せんいんろうどうあんぜんえいせいきそく
船員労働安全衛生規則
昭和39年運輸省令第53号
船員法(昭和22年法律第100号)第81条、第85条第2項及び第111条の規定に基づき、船員労働安全衛生規則を次のように定める。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し、船舶所有者のとるべき措置及びその基準並びに船員の遵守するべき事項は、他の法令に定めるもののほか、この省令の定めるところによる。
(船長による統括管理)
第1条の2 船舶所有者は、船内における安全及び衛生に関する事項に関し船長に統括管理させ、かつ、安全担当者、消火作業指揮者、衛生担当者その他の関係者の間の調整を行わせなければならない。
(船内安全衛生委員会)
第1条の3 船員が常時5人以上である船舶の船舶所有者は、次に掲げる事項を船内において調査審議させ、船舶所有者に対し意見を述べさせるため、船内安全衛生委員会を設けなければならない。
一 船内における安全管理、火災予防及び消火作業並びに衛生管理のための基本となるべき対策に関すること。
二 発生した火災その他の災害並びに負傷及び疾病の原因並びに再発防止対策に関すること。
三 その他船内における安全及び衛生に関する事項
2 船内安全衛生委員会の委員は、次の者をもって構成する。
一 船長
二 各部の安全担当者
三 消火作業指揮者
四 医師、衛生管理者又は衛生担当者
五 船内の安全に関し知識又は経験を有する海員のうちから船舶所有者が指名した者
六 船内の衛生に関し知識又は経験を有する海員のうちから船舶所有者が指名した者
3 船内安全衛生委員会の委員長は、船長をもって充てなければならない。
4 船舶所有者は、第2項第5号及び第6号の委員には、海員の過半数を代表する者の推薦する者が含まれるようにしなければならない。
5 船舶所有者は、船内安全衛生委員会が第1項の規定により当該船舶所有者に対し述べる意見を尊重しなければならない。
(安全担当者の選任)
第2条 船舶所有者は、船内においてこの省令に定める事項を行なうために、船長の意見をきいて、甲板部、機関部、無線部、事務部その他の各部について当該部の海員の中からそれぞれ安全担当者を選任しなければならない。
2 船舶所有者は、船内における各部の構成上やむを得ない場合においては、一の部の安全担当者を他の部の安全担当者に兼任させることができる。ただし、もっぱら漁獲物を冷凍し、若しくは加工する作業又はサルベージ、ケーブル布設若しくはしゅんせつの作業を行なう海員が20名をこえる部における安全担当者については、この限りでない。
(安全担当者の資格)
第3条 安全担当者は、当該部の業務に2年以上従事した経験を有する者であって、当該部の業務に精通するものでなければならない。ただし、他の部の安全担当者を兼任する場合における兼任する部の業務については、この限りでない。
2 前項の規定によるほか、引火性液体類(危険物船舶運送及び貯蔵規則(昭和32年運輸省令第30号)第2条第1号に掲げる引火性液体類をいう。)又は引火性若しくは爆発性の蒸気を発する物質(以下「引火性液体類等」という。)を常時運送する船舶の甲板部の安全担当者は、次に掲げる要件のいずれかに該当する者でなければならない。
一 第77条及び第78条の規定により国土交通大臣の登録を受けた講習(以下「登録タンカー安全担当者講習」という。)の課程を修了した者であること。
二 1978年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約(以下この号において「条約」という。)の締約国が発給した条約に適合する危険物又は有害物の取扱いに関する業務の管理に関する資格証明書(次項において「締約国危険物等取扱責任者資格証明書」という。)を受有しており、かつ、船員法(昭和22年法律第100号。以下「法」という。)、船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号)及び船舶安全法(昭和8年法律第11号)並びにこれらに基づく命令についての講習の課程を修了した者であること。
3 第1項の規定によるほか、船員法施行規則(昭和22年運輸省令第23号。以下「施行規則」という。)第77条の3第2項に規定する低引火点燃料船に乗り組む機関部の安全担当者は、次に掲げる要件のいずれかに該当する者でなければならない。
一 第91条の2及び第91条の3の規定により国土交通大臣の登録を受けた講習(以下「登録低引火点燃料船安全担当者講習」という。)の課程を修了した者であること。
二 締約国危険物等取扱責任者資格証明書を受有ており、かつ、法、船舶職員及び小型船舶操縦者法、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律及び船舶安全法並びにこれらに基づく命令についての講習の課程を修了した者であること。
(安全担当者の選任の特例)
第4条 船舶所有者は、海員が常時20人以下である漁船又は漁船以外の海員が常時10人以下である船舶については、船長を安全担当者に選任することができる。この場合において、前条第2項に規定する船舶の船長にあっては、同項に規定する講習の課程を修了した者でなければならない。
2 前項の規定により、船長を安全担当者に選任する場合は、前2条の規定は、適用しない。
(安全担当者の業務)
第5条 船舶所有者は、次に掲げる事項を、安全担当者に行わせなければならない。
一 作業設備及び作業用具の点検及び整備に関すること。
二 安全装置、検知器具、消火器具、保護具その他危害防止のための設備及び用具の点検及び整備に関すること。
三 作業を行う際に危険な又は有害な状態が発生した場合又は発生するおそれのある場合の適当な応急措置又は防止措置に関すること。
四 発生した災害の原因の調査に関すること。
五 作業の安全に関する教育及び訓練に関すること。
六 安全管理に関する記録の作成及び管理に関すること。
(改善意見の申出等)
第6条 安全担当者は、船長を経由し、船舶所有者に対して、作業設備、作業方法等について安全管理に関する改善意見を申し出ることができる。この場合において、船長は、必要と認めるときは、当該改善意見に自らの意見を付すことができる。
2 船舶所有者は、前項の申出があった場合は、その意見を尊重しなければならない。
(消火作業指揮者の選任)
第6条の2 船舶所有者は、船内においてこの省令に定める事項を行うために、船長の意見を聴いて、次のいずれかに適合する安全担当者の中から、消火作業指揮者を選任しなければならない。ただし、総トン数20トン未満の船舶(以下「小型船」という。)については、この限りでない。
一 船舶職員及び小型船舶操縦者法第5条第1項第1号から第4号までに掲げる海技士(航海)、海技士(機関)、海技士(通信)及び海技士(電子通信)に係る海技免許を受けていること。
二 船舶職員及び小型船舶操縦者法第23条第1項の承認を受けていること。
三 船舶職員及び小型船舶操縦者法別表第1第4号に規定する消火講習であって同法第4条第2項に規定する登録海技免許講習実施機関が実施するものの課程を修了していること。
(消火作業指揮者の業務)
第6条の3 船舶所有者は、次に掲げる事項を、消火作業指揮者に行わせなければならない。
一 消火設備及び消火器具の点検及び整備に関すること。
二 火災が発生した場合の消火作業の指揮に関すること。
三 発生した火災の原因の調査に関すること。
四 火災の予防に関する教育並びに消火作業に関する教育及び訓練に関すること。
(改善意見の申出等)
第6条の4 消火作業指揮者は、船長を経由し、船舶所有者に対して、消火設備、消火作業に関する訓練等について火災予防及び消火作業に関する改善意見を申し出ることができる。この場合において、船長は、必要と認めるときは、当該改善意見に自らの意見を付すことができる。
2 船舶所有者は、前項の申出があった場合は、この意見を尊重しなければならない。
(衛生担当者の選任)
第7条 船舶所有者は、船内においてこの省令に定める事項を行うために、船長の意見を聴いて、次のいずれかの要件に適合する海員の中から(小型船にあっては、船内の衛生管理に関する知識を有する海員の中から)、衛生担当者を選任しなければならない。ただし、法第82条の規定により医師が乗り組んでいる場合又は法第82条の2第1項の規定により衛生管理者が選任されている場合は、この限りでない。
一 第6条の2第1号又は第2号に掲げる要件
二 船舶職員及び小型船舶操縦者法別表第1第3号に規定する救命講習又は機関救命講習であって同法第4条第2項に規定する登録海技免許講習実施機関が実施するものの課程を修了していること。
2 第4条第1項の規定は、衛生担当者の選任について、準用する。
(衛生担当者の業務)
第8条 船舶所有者は、次に掲げる事項(小型船にあっては、第4号に掲げる事項を除く。)を、衛生担当者に行わせなければならない。
一 居住環境衛生の保持に関すること。
二 食料及び用水の衛生の保持に関すること。
三 医薬品その他の衛生用品、医療書、衛生保護具等の点検及び整備に関すること。
四 負傷又は疾病が発生した場合における適当な救急措置に関すること。
五 発生した負傷又は疾病の原因の調査に関すること。
六 衛生管理に関する記録の作成及び管理に関すること。
(改善意見の申出等)
第9条 衛生担当者は、船長を経由し、船舶所有者に対して、衛生設備、居住環境等について衛生管理に関する改善意見を申し出ることができる。この場合において、船長は、必要と認めるときは、当該改善意見に自らの意見を付すことができる。
2 船舶所有者は、前項の申出があった場合は、その意見を尊重しなければならない。
(補助者)
第10条 安全担当者、消火作業指揮者又は衛生担当者は、必要と認めるときは、その補助者を指名することができる。
(安全衛生に関する教育及び訓練)
第11条 船舶所有者は、次に掲げる事項について、船員に教育を施さなければならない。
一 船内の安全及び衛生に関する基礎的事項
二 船内の危険な又は有害な作業についての作業方法
三 保護具、命綱、安全ベルト及び作業用救命衣の使用方法
四 船内の安全及び衛生に関する規定を定めた場合は、当該規定の内容
五 乗り組む船舶の設備及び作業に関する具体的事項
2 液体化学薬品タンカー(施行規則第77条の3第1項に規定する液体化学薬品タンカーをいう。以下同じ。)又は液化ガスタンカー(施行規則第77条の3第1項に規定する液化ガスタンカーをいう。以下同じ。)の船舶所有者は、当該船舶の船員に、貨物の取扱方法、保護具の使用方法並びに貨物の漏えい、流出及び火災その他の非常の際における措置に関する訓練を実施しなければならない。
(船員の意見を聴くための措置)
第12条 船舶所有者は、船内における安全及び衛生に関する事項について、船員の意見を聴くため、船内において、適当な措置を講じなければならない。
(記録の作成及び備置き)
第13条 船舶所有者は、次に掲げる事項について、その都度記録を作成し、これを主たる船員の労務管理の事務を行う事務所に、その写し(第1号に掲げる事項に係るものを除く。)を船内に、それぞれ3年間備え置かなければならない。
一 第11条の規定により行った教育及び訓練に関する事項
二 船内安全衛生委員会における議事の概要
三 安全担当者、消火作業指揮者、医師、衛生管理者又は衛生担当者から改善の申出があった事項
四 前条の規定により講じた措置
五 発生した火災その他の災害並びに負傷及び疾病(船員電離放射線障害防止規則(昭和48年運輸省令第21号)の規定により記録しなければならないものを除く。)に関する事項
六 第40条の2の規定による飲用水に係る検査、改善措置又は洗浄
七 その他安全又は衛生に関して講じた重要な改善の措置
(規定の作成)
第14条 船舶所有者は、主たる船員の労務管理の事務を行う事務所の所在地を管轄する地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。)が、火災その他の災害又は負傷若しくは疾病を防止するため特に必要があると認めて安全管理、火災予防及び消火作業又は衛生管理に必要な規定の作成を命じた場合は、これを作成しなければならない。
第15条 削除
(船員の遵守事項)
第16条 船員は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 第24条に定める防火標識又は禁止標識のある箇所における当該標識に表示された禁止行為
二 第46条から第48条まで又は第69条第1項の規定により禁止された火気の使用又は喫煙
2 船員は、第47条第2項、第48条から第51条第1項まで、第53条から第65条第1項まで、第66条第1項、第67条、第68条第1項、第69条第1項又は第71条第2項から第73条までに規定する作業において保護具の使用を命ぜられたときは、当該保護具を使用しなければならない。
3 船員は、第51条第1項、第52条第1項、第57条第1項、第66条第1項又は第68条第1項に規定する作業において命綱、安全ベルト又は作業用救命衣の使用を命ぜられたときは、当該命綱、安全ベルト又は作業用救命衣を使用しなければならない。
第2章 安全基準及び衛生基準等
第1節 安全基準
(作業環境の整備等)
第17条 船舶所有者は、船内作業の設備、機械、器具、用具等を整備し、かつ、整とんするとともに、船内における作業環境を常に良好な状態におくよう努めなければならない。
(接触等からの防護)
第18条 船舶所有者は、機械又は動力伝導装置の回転軸、歯車、はずみ車、調車その他の運動部分で通常の作業の際に接触するおそれのあるものには、囲い、手すり、おおい又は踏切橋を設けなければならない。
2 船舶所有者は、掃除、注油、修理その他の作業を行なう場合であって、墜落、転倒等により前項の運動部分に接触するおそれのあるときは、安全な足場を設けなければならない。
3 船舶所有者は、蒸気、熱湯その他の高温の気体又は液体が通る管で通常の作業の際に接触するおそれのあるものは、その部分を被覆しなければならない。
(通行の安全)
第19条 船舶所有者は、船外との通行は、げん梯又は手すり及び踏みさんを施した幅40センチメートル以上の歩み板によらせなければならない。ただし、やむを得ない理由により、げん梯又は歩み板を用いることができない場合であって、通行の安全を確保するために必要な措置を講じているときは、この限りでない。
2 船舶所有者は、夜間における船外との通行の安全を確保するために必要な照明を施さなければならない。
3 船舶所有者は、積荷、漁具等を甲板上に積載する場合は、できる限り、げん側から離れた場所に通路を確保しておかなければならない。ただし、やむを得ない理由により、積荷、漁具等の上を通行の用に供する場合は、その上面を歩行に適するよう平らにし、かつ、その両側に、30センチメートル以内の間隔に配した横棒を備える高さ1・22メートル以上の保護柵又はこれに相当する保護索を設けなければならない。
(器具等の整とん)
第20条 船舶所有者は、落下、転倒、接触等により危害を及ぼすおそれのある刃物、工作用具等の器具又は用具及び予備部品を固定させ、被覆し、又は収納箱に入れておかなければならない。
(密閉区画からの脱出装置等)
第21条 船舶所有者は、凍結室、冷凍庫その他の密閉された区画であって船員が通常その中で作業するものには、内部から操作できる開扉装置又は呼鈴その他の信号装置を設けなければならない。
(燃え易い廃棄物の処理)
第22条 船舶所有者は、油の浸みた布ぎれ、木くずその他の著しく燃え易い廃棄物は、防火性のふた付きの容器に収める等これを安全に処理しなければならない。
(液化石油ガスの取扱い)
第22条の2 船舶所有者は、液化石油ガス(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)第2条第1項に規定する液化石油ガスをいう。次項において同じ。)を燃料として調理作業等を行わせる場合は、調理作業等の場所を十分に換気するとともに、当該場所を無人の状態にしない等危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。
2 船舶所有者は、液化石油ガスのボンベを切り換え、又は取り換える作業を行わせる場合は、作業を開始する前に、安全性を確認するとともに、作業を開始する旨を船員に周知させなければならない。
(管系等の表示)
第23条 船舶所有者は、船内の管系及び電路の系統の種別を告示で定める識別標準により表示しなければならない。
(安全標識等)
第24条 船舶所有者は、危険物(危険物船舶運送及び貯蔵規則第2条第1号に掲げる危険物(常用危険物(同条第2号に掲げる常用危険物をいう。以下同じ。)を除く。)及び同条第1号の2に掲げるばら積み液体危険物をいう。以下同じ。)又は国土交通大臣の指定する常用危険物を積載する場所の見やすい箇所に、日本産業規格Z9104「安全標識」(以下「安全標識」という。)に定める防火標識、禁止標識又は警告標識を施さなければならない。この場合において、火薬庫については、安全標識に定める第3種標識によらなければならない。
2 船舶所有者は、前項のほか、消火器具置場、墜落の危険のある開口、高圧電路のろ出箇所、担架置場等船内の必要な箇所に、安全標識に定める防火標識、禁止標識、警告標識、安全状態標識又は指示標識を適宜施すよう努めなければならない。
3 船舶所有者は、前2項の箇所のうち必要と認めるもの及び次に掲げる箇所に、夜光塗料を用いて方向標識又は指示標識を施さなければならない。ただし、非常照明装置が設けられている箇所については、夜光塗料を用いなくてもよい。
一 非常の際に脱出する通路、昇降設備及び出入口
二 消火器具置場
(油に関する文書の備置き)
第24条の2 船舶所有者は、油(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第3条第2号に掲げる油をいう。以下この条において同じ。)をばら積みで運送する場合又は燃料油を搭載する場合にあっては、当該油に関し次に掲げる事項が記載された文書を船内に備え置かなければならない。
一 名称
二 油をばら積みで運送する場合にあっては、荷送人(他人に運送を委託しないで運送する場合にあっては、その者)の氏名(法人にあっては、その名称)、住所及び電話番号
三 燃料油を搭載する場合にあっては、燃料油供給者の氏名(法人にあっては、その名称)、住所及び電話番号
四 危険性又は有害性の要約
五 成分及びその含有量
六 物理的及び化学的性質
七 安定性及び反応性
八 人体に及ぼす作用
九 取扱い上の注意
十 流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置
十一 適用される法令
十二 その他参考となる事項
(照明)
第25条 船舶所有者は、作業を行なわせる場合は、作業の安全を確保するのに十分な照明を施さなければならない。
(床面等の安全)
第26条 船舶所有者は、作業場所及び通路の床面をつまづき、すべり、踏み抜き等のおそれのないよう必要な措置を講じなければならない。
2 船舶所有者は、作業場所、通路又は昇降設備における突出部分で作業又は通行の際に接触し、又は衝突して危害を生ずるおそれのあるものを被覆する等適当な措置を講じなければならない。
(足場等の安全)
第27条 船舶所有者は、足場及び歩み板は、著しく損傷、変形又は腐しょくしていない材料を用い、使用の目的に応じた丈夫な構造としなければならない。
(海中転落の防止)
第27条の2 船舶所有者は、海中に転落するおそれのある場所においては、著しく作業の妨げとなる場合を除き、保護柵を使用させる等適当な措置を講じなければならない。
(経験又は技能を要する危険作業)
第28条 船舶所有者は、次に掲げる作業は、当該作業を所掌する部の業務に6月以上従事した経験を有する者又は船舶職員及び小型船舶操縦者法第4条の規定により当該作業を所掌する部の海技免許を受けた者、同法第23条第1項の規定により当該作業を所掌する部の船舶職員(同法第2条第2項に規定する船舶職員をいう。)になることについての承認を受けている者若しくは国土交通大臣が当該作業について認定した資格を有する者でなければ、これを行わせてはならない。ただし当該作業の熟練者の指揮の下に作業を行わせる場合は当該作業を所掌する部の業務に3月以上従事した経験を有する者に当該作業を行わせることができる。
一 揚びよう機、ラインホーラー、ネツトホーラーその他のびよう鎖、索具、漁具等を海中に送入し、若しくは巻き上げる機械を操作し、又はこれらの機械により海中に送入若しくは巻上げ中のびよう鎖、索具、漁具等の走行を人力で調整する作業
二 クレーン、ウインチ、デリックその他の重量物を移動する機械又は装置を操作する作業
三 フォークリフトの運転の作業
四 運転中の機械又は動力伝導装置の運動している部分の注油、掃除、修理若しくは検査又は運動している調帯の掛換えの作業
五 切削又はせん孔用の工作機械を使用する作業
六 推進機関用の重油専焼罐に点火する作業
七 揚貨装置又は陸上のクレーン若しくはデリックの玉掛け作業
八 はい(積み重ねられた荷(小麦、大豆、鉱石等のばら物の荷を除く。)の集団をいう。)のはい付け又ははい崩しの作業
九 刃物を用いて鯨体を解体する作業
十 床面から2メートル以上の高所であって、墜落のおそれのある場所における作業
十一 げん外に身体の重心を移して行う作業
十二 危険物の状態、酸素の量又は人体に有害な気体を検知する作業
十三 石炭、鉄鉱石、穀物、石油その他の船倉内の酸素の欠乏の原因となる性質を有する物質をばら積みで運送する船舶において、これらの物質を積載している船倉内で行う作業
十四 電気工事作業(感電のおそれのあるものに限る。)
十五 可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の作業
十六 冷凍のためガスを圧縮し、又は液化して高圧ガスを製造する作業
2 前項の規定にかかわらず、前項第3号、第6号、第7号、第12号又は第13号に掲げる作業については、国土交通大臣の登録を受けた講習(以下「登録危険作業講習」という。)の課程を修了した者に当該作業を行わせることができる。
3 船舶所有者は、ヘルメット式潜水器、マスク式潜水器その他の潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押ポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて水深10メートル以上の場所において行う作業は、高気圧作業安全衛生規則(昭和47年労働省令第40号)第52条の規定による潜水士の免許を受けた者でなければ、これを行わせてはならない。
第2節 衛生基準
(船内衛生の保持)
第29条 船舶所有者は、船内の居住場所及び作業場所を清潔に保ち、気積、換気、採光、照明、温度、騒音、振動等の環境条件を衛生上良好な状態におくとともに、船員に十分な休養を与える等船員の健康の保持を図るよう努めなければならない。
(就業を禁止する船員)
第30条 船舶所有者は、精神の機能の障害により作業を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない船員と医師が認めるものを作業に従事させてはならない。
2 船舶所有者は、施行規則第2号表第3号に掲げる疾病であって医師が船内労働に適さないと認めるものにかかった船員を作業に従事させてはならない。
(医師の診断)
第31条 船舶所有者は、法第81条第3項各号に掲げる船員に該当する疑いのある船員については、遅滞なく医師の診断を受けさせなければならない。
2 医師は、前項の診断を受けた船員が前条第1項に規定する船員に該当するかどうかを判断する場合においては、当該船員の障害の程度、経歴及び職務を考慮するものとする。
(特殊な作業に従事する船員に対する健康検査)
第32条 船舶所有者は、次の各号に掲げる船員については、当該各号に定める事項について、施行規則第55条の規定による検査の際及びその6月後に、法第83条の国土交通大臣の指定する医師(以下「指定医師」という。)により検査を受けさせなければならない。ただし、検査を受けさせるべき時期に当該船員の乗り組んでいる船舶が航海中である場合は、当該航海の終了後遅滞なく受けさせればよい。
一 国土交通大臣の指定する衛生上有害な物を常時運送する船舶に乗り組んでいる者 当該有害物の人体に与える障害の認知に必要な胸部エックス線直接撮影検査又はミラーカメラを用いて行う胸部エックス線間接撮影検査、尿検査、血液検査、神経系検査その他の臨床医学的検査
二 専ら石炭をたく作業に従事している者 当該作業の人体に与える障害の認知に必要な胸部エックス線直接撮影検査又はミラーカメラを用いて行う胸部エックス線間接撮影検査その他の臨床医学的検査
三 専ら潜水作業に従事している者 施行規則第55条第1項第1号から第4号までに掲げる検査(指定医師が必要でないと認めたものを除く。)
2 船舶所有者は、前項第1号の船員について雇入契約が終了する場合又は雇入契約を解除する場合であって当該船員が当該雇入契約の終了又は解除のとき(以下この項において「下船の時」という。)より前6月以内に同号の検査を受けていないときは、当該船員に同号の検査を受けさせなければならない。ただし、胸部エックス線直接撮影検査又はミラーカメラを用いて行う胸部エックス線間接撮影検査については、下船の時より前6月以内に当該船員が施行規則第55条の規定による検査の際に受けている場合は、これを省略するものとする。
3 船舶所有者は、前2項の検査の結果、当該船舶に乗り組み、又は当該作業に従事することが不適当であると判定された船員を、引き続き当該船舶に乗り組ませ、又は当該作業に従事させてはならない。
4 第1項及び第2項の検査に要する費用は、雇用中の船員については、船舶所有者の負担とする。
(通風及び換気)
第33条 船舶所有者は、機関室、調理室等高温又は多湿の状態にある船内の作業場には、通風、換気等温湿度調節のための適当な措置を講じなければならない。
(ねずみ族及び虫類の駆除)
第34条 船舶所有者は、居住設備、衛生設備その他ねずみ族又は虫類のひそみやすい場所については、毎年1回以上薬品によりねずみ族又は虫類を駆除する措置を講じなければならない。
2 検疫法(昭和26年法律第201号)第25条ただし書の証明書を有する船舶については、当該証明書の発行の日から6月間は、前項の規定にかかわらず、同項の措置を講じなくてもよい。
3 船舶所有者は、第1項の措置を講ずるため船員にくん蒸を行なわせる場合には、国土交通大臣が指定する薬品を使用してはならない。
(手を洗う設備)
第35条 船舶所有者は、船内の適当な場所に手を洗うことのできる設備を設けなければならない。
(便所)
第35条の2 船舶所有者は、船内の便所について、その本来の用途において船員が常時使用できる状態に維持しなければならない。
(調理作業)
第36条 船舶所有者は、調理作業を行なわせる場合は、当該作業に従事する者に、清潔な衣服を着用させ、手を洗浄させる等衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 船舶所有者は、ちゅう房用器具、食器等調理用又は食事用の器具を清潔に保たなければならない。
3 船舶所有者は、調理作業に従事する者以外の者を、調理作業を行なう場所にみだりに立ち入らせてはならない。
(食料の貯蔵)
第37条 船舶所有者は、食料の貯蔵については、食料の種類に応じた保存方法を講ずるとともに貯蔵設備を清潔に保たなければならない。
2 船舶所有者は、食料の調理にあたっては、その鮮度を確認させ、洗浄を行なわせる等衛生上必要な措置を講じなければならない。
(清水の積み込み及び貯蔵)
第38条 船舶所有者は、清水を積み込む場合は、清浄なものを積み込まなければならず、かつ、これを衛生的に積み込み、及び保っために、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 清水の積み込み前には、元せん及びホースを洗浄すること。
二 清水用の元せん及びホースは、専用のものとすること。
三 清水用の元せんにはふたをつけ、ホースは清潔な場所に保管すること。
四 清水タンクに使用する計量器具は、専用のものとし、かつ、清潔に保存すること。
五 飲用水のタンクで内部がセメント塗装のものは、貯蔵する清水を清浄に保ちうる状態まであく抜きをすること。
六 その他清水を衛生的に保っための必要な措置
(河川水等の使用制限)
第39条 船舶所有者は、河川の水又は港内の海水を調理用又は浴用に使用してはならない。
(飲用水タンク等)
第40条 船舶所有者は、飲用水のタンク及び飲用水の管系には飲用水以外のものを貯蔵し、又は通させてはならない。ただし、やむを得ない理由のある場合であって、飲用水が汚染しないための措置を講ずるときは、この限りでない。
2 船舶所有者は、飲用水を常に船員が飲用しうるよう設備しておかなければならない。
(飲用水の水質検査等)
第40条の2 船舶所有者は、飲用水のタンクに積み込まれた飲用水(小型船に積み込まれたものを除く。次項及び第3項において単に「飲用水」という。)について、少なくとも1年に1回、地方公共団体等の行う水質検査を受けなければならない。ただし、最後に水質検査を受けた日から1年を経過した日に、船舶が航海中であり、又は外国の港にある場合は、当該船舶が国内の港に到着した後遅滞なく水質検査を受ければよい。
2 船舶所有者は、前項の水質検査の結果、当該飲用水の水質が飲用に適しないと判定された場合は、速やかにタンク内の飲用水の交換その他必要な措置を講じなければならない。この場合において、地方運輸局長が必要と認めるときは、これらの措置を実施後、速やかに水質検査を受け、当該飲用水が飲用に適することについて水質検査を行う地方公共団体等の確認を受けなければならない。
3 船舶所有者は、少なくとも1月に1回、飲用水に含まれる遊離残留塩素の含有率についての検査を行わなければならない。この場合において、遊離残留塩素の含有率が100万分の0・1未満であったときは、船舶所有者は、速やかに改善措置を講じなければならない。
4 船舶所有者は、少なくとも2年(船舶安全法第10条第1項ただし書に規定する船舶にあっては、3年)に1回、飲用水のタンク、当該タンクに付属する管系等の洗浄を行わなければならない。ただし、最後に洗浄を行った日から当該期間を経過した日に、船舶が航海中であり、又は外国の港にある場合は、当該日から6月以内に洗浄を行えばよい。
(伝染病の予防)
第41条 船舶所有者は、船舶が別表第1に定める伝染病が発生している地域又は発生するおそれのある地域におもむく場合は、予防注射の実施、衛生用品の整備、伝染病の予防に必要な注意事項に関する教育等感染防止のために必要な措置を講じなければならない。
2 船舶所有者は、前項の地域においては、食料及び飲用水の購入の制限、外来者に対する防疫の措置、衛生状態に関する情報の収集等感染防止のために必要な措置を講じなければならない。
(伝染防止)
第42条 船舶所有者は、船内において伝染病又は伝染病の疑いのある疫病が発生した場合は、患者の隔離、患者の使用した場所、衣服、器具等の消毒、なま水及びなま物の飲食の制限等伝染防止のために必要な措置を講じなければならない。
(救急措置に必要な衛生用品)
第42条の2 船舶所有者は、液体化学薬品タンカー及び液化ガスタンカーには、他の法令において備えなければならないものを除き、貨物の性状に応じた解毒剤、つり上げ用担架及び酸素吸入器を備えなければならない。
(医療機関との連絡)
第43条 船舶所有者は、船内において救急患者が発生したときは、必要に応じ、医療機関と緊密な連絡を保ち、その指示にしたがって適当な措置を講じなければならない。
第3節 検知器具及び保護具
(検知器具)
第44条 船舶所有者は、酸素が欠乏するおそれのある場所における作業を行なわせる船舶には、酸素の量を計るために必要な検知器具を備えなければならない。
2 船舶所有者は、危険物のうち、人体に有害な気体を発散するおそれのある物質を積載する船舶には、当該気体の量を計るために必要な検知器具(他の法令において備えなければならないものを除く。)を備えなければならない。
(保護具)
第45条 船舶所有者は、船員に使用させるべき保護具については、他の法令の規定により備える保護具を含めて、これを必要とする作業に同時に従事する人数と同数以上を船舶に備え、常時有効、かつ、清潔にこれを保持しなければならない。
2 船舶所有者は、前項の保護具のうち、自蔵式呼吸具、送気式呼吸具及び空気圧縮機については、少なくとも1月に1回これらを点検しなければならない。
3 船舶所有者は、液体化学薬品タンカーにおいては、新品又は洗浄後未使用である場合を除き、保護具及び作業衣を居住場所から隔離して保管しなければならない。
第3章 個別作業基準
(火薬類を取り扱う作業)
第46条 船舶所有者は、もり銃への火薬の装てん等火薬類を取り扱う作業(火薬類の荷役作業を除く。)を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業場所における火気の使用及び喫煙を禁止すること。
二 作業場所に燃え易い物を置かないこと。
三 作業場所の床面にマットレスを敷く等により、衝撃を防止すること。
四 作業場所においては、火花を発し、又は高温となって点火源となるおそれのある器具を使用しないこと。
五 作業に従事する者以外の者をみだりに作業場所に近寄らせないこと。
(塗装作業及び塗装剥離作業)
第47条 船舶所有者は、引火性若しくは可燃性の塗料又は溶剤を使用して塗装又は塗装の剥離作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業場所における火気の使用及び喫煙を禁止すること。
二 作業場所においては、火花を発し、又は高温となって点火源となるおそれのある器具を使用しないこと。
三 作業に使用した布ぎれ又は剥離したくずは、みだりに放置しないこと。
四 作業に従事する者以外の者をみだりに作業場所に近寄らせないこと。
五 作業場所の付近に、適当な消火器具を用意すること。
2 船舶所有者は、人体に有害な性質の塗料又は溶剤を使用して塗装又は塗装剥離の作業を行なわせる場合は、作業に従事する者に、マスク、保護手袋その他の必要な保護具を使用させなければならない。
(溶接作業、溶断作業及び加熱作業)
第48条 船舶所有者は、溶接、溶断又は加熱の作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業を開始する前に、溶接装置の各部を点検するとともに、作業場所及び隣接する区画には、可燃性又は爆発性の気体がないことを確認すること。
二 作業場所及び隣接する区画には、燃えやすい物を置かないこと。
三 アセチレン発生器の付近においては、火気の使用及び喫煙を禁止すること。
四 アセチレン発生器の付近においては、火花を発し、又は高温となって点火源となるおそれのある器具を使用しないこと。
五 アセチレン発生器は、高温の場所、換気の悪い場所又は振動の激しい場所にこれを置かないこと。
六 電気溶接装置を使用して行う作業は、身体がぬれた状態で作業に従事させないこと。
七 作業に従事する者に保護眼鏡及び保護手袋を使用させること。
八 作業に従事する者以外の者をみだりに作業場所に近寄らせないこと。
九 作業場所の付近に、適当な消火器具を用意すること。
(危険物等の検知作業)
第49条 船舶所有者は、危険物の状態又は人体に有害な気体若しくは酸素の量を検知する作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 検知器具の作動状態を点検すること。
二 検知のために必要な試料を採取する場合は、船倉、密閉された区画等危険物が存在し若しくは存在した場所又は人体に有害な状態が存するおそれのある場所に立ち入らないで、これを行なうこと。
三 やむを得ず前号に掲げる場所に立ち入る場合は、作業に従事する者に危険物又は人体に有害な状態の性質に応じた呼吸具、保護眼鏡、保護衣、保護手袋その他の必要な保護具を使用させること。
四 作業に従事する者が頭痛、めまい、吐気等の身体の異常を訴えた場合その他事故があった場合は、ただちに作業を中止させ、安全性の確認が得られるまでは、作業を再開させないこと。
五 身体の異常を訴えた者には、すみやかに、医師による処置その他の適当な救急措置を講ずること。
六 当該作業により汚染し、又は汚染したおそれのある物を居住場所に持ち込ませないこと。
七 当該作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。
(有害気体等が発生するおそれのある場所等で行う作業)
第50条 船舶所有者は、人体に有害な気体が発散するおそれのある場所又は酸素が欠乏するおそれのある場所において作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業を開始する前に、及び作業中少なくとも30分に1回、当該場所における人体に有害な気体又は酸素の量について検知を行い、人体に危害を及ぼすと認められた場合は、換気すること。
二 作業中適宜換気を行うとともに、作業に従事する者に呼吸具、保護眼鏡、保護衣、保護手袋その他の必要な保護具を使用させること。
三 作業に従事する者が頭痛、めまい、吐気等の身体の異常を訴えた場合その他事故があった場合は、直ちに作業を中止させ、安全性の確認が得られるまでは、作業を再開させないこと。
四 身体の異常を訴えた者には、速やかに、医師による処置その他の適当な救急措置を講ずること。
五 作業場所と外部との連絡のための看視員を配置すること。
(高所作業)
第51条 船舶所有者は、床面から2メートル以上の高所であって、墜落のおそれのある場所における作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に保護帽及び命綱又は安全ベルトを使用させること。
二 ボースンチエアを使用するときは、機械の動力によらせないこと。
三 煙突、汽笛、レーダー、無線通信用アンテナその他の設備の付近で作業を行う場合に、当該設備の作動により作業に従事している者に危害を及ぼすおそれのあるときは、当該設備の関係者に、作業の時間、内容等を通報しておくこと。
四 作業場所の下方における通行を制限すること。
五 作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があった場合に速やかに救助に必要な措置をとることができる状態で2人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。
2 船舶所有者は、船体の動揺又は風速が著しく大である場合は、緊急の場合を除き、前項の作業を行なわせてはならない。
(げん外作業)
第52条 船舶所有者は、船体外板の塗装、さび落とし等げん外に身体の重心を移して行う作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に命綱又は作業用救命衣を使用させること。
二 安全な昇降用具を使用させること。
三 つり足場を使用する場合等作業場所が甲板上にいる者から容易に視認できない場合は、当該作業場所の上部のブルワーク、手すり等つり足場等の支持箇所の付近に、作業を行っている旨を表示すること。
四 作業場所の付近におけるビルジ、汚水、汚物等のげん外排出及び投棄を禁止すること。
五 作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があった場合に速やかに救助に必要な措置をとることができる状態で2人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。
六 作業場所の付近に、救命浮環等の直ちに使用できる救命器具を用意すること。
2 前条第2項の規定は、前項の作業を行なう場合に、準用する。
(高熱物の付近で行なう作業)
第53条 船舶所有者は、火傷を受けるおそれのある高熱物質又は火炎に触れ易い場所において作業を行なわせる場合は、作業に従事する者に防熱性の手袋、保護衣その他の必要な保護具を使用させなければならない。
(重量物移動作業)
第54条 船舶所有者は、充てんされたドラム罐等重量物を人力により移動する作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に保護靴、保護帽その他の必要な保護具を使用させること。
二 索、ブロック、テイクルその他の用具を用いる場合は、その許容荷重をこえる重量を負荷させないこと。
三 前号の用具により重量物をつり上げて移動する場合は、動揺等によりフック、シャックルその他のかん合部分がはずれないよう十分な措置を講ずること。
四 作業に従事する者以外の者をみだりに作業場所に近寄らせないこと。
(揚貨装置を使用する作業)
第55条 船舶所有者は、揚貨装置を使用する作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に保護帽その他の必要な保護具を使用させること。
二 作業を開始する前に、ウインチ及びその付属装具の作動状態を点検すること。
三 ガイの取付け位置及び張り方を適正にすること。
四 揚貨装置は熟練者に操作させること。
五 作業中に索具、ブロック等を交換するときは、支持台に下ろす等の方法によりデリックブームを安全な位置に固定して行わせること。
六 作業中にウインチの部品を交換するときは、ウインチを動力源からしゃ断し、かつ、安全装置をかけて行わせること。
七 ドラムの回転又は索具の走行を人力で調整する作業に従事する者の服装は、袖口、上衣のすそ等を締め付ける等巻き込まれるおそれのないものとすること。
八 デリックブームの角度を調整する場合は、当該デリックブームの下方への立入りを制限すること。
九 貨物の巻上げ又は巻卸しその他の貨物を移動する作業を行っているときは、貨物が落下し、又は激突するおそれのある場所への立入りを制限すること。
十 作業の指揮を行う者と甲板、船倉又は陸岸で作業に従事する者との間には、信号を定める等連絡を密にすること。
2 前項第1号及び第9号の規定は、船舶所有者が陸上のクレーン又はデリックの玉掛けの作業を行わせる場合について準用する。
(揚投びょう作業及びけい留作業)
第56条 船舶所有者は、揚投びょう作業又はけい留作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業を開始する前に、揚びよう機又はけい船用機械の作動状態並びにびよう鎖及び索具類の状態を点検すること。
二 揚びよう機若しくはけい船用機械の運動部分又は巻き込み、くり出し、若しくは解き放す場合におけるびよう鎖若しくは索具類には、みだりに、身体を触れさせ、若しくはこれをまたがせ、又は当該作業に従事する者以外の者をこれに近寄らせないこと。
三 投びょう作業を開始する前に、びよう鎖庫内及びいかり又はびよう鎖の落下する水面付近に人がいないことを確認すること。
四 ブイの上における作業は、危険のおそれがある場合は、その作業の経験を有する者に行なわせること。
五 けい留作業に従事する者に保護帽その他の必要な保護具を使用させること。
六 揚びよう機若しくはけい船用機械の作動又はびよう鎖若しくは索具の走行を人力で調整する作業に従事する者の服装は、袖口、上衣のすそ等を締め付ける等巻き込まれるおそれのないものとすること。
七 作業の指揮を行なう者とびよう鎖庫内でびよう鎖繰りの作業に従事している者又はブイ若しくは陸岸でけい留作業に従事している者との間には、信号を定める等連絡を密にすること。
(漁ろう作業)
第57条 船舶所有者は、漁ろう作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業を開始する前に、作業に使用する機械、漁具その他の設備及び用具を点検すること。
二 甲板上で作業を行わせる場合は、作業に従事する者に命綱又は作業用救命衣を使用させること。
三 前号に規定する作業を行わせる場合は、作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があった場合に速やかに救助に必要な措置をとることができる状態で2人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。
四 第2号に規定する作業を行わせる場合は、作業場所の付近に、救命浮環等の直ちに使用できる救命器具を用意すること。
五 釣ざおを使用して漁ろう作業を行わせる場合は、当該作業に従事する者に保護帽を使用させること。
六 前号に規定する作業を行わせる場合であって釣針の飛来により危害を受けるおそれがあるときは、作業に従事する者に保護面その他の必要な保護具を使用させること。
七 漁具を海中へ送り出し、又は巻き込む作業に従事する者にゴム長靴その他の必要な保護具を使用させること。
八 送り出し、又は巻き込む場合における漁具には、みだりに、身体を触れさせ、若しくはこれをまたがせ、又は当該作業に従事する者以外の者をこれに近寄らせないこと。
九 ドラムの回転又は索具の走行を人力で調整する作業に従事する者の服装は、袖口、上衣のすそ等を締め付ける等巻き込まれるおそれのないものとすること。
十 刃物、釣針その他の危険な用具は、みだりに放置しないこと。
十一 甲板上の魚の血のりを適宜清掃する等甲板を滑らない状態に保持すること。
2 第51条第2項の規定は、前項第2号の作業を行う場合に準用する。
(感電のおそれのある作業)
第58条 船舶所有者は、感電のおそれのある作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に絶縁用のゴム手袋、ゴム長ぐつその他の必要な保護具を使用させること。
二 作業箇所へ通ずる電路をしゃ断し、しゃ断した箇所に当該作業箇所への通電を禁止する旨を表示すること。ただし、当該電路をしゃ断することにより当該作業が著しく困難となる場合は、この限りでない。
三 作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があった場合にすみやかに救助に必要な措置をとることができる状態で2人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。
(さび落とし作業及び工作機械を使用する作業)
第59条 船舶所有者は、さび落とし作業又は工作機械を使用する作業を行なわせる場合であって金くず等の飛来により危害を受けるおそれがあるときは、作業に従事する者に保護眼鏡その他の必要な保護具を使用させなければならない。
(粉じんを発散する場所で行なう作業)
第60条 船舶所有者は、粉じんを著しく発散する場所で作業を行なわせる場合は、換気若しくは散水を行ない、又は作業に従事する者に防じん性の呼吸具、保護眼鏡その他の必要な保護具若しくは塗布剤を使用させる等適当な措置を講じなければならない。
(高温状態で熱射又は日射を受けて行なう作業)
第61条 船舶所有者は、ボイラーをたく作業、炎天下において甲板上で行なう作業等高温状態において熱射又は日射を受ける作業を行なわせる場合は、天幕その他のしゃへい物の設置、保護帽、保護眼鏡、保護衣、保護手袋等熱射又は日射による障害から防護するために必要な保護具の使用、塗布剤の使用等必要な措置を講じなければならない。
(水又は湿潤な空気にさらされて行なう作業)
第62条 船舶所有者は、タンク内の水洗作業等身体の全部又は一部が水又は著しく湿った空気に長時間さらされる作業を行なわせる場合は、保護帽、防水衣、防水手袋、長ぐつ等脱温又は皮膚の湿潤による障害から防護するために必要な保護具を使用させなければならない。ただし、温度が高い場所で当該作業を行なわせる場合は、この限りでない。
(低温状態で行なう作業)
第63条 船舶所有者は、寒冷地域における甲板上の作業、冷凍庫内における作業等低温状態における作業を行なわせる場合は、防寒帽、防寒衣、防寒手袋等低温による障害から防護するために必要な保護具の使用、塗布剤の使用等必要な措置を講じなければならない。
(騒音又は振動の激しい作業)
第64条 船舶所有者は、高速機械の運転、動力さび落とし機を使用する作業等騒音又は振動の激しい作業を行なわせる場合は、耳せん、保護手袋等騒音又は振動による障害から防護するために必要な保護具の使用、緩衝措置等必要な措置を講じなければならない。
(倉口開閉作業)
第65条 船舶所有者は、倉口の開閉作業を行なわせる場合は、作業に従事する者に保護帽及びすべり止めのついた保護靴を使用させるとともに、作業場所の下方への立入を制限しなければならない。
2 第51条の規定は、前項の作業を行なわせる場合には、適用しない。
(船倉内作業)
第66条 船舶所有者は、船倉内で作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に保護帽、すべり止めのついた保護靴その他の必要な保護具を使用させること。
二 作業を行っている層より下層の船倉内の場所であって、人又は物が落下するおそれのある場所への立入りを制限すること。ただし、防網、防布等人又は物の落下を防止するための設備が設けられている場合は、この限りでない。
三 床面から2メートル以上の高所であって、墜落のおそれのある場所において作業を行わせる場合は、防網、防布等を張る等墜落による危害を防止するための措置を講ずること。ただし、作業に従事する者に命綱又は安全ベルトを使用させる場合は、この限りでない。
四 作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があった場合に速やかに救助に必要な措置をとることができる状態で2人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。
2 第51条の規定は、前項の作業を行なわせる場合には、適用しない。
(機械類の修理作業)
第67条 船舶所有者は、動力機関その他の機械類の修理又は部品の取替えの作業を行なわせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に保護帽、保護靴その他の必要な保護具を使用させること。
二 作業に従事する者に危害を及ぼすおそれがある場合は、修理部分、取替え部分その他の部分を動力源からしゃ断する等適当な安全措置を講ずること。
三 作業に従事する者の服装は、袖口、上衣のすそ等を締め付ける等巻き込まれるおそれのないものとすること。
(着氷除去作業)
第68条 船舶所有者は、船舶の着氷の除去作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業に従事する者に保護帽、すべり止めのついた保護靴その他の必要な保護具を使用させること。
二 作業に従事する者に命綱又は安全ベルトを使用させること。
三 作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。ただし、事故があった場合に速やかに救助のため必要な措置をとることができる状態で2人以上の者が同時に作業に従事するときは、この限りでない。
2 第51条第2項の規定は、前項の作業を行なう場合に、準用する。
(引火性液体類等に係る作業)
第69条 船舶所有者は、引火性液体類等の荷役その他の移動作業又は引火性液体類等を積載していた船倉、タンクその他の密閉された区画(以下この条において「船倉等」という。)の蒸気を抜く作業、清掃作業、修理作業その他の作業を行わせる場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 作業を開始する前に、気象、海象等の状況が作業の安全な遂行に支障のないものであることを確認するとともに、作業を開始する旨を船員に周知させること。
二 船内における火気の使用及び喫煙を禁止すること。ただし、船長がこれらの行為を特に必要と認め、危険を防止するため十分な措置を講じて指定した場所については、この限りでない。
三 とびら、船窓、倉口等の開口部(船長が蒸気が船内へ流入するおそれがないと認めて開放を許可した開口部を除く。)を閉鎖し、かつ、蒸気が船内へ流入することを防止するため通風装置を調節すること。
四 油面測定口その他の船倉等の開口部に取り付けられた防火金網が有効な状態であることを確認すること。
五 作業に従事する者に保護帽、すべり止めのついた保護靴その他の必要な保護具を使用させること。
六 作業に使用した布ぎれ、おがくずその他の燃えやすい物は、みだりに放置しないこと。
七 作業に従事する者以外の者をみだりに作業場所に近寄らせないこと。
2 船舶所有者は、前項に規定する作業のうち荷役その他の移動作業を行わせる場合は、同項各号に掲げる措置のほか、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 油量等を測定する場合を除き、蒸気が船倉等の内部から甲板上にみだりに流出することを防止するための措置を講ずること。
二 引火性液体類等が船倉等の内部から流出することを防止するための措置を講ずること。
三 貨物油ポンプの運転中は、当該ポンプの可動部分の過熱の有無、当該ポンプの設置されている場所の換気の状態等を監視し、危険を防止するための措置を講ずること。
3 船舶所有者は、第1項に規定する作業のうち船倉等の蒸気を抜く作業、清掃作業、修理作業その他の作業を行わせる場合は、同項各号に掲げる措置のほか、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 船倉等の内部において作業を開始する前に、当該船倉等に通ずる管の弁を閉鎖する等蒸気が船倉等の内部に流入することを防止するための措置を講ずること。
二 船倉等の内部において作業を開始する前に、及びその作業中適宜、当該船倉等の内部の蒸気の量について検知を行い、爆発又は火災のおそれがあると認められた場合は、換気するとともに、安全性の確認が得られるまでは、作業を開始させず、又は中止させること。
三 作業に従事する者の服装は、皮膚の露出部分が少ないもの等皮膚障害を起こすおそれのないものとすること。
四 作業場所においては、次号に規定する場合を除き、火花を発し、又は高温となって点火源となるおそれのある機械、工具、衣服、靴等(次号において「機械等」という。)を使用しないこと。
五 修理作業等のためやむを得ず前号に規定する機械等を使用する場合は、作業場所の付近における引火性液体類等の残渣を除去する等爆発又は火災を防止するための十分な措置を講ずること。
六 作業用具その他の物が船倉等の内部に落下することを防止する措置を講ずること。
七 作業場所の付近に、適当な消火器具、命綱及び呼吸具を用意すること。
八 船倉等の内部において作業に従事する者との連絡のための看視員を配置すること。
九 船倉等の内部において作業を行った場合は、船倉等の内部について残留物の有無等を点検すること。
(連続作業時間の制限等)
第70条 船舶所有者は、急速冷凍方式による冷凍庫内における作業その他告示で定める作業を行なわせる場合は、当該作業に従事する者の連続作業時間を2時間以内に制限しなければならない。
2 船舶所有者は、第61条から第64条までの作業、第68条の作業又は前項の作業を行なわせる場合は、気温、作業強度、作業に従事する者の疲労度、障害のおそれの程度等に応じて、当該作業に従事する者に十分な休息を与えるための措置を講じなければならない。
第4章 特殊危害防止基準
(貨物の消毒のためのくん蒸)
第71条 船舶所有者は、船内において、貨物の消毒のため人体に有害な薬品を使用してくん蒸を行なってはならない。ただし、陸上におけるくん蒸のための施設の利用が著しく困難である等やむを得ない事由がある場合であって、次に掲げる措置を講じて船員以外の者に行なわせるときは、この限りでない。
一 くん蒸の目的及び期間、くん蒸を行なう区画、使用する薬品の毒性その他危害防止のため必要な事項を船員に周知させること。
二 陸上機関との通信及び交通の方法を定めておくこと。
三 作業を開始する前に、船長が保安のため必要と認める船員(以下「保安要員」という。)以外の船員を退船させること。
四 保安要員のため、くん蒸に使用する薬品が侵入するおそれのない場所を確保すること。
五 作業の終了後、第3号の規定により退船させた船員を乗船させる前に、船内を十分に換気し、かつ、くん蒸に使用した薬品の量について検知を行ない、安全性を確認すること。
六 身体の異常を訴えた船員には、すみやかに、医師による処置その他の適当な救急措置を講ずること。
2 船舶所有者は、緊急を要する場合その他前項の規定により難い特別の事由がある場合であって、国土交通大臣が指定する薬品以外の薬品を使用し、かつ、次に掲げる措置を講ずるときは、同項の規定にかかわらず、船員にくん蒸を行わせることができる。
一 くん蒸の目的及び期間、くん蒸を行う区画、使用する薬品の毒性その他危害防止のため必要な事項を船員に周知させること。
二 陸上機関との通信及び交通の方法を定めておくこと。
三 作業に従事する者に呼吸具、保護手袋その他の必要な保護具を使用させること。
四 作業を開始する前に、作業に従事する者及び保安要員以外の船員を退船させること。ただし、船員をくん蒸に使用する薬品が侵入するおそれのない場所に退避させる場合は、この限りでない。
五 作業に従事する者及び保安要員のため、くん蒸に使用する薬品が侵入するおそれのない場所を確保すること。
六 くん蒸を行う区画の扉、通風口等を閉鎖するほか、必要に応じ、くん蒸に使用する薬品が当該区画の外部に漏れることによる危害の発生を防止するため必要な措置を講ずること。
七 作業の開始時から第9号の規定により安全性を確認するまでの間、くん蒸を行っている区画の扉、逸散口及びそれらの附近の見やすい場所に、それらの場所に近寄ることが著しく危険である旨を表示すること。
八 前号に規定する間、くん蒸に使用した薬品が漏れることにより危害が発生するおそれのある場所において、航海中少なくとも8時間に1回くん蒸に使用した薬品の量について検知を行い、安全性を確認すること。
九 作業の終了後、第4号の規定により退船させた船員を乗船させる前に、船内を十分に換気し、かつ、くん蒸に使用した薬品の量について検知を行い、安全性を確認すること。同号ただし書の規定により退避させた船員を当該退避場所から移動させる場合も、同様とする。
十 身体の異常を訴えた船員には、速やかに、医師による処置その他の適当な救急措置を講ずること。
(ねずみ族及び虫類の駆除のためのくん蒸)
第72条 船舶所有者は、ねずみ族又は虫類を駆除するため人体に有害な薬品を使用してくん蒸を行なわせる場合は、前条第1項各号に掲げる措置(船員にくん蒸を行なわせる場合は、同条第2項各号に掲げる措置)を講じなければならない。
(4アルキル鉛を積載している場合の措置)
第73条 船舶所有者は、4アルキル鉛(4メチル鉛、4エチル鉛、1メチル・3エチル鉛、2メチル・2エチル鉛及び3メチル・1エチル鉛並びにこれらを含有するアンチノック剤をいう。以下同じ。)を積載している場合は、次に掲げる措置を講じなければならない。
一 4アルキル鉛の毒性その他危害の防止のため必要な事項を船員に周知させるとともに、みだりに積付場所に近寄らせないこと。
二 漏洩等の異常がないかどうかを定期的に巡視するほか、荒天遭遇後その他動揺、衝撃等により漏洩等のおそれがある場合は、その都度巡視すること。
三 4アルキル鉛が漏洩した場合は、ただちに船員を当該場所から退避させ、第6号の規定により安全性の確認が得られるまでは、次号の作業に従事する者以外の者を当該場所に近寄らせないこと。
四 漏洩防止作業、ドラム罐等投棄作業、汚染除去作業又は検知作業を行なわせる場合は、当該作業に従事する者に有機ガス用防毒マスク、不浸透性の保護衣、保護帽、保護手袋、保護前掛け及び保護靴並びにその他の必要な保護具を使用させること。
五 汚染除去作業は、汚染した物又は箇所を5パーセント過マンガン酸カリ溶液等を用いて十分除毒した後、水洗することにより行なわせること。
六 汚染除去作業の終了後、当該場所における4アルキル鉛の量について検知を行ない、安全性を確認すること。
七 汚染した物又は箇所について有効な除毒方法がない場合は、当該汚染した物を4アルキル鉛が漏洩するおそれのない容器に密封し、又は海中投棄その他の方法により廃棄すること。ただし、当該汚染した箇所の存する区画を閉鎖する等により、第4号の保護具を使用しない船員を当該汚染した箇所に近寄らせないための措置を講じた場合は、この限りでない。
八 第4号の作業に従事する者が頭痛、めまい、吐気等の身体の異常を訴えた場合は、ただちに作業を中止させ、同号の保護具に異常がないかどうかを点検する等により安全性の確認が得られるまでは、作業を再開させないこと。
九 第4号の作業に従事した者に、作業の終了後ただちに洗身をさせるとともに、すみやかに医師による健康検査を受けさせること。
十 4アルキル鉛を身体に附着させた者、その蒸気を吸入したおそれのある者その他身体の異常を訴えた者には、ただちに適当な救急措置を講ずるとともに、すみやかに医師による診断を受けさせ、その後2週間、医師の監視下におくこと。
十一 汚染し、又は汚染したおそれのある物を居住場所に持ち込ませないこと。
第5章 年少船員の就業制限
(年少船員の就業制限)
第74条 船舶所有者は、年齢18年未満の船員を、次の各号に掲げる作業に従事させてはならない。
一 腐しょく性物質、毒物又は有害性物質を収容した船倉又はタンク内の清掃作業
二 有害性の塗料又は溶剤を使用する塗装又は塗装剥離の作業
三 推進機関用ボイラーに使用する石炭を運び又はこれをたく作業
四 動力さび落とし機を使用する作業
五 炎天下において、直接日射をうけて長時間行なう作業
六 寒冷な場所において、直接外気にさらされて長時間行なう作業
七 冷凍庫内において長時間行なう作業
八 水中において、船体又は推進器を検査し、又は修理する作業
九 タンク又はボイラーの内部において、身体の全部又は相当部分を水にさらされて行なう水洗作業
十 じんあい又は粉末の飛散する場所において長時間行なう作業
十一 1人につき30キログラム以上の重量が負荷される運搬又は持ち上げる作業
十二 アルファ線、ベータ線、中性子線、エックス線その他の有害な放射線を受けるおそれがある作業
第6章 女子船員の就業制限
(妊産婦の就業制限)
第75条 船舶所有者は、妊娠中の女子の船員を、第28条第1項第1号から第11号まで、第12号(危険物の状態を検知する作業に係る部分を除く。)、第13号及び第15号に掲げる作業及び同条第2項に規定する作業並びに前条第1号から第9号まで及び第11号に掲げる作業に従事させてはならない。
2 船舶所有者は、出産後1年以内の女子の船員を、第28条第1項第1号から第9号まで、第11号、第12号(人体に有害な気体を検知する作業に係る部分に限る。)及び第15号に掲げる作業及び同条第2項に規定する作業並びに前条第1号から第9号まで及び第11号に掲げる作業に従事させてはならない。
(妊産婦以外の女子船員の就業制限)
第76条 船舶所有者は、妊産婦以外の女子の船員を、第28条第1項第12号(人体に有害な気体を検知する作業に係る部分に限る。)並びに第74条第1号、第2号及び第11号に掲げる作業に従事させてはならない。
第7章 登録安全担当者講習実施機関
(安全担当者講習の登録)
第77条 第3条第2項第1号の登録は、登録タンカー安全担当者講習を行おうとする者の申請により行う。
2 第3条第2項第1号の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 登録を受けようとする者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 登録を受けようとする者が登録タンカー安全担当者講習の実施に関する事務(以下「登録タンカー安全担当者講習事務」という。)を行おうとする事務所の名称及び所在地
三 登録を受けようとする者が登録タンカー安全担当者講習事務を開始する日
3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 登録を受けようとする者が法人である場合には、次に掲げる事項を記載した書類
イ 定款又は寄付行為及び登記事項証明書
ロ 役員の氏名、住所及び経歴を記載した書類
二 登録を受けようとする者が個人である場合には、その住民票の写し及び履歴書
三 講師の氏名及び経歴を記載した書類
四 講師が、別表第2に該当する者であることを証する書類
五 登録を受けようとする者が、次条第2項各号のいずれにも該当しない者であることを信じさせるに足る書類
(登録の要件等)
第78条 国土交通大臣は、前条の規定により申請のあった講習が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。
一 次に掲げる科目について行われるものであること。
イ タンカー等引火性液体類等を積載する船舶の構造、設備及び船内実務
ロ タンカー等引火性液体類等を積載する船舶における火災及び爆発
ハ タンカー等引火性液体類等を積載する船舶における火災に対する消火技術
ニ 引火性危険物質の物理的性質及び化学的性質
ホ 検知器具及び保護具の取扱方法
ヘ 災害防止対策
ト 海上汚染防止対策
チ 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
二 前号に掲げる科目にあっては、別表第2の上欄に掲げる講習科目の区分に応じ、それぞれ同表下欄に掲げる条件のいずれかに適合する者が講師として講習の業務に従事するものであること。
2 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
一 船員法第81条(船内作業による危害の防止に係る場合に限る。)の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第88条の規定により第3条第2項第1号の登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、登録タンカー安全担当者講習事務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
3 第3条第2項第1号の登録は、登録タンカー安全担当者講習登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録タンカー安全担当者講習を行う者(以下「登録タンカー安全担当者講習実施機関」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録タンカー安全担当者講習実施機関が登録タンカー安全担当者講習事務を行う事務所の名称及び所在地
四 登録タンカー安全担当者講習実施機関が登録タンカー安全担当者講習事務を開始する日
(登録の更新)
第79条 第3条第2項第1号の登録は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前2条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(講習の実施に係る義務)
第80条 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、公正に、かつ、第78条第1項各号に掲げる要件及び次に掲げる基準に適合する方法により登録タンカー安全担当者講習事務を行わなければならない。
一 講習は、講義により行われるものであること。
二 講習は、次の表の上欄に掲げる科目に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる時間以上行うこと。
講習科目 | 時間数 |
一 タンカー等引火性液体類等を積載する船舶の構造、設備及び船内実務
|
3時間 |
二 タンカー等引火性液体類等を積載する船舶における火災及び爆発
|
2時間 |
三 タンカー等引火性液体類等を積載する船舶における火災に対する消火技術
|
2時間 |
四 引火性危険物質の物理的性質及び化学的性質
|
2時間 |
五 検知器具及び保護具の取扱方法
|
1時間 |
六 災害防止対策
|
2時間 |
七 海上汚染防止対策
|
2時間 |
八 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
2時間 |
三 安全担当者として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、第78条第1項第2号に該当する者に行わせること。
(登録事項の変更の届出)
第81条 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、第78条第3項第2号から第4号までに掲げる事項を変更しようとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した届出書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 変更しようとする事項
二 変更しようとする日
三 変更の理由
(登録安全担当者講習事務規程)
第82条 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、登録タンカー安全担当者講習事務の開始前に、次に掲げる事項を記載した登録タンカー安全担当者講習事務の実施に関する規程を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 登録タンカー安全担当者講習の受講の申請に関する事項
二 登録タンカー安全担当者講習の受講料の額及び収納の方法に関する事項
三 登録タンカー安全担当者講習の日程、公示方法その他登録講習の実施の方法に関する事項
四 登録タンカー安全担当者講習の修了証明書の交付及び再交付に関する事項
五 第80条第3号の判定に関する事務を行う者の氏名及び経歴
六 登録タンカー安全担当者講習事務に関する公正の確保に関する事項
七 不正受講者の処分に関する事項
八 その他登録タンカー安全担当者講習事務に関し必要な事項
(登録安全担当者講習事務の休廃止)
第83条 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、登録タンカー安全担当者講習事務を休止又は廃止しようとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項を記載した届出書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 登録タンカー安全担当者講習実施機関の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 登録タンカー安全担当者講習事務を休止又は廃止しようとする事務所の名称及び所在地
三 登録タンカー安全担当者講習事務を休止又は廃止しようとする日
四 登録タンカー安全担当者講習事務を休止しようとする期間
五 登録タンカー安全担当者講習事務を休止又は廃止しようとする理由
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第84条 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、毎事業年度経過後3月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項において「財務諸表等」という。)を作成し、5年間事務所に備えて置かなければならない。
2 登録タンカー安全担当者講習を受講しようとする者その他の利害関係人は、登録タンカー安全担当者講習実施機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号の請求をするには、登録タンカー安全担当者講習実施機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって次条に定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(電磁的記録に記録された事項を提供するための電磁的方法)
第85条 前条第2項第4号に規定する電磁的方法は、次に掲げるもののうち、登録タンカー安全担当者講習実施機関が定めるものとする。
一 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの
二 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法
2 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することによる書面を作成できるものでなければならない。
(適合命令)
第86条 国土交通大臣は、登録タンカー安全担当者講習が第78条第1項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録タンカー安全担当者講習実施機関に対し、同項の規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第87条 国土交通大臣は、登録タンカー安全担当者講習実施機関が第80条の規定に違反していると認めるときは、その登録タンカー安全担当者講習実施機関に対し、登録タンカー安全担当者講習事務の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第88条 国土交通大臣は、登録タンカー安全担当者講習実施機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第3条第2項第1号の登録を取り消し、又は期間を定めて登録タンカー安全担当者講習事務に関する業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第78条第2項第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
二 第81条から第83条まで、第84条第1項又は次条の規定に違反したとき。
三 正当な理由がないのに第84条第2項の規定による請求を拒んだとき。
四 前2条の規定による命令に違反したとき。
五 不正の手段により第3条第2項第1号の登録を受けたとき。
(帳簿の記載等)
第89条 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、次に掲げる事項を記載した帳簿を備え、これを登録タンカー安全担当者講習の終了後2年間保存しなければならない。
一 登録タンカー安全担当者講習の受講料の収納に関する事項
二 登録タンカー安全担当者講習の受講の申請の受理に関する事項
三 登録タンカー安全担当者講習の修了証明書の交付及び再交付に関する事項
四 その他登録タンカー安全担当者講習の実施状況に関する事項
2 登録タンカー安全担当者講習実施機関は、登録タンカー安全担当者講習の受講申請書及びその添付書類を備え、登録タンカー安全担当者講習の終了後2年間これを保存しなければならない。
(報告の徴収)
第90条 国土交通大臣は、登録タンカー安全担当者講習の実施のため必要な限度において、登録タンカー安全担当者講習実施機関に対し、登録タンカー安全担当者講習事務又は経理の状況に関し報告させることができる。
(公示)
第91条 国土交通大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第3条第2項第1号の登録をしたとき。
二 第81条の規定による届出があったとき。
三 第83条の規定による届出があったとき。
四 第88条の規定により第3条第2項第1号の登録を取り消し又は業務の停止を命じたとき。
(安全担当者講習の登録)
第91条の2 第3条第3項第1号の登録は、登録低引火点燃料船安全担当者講習を行おうとする者の申請により行う。
2 第3条第3項第1号の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 登録を受けようとする者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 登録を受けようとする者が登録低引火点燃料船安全担当者講習の実施に関する事務(以下「登録低引火点燃料船安全担当者講習事務」という。)を行おうとする事務所の名称及び所在地
三 登録を受けようとする者が登録低引火点燃料船安全担当者講習事務を開始する日
3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 登録を受けようとする者が法人である場合には、次に掲げる事項を記載した書類
イ 定款又は寄付行為及び登記事項証明書
ロ 役員の氏名、住所及び経歴を記載した書類
二 登録を受けようとする者が個人である場合には、その住民票の写し及び履歴書
三 講師の氏名及び経歴を記載した書類
四 講師が、別表第3に該当する者であることを証する書類
五 登録を受けようとする者が、次条第2項各号のいずれにも該当しない者であることを信じさせるに足る書類
(登録の要件等)
第91条の3 国土交通大臣は、前条の規定により申請のあった講習が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。
一 次に掲げる科目について行われるものであること。
イ 低引火点燃料船の構造及び設備
ロ 低引火点燃料船の燃料の貯蔵等に関するシステム
ハ 低引火点燃料船の推進に関するシステム
ニ 低引火点燃料船の機関の取扱方法及び燃料の補給方法
ホ 低引火点燃料の物理的性質及び化学的性質
ヘ 災害防止対策及び海上汚染防止対策
ト 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
二 前号に掲げる科目にあっては、別表第3の上欄に掲げる講習科目の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる条件のいずれかに適合する者が講師として講習の業務に従事するものであること。
2 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
一 船員法第81条(船内作業による危害の防止に係る場合に限る。)の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第91条の6において準用する第88条の規定により第3条第3項第1号の登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、登録低引火点燃料船安全担当者講習事務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
3 第3条第3項第1号の登録は、登録低引火点燃料船安全担当者講習登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録低引火点燃料船安全担当者講習を行う者(以下「登録低引火点燃料船安全担当者講習講習実施機関」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録低引火点燃料船安全担当者講習実施機関が登録低引火点燃料船安全担当者講習事務を行う事務所の名称及び所在地
四 登録低引火点燃料船安全担当者講習実施機関が登録低引火点燃料船安全担当者講習事務を開始する日
(登録の更新)
第91条の4 第3条第3項第1号の登録は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前2条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(講習の実施に係る義務)
第91条の5 登録低引火点燃料船安全担当者講習実施機関は、公正に、かつ、第91条の3第1項各号に掲げる要件及び次に掲げる基準に適合する方法により登録低引火点燃料船安全担当者講習事務を行わなければならない。
一 講習は、講義により行われるものであること。
二 講習は、第91条の3第1項第1号イからトまでに掲げる科目ごとに、それぞれ1時間以上であること。
三 安全担当者として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、第91条の3第1項第2号に該当する者に行わせること。
(準用)
第91条の6 第81条から第91条までの規定は登録低引火点燃料船安全担当者講習、登録低引火点燃料船安全担当者講習実施機関及び登録低引火点燃料船安全担当者講習事務について準用する。
第8章 登録危険作業講習実施機関
(危険作業講習の登録)
第92条 第28条第2項の登録は、登録危険作業講習を行おうとする者の申請により行う。
2 第28条第2項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
一 登録を受けようとする者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 登録を受けようとする者が登録危険作業講習の実施に関する事務(以下「登録危険作業講習事務」という。)を行おうとする事務所の名称及び所在地
三 登録を受けようとする者が行う別表第5の上欄に掲げる講習の区分
四 登録を受けようとする者が登録危険作業講習事務を開始する日
3 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 登録を受けようとする者が法人である場合には、次に掲げる事項を記載した書類
イ 定款又は寄付行為及び登記事項証明書
ロ 役員の氏名、住所及び経歴を記載した書類
二 登録を受けようとする者が個人である場合には、その住民票の写し及び履歴書
三 別表第4の上欄に掲げる講習の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる機械器具その他の設備の数、性能、所在の場所及びその所有又は借入れの別を記載した書類
四 講師の氏名及び経歴を記載した書類
五 講師が、別表第4に該当する者であることを証する書類
六 登録を受けようとする者が、次条第2項各号のいずれにも該当しない者であることを信じさせるに足る書類
(登録の要件等)
第93条 国土交通大臣は、前条の規定により申請のあった講習が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。
一 別表第4の上欄に掲げる講習の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる機械器具その他の設備を用いて講習を行うものであること。
二 別表第5の上欄に掲げる講習の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる科目について講習が行われるものであること。
三 別表第5の中欄に掲げる講習科目の区分に応じ、それぞれ同表下欄に掲げる条件のいずれかに適合する者が講師として講習の業務に従事するものであること。
2 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、その登録をしてはならない。
一 船員法第81条(船内作業による危害の防止に係る場合に限る。)の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第94条において準用する第88条の規定により第28条第2項の登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、登録危険作業講習事務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
3 第28条第2項の登録は、登録危険作業講習登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録危険作業講習を行う者(以下「登録危険作業講習実施機関」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録危険作業講習実施機関が登録危険作業講習事務を行う事務所の所在地
四 登録危険作業講習実施機関が登録危険作業講習事務を開始する日
(登録の更新)
第94条 第28条第2項の登録は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前2条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(講習の実施に係る義務)
第95条 登録危険作業講習実施機関は、公正に、かつ、第93条第1項各号に掲げる要件及び次に掲げる基準に適合する方法により登録危険作業講習事務を行わなければならない。
一 講習は、講義及び実習により行われるものであること。
二 講習は、次の表の上欄に掲げる講習の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる科目について、それぞれ同表の下欄に掲げる時間以上行うこと。
危険作業講習 | 講習科目 | 時間数 |
一 フォークリフトの運転に関する講習
|
一 フォークリフトの走行に関する装置の構造及び取扱いの方法
|
4時間 |
二 フォークリフトの荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法
|
4時間 | |
三 フォークリフトの運転に必要な力学
|
4時間 | |
四 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
1時間 | |
五 フォークリフトの走行の操作
|
20時間 | |
六 フォークリフトの荷役の操作
|
4時間 | |
二 ボイラーの取扱いに関する講習
|
一 ボイラーの構造
|
2時間 |
二 ボイラーの取扱い
|
4時間 | |
三 点火及び燃焼
|
3時間 | |
四 点検及び異常時の処置
|
4時間 | |
五 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
1時間 | |
三 クレーン、移動式クレーン、デリック及び揚貨装置(以下「クレーン等」という。)による玉掛け作業講習
|
一 クレーン等について
|
1時間 |
二 クレーン等の玉掛けに必要な力学
|
3時間 | |
三 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
1時間 | |
四 クレーン等の玉掛けの方法
|
7時間 | |
五 クレーン等の玉掛け
|
6時間 | |
六 クレーン等の運転のための合図
|
1時間 | |
四 酸素欠乏の予防に関する講習
|
一 酸素欠乏症及び救急そ生
|
2時間 |
二 保護具
|
2時間 | |
三 酸素欠乏の発生原因及び防止措置
|
3時間 | |
四 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
2時間 | |
五 救急そ生の方法
|
2時間 | |
六 酸素の濃度の測定
|
1時間 |
三 危険作業従事者として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、第93条第1項第3号に該当する者に行わせること。
(準用)
第96条 第81条から第91条までの規定は登録危険作業講習、登録危険作業講習実施機関及び登録危険作業講習の実施に関する事務について準用する。
附則
(施行期日)
1 この省令は、昭和39年10月1日から施行する。ただし、第19条第2項、附則第5項中船舶設備規程(昭和9年逓信省令第6号)第159条第2項を削る改正規定及び附則第6項の規定は公布の日から、第44条及び第45条の規定は昭和40年1月1日から、第18条、第19条第1項、第21条、第23条から第26条まで、第35条及び第40条第2項の規定は昭和40年4月1日から施行する。
(経過規定)
3 第15条の規定は、昭和40年4月1日以後に発生した災害又は疾病に係る報告から適用する。
附則 (昭和46年3月31日運輸省令第15号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、昭和46年4月1日から施行する。ただし、附則第4項の規定は、同年10月1日から施行する。
附則 (昭和46年9月6日運輸省令第54号) 抄
1 この省令は、昭和46年10月1日から施行する。
附則 (昭和48年6月23日運輸省令第21号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、昭和48年8月1日から施行する。
附則 (昭和50年3月31日運輸省令第13号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、昭和50年4月10日から施行する。ただし、第55条の改正規定、第16号書式第12表及び第13表の改正規定並びに附則第3項の規定は、昭和50年5月1日から施行する。
附則 (昭和54年6月1日運輸省令第23号)
1 この省令は、昭和54年7月1日から施行する。ただし、第13条の改正規定及び第40条の次に1条を加える改正規定並びに第24条第1項の改正規定中別表第1に係る部分、第41条第1項の改正規定並びに別表第1及び別表第2の改正規定は同年10月1日から、第11条第3号の改正規定、第16条第3項の改正規定、第52条第1項第1号の改正規定並びに第57条第2号及び第6号の改正規定は昭和55年6月1日から施行する。
2 この省令の施行の際現に航海中である船舶については、当該航海が終了するまでは、なお従前の例によることができる。
3 船舶所有者は、この省令による改正後の船員労働安全衛生規則第3条第2項の規定にかかわらず、この省令の施行の日から3年を経過する日までの間は、同項に規定する船舶の甲板部の業務に2年以上従事した経験を有する者であって当該部の業務に精通するものの中から、同項に規定する安全担当者を選任することができる。
4 船舶所有者は、この省令による改正後の船員労働安全衛生規則第4条第1項後段の規定にかかわらず、この省令の施行の日から3年を経過する日までの間は、同項後段に規定する船舶の甲板部又は船長の業務に2年以上従事した経験を有する船長を同項に規定する安全担当者に選任することができる。
附則 (昭和56年3月30日運輸省令第12号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律の施行の日(昭和56年4月1日)から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令の施行前に改正前の船員法施行規則、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法施行規則、救命艇手規則、船員労働安全衛生規則又は小型船等に乗り組む海員の労働時間及び休日に関する省令(以下この条において「船員法施行規則等」という。)の規定により新潟海運局長がした許可、認定その他の処分又は証明その他の行為は、改正後の船員法施行規則等の規定により新潟海運監理部長がした許可、認定その他の処分又は証明その他の行為とみなす。
附則 (昭和58年3月23日運輸省令第10号)
(施行期日)
1 この省令は、昭和58年4月30日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に航海中である船舶については、当該航海が終了するまでは、なお従前の例によることができる。
3 この省令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和59年6月22日運輸省令第18号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、昭和59年7月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令の施行前に次の表の上欄に掲げる行政庁が法律若しくはこれに基づく命令の規定によりした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下「処分等」という。)は、同表の下欄に掲げるそれぞれの行政庁がした処分等とみなし、この省令の施行前に同表の上欄に掲げる行政庁に対してした申請、届出その他の行為(以下「申請等」という。)は、同表の下欄に掲げるそれぞれの行政庁に対してした申請等とみなす。
北海海運局長 | 北海道運輸局長 |
東北海運局長(山形県又は秋田県の区域に係る処分等又は申請等に係る場合を除く。) | 東北運輸局長 |
東北海運局長(山形県又は秋田県の区域に係る処分等又は申請等に係る場合に限る。)及び新潟海運監理部長 | 新潟運輸局長 |
関東海運局長 | 関東運輸局長 |
東海海運局長 | 中部運輸局長 |
近畿海運局長 | 近畿運輸局長 |
中国海運局長 | 中国運輸局長 |
四国海運局長 | 四国運輸局長 |
九州海運局長 | 九州運輸局長 |
神戸海運局長 | 神戸海運監理部長 |
札幌陸運局長 | 北海道運輸局長 |
仙台陸運局長 | 東北運輸局長 |
新潟陸運局長 | 新潟運輸局長 |
東京陸運局長 | 関東運輸局長 |
名古屋陸運局長 | 中部運輸局長 |
大阪陸運局長 | 近畿運輸局長 |
広島陸運局長 | 中国運輸局長 |
高松陸運局長 | 四国運輸局長 |
福岡陸運局長 | 九州運輸局長 |
附則 (昭和61年3月18日運輸省令第2号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、昭和61年4月1日から施行する。
附則 (昭和61年6月27日運輸省令第25号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、昭和61年7月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
(船員労働安全衛生規則の一部改正に伴う経過措置)
第11条 この省令の施行の際現に航海中である船舶については、第14条の規定による改正後の船員労働安全衛生規則の規定にかかわらず、当該航海が終了するまでは、なお従前の例によることができる。
2 前項の規定によるほか、現存船の通行の安全措置については、第14条の規定による改正後の船員労働安全衛生規則第19条第1項の規定にかかわらず、この省令の施行日から起算して、3月を経過する日までは、なお従前の例によることができる。
附則 (平成6年3月30日運輸省令第14号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成6年4月1日から施行する。
附則 (平成7年8月1日運輸省令第49号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成9年1月16日運輸省令第2号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、船員法及び海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律(平成8年法律第84号)附則第1条第2号に定める日(平成9年2月1日)から施行する。
附則 (平成11年7月15日運輸省令第35号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成12年11月29日運輸省令第39号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成13年1月6日から施行する。
附則 (平成13年10月10日国土交通省令第134号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(船員労働安全衛生規則の一部改正に伴う経過措置)
第4条 この省令の施行前に第3条の規定による改正前の船員労働安全衛生規則(以下「旧労安則」という。)第3条第2項の規定による指定を受けた講習の課程を修了した者は、第3条の規定による改正後の船員労働安全衛生規則(以下「新労安則」という。)第3条第2項各号に規定する相当の講習の課程を修了した者とみなす。
2 この省令の施行前に旧労安則第6条の2第3号又は第7条第2号の規定による指定を受けた講習の課程を修了した者は、それぞれ新労安則第6条の2第3号又は第7条第2号に規定する講習の課程を修了した者とみなす。
3 この省令の施行前に旧労安則第28条第1項の規定による指定を受けた講習の課程を修了した者は、新労安則第28条第1項の規定による認定を受けた講習の課程を修了した者とみなす。
附則 (平成14年6月28日国土交通省令第79号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成14年7月1日から施行する。
附則 (平成14年7月1日国土交通省令第83号)
この省令は、障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律の施行の日から施行する。
附則 (平成15年3月20日国土交通省令第27号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、船舶職員法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成15年6月1日)から施行する。
附則 (平成15年10月1日国土交通省令第109号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(船員労働安全衛生規則の一部改正に伴う経過措置)
第7条 この省令の施行前に海上災害防止センターが実施した第14条の規定による改正前の船員労働安全衛生規則第3条第2項第1号の規定による認定を受けた講習の課程を修了した者は、独立行政法人海上災害防止センターが実施する第14条の規定による改正後の船員労働安全衛生規則第3条第2項第1号の規定による認定を受けた講習の課程を修了した者とみなす。
附則 (平成16年2月26日国土交通省令第7号) 抄
この省令は、平成16年3月1日から施行する。
附則 (平成16年5月21日国土交通省令第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(船員労働安全衛生規則の一部改正に伴う経過措置)
第7条 第6条の規定の施行の際現に同条の規定による改正前の船員労働安全衛生規則(次項において「旧船員労働安全衛生規則」という。)第3条第2項第1号の認定又は第28条第1項の認定を受けている講習は、第6条の規定の施行の日から起算して6月を経過するまでの間は、それぞれ第6条の規定による改正後の船員労働安全衛生規則(次項において「船員労働安全衛生規則」という。)第3条第2項第1号の登録又は第28条第2項の登録を受けた講習とみなす。
2 第6条の規定の施行の施行前に受講した旧船員労働安全衛生規則第3条第2項第1号の認定又は第28条第1項の認定を受けた講習は、それぞれ新船員労働安全衛生規則第3条第2項第1号の登録又は第28条第2項の登録を受けた講習とみなす。
附則 (平成16年6月30日国土交通省令第75号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、平成16年7月1日から施行する。
附則 (平成16年10月28日国土交通省令第93号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日から施行する。
附則 (平成17年3月7日国土交通省令第12号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成18年4月28日国土交通省令第58号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、会社法の施行の日(平成18年5月1日)から施行する。
(経過措置)
第3条 この省令の施行前にしたこの省令による改正前の省令の規定による処分、手続、その他の行為は、この省令による改正後の省令(以下「新令」という。)の規定の適用については、新令の相当規定によってしたものとみなす。
附則 (平成20年8月8日国土交通省令第74号)
この省令は、平成20年9月1日から施行する。
附則 (平成21年6月25日国土交通省令第43号)
(施行期日)
1 この省令は、平成21年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に航海中である船舶については、当該航海が終了するまでは、この省令による改正後の船員労働安全衛生規則第24条の2の規定は、適用しない。
附則 (平成22年12月1日国土交通省令第58号)
(施行期日)
1 この省令は、平成23年1月1日から施行する。
(経過措置)
2 この省令の施行の際現に航海中である船舶については、当該航海が終了するまでは、この省令による改正後の船員労働安全衛生規則第24条の2の規定は、適用しない。
附則 (平成25年2月28日国土交通省令第8号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、船員法の一部を改正する法律の施行の日(平成25年3月1日)から施行する。
附則 (平成26年12月8日国土交通省令第92号)
この省令は、平成27年1月1日から施行する。ただし、第1条中船員法施行規則第2号表第1号の改正規定及び第2条中船員労働安全衛生規則別表第1の改正規定は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第115号)附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日から施行する。
附則 (平成29年9月29日国土交通省令第55号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、海上運送法及び船員法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成29年10月1日)から施行する。ただし、第7条の改正規定は、改正法附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日から施行する。
(低引火点燃料船に関する経過措置)
第6条 船舶機関規則等の一部を改正する省令(平成28年国土交通省令第88号)附則第2条第1項の船舶(以下「現存船」という。)については、第2条の規定による改正後の船員法施行規則第77条の3第2項の低引火点燃料船に含まれないものとする。ただし、改正法の施行の日以降主要な変更又は改造を行う現存船については、当該変更又は改造後は、この限りでない。
附則 (平成29年9月29日国土交通省令第56号)
この省令は、学校教育法の一部を改正する法律の施行の日(平成31年4月1日)から施行する。
附則 (平成30年6月15日国土交通省令第49号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、海上運送法及び船員法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第3条の改正規定は、改正法附則第1条第4号に掲げる規定の施行の日から施行する。
附則 (令和元年6月28日国土交通省令第20号)
この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。
別表第1(第41条関係)
第41条の伝染病
エボラ出血熱 クリミア・コンゴ出血熱 痘そう 南米出血熱 ペスト マールブルグ病 ラッサ熱 急性灰白髄炎 結核 ジフテリア 重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。) 中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。) 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第3項第6号に規定する鳥インフルエンザ コレラ 細菌性赤痢 腸チフス パラチフス 黄熱 同法第6条第7項から第9項までに規定する新型インフルエンザ等感染症、指定感染症又は新感染症 |
別表第2(第78条関係)
講習科目 | 条件 |
一 タンカー等引火性液体類等を積載する船舶の構造、設備及び船内実務
|
3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後2年以上船舶職員としてタンカー等引火性液体類等を積載する船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
二 タンカー等引火性液体類等を積載する船舶における火災及び爆発
|
|
三 タンカー等引火性液体類等を積載する船舶における火災に対する消火技術
|
|
四 引火性危険物質の物理的性質及び化学的性質
|
一 3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後2年以上船舶職員としてタンカー等引火性液体類等を積載する船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
二 学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学(旧大学令(大正7年勅令第388号)による大学を含む。)又は高等専門学校(旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校を含む。)(以下「大学等」という。)において化学に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)で、その後2年以上危険物に関する研究又は実務に従事した経験を有するものであること。
|
五 検知器具及び保護具の取扱方法
|
一 3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後1年以上船舶職員として船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
二 大学等において医学若しくは工学に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して学校教育法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)で、その後2年以上検知器具及び保護具に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
|
六 災害防止対策
|
3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後1年以上船舶職員として船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
七 海上汚染防止対策
|
|
八 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
一 3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後1年以上船舶職員として船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
二 大学等において法律に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して学校教育法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)で、その後2年以上法律に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
|
別表第3(第91条の3関係)
講習科目 | 条件 |
一 低引火点燃料船の構造及び設備
|
3級海技士(機関)の資格若しくはこれより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後2年以上船舶職員として低引火点燃料船に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
二 低引火点燃料船の燃料の貯蔵等に関するシステム
|
|
三 低引火点燃料船の推進に関するシステム
|
|
四 低引火点燃料船の機関の取扱及び燃料の補給
|
|
五 低引火点燃料の物理的性質及び化学的性質
|
一 3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後2年以上船舶職員として低引火点燃料船に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
二 大学等において化学に関する学科を修得して卒業した者で、その後2年以上危険物に関する研究又は実務に従事した経験を有する者であること。
|
六 災害防止対策及び海上汚染防止対策
|
3級海技士(機関)の資格若しくはこれより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後1年以上船舶職員として船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
七 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
一 3級海技士(航海)若しくは3級海技士(機関)の資格若しくはこれらより上級の資格についての免許を有する者であって、当該免許を受けた後1年以上船舶職員として船舶に乗り組んだ履歴を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
二 大学等において法律に関する学科を修得して卒業した者で、その後2年以上法律に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。
|
別表第4(第93条関係)
危険作業講習 | 機械器具その他の設備 |
一 フォークリフトの運転に関する講習
|
一 フォークリフト
二 実習用重量物
三 実習用障害物
四 荷役パレット
五 実習施設
|
二 クレーン等による玉掛け作業講習
|
一 クレーン
二 実習用重量物
三 ワイヤーロープ
四 ワイヤーリング
五 実習施設
|
三 酸素欠乏の予防に関する講習
|
一 実習用モデル人形
二 脈拍測定器
三 消毒用アルコール
四 マスク
五 ガーゼ
六 毛布
七 酸素濃度測定器
八 ガス検知器
|
別表第5(第93条関係)
危険作業講習 | 講習科目 | 条件 |
一 フォークリフトの運転に関する講習
|
一 フォークリフトの走行に関する装置の構造及び取扱いの方法
|
大学等において機械工学に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して学校教育法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)若しくは高等学校において機械工学に関する学科を選択して卒業した者で、その後3年以上自動車の設計、工作、検査若しくは整備に関する業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
二 フォークリフトの荷役に関する装置の構造及び取扱いの方法
|
大学等において機械工学に関する学科を修得して卒業した者若しくは高等学校において機械工学に関する学科を選択して卒業した者で、その後3年以上フォークリフトの設計、工作、検査若しくは整備に関する業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
三 フォークリフトの運転に必要な力学
|
大学等において機械工学に関する学科を修得して卒業した者若しくは高等学校において機械工学に関する学科を選択して卒業した者で、その後3年以上フォークリフトの運転の業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
四 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
大学等を卒業した者(学校教育法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)で、その後1年以上産業安全の実務の経験を有する者又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
五 フォークリフトの走行の操作
六 フォークリフトの荷役の操作
|
大学等において機械工学に関する学科を修得して卒業した者若しくは高等学校において機械工学に関する学科を選択して卒業した者で、その後1年以上フォークリフトの運転の業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
二 ボイラーの取扱いに関する講習
|
一 ボイラーの構造
二 ボイラーの取扱い
三 点火及び燃焼
四 点検及び異常時の処置
|
特級ボイラー技士免許を有する者であって、その後2年以上ボイラーの取扱いの業務に従事した経験を有するもの若しくは1級ボイラー技士免許を有する者であって、その後5年以上ボイラーの取扱いの業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
五 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
大学等を卒業した者で、その後1年以上産業安全の実務の経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
三 クレーン等による玉掛け作業講習
|
一 クレーン等について
|
大学等において機械工学に関する学科を修得して卒業した者若しくは高等学校において機械工学に関する学科を選択して卒業した者で、その後5年以上クレーン等の設計、工作若しくは検査の業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
二 クレーン等の玉掛けに必要な力学
|
大学等において力学若しくは応用力学に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して学校教育法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)若しくは高等学校において力学若しくは応用力学に関する学科を選択して卒業した者で、その後3年以上クレーン等の玉掛けに関する業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
三 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
大学等において法律に関する学科を修得して卒業した者で、その後1年以上産業安全の実務の経験を有するもの又はこれと同等以上の能力を有する者であること。 | |
四 クレーン等の玉掛けの方法
五 クレーン等の玉掛け
六 クレーン等の運転のための合図
|
大学等において力学若しくは応用力学に関する学科を修得して卒業した者で、その後2年以上クレーン等の玉掛けに関する業務に従事した経験を有するもの若しくは高等学校において力学若しくは応用力学に関する学科を選択して卒業した者で、その後5年以上クレーン等の玉掛けに関する業務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
四 酸素欠乏の予防に関する講習
|
一 酸素欠乏症及び救急そ生
|
大学等において医学を修得して卒業した者で、その後2年以上労働衛生に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
二 保護具
|
大学等において医学若しくは工学に関する学科を修得して卒業した者で、その後2年以上保護具に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
三 酸素欠乏の発生原因及び防止措置
|
大学等において理学若しくは工学に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して学校教育法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。以下同じ。)で、その後2年以上労働衛生に係る工学に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
四 船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令
|
大学等を卒業した者で、その後1年以上労務に関する実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
五 救急そ生の方法
|
大学等において医学を修得して卒業した者で、その後2年以上労働衛生に関する研究若しくは実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 | |
六 酸素の濃度の測定
|
大学等において理学若しくは工学に関する学科を修得して卒業した者で、その後1年以上環境測定に関する実務に従事した経験を有するもの又はこれらと同等以上の能力を有する者であること。 |
備考 |
一 「フォークリフトの運転に関する講習」とは、第28条第1項第3号に規定する作業に関する知識及び能力を習得させるための講習をいう。
二 「ボイラーの取扱いに関する講習」とは、第28条第1項第6号に規定する作業に関する知識及び能力を習得させるための講習をいう。
三 「クレーン等による玉掛け作業講習」とは、第28条第1項第7号に規定する作業に関する知識及び能力を習得させるための講習をいう。
四 「酸素欠乏の予防に関する講習」とは、第28条第1項第12号及び第13号に規定する作業に関する知識及び能力を習得させるための講習をいう。
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