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企業担保権実行手続規則

昭和33年6月27日最高裁判所規則第5号
企業担保権実行手続規則を次のように定める。

第1章 総則

(趣旨)
第1条 企業担保法(昭和33年法律第106号。以下「法」という。)による企業担保権の実行手続(以下「実行手続」という。)に関する事項(ただし、登記又は登録に関する事項を除く。)については、法に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。
(実行の申立)
第2条 企業担保権の実行の申立は、書面でしなければならない。
2 申立書には、次に掲げる事項を記載して申立人又はその代理人が記名押印しなければならない。
 申立人の表示
 企業担保権を設定した株式会社又は相互会社(以下「会社」と総称する。)の表示
 申立ての趣旨
 実行の原因となる事由
 年月日
 裁判所の表示
3 申立書には、企業担保権に関する公正証書及び会社の登記事項証明書を添付しなければならない。
(費用の予納)
第3条 企業担保権の実行の申立をするときは、手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
(新聞紙の指定)
第4条 裁判所は、実行手続の開始の決定をしたときは、ただちに、法第13条の規定により公告を掲載する新聞紙を定めなければならない。
2 前項の規定により新聞紙が定められたときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を管財人に通知しなければならない。
(報告の方式等)
第5条 法第15条の報告は、書面でしなければならない。
2 裁判所は、前項の報告に関し管財人に説明をさせることができる。
(民事訴訟規則及び民事執行規則の準用)
第6条 特別の定めがある場合を除き、実行手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟規則(平成8年最高裁判所規則第5号)第1編から第4編までの規定を準用する。
2 民事執行規則(昭和54年最高裁判所規則第5号)第3条第1項、第6条から第8条まで、第10条から第10条の3まで、第12条、第14条及び第22条の3の規定は、実行手続に関し準用する。

第2章 実行手続の開始

(書類添付の通知)
第7条 法第29条第2項の規定により後の実行の申立てが実行手続の開始の決定を受けたものとみなされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その申立書を実行手続に関する書類に添付した年月日を管財人、会社及び当該申立人に通知しなければならない。

第3章 会社の総財産の管理

(管財人が選任された場合の手続等)
第8条 法人が管財人に選任された場合には、その法人は、代表者のうち管財人の職務を行うべき者を指名し、裁判所に届け出なければならない。
2 裁判所書記官は、管財人に対し、その選任を証する書面を交付しなければならない。
3 管財人は、正当な理由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができる。
(財産明細表の謄本の提出等)
第9条 管財人は、就職の後、遅滞なく、財産明細表を作成し、その謄本を裁判所に提出しなければならない。財産明細表に掲げる事項に変更があった場合において、その変更部分についても、同様とする。
2 財産明細表の謄本には、謄本であることを記載して管財人が記名押印しなければならない。
(財産明細表の記載事項)
第10条 財産明細表には、次に掲げる事項を記載して管財人が記名押印しなければならない。
 事件の表示
 会社の動産、不動産、債権その他の財産の表示
 会社の財産につき実行手続において主張することができる権利を有することが明らかな者があるときは、その権利の表示
 会社の財産で権利の移転につき行政庁の許可、認可その他の処分を要するものがあるときは、当該財産及びこれに関する権利の移転に必要な許可等の表示
 その他会社の財産の現状を明らかにするについて必要と認める事項
 年月日
2 前条第1項後段の規定により作成する財産明細表には、変更の事由をも記載しなければならない。
(財産帳簿の閉鎖の請求)
第11条 会社の財産に関する帳簿の閉鎖の請求は、書面で、帳簿の閉鎖をすべき地を管轄する地方裁判所の裁判所書記官にしなければならない。
(封印等の方式)
第12条 破産規則(平成16年最高裁判所規則第14号)第53条第1項及び第2項の規定は、法第36条第1項において準用する破産法(平成16年法律第75号)第155条第1項の規定による封印又は封印の除去をした場合について準用する。
2 破産規則第53条第4項の規定は法第36条第1項において準用する破産法第155条第2項の規定により会社の財産に関する帳簿を閉鎖する場合について、同規則第53条第1項及び第2項の規定は法第36条第1項において準用する破産法第155条第2項の規定により会社の財産に関する帳簿を閉鎖した場合について準用する。この場合において、同規則第53条第2項中「封印等をした財産」とあるのは、「閉鎖した会社の財産に関する帳簿」と読み替えるものとする。
3 管財人は、封印に関する調書及び帳簿の閉鎖に関する調書の謄本を裁判所に提出しなければならない。

第4章 換価

(一括競売の場合の評価の報告)
第13条 管財人は、法第38条の規定により評価をさせたときは、ただちに、その結果を書面で裁判所に報告しなければならない。
(競落期日指定の申出等)
第14条 競落期日の指定は、管財人の申出による。
2 前項の申出は、書面で、競売期日を記載してしなければならない。
3 競落期日が定められたときは、裁判所書記官は、速やかに、その日時を管財人に通知しなければならない。
(公告)
第15条 管財人は、法第41条の規定に定める事項のほか、次に掲げる事項を公告しなければならない。
 事件の表示
 申立人及び会社の表示
 会社の総財産(金銭を除く。)の一括競売をする旨
 競売をすべき管財人の氏名及び住所又は、管財人が法人であるときは、その名称、住所及び代表者の氏名
 最低競売価額
 買受けの申出の保証の額及び提供の方法
 第22条の2において準用する民事執行規則第33条の規定により買受けの申出をすることができる者の資格が制限されたときは、その制限の内容
 財産明細表及び財産の評価に関する書類を競売期日の1週間前から一般の閲覧に供する旨及び閲覧することができる場所
2 競売期日及び競落期日を公告するには、その場所及び日時を明らかにしてしなければならない。
(競売期日の通知)
第16条 管財人は、法第14条第1号から第3号までに掲げる者に競売期日の日時及び場所を通知しなければならない。
(財産明細表等の閲覧)
第16条の2 一括競売によるときは、管財人は、競売期日の1週間前から財産明細表及び財産の評価に関する書類を一般の閲覧に供しなければならない。
(法第50条において準用する民事執行法第59条第5項の届出等の通知)
第17条 法第50条において準用する民事執行法(昭和54年法律第4号)第59条第5項の届出があったとき、又は第22条の2において準用する民事執行規則第33条、第39条第2項若しくは第40条第2項の規定による決定がされたときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を管財人に通知しなければならない。
(競売調書の記載事項)
第18条 競売につき作成すべき調書には、第22条の2において準用する民事執行規則第44条第1項(同規則第50条第4項において準用する場合を含む。)の規定により記載すべき事項のほか、次に掲げる事項を記載して、管財人が記名押印しなければならない。
 事件の表示
 実行手続の基本となる企業担保権の表示
 競売期日の場所
 調書を作成した場所及び年月日
(競落期日の場所)
第19条 競落期日は、裁判所において開く。
(競落を許さないで更に競売をすることができる場合等の通知)
第20条 競落不許可決定が確定した場合において、更に競売をすることができるときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を管財人に通知しなければならない。
2 前項の規定は、法第50条において準用する民事執行法第75条第1項の申立てにより競落許可決定を取り消す決定が確定したとき、又は競落人が代金を支払わない場合において、次順位買受申出人がないときについて準用する。
(競落人に対する会社の総財産の引渡し)
第21条 競落人が代金を支払ったときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を管財人に通知しなければならない。
2 管財人は、前項の規定による通知を受けたときは、すみやかに、会社の総財産(金銭を除く。)を競落人に引き渡さなければならない。
(任意売却の認可の申請)
第22条 任意売却の認可の申請は、書面でしなければならない。
2 申請書には、次に掲げる事項を記載して管財人が記名押印しなければならない。
 事件の表示
 任意売却をしようとする財産及び売却価額その他の売却条件の表示
 会社の総財産若しくはこれを組成する財産の負担で申立人の企業担保権に先立つものを買受人に引き受けさせるか、又はこれを会社の金銭及びその他の財産の売却代金で弁済するに足りる見込みがある旨
 年月日
 裁判所の表示
3 申請書には、企業担保権者、特別担保を有する債権者又は会社の任意売却の申出を証する書面、企業担保権者全員及び、任意売却をしようとする財産が特別担保の目的となっているときは、その特別担保を有する債権者の同意を証する書面並びに第2項第3号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。
(民事執行規則の準用)
第22条の2 民事執行規則第32条、第33条、第34条中期日入札に係る部分、第38条から第45条まで、第50条(同条第4項において準用する第35条から第37条までを除く。)、第52条、第54条、第55条及び第56条から第58条までの規定は、換価に関し準用する。この場合において、同規則第38条第1項及び第3項から第6項まで、第40条第1項、第41条、第42条第1項、第43条、第44条第1項及び第2項、第45条第1項及び第3項、第50条第3項及び第4項並びに第57条中「執行官」とあるのは「管財人」と、同規則第39条第1項中「売却基準価額」とあるのは「最低競売価額」と読み替えるものとする。

第5章 配当

(配当要求の通知等)
第23条 配当要求があったときは、裁判所書記官は、その旨を利害関係人に通知しなければならない。
2 民事執行法第51条第1項に規定する執行力のある債務名義の正本によらないで配当を要求する債権者があるときは、会社は、前項の規定による通知を受けた日から3日の期間内に、その債権を認諾するかどうかを裁判所に申し出なければならない。
3 債権者は、裁判所書記官から会社が認諾しない旨の通知を受けたときは、その通知を受けた日から3日の期間内に会社に対し訴えを提起してその債権を確定しなければならない。
(費用の計算書)
第24条 法第51条の規定により提出すべき職務の執行に関する費用の計算書には、次に掲げる事項を記載して管財人が記名押印しなければならない。
 事件の表示
 費用の項目別の表示
 法第35条第1項の規定により会社の金銭を費用及び報酬に充てた場合又は同条第2項の規定により申立人が費用及び報酬を立て替えた場合には、当該費用の項目にその旨の表示
 年月日
 裁判所の表示
(会社の金銭の明細表)
第25条 法第51条の規定による会社の金銭の引渡は、明細表を添えてしなければならない。
2 前項の明細表には、事件の表示、年月日及び裁判所の表示のほか、次に掲げる区分による金銭の額を記載して、管財人が記名押印しなければならない。
 管財人が会社の総財産の占有及び管理に着手した際に引渡しを受けた会社の金銭
 法第32条第2項の規定により会社の商品又は有価証券を売却して得た金銭
 法第32条第3項の規定により会社の金銭債権を取り立てて得た金銭
 任意売却により換価した場合には、これにより得た金銭
3 前項第2号の金銭については、商品又は有価証券の表示並びに、商品又は有価証券が特別担保の目的となっていたときは、その特別担保の表示及び財産ごとの売却価額、第3号の金銭については、金銭債権の表示をも記載しなければならない。
(任意売却の場合の配当要求のできる最終日の公告)
第26条 法第51条の2の規定による公告は、最初の任意売却の認可の後、速やかにしなければならない。
(任意売却による換価を完了した場合の届出)
第27条 任意売却による換価が完了したときは、管財人は、ただちに、その旨を裁判所に届け出なければならない。
(任意売却による換価に関する報告書)
第28条 法第51条の規定により提出すべき換価に関する報告書には、事件の表示、年月日及び裁判所の表示のほか、任意売却による換価の日時、買受人、目的物及び売却価額その他の売却条件、並びに特別担保の目的となっていた財産については、その特別担保の表示及び財産ごとの売却価額を記載して管財人が記名押印しなければならない。
(配当表が実施された場合の通知)
第29条 企業担保権者及びこれに優先する債権者の配当表が実施されたときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を管財人に通知しなければならない。
(民事執行規則の準用)
第29条の2 民事執行規則第26条、第57条、第58条、第59条から第61条まで及び第172条の規定は、配当に関し準用する。この場合において、同規則第57条中「執行官」とあるのは、「管財人」と読み替えるものとする。

第6章 雑則

(申立ての取下げ等の通知)
第30条 実行手続が実行の申立ての取下げ又は実行手続の開始の決定の取消しにより終結したときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を管財人に通知しなければならない。

附則

この規則は、昭和33年7月1日から施行する。
附則(昭和46年6月23日最高裁判所規則第9号)
この規則は、昭和46年7月1日から施行する。
附則(昭和55年5月6日最高裁判所規則第3号)抄
(施行期日)
1 この規則は、民事執行法(昭和54年法律第4号)の施行の日(昭和55年10月1日)から施行する。
附則(平成2年5月16日最高裁判所規則第3号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、法の施行の日から施行する。
(民事保全法施行の日=平成3年1月1日)
附則(平成8年3月1日最高裁判所規則第2号)
この規則は、平成8年4月1日から施行する。
附則(平成8年12月17日最高裁判所規則第6号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、民事訴訟法(平成8年法律第109号。以下「新法」という。)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成10年1月1日)
附則(平成10年11月19日最高裁判所規則第5号)抄
(施行期日)
1 この規則は、競売手続の円滑化等を図るための関係法律の整備に関する法律(平成10年法律第128号)の施行の日(平成10年12月16日)から施行する。
附則(平成15年11月12日最高裁判所規則第22号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律(平成15年法律第134号)の施行の日(平成16年4月1日)から施行する。
附則(平成16年10月6日最高裁判所規則第15号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、破産法(平成16年法律第75号。附則第7条において「新破産法」という。)及び破産法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成16年法律第76号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成17年1月1日)
附則(平成17年1月11日最高裁判所規則第1号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法 律(平成16年法律第152号)の施行の日から施行する。
(施行の日=平成17年4月1日)
附則(平成17年2月9日最高裁判所規則第6号)
この規則は、不動産登記法(平成16年法律第123号)の施行の日(平成17年3月7日)から施行する。

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