しゃくちひしょうじけんてつづききそく
借地非訟事件手続規則
昭和42年1月26日最高裁判所規則第1号
借地非訟事件手続規則を次のように定める。
(この規則の解釈及び運用)
第1条 この規則は、借地借家法(平成3年法律第90号。以下「法」という。)第41条の事件並びに大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成25年法律第61号)第5条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)に規定する事件及び同条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)において準用する法第19条第3項に規定する事件の手続が公正かつ迅速に行われるように解釈し、運用しなければならない。
(管轄の合意の方式・法第41条)
第2条 法第41条ただし書の合意は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。次項において同じ。)によってすることを要しない。
2 簡易裁判所は、法第41条の事件の申立てを受けた場合において、前項の合意を証する書面が提出されず、かつ、同項の合意を証する電磁的記録に記録された情報が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により提供されないときは、速やかに、当事者の陳述を聴き、合意の有無を確かめなければならない。
(参加・法第43条等)
第3条 法第41条の事件の手続における非訟事件手続法(平成23年法律第51号)第20条第2項(同法第21条第3項において準用する場合を含む。)の書面には、当事者及び利害関係参加人の数に応じた当該書面の写しを添付しなければならない。
2 前項の事件の手続における非訟事件手続規則(平成24年最高裁判所規則第7号)第15条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)の規定による通知は、非訟事件手続法第20条第2項(同法第21条第3項(同条第1項の規定による参加の申出に係る部分に限る。)において準用する場合を含む。)の書面の写しを送付する方法によってする。
3 第1項の事件について非訟事件手続法第21条第2項の規定による参加の許可の裁判があったときは、裁判所書記官は、非訟事件手続規則第15条第3項の規定による通知をするほか、当事者及び利害関係参加人(同法第21条第2項の規定による参加の許可の申立てをした者を除く。)に対し、同法第21条第3項(同条第2項の規定による参加の許可の申立てに係る部分に限る。)において準用する同法第20条第2項の書面の写しを送付しなければならない。
4 法第43条第2項の書面には、当事者、利害関係参加人及び同条第1項の規定による参加の裁判を受ける者となるべき者の数に応じた当該書面の写し並びに法第41条の事件の手続に参加する者が当事者となる資格を有する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
5 法第43条第1項の規定による参加の申立てがあった場合には、裁判所が直ちに当該申立てを却下する裁判をしたときを除き、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人(同項の申立てをした者を除く。)並びに同項の規定による参加の裁判を受ける者となるべき者に対し、同条第2項の書面の写しを送付しなければならない。
6 前項の書面の写しを送付した後に法第43条第1項の規定による参加についての裁判があった場合には、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
(脱退)
第4条 非訟事件手続法第20条第1項又は法第43条第1項の規定により法第41条の事件の手続に参加した者がある場合においては、参加前の当事者は、その相手方の承諾を得て手続から脱退することができる。
2 手続代理人は、前項の規定による脱退については、特別の委任を受けなければならない。
(主任鑑定委員・法第47条)
第5条 鑑定委員は、互選により、その中の1人を主任鑑定委員に指名しなければならない。
2 主任鑑定委員は、鑑定委員会の手続を主宰する。
(鑑定委員の立会い・法第47条)
第6条 裁判所は、必要があると認めるときは、審問又は証拠調べに鑑定委員を立ち会わせることができる。
(鑑定委員会の決議・法第47条)
第7条 鑑定委員会の決議は、委員の過半数の意見による。
2 鑑定委員会の評議は、秘密とする。
(鑑定委員会の意見・法第47条)
第8条 鑑定委員会が意見を述べるには、主文及び理由を記載した書面によらなければならない。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、口頭で意見を述べることを許すことができる。
2 裁判所は、鑑定委員会に対し、前項の意見につき説明を求めることができる。
3 裁判所は、第1項の意見を聴いたときは、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知し、その陳述を聴かなければならない。
(鑑定委員会の意見等の記録・法第47条)
第9条 裁判所書記官は、裁判所が鑑定委員会に対し意見を求めた事項及び鑑定委員会の口頭による意見を記録上明らかにしておかなければならない。
(申立ての方式)
第10条 法第41条の事件の申立書には、申立ての趣旨及び原因、申立てを理由づける事実並びに非訟事件手続規則第1条第1項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 借地契約の内容
二 申立て前にした当事者間の協議の概要
2 法第20条第1項(同条第5項において準用する場合を含む。)の申立てをするには、建物を競売又は公売によって買い受けた事実及び建物の代金を支払った日を証する書面を申立書に添付しなければならない。
3 借地契約書その他の証拠書類があるときは、その写しを申立書に添付しなければならない。
(申立書の送達・法第50条)
第11条 前条第1項の申立書の送達は、申立人から提出された副本によってする。
(建物等の譲受けの申立期間等)
第12条 裁判所は、法第19条第1項(同条第7項において準用する場合を含む。)又は法第20条第1項(同条第5項において準用する場合を含む。)の申立てを適法と認めたときは、法第19条第3項(同条第7項及び法第20条第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の申立てをする期間を定めなければならない。ただし、借地権設定者が法第19条第3項の申立てをしない旨を明らかにしたときは、この限りでない。
2 前項の期間を定める決定は、相手方に送達しなければならない。ただし、相手方が事件につき出頭した場合には、口頭で告知すれば足りる。
3 第1項の期間の末日は、相手方が前項の規定による告知を受けた日から少なくとも14日以後としなければならない。
4 借地権設定者が法第19条第7項において準用する同条第3項又は法第20条第5項において準用する同条第2項において準用する法第19条第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を証する書面を申立書に添付しなければならない。
(申立ての変更に係る書面等の送付)
第13条 法第41条の事件について、申立人が書面で申立ての趣旨又は原因の変更をした場合には、その変更を許さない旨の裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その書面を相手方及び利害関係参加人に送付しなければならない。
2 前項の事件の手続の期日において申立人が口頭で申立ての趣旨又は原因の変更をした場合には、その変更を許さない旨の裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その期日の調書の謄本を相手方及び利害関係参加人(その期日に出頭した者を除く。)に送付しなければならない。
(審問期日・法第51条)
第14条 裁判所は、第10条第1項の申立書を相手方に送達した後、特別の事情がない限り速やかに、審問期日を開くものとする。
(期日の通知)
第15条 審問及び証拠調べの期日は、当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
(審理の準備及び計画)
第16条 裁判所は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をし、審理の計画を立てなければならない。
2 当事者は、審理が前項の計画に従い迅速に進行するように協力しなければならない。
(当事者の陳述)
第17条 裁判所は、当事者に対し、書面又は口頭で陳述を求めることができる。
2 裁判所は、鑑定委員会に意見を求める前に、法第17条第3項、第18条第1項後段、第19条第1項後段(同条第7項において準用する場合を含む。)又は第20条第1項後段(同条第5項において準用する場合を含む。)の裁判に関する当事者の陳述を聴かなければならない。
(提出書類の直送)
第18条 当事者及び利害関係参加人が陳述書、証拠書類その他裁判の資料となる書類を提出するときは、当該書類について直送をしなければならない。
(調査の嘱託等)
第19条 裁判所は、必要な調査を官庁、公署その他適当であると認める者に嘱託することができる。
2 裁判所は、相当と認めるときは、事実の調査を裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(申立ての取下げの合意の方式)
第20条 法第19条第5項(同条第7項及び法第20条第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に定める当事者の合意は、書面によってしなければならない。
(申立ての取下げがあった場合の取扱い等)
第21条 法第41条の事件の申立ての取下げがあったとき(次項に規定する場合を除く。)は、裁判所書記官は、その旨を相手方及び利害関係参加人に通知しなければならない。
2 法第19条第5項(同条第7項及び法第20条第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定により当事者の合意がなければ申立てを取り下げることができない場合において、その取下げがあったときは、裁判所書記官は、その旨を利害関係参加人に通知しなければならない。
3 法第41条の事件の申立ての取下げについては、非訟事件手続規則第49条第1項から第3項までの規定は、適用しない。
(裁判書の送達・法第55条)
第22条 法第55条第1項の規定による裁判書の送達は、その正本によってする。
(申立書の送達の規定の準用・法第60条)
第23条 第11条の規定は、法第55条第1項の裁判に対する即時抗告があった場合について準用する。
(大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法の規定による事件の手続への準用)
第24条 第2条から前条まで(第10条第2項を除く。)の規定は、大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第5条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)に規定する事件及び同条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)において準用する法第19条第3項に規定する事件の手続について準用する。この場合において、第12条第1項中「法第19条第1項(同条第7項において準用する場合を含む。)又は法第20条第1項(同条第5項において準用する場合を含む。)」とあるのは「大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第5条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)」と、同条第4項中「法第19条第7項において準用する同条第3項又は法第20条第5項において準用する同条第2項において準用する法第19条第3項」とあるのは「大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第5条第4項において準用する同条第2項において準用する法第19条第3項」と、第17条第2項中「法第17条第3項、第18条第1項後段、第19条第1項後段(同条第7項において準用する場合を含む。)又は第20条第1項後段(同条第5項において準用する場合を含む。)」とあるのは「大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第5条第1項後段(同条第4項において準用する場合を含む。)」と、第20条及び第21条第2項中「法第19条第5項(同条第7項及び法第20条第2項(同条第5項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)」とあるのは「大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第5条第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)において準用する法第19条第5項」と読み替えるものとする。
附則
この規則は、昭和42年6月1日から施行する。
附則(昭和46年6月14日最高裁判所規則第6号)
(施行期日等)
1 この規則は、昭和46年7月1日から施行し、第6条の規定による改正後の参与員規則第7条第2項の規定、第8条の規定による改正後の司法委員規則第6条第2項の規定、第9条の規定による改正後の調停委員規則第10条第2項の規定及び第10条の規定による改正後の鑑定委員規則第7条第2項の規定は、昭和47年1月1日から適用する。
(経過措置)
2 この規則の施行前に要した参与員、人身保護法による国選代理人、司法委員、調停委員等及び鑑定委員の費用並びにこの規則の施行後昭和46年12月31日までの間に支給原因の生じた参与員、司法委員、調停委員等及び鑑定委員の日当の額については、なお従前の例による。
附則(平成4年2月21日最高裁判所規則第3号)
この規則は、借地借家法(平成3年法律第90号)の施行の日(平成4年8月1日)から施行する。
附則(平成8年12月17日最高裁判所規則第6号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、民事訴訟法(平成8年法律第109号。以下「新法」という。)の施行の日から施行する。(施行の日=平成10年1月1日)
附則(平成16年10月6日最高裁判所規則第15号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、破産法(平成16年法律第75号。附則第7条において「新破産法」という。)及び破産法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成16年法律第76号)の施行の日から施行する。(施行の日=平成17年1月1日)
附則(平成17年1月11日最高裁判所規則第1号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律(平成16年法律第152号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中民事訴訟規則目次の改正規定(「第238条」を「第237条」に改める部分、「第239条」を「第238条」に改める部分及び「第240条」を「第239条」に改める部分を除く。)、同規則第1編第5章第2節の節名の改正規定、同節中第34条の2の前に款名を付する改正規定及び同節中第34条の10の次に1款を加える改正規定 裁判所法等の一部を改正する法律(平成16年法律第120号)の施行の日(平成17年4月1日)
二 第9条中民事訴訟費用等に関する規則別表第2の5の項ホの改正規定 行政事件訴訟法の一部を改正する法律(平成16年法律第84号)の施行の日(平成17年4月1日)
三 附則第6条の規定 破産規則(平成16年最高裁判所規則第14号)の施行の日(平成17年1月1日)又はこの規則の施行の日のいずれか遅い日(施行の日=平成17年4月1日)
附則(平成24年7月17日最高裁判所規則第9号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、非訟事件手続法(平成23年法律第51号)の施行の日から施行する。(施行の日=平成25年1月1日)
附則(平成25年7月31日最高裁判所規則第3号)
この規則は、大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法(平成25年法律第61号)の施行の日から施行する。(施行の日=平成25年9月25日)
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