じんじいんきそく10-8(せんいんであるしょくいんにかかるほけんおよびあんぜんほじのとくれい)
船員である職員に係る保健及び安全保持の特例
昭和55年人事院規則10—8
人事院は、国家公務員法に基づき、船員である職員に係る保健及び安全保持の特例に関し次の人事院規則を制定する。
(趣旨)
第1条 船員法(昭和22年法律第100号)第1条に規定する船員(予備船員を除く。)である職員(以下「船員」という。)の保健及び安全保持については、規則10—4(職員の保健及び安全保持)に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。
(船医)
第2条 各省各庁の長(船員の所属する各省各庁の長をいう。以下同じ。)は、人事院の定める要件を具備する船舶には、医師を乗り組ませなければならない。ただし、国内各港間を航行する場合その他人事院の定める場合は、この限りでない。
(船員危害防止主任者)
第3条 各省各庁の長は、船舶において行われる別表第1に掲げる業務については、当該業務に係る作業場ごとに、当該船舶に乗り組む船員で人事院の定める知識、経験又は技能を有するもののうちから船員危害防止主任者を指名し、人事院の定める危害防止に関する事務を行わせなければならない。
2 各省各庁の長は、特に必要があると認める場合には、別表第1に掲げる業務以外の業務についても、船員危害防止主任者を置き、危害防止に関し必要な事務を行わせるものとする。
3 船舶において行われる業務については、規則10—4第10条の規定は適用しない。
(実験等の場合の措置)
第4条 各省各庁の長は、船舶において実験、調査、観測等の業務が行われる場合において、船員の健康障害又は危険の防止のため必要があると認めるときは、当該実験等の実施の指揮に当たる者に対し、実験等の方法、日時の変更等適切な措置を求めなければならない。
(医薬品等の備付け)
第5条 各省各庁の長は、人事院の定めるところにより、船舶に医薬品その他の衛生用品又は医療書を備え付けなければならない。
(伝染病の予防等の措置)
第6条 各省各庁の長は、次の各号に掲げる場合には、船員に対する伝染病の予防のため、人事院の定める措置を講じなければならない。
一 船舶が人事院の定める伝染病が発生し、若しくは発生するおそれのある地域におもむく場合又は船舶が寄港している地域においてこれらの伝染病が発生した場合
二 船内で伝染病又はその疑いのある疫病が発生した場合
2 各省各庁の長は、船内で救急患者が発生した場合において、必要があると認めるときは、医療機関と緊密な連絡を保ち、その指示にしたがって適切な措置を講じなければならない。
3 前2項の規定による措置については、記録を作成しなければならない。
(就業禁止)
第7条 各省各庁の長は、伝染性疾患にかかり、若しくは伝染性疾患の病原体を保有している船員について他の船員への伝染を防止するため、又は心身に故障を生じた船員について自身を傷つけ、若しくは他の船員に害を及ぼすことを防止するため必要があると認めるときは、その者を業務に就かせてはならない。
2 規則10—4第24条第3項の規定は、前項の場合について準用する。
(有害業務に係る措置)
第8条 各省各庁の長は、船舶において行われる別表第2に掲げる業務については、人事院の定める健康障害を防止するための措置を講じなければならない。
2 各省各庁の長は、前項の業務以外の業務で船員の健康障害を生ずるおそれのあるものの有無について随時調査し、船員の健康障害を防止するため必要があると認めるときは、適切な措置をとるものとする。
3 船舶において行われる業務については、規則10—4第16条の規定は適用しない。
(危害のおそれの多い業務の従事者)
第9条 各省各庁の長は、人事院の定める免許、資格等を有する船員でなければ、船舶において行われる別表第3に掲げる業務に従事させてはならない。
2 船舶において行われる業務については、規則10—4第30条の規定は適用しない。
(設備等についての規則10—4の適用除外)
第10条 船舶安全法(昭和8年法律第11号)の適用を受ける船舶に用いられる設備等については、規則10—4第31条から第33条までの規定は、適用しない。
(経過措置)
第11条 昭和55年8月8日までの間は、別表第3第5号から第11号までに掲げる業務(制限荷重が5トン以上の揚貨装置の運転の業務を除く。)については、第9条の規定にかかわらず、同条に規定する船員以外の船員を当該業務に従事させることができる。
第12条 昭和55年2月9日に航行中の船舶に乗り組んでいる船員の保健及び安全保持については、当該船舶が帰港するまでの間、なお従前の例による。
附則 (平成13年7月2日人事院規則10—8—1)
この規則は、公布の日から施行する。
別表第1 船員危害防止主任者を指名すべき業務(第3条関係)
一 ボイラー(小型ボイラーを除く。)の取扱いの業務
二 第1種圧力容器(小型圧力容器及び人事院の定めるその他の圧力容器を除く。)の取扱いの業務
三 可燃性のガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の業務
四 つり足場、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の業務
五 空気中の酸素の濃度が18パーセント未満になるおそれのある場所における業務
六 電路又はその支持物の点検、修理等の電気工事の業務で人事院の定めるもの
七 潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務
八 火薬類の取扱いの業務
九 床面から2メートル以上の墜落のおそれのある場所における業務
十 げん外に身体の重心を移して行う業務
十一 揚貨装置等の取扱いの業務
十二 着氷除去の業務
十三 引火性液体類等の取扱い等の業務
十四 船内くん蒸の業務
十五 多数の者に対して行う給食業務
備考 この表において「ボイラー」、「小型ボイラー」、「第1種圧力容器」及び「小型圧力容器」とは、次に定めるものをいう。別表第3においても、同様とする。
一 ボイラー 規則10—4別表第1備考第1号のボイラーをいう。
二 小型ボイラー 規則10—4別表第1備考第2号のボイラーをいう。
三 第1種圧力容器 規則10—4別表第1備考第3号の容器をいう。
四 小型圧力容器 規則10—4別表第1備考第4号の容器をいう。
(昭和58年10月1日施行)
別表第2 有害業務(第8条関係)
一 潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務
二 人体に有害な塗料又は溶剤を使用して行う塗装又は塗装の剥離の業務
三 溶接、溶断又は加熱の業務
四 酸素の量又は人体に有害な気体の検知の業務
五 酸素の量が欠乏し、又は人体に有害な気体が発生するおそれのある場所で行う業務
六 粉じんを著しく発散する場所で行う業務
七 高温状態で熱射又は日射を受けて行う業務
八 水又は著しく湿潤な空気にさらされて行う業務
九 低温状態で行う業務
十 騒音又は振動の激しい業務
十一 油タンクの清掃等の業務
十二 船内くん蒸の業務
十三 4アルキル鉛又は加鉛ガソリンの取扱いの業務
別表第3 特別の免許、資格等を必要とする業務(第9条関係)
一 ボイラー(小型ボイラーを除く。)の取扱いの業務
二 潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務
三 可燃性のガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の業務
四 空気中の酸素の濃度が18パーセント未満になるおそれのある場所における業務
五 電路又はその支持物の点検、修理等の電気工事の業務で人事院の定めるもの
六 揚貨装置又は陸上のクレーン若しくはデリックの玉掛けの業務
七 揚貨装置等の運転の業務
八 びよう鎖等を海中に送入し若しくは巻き上げる機械の操作又はびよう鎖等の送入若しくは巻上げの人力による調整の業務
九 運転中の機械又は動力伝導装置の運動している部分の注油、掃除、修理若しくは検査又は運動している調帯の掛換えの業務
十 切削又はせん孔用の工作機械の使用の業務
十一 床面から2メートル以上の墜落のおそれのある場所における業務
十二 げん外に身体の重心を移して行う業務
十三 危険物の状態、酸素の量又は人体に有害な気体の検知の業務
十四 圧縮又は液化による冷凍のための高圧ガスの製造の業務
(昭和58年10月1日施行)
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