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せきゆパイプラインじぎょうのじぎょうようしせつのぎじゅつじょうのきじゅんをさだめるしょうれい

石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令

昭和47年通商産業省・運輸省・建設省・自治省令第2号
石油パイプライン事業法(昭和47年法律第105号)第15条第3項第2号の規定に基づき、石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令を次のように制定する。

第1章 総則

(定義)
第1条 この省令において使用する用語は、石油パイプライン事業法(昭和47年法律第105号。以下「法」という。)および石油パイプライン事業法施行規則(昭和47年通商産業省・運輸省・建設省令第1号)において使用する用語の例による。
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 「道路」とは、次のイからニまでの一に該当するものをいう。
 道路法(昭和27年法律第180号)による道路
 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和39年法律第160号)、都市計画法(昭和43年法律第100号)、都市再開発法(昭和44年法律第38号)または新都市基盤整備法(昭和47年法律第86号)による道路
 港湾法(昭和25年法律第218号)第2条第5項第4号に規定する臨港交通施設である道路
 イからハまでに定めるもののほか、一般交通の用に供する幅員4メートル以上の道で自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定するものをいう。以下同じ。)の通行が可能なもの
 「河川」とは、河川法(昭和39年法律第167号)第4条第1項に規定する1級河川および同法第5条第1項に規定する2級河川ならびに同法第100条第1項に規定する河川をいう。
 「水路」とは、次のイからハまでの一に該当するものをいう。
 運河法(大正2年法律第16号)による運河
 下水道法(昭和33年法律第79号)による排水施設のうち開渠構造のもの
 イおよびロに定めるもののほか、告示で定める重要な水路
 「線路敷」とは、線路を敷設してある鉄道(新設軌道を含む。以下同じ。)用地または敷設するための鉄道用地をいう。
 「市街地」とは、次のイからハまでの一に該当する地域であって、都市計画法第8条第1項第1号に規定する工業専用地域以外の地域をいう。
 都市計画法第7条第2項に規定する市街化区域
 都市計画法第8条第1項第1号に規定する用途地域
 50ヘクタール以下のおおむね整形の土地の区域ごとに算定した場合における人口密度が1ヘクタール当たり40人以上である土地の区域が連たんしている土地の区域で当該区域内の人口が5000以上であるものおよびこれに接続する土地の区域で50ヘクタール以下のおおむね整形の土地の区域ごとに算定した場合における建築物の敷地その他これに類するものの面積の合計が当該区域の面積の3分の1以上であるもの
(事業用施設の設置場所)
第2条 事業用施設は、次の各号に掲げる場所に設置してはならない。
 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第40条に規定する都道府県地域防災計画または同法第42条に規定する市町村地域防災計画において定められている震災時のための避難空地
 鉄道および道路の隧道内
 高速自動車国道および自動車専用道路の車道、路肩および中央帯ならびに狭あいな道路
 河川区域および水路敷
 利水上の水源である湖沼、貯水池等
 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の規定により指定された急傾斜地崩壊危険区域
 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の規定により指定された地すべり防止区域および同法第4条第1項の規定により指定されたぼた山崩壊防止区域
 海岸法(昭和31年法律第101号)第2条に規定する海岸保全施設およびその敷地
2 前項の規定にかかわらず、前項第3号から第8号までに掲げる場所については、地形の状況その他特別の理由によりやむを得ない場合であって、かつ、保安上適切な措置を講ずる場合は、当該事業用施設を当該場所に設置することができる。
3 事業用施設を第1項第3号もしくは第4号に掲げる場所に横断して設置する場合または第8号に掲げる場所に架空横断して設置する場合は、第1項の規定は適用しない。
(特殊な設計による施設)
第3条 特別の理由により主務大臣の認可を受けた場合は、この省令の規定によらないで事業用施設を設置することができる。
2 前項の認可を受けようとするときは、その理由および設置方法を記載した申請書に関係図面を添附して申請しなければならない。
3 主務大臣は、第1項の申請に係る事業用施設の設置方法がこの省令で定める技術上の基準により確保されるものと同等以上の安全性を確保するものと認められる場合に限り、同項の認可を行なうものとする。

第2章 導管等

第1節 導管等の材料、構造等

(材料)
第4条 導管、管継手および弁(以下「導管等」という。)の材料は、告示で定める規格に適合するものまたはこれと同等以上の機械的性質を有するものでなければならない。
(導管等の構造)
第5条 導管等の構造は、輸送される石油の重量、導管等の内圧、導管等およびその附属設備の自重、土圧、水圧、列車荷重、自動車荷重、浮力等の主荷重ならびに風荷重、雪荷重、温度変化の影響、振動の影響、地震の影響、投錨による衝撃の影響、波浪および潮流の影響、設置時における荷重の影響、他工事による影響等の従荷重(以下この条において「主荷重等」という。)によって生ずる応力に対して安全なものでなければならない。
2 導管は、次の各号に定める基準に適合するものでなければならない。
 主荷重等によって生ずる導管(鋼製のものに限る。以下この項において同じ。)の円周方向応力度および軸方向応力度が当該導管の許容応力度をこえるものでないこと。
 導管の内圧によって生じる当該導管の円周方向応力度が当該導管の規格最小降伏点(導管の規格に最小降伏点の定めがないものにあっては、材料試験成績等により保証される降伏点とする。ただし、当該降伏点が、当該導管の材料の規格に定める引張強さの最小の値に0・6を乗じた値を超える場合にあっては、当該値とする。以下この条において同じ。)の40パーセント以下であること。
 主荷重等によって生じる導管の円周方向応力度、軸方向応力度および管軸に垂直方向のせん断応力度を合成した応力度が当該導管の規格最小降伏点の90パーセント以下であること。
 橋に設置する導管は、橋のたわみ、伸縮、振動等に対し安全な構造であること。
 導管の最小厚さは、告示で定める基準に適合するものであること。ただし、告示で定める方法により破損試験を行なったとき破損しないものは、この限りでない。
3 前項第1号の「許容応力度」とは、許容引張応力度、許容圧縮応力度、許容せん断応力度および許容支圧応力度をいう。この場合において、「許容引張応力度」および「許容圧縮応力度」とは導管の規格最小降伏点に告示で定める長手継手の継手効率を乗じた値を2・0で除した値(告示で定める場合にあっては、当該2・0で除した値に告示で定める割増係数を乗じた値)、「許容せん断応力度」とは許容引張応力度に0・6を乗じた値、「許容支圧応力度」とは許容引張応力度に1・4を乗じた値をそれぞれいうものとする。
4 前3項に規定するもののほか、導管等の構造に関し必要な事項は、告示で定める。
(伸縮吸収措置)
第6条 導管の有害な伸縮が生じるおそれのある箇所には、告示で定めるところにより当該有害な伸縮を吸収する措置を講じなければならない。
(導管等の接合)
第7条 導管等の接合は、溶接によって行なわなければならない。ただし、溶接によることが適当でない場合は、安全上必要な強度を有するフランジ接合をもってかえることができる。
2 前項ただし書の場合においては、当該接合部分の点検を可能とし、かつ、石油の漏えい拡散を防止するための措置を講じなければならない。
(溶接)
第8条 導管等の溶接は、アーク溶接その他の告示で定める溶接方法によって行なわなければならない。
2 導管等の溶接に使用する溶接機器および溶接材料は、告示で定める規格に適合するものまたはこれと同等以上の性能を有するものでなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、溶接の方法その他溶接に関し必要な事項は、告示で定める。
(防しょく被覆)
第9条 地下または海底に設置する導管等には、告示で定めるところにより、耐久性があり、かつ、電気絶縁抵抗の大きい塗覆装材により外面腐しょくを防止するための措置を講じなければならない。
2 地上または海上に設置する導管等には、外面腐しょくを防止するための塗装を施さなければならない。
(電気防しょく)
第10条 地下または海底に設置する導管等には、告示で定めるところにより電気防しょく措置を講じなければならない。
2 前項の措置を講ずる場合は、近接する埋設物その他の構造物に対し悪影響を及ぼさないための必要な措置を講じなければならない。
(加熱および保温のための設備)
第11条 導管等に加熱または保温のための設備を設ける場合は、火災予防上安全で、かつ、他に悪影響を与えないような構造としなければならない。

第2節 導管の設置方法

(導管の設置場所)
第12条 導管は、地下に埋設しなければならない。ただし、地下に埋設することが困難な場合または地下以外の場所に設置することが適当である場合は、この限りでない。
(地下埋設)
第13条 導管を地下に埋設する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 導管は、その外面から建築物、地下街、隧道その他の告示で定める工作物に対し告示で定める水平距離を有すること。
 導管は、その外面から他の工作物に対し0・3メートル以上の距離を保たせ、かつ、当該工作物の保全に支障を与えないこと。ただし、導管の外面から他の工作物に対し0・3メートル以上の距離を保たせることが困難な場合であって、かつ、当該工作物の保全のための適切な措置を講ずる場合は、この限りでない。
 導管の外面と地表面との距離は、山林原野にあっては0・9メートル以下、その他の地域にあっては1・2メートル以下としないこと。ただし、当該導管を告示で定める防護構造物の中に設置する場合は、この限りでない。
 導管は、地盤の凍結によって損傷を受けることのないよう適切な深さに埋設すること。
 盛土または切土の斜面の近傍に導管を埋設する場合は、告示で定める安全率以上のすべり面の外側に埋設すること。
 導管の立上り部、地盤の急変部等支持条件が急変する箇所については、曲り管のそう入、地盤改良その他必要な措置を講ずること。
 掘さくおよび埋めもどしは、告示で定める方法によって行なうこと。
(道路下埋設)
第14条 導管を道路下に埋設する場合は、前条(第2号および第3号を除く。)の規定によるほか、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 導管は、原則として自動車荷重の影響の少ない場所に埋設すること。
 導管は、その外面から道路の境界に対し1メートル以上の水平距離を有すること。
 導管(防護工または防護構造物により導管を防護する場合は、当該防護工または防護構造物。以下この号、第6号および第7号において同じ。)は、その外面から他の工作物に対し0・3メートル以上の距離を保たせ、かつ、当該工作物の保全に支障を与えないこと。ただし、導管の外面から他の工作物に対し0・3メートル以上の距離を保たせることが困難な場合であって、かつ、当該工作物の保全のための適切な措置を講ずる場合は、この限りでない。
 市街地の道路下に埋設する場合は、当該道路に係る工事によって導管が損傷を受けることのないよう告示で定める防護工を設けること。ただし、導管を告示で定める防護構造物の中に設置する場合は、この限りでない。
 市街地の道路の路面下に埋設する場合は、導管(告示で定める防護構造物の中に設置するものを除く。)の外面と路面との距離は、1・8メートル以下と、告示で定める防護工または防護構造物により防護された導管の当該防護工または防護構造物の外面と路面との距離は、1・5メートル以下としないこと。
 市街地以外の道路の路面下に埋設する場合は、導管の外面と路面との距離は、1・5メートル以下としないこと。
 舗装されている車道に埋設する場合は、当該舗装部分の路盤(しゃ断層がある場合は、当該しゃ断層。以下同じ。)の下に埋設し、導管の外面と路盤の最下部との距離は、0・5メートル以下としないこと。
 路面下以外の道路下に埋設する場合は、導管の外面と地表面との距離は、1・2メートル(告示で定める防護工または防護構造物により防護された導管にあっては、0・6メートル(市街地の道路下に埋設する場合は、0・9メートル))以下としないこと。
 電線、水管、下水道管、ガス管、その他これらに類するもの(各戸に引き込むためのものおよびこれが取り付けられるものに限る。)が埋設されている道路または埋設する計画のある道路に埋設する場合は、これらの上部に埋設しないこと。
(線路敷下埋設)
第15条 導管を線路敷下に埋設する場合については、第13条(第3号を除く。)の規定を準用するほか、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 導管は、その外面から軌道中心に対し4メートル以上、当該線路敷の用地境界に対し1メートル以上の水平距離を有すること。ただし、告示で定める場合は、この限りでない。
 導管の外面と地表面との距離は、1・2メートル以下としないこと。
(河川保全区域内埋設)
第16条 導管を河川に沿って河川保全区域(河川法第54条に規定する河川保全区域をいう。)内に埋設する場合は、当該導管は、堤防法尻または護岸法肩に対し河川管理上必要な距離を有しなければならない。
(地上設置)
第17条 導管を地上に設置する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 導管は、地表面に接しないようにすること。
 導管(石油ターミナルの構内に設置されるものを除く。)は、住宅、学校、病院、鉄道その他の告示で定める施設に対し告示で定める水平距離を有し、かつ、その両側にそれぞれ15メートル以上の幅の空地を有すること。ただし、保安上必要な措置を講じた場合は、この限りでない。
 導管は、地震、風圧、地盤沈下、温度変化による伸縮等に対し安全な構造の支持物により支持すること。
 前号の支持物は、鉄筋コンクリート造またはこれと同等以上の耐火性を有するものとすること。ただし、火災によって当該支持物が変形するおそれのない場合は、この限りでない。
 自動車、船舶等の衝突により導管または導管の支持物が損傷を受けるおそれのある場合は、告示で定めるところにより防護設備を設置すること。
 導管は、他の工作物(当該導管の支持物を除く。)に対し当該導管の維持管理上必要な間隔を有すること。
(海底設置)
第18条 導管を海底に設置する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 導管は、埋設すること。ただし、投錨等により導管が損傷を受けるおそれのない場合その他やむをえない場合は、この限りでない。
 導管は、原則として既設の導管と交差しないこと。
 導管は、原則として既設の導管に対し30メートル以上の水平距離を有すること。
 2本以上の導管を同時に設置する場合は、当該導管が相互に接触することのないよう必要な措置を講ずること。
 導管の立上り部には、告示で定める防護工を設けること。ただし、けい船浮標にいたる立上り部の導管に鋼製以外のものを使用する場合は、この限りでない。
 導管を埋設する場合は、導管の外面と海底面との距離は、投錨試験の結果、土質、埋めもどしの材料、船舶交通事情等を勘案して安全な距離とすること。この場合において、当該導管を埋設する海底についてしゅんせつ計画がある場合は、しゅんせつ計画面(当該しゅんせつ計画において計画されているしゅんせつ後の海底面をいう。)下0・6メートルを海底面とみなすものとする。
 洗掘のおそれがある場所に埋設する導管には、当該洗掘を防止するための措置を講ずること。
 掘さくおよび埋めもどしは、告示で定める方法によって行なうこと。
 導管を埋設しないで設置する場合は、導管が連続して支持されるよう当該設置に係る海底面をならすこと。
 導管が浮揚または移動するおそれがある場合は、当該導管に当該浮揚または移動を防止するための措置を講ずること。
(海上設置)
第19条 導管を海上に設置する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 導管は、地震、風圧、波圧等に対し安全な構造の支持物により支持すること。
 船舶の航行に支障を生ずるおそれがある場合は、支障を生ずることのないよう導管と海面との間に必要な空間を確保すること。
 船舶の衝突等によって導管または導管の支持物が損傷を受けるおそれのある場合は、告示で定める防護設備を設置すること。
 導管は、他の工作物(当該導管の支持物を除く。)に対し当該導管の維持管理上必要な間隔を有すること。
(道路横断設置)
第20条 道路を横断して導管を設置する場合は、道路下に埋設しなければならない。ただし、地形の状況その他特別の理由により道路の上空以外に適当な場所がなく、かつ、保安上適切な措置を講じた場合は、道路上を架空横断して設置することができる。
2 道路を横断して導管を埋設する場合は、導管をさや管その他の告示で定める構造物の中に設置しなければならない。ただし、支持条件の急変に対し適切な措置が講じられ、かつ、当該導管に係る工事の実施によって交通に著しい支障が生じるおそれのない場合は、この限りでない。
3 道路上を架空横断して導管を設置する場合は、当該導管および当該導管に係るその他の工作物ならびにこれらの附属設備の地表面と接しない部分の最下部と路面との垂直距離は、5メートル以上としなければならない。
4 道路を横断して導管を設置する場合は、前3項の規定によるほか、第14条(第1号および第2号を除く。)および第17条(第1号を除く。)の規定を準用する。
(線路下横断埋設)
第21条 線路敷を横断して導管を埋設する場合は、第15条(第1号を除く。)および前条第2項の規定を準用する。
(河川等横断設置)
第22条 河川を横断して導管を設置する場合は、橋に設置しなければならない。ただし、橋に設置することが適当でない場合は、河川の下を横断して埋設することができる。
2 河川または水路を横断して導管を埋設する場合は、原則としてさや管その他の告示で定める構造物の中に設置し、かつ、当該構造物の浮揚または船舶の投錨による損傷を防止するための措置を講じなければならない。
3 第1項ただし書の場合にあっては導管の外面と計画河床高(計画河床高が最深河床高より高いときは、最深河床高。以下この項において同じ。)との距離は原則として4・0メートル以上、水路を横断して導管を埋設する場合にあっては導管の外面と計画河床高との距離は原則として2・5メートル以上、その他の小水路(第1条第2項第3号に規定する水路以外の小水路で、用水路、側溝またはこれらに類するものを除く。)を横断して導管を埋設する場合にあっては導管の外面と計画河床高との距離は原則として1・2メートル以上とするほか、護岸その他河川管理施設の既設または計画中の基礎工に支障を与えず、かつ、河床変動、洗掘、投錨等の影響を受けない深さに埋設しなければならない。
4 河川および水路を横断して導管を設置する場合は、前3項の規定によるほか、第13条(第2号、第3号および第7号を除く。)および第17条(第1号を除く。)の規定を準用する。
(漏えい拡散防止措置)
第23条 市街地ならびに河川上、隧道上および道路上その他の告示で定める場所に導管を設置する場合は、告示で定めるところにより漏えいした石油の拡散を防止するための措置を講じなければならない。
(可燃性蒸気の滞留防止措置)
第24条 導管を設置するために設ける隧道(人が立入る可能性のあるものに限る。)には、可燃性蒸気が滞留しないよう必要な措置を講じなければならない。
(不等沈下等のおそれのある場所における導管の設置)
第25条 不等沈下、地すべり等の発生するおそれのある場所に導管を設置する場合は、当該不等沈下、地すべり等により導管が損傷を受けることのないよう必要な措置を講じ、かつ、導管に生じる応力を検知するための装置を設置しなければならない。
(導管と橋との取付部)
第26条 導管を橋に取り付ける場合は、当該導管に過大な応力が生じることのないよう必要な措置を講じなければならない。

第3節 導管等の試験

(非破壊試験)
第27条 導管等の溶接部は、放射線透過試験(放射線透過試験を実施することが適当でない場合にあっては、超音波探傷試験および磁粉探傷試験または浸透探傷試験)を行ない、これに合格するものでなければならない。この場合において、石油ターミナルの構内の地上に設置される導管等の溶接部に限り、全溶接部の20パーセント以上の溶接部の抜取り試験によることができる。
2 導管等の溶接部のうち振動、衝撃、温度変化等によって損傷の生じるおそれのあるものは、放射線透過試験、超音波探傷試験および磁粉探傷試験または浸透探傷試験を行ない、これに合格するものでなければならない。
3 前2項の試験の合格の基準は、告示で定める。
(耐圧試験)
第28条 導管等および圧送機は、告示で定める方法により当該導管等および圧送機に係る常用圧力の1・5倍以上の圧力で試験を行なったとき漏えいその他の異常がないものでなければならない。ただし、告示で定める場合は、当該導管等および圧送機について前条第2項に掲げる試験を行ない、これに合格することをもってかえることができる。

第3章 保安設備等

(運転状態の監視装置)
第29条 導管系(導管ならびにその導管と一体となって石油輸送の用に供される圧送機、弁およびこれらの附属設備の総合体をいう。以下同じ。)には、圧送機および弁の作動状況等当該導管系の運転状態を監視する装置を設けなければならない。
2 導管系には、告示で定めるところにより圧力または流量の異常な変動等の異常な事態が発生した場合にその旨を警報する装置を設けなければならない。
(安全制御装置)
第30条 導管系には、次に掲げる制御機能を有する安全制御装置を設けなければならない。
 次条に規定する圧力安全装置、第32条に規定する自動的に石油の漏えいを検知することができる装置、第33条に規定する緊急しゃ断弁、第35条に規定する感震装置その他の保安のための設備等の制御回路が正常であることが確認されなければ圧送機が作動しない制御機能
 保安上異常な事態が発生した場合に災害の発生を防止するため、圧送機、緊急しゃ断弁等が自動または手動により連動してすみやかに停止または閉鎖する制御機能
(圧力安全装置)
第31条 導管系には、導管内の圧力が常用圧力をこえず、かつ、油撃作用等によって生ずる圧力が常用圧力の1・1倍をこえないように制御する装置(以下「圧力安全装置」という。)を設けなければならない。
2 圧力安全装置の材質および強度は、導管等の例による。
3 圧力安全装置は、導管系の圧力変動を十分に吸収することができる容量を有しなければならない。
(漏えい検知装置等)
第32条 導管系には、次の各号に掲げる漏えい検知装置および漏えい検知口を設けなければならない。
 可燃性蒸気を発生する石油を輸送する導管系の点検箱には、可燃性蒸気を検知することができる装置
 導管系内の石油の流量を測定することによって自動的に石油の漏えいを検知することができる装置またはこれと同等以上の性能を有する装置
 導管系内の圧力を測定することによって自動的に石油の漏えいを検知することができる装置またはこれと同等以上の性能を有する装置
 導管系内の圧力を一定に静止させ、かつ、当該圧力を測定することによって石油の漏えいを検知できる装置またはこれと同等以上の性能を有する装置
 導管を地下に埋設する場合は、告示で定めるところにより設けられる検知口
2 前項に規定するもののほか、漏えい検知装置の設置に関し必要な事項は、告示で定める。
(緊急しゃ断弁)
第33条 導管を第1条第2項第5号ハに規定する地域に設置する場合にあっては約1キロメートルの間隔で、主要な河川等を横断して設置する場合その他の告示で定める場合にあっては告示で定めるところにより当該導管に緊急しゃ断弁を設けなければならない。
2 緊急しゃ断弁は、次の各号に掲げる機能を有するものでなければならない。
 遠隔操作および現地操作によって閉鎖する機能
 前条に規定する自動的に石油の漏えいを検知する装置によって異常が検知された場合、第35条に規定する感震装置または強震計によって告示で定める加速度以下に設定した加速度以上の地震動が検知された場合および緊急しゃ断弁を閉鎖するための制御が不能となった場合に自動的、かつ、すみやかに閉鎖する機能
3 緊急しゃ断弁は、その開閉状態が当該緊急しゃ断弁の設置場所において容易に確認されるものでなければならない。
4 緊急しゃ断弁を地下に設ける場合は、当該緊急しゃ断弁を点検箱内に設置しなければならない。ただし、緊急しゃ断弁を道路以外の地下に設ける場合であって、当該緊急しゃ断弁の点検を可能とする措置を講ずる場合は、この限りでない。
5 緊急しゃ断弁は、当該緊急しゃ断弁の管理を行なう者および当該管理を行なう者が指定した者以外の者が手動によって開閉することができないものでなければならない。
(石油除去措置)
第34条 導管には、告示で定めるところにより当該導管内の石油を除去するための措置を講じなければならない。
(感震装置等)
第35条 導管の経路には、告示で定めるところにより感震装置および強震計を設けなければならない。
(通報設備)
第36条 導管の経路には、次の各号に定める通報設備を設けなければならない。
 緊急通報設備
 消防機関に通報する設備
2 緊急通報設備は、発信部を告示で定める場所に、受信部を緊急の通報を受信した場合に直ちに必要な措置を講ずることができる場所にそれぞれ設けなければならない。
3 消防機関に通報する設備は、専用設備とし、かつ、緊急通報設備の受信部を設ける場所に設けなければならない。
(警報設備)
第37条 事業用施設には、告示で定めるところにより警報設備を設けなければならない。
(消火設備)
第38条 事業用施設には、告示で定めるところにより消火設備を設けなければならない。
(化学消防自動車等)
第39条 導管の経路には、告示で定めるところにより化学消防自動車、巡回監視車および資機材倉庫等を設けなければならない。
(予備動力源)
第40条 保安のための設備には、告示で定めるところにより予備動力源を設置しなければならない。
(保安用接地等)
第41条 導管系には、必要に応じて保安用接地等を設けなければならない。
(絶縁)
第42条 導管系は、保安上必要がある場合には、支持物その他の構造物から絶縁しなければならない。
2 導管系には、保安上必要がある場合は、絶縁用継手をそう入しなければならない。
3 避雷器の接地箇所に近接して導管を設置する場合は、絶縁のための必要な措置を講じなければならない。
(避雷設備)
第42条の2 事業用施設のうち、地上に設置される部分には、告示で定めるところにより避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りでない。
(標識等)
第43条 導管の経路には、告示で定めるところにより位置標識、注意標示および注意標識を設けなければならない。
(保安設備の作動試験)
第44条 保安のための設備であって、告示で定めるものは、告示で定める方法により試験を行なったとき正常に作動するものでなければならない。
(船舶よりまたは船舶へ送油する場合の導管系の保安設備等)
第45条 船舶よりまたは船舶へ送油する場合の導管系(以下「船舶送受油導管系」という。)の保安設備等については、第29条から前条までの規定にかかわらず、次条から第52条までの規定によるものとする。
第46条 船舶送受油導管系には、弁の作動状況等当該導管系の運転状態を監視する装置を設けなければならない。
第47条 船舶送受油導管(船舶よりまたは船舶へ送油する場合の導管をいう。以下同じ。)には、船舶のけい留施設に係る箇所および陸上部であって海域との境界線付近の箇所にしゃ断弁を設けなければならない。ただし、けい留施設がけい船浮標である場合および船舶へ直接立上る場合は、しゃ断弁にかえてこれと同等以上のしゃ断機能を有する逆止弁を設けることができる。
2 前項の規定により設置するしゃ断弁の開閉状況は、当該しゃ断弁の設置箇所において容易に確認できるようにしておかなければならない。
第48条 船舶送受油導管系には、導管内を一定圧力に静止させ、かつ、当該圧力を測定することによって石油の漏えいを検知できる装置を設けなければならない。
2 前項に規定する装置は、前条第1項の規定によりしゃ断弁を設置する箇所(逆止弁を設置する箇所を除く。)附近に設けなければならない。
第49条 船舶送受油導管の経路には、告示で定めるところにより感震装置を設けなければならない。
第50条 船舶送受油導管系には、告示で定めるところにより圧力の異常な変動等の異常な事態が発生した場合にその旨を警報する装置を設けなければならない。
第51条 船舶送受油導管系のけい留施設に係る箇所および陸上部であって海域との境界線周辺の箇所には、緊急事態を通報できる設備を設けなければならない。
2 前項に規定する設備の受信部は、緊急の通報を受信した場合に直ちに必要な措置を講ずることのできる場所に設けなければならない。
3 前項に規定する場所には、消防機関、海上保安機関等に緊急に通報できる設備を確保しなければならない。
第52条 前6条に定めるもののほか、船舶送受油導管系の保安設備等に関し必要な事項は、告示で定める。

第4章 圧送機、タンク等

(圧送機等)
第53条 送油用圧送機およびその附属設備(以下「送油用圧送機等」という。)を設置する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 送油用圧送機は、告示で定める基準に適合するものまたはこれと同等以上の機械的性質を有するものを使用すること。
 送油用圧送機等(送油用圧送機を専用建築物内に設置する場合は、当該専用建築物)は、その周囲に告示で定める幅の空地を設けること。
 送油用圧送機等は、住宅、学校、病院、鉄道その他の告示で定める施設に対し告示で定める距離を有すること。ただし、保安上必要な措置を講じた場合は、この限りでない。
 送油用圧送機は、堅固な基礎の上に固定して設置すること。
 送油用圧送機を専用建築物内に設置する場合は、当該専用建築物の構造は、告示で定める基準に適合するものであること。
 送油用圧送機等を屋外に設置する場合は、告示で定める方法により設置すること。
2 送油用圧送機以外の圧送機およびその附属設備の設置に関し必要な事項は、告示で定める。
(ピグ取扱い装置)
第54条 ピグ取扱い装置の設置に関し必要な事項は、告示で定める。
(タンク)
第55条 屋外タンク(次項及び第3項に定めるものを除く。)を設置する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 屋外タンクは、3・2ミリメートル以上の厚さの鋼板で気密に作られたものであって、かつ、水張試験(水以外の適当な液体を張って行う試験を含む。)を行ったとき漏えいその他の異常を生じないものであること。ただし、圧力タンクにあっては、水張試験に代えて常用圧力(正常時における圧力タンク内の最高圧力をいう。以下同じ。)の1・5倍以上の圧力で十分間行う耐圧試験を行わなければならない。
 屋外タンクは、地震動による慣性力又は風荷重によって生じる応力が屋外タンクの側板又は支柱の限られた点に集中しないように堅固な基礎又は地盤の上に固定すること。この場合において、地震動による慣性力又は風荷重の計算方法は、告示で定める。
二の2 屋外タンクは、石油の爆発等により屋外タンク内の圧力が異常に上昇した場合に内部のガス又は蒸気を上部に放出することができる構造であること。
 屋外タンクは、住宅、学校、病院その他の告示で定める施設に対し告示で定める距離を有すること。ただし、保安上必要な措置を講じた場合は、この限りでない。
三の2 屋外タンクは、前号によるほか、当該屋外タンクの存する石油ターミナルの敷地の境界線から当該屋外タンクの側板までの間に、告示で定める距離を有すること。ただし、不燃材料で造った防火上有効な塀を設けること、地形上火災が生じた場合においても延焼のおそれが少ないことその他の告示で定める事情があることにより、安全である場合には、この限りでない。
 屋外タンクは、その周囲に当該タンクの容量に応じ告示で定める幅の空地を有すること。
 屋外タンクには、外面の腐食を防止するための塗装を施すこと。
五の2 屋外タンクのうち、底板を盛土等に接して設けるものにあっては、告示で定めるところにより、底板の外面の腐食を防止するための措置を講ずること。
 屋外タンクの支持物は、鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造その他これらと同等以上の耐火性を有するものであること。
 屋外タンクには、告示で定めるところにより通気管又は安全装置を設けること。
 屋外タンクには、当該屋外タンク内の石油の量が自動的に測定できる装置を設けること。
 屋外タンクには、当該屋外タンクの側板に水抜管を設けること。ただし、地震等により屋外タンクと水抜管との接合部分が損傷を受けるおそれのない接合方法による場合は、水抜管を当該屋外タンクの底板に設けることができる。
 屋外タンクには、地震等により導管及び配管と屋外タンクとの接合部分が損傷を受けることのないよう必要な措置を講ずること。
十一 石油を輸送するための屋外タンク(容量が1万キロリットル以上のものに限る。)の配管には、当該配管とタンクとの結合部分の直近に、非常の場合に直ちに閉鎖することができる弁であって告示で定めるものを設けること。
十二 屋外タンクには、その周囲に告示で定めるところにより防油堤を設けること。
十三 屋外タンクには、告示で定めるところにより屋外タンクである旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。
2 屋外タンクであってその容量が1000キロリットル以上のもの(以下「特定屋外タンク」という。)(次項に定めるものを除く。)を設置する場合は、前項第2号の2から第13号までの規定の例によるほか、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 特定屋外タンクは、告示で定める規格に適合する鋼板その他の材料又はこれらと同等以上の機械的性質を有する鋼板その他の材料で気密に作られたものであって、かつ、水張試験(前項第1号に規定する水張試験であって告示で定める事項を測定するものをいう。)を行ったとき漏えいその他の異常を生じないものであること。ただし、圧力タンクにあっては、水張試験に代えて耐圧試験(前項第1号に規定する耐圧試験であって告示で定める事項を測定するものをいう。)を行わなければならない。
 特定屋外タンクは、当該特定屋外タンク及びその附属設備の自重、当該特定屋外タンク内の石油の重量、当該特定屋外タンクに係る内圧、温度変化の影響等の主荷重及び積雪荷重、風荷重、地震の影響等の従荷重(以下「主荷重等」という。)によって生ずる応力及び変形に対して安全なものであること。この場合において主荷重等の計算方法等は、告示で定める。
 特定屋外タンクの構造は、次に掲げる基準に適合するものであること。
 主荷重によって生ずる応力度は、材料の規格最小降伏点又は0・2パーセント耐力の60パーセント以下であること。
 主荷重及び風荷重又は地震の影響の組合せによって生ずる応力度は、材料の規格最小降伏点又は0・2パーセント耐力の90パーセント以下であること。
 保有水平耐力は、地震の影響による必要保有水平耐力以上であること。この場合において、保有水平耐力及び必要保有水平耐力の計算方法は、告示で定める。
 側板の必要厚さは、告示で定めるところによること。
 側板、底板及び屋根の最小厚さ並びにアニュラ板(特定屋外タンクの側板であってその最下段の厚さが15ミリメートルを超えるものの直下に設けなければならない板をいう。)の側板外面からの最小張出し寸法、側板内面からタンク中心部に向かっての最小張出しの長さ及び最小厚さは、告示で定める基準に適合するものであること。
 特定屋外タンクのうち告示で定めるものの浮き屋根は、液面揺動により損傷を生じない構造を有するものであること。
 ヘに規定するもののほか、浮き屋根及び底部の構造は、告示で定める基準に適合するものであること。
 特定屋外タンクの溶接方法は、告示で定めるところによるものとし、当該特定屋外タンクの溶接部は、告示で定めるところにより行う放射線透過試験、真空試験等の試験において、告示で定める基準に適合するものであること。
 特定屋外タンクの基礎及び地盤は、次に掲げる基準に適合するものであること。
 基礎及び地盤は、告示で定めるところにより当該基礎及び地盤上に設置する特定屋外タンク及びその附属設備の自重、当該特定屋外タンク内の石油の重量等によって生ずる応力及び変形に対し安全で堅固なものであること。この場合において、基礎及び地盤に関する計算方法等は、告示で定める。
 基礎及び地盤は、告示で定めるところにより行う平板載荷試験、圧密度試験等の試験において、告示で定める基準に適合するものであること。
3 浮き蓋付きの特定屋外タンクを設置する場合は、第1項第2号の2から第6号まで及び第8号から第13号まで並びに前項第1号、第2号、第3号(ヘ及びトを除く。)、第4号及び第5号の規定の例によるほか、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 浮き蓋は、次に掲げるところにより、地震等による振動及び衝撃に耐えることができる構造とすること。
 1枚板構造の浮き蓋にあっては、次のとおりとすること。
(1) 厚さ3・2ミリメートル以上の鋼板で造ること。
(2) 告示で定める浮力を有する構造とすること。
(3) 浮き蓋付きの特定屋外タンクのうち告示で定めるものの浮き蓋は、告示で定めるところにより液面揺動により損傷を生じない構造とすること。
(4) (3)に規定する浮き蓋の浮き部分の溶接及び浮き部分と当該浮き部分以外の部分との溶接は、告示で定める方法によること。
(5) 浮き蓋の浮き部分が仕切り板で仕切られた室には告示で定めるマンホールを設けること。
(6) 石油の出し入れによって浮き蓋が損傷しないように必要な通気管等を設けること。
(7) 浮き蓋を常に特定屋外タンクの中心位置に保持し、かつ、当該浮き蓋の回転を防止するための設備((9)において「回転止め」という。)を設けること。
(8) 浮き蓋の外周縁は、たわみ性があり、かつ、側板に密着する性質を有する材料により被覆されていること。
(9) 回転止め及び浮き蓋の外周縁の被覆等の滑動部分に用いる材料又は構造は、発火のおそれのないものとすること。
(10) 浮き蓋に蓄積される静電気を有効に除去する装置を設けること。
 2枚板構造の浮き蓋にあっては、イ(1)、(2)及び(5)から(10)までの規定の例によること。
 簡易フロート型の浮き蓋(ステンレス製のものに限る。)にあっては、イ(6)から(10)までの規定の例によるほか、次のとおりとすること。
(1) 簡易フロート型の浮き蓋は、告示で定める浮力を有する構造とすること。
(2) 簡易フロート型の浮き蓋の浮き部分相互の接続箇所は回転性を有する構造とすること。
 簡易フロート型の浮き蓋(ハに規定するものを除く。)にあっては、ハの規定の例によるほか、次のとおりとすること。ただし、浮き蓋付きの特定屋外タンクのうち告示で定めるものについては、(1)は適用しない。
(1) フロートチューブの長さは6メートル以下であること。
(2) フロートチューブの円周方向に溶接接合がないこと。
 浮き蓋付きの特定屋外タンク(不活性ガスを充塡して石油を貯蔵し、又は取り扱うものを除く。次号において同じ。)には、可燃性の蒸気を屋外に有効に排出するための設備を設けること。
 浮き蓋付きの特定屋外タンクには、浮き蓋の状態を点検するための設備を設けること。
 簡易フロート型の浮き蓋付きの特定屋外タンクの配管には、次に掲げるいずれかの設備を設けること。
 当該配管内に滞留した気体がタンク内に流入することを防止するための設備
 当該配管内に滞留した気体がタンク内に流入するものとした場合において当該気体を分散させるための設備
 イ及びロに掲げるもののほか、当該配管内に滞留した気体がタンク内に流入することにより浮き蓋に損傷を与えることを防止するための設備
4 屋外タンクに関する工事が次の各号(特定屋外タンク以外の屋外タンクにあっては、第1号から第3号まで、第5号、第6号、第8号及び第9号)に掲げるものに限り行われた場合には、第1項第1号及び第2項第1号(前項においてその例による場合を含む。)の規定(水張試験に関する基準に係る部分に限る。)は適用しない。
 ノズル、マンホール等の取付工事
 ノズル、マンホール等に係る溶接部の補修工事
 屋根及び浮き蓋に係る工事
 側板に係る重ね補修工事
 側板に係る肉盛り補修工事(溶接部に対する熱影響が軽微なものに限る。)
 接液部以外の側板に係る溶接部の補修工事
 底部に係る重ね補修工事のうち、側板から600ミリメートルの範囲以外の部分に係るもので、当該重ね補修の部分が底部(張出し部を除く。)の面積の2分の1未満のもの
 底部に係る肉盛り補修工事(溶接部に対する熱影響が軽微なものに限る。)
 構造上の影響を与える有害な変形がないタンクの底部に係る溶接部(ぜい性破壊を起こすおそれのないものに限る。)の補修工事のうち、タンク本体の変形に対する影響が軽微なもの
5 地下タンクを設置する場合については、第1項第5号、第7号及び第8号の規定を準用するほか、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 地下タンクは、次号及び第1号の3に定めるところにより厚さ3・2ミリメートル以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で気密に造られたものであって、かつ、70キロパスカルの圧力(圧力タンクにあっては、常用圧力の1・5倍の圧力)で十分間行う耐圧試験を行ったとき漏えいその他の異常を生じないものであること。
一の2 地下タンクは、当該地下タンク及びその附属設備の自重、当該地下タンク内の石油の重量、当該地下タンクに係る内圧、土圧等の主荷重及び地震の影響等の従荷重によって生ずる応力及び変形に対して安全なものであること。
一の3 主荷重及び主荷重と従荷重との組合せにより地下タンク本体に生ずる応力は、告示で定めるそれぞれの許容応力以下であること。
 地下タンクは、地下に設けられたタンク室に設置すること。
 地下タンクの外面とタンク室の内壁との距離は、0・1メートル以上とし、かつ、当該タンクの周囲に乾燥砂をつめること。
 地下タンクを2以上隣接して設置する場合は、当該地下タンクの外面相互間の距離は、1メートル(当該2以上の地下タンクの容量の合計が告示で定める容量以下の場合にあっては、0・5メートル)以上とすること。
 地下タンクの頂部は、0・6メートル以上地表面から下にあること。
 配管は、地下タンクの頂部に接合すること。
 地下タンク又はその周囲には、当該タンクからの石油の漏れを検知するために次に定めるいずれかの設備を設けること。
 地下タンクの周囲に4箇所以上設ける管により石油の漏れを検知する設備
 地下タンク内の石油の貯蔵量の変化を常時監視すること若しくは地下タンク周囲の可燃性ガスを常時監視することにより、石油の漏れを検知する設備又はこれらと同等以上の性能を有する設備
 地下タンクを設置するタンク室は、次号から第8号の4までに定めるところにより、必要な強度を有し、かつ、防水の措置を講じたものとすること。
八の2 タンク室は、当該タンク室の自重、地下タンク及びその附属設備並びに当該地下タンク内の石油の重量、土圧、地下水圧等の主荷重並びに上載荷重、地震の影響等の従荷重によって生ずる応力及び変形に対して安全なものであること。
八の3 主荷重及び主荷重と従荷重との組合せによりタンク室に生ずる応力は、告示で定めるそれぞれの許容応力以下であること。
八の4 タンク室は、次に掲げる防水の措置を講じたものであること。
 タンク室は、水密コンクリート又はこれと同等以上の水密性を有する材料で造ること。
 鉄筋コンクリート造とする場合の目地等の部分及びふたとの接合部分には、雨水、地下水等がタンク室の内部に浸入しない措置を講ずること。
 地下タンクには、告示で定めるところにより地下タンクである旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。
6 屋内タンクを設置する場合については、第1項第1号、第5号及び第7号から第10号までの規定を準用するほか、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 屋内タンクは、告示で定めるタンク専用庫に設置すること。
 屋内タンクの外面とタンク専用庫の内壁との距離及び同一の専用庫内に屋内タンクを2以上設置する場合における当該屋内タンクの外面相互間の距離は、0・5メートル以上とすること。
 屋内タンクの容量は、告示で定める基準に適合するものであること。
 屋内タンクには、告示で定めるところにより屋内タンクである旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること。
7 前各項のタンクの容量の計算方法は、告示で定める。
(配管)
第56条 配管を設置する場合は、次の各号に掲げるところによらなければならない。
 配管は、鋼製のもので、かつ、当該配管に係る常用圧力(正常時における配管内の最高圧力をいう。以下同じ。)の1・5倍以上の圧力で水圧試験(水以外の不燃性の液体または不燃性の気体を用いて行なう試験を含む。)を行なったとき漏えいその他の異常がないものを使用すること。
 地上に設置する配管は、地表面に接しないようにすること。
 地上に設置する配管には、外面腐しょくを防止するための塗装を施すこと。
 地下に埋設する配管には、塗覆装材による外面腐しょく防止措置(配管を電気的腐しょくのおそれがある場所に埋設する場合にあっては、塗覆装材による外面腐しょく防止措置および電気防しょく措置)を講ずること。
 配管を地下に埋設する場合は、当該配管の接合(溶接による接合を除く。)部分は、当該接合部分からの石油の漏えいを点検できるようにコンクリート造等の箱に収納すること。
 配管に加熱または保温のための設備を設ける場合には、火災予防上安全な構造とすること。
(切替弁等)
第57条 切替弁、制御弁等は、告示で定めるところにより設けなければならない。
(石油の受入れ口)
第58条 石油の受入れ口の設置に関し必要な事項は、告示で定める。
(石油ターミナルの保安措置)
第59条 石油ターミナルには、構内に公衆がみだりに入らないようにさく、へい等を設け、石油パイプライン事業の事業用施設である旨の表示をしなければならない。ただし、周囲の状況により公衆が立入るおそれがない場合は、この限りでない。
2 石油ターミナルには、告示で定めるところにより当該石油ターミナルの構外への石油の流出を防止するための措置を講じなければならない。

附則

この省令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和54年3月31日通商産業省・運輸省・建設省・自治省令第1号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行前に石油パイプライン事業法(昭和47年法律第105号)第15条第1項の規定による認可を受けた工事の計画又は日本国有鉄道が日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)附則第2項の規定による廃止前の日本国有鉄道法(昭和23年法律第256号)第53条の規定による認可を受けた石油パイプラインに関する工事の計画に係るタンクで、この省令の施行前に設置され又は設置の工事に着手されたもの(以下「既設のタンク」という。)のうち、改正後の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令(以下「新令」という。)第55条第1項第2号及び第5号の2に定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、これらの規定にかかわらず、なお従前の例による。
3 既設のタンクのうち、新令第55条第2項各号に定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、同項各号の規定は、当該タンクが次の各号に掲げる基準のすべてに適合している場合に限り、適用しない。
 当該タンクは、厚さ3・2ミリメートル以上の鋼板で気密に作られたものであって、かつ、圧力タンクを除くタンクにあっては水張試験において、圧力タンクにあっては常用圧力の1・5倍以上の圧力で十分間行う耐圧試験(告示で定める事項を測定するものをいう。)において、それぞれ漏えいその他の異常を生じないものであること。
 当該タンクは、当該タンク及びその附属設備の自重、当該タンク内の石油の重量、当該タンクに係る内圧、温度変化の影響等の主荷重及び積雪荷重、地震の影響等の従荷重によって生ずる応力及び変形に対して安全なものであること。この場合において、これらの計算方法等は、告示で定める。
 当該タンクの側板に生ずる円周方向引張応力及び軸方向圧縮応力は、告示で定める許容応力以下であること。
 当該タンクの保有水平耐力は、地震の影響による必要保有水平耐力以上であること。この場合において、保有水平耐力及び必要保有水平耐力の計算方法は、告示で定める。
 当該タンクの基礎及び地盤は、当該基礎及び地盤上に設置した当該タンク及びその附属設備の自重、当該タンク内の石油の重量等による荷重に対して安全なものであること。
 告示で定める平面の範囲内において地表面からの深さが20メートルまでの当該タンクの地盤の地質は、標準貫入試験において告示で定める計算方法により求めた地盤の液状化指数の値が5以下のものであって、かつ、告示で定めるもの以外のもの又はこれと同等以上の堅固さを有するものであること。
 当該タンクの基礎は、局部的なすべりに関し、告示で定める安全率を有するもの又はこれと同等以上の堅固さを有するものであること。
附則 (昭和62年3月27日通商産業省・運輸省・建設省・自治省令第1号)
この省令は、昭和62年4月1日から施行する。
附則 (平成8年12月27日通商産業省・運輸省・建設省・自治省令第2号)
(施行期日)
1 この省令は、平成9年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に第1条の規定による改正前の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令第55条第2項の規定の適用を受けている特定屋外タンクのうち、第1条の規定による改正後の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令(以下「新令」という。)第55条第2項第3号ハに定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、同号ハの規定にかかわらず、平成19年12月31日までの間は、なお従前の例による。
3 第2条の規定による改正後の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令の一部を改正する省令(昭和54年通商産業省、運輸省、建設省、自治省令第1号。以下「新54年省令」という。)附則第3項に規定するタンクに係る技術上の基準については、新令第55条第2項の規定にかかわらず、新54年省令附則第3項の定めるところによる。
4 新54年省令附則第3項に規定するタンクのうち、同項各号に定める基準(以下「新基準」という。)に適合しないものに係る技術上の基準については、同項の規定にかかわらず、平成29年12月31日(同日前に新基準に適合することとなった場合にあっては、当該適合することとなった日)までの間は、なお従前の例による。
附則 (平成11年3月30日通商産業省・運輸省・建設省・自治省令第2号)
1 この省令は、公布の日から施行する。ただし、第55条第3項第1号の改正規定は、平成11年10月1日から施行する。
2 この省令の施行の際現にこの省令による改正前の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令(次項において「旧令」という。)第55条第1項の規定の適用を受けている屋外タンクの配管のうち、この省令による改正後の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令(次項において「新令」という。)第55条第1項第11号に定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、同号の規定にかかわらず、平成22年3月31日までの間は、なお従前の例による。
3 平成11年10月1日において現に旧令第55条第3項の規定の適用を受けている地下タンクのうち、新令第55条第3項第1号に定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、同号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成17年3月24日総務省・経済産業省・国土交通省令第1号)
この省令は、平成17年4月1日から施行する。
附則 (平成23年12月21日総務省・経済産業省・国土交通省令第1号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成24年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令の施行の際現に石油パイプライン事業法第15条第1項の規定により認可を受けた工事の計画に係るこの省令による改正後の石油パイプライン事業の事業用施設の技術上の基準を定める省令(以下「新令」という。)第55条第3項に規定する浮き蓋付きの特定屋外タンクで、この省令の施行前に設置されたもの(以下「既設の浮き蓋付特定屋外タンク」という。)のうち、同項第1号に定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、同号の規定は、当該既設の浮き蓋付特定屋外タンクが次に掲げる全ての要件を満たす場合に限り、適用しない。
 次に掲げる要件のいずれかを満たすこと。
 浮き蓋付きの特定屋外タンク内に不活性ガスを充塡して石油を貯蔵し、又は取り扱うこと。
 浮き蓋付きの特定屋外タンク内の石油の引火点が40度以上であること。
 浮き蓋付きの特定屋外タンクに、当該タンク内に滞留した可燃性の蒸気を検知するための設備を設けていること。
2 既設の浮き蓋付特定屋外タンクのうち、新令第55条第3項第1号(前項の規定の適用を受ける場合を除く。)及び同条第3項第2号から第4号までに定める技術上の基準に適合しないものに係る技術上の基準については、これらの規定にかかわらず、平成36年3月31日までの間は、なお従前の例による。
附則 (令和元年8月27日総務省・経済産業省・国土交通省令第2号)
この省令は、公布の日から施行する。

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