じゅしんきにかかるぎじゅつじょうのきかくをさだめるしょうれい
受信機に係る技術上の規格を定める省令
昭和56年自治省令第19号
消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2第2項の規定に基づき、受信機に係る技術上の規格を定める省令を次のように定める。
(趣旨)
第1条 この省令は、火災報知設備又はガス漏れ火災警報設備に使用する受信機(火災報知設備及びガス漏れ火災警報設備の受信機を含む。以下同じ。)の技術上の規格を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 火災報知設備 中継器に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第18号。以下「中継器規格省令」という。)第2条第1号に規定するものをいう。
二 ガス漏れ火災警報設備 中継器規格省令第2条第2号に規定するものをいう。
三 感知器 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号。以下「感知器等規格省令」という。)第2条第1号に規定するものをいう。
三の2 無線式感知器 感知器等規格省令第2条第19号の4に規定するものをいう。
四 発信機 感知器等規格省令第2条第20号に規定するものをいう。
四の2 無線式発信機 感知器等規格省令第2条第23号の2に規定するものをいう。
五 検知器 中継器規格省令第2条第5号に規定するものをいう。
六 中継器 中継器規格省令第2条第6号に規定するものをいう。
六の2 無線式中継器 中継器規格省令第2条第6号の3に規定するものをいう。
七 受信機 火災信号(感知器等規格省令第2条第27号に規定するものをいう。以下同じ。)、火災表示信号(中継器規格省令第2条第9号に規定するものをいう。以下同じ。)、火災情報信号(感知器等規格省令第2条第28号に規定するものをいう。以下同じ。)、ガス漏れ信号(中継器規格省令第2条第10号に規定するものをいう。以下同じ。)又は設備作動信号(中継器規格省令第2条第11号に規定するものをいう。以下同じ。)を受信し、火災の発生若しくはガス漏れの発生又は消火設備等(感知器等規格省令第2条第26号に規定するものをいう。以下同じ。)の作動を防火対象物の関係者又は消防機関に報知するものをいう。
八 P型受信機 火災信号若しくは火災表示信号を共通の信号として又は設備作動信号を共通若しくは固有の信号として受信し、火災の発生を防火対象物の関係者に報知するものをいう。
九 R型受信機 火災信号、火災表示信号若しくは火災情報信号を固有の信号として又は設備作動信号を共通若しくは固有の信号として受信し、火災の発生を防火対象物の関係者に報知するものをいう。
九の2 アナログ式受信機 火災情報信号(当該火災情報信号の程度に応じて、火災表示及び注意表示(火災表示をするまでの間において補助的に異常の発生を表示するものをいう。以下同じ。)を行う温度又は濃度(以下「表示温度等」という。)を設定する装置(以下「感度設定装置」という。)により処理される火災表示及び注意表示をする程度に達した旨の信号を含む。以下同じ。)を受信し、火災の発生を防火対象物の関係者に報知するものをいう。
十 M型受信機 M型発信機から発せられた火災信号を受信し、火災の発生を消防機関に報知するものをいう。
十一 G型受信機 ガス漏れ信号を受信し、ガス漏れの発生を防火対象物の関係者に報知するものをいう。
十二 GP型受信機 P型受信機の機能とG型受信機の機能とを併せもつものをいう。
十三 GR型受信機 R型受信機の機能とG型受信機の機能とを併せもつものをいう。
十四 2信号式受信機 同一の警戒区域からの異なる2の火災信号を受信したときに火災表示を行うことができる機能を有するものをいう。
十五 無線式受信機 無線によって火災信号、火災表示信号、火災情報信号又は設備作動信号を受信した場合に火災の発生を報知するものをいう。
(構造及び機能)
第3条 受信機の構造及び機能は、次に定めるところによらなければならない。
一 確実に作動し、かつ、取扱い、保守点検及び附属部品の取替えが容易にできること。
二 耐久性を有すること。
三 水滴が浸入しにくいこと。
四 ほこり又は湿気により機能に異常を生じないこと。
五 腐食により機能に異常を生ずるおそれのある部分には、防食のための措置を講ずること。
六 不燃性又は難燃性の外箱で覆うこと。
七 配線は、十分な電流容量を有し、かつ、接続が的確であること。
八 部品は、機能に異常を生じないように、的確に、かつ、容易に緩まないように取り付けること。
九 充電部は、外部から容易に人が触れないように、十分に保護すること。
十 定格電圧が60ボルトを超える受信機の金属製外箱には、接地端子を設けること。
十一 主電源の両極を同時に開閉することができる電源スイッチを受信機の内部に設けること。ただし、P型3級受信機、接続することができる回線の数が一のG型受信機及びGP型3級受信機(G型受信機の機能としての接続することができる回線の数が1であるものに限る。)にあっては、この限りでない。
十二 主電源回路の両線及び予備電源回路の1線並びに受信機から外部負荷に電力を供給する回路には、ヒューズ、ブレーカその他の保護装置を設けること。
十三 予備電源を設けること。ただし、接続することができる回線の数が一のP型2級受信機、P型3級受信機、G型受信機、GP型2級受信機(P型2級受信機の機能としての接続することができる回線の数が1であるものに限る。)及びGP型3級受信機にあっては、この限りでない。
十四 主電源を監視する装置を受信機の前面に設けること。
十五 受信機の試験装置は、受信機の前面において容易に操作することができること。
十六 復旧スイッチ又は音響装置の鳴動を停止するスイッチを設けるものにあっては、当該スイッチは専用のものとすること。ただし、当該スイッチを受信機の内部に設ける場合又はP型3級受信機若しくはGP型3級受信機に設ける場合にあっては、この限りでない。
十七 定位置に自動的に復旧しないスイッチを設けるものにあっては、当該スイッチが定位置にないとき、音響装置又は点滅する注意灯が作動すること。
十八 地区音響装置の鳴動を停止するスイッチ(この号において「地区音響停止スイッチ」という。)を設けるものにあっては、次によること。
イ 地区音響停止スイッチが地区音響装置の鳴動を停止する状態(この号において「停止状態」という。)にある間に、受信機が火災信号、火災表示信号又は火災情報信号のうち火災表示をする程度に達したものを受信したときは、当該スイッチが一定時間以内に自動的に地区音響装置を鳴動させる状態(この号において「鳴動状態」という。)に移行すること。ただし、受信機が第6条第1項、第2項(第1号を除く。)及び第3項の火災表示をしている間に当該スイッチを停止状態とした場合において、当該停止状態の間に、受信機が火災信号、火災表示信号又は火災情報信号のうち火災表示をする程度に達したものを受信したときは、当該スイッチが自動的に鳴動状態に移行すること。
ロ イの規定による地区音響停止スイッチの移行を停止する装置を設けるものにあっては、当該装置は受信機の内部に設け、かつ、当該装置が作動しているときに音響装置及び専用の点滅する注意灯が作動すること。
十九 蓄積時間(火災信号、火災表示信号又は火災情報信号(火災表示又は注意表示をする程度に達したものに限る。)を検出してから、検出を継続し、受信を開始するまでの時間をいう。以下同じ。)を調整する装置を設けるものにあっては、当該装置を受信機の内部に設けること。
二十 アナログ式受信機であって、感度設定装置を設けるものにあっては、次によること。
イ 熱アナログ式スポット型感知器からの火災情報信号に係る公称受信温度範囲については、感知器等規格省令第15条の3第1項の規定に準ずること。
ロ イオン化アナログ式スポット型感知器又は光電アナログ式スポット型感知器からの火災情報信号に係る公称受信濃度範囲については、感知器等規格省令第17条の4第1項の規定に準ずること。
ハ 光電アナログ式分離型感知器からの火災情報信号に係る公称受信濃度範囲については、感知器等規格省令第17条の6第2項の規定に準ずること。
ニ 感度設定装置は、次によること。
(1) 表示温度等を設定する感知器を特定でき、かつ、当該感知器に係る表示温度等が容易に確認できること。
(2) 2以上の操作によらなければ表示温度等の変更ができないものであること。
(3) 表示温度等の表示は、熱アナログ式スポット型感知器については温度、イオン化アナログ式スポット型感知器、光電アナログ式スポット型感知器及び光電アナログ式分離型感知器については減光率によって行い、その単位は度又はパーセントであること。
二十一 受信機のうち、感度固定装置を設けるものにあっては、次によること。
イ 熱アナログ式スポット型感知器からの火災情報信号に係る受信温度については、感知器等規格省令第15条の3第1項に定める温度範囲内であり、かつ、感知器等規格省令第14条第1項に規定する公称作動温度に準じた温度とすること。
ロ イオン化アナログ式スポット型感知器又は光電アナログ式スポット型感知器からの火災情報信号に係る受信濃度については、感知器等規格省令第17条の4第1項に定める濃度範囲内であり、かつ、感知器等規格省令第17条第2項に規定する公称作動濃度に準じた濃度とすること。
ハ 光電アナログ式分離型感知器からの火災情報信号に係る受信濃度については、感知器等規格省令第17条の6第2項に定める濃度範囲内であり、かつ、感知器等規格省令第17条の2第3項第1号に規定する減光フィルターに係る性能の3分の2の値に準じた濃度とすること。
ニ 感度固定装置は、次によること。
(1) 火災表示を行う温度又は濃度を固定する感知器を特定でき、かつ、受信温度又は受信濃度に相当する当該感知器の感度に係る種別、公称作動温度等を容易に確認できること。
(2) 受信温度又は受信濃度を選択することができる装置を有するものにあっては、イからハまでの規定に適合する温度及び濃度に限り選択できるものであり、かつ、2以上の操作によらなければ受信温度及び受信濃度の変更ができないものであること。
(部品の構造及び機能)
第4条 受信機に次の各号に掲げる部品を用いる場合にあっては、当該各号に定める構造及び機能を有するものでなければならない。
一 音響装置
イ 定格電圧の90パーセント(予備電源が設けられているものにあっては、当該予備電源の定格電圧の85パーセント)の電圧で音響を発すること。
ロ 定格電圧における音圧は、無響室で音響装置の中心から前方1メートル離れた地点で測定した値が、火災報知設備に用いる主音響装置にあっては85デシベル(P型3級受信機及びGP型3級受信機に設けるものにあっては、70デシベル)以上、その他のものにあっては70デシベル以上であること。
ハ 定格電圧で連続8時間鳴動した場合、構造又は機能に異常を生じないこと。
ニ 充電部と非充電部との間の絶縁抵抗は、直流500ボルトの絶縁抵抗計で測定した値が5メガオーム以上であること。
ホ 充電部と非充電部との間の絶縁耐力は、50ヘルツ又は60ヘルツの正弦波に近い実効電圧500ボルト(定格電圧が60ボルトを超え150ボルト以下のものにあっては1000ボルト、定格電圧が150ボルトを超えるものにあっては定格電圧に2を乗じて得た値に1000ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、1分間これに耐えること。
ヘ 音響装置のうち、火災表示又はガス漏れ表示に係る音響に用いるものにあっては、当該表示に係る音響を優先して発し、かつ、他の音響と識別できるものであること。
二 電磁継電器
イ 密閉型以外のものには、接点及び可動部にほこりがたまらないようにカバーを設けること。
ロ 接点は、金及び銀の合金又はこれと同等以上の性能を有する材料を用い、外部負荷と兼用しないこと。
三 電源変圧器
イ 産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項に定める日本産業規格(以下「JIS」という。)C6436に準ずること。
ロ 容量は、最大使用電流に連続して耐えること。
四 表示灯
イ 電球は、使用される回路の定格電圧の130パーセントの交流電圧を20時間連続して加えた場合、断線、著しい光束変化、黒化又は著しい電流の低下を生じないこと。
ロ 電球を2以上並列に接続すること。ただし、放電灯又は発光ダイオードを用いるものにあっては、この限りでない。
ハ 周囲の明るさが300ルックスの状態において、前方3メートル離れた地点で点灯していることを明確に識別することができること。
五 スイッチ
イ 確実かつ容易に作動し、停止点が明確であること。
ロ 接点は、腐食するおそれがなく、かつ、その容量は、最大使用電流に耐えること。
六 指示電気計器
イ JISC1102—1及びC1102—2に準ずること。
ロ 電圧計の最大目盛りは、使用される回路の定格電圧の140パーセント以上200パーセント以下であること。
七 ヒューズ JISC6575—1及びC6575—2又はJISC8352に準ずること。
八 予備電源
イ 密閉型蓄電池であること。
ロ 主電源が停止したときは主電源から予備電源に、主電源が復旧したときは予備電源から主電源に自動的に切り替える装置を設けること。
ハ 最大消費電流に相当する負荷を加えたときの電圧を容易に測定することができる装置を設けること。
ニ 口出線は、色分けするとともに、誤接続防止のための措置を講ずること。
ホ 容量は、次に掲げる予備電源の区分に応じ、次に定める容量以上であること。
(1) P型受信機用又はR型受信機用の予備電源 監視状態を60分間継続した後、2の警戒区域(P型受信機で警戒区域の回線が一のものにあっては、一の警戒区域)の回線を作動させることができる消費電流(地区音響装置を接続している受信機にあっては、当該消費電流に、当該受信機に接続されるすべての地区音響装置を同時に鳴動させることができる消費電流及び消火設備等から設備作動信号を終端器に至る信号回路の回線を介して受信する機能(以下「設備作動受信機能」という。)を有するものにあっては、当該機能を維持することができる消費電流を加えたもの)を十分間継続して流すことができる容量(当該消費電流が監視状態の消費電流を下回る場合にあっては、監視状態の消費電流を十分間継続して流すことができる容量)
(2) M型受信機用の予備電源 監視状態を60分間継続した後、2個のM型発信機を作動させることができる消費電流(監視状態の消費電流を下回る場合にあっては、監視状態の消費電流)を十分間継続して流すことができる容量
(3) G型受信機用の予備電源 2回線を1分間有効に作動させ、同時にその他の回線を1分間監視状態にすることができる容量
(4) GP型受信機用又はGR型受信機用の予備電源 (1)に定める容量及び(3)に定める容量を合わせた容量
ヘ 本体の外部に設けるものは、不燃性又は難燃性の箱に収納し、本体との間の配線は、耐熱電線を用いること。
九 送受話器 確実に作動し、かつ、耐久性を有すること。
(附属装置)
第5条 受信機には、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある附属装置を設けてはならない。
(火災表示、注意表示及びガス漏れ表示)
第6条 受信機(2信号式受信機、アナログ式受信機及びG型受信機を除く。)は、火災信号又は火災表示信号を受信したとき、赤色の火災灯及び主音響装置により火災の発生を、地区表示装置により当該火災の発生した警戒区域をそれぞれ自動的に表示し、かつ、地区音響装置を自動的に鳴動させるものでなければならない。
2 2信号式受信機は、2信号式の機能を有する警戒区域の回線からの火災信号(感知器からのものに限る。)を受信したときにあっては次に定めるところにより、当該回線以外からの火災信号(当該回線の発信機からの火災信号を含む。)を受信したときにあっては前項に定めるところによりそれぞれ火災表示をするものでなければならない。
一 火災信号を受信したとき、主音響装置又は副音響装置により火災の発生を、地区表示装置により当該火災の発生した警戒区域をそれぞれ自動的に表示すること。
二 前号の表示中に当該警戒区域の感知器からの異なる火災信号を受信したとき、同号の表示(副音響装置による火災の発生の表示を除く。)を継続するとともに、赤色の火災灯及び主音響装置(同号において副音響装置が火災の発生を表示している場合の主音響装置に限る。)により火災の発生を自動的に表示し、かつ、地区音響装置を自動的に鳴動させること。
3 アナログ式受信機は、火災情報信号のうち注意表示をする程度に達したものを受信したときにあっては注意灯及び注意音響装置により異常の発生を、地区表示装置により当該異常の発生した警戒区域をそれぞれ自動的に表示し、火災信号、火災表示信号又は火災情報信号のうち火災表示をする程度に達したものを受信したときにあっては赤色の火災灯及び主音響装置により火災の発生を、地区表示装置により当該火災の発生した警戒区域をそれぞれ自動的に表示し、かつ、地区音響装置を自動的に鳴動させるものでなければならない。
4 G型受信機、GP型受信機及びGR型受信機は、ガス漏れ信号を受信したとき、黄色のガス漏れ灯及び主音響装置によりガス漏れの発生を、地区表示装置により当該ガス漏れの発生した警戒区域をそれぞれ自動的に表示するものでなければならない。
5 第1項、第2項(第1号を除く。)及び第3項の火災表示は、手動で復旧しない限り、表示状態を保持するものでなければならない。ただし、P型3級受信機及びGP型3級受信機にあっては、この限りでない。
6 GP型受信機及びGR型受信機の地区表示装置は、火災の発生した警戒区域とガス漏れの発生した警戒区域とを明確に識別することができるように表示するものでなければならない。
(火災表示及びガス漏れ表示の特例)
第6条の2 前条第1項及び第4項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる装置を当該各号に掲げる受信機に設けず、又は接続しないことにより、当該装置に係る同条第1項の火災表示又は同条第4項のガス漏れ表示を行わないことができる。
一 火災灯 P型受信機(接続することができる回線の数が2以上のP型1級受信機を除く。)
二 火災の発生に係る地区表示装置 接続することができる回線の数が一のP型受信機及びGP型受信機(P型受信機の機能としての接続することができる回線の数が1であるものに限る。)
三 ガス漏れの発生に係る地区表示装置 接続することができる回線の数が一のG型受信機並びにGP型受信機及びGR型受信機(それぞれG型受信機の機能としての接続することができる回線の数が1であるものに限る。)
四 地区音響装置 接続することができる回線の数が一のP型2級受信機、P型3級受信機、M型受信機、GP型2級受信機(P型2級受信機の機能としての接続することができる回線の数が1であるものに限る。)及びGP型3級受信機
(受信機の設備作動受信機能)
第6条の3 受信機に設備作動受信機能を設けるもののうち、消火設備等の作動表示を行うものは、次に定める機能を有するものでなければならない。
一 設備作動信号を受信したとき、作動区域表示装置により、当該信号を発した区域、装置の名称等を表示すること。
二 前号に定める信号を発した区域の表示は、第6条に定めるところによる火災表示、注意表示又はガス漏れ表示に係る警戒区域と識別できること。
(地区音響鳴動装置)
第6条の4 受信機において地区音響装置を鳴動させる装置(以下「地区音響鳴動装置」という。)は、次に定めるところによらなければならない。
一 ベル、ブザー等の音響による警報を発する地区音響装置に係る地区音響鳴動装置にあっては、地区音響装置を確実に鳴動させる機能を有すること。
二 スピーカー等の音声による警報を発する地区音響装置に係る地区音響鳴動装置にあっては、次によること。
イ 再生部は、次によること。
(1) 増幅器の最大出力電圧値は、1キロヘルツの正弦波を定格電圧で入力した場合、定格出力電圧値の90パーセント以上110パーセント以下とすること。
(2) 地区音響装置は明瞭に鳴動させることができること。
ロ 音声による警報の鳴動は、次によること。
(1) 火災信号(発信機からの火災信号を除く。)又は火災表示信号を受信したとき、自動的に感知器が作動した旨の警報(以下「感知器作動警報」という。)を発すること。
(2) 火災情報信号のうち火災表示をする程度に達した旨の信号を受信したとき、自動的に感知器作動警報又は火災である旨の警報(以下「火災警報」という。)を発すること。
(3) 発信機からの火災信号を受信したとき又は第6条第2項第1号の表示中に感知器からの火災信号若しくは火災表示信号を受信したとき、自動的に火災警報を発すること。
(4) 感知器作動警報の作動中に火災信号、火災表示信号若しくは火災情報信号のうち火災表示をする程度に達した旨の信号を受信したとき又は一定時間が経過したとき、自動的に火災警報を発すること。
(5) 火災の発生を確認した旨の信号を受信することができるものにあっては、当該信号を受信したとき、自動的に火災警報を発すること。
ハ 音声による警報は、音声のほか警報音によることとし、その構成は次によること。
(1) 感知器作動警報は、第1警報音、音声、1秒間の無音状態の順に連続するものを反復するものであること。
(2) 火災警報は、第1警報音、音声、1秒間の無音状態、第1警報音、音声、1秒間の無音状態、第2警報音の順に連続するものを反復するものであること。
ニ 警報音は、次によること。
(1) 基本波形は、1周期に対する立ち上がり時間の比が0・2以下ののこぎり波であること。
(2) 第1警報音は、周波数740ヘルツの音が0・5秒間鳴動した後に、周波数494ヘルツの音が0・5秒間鳴動するものを3回反復するものであること。
(3) 第2警報音は、周波数300ヘルツから2キロヘルツまで0・5秒間で掃引させた音が0・5秒間隔で3回鳴動した後に、1・5秒間の無音状態となるものを3回反復するものであること。
(4) 包絡線は、第1警報音にあっては立ち上がり時間0・1秒間及び立ち下がり時間0・4秒間の形状とし、第2警報音にあっては矩形とすること。
ホ 音声は、次によること。
(1) 感知器作動警報に係る音声は、女声によるものとし、火災報知設備の感知器が作動した旨の情報又はこれに関連する内容を周知するものであること。
(2) 火災警報に係る音声は、男声によるものとし、火災が発生した旨の情報又はこれに関連する内容を周知するものであること。
三 感知器作動警報及び火災警報以外の音声による情報を発する機能を設けるものにあっては、次によること。
イ 手動操作により情報を発すること。
ロ 情報は、第1警報音、音声、1秒間の無音状態の順に連続するものを反復するものであること。
ハ 音声は、女声によるものとし、火災報知設備等に係る情報又はこれに関連する内容を周知するものであること。
(受信機の最大負荷)
第7条 受信機は、次の各号に掲げる受信機の区分に応じ、当該各号に定める負荷に連続して耐える容量を有するものでなければならない。
一 P型受信機、R型受信機、GP型受信機又はGR型受信機 5の警戒区域(当該警戒区域からの信号を受信することができる警戒区域の数が5未満のものにあっては、受信することができる全警戒区域)の回線を作動させることができる負荷(地区音響装置を接続している受信機にあっては、当該負荷に、当該受信機に接続されるすべての地区音響装置を同時に鳴動させることができる負荷を加えたもの)又は監視状態にあるときの負荷のうちいずれか大きい方の負荷(設備作動受信機能を有するものにあっては、当該機能を維持することができる負荷を加えた負荷)
二 M型受信機 5個のM型発信機を作動させることができる負荷又は監視状態にあるときの負荷のうちいずれか大きい方の負荷
三 G型受信機 5回線(接続することができる回線の数が5未満のものにあっては、全回線)を作動させることができる負荷又は監視状態にあるときの負荷のうちいずれか大きい方の負荷
(P型受信機の機能)
第8条 P型1級受信機の機能は次に定めるところによらなければならない。
一 火災表示の作動を容易に確認することができる装置(以下「火災表示試験装置」という。)及び終端器に至る信号回路の導通を回線ごとに容易に確認することができる装置(以下「導通試験装置」という。)による試験機能を有し、かつ、これらの装置の操作中に他の警戒区域からの火災信号又は火災表示信号を受信したとき、火災表示をすることができること。ただし、接続することができる回線の数が一のものにあっては、導通試験装置による試験機能を有しないことができる。
二 次に掲げる場合に発せられる信号を受信したとき、音響装置及び故障表示灯が自動的に作動すること。
イ 火災信号、火災表示信号又は火災情報信号を受信する信号回路の回線以外から電力を供給される感知器又は中継器から、これらの電力の供給が停止した旨の信号を受信した場合
ロ 受信機又は他の中継器から電力を供給される方式の中継器から外部負荷に電力を供給する回路において、ヒューズ、ブレーカその他の保護装置が作動した場合
ハ 受信機又は他の中継器から電力を供給されない方式の中継器の主電源が停止した場合及び当該中継器から外部負荷に電力を供給する回路において、ヒューズ、ブレーカその他の保護装置が作動した場合
三 火災信号又は火災表示信号の受信開始から火災表示(地区音響装置の鳴動を除く。)までの所要時間は、5秒以内であること。
四 2回線から火災信号又は火災表示信号を同時に受信したとき、火災表示をすることができること。
五 P型1級発信機(感知器等規格省令第2条第21号に規定するもので、同令第32条各号に適合するものをいう。)を接続する受信機(接続することができる回線の数が一のものを除く。)にあっては、発信機からの火災信号を受信した旨の信号を当該発信機に送ることができ、かつ、火災信号の伝達に支障なく発信機との間で電話連絡をすることができること。
六 T型発信機(感知器等規格省令第2条第22号に規定するものをいう。)を接続する受信機にあっては、2回線以上が同時に作動したとき、通話すべき発信機を任意に選択することができ、かつ、遮断された回線におけるT型発信機に話中音が流れるものであること。
七 蓄積式受信機にあっては、蓄積時間は5秒を超え60秒以内とし、発信機からの火災信号を検出したときは蓄積機能を自動的に解除すること。
八 2信号式受信機にあっては、2信号式の機能を有する警戒区域の回線に蓄積機能を有しないこと。
2 P型2級受信機の機能は、前項第2号から第4号まで並びに第7号及び第8号に定めるところによるほか、次に定めるところによらなければならない。
一 接続することができる回線の数は5以下であること。
二 火災表示試験装置による試験機能を有し、かつ、この装置の操作中に他の回線からの火災信号又は火災表示信号を受信したとき、火災表示をすることができること。
3 P型3級受信機の機能は、第1項第2号、第3号及び第7号に定めるところによるほか、次に定めるところによらなければならない。
一 接続することができる回線の数は1であること。
二 火災表示試験装置による試験機能を有すること。
(R型受信機の機能)
第9条 R型受信機(アナログ式受信機を除く。)の機能は、前条第1項第2号から第7号までに定めるところによるほか、火災表示試験装置並びに終端器に至る外部配線の断線及び受信機から中継器(感知器からの火災信号を直接受信するものにあっては、感知器)に至る外部配線の短絡を検出することができる装置による試験機能を有し、かつ、これらの装置の操作中に他の警戒区域からの火災信号又は火災表示信号を受信したとき、火災表示をすることができるものでなければならない。
2 アナログ式のR型受信機の機能は、前条第1項第2号及び第5号から第8号までに定めるところによるほか、次に定めるところによらなければならない。
一 火災表示試験装置、注意表示試験装置(注意表示の作動を容易に確認することができる装置をいう。)並びに終端器に至る外部配線の断線及び受信機から中継器(感知器からの火災信号又は火災情報信号(火災表示をする程度に達したものに限る。以下この号、第3号及び第4号において同じ。)を直接受信するものにあっては、感知器)に至る外部配線の短絡を検出することができる装置による試験機能を有し、かつ、これらの装置の操作中に他の警戒区域からの火災信号、火災表示信号又は火災情報信号を受信したとき、火災表示をすることができること。
二 火災情報信号(注意表示をする程度に達したものに限る。)の受信開始から注意表示までの所要時間は、5秒以内であること。
三 火災信号、火災表示信号又は火災情報信号の受信開始から火災表示(地区音響装置の鳴動を除く。)までの所要時間は、5秒以内であること。
四 2の警戒区域の回線から火災信号、火災表示信号又は火災情報信号を同時に受信したとき、火災表示をすることができること。
五 アナログ式の機能を有する警戒区域の回線は、2信号式の機能を有しないこと。
3 R型受信機の機能は、前2項に定めるところによるほか、火災信号、火災表示信号又は火災情報信号にあっては地区表示装置に表示する警戒区域、設備作動信号にあっては作動区域表示装置に表示する区域、装置の名称等の回線との対応を確認することができるものでなければならない。
(M型受信機の機能)
第10条 M型受信機の機能は、次に定めるところによらなければならない。
一 火災表示試験装置並びにM型発信機(感知器等規格省令第2条第15号に規定するものをいう。以下同じ。)に至る外部配線の抵抗及び当該外部配線と大地との間の絶縁抵抗の測定をすることができる装置による試験機能を有し、かつ、これらの装置の操作中に他の回線からの火災信号を受信したとき、火災表示をすることができること。
二 M型発信機の正常な発信を不能にするおそれのある主電源の電圧の降下又はM型発信機に至る外部配線の断線若しくは地絡を生じたとき、音響装置及び故障表示灯が自動的に作動すること。
三 M型発信機の発信開始から火災表示までの所要時間(記録式のM型受信機を用いるものにあっては、同一の信号を2回記録するまでの所要時間)は、20秒以内であること。
四 前号の所要時間が10秒以内であるものを除き、3個以上のM型発信機が同時に作動した場合、無干渉かつ逐次に火災表示をすることができること。
五 M型発信機からの火災信号を受信した旨の信号を当該発信機に送るものであること。
六 火災信号の伝達に支障なくM型発信機との間で電話連絡をすることができること。
七 ぜんまいを使用するものにあっては、ぜんまいが緩み切る前にその旨を報知する音響装置が自動的に作動すること。
八 火災信号を受信したとき、火災の発生した地区を自動的に表示するものにあっては、3以上の地区表示をすることができること。
(G型受信機の機能)
第11条 G型受信機の機能は、次に定めるところによらなければならない。
一 ガス漏れ表示の作動を容易に確認することができる装置による試験機能を有し、かつ、この装置の操作中に他の回線からのガス漏れ信号を受信したとき、ガス漏れ表示をすることができること。
二 終端器に至る信号回路の導通を回線ごとに容易に確認することができる装置による試験機能を有し、かつ、この装置の操作中に他の回線からのガス漏れ信号を受信したとき、ガス漏れ表示をすることができること。ただし、接続することができる回線の数が5以下のもの及び検知器の電源の停止が受信機において分かる装置を有するものにあっては、この限りでない。
三 2回線からガス漏れ信号を同時に受信したとき、ガス漏れ表示をすることができること。
四 次に掲げる場合に発せられる信号を受信したとき、音響装置及び故障表示灯が自動的に作動すること。
イ 検知器、受信機又は他の中継器から電力を供給される方式の中継器から外部負荷に電力を供給する回路において、ヒューズ、ブレーカその他の保護装置が作動した場合及び当該中継器のうちガス漏れ信号を発する信号回路の回線以外から電力を供給されるものの電力の供給が停止した場合
ロ 検知器、受信機又は他の中継器から電力を供給されない方式の中継器の主電源が停止した場合及び当該中継器から外部負荷に電力を供給する回路において、ヒューズ、ブレーカその他の保護装置が作動した場合
五 ガス漏れ信号の受信開始からガス漏れ表示までの所要時間は、60秒以内であること。
(GP型受信機の機能)
第12条 第8条第1項及び前条の規定は、GP型1級受信機の機能について準用する。
2 第8条第2項及び前条の規定は、GP型2級受信機の機能について準用する。
3 第8条第3項及び前条の規定は、GP型3級受信機の機能について準用する。
(GR型受信機の機能)
第13条 第9条及び第11条の規定は、GR型受信機の機能について準用する。
(無線式受信機の機能)
第13条の2 無線式受信機の機能は、次に定めるところによるほか、P型受信機であるものにあっては第8条の規定を、R型受信機であるものにあっては第9条の規定を、GP型受信機であるものにあっては第12条の規定を、GR型受信機であるものにあっては前条の規定を、それぞれ準用する。
一 無線設備は、無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)の第49条の17に規定する小電力セキュリティシステムの無線局の無線設備であること。
二 電波を発信する機能を有するものにあっては、次によること。
イ 発信される信号の電界強度の値は、当該受信機から3メートル離れた位置において設計値以上であること。
ロ 他の機器と識別できる信号を発信すること。
三 電波を受信する機能を有するものにあっては、受信感度(無線式受信機から3メートル離れた位置から発信される信号を受信できる最低の電界強度の値をいう。以下同じ。)の値が設計値以下であること。
四 次に掲げる場合に、音響装置及びその旨の表示灯が自動的に作動すること。
イ 無線式感知器、無線式中継器、無線式発信機又は受信機との間の信号を無線により発信し、若しくは受信する地区音響装置(以下「無線式感知器等」という。)が発する異常である旨の信号を受信した場合又は無線式感知器等が発信する信号が受信感度以下となった場合
ロ 電池を用いる無線式感知器等における電圧が当該無線式感知器等を有効に作動できる電圧の下限値となった場合
五 無線式感知器等の無線設備の発信状態を手動で確認することができる装置を設けるものにあっては、当該装置の操作中に現に確認している警戒区域以外の警戒区域からの火災信号、火災表示信号又は火災情報信号を受信したとき、火災表示をすることができるものであること。
(受信機の自動試験機能等)
第13条の3 受信機に中継器規格省令第2条第12号に規定する自動試験機能又は同条第13号に規定する遠隔試験機能(以下「自動試験機能等」という。)を設けるものにあっては、次に定めるところによらなければならない。
一 自動試験機能等に係る制御機能は、次によること。
イ 作動条件値(異常の有無の判定を行う基準となる数値、条件等をいう。以下同じ。)は、設計範囲外に設定及び容易に変更できないこと。
ロ 作動条件値を変更できるものにあっては、設定値を確認できること。
二 自動試験機能等による試験中に、他の警戒区域の回線からの火災信号、火災表示信号又は火災情報信号を的確に受信すること。
2 受信機に自動試験機能を設けるものにあっては、次に定めるところによらなければならない。
一 予備電源に係る機能を確認する装置は、次によること。
イ 第4条第8号ロに規定する装置の作動状況を容易に確認することができること。
ロ 予備電源に異常が生じた場合、音響装置及び表示灯が自動的に作動すること。
二 火災信号、火災表示信号又は火災情報信号を中継器を介して受信するものの火災表示試験装置及び注意表示試験装置は、当該中継器を介して発する火災信号、火災表示信号又は火災情報信号(火災表示又は注意表示をする程度に達したものに限る。)を受信することにより火災表示又は注意表示の作動を確認できるものであること。
三 導通試験装置又は第9条第1項若しくは第2項第1号に規定する終端器に至る外部配線の断線及び受信機から中継器に至る外部配線の短絡を検出することができる装置は、外部配線に異常が生じたとき、音響装置及び表示灯が自動的に作動すること。
四 次に掲げる事項が生じたとき、音響装置及び表示灯が自動的に作動すること。
イ 受信機から中継器に至る電力の供給に係る電路の断線又は短絡
ロ 第3条第12号に規定するヒューズ、ブレーカその他の保護装置の作動
ハ 主電源及び主回路の電圧並びに感知器又は中継器に供給する電力の異常
ニ 信号処理装置又は中央処理装置の異常
五 次に掲げる事項が生じたとき、168時間以内に音響装置及び表示灯が自動的に作動すること。
イ 自動試験機能等対応型感知器(感知器等規格省令第2条第19号の3に規定するものをいう。以下同じ。)に係る機能の異常
ロ 地区音響装置を接続する回線に係る電路の断線又は短絡
六 中継器から次に掲げる場合に発せられる信号を受信したとき、音響装置及び表示灯が自動的に作動すること。
イ 感知器又は他の中継器に至る電力の供給に係る電路及び地区音響装置を接続する回線に係る電路の断線又は短絡が生じた場合
ロ 外部負荷に電力を供給する回路において、ヒューズ、ブレーカその他の保護装置が作動した場合
ハ 主電源及び主回路の電圧並びに感知器又は他の中継器に供給する電力に異常を生じた場合
ニ 信号処理装置又は中央処理装置に異常を生じた場合
ホ 自動試験機能等対応型感知器の機能に異常が生じた場合
ヘ 中継器から終端器に至る外部配線の断線又は短絡が生じた場合
七 前各号に定める作動を行ったとき、当該表示の状態に関係なく、その内容を記録又は保持すること。
3 受信機に遠隔試験機能を設けるものにあっては、次に定めるところによらなければならない。
一 自動試験機能等対応型感知器の機能に異常が生じたとき、遠隔試験機能により当該感知器の異常を容易に検出することができるものであること。この場合において、受信機に外部試験器(遠隔試験機能の一部の機能を有する装置をいう。以下同じ。)を接続することにより、機能の確認を行う方式のものにあっては、当該装置を操作したときに異常を確認することができる機能を含むものとすること。
二 外部試験器を受信機に接続する場合にあっては、次に掲げる措置を講ずること。
イ 外部試験器を受信機に接続した場合、当該受信機の機能(現に試験している警戒区域の回線に係る機能を除く。)に有害な影響を与えない措置
ロ 外部試験器を受信機に接続した状態が継続した場合、点滅する注意灯その他によって当該受信機の前面において確認ができる措置又は当該受信機の機能に有害な影響を与えない措置
(電源電圧変動試験)
第14条 受信機は、次の各号に掲げる電源の電圧が当該各号に定める範囲内で変動した場合、機能に異常を生じないものでなければならない。
一 主電源 定格電圧の90パーセント以上110パーセント以下
二 予備電源 定格電圧の85パーセント以上110パーセント以下
(周囲温度試験)
第15条 受信機は、周囲の温度が零度以上40度以下の場合、機能に異常を生じないものでなければならない。
(繰返し試験)
第16条 火災報知設備に使用する受信機にあっては火災表示の作動を、ガス漏れ火災警報設備に使用する受信機にあってはガス漏れ表示の作動をそれぞれ定格電圧で1万回繰り返した場合、構造又は機能に異常を生じないものでなければならない。
(絶縁抵抗試験)
第17条 充電部と金属製外箱との間及び電源変圧器の線路相互の間の絶縁抵抗は、直流500ボルトの絶縁抵抗計で測定した値が5メガオーム(接続することができる回線の数が10以上の受信機の充電部と金属製外箱との間にあっては、1回線当たり50メガオーム)以上でなければならない。
(絶縁耐力試験)
第18条 充電部と金属製外箱との間及び電源変圧器の線路相互の間の絶縁耐力は、50ヘルツ又は60ヘルツの正弦波に近い実効電圧500ボルト(定格電圧が60ボルトを超え150ボルト以下のものにあっては1000ボルト、定格電圧が150ボルトを超えるものにあっては定格電圧に2を乗じて得た値に1000ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、1分間これに耐えるものでなければならない。
(衝撃電圧試験)
第19条 受信機(外部配線を有さない無線式受信機を除く。)は、通電状態において、次に掲げる試験を15秒間行った場合、機能に異常を生じないものでなければならない。
一 内部抵抗50オームの電源から500ボルトの電圧をパルス幅1マイクロ秒、繰返し周期100ヘルツを加える試験
二 内部抵抗50オームの電源から500ボルトの電圧をパルス幅0・1マイクロ秒、繰返し周期100ヘルツで加える試験
三 音響装置を接続する端子に、内部抵抗600オームの電源から220ボルトの電圧をパルス幅1ミリ秒、繰返し周期100ヘルツで加える試験
(電磁波試験)
第19条の2 無線式受信機は、通電状態において、1メートル当たり10ボルトの電界強度で、周波数1キロヘルツの正弦波によって80パーセントの振幅変調をし、並びに周波数を80メガヘルツから1ギガヘルツまで及び1・4ギガヘルツから2ギガヘルツまでの周波数範囲をそれぞれ0・0015デイケード毎秒以下の速度で変化させた電磁波を照射した場合において、火災表示をせず、かつ、機能に異常を生じないものでなければならない。
(試験の条件)
第20条 第17条及び第18条に定める受信機の試験は、次に掲げる条件の下で行わなければならない。
一 温度5度以上35度以下
二 相対湿度45パーセント以上85パーセント以下
(表示)
第21条 受信機には、次の各号に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。この場合において、第6号、第13号及び第14号に掲げる事項については、ケースに入れた下げ札に表示することができる。
一 受信機という文字
二 型式及び型式番号
三 製造年
四 製造番号
五 製造事業者の氏名又は名称
六 取扱方法の概要
七 接続することができる回線の数又は感知器、発信機、検知器及び中継器の数
八 主電源の定格電圧及び定格電流
九 予備電源がある場合は、蓄電池の製造事業者の氏名又は名称、種別、型名又は型番号、定格容量及び定格電圧
十 終端器を接続するものにあっては、終端器の種別及び型名又は型番号
十一 蓄積式のものにあっては、公称蓄積時間
十二 アナログ式受信機にあっては、次に掲げる事項
イ 公称受信温度範囲又は公称受信濃度範囲
ロ 当該受信機において火災情報信号を受信するアナログ式感知器の種別、設定表示温度等及び消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条第7項の規定により例によることとされる感知器の種別
十三 自動試験機能を有する受信機にあっては、次に掲げる事項
イ 自動試験機能に係る火災報知設備のシステム概念図
ロ 自動試験機能等対応型感知器の種別及び個数並びに取扱い方法(感知器に係る自動試験機能等を有する中継器を接続するものにあっては、当該中継器の型式番号)
十四 遠隔試験機能を有する受信機にあっては、次に掲げる事項
イ 遠隔試験機能に係る火災報知設備のシステム概念図
ロ 自動試験機能等対応型感知器の種別及び個数並びに取扱い方法
ハ 外部試験器を接続するものにあっては、当該外部試験器の型名又は型番号
十五 無線式受信機にあっては、次に掲げる事項
イ 無線式という文字
ロ 発信又は受信可能な無線式感知器、無線式中継器又は無線式発信機の型式番号
2 G型受信機、GP型受信機及びGR型受信機にあっては、前項に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。
一 標準遅延時間
二 入力信号及び出力信号の種類
3 次の各号に掲げる部品には部品記号及び当該各号に掲げる事項を、その他の部品には部品記号を見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。
一 端子板 端子記号(電源用又は音響装置用の端子にあっては、端子記号、交流又は直流の別、定格電圧及び定格電流)
二 スイッチその他の操作部 「開、閉」その他の操作表示及び使用方法
三 ヒューズホルダ 使用するヒューズの定格電流
四 音響装置 交流又は直流の別、定格電圧、定格電流、製造年及び製造事業者の氏名又は名称
(基準の特例)
第22条 新たな技術開発に係る受信機について、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。
附則
1 この省令は、昭和56年7月1日から施行する。
2 この省令施行の際、現に日本消防検定協会の行う消防用機械器具等についての試験を申請している受信機に係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令施行の際、現に火災報知設備に係る技術上の規定を定める省令(昭和44年自治省令第4号)の規格による型式承認を受けている受信機に係る型式承認及び前項により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた受信機に係る型式承認は、この省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (昭和59年7月20日自治省令第20号)
1 この省令は、昭和59年10月1日から施行する。
2 この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う消防用機械器具等についての試験を申請している受信機に係る試験については、なお従前の例による。
附則 (昭和62年3月18日自治省令第7号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成5年1月29日自治省令第5号)
1 この省令は、平成5年2月1日から施行する。
2 この省令の施行の際は、現に型式承認を受けている受信機に係る型式承認は、改正後の受信機に係る技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成7年9月13日自治省令第29号)
1 この省令は、平成7年10月1日から施行する。
2 この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している受信機に係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際、現に型式承認を受けている受信機に係る型式承認及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた受信機に係る型式承認は、改正後の受信機に係る技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成9年4月23日自治省令第25号)
1 この省令は、平成9年5月1日から施行する。
2 この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している受信機に係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際、現に型式承認を受けている受信機に係る型式承認及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた受信機に係る型式承認は、改正後の受信機に係る技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成12年9月14日自治省令第44号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成19年3月26日総務省令第32号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している受信機に係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際、現に型式承認を受けている受信機に係る型式承認及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた受信機に係る型式承認は、改正後の受信機に係る技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成21年3月9日総務省令第18号)
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際、現に型式承認を受けている受信機に係る型式承認は、改正後の受信機に係る技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (令和元年6月28日総務省令第19号)
この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。