げんしりょくそんがいのばいしょうにかんするほうりつしこうきそく
原子力損害の賠償に関する法律施行規則
昭和37年総理府令第5号
原子力損害の賠償に関する法律第12条の規定に基づき、及び同法の規定を実施するため、原子力損害の賠償に関する法律施行規則を次のように定める。
(損害賠償措置の承認の申請)
第1条 原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年法律第147号。以下「法」という。)第7条第1項の承認を受けようとする原子力事業者は、次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名
二 原子炉の運転等の種類
三 原子炉の運転等に係る工場又は事業所(原子炉を船舶に設置する場合にあっては、その船舶。以下同じ。)の名称及び所在地(船舶にあっては船籍港。以下同じ。)
四 原子炉の運転にあっては、原子炉の熱出力
五 加工にあっては、加工する核燃料物質の種類及び数量
六 核燃料物質の使用にあっては、使用する核燃料物質の種類及び数量
七 使用済燃料の貯蔵にあっては、貯蔵する使用済燃料の種類及び数量
八 核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物(原子核分裂生成物を含む。以下同じ。)の運搬にあっては、運搬する核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の種類及び数量
九 核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の廃棄にあっては、廃棄する核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の種類及び数量
十 原子炉の運転等の開始時期及び予定終了時期
十一 責任保険契約及び補償契約の締結を含む損害賠償措置を講じようとする場合においては、保険者の名称、住所及び代表者の氏名、責任保険契約によりうめることができる原子力損害の範囲及び原子力損害の賠償に充てることができる金額、保険期間、保険料の額及びその納付の状況、補償契約によりうめることができる原子力損害の範囲及び原子力損害の賠償に充てることができる金額、補償契約の期間並びに補償料の額及びその納付の状況
十二 供託を含む損害賠償措置を講じようとする場合においては、法務局又は地方法務局の名称及び所在地並びに金銭の供託にあってはその金額、振替国債(社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号。以下「振替法」という。)第88条に規定する振替国債をいう。以下同じ。)の供託にあってはその銘柄及び金額、振替債(振替法第278条第1項に規定する振替債をいう。以下同じ。)以外の有価証券の供託にあってはその名称、総額面、券面額、回記号、番号、枚数及び附属利賦札
十三 責任保険契約及び補償契約の締結又は供託以外の措置を含む損害賠償措置を講じようとする場合においては、当該措置の概要
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 原子炉の運転等に係る工場又は事業所の区域を明示する実測図
二 前項第11号の場合にあっては、責任保険契約及び補償契約の締結を証する書類
三 前項第12号の場合にあっては、供託の受理を証する書類
四 前項第13号の場合にあっては、当該措置の効力を証する書類
3 第1項の申請書の提出部数は、発電の用に供する原子炉及び船舶に設置する原子炉に係るものにあっては正本及び副本各1通、その他のものにあっては正本1通とする。
(供託することができる有価証券)
第2条 法第12条の文部科学省令で定める有価証券は、次のとおりとする。
一 国債証券(振替国債を含む。)
二 地方債証券
三 政府保証債券(その債券に係る債務を政府が保証している債券をいう。)
四 特別の法律により法人の発行する債券(前号に掲げるものを除く。)
五 担保付社債信託法(明治38年法律第52号)による担保付社債券及び法令により優先弁済を受ける権利を保証されている社債券(前2号に掲げるもの、自己の社債券及び会社法(平成17年法律第86号)による特別清算開始の命令を受け、特別清算終結の決定の確定がない会社、破産法(平成16年法律第75号)による破産手続開始の決定を受け、破産手続終結の決定若しくは破産手続廃止の決定の確定がない会社、民事再生法(平成11年法律第225号)による再生手続開始の決定を受け、再生手続終結の決定若しくは再生手続廃止の決定の確定がない会社又は会社更生法(平成14年法律第154号)による更生手続開始の決定を受け、更生手続終結の決定若しくは更生手続廃止の決定の確定がない会社が発行した社債券を除く。)
(供託物の取りもどし)
第3条 法第14条第1項の承認を受けようとする原子力事業者は、次に掲げる事項を記載した申請書2通(正本及び副本各1通)を文部科学大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名
二 当該原子炉の運転等について現に存する供託物が金銭の場合にあってはその金額、振替国債の供託にあってはその銘柄及び金額、振替債以外の有価証券の場合にあってはその名称、総額面、券面額、回記号、番号、枚数及び附属利賦札
三 取りもどそうとする供託物が金銭の場合にあってはその金額、振替国債の供託にあってはその銘柄及び金額、振替債以外の有価証券の場合にあってはその名称、総額面、券面額、回記号、番号、枚数及び附属利賦札
四 取りもどそうとする理由
2 前項の申請書には、原子力損害を賠償したこと、供託に代えて他の損害賠償措置を講じたこと又は原子炉の運転等をやめたことを証する書類を添付しなければならない。
(損害賠償実施方針)
第4条 法第17条の2第2項の文部科学省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 原子力事業者の氏名又は名称及び住所
二 原子炉の運転等に係る全ての工場又は事業所の名称及び所在地
三 当該工場又は事業所で行う全ての原子炉の運転等の種類
四 前号に掲げる原子炉の運転等に係る損害賠償措置の種類及び賠償措置額
五 原子力損害の賠償に係る事務の実施方法及び当該事務の迅速かつ適切な実施を図るための方策
六 原子力損害の賠償の実施に当たって取得する被害者の氏名又は名称及び住所並びに当該被害者に対する賠償額その他の被害者に関する情報を適正に管理するために必要な措置
七 原子力損害の賠償の実施に関する国、保険者及びその他関係機関との連絡調整の迅速かつ適切な実施を図るための方策
八 法第18条第2項第1号の仲介が行われた場合における紛争の解決を図るための方策
九 法第18条第2項第2号の指針が定められた場合における紛争の解決を図るための方策
十 損害賠償実施方針の変更の記録(作成又は変更を行った日付、変更の内容及びその理由を含む。)
十一 損害賠償実施方針に関する問合せを受けるための連絡先
十二 損害賠償実施方針で対象とする工場又は事業所の名称及び所在地(次項ただし書の規定により工場又は事業所ごとに損害賠償実施方針を作成する場合に限る。)
2 損害賠償実施方針は、原子力事業者ごとに作成しなければならない。ただし、工場又は事業所ごとに損害賠償実施方針を作成することが適当である場合には、当該工場又は事業所ごとに損害賠償実施方針を作成することを妨げない。
3 原子力事業者は、損害賠償実施方針を作成又は変更したときは、原子炉の運転等を行う工場又は事業所の所在地の都道府県知事及び市町村長(特別区の区長を含む。)に対し、その内容について説明するよう努めなければならない。
4 法第17条の2第3項の公表は、インターネットの利用その他適切な方法により行うものとする。
5 新たに原子炉の運転等を開始しようとする者及び既に行っている原子炉の運転等とは別の原子炉の運転等を開始しようとする者は、当該原子炉の運転等の開始の日までに、当該原子炉の運転等に係る損害賠償実施方針を作成し、又は当該原子炉の運転等に係る原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施に関し必要な事項が含まれるよう損害賠償実施方針を変更し、公表するものとする。
(特定原子力損害賠償仮払金の支払の対象となる法人)
第5条 原子力損害の賠償に関する法律施行令(昭和37年政令第44号。以下「令」という。)第3条の表備考第2号の文部科学省令で定める法人は、次に掲げる法人とする。
一 学校法人
二 公益社団法人又は公益財団法人
三 一般社団法人又は一般財団法人
四 特定非営利活動法人
五 更生保護法人
六 宗教法人
七 前各号に掲げる法人のほか、文部科学大臣が指定する法人
(逸失利益等相当金額の算定方法)
第6条 令第3条の表備考第3号の文部科学省令で定めるところにより算定した金額は、次の各号に掲げる特定原子力損害を受けた被害者の区分に応じ、当該各号に定めるところにより算定した金額とする。
一 中小企業者 特定原子力損害の発生した日を含む事業年度の前事業年度以前3年度内の各事業年度のうち特定原子力損害賠償仮払金の支払の請求をしようとする者が選択したもの(以下この号及び次号において「基準事業年度」という。)における売上高から売上原価を控除した金額(当該中小企業者が農林業を営む場合にあっては収入金額(当該農林業に係る収入に限る。))を当該基準事業年度の日数で除して得た金額に避難指示等又は制限指示等のあった日から当該避難指示等若しくは制限指示等に係る特定原子力損害賠償仮払金の支払の請求があった日又は当該避難指示等若しくは制限指示等が解除される日のいずれか早い日までの期間(次号において「基準期間」という。)の日数を乗じて得た金額
二 医療法人、社会福祉法人及び前条第1号から第6号までに掲げる法人 基準事業年度における収支差額を当該基準事業年度の日数で除して得た金額に基準期間の日数を乗じて得た金額
三 前条第7号に掲げる法人 文部科学大臣が定める基準により算定した金額
(分別管理の方法)
第7条 法第17条の4の管理をする者は、銀行への預金(貸付金(法第17条の3第2項第3号に規定する貸付金をいう。以下同じ。)であることがその名義により明らかなものに限る。)により当該貸付金を管理しなければならない。
(特定原子力損害賠償仮払金の支払状況についての報告)
第8条 法第17条の5の報告は、貸付け(法第17条の3第2項第2号に規定する貸付けをいう。次条第1項において同じ。)を受けた日から起算して1月ごとに、貸付金を充てて行った特定原子力損害賠償仮払金の支払額を記載した報告書を作成し、遅滞なく提出することによってしなければならない。
2 前項の報告書には、貸付金を充てて特定原子力損害賠償仮払金を支払ったことを証する書類を添付するものとする。
(賠償額が確定したときの届出)
第9条 法第17条の6第2項の届出は、貸付金を充てて行った特定原子力損害賠償仮払金の支払の対象となった特定原子力損害の賠償額、当該特定原子力損害賠償仮払金の額、貸付けを受けた原子力事業者が有する当該特定原子力損害の賠償に係る責任保険契約の保険金又は補償契約の補償金の金額その他法第17条の6第1項の規定により政府が取得する保険金請求権又は補償金請求権の行使に必要な情報を記載した届出書を提出することによってしなければならない。
2 前項の届出には、同項に掲げる事項を証する書類を添付するものとする。
(身分を示す証明書)
第10条 法第21条第2項の身分を示す証明書は、別記様式によるものとする。
附則
1 この府令は、法の施行の日(昭和37年3月15日)から施行する。
附則 (昭和45年9月24日総理府令第34号)
この府令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和46年9月30日総理府令第50号)
この府令は、原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律(昭和46年法律第53号)の施行の日(昭和46年10月1日)から施行する。
附則 (昭和53年3月29日総理府令第4号)
この府令は、昭和53年4月1日から施行する。
附則 (昭和54年12月1日総理府令第51号)
この府令は、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律(昭和54年法律第44号)の施行の日(昭和55年1月1日)から施行する。
附則 (平成12年6月16日総理府令第62号) 抄
この府令は、公布の日から施行する。
附則 (平成12年10月20日総理府令第118号)
この府令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成14年12月25日文部科学省令第45号)
この省令は、平成15年1月6日から施行する。
附則 (平成20年8月5日文部科学省令第25号)
この省令は、公布の日から施行する。ただし、第1条第1項第12号及び第3条第1項の改正規定は、株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成16年法律第88号)の施行の日から施行する。
附則 (令和元年12月27日文部科学省令第31号)
この省令は、令和2年1月1日から施行する。
別記
様式
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