こうぎょうようすいどうしせつのぎじゅつてききじゅんをさだめるしょうれい
工業用水道施設の技術的基準を定める省令
昭和33年通商産業省令第119号
工業用水道事業法(昭和33年法律第84号)第11条第4項の規定により、工業用水道施設の技術的基準を定める省令を次のように制定する。
(耐震基準)
第1条 工業用水道施設は、施設の重要度に応じて、地震力に対して次に掲げる要件を備えるものでなければならない。
一 次に掲げる施設については、レベル1地震動(当該施設の設置地点において発生するものと想定される地震動のうち、当該施設の供用期間中に発生する可能性の高いものをいう。以下同じ。)に対して、当該施設の健全な機能を損なわず、かつ、レベル2地震動(当該施設の設置地点において発生するものと想定される地震動のうち、最大規模の強さを有するものをいう。)に対して、生ずる損傷が軽微であって、当該施設の機能に重大な影響を及ぼさないこと。
イ 取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設及び送水施設のうち、工業用水の供給に最低限必要とする施設であって、代替することができる施設がないもの
ロ 取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設及び配水施設のうち、イの施設以外の施設であって、破損した場合に重大な2次被害を生ずるおそれが高いもの
二 前号に掲げる施設以外の施設は、レベル1地震動に対して、生ずる損傷が軽微であって、当該施設の機能に重大な影響を及ぼさないこと。
(取水施設)
第2条 取水施設は、次の各号の要件を備えるものでなければならない。
一 河川または湖沼を水源とするものにあっては、洗掘、流木、流砂等のため取水が困難となるおそれのない構造を有すること。
二 取水のためのポンプ設備を設ける場合にあっては、必要に応じて予備ポンプが設けられていること。
三 沈砂池を設ける場合にあっては、原水中の砂を除去するために必要な能力を有すること。
四 沈砂池には、必要に応じてスクリーン、制水弁または制水とびらが設けられていること。
五 前各号に掲げるもののほか、1日最大取水量(1日最大給水量(工業用水道に公共の消防のための消火せんが設置されているときは、消火用水を供給するのに必要な水量を加えたものをいう。以下同じ。)にろう水その他の損失水量を加え、工業用水道に給水を調整するための貯水施設が設置されているときは、その貯水施設によって補給することができる水量を除いたものをいう。)を常時取り入れるのに必要な能力を有すること。
2 前項第5号の能力は、井戸または集水埋きよによって取水する場合にあっては、揚水試験の結果に基づき算定された揚水量を基準とするものでなければならない。
(貯水施設)
第3条 貯水施設は、1日最大給水量にろう水その他の損失水量を加えた水量(以下「必要水量」という。)を常時送るのに必要な能力を有するものでなければならない。
2 前項の能力は、ダムにあっては、降水量、水位、流量その他の事項に関する資料に基いて算定された有効貯水量を基準とするものでなければならない。
(導水施設)
第4条 導水施設は、次の各号の要件を備えるものでなければならない。
一 導水のためのポンプ設備を設ける場合にあっては、必要に応じて予備ポンプが設けられていること。
二 導水管の内径は、始点の水位が低水位、終点の水位が高水位の場合について決定した動水こうばいに基いて算定されたものであること。
三 導水管の管路は、急激な屈曲がなく、そのどの部分も最低動水こうばい線以下にあること。
四 導水きよの平均流速は、内面が摩耗されない流速以下であること。
五 導水管きよには、必要に応じて余水吐き、接合井、マンホール、どろ吐き、制水弁、制水とびら、空気弁または伸縮継手が設けられていること。
六 増圧ポンプは、上流側に負圧を生じさせないようにその能力および設置の場所が定められていること。
七 前各号に掲げるもののほか、必要水量を常時送るのに必要な能力を有すること。
(浄水施設)
第5条 浄水施設は、次の各号の要件を備えるものでなければならない。
一 普通ちんでん池、凝集池又は薬品ちんでん池を設ける場合にあっては、必要なちんでん又は凝集が行われるのに十分な容量以上であること。
二 ちんでん池には、必要に応じて整流設備、いつ流設備または排でい管が設けられていること。
三 前各号に掲げるもののほか、必要水量を常時浄水するのに必要な能力を有すること。
(送水施設)
第6条 送水施設は、次の各号の要件を備えるものでなければならない。
一 送水管の内径は、始点の水位が低水位、終点の水位が高水位の場合について決定した動水こうばいに基いて算定されたものであること。
二 送水管の管路は、急激な屈曲がなく、そのどの部分も最低動水こうばい線以下にあること。
三 送水管には、必要に応じて接合井、マンホール、どろ吐き、制水弁、空気弁または伸縮継手が設けられていること。
四 送水のためのポンプ設備を設ける場合にあっては、必要に応じて予備ポンプが設けられていること。
五 増圧ポンプは、上流側に負圧を生じさせないようにその能力および設置の場所が定められていること。
六 前各号に掲げるもののほか、必要水量を常時送るのに必要な能力を有すること。
(配水施設)
第7条 配水施設は、次の各号の要件を備えるものでなければならない。
一 配水池または配水そうを設ける場合にあっては、配水量の時間変化を勘案して、必要な容量以上であること。
二 配水池または配水そうには、必要に応じていつ流設備、排水設備、水位計または側管が設けられていること。
三 配水管の内径は、最小動水圧が49キロパスカルをこえ、かつ、配水管の末端における水圧ができるだけ均等になるように算定されたものであること。
四 配水管には、必要に応じてどろ吐き、制水弁、減圧弁、安全弁、空気弁、流量計、水圧計または伸縮継手が設けられていること。
五 配水のためのポンプ設備を設ける場合にあっては、必要に応じて予備ポンプが設けられていること。
六 増圧ポンプは、上流側に負圧を生じさせないようにその能力および設置の場所が定められていること。
七 前各号に掲げるもののほか、1日最大給水量を常時供給するのに必要な能力を有すること。
附則
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際現に設置されている工業用水道施設であって、第1条第1項第2号から第4号までおよび第2項、第3条第1号から第4号まで、第4条第1号から第5号まで、第5条第1号、第2号および第4号ならびに第6条第1号、第3号および第5号に規定する基準に適合しないものについては、その施設の大規模の改造のときまでは、これらの規定を適用しない。
附則 (昭和42年11月25日通商産業省令第154号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成11年10月1日通商産業省令第89号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成27年1月20日経済産業省令第2号)
1 この省令は、公布の日から施行する。ただし、この省令による改正後の第1条の規定は、平成28年4月1日から施行する。
2 この省令による改正後の第1条の施行の際現に設置され、又は設置の工事が行われている工業用水道施設については、その施設の次の更新のときまでは、同条の規定を適用しない。
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