にっぽんこくゆうてつどうかいかくほう
日本国有鉄道改革法
昭和61年法律第87号
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この法律は、日本国有鉄道による鉄道事業その他の事業の経営が破綻し、現行の公共企業体による全国1元的経営体制の下においてはその事業の適切かつ健全な運営を確保することが困難となっている事態に対処して、これらの事業に関し、輸送需要の動向に的確に対応し得る新たな経営体制を実現し、その下において我が国の基幹的輸送機関として果たすべき機能を効率的に発揮させることが、国民生活及び国民経済の安定及び向上を図る上で緊要な課題であることにかんがみ、これに即応した効率的な経営体制を確立するための日本国有鉄道の経営形態の抜本的な改革(以下「日本国有鉄道の改革」という。)に関する基本的な事項について定めるものとする。
(国等の責務)
第2条 国は、この法律に定める方針に従い必要な施策を総合的かつ計画的に実施し、日本国有鉄道の改革を確実かつ円滑に遂行しなければならない。
2 日本国有鉄道は、日本国有鉄道の改革が国民生活及び国民経済にとって緊急の課題であることを深く認識し、その組織の全力を挙げて、この法律に定める方針に基づく施策が確実かつ円滑に実施されるよう最大限の努力を尽くさなければならない。
(地方公共団体等の協力)
第3条 地方公共団体その他の関係者は、日本国有鉄道の改革が国民生活及び国民経済の安定及び向上を図る上で緊要な課題であることにかんがみ、この法律に定める方針に基づく国の施策の確実かつ円滑な実施に協力するよう努めるものとする。
(利用者の利便の確保等)
第4条 国は、日本国有鉄道の改革の実施に際し、日本国有鉄道が経営している事業に係る利用者の利便の確保及び適正な利用条件の維持について特に配慮するものとする。
(改革の実施時期)
第5条 日本国有鉄道の改革は、昭和62年4月1日に実施するものとする。
第2章 日本国有鉄道の改革に関する基本方針
(旅客鉄道事業の分割及び民営化)
第6条 国は、日本国有鉄道が経営している旅客鉄道事業について、主要都市を連絡する中距離の幹線輸送並びに大都市圏及び地方主要都市圏における輸送その他の地域輸送の分野において果たすべき役割にかんがみ、その役割を担うにふさわしい適正な経営規模の下において旅客輸送需要の動向に的確に対応した効率的な輸送が提供されるようその事業の経営を分割するとともに、その事業が明確な経営責任の下において自主的に運営されるようその経営組織を株式会社とするものとする。
2 国は、旅客鉄道株式会社(前項の規定により旅客鉄道事業を経営する株式会社をいう。)として、次の各号に掲げる株式会社(以下「旅客会社」という。)を設立し、それぞれ、主として当該各号に定める地方において日本国有鉄道が経営している旅客鉄道事業を当該旅客会社に引き継がせるものとする。
一 北海道旅客鉄道株式会社 北海道
二 東日本旅客鉄道株式会社 東北及び関東
三 東海旅客鉄道株式会社 東海
四 西日本旅客鉄道株式会社 北陸、近畿及び中国
五 四国旅客鉄道株式会社 四国
六 九州旅客鉄道株式会社 九州
第7条 削除
(貨物鉄道事業の分離及び民営化)
第8条 国は、日本国有鉄道が経営している貨物鉄道事業について、主として長距離の輸送及び大量の輸送の分野において果たすべき役割にかんがみ、一体的かつ適正な経営管理体制の下において貨物輸送需要の動向に的確に対応した効率的な輸送が提供されるようその経営を旅客鉄道事業の経営と分離するとともに、その事業が明確な経営責任の下において自主的に運営されるようその経営組織を株式会社とするものとする。
2 国は、前項の規定により貨物鉄道事業を経営する株式会社として、日本貨物鉄道株式会社(以下「貨物会社」という。)を設立し、日本国有鉄道が経営している貨物鉄道事業を貨物会社に引き継がせるものとする。
(連絡船事業の引継ぎ)
第9条 国は、日本国有鉄道が経営している連絡船事業について、それぞれ、その事業の地域に応じて関係する旅客会社であって運輸大臣が指定するものに引き継がせるものとする。
(旅客自動車運送事業の引継ぎ等)
第10条 国は、日本国有鉄道が経営している旅客自動車運送事業について、それぞれ、その事業の地域に応じて各旅客会社に引き継がせるものとする。この場合には、その旅客自動車運送事業がそれぞれの地域における輸送需要の動向に的確に対応した効率的な輸送を提供し得る体制の下で運営されることが必要であることにかんがみ、日本国有鉄道からその事業を引き継いだ旅客会社における検討を経て、その事業を併せて経営することが適切である場合を除き、当該旅客会社からのその事業の経営の分離を図るための手続その他の方策がとられるものとする。
(電気通信等に関する業務等の引継ぎ)
第11条 国は、日本国有鉄道が行っている電気通信、情報の処理及び試験研究に関する業務のうち、すべての旅客会社及び貨物会社の事業の運営に関連するため一体的に運営することが適当であると認められるものについては、旅客会社及び貨物会社以外の法人であって運輸大臣がこれらの業務の性質を考慮して指定するものに引き継がせるものとする。
2 国は、第6条、前3条及び前項に定めるもののほか、日本国有鉄道が行っている事業又は業務(以下「事業等」という。)のうち、これらの規定により旅客会社、貨物会社及び同項の規定により運輸大臣が指定する法人(以下「承継法人」という。)が行うこととなる事業等と併せて運営することが適当と認められるものについては、当該承継法人に引き継がせるものとする。
(経営の安定のための基金)
第12条 国は、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社及び九州旅客鉄道株式会社(以下「北海道旅客会社等」という。)の設立に際し、それぞれに基金を置かせるものとし、その運用により生ずる収益をその事業の運営に必要な費用に充てることにより、北海道旅客会社等の経営の安定を図るものとする。
2 日本国有鉄道は、北海道旅客会社等に対し、前項に規定する基金に充てるために必要な金額に相当する額の債務を負担するものとする。
(国鉄長期債務等の承継等)
第13条 国は、承継法人が日本国有鉄道から事業等を引き継ぐに際し、その引き継いだ事業等の健全かつ円滑な運営を阻害しない範囲において、当該承継法人に対し、日本国有鉄道の長期借入金及び鉄道債券に係る債務(以下「国鉄長期債務」という。)その他の債務を承継させる等の措置を講ずるものとする。
2 国は、前項の規定にかかわらず、北海道旅客会社等及び第11条第1項の規定により試験研究に関する業務を引き継ぐ法人に対しては国鉄長期債務を承継させないものとする。
(日本鉄道建設公団の鉄道施設に係る資産及び債務の承継等)
第14条 国は、日本国有鉄道の改革の実施に伴い、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成10年法律第136号。以下「債務等処理法」という。)の施行の日の前日までの間、日本鉄道建設公団の鉄道施設に係る資産について、当該鉄道施設の建設の目的に照らし日本鉄道建設公団が引き続き所有すべき場合及び当該鉄道施設の管理上又はこれに係る鉄道事業の経営上の必要性にかんがみ日本鉄道建設公団が引き続き所有することが適当であると認められる場合を除き、当該資産の日本国有鉄道又は次条に規定する日本国有鉄道清算事業団(次項において「日本国有鉄道等」という。)への承継に関する措置を講ずるものとする。
2 国は、日本国有鉄道の改革の実施に伴い、日本鉄道建設公団及び本州四国連絡橋公団の鉄道施設の建設に係る費用のうち、その負担の原則に照らし日本国有鉄道等が負担することが適当であると認められるものについて、当該費用に係る債務の日本国有鉄道等への承継その他の費用負担に関する適切な措置を講ずるものとする。
3 前2項に規定する措置は、当該鉄道施設が昭和62年4月1日から債務等処理法の施行の日の前日までの間に完成するときは、当該完成の時期に応じて講ぜられるものとする。
(日本国有鉄道清算事業団への移行)
第15条 国は、日本国有鉄道が承継法人に事業等を引き継いだときは、日本国有鉄道を日本国有鉄道清算事業団(以下「事業団」という。)に移行させ、承継法人に承継されない資産、債務等を処理するための業務等を行わせるほか、臨時に、その職員の再就職の促進を図るための業務を行わせるものとする。
(事業団の債務の償還等の確実かつ円滑な実施)
第16条 国は、債務等処理法の施行の日の前日までの間、事業団の債務の償還及び当該債務に係る利子の支払の確実かつ円滑な実施を図るものとし、このため、その実施に関する基本的な方針を策定するとともに、これに従い、事業団に対する助成、資金の融通及びあっせんその他の必要な措置を講ずるものとする。
(職員の再就職の促進のための特別の措置)
第17条 国は、日本国有鉄道の改革の実施に伴い一時に多数の日本国有鉄道の職員が再就職を必要とすることとなることにかんがみ、これらの者に関し、再就職の機会の確保及び再就職の援助等のための特別の措置を講ずるものとする。
(日本国有鉄道の改革の実施に関するその他の事項)
第18条 この法律及びこれに基づく命令に定めるもののほか、旅客会社及び貨物会社の設立及び運営、事業団への移行及びその運営、前条に規定する特別の措置その他日本国有鉄道の改革の実施に関し必要な事項は、別に法律で定めるところによるものとする。
第3章 日本国有鉄道の事業等の引継ぎ等
(事業等の引継ぎ並びに権利及び義務の承継等に関する計画)
第19条 運輸大臣は、日本国有鉄道の事業等の承継法人への適正かつ円滑な引継ぎを図るため、閣議の決定を経て、その事業等の引継ぎ並びに権利及び義務の承継等に関する基本計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 承継法人に引き継がせる事業等の種類及び範囲に関する基本的な事項
二 承継法人に承継させる資産、債務並びにその他の権利及び義務に関する基本的な事項
三 日本国有鉄道の職員のうち承継法人の職員となるものの総数及び承継法人ごとの数
四 その他承継法人への事業等の適正かつ円滑な引継ぎに関する基本的な事項
3 運輸大臣は、基本計画を定めたときは、日本国有鉄道に対し、承継法人ごとに、その事業等の引継ぎ並びに権利及び義務の承継に関する実施計画(以下「実施計画」という。)を作成すべきことを指示しなければならない。
4 実施計画は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項(第24条第1項から第3項までの規定により日本国有鉄道が日本鉄道建設公団から承継する資産、債務並びにその他の権利及び義務に関する事項を含む。)について記載するものとする。
一 当該承継法人に引き継がせる事業等の種類及び範囲
二 当該承継法人に承継させる資産
三 当該承継法人に承継させる国鉄長期債務その他の債務
四 前2号に掲げるもののほか、当該承継法人に承継させる権利及び義務
五 前各号に掲げるもののほか、当該承継法人への事業等の引継ぎに関し必要な事項
5 日本国有鉄道は、第3項の規定による指示があったときは、基本計画に従い実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けなければならない。
6 日本国有鉄道は、実施計画を変更しようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。ただし、運輸省令で定める軽微な変更をしようとするときは、この限りでない。
7 日本国有鉄道は、前項ただし書の運輸省令で定める軽微な変更をしようとするときは、その旨を運輸大臣に届け出なければならない。
(承継される財産の価格)
第20条 承継法人が日本国有鉄道から承継する財産(第24条第1項及び第2項の規定により日本国有鉄道が日本鉄道建設公団から承継するものを含む。)の価格は、臨時に運輸省に置く評価審査会が決定する。
2 評価審査会は、前項の規定による決定をしようとするときは、その承継の際に見込まれる日本国有鉄道又は日本鉄道建設公団の会計における当該財産の帳簿価額を基準とするものとする。ただし、当該財産の種類、用途その他の事項を勘案して帳簿価額によることが適当でないと認めるときは、当該財産の帳簿価額によらないことができる。
3 前2項に定めるもののほか、評価審査会の組織及び運営並びに財産の価格の決定に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
(事業等の引継ぎ)
第21条 第19条第5項の認可を受けた実施計画(同条第6項の認可又は同条第7項の規定による届出があったときは、変更後の実施計画。以下「承継計画」という。)において定められた日本国有鉄道の事業等は、承継法人の成立の時(当該承継法人が第11条第1項の規定により運輸大臣が指定する法人である場合にあっては、附則第2項の規定の施行の時。以下同じ。)において、それぞれ、承継法人に引き継がれるものとする。
(権利及び義務の承継)
第22条 承継法人は、それぞれ、承継法人の成立の時において、日本国有鉄道の権利及び義務(第24条第1項から第3項までの規定により日本国有鉄道が日本鉄道建設公団から承継するものを含む。)のうち承継計画において定められたものを、承継計画において定めるところに従い承継する。
(承継法人の職員)
第23条 承継法人の設立委員(当該承継法人が第11条第1項の規定により運輸大臣が指定する法人である場合にあっては、当該承継法人。以下「設立委員等」という。)は、日本国有鉄道を通じ、その職員に対し、それぞれの承継法人の職員の労働条件及び職員の採用の基準を提示して、職員の募集を行うものとする。
2 日本国有鉄道は、前項の規定によりその職員に対し労働条件及び採用の基準が提示されたときは、承継法人の職員となることに関する日本国有鉄道の職員の意思を確認し、承継法人別に、その職員となる意思を表示した者の中から当該承継法人に係る同項の採用の基準に従い、その職員となるべき者を選定し、その名簿を作成して設立委員等に提出するものとする。
3 前項の名簿に記載された日本国有鉄道の職員のうち、設立委員等から採用する旨の通知を受けた者であって附則第2項の規定の施行の際現に日本国有鉄道の職員であるものは、承継法人の成立の時において、当該承継法人の職員として採用される。
4 第1項の規定により提示する労働条件の内容となるべき事項、同項の規定による提示の方法、第2項の規定による職員の意思の確認の方法その他前3項の規定の実施に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
5 承継法人(第11条第1項の規定により運輸大臣が指定する法人を除く。)の職員の採用について、当該承継法人の設立委員がした行為及び当該承継法人の設立委員に対してなされた行為は、それぞれ、当該承継法人がした行為及び当該承継法人に対してなされた行為とする。
6 第3項の規定により日本国有鉄道の職員が承継法人の職員となる場合には、その者に対しては、国家公務員等退職手当法(昭和28年法律第182号)に基づく退職手当は、支給しない。
7 承継法人は、前項の規定の適用を受けた承継法人の職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の日本国有鉄道の職員としての引き続いた在職期間を当該承継法人の職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
(日本鉄道建設公団の鉄道施設に係る資産及び債務の承継等)
第24条 日本国有鉄道は、附則第2項の規定の施行の時において、次に掲げる鉄道施設に係る資産であって日本鉄道建設公団が所有するものを承継する。
一 日本国有鉄道に貸し付けている新幹線鉄道に係る鉄道施設
二 その建設の工事を完了していない新幹線鉄道に係る鉄道施設のうち、旅客会社が鉄道事業を経営しないものとして運輸大臣が定めるもの
三 日本国有鉄道に有償で貸し付けている鉄道施設(第1号及び第5号に掲げるものを除く。)のうち、北海道旅客会社等が日本国有鉄道から当該鉄道施設に係る鉄道事業を引き継ぐものとして運輸大臣が定めるもの
四 日本国有鉄道に無償で貸し付けている鉄道施設(次号に掲げるものを除く。)
五 日本国有鉄道の鉄道による輸送に代えて旅客自動車運送事業による輸送を行うことが適当であるものとされた鉄道の営業線に係る鉄道施設(当該営業線が廃止されている場合におけるその営業の用に供されていた施設を含む。)として運輸大臣が定めるもの
六 その建設の工事を完了していない鉄道施設(第2号に掲げるものを除く。)であって、旅客会社又は貨物会社が鉄道事業を経営することとしないもののうち運輸大臣が定めるもの
七 地域における輸送の確保のため特に必要であると認めて運輸大臣が行ったその建設に係る指示を受けて日本鉄道建設公団により建設された鉄道施設であって、日本国有鉄道以外の鉄道事業者に無償で貸し付けているもの
2 日本国有鉄道は、附則第2項の規定の施行の時において、その時における日本鉄道建設公団の長期借入金及び鉄道建設債券に係る債務のうち、日本鉄道建設公団が所有する次に掲げる鉄道施設の建設に係る部分として運輸大臣が定めるものを承継する。
一 前項第1号から第3号までに掲げる鉄道施設
二 前項第5号及び第6号に掲げる鉄道施設であって運輸大臣が定めるもの
3 日本国有鉄道は、第1項の規定による資産の承継の時において、当該資産に係る日本鉄道建設公団のその他の権利及び義務を承継する。
4 前3項の規定により日本国有鉄道が承継する日本鉄道建設公団の資産、債務並びにその他の権利及び義務の細目については、日本鉄道建設公団が日本国有鉄道と協議して定めるものとする。
(本州四国連絡橋公団の鉄道施設の建設に関する業務に係る債務の負担等)
第25条 日本国有鉄道は、附則第2項の規定の施行の時において、本州四国連絡橋公団に対し、本州四国連絡橋公団が行った鉄道施設の建設に関する業務であって同項の規定の施行後においても引き続き行う業務以外のものとして運輸大臣が定めるものに要した費用のうち、借入れに係る部分として運輸大臣が定める本州四国連絡橋公団の債務に相当する額の債務を負担する。
2 事業団は、債務等処理法の施行の日の前日までの間、本州四国連絡橋公団に対し、前項に規定する本州四国連絡橋公団の債務の償還等に係る業務に要する費用の額に相当する金額を支払うものとする。
3 第1項の規定により負担する債務の償還、当該債務に係る利子の支払その他の同項の規定による債務の負担に関し必要な事項及び前項に規定する費用の範囲その他の同項の規定による支払に関し必要な事項は、政令で定める。
(鉄道債券及び鉄道建設債券に係る債務に関する連帯債務)
第26条 第22条の規定により承継法人が日本国有鉄道の鉄道債券に係る債務の全部又は一部を承継したときは、債務等処理法の施行の日の前日までの間、すべての鉄道債券に係る債務については、鉄道債券に係る債務を承継する承継法人及び事業団が連帯して弁済の責めに任ずる。
2 前項の場合には、鉄道債券の債権者は、鉄道債券に係る債務を承継する承継法人及び事業団の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
3 第24条第2項の規定により日本国有鉄道が日本鉄道建設公団の鉄道建設債券に係る債務の全部又は一部を承継したときは、当該承継の時において発行されているすべての鉄道建設債券に係る債務については、事業団(第22条の規定により承継法人が鉄道建設債券に係る債務の全部又は一部を承継したときは、鉄道建設債券に係る債務を承継する承継法人及び事業団。次項において同じ。)及び日本鉄道建設公団が連帯して弁済の責めに任ずる。
4 前項の場合には、当該承継の時において発行されている鉄道建設債券の債権者は、事業団及び日本鉄道建設公団の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5 第2項及び前項の先取特権の順位は、民法(明治29年法律第89号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
(大蔵大臣との協議)
第27条 運輸大臣は、次の場合には、大蔵大臣に協議しなければならない。
一 第19条第5項又は第6項の規定による認可をしようとするとき。
二 第20条第3項の規定により財産の価格の決定に関し運輸省令を定めようとするとき。
三 第24条第2項又は第25条第1項の規定により債務を定めようとするとき。
附則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次項の規定は、昭和62年4月1日から施行する。
(日本国有鉄道法等の廃止)
2 次に掲げる法律は、廃止する。
一 日本国有鉄道法(昭和23年法律第256号)
二 日本国有鉄道法施行法(昭和24年法律第105号)
3 前項の規定の施行に伴い必要な経過措置は、別に法律で定める。
(国会に対する報告)
4 政府は、国会に対し、昭和62年度以降5箇年間の各年度における日本国有鉄道の改革に関する施策の実施の状況を報告しなければならない。
附則 (平成3年4月26日法律第45号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次条、附則第4条、第5条及び第7条から第24条までの規定は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成10年10月19日法律第136号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。