脂(補強線に用いるものを除く。以下同じ。)は、次に掲げるところによること。
 引張り強さが、JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム—引張特性の求め方)の引張試験を行った場合において、ゴムにあっては13メガパスカル以上、合成ゴム及び合成樹脂にあっては11メガパスカル以上であること。
 引張り強さが、空気加熱老化試験(69度から71度までの温度で96時間放置した後イに掲げる引張試験を行うものをいう。)を行った場合において、ゴムにあっては9メガパスカル以上、合成ゴム及び合成樹脂にあっては8メガパスカル以上であること。
 伸びが、イに掲げる引張試験を行った場合において、ゴムにあっては420パーセント以上、合成ゴム及び合成樹脂にあっては260パーセント以上であること。
 ゴム及び合成ゴムは、前号に規定するもののほか、次の式で求めた永久伸びが、25パーセント以下であること。
永久伸び(%)={(L1—L0)÷L0}×100
L0は、JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム—引張特性の求め方)で定める方法により採取した試験片(以下この号において「試験片」という。)に付された伸び測定用の標線間の距離(単位 ミリメートル。以下この号において「標線距離」という。)
L1は、試験片をJIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム—引張特性の求め方)の引張試験において算出した伸びの約2分の1に相当する長さに引つ張り、十分間保持した後、急に収縮させ、十分間放置した後に測定した標線距離
 合成樹脂は、第1号に規定するもののほか、次に掲げるところによること。
 室温で24時間以上乾燥器中に放置した後、質量を量り、98度以上102度以下とした加熱器中に48時間つるし、室温で乾燥器中に放冷した後、再び質量を量った場合、次の式で求めた減量が、1パーセント以下であること。
減量(%)={(W1—W2)÷W1}×100
W1は、加熱前の質量(単位 グラム)
W2は、加熱後の質量(単位 グラム)
 補強層のない消防用吸管に用いる合成樹脂は、消防用吸管の軸方向にJIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム—引張特性の求め方)の1号形ダンベル状試験片を採取しその一端を固定した状態で、その呼称に応じ、次の表に掲げる数値の荷重をその他端に加え30分間放置した場合において、き裂を生ぜず、かつ、荷重を取り除き十分後に測定した永久伸びが30パーセント以下であること。
呼称 荷重(ニュートン)
150 680
140 630
125 760
115 680
100 千百四十
90
75 千三十
65 850
50 680
40 60
25 40
 金属製の補強線は、JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)により、6時間噴霧した後に18時間放置することを4回繰り返した場合において、さびを生じないものであること。
(各層間の密着強さ)
第6条 消防用吸管の各層間の密着強さは、JIS K 6330—6(ゴム及び樹脂ホース試験方法—第6部:接着試験)の試験片により、補強線の外側及び結合金具の装着部の各層間にあっては50ニュートン、補強線の内側にあっては70ニュートンの荷重をそれぞれ1分間加えた場合において、はく離距離が25ミリメートル以下でなければならない。この場合において、試験片は軸方向と垂直の切り口をもち、長さが24・5ミリメートルから25・5ミリメートルまでのリング状のものとする。
(長さ)
第7条 消防用吸管の長さは、当該消防用吸管に表示された長さからその長さの105パーセントの長さまでの範囲内のものでなければならない。
(質量)
第8条 消防用吸管の質量は、乾燥した状態で、その呼称に応じ、長さ1メートルにつき次の表に掲げる質量以下のものでなければならない。
呼称 質量(キログラム)
150 12・0
140 10・0
125 8・5
115 7・5
100 6・0
90 5・0
75 4・0
65 3・0
50 2・5
40 1・2
25 1・0
(折り曲げ)
第9条 消防用吸管の端の部分でその長さが当該消防用吸管の内径の4倍に相当する部分は、結合金具を装着した状態で、呼称が75以下のものにあっては60度、呼称が90及び100のものにあっては45度の折り曲げを毎分6回の割合で2000回繰り返した後に、次条から第12条までの試験を行った場合において、異常を生じないものでなければならない。
(耐圧力)
第10条 長さが1メートル以上の消防用吸管の一端をふさぎ、次の表に掲げる状態及び呼称に応じ、同表に掲げる数値の水圧力を5分間加えた場合において、き裂、漏れ、変形等が生じないものでなければならない。
呼称 150 140 125 115 100 90 75 65 50 40 25
状態
まつすぐにした状態 0・6 0・6 0・8 0・8 1・5 1・5 1・8 1・8 1・8 0・2 0・2
曲率半径が0・75メートルとなるように曲げた状態 0・5 0・5 0・6 0・6
曲率半径が0・5メートルとなるように曲げた状態 1・2 1・2 1・5 1・5 1・5
曲率半径が0・25メートルとなるように曲げた状態 0・2 0・2
(単位 メガパスカル)
(耐負圧力)
第11条 長さが1メートル以上の消防用吸管の一端をふさぎ、当該消防用吸管内の真空度を94キロパスカル以上として十分間放置した場合において、はく離、き裂、漏れ、変形等が生ぜず、呼称が150から50までのものにあっては10パーセント以上、呼称が40及び25のものにあっては20パーセント以上の縮みが生じないものであり、かつ、大気圧に戻した後十分以内にその縮みが2パーセント以下となるものでなければならない。
(伸び)
第12条 消防用吸管は、その呼称に応じ、第10条の表に掲げるまつすぐにした状態において加える数値の水圧力を5分間加えた場合において、伸びが、呼称が150から50までのものにあっては20パーセント以下、呼称が40及び25のものにあっては35パーセント以下であり、かつ、水圧力を除いた後十分以内にその伸びが5パーセント以下となるものでなければならない。
(屈とう性)
第13条 消防用吸管(呼称が150から115までのものを除く。次項において同じ。)は、その呼称に応じ、次の表に掲げる長さの部分を次の図のように180度曲げるために要する荷重が、第16条第1項に規定する温度が使用温度範囲の上限である場合は100ニュートン以下、下限である場合は200ニュートン以下であり、かつ、曲げた場合において、き裂、変形等が生じないものでなければならない。
呼称 長さ(センチメートル)
100 280
90 225
75 190
65 170
50 155
40 140
25 90
2 消防用吸管は、その呼称に応じ、前項の表に掲げる長さを円周の長さとして、次の図1のように2回巻いて固定した状態で24時間放置した場合において、き裂、変形等が生ぜず、かつ、その一端を次の図2のように取り付け、その1巻分を解き、他の1巻分が解いた部分の荷重となるように鉛直につり下げた場合において、残留ひずみ(同図に掲げる算式により算出したものをいう。)が3分以内に、その呼称に応じ、同項の表に掲げる長さの5パーセント以下となるものでなければならない。
図1 図2 残留ひずみ(%)=(L0−L1)/L0×100
(曲げ)
第14条 長さ1メートル以上の消防用吸管の一端を、次の図のように固定して、その呼称に応じ、次の表1に掲げる長さの曲率半径をもった枕木に沿って90度曲げ、その呼称に応じ、次の表2に掲げる荷重をその先端に加えて30分間放置した場合において、つぶれ(同図に掲げる算式により算出したものをいう。以下同じ。)が10パーセント未満であり、かつ、荷重を取り除いた後のつぶれが2パーセント以下となるものでなければならない。
つぶれ(%)=(C1−C2)/C1×100
C1は、荷重を加える前のA点とB点を通る外径(単位 ミリメートル)
C2は、荷重を加えた後及び荷重を取り除いた後のA点とB点を通る外径(単位 ミリメートル)
表1
呼称 曲率半径(センチメートル)
百五十
百四十
40
百二十五
百十五
30

九十
七十五
六十五
20
五十
四十
二十五
15
表2
呼称 荷重(ニュートン)
150 二千六百
140 二千二百
125 千八百
115 千四百五十
100 千六百
90 千四百
75 千百
65 550
50 400
40 130
25 60
(押しつぶし性)
第15条 消防用吸管は、長さが12・5センチメートルの部分に対し、呼称が150から50までのものにあっては120ニュートン毎センチメートル、呼称が40及び25のものにあっては40ニュートン毎センチメートルの等分布荷重を加えた場合において、次に掲げる算式により算出した通水断面積の低下率が40パーセント以下で、き裂が生じないものであり、かつ、荷重を取り除いた後、次に掲げる算式により算出した残留ひずみが5パーセント以下となるものでなければならない。
通水断面積の低下率(%)=((d12−d2×d3)/d12)×100
残留ひずみ(%)=(d1−d4)/d1×100
d1は、荷重を加える前の吸管の内径(単位 ミリメートル)
d2は、荷重を加えた後の吸管の鉛直方向の内寸法(単位 ミリメートル)
d3は、荷重を加えた後の吸管の水平方向の内寸法(単位 ミリメートル)
d4は、荷重を取り除いた後の吸管の鉛直方向の内寸法(単位 ミリメートル)
(試験条件)
第16条 消防用吸管は、その使用温度範囲を零下5度以上40度以下又は零下25度以上40度以下に区分するものとし、第5条第3号ロ及び第13条から第15条までの規定による試験は、その使用温度範囲に応じ、次の各号に掲げる温度で行わなければならない。
 使用温度範囲が零下5度以上40度以下の消防用吸管にあっては、零下5度及び40度
 使用温度範囲が零下25度以上40度以下の消防用吸管にあっては、零下25度及び40度
2 第4条から第12条までの規定(第5条第3号ロの規定を除く。)による試験は、別段の定めがあるほか、温度が5度以上35度以下の状態において行わなければならない。
(表示)
第17条 消防用吸管には、次の各号に掲げる事項を容易に消えないように表示しなければならない。
 製造者名
 製造年
 呼称及び長さ
 使用温度範囲
 届出番号

第3章 大容量泡放水砲用吸管

(内径)
第18条 大容量泡放水砲用吸管の内径は、第4条に定める方法により測定した場合において、当該大容量泡放水砲用吸管に表示された呼び径からその呼び径の103パーセントの内径までの範囲内のものでなければならない。
(耐圧力)
第19条 長さが1メートル以上の大容量泡放水砲用吸管の一端をふさぎ、まつすぐにした状態で、0・3メガパスカルの水圧力を5分間加えた場合において、き裂、漏れ、変形等が生じないものでなければならない。
(伸び)
第20条 大容量泡放水砲用吸管は、前条の水圧力を5分間加えた場合において、伸びが、10パーセント以下であり、かつ、水圧力を除いた後十分以内にその伸びが2パーセント以下となるものでなければならない。
(表示)
第21条 大容量泡放水砲用吸管には、次の各号に掲げる事項を容易に消えないように表示しなければならない。
 製造者名
 製造年
 呼び径及び長さ
 使用温度範囲
 届出番号
 大容量泡放水砲用である旨
(準用)
第22条 第3条、第5条から第7条まで、第11条、第14条及び第16条の規定は大容量泡放水砲用吸管について準用する。この場合において、第5条第3号ロの規定中「その呼称に応じ、次の表に掲げる数値の荷重」とあるのは「使用時にかかる荷重」と、第11条の規定中「呼称が150から50までのものにあっては10パーセント以上、呼称が40及び25のものにあっては20パーセント」とあるのは「10パーセント」と、第14条の規定中「その呼称に応じ、次の表1に掲げる長さの」とあるのは「設計された」と、「その呼称に応じ、次の表2に掲げる」とあるのは「使用時にかかる」と、第16条第1項の規定中「第13条から第15条まで」とあるのは「第21条において準用する第14条」と、同条第2項の規定中「第4条から第12条まで」とあるのは「第5条(第3号ロを除く。)第6条、第7条、第18条から第20条まで並びに第22条において準用する第5条第3号ロ及び第11条」と読み替えるものとする。

第4章 雑則

(基準の特例)
第23条 新たな技術開発に係る消防用吸管について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。

附則

この省令は、昭和61年12月1日から施行する。
附則 (平成10年9月28日自治省令第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成11年10月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 略
13 この省令の施行の日前に消防法第21条の16の4第1項の規定により自治大臣に届出を行った消防用吸管については、第10条による改正後の消防用吸管の技術上の規格を定める省令の規格に適合する消防用吸管とみなす。
附則 (平成12年9月14日自治省令第44号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成20年3月31日総務省令第48号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の日前に消防法第21条の16の4第1項の規定により総務大臣に届出を行った消防用吸管については、改正後の消防用吸管の技術上の規格を定める省令の規格に適合する消防用吸管とみなす。
附則 (令和元年6月28日総務省令第19号)
この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。

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