ダムしようけんとうろくれい
ダム使用権登録令
昭和42年政令第2号
内閣は、特定多目的ダム法(昭和32年法律第35号)第26条第3項の規定に基づき、この政令を制定する。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この政令は、ダム使用権及びこれを目的とする抵当権の登録に関し必要な事項を定めるものとする。
(管轄)
第2条 前条の登録は、国土交通大臣が行なう。
(仮登録)
第3条 仮登録は、次に掲げる場合にするものとする。
一 登録の申請に必要な手続上の要件がまだ具備していないとき。
二 ダム使用権の移転若しくは抵当権の設定、移転、変更若しくは消滅の請求権を保全しようとするとき、又はその請求権が始期付き若しくは停止条件付きであるときその他将来において確定するものであるとき。
(予告登録)
第4条 予告登録は、次に掲げる場合にするものとする。
一 登録の原因の無効又は取消しによる登録の消除又は回復の訴えが提起されたとき(登録の原因の無効又は取消しをもって善意の第三者に対抗することができる場合に限る。)。
二 ダム使用権の設定又は特定多目的ダム法第22条の許可について、審査請求がされ、又は訴えが提起されたとき。
(登録の不存在を主張することができない者)
第5条 詐欺又は強迫によって登録の申請を妨げた第三者は、その登録の不存在を主張することができない。
第6条 他人のために登録を申請する義務がある者は、その登録の不存在を主張することができない。ただし、その登録の原因が自己の登録の原因より後に生じた場合は、この限りでない。
(順位)
第7条 同一のダム使用権に関して登録した権利の順位は、法令に別段の定めがある場合を除き、登録の前後による。
第8条 附記登録の順位は、主登録の順位により、附記登録間の順位は、その前後による。
第9条 仮登録をしたものについて本登録をしたときは、その順位は、仮登録の順位による。
第2章 ダム使用権登録簿等
(ダム使用権登録簿)
第10条 ダム使用権登録簿は、国土交通省に備える。
(ダム使用権登録簿の編成)
第11条 ダム使用権登録簿は、一のダム使用権について1登録用紙を備える。
(ダム使用権登録簿の様式)
第12条 ダム使用権登録簿は、1登録用紙を表題部並びに甲区及び乙区に分け、表題部には、登録番号欄、表示欄及び表示番号欄を、甲区及び乙区には、事項欄及び順位番号欄を設ける。
2 登録番号欄には、ダム使用権登録簿にダム使用権を登録した順序を記載する。
3 表示欄には、ダム使用権の表示に関する事項を記載する。
4 表示番号欄には、表示欄に登録事項を記載した順序を記載する。
5 甲区事項欄には、ダム使用権に関する事項を記載する。
6 乙区事項欄には、抵当権に関する事項を記載する。
7 順位番号欄には、事項欄に登録事項を記載した順序を記載する。
(ダム使用権登録簿の滅失)
第13条 国土交通大臣は、ダム使用権登録簿の全部又は一部が滅失したときは、3月以上の期間を定めて、その期間内に滅失した登録の回復を申請した者は、なおそのダム使用権登録簿における順位を有すべき旨を官報で公示しなければならない。
2 前項の場合においては、国土交通省に、申請書編綴簿を備える。
(新登録用紙への移記)
第14条 国土交通大臣は、登録用紙の枚数が多くて取扱いが不便となったときは、その登録を新登録用紙に移記することができる。
2 前項の規定による移記は、現に効力を有する登録についてするものとする。
3 国土交通大臣は、第1項の規定により登録を移記したときは、前登録用紙を閉鎖しなければならない。
(閉鎖ダム使用権登録簿)
第15条 国土交通大臣は、登録用紙を閉鎖したときは、これを閉鎖ダム使用権登録簿につづり込まなければならない。
(ダム使用権登録簿の謄本又は抄本の交付及び閲覧の請求等)
第16条 何人でも、次の表に定める額の手数料を納付して、ダム使用権登録簿若しくは閉鎖ダム使用権登録簿の謄本若しくは抄本の交付又はダム使用権登録簿若しくは閉鎖ダム使用権登録簿若しくはそれらの附属書類の閲覧を請求することができる。
請求の種類 | 金額 |
ダム使用権登録簿又は閉鎖ダム使用権登録簿の謄本又は抄本の交付の請求 |
用紙1枚につき 200円 |
ダム使用権登録簿若しくは閉鎖ダム使用権登録簿又はそれらの附属書類の閲覧の請求 |
1ダム使用権につき 100円 |
2 何人でも、国土交通省令で定めるところにより、前項の手数料のほかに送付に要する費用を納付して、ダム使用権登録簿又は閉鎖ダム使用権登録簿の謄本又は抄本の送付を請求することができる。
3 国又は地方公共団体の職員が、職務上前2項の規定による請求をするときは、手数料を納付することを要しない。
第3章 登録の手続
第1節 通則
(登録を行なう場合)
第17条 登録は、法令に別段の定めがある場合を除き、申請又は嘱託がなければ、することができない。
2 申請による登録の手続に関する規定は、法令に別段の定めがある場合を除き、嘱託による登録の手続について準用する。
(当事者申請主義)
第18条 登録の申請は、この政令に別段の定めがある場合を除き、登録権利者及び登録義務者がしなければならない。
(登録権利者だけですることができる登録の申請)
第19条 次に掲げる登録の申請は、登録権利者だけですることができる。
一 判決による登録
二 相続、法人の合併その他の一般承継による登録
三 仮登録義務者の承諾又は仮処分命令があった場合における仮登録
四 抵当権が登録名義人の死亡によって消滅した場合における消除の登録
(登録義務者の所在が不分明である場合の登録の申請)
第20条 登録権利者は、登録義務者の所在が不分明であるため登録の消除を申請することができないときは、非訟事件手続法(平成23年法律第51号)第99条に規定する公示催告の申立てをすることができる。
2 前項の申立てをした場合において、非訟事件手続法第106条第1項に規定する除権決定があったときは、申請書にその謄本を添付して、登録権利者だけで登録の消除を申請することができる。
3 登録義務者の所在が不分明であるため抵当権の登録の消除を申請することができない場合において、申請書に債権証書及び債権(民法(明治29年法律第89号)第375条の規定により抵当権を行うことができる定期金及び損害賠償を含む。)の受取証書を添付したときは、登録権利者だけで抵当権の登録の消除を申請することができる。
(登録名義人だけですることができる登録の申請)
第21条 次に掲げる登録の申請は、登録名義人だけですることができる。
一 ダム使用権の表示に関する事項の変更の登録
二 登録名義人の表示の変更又は更正の登録
三 権利の放棄による消除の登録
四 第13条第1項の規定による回復の登録
五 仮登録の消除の登録
六 ダム使用権の分割又は併合の登録
(職権又は嘱託による予告登録)
第22条 国土交通大臣は、第4条第2号に規定する審査請求がされたときは、職権で予告登録をしなければならない。
2 裁判所は、第4条第1号又は第2号に規定する訴えが提起されたときは、嘱託書に訴状の謄本又は抄本を添附して、予告登録を国土交通大臣に嘱託しなければならない。
(予告登録の消除)
第23条 国土交通大臣は、第4条第2号に規定する審査請求について、却下若しくは棄却の裁決をしたとき、又は取下げがあったときは、職権で予告登録を消除しなければならない。
2 第1審裁判所は、第4条第1号又は第2号に規定する訴えを却下した裁判若しくはこれを提起した者に対して敗訴を言い渡した裁判が確定したとき、訴えの取下げがあったとき、請求の放棄があったとき、又は請求の目的について和解があったときは、嘱託書に裁判の謄本若しくは抄本又は訴えの取下げ、請求の放棄若しくは和解を証する裁判所書記官の書面を添附して、予告登録の消除を国土交通大臣に嘱託しなければならない。
第24条 国土交通大臣は、登録の原因の無効又は取消しによる登録の消除又は回復をしたときは、職権で予告登録を消除しなければならない。
(申請の手続)
第25条 登録を申請する者(以下「申請人」という。)は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 ダム使用権の設定番号
二 多目的ダムの位置及び名称
三 ダム使用権の設定の目的
四 ダム使用権により貯留が確保される流水の最高及び最低の水位並びに量
五 申請人の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び住所並びに代表者の氏名)
六 代理人により登録を申請するときは、その氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び住所並びに代表者の氏名)
七 登録の原因及びその発生年月日
八 登録の目的
九 申請の年月日
十 登録免許税の額及びこれにつき課税標準の価額があるときは、その価額
2 前項の申請書には、次に掲げる書面を添附しなければならない。
一 登録の原因を証する書面
二 登録義務者の権利に関する登録済証。ただし、第21条第3号、第5号及び第6号に掲げる登録の申請については、登録名義人の登録済証
三 登録の原因について第三者の許可、同意、承諾等を要するときは、これを証する書面
四 代理人により登録を申請するときは、その権限を証する書面
3 前項第1号の書面が執行力のある判決であるときは、同項第2号及び第3号の書面を添附することを要しない。
4 第2項第1号の書面が初めからないとき、又はこれを提出することができないときは、申請書にその旨を記載し、かつ、申請書の副本を提出しなければならない。
5 第2項第2号の登録済証が滅失したときは、申請書にその旨を記載し、かつ、申請人が登録義務者(同号ただし書の場合にあっては、登録名義人)と同一人であることを証する市町村長の証明書2通を添附しなければならない。
6 登録の原因について第三者の許可、同意、承諾等を要する場合において、その第三者が申請書に記名押印したときは、第2項第3号の書面を添附することを要しない。
7 申請書には、申請人(代理人により登録を申請するときは、代理人)が記名押印しなければならない。
(併合申請)
第26条 2以上のダム使用権又は抵当権に関する登録の申請は、登録の原因及び目的が同一であるときに限り、同一の申請書ですることができる。
(債権者の代位による登録の申請)
第27条 債権者が民法第423条の規定により債務者に代位して登録を申請するときは、申請書に債権者及び債務者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び住所)並びに代位の原因を記載し、かつ、代位の原因を証する書面を添附しなければならない。
(買戻しの特約の登録の申請)
第28条 買戻しの特約の登録を申請する場合においては、申請書に買主が支払った代金及び契約の費用を記載し、かつ、登録の原因に買戻しの期間の定めがあるときは、これを記載しなければならない。
(権利の消滅に関する事項の記載)
第29条 登録の原因に登録の目的たる権利の消滅に関する事項の定めがあるときは、申請書にこれを記載しなければならない。
(持分等の記載)
第30条 ダム使用権又は抵当権の設定又は移転の登録を申請する場合において、ダム使用権者又は登録権利者が2人以上であるときは、申請書にその持分を記載しなければならない。権利の一部の移転の登録を申請する場合も、同様とする。
2 前項後段の場合において、民法第264条において準用する同法第256条第1項ただし書の規定による定めがあるときは、申請書にこれを記載しなければならない。
(戸籍謄本等の添付)
第31条 次に掲げる場合には、申請書にその事実を証する戸籍の謄本若しくは抄本若しくは登記事項証明書又はその事実を証するに足りる書面を添付しなければならない。
一 登録の原因が相続、法人の合併その他の一般承継であるとき。
二 申請人が登録権利者又は登録義務者の相続人、合併又は分割により設立された法人その他の一般承継人であるとき。
三 登録名義人の表示の変更又は更正の登録を申請するとき。
四 抵当権が登録名義人の死亡によって消滅した場合における消除の登録を申請するとき。
(登録の消除又は回復の申請)
第32条 登録の消除又は消除した登録の回復を申請する場合において、登録上利害関係を有する第三者があるときは、申請書にその者の承諾書又はこれに対抗することができる裁判の謄本を添附しなければならない。
2 前項の規定は、仮登録をした後本登録を申請する場合に準用する。
(仮処分の登録に後れる登録等の消除)
第32条の2 ダム使用権について民事保全法(平成元年法律第91号)第54条において準用する同法第53条第1項の規定による仮処分の登録(同法第54条において準用する同法第53条第2項の規定による仮処分による仮登録(以下「保全仮登録」という。)とともにしたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者としてダム使用権の登録(仮登録を除く。)を申請する場合においては、その債権者だけでその仮処分の登録に後れる登録の消除を申請することができる。
2 前項の規定により登録の消除を申請するときは、申請書に民事保全法第61条において準用する同法第59条第1項の規定による通知をしたことを証する書面を添付しなければならない。
3 国土交通大臣は、第1項の規定により仮処分の登録に後れる登録を消除したときは、職権でその仮処分の登録を消除しなければならない。
第32条の3 前条第1項及び第2項の規定は、抵当権について民事保全法第54条において準用する同法第53条第1項の規定による仮処分の登録をした後、その仮処分の債権者がその仮処分の債務者を登録義務者としてその権利の移転又は消滅について登録(仮登録を除く。)を申請する場合に準用する。
2 前条第3項の規定は、前項において準用する同条第1項の規定により仮処分の登録に後れる登録を消除した場合に準用する。
第32条の4 国土交通大臣は、保全仮登録をした後、本登録をしたときは、職権でその保全仮登録とともにした処分禁止の登録を消除しなければならない。
(ダム使用権登録簿が滅失した場合における登録の回復の申請)
第33条 第21条第4号の登録を申請するときは、申請書に前登録の順位番号、申請書の受付年月日及び受付番号を記載し、前登録の登録済証その他前登録の登録事項を証する書面を添附しなければならない。
(仮登録の申請)
第34条 第19条第3号の仮登録を申請するときは、申請書に仮登録義務者の承諾書又は仮処分命令の正本を添付しなければならない。
2 前項の仮処分命令は、当該ダム使用権又は抵当権に係る多目的ダムの所在地を管轄する地方裁判所が、仮登録権利者の申請により、その者が仮登録の原因を疎明したときに、発するものとする。
3 前項の申請を却下した決定に対しては、仮登録権利者は、即時抗告をすることができる。
4 非訟事件手続法の規定は、前項の即時抗告について準用する。
(仮登録の消除の申請)
第35条 登録上の利害関係人は、申請書に仮登録名義人の承諾書又はこれに対抗することができる裁判の謄本を添附したときは、仮登録の消除を申請することができる。
(申請書の受付)
第36条 国土交通大臣は、申請書を受け取ったときは、申請書受付帳に受付年月日、受付番号、登録の目的及び申請人の氏名(法人にあっては、その名称)を、申請書に受付年月日及び受付番号を記載しなければならない。この場合において、同一のダム使用権に関して同時に2以上の申請があったときは、同一の受付番号を記載しなければならない。
2 行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成14年法律第151号)第3条第1項の規定により同項に規定する電子情報処理組織を使用してする登録の申請については、前項の規定中申請書への記載に関する部分は、適用しない。
(登録の実施)
第37条 国土交通大臣は、前条の規定による受付をしたとき(第13条第1項の規定により定めた期間内に新登録に関する申請書の受付をしたときを除く。)は、第40条第1項の規定により申請を却下すべき場合を除き、遅滞なく、受付年月日、受付番号、登録の原因及び目的、登録年月日その他必要な事項をダム使用権登録簿に登録しなければならない。
2 登録は、受付番号の順序に従ってしなければならない。
(滅失回復登録申請期間中の新登録の申請書等の編綴)
第38条 国土交通大臣は、第13条第1項の規定により定めた期間内に新登録に関する申請書の受付をしたときは、第40条第1項の規定により申請を却下すべき場合を除き、申請書及びその添附書類を受付番号の順序に従って申請書編綴簿に編綴しなければならない。
2 前項の規定により編綴したときは、登録すべき事項は、その編綴した時に登録したと同一の効力を生ずる。
(申請書編綴簿に基づくダム使用権登録簿への記載)
第39条 国土交通大臣は、第13条第1項の規定により定めた期間が満了したときは、遅滞なく、前条第1項の申請書編綴簿に基づき、ダム使用権登録簿に記載しなければならない。
(申請の却下)
第40条 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、登録の申請を却下しなければならない。ただし、申請の不備が補正することができるものである場合において、申請人が即日にこれを補正したときは、この限りでない。
一 事件が登録すべきものでないとき。
二 申請書が方式に適合しないとき。
三 申請書に記載したダム使用権又は抵当権の表示がダム使用権登録簿と符合しないとき。
四 申請書に記載した登録義務者の表示がダム使用権登録簿と符合しないとき、又は申請人が登録名義人である場合において、その表示がダム使用権登録簿と符合しないとき。ただし、第31条第2号又は第3号に規定する場合を除く。
五 申請書に記載した事項が登録の原因を証する書面と符合しないとき。
六 申請書に必要な書面を添附しないとき。
七 登録免許税を納付しないとき。
2 前項の規定による却下は、書面で行ない、かつ、理由を附さなければならない。
(附記登録)
第41条 登録名義人の表示の変更又は更正の登録及び登録事項の一部が消除された場合における回復の登録は、附記によってする。
2 権利の変更の登録又は権利に関する登録の更正の登録は、登録上利害関係を有する第三者がないとき、又は申請書に登録上利害関係を有する第三者の承諾書若しくはこれに対抗することができる裁判の謄本を添附したときに限り、附記によってする。
3 買戻しの特約の登録、買戻権の移転の登録及び登録の原因に登録の目的たる権利の消滅に関する事項の定めがある場合におけるその事項の登録は、附記によってする。
(行政区画等の変更)
第42条 行政区画、郡、区、市町村内の町若しくは字又はそれらの名称の変更があったときは、その変更による登録があったものとみなす。多目的ダムの名称の変更があったときも、同様とする。
(登録済証の交付)
第43条 国土交通大臣は、申請による登録を完了したときは、登録の原因を証する書面又は申請書の副本に受付年月日、受付番号、表示番号又は順位番号、登録年月日及び登録済みの旨を記載し、国土交通大臣の印を押して、これを登録権利者(登録が第21条の規定による申請に係るものであるときは、登録名義人)に交付しなければならない。
2 国土交通大臣は、職権又は嘱託による登録を完了したとき(第22条から第24条までの規定により登録を完了したときを除く。)は、前項の規定に準じて作成した書面を登録権利者に交付しなければならない。
3 国土交通大臣は、第27条の規定による申請があった場合において、登録を完了したときは、第1項の書面を債権者に交付し、かつ、登録済みの旨を登録権利者に通知しなければならない。
(登録済証の還付)
第44条 国土交通大臣は、申請による登録を完了したときは、申請書に添附した登録済証又は第25条第5項の証明書の1通に登録の目的及び登録済みの旨を記載し、国土交通大臣の印を押して、これを登録義務者(登録が第21条第3号から第6号までの規定による申請に係るものであるときは、登録名義人)に還付しなければならない。この場合において、登録名義人が多数であり、その一部が登録義務者であるときは、登録義務者の氏名をも記載しなければならない。
(登録済証に代わるもの)
第45条 前2条の規定は、第38条第1項の規定による編綴を完了した場合に準用する。
2 申請書に登録済証を添附しなければならない場合においては、前項において準用する第43条の規定により交付を受けた書面を添附してこれに代えることができる。
(更正登録)
第46条 国土交通大臣は、登録を完了した後その登録について錯誤又は脱落があることを発見した場合において、次の各号の一に該当するときは、遅滞なく、職権でその登録を更正し、かつ、その旨を第1号の場合にあっては登録名義人に、第2号の場合にあっては登録権利者及び登録義務者(登録が第21条の規定による申請に係るものであるときは、登録名義人。次項において同じ。)に通知しなければならない。
一 錯誤又は脱落がダム使用権の表示に関するものであるとき。
二 前号に掲げる場合を除くほか、錯誤又は脱落が国土交通大臣の過失に基づくものであるとき(登録上利害関係を有する第三者があるときを除く。)。
2 前項の規定により登録を更正すべき場合を除き、国土交通大臣は、登録を完了した後その登録について錯誤又は脱落があることを発見したときは、遅滞なく、その旨を登録権利者及び登録義務者に通知しなければならない。
3 登録が第27条の規定による申請に係るものであるときは、前2項の通知は、債権者にもしなければならない。
(登録すべきでない事件を登録したときの消除)
第47条 国土交通大臣は、登録を完了した後その登録が第40条第1項第1号に該当するものであることを発見したときは、登録権利者、登録義務者及び登録上利害関係を有する第三者に対し、1月以内の期間を定めて、その期間内に異議を述べないときは登録を消除すべき旨を通知しなければならない。
2 国土交通大臣は、登録をした者の住所又は居所が知れないときは、前項の通知に代え官報で公告しなければならない。
第48条 国土交通大臣は、前条第1項の規定により定めた期間内に異議を述べる者がないとき、又は異議を却下したときは、職権で同項の登録を消除しなければならない。
第2節 ダム使用権
(ダム使用権の設定の登録の申請)
第49条 ダム使用権の設定の登録の申請は、特定多目的ダム法第15条第1項の規定によりダム使用権の設定を受けた者又はその者から相続、法人の合併その他の一般承継によりダム使用権を取得した者がしなければならない。
2 前項の登録を申請するときは、申請書にその副本及び必要な証明書類を添附しなければならない。この場合においては、第25条第1項第7号に掲げる事項は、記載することを要せず、同条第2項第1号から第3号までに掲げる書面は、添附することを要しない。
(職権による登録)
第50条 国土交通大臣は、特定多目的ダム法第24条又は第25条第2項の規定によるダム使用権の取消し又は変更の処分をしたときは、職権で当該ダム使用権の登録の消除又は変更の登録をしなければならない。
(ダム使用権の分割又は併合の登録)
第51条 ダム使用権の分割又は併合の登録は、新登録用紙に前登録用紙の事項欄の分割又は併合前のダム使用権に関する登録のうち現に効力を有するものを移記してしなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の規定により登録を移記したときは、前登録用紙を閉鎖しなければならない。
(設定の登録がされていないダム使用権について処分の制限の登録の嘱託があった場合の措置)
第52条 国土交通大臣は、設定の登録がされていないダム使用権について処分の制限の登録の嘱託があったときは、甲区事項欄にダム使用権者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び住所)並びに処分の制限の登録の嘱託によりダム使用権の設定の登録をする旨を記載しなければならない。
(ダム使用権の登録を消除した場合の登録用紙の閉鎖)
第53条 国土交通大臣は、ダム使用権の登録を消除したときは、当該ダム使用権の登録用紙を閉鎖しなければならない。
第3節 抵当権
(抵当権の設定の登録の申請)
第54条 抵当権の設定の登録を申請する場合においては、申請書に債権額を記載し、かつ、登録の原因に利息に関する定めがあるとき、債務の不履行によって生じた損害の賠償に関する定めがあるとき、又は債権に条件を附したときは、これを記載しなければならない。
2 抵当権の設定の登録を申請する場合において、抵当権の設定者が債務者でないときは、申請書に債務者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び住所)を記載しなければならない。
3 一定の金額を目的としない債権の担保たる抵当権の設定の登録を申請するときは、申請書にその債権の価格を記載しなければならない。
(外国の通貨で債権額を指定した債権の担保たる抵当権の設定の登録の申請)
第55条 外国の通貨で債権額を指定した債権の担保たる抵当権の設定の登録を申請するときは、申請書に日本の通貨で表示した担保限度額を記載しなければならない。
(転抵当等の登録の申請)
第56条 第54条第1項及び第2項の規定は、民法第376条第1項の規定により抵当権を他の債権の担保とし、又は抵当権を譲渡し、若しくは放棄した場合の登録の申請について準用する。
(共同抵当の登録の申請)
第57条 同一の債権を担保するための2以上のダム使用権を目的とする抵当権の設定の登録を申請するときは、申請書に他のダム使用権の表示に関する事項を記載しなければならない。ただし、第26条の規定により同一の申請書で申請するときは、この限りでない。
(追加的共同抵当の登録の申請)
第58条 ダム使用権を目的とする抵当権の設定の登録をした後、同一の債権を担保するための他のダム使用権を目的とする抵当権の設定の登録を申請するときは、申請書に前のダム使用権の表示に関する事項を記載しなければならない。
(共同抵当の代位の登録の申請)
第59条 民法第393条の規定による代位の登録を申請するときは、申請書に先順位の抵当権者が弁済を受けたダム使用権を表示し、その代価及び先順位の抵当権者が弁済を受けた額を記載しなければならない。
2 第54条第1項の規定は、前項の登録の申請について準用する。
(債権の一部譲渡又は代位弁済による抵当権の移転の登録の申請)
第60条 債権の一部の譲渡又は代位弁済による抵当権の移転の登録を申請するときは、申請書にそれぞれ譲渡又は代位弁済の目的たる債権の額を記載しなければならない。
(附記登録)
第61条 抵当権の移転の登録及び抵当権の処分の制限の登録は、附記によってする。
(保全仮登録に基づく本登録の順位)
第61条の2 第9条の規定は、保全仮登録について準用する。
第4章 雑則
(行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の適用除外)
第62条 ダム使用権登録簿の附属書類並びに閉鎖ダム使用権登録簿及びその附属書類については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の規定は、適用しない。
2 ダム使用権登録簿の附属書類並びに閉鎖ダム使用権登録簿及びその附属書類に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第58号)第2条第5項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第4章の規定は、適用しない。
(国土交通省令への委任)
第63条 この政令に定めるもののほか、ダム使用権及び抵当権の登録に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
附則
1 この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和42年6月30日政令第162号) 抄
1 この政令は、昭和42年8月1日から施行する。
附則 (平成2年9月27日政令第285号)
この政令は、民事保全法の施行の日(平成3年1月1日)から施行する。
附則 (平成9年11月19日政令第333号)
この政令は、民事訴訟法の施行の日(平成10年1月1日)から施行する。
附則 (平成12年6月7日政令第312号) 抄
(施行期日)
1 この政令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成13年3月30日政令第99号)
この政令は、商法等の一部を改正する法律の施行の日(平成13年4月1日)から施行する。
附則 (平成13年3月30日政令第101号)
この政令は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行の日(平成13年4月1日)から施行する。
附則 (平成14年12月18日政令第386号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成15年4月1日から施行する。
附則 (平成15年1月31日政令第28号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行の日(平成15年2月3日)から施行する。
附則 (平成15年12月25日政令第545号)
この政令は、仲裁法の施行の日(平成16年3月1日)から施行する。
附則 (平成15年12月25日政令第551号) 抄
この政令は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日(平成17年4月1日)から施行する。
附則 (平成16年12月27日政令第419号)
(施行期日)
1 この政令は、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成17年4月1日)から施行する。
(除権判決に関する経過措置)
2 改正法の施行前にされた改正法附則第2条の規定による廃止前の公示催告手続ニ関スル法律(明治23年法律第29号。以下「旧公示催告手続法」という。)の規定による除権判決又は改正法の施行後に改正法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる同項の公示催告手続においてされた旧公示催告手続法の規定による除権判決は、改正法第2条の規定による改正後の非訟事件手続法(明治31年法律第14号)の規定による除権決定とみなす。
附則 (平成17年2月18日政令第24号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、不動産登記法の施行の日(平成17年3月7日)から施行する。
附則 (平成17年3月9日政令第37号)
この政令は、民法の一部を改正する法律の施行の日(平成17年4月1日)から施行する。
附則 (平成24年7月19日政令第197号)
この政令は、新非訟事件手続法の施行の日(平成25年1月1日)から施行する。
附則 (平成27年11月26日政令第392号)
(施行期日)
第1条 この政令は、行政不服審査法の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
(経過措置の原則)
第2条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの政令の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの政令の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
附則 (平成29年2月15日政令第19号)
(施行期日)
第1条 この政令は、整備法の施行の日(平成29年5月30日)から施行する。
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