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ちょさくけんほう

著作権法

昭和45年法律第48号
著作権法(明治32年法律第39号)の全部を改正する。

第1章 総則

第1節 通則

(目的)
第1条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
 著作者 著作物を創作する者をいう。
 実演 著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
 実演家 俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。
 レコード 蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。
 レコード製作者 レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。
 商業用レコード 市販の目的をもって製作されるレコードの複製物をいう。
七の2 公衆送信 公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その1の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が2以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
 放送 公衆送信のうち、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。
 放送事業者 放送を業として行う者をいう。
九の2 有線放送 公衆送信のうち、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。
九の3 有線放送事業者 有線放送を業として行う者をいう。
九の4 自動公衆送信 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。
九の5 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
 その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。
 映画製作者 映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう。
十の2 プログラム 電子計算機を機能させて1の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。
十の3 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
十一 2次的著作物 著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物をいう。
十二 共同著作物 2人以上の者が共同して創作した著作物であって、その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
十三 録音 音を物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
十四 録画 影像を連続して物に固定し、又はその固定物を増製することをいう。
十五 複製 印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
 建築の著作物 建築に関する図面に従って建築物を完成すること。
十六 上演 演奏(歌唱を含む。以下同じ。)以外の方法により著作物を演ずることをいう。
十七 上映 著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴って映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
十八 口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。
十九 頒布 有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあっては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。
二十 技術的保護手段 電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法(次号及び第22号において「電磁的方法」という。)により、第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権、出版権又は第89条第1項に規定する実演家人格権若しくは同条第6項に規定する著作隣接権(以下この号、第30条第1項第2号及び第120条の2第1号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第30条第1項第2号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であって、著作物、実演、レコード、放送又は有線放送(以下「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行ったとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
二十一 技術的利用制限手段 電磁的方法により、著作物等の視聴(プログラムの著作物にあっては、当該著作物を電子計算機において実行する行為を含む。以下この号及び第113条第3項において同じ。)を制限する手段(著作権者、出版権者又は著作隣接権者(以下「著作権者等」という。)の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であって、著作物等の視聴に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
二十二 権利管理情報 第17条第1項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第89条第1項から第4項までの権利(以下この号において「著作権等」という。)に関する情報であって、イからハまでのいずれかに該当するもののうち、電磁的方法により著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録され、又は送信されるもの(著作物等の利用状況の把握、著作物等の利用の許諾に係る事務処理その他の著作権等の管理(電子計算機によるものに限る。)に用いられていないものを除く。)をいう。
 著作物等、著作権等を有する者その他政令で定める事項を特定する情報
 著作物等の利用を許諾する場合の利用方法及び条件に関する情報
 他の情報と照合することによりイ又はロに掲げる事項を特定することができることとなる情報
二十三 国内 この法律の施行地をいう。
二十四 国外 この法律の施行地外の地域をいう。
2 この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。
3 この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。
4 この法律にいう「写真の著作物」には、写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。
5 この法律にいう「公衆」には、特定かつ多数の者を含むものとする。
6 この法律にいう「法人」には、法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含むものとする。
7 この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
8 この法律にいう「貸与」には、いずれの名義又は方法をもってするかを問わず、これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとする。
9 この法律において、第1項第7号の2、第8号、第9号の2、第9号の4、第9号の5若しくは第13号から第19号まで又は前2項に掲げる用語については、それぞれこれらを動詞の語幹として用いる場合を含むものとする。
(著作物の発行)
第3条 著作物は、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第21条に規定する権利を有する者又はその許諾(第63条第1項の規定による利用の許諾をいう。以下この項、次条第1項、第4条の2及び第63条を除き、以下この章及び次章において同じ。)を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾(第80条第3項の規定による複製の許諾をいう。第37条第3項ただし書及び第37条の2ただし書において同じ。)を得た者によって作成され、頒布された場合(第26条、第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)において、発行されたものとする。
2 2次的著作物である翻訳物の前項に規定する部数の複製物が第28条の規定により第21条に規定する権利と同一の権利を有する者又はその許諾を得た者によって作成され、頒布された場合(第28条の規定により第26条、第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利と同一の権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)には、その原著作物は、発行されたものとみなす。
3 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば前2項の権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ前2項の権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、前2項の規定を適用する。
(著作物の公表)
第4条 著作物は、発行され、又は第22条から第25条までに規定する権利を有する者若しくはその許諾(第63条第1項の規定による利用の許諾をいう。)を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者若しくはその公衆送信許諾(第80条第3項の規定による公衆送信の許諾をいう。次項、第37条第3項ただし書及び第37条の2ただし書において同じ。)を得た者によって上演、演奏、上映、公衆送信、口述若しくは展示の方法で公衆に提示された場合(建築の著作物にあっては、第21条に規定する権利を有する者又はその許諾(第63条第1項の規定による利用の許諾をいう。)を得た者によって建設された場合を含む。)において、公表されたものとする。
2 著作物は、第23条第1項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者若しくはその公衆送信許諾を得た者によって送信可能化された場合には、公表されたものとみなす。
3 2次的著作物である翻訳物が、第28条の規定により第22条から第24条までに規定する権利と同一の権利を有する者若しくはその許諾を得た者によって上演、演奏、上映、公衆送信若しくは口述の方法で公衆に提示され、又は第28条の規定により第23条第1項に規定する権利と同一の権利を有する者若しくはその許諾を得た者によって送信可能化された場合には、その原著作物は、公表されたものとみなす。
4 美術の著作物又は写真の著作物は、第45条第1項に規定する者によって同項の展示が行われた場合には、公表されたものとみなす。
5 著作物がこの法律による保護を受けるとしたならば第1項から第3項までの権利を有すべき者又はその者からその著作物の利用の承諾を得た者は、それぞれ第1項から第3項までの権利を有する者又はその許諾を得た者とみなして、これらの規定を適用する。
(レコードの発行)
第4条の2 レコードは、その性質に応じ公衆の要求を満たすことができる相当程度の部数の複製物が、第96条に規定する権利を有する者又はその許諾(第103条において準用する第63条第1項の規定による利用の許諾をいう。第4章第2節及び第3節において同じ。)を得た者によって作成され、頒布された場合(第97条の2第1項又は第97条の3第1項に規定する権利を有する者の権利を害しない場合に限る。)において、発行されたものとする。
(条約の効力)
第5条 著作者の権利及びこれに隣接する権利に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

第2節 適用範囲

(保護を受ける著作物)
第6条 著作物は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
 日本国民(わが国の法令に基づいて設立された法人及び国内に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)の著作物
 最初に国内において発行された著作物(最初に国外において発行されたが、その発行の日から30日以内に国内において発行されたものを含む。)
 前2号に掲げるもののほか、条約によりわが国が保護の義務を負う著作物
(保護を受ける実演)
第7条 実演は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
 国内において行なわれる実演
 次条第1号又は第2号に掲げるレコードに固定された実演
 第9条第1号又は第2号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
 第9条の2各号に掲げる有線放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
 実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(以下「実演家等保護条約」という。)の締約国において行われる実演
 次条第3号に掲げるレコードに固定された実演
 第9条第3号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(以下「実演・レコード条約」という。)の締約国において行われる実演
 次条第4号に掲げるレコードに固定された実演
 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる実演
 世界貿易機関の加盟国において行われる実演
 次条第5号に掲げるレコードに固定された実演
 第9条第4号に掲げる放送において送信される実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されているものを除く。)
(保護を受けるレコード)
第8条 レコードは、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
 日本国民をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に国内において固定されたもの
 前2号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
 実演家等保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に実演家等保護条約の締約国において固定されたもの
 前3号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
 実演・レコード条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に実演・レコード条約の締約国において固定されたもの
 前各号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げるレコード
 世界貿易機関の加盟国の国民(当該加盟国の法令に基づいて設立された法人及び当該加盟国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの
 前各号に掲げるもののほか、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(第121条の2第2号において「レコード保護条約」という。)により我が国が保護の義務を負うレコード
(保護を受ける放送)
第9条 放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
 日本国民である放送事業者の放送
 国内にある放送設備から行なわれる放送
 前2号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送
 実演家等保護条約の締約国の国民である放送事業者の放送
 実演家等保護条約の締約国にある放送設備から行われる放送
 前3号に掲げるもののほか、次のいずれかに掲げる放送
 世界貿易機関の加盟国の国民である放送事業者の放送
 世界貿易機関の加盟国にある放送設備から行われる放送
(保護を受ける有線放送)
第9条の2 有線放送は、次の各号のいずれかに該当するものに限り、この法律による保護を受ける。
 日本国民である有線放送事業者の有線放送(放送を受信して行うものを除く。次号において同じ。)
 国内にある有線放送設備から行われる有線放送

第2章 著作者の権利

第1節 著作物

(著作物の例示)
第10条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
 音楽の著作物
 舞踊又は無言劇の著作物
 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
 建築の著作物
 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物
 映画の著作物
 写真の著作物
 プログラムの著作物
2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第1号に掲げる著作物に該当しない。
3 第1項第9号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない。この場合において、これらの用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
 プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
 規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
 解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。
(2次的著作物)
第11条 2次的著作物に対するこの法律による保護は、その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(編集著作物)
第12条 編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものは、著作物として保護する。
2 前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(データベースの著作物)
第12条の2 データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは、著作物として保護する。
2 前項の規定は、同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(権利の目的とならない著作物)
第13条 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
 憲法その他の法令
 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
 前3号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

第2節 著作者

(著作者の推定)
第14条 著作物の原作品に、又は著作物の公衆への提供若しくは提示の際に、その氏名若しくは名称(以下「実名」という。)又はその雅号、筆名、略称その他実名に代えて用いられるもの(以下「変名」という。)として周知のものが著作者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の著作者と推定する。
(職務上作成する著作物の著作者)
第15条 法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。
(映画の著作物の著作者)
第16条 映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。ただし、前条の規定の適用がある場合は、この限りでない。

第3節 権利の内容

第1款 総則
(著作者の権利)
第17条 著作者は、次条第1項、第19条第1項及び第20条第1項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第21条から第28条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
2 著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
第2款 著作者人格権
(公表権)
第18条 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする2次的著作物についても、同様とする。
2 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものと推定する。
 その著作物でまだ公表されていないものの著作権を譲渡した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。
 その美術の著作物又は写真の著作物でまだ公表されていないものの原作品を譲渡した場合 これらの著作物をその原作品による展示の方法で公衆に提示すること。
 第29条の規定によりその映画の著作物の著作権が映画製作者に帰属した場合 当該著作物をその著作権の行使により公衆に提供し、又は提示すること。
3 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。
 その著作物でまだ公表されていないものを行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「行政機関情報公開法」という。)第2条第1項に規定する行政機関をいう。以下同じ。)に提供した場合(行政機関情報公開法第9条第1項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 行政機関情報公開法の規定により行政機関の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等(公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号。以下「公文書管理法」という。)第2条第6項に規定する歴史公文書等をいう。以下同じ。)が行政機関の長から公文書管理法第8条第1項の規定により国立公文書館等(公文書管理法第2条第3項に規定する国立公文書館等をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理法第16条第1項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあっては、公文書管理法第16条第1項の規定により国立公文書館等の長(公文書管理法第15条第1項に規定する国立公文書館等の長をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
 その著作物でまだ公表されていないものを独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号。以下「独立行政法人等情報公開法」という。)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)に提供した場合(独立行政法人等情報公開法第9条第1項の規定による開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 独立行政法人等情報公開法の規定により当該独立行政法人等が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該独立行政法人等から公文書管理法第11条第4項の規定により国立公文書館等に移管された場合(公文書管理法第16条第1項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあっては、公文書管理法第16条第1項の規定により国立公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
 その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該地方公共団体又は地方独立行政法人から公文書管理条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等の適切な保存及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)に基づき地方公文書館等(歴史公文書等の適切な保存及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理条例の規定(公文書管理法第16条第1項の規定に相当する規定に限る。以下この条において同じ。)による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあっては、公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長(地方公文書館等が地方公共団体の施設である場合にあってはその属する地方公共団体の長をいい、地方公文書館等が地方独立行政法人の施設である場合にあってはその施設を設置した地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
 その著作物でまだ公表されていないものを国立公文書館等に提供した場合(公文書管理法第16条第1項の規定による利用をさせる旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 同項の規定により国立公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
 その著作物でまだ公表されていないものを地方公文書館等に提供した場合(公文書管理条例の規定による利用をさせる旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。) 公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること。
4 第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
 行政機関情報公開法第5条の規定により行政機関の長が同条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は行政機関情報公開法第7条の規定により行政機関の長が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。
 独立行政法人等情報公開法第5条の規定により独立行政法人等が同条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき、又は独立行政法人等情報公開法第7条の規定により独立行政法人等が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、若しくは提示するとき。
 情報公開条例(行政機関情報公開法第13条第2項及び第3項の規定に相当する規定を設けているものに限る。第5号において同じ。)の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ロ又は同条第2号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
 情報公開条例の規定により地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
 情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第7条の規定に相当するものにより地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示するとき。
 公文書管理法第16条第1項の規定により国立公文書館等の長が行政機関情報公開法第5条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報又は独立行政法人等情報公開法第5条第1号ロ若しくはハ若しくは同条第2号ただし書に規定する情報が記録されている著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示するとき。
 公文書管理条例(公文書管理法第18条第2項及び第4項の規定に相当する規定を設けているものに限る。)の規定により地方公文書館等の長が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ロ又は同条第2号ただし書に規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
 公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長が著作物でまだ公表されていないもの(行政機関情報公開法第5条第1号ハに規定する情報に相当する情報が記録されているものに限る。)を公衆に提供し、又は提示するとき。
(氏名表示権)
第19条 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする2次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。
2 著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従って著作者名を表示することができる。
3 著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる。
4 第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従って著作者名を表示するとき。
 行政機関情報公開法第6条第2項の規定、独立行政法人等情報公開法第6条第2項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第6条第2項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物の著作者名の表示を省略することとなるとき。
 公文書管理法第16条第1項の規定又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る。)により国立公文書館等の長又は地方公文書館等の長が著作物を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該著作物につき既にその著作者が表示しているところに従って著作者名を表示するとき。
(同一性保持権)
第20条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する改変については、適用しない。
 第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第33条の3第1項又は第34条第1項の規定により著作物を利用する場合における用字又は用語の変更その他の改変で、学校教育の目的上やむを得ないと認められるもの
 建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変
 特定の電子計算機においては実行し得ないプログラムの著作物を当該電子計算機において実行し得るようにするため、又はプログラムの著作物を電子計算機においてより効果的に実行し得るようにするために必要な改変
 前3号に掲げるもののほか、著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変
第3款 著作権に含まれる権利の種類
(複製権)
第21条 著作者は、その著作物を複製する権利を専有する。
(上演権及び演奏権)
第22条 著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。
(上映権)
第22条の2 著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。
(公衆送信権等)
第23条 著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
(口述権)
第24条 著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。
(展示権)
第25条 著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する。
(頒布権)
第26条 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
2 著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。
(譲渡権)
第26条の2 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。以下この条において同じ。)をその原作品又は複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除く。以下この条において同じ。)の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、著作物の原作品又は複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された著作物の原作品又は複製物
 第67条第1項若しくは第69条の規定による裁定又は万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律(昭和31年法律第86号)第5条第1項の規定による許可を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
 第67条の2第1項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された著作物の複製物
 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された著作物の原作品又は複製物
 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された著作物の原作品又は複製物
(貸与権)
第26条の3 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。
(翻訳権、翻案権等)
第27条 著作者は、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する。
(2次的著作物の利用に関する原著作者の権利)
第28条 2次的著作物の原著作物の著作者は、当該2次的著作物の利用に関し、この款に規定する権利で当該2次的著作物の著作者が有するものと同一の種類の権利を専有する。
第4款 映画の著作物の著作権の帰属
第29条 映画の著作物(第15条第1項、次項又は第3項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。
2 専ら放送事業者が放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第15条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する。
 その著作物を放送する権利及び放送されるその著作物について、有線放送し、自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達する権利
 その著作物を複製し、又はその複製物により放送事業者に頒布する権利
3 専ら有線放送事業者が有線放送のための技術的手段として製作する映画の著作物(第15条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)の著作権のうち次に掲げる権利は、映画製作者としての当該有線放送事業者に帰属する。
 その著作物を有線放送する権利及び有線放送されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利
 その著作物を複製し、又はその複製物により有線放送事業者に頒布する権利
第5款 著作権の制限
(私的使用のための複製)
第30条 著作権の目的となっている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
 技術的保護手段の回避(第2条第1項第20号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によって防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によって抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになった複製を、その事実を知りながら行う場合
 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
2 私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であって政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であって政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(付随対象著作物の利用)
第30条の2 写真の撮影、録音又は録画(以下この項において「写真の撮影等」という。)の方法によって著作物を創作するに当たって、当該著作物(以下この条において「写真等著作物」という。)に係る写真の撮影等の対象とする事物又は音から分離することが困難であるため付随して対象となる事物又は音に係る他の著作物(当該写真等著作物における軽微な構成部分となるものに限る。以下この条において「付随対象著作物」という。)は、当該創作に伴って複製することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該複製の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 前項の規定により複製された付随対象著作物は、同項に規定する写真等著作物の利用に伴って、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該付随対象著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(検討の過程における利用)
第30条の3 著作権者の許諾を得て、又は第67条第1項、第68条第1項若しくは第69条の規定による裁定を受けて著作物を利用しようとする者は、これらの利用についての検討の過程(当該許諾を得、又は当該裁定を受ける過程を含む。)における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用)
第30条の4 著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合
 情報解析(多数の著作物その他の大量の情報から、当該情報を構成する言語、音、影像その他の要素に係る情報を抽出し、比較、分類その他の解析を行うことをいう。第47条の5第1項第2号において同じ。)の用に供する場合
 前2号に掲げる場合のほか、著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく当該著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用その他の利用(プログラムの著作物にあっては、当該著作物の電子計算機における実行を除く。)に供する場合
(図書館等における複製等)
第31条 国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この項及び第3項において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。
 図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあっては、その全部。第3項において同じ。)の複製物を1人につき一部提供する場合
 図書館資料の保存のため必要がある場合
 他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料(以下この条において「絶版等資料」という。)の複製物を提供する場合
2 前項各号に掲げる場合のほか、国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷若しくは汚損を避けるために当該原本に代えて公衆の利用に供するため、又は絶版等資料に係る著作物を次項の規定により自動公衆送信(送信可能化を含む。同項において同じ。)に用いるため、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合には、必要と認められる限度において、当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる。
3 国立国会図書館は、絶版等資料に係る著作物について、図書館等又はこれに類する外国の施設で政令で定めるものにおいて公衆に提示することを目的とする場合には、前項の規定により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことができる。この場合において、当該図書館等においては、その営利を目的としない事業として、当該図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し、当該複製物を1人につき一部提供することができる。
(引用)
第32条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
(教科用図書等への掲載)
第33条 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(学校教育法(昭和22年法律第26号)第34条第1項(同法第49条、第49条の8、第62条、第70条第1項及び第82条において準用する場合を含む。)に規定する教科用図書をいう。以下同じ。)に掲載することができる。
2 前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、著作物の種類及び用途、通常の使用料の額その他の事情を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これを官報で告示する。
4 前3項の規定は、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書及び教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。
(教科用図書代替教材への掲載等)
第33条の2 教科用図書に掲載された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書代替教材(学校教育法第34条第2項又は第3項(これらの規定を同法第49条、第49条の8、第62条、第70条第1項及び第82条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により教科用図書に代えて使用することができる同法第34条第2項に規定する教材をいう。以下この項及び次項において同じ。)に掲載し、及び教科用図書代替教材の当該使用に伴っていずれの方法によるかを問わず利用することができる。
2 前項の規定により教科用図書に掲載された著作物を教科用図書代替教材に掲載しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、同項の規定の趣旨、同項の規定による著作物の利用の態様及び利用状況、前条第2項に規定する補償金の額その他の事情を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これを官報で告示する。
(教科用拡大図書等の作成のための複製等)
第33条の3 教科用図書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害その他の障害により教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科用図書に用いられている文字、図形等の拡大その他の当該児童又は生徒が当該著作物を使用するために必要な方式により複製することができる。
2 前項の規定により複製する教科用の図書その他の複製物(点字により複製するものを除き、当該教科用図書に掲載された著作物の全部又は相当部分を複製するものに限る。以下この項において「教科用拡大図書等」という。)を作成しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書等を頒布する場合にあっては、第33条第2項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が定める算出方法により算出した額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。
3 文化庁長官は、前項の算出方法を定めたときは、これを官報で告示する。
4 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律(平成20年法律第81号)第5条第1項又は第2項の規定により教科用図書に掲載された著作物に係る電磁的記録の提供を行う者は、その提供のために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
(学校教育番組の放送等)
第34条 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、若しくは有線放送し、又は当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法(昭和25年法律第132号)第91条第2項第2号に規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあっては、電波法(昭和25年法律第131号)第14条第3項第2号に規定する放送区域をいう。以下同じ。)において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。
2 前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(学校その他の教育機関における複製等)
第35条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第38条第1項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(試験問題としての複製等)
第36条 公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあっては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 営利を目的として前項の複製又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(視覚障害者等のための複製等)
第37条 公表された著作物は、点字により複製することができる。
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあっては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。
3 視覚障害その他の障害により視覚による表現の認識が困難な者(以下この項及び第102条第4項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であって、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第4項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によっては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は公衆送信を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
(聴覚障害者等のための複製等)
第37条の2 聴覚障害者その他聴覚による表現の認識に障害のある者(以下この条及び次条第5項において「聴覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で次の各号に掲げる利用の区分に応じて政令で定めるものは、公表された著作物であって、聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この条において「聴覚著作物」という。)について、専ら聴覚障害者等で当該方式によっては当該聴覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、それぞれ当該各号に掲げる利用を行うことができる。ただし、当該聴覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第79条の出版権の設定を受けた者若しくはその複製許諾若しくは公衆送信許諾を得た者により、当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
 当該聴覚著作物に係る音声について、これを文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うこと。
 専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するため、複製すること(当該聴覚著作物に係る音声を文字にすることその他当該聴覚障害者等が利用するために必要な方式による当該音声の複製と併せて行うものに限る。)。
(営利を目的としない上演等)
第38条 公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもってするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
2 放送される著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、有線放送し、又は専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3 放送され、又は有線放送される著作物(放送される著作物が自動公衆送信される場合の当該著作物を含む。)は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、受信装置を用いて公に伝達することができる。通常の家庭用受信装置を用いてする場合も、同様とする。
4 公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。
5 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設その他の施設(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(同条第2号に係るものに限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができる。この場合において、当該頒布を行う者は、当該映画の著作物又は当該映画の著作物において複製されている著作物につき第26条に規定する権利を有する者(第28条の規定により第26条に規定する権利と同一の権利を有する者を含む。)に相当な額の補償金を支払わなければならない。
(時事問題に関する論説の転載等)
第39条 新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
2 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される論説は、受信装置を用いて公に伝達することができる。
(政治上の演説等の利用)
第40条 公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む。第42条第1項において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。
3 前項の規定により放送され、若しくは有線放送され、又は自動公衆送信される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。
(時事の事件の報道のための利用)
第41条 写真、映画、放送その他の方法によって時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴って利用することができる。
(裁判手続等における複製)
第42条 著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 次に掲げる手続のために必要と認められる場合についても、前項と同様とする。
 行政庁の行う特許、意匠若しくは商標に関する審査、実用新案に関する技術的な評価又は国際出願(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律(昭和53年法律第30号)第2条に規定する国際出願をいう。)に関する国際調査若しくは国際予備審査に関する手続
 行政庁若しくは独立行政法人の行う薬事(医療機器(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第2条第4項に規定する医療機器をいう。)及び再生医療等製品(同条第9項に規定する再生医療等製品をいう。)に関する事項を含む。以下この号において同じ。)に関する審査若しくは調査又は行政庁若しくは独立行政法人に対する薬事に関する報告に関する手続
(行政機関情報公開法等による開示のための利用)
第42条の2 行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人は、行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法、独立行政法人等情報公開法第15条第1項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項の規定に基づく政令で定める方法以外のものを除く。)を含む。)又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
(公文書管理法等による保存等のための利用)
第42条の3 国立公文書館等の長又は地方公文書館等の長は、公文書管理法第15条第1項の規定又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る。)により歴史公文書等を保存することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、当該歴史公文書等に係る著作物を複製することができる。
2 国立公文書館等の長又は地方公文書館等の長は、公文書管理法第16条第1項の規定又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る。)により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ公文書管理法第19条(同条の規定に基づく政令の規定を含む。以下この項において同じ。)に規定する方法又は公文書管理条例で定める方法(同条に規定する方法以外のものを除く。)により利用をさせるために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。
(国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製)
第43条 国立国会図書館の館長は、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)第25条の3第1項の規定により同項に規定するインターネット資料(以下この条において「インターネット資料」という。)又は同法第25条の4第3項の規定により同項に規定するオンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、当該インターネット資料又は当該オンライン資料に係る著作物を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録することができる。
2 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる資料を提供するために必要と認められる限度において、当該各号に掲げる資料に係る著作物を複製することができる。
 国立国会図書館法第24条及び第24条の2に規定する者 同法第25条の3第3項の求めに応じ提供するインターネット資料
 国立国会図書館法第24条及び第24条の2に規定する者以外の者 同法第25条の4第1項の規定により提供する同項に規定するオンライン資料
(放送事業者等による一時的固定)
第44条 放送事業者は、第23条第1項に規定する権利を害することなく放送することができる著作物を、自己の放送のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
2 有線放送事業者は、第23条第1項に規定する権利を害することなく有線放送することができる著作物を、自己の有線放送(放送を受信して行うものを除く。)のために、自己の手段により、一時的に録音し、又は録画することができる。
3 前2項の規定により作成された録音物又は録画物は、録音又は録画の後6月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送又は有線放送があったときは、その放送又は有線放送の後6月)を超えて保存することができない。ただし、政令で定めるところにより公的な記録保存所において保存する場合は、この限りでない。
(美術の著作物等の原作品の所有者による展示)
第45条 美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができる。
2 前項の規定は、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、適用しない。
(公開の美術の著作物等の利用)
第46条 美術の著作物でその原作品が前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
 彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
 建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
 前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合
(美術の著作物等の展示に伴う複製等)
第47条 美術の著作物又は写真の著作物の原作品により、第25条に規定する権利を害することなく、これらの著作物を公に展示する者(以下この条において「原作品展示者」という。)は、観覧者のためにこれらの展示する著作物(以下この条及び第47条の6第2項第1号において「展示著作物」という。)の解説若しくは紹介をすることを目的とする小冊子に当該展示著作物を掲載し、又は次項の規定により当該展示著作物を上映し、若しくは当該展示著作物について自動公衆送信(送信可能化を含む。同項及び同号において同じ。)を行うために必要と認められる限度において、当該展示著作物を複製することができる。ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 原作品展示者は、観覧者のために展示著作物の解説又は紹介をすることを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、当該展示著作物を上映し、又は当該展示著作物について自動公衆送信を行うことができる。ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該上映又は自動公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
3 原作品展示者及びこれに準ずる者として政令で定めるものは、展示著作物の所在に関する情報を公衆に提供するために必要と認められる限度において、当該展示著作物について複製し、又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該複製又は公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等)
第47条の2 美術の著作物又は写真の著作物の原作品又は複製物の所有者その他のこれらの譲渡又は貸与の権原を有する者が、第26条の2第1項又は第26条の3に規定する権利を害することなく、その原作品又は複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、当該権原を有する者又はその委託を受けた者は、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)(当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うものに限る。)を行うことができる。
(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
第47条の3 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができる。ただし、当該実行に係る複製物の使用につき、第113条第2項の規定が適用される場合は、この限りでない。
2 前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなった後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。
(電子計算機における著作物の利用に付随する利用等)
第47条の4 電子計算機における利用(情報通信の技術を利用する方法による利用を含む。以下この条において同じ。)に供される著作物は、次に掲げる場合その他これらと同様に当該著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 電子計算機において、著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合において、これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑又は効率的に行うために当該著作物を当該電子計算機の記録媒体に記録するとき。
 自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該他人の自動公衆送信の遅滞若しくは障害を防止し、又は送信可能化された著作物の自動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うために、これらの自動公衆送信のために送信可能化された著作物を記録媒体に記録する場合
 情報通信の技術を利用する方法により情報を提供する場合において、当該提供を円滑又は効率的に行うための準備に必要な電子計算機による情報処理を行うことを目的として記録媒体への記録又は翻案を行うとき。
2 電子計算機における利用に供される著作物は、次に掲げる場合その他これらと同様に当該著作物の電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し、又は当該状態に回復することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 記録媒体を内蔵する機器の保守又は修理を行うために当該機器に内蔵する記録媒体(以下この号及び次号において「内蔵記録媒体」という。)に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録する場合
 記録媒体を内蔵する機器をこれと同様の機能を有する機器と交換するためにその内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同様の機能を有する機器の内蔵記録媒体に記録する場合
 自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該自動公衆送信装置により送信可能化された著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供するために当該著作物を記録媒体に記録するとき。
(電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等)
第47条の5 電子計算機を用いた情報処理により新たな知見又は情報を創出することによって著作物の利用の促進に資する次の各号に掲げる行為を行う者(当該行為の一部を行う者を含み、当該行為を政令で定める基準に従って行う者に限る。)は、公衆への提供又は提示(送信可能化を含む。以下この条において同じ。)が行われた著作物(以下この条及び次条第2項第2号において「公衆提供提示著作物」という。)(公表された著作物又は送信可能化された著作物に限る。)について、当該各号に掲げる行為の目的上必要と認められる限度において、当該行為に付随して、いずれの方法によるかを問わず、利用(当該公衆提供提示著作物のうちその利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものに限る。以下この条において「軽微利用」という。)を行うことができる。ただし、当該公衆提供提示著作物に係る公衆への提供又は提示が著作権を侵害するものであること(国外で行われた公衆への提供又は提示にあっては、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものであること)を知りながら当該軽微利用を行う場合その他当該公衆提供提示著作物の種類及び用途並びに当該軽微利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
 電子計算機を用いて、検索により求める情報(以下この号において「検索情報」という。)が記録された著作物の題号又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号(自動公衆送信の送信元を識別するための文字、番号、記号その他の符号をいう。)その他の検索情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること。
 電子計算機による情報解析を行い、及びその結果を提供すること。
 前2号に掲げるもののほか、電子計算機による情報処理により、新たな知見又は情報を創出し、及びその結果を提供する行為であって、国民生活の利便性の向上に寄与するものとして政令で定めるもの
2 前項各号に掲げる行為の準備を行う者(当該行為の準備のための情報の収集、整理及び提供を政令で定める基準に従って行う者に限る。)は、公衆提供提示著作物について、同項の規定による軽微利用の準備のために必要と認められる限度において、複製若しくは公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。以下この項及び次条第2項第2号において同じ。)を行い、又はその複製物による頒布を行うことができる。ただし、当該公衆提供提示著作物の種類及び用途並びに当該複製又は頒布の部数及び当該複製、公衆送信又は頒布の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
(翻訳、翻案等による利用)
第47条の6 次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該著作物について、当該規定の例により当該各号に定める方法による利用を行うことができる。
 第30条第1項、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第34条第1項、第35条第1項又は前条第2項 翻訳、編曲、変形又は翻案
 第30条の2第1項又は第47条の3第1項 翻案
 第31条第1項第1号若しくは第3項後段、第32条、第36条第1項、第37条第1項若しくは第2項、第39条第1項、第40条第2項、第41条又は第42条 翻訳
 第33条の2第1項、第33条の3第1項又は第47条 変形又は翻案
 第37条第3項 翻訳、変形又は翻案
 第37条の2 翻訳又は翻案
2 前項の規定により創作された2次的著作物は、当該2次的著作物の原著作物を同項各号に掲げる規定(次の各号に掲げる2次的著作物にあっては、当該各号に定める規定を含む。以下この項及び第48条第3項第2号において同じ。)により利用することができる場合には、原著作物の著作者その他の当該2次的著作物の利用に関して第28条に規定する権利を有する者との関係においては、当該2次的著作物を前項各号に掲げる規定に規定する著作物に該当するものとみなして、当該各号に掲げる規定による利用を行うことができる。
 第47条第1項の規定により同条第2項の規定による展示著作物の上映又は自動公衆送信を行うために当該展示著作物を複製することができる場合に、前項の規定により創作された2次的著作物 同条第2項
 前条第2項の規定により公衆提供提示著作物について複製、公衆送信又はその複製物による頒布を行うことができる場合に、前項の規定により創作された2次的著作物 同条第1項
(複製権の制限により作成された複製物の譲渡)
第47条の7 第30条の2第2項、第30条の3、第30条の4、第31条第1項(第1号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)若しくは第3項後段、第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第4項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条、第37条の2(第2号を除く。以下この条において同じ。)、第39条第1項、第40条第1項若しくは第2項、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項、第46条、第47条第1項若しくは第3項、第47条の2、第47条の4又は第47条の5の規定により複製することができる著作物は、これらの規定の適用を受けて作成された複製物(第31条第1項若しくは第3項後段、第36条第1項又は第42条の規定に係る場合にあっては、映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を含む。以下この条において同じ。)を除く。)の譲渡により公衆に提供することができる。ただし、第30条の3、第31条第1項若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項、第47条第1項若しくは第3項、第47条の2、第47条の4若しくは第47条の5の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(第31条第1項若しくは第3項後段又は第42条の規定に係る場合にあっては、映画の著作物の複製物を除く。)を第30条の3、第31条第1項若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項、第47条第1項若しくは第3項、第47条の2、第47条の4若しくは第47条の5に定める目的以外の目的のために公衆に譲渡する場合又は第30条の4の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を当該著作物に表現された思想若しくは感情を自ら享受し若しくは他人に享受させる目的のために公衆に譲渡する場合は、この限りでない。
(出所の明示)
第48条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
 第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第33条の3第1項、第37条第1項、第42条又は第47条第1項の規定により著作物を複製する場合
 第34条第1項、第37条第3項、第37条の2、第39条第1項、第40条第1項若しくは第2項、第47条第2項若しくは第3項又は第47条の2の規定により著作物を利用する場合
 第32条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合又は第35条、第36条第1項、第38条第1項、第41条、第46条若しくは第47条の5第1項の規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。
2 前項の出所の明示に当たっては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。
3 次の各号に掲げる場合には、前2項の規定の例により、当該各号に規定する2次的著作物の原著作物の出所を明示しなければならない。
 第40条第1項、第46条又は第47条の5第1項の規定により創作された2次的著作物をこれらの規定により利用する場合
 第47条の6第1項の規定により創作された2次的著作物を同条第2項の規定の適用を受けて同条第1項各号に掲げる規定により利用する場合
(複製物の目的外使用等)
第49条 次に掲げる者は、第21条の複製を行ったものとみなす。
 第30条第1項、第30条の3、第31条第1項第1号若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2本文(同条第2号に係る場合にあっては、同号。次項第1号において同じ。)、第41条から第42条の3まで、第43条第2項、第44条第1項若しくは第2項、第47条第1項若しくは第3項、第47条の2又は第47条の5第1項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第1号又は第2号の複製物に該当するものを除く。)を頒布し、又は当該複製物によって当該著作物の公衆への提示(送信可能化を含む。以下同じ。)を行った者
 第30条の4の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第3号の複製物に該当するものを除く。)を用いて、当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者
 第44条第3項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者又は有線放送事業者
 第47条の3第1項の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第4号の複製物に該当するものを除く。)を頒布し、又は当該複製物によって当該著作物の公衆への提示を行った者
 第47条の3第2項の規定に違反して同項の複製物(次項第4号の複製物に該当するものを除く。)を保存した者
 第47条の4又は第47条の5第2項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物(次項第6号又は第7号の複製物に該当するものを除く。)を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者
2 次に掲げる者は、当該2次的著作物の原著作物につき第27条の翻訳、編曲、変形又は翻案を、当該2次的著作物につき第21条の複製を、それぞれ行ったものとみなす。
 第30条第1項、第31条第1項第1号若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第33条の3第1項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2本文、第41条、第42条又は第47条第1項若しくは第3項に定める目的以外の目的のために、第47条の6第2項の規定の適用を受けて同条第1項各号に掲げるこれらの規定により作成された2次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該2次的著作物の公衆への提示を行った者
 第30条の3又は第47条の5第1項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された2次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該2次的著作物の公衆への提示を行った者
 第30条の4の規定の適用を受けて作成された2次的著作物の複製物を用いて、当該2次的著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該2次的著作物を利用した者
 第47条の6第2項の規定の適用を受けて第47条の3第1項の規定により作成された2次的著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該2次的著作物の公衆への提示を行った者
 第47条の3第2項の規定に違反して前号の複製物を保存した者
 第47条の4に定める目的以外の目的のために、同条の規定の適用を受けて作成された2次的著作物の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該2次的著作物を利用した者
 第47条の5第2項に定める目的以外の目的のために、第47条の6第2項の規定の適用を受けて第47条の5第2項の規定により作成された2次的著作物の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該2次的著作物を利用した者
(著作者人格権との関係)
第50条 この款の規定は、著作者人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

第4節 保護期間

(保護期間の原則)
第51条 著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
2 著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者の死後。次条第1項において同じ。)70年を経過するまでの間、存続する。
(無名又は変名の著作物の保護期間)
第52条 無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後70年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後70年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後70年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
 変名の著作物における著作者の変名がその者のものとして周知のものであるとき。
 前項の期間内に第75条第1項の実名の登録があったとき。
 著作者が前項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したとき。
(団体名義の著作物の保護期間)
第53条 法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作権は、その著作物の公表後70年(その著作物がその創作後70年以内に公表されなかったときは、その創作後70年)を経過するまでの間、存続する。
2 前項の規定は、法人その他の団体が著作の名義を有する著作物の著作者である個人が同項の期間内にその実名又は周知の変名を著作者名として表示してその著作物を公表したときは、適用しない。
3 第15条第2項の規定により法人その他の団体が著作者である著作物の著作権の存続期間に関しては、第1項の著作物に該当する著作物以外の著作物についても、当該団体が著作の名義を有するものとみなして同項の規定を適用する。
(映画の著作物の保護期間)
第54条 映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後70年(その著作物がその創作後70年以内に公表されなかったときは、その創作後70年)を経過するまでの間、存続する。
2 映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。
3 前2条の規定は、映画の著作物の著作権については、適用しない。
第55条 削除
(継続的刊行物等の公表の時)
第56条 第52条第1項、第53条第1項及び第54条第1項の公表の時は、冊、号又は回を追って公表する著作物については、毎冊、毎号又は毎回の公表の時によるものとし、一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、最終部分の公表の時によるものとする。
2 一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、継続すべき部分が直近の公表の時から3年を経過しても公表されないときは、すでに公表されたもののうちの最終の部分をもって前項の最終部分とみなす。
(保護期間の計算方法)
第57条 第51条第2項、第52条第1項、第53条第1項又は第54条第1項の場合において、著作者の死後70年又は著作物の公表後70年若しくは創作後70年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する。
(保護期間の特例)
第58条 文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約により創設された国際同盟の加盟国、著作権に関する世界知的所有権機関条約の締約国又は世界貿易機関の加盟国である外国をそれぞれ文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約、著作権に関する世界知的所有権機関条約又は世界貿易機関を設立するマラケシュ協定の規定に基づいて本国とする著作物(第6条第1号に該当するものを除く。)で、その本国において定められる著作権の存続期間が第51条から第54条までに定める著作権の存続期間より短いものについては、その本国において定められる著作権の存続期間による。

第5節 著作者人格権の一身専属性等

(著作者人格権の一身専属性)
第59条 著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。
(著作者が存しなくなった後における人格的利益の保護)
第60条 著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなった後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。

第6節 著作権の譲渡及び消滅

(著作権の譲渡)
第61条 著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
2 著作権を譲渡する契約において、第27条又は第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。
(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅)
第62条 著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。
 著作権者が死亡した場合において、その著作権が民法(明治29年法律第89号)第959条(残余財産の国庫への帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
 著作権者である法人が解散した場合において、その著作権が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第239条第3項(残余財産の国庫への帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。
2 第54条第2項の規定は、映画の著作物の著作権が前項の規定により消滅した場合について準用する。

第7節 権利の行使

(著作物の利用の許諾)
第63条 著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。
2 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。
3 第1項の許諾に係る著作物を利用する権利は、著作権者の承諾を得ない限り、譲渡することができない。
4 著作物の放送又は有線放送についての第1項の許諾は、契約に別段の定めがない限り、当該著作物の録音又は録画の許諾を含まないものとする。
5 著作物の送信可能化について第1項の許諾を得た者が、その許諾に係る利用方法及び条件(送信可能化の回数又は送信可能化に用いる自動公衆送信装置に係るものを除く。)の範囲内において反復して又は他の自動公衆送信装置を用いて行う当該著作物の送信可能化については、第23条第1項の規定は、適用しない。
(共同著作物の著作者人格権の行使)
第64条 共同著作物の著作者人格権は、著作者全員の合意によらなければ、行使することができない。
2 共同著作物の各著作者は、信義に反して前項の合意の成立を妨げることができない。
3 共同著作物の著作者は、そのうちからその著作者人格権を代表して行使する者を定めることができる。
4 前項の権利を代表して行使する者の代表権に加えられた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
(共有著作権の行使)
第65条 共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。
2 共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。
3 前2項の場合において、各共有者は、正当な理由がない限り、第1項の同意を拒み、又は前項の合意の成立を妨げることができない。
4 前条第3項及び第4項の規定は、共有著作権の行使について準用する。
(質権の目的となった著作権)
第66条 著作権は、これを目的として質権を設定した場合においても、設定行為に別段の定めがない限り、著作権者が行使するものとする。
2 著作権を目的とする質権は、当該著作権の譲渡又は当該著作権に係る著作物の利用につき著作権者が受けるべき金銭その他の物(出版権の設定の対価を含む。)に対しても、行なうことができる。ただし、これらの支払又は引渡し前に、これらを受ける権利を差し押えることを必要とする。

第8節 裁定による著作物の利用

(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
第67条 公表された著作物又は相当期間にわたり公衆に提供され、若しくは提示されている事実が明らかである著作物は、著作権者の不明その他の理由により相当な努力を払ってもその著作権者と連絡することができない場合として政令で定める場合は、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託して、その裁定に係る利用方法により利用することができる。
2 国、地方公共団体その他これらに準ずるものとして政令で定める法人(以下この項及び次条において「国等」という。)が前項の規定により著作物を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず、同項の規定による供託を要しない。この場合において、国等が著作権者と連絡をすることができるに至ったときは、同項の規定により文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
3 第1項の裁定を受けようとする者は、著作物の利用方法その他政令で定める事項を記載した申請書に、著作権者と連絡することができないことを疎明する資料その他政令で定める資料を添えて、これを文化庁長官に提出しなければならない。
4 第1項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の裁定に係る複製物である旨及びその裁定のあった年月日を表示しなければならない。
(裁定申請中の著作物の利用)
第67条の2 前条第1項の裁定(以下この条において単に「裁定」という。)の申請をした者は、当該申請に係る著作物の利用方法を勘案して文化庁長官が定める額の担保金を供託した場合には、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間(裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至ったときは、当該連絡をすることができるに至った時までの間)、当該申請に係る利用方法と同一の方法により、当該申請に係る著作物を利用することができる。ただし、当該著作物の著作者が当該著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるときは、この限りでない。
2 国等が前項の規定により著作物を利用しようとするときは、同項の規定にかかわらず、同項の規定による供託を要しない。
3 第1項の規定により作成した著作物の複製物には、同項の規定の適用を受けて作成された複製物である旨及び裁定の申請をした年月日を表示しなければならない。
4 第1項の規定により著作物を利用する者(以下「申請中利用者」という。)(国等を除く。次項において同じ。)が裁定を受けたときは、前条第1項の規定にかかわらず、同項の補償金のうち第1項の規定により供託された担保金の額に相当する額(当該担保金の額が当該補償金の額を超えるときは、当該額)については、同条第1項の規定による供託を要しない。
5 申請中利用者は、裁定をしない処分を受けたとき(当該処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至った場合を除く。)は、当該処分を受けた時までの間における第1項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者のために供託しなければならない。この場合において、同項の規定により供託された担保金の額のうち当該補償金の額に相当する額(当該補償金の額が当該担保金の額を超えるときは、当該額)については、当該補償金を供託したものとみなす。
6 申請中利用者(国等に限る。)は、裁定をしない処分を受けた後に著作権者と連絡をすることができるに至ったときは、当該処分を受けた時までの間における第1項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
7 申請中利用者は、裁定又は裁定をしない処分を受けるまでの間に著作権者と連絡をすることができるに至ったときは、当該連絡をすることができるに至った時までの間における第1項の規定による著作物の利用に係る使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
8 第4項、第5項又は前項の場合において、著作権者は、前条第1項又はこの条第5項若しくは前項の補償金を受ける権利に関し、第1項の規定により供託された担保金から弁済を受けることができる。
9 第1項の規定により担保金を供託した者は、当該担保金の額が前項の規定により著作権者が弁済を受けることができる額を超えることとなったときは、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
(著作物の放送)
第68条 公表された著作物を放送しようとする放送事業者は、その著作権者に対し放送の許諾につき協議を求めたがその協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払って、その著作物を放送することができる。
2 前項の規定により放送される著作物は、有線放送し、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、又は受信装置を用いて公に伝達することができる。この場合において、当該有線放送、自動公衆送信又は伝達を行う者は、第38条第2項及び第3項の規定の適用がある場合を除き、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
(商業用レコードへの録音等)
第69条 商業用レコードが最初に国内において販売され、かつ、その最初の販売の日から3年を経過した場合において、当該商業用レコードに著作権者の許諾を得て録音されている音楽の著作物を録音して他の商業用レコードを製作しようとする者は、その著作権者に対し録音又は譲渡による公衆への提供の許諾につき協議を求めたが、その協議が成立せず、又はその協議をすることができないときは、文化庁長官の裁定を受け、かつ、通常の使用料の額に相当するものとして文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払って、当該録音又は譲渡による公衆への提供をすることができる。
(裁定に関する手続及び基準)
第70条 第67条第1項、第68条第1項又は前条の裁定の申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
2 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国又は独立行政法人のうち業務の内容その他の事情を勘案して政令で定めるもの(第78条第6項及び第107条第2項において「国等」という。)であるときは、適用しない。
3 文化庁長官は、第68条第1項又は前条の裁定の申請があったときは、その旨を当該申請に係る著作権者に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えなければならない。
4 文化庁長官は、第67条第1項、第68条第1項又は前条の裁定の申請があった場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、これらの裁定をしてはならない。
 著作者がその著作物の出版その他の利用を廃絶しようとしていることが明らかであるとき。
 第68条第1項の裁定の申請に係る著作権者がその著作物の放送の許諾を与えないことについてやむを得ない事情があるとき。
5 文化庁長官は、前項の裁定をしない処分をしようとするとき(第7項の規定により裁定をしない処分をする場合を除く。)は、あらかじめ申請者にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えなければならないものとし、当該裁定をしない処分をしたときは、理由を付した書面をもって申請者にその旨を通知しなければならない。
6 文化庁長官は、第67条第1項の裁定をしたときは、その旨を官報で告示するとともに申請者に通知し、第68条第1項又は前条の裁定をしたときは、その旨を当事者に通知しなければならない。
7 文化庁長官は、申請中利用者から第67条第1項の裁定の申請を取り下げる旨の申出があったときは、当該裁定をしない処分をするものとする。
8 前各項に規定するもののほか、この節に定める裁定に関し必要な事項は、政令で定める。

第9節 補償金等

(文化審議会への諮問)
第71条 文化庁長官は、次に掲げる事項を定める場合には、文化審議会に諮問しなければならない。
 第33条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第2項又は第33条の3第2項の算出方法
 第67条第1項、第67条の2第5項若しくは第6項、第68条第1項又は第69条の補償金の額
(補償金の額についての訴え)
第72条 第67条第1項、第67条の2第5項若しくは第6項、第68条第1項又は第69条の規定に基づき定められた補償金の額について不服がある当事者は、これらの規定による裁定(第67条の2第5項又は第6項に係る場合にあっては、第67条第1項の裁定をしない処分)があったことを知った日から6月以内に、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
2 前項の訴えにおいては、訴えを提起する者が著作物を利用する者であるときは著作権者を、著作権者であるときは著作物を利用する者を、それぞれ被告としなければならない。
(補償金の額についての審査請求の制限)
第73条 第67条第1項、第68条第1項又は第69条の裁定又は裁定をしない処分についての審査請求においては、その裁定又は裁定をしない処分に係る補償金の額についての不服をその裁定又は裁定をしない処分についての不服の理由とすることができない。ただし、第67条第1項の裁定又は裁定をしない処分を受けた者が著作権者の不明その他これに準ずる理由により前条第1項の訴えを提起することができない場合は、この限りでない。
(補償金等の供託)
第74条 第33条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第2項、第33条の3第2項、第68条第1項又は第69条の補償金を支払うべき者は、次に掲げる場合には、その補償金の支払に代えてその補償金を供託しなければならない。
 著作権者が補償金の受領を拒み、又は補償金を受領することができない場合
 その者が過失がなくて著作権者を確知することができない場合
 その者がその補償金の額について第72条第1項の訴えを提起した場合
 当該著作権を目的とする質権が設定されている場合(当該質権を有する者の承諾を得た場合を除く。)
2 前項第3号の場合において、著作権者の請求があるときは、当該補償金を支払うべき者は、自己の見積金額を支払い、裁定に係る補償金の額との差額を供託しなければならない。
3 第67条第1項、第67条の2第5項若しくは前2項の規定による補償金の供託又は同条第1項の規定による担保金の供託は、著作権者が国内に住所又は居所で知れているものを有する場合にあっては当該住所又は居所の最寄りの供託所に、その他の場合にあっては供託をする者の住所又は居所の最寄りの供託所に、それぞれするものとする。
4 前項の供託をした者は、すみやかにその旨を著作権者に通知しなければならない。ただし、著作権者の不明その他の理由により著作権者に通知することができない場合は、この限りでない。

第10節 登録

(実名の登録)
第75条 無名又は変名で公表された著作物の著作者は、現にその著作権を有するかどうかにかかわらず、その著作物についてその実名の登録を受けることができる。
2 著作者は、その遺言で指定する者により、死後において前項の登録を受けることができる。
3 実名の登録がされている者は、当該登録に係る著作物の著作者と推定する。
(第1発行年月日等の登録)
第76条 著作権者又は無名若しくは変名の著作物の発行者は、その著作物について第1発行年月日の登録又は第1公表年月日の登録を受けることができる。
2 第1発行年月日の登録又は第1公表年月日の登録がされている著作物については、これらの登録に係る年月日において最初の発行又は最初の公表があったものと推定する。
(創作年月日の登録)
第76条の2 プログラムの著作物の著作者は、その著作物について創作年月日の登録を受けることができる。ただし、その著作物の創作後6月を経過した場合は、この限りでない。
2 前項の登録がされている著作物については、その登録に係る年月日において創作があったものと推定する。
(著作権の登録)
第77条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
 著作権の移転若しくは信託による変更又は処分の制限
 著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
(登録手続等)
第78条 第75条第1項、第76条第1項、第76条の2第1項又は前条の登録は、文化庁長官が著作権登録原簿に記載し、又は記録して行う。
2 著作権登録原簿は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。第4項において同じ。)をもって調製することができる。
3 文化庁長官は、第75条第1項の登録を行ったときは、その旨を官報で告示する。
4 何人も、文化庁長官に対し、著作権登録原簿の謄本若しくは抄本若しくはその附属書類の写しの交付、著作権登録原簿若しくはその附属書類の閲覧又は著作権登録原簿のうち磁気ディスクをもって調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求することができる。
5 前項の請求をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
6 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国等であるときは、適用しない。
7 第1項に規定する登録に関する処分については、行政手続法(平成5年法律第88号)第2章及び第3章の規定は、適用しない。
8 著作権登録原簿及びその附属書類については、行政機関情報公開法の規定は、適用しない。
9 著作権登録原簿及びその附属書類に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)第2条第5項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第4章の規定は、適用しない。
10 この節に規定するもののほか、第1項に規定する登録に関し必要な事項は、政令で定める。
(プログラムの著作物の登録に関する特例)
第78条の2 プログラムの著作物に係る登録については、この節の規定によるほか、別に法律で定めるところによる。

第3章 出版権

(出版権の設定)
第79条 第21条又は第23条第1項に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権等保有者」という。)は、その著作物について、文書若しくは図画として出版すること(電子計算機を用いてその映像面に文書又は図画として表示されるようにする方式により記録媒体に記録し、当該記録媒体に記録された当該著作物の複製物により頒布することを含む。次条第2項及び第81条第1号において「出版行為」という。)又は当該方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあっては送信可能化を含む。以下この章において同じ。)を行うこと(次条第2項及び第81条第2号において「公衆送信行為」という。)を引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。
2 複製権等保有者は、その複製権又は公衆送信権を目的とする質権が設定されているときは、当該質権を有する者の承諾を得た場合に限り、出版権を設定することができるものとする。
(出版権の内容)
第80条 出版権者は、設定行為で定めるところにより、その出版権の目的である著作物について、次に掲げる権利の全部又は一部を専有する。
 頒布の目的をもって、原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利(原作のまま前条第1項に規定する方式により記録媒体に記録された電磁的記録として複製する権利を含む。)
 原作のまま前条第1項に規定する方式により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて公衆送信を行う権利
2 出版権の存続期間中に当該著作物の著作者が死亡したとき、又は、設定行為に別段の定めがある場合を除き、出版権の設定後最初の出版行為又は公衆送信行為(第83条第2項及び第84条第3項において「出版行為等」という。)があった日から3年を経過したときは、複製権等保有者は、前項の規定にかかわらず、当該著作物について、全集その他の編集物(その著作者の著作物のみを編集したものに限る。)に収録して複製し、又は公衆送信を行うことができる。
3 出版権者は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製又は公衆送信を許諾することができる。
4 第63条第2項、第3項及び第5項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第3項中「著作権者」とあるのは「第79条第1項の複製権等保有者及び出版権者」と、同条第5項中「第23条第1項」とあるのは「第80条第1項(第2号に係る部分に限る。)」と読み替えるものとする。
(出版の義務)
第81条 出版権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、その出版権の目的である著作物につき当該各号に定める義務を負う。ただし、設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。
 前条第1項第1号に掲げる権利に係る出版権者(次条において「第1号出版権者」という。) 次に掲げる義務
 複製権等保有者からその著作物を複製するために必要な原稿その他の原品若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から6月以内に当該著作物について出版行為を行う義務
 当該著作物について慣行に従い継続して出版行為を行う義務
 前条第1項第2号に掲げる権利に係る出版権者(次条第1項第2号において「第2号出版権者」という。) 次に掲げる義務
 複製権等保有者からその著作物について公衆送信を行うために必要な原稿その他の原品若しくはこれに相当する物の引渡し又はその著作物に係る電磁的記録の提供を受けた日から6月以内に当該著作物について公衆送信行為を行う義務
 当該著作物について慣行に従い継続して公衆送信行為を行う義務
(著作物の修正増減)
第82条 著作者は、次に掲げる場合には、正当な範囲内において、その著作物に修正又は増減を加えることができる。
 その著作物を第1号出版権者が改めて複製する場合
 その著作物について第2号出版権者が公衆送信を行う場合
2 第1号出版権者は、その出版権の目的である著作物を改めて複製しようとするときは、その都度、あらかじめ著作者にその旨を通知しなければならない。
(出版権の存続期間)
第83条 出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによる。
2 出版権は、その存続期間につき設定行為に定めがないときは、その設定後最初の出版行為等があった日から3年を経過した日において消滅する。
(出版権の消滅の請求)
第84条 出版権者が第81条第1号(イに係る部分に限る。)又は第2号(イに係る部分に限る。)の義務に違反したときは、複製権等保有者は、出版権者に通知してそれぞれ第80条第1項第1号又は第2号に掲げる権利に係る出版権を消滅させることができる。
2 出版権者が第81条第1号(ロに係る部分に限る。)又は第2号(ロに係る部分に限る。)の義務に違反した場合において、複製権等保有者が3月以上の期間を定めてその履行を催告したにもかかわらず、その期間内にその履行がされないときは、複製権等保有者は、出版権者に通知してそれぞれ第80条第1項第1号又は第2号に掲げる権利に係る出版権を消滅させることができる。
3 複製権等保有者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなったときは、その著作物の出版行為等を廃絶するために、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。ただし、当該廃絶により出版権者に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、この限りでない。
第85条 削除
(出版権の制限)
第86条 第30条第1項(第3号を除く。次項において同じ。)、第30条の2第2項、第30条の3、第30条の4、第31条第1項及び第3項後段、第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第33条の3第1項及び第4項、第34条第1項、第35条第1項、第36条第1項、第37条、第37条の2、第39条第1項、第40条第1項及び第2項、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項、第46条、第47条第1項及び第3項、第47条の2、第47条の4並びに第47条の5の規定は、出版権の目的となっている著作物の複製について準用する。この場合において、第30条の2第2項ただし書、第30条の3、第30条の4ただし書、第35条第1項ただし書、第42条第1項ただし書、第47条第1項ただし書及び第3項ただし書、第47条の2、第47条の4第1項ただし書及び第2項ただし書並びに第47条の5第1項ただし書及び第2項ただし書中「著作権者」とあるのは「出版権者」と、同条第1項ただし書中「著作権を」とあるのは「出版権を」と、「著作権の」とあるのは「出版権の」と読み替えるものとする。
2 次に掲げる者は、第80条第1項第1号の複製を行ったものとみなす。
 前項において準用する第30条第1項、第30条の3、第31条第1項第1号若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2本文(同条第2号に係る場合にあっては、同号)、第41条から第42条の2まで、第42条の3第2項、第47条第1項若しくは第3項、第47条の2又は第47条の5第1項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該著作物の公衆への提示を行った者
 前項において準用する第30条の4の規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を用いて、当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者
 前項において準用する第47条の4又は第47条の5第2項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用した者
3 第30条の2第2項、第30条の3、第30条の4、第31条第3項前段、第32条第1項、第33条の2第1項、第33条の3第4項、第35条第2項、第36条第1項、第37条第2項及び第3項、第37条の2(第2号を除く。)、第40条第1項、第41条、第42条の2、第42条の3第2項、第46条、第47条第2項及び第3項、第47条の2、第47条の4並びに第47条の5の規定は、出版権の目的となっている著作物の公衆送信について準用する。この場合において、第30条の2第2項ただし書、第30条の3、第30条の4ただし書、第35条第2項、第36条第1項ただし書、第47条第2項ただし書及び第3項ただし書、第47条の2、第47条の4第1項ただし書及び第2項ただし書並びに第47条の5第1項ただし書及び第2項ただし書中「著作権者」とあるのは「出版権者」と、同条第1項ただし書中「著作権を」とあるのは「出版権を」と、「著作権の」とあるのは「出版権の」と読み替えるものとする。
(出版権の譲渡等)
第87条 出版権は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、その全部又は一部を譲渡し、又は質権の目的とすることができる。
(出版権の登録)
第88条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
 出版権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は複製権若しくは公衆送信権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
 出版権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は出版権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限
2 第78条(第3項を除く。)の規定は、前項の登録について準用する。この場合において、同条第1項、第2項、第4項、第8項及び第9項中「著作権登録原簿」とあるのは、「出版権登録原簿」と読み替えるものとする。

第4章 著作隣接権

第1節 総則

(著作隣接権)
第89条 実演家は、第90条の2第1項及び第90条の3第1項に規定する権利(以下「実演家人格権」という。)並びに第91条第1項、第92条第1項、第92条の2第1項、第95条の2第1項及び第95条の3第1項に規定する権利並びに第94条の2及び第95条の3第3項に規定する報酬並びに第95条第1項に規定する2次使用料を受ける権利を享有する。
2 レコード製作者は、第96条、第96条の2、第97条の2第1項及び第97条の3第1項に規定する権利並びに第97条第1項に規定する2次使用料及び第97条の3第3項に規定する報酬を受ける権利を享有する。
3 放送事業者は、第98条から第100条までに規定する権利を享有する。
4 有線放送事業者は、第100条の2から第100条の5までに規定する権利を享有する。
5 前各項の権利の享有には、いかなる方式の履行をも要しない。
6 第1項から第4項までの権利(実演家人格権並びに第1項及び第2項の報酬及び2次使用料を受ける権利を除く。)は、著作隣接権という。
(著作者の権利と著作隣接権との関係)
第90条 この章の規定は、著作者の権利に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

第2節 実演家の権利

(氏名表示権)
第90条の2 実演家は、その実演の公衆への提供又は提示に際し、その氏名若しくはその芸名その他氏名に代えて用いられるものを実演家名として表示し、又は実演家名を表示しないこととする権利を有する。
2 実演を利用する者は、その実演家の別段の意思表示がない限り、その実演につき既に実演家が表示しているところに従って実演家名を表示することができる。
3 実演家名の表示は、実演の利用の目的及び態様に照らし実演家がその実演の実演家であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるとき又は公正な慣行に反しないと認められるときは、省略することができる。
4 第1項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。
 行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従って実演家名を表示するとき。
 行政機関情報公開法第6条第2項の規定、独立行政法人等情報公開法第6条第2項の規定又は情報公開条例の規定で行政機関情報公開法第6条第2項の規定に相当するものにより行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演の実演家名の表示を省略することとなるとき。
 公文書管理法第16条第1項の規定又は公文書管理条例の規定(同項の規定に相当する規定に限る。)により国立公文書館等の長又は地方公文書館等の長が実演を公衆に提供し、又は提示する場合において、当該実演につき既にその実演家が表示しているところに従って実演家名を表示するとき。
(同一性保持権)
第90条の3 実演家は、その実演の同一性を保持する権利を有し、自己の名誉又は声望を害するその実演の変更、切除その他の改変を受けないものとする。
2 前項の規定は、実演の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変又は公正な慣行に反しないと認められる改変については、適用しない。
(録音権及び録画権)
第91条 実演家は、その実演を録音し、又は録画する権利を専有する。
2 前項の規定は、同項に規定する権利を有する者の許諾を得て映画の著作物において録音され、又は録画された実演については、これを録音物(音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)に録音する場合を除き、適用しない。
(放送権及び有線放送権)
第92条 実演家は、その実演を放送し、又は有線放送する権利を専有する。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
 放送される実演を有線放送する場合
 次に掲げる実演を放送し、又は有線放送する場合
 前条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て録音され、又は録画されている実演
 前条第2項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの
(送信可能化権)
第92条の2 実演家は、その実演を送信可能化する権利を専有する。
2 前項の規定は、次に掲げる実演については、適用しない。
 第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て録画されている実演
 第91条第2項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの
(放送のための固定)
第93条 実演の放送について第92条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得た放送事業者は、その実演を放送のために録音し、又は録画することができる。ただし、契約に別段の定めがある場合及び当該許諾に係る放送番組と異なる内容の放送番組に使用する目的で録音し、又は録画する場合は、この限りでない。
2 次に掲げる者は、第91条第1項の録音又は録画を行なったものとみなす。
 前項の規定により作成された録音物又は録画物を放送の目的以外の目的又は同項ただし書に規定する目的のために使用し、又は提供した者
 前項の規定により作成された録音物又は録画物の提供を受けた放送事業者で、これらをさらに他の放送事業者の放送のために提供したもの
(放送のための固定物等による放送)
第94条 第92条第1項に規定する権利を有する者がその実演の放送を許諾したときは、契約に別段の定めがない限り、当該実演は、当該許諾に係る放送のほか、次に掲げる放送において放送することができる。
 当該許諾を得た放送事業者が前条第1項の規定により作成した録音物又は録画物を用いてする放送
 当該許諾を得た放送事業者からその者が前条第1項の規定により作成した録音物又は録画物の提供を受けてする放送
 当該許諾を得た放送事業者から当該許諾に係る放送番組の供給を受けてする放送(前号の放送を除く。)
2 前項の場合において、同項各号に掲げる放送において実演が放送されたときは、当該各号に規定する放送事業者は、相当な額の報酬を当該実演に係る第92条第1項に規定する権利を有する者に支払わなければならない。
(放送される実演の有線放送)
第94条の2 有線放送事業者は、放送される実演を有線放送した場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもってするかを問わず、実演の提示につき受ける対価をいう。次条第1項において同じ。)を受けない場合を除く。)には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限り、第92条第2項第2号に掲げるものを除く。)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。
(商業用レコードの2次使用)
第95条 放送事業者及び有線放送事業者(以下この条及び第97条第1項において「放送事業者等」という。)は、第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て実演が録音されている商業用レコード(送信可能化されたレコードを含む。第97条第1項及び第3項において同じ。)を用いた放送又は有線放送を行った場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行った場合を除く。)には、当該実演(第7条第1号から第6号までに掲げる実演で著作隣接権の存続期間内のものに限る。次項から第4項までにおいて同じ。)に係る実演家に2次使用料を支払わなければならない。
2 前項の規定は、実演家等保護条約の締約国については、当該締約国であって、実演家等保護条約第16条1(a)(i)の規定に基づき実演家等保護条約第12条の規定を適用しないこととしている国以外の国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家について適用する。
3 第8条第1号に掲げるレコードについて実演家等保護条約の締約国により与えられる実演家等保護条約第12条の規定による保護の期間が第1項の規定により実演家が保護を受ける期間より短いときは、当該締約国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家が同項の規定により保護を受ける期間は、第8条第1号に掲げるレコードについて当該締約国により与えられる実演家等保護条約第12条の規定による保護の期間による。
4 第1項の規定は、実演・レコード条約の締約国(実演家等保護条約の締約国を除く。)であって、実演・レコード条約第15条(3)の規定により留保を付している国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家については、当該留保の範囲に制限して適用する。
5 第1項の2次使用料を受ける権利は、国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によってのみ行使することができる。
6 文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ、前項の指定をしてはならない。
 営利を目的としないこと。
 その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
 その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
 第1項の2次使用料を受ける権利を有する者(以下この条において「権利者」という。)のためにその権利を行使する業務をみずから的確に遂行するに足りる能力を有すること。
7 第5項の団体は、権利者から申込みがあったときは、その者のためにその権利を行使することを拒んではならない。
8 第5項の団体は、前項の申込みがあったときは、権利者のために自己の名をもってその権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
9 文化庁長官は、第5項の団体に対し、政令で定めるところにより、第1項の2次使用料に係る業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又はその業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。
10 第5項の団体が同項の規定により権利者のために請求することができる2次使用料の額は、毎年、当該団体と放送事業者等又はその団体との間において協議して定めるものとする。
11 前項の協議が成立しないときは、その当事者は、政令で定めるところにより、同項の2次使用料の額について文化庁長官の裁定を求めることができる。
12 第70条第3項、第6項及び第8項、第71条(第2号に係る部分に限る。)並びに第72条から第74条までの規定は、前項の裁定及び2次使用料について準用する。この場合において、第70条第3項中「著作権者」とあるのは「当事者」と、第72条第2項中「著作物を利用する者」とあるのは「第95条第1項の放送事業者等」と、「著作権者」とあるのは「同条第5項の団体」と、第74条中「著作権者」とあるのは「第95条第5項の団体」と読み替えるものとする。
13 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)の規定は、第10項の協議による定め及びこれに基づいてする行為については、適用しない。ただし、不公正な取引方法を用いる場合及び関連事業者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
14 第5項から前項までに定めるもののほか、第1項の2次使用料の支払及び第5項の団体に関し必要な事項は、政令で定める。
(譲渡権)
第95条の2 実演家は、その実演をその録音物又は録画物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、次に掲げる実演については、適用しない。
 第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て録画されている実演
 第91条第2項の実演で同項の録音物以外の物に録音され、又は録画されているもの
3 第1項の規定は、実演(前項各号に掲げるものを除く。以下この条において同じ。)の録音物又は録画物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
 第1項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
 第103条において準用する第67条第1項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
 第103条において準用する第67条の2第1項の規定の適用を受けて公衆に譲渡された実演の録音物又は録画物
 第1項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡された実演の録音物又は録画物
 国外において、第1項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡された実演の録音物又は録画物
(貸与権等)
第95条の3 実演家は、その実演をそれが録音されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、最初に販売された日から起算して1月以上12月を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した商業用レコード(複製されているレコードのすべてが当該商業用レコードと同一であるものを含む。以下「期間経過商業用レコード」という。)の貸与による場合には、適用しない。
3 商業用レコードの公衆への貸与を営業として行う者(以下「貸レコード業者」という。)は、期間経過商業用レコードの貸与により実演を公衆に提供した場合には、当該実演(著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係る実演家に相当な額の報酬を支払わなければならない。
4 第95条第5項から第14項までの規定は、前項の報酬を受ける権利について準用する。この場合において、同条第10項中「放送事業者等」とあり、及び同条第12項中「第95条第1項の放送事業者等」とあるのは、「第95条の3第3項の貸レコード業者」と読み替えるものとする。
5 第1項に規定する権利を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利は、前項において準用する第95条第5項の団体によって行使することができる。
6 第95条第7項から第14項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合においては、第4項後段の規定を準用する。

第3節 レコード製作者の権利

(複製権)
第96条 レコード製作者は、そのレコードを複製する権利を専有する。
(送信可能化権)
第96条の2 レコード製作者は、そのレコードを送信可能化する権利を専有する。
(商業用レコードの2次使用)
第97条 放送事業者等は、商業用レコードを用いた放送又は有線放送を行った場合(営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもってするかを問わず、レコードに係る音の提示につき受ける対価をいう。)を受けずに、当該放送を受信して同時に有線放送を行った場合を除く。)には、そのレコード(第8条第1号から第4号までに掲げるレコードで著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係るレコード製作者に2次使用料を支払わなければならない。
2 第95条第2項及び第4項の規定は、前項に規定するレコード製作者について準用し、同条第3項の規定は、前項の規定により保護を受ける期間について準用する。この場合において、同条第2項から第4項までの規定中「国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演に係る実演家」とあるのは「国民であるレコード製作者」と、同条第3項中「実演家が保護を受ける期間」とあるのは「レコード製作者が保護を受ける期間」と読み替えるものとする。
3 第1項の2次使用料を受ける権利は、国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)でその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該団体によってのみ行使することができる。
4 第95条第6項から第14項までの規定は、第1項の2次使用料及び前項の団体について準用する。
(譲渡権)
第97条の2 レコード製作者は、そのレコードをその複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、レコードの複製物で次の各号のいずれかに該当するものの譲渡による場合には、適用しない。
 前項に規定する権利を有する者又はその許諾を得た者により公衆に譲渡されたレコードの複製物
 第103条において準用する第67条第1項の規定による裁定を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物
 第103条において準用する第67条の2第1項の規定の適用を受けて公衆に譲渡されたレコードの複製物
 前項に規定する権利を有する者又はその承諾を得た者により特定かつ少数の者に譲渡されたレコードの複製物
 国外において、前項に規定する権利に相当する権利を害することなく、又は同項に規定する権利に相当する権利を有する者若しくはその承諾を得た者により譲渡されたレコードの複製物
(貸与権等)
第97条の3 レコード製作者は、そのレコードをそれが複製されている商業用レコードの貸与により公衆に提供する権利を専有する。
2 前項の規定は、期間経過商業用レコードの貸与による場合には、適用しない。
3 貸レコード業者は、期間経過商業用レコードの貸与によりレコードを公衆に提供した場合には、当該レコード(著作隣接権の存続期間内のものに限る。)に係るレコード製作者に相当な額の報酬を支払わなければならない。
4 第97条第3項の規定は、前項の報酬を受ける権利の行使について準用する。
5 第95条第6項から第14項までの規定は、第3項の報酬及び前項において準用する第97条第3項に規定する団体について準用する。この場合においては、第95条の3第4項後段の規定を準用する。
6 第1項に規定する権利を有する者の許諾に係る使用料を受ける権利は、第4項において準用する第97条第3項の団体によって行使することができる。
7 第5項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第5項中「第95条第6項」とあるのは、「第95条第7項」と読み替えるものとする。

第4節 放送事業者の権利

(複製権)
第98条 放送事業者は、その放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、その放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。
(再放送権及び有線放送権)
第99条 放送事業者は、その放送を受信してこれを再放送し、又は有線放送する権利を専有する。
2 前項の規定は、放送を受信して有線放送を行なう者が法令の規定により行なわなければならない有線放送については、適用しない。
(送信可能化権)
第99条の2 放送事業者は、その放送又はこれを受信して行う有線放送を受信して、その放送を送信可能化する権利を専有する。
2 前項の規定は、放送を受信して自動公衆送信を行う者が法令の規定により行わなければならない自動公衆送信に係る送信可能化については、適用しない。
(テレビジョン放送の伝達権)
第100条 放送事業者は、そのテレビジョン放送又はこれを受信して行なう有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する。

第5節 有線放送事業者の権利

(複製権)
第100条の2 有線放送事業者は、その有線放送を受信して、その有線放送に係る音又は影像を録音し、録画し、又は写真その他これに類似する方法により複製する権利を専有する。
(放送権及び再有線放送権)
第100条の3 有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを放送し、又は再有線放送する権利を専有する。
(送信可能化権)
第100条の4 有線放送事業者は、その有線放送を受信してこれを送信可能化する権利を専有する。
(有線テレビジョン放送の伝達権)
第100条の5 有線放送事業者は、その有線テレビジョン放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその有線放送を公に伝達する権利を専有する。

第6節 保護期間

(実演、レコード、放送又は有線放送の保護期間)
第101条 著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時に始まる。
 実演に関しては、その実演を行った時
 レコードに関しては、その音を最初に固定した時
 放送に関しては、その放送を行った時
 有線放送に関しては、その有線放送を行った時
2 著作隣接権の存続期間は、次に掲げる時をもって満了する。
 実演に関しては、その実演が行われた日の属する年の翌年から起算して70年を経過した時
 レコードに関しては、その発行が行われた日の属する年の翌年から起算して70年(その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して70年を経過する時までの間に発行されなかったときは、その音が最初に固定された日の属する年の翌年から起算して70年)を経過した時
 放送に関しては、その放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時
 有線放送に関しては、その有線放送が行われた日の属する年の翌年から起算して50年を経過した時

第7節 実演家人格権の一身専属性等

(実演家人格権の一身専属性)
第101条の2 実演家人格権は、実演家の一身に専属し、譲渡することができない。
(実演家の死後における人格的利益の保護)
第101条の3 実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。

第8節 権利の制限、譲渡及び行使等並びに登録

(著作隣接権の制限)
第102条 第30条第1項、第30条の2から第32条まで、第35条、第36条、第37条第3項、第37条の2(第1号を除く。次項において同じ。)、第38条第2項及び第4項、第41条から第43条まで、第44条(第2項を除く。)、第46条から第47条の2まで、第47条の4並びに第47条の5の規定は、著作隣接権の目的となっている実演、レコード、放送又は有線放送の利用について準用し、第30条第2項及び第47条の7の規定は、著作隣接権の目的となっている実演又はレコードの利用について準用し、第33条から第33条の3までの規定は、著作隣接権の目的となっている放送又は有線放送の利用について準用し、第44条第2項の規定は、著作隣接権の目的となっている実演、レコード又は有線放送の利用について準用する。この場合において、同条第1項中「第23条第1項」とあるのは「第92条第1項、第99条第1項又は第100条の3」と、同条第2項中「第23条第1項」とあるのは「第92条第1項又は第100条の3」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する第32条、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)、第33条の2第1項、第33条の3第1項、第37条第3項、第37条の2、第42条若しくは第47条の規定又は次項若しくは第4項の規定により実演若しくはレコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(以下「実演等」と総称する。)を複製する場合において、その出所を明示する慣行があるときは、これらの複製の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、その出所を明示しなければならない。
3 第33条の3第1項の規定により教科用図書に掲載された著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードを複製し、又は同項に定める目的のためにその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
4 視覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で第37条第3項の政令で定めるものは、同項の規定により視覚著作物を複製することができる場合には、同項の規定の適用を受けて作成された録音物において録音されている実演又は当該録音物に係るレコードについて、複製し、又は同項に定める目的のために、送信可能化を行い、若しくはその複製物の譲渡により公衆に提供することができる。
5 著作隣接権の目的となっている実演であって放送されるものは、専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として送信可能化(公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものに限る。)を行うことができる。ただし、当該放送に係る第99条の2第1項に規定する権利を有する者の権利を害することとなる場合は、この限りでない。
6 前項の規定により実演の送信可能化を行う者は、第1項において準用する第38条第2項の規定の適用がある場合を除き、当該実演に係る第92条の2第1項に規定する権利を有する者に相当な額の補償金を支払わなければならない。
7 前2項の規定は、著作隣接権の目的となっているレコードの利用について準用する。この場合において、前項中「第92条の2第1項」とあるのは、「第96条の2」と読み替えるものとする。
8 第39条第1項又は第40条第1項若しくは第2項の規定により著作物を放送し、又は有線放送することができる場合には、その著作物の放送若しくは有線放送について、これを受信して有線放送し、若しくは影像を拡大する特別の装置を用いて公に伝達し、又はその著作物の放送について、これを受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として送信可能化(公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものに限る。)を行うことができる。
9 次に掲げる者は、第91条第1項、第96条、第98条又は第100条の2の録音、録画又は複製を行ったものとみなす。
 第1項において準用する第30条第1項、第30条の3、第31条第1項第1号若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第33条の3第1項若しくは第4項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2第2号、第41条から第42条の3まで、第43条第2項、第44条第1項若しくは第2項、第47条第1項若しくは第3項、第47条の2又は第47条の5第1項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該実演、当該レコードに係る音若しくは当該放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の公衆への提示を行った者
 第1項において準用する第30条の4の規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、当該実演等を自ら享受し又は他人に享受させる目的のために、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者
 第1項において準用する第44条第3項の規定に違反して同項の録音物又は録画物を保存した放送事業者又は有線放送事業者
 第1項において準用する第47条の4又は第47条の5第2項に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された実演等の複製物を用いて、いずれの方法によるかを問わず、当該実演等を利用した者
 第33条の3第1項又は第37条第3項に定める目的以外の目的のために、第3項若しくは第4項の規定の適用を受けて作成された実演若しくはレコードの複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該実演若しくは当該レコードに係る音の公衆への提示を行った者
(実演家人格権との関係)
第102条の2 前条の著作隣接権の制限に関する規定(同条第7項及び第8項の規定を除く。)は、実演家人格権に影響を及ぼすものと解釈してはならない。
(著作隣接権の譲渡、行使等)
第103条 第61条第1項の規定は著作隣接権の譲渡について、第62条第1項の規定は著作隣接権の消滅について、第63条の規定は実演、レコード、放送又は有線放送の利用の許諾について、第65条の規定は著作隣接権が共有に係る場合について、第66条の規定は著作隣接権を目的として質権が設定されている場合について、第67条、第67条の2(第1項ただし書を除く。)、第70条(第3項及び第4項を除く。)、第71条(第2号に係る部分に限る。)、第72条、第73条並びに第74条第3項及び第4項の規定は著作隣接権者と連絡することができない場合における実演、レコード、放送又は有線放送の利用について、第71条(第1号に係る部分に限る。)及び第74条の規定は第102条第1項において準用する第33条から第33条の3までの規定による放送又は有線放送の利用について、それぞれ準用する。この場合において、第63条第5項中「第23条第1項」とあるのは「第92条の2第1項、第96条の2、第99条の2第1項又は第100条の4」と、第70条第5項中「前項」とあるのは「第103条において準用する第67条第1項」と読み替えるものとする。
(著作隣接権の登録)
第104条 第77条及び第78条(第3項を除く。)の規定は、著作隣接権に関する登録について準用する。この場合において、同条第1項、第2項、第4項、第8項及び第9項中「著作権登録原簿」とあるのは、「著作隣接権登録原簿」と読み替えるものとする。

第5章 私的録音録画補償金

(私的録音録画補償金を受ける権利の行使)
第104条の2 第30条第2項(第102条第1項において準用する場合を含む。以下この章において同じ。)の補償金(以下この章において「私的録音録画補償金」という。)を受ける権利は、私的録音録画補償金を受ける権利を有する者(以下この章において「権利者」という。)のためにその権利を行使することを目的とする団体であって、次に掲げる私的録音録画補償金の区分ごとに全国を通じて1個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するもの(以下この章において「指定管理団体」という。)があるときは、それぞれ当該指定管理団体によってのみ行使することができる。
 私的使用を目的として行われる録音(専ら録画とともに行われるものを除く。以下この章において「私的録音」という。)に係る私的録音録画補償金
 私的使用を目的として行われる録画(専ら録音とともに行われるものを含む。以下この章において「私的録画」という。)に係る私的録音録画補償金
2 前項の規定による指定がされた場合には、指定管理団体は、権利者のために自己の名をもって私的録音録画補償金を受ける権利に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
(指定の基準)
第104条の3 文化庁長官は、次に掲げる要件を備える団体でなければ前条第1項の規定による指定をしてはならない。
 一般社団法人であること。
 前条第1項第1号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合についてはイ、ハ及びニに掲げる団体を、同項第2号に掲げる私的録音録画補償金に係る場合についてはロからニまでに掲げる団体を構成員とすること。
 私的録音に係る著作物に関し第21条に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であって、国内において私的録音に係る著作物に関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
 私的録画に係る著作物に関し第21条に規定する権利を有する者を構成員とする団体(その連合体を含む。)であって、国内において私的録画に係る著作物に関し同条に規定する権利を有する者の利益を代表すると認められるもの
 国内において実演を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)
 国内において商業用レコードの製作を業とする者の相当数を構成員とする団体(その連合体を含む。)
 前号イからニまでに掲げる団体がそれぞれ次に掲げる要件を備えるものであること。
 営利を目的としないこと。
 その構成員が任意に加入し、又は脱退することができること。
 その構成員の議決権及び選挙権が平等であること。
 権利者のために私的録音録画補償金を受ける権利を行使する業務(第104条の8第1項の事業に係る業務を含む。以下この章において「補償金関係業務」という。)を的確に遂行するに足りる能力を有すること。
(私的録音録画補償金の支払の特例)
第104条の4 第30条第2項の政令で定める機器(以下この章において「特定機器」という。)又は記録媒体(以下この章において「特定記録媒体」という。)を購入する者(当該特定機器又は特定記録媒体が小売に供された後最初に購入するものに限る。)は、その購入に当たり、指定管理団体から、当該特定機器又は特定記録媒体を用いて行う私的録音又は私的録画に係る私的録音録画補償金の一括の支払として、第104条の6第1項の規定により当該特定機器又は特定記録媒体について定められた額の私的録音録画補償金の支払の請求があった場合には、当該私的録音録画補償金を支払わなければならない。
2 前項の規定により私的録音録画補償金を支払った者は、指定管理団体に対し、その支払に係る特定機器又は特定記録媒体を専ら私的録音及び私的録画以外の用に供することを証明して、当該私的録音録画補償金の返還を請求することができる。
3 第1項の規定による支払の請求を受けて私的録音録画補償金が支払われた特定機器により同項の規定による支払の請求を受けて私的録音録画補償金が支払われた特定記録媒体に私的録音又は私的録画を行う者は、第30条第2項の規定にかかわらず、当該私的録音又は私的録画を行うに当たり、私的録音録画補償金を支払うことを要しない。ただし、当該特定機器又は特定記録媒体が前項の規定により私的録音録画補償金の返還を受けたものであるときは、この限りでない。
(製造業者等の協力義務)
第104条の5 前条第1項の規定により指定管理団体が私的録音録画補償金の支払を請求する場合には、特定機器又は特定記録媒体の製造又は輸入を業とする者(次条第3項において「製造業者等」という。)は、当該私的録音録画補償金の支払の請求及びその受領に関し協力しなければならない。
(私的録音録画補償金の額)
第104条の6 第104条の2第1項の規定により指定管理団体が私的録音録画補償金を受ける権利を行使する場合には、指定管理団体は、私的録音録画補償金の額を定め、文化庁長官の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の認可があったときは、私的録音録画補償金の額は、第30条第2項の規定にかかわらず、その認可を受けた額とする。
3 指定管理団体は、第104条の4第1項の規定により支払の請求をする私的録音録画補償金に係る第1項の認可の申請に際し、あらかじめ、製造業者等の団体で製造業者等の意見を代表すると認められるものの意見を聴かなければならない。
4 文化庁長官は、第1項の認可の申請に係る私的録音録画補償金の額が、第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。)及び第104条の4第1項の規定の趣旨、録音又は録画に係る通常の使用料の額その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ、その認可をしてはならない。
5 文化庁長官は、第1項の認可をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
(補償金関係業務の執行に関する規程)
第104条の7 指定管理団体は、補償金関係業務を開始しようとするときは、補償金関係業務の執行に関する規程を定め、文化庁長官に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 前項の規程には、私的録音録画補償金(第104条の4第1項の規定に基づき支払を受けるものに限る。)の分配に関する事項を含むものとし、指定管理団体は、第30条第2項の規定の趣旨を考慮して当該分配に関する事項を定めなければならない。
(著作権等の保護に関する事業等のための支出)
第104条の8 指定管理団体は、私的録音録画補償金(第104条の4第1項の規定に基づき支払を受けるものに限る。)の額の2割以内で政令で定める割合に相当する額を、著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために支出しなければならない。
2 文化庁長官は、前項の政令の制定又は改正の立案をしようとするときは、文化審議会に諮問しなければならない。
3 文化庁長官は、第1項の事業に係る業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告の徴収等)
第104条の9 文化庁長官は、指定管理団体の補償金関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、指定管理団体に対し、補償金関係業務に関して報告をさせ、若しくは帳簿、書類その他の資料の提出を求め、又は補償金関係業務の執行方法の改善のため必要な勧告をすることができる。
(政令への委任)
第104条の10 この章に規定するもののほか、指定管理団体及び補償金関係業務に関し必要な事項は、政令で定める。

第6章 紛争処理

(著作権紛争解決あっせん委員)
第105条 この法律に規定する権利に関する紛争につきあっせんによりその解決を図るため、文化庁に著作権紛争解決あっせん委員(以下この章において「委員」という。)を置く。
2 委員は、文化庁長官が、著作権又は著作隣接権に係る事項に関し学識経験を有する者のうちから、事件ごとに3人以内を委嘱する。
(あっせんの申請)
第106条 この法律に規定する権利に関し紛争が生じたときは、当事者は、文化庁長官に対し、あっせんの申請をすることができる。
(手数料)
第107条 あっせんの申請をする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
2 前項の規定は、同項の規定により手数料を納付すべき者が国等であるときは、適用しない。
(あっせんへの付託)
第108条 文化庁長官は、第106条の規定に基づき当事者の双方からあっせんの申請があったとき、又は当事者の一方からあっせんの申請があった場合において他の当事者がこれに同意したときは、委員によるあっせんに付するものとする。
2 文化庁長官は、前項の申請があった場合において、事件がその性質上あっせんをするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあっせんの申請をしたと認めるときは、あっせんに付さないことができる。
(あっせん)
第109条 委員は、当事者間をあっせんし、双方の主張の要点を確かめ、実情に即して事件が解決されるように努めなければならない。
2 委員は、事件が解決される見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
(報告等)
第110条 委員は、あっせんが終わったときは、その旨を文化庁長官に報告しなければならない。
2 委員は、前条の規定によりあっせんを打ち切ったときは、その旨及びあっせんを打ち切ることとした理由を、当事者に通知するとともに文化庁長官に報告しなければならない。
(政令への委任)
第111条 この章に規定するもののほか、あっせんの手続及び委員に関し必要な事項は、政令で定める。

第7章 権利侵害

(差止請求権)
第112条 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物、侵害の行為によって作成された物又は専ら侵害の行為に供された機械若しくは器具の廃棄その他の侵害の停止又は予防に必要な措置を請求することができる。
(侵害とみなす行為)
第113条 次に掲げる行為は、当該著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
 国内において頒布する目的をもって、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害となるべき行為によって作成された物を輸入する行為
 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為によって作成された物(前号の輸入に係る物を含む。)を、情を知って、頒布し、頒布の目的をもって所持し、若しくは頒布する旨の申出をし、又は業として輸出し、若しくは業としての輸出の目的をもって所持する行為
2 プログラムの著作物の著作権を侵害する行為によって作成された複製物(当該複製物の所有者によって第47条の3第1項の規定により作成された複製物並びに前項第1号の輸入に係るプログラムの著作物の複製物及び当該複製物の所有者によって同条第1項の規定により作成された複製物を含む。)を業務上電子計算機において使用する行為は、これらの複製物を使用する権原を取得した時に情を知っていた場合に限り、当該著作権を侵害する行為とみなす。
3 技術的利用制限手段の回避(技術的利用制限手段により制限されている著作物等の視聴を当該技術的利用制限手段の効果を妨げることにより可能とすること(著作権者等の意思に基づいて行われる場合を除く。)をいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)を行う行為は、技術的利用制限手段に係る研究又は技術の開発の目的上正当な範囲内で行われる場合その他著作権者等の利益を不当に害しない場合を除き、当該技術的利用制限手段に係る著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
4 次に掲げる行為は、当該権利管理情報に係る著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。
 権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為
 権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合その他の著作物又は実演等の利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合を除く。)
 前2号の行為が行われた著作物若しくは実演等の複製物を、情を知って、頒布し、若しくは頒布の目的をもって輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物若しくは実演等を情を知って公衆送信し、若しくは送信可能化する行為
5 第94条の2、第95条の3第3項若しくは第97条の3第3項に規定する報酬又は第95条第1項若しくは第97条第1項に規定する2次使用料を受ける権利は、前項の規定の適用については、著作隣接権とみなす。この場合において、前条中「著作隣接権者」とあるのは「著作隣接権者(次条第5項の規定により著作隣接権とみなされる権利を有する者を含む。)」と、同条第1項中「著作隣接権を」とあるのは「著作隣接権(同項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。)を」とする。
6 国内において頒布することを目的とする商業用レコード(以下この項において「国内頒布目的商業用レコード」という。)を自ら発行し、又は他の者に発行させている著作権者又は著作隣接権者が、当該国内頒布目的商業用レコードと同一の商業用レコードであって、専ら国外において頒布することを目的とするもの(以下この項において「国外頒布目的商業用レコード」という。)を国外において自ら発行し、又は他の者に発行させている場合において、情を知って、当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布する目的をもって輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもって所持する行為は、当該国外頒布目的商業用レコードが国内で頒布されることにより当該国内頒布目的商業用レコードの発行により当該著作権者又は著作隣接権者の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限り、それらの著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。ただし、国内において最初に発行された日から起算して7年を超えない範囲内において政令で定める期間を経過した国内頒布目的商業用レコードと同一の国外頒布目的商業用レコードを輸入する行為又は当該国外頒布目的商業用レコードを国内において頒布し、若しくは国内において頒布する目的をもって所持する行為については、この限りでない。
7 著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。
(善意者に係る譲渡権の特例)
第113条の2 著作物の原作品若しくは複製物(映画の著作物の複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあっては、当該映画の著作物の複製物を含む。)を除く。以下この条において同じ。)、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物の譲渡を受けた時において、当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物がそれぞれ第26条の2第2項各号、第95条の2第3項各号又は第97条の2第2項各号のいずれにも該当しないものであることを知らず、かつ、知らないことにつき過失がない者が当該著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物を公衆に譲渡する行為は、第26条の2第1項、第95条の2第1項又は第97条の2第1項に規定する権利を侵害する行為でないものとみなす。
(損害の額の推定等)
第114条 著作権者等が故意又は過失により自己の著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為によって作成された物を譲渡し、又はその侵害の行為を組成する公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。)を行ったときは、その譲渡した物の数量又はその公衆送信が公衆によって受信されることにより作成された著作物若しくは実演等の複製物(以下この項において「受信複製物」という。)の数量(以下この項において「譲渡等数量」という。)に、著作権者等がその侵害の行為がなければ販売することができた物(受信複製物を含む。)の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、著作権者等の当該物に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において、著作権者等が受けた損害の額とすることができる。ただし、譲渡等数量の全部又は一部に相当する数量を著作権者等が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量に応じた額を控除するものとする。
2 著作権者、出版権者又は著作隣接権者が故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者、出版権者又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。
3 著作権者、出版権者又は著作隣接権者は、故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対し、その著作権、出版権又は著作隣接権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として、その賠償を請求することができる。
4 著作権者又は著作隣接権者は、前項の規定によりその著作権又は著作隣接権を侵害した者に対し損害の賠償を請求する場合において、その著作権又は著作隣接権が著作権等管理事業法(平成12年法律第131号)第2条第1項に規定する管理委託契約に基づき同条第3項に規定する著作権等管理事業者が管理するものであるときは、当該著作権等管理事業者が定める同法第13条第1項に規定する使用料規程のうちその侵害の行為に係る著作物等の利用の態様について適用されるべき規定により算出したその著作権又は著作隣接権に係る著作物等の使用料の額(当該額の算出方法が複数あるときは、当該複数の算出方法によりそれぞれ算出した額のうち最も高い額)をもって、前項に規定する金銭の額とすることができる。
5 第3項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に故意又は重大な過失がなかったときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。
(具体的態様の明示義務)
第114条の2 著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者が侵害の行為を組成したもの又は侵害の行為によって作成されたものとして主張する物の具体的態様を否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。ただし、相手方において明らかにすることができない相当の理由があるときは、この限りでない。
(書類の提出等)
第114条の3 裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害の行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類の提出を命ずることができる。ただし、その書類の所持者においてその提出を拒むことについて正当な理由があるときは、この限りでない。
2 裁判所は、前項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかの判断をするため必要があると認めるときは、書類の所持者にその提示をさせることができる。この場合においては、何人も、その提示された書類の開示を求めることができない。
3 裁判所は、前項の場合において、第1項ただし書に規定する正当な理由があるかどうかについて前項後段の書類を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等(当事者(法人である場合にあっては、その代表者)又は当事者の代理人(訴訟代理人及び補佐人を除く。)、使用人その他の従業者をいう。第114条の6第1項において同じ。)、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該書類を開示することができる。
4 前3項の規定は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟における当該侵害の行為について立証するため必要な検証の目的の提示について準用する。
(鑑定人に対する当事者の説明義務)
第114条の4 著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、当事者の申立てにより、裁判所が当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。
(相当な損害額の認定)
第114条の5 著作権、出版権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
(秘密保持命令)
第114条の6 裁判所は、著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権の侵害に係る訴訟において、その当事者が保有する営業秘密(不正競争防止法(平成5年法律第47号)第2条第6項に規定する営業秘密をいう。以下同じ。)について、次に掲げる事由のいずれにも該当することにつき疎明があった場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は当該営業秘密に係るこの項の規定による命令を受けた者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。ただし、その申立ての時までに当事者等、訴訟代理人又は補佐人が第1号に規定する準備書面の閲読又は同号に規定する証拠の取調べ若しくは開示以外の方法により当該営業秘密を取得し、又は保有していた場合は、この限りでない。
 既に提出され若しくは提出されるべき準備書面に当事者の保有する営業秘密が記載され、又は既に取り調べられ若しくは取り調べられるべき証拠(第114条の3第3項の規定により開示された書類を含む。)の内容に当事者の保有する営業秘密が含まれること。
 前号の営業秘密が当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用され、又は当該営業秘密が開示されることにより、当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に支障を生ずるおそれがあり、これを防止するため当該営業秘密の使用又は開示を制限する必要があること。
2 前項の規定による命令(以下「秘密保持命令」という。)の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
 秘密保持命令を受けるべき者
 秘密保持命令の対象となるべき営業秘密を特定するに足りる事実
 前項各号に掲げる事由に該当する事実
3 秘密保持命令が発せられた場合には、その決定書を秘密保持命令を受けた者に送達しなければならない。
4 秘密保持命令は、秘密保持命令を受けた者に対する決定書の送達がされた時から、効力を生ずる。
5 秘密保持命令の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
(秘密保持命令の取消し)
第114条の7 秘密保持命令の申立てをした者又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所(訴訟記録の存する裁判所がない場合にあっては、秘密保持命令を発した裁判所)に対し、前条第1項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。
2 秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判があった場合には、その決定書をその申立てをした者及び相手方に送達しなければならない。
3 秘密保持命令の取消しの申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
4 秘密保持命令を取り消す裁判は、確定しなければその効力を生じない。
5 裁判所は、秘密保持命令を取り消す裁判をした場合において、秘密保持命令の取消しの申立てをした者又は相手方以外に当該秘密保持命令が発せられた訴訟において当該営業秘密に係る秘密保持命令を受けている者があるときは、その者に対し、直ちに、秘密保持命令を取り消す裁判をした旨を通知しなければならない。
(訴訟記録の閲覧等の請求の通知等)
第114条の8 秘密保持命令が発せられた訴訟(すべての秘密保持命令が取り消された訴訟を除く。)に係る訴訟記録につき、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第92条第1項の決定があった場合において、当事者から同項に規定する秘密記載部分の閲覧等の請求があり、かつ、その請求の手続を行った者が当該訴訟において秘密保持命令を受けていない者であるときは、裁判所書記官は、同項の申立てをした当事者(その請求をした者を除く。第3項において同じ。)に対し、その請求後直ちに、その請求があった旨を通知しなければならない。
2 前項の場合において、裁判所書記官は、同項の請求があった日から2週間を経過する日までの間(その請求の手続を行った者に対する秘密保持命令の申立てがその日までにされた場合にあっては、その申立てについての裁判が確定するまでの間)、その請求の手続を行った者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせてはならない。
3 前2項の規定は、第1項の請求をした者に同項の秘密記載部分の閲覧等をさせることについて民事訴訟法第92条第1項の申立てをした当事者のすべての同意があるときは、適用しない。
(名誉回復等の措置)
第115条 著作者又は実演家は、故意又は過失によりその著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者に対し、損害の賠償に代えて、又は損害の賠償とともに、著作者又は実演家であることを確保し、又は訂正その他著作者若しくは実演家の名誉若しくは声望を回復するために適当な措置を請求することができる。
(著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置)
第116条 著作者又は実演家の死後においては、その遺族(死亡した著作者又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう。以下この条において同じ。)は、当該著作者又は実演家について第60条又は第101条の3の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第112条の請求を、故意又は過失により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為又は第60条若しくは第101条の3の規定に違反する行為をした者に対し前条の請求をすることができる。
2 前項の請求をすることができる遺族の順位は、同項に規定する順序とする。ただし、著作者又は実演家が遺言によりその順位を別に定めた場合は、その順序とする。
3 著作者又は実演家は、遺言により、遺族に代えて第1項の請求をすることができる者を指定することができる。この場合において、その指定を受けた者は、当該著作者又は実演家の死亡の日の属する年の翌年から起算して70年を経過した後(その経過する時に遺族が存する場合にあっては、その存しなくなった後)においては、その請求をすることができない。
(共同著作物等の権利侵害)
第117条 共同著作物の各著作者又は各著作権者は、他の著作者又は他の著作権者の同意を得ないで、第112条の規定による請求又はその著作権の侵害に係る自己の持分に対する損害の賠償の請求若しくは自己の持分に応じた不当利得の返還の請求をすることができる。
2 前項の規定は、共有に係る著作権又は著作隣接権の侵害について準用する。
(無名又は変名の著作物に係る権利の保全)
第118条 無名又は変名の著作物の発行者は、その著作物の著作者又は著作権者のために、自己の名をもって、第112条、第115条若しくは第116条第1項の請求又はその著作物の著作者人格権若しくは著作権の侵害に係る損害の賠償の請求若しくは不当利得の返還の請求を行なうことができる。ただし、著作者の変名がその者のものとして周知のものである場合及び第75条第1項の実名の登録があった場合は、この限りでない。
2 無名又は変名の著作物の複製物にその実名又は周知の変名が発行者名として通常の方法により表示されている者は、その著作物の発行者と推定する。

第8章 罰則

第119条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。第3項において同じ。)に定める私的使用の目的をもって自ら著作物若しくは実演等の複製を行った者、第113条第3項の規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者、同条第4項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第5項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第120条の2第3号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行った者、第113条第6項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者又は次項第3号若しくは第4号に掲げる者を除く。)は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者(第113条第4項の規定により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為とみなされる行為を行った者を除く。)
 営利を目的として、第30条第1項第1号に規定する自動複製機器を著作権、出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者
 第113条第1項の規定により著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者
 第113条第2項の規定により著作権を侵害する行為とみなされる行為を行った者
3 第30条第1項に定める私的使用の目的をもって、録音録画有償著作物等(録音され、又は録画された著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となっているものに限る。)であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)をいう。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害した者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第120条 第60条又は第101条の3の規定に違反した者は、500万円以下の罰金に処する。
第120条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 技術的保護手段の回避若しくは技術的利用制限手段の回避を行うことをその機能とする装置(当該装置の部品一式であって容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避若しくは技術的利用制限手段の回避を行うことをその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し、若しくは貸与し、公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもって製造し、輸入し、若しくは所持し、若しくは公衆の使用に供し、又は当該プログラムを公衆送信し、若しくは送信可能化する行為(当該装置又は当該プログラムが当該機能以外の機能を併せて有する場合にあっては、著作権等を侵害する行為を技術的保護手段の回避により可能とし、又は第113条第3項の規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を技術的利用制限手段の回避により可能とする用途に供するために行うものに限る。)をした者
 業として公衆からの求めに応じて技術的保護手段の回避又は技術的利用制限手段の回避を行った者
 営利を目的として、第113条第4項の規定により著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者
 営利を目的として、第113条第6項の規定により著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者
第121条 著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物(原著作物の著作者でない者の実名又は周知の変名を原著作物の著作者名として表示した2次的著作物の複製物を含む。)を頒布した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第121条の2 次の各号に掲げる商業用レコード(当該商業用レコードの複製物(2以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、その複製物を頒布の目的をもって所持し、又はその複製物を頒布する旨の申出をした者(当該各号の原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して70年を経過した後において当該複製、頒布、所持又は申出を行った者を除く。)は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 国内において商業用レコードの製作を業とする者が、レコード製作者からそのレコード(第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
 国外において商業用レコードの製作を業とする者が、実演家等保護条約の締約国の国民、世界貿易機関の加盟国の国民又はレコード保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)であるレコード製作者からそのレコード(第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
第122条 第48条又は第102条第2項の規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処する。
第122条の2 秘密保持命令に違反した者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の罪は、国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
第123条 第119条、第120条の2第3号及び第4号、第121条の2並びに前条第1項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 前項の規定は、次に掲げる行為の対価として財産上の利益を受ける目的又は有償著作物等の提供若しくは提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益を害する目的で、次の各号のいずれかに掲げる行為を行うことにより犯した第119条第1項の罪については、適用しない。
 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含む。次号において同じ。)を行うこと(当該有償著作物等の種類及び用途、当該譲渡の部数、当該譲渡又は公衆送信の態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。
 有償著作物等について、原作のまま複製された複製物を公衆に譲渡し、又は原作のまま公衆送信を行うために、当該有償著作物等を複製すること(当該有償著作物等の種類及び用途、当該複製の部数及び態様その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る。)。
3 前項に規定する有償著作物等とは、著作物又は実演等(著作権、出版権又は著作隣接権の目的となっているものに限る。)であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権、出版権又は著作隣接権を侵害するもの(国外で行われた提供又は提示にあっては、国内で行われたとしたならばこれらの権利の侵害となるべきもの)を除く。)をいう。
4 無名又は変名の著作物の発行者は、その著作物に係る第1項に規定する罪について告訴をすることができる。ただし、第118条第1項ただし書に規定する場合及び当該告訴が著作者の明示した意思に反する場合は、この限りでない。
第124条 法人の代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
 第119条第1項若しくは第2項第3号若しくは第4号又は第122条の2第1項 3億円以下の罰金刑
 第119条第2項第1号若しくは第2号又は第120条から第122条まで 各本条の罰金刑
2 法人格を有しない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
3 第1項の場合において、当該行為者に対してした告訴又は告訴の取消しは、その法人又は人に対しても効力を生じ、その法人又は人に対してした告訴又は告訴の取消しは、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
4 第1項の規定により第119条第1項若しくは第2項又は第122条の2第1項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。

附則

(施行期日)
第1条 この法律は、昭和46年1月1日から施行する。
(適用範囲についての経過措置)
第2条 改正後の著作権法(以下「新法」という。)中著作権に関する規定は、この法律の施行の際現に改正前の著作権法(以下「旧法」という。)による著作権の全部が消滅している著作物については、適用しない。
2 この法律の施行の際現に旧法による著作権の一部が消滅している著作物については、新法中これに相当する著作権に関する規定は、適用しない。
3 この法律の施行前に行われた実演(新法第7条各号のいずれかに該当するものを除く。)又はこの法律の施行前にその音が最初に固定されたレコード(新法第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)でこの法律の施行の際現に旧法による著作権が存するものについては、新法第7条及び第8条の規定にかかわらず、著作権法中著作隣接権に関する規定(第94条の2、第95条、第95条の3第3項及び第4項、第97条並びに第97条の3第3項から第5項までの規定を含む。)を適用する。
(国等が作成した翻訳物等についての経過措置)
第3条 新法第13条第4号に該当する著作物でこの法律の施行の際現に旧法による出版権が設定されているものについては、当該出版権の存続期間内に限り、同号の規定は、適用しない。
(法人名義の著作物等の著作者についての経過措置)
第4条 新法第15条及び第16条の規定は、この法律の施行前に創作された著作物については、適用しない。
(映画の著作物等の著作権の帰属についての経過措置)
第5条 この法律の施行前に創作された新法第29条に規定する映画の著作物の著作権の帰属については、なお従前の例による。
2 新法の規定は、この法律の施行前に著作物中に挿入された写真の著作物又はこの法律の施行前に嘱託によって創作された肖像写真の著作物の著作権の帰属について旧法第24条又は第25条の規定により生じた効力を妨げない。
(自動複製機器についての経過措置)
第5条の2 著作権法第30条第1項第1号及び第119条第2項第2号の規定の適用については、当分の間、これらの規定に規定する自動複製機器には、専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。
(公開の美術の著作物についての経過措置)
第6条 この法律の施行の際現にその原作品が新法第45条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されている美術の著作物の著作権者は、その設置による当該著作物の展示を許諾したものとみなす。
(著作物の保護期間についての経過措置)
第7条 この法律の施行前に公表された著作物の著作権の存続期間については、当該著作物の旧法による著作権の存続期間が新法第2章第4節の規定による期間より長いときは、なお従前の例による。
(翻訳権の存続期間についての経過措置)
第8条 この法律の施行前に発行された著作物については、旧法第7条及び第9条の規定は、なおその効力を有する。
(著作権の処分についての経過措置)
第9条 この法律の施行前にした旧法の著作権の譲渡その他の処分は、附則第15条第1項の規定に該当する場合を除き、これに相当する新法の著作権の譲渡その他の処分とみなす。
(合著作物についての経過措置)
第10条 この法律の施行前に2人以上の者が共同して創作した著作物でその各人の寄与を分離して個別的に利用することができるものについては、旧法第13条第1項及び第3項の規定は、なおその効力を有する。
2 前項の著作物は、新法第51条第2項又は第52条第1項の規定の適用については、共同著作物とみなす。
(裁定による著作物の利用についての経過措置)
第11条 新法第69条の規定は、この法律の施行前に国内において販売された商業用レコードに録音されている音楽の著作物の他の商業用レコードの製作のための録音については、適用しない。
2 旧法第22条ノ5第2項又は第27条第1項若しくは第2項の規定により著作物を利用することができることとされた者は、なお従前の例により当該著作物を利用することができる。
3 旧法第22条ノ5第2項又は第27条第2項の規定に基づき文化庁長官が定めた償金の額は、新法第68条第1項又は第67条第1項の規定に基づき文化庁長官が定めた補償金の額とみなして、新法第72条及び第73条の規定を適用する。
4 前項の場合において、当該償金の額について不服のある当事者が裁定のあったことをこの法律の施行前に知っているときは、新法第72条第1項に規定する期間は、この法律の施行の日から起算する。
(登録についての経過措置)
第12条 この法律の施行前にした旧法第15条の著作権の登録、実名の登録及び第1発行年月日の登録に関する処分又は手続は、附則第15条第3項の規定に該当する場合を除き、これらに相当する新法第75条から第77条までの登録に関する処分又は手続とみなす。
2 この法律の施行の際現に旧法第15条第3項の著作年月日の登録がされている著作物については、旧法第35条第5項の規定は、なおその効力を有する。
(出版権についての経過措置)
第13条 この法律の施行前に設定された旧法による出版権でこの法律の施行の際現に存するものは、新法による出版権とみなす。
2 この法律の施行前にした旧法第28条ノ10の出版権の登録に関する処分又は手続は、これに相当する新法第88条の登録に関する処分又は手続とみなす。
3 第1項の出版権については、新法第80条から第85条までの規定にかかわらず、旧法第28条ノ3から第28条ノ8までの規定は、なおその効力を有する。
第14条 削除
(著作隣接権についての経過措置)
第15条 この法律の施行前にした旧法の著作権の譲渡その他の処分で、この法律の施行前に行われた実演又はこの法律の施行前にその音が最初に固定されたレコードでこの法律の施行の日から新法中著作隣接権に関する規定が適用されることとなるものに係るものは、新法のこれに相当する著作隣接権の譲渡その他の処分とみなす。
2 前項に規定する実演又はレコードでこの法律の施行の際現に旧法による著作権が存するものに係る著作隣接権の存続期間は、旧法によるこれらの著作権の存続期間の満了する日が新法第101条の規定による期間の満了する日後の日であるときは、同条の規定にかかわらず、旧法による著作権の存続期間の満了する日(その日がこの法律の施行の日から起算して70年を経過する日後の日であるときは、その70年を経過する日)までの間とする。
3 この法律の施行前に第1項に規定する実演又はレコードについてした旧法第15条第1項の著作権の登録に関する処分又は手続は、これに相当する新法第104条の著作隣接権の登録に関する処分又は手続とみなす。
4 附則第10条第1項及び第12条第2項の規定は、第1項に規定する実演又はレコードについて準用する。
(複製物の頒布等についての経過措置)
第16条 この法律の施行前に作成した著作物、実演又はレコードの複製物であって、新法第2章第3節第5款(新法第102条第1項において準用する場合を含む。)の規定を適用するとしたならば適法なものとなるべきものは、これらの規定に定める複製の目的の範囲内において、使用し、又は頒布することができる。この場合においては、新法第113条第1項第2号の規定は、適用しない。
(権利侵害についての経過措置)
第17条 この法律の施行前にした旧法第18条第1項若しくは第2項の規定に違反する行為又は旧法第3章に規定する偽作に該当する行為(出版権を侵害する行為を含む。)については、新法第14条及び第7章の規定にかかわらず、なお旧法第12条、第28条ノ11、第29条、第33条、第34条、第35条第1項から第4項まで、第36条及び第36条ノ2の規定の例による。
(罰則についての経過措置)
第18条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和53年5月18日法律第49号)
(施行期日)
1 この法律は、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の著作権法中著作隣接権に関する規定は、この法律の施行前にその音が最初に固定された著作権法第8条第6号に掲げるレコードについては、適用しない。
附則 (昭和56年5月19日法律第45号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和58年12月2日法律第78号)
1 この法律(第1条を除く。)は、昭和59年7月1日から施行する。
2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附則 (昭和59年5月1日法律第23号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
附則 (昭和59年5月25日法律第46号)
(施行期日)
1 この法律は、昭和60年1月1日から施行する。
(暫定措置法の廃止)
2 商業用レコードの公衆への貸与に関する著作者等の権利に関する暫定措置法(昭和58年法律第76号。以下「暫定措置法」という。)は、廃止する。
(暫定措置法の廃止に伴う経過措置)
3 この法律の施行前に暫定措置法の規定により商業用レコードの公衆への貸与について許諾を得た者は、改正後の著作権法第26条の2、第95条の2及び第97条の2の規定にかかわらず、その許諾に係る条件の範囲内において当該商業用レコードに複製されている著作物、実演及びレコードを当該商業用レコードの貸与により公衆に提供することができる。
4 この法律の施行前にした暫定措置法第4条第1項の規定に違反する行為については、暫定措置法(これに基づく政令を含む。)の規定は、なおその効力を有する。
附則 (昭和60年6月14日法律第62号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、昭和61年1月1日から施行する。ただし、第76条の次に1条を加える改正規定及び第78条第1項の改正規定並びに附則第6項の規定は、改正後の著作権法第78条の2に規定する法律の施行の日から施行する。
(職務上作成する著作物についての経過措置)
2 改正後の著作権法第15条の規定は、この法律の施行後に創作された著作物について適用し、この法律の施行前に創作された著作物については、なお従前の例による。
(創作年月日登録についての経過措置)
3 改正後の著作権法第78条の2に規定する法律の施行の日前6月以内に創作されたプログラムの著作物に係る著作権法第76条の2第1項の登録については、その施行の日から3月を経過する日までの間は、同項ただし書の規定は、適用しない。
(プログラムの著作物の複製物の使用についての経過措置)
4 改正後の著作権法第113条第2項の規定は、この法律の施行前に作成されたプログラムの著作物の複製物であって、改正後の著作権法第47条の2の規定を適用するとしたならば適法であり、かつ、保存し得るべきものとなるものについては、適用しない。
(罰則についての経過措置)
5 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和61年5月23日法律第64号)
(施行期日)
1 この法律は、昭和62年1月1日から施行する。
(有線放送のための映画の著作物の著作権の帰属についての経過措置)
2 この法律の施行前に創作された改正後の著作権法第29条第3項に規定する映画の著作物の著作権の帰属については、なお従前の例による。
(有線放送事業者又は実演家に係る著作隣接権についての経過措置)
3 著作権法中有線放送事業者又は実演家に係る著作隣接権に関する規定(第95条並びに第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)は、この法律の施行前に行われた有線放送又はその有線放送において送信された実演(同法第7条第1号から第3号までに規定する実演に該当するものを除く。)については、適用しない。
(罰則についての経過措置)
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和61年5月23日法律第65号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、昭和62年4月1日から施行する。
附則 (昭和63年11月1日法律第87号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の著作権法第121条第2号の規定は、この法律の施行後に行われる次に掲げる行為については、適用しない。
 国内において商業用レコードの製作を業とする者がレコード製作者からそのレコード(第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード(次号において「特定外国原盤商業用レコード」という。)で、当該原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して20年を経過する日(次号において「改正前の禁止期間経過日」という。)がこの法律の施行前であるものを商業用レコードとして複製し、又はその複製物を頒布する行為
 改正前の禁止期間経過日以前に特定外国原盤商業用レコードを複製した商業用レコードで、改正前の禁止期間経過日がこの法律の施行前であるものを頒布する行為
附則 (平成元年6月28日法律第43号)
(施行期日)
1 この法律は、実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(条約により保護の義務を負う実演等についての経過措置)
2 改正後の著作権法(以下「新法」という。)中著作隣接権に関する規定(第95条及び第97条の規定を含む。)は、次に掲げるものについては、適用しない。
 この法律の施行前に行われた新法第7条第5号に掲げる実演
 この法律の施行前にその音が最初に固定された新法第8条第3号に掲げるレコードで次項に規定するもの以外のもの
 この法律の施行前に行われた新法第9条第3号に掲げる放送
3 この法律の施行前にその音が最初に固定された新法第8条第3号に掲げるレコードで許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約により我が国が保護の義務を負うものについては、なお従前の例による。
(国内に常居所を有しない外国人であった実演家についての経過措置)
4 著作権法中著作隣接権に関する規定(第95条並びに第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)は、この法律の施行前に行われた実演に係る実演家で当該実演が行われた際国内に常居所を有しない外国人であったものについては、適用しない。ただし、著作権法の施行前に行われた実演で同法の施行の際現に旧著作権法(明治32年法律第39号)による著作権が存するものに係る実演家については、この限りでない。
附則 (平成3年5月2日法律第63号)
(施行期日)
1 この法律は、平成4年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 著作権法第95条の3の規定は、著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第43号。次項第2号において「平成元年改正法」という。)の施行前に行われた著作権法第7条第5号に掲げる実演については、適用しない。
3 著作権法第97条の3の規定は、次に掲げるものについては、適用しない。
 許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(次号及び附則第5項第3号において「レコード保護条約」という。)により我が国が保護の義務を負うレコード(著作権法第8条第1号又は第2号に掲げるものを除く。)であって著作権法の一部を改正する法律(昭和53年法律第49号)の施行前にその音が最初に固定されたもの
 著作権法第8条第3号に掲げるレコード(レコード保護条約により我が国が保護の義務を負うものを除く。)であって平成元年改正法の施行前にその音が最初に固定されたもの
4 最初に販売された日がこの法律の施行前である商業用レコード(第7条第1号から第4号までに掲げる実演が録音されているもの及び第8条第1号又は第2号に掲げるレコードが複製されているものに限る。)を実演家又はレコード製作者が貸与により公衆に提供する権利に関する第95条の3第2項に規定する期間経過商業用レコードに係る期間の起算日については、なお従前の例による。
5 改正後の第121条の2の規定は、この法律の施行後に行われる次に掲げる行為については、適用しない。
 国内において商業用レコードの製作を業とする者がレコード製作者からそのレコード(第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード(次号において「特定外国原盤商業用レコード」という。)で、当該原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して20年を経過する日(次号において「20年の禁止期間経過日」という。)が著作権法の一部を改正する法律(昭和63年法律第87号。次号及び第3号において「昭和63年改正法」という。)の施行前であるもの(当該商業用レコードの複製物(2以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、又はその複製物を頒布の目的をもって所持する行為
 20年の禁止期間経過日以前に特定外国原盤商業用レコードを複製した商業用レコードで、20年の禁止期間経過日が昭和63年改正法の施行前であるものを頒布し、又は頒布の目的をもって所持する行為
 著作権法の施行地外において商業用レコードの製作を業とする者が実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約又はレコード保護条約の締約国の国民(これらの条約の締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)であるレコード製作者からそのレコード(第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコードで、当該原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して20年を経過する日が昭和63年改正法の施行前であるもの(当該商業用レコードの複製物(2以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、又はその複製物を頒布の目的をもって所持する行為
6 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成4年12月16日法律第106号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、目次の改正規定、第7章を第8章とし、第6章を第7章とし、第5章を第6章とし、第4章の次に1章を加える改正規定(第104条の4、第104条の5並びに第104条の8第1項及び第3項に係る部分を除く。)及び附則第17条の改正規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の著作権法(以下「新法」という。)の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前の購入(小売に供された後の最初の購入に限る。以下同じ。)に係る新法第104条の4第1項の特定機器により施行日前の購入に係る同項の特定記録媒体に行われる新法第104条の2第1項第1号の私的録音又は同項第2号の私的録画については、適用しない。
3 施行日前の購入に係る新法第104条の4第1項の特定機器により施行日以後の購入に係る同項の特定記録媒体に新法第104条の2第1項第1号の私的録音又は同項第2号の私的録画を行う場合には、当該特定機器は、新法第104条の4第1項の規定により私的録音録画補償金が支払われたものとみなす。施行日以後の購入に係る同項の特定機器により施行日前の購入に係る同項の特定記録媒体に新法第104条の2第1項第1号の私的録音又は同項第2号の私的録画を行う場合の当該特定記録媒体についても、同様とする。
附則 (平成5年11月12日法律第89号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政手続法(平成5年法律第88号)の施行の日から施行する。
(政令への委任)
第15条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成6年12月14日法律第112号)
(施行期日)
1 この法律は、世界貿易機関を設立するマラケシュ協定が日本国について効力を生ずる日の翌日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(著作隣接権に関する規定の適用)
2 第1条の規定による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第7条第4号に掲げる実演(同条第1号から第3号までに掲げる実演に該当するものを除く。)で次に掲げるもの又は同条第5号に掲げる実演で次に掲げるものに対する著作権法中著作隣接権に関する規定(第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)の適用については、著作権法の一部を改正する法律(昭和61年法律第64号)附則第3項、著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第43号。以下「平成元年改正法」という。)附則第2項及び著作権法の一部を改正する法律(平成3年法律第63号。附則第4項において「平成3年改正法」という。)附則第2項の規定は、適用しない。
 世界貿易機関の加盟国において行われた実演
 次に掲げるレコードに固定された実演
 世界貿易機関の加盟国の国民(当該加盟国の法令に基づいて設立された法人及び当該加盟国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの
 次に掲げる放送において送信された実演(実演家の承諾を得て送信前に録音され、又は録画されたものを除く。)
 世界貿易機関の加盟国の国民である放送事業者の放送
 世界貿易機関の加盟国にある放送設備から行われた放送
3 前項各号に掲げる実演に係る実演家で当該実演が行われた際国内に常居所を有しない外国人であったものに対する著作権法中著作隣接権に関する規定(第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第4項の規定は、適用しない。
4 次に掲げるレコードに対する著作権法中著作隣接権に関する規定(第97条の3第3項から第5項までの規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第2項及び第3項並びに平成3年改正法附則第3項の規定は、適用しない。
 新法第8条第3号に掲げるレコードで次に掲げるもの
 世界貿易機関の加盟国の国民をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に世界貿易機関の加盟国において固定されたもの
 著作権法第8条第5号に掲げるレコードで許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約(附則第6項において「レコード保護条約」という。)により我が国が保護の義務を負うもの
5 新法第9条第3号に掲げる放送で次に掲げるものに対する新法中著作隣接権に関する規定の適用については、平成元年改正法附則第2項の規定は、適用しない。
 世界貿易機関の加盟国の国民である放送事業者の放送
 世界貿易機関の加盟国にある放送設備から行われた放送
(外国原盤商業用レコードの複製等についての経過措置)
6 新法第121条の2の規定は、著作権法の施行地外において商業用レコードの製作を業とする者が世界貿易機関の加盟国の国民(実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約又はレコード保護条約の締約国の国民(これらの条約の締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)である場合を除く。)であるレコード製作者からそのレコード(新法第8条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコードで、当該原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して20年を経過する日が著作権法の一部を改正する法律(昭和63年法律第87号)の施行前であるもの(当該商業用レコードの複製物(2以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し、その複製物を頒布し、又はその複製物を頒布の目的をもって所持する行為であって、この法律の施行後に行われるものについては、適用しない。
附則 (平成7年5月12日法律第91号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
附則 (平成8年12月26日法律第117号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(写真の著作物の保護期間についての経過措置)
2 改正後の著作権法中著作物の保護期間に関する規定(次項において「新法」という。)は、写真の著作物については、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が存するものについて適用し、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が消滅している写真の著作物については、なお従前の例による。
3 この法律の施行前に創作された写真の著作物の著作権の存続期間は、当該写真の著作物の改正前の著作権法中著作物の保護期間に関する規定(以下「旧法」という。)による期間の満了する日が新法による期間の満了する日後の日であるときは、新法にかかわらず、旧法による期間の満了する日までの間とする。
附則 (平成9年6月18日法律第86号)
(施行期日)
1 この法律は、平成10年1月1日から施行する。
(自動公衆送信される状態に置かれている著作物等についての経過措置)
2 改正後の著作権法(以下「新法」という。)第23条第1項、第92条の2第1項又は第96条の2の規定は、この法律の施行の際現に自動公衆送信される状態に置かれている著作物、実演(改正前の著作権法(以下「旧法」という。)第92条第2項第2号に掲げるものに限る。以下この項において同じ。)又はレコードを、当該自動公衆送信に係る送信可能化を行った者(当該送信可能化を行った者とこの法律の施行の際現に当該著作物、実演又はレコードを当該送信可能化に係る新法第2条第1項第9号の5の自動公衆送信装置を用いて自動公衆送信される状態に置いている者が異なる場合には、当該自動公衆送信される状態に置いている者)が当該自動公衆送信装置を用いて送信可能化する場合には、適用しない。
3 この法律の施行の際現に自動公衆送信される状態に置かれている実演(旧法第92条第2項第2号に掲げるものを除く。)については、同条第1項の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
(罰則についての経過措置)
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成10年6月12日法律第101号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成11年4月1日から施行する。
附則 (平成11年5月14日法律第43号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「情報公開法」という。)の施行の日から施行する。
(著作権法の一部改正に伴う経過措置)
第2条 第11条の規定による改正後の著作権法第18条第3項の規定は、この法律の施行前に著作者が情報公開法第2条第1項に規定する行政機関又は地方公共団体に提供した著作物でまだ公表されていないもの(その著作者の同意を得ないで公表された著作物を含む。)については、適用しない。
附則 (平成11年6月23日法律第77号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、平成12年1月1日から施行する。ただし、第2条第1項第19号の次に2号を加える改正規定、第30条第1項の改正規定、第113条の改正規定、第119条の改正規定、第120条の次に1条を加える改正規定、第123条第1項の改正規定及び附則第5条の2の改正規定並びに附則第5項の規定は、平成11年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 改正後の著作権法第26条の2第1項、第95条の2第1項及び第97条の2第1項の規定は、この法律の施行の際現に存する著作物の原作品若しくは複製物、実演の録音物若しくは録画物又はレコードの複製物(著作権法第21条、第91条第1項又は第96条に規定する権利を有する者の権利を害さずに作成されたものに限り、出版権者が作成した著作物の複製物を除く。)の譲渡による場合には、適用しない。
3 改正後の著作権法第26条の2第1項の規定は、この法律の施行前に設定された出版権でこの法律の施行の際現に存するものを有する者が当該出版権の存続期間中に行う当該出版権の目的となっている著作物の複製物の頒布については、適用しない。
4 出版権(この法律の施行前に設定されたものに限る。)が消滅した後において当該出版権を有していた者が行う当該出版権の存続期間中に作成した著作物の複製物の頒布については、なお従前の例による。
5 平成11年10月1日からこの法律の施行の日の前日までの間は、改正後の著作権法第113条第4項中「第95条の3第3項」とあるのは「第95条の2第3項」と、「第97条の3第3項」とあるのは「第97条の2第3項」とする。
6 行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第43号。以下「整備法」という。)の施行の日がこの法律の施行の日後となる場合には、整備法の施行の日の前日までの間は、改正後の著作権法第47条の3中「第42条、第42条の2」とあるのは「第42条」と、「、第42条又は第42条の2」とあるのは「又は第42条」とする。
7 この法律の施行前にした行為及び附則第4項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
附則 (平成11年12月22日法律第220号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第1条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。
(政令への委任)
第4条 前2条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則 (平成12年5月8日法律第56号)
(施行期日)
1 この法律は、平成13年1月1日から施行する。ただし、第1条中著作権法第58条の改正規定及び第2条の規定は、著作権に関する世界知的所有権機関条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(損害額の認定についての経過措置)
2 第1条の規定による改正後の著作権法第114条の4の規定は、この法律の施行前に、第2審である高等裁判所又は地方裁判所における口頭弁論が終結した事件及び簡易裁判所の判決又は地方裁判所が第1審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件については、適用しない。
(罰則についての経過措置)
3 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成12年11月29日法律第131号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年10月1日から施行する。ただし、附則第9条の規定は、公布の日から施行する。
附則 (平成13年12月5日法律第140号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(著作権法の一部改正に伴う経過措置)
第7条 前条の規定による改正後の著作権法第18条第3項(第2号に係る部分に限る。)の規定は、前条の規定の施行前に著作者が独立行政法人等に提供した著作物でまだ公表されていないもの(その著作者の同意を得ないで公表された著作物を含む。)については、適用しない。
附則 (平成14年6月19日法律第72号) 抄
(施行期日)
1 この法律の規定は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める日から施行する。
 第7条の改正規定、第8条の改正規定、第95条の改正規定、第95条の3の改正規定、第97条の改正規定、第97条の3の改正規定並びに附則第2項から第4項まで、第6項、第7項及び第9項の規定 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(以下「実演・レコード条約」という。)が日本国について効力を生ずる日
 目次の改正規定(「第100条の4」を「第100条の5」に改める部分に限る。)、第89条第4項の改正規定、第99条の次に1条を加える改正規定、第4章第5節中第100条の4を第100条の5とし、第100条の3の次に1条を加える改正規定及び第103条の改正規定 平成15年1月1日
 前2号に掲げる規定以外の規定 実演・レコード条約が日本国について効力を生ずる日又は平成15年1月1日のうちいずれか早い日
(著作隣接権に関する規定の適用)
2 改正後の著作権法(以下「新法」という。)第7条第4号に掲げる実演(同条第1号から第3号までに掲げる実演に該当するものを除く。)で次に掲げるもの又は同条第5号に掲げる実演で次に掲げるものに対する新法中著作隣接権に関する規定(第95条並びに第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)の適用については、著作権法の一部を改正する法律(昭和61年法律第64号)附則第3項、著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第43号。以下「平成元年改正法」という。)附則第2項及び著作権法の一部を改正する法律(平成3年法律第63号。以下「平成3年改正法」という。)附則第2項の規定は、適用しない。
 実演・レコード条約の締約国において行われた実演
 次に掲げるレコードに固定された実演
 実演・レコード条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。以下同じ。)をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に実演・レコード条約の締約国において固定されたもの
3 前項各号に掲げる実演に係る実演家で当該実演が行われた際国内に常居所を有しない外国人であったものに対する新法中著作隣接権に関する規定(第95条並びに第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第4項の規定は、適用しない。
4 次に掲げるレコードに対する新法中著作隣接権に関する規定(第97条及び第97条の3第3項から第5項までの規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第2項及び第3項並びに平成3年改正法附則第3項の規定は、適用しない。
 新法第8条第3号に掲げるレコードで次に掲げるもの
 実演・レコード条約の締約国の国民をレコード製作者とするレコード
 レコードでこれに固定されている音が最初に実演・レコード条約の締約国において固定されたもの
 新法第8条第4号に掲げるレコードで許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約により我が国が保護の義務を負うもの
(実演家人格権についての経過措置)
5 この法律の施行前にその実演家の許諾を得て作成された録音物又は録画物に固定されている実演については、新法第90条の2第1項の規定及び第90条の3第1項の規定は、適用しない。ただし、この法律の施行後、当該実演に表示されていた当該実演に係る実演家名の表示を削除し、若しくは改変した場合若しくは当該実演に新たに実演家名を表示した場合又は当該実演を改変した場合には、この限りでない。
(商業用レコードの2次使用についての経過措置)
6 実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(以下この項及び次項において「実演家等保護条約」という。)の締約国であり、かつ実演・レコード条約の締約国である国の国民をレコード製作者とするレコードに固定されている実演であって、実演家等保護条約が日本国について効力を生じた日より前に当該固定がされた実演に係る実演家についての新法第95条第1項の規定の適用については、同条第2項の規定にかかわらず、同条第4項の規定の例による。
7 実演家等保護条約の締約国であり、かつ実演・レコード条約の締約国である国の国民をレコード製作者とするレコードであって、実演家等保護条約が日本国について効力を生じた日より前にその音が最初に固定されたレコードに係るレコード製作者についての新法第97条第1項の規定の適用については、同条第2項の規定において準用する新法第95条第2項の規定にかかわらず、新法第97条第2項の規定において準用する新法第95条第4項の規定の例による。
(レコードの保護期間についての経過措置)
8 新法第101条第2項第2号の規定は、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作隣接権が存するレコードについて適用し、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作隣接権が消滅しているレコードについては、なお従前の例による。
附則 (平成15年5月30日法律第61号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日から施行する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第4条 前2条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成15年6月18日法律第85号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成16年1月1日から施行する。
(映画の著作物の保護期間についての経過措置)
第2条 改正後の著作権法(次条において「新法」という。)第54条第1項の規定は、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が存する映画の著作物について適用し、この法律の施行の際現に改正前の著作権法による著作権が消滅している映画の著作物については、なお従前の例による。
第3条 著作権法の施行前に創作された映画の著作物であって、同法附則第7条の規定によりなお従前の例によることとされるものの著作権の存続期間は、旧著作権法(明治32年法律第39号)による著作権の存続期間の満了する日が新法第54条第1項の規定による期間の満了する日後の日であるときは、同項の規定にかかわらず、旧著作権法による著作権の存続期間の満了する日までの間とする。
(罰則についての経過措置)
第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成15年7月16日法律第119号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)の施行の日から施行する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第6条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成16年6月9日法律第84号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成16年6月9日法律第92号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成17年1月1日から施行する。
(商業用レコードの輸入等についての経過措置)
第2条 改正後の著作権法第113条第5項の規定は、この法律の施行前に輸入され、この法律の施行の際現に頒布の目的をもって所持されている同項に規定する国外頒布目的商業用レコードについては、適用しない。
第3条 改正後の著作権法第113条第5項に規定する国内頒布目的商業用レコードであってこの法律の施行の際現に発行されているものに対する同項の規定の適用については、同項ただし書中「国内において最初に発行された日」とあるのは「当該国内頒布目的商業用レコードが著作権法の一部を改正する法律(平成16年法律第92号)の施行の際現に発行されているものである場合において、当該施行の日」と、「経過した」とあるのは「経過した後、当該」とする。
(書籍等の貸与についての経過措置)
第4条 この法律の公布の日の属する月の翌々月の初日において現に公衆への貸与の目的をもって所持されている書籍又は雑誌(主として楽譜により構成されているものを除く。)の貸与については、改正前の著作権法附則第4条の2の規定は、この法律の施行後も、なおその効力を有する。
附則 (平成16年6月18日法律第120号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成17年4月1日から施行する。
(経過措置の原則)
第2条 この法律による改正後の裁判所法、民事訴訟法、民事訴訟費用等に関する法律、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法及び著作権法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。
(特許法等の一部改正に伴う経過措置)
第3条 次に掲げる規定は、この法律の施行前に、訴訟の完結した事件、第2審である高等裁判所又は地方裁判所における口頭弁論が終結した事件及び簡易裁判所の判決又は地方裁判所が第1審としてした判決に対して上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をした事件については、適用しない。
一から四まで 略
 第9条の規定による改正後の著作権法第114条の6から第114条の8までの規定
附則 (平成16年12月1日法律第147号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成17年6月29日法律第75号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(政令への委任)
第5条 附則第2条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成18年6月2日法律第50号) 抄
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則 (平成18年12月22日法律第121号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成19年7月1日から施行する。ただし、第1条及び附則第4条の規定は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
(放送のための映画の著作物の著作権の帰属についての経過措置)
第2条 この法律の施行前に創作されたこの法律による改正後の著作権法(次条において「新法」という。)第29条第2項に規定する映画の著作物の著作権の帰属については、なお従前の例による。
(放送される実演の有線放送についての経過措置)
第3条 新法第94条の2の規定は、著作権法の一部を改正する法律(昭和61年法律第64号)附則第3項若しくは著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第43号。以下この条において「平成元年改正法」という。)附則第2項の規定の適用により新法中著作隣接権に関する規定の適用を受けない実演又は平成元年改正法附則第4項の規定の適用により新法中著作隣接権に関する規定の適用を受けない実演家に係る実演については、適用しない。
(罰則についての経過措置)
第4条 この法律(附則第1条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成20年6月18日法律第81号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、平成21年度において使用される検定教科用図書等及び教科用特定図書等から適用する。
(罰則についての経過措置)
第5条 前条の規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成21年6月19日法律第53号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成22年1月1日から施行する。ただし、第70条第2項、第78条、第88条第2項及び第104条の改正規定並びに附則第6条の規定は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(視覚障害者のための録音物の使用についての経過措置)
第2条 この法律の施行前にこの法律による改正前の著作権法(以下「旧法」という。)第37条第3項(旧法第102条第1項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けて作成された録音物(この法律による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第37条第3項(新法第102条第1項において準用する場合を含む。)の規定により複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる著作物、実演、レコード、放送又は有線放送に係るものを除く。)の使用については、新法第37条第3項及び第47条の9(これらの規定を新法第102条第1項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(裁定による著作物の利用等についての経過措置)
第3条 新法第67条及び第67条の2(これらの規定を新法第103条において準用する場合を含む。)の規定は、この法律の施行の日以後に新法第67条第1項(新法第103条において準用する場合を含む。)の裁定の申請をした者について適用し、この法律の施行の日前に旧法第67条第1項の裁定の申請をした者については、なお従前の例による。
(商業用レコードの複製物の頒布の申出についての経過措置)
第4条 新法第121条の2の規定は、著作権法の一部を改正する法律(平成3年法律第63号)附則第5項又は著作権法及び万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律の一部を改正する法律(平成6年法律第112号)附則第6項の規定によりその頒布又は頒布の目的をもってする所持について同条の規定を適用しないこととされる商業用レコードを頒布する旨の申出をする行為であって、この法律の施行後に行われるものについては、適用しない。
(罰則についての経過措置)
第5条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成21年7月10日法律第73号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成22年4月1日から施行する。
附則 (平成22年12月3日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則 (平成23年6月24日法律第74号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一から四まで 略
 附則第62条の規定 不正競争防止法の一部を改正する法律(平成23年法律第62号。同条及び附則第63条において「不正競争防止法一部改正法」という。)の公布の日又は施行日のいずれか遅い日
附則 (平成24年6月22日法律第32号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成25年7月1日から施行する。
(調整規定)
第5条 この法律の施行の日が著作権法の一部を改正する法律(平成24年法律第43号)中第42条の3を第42条の4とし、第42条の2の次に1条を加える改正規定の施行の日前である場合には、前条のうち著作権法第42条の4の見出しの改正規定中「第42条の4」とあるのは、「第42条の3」とする。
附則 (平成24年6月27日法律第43号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成25年1月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第7条、第8条及び第10条の規定 公布の日
 第2条第1項第20号並びに第18条第3項及び第4項の改正規定、第19条第4項に1号を加える改正規定、第30条第1項第2号の改正規定、第42条の3を第42条の4とし、第42条の2の次に1条を加える改正規定、第47条の9の改正規定(「又は第46条」を「、第42条の3第2項又は第46条」に改める部分に限る。)、同条ただし書の改正規定(「第42条の2まで」の下に「、第42条の3第2項」を加える部分に限る。)、第49条第1項第1号の改正規定(「第42条の2」を「第42条の3」に、「第42条の3第2項」を「第42条の4第2項」に改める部分に限る。)、第86条第1項及び第2項の改正規定(「第42条の2まで」の下に「、第42条の3第2項」を加える部分に限る。)、第90条の2第4項に1号を加える改正規定、第102条第1項の改正規定(「第42条の3」を「第42条の4」に改める部分に限る。)、同条第9項第1号の改正規定(「第42条の2」を「第42条の3」に、「第42条の3第2項」を「第42条の4第2項」に改める部分に限る。)、第119条第1項の改正規定、同条に1項を加える改正規定並びに第120条の2第1号の改正規定並びに次条並びに附則第4条から第6条まで及び第9条の規定 平成24年10月1日
(経過措置)
第2条 この法律による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第18条第3項第1号から第3号までの規定は、前条第2号に掲げる規定の施行前に著作者が行政機関(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第2条第1項に規定する行政機関をいう。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。)又は地方公共団体若しくは地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下この項において同じ。)に提供した著作物でまだ公表されていないもの(その著作者の同意を得ないで公表された著作物を含む。)であって、公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号。以下この項において「公文書管理法」という。)第8条第1項若しくは第11条第4項の規定により国立公文書館等(公文書管理法第2条第3項に規定する国立公文書館等をいう。次項において同じ。)に移管されたもの又は公文書管理条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等(公文書管理法第2条第6項に規定する歴史公文書等をいう。以下この項において同じ。)の適切な保存及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下この項において同じ。)に基づき地方公文書館等(歴史公文書等の適切な保存及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。次項において同じ。)に移管されたものについては、適用しない。
2 新法第18条第3項第4号及び第5号の規定は、前条第2号に掲げる規定の施行前に著作者が国立公文書館等又は地方公文書館等に提供した著作物でまだ公表されていないもの(その著作者の同意を得ないで公表された著作物を含む。)については、適用しない。
第3条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の著作権法第31条第2項の規定により記録媒体に記録されている著作物であって、絶版等資料(新法第31条第1項第3号に規定する「絶版等資料」をいう。)に係るものについては、新法第31条第3項の規定により当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。
(罰則の適用に関する経過措置)
第4条 この法律(附則第1条第2号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第5条 前3条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(国民に対する啓発等)
第7条 国及び地方公共団体は、国民が、新法第30条第1項(新法第102条第1項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもって、有償著作物等(新法第119条第3項に規定する有償著作物等をいう。以下同じ。)の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって、国内で行われたとしたならば著作権又は著作隣接権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害する行為(以下「特定侵害行為」という。)の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、特定侵害行為の防止に関する啓発その他の必要な措置を講じなければならない。
2 国及び地方公共団体は、未成年者があらゆる機会を通じて特定侵害行為の防止の重要性に対する理解を深めることができるよう、学校その他の様々な場を通じて特定侵害行為の防止に関する教育の充実を図らなければならない。
3 附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日の前日までの間における第1項の規定の適用については、同項中「新法第30条第1項(新法第102条第1項において準用する場合を含む。)」とあるのは「著作権法第30条第1項(同法第102条第1項において準用する場合を含む。)」と、「新法第119条第3項に規定する有償著作物等」とあるのは「録音され、又は録画された著作物、実演、レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像(著作権又は著作隣接権の目的となっているものに限る。)であって、有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)」とする。
(関係事業者の措置)
第8条 有償著作物等を公衆に提供し、又は提示する事業者は、特定侵害行為を防止するための措置を講じるよう努めなければならない。
(運用上の配慮)
第9条 新法第119条第3項の規定の運用に当たっては、インターネットによる情報の収集その他のインターネットを利用して行う行為が不当に制限されることのないよう配慮しなければならない。
(検討)
第10条 新法第119条第3項及び附則第8条の規定については、この法律の施行後1年を目途として、これらの規定の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講じられるものとする。
附則 (平成25年11月27日法律第84号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第64条、第66条及び第102条の規定は、公布の日から施行する。
(処分等の効力)
第100条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第101条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第102条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成25年12月13日法律第103号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 略
 附則第17条の規定 薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日
附則 (平成26年5月14日法律第35号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成27年1月1日から施行する。ただし、第7条の改正規定及び次条の規定は、視聴覚的実演に関する北京条約(同条において「視聴覚的実演条約」という。)が日本国について効力を生ずる日から施行する。
(著作隣接権に関する規定の適用)
第2条 この法律による改正後の著作権法(以下この条において「新法」という。)第7条第4号に掲げる実演(同条第1号から第3号までに掲げる実演に該当するものを除く。)又は同条第5号に掲げる実演であって、視聴覚的実演条約の締約国の国民又は当該締約国に常居所を有する者である実演家に係るものに対する新法中著作隣接権に関する規定(第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)の適用については、著作権法の一部を改正する法律(昭和61年法律第64号)附則第3項、著作権法の一部を改正する法律(平成元年法律第43号。次項において「平成元年改正法」という。)附則第2項及び著作権法の一部を改正する法律(平成3年法律第63号)附則第2項の規定は、適用しない。
2 視聴覚的実演条約の締約国の国民又は当該締約国に常居所を有する者である実演家(当該実演家に係る実演が行われた際国内に常居所を有しない外国人であった者に限る。)に対する新法中著作隣接権に関する規定(第95条の3第3項及び第4項の規定を含む。)の適用については、平成元年改正法附則第4項の規定は、適用しない。
(出版権についての経過措置)
第3条 この法律の施行前に設定されたこの法律による改正前の著作権法による出版権でこの法律の施行の際現に存するものについては、なお従前の例による。
(政令への委任)
第4条 前2条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成27年6月24日法律第46号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成28年4月1日から施行する。
附則 (平成28年5月27日法律第51号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成28年12月16日法律第108号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定が日本国について効力を生ずる日(第3号において「発効日」という。)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第9条の規定 公布の日
(著作権法の一部改正に伴う経過措置)
第7条 第8条の規定による改正後の著作権法(次項及び第3項において「新著作権法」という。)第51条第2項、第52条第1項、第53条第1項、第57条並びに第101条第2項第1号及び第2号の規定は、施行日の前日において現に第8条の規定による改正前の著作権法(以下この項において「旧著作権法」という。)による著作権又は著作隣接権が存する著作物、実演及びレコードについて適用し、同日において旧著作権法による著作権又は著作隣接権が消滅している著作物、実演及びレコードについては、なお従前の例による。
2 新著作権法第116条第3項の規定は、著作者又は実演家の死亡の日の属する年の翌年から起算して50年を経過した日が施行日以後である場合について適用し、その経過した日が施行日前である場合については、なお従前の例による。
3 新著作権法第121条の2の規定は、同条各号に掲げる商業用レコード(当該商業用レコードの複製物(2以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)で、当該各号の原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して50年を経過した日が施行日前であるもの(当該固定した日が昭和42年12月31日以前であるものを含む。)については、適用しない。
(罰則に関する経過措置)
第8条 施行日前にした行為及び附則第5条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第9条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成30年5月25日法律第30号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成31年1月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第113条第4項の改正規定並びに附則第4条及び第7条から第10条までの規定 公布の日
 目次の改正規定、第35条の改正規定、第48条第1項第3号の改正規定(「第35条」を「第35条第1項」に改める部分に限る。)、第86条第3項前段の改正規定(「第35条第2項」を「第35条第1項」に改める部分に限る。)、同項後段の改正規定(「第35条第2項」を「第35条第1項ただし書」に改める部分に限る。)及び第5章の改正規定 公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日
(複製物の使用についての経過措置)
第2条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にこの法律による改正前の著作権法(以下「旧法」という。)第30条の4若しくは第47条の4から第47条の9までの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物、旧法第43条の規定の適用を受けて旧法第30条第1項、第31条第1項第1号若しくは第3項後段、第33条の2第1項、第35条第1項、第37条第3項、第37条の2本文、第41条若しくは第42条の規定に従い作成された2次的著作物の複製物又は旧法第30条の3若しくは第47条の3第1項の規定の適用を受けて作成された2次的著作物の複製物の使用については、この法律による改正後の著作権法(以下「新法」という。)第49条の規定にかかわらず、なお従前の例による。この場合において、旧法第49条第1項第1号中「を公衆に提示した」とあるのは「の公衆への提示(送信可能化を含む。以下この条において同じ。)を行った」と、同項第3号並びに同条第2項第1号及び第2号中「を公衆に提示した」とあるのは「の公衆への提示を行った」とする。
2 施行日前に旧法第102条第1項において準用する旧法第30条の4又は第47条の4から第47条の9までの規定の適用を受けて作成された実演若しくはレコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の複製物の使用については、新法第102条第9項の規定にかかわらず、なお従前の例による。この場合において、旧法第102条第9項第1号中「を公衆に提示した」とあるのは「の公衆への提示(送信可能化を含む。第8号において同じ。)を行った」と、同項第8号中「を公衆に提示した」とあるのは「の公衆への提示を行った」とする。
(裁定による著作物の利用等についての経過措置)
第3条 新法第67条及び第67条の2(これらの規定を著作権法第103条において準用する場合を含む。)の規定は、施行日以後に新法第67条第1項(著作権法第103条において準用する場合を含む。)の裁定の申請をした者について適用し、施行日前に旧法第67条第1項(著作権法第103条において準用する場合を含む。)の裁定の申請をした者については、なお従前の例による。
(準備行為)
第4条 新法第104条の11第1項の規定による指定、新法第104条の13第1項の規定による認可、同条第5項の規定による諮問、新法第104条の14第1項の規定による届出及び新法第104条の15第2項の規定による諮問並びにこれらに関し必要な手続その他の行為は、新法第5章第2節の規定の例により、附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(以下「第2号施行日」という。)前においても行うことができる。
(第2号施行日の前日までの間の読替え)
第5条 施行日から第2号施行日の前日までの間における新法第47条の6第1項第1号及び第47条の7の規定の適用については、同号中「第35条第1項」とあるのは「第35条」と、同条中「(第31条第1項若しくは第3項後段」とあるのは「(第31条第1項若しくは第3項後段、第35条第1項」とする。
(罰則についての経過措置)
第6条 この法律(附則第1条第2号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第7条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(調整規定)
第8条 附則第1条第1号に掲げる規定の施行の日が環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号)の施行の日前である場合には、第113条第5項の改正規定及び附則第1条第1号中「第113条第5項」とあるのは、「第113条第4項」とする。
第9条 施行日が環太平洋パートナーシップ協定の締結及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号。以下「整備法」という。)の施行の日前である場合には、第2条第1項の改正規定中「削り、同項第21号中「利用する」を「実行する」に改める」とあるのは、「削る」とする。
2 前項の場合において、整備法第8条のうち著作権法第2条第1項中第23号を第24号とし、第22号を第23号とし、第21号を第22号とし、第20号の次に1号を加える改正規定中「利用する」とあるのは、「実行する」とする。
第10条 第2号施行日が整備法の施行の日前である場合には、第2号施行日から整備法の施行の日の前日までの間における著作権法第2条第1項第20号の規定の適用については、同号中「有線放送(次号」とあるのは、「有線放送(次号及び第104条の15第1項」とする。
附則 (平成30年6月1日法律第39号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成31年4月1日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第2条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第3条 前条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成30年7月6日法律第70号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 略
 附則第4条及び第5条の規定 この法律の公布の日又は著作権法の一部を改正する法律(平成30年法律第30号)の公布の日のいずれか遅い日
(著作権法改正法の一部改正に伴う調整規定)
第5条 施行日が著作権法改正法附則第1条第1号に掲げる規定の施行の日以後である場合には、著作権法改正法附則第8条中「。以下「整備法」という。)の」とあるのは「)の」と、著作権法改正法附則第9条第1項中「整備法」とあるのは「環太平洋パートナーシップ協定の締結及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号。以下「整備法」という。)」とし、前条の規定は、適用しない。
2 施行日が著作権法改正法の施行の日以後である場合には、著作権法改正法附則第10条中「が整備法」とあるのは「が環太平洋パートナーシップ協定の締結及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号)」と、「から整備法」とあるのは「から同法」とし、前条及び前項の規定は、適用しない。
3 施行日が著作権法改正法附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日以後である場合には、前条及び前2項の規定は、適用しない。
附則 (平成30年7月13日法律第72号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第30条及び第31条の規定 公布の日
(著作権法の一部改正に伴う経過措置)
第20条 前条の規定による改正後の著作権法第77条(同法第104条において準用する場合を含む。)及び第88条第1項の規定は、施行日以後の著作権、出版権若しくは著作隣接権又はこれらの権利を目的とする質権(以下この条において「著作権等」という。)の移転について適用し、施行日前の著作権等の移転については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第31条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

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