さいがいたいさくきほんほう
災害対策基本法
昭和36年法律第223号
第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定めることにより、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。
二 防災 災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ることをいう。
三 指定行政機関 次に掲げる機関で内閣総理大臣が指定するものをいう。
イ 内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成11年法律第89号)第49条第1項及び第2項に規定する機関並びに国家行政組織法(昭和23年法律第120号)第3条第2項に規定する機関
ロ 内閣府設置法第37条及び第54条並びに宮内庁法(昭和22年法律第70号)第16条第1項並びに国家行政組織法第8条に規定する機関
ハ 内閣府設置法第39条及び第55条並びに宮内庁法第16条第2項並びに国家行政組織法第8条の2に規定する機関
ニ 内閣府設置法第40条及び第56条並びに国家行政組織法第8条の3に規定する機関
四 指定地方行政機関 指定行政機関の地方支分部局(内閣府設置法第43条及び第57条(宮内庁法第18条第1項において準用する場合を含む。)並びに宮内庁法第17条第1項並びに国家行政組織法第9条の地方支分部局をいう。)その他の国の地方行政機関で、内閣総理大臣が指定するものをいう。
五 指定公共機関 独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。)、日本銀行、日本赤十字社、日本放送協会その他の公共的機関及び電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、内閣総理大臣が指定するものをいう。
六 指定地方公共機関 地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。)及び港湾法(昭和25年法律第218号)第4条第1項の港務局(第82条第1項において「港務局」という。)、土地改良法(昭和24年法律第195号)第5条第1項の土地改良区その他の公共的施設の管理者並びに都道府県の地域において電気、ガス、輸送、通信その他の公益的事業を営む法人で、当該都道府県の知事が指定するものをいう。
七 防災計画 防災基本計画及び防災業務計画並びに地域防災計画をいう。
八 防災基本計画 中央防災会議が作成する防災に関する基本的な計画をいう。
九 防災業務計画 指定行政機関の長(当該指定行政機関が内閣府設置法第49条第1項若しくは第2項若しくは国家行政組織法第3条第2項の委員会若しくは第3号ロに掲げる機関又は同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあっては、当該指定行政機関。第12条第8項、第28条の3第6項第3号及び第28条の6第2項を除き、以下同じ。)又は指定公共機関(指定行政機関の長又は指定公共機関から委任された事務又は業務については、当該委任を受けた指定地方行政機関の長又は指定地方公共機関)が防災基本計画に基づきその所掌事務又は業務について作成する防災に関する計画をいう。
十 地域防災計画 一定地域に係る防災に関する計画で、次に掲げるものをいう。
イ 都道府県地域防災計画 都道府県の地域につき、当該都道府県の都道府県防災会議が作成するもの
ロ 市町村地域防災計画 市町村の地域につき、当該市町村の市町村防災会議又は市町村長が作成するもの
ハ 都道府県相互間地域防災計画 2以上の都道府県の区域の全部又は一部にわたる地域につき、都道府県防災会議の協議会が作成するもの
ニ 市町村相互間地域防災計画 2以上の市町村の区域の全部又は一部にわたる地域につき、市町村防災会議の協議会が作成するもの
(基本理念)
第2条の2 災害対策は、次に掲げる事項を基本理念として行われるものとする。
一 我が国の自然的特性に鑑み、人口、産業その他の社会経済情勢の変化を踏まえ、災害の発生を常に想定するとともに、災害が発生した場合における被害の最小化及びその迅速な回復を図ること。
二 国、地方公共団体及びその他の公共機関の適切な役割分担及び相互の連携協力を確保するとともに、これと併せて、住民1人1人が自ら行う防災活動及び自主防災組織(住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織をいう。以下同じ。)その他の地域における多様な主体が自発的に行う防災活動を促進すること。
三 災害に備えるための措置を適切に組み合わせて一体的に講ずること並びに科学的知見及び過去の災害から得られた教訓を踏まえて絶えず改善を図ること。
四 災害の発生直後その他必要な情報を収集することが困難なときであっても、できる限り的確に災害の状況を把握し、これに基づき人材、物資その他の必要な資源を適切に配分することにより、人の生命及び身体を最も優先して保護すること。
五 被災者による主体的な取組を阻害することのないよう配慮しつつ、被災者の年齢、性別、障害の有無その他の被災者の事情を踏まえ、その時期に応じて適切に被災者を援護すること。
六 災害が発生したときは、速やかに、施設の復旧及び被災者の援護を図り、災害からの復興を図ること。
(国の責務)
第3条 国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有することに鑑み、組織及び機能の全てを挙げて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。
2 国は、前項の責務を遂行するため、災害予防、災害応急対策及び災害復旧の基本となるべき計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、地方公共団体、指定公共機関、指定地方公共機関等が処理する防災に関する事務又は業務の実施の推進とその総合調整を行ない、及び災害に係る経費負担の適正化を図らなければならない。
3 指定行政機関及び指定地方行政機関は、その所掌事務を遂行するにあたっては、第1項に規定する国の責務が十分に果たされることとなるように、相互に協力しなければならない。
4 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、この法律の規定による都道府県及び市町村の地域防災計画の作成及び実施が円滑に行なわれるように、その所掌事務について、当該都道府県又は市町村に対し、勧告し、指導し、助言し、その他適切な措置をとらなければならない。
(都道府県の責務)
第4条 都道府県は、基本理念にのっとり、当該都道府県の地域並びに当該都道府県の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該都道府県の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、その区域内の市町村及び指定地方公共機関が処理する防災に関する事務又は業務の実施を助け、かつ、その総合調整を行う責務を有する。
2 都道府県の機関は、その所掌事務を遂行するにあたっては、前項に規定する都道府県の責務が十分に果たされることとなるように、相互に協力しなければならない。
(市町村の責務)
第5条 市町村は、基本理念にのっとり、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施する責務を有する。
2 市町村長は、前項の責務を遂行するため、消防機関、水防団その他の組織の整備並びに当該市町村の区域内の公共的団体その他の防災に関する組織及び自主防災組織の充実を図るほか、住民の自発的な防災活動の促進を図り、市町村の有する全ての機能を十分に発揮するように努めなければならない。
3 消防機関、水防団その他市町村の機関は、その所掌事務を遂行するにあたっては、第1項に規定する市町村の責務が十分に果たされることとなるように、相互に協力しなければならない。
(地方公共団体相互の協力)
第5条の2 地方公共団体は、第4条第1項及び前条第1項に規定する責務を十分に果たすため必要があるときは、相互に協力するように努めなければならない。
(国及び地方公共団体とボランティアとの連携)
第5条の3 国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない。
(指定公共機関及び指定地方公共機関の責務)
第6条 指定公共機関及び指定地方公共機関は、基本理念にのっとり、その業務に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施するとともに、この法律の規定による国、都道府県及び市町村の防災計画の作成及び実施が円滑に行われるように、その業務について、当該都道府県又は市町村に対し、協力する責務を有する。
2 指定公共機関及び指定地方公共機関は、その業務の公共性又は公益性にかんがみ、それぞれその業務を通じて防災に寄与しなければならない。
(住民等の責務)
第7条 地方公共団体の区域内の公共的団体、防災上重要な施設の管理者その他法令の規定による防災に関する責務を有する者は、基本理念にのっとり、法令又は地域防災計画の定めるところにより、誠実にその責務を果たさなければならない。
2 災害応急対策又は災害復旧に必要な物資若しくは資材又は役務の供給又は提供を業とする者は、基本理念にのっとり、災害時においてもこれらの事業活動を継続的に実施するとともに、当該事業活動に関し、国又は地方公共団体が実施する防災に関する施策に協力するように努めなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、地方公共団体の住民は、基本理念にのっとり、食品、飲料水その他の生活必需物資の備蓄その他の自ら災害に備えるための手段を講ずるとともに、防災訓練その他の自発的な防災活動への参加、過去の災害から得られた教訓の伝承その他の取組により防災に寄与するように努めなければならない。
(施策における防災上の配慮等)
第8条 国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として国土並びに国民の生命、身体及び財産の災害をなくすることに寄与することとなるように意を用いなければならない。
2 国及び地方公共団体は、災害の発生を予防し、又は災害の拡大を防止するため、特に次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一 災害及び災害の防止に関する科学的研究とその成果の実現に関する事項
二 治山、治水その他の国土の保全に関する事項
三 建物の不燃堅牢化その他都市の防災構造の改善に関する事項
四 交通、情報通信等の都市機能の集積に対応する防災対策に関する事項
五 防災上必要な気象、地象及び水象の観測、予報、情報その他の業務に関する施設及び組織並びに防災上必要な通信に関する施設及び組織の整備に関する事項
六 災害の予報及び警報の改善に関する事項
七 地震予知情報(大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第2条第3号の地震予知情報をいう。)を周知させるための方法の改善に関する事項
八 気象観測網の充実についての国際的協力に関する事項
九 台風に対する人為的調節その他防災上必要な研究、観測及び情報交換についての国際的協力に関する事項
十 火山現象等による長期的災害に対する対策に関する事項
十一 水防、消防、救助その他災害応急措置に関する施設及び組織の整備に関する事項
十二 地方公共団体の相互応援及び第86条の8第1項に規定する広域一時滞在に関する協定並びに民間の団体の協力の確保に関する協定の締結に関する事項
十三 自主防災組織の育成、ボランティアによる防災活動の環境の整備、過去の災害から得られた教訓を伝承する活動の支援その他国民の自発的な防災活動の促進に関する事項
十四 被災者の心身の健康の確保、居住の場所の確保その他被災者の保護に関する事項
十五 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(以下「要配慮者」という。)に対する防災上必要な措置に関する事項
十六 海外からの防災に関する支援の受入れに関する事項
十七 被災者に対する的確な情報提供及び被災者からの相談に関する事項
十八 防災上必要な教育及び訓練に関する事項
十九 防災思想の普及に関する事項
(政府の措置及び国会に対する報告)
第9条 政府は、この法律の目的を達成するため必要な法制上、財政上及び金融上の措置を講じなければならない。
2 政府は、毎年、政令で定めるところにより、防災に関する計画及び防災に関してとった措置の概況を国会に報告しなければならない。
(他の法律との関係)
第10条 防災に関する事務の処理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによる。
第2章 防災に関する組織
第1節 中央防災会議
(中央防災会議の設置及び所掌事務)
第11条 内閣府に、中央防災会議を置く。
2 中央防災会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 防災基本計画を作成し、及びその実施を推進すること。
二 内閣総理大臣の諮問に応じて防災に関する重要事項を審議すること。
三 前号に規定する重要事項に関し、内閣総理大臣に意見を述べること。
四 内閣府設置法第9条第1項に規定する特命担当大臣(同項の規定により命を受けて同法第4条第1項第18号又は第19号に掲げる事項に関する事務及びこれに関連する同条第3項に規定する事務を掌理するものに限る。以下「防災担当大臣」という。)がその掌理する事務について行う諮問に応じて防災に関する重要事項を審議すること。
五 防災担当大臣が命を受けて掌理する事務に係る前号の重要事項に関し、当該防災担当大臣に意見を述べること。
六 前各号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務
3 前項第4号の防災担当大臣の諮問に応じて中央防災会議が行う答申は、当該諮問事項に係る事務を掌理する防災担当大臣に対し行うものとし、当該防災担当大臣が置かれていないときは、内閣総理大臣に対し行うものとする。
4 内閣総理大臣は、次に掲げる事項については、中央防災会議に諮問しなければならない。
一 防災の基本方針
二 防災に関する施策の総合調整で重要なもの
三 非常災害に際し一時的に必要とする緊急措置の大綱
四 災害緊急事態の布告
五 その他内閣総理大臣が必要と認める防災に関する重要事項
(中央防災会議の組織)
第12条 中央防災会議は、会長及び委員をもって組織する。
2 会長は、内閣総理大臣をもって充てる。
3 会長は、会務を総理する。
4 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。
5 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 防災担当大臣
二 防災担当大臣以外の国務大臣、指定公共機関の代表者及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
6 中央防災会議に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。
7 専門委員は、関係行政機関及び指定公共機関の職員並びに学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。
8 中央防災会議に、幹事を置き、内閣官房の職員又は指定行政機関の長(国務大臣を除く。)若しくはその職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
9 幹事は、中央防災会議の所掌事務について、会長及び委員を助ける。
10 前各項に定めるもののほか、中央防災会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
(関係行政機関等に対する協力要求等)
第13条 中央防災会議は、その所掌事務に関し、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し、資料の提出、意見の表明その他必要な協力を求めることができる。
2 中央防災会議は、その所掌事務の遂行について、地方防災会議(都道府県防災会議又は市町村防災会議をいう。以下同じ。)又は地方防災会議の協議会(都道府県防災会議の協議会又は市町村防災会議の協議会をいう。以下同じ。)に対し、必要な勧告をすることができる。
第2節 地方防災会議
(都道府県防災会議の設置及び所掌事務)
第14条 都道府県に、都道府県防災会議を置く。
2 都道府県防災会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 都道府県地域防災計画を作成し、及びその実施を推進すること。
二 都道府県知事の諮問に応じて当該都道府県の地域に係る防災に関する重要事項を審議すること。
三 前号に規定する重要事項に関し、都道府県知事に意見を述べること。
四 当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害に係る災害復旧に関し、当該都道府県並びに関係指定地方行政機関、関係市町村、関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関相互間の連絡調整を図ること。
五 前各号に掲げるもののほか、法律又はこれに基づく政令によりその権限に属する事務
(都道府県防災会議の組織)
第15条 都道府県防災会議は、会長及び委員をもって組織する。
2 会長は、当該都道府県の知事をもって充てる。
3 会長は、会務を総理する。
4 会長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員がその職務を代理する。
5 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 当該都道府県の区域の全部又は一部を管轄する指定地方行政機関の長又はその指名する職員
二 当該都道府県を警備区域とする陸上自衛隊の方面総監又はその指名する部隊若しくは機関の長
三 当該都道府県の教育委員会の教育長
四 警視総監又は当該道府県の道府県警察本部長
五 当該都道府県の知事がその部内の職員のうちから指名する者
六 当該都道府県の区域内の市町村の市町村長及び消防機関の長のうちから当該都道府県の知事が任命する者
七 当該都道府県の地域において業務を行う指定公共機関又は指定地方公共機関の役員又は職員のうちから当該都道府県の知事が任命する者
八 自主防災組織を構成する者又は学識経験のある者のうちから当該都道府県の知事が任命する者
6 都道府県防災会議に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。
7 専門委員は、関係地方行政機関の職員、当該都道府県の職員、当該都道府県の区域内の市町村の職員、関係指定公共機関の職員、関係指定地方公共機関の職員及び学識経験のある者のうちから、当該都道府県の知事が任命する。
8 前各項に定めるもののほか、都道府県防災会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める基準に従い、当該都道府県の条例で定める。
(市町村防災会議)
第16条 市町村に、当該市町村の地域に係る地域防災計画を作成し、及びその実施を推進するほか、市町村長の諮問に応じて当該市町村の地域に係る防災に関する重要事項を審議するため、市町村防災会議を置く。
2 前項に規定するもののほか、市町村は、協議により規約を定め、共同して市町村防災会議を設置することができる。
3 市町村は、前項の規定により市町村防災会議を共同して設置したときその他市町村防災会議を設置することが不適当又は困難であるときは、第1項の規定にかかわらず、市町村防災会議を設置しないことができる。
4 市町村は、前項の規定により市町村防災会議を設置しないこととしたとき(第2項の規定により市町村防災会議を共同して設置したときを除く。)は、速やかにその旨を都道府県知事に報告しなければならない。
5 都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、都道府県防災会議の意見を聴くものとし、必要があると認めるときは、当該市町村に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
6 市町村防災会議の組織及び所掌事務は、都道府県防災会議の組織及び所掌事務の例に準じて、当該市町村の条例(第2項の規定により設置された市町村防災会議にあっては、規約)で定める。
(地方防災会議の協議会)
第17条 都道府県相互の間又は市町村相互の間において、当該都道府県又は市町村の区域の全部又は一部にわたり都道府県相互間地域防災計画又は市町村相互間地域防災計画を作成することが必要かつ効果的であると認めるときは、当該都道府県又は市町村は、協議により規約を定め、都道府県防災会議の協議会又は市町村防災会議の協議会を設置することができる。
2 前項の規定により協議会を設置したときは、都道府県防災会議の協議会にあっては内閣総理大臣に、市町村防災会議の協議会にあっては都道府県知事にそれぞれ届け出なければならない。
第18条 削除
第19条 削除
(政令への委任)
第20条 第17条に規定するもののほか、地方防災会議の協議会に関し必要な事項は、政令で定める。
(関係行政機関等に対する協力要求)
第21条 都道府県防災会議及び市町村防災会議(地方防災会議の協議会を含む。以下次条において「地方防災会議等」という。)は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができる。
(地方防災会議等相互の関係)
第22条 地方防災会議等は、それぞれその所掌事務の遂行について相互に協力しなければならない。
2 都道府県防災会議は、その所掌事務の遂行について、市町村防災会議に対し、必要な勧告をすることができる。
(都道府県災害対策本部)
第23条 都道府県の地域について災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合において、防災の推進を図るため必要があると認めるときは、都道府県知事は、都道府県地域防災計画の定めるところにより、都道府県災害対策本部を設置することができる。
2 都道府県災害対策本部の長は、都道府県災害対策本部長とし、都道府県知事をもって充てる。
3 都道府県災害対策本部に、都道府県災害対策副本部長、都道府県災害対策本部員その他の職員を置き、当該都道府県の職員のうちから、当該都道府県の知事が任命する。
4 都道府県災害対策本部は、都道府県地域防災計画の定めるところにより、次に掲げる事務を行う。
一 当該都道府県の地域に係る災害に関する情報を収集すること。
二 当該都道府県の地域に係る災害予防及び災害応急対策を的確かつ迅速に実施するための方針を作成し、並びに当該方針に沿って災害予防及び災害応急対策を実施すること。
三 当該都道府県の地域に係る災害予防及び災害応急対策に関し、当該都道府県並びに関係指定地方行政機関、関係地方公共団体、関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関相互間の連絡調整を図ること。
5 都道府県知事は、都道府県地域防災計画の定めるところにより、都道府県災害対策本部に、災害地にあって当該都道府県災害対策本部の事務の一部を行う組織として、都道府県現地災害対策本部を置くことができる。
6 都道府県災害対策本部長は、当該都道府県警察又は当該都道府県の教育委員会に対し、当該都道府県の地域に係る災害予防又は災害応急対策を実施するため必要な限度において、必要な指示をすることができる。
7 都道府県災害対策本部長は、当該都道府県の地域に係る災害予防又は災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができる。
8 前各項に規定するもののほか、都道府県災害対策本部に関し必要な事項は、都道府県の条例で定める。
(市町村災害対策本部)
第23条の2 市町村の地域について災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合において、防災の推進を図るため必要があると認めるときは、市町村長は、市町村地域防災計画の定めるところにより、市町村災害対策本部を設置することができる。
2 市町村災害対策本部の長は、市町村災害対策本部長とし、市町村長をもって充てる。
3 市町村災害対策本部に、市町村災害対策副本部長、市町村災害対策本部員その他の職員を置き、当該市町村の職員又は当該市町村の区域を管轄する消防長若しくはその指名する消防吏員のうちから、当該市町村の市町村長が任命する。
4 市町村災害対策本部は、市町村地域防災計画の定めるところにより、次に掲げる事務を行う。この場合において、市町村災害対策本部は、必要に応じ、関係指定地方行政機関、関係地方公共団体、関係指定公共機関及び関係指定地方公共機関との連携の確保に努めなければならない。
一 当該市町村の地域に係る災害に関する情報を収集すること。
二 当該市町村の地域に係る災害予防及び災害応急対策を的確かつ迅速に実施するための方針を作成し、並びに当該方針に沿って災害予防及び災害応急対策を実施すること。
5 市町村長は、市町村地域防災計画の定めるところにより、市町村災害対策本部に、災害地にあって当該市町村災害対策本部の事務の一部を行う組織として、市町村現地災害対策本部を置くことができる。
6 市町村災害対策本部長は、当該市町村の教育委員会に対し、当該市町村の地域に係る災害予防又は災害応急対策を実施するため必要な限度において、必要な指示をすることができる。
7 前条第7項の規定は、市町村災害対策本部長について準用する。この場合において、同項中「当該都道府県の」とあるのは、「当該市町村の」と読み替えるものとする。
8 前各項に規定するもののほか、市町村災害対策本部に関し必要な事項は、市町村の条例で定める。
第3節 非常災害対策本部及び緊急災害対策本部
(非常災害対策本部の設置)
第24条 非常災害が発生した場合において、当該災害の規模その他の状況により当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、内閣府設置法第40条第2項の規定にかかわらず、臨時に内閣府に非常災害対策本部を設置することができる。
2 内閣総理大臣は、非常災害対策本部を置いたときは当該本部の名称、所管区域並びに設置の場所及び期間を、当該本部を廃止したときはその旨を、直ちに、告示しなければならない。
(非常災害対策本部の組織)
第25条 非常災害対策本部の長は、非常災害対策本部長とし、国務大臣をもって充てる。
2 非常災害対策本部長は、非常災害対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
3 非常災害対策本部に、非常災害対策副本部長、非常災害対策本部員その他の職員を置く。
4 非常災害対策副本部長は、非常災害対策本部長を助け、非常災害対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。非常災害対策副本部長が2人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ非常災害対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。
5 非常災害対策副本部長、非常災害対策本部員その他の職員は、内閣官房若しくは指定行政機関の職員又は指定地方行政機関の長若しくはその職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
6 非常災害対策本部に、当該非常災害対策本部の所管区域にあって当該非常災害対策本部長の定めるところにより当該非常災害対策本部の事務の一部を行う組織として、非常災害現地対策本部を置くことができる。この場合においては、地方自治法(昭和22年法律第67号)第156条第4項の規定は、適用しない。
7 内閣総理大臣は、前項の規定により非常災害現地対策本部を置いたときは、これを国会に報告しなければならない。
8 前条第2項の規定は、非常災害現地対策本部について準用する。
9 非常災害現地対策本部に、非常災害現地対策本部長及び非常災害現地対策本部員その他の職員を置く。
10 非常災害現地対策本部長は、非常災害対策本部長の命を受け、非常災害現地対策本部の事務を掌理する。
11 非常災害現地対策本部長及び非常災害現地対策本部員その他の職員は、非常災害対策副本部長、非常災害対策本部員その他の職員のうちから、非常災害対策本部長が指名する者をもって充てる。
(非常災害対策本部の所掌事務)
第26条 非常災害対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 災害応急対策を的確かつ迅速に実施するための方針の作成に関すること。
二 所管区域において指定行政機関の長、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関が防災計画に基づいて実施する災害応急対策の総合調整に関すること。
三 非常災害に際し必要な緊急の措置の実施に関すること。
四 第28条の規定により非常災害対策本部長の権限に属する事務
五 前各号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務
(指定行政機関の長の権限の委任)
第27条 指定行政機関の長は、非常災害対策本部が設置されたときは、災害応急対策に必要な権限の全部又は一部を当該非常災害対策本部員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。
2 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
(非常災害対策本部長の権限)
第28条 非常災害対策本部長は、前条の規定により権限を委任された職員の当該非常災害対策本部の所管区域における権限の行使について調整をすることができる。
2 非常災害対策本部長は、当該非常災害対策本部の所管区域における災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関並びに指定公共機関及び指定地方公共機関に対し、必要な指示をすることができる。
3 非常災害対策本部長は、当該非常災害対策本部の所管区域における災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができる。
4 非常災害対策本部長は、非常災害現地対策本部が置かれたときは、前3項の規定による権限の一部を非常災害現地対策本部長に委任することができる。
5 非常災害対策本部長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
(緊急災害対策本部の設置)
第28条の2 著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、内閣府設置法第40条第2項の規定にかかわらず、閣議にかけて、臨時に内閣府に緊急災害対策本部を設置することができる。
2 第24条第2項の規定は、緊急災害対策本部について準用する。
3 第1項の規定により緊急災害対策本部が設置された場合において、当該災害に係る非常災害対策本部が既に設置されているときは、当該非常災害対策本部は廃止されるものとし、緊急災害対策本部が当該非常災害対策本部の所掌事務を承継するものとする。
(緊急災害対策本部の組織)
第28条の3 緊急災害対策本部の長は、緊急災害対策本部長とし、内閣総理大臣(内閣総理大臣に事故があるときは、そのあらかじめ指名する国務大臣)をもって充てる。
2 緊急災害対策本部長は、緊急災害対策本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
3 緊急災害対策本部に、緊急災害対策副本部長、緊急災害対策本部員その他の職員を置く。
4 緊急災害対策副本部長は、国務大臣をもって充てる。
5 緊急災害対策副本部長は、緊急災害対策本部長を助け、緊急災害対策本部長に事故があるときは、その職務を代理する。緊急災害対策副本部長が2人以上置かれている場合にあっては、あらかじめ緊急災害対策本部長が定めた順序で、その職務を代理する。
6 緊急災害対策本部員は、次に掲げる者をもって充てる。
一 緊急災害対策本部長及び緊急災害対策副本部長以外のすべての国務大臣
二 内閣危機管理監
三 副大臣又は国務大臣以外の指定行政機関の長のうちから、内閣総理大臣が任命する者
7 緊急災害対策副本部長及び緊急災害対策本部員以外の緊急災害対策本部の職員は、内閣官房若しくは指定行政機関の職員又は指定地方行政機関の長若しくはその職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。
8 緊急災害対策本部に、当該緊急災害対策本部の所管区域にあって当該緊急災害対策本部長の定めるところにより当該緊急災害対策本部の事務の一部を行う組織として、閣議にかけて、緊急災害現地対策本部を置くことができる。
9 第25条第6項後段、第7項及び第8項の規定は、緊急災害現地対策本部について準用する。
10 緊急災害現地対策本部に、緊急災害現地対策本部長及び緊急災害現地対策本部員その他の職員を置く。
11 緊急災害現地対策本部長は、緊急災害対策本部長の命を受け、緊急災害現地対策本部の事務を掌理する。
12 緊急災害現地対策本部長及び緊急災害現地対策本部員その他の職員は、緊急災害対策副本部長、緊急災害対策本部員その他の職員のうちから、緊急災害対策本部長が指名する者をもって充てる。
(緊急災害対策本部の所掌事務)
第28条の4 緊急災害対策本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一 災害応急対策を的確かつ迅速に実施するための方針の作成に関すること。
二 所管区域において指定行政機関の長、指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関が防災計画に基づいて実施する災害応急対策の総合調整に関すること。
三 非常災害に際し必要な緊急の措置の実施に関すること。
四 第28条の6の規定により緊急災害対策本部長の権限に属する事務
五 前各号に掲げるもののほか、法令の規定によりその権限に属する事務
(指定行政機関の長の権限の委任)
第28条の5 指定行政機関の長は、緊急災害対策本部が設置されたときは、災害応急対策に必要な権限の全部又は一部を当該緊急災害対策本部の職員である当該指定行政機関の職員又は当該指定地方行政機関の長若しくはその職員に委任することができる。
2 指定行政機関の長は、前項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
(緊急災害対策本部長の権限)
第28条の6 緊急災害対策本部長は、前条の規定により権限を委任された職員の当該緊急災害対策本部の所管区域における権限の行使について調整をすることができる。
2 緊急災害対策本部長は、当該緊急災害対策本部の所管区域における災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、その必要な限度において、関係指定行政機関の長及び関係指定地方行政機関の長並びに前条の規定により権限を委任された当該指定行政機関の職員及び当該指定地方行政機関の職員、地方公共団体の長その他の執行機関並びに指定公共機関及び指定地方公共機関に対し、必要な指示をすることができる。
3 緊急災害対策本部長は、当該緊急災害対策本部の所管区域における災害応急対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し、資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができる。
4 緊急災害対策本部長は、前3項の規定による権限の全部又は一部を緊急災害対策副本部長に委任することができる。
5 緊急災害対策本部長は、緊急災害現地対策本部が置かれたときは、第1項から第3項までの規定による権限(第2項の規定による関係指定行政機関の長に対する指示を除く。)の一部を緊急災害現地対策本部長に委任することができる。
6 緊急災害対策本部長は、前2項の規定による委任をしたときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
第4節 災害時における職員の派遣
(職員の派遣の要請)
第29条 都道府県知事又は都道府県の委員会若しくは委員(以下「都道府県知事等」という。)は、災害応急対策又は災害復旧のため必要があるときは、政令で定めるところにより、指定行政機関の長、指定地方行政機関の長又は指定公共機関(独立行政法人通則法第2条第4項に規定する行政執行法人に限る。以下この節において同じ。)に対し、当該指定行政機関、指定地方行政機関又は指定公共機関の職員の派遣を要請することができる。
2 市町村長又は市町村の委員会若しくは委員(以下「市町村長等」という。)は、災害応急対策又は災害復旧のため必要があるときは、政令で定めるところにより、指定地方行政機関の長又は指定公共機関(その業務の内容その他の事情を勘案して市町村の地域に係る災害応急対策又は災害復旧に特に寄与するものとしてそれぞれ地域を限って内閣総理大臣が指定するものに限る。次条において「特定公共機関」という。)に対し、当該指定地方行政機関又は指定公共機関の職員の派遣を要請することができる。
3 都道府県又は市町村の委員会又は委員は、前2項の規定により職員の派遣を要請しようとするときは、あらかじめ、当該都道府県の知事又は当該市町村の市町村長に協議しなければならない。
(職員の派遣のあっせん)
第30条 都道府県知事等又は市町村長等は、災害応急対策又は災害復旧のため必要があるときは、政令で定めるところにより、内閣総理大臣又は都道府県知事に対し、それぞれ、指定行政機関、指定地方行政機関若しくは指定公共機関又は指定地方行政機関若しくは特定公共機関の職員の派遣についてあっせんを求めることができる。
2 都道府県知事等又は市町村長等は、災害応急対策又は災害復旧のため必要があるときは、政令で定めるところにより、内閣総理大臣又は都道府県知事に対し、それぞれ、地方自治法第252条の17の規定による職員の派遣について、又は同条の規定による職員の派遣若しくは地方独立行政法人法第124条第1項の規定による職員(指定地方公共機関である同法第2条第2項に規定する特定地方独立行政法人(次条において「特定地方公共機関」という。)の職員に限る。)の派遣についてあっせんを求めることができる。
3 前条第3項の規定は、前2項の規定によりあっせんを求めようとする場合について準用する。
(職員の派遣義務)
第31条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、都道府県知事等及び市町村長等並びに指定公共機関及び特定地方公共機関は、前2条の規定による要請又はあっせんがあったときは、その所掌事務又は業務の遂行に著しい支障のない限り、適任と認める職員を派遣しなければならない。
(派遣職員の身分取扱い)
第32条 都道府県又は市町村は、前条又は他の法律の規定により災害応急対策又は災害復旧のため派遣された職員に対し、政令で定めるところにより、災害派遣手当を支給することができる。
2 前項に規定するもののほか、前条の規定により指定行政機関、指定地方行政機関又は指定公共機関から派遣された職員の身分取扱いに関し必要な事項は、政令で定める。
(派遣職員に関する資料の提出等)
第33条 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長、都道府県知事又は指定公共機関は、内閣総理大臣に対し、第31条の規定による職員の派遣が円滑に行われるよう、定期的に、災害応急対策又は災害復旧に必要な技術、知識又は経験を有する職員の職種別現員数及びこれらの者の技術、知識又は経験の程度を記載した資料を提出するとともに、当該資料を相互に交換しなければならない。
第3章 防災計画
(防災基本計画の作成及び公表等)
第34条 中央防災会議は、防災基本計画を作成するとともに、災害及び災害の防止に関する科学的研究の成果並びに発生した災害の状況及びこれに対して行なわれた災害応急対策の効果を勘案して毎年防災基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。
2 中央防災会議は、前項の規定により防災基本計画を作成し、又は修正したときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、並びに指定行政機関の長、都道府県知事及び指定公共機関に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。
第35条 防災基本計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。
一 防災に関する総合的かつ長期的な計画
二 防災業務計画及び地域防災計画において重点をおくべき事項
三 前各号に掲げるもののほか、防災業務計画及び地域防災計画の作成の基準となるべき事項で、中央防災会議が必要と認めるもの
2 防災基本計画には、次に掲げる事項に関する資料を添付しなければならない。
一 国土の現況及び気象の概況
二 防災上必要な施設及び設備の整備の概況
三 防災業務に従事する人員の状況
四 防災上必要な物資の需給の状況
五 防災上必要な運輸又は通信の状況
六 前各号に掲げるもののほか、防災に関し中央防災会議が必要と認める事項
(指定行政機関の防災業務計画)
第36条 指定行政機関の長は、防災基本計画に基づき、その所掌事務に関し、防災業務計画を作成し、及び毎年防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。
2 指定行政機関の長は、前項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正したときは、すみやかにこれを内閣総理大臣に報告し、並びに都道府県知事及び関係指定公共機関に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。
3 第21条の規定は、指定行政機関の長が第1項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正する場合について準用する。
第37条 防災業務計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 所掌事務について、防災に関しとるべき措置
二 前号に掲げるもののほか、所掌事務に関し地域防災計画の作成の基準となるべき事項
2 指定行政機関の長は、防災業務計画の作成及び実施にあたっては、他の指定行政機関の長が作成する防災業務計画との間に調整を図り、防災業務計画が一体的かつ有機的に作成され、及び実施されるように努めなければならない。
(他の法令に基づく計画との関係)
第38条 指定行政機関の長が他の法令の規定に基づいて作成する次に掲げる防災に関連する計画の防災に関する部分は、防災基本計画及び防災業務計画と矛盾し、又は抵触するものであってはならない。
一 国土形成計画法(昭和25年法律第205号)第2条第1項に規定する国土形成計画
二 森林法(昭和26年法律第249号)第4条第1項に規定する全国森林計画及び同条第5項に規定する森林整備保全事業計画
三 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法(昭和27年法律第96号)第3条第1項に規定する災害防除に関する事業計画
四 保安林整備臨時措置法(昭和29年法律第84号)第2条第1項に規定する保安林整備計画
五 首都圏整備法(昭和31年法律第83号)第2条第2項に規定する首都圏整備計画
六 特定多目的ダム法(昭和32年法律第35号)第4条第1項に規定する多目的ダムの建設に関する基本計画
七 台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法(昭和33年法律第72号)第2条第2項に規定する災害防除事業5箇年計画
八 豪雪地帯対策特別措置法(昭和37年法律第73号)第3条第1項に規定する豪雪地帯対策基本計画
九 近畿圏整備法(昭和38年法律第129号)第2条第2項に規定する近畿圏整備計画
十 中部圏開発整備法(昭和41年法律第102号)第2条第2項に規定する中部圏開発整備計画
十一 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号)第43条の5第1項に規定する排出油等の防除に関する計画
十二 社会資本整備重点計画法(平成15年法律第20号)第2条第1項に規定する社会資本整備重点計画
十三 前各号に掲げるもののほか、政令で定める計画
(指定公共機関の防災業務計画)
第39条 指定公共機関は、防災基本計画に基づき、その業務に関し、防災業務計画を作成し、及び毎年防災業務計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。
2 指定公共機関は、前項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正したときは、速やかに当該指定公共機関を所管する大臣を経由して内閣総理大臣に報告し、及び関係都道府県知事に通知するとともに、その要旨を公表しなければならない。
3 第21条の規定は、指定公共機関が第1項の規定により防災業務計画を作成し、又は修正する場合について準用する。
(都道府県地域防災計画)
第40条 都道府県防災会議は、防災基本計画に基づき、当該都道府県の地域に係る都道府県地域防災計画を作成し、及び毎年都道府県地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。この場合において、当該都道府県地域防災計画は、防災業務計画に抵触するものであってはならない。
2 都道府県地域防災計画は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。
一 当該都道府県の地域に係る防災に関し、当該都道府県の区域の全部又は一部を管轄する指定地方行政機関、当該都道府県、当該都道府県の区域内の市町村、指定公共機関、指定地方公共機関及び当該都道府県の区域内の公共的団体その他防災上重要な施設の管理者(次項において「管轄指定地方行政機関等」という。)の処理すべき事務又は業務の大綱
二 当該都道府県の地域に係る防災施設の新設又は改良、防災のための調査研究、教育及び訓練その他の災害予防、情報の収集及び伝達、災害に関する予報又は警報の発令及び伝達、避難、消火、水防、救難、救助、衛生その他の災害応急対策並びに災害復旧に関する事項別の計画
三 当該都道府県の地域に係る災害に関する前号に掲げる措置に要する労務、施設、設備、物資、資金等の整備、備蓄、調達、配分、輸送、通信等に関する計画
3 都道府県防災会議は、都道府県地域防災計画を定めるに当たっては、災害が発生した場合において管轄指定地方行政機関等が円滑に他の者の応援を受け、又は他の者を応援することができるよう配慮するものとする。
4 都道府県防災会議は、第1項の規定により都道府県地域防災計画を作成し、又は修正したときは、速やかにこれを内閣総理大臣に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
5 内閣総理大臣は、前項の規定により都道府県地域防災計画について報告を受けたときは、中央防災会議の意見を聴くものとし、必要があると認めるときは、当該都道府県防災会議に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
第41条 都道府県が他の法令の規定に基づいて作成し、又は協議する次に掲げる防災に関する計画又は防災に関連する計画の防災に関する部分は、防災基本計画、防災業務計画又は都道府県地域防災計画と矛盾し、又は抵触するものであってはならない。
一 水防法(昭和24年法律第193号)第7条第1項及び第6項に規定する都道府県の水防計画並びに同法第33条第1項に規定する指定管理団体の水防計画
二 離島振興法(昭和28年法律第72号)第4条第1項に規定する離島振興計画
三 海岸法(昭和31年法律第101号)第2条の3第1項の海岸保全基本計画
四 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第9条に規定する地すべり防止工事に関する基本計画
五 活動火山対策特別措置法(昭和48年法律第61号)第14条第1項に規定する避難施設緊急整備計画並びに同法第19条第1項に規定する防災営農施設整備計画、同条第2項に規定する防災林業経営施設整備計画及び同条第3項に規定する防災漁業経営施設整備計画
六 地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和55年法律第63号)第2条第1項に規定する地震対策緊急整備事業計画
七 半島振興法(昭和60年法律第63号)第3条第1項に規定する半島振興計画
八 前各号に掲げるもののほか、政令で定める計画
(市町村地域防災計画)
第42条 市町村防災会議(市町村防災会議を設置しない市町村にあっては、当該市町村の市町村長。以下この条において同じ。)は、防災基本計画に基づき、当該市町村の地域に係る市町村地域防災計画を作成し、及び毎年市町村地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。この場合において、当該市町村地域防災計画は、防災業務計画又は当該市町村を包括する都道府県の都道府県地域防災計画に抵触するものであってはならない。
2 市町村地域防災計画は、おおむね次に掲げる事項について定めるものとする。
一 当該市町村の地域に係る防災に関し、当該市町村及び当該市町村の区域内の公共的団体その他防災上重要な施設の管理者(第4項において「当該市町村等」という。)の処理すべき事務又は業務の大綱
二 当該市町村の地域に係る防災施設の新設又は改良、防災のための調査研究、教育及び訓練その他の災害予防、情報の収集及び伝達、災害に関する予報又は警報の発令及び伝達、避難、消火、水防、救難、救助、衛生その他の災害応急対策並びに災害復旧に関する事項別の計画
三 当該市町村の地域に係る災害に関する前号に掲げる措置に要する労務、施設、設備、物資、資金等の整備、備蓄、調達、配分、輸送、通信等に関する計画
3 市町村地域防災計画は、前項各号に掲げるもののほか、市町村内の一定の地区内の居住者及び当該地区に事業所を有する事業者(以下この項及び次条において「地区居住者等」という。)が共同して行う防災訓練、地区居住者等による防災活動に必要な物資及び資材の備蓄、災害が発生した場合における地区居住者等の相互の支援その他の当該地区における防災活動に関する計画(同条において「地区防災計画」という。)について定めることができる。
4 市町村防災会議は、市町村地域防災計画を定めるに当たっては、災害が発生した場合において当該市町村等が円滑に他の者の応援を受け、又は他の者を応援することができるよう配慮するものとする。
5 市町村防災会議は、第1項の規定により市町村地域防災計画を作成し、又は修正したときは、速やかにこれを都道府県知事に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
6 都道府県知事は、前項の規定により市町村地域防災計画について報告を受けたときは、都道府県防災会議の意見を聴くものとし、必要があると認めるときは、当該市町村防災会議に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
7 第21条の規定は、市町村長が第1項の規定により市町村地域防災計画を作成し、又は修正する場合について準用する。
第42条の2 地区居住者等は、共同して、市町村防災会議に対し、市町村地域防災計画に地区防災計画を定めることを提案することができる。この場合においては、当該提案に係る地区防災計画の素案を添えなければならない。
2 前項の規定による提案(以下この条において「計画提案」という。)は、当該計画提案に係る地区防災計画の素案の内容が、市町村地域防災計画に抵触するものでない場合に、内閣府令で定めるところにより行うものとする。
3 市町村防災会議は、計画提案が行われたときは、遅滞なく、当該計画提案を踏まえて市町村地域防災計画に地区防災計画を定める必要があるかどうかを判断し、その必要があると認めるときは、市町村地域防災計画に地区防災計画を定めなければならない。
4 市町村防災会議は、前項の規定により同項の判断をした結果、計画提案を踏まえて市町村地域防災計画に地区防災計画を定める必要がないと決定したときは、遅滞なく、その旨及びその理由を、当該計画提案をした地区居住者等に通知しなければならない。
5 市町村地域防災計画に地区防災計画が定められた場合においては、当該地区防災計画に係る地区居住者等は、当該地区防災計画に従い、防災活動を実施するように努めなければならない。
(都道府県相互間地域防災計画)
第43条 都道府県防災会議の協議会は、防災基本計画に基づき、当該地域に係る都道府県相互間地域防災計画を作成し、及び毎年都道府県相互間地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。この場合において、当該都道府県相互間地域防災計画は、防災業務計画に抵触するものであってはならない。
2 都道府県相互間地域防災計画は、第40条第2項各号に掲げる事項の全部又は一部について定めるものとする。
3 第40条第3項から第5項までの規定は、都道府県相互間地域防災計画について準用する。この場合において、これらの規定中「都道府県防災会議」とあるのは、「都道府県防災会議の協議会」と読み替えるものとする。
(市町村相互間地域防災計画)
第44条 市町村防災会議の協議会は、防災基本計画に基づき、当該地域に係る市町村相互間地域防災計画を作成し、及び毎年市町村相互間地域防災計画に検討を加え、必要があると認めるときは、これを修正しなければならない。この場合において、当該市町村相互間地域防災計画は、防災業務計画又は当該市町村を包括する都道府県の都道府県地域防災計画に抵触するものであってはならない。
2 市町村相互間地域防災計画は、第42条第2項各号に掲げる事項の全部又は一部について定めるものとする。
3 第42条第4項から第6項までの規定は、市町村相互間地域防災計画について準用する。この場合において、これらの規定中「市町村防災会議」とあるのは、「市町村防災会議の協議会」と読み替えるものとする。
(地域防災計画の実施の推進のための要請等)
第45条 地方防災会議の会長又は地方防災会議の協議会の代表者は、地域防災計画の的確かつ円滑な実施を推進するため必要があると認めるときは、都道府県防災会議又はその協議会にあっては当該都道府県の区域の全部又は一部を管轄する指定地方行政機関の長、当該都道府県及びその区域内の市町村の長その他の執行機関、指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者その他の関係者に対し、市町村防災会議又はその協議会にあっては当該市町村の長その他の執行機関及び当該市町村の区域内の公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者その他の関係者に対し、これらの者が当該防災計画に基づき処理すべき事務又は業務について、それぞれ、必要な要請、勧告又は指示をすることができる。
2 地方防災会議の会長又は地方防災会議の協議会の代表者は、都道府県防災会議又はその協議会にあっては当該都道府県の区域の全部又は一部を管轄する指定地方行政機関の長、当該都道府県及びその区域内の市町村の長その他の執行機関、指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者その他の関係者に対し、市町村防災会議又はその協議会にあっては当該市町村の長その他の執行機関及び当該市町村の区域内の公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者その他の関係者に対し、それぞれ、地域防災計画の実施状況について、報告又は資料の提出を求めることができる。
第4章 災害予防
第1節 通則
(災害予防及びその実施責任)
第46条 災害予防は、次に掲げる事項について、災害の発生又は拡大を未然に防止するために行うものとする。
一 防災に関する組織の整備に関する事項
二 防災に関する教育及び訓練に関する事項
三 防災に関する物資及び資材の備蓄、整備及び点検に関する事項
四 防災に関する施設及び設備の整備及び点検に関する事項
五 災害が発生した場合における相互応援の円滑な実施及び民間の団体の協力の確保のためにあらかじめ講ずべき措置に関する事項
六 要配慮者の生命又は身体を災害から保護するためにあらかじめ講ずべき措置に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、災害が発生した場合における災害応急対策の実施の支障となるべき状態等の改善に関する事項
2 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関その他法令の規定により災害予防の実施について責任を有する者は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害予防を実施しなければならない。
(防災に関する組織の整備義務)
第47条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者(以下この章において「災害予防責任者」という。)は、法令又は防災計画の定めるところにより、それぞれ、その所掌事務又は業務について、災害を予測し、予報し、又は災害に関する情報を迅速に伝達するため必要な組織を整備するとともに、絶えずその改善に努めなければならない。
2 前項に規定するもののほか、災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、それぞれ、防災業務計画又は地域防災計画を的確かつ円滑に実施するため、防災に関する組織を整備するとともに、防災に関する事務又は業務に従事する職員の配置及び服務の基準を定めなければならない。
(防災教育の実施)
第47条の2 災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、それぞれ又は他の災害予防責任者と共同して、その所掌事務又は業務について、防災教育の実施に努めなければならない。
2 災害予防責任者は、前項の防災教育を行おうとするときは、教育機関その他の関係のある公私の団体に協力を求めることができる。
(防災訓練義務)
第48条 災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、それぞれ又は他の災害予防責任者と共同して、防災訓練を行なわなければならない。
2 都道府県公安委員会は、前項の防災訓練の効果的な実施を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該防災訓練の実施に必要な限度で、区域又は道路の区間を指定して、歩行者又は車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
3 災害予防責任者の属する機関の職員その他の従業員又は災害予防責任者の使用人その他の従業者は、防災計画及び災害予防責任者の定めるところにより、第1項の防災訓練に参加しなければならない。
4 災害予防責任者は、第1項の防災訓練を行おうとするときは、住民その他関係のある公私の団体に協力を求めることができる。
(防災に必要な物資及び資材の備蓄等の義務)
第49条 災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務又は業務に係る災害応急対策又は災害復旧に必要な物資及び資材を備蓄し、整備し、若しくは点検し、又はその管理に属する防災に関する施設及び設備を整備し、若しくは点検しなければならない。
(円滑な相互応援の実施のために必要な措置)
第49条の2 災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務又は業務について、災害応急対策又は災害復旧の実施に際し他の者の応援を受け、又は他の者を応援することを必要とする事態に備え、相互応援に関する協定の締結、共同防災訓練の実施その他円滑に他の者の応援を受け、又は他の者を応援するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(物資供給事業者等の協力を得るために必要な措置)
第49条の3 災害予防責任者は、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務又は業務について、災害応急対策又は災害復旧の実施に際し物資供給事業者等(災害応急対策又は災害復旧に必要な物資若しくは資材又は役務の供給又は提供を業とする者その他災害応急対策又は災害復旧に関する活動を行う民間の団体をいう。以下この条において同じ。)の協力を得ることを必要とする事態に備え、協定の締結その他円滑に物資供給事業者等の協力を得るために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第2節 指定緊急避難場所及び指定避難所の指定等
(指定緊急避難場所の指定)
第49条の4 市町村長は、防災施設の整備の状況、地形、地質その他の状況を総合的に勘案し、必要があると認めるときは、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合における円滑かつ迅速な避難のための立退きの確保を図るため、政令で定める基準に適合する施設又は場所を、洪水、津波その他の政令で定める異常な現象の種類ごとに、指定緊急避難場所として指定しなければならない。
2 市町村長は、前項の規定により指定緊急避難場所を指定しようとするときは、当該指定緊急避難場所の管理者(当該市町村を除く。次条において同じ。)の同意を得なければならない。
3 市町村長は、第1項の規定による指定をしたときは、その旨を、都道府県知事に通知するとともに、公示しなければならない。
(指定緊急避難場所に関する届出)
第49条の5 指定緊急避難場所の管理者は、当該指定緊急避難場所を廃止し、又は改築その他の事由により当該指定緊急避難場所の現状に政令で定める重要な変更を加えようとするときは、内閣府令で定めるところにより市町村長に届け出なければならない。
(指定の取消し)
第49条の6 市町村長は、当該指定緊急避難場所が廃止され、又は第49条の4第1項の政令で定める基準に適合しなくなったと認めるときは、同項の規定による指定を取り消すものとする。
2 市町村長は、前項の規定により第49条の4第1項の規定による指定を取り消したときは、その旨を、都道府県知事に通知するとともに、公示しなければならない。
(指定避難所の指定)
第49条の7 市町村長は、想定される災害の状況、人口の状況その他の状況を勘案し、災害が発生した場合における適切な避難所(避難のための立退きを行った居住者、滞在者その他の者(以下「居住者等」という。)を避難のために必要な間滞在させ、又は自ら居住の場所を確保することが困難な被災した住民(以下「被災住民」という。)その他の被災者を一時的に滞在させるための施設をいう。以下同じ。)の確保を図るため、政令で定める基準に適合する公共施設その他の施設を指定避難所として指定しなければならない。
2 第49条の4第2項及び第3項並びに前2条の規定は、指定避難所について準用する。この場合において、第49条の4第2項中「前項」とあり、及び同条第3項中「第1項」とあるのは「第49条の7第1項」と、前条中「第49条の4第1項」とあるのは「次条第1項」と読み替えるものとする。
3 都道府県知事は、前項において準用する第49条の4第3項又は前条第2項の規定による通知を受けたときは、その旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。
(指定緊急避難場所と指定避難所との関係)
第49条の8 指定緊急避難場所と指定避難所とは、相互に兼ねることができる。
(居住者等に対する周知のための措置)
第49条の9 市町村長は、居住者等の円滑な避難のための立退きに資するよう、内閣府令で定めるところにより、災害に関する情報の伝達方法、指定緊急避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項その他円滑な避難のための立退きを確保する上で必要な事項を居住者等に周知させるため、これらの事項を記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第3節 避難行動要支援者名簿の作成等
(避難行動要支援者名簿の作成)
第49条の10 市町村長は、当該市町村に居住する要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するもの(以下「避難行動要支援者」という。)の把握に努めるとともに、地域防災計画の定めるところにより、避難行動要支援者について避難の支援、安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要な措置(以下「避難支援等」という。)を実施するための基礎とする名簿(以下この条及び次条第1項において「避難行動要支援者名簿」という。)を作成しておかなければならない。
2 避難行動要支援者名簿には、避難行動要支援者に関する次に掲げる事項を記載し、又は記録するものとする。
一 氏名
二 生年月日
三 性別
四 住所又は居所
五 電話番号その他の連絡先
六 避難支援等を必要とする事由
七 前各号に掲げるもののほか、避難支援等の実施に関し市町村長が必要と認める事項
3 市町村長は、第1項の規定による避難行動要支援者名簿の作成に必要な限度で、その保有する要配慮者の氏名その他の要配慮者に関する情報を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
4 市町村長は、第1項の規定による避難行動要支援者名簿の作成のため必要があると認めるときは、関係都道府県知事その他の者に対して、要配慮者に関する情報の提供を求めることができる。
(名簿情報の利用及び提供)
第49条の11 市町村長は、避難支援等の実施に必要な限度で、前条第1項の規定により作成した避難行動要支援者名簿に記載し、又は記録された情報(以下「名簿情報」という。)を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 市町村長は、災害の発生に備え、避難支援等の実施に必要な限度で、地域防災計画の定めるところにより、消防機関、都道府県警察、民生委員法(昭和23年法律第198号)に定める民生委員、社会福祉法(昭和26年法律第45号)第109条第1項に規定する市町村社会福祉協議会、自主防災組織その他の避難支援等の実施に携わる関係者(次項において「避難支援等関係者」という。)に対し、名簿情報を提供するものとする。ただし、当該市町村の条例に特別の定めがある場合を除き、名簿情報を提供することについて本人(当該名簿情報によって識別される特定の個人をいう。次項において同じ。)の同意が得られない場合は、この限りでない。
3 市町村長は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために特に必要があると認めるときは、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者その他の者に対し、名簿情報を提供することができる。この場合においては、名簿情報を提供することについて本人の同意を得ることを要しない。
(名簿情報を提供する場合における配慮)
第49条の12 市町村長は、前条第2項又は第3項の規定により名簿情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報の提供を受ける者に対して名簿情報の漏えいの防止のために必要な措置を講ずるよう求めることその他の当該名簿情報に係る避難行動要支援者及び第三者の権利利益を保護するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(秘密保持義務)
第49条の13 第49条の11第2項若しくは第3項の規定により名簿情報の提供を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員その他の当該名簿情報を利用して避難支援等の実施に携わる者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、当該名簿情報に係る避難行動要支援者に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第5章 災害応急対策
第1節 通則
(災害応急対策及びその実施責任)
第50条 災害応急対策は、次に掲げる事項について、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に災害の発生を防御し、又は応急的救助を行う等災害の拡大を防止するために行うものとする。
一 警報の発令及び伝達並びに避難の勧告又は指示に関する事項
二 消防、水防その他の応急措置に関する事項
三 被災者の救難、救助その他保護に関する事項
四 災害を受けた児童及び生徒の応急の教育に関する事項
五 施設及び設備の応急の復旧に関する事項
六 廃棄物の処理及び清掃、防疫その他の生活環境の保全及び公衆衛生に関する事項
七 犯罪の予防、交通の規制その他災害地における社会秩序の維持に関する事項
八 緊急輸送の確保に関する事項
九 前各号に掲げるもののほか、災害の発生の防御又は拡大の防止のための措置に関する事項
2 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関その他法令の規定により災害応急対策の実施の責任を有する者は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害応急対策に従事する者の安全の確保に十分に配慮して、災害応急対策を実施しなければならない。
(情報の収集及び伝達等)
第51条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者(以下「災害応急対策責任者」という。)は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害に関する情報の収集及び伝達に努めなければならない。
2 災害応急対策責任者は、前項の災害に関する情報の収集及び伝達に当たっては、地理空間情報(地理空間情報活用推進基本法(平成19年法律第63号)第2条第1項に規定する地理空間情報をいう。)の活用に努めなければならない。
3 災害応急対策責任者は、災害に関する情報を共有し、相互に連携して災害応急対策の実施に努めなければならない。
(国民に対する周知)
第51条の2 内閣総理大臣は、非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、避難のため緊急の必要があると認めるときは、法令又は防災計画の定めるところにより、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置について、国民に対し周知させる措置をとらなければならない。
(防災信号)
第52条 市町村長が災害に関する警報の発令及び伝達、警告並びに避難の勧告及び指示のため使用する防災に関する信号の種類、内容及び様式又は方法については、他の法令に特別の定めがある場合を除くほか、内閣府令で定める。
2 何人も、みだりに前項の信号又はこれに類似する信号を使用してはならない。
(被害状況等の報告)
第53条 市町村は、当該市町村の区域内に災害が発生したときは、政令で定めるところにより、速やかに、当該災害の状況及びこれに対して執られた措置の概要を都道府県(都道府県に報告ができない場合にあっては、内閣総理大臣)に報告しなければならない。
2 都道府県は、当該都道府県の区域内に災害が発生したときは、政令で定めるところにより、速やかに、当該災害の状況及びこれに対して執られた措置の概要を内閣総理大臣に報告しなければならない。
3 指定公共機関の代表者は、その業務に係る災害が発生したときは、政令で定めるところにより、すみやかに、当該災害の状況及びこれに対してとられた措置の概要を内閣総理大臣に報告しなければならない。
4 指定行政機関の長は、その所掌事務に係る災害が発生したときは、政令で定めるところにより、すみやかに、当該災害の状況及びこれに対してとられた措置の概要を内閣総理大臣に報告しなければならない。
5 第1項から前項までの規定による報告に係る災害が非常災害であると認められるときは、市町村、都道府県、指定公共機関の代表者又は指定行政機関の長は、当該非常災害の規模の把握のため必要な情報の収集に特に意を用いなければならない。
6 市町村の区域内に災害が発生した場合において、当該災害の発生により当該市町村が第1項の規定による報告を行うことができなくなったときは、都道府県は、当該災害に関する情報の収集に特に意を用いなければならない。
7 都道府県の区域内に災害が発生した場合において、当該災害の発生により当該都道府県が第2項の規定による報告を行うことができなくなったときは、指定行政機関の長は、その所掌事務に係る災害に関する情報の収集に特に意を用いなければならない。
8 内閣総理大臣は、第1項から第4項までの規定による報告を受けたときは、当該報告に係る事項を中央防災会議に通報するものとする。
第2節 警報の伝達等
(発見者の通報義務等)
第54条 災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は、遅滞なく、その旨を市町村長又は警察官若しくは海上保安官に通報しなければならない。
2 何人も、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
3 第1項の通報を受けた警察官又は海上保安官は、その旨をすみやかに市町村長に通報しなければならない。
4 第1項又は前項の通報を受けた市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、その旨を気象庁その他の関係機関に通報しなければならない。
(都道府県知事の通知等)
第55条 都道府県知事は、法令の規定により、気象庁その他の国の機関から災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、又は自ら災害に関する警報をしたときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置について、関係指定地方行政機関の長、指定地方公共機関、市町村長その他の関係者に対し、必要な通知又は要請をするものとする。
(市町村長の警報の伝達及び警告)
第56条 市町村長は、法令の規定により災害に関する予報若しくは警報の通知を受けたとき、自ら災害に関する予報若しくは警報を知ったとき、法令の規定により自ら災害に関する警報をしたとき、又は前条の通知を受けたときは、地域防災計画の定めるところにより、当該予報若しくは警報又は通知に係る事項を関係機関及び住民その他関係のある公私の団体に伝達しなければならない。この場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、住民その他関係のある公私の団体に対し、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき避難のための立退きの準備その他の措置について、必要な通知又は警告をすることができる。
2 市町村長は、前項の規定により必要な通知又は警告をするに当たっては、要配慮者が第60条第1項の規定による避難のための立退きの勧告又は指示を受けた場合に円滑に避難のための立退きを行うことができるよう特に配慮しなければならない。
(警報の伝達等のための通信設備の優先利用等)
第57条 前2条の規定による通知、要請、伝達又は警告が緊急を要するものである場合において、その通信のため特別の必要があるときは、都道府県知事又は市町村長は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、政令で定めるところにより、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第5号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、若しくは有線電気通信法(昭和28年法律第96号)第3条第4項第4号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用し、又は放送法(昭和25年法律第132号)第2条第23号に規定する基幹放送事業者に放送を行うことを求め、若しくはインターネットを利用した情報の提供に関する事業活動であって政令で定めるものを行う者にインターネットを利用した情報の提供を行うことを求めることができる。
第3節 事前措置及び避難
(市町村長の出動命令等)
第58条 市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、法令又は市町村地域防災計画の定めるところにより、消防機関若しくは水防団に出動の準備をさせ、若しくは出動を命じ、又は消防吏員(当該市町村の職員である者を除く。)、警察官若しくは海上保安官の出動を求める等災害応急対策責任者に対し、応急措置の実施に必要な準備をすることを要請し、若しくは求めなければならない。
(市町村長の事前措置等)
第59条 市町村長は、災害が発生するおそれがあるときは、災害が発生した場合においてその災害を拡大させるおそれがあると認められる設備又は物件の占有者、所有者又は管理者に対し、災害の拡大を防止するため必要な限度において、当該設備又は物件の除去、保安その他必要な措置をとることを指示することができる。
2 警察署長又は政令で定める管区海上保安本部の事務所の長(以下この項、第64条及び第66条において「警察署長等」という。)は、市町村長から要求があったときは、前項に規定する指示を行なうことができる。この場合において、同項に規定する指示を行なったときは、警察署長等は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
(市町村長の避難の指示等)
第60条 災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の居住者等に対し、避難のための立退きを勧告し、及び急を要すると認めるときは、これらの者に対し、避難のための立退きを指示することができる。
2 前項の規定により避難のための立退きを勧告し、又は指示する場合において、必要があると認めるときは、市町村長は、その立退き先として指定緊急避難場所その他の避難場所を指示することができる。
3 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、避難のための立退きを行うことによりかえって人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがあると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の居住者等に対し、屋内での待避その他の屋内における避難のための安全確保に関する措置(以下「屋内での待避等の安全確保措置」という。)を指示することができる。
4 市町村長は、第1項の規定により避難のための立退きを勧告し、若しくは指示し、若しくは立退き先を指示し、又は前項の規定により屋内での待避等の安全確保措置を指示したときは、速やかに、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。
5 市町村長は、避難の必要がなくなったときは、直ちに、その旨を公示しなければならない。前項の規定は、この場合について準用する。
6 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったときは、当該市町村の市町村長が第1項から第3項まで及び前項前段の規定により実施すべき措置の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。
7 都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
8 第6項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
(警察官等の避難の指示)
第61条 前条第1項又は第3項の場合において、市町村長が同条第1項に規定する避難のための立退き若しくは屋内での待避等の安全確保措置を指示することができないと認めるとき、又は市町村長から要求があったときは、警察官又は海上保安官は、必要と認める地域の居住者等に対し、避難のための立退き又は屋内での待避等の安全確保措置を指示することができる。
2 前条第2項の規定は、警察官又は海上保安官が前項の規定により避難のための立退きを指示する場合について準用する。
3 警察官又は海上保安官は、第1項の規定により避難のための立退き又は屋内での待避等の安全確保措置を指示したときは、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
4 前条第4項及び第5項の規定は、前項の通知を受けた市町村長について準用する。
(指定行政機関の長等による助言)
第61条の2 市町村長は、第60条第1項の規定により避難のための立退きを勧告し、若しくは指示し、又は同条第3項の規定により屋内での待避等の安全確保措置を指示しようとする場合において、必要があると認めるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事に対し、当該勧告又は指示に関する事項について、助言を求めることができる。この場合において、助言を求められた指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は、その所掌事務に関し、必要な助言をするものとする。
(避難の指示等のための通信設備の優先利用等)
第61条の3 第57条の規定は、市町村長が第60条第1項の規定により避難のための立退きを勧告し、若しくは指示し、又は同条第3項の規定により屋内での待避等の安全確保措置を指示する場合(同条第6項の規定により都道府県知事が市町村長の事務を代行する場合を含む。)について準用する。
第4節 応急措置等
(市町村の応急措置)
第62条 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、消防、水防、救助その他災害の発生を防禦し、又は災害の拡大を防止するために必要な応急措置(以下「応急措置」という。)をすみやかに実施しなければならない。
2 市町村の委員会又は委員、市町村の区域内の公共的団体及び防災上重要な施設の管理者その他法令の規定により応急措置の実施の責任を有する者は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、地域防災計画の定めるところにより、市町村長の所轄の下にその所掌事務若しくは所掌業務に係る応急措置を実施し、又は市町村長の実施する応急措置に協力しなければならない。
(市町村長の警戒区域設定権等)
第63条 災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。
2 前項の場合において、市町村長若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行なう市町村の職員が現場にいないとき、又はこれらの者から要求があったときは、警察官又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行なうことができる。この場合において、同項に規定する市町村長の職権を行なったときは、警察官又は海上保安官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
3 第1項の規定は、市町村長その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、自衛隊法(昭和29年法律第165号)第83条第2項の規定により派遣を命ぜられた同法第8条に規定する部隊等の自衛官(以下「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」という。)の職務の執行について準用する。この場合において、第1項に規定する措置をとったときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
4 第61条の2の規定は、第1項の規定により警戒区域を設定しようとする場合について準用する。
(応急公用負担等)
第64条 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該市町村の区域内の他人の土地、建物その他の工作物を一時使用し、又は土石、竹木その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。
2 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、現場の災害を受けた工作物又は物件で当該応急措置の実施の支障となるもの(以下この条において「工作物等」という。)の除去その他必要な措置をとることができる。この場合において、工作物等を除去したときは、市町村長は、当該工作物等を保管しなければならない。
3 市町村長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。
4 市町村長は、第2項後段の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又はその保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。
5 前3項に規定する工作物等の保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とし、その費用の徴収については、行政代執行法(昭和23年法律第43号)第5条及び第6条の規定を準用する。
6 第3項に規定する公示の日から起算して6月を経過してもなお第2項後段の規定により保管した工作物等(第4項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該市町村長の統轄する市町村に帰属する。
7 前条第2項の規定は、第1項及び第2項前段の場合について準用する。
8 第1項及び第2項前段の規定は、市町村長その他第1項又は第2項前段に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、第1項又は第2項前段に規定する措置をとったときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
9 警察官、海上保安官又は災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、第7項において準用する前条第2項又は前項において準用する第2項前段の規定により工作物等を除去したときは、当該工作物等を当該工作物等が設置されていた場所を管轄する警察署長等又は内閣府令で定める自衛隊法第8条に規定する部隊等の長(以下この条において「自衛隊の部隊等の長」という。)に差し出さなければならない。この場合において、警察署長等又は自衛隊の部隊等の長は、当該工作物等を保管しなければならない。
10 前項の規定により警察署長等又は自衛隊の部隊等の長が行う工作物等の保管については、第3項から第6項までの規定の例によるものとする。ただし、第3項の規定の例により公示した日から起算して6月を経過してもなお返還することができない工作物等の所有権は、警察署長が保管する工作物等にあっては当該警察署の属する都道府県に、政令で定める管区海上保安本部の事務所の長又は自衛隊の部隊等の長が保管する工作物等にあっては国に、それぞれ帰属するものとする。
第65条 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、当該市町村の区域内の住民又は当該応急措置を実施すべき現場にある者を当該応急措置の業務に従事させることができる。
2 第63条第2項の規定は、前項の場合について準用する。
3 第1項の規定は、市町村長その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同項に規定する措置をとったときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。
(災害時における漂流物等の処理の特例)
第66条 災害が発生した場合において、水難救護法(明治32年法律第95号)第29条第1項に規定する漂流物又は沈没品を取り除いたときは、警察署長等は、同項の規定にかかわらず、当該物件を保管することができる。
2 水難救護法第2章の規定は、警察署長等が前項の規定により漂流物又は沈没品を保管した場合について準用する。
(他の市町村長等に対する応援の要求)
第67条 市町村長等は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、他の市町村の市町村長等に対し、応援を求めることができる。この場合において、応急措置を実施するための応援を求められた市町村長等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
2 前項の応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を求めた市町村長等の指揮の下に行動するものとする。
(都道府県知事等に対する応援の要求等)
第68条 市町村長等は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事等に対し、応援を求め、又は災害応急対策の実施を要請することができる。この場合において、応援を求められ、又は災害応急対策の実施を要請された都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援又は災害応急対策の実施を拒んではならない。
(災害派遣の要請の要求等)
第68条の2 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、自衛隊法第83条第1項の規定による要請(次項において「要請」という。)をするよう求めることができる。この場合において、市町村長は、その旨及び当該市町村の地域に係る災害の状況を防衛大臣又はその指定する者に通知することができる。
2 市町村長は、前項の要求ができない場合には、その旨及び当該市町村の地域に係る災害の状況を防衛大臣又はその指定する者に通知することができる。この場合において、当該通知を受けた防衛大臣又はその指定する者は、その事態に照らし特に緊急を要し、要請を待ついとまがないと認められるときは、人命又は財産の保護のため、要請を待たないで、自衛隊法第8条に規定する部隊等を派遣することができる。
3 市町村長は、前2項の通知をしたときは、速やかに、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
(災害時における事務の委託の手続の特例)
第69条 市町村は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第252条の14及び第252条の15の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務又は市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託して、当該地方公共団体の長その他の執行機関にこれを管理し、及び執行させることができる。
(都道府県の応急措置)
第70条 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置をすみやかに実施しなければならない。この場合において、都道府県知事は、その区域内の市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれることとなるように努めなければならない。
2 都道府県の委員会又は委員は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は地域防災計画の定めるところにより、都道府県知事の所轄の下にその所掌事務に係る応急措置を実施しなければならない。
3 第1項の場合において、応急措置を実施するため、又はその区域内の市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行われるようにするため必要があると認めるときは、都道府県知事は、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は当該都道府県の他の執行機関、指定公共機関若しくは指定地方公共機関に対し、応急措置の実施を要請し、又は求めることができる。この場合において、応急措置の実施を要請された指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、正当な理由がない限り、応急措置の実施を拒んではならない。
(都道府県知事の従事命令等)
第71条 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、第50条第1項第4号から第9号までに掲げる事項について応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、災害救助法(昭和22年法律第118号)第7条から第10条までの規定の例により、従事命令、協力命令若しくは保管命令を発し、施設、土地、家屋若しくは物資を管理し、使用し、若しくは収用し、又はその職員に施設、土地、家屋若しくは物資の所在する場所若しくは物資を保管させる場所に立ち入り検査をさせ、若しくは物資を保管させた者から必要な報告を取ることができる。
2 前項の規定による都道府県知事の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、その一部を市町村長が行うこととすることができる。
(都道府県知事の指示等)
第72条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため特に必要があると認めるときは、市町村長に対し、応急措置の実施について必要な指示をし、又は他の市町村長を応援すべきことを指示することができる。
2 都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の実施する災害応急対策(応急措置を除く。以下この項において同じ。)が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、市町村長に対し、災害応急対策の実施を求め、又は他の市町村長を応援することを求めることができる。
3 前2項の規定による都道府県知事の指示又は要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける市町村長の指揮の下に行動するものとする。
(都道府県知事による応急措置の代行)
第73条 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行なうことができなくなったときは、当該市町村の市町村長が第63条第1項、第64条第1項及び第2項並びに第65条第1項の規定により実施すべき応急措置の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
3 第1項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
(都道府県知事等に対する応援の要求)
第74条 都道府県知事等は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。この場合において、応急措置を実施するための応援を求められた都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
2 前項の応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を求めた都道府県知事等の指揮の下に行動するものとする。この場合において、警察官にあっては、当該応援を求めた都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行うものとする。
(都道府県知事による応援の要求)
第74条の2 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、第72条第1項の規定による指示又は同条第2項の規定による要求のみによっては当該都道府県の区域内の市町村の実施する災害応急対策に係る応援が円滑に実施されないと認めるときは、他の都道府県知事に対し、当該災害が発生した市町村の市町村長(次項及び次条において「災害発生市町村長」という。)を応援することを求めることができる。
2 前項の規定による要求を受けた都道府県知事は、当該要求に応じ応援をする場合において、災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の市町村長に対し、当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。
3 前2項の規定による都道府県知事の要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける市町村長の指揮の下に行動するものとする。
(内閣総理大臣による応援の要求等)
第74条の3 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、第72条第1項の規定による指示又は同条第2項、第74条第1項若しくは前条第1項の規定による要求のみによっては災害応急対策に係る応援が円滑に実施されないと認めるときは、内閣総理大臣に対し、他の都道府県の知事に対し当該災害が発生した都道府県の知事(以下この条において「災害発生都道府県知事」という。)又は災害発生市町村長を応援することを求めるよう求めることができる。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による要求があった場合において、災害発生都道府県知事及び災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、当該災害発生都道府県知事以外の都道府県知事に対し、当該災害発生都道府県知事又は当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。
3 内閣総理大臣は、災害が発生した場合であって、災害発生都道府県知事及び災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認める場合において、その事態に照らし特に緊急を要し、第1項の規定による要求を待ついとまがないと認められるときは、当該要求を待たないで、当該災害発生都道府県知事以外の都道府県知事に対し、当該災害発生都道府県知事又は当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。この場合において、内閣総理大臣は、当該災害発生都道府県知事に対し、速やかにその旨を通知するものとする。
4 災害発生都道府県知事以外の都道府県知事は、前2項の規定による内閣総理大臣の要求に応じ応援をする場合において、災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の市町村長に対し、当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。
5 第2項又は第3項の規定による内閣総理大臣の要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける都道府県知事の指揮の下に行動するものとする。
6 第4項の規定による都道府県知事の要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける市町村長の指揮の下に行動するものとする。
(指定行政機関の長等に対する応援の要求等)
第74条の4 第70条第3項に規定するもののほか、都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、応援を求め、又は災害応急対策の実施を要請することができる。この場合において、応援を求められ、又は災害応急対策の実施を要請された指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、正当な理由がない限り、応援又は災害応急対策の実施を拒んではならない。
(災害時における事務の委託の手続の特例)
第75条 都道府県は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第252条の14及び第252条の15の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務又は都道府県知事等の権限に属する事務の一部を他の都道府県に委託して、当該都道府県の都道府県知事等にこれを管理し、及び執行させることができる。
(災害時における交通の規制等)
第76条 都道府県公安委員会は、当該都道府県又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、道路の区間(災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場所及びこれらの周辺の地域にあっては、区域又は道路の区間)を指定して、緊急通行車両(道路交通法(昭和35年法律第105号)第39条第1項の緊急自動車その他の車両で災害応急対策の的確かつ円滑な実施のためその通行を確保することが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。)以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。
2 前項の規定による通行の禁止又は制限(以下「通行禁止等」という。)が行われたときは、当該通行禁止等を行った都道府県公安委員会及び当該都道府県公安委員会と管轄区域が隣接し又は近接する都道府県公安委員会は、直ちに、それぞれの都道府県の区域内に在る者に対し、通行禁止等に係る区域又は道路の区間(次条第4項及び第76条の3第1項において「通行禁止区域等」という。)その他必要な事項を周知させる措置をとらなければならない。
第76条の2 道路の区間に係る通行禁止等が行われたときは、当該道路の区間に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を当該道路の区間以外の場所へ移動しなければならない。この場合において、当該車両を速やかに当該道路の区間以外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿って駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。
2 区域に係る通行禁止等が行われたときは、当該区域に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を道路外の場所へ移動しなければならない。この場合において、当該車両を速やかに道路外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿って駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。
3 前2項の規定による駐車については、道路交通法第3章第9節及び第75条の8の規定は、適用しない。
4 第1項及び第2項の規定にかかわらず、通行禁止区域等に在る車両の運転者は、警察官の指示を受けたときは、その指示に従って車両を移動し、又は駐車しなければならない。
5 第1項、第2項又は前項の規定による車両の移動又は駐車については、前条第1項の規定による車両の通行の禁止及び制限は、適用しない。
第76条の3 警察官は、通行禁止区域等において、車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認めるときは、当該車両その他の物件の占有者、所有者又は管理者に対し、当該車両その他の物件を付近の道路外の場所へ移動することその他当該通行禁止区域等における緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。
2 前項の場合において、同項の規定による措置をとることを命ぜられた者が当該措置をとらないとき又はその命令の相手方が現場にいないために当該措置をとることを命ずることができないときは、警察官は、自ら当該措置をとることができる。この場合において、警察官は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両その他の物件を破損することができる。
3 前2項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、第1項中「緊急通行車両の通行」とあるのは「自衛隊用緊急通行車両(自衛隊の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、「緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは「自衛隊用緊急通行車両の円滑な通行」と読み替えるものとする。
4 第1項及び第2項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、消防吏員の職務の執行について準用する。この場合において、第1項中「緊急通行車両の通行」とあるのは「消防用緊急通行車両(消防機関の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、「緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは「消防用緊急通行車両の円滑な通行」と読み替えるものとする。
5 第1項(前2項において準用する場合を含む。)の規定による命令に従って行う措置及び第2項(前2項において準用する場合を含む。)の規定により行う措置については、第76条第1項の規定による車両の通行の禁止及び制限並びに前条第1項、第2項及び第4項の規定は、適用しない。
6 災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官又は消防吏員は、第3項若しくは第4項において準用する第1項の規定による命令をし、又は第3項若しくは第4項において準用する第2項の規定による措置をとったときは、直ちに、その旨を、当該命令をし、又は措置をとった場所を管轄する警察署長に通知しなければならない。
第76条の4 都道府県公安委員会は、通行禁止等を行うため必要があると認めるときは、道路管理者等に対し、当該通行禁止等を行おうとする道路の区間において、第76条の6第1項の規定による指定若しくは命令をし、又は同条第3項若しくは第4項の規定による措置をとるべきことを要請することができる。
2 前項の「道路管理者等」とは、道路管理者(高速自動車国道法(昭和32年法律第79号)第4条第1項に規定する高速自動車国道にあっては国土交通大臣、その他の道路にあっては道路法(昭和27年法律第180号)第18条第1項に規定する道路管理者をいう。以下同じ。)、港湾管理者(港湾法第2条第1項に規定する港湾管理者をいい、同条第5項第4号の道路(同条第6項の規定により同号の道路とみなされたものを含む。)を管理している者に限る。第76条の7第2項において同じ。)又は漁港管理者(漁港漁場整備法(昭和25年法律第137号)第25条の規定により決定された地方公共団体をいい、同法第3条第2号イの道路(同法第40条第1項又は第2項の規定により同号イの道路とみなされたものを含む。)を管理している者に限る。第76条の7第3項において同じ。)をいう。
3 会社管理高速道路(道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)第2条第4項に規定する会社(第76条の6第6項及び第7項において「会社」という。)が同法第4条の規定により維持、修繕及び災害復旧を行う高速道路(高速道路株式会社法(平成16年法律第99号)第2条第2項に規定する高速道路をいう。)をいう。第76条の6において同じ。)の区間について第1項の規定による要請をする場合における同項の規定の適用については、同項中「道路管理者等」とあるのは「独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下この項において「機構」という。)」と、「第76条の6第1項」とあるのは「第76条の6第5項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わって機構が行う同条第1項」とする。
4 公社管理道路(地方道路公社(地方道路公社法(昭和45年法律第82号)第1条の地方道路公社をいう。以下同じ。)が道路整備特別措置法第14条の規定により維持、修繕及び災害復旧を行い、又は同法第15条第1項の許可を受けて維持、修繕及び災害復旧を行う道路をいう。第76条の6第8項及び第9項において同じ。)の区間について第1項の規定による要請をする場合における同項の規定の適用については、同項中「道路管理者等」とあるのは「地方道路公社(第4項に規定する地方道路公社をいう。以下この項において同じ。)」と、「第76条の6第1項」とあるのは「第76条の6第8項の規定により公社管理道路の道路管理者に代わって地方道路公社が行う同条第1項」とする。
第76条の5 国家公安委員会は、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、関係都道府県公安委員会に対し、通行禁止等に関する事項について指示することができる。
(災害時における車両の移動等)
第76条の6 第76条の4第2項に規定する道路管理者等(以下この条において「道路管理者等」という。)は、その管理する道路の存する都道府県又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、道路における車両の通行が停止し、又は著しく停滞し、車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあり、かつ、緊急通行車両の通行を確保するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その管理する道路についてその区間を指定して、当該車両その他の物件の占有者、所有者又は管理者(第3項第3号において「車両等の占有者等」という。)に対し、当該車両その他の物件を付近の道路外の場所へ移動することその他当該指定をした道路の区間における緊急通行車両の通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。
2 道路管理者等は、前項の規定による指定をしたときは、直ちに、当該指定をした道路の区間(以下この項において「指定道路区間」という。)内に在る者に対し、当該指定道路区間を周知させる措置をとらなければならない。
3 次に掲げる場合においては、道路管理者等は、自ら第1項の規定による措置をとることができる。この場合において、道路管理者等は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両その他の物件を破損することができる。
一 第1項の規定による措置をとることを命ぜられた者が、当該措置をとらない場合
二 道路管理者等が、第1項の規定による命令の相手方が現場にいないために同項の規定による措置をとることを命ずることができない場合
三 道路管理者等が、道路の状況その他の事情により車両等の占有者等に第1項の規定による措置をとらせることができないと認めて同項の規定による命令をしないこととした場合
4 道路管理者等は、第1項又は前項の規定による措置をとるためやむを得ない必要があるときは、その必要な限度において、他人の土地を一時使用し、又は竹木その他の障害物を処分することができる。
5 独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)は、会社管理高速道路の道路管理者に代わって、第1項から前項までの規定による権限を行うものとする。
6 機構は、前項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わってその権限を行った場合においては、遅滞なく、その旨を会社に通知しなければならない。
7 機構は、第5項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わって行う権限に係る事務の一部を会社に委託しようとするときは、その委託する事務の円滑かつ効率的な実施を確保するため、あらかじめ、会社と協議し、当該委託する事務の内容及びこれに要する費用の負担の方法を定めておかなければならない。
8 地方道路公社は、公社管理道路の道路管理者に代わって、第1項から第4項までの規定による権限を行うものとする。
9 第5項の規定により機構が会社管理高速道路の道路管理者に代わって行う権限は、道路整備特別措置法第25条第1項の規定により公告する料金の徴収期間の満了の日までに限り行うことができるものとする。前項の規定により地方道路公社が公社管理道路の道路管理者に代わって行う権限についても、同様とする。
第76条の7 国土交通大臣は道路法第13条第1項に規定する指定区間外の国道(同法第3条第2号に掲げる一般国道をいう。)、都道府県道(同法第3条第3号に掲げる都道府県道をいう。)及び市町村道(同法第3条第4号に掲げる市町村道をいう。以下この項において同じ。)に関し、都道府県知事は地方自治法第252条の19第1項に規定する指定都市の市道以外の市町村道に関し、緊急通行車両の通行を確保し、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、それぞれ当該道路の道路管理者に対し、前条第1項の規定による指定若しくは命令をし、又は同条第3項若しくは第4項の規定による措置をとるべきことを指示することができる。
2 国土交通大臣は、港湾管理者が管理する道路に関し、緊急通行車両の通行を確保し、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該港湾管理者に対し、前条第1項の規定による指定若しくは命令をし、又は同条第3項若しくは第4項の規定による措置をとるべきことを指示することができる。
3 農林水産大臣は、漁港管理者が管理する道路に関し、緊急通行車両の通行を確保し、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該漁港管理者に対し、前条第1項の規定による指定若しくは命令をし、又は同条第3項若しくは第4項の規定による措置をとるべきことを指示することができる。
第76条の8 第76条の6に規定する道路管理者である国土交通大臣の権限並びに前条第1項及び第2項に規定する国土交通大臣の権限は、政令で定めるところにより、その全部又は一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。
(指定行政機関の長等の応急措置)
第77条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置をすみやかに実施するとともに、都道府県及び市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため、必要な施策を講じなければならない。
2 前項の場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、都道府県知事、市町村長又は指定公共機関若しくは指定地方公共機関に対し、応急措置の実施を要請し、又は指示することができる。
(指定行政機関の長等の収用等)
第78条 災害が発生した場合において、第50条第1項第4号から第9号までに掲げる事項について応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、防災業務計画の定めるところにより、当該応急措置の実施に必要な物資の生産、集荷、販売、配給、保管若しくは輸送を業とする者に対し、その取り扱う物資の保管を命じ、又は当該応急措置の実施に必要な物資を収用することができる。
2 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、前項の規定により物資の保管を命じ、又は物資を収用するため必要があると認めるときは、その職員に物資を保管させる場所又は物資の所在する場所に立ち入り検査をさせることができる。
3 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長は、第1項の規定により物資を保管させた者から、必要な報告を取り、又はその職員に当該物資を保管させてある場所に立ち入り検査をさせることができる。
(指定行政機関の長等による応急措置の代行)
第78条の2 指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、災害の発生により市町村及び当該市町村を包括する都道府県がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなったときは、法令又は防災計画の定めるところにより、当該市町村の市町村長が第64条第1項及び第2項並びに第65条第1項の規定により実施すべき応急措置の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。
2 指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
3 第1項の規定による指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
(通信設備の優先使用権)
第79条 災害が発生した場合において、その応急措置の実施に必要な通信のため緊急かつ特別の必要があるときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事若しくは市町村長は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、電気通信事業法第2条第5号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法第3条第4項第4号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用することができる。
(指定公共機関等の応急措置)
第80条 指定公共機関及び指定地方公共機関は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令又は防災計画の定めるところにより、その所掌業務に係る応急措置をすみやかに実施するとともに、指定地方行政機関の長、都道府県知事等及び市町村長等の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため、必要な措置を講じなければならない。
2 指定公共機関及び指定地方公共機関は、その所掌業務に係る応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、法令又は防災計画の定めるところにより、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事若しくは市町村長に対し、労務、施設、設備又は物資の確保について応援を求めることができる。この場合において、応援を求められた指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事若しくは市町村長は、正当な理由がない限り応援を拒んではならない。
(公用令書の交付)
第81条 第71条又は第78条第1項の規定による処分については、都道府県知事若しくは市町村長又は指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長は、それぞれ公用令書を交付して行なわなければならない。
2 前項の公用令書には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。
一 公用令書の交付を受ける者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
二 当該処分の根拠となった法律の規定
三 従事命令にあっては従事すべき業務、場所及び期間、保管命令にあっては保管すべき物資の種類、数量、保管場所及び期間、施設等の管理、使用又は収用にあっては管理、使用又は収用する施設等の所在する場所及び当該処分に係る期間又は期日
3 前2項に規定するもののほか、公用令書の様式その他公用令書について必要な事項は、政令で定める。
(損失補償等)
第82条 国又は地方公共団体(港務局を含む。)は、第64条第1項(同条第8項において準用する場合を含む。)、同条第7項において同条第1項の場合について準用する第63条第2項、第71条、第76条の3第2項後段(同条第3項及び第4項において準用する場合を含む。)、第76条の6第3項後段若しくは第4項又は第78条第1項の規定による処分が行われたときは、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2 機構又は地方道路公社は、第76条の6第5項又は第8項の規定により同条第3項後段又は第4項の規定による処分が行われたときは、前項の規定にかかわらず、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。
3 都道府県は、第71条の規定による従事命令により応急措置の業務に従事した者に対して、政令で定める基準に従い、その実費を弁償しなければならない。
(立入りの要件)
第83条 第71条の規定により都道府県若しくは市町村の職員が立ち入る場合又は第78条第2項若しくは第3項の規定により指定行政機関若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入る場合においては、当該職員は、あらかじめ、その旨をその場所の管理者に通知しなければならない。
2 前項の場合においては、その職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
(応急措置の業務に従事した者に対する損害補償)
第84条 市町村長又は警察官、海上保安官若しくは災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官が、第65条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定又は同条第2項において準用する第63条第2項の規定により、当該市町村の区域内の住民又は応急措置を実施すべき現場にある者を応急措置の業務に従事させた場合において、当該業務に従事した者がそのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となったときは、当該市町村は、政令で定める基準に従い、条例で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。
2 都道府県は、第71条の規定による従事命令により応急措置の業務に従事した者がそのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となったときは、政令で定める基準に従い、条例で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によって受ける損害を補償しなければならない。
(被災者の公的徴収金の減免等)
第85条 国は、別に法律で定めるところにより、被災者の国税その他国の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる。
2 地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、又は当該地方公共団体の条例で定めるところにより、被災者の地方税その他地方公共団体の徴収金について、軽減若しくは免除又は徴収猶予その他必要な措置をとることができる。
(国有財産等の貸付け等の特例)
第86条 国は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、国有財産又は国有の物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け又は使用の対価を無償とし、若しくは時価より低く定めることができる。
2 地方公共団体は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、その所有に属する財産又は物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け又は使用の対価を無償とし、若しくは時価より低く定めることができる。
(避難所等に関する特例)
第86条の2 著しく異常かつ激甚な非常災害であって、当該災害に係る避難所又は応急仮設住宅(以下この条において「避難所等」という。)が著しく不足し、被災者に対して住居を迅速に提供することが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。
2 前項の規定による指定があったときは、政令で定める区域及び期間において地方公共団体の長が設置する避難所等については、消防法(昭和23年法律第186号)第17条の規定は、適用しない。
3 地方公共団体の長は、前項の規定にかかわらず、消防法に準拠して、同項に規定する避難所等についての消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設の設置及び維持に関する基準を定め、その他当該避難所等における災害を防止し、及び公共の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。
(臨時の医療施設に関する特例)
第86条の3 著しく異常かつ激甚な非常災害であって、当該災害に係る臨時の医療施設(被災者に対する医療の提供を行うための臨時の施設をいう。以下この条において同じ。)が著しく不足し、被災者に対して医療を迅速に提供することが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。
2 前項の規定による指定があったときは、政令で定める区域及び期間において地方公共団体の長が開設する臨時の医療施設については、医療法(昭和23年法律第205号)第4章の規定は、適用しない。
3 前条第2項及び第3項の規定は、第1項の規定による指定があった場合において、前項に規定する臨時の医療施設について準用する。
(埋葬及び火葬の特例)
第86条の4 著しく異常かつ激甚な非常災害であって、当該災害により埋葬又は火葬を円滑に行うことが困難となったため、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定があったときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める期間に限り、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第5条及び第14条に規定する手続の特例を定めることができる。
(廃棄物処理の特例)
第86条の5 著しく異常かつ激甚な非常災害であって、当該災害による生活環境の悪化を防止することが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。
2 環境大臣は、前項の規定による指定があったときは、その指定を受けた災害により生じた廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下この条において「廃棄物処理法」という。)第2条第1項に規定する廃棄物をいう。以下この条において同じ。)(以下この条において「指定災害廃棄物」という。)の円滑かつ迅速な処理を図るため、廃棄物処理法第5条の2第1項に規定する基本方針にのっとり、指定災害廃棄物の処理に関する基本的な指針(以下この条において「処理指針」という。)を定め、これを公表するものとする。
3 処理指針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 指定災害廃棄物の処理の基本的な方向
二 指定災害廃棄物の処理についての国、地方公共団体、事業者その他の関係者の適切な役割分担及び相互の連携協力の確保に関する事項
三 前2号に掲げるもののほか、指定災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理の確保に関し必要な事項
4 環境大臣は、第1項の規定による指定があったときは、期間を限り、廃棄物の処理を迅速に行わなければならない地域を廃棄物処理特例地域として指定することができる。
5 環境大臣は、前項の規定により廃棄物処理特例地域を指定したときは、廃棄物処理特例地域において適用する廃棄物の収集、運搬及び処分(再生を含む。以下この条において同じ。)に関する基準並びに廃棄物の収集、運搬又は処分を市町村以外の者に委託する場合の基準を定めるものとする。この場合において、これらの基準(以下この条において「廃棄物処理特例基準」という。)は、廃棄物処理法第6条の2第2項及び第3項、第12条第1項並びに第12条の2第1項に規定する基準とみなす。
6 廃棄物処理特例地域において地方公共団体の委託を受けて廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行う者は、廃棄物処理法第7条第1項若しくは第6項、第14条第1項若しくは第6項又は第14条の4第1項若しくは第6項の規定にかかわらず、これらの規定による許可を受けないで、当該委託に係る廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行うことができる。
7 前項の場合において、地方公共団体の長は、同項の規定により廃棄物の収集、運搬又は処分を業として行う者により廃棄物処理特例基準に適合しない廃棄物の収集、運搬又は処分が行われたときは、その者に対し、期限を定めて、当該廃棄物の収集、運搬又は処分の方法の変更その他必要な措置を講ずべきことを指示することができる。
8 環境大臣は、第4項の規定により廃棄物処理特例地域を指定し、又は第5項の規定により廃棄物処理特例基準を定めたときは、その旨を公示しなければならない。
9 環境大臣は、廃棄物処理特例地域内の市町村の長から要請があり、かつ、次に掲げる事項を勘案して指定災害廃棄物を円滑かつ迅速に処理するため必要があると認めるときは、その事務の遂行に支障のない範囲内で、処理指針に基づき、当該市町村に代わって自ら当該市町村の指定災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うことができる。
一 当該市町村における指定災害廃棄物の処理の実施体制
二 当該指定災害廃棄物の処理に関する専門的な知識及び技術の必要性
三 当該指定災害廃棄物の広域的な処理の重要性
10 第6項及び第7項の規定は、前項の規定により指定災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行う環境大臣が当該収集、運搬又は処分を他の者に委託する場合について準用する。この場合において、第6項中「若しくは第6項、第14条第1項若しくは第6項又は第14条の4第1項若しくは」とあるのは、「又は」と読み替えるものとする。
11 第9項の規定により指定災害廃棄物の収集、運搬又は処分を行った環境大臣については、廃棄物処理法第19条の4第1項の規定は、適用しない。
12 第9項の規定により環境大臣が行う指定災害廃棄物の収集、運搬及び処分に要する費用は、国の負担とする。この場合において、同項の市町村は、当該費用の額から、自ら当該指定災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うこととした場合に国が当該市町村に交付すべき補助金の額に相当する額を控除した額を負担する。
13 国は、前項後段の規定により市町村が負担する費用について、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
第5節 被災者の保護
第1款 生活環境の整備
(避難所における生活環境の整備等)
第86条の6 災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、法令又は防災計画の定めるところにより、遅滞なく、避難所を供与するとともに、当該避難所に係る必要な安全性及び良好な居住性の確保、当該避難所における食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布及び保健医療サービスの提供その他避難所に滞在する被災者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(避難所以外の場所に滞在する被災者についての配慮)
第86条の7 災害応急対策責任者は、やむを得ない理由により避難所に滞在することができない被災者に対しても、必要な生活関連物資の配布、保健医療サービスの提供、情報の提供その他これらの者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第2款 広域一時滞在
(広域一時滞在の協議等)
第86条の8 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、被災住民の生命若しくは身体を災害から保護し、又は居住の場所を確保することが困難な場合において、当該被災住民について同一都道府県内の他の市町村の区域における一時的な滞在(以下「広域一時滞在」という。)の必要があると認めるときは、当該被災住民の受入れについて、当該他の市町村の市町村長に協議することができる。
2 市町村長は、前項の規定により協議しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。ただし、あらかじめ報告することが困難なときは、協議の開始の後、遅滞なく、報告することをもって足りる。
3 第1項の場合において、協議を受けた市町村長(以下この条において「協議先市町村長」という。)は、被災住民を受け入れないことについて正当な理由がある場合を除き、被災住民を受け入れるものとする。この場合において、協議先市町村長は、広域一時滞在の用に供するため、受け入れた被災住民に対し避難所を提供しなければならない。
4 第1項の場合において、協議先市町村長は、当該市町村の区域において被災住民を受け入れるべき避難所を決定し、直ちに、その内容を当該避難所を管理する者その他の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
5 協議先市町村長は、前項の規定による決定をしたときは、速やかに、その内容を第1項の規定により協議した市町村長(以下この条において「協議元市町村長」という。)に通知しなければならない。
6 協議元市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を公示し、及び内閣府令で定める者に通知するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
7 第1項の場合において、協議元市町村長は、広域一時滞在の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、その旨を協議先市町村長及び前項の内閣府令で定める者に通知し、並びに公示するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
8 協議先市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を第4項の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
(都道府県外広域一時滞在の協議等)
第86条の9 前条第1項に規定する場合において、市町村長は、都道府県知事と協議を行い、被災住民について他の都道府県の区域における一時的な滞在(以下「都道府県外広域一時滞在」という。)の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該他の都道府県の知事と当該被災住民の受入れについて協議することを求めることができる。
2 前項の規定による要求があったときは、都道府県知事は、被災住民の受入れについて、当該他の都道府県の知事に協議しなければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定により協議しようとするときは、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。ただし、あらかじめ報告することが困難なときは、協議の開始の後、遅滞なく、報告することをもって足りる。
4 第2項の場合において、協議を受けた都道府県知事(以下この条において「協議先都道府県知事」という。)は、被災住民の受入れについて、関係市町村長と協議しなければならない。
5 前項の場合において、協議を受けた市町村長(以下この条において「都道府県外協議先市町村長」という。)は、被災住民を受け入れないことについて正当な理由がある場合を除き、被災住民を受け入れるものとする。この場合において、都道府県外協議先市町村長は、都道府県外広域一時滞在の用に供するため、受け入れた被災住民に対し避難所を提供しなければならない。
6 第4項の場合において、都道府県外協議先市町村長は、当該市町村の区域において被災住民を受け入れるべき避難所を決定し、直ちに、その内容を当該避難所を管理する者その他の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
7 都道府県外協議先市町村長は、前項の規定による決定をしたときは、速やかに、その内容を協議先都道府県知事に報告しなければならない。
8 協議先都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その内容を第2項の規定により協議した都道府県知事(以下この条において「協議元都道府県知事」という。)に通知しなければならない。
9 協議元都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を第1項の規定により協議することを求めた市町村長(以下この条において「都道府県外協議元市町村長」という。)に通知するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
10 都道府県外協議元市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を公示するとともに、内閣府令で定める者に通知しなければならない。
11 第1項の場合において、都道府県外協議元市町村長は、都道府県外広域一時滞在の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、その旨を協議元都道府県知事に報告し、及び公示するとともに、前項の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
12 協議元都道府県知事は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その旨を協議先都道府県知事に通知するとともに、内閣総理大臣に報告しなければならない。
13 協議先都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を都道府県外協議先市町村長に通知しなければならない。
14 都道府県外協議先市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を第6項の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
(都道府県知事による広域一時滞在の協議等の代行)
第86条の10 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなった場合であって、被災住民の生命若しくは身体を災害から保護し、又は居住の場所を確保することが困難な場合において、当該被災住民について広域一時滞在の必要があると認めるときは、当該市町村の市町村長が第86条の8第1項及び第5項から第7項までの規定により実施すべき措置(同条第6項及び第7項の規定による報告を除く。)の全部又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。
3 第1項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
(都道府県外広域一時滞在の協議等の特例)
第86条の11 都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、当該災害の発生により市町村がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなった場合であって、被災住民の生命若しくは身体を災害から保護し、又は居住の場所を確保することが困難な場合において、当該被災住民について都道府県外広域一時滞在の必要があると認めるときは、第86条の9第1項の規定による要求がない場合であっても、同条第2項の規定による協議をすることができる。この場合において、同条第9項中「第1項の規定により協議することを求めた市町村長(以下この条において「都道府県外協議元市町村長」という。)」とあるのは「公示し、及び内閣府令で定める者」と、同条第11項中「第1項」とあるのは「第86条の11前段」と、「都道府県外協議元市町村長」とあるのは「協議元都道府県知事」と、「協議元都道府県知事に報告し、及び」とあるのは「協議先都道府県知事及び同条後段の規定により読み替えて適用する第9項の内閣府令で定める者に通知し、並びに」と、「前項の内閣府令で定める者に通知しなければ」とあるのは「内閣総理大臣に報告しなければ」と、同条第13項中「前項」とあるのは「第86条の11後段の規定により読み替えて適用する第11項」とし、同条第10項及び第12項の規定は、適用しない。
(都道府県知事及び内閣総理大臣による助言)
第86条の12 都道府県知事は、市町村長から求められたときは、第86条の8第1項の規定による協議の相手方その他広域一時滞在に関する事項について助言をしなければならない。
2 内閣総理大臣は、都道府県知事から求められたときは、第86条の9第2項の規定による協議の相手方その他都道府県外広域一時滞在に関する事項又は広域一時滞在に関する事項について助言をしなければならない。
(内閣総理大臣による広域一時滞在の協議等の代行)
第86条の13 内閣総理大臣は、災害の発生により市町村及び当該市町村を包括する都道府県がその全部又は大部分の事務を行うことができなくなった場合であって、被災住民の生命若しくは身体を災害から保護し、又は居住の場所を確保することが困難な場合において、当該被災住民について広域一時滞在又は都道府県外広域一時滞在の必要があると認めるときは、当該市町村の市町村長が第86条の8第1項及び第5項から第7項までの規定により実施すべき措置の全部若しくは一部を当該市町村長に代わって実施し、又は当該都道府県の知事が第86条の11前段並びに第86条の9第8項並びに第86条の11後段の規定により読み替えて適用する第86条の9第9項及び第11項の規定により実施すべき措置(第86条の11後段の規定により読み替えて適用する第86条の9第9項及び第11項の規定による報告を除く。)の全部若しくは一部を当該都道府県知事に代わって実施しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定により市町村長又は都道府県知事の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を告示しなければならない。
3 第1項の規定による内閣総理大臣の代行に関し必要な事項は、政令で定める。
第3款 被災者の運送
第86条の14 都道府県知事は、被災者の保護の実施のため緊急の必要があると認めるときは、運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、運送すべき人並びに運送すべき場所及び期日を示して、被災者の運送を要請することができる。
2 指定公共機関又は指定地方公共機関が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、都道府県知事は、被災者の保護の実施のため特に必要があると認めるときに限り、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、被災者の運送を行うべきことを指示することができる。この場合においては、同項の事項を書面で示さなければならない。
第4款 安否情報の提供等
第86条の15 都道府県知事又は市町村長は、当該都道府県又は市町村の地域に係る災害が発生した場合において、内閣府令で定めるところにより、当該災害の被災者の安否に関する情報(次項において「安否情報」という。)について照会があったときは、回答することができる。
2 都道府県知事又は市町村長は、前項の規定により安否情報を回答するときは、当該安否情報に係る被災者又は第三者の権利利益を不当に侵害することのないよう配慮するものとする。
3 都道府県知事又は市町村長は、第1項の規定による回答を適切に行い、又は当該回答の適切な実施に備えるために必要な限度で、その保有する被災者の氏名その他の被災者に関する情報を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
4 都道府県知事又は市町村長は、第1項の規定による回答を適切に行い、又は当該回答の適切な実施に備えるため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長、消防機関、都道府県警察その他の者に対して、被災者に関する情報の提供を求めることができる。
第6節 物資等の供給及び運送
(物資又は資材の供給の要請等)
第86条の16 都道府県知事又は市町村長は、当該都道府県又は市町村の地域に係る災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合において、災害応急対策の実施に当たって、その備蓄する物資又は資材が不足し、当該災害応急対策を的確かつ迅速に実施することが困難であると認めるときは、都道府県知事にあっては指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長に対し、市町村長にあっては都道府県知事に対し、それぞれ必要な物資又は資材の供給について必要な措置を講ずるよう要請し、又は求めることができる。
2 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は、都道府県又は市町村の地域に係る災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合であって、当該都道府県の知事又は当該市町村の市町村長が災害応急対策を実施するに当たって、その備蓄する物資又は資材が不足し、当該災害応急対策を的確かつ迅速に実施することが困難であると認める場合において、その事態に照らし緊急を要し、前項の規定による要請又は要求を待ついとまがないと認められるときは、当該要請又は要求を待たないで、必要な物資又は資材の供給について必要な措置を講ずることができる。
(備蓄物資等の供給に関する相互協力)
第86条の17 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関、公共的団体並びに防災上重要な施設の管理者は、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合において、その備蓄する物資又は資材の供給に関し、相互に協力するよう努めなければならない。
(災害応急対策必要物資の運送)
第86条の18 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は、災害応急対策の実施のため緊急の必要があると認めるときは、指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長にあっては運送事業者である指定公共機関に対し、都道府県知事にあっては運送事業者である指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、運送すべき物資又は資材並びに運送すべき場所及び期日を示して、当該災害応急対策の実施に必要な物資又は資材(次項において「災害応急対策必要物資」という。)の運送を要請することができる。
2 指定公共機関又は指定地方公共機関が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は、災害応急対策の実施のため特に必要があると認めるときに限り、当該指定公共機関又は指定地方公共機関に対し、災害応急対策必要物資の運送を行うべきことを指示することができる。この場合においては、同項の事項を書面で示さなければならない。
第6章 災害復旧
(災害復旧の実施責任)
第87条 指定行政機関の長及び指定地方行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関、指定公共機関及び指定地方公共機関その他法令の規定により災害復旧の実施について責任を有する者は、法令又は防災計画の定めるところにより、災害復旧を実施しなければならない。
(災害復旧事業費の決定)
第88条 国がその費用の全部又は一部を負担し、又は補助する災害復旧事業について当該事業に関する主務大臣が行う災害復旧事業費の決定は、都道府県知事の報告その他地方公共団体が提出する資料及び実地調査の結果等に基づき、適正かつ速やかにしなければならない。
2 前項の規定による災害復旧事業費を決定するに当たっては、当該事業に関する主務大臣は、再度災害の防止のため災害復旧事業と併せて施行することを必要とする施設の新設又は改良に関する事業が円滑に実施されるように10分の配慮をしなければならない。
(防災会議への報告)
第89条 災害復旧事業に関する主務大臣は、災害復旧事業費の決定を行ったとき、又は災害復旧事業の実施に関する基準を定めたときは、政令で定めるところにより、それらの概要を中央防災会議に報告しなければならない。
(国の負担金又は補助金の早期交付等)
第90条 国は、地方公共団体又はその機関が実施する災害復旧事業の円滑な施行を図るため必要があると認めるときは、地方交付税の早期交付を行なうほか、政令で定めるところにより、当該災害復旧事業に係る国の負担金若しくは補助金を早期に交付し、又は所要の資金を融通し、若しくは融通のあっせんをするものとする。
第7章 被災者の援護を図るための措置
(罹災証明書の交付)
第90条の2 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の被災者から申請があったときは、遅滞なく、住家の被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、当該災害による被害の程度を証明する書面(次項において「罹災証明書」という。)を交付しなければならない。
2 市町村長は、災害の発生に備え、罹災証明書の交付に必要な業務の実施体制の確保を図るため、前項の規定による調査について専門的な知識及び経験を有する職員の育成、当該市町村と他の地方公共団体又は民間の団体との連携の確保その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(被災者台帳の作成)
第90条の3 市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の被災者の援護を総合的かつ効率的に実施するため必要があると認めるときは、被災者の援護を実施するための基礎とする台帳(以下この条及び次条第1項において「被災者台帳」という。)を作成することができる。
2 被災者台帳には、被災者に関する次に掲げる事項を記載し、又は記録するものとする。
一 氏名
二 生年月日
三 性別
四 住所又は居所
五 住家の被害その他市町村長が定める種類の被害の状況
六 援護の実施の状況
七 要配慮者であるときは、その旨及び要配慮者に該当する事由
八 前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
3 市町村長は、第1項の規定による被災者台帳の作成に必要な限度で、その保有する被災者の氏名その他の被災者に関する情報を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
4 市町村長は、第1項の規定による被災者台帳の作成のため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長その他の者に対して、被災者に関する情報の提供を求めることができる。
(台帳情報の利用及び提供)
第90条の4 市町村長は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前条第1項の規定により作成した被災者台帳に記載し、又は記録された情報(以下この条において「台帳情報」という。)を、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために自ら利用し、又は提供することができる。
一 本人(台帳情報によって識別される特定の個人をいう。以下この号において同じ。)の同意があるとき、又は本人に提供するとき。
二 市町村が被災者に対する援護の実施に必要な限度で台帳情報を内部で利用するとき。
三 他の地方公共団体に台帳情報を提供する場合において、台帳情報の提供を受ける者が、被災者に対する援護の実施に必要な限度で提供に係る台帳情報を利用するとき。
2 前項(第1号又は第3号に係る部分に限る。)の規定による台帳情報の提供に関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第8章 財政金融措置
(災害予防等に要する費用の負担)
第91条 法令に特別の定めがある場合又は予算の範囲内において特別の措置を講じている場合を除くほか、災害予防及び災害応急対策に要する費用その他この法律の施行に要する費用は、その実施の責めに任ずる者が負担するものとする。
(指定行政機関の長等又は他の地方公共団体の長等の応援を受けた場合の災害応急対策に要する費用の負担)
第92条 第67条第1項、第68条、第74条第1項又は第74条の4の規定により指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は他の地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員(以下この条において「地方公共団体の長等」という。)の応援を受けた地方公共団体の長等の属する地方公共団体は、当該応援に要した費用を負担しなければならない。
2 前項の場合において、当該応援を受けた地方公共団体の長等の属する地方公共団体が当該費用を支弁するいとまがないときは、当該地方公共団体は、国又は当該応援をする他の地方公共団体の長等の属する地方公共団体に対し、当該費用の一時繰替え支弁を求めることができる。
(市町村が実施する応急措置に要する経費の都道府県の負担)
第93条 第72条第1項の規定による都道府県知事の指示に基づいて市町村長が実施した応急措置のために要した費用及び応援のために要した費用のうち、当該指示又は応援を受けた市町村長の統轄する市町村に負担させることが困難又は不適当なもので政令で定めるものについては、次条の規定により国がその一部を負担する費用を除き、政令で定めるところにより、当該都道府県知事の統轄する都道府県がその全部又は一部を負担する。
2 前項の場合においては、都道府県は、当該市町村に対し、前項の費用を一時繰替え支弁させることができる。
(災害応急対策に要する費用に対する国の負担又は補助)
第94条 災害応急対策に要する費用は、別に法令で定めるところにより、又は予算の範囲内において、国がその全部又は一部を負担し、又は補助することができる。
第95条 前条に定めるもののほか、第28条第2項の規定による非常災害対策本部長の指示又は第28条の6第2項の規定による緊急災害対策本部長の指示に基づいて、地方公共団体の長が実施した応急措置のために要した費用のうち、当該地方公共団体に負担させることが困難又は不適当なもので政令で定めるものについては、政令で定めるところにより、国は、その全部又は一部を補助することができる。
(災害復旧事業費等に対する国の負担及び補助)
第96条 災害復旧事業その他災害に関連して行なわれる事業に要する費用は、別に法令で定めるところにより、又は予算の範囲内において、国がその全部又は一部を負担し、又は補助することができる。
(激甚災害の応急措置及び災害復旧に関する経費の負担区分等)
第97条 政府は、著しく激甚である災害(以下「激甚災害」という。)が発生したときは、別に法律で定めるところにより、応急措置及び災害復旧が迅速かつ適切に行なわれるよう措置するとともに、激甚災害を受けた地方公共団体等の経費の負担の適正を図るため、又は被災者の災害復興の意欲を振作するため、必要な施策を講ずるものとする。
第98条 前条に規定する法律は、できる限り激甚災害の発生のつどこれを制定することを避け、また、災害に伴う国の負担に係る制度の合理化を図り、激甚災害に対する前条の施策が円滑に講ぜられるようなものでなければならない。
第99条 第97条に規定する法律は、次の各号に掲げる事項について規定するものとする。
一 激甚災害のための施策として、特別の財政援助及び助成措置を必要とする場合の基準
二 激甚災害の復旧事業その他当該災害に関連して行なわれる事業が適切に実施されるための地方公共団体に対する国の特別の財政援助
三 激甚災害の発生に伴う被災者に対する特別の助成
(災害に対処するための国の財政上の措置)
第100条 政府は、災害が発生した場合において、国の円滑な財政運営をそこなうことなく災害に対処するため、必要な財政上の措置を講ずるように努めなければならない。
2 政府は、前項の目的を達成するため、予備費又は国庫債務負担行為(財政法(昭和22年法律第34号)第15条第2項に規定する国庫債務負担行為をいう。)の計上等の措置について、十分な配慮をするものとする。
(地方公共団体の災害対策基金)
第101条 地方公共団体は、別に法令で定めるところにより、災害対策に要する臨時的経費に充てるため、災害対策基金を積み立てなければならない。
(起債の特例)
第102条 次の各号に掲げる場合においては、政令で定める地方公共団体は、政令で定める災害の発生した日の属する年度及びその翌年度以降の年度で政令で定める年度に限り、地方財政法(昭和23年法律第109号)第5条の規定にかかわらず、地方債をもってその財源とすることができる。
一 地方税、使用料、手数料その他の徴収金で総務省令で定めるものの当該災害のための減免で、その程度及び範囲が被害の状況に照らし相当と認められるものによって生ずる財政収入の不足を補う場合
二 災害予防、災害応急対策又は災害復旧で総務省令で定めるものに通常要する費用で、当該地方公共団体の負担に属するものの財源とする場合
2 前項の地方債は、国が、その資金事情の許す限り、財政融資資金をもって引き受けるものとする。
3 第1項の規定による地方債を財政融資資金で引き受けた場合における当該地方債の利息の定率、償還の方法その他地方債に関し必要な事項は、政令で定める。
(国の補助を伴わない災害復旧事業に対する措置)
第103条 国及び地方公共団体は、激甚災害の復旧事業費のうち、国の補助を伴わないものについての当該地方公共団体等の負担が著しく過重であると認めるときは、別に法律で定めるところにより、当該復旧事業費の財源に充てるため特別の措置を講ずることができる。
(災害融資)
第104条 政府関係金融機関その他これに準ずる政令で定める金融機関は、政令で定める災害が発生したときは、災害に関する特別な金融を行ない、償還期限又はすえ置き期間の延長、旧債の借換え、必要がある場合における利率の低減等実情に応じ適切な措置をとるように努めるものとする。
第9章 災害緊急事態
(災害緊急事態の布告)
第105条 非常災害が発生し、かつ、当該災害が国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚なものである場合において、当該災害に係る災害応急対策を推進し、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけて、関係地域の全部又は一部について災害緊急事態の布告を発することができる。
2 前項の布告には、その区域、布告を必要とする事態の概要及び布告の効力を発する日時を明示しなければならない。
(国会の承認及び布告の廃止)
第106条 内閣総理大臣は、前条の規定により災害緊急事態の布告を発したときは、これを発した日から20日以内に国会に付議して、その布告を発したことについて承認を求めなければならない。ただし、国会が閉会中の場合又は衆議院が解散されている場合は、その後最初に召集される国会において、すみやかに、その承認を求めなければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が災害緊急事態の布告の廃止を議決したとき、又は当該布告の必要がなくなったときは、すみやかに、当該布告を廃止しなければならない。
(災害緊急事態における緊急災害対策本部の設置)
第107条 内閣総理大臣は、第105条の規定による災害緊急事態の布告があったときは、当該災害に係る緊急災害対策本部が既に設置されている場合を除き、第28条の2の規定により、緊急災害対策本部を設置するものとする。
(対処基本方針)
第108条 政府は、第105条の規定による災害緊急事態の布告があったときは、災害緊急事態への対処に関する基本的な方針(以下この条において「対処基本方針」という。)を定めるものとする。
2 対処基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
一 災害緊急事態への対処に関する全般的な方針
二 災害応急対策に関する重要事項
三 国の経済の秩序の維持に関する重要事項
四 前2号に掲げる事項のほか、当該災害に係る重要な課題への対応に関する重要事項
五 前3号に掲げる事項に係る事務を的確に遂行するための政府の体制に関する重要事項
3 内閣総理大臣は、対処基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、直ちに、対処基本方針を告示しなければならない。
5 内閣総理大臣は、災害緊急事態への対処に当たり、対処基本方針に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。
6 第3項及び第4項の規定は、対処基本方針の変更について準用する。
7 対処基本方針は、第106条第2項の規定により災害緊急事態の布告が廃止された時に、その効力を失う。
8 内閣総理大臣は、前項の規定により対処基本方針がその効力を失ったときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
(情報の公表)
第108条の2 内閣総理大臣は、第105条の規定による災害緊急事態の布告に係る災害について、当該災害の状況、これに対してとられた措置の概要その他の当該災害に関する情報を新聞、放送、インターネットその他適切な方法により公表しなければならない。
(国民への協力の要求)
第108条の3 内閣総理大臣は、第105条の規定による災害緊急事態の布告があったときは、国民に対し、必要な範囲において、国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資をみだりに購入しないことその他の必要な協力を求めることができる。
2 国民は、前項の規定により協力を求められたときは、これに応ずるよう努めなければならない。
(災害緊急事態の布告に伴う特例)
第108条の4 第105条の規定による災害緊急事態の布告があったときは、第86条の2第1項、第86条の3第1項、第86条の4第1項及び第86条の5第1項の規定により当該災害を指定する政令が定められたものとみなして、第86条の2第2項及び第3項、第86条の3第2項及び第3項、第86条の4第2項並びに第86条の5第2項から第13項までの規定を適用する。この場合において、第86条の2第2項及び第86条の3第2項中「政令で定める区域及び期間」とあるのは、「当該災害に係る緊急災害対策本部の所管区域及び当該災害に係る災害緊急事態の布告が発せられた時から当該緊急災害対策本部が定める日までの間」とする。
2 第105条の規定による災害緊急事態の布告が発せられる前に第86条の2第1項、第86条の3第1項、第86条の4第1項又は第86条の5第1項のいずれかの規定により当該災害を指定する政令が定められたときは、前項(当該政令に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
第108条の5 第105条の規定による災害緊急事態の布告があったときは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85号。以下この条において「特定非常災害法」という。)第2条の規定により、当該災害を特定非常災害として指定し、当該災害が発生した日を特定非常災害発生日として定め、及び当該特定非常災害に対し適用すべき措置として特定非常災害法第3条から第6条までに規定する措置を指定する政令が定められたものとみなして、特定非常災害法第3条から第6条まで(特定非常災害法第4条第1項を除く。)の規定を適用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる特定非常災害法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第3条第1項 | 超えない範囲内において政令で定める | 経過する |
第3条第4項 | 延長期日が定められた | 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第105条の規定による災害緊急事態の布告があった |
第4条第2項 | 免責期限が定められた | 災害対策基本法第105条の規定による災害緊急事態の布告があった |
免責期限が到来する | 特定非常災害発生日から起算して4月を経過する | |
到来する特定義務 | 到来する特定義務(特定非常災害発生日以後に法令に規定されている履行期限が到来する義務をいう。以下同じ。) | |
責任 | その不履行に係る行政上及び刑事上の責任(過料に係るものを含む。) | |
第4条第3項 | 免責期限が定められた | 災害対策基本法第105条の規定による災害緊急事態の布告があった |
前2項 | 前項 | |
免責期限が到来する | 特定非常災害発生日から起算して4月を経過する | |
前項 | 同項 | |
第4条第4項 | 前3項 | 前2項 |
第5条第1項 | 第2条第1項又は第2項の政令でこの条に定める措置を指定するものの施行の | 災害対策基本法第105条の規定による災害緊急事態の布告があった |
超えない範囲内において政令で定める | 経過する | |
第5条第5項 | 同項に規定する政令で定める | 同日後2年を経過する |
第6条 | 政令で定めるもの | 法務大臣が告示するもの |
超えない範囲内において政令で定める | 経過する | |
当該政令で定める | 特定非常災害発生日から起算して1年を経過する |
2 第105条の規定による災害緊急事態の布告が発せられる前に特定非常災害法第2条第1項の規定により当該災害を特定非常災害として指定する政令が定められたときは、前項の規定は、適用しない。
(緊急措置)
第109条 災害緊急事態に際し国の経済の秩序を維持し、及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置をまついとまがないときは、内閣は、次の各号に掲げる事項について必要な措置をとるため、政令を制定することができる。
一 その供給が特に不足している生活必需物資の配給又は譲渡若しくは引渡しの制限若しくは禁止
二 災害応急対策若しくは災害復旧又は国民生活の安定のため必要な物の価格又は役務その他の給付の対価の最高額の決定
三 金銭債務の支払(賃金、災害補償の給付金その他の労働関係に基づく金銭債務の支払及びその支払のためにする銀行その他の金融機関の預金等の支払を除く。)の延期及び権利の保存期間の延長
2 前項の規定により制定される政令には、その政令の規定に違反した者に対して2年以下の懲役若しくは禁錮、10万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑を科し、又はこれを併科する旨の規定、法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関してその政令の違反行為をした場合に、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金、科料又は没収の刑を科する旨の規定及び没収すべき物件の全部又は一部を没収することができない場合にその価額を追徴する旨の規定を設けることができる。
3 内閣は、第1項の規定により政令を制定した場合において、その必要がなくなったときは、直ちに、これを廃止しなければならない。
4 内閣は、第1項の規定により政令を制定したときは、直ちに、国会の臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求め、かつ、そのとった措置をなお継続すべき場合には、その政令に代わる法律が制定される措置をとり、その他の場合には、その政令を制定したことについて承認を求めなければならない。
5 第1項の規定により制定された政令は、既に廃止され、又はその有効期間が終了したものを除き、前項の国会の臨時会又は参議院の緊急集会においてその政令に代わる法律が制定されたときは、その法律の施行と同時に、その臨時会又は緊急集会においてその法律が制定されないこととなったときは、制定されないこととなった時に、その効力を失う。
6 前項の場合を除くほか、第1項の規定により制定された政令は、既に廃止され、又はその有効期間が終了したものを除き、第4項の国会の臨時会が開かれた日から起算して20日を経過した時若しくはその臨時会の会期が終了した時のいずれか早い時に、又は同項の参議院の緊急集会が開かれた日から起算して10日を経過した時若しくはその緊急集会が終了した時のいずれか早い時にその効力を失う。
7 内閣は、前2項の規定により政令がその効力を失ったときは、直ちに、その旨を告示しなければならない。
8 第1項の規定により制定された政令に罰則が設けられたときは、その政令が効力を有する間に行なわれた行為に対する罰則の適用については、その政令が廃止され、若しくはその有効期間が終了し、又は第5項若しくは第6項の規定によりその効力を失った後においても、なお従前の例による。
第109条の2 災害緊急事態に際し法律の規定によっては被災者の救助に係る海外からの支援を緊急かつ円滑に受け入れることができない場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、内閣は、当該受入れについて必要な措置をとるため、政令を制定することができる。
2 前条第3項から第7項までの規定は、前項の場合について準用する。
第10章 雑則
(特別区についてのこの法律の適用)
第110条 この法律の適用については、特別区は、市とみなす。
(防災功労者表彰)
第111条 内閣総理大臣及び各省大臣は、防災に従事した者で、防災に関し著しい功労があると認められるものに対し、それぞれ内閣府令又は省令で定めるところにより、表彰を行うことができる。
(政令への委任)
第112条 この法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
第11章 罰則
(罰則)
第113条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
一 第71条第1項の規定による都道府県知事(同条第2項の規定により権限に属する事務の一部を行う市町村長を含む。)の従事命令、協力命令又は保管命令に従わなかった者
二 第78条第1項の規定による指定行政機関の長又は指定地方行政機関の長(第27条第1項又は第28条の5第1項の規定により権限の委任を受けた職員を含む。)の保管命令に従わなかった者
第114条 第76条第1項の規定による都道府県公安委員会の禁止又は制限に従わなかった車両の運転者は、3月以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
第115条 次の各号のいずれかに該当する者は、20万円以下の罰金に処する。
一 第71条第1項(同条第2項の規定により権限に属する事務の一部を行う場合を含む。以下この条において同じ。)、第78条第2項(第27条第1項又は第28条の5第1項の規定により権限に属する事務の一部を行う場合を含む。)又は第78条第3項(第27条第1項又は第28条の5第1項の規定により権限に属する事務の一部を行う場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
二 第71条第1項又は第78条第3項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第116条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金又は拘留に処する。
一 第52条第1項の規定に基づく内閣府令によって定められた防災に関する信号をみだりに使用し、又はこれと類似する信号を使用した者
二 第63条第1項の規定による市町村長(第73条第1項の規定により市町村長の事務を代行する都道府県知事を含む。)の、第63条第2項の規定による警察官若しくは海上保安官の又は同条第3項において準用する同条第1項の規定による災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の禁止若しくは制限又は退去命令に従わなかった者
第117条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第113条又は第115条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則
この法律は、公布の日から起算して1年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和37年4月4日法律第68号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して90日をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。
附則 (昭和37年4月5日法律第73号)
この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和37年5月8日法律第109号) 抄
1 この法律は、災害対策基本法の施行の日から施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和43年5月17日法律第51号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和44年6月3日法律第38号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、都市計画法の施行の日から施行する。
附則 (昭和48年7月24日法律第61号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和49年6月1日法律第71号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第281条、第281条の3、第282条第2項、第282条の2第2項及び第283条第2項の改正規定、附則第17条から第19条までに係る改正規定並びに附則第2条、附則第7条から第11条まで及び附則第13条から第24条までの規定(以下「特別区に関する改正規定」という。)は、昭和50年4月1日から施行する。
附則 (昭和51年6月1日法律第47号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和53年4月26日法律第29号) 抄
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和53年6月15日法律第73号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和55年5月28日法律第63号) 抄
(施行期日等)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和57年7月16日法律第66号)
この法律は、昭和57年10月1日から施行する。
附則 (昭和58年12月2日法律第78号)
1 この法律(第1条を除く。)は、昭和59年7月1日から施行する。
2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附則 (昭和59年12月25日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和60年4月1日から施行する。
(政令への委任)
第28条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則 (昭和61年12月4日法律第93号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和62年4月1日から施行する。
(政令への委任)
第42条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則 (昭和61年12月26日法律第109号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (平成元年6月28日法律第55号) 抄
(施行期日等)
1 この法律は、平成元年10月1日から施行する。
附則 (平成2年6月27日法律第50号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成3年4月1日から施行する。
附則 (平成7年6月16日法律第110号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成7年12月8日法律第132号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第1条中災害対策基本法第48条、第53条、第60条、第63条から第65条まで、第76条の3、第82条及び第84条の改正規定、同法第113条の改正規定(「5万円」を「30万円」に改める部分に限る。)、同法第114条の改正規定、同法第115条の改正規定(「3万円」を「20万円」に改める部分に限る。)並びに同法第116条の改正規定、第2条中大規模地震対策特別措置法第26条の改正規定、同法第36条の改正規定(「20万円」を「30万円」に改める部分に限る。)、同法第37条の改正規定、同法第38条の改正規定(「10万円」を「20万円」に改める部分に限る。)及び同法第39条の改正規定並びに次条の規定は、公布の日から3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成11年5月28日法律第54号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成11年7月16日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中地方自治法第250条の次に5条、節名並びに2款及び款名を加える改正規定(同法第250条の9第1項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第40条中自然公園法附則第9項及び第10項の改正規定(同法附則第10項に係る部分に限る。)、第244条の規定(農業改良助長法第14条の3の改正規定に係る部分を除く。)並びに第472条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第6条、第8条及び第17条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第7条、第10条、第12条、第59条ただし書、第60条第4項及び第5項、第73条、第77条、第157条第4項から第6項まで、第160条、第163条、第164条並びに第202条の規定 公布の日
(災害対策基本法の一部改正に伴う経過措置)
第31条 施行日前に第66条の規定による改正前の災害対策基本法(以下この条において「旧災害対策基本法」という。)第16条第3項の規定によりされた承認又はこの法律の施行の際現に同項の規定によりされている承認の申請は、それぞれ第66条の規定による改正後の災害対策基本法(以下この条において「新災害対策基本法」という。)第16条第4項の規定により市町村防災会議を設置しないことについてされた協議又は当該協議の申出とみなす。
2 施行日前に旧災害対策基本法第43条第1項の規定により作成された指定地域都道府県防災計画若しくは旧災害対策基本法第44条第1項の規定により作成された指定地域市町村防災計画又はこの法律の施行の際現に旧災害対策基本法第43条第3項において準用する旧災害対策基本法第40条第3項若しくは旧災害対策基本法第44条第3項において準用する旧災害対策基本法第42条第3項の規定によりされている協議の申出は、それぞれ新災害対策基本法第43条第1項の規定により作成された都道府県相互間地域防災計画若しくは新災害対策基本法第44条第1項の規定により作成された市町村相互間地域防災計画又は新災害対策基本法第43条第3項において準用する新災害対策基本法第40条第3項若しくは新災害対策基本法第44条第3項において準用する新災害対策基本法第42条第3項の規定によりされた協議の申出とみなす。
3 この法律の施行の際現に旧災害対策基本法第71条第2項の規定により都道府県知事の権限の一部を委任されて市町村長が行っている事務は、新災害対策基本法第71条第2項の規定により市町村長が行うこととされた事務とみなす。
(国等の事務)
第159条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第160条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第163条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第161条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第162条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第163条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第1に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成11年7月16日法律第102号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第10条第1項及び第5項、第14条第3項、第23条、第28条並びに第30条の規定 公布の日
(別に定める経過措置)
第30条 第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
附則 (平成11年12月22日法律第220号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第1条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。
(政令への委任)
第4条 前2条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附則 (平成12年5月31日法律第98号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。
附則 (平成12年5月31日法律第99号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。
附則 (平成14年7月19日法律第90号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。
附則 (平成14年7月31日法律第98号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1章第1節(別表第1から別表第4までを含む。)並びに附則第28条第2項、第33条第2項及び第3項並びに第39条の規定 公布の日
(罰則に関する経過措置)
第38条 施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第39条 この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成15年3月31日法律第21号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。
(政令への委任)
第4条 前2条に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成15年5月30日法律第53号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第4条から第6条までの改正規定並びに附則第8条、第9条、第12条、第13条及び第16条の規定は、平成16年4月1日から施行する。
附則 (平成15年6月18日法律第92号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成17年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条中電気事業法目次の改正規定、第6章の改正規定並びに第106条、第107条、第112条の2、第117条の3、第117条の4及び第119条の2の改正規定並びに第3条の規定並びに附則第17条、第18条、第19条第1項、第20条から第38条まで、第41条、第43条、第45条、第46条、第48条、第51条及び第55条から第57条までの規定 公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
附則 (平成15年7月16日法律第119号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)の施行の日から施行する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第6条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成16年4月21日法律第36号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、1973年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する1978年の議定書によって修正された同条約を改正する1997年の議定書(以下「第2議定書」という。)が日本国について効力を生ずる日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則 (平成17年3月30日法律第7号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成17年4月1日から施行する。
附則 (平成17年5月2日法律第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成17年7月29日法律第89号) 抄
(施行期日等)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、次項及び附則第27条の規定は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第27条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成17年10月21日法律第102号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第117条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第9条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第38条の8(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第13条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第70条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第27条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第8条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第39条第2項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第70条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第42条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第71条及び第72条(第15号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第2条第2項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第104条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成18年3月31日法律第18号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成18年4月1日から施行する。
附則 (平成18年6月7日法律第53号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成19年4月1日から施行する。
附則 (平成18年6月14日法律第68号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成19年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則 (平成18年12月22日法律第118号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成19年3月31日法律第21号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (平成22年12月3日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
附則 (平成23年5月2日法律第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
(災害対策基本法の一部改正に伴う経過措置)
第2条 この法律の施行の際現に第1条の規定による改正前の災害対策基本法第40条第3項(同法第43条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりされている協議の申出は、第1条の規定による改正後の災害対策基本法第40条第3項(同法第43条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりされた報告とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第23条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第24条 附則第2条から前条まで及び附則第36条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成23年8月30日法律第105号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
(災害対策基本法の一部改正に伴う経過措置)
第11条 この法律の施行の際現に第1条の規定による改正前の災害対策基本法(次項において「旧災害対策基本法」という。)第16条第4項の規定によりされている協議の申出は、第1条の規定による改正後の災害対策基本法(次項において「新災害対策基本法」という。)第16条第4項の規定によりされた報告とみなす。
2 この法律の施行の際現に旧災害対策基本法第42条第3項(旧災害対策基本法第44条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりされている協議の申出は、新災害対策基本法第42条第3項(新災害対策基本法第44条第3項において準用する場合を含む。)の規定によりされた報告とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第81条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第82条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成23年12月14日法律第124号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、津波防災地域づくりに関する法律(平成23年法律第123号)の施行の日から施行する。
附則 (平成24年6月27日法律第41号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
(検討)
第2条 政府は、東日本大震災(平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。以下この条において同じ。)から得られた教訓を今後に生かすため、東日本大震災に対してとられた措置の実施の状況を引き続き検証し、防災上の配慮を要する者に係る個人情報の取扱いの在り方、災害からの復興の枠組み等を含め、防災に関する制度の在り方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、その結果に基づいて、速やかに必要な措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第8条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成25年6月12日法律第35号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成25年6月14日法律第44号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条、第5条、第7条(消防組織法第15条の改正規定に限る。)、第9条、第10条、第14条(地方独立行政法人法目次の改正規定(「第6章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第59条—第67条)」を「/第6章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第59条—第67条)/第6章の2 特定地方独立行政法人から一般地方独立行政法人への移行に伴う措置(第67条の2—第67条の7)/」に改める部分に限る。)、同法第8条、第55条及び第59条第1項の改正規定並びに同法第6章の次に1章を加える改正規定を除く。)、第15条、第22条(民生委員法第4条の改正規定に限る。)、第36条、第40条(森林法第70条第1項の改正規定に限る。)、第50条(建設業法第25条の2第1項の改正規定に限る。)、第51条、第52条(建築基準法第79条第1項の改正規定に限る。)、第53条、第61条(都市計画法第78条第2項の改正規定に限る。)、第62条、第65条(国土利用計画法第15条第2項の改正規定を除く。)及び第72条の規定並びに次条、附則第3条第2項、第4条、第6条第2項及び第3項、第13条、第14条(地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)第141条の2の次に2条を加える改正規定中第141条の4に係る部分に限る。)、第16条並びに第18条の規定 平成26年4月1日
附則 (平成25年6月21日法律第54号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第2条(災害対策基本法目次の改正規定(「第3款 被災者の運送(第86条の14)」を「/第3款 被災者の運送(第86条の14)/第4款 安否情報の提供等(第86条の15)/」に、「第86条の15—第86条の17」を「第86条の16—第86条の18」に改め、「第90条の2」の下に「—第90条の4」を加える部分に限る。)、同法第71条第1項の改正規定、同法第5章第6節中第86条の17を第86条の18とし、第86条の16を第86条の17とし、第86条の15を第86条の16とする改正規定、同法第5章第5節に1款を加える改正規定及び同法第7章中第90条の2の次に2条を加える改正規定に限る。)、第3条、第5条及び第6条の規定並びに附則第4条、第6条、第9条、第10条、第11条(大規模地震対策特別措置法(昭和53年法律第73号)第27条第3項の改正規定に限る。)、第13条(原子力災害対策特別措置法(平成11年法律第156号)第28条第1項の表第86条第1項及び第2項の項の次に次のように加える改正規定、同表第90条の2第1項及び第2項の項の改正規定、同法第28条第2項の表第86条の15第1項及び第2項の項の改正規定、同表第86条の16の項の改正規定及び同表第86条の17第1項及び第2項の項の改正規定に限る。)、第15条(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(平成16年法律第112号)第86条の改正規定に限る。)及び第16条の規定 公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
二 第2条(前号に掲げる改正規定を除く。)の規定及び附則第13条(同号に掲げる改正規定を除く。)の規定 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
(検討)
第2条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、第1条及び第2条の規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(災害対策基本法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 第1条の規定による改正後の災害対策基本法(附則第5条において「新災害対策基本法」という。)第102条の規定は、平成25年4月1日以後に発生した同条第1項に規定する災害について適用する。
(政令への委任)
第22条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第67号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成26年法律第66号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第14条第2項、第18条及び第30条の規定 公布の日
(処分等の効力)
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第29条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第30条 附則第3条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
附則 (平成26年11月21日法律第114号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
(検討)
第2条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成27年5月20日法律第22号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成27年7月8日法律第52号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成27年7月17日法律第58号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
(検討)
2 政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律の規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成27年9月11日法律第66号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成28年4月1日から施行する。
附則 (平成28年5月20日法律第47号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成29年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条、第3条、第7条、第10条及び第15条の規定並びに次条並びに附則第4条第1項及び第2項、第6条から第10条まで、第42条(東日本大震災復興特別区域法(平成23年法律第122号)第48条第2項及び第3項の改正規定に限る。)、第44条並びに第46条の規定 公布の日
(処分、申請等に関する経過措置)
第7条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定によりされた承認等の処分その他の行為(以下この項において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定によりされている承認等の申請その他の行為(以下この項において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、この附則又は附則第9条の規定に基づく政令に定めるものを除き、この法律の施行の日以後におけるこの法律による改正後のそれぞれの法律の適用については、この法律による改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行の日前にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この附則又は附則第9条の規定に基づく政令に定めるもののほか、これを、この法律による改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して届出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第8条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第9条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第10条 政府は、附則第1条第1号に掲げる規定の施行後適当な時期において、第1条の規定による改正後の災害対策基本法の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成30年6月27日法律第66号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条、第5条(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律別表第2の20の項及び53の項の改正規定を除く。)及び第13条の規定並びに附則第11条から第13条まで、第16条及び第17条の規定 公布の日
(処分、申請等に関する経過措置)
第11条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定によりされた認定等の処分その他の行為(以下この項において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定によりされている認定等の申請その他の行為(以下この項において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は附則第13条の規定に基づく政令に定めるものを除き、この法律の施行の日以後におけるこの法律による改正後のそれぞれの法律の適用については、この法律による改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行の日前にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し、報告、届出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、附則第2条から前条までの規定又は附則第13条の規定に基づく政令に定めるもののほか、これを、この法律による改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第12条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第13条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。