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しゃりょうせいげんれい

車両制限令

昭和36年政令第265号
内閣は、道路法(昭和27年法律第180号)第47条第1項の規定に基づき、この政令を制定する。
(趣旨)
第1条 道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限は、道路法(以下「法」という。)に定めるもののほか、この政令の定めるところによる。
(定義)
第2条 この政令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 車両 法第2条第5項に規定する車両(人が乗車し、又は貨物が積載されている場合にあってはその状態におけるものをいい、他の車両をけん引している場合にあっては当該けん引されている車両を含む。)をいう。
 自動車 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車(二輪のものを除く。)及び無軌条電車をいう。
 歩道 専ら歩行者の通行の用に供されている道路の部分をいう。
 自転車道 専ら自転車の通行の用に供されている道路の部分をいう。
 自転車歩行者道 専ら自転車及び歩行者の通行の用に供されている道路の部分をいう。
 車道 専ら車両及び無軌条電車以外の軌道車の通行の用に供されている道路の部分(自転車道を除く。)又は歩道、自転車道若しくは自転車歩行者道のいずれをも有しない道路(自動車のみの一般交通の用に供されている道路を除く。)の一般通行の用に供されている部分をいう。
 路肩 道路の主要構造部を保護し、又は車道の効用を保っために、車道、歩道、自転車道又は自転車歩行者道に接続して設けられている帯状の道路の部分をいう。
(車両の幅等の最高限度)
第3条 法第47条第1項の車両の幅、重量、高さ、長さ及び最小回転半径の最高限度は、次のとおりとする。
 幅 2・5メートル
 重量 次に掲げる値
 総重量 高速自動車国道又は道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあっては25トン以下で車両の長さ及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値、その他の道路を通行する車両にあっては20トン
 軸重 10トン
 隣り合う車軸に係る軸重の合計 隣り合う車軸に係る軸距が1・8メートル未満である場合にあっては18トン(隣り合う車軸に係る軸距が1・3メートル以上であり、かつ、当該隣り合う車軸に係る軸重がいずれも9・5トン以下である場合にあっては、19トン)、1・8メートル以上である場合にあっては20トン
 輪荷重 5トン
 高さ 道路管理者が道路の構造の保全及び交通の危険の防止上支障がないと認めて指定した道路を通行する車両にあっては4・1メートル、その他の道路を通行する車両にあっては3・8メートル
 長さ 12メートル
 最小回転半径 車両の最外側のわだちについて12メートル
2 バン型のセミトレーラ連結車(自動車と前車軸を有しない被けん引車との結合体であって、被けん引車の一部が自動車に載せられ、かつ、被けん引車及びその積載物の重量の相当の部分が自動車によって支えられるものをいう。以下同じ。)、タンク型のセミトレーラ連結車、幌枠型のセミトレーラ連結車及びコンテナ又は自動車の運搬用のセミトレーラ連結車並びにフルトレーラ連結車(自動車と1の被けん引車との結合体であって、被けん引車及びその積載物の重量が自動車によって支えられないものをいう。以下同じ。)で自動車及び被けん引車がバン型の車両、タンク型の車両、幌枠型の車両又はコンテナ若しくは自動車の運搬用の車両であるものの総重量の最高限度は、前項の規定にかかわらず、高速自動車国道を通行するものにあっては36トン以下、その他の道路を通行するものにあっては27トン以下で、車両の軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値とする。
3 高速自動車国道を通行するセミトレーラ連結車又はフルトレーラ連結車で、その積載する貨物が被けん引車の車体の前方又は後方にはみ出していないものの長さの最高限度は、第1項の規定にかかわらず、セミトレーラ連結車にあっては16・5メートル、フルトレーラ連結車にあっては18メートルとする。
4 道路管理者が道路の強度、線形その他の道路の構造を勘案して国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車の通行による道路の構造の保全及び交通の危険の防止上の支障がないと認めて指定した道路を通行する国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車の重量及び長さの最高限度は、第1項及び第2項の規定にかかわらず、次のとおりとする。
 重量 次に掲げる値
 総重量 44トン以下で車両の車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
 軸重 11・5トン以下で車両の総重量、車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
 輪荷重 5・75トン以下で車両の総重量、車軸の数及び軸距に応じて当該車両の通行により道路に生ずる応力を勘案して国土交通省令で定める値
 長さ 16・5メートル
(車両についての制限の基準)
第4条 法第47条第4項の車両についての制限に関する基準は、次条から第12条までに定めるとおりとする。
(幅の制限)
第5条 市街地を形成している区域(以下「市街地区域」という。)内の道路で、道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行とされているものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員(歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路で、その路肩の幅員が明らかでないもの又はその路肩の幅員の合計が1メートル未満(トンネル、橋又は高架の道路にあっては、0・5メートル未満)のものにあっては、当該道路の路面の幅員から1メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあっては、0・5メートル)を減じたものとする。以下同じ。)から0・5メートルを減じたものをこえないものでなければならない。
2 市街地区域内の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から0・5メートルを減じたものの2分の1をこえないものでなければならない。
3 市街地区域内の駅前、繁華街等にある歩行者の多い道路で道路管理者が指定したものの歩道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない区間を道路管理者が指定した時間内に通行する車両についての前2項の規定の適用については、第1項中「0・5メートルを減じたもの」とあるのは「1メートルを減じたもの」と、第2項中「0・5メートル」とあるのは「1・5メートル」とする。
第6条 市街地区域外の道路(道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したものを除く。以下次項において同じ。)で、一方通行とされているもの又はその道路におおむね300メートル以内の区間ごとに待避所があるもの(道路管理者が自動車の交通量が多いため当該待避所のみでは車両のすれ違いに支障があると認めて指定したものを除く。)を通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員から0・5メートルを減じたものをこえないものでなければならない。
2 市街地区域外の道路で前項に規定するもの以外のものを通行する車両の幅は、当該道路の車道の幅員の2分の1をこえないものでなければならない。
(総重量、軸重及び輪荷重の制限)
第7条 道路構造令(昭和45年政令第320号)第23条第2項の基準(強度に係るものに限る。)を参酌して法第30条第3項の条例で定める基準に適合している舗装がされていない都道府県道又は市町村道で、これに代わるべき他の道路があるものについて、道路管理者が路面の破損を防止するため必要と認められる車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めたときは、当該道路を通行する車両の総重量、軸重又は輪荷重は、当該限度を超えないものでなければならない。ただし、当該道路を通行しなければ目的地に到達することができない車両については、この限りでない。
2 融雪、冠水等のため支持力が著しく低下している道路について、道路管理者が路盤又は路床の破損を防止するため必要と認められる車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めたときは、当該道路を通行する車両の総重量、軸重又は輪荷重は、当該限度をこえないものでなければならない。
3 前項の規定により道路管理者が車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度を定めようとするときは、国土交通省令で定める構造計算又は試験の方法に基づいてしなければならない。
(カタピラを有する自動車の制限)
第8条 舗装道を通行する自動車は、次の各号の一に該当する場合を除き、カタピラを有しないものでなければならない。
 その自動車のカタピラの構造が路面を損傷するおそれのないものである場合
 その自動車が当該道路の除雪のために使用される場合
 その自動車のカタピラが路面を損傷しないように当該道路について必要な措置がとられている場合
(路肩通行の制限)
第9条 歩道、自転車道又は自転車歩行者道のいずれをも有しない道路を通行する自動車は、その車輪が路肩(路肩が明らかでない道路にあっては、路端から車道寄りの0・5メートル(トンネル、橋又は高架の道路にあっては、0・25メートル)の幅の道路の部分)にはみ出してはならない。
(通行方法の制限)
第10条 第3条第1項第3号の規定による指定を受けた道路について、高さが3・8メートルを超え4・1メートル以下の車両に関し、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる路肩の通行の禁止その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する当該車両は、当該通行方法によらなければならない。
2 第3条第4項の規定による指定を受けた道路について、国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車に関し、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる徐行その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する国際海上コンテナの運搬用のセミトレーラ連結車は、当該通行方法によらなければならない。
3 第7条第2項の規定により車両の総重量、軸重又は輪荷重の限度が定められている道路について、道路管理者が当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要と認められる徐行その他の通行方法を定めたときは、当該道路を通行する車両は、当該通行方法によらなければならない。
(幅の制限の特例)
第11条 道路が次の各号の一に該当し、車両の通行に支障のある場合において、道路管理者が交通の円滑を図るためやむを得ない必要があると認めて他の道路を指定したときは、当該他の道路を通行する車両については、第5条及び第6条の規定は、適用しない。
 道路が破損し、又は欠壊している場合
 道路に関する工事が行なわれている場合
 車両の通行が著しく停滞している場合
2 道路管理者は、前項に規定する指定をしようとするときは、あらかじめ都道府県公安委員会(道警察本部の所在地を包括する方面を除く方面にあっては、方面公安委員会)の意見をきかなければならない。
(特殊な車両の特例)
第12条 幅、総重量、軸重又は輪荷重が第3条に規定する最高限度をこえず、かつ、第5条から第7条までに規定する基準に適合しない車両で、当該車両を通行させようとする者の申請により、道路管理者がその基準に適合しないことが車両の構造又は車両に積載する貨物が特殊であるためやむを得ないと認定したものは、当該認定に係る事項については、第5条から第7条までに規定する基準に適合するものとみなす。ただし、道路管理者が運転経路又は運転時間の指定等道路の構造の保全又は交通の安全を図るため必要な条件を附したときは、当該条件に従って通行する場合に限る。
(無軌条電車の特例)
第13条 道路を通行する無軌条電車の高さについては、第3条の規定にかかわらず、軌道法(大正10年法律第76号)第31条第1項において準用する同法第14条の規定に基づく命令の定めるところによる。
(緊急自動車等の特例)
第14条 道路交通法(昭和35年法律第105号)第39条第1項に規定する緊急自動車及び災害救助、水防活動等の緊急の用務又はその他の公共の利害に重大な関係がある公の用務のために通行する国土交通省令で定める車両並びに日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国内にあるアメリカ合衆国の軍隊の任務の遂行に必要な用務のために通行する当該軍隊の車両で、道路の構造の保全のための必要な措置を講じて通行するものについては、この政令の規定は、適用しない。
2 前項に規定するもののほか、公益上緊要な用務のために通行する国土交通省令で定める車両で、道路の構造の保全のための必要な措置を講じて通行するものについては、第5条から第7条まで、第9条及び第10条第3項の規定は、適用しない。
(道路管理者を異にする2以上の道路の通行の許可)
第15条 道路管理者を異にする2以上の道路についての法第47条の2第1項の許可に関する権限は、当該2以上の道路の全部又は一部が市町村道(指定市の市道及び道路法施行令(昭和27年政令第479号)第34条第1項又は第3項の規定により国土交通大臣が新設若しくは改築又は維持を行なう道路を除く。以下この条において同じ。)以外の道路であるときは当該市町村道以外の道路の道路管理者(当該市町村道以外の道路の道路管理者が2以上あるときは、最初に申請を受けた道路管理者)が、当該2以上の道路が市町村道のみであるときは国土交通省令で定める道路管理者が行なうものとする。
(国土交通大臣が許可に関する権限を行う場合の手数料)
第16条 法第47条の2第2項の規定により国土交通大臣が同条第1項の許可に関する権限を行う場合における同条第3項の手数料の額は、当該受けようとする許可に係る1通行経路ごとに200円とする。
(国土交通大臣が許可に関する権限を行う申請)
第17条 法第47条の3第6項の政令で定める申請は、国土交通大臣に対してされた申請とする。
(限度超過車両の通行を誘導すべき道路に係る許可の手数料)
第18条 法第47条の3第7項の手数料の額は、当該受けようとする許可に係る1通行経路ごとに160円とする。
(事務の区分)
第19条 この政令の規定により都道府県、指定市又は法第17条第2項の規定により都道府県の同意を得た市が指定区間外の国道の道路管理者として処理することとされている事務は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
(国土交通省令への委任)
第20条 この政令で定めるもののほか、この政令を実施するために必要な事項は、国土交通省令で定める。

附則

1 この政令は、昭和37年2月1日から施行する。ただし、第7条、第9条から第11条まで及び第14条から第16条まで並びに附則第2項から第4項までの規定は、昭和36年9月1日から施行する。
2 道路法の施行の際に道路運送法(昭和26年法律第183号)第4条第1項の規定による免許を受けて路線を定めて道路を自動車運送事業のために使用していた者の車両で、この政令の規定による基準に適合しないものについては、道路法の施行後この政令の公布前に当該事業につき道路運送法第18条第1項の規定による事業計画の変更(自動車の大きさ又は重量の増加を伴う事業計画の変更に限る。以下次項において同じ。)の認可を受けて車両を通行させている場合を除き、この政令の規定は、適用しない。
附則 (昭和39年7月28日政令第266号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和45年10月29日政令第320号) 抄
(施行期日)
1 この政令は、昭和46年4月1日から施行する。
附則 (昭和46年7月22日政令第252号) 抄
(施行期日等)
1 この政令は、道路法等の一部を改正する法律(昭和46年法律第46号)の施行の日(昭和46年12月1日)から施行する。ただし、第2条の規定による改正後の車両制限令(以下「新車両制限令」という。)第3条第2項及び第3項、第15条並びに第16条の規定、第4条の規定による改正後の高速自動車国道法施行令第6条の規定並びに第5条の規定による改正後の道路整備特別措置法施行令第7条第1項の規定は、同法附則第1項ただし書に規定する同法による改正後の道路法の規定の適用の日(昭和47年4月1日)から適用する。
附則 (昭和47年10月18日政令第378号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和53年4月25日政令第145号)
この政令は、昭和53年5月1日から施行する。
附則 (昭和59年5月15日政令第139号) 抄
1 この政令は、各種手数料等の額の改定及び規定の合理化に関する法律の施行の日(昭和59年5月21日)から施行する。
附則 (平成5年11月25日政令第375号) 抄
(施行期日)
1 この政令は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
3 この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成11年11月10日政令第352号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成12年4月1日から施行する。
附則 (平成12年6月7日政令第312号) 抄
(施行期日)
1 この政令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
附則 (平成13年4月25日政令第170号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成13年7月1日から施行する。
附則 (平成16年2月16日政令第23号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成16年3月1日から施行する。
附則 (平成16年12月8日政令第387号)
この政令は、平成17年4月1日から施行する。
附則 (平成23年12月26日政令第424号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、平成24年4月1日から施行する。
附則 (平成26年5月28日政令第187号) 抄
(施行期日)
第1条 この政令は、道路法等の一部を改正する法律附則第1条ただし書に規定する規定の施行の日(平成26年5月30日)から施行する。
附則 (平成31年3月20日政令第41号) 抄
(施行期日)
1 この政令は、公布の日から施行する。

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