ようごろうじんホームのせつびおよびうんえいにかんするきじゅん
養護老人ホームの設備及び運営に関する基準
昭和41年厚生省令第19号
老人福祉法(昭和38年法律第133号)第17条第1項の規定に基づき、養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を次のとおり定める。
(趣旨)
第1条 養護老人ホームに係る老人福祉法(昭和38年法律第133号。以下「法」という。)第17条第2項の厚生労働省令で定める基準は、次の各号に掲げる基準に応じ、それぞれ当該各号に定める基準とする。
一 法第17条第1項の規定により、同条第2項第1号に掲げる事項について都道府県(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第252条の22第1項の中核市(以下「中核市」という。)にあっては、指定都市又は中核市。以下この条において同じ。)が条例を定めるに当たって従うべき基準 第5条、第6条及び第12条の規定による基準
二 法第17条第1項の規定により、同条第2項第2号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準 第11条第3項第1号及び第4項第1号ロ並びに附則第2項(第11条第4項第1号ロに係る部分に限る。)の規定による基準
三 法第17条第1項の規定により、同条第2項第3号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって従うべき基準 第16条第4項から第6項まで、第26条及び第29条の規定による基準
四 法第17条第1項の規定により、同条第2項第4号に掲げる事項について都道府県が条例を定めるに当たって標準とすべき基準 第10条の規定による基準
五 法第17条第1項の規定により、同条第2項各号に掲げる事項以外の事項について都道府県が条例を定めるに当たって参酌すべき基準 この省令に定める基準のうち、前各号に定める基準以外のもの
(基本方針)
第2条 養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画(以下「処遇計画」という。)に基づき、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。
2 養護老人ホームは、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立って処遇を行うように努めなければならない。
3 養護老人ホームは、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇に努めるとともに、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
(構造設備の一般原則)
第3条 養護老人ホームの配置、構造及び設備は、日照、採光、換気等入所者の保健衛生に関する事項及び防災について十分考慮されたものでなければならない。
(設備の専用)
第4条 養護老人ホームの設備は、もっぱら当該養護老人ホームの用に供するものでなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。
(職員の資格要件)
第5条 養護老人ホームの長(以下「施設長」という。)は、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第19条第1項各号のいずれかに該当する者若しくは社会福祉事業に2年以上従事した者又はこれらと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
2 生活相談員は、社会福祉法第19条第1項各号のいずれかに該当する者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。
(職員の専従)
第6条 養護老人ホームの職員は、もっぱら当該養護老人ホームの職務に従事することができる者をもって充てなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合には、この限りでない。
(運営規程)
第7条 養護老人ホームは、次に掲げる施設の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
一 施設の目的及び運営の方針
二 職員の職種、数及び職務の内容
三 入所定員
四 入所者の処遇の内容
五 施設の利用に当たっての留意事項
六 非常災害対策
七 その他施設の運営に関する重要事項
(非常災害対策)
第8条 養護老人ホームは、消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、非常災害時の関係機関への通報及び連携体制を整備し、それらを定期的に職員に周知しなければならない。
2 養護老人ホームは、非常災害に備えるため、定期的に避難、救出その他必要な訓練を行なわなければならない。
(記録の整備)
第9条 養護老人ホームは、設備、職員及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 養護老人ホームは、入所者の処遇の状況に関する次の各号に掲げる記録を整備し、その完結の日から2年間保存しなければならない。
一 処遇計画
二 行った具体的な処遇の内容等の記録
三 第16条第5項に規定する身体的拘束等の態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由の記録
四 第27条第2項に規定する苦情の内容等の記録
五 第29条第3項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
(規模)
第10条 養護老人ホームは、20人以上(特別養護老人ホームに併設する場合にあっては、10人以上)の人員を入所させることができる規模を有しなければならない。
(設備の基準)
第11条 養護老人ホームの建物(入所者の日常生活のために使用しない附属の建物を除く。)は、耐火建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物をいう。以下同じ。)又は準耐火建築物(同条第9号の3に規定する準耐火建築物をいう。以下同じ。)でなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、都道府県知事(指定都市及び中核市にあっては、指定都市又は中核市の市長)が、火災予防、消火活動等に関し専門的知識を有する者の意見を聴いて、次の各号のいずれかの要件を満たす木造かつ平屋建ての養護老人ホームの建物であって、火災に係る入所者の安全性が確保されていると認めたときは、耐火建築物又は準耐火建築物とすることを要しない。
一 スプリンクラー設備の設置、天井等の内装材等への難燃性の材料の使用、調理室等火災が発生するおそれがある箇所における防火区画の設置等により、初期消火及び延焼の抑制に配慮した構造であること。
二 非常警報設備の設置等による火災の早期発見及び通報の体制が整備されており、円滑な消火活動が可能なものであること。
三 避難口の増設、搬送を容易に行うために十分な幅員を有する避難路の確保等により、円滑な避難が可能な構造であり、かつ、避難訓練を頻繁に実施すること、配置人員を増員すること等により、火災の際の円滑な避難が可能なものであること。
3 養護老人ホームには、次の各号に掲げる設備を設けなければならない。ただし、他の社会福祉施設等の設備を利用することにより、施設の効果的な運営を期待することができる場合であって、入所者の処遇に支障がないときは、設備の一部を設けないことができる。
一 居室
二 静養室
三 食堂
四 集会室
五 浴室
六 洗面所
七 便所
八 医務室
九 調理室
十 宿直室
十一 職員室
十二 面談室
十三 洗濯室又は洗濯場
十四 汚物処理室
十五 霊安室
十六 前各号に掲げるもののほか、事務室その他の運営上必要な設備
4 前項各号に掲げる設備の基準は、次のとおりとする。
一 居室
イ 地階に設けてはならないこと。
ロ 入所者1人当たりの床面積は、10・65平方メートル以上とすること。
ハ 1以上の出入口は、避難上有効な空地、廊下又は広間に直接面して設けること。
ニ 入所者の寝具及び身の回り品を各人別に収納することができる収納設備を設けること。
二 静養室
イ 医務室又は職員室に近接して設けること。
ロ 原則として1階に設け、寝台又はこれに代わる設備を備えること。
ハ イ及びロに定めるもののほか、前号イ、ハ及びニに定めるところによること。
三 洗面所居室のある階ごとに設けること。
四 便所居室のある階ごとに男子用と女子用を別に設けること。
五 医務室入所者を診療するために必要な医薬品及び医療機器を備えるほか、必要に応じて臨床検査設備を設けること。
六 調理室火気を使用する部分は、不燃材料を用いること。
七 職員室居室のある階ごとに居室に近接して設けること。
5 前各項に規定するもののほか、養護老人ホームの設備の基準は、次に定めるところによる。
一 廊下の幅は、1・35メートル以上とすること。ただし、中廊下の幅は、1・8メートル以上とすること。
二 廊下、便所その他必要な場所に常夜灯を設けること。
三 階段の傾斜は、ゆるやかにすること。
(職員の配置の基準)
第12条 養護老人ホームには、次の各号に掲げる職員を置かなければならない。ただし、特別養護老人ホームに併設する入所定員50人未満の養護老人ホーム(併設する特別養護老人ホームの栄養士との連携を図ることにより当該養護老人ホームの効果的な運営を期待することができ、かつ、入所者の処遇に支障がないものに限る。)にあっては第6号の栄養士を、調理業務の全部を委託する養護老人ホームにあっては第7号の調理員を置かないことができる。
一 施設長 1
二 医師 入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数
三 生活相談員
イ 常勤換算方法で、入所者の数が30又はその端数を増すごとに1以上とすること。
ロ 生活相談員のうち入所者の数が100又はその端数を増すごとに1人以上を主任生活相談員とすること。
四 支援員
イ 常勤換算方法で、一般入所者(入所者であって、指定特定施設入居者生活介護(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第174条第1項に規定する指定特定施設入居者生活介護をいう。以下同じ。)、指定地域密着型特定施設入居者生活介護(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)第109条第1項に規定する指定地域密着型特定施設入居者生活介護をいう。以下同じ。)又は指定介護予防特定施設入居者生活介護(指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(平成18年厚生労働省令第35号)第230条第1項に規定する指定介護予防特定施設入居者生活介護をいう。以下同じ。)の提供を受けていないものをいう。以下同じ。)の数が15又はその端数を増すごとに1以上とすること。
ロ 支援員のうち1人を主任支援員とすること。
五 看護師又は准看護師(以下「看護職員」という。)常勤換算方法で、入所者の数が100又はその端数を増すごとに1以上
六 栄養士 1以上
七 調理員、事務員その他の職員 当該養護老人ホームの実情に応じた適当数
2 前項(第1号、第2号、第6号及び第7号を除く。)の規定にかかわらず、視覚又は聴覚に障害のある入所者の数が入所定員の7割を超える養護老人ホーム(以下この項において「盲養護老人ホーム等」という。)に置くべき生活相談員、支援員及び看護職員については、次の各号に定めるところによる。
一 生活相談員
イ 常勤換算方法で、1に、入所者の数が30又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上とすること。
ロ 生活相談員のうち入所者の数が100又はその端数を増すごとに1人以上を主任生活相談員とすること。
二 支援員
イ 常勤換算方法で、別表の上欄に掲げる一般入所者の数に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる支援員の数以上とすること。
ロ 支援員のうち1人を主任支援員とすること。
三 看護職員
イ 入所者の数が100を超えない盲養護老人ホーム等にあっては、常勤換算方法で、2以上とすること。
ロ 入所者の数が100を超える盲養護老人ホーム等にあっては、常勤換算方法で、2に、入所者の数が100を超えて100又はその端数を増すごとに一を加えて得た数以上とすること。
3 前2項の入所者及び一般入所者の数は、前年度の平均値とする。ただし、新規設置又は再開の場合は、推定数による。
4 第1項、第2項、第7項、第8項及び第10項の常勤換算方法とは、当該職員のそれぞれの勤務延時間数の総数を当該養護老人ホームにおいて常勤の職員が勤務する時間数で除することにより常勤の職員の員数に換算する方法をいう。
5 第1項第1号の施設長は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、当該養護老人ホームの管理上支障がない場合には、同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができる。
6 第1項第2号の規定にかかわらず、サテライト型養護老人ホーム(当該施設を設置しようとする者により設置される当該施設以外の養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院又は病院若しくは診療所であって当該施設に対する支援機能を有するもの(以下この条において「本体施設」という。)との密接な連携を確保しつつ、本体施設とは別の場所で運営される入所定員が29人以下の養護老人ホームをいう。以下この条において同じ。)の医師については、本体施設の医師により当該サテライト型養護老人ホームの入所者の健康管理が適切に行われると認められるときは、これを置かないことができる。
7 第1項第3号ロ又は第2項第1号ロの主任生活相談員のうち1人以上は、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、指定特定施設入居者生活介護、指定地域密着型特定施設入居者生活介護又は指定介護予防特定施設入居者生活介護を行う養護老人ホームであって、入所者の処遇に支障がない場合には、当該養護老人ホームが行う当該事業に係る他の職務に従事することができ、第1項第3号ロの主任生活相談員については、サテライト型養護老人ホームにあっては、常勤換算方法で、1以上とする。
8 指定特定施設入居者生活介護、指定地域密着型特定施設入居者生活介護又は指定介護予防特定施設入居者生活介護を行う養護老人ホームに置くべき生活相談員の数については、第1項第3号又は第2項第1号に定める生活相談員の数から、常勤換算方法で、一を減じた数とすることができる。
9 第1項第4号ロ又は第2項第2号ロの主任支援員は、常勤の者でなければならない。
10 第1項第5号又は第2項第3号の看護職員のうち1人以上は、常勤の者でなければならない。ただし、第1項第5号の看護職員については、サテライト型養護老人ホーム又は指定特定施設入居者生活介護(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第192条の2に規定する外部サービス利用型指定特定施設入居者生活介護を除く。)、指定地域密着型特定施設入居者生活介護若しくは指定介護予防特定施設入居者生活介護(指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準第253条に規定する外部サービス利用型指定介護予防特定施設入居者生活介護を除く。)を行う養護老人ホームにあっては、常勤換算方法で、1以上とする。
11 夜間及び深夜の時間帯を通じて1以上の職員に宿直勤務又は夜間及び深夜の勤務(宿直勤務を除く。)を行わせなければならない。
12 第1項第3号、第6号及び第7号の規定にかかわらず、サテライト型養護老人ホームの生活相談員、栄養士又は調理員、事務員その他の職員については、次に掲げる本体施設の場合には、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める職員により当該サテライト型養護老人ホームの入所者の処遇が適切に行われていると認められるときは、これを置かないことができる。
一 養護老人ホーム 栄養士又は調理員、事務員その他の職員
二 介護老人保健施設 支援相談員、栄養士又は調理員、事務員その他の従業者
三 介護医療院 栄養士又は調理員、事務員その他の従業者
四 病院 栄養士(病床数100以上の病院の場合に限る。)
五 診療所 事務員その他の従業者
(居室の定員)
第13条 一の居室の定員は、1人とする。ただし、入所者への処遇上必要と認められる場合には、2人とすることができる。
(入退所)
第14条 養護老人ホームは、入所予定者の入所に際しては、その者の心身の状況、生活歴、病歴等の把握に努めなければならない。
2 養護老人ホームは、入所者の心身の状況、その置かれている環境等に照らし、その者が居宅において日常生活を営むことができるかどうかについて常に配慮しなければならない。
3 養護老人ホームは、その心身の状況、その置かれている環境等に照らし、居宅において日常生活を営むことができると認められる入所者に対し、その者及びその家族の希望、その者が退所後に置かれることとなる生活環境等を勘案し、その者の円滑な退所のために必要な援助に努めなければならない。
4 養護老人ホームは、入所者の退所に際しては、保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。
5 養護老人ホームは、入所者の退所後も、必要に応じ、当該入所者及びその家族等に対する相談援助を行うとともに、適切な援助に努めなければならない。
(処遇計画)
第15条 養護老人ホームの施設長は、生活相談員に処遇計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
2 生活相談員は、入所者について、その心身の状況、その置かれている環境、その者及びその家族の希望等を勘案し、他の職員と協議の上、その者の処遇計画を作成しなければならない。
3 生活相談員は、処遇計画について、入所者の処遇の状況等を勘案し、必要な見直しを行わなければならない。
(処遇の方針)
第16条 養護老人ホームは、入所者について、その者が有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように、その心身の状況等に応じて、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を妥当適切に行わなければならない。
2 入所者の処遇は、処遇計画に基づき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮して、行わなければならない。
3 養護老人ホームの職員は、入所者の処遇に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、入所者又はその家族に対し、処遇上必要な事項について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
4 養護老人ホームは、入所者の処遇に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。
5 養護老人ホームは、身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。
6 養護老人ホームは、身体的拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、支援員その他の従業者に周知徹底を図ること。
二 身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。
三 支援員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。
(食事)
第17条 養護老人ホームは、栄養並びに入所者の心身の状況及び嗜好を考慮した食事を、適切な時間に提供しなければならない。
(生活相談等)
第18条 養護老人ホームは、常に入所者の心身の状況、その置かれている環境等の的確な把握に努め、入所者又はその家族に対し、その相談に適切に応じるとともに、必要な助言その他の援助を行わなければならない。
2 養護老人ホームは、入所者に対し、処遇計画に基づき、自立した日常生活を営むために必要な指導及び訓練その他の援助を行わなければならない。
3 養護老人ホームは、要介護認定(介護保険法(平成9年法律第123号)第19条第1項に規定する要介護認定をいう。)の申請等、入所者が日常生活を営むのに必要な行政機関等に対する手続について、その者又はその家族において行うことが困難である場合は、当該入所者の意思を踏まえて速やかに必要な支援を行わなければならない。
4 養護老人ホームは、常に入所者の家族との連携を図るとともに、入所者とその家族との交流等の機会を確保するよう努めなければならない。
5 養護老人ホームは、入所者の外出の機会を確保するよう努めなければならない。
6 養護老人ホームは、入所者に対し、退所後の地域における生活を念頭に置きつつ、自立的な生活に必要な援助を適切に行わなければならない。
7 養護老人ホームは、1週間に2回以上、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。
8 養護老人ホームは、教養娯楽設備等を備えるほか、適宜レクリエーシヨン行事を行わなければならない。
(居宅サービス等の利用)
第19条 養護老人ホームは、入所者が要介護状態等(介護保険法第2条第1項に規定する要介護状態等をいう。)となった場合には、その心身の状況、置かれている環境等に応じ、適切に居宅サービス等(同法第23条に規定する居宅サービス等をいう。以下同じ。)を受けることができるよう、必要な措置を講じなければならない。
(健康管理)
第20条 養護老人ホームは、入所者について、その入所時及び毎年定期に2回以上健康診断を行わなければならない。
(施設長の責務)
第21条 養護老人ホームの施設長は、養護老人ホームの職員の管理、業務の実施状況の把握その他の管理を1元的に行わなければならない。
2 養護老人ホームの施設長は、職員に第7条から第9条まで、第14条から前条まで及び次条から第29条までの規定を遵守させるために必要な指揮命令を行うものとする。
(生活相談員の責務)
第22条 生活相談員は、処遇計画を作成し、それに沿った支援が行われるよう必要な調整を行うほか、次に掲げる業務を行わなければならない。
一 入所者の居宅サービス等の利用に際し、介護保険法第8条第24項に規定する居宅サービス計画又は同法第8条の2第16項に規定する介護予防サービス計画の作成等に資するため、同法第8条第24項に規定する居宅介護支援事業又は同法第8条の2第16項に規定する介護予防支援事業を行う者と密接な連携を図るほか、居宅サービス等その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めること。
二 第27条第2項に規定する苦情の内容等の記録を行うこと。
三 第29条第3項に規定する事故の状況及び事故に際して採った措置についての記録を行うこと。
2 主任生活相談員は、前項に規定する業務のほか、養護老人ホームへの入所に際しての調整、他の生活相談員に対する技術指導等の内容の管理を行うものとする。
3 指定特定施設入居者生活介護、指定地域密着型特定施設入居者生活介護又は指定介護予防特定施設入居者生活介護を行う養護老人ホームであって、第12条第1項第3号の規定に基づく生活相談員を置いていない場合にあっては、主任支援員が前2項に掲げる業務を行うものとする。
(勤務体制の確保等)
第23条 養護老人ホームは、入所者に対し、適切な処遇を行うことができるよう、職員の勤務の体制を定めておかなければならない。
2 前項の職員の勤務体制を定めるに当たっては、入所者が安心して日常生活を送るために継続性を重視した処遇を行うことができるよう配慮しなければならない。
3 養護老人ホームは、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。
(衛生管理等)
第24条 養護老人ホームは、入所者の使用する食器その他の設備又は飲用に供する水について、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療機器の管理を適正に行わなければならない。
2 養護老人ホームは、当該養護老人ホームにおいて感染症又は食中毒が発生し、又はまん延しないように、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 当該養護老人ホームにおける感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会をおおむね3月に1回以上開催するとともに、その結果について、支援員その他の職員に周知徹底を図ること。
二 当該養護老人ホームにおける感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を整備すること。
三 当該養護老人ホームにおいて、支援員その他の職員に対し、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修を定期的に実施すること。
四 前3号に掲げるもののほか、別に厚生労働大臣が定める感染症又は食中毒の発生が疑われる際の対処等に関する手順に沿った対応を行うこと。
(協力病院等)
第25条 養護老人ホームは、入院治療を必要とする入所者のために、あらかじめ、協力病院を定めておかなければならない。
2 養護老人ホームは、あらかじめ、協力歯科医療機関を定めておくよう努めなければならない。
(秘密保持等)
第26条 養護老人ホームの職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 養護老人ホームは、職員であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た入所者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。
(苦情への対応)
第27条 養護老人ホームは、その行った処遇に関する入所者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 養護老人ホームは、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 養護老人ホームは、その行った処遇に関し、市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 養護老人ホームは、市町村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を市町村に報告しなければならない。
5 養護老人ホームは、社会福祉法第83条に規定する運営適正化委員会が行う同法第85条第1項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。
(地域との連携等)
第28条 養護老人ホームは、その運営に当たっては、地域住民又はその自発的な活動等との連携及び協力を行う等の地域との交流を図らなければならない。
2 養護老人ホームは、その運営に当たっては、その措置に関する入所者からの苦情に関して、市町村等が派遣する者が相談及び援助を行う事業その他の市町村が実施する事業に協力するよう努めなければならない。
(事故発生の防止及び発生時の対応)
第29条 養護老人ホームは、事故の発生又はその再発を防止するため、次の各号に定める措置を講じなければならない。
一 事故が発生した場合の対応、次号に規定する報告の方法等が記載された事故発生の防止のための指針を整備すること。
二 事故が発生した場合又はそれに至る危険性がある事態が生じた場合に、当該事実が報告され、その分析を通した改善策について、職員に周知徹底する体制を整備すること。
三 事故発生の防止のための委員会及び支援員その他の職員に対する研修を定期的に行うこと。
2 養護老人ホームは、入所者に対する処遇により事故が発生した場合は、速やかに市町村、入所者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
3 養護老人ホームは、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
4 養護老人ホームは、入所者に対する処遇により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならない。
附則
1 この省令は、昭和41年10月1日から施行する。
2 この省令の施行の際現に存する養護老人ホームについては、第10条並びに第11条第1項、第4項第1号ロ及び第5項第1号の規定は、当分の間適用しない。
附則 (昭和42年7月8日厚生省令第21号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和59年7月12日厚生省令第33号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和62年3月9日厚生省令第12号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準の一部改正に伴う経過措置)
第4条 この省令の施行の際現に存する養護老人ホーム及び特別養護老人ホームについては、この省令による改正後の養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(以下「設備運営基準」という。)第11条第2項第15号及び第18条第2項第16号の規定は、当分の間適用しない。
2 この省令の施行の際現に存する養護老人ホーム及び特別養護老人ホームについては、設備運営基準第13条及び第20条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (昭和62年6月9日厚生省令第31号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成元年7月28日厚生省令第36号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成5年2月3日厚生省令第3号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、医療法の一部を改正する法律第2条の規定の施行の日(平成5年4月1日)から施行する。
附則 (平成6年4月8日厚生省令第32号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成7年9月26日厚生省令第54号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成10年3月27日厚生省令第35号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成10年4月1日から施行する。
附則 (平成11年3月31日厚生省令第46号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成12年4月1日から施行する。
附則 (平成12年3月30日厚生省令第58号)
この省令は、平成12年4月1日から施行する。
附則 (平成12年6月7日厚生省令第100号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成12年8月11日厚生省令第112号)
この省令は、平成12年9月1日から施行する。
附則 (平成14年2月22日厚生労働省令第14号) 抄
1 この省令は、保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律の施行の日(平成14年3月1日)から施行する。
附則 (平成15年12月26日厚生労働省令第181号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成18年3月28日厚生労働省令第57号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成18年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令の施行の際現に存する養護老人ホーム(建築中のものを含む。)に係る居室及び居室の定員については、この省令による改正後の養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(以下「新基準」という。)第11条第4項第1号ロ及び第13条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第3条 この省令の施行の際現に存する養護老人ホームに係る職員の配置については、平成19年3月31日までの間は、新基準第12条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成20年4月30日厚生労働省令第102号)
この省令は、平成20年5月1日より施行する。
附則 (平成20年9月1日厚生労働省令第137号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成23年10月7日厚生労働省令第127号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成24年4月1日から施行する。
附則 (平成24年1月30日厚生労働省令第11号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成24年4月1日から施行する。
附則 (平成27年3月31日厚生労働省令第57号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成27年4月1日から施行する。
附則 (平成28年2月5日厚生労働省令第14号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(以下「整備法」という。)附則第1条第6号に掲げる施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
附則 (平成30年1月18日厚生労働省令第4号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は平成30年4月1日から施行する。
附則 (平成30年8月2日厚生労働省令第102号)
この省令は、平成30年10月1日から施行する。
別表(第12条関係)
一般入所者の数 | 支援員の数 |
20以下 | 4 |
21以上30以下 | 5 |
31以上40以下 | 6 |
41以上50以下 | 7 |
51以上60以下 | 8 |
61以上70以下 | 10 |
71以上80以下 | 11 |
81以上90以下 | 12 |
91以上100以下 | 14 |
101以上110以下 | 14 |
111以上120以下 | 16 |
121以上130以下 | 18 |
131以上 | 18に、入所者の数が131を超えて10又はその端数を増すごとに一を加えて得た数 |
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