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きんぞくせいひなんはしごのぎじゅつじょうのきかくをさだめるしょうれい

金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令

昭和40年自治省令第3号
消防法(昭和23年法律第186号)第21条の2第2項の規定に基づき、金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令を次のように定める。
(趣旨)
第1条 この省令は、金属製避難はしご(以下「避難はしご」という。)の技術上の規格を定めるものとする。
(定義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 避難はしご 固定はしご、立てかけはしご及びつり下げはしごをいう。
 固定はしご 常時使用可能の状態で防火対象物に固定されて使用されるもの(収納式のもの(横桟を縦棒内に収納しておき、使用の際、これを取り出して使用可能の状態にすることができるものをいう。以下同じ。)及びその下部を折りたたむこと又は伸縮させることができる構造のものを含む。)をいう。
 立てかけはしご 防火対象物に立てかけて使用されるものをいう。
 つり下げはしご 防火対象物につり下げて使用されるものをいう。
 ハッチ用つり下げはしご つり下げはしごのうち、避難器具用ハッチ(金属製避難はしごを常時使用可能の状態で格納することのできるハッチ式の取付け具をいう。)に格納されているもの(使用の際、防火対象物に突子が接触しない構造のものに限る。)をいう。
(構造)
第3条 避難はしごは、安全、確実、かつ容易に使用される構造のものでなければならない。
2 避難はしごは、縦棒(つり下げはしごにあっては、これに相当するワイヤロープ、チェーンその他金属製の棒又は板をいう。以下同じ。)及び横桟で構成されるものとする。
3 避難はしごのうち、縦棒の数が1本であるものにあっては、次の各号に適合するものでなければならない。
 縦棒が当該はしごの中心軸となるように横桟を取り付け、横桟の先端に、縦棒の軸と平行に長さ5センチメートル以上の横滑りを防止する突子を設けてあること。
 横桟の長さは、縦棒から横桟の先端までの長さの内法寸法で15センチメートル以上25センチメートル以下とし、縦棒の幅は、横桟の軸方向について10センチメートル以下であること。
4 避難はしごのうち、縦棒の数が2本以上であるものの縦棒の間隔は、内法寸法で30センチメートル以上50センチメートル以下でなければならない。
5 避難はしごの横桟は、直径14ミリメートル以上35ミリメートル以下の円形の断面を有するもの又はこれと同等の握り太さの他の形状の断面を有するものでなければならない。
6 避難はしごの横桟は、縦棒に同一間隔に取り付けられたものであり、かつ、当該間隔は、25センチメートル以上35センチメートル以下でなければならない。
7 避難はしごの横桟の踏面は、滑り止めの措置を講じたものでなければならない。
第4条 前条に定めるもののほか、固定はしごのうち、収納式のもの又はその下部を折りたたむこと若しくは伸縮させることができる構造のものにあっては、次の各号に適合するものでなければならない。
 震動その他の衝撃で止め金の部分が容易にはずれないように保安装置を設けてあること。
 前号の保安装置に至る動作を除き、2動作以内で当該はしごを使用可能の状態にすることができること。
第5条 第3条に定めるもののほか、立てかけはしごは、次の各号に適合するものでなければならない。
 上部支持点(先端から60センチメートル以内の任意の箇所とする。)に、滑り及び転倒を防止するための安全装置を設けてあること。
 下部支持点には、滑り止めを設けてあること。
 伸縮させることができる構造のものは、使用の際、自動的に作動する縮梯防止装置を設けてあること。
 折りたたむことができる構造のものは、使用の際、自動的に作動する折りたたみ防止装置を設けてあること。
第6条 第3条に定めるもののほか、つり下げはしごは、次の各号に適合するものでなければならない。
 使用の際、防火対象物から10センチメートル以上の距離を保有するための有効な突子を横桟の位置ごとに設けてあること。ただし、当該突子を設けなくても、使用の際、防火対象物から10センチメートル以上の距離を保有することができるものについては、この限りでない。
 縦棒の先端には、丸かん、フックその他のつり下げ金具をつけてあること。
 つり下げ金具は、容易にはずれない構造のものとすること。
(材料)
第7条 避難はしごの部品で次の各号の表の上欄に掲げるものに用いる材料は、それぞれ当該下欄に掲げるもの又はこれと同等以上の強度及び耐久性を有するものであり、かつ、耐食性を有しない材質のものにあっては、耐食加工を施したものでなければならない。
 固定はしご及び立てかけはしごに用いる材料
部品名 材料
縦棒
横桟
補強材
支え材
JIS(産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項の日本産業規格をいう。以下同じ。) G 3101(一般構造用圧延鋼材)
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS H 4100(アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材)
縮梯防止装置
折りたたみ防止装置
JIS G 3104(リベット用丸鋼)
JIS G 3201(炭素鋼鍜鋼品)
JIS G 5705(可鍛鋳鉄品)
フック
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
滑車
JIS G 5101(炭素鋼鋳鋼品)
JIS H 5120(銅及び銅合金鋳物)
ボルト類
JIS G 3123(磨き棒鋼)
ピン類
JIS G 3104(リベット用丸鋼)
JIS H 4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)
 つり下げはしごに用いる材料
部品名 材料
縦棒
突子
JIS F 3303(フラッシュバット溶接アンカーチェーン)
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
JIS G 3535(航空機用ワイヤロープ)
JIS H 4000(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
横桟
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
JIS G 3123(磨き棒鋼)
JIS G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)
JIS G 3444(一般構造用炭素鋼鋼管)
JIS H 4000(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条)
つり下げ金具
JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)
ボルト類
JIS G 3123(磨き棒鋼)
ピン類
JIS G 3104(リベット用丸鋼)
JIS H 4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)
(強度試験)
第8条 避難はしごの縦棒及び横桟は、縦棒の方向について、次の表に定める静荷重を加える試験において、永久歪を生じないものでなければならない。
部品名 静荷重
縦棒 最上部の横桟から最下部の横桟までの部分について2メートル又はその端数ごとに、縦棒1本につき500ニュートン(縦棒にワイヤロープ又はチェーンを用いるものにあっては750ニュートン、縦棒を3本以上とするものにあってはその内側に設けられた縦棒の1本について、縦棒を1本とするものにあってはその縦棒について、それぞれ1000ニュートン)の圧縮荷重(下部を折りたたむこと又は伸縮させることができる構造の固定はしご(使用の際、縦棒に引張り力が加わる部分に限る。)及びつり下げはしごにあっては、引張荷重)
横桟 横桟の1本につき中央7センチメートルの部分に1000ニュートンの等分布荷重
2 避難はしごの縦棒及び横桟は、縦棒の方向について、前項の表に定める静荷重の2倍の静荷重を加える試験において、亀裂、破損等を生じないものでなければならない。
3 固定はしごで収納式のものは、一方の縦棒を固定し、横桟を水平に取り出した状態で、縦棒及び横桟のいずれにも直角となる方向に220ニュートンの静荷重を固定されていない縦棒の上端部、中央部及び下端部にそれぞれ加える試験において、当該はしごに、永久歪、亀裂、破損等の障害を生じないものでなければならない。
4 立てかけはしごは、水平にして両端部を適当な架台で支え、同時に縦棒の方向についてその中央部及びその左右2メートルごとの箇所に、それぞれ650ニュートンの静荷重を垂直に加える試験において、当該はしごに、永久歪、亀裂、破損等の障害を生じないものでなければならない。
5 ハッチ用つり下げはしごは、次の各号に掲げる試験に適合するものでなければならない。
 ハッチ用つり下げはしごの縦棒及び横桟は、縦棒の方向について、別図に示す試験器具を使用して第1項で定める静荷重を加える試験において、永久歪を生じないこと。
 ハッチ用つり下げはしごの縦棒及び横桟は、前号の規定の例により、第1項で定める静荷重の2倍の静荷重を加える試験において、亀裂、破損等を生じないこと。
6 縦棒及び横桟の取付箇所は、前各項に定める試験において、永久歪、亀裂、破損等の障害を生じないものでなければならない。
(繰り返し試験等)
第9条 避難はしごは、100回の展開及び収納の操作を繰り返す試験において、著しい変形、亀裂又は破損を生じないものでなければならない。
2 つり下げはしごのつり下げ金具は、その1個につき、当該はしごを伸ばした縦棒の方向に、当該はしごの最上部の横桟から最下部の横桟までの部分について2メートル又はその端数ごとに1500ニュートンの引張荷重を加える試験において、著しい変形、亀裂又は破損を生じないものでなければならない。
3 つり下げはしごの突子は、1本の横桟に取り付けられた突子について、縦棒及び横桟に対し同時に直角となる方向に150ニュートンの圧縮荷重を加える試験において、著しい変形、亀裂又は破損を生じないものでなければならない。
4 避難はしごの横桟は、23ニュートンメートルのトルクを用いる試験において、回転し、又は著しい変形、亀裂又は破損を生じないものでなければならない。
5 ハッチ用つり下げはしごは、別図に示す試験器具を使用して、荷重取付位置から1000ニュートンの静荷重を加える試験において、上部横桟取付部から下部横桟取付部までの水平距離が0・4メートル以下でなければならない。
(腐食試験)
第10条 避難はしごは、JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)に定める試験方法により塩水を8時間噴霧した後に16時間放置することを5回繰り返した後、水洗いをして24時間自然乾燥させた場合、機能又は構造に異常が生じるおそれのある腐食を生じないものでなければならない。
(表示)
第11条 避難はしごには、次の各号に掲げる事項を、その見やすい箇所に容易に消えないように表示しなければならない。
 種別
 区分
 製造者名又は商標
 製造年月
 製造番号
 長さ
 立てかけはしご又はつり下げはしごにあっては、自重
 型式番号
 ハッチ用つり下げはしごにあっては、「ハッチ用」という文字
(基準の特例)
第12条 新たな技術開発に係る避難はしごについて、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。

附則

この省令は、昭和40年6月1日から施行する。
附則 (昭和50年7月28日自治省令第11号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際現に日本消防検定協会の行う消防用機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際現に型式承認を受けている金属製避難はしごに係る型式承認及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、昭和52年3月31日までの間に限り、なおその効力を有する。
附則 (昭和62年3月18日自治省令第7号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成9年4月24日自治省令第27号)
(施行期日)
1 この省令は、平成9年5月1日から施行する。ただし、第8条第1項及び第3項並びに第9条第2項、第3項及び第4項の改正規定は、平成11年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 平成9年5月1日において、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、改正後の金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令(以下「新省令」という。)第2条第2号、第3条、第4条並びに第5条第3号及び第4号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
3 平成9年5月1日において、現に型式承認を受けている金属製避難はしご及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、新省令の規格による型式承認とみなす。
4 平成11年10月1日において、現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、新省令第8条第1項及び第3項並びに第9条第2項、第3項及び第4項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
5 平成11年10月1日において、現に型式承認を受けている金属製避難はしご及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、新省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (平成12年9月14日自治省令第44号)
この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成18年3月9日総務省令第26号)
1 この省令は、平成18年10月1日から施行する。
2 この省令の施行の際現に日本消防検定協会の行う検定対象機械器具等についての試験を申請している金属製避難はしごに係る試験については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の際現に型式承認を受けている金属製避難はしご及び前項の規定により従前の例によることとされた試験の結果に基づいて型式承認を受けた金属製避難はしごに係る型式承認は、改正後の金属製避難はしごの技術上の規格を定める省令の規格による型式承認とみなす。
附則 (令和元年6月28日総務省令第19号)
この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。
別図 試験器具(第8条、第9条関係)

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