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犯罪捜査共助規則

昭和32年国家公安委員会規則第3号
犯罪捜査共助規則を次のように定める。

第1章 総則

(目的)
第1条 この規則は、都道府県警察の行う犯罪の捜査に関し、警察庁と都道府県警察及び都道府県警察相互間における連絡共助を緊密にし、もって捜査の効率的運営を期することを目的とする。
(共助の基本)
第2条 警察庁と都道府県警察及び都道府県警察相互間における犯罪捜査の連絡共助に関しては、信義を重んじ、誠実にこれに当たらなければならない。
(他の都道府県警察の管轄区域における捜査に係る連絡)
第3条 都道府県警察は、他の都道府県警察の管轄区域において犯罪の捜査を行うときは、あらかじめ(やむを得ない場合においては、事後速やかに)、当該都道府県警察に連絡するものとする。

第2章 共助の依頼

第1節 通則

(共助の依頼)
第4条 都道府県警察は、当該都道府県警察の行う犯罪の捜査に関し、他の都道府県警察に対し、共助の依頼(被疑者の逮捕、呼出し若しくは取調べ、盗品等(盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物をいう。)その他の証拠物の手配、押収、捜索若しくは検証、参考人の呼出し若しくは取調べ、職員の派遣その他の措置を依頼することをいう。以下同じ。)をすることができる。
2 共助の依頼は、原則として、警察本部(警視庁及び道府県警察本部をいう。以下同じ。)が、他の警察本部に対して行うものとする。
3 共助の依頼をするに当たっては、依頼の趣旨、内容その他の必要な事項を明確にし、及び依頼を受けた都道府県警察の事務の遂行に支障を及ぼさないようにしなければならない。
4 都道府県警察は、他の都道府県警察に対し共助の依頼をするため必要がある場合においては、警察庁又は管区警察局にそのあっせんを求めることができる。

第2節 手配等

(緊急事件手配)
第5条 都道府県警察は、その管轄区域における犯罪の捜査につき、他の都道府県警察に対して緊急の措置を依頼する必要があるときは、緊急事件手配書(犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号。以下「規範」という。)別記様式第1号)により、必要な措置を求めるものとする。
(事件手配)
第6条 都道府県警察は、他の都道府県警察に対し、容疑者及び捜査資料その他参考事項について通報を求める場合には、事件の概要及び通報を求める事項を明らかにして、事件手配を行うものとする。
(指名手配)
第7条 逮捕状の発せられている被疑者の逮捕を依頼し、逮捕後身柄の引渡しを要求する場合には、指名手配書(規範別記様式第2号)により、指名手配を行うものとする。
2 急速を要し逮捕状の発付を受けるいとまのないときは、前項に規定する指名手配書により手配した後、速やかに逮捕状の発付を得て、その有効期間を通報するものとする。
3 第5条の規定による緊急事件手配により、氏名等の明らかな被疑者の逮捕を依頼した場合には、当該緊急事件手配を指名手配とみなす。この場合においては、逮捕状の発付を得た後、改めて第1項に規定する手続をとるものとする。
(指名手配の種別)
第8条 前条に規定する指名手配を行うに当たっては、被疑者を逮捕した場合における身柄の処置につき、次のいずれであるかを明らかにしなければならない。
 第1種手配(身柄の護送を求める場合の手配をいう。)
 第2種手配(身柄を引取りに行く場合の手配をいう。)
2 指名手配は、原則として第1種手配によるものとする。
3 第2種手配は、逮捕地において捜査する必要がある等特別の事情がある場合であって、逮捕後身柄を引取りに行っても事件処理に余裕があるときに限り、これを行うことができる。
4 第2種手配があった被疑者を逮捕した都道府県警察は、手配をした都道府県警察が遠隔であるため、通常の方法による身柄の引取りを待つならば、明らかに刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第203条の規定による時間の制限を超えると認められる場合には、これを第1種手配として取り扱うことができる。この場合においては、その旨を速やかに手配をした都道府県警察に通告するものとする。
(身柄引渡しの原則)
第9条 指名手配があった被疑者を逮捕した都道府県警察(以下「逮捕警察」という。)は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き被疑者の身柄をその指名手配をした都道府県警察(以下「手配警察」という。)に引き渡さなければならない。
 逮捕警察が、手配を受けた犯罪より法定刑が重い別の犯罪をその管轄区域において犯した被疑者を逮捕したとき。
 逮捕警察が、手配を受けた犯罪と法定刑が同等以上の別の犯罪で手配をしていた被疑者を逮捕したとき。
 逮捕警察が、手配被疑者に関連する犯罪で、既にその正犯又は共同正犯である被疑者の一部を逮捕しているとき。
2 同一被疑者について、2以上の手配警察がある場合には、次の各号に定める手配警察にその身柄を引き渡さなければならない。
 手配を受けた犯罪について、その法定刑に軽重があるとき(次号に規定する場合に該当する場合を除く。)は、重い犯罪を手配した警察
 手配を受けた犯罪で、既にその正犯又は共同正犯である被疑者の一部を逮捕している警察があるときは、その警察
 前2号に規定する場合のほかは、先に手配をした警察
3 前2項に規定する身柄引渡しの原則により難い事情があるときは、逮捕警察と手配警察又は手配警察相互間の協議により決するものとする。
4 前項の協議が整わないときは、警察庁又は管区警察局の決するところによるものとする。
(逮捕の通告)
第10条 逮捕警察は、手配警察に、指名手配のあった被疑者を逮捕した旨を速やかに通告しなければならない。この場合において、逮捕警察が身柄を必要とするときは、その理由を併せて通告するものとする。
(指名通報)
第11条 他の都道府県警察に対し、身柄の引渡しを求めない被疑者について、その事件の処理をゆだねる旨の手配は、指名通報書(規範別記様式第2号)により行うものとする。
2 前項に規定する指名通報は、被疑者の氏名等が明らかであり、かつ、犯罪事実が確実なものについてのみ行うものとする。
3 第1項の指名通報があった事件については、あらかじめ、通報を発した都道府県警察に、逮捕状の有無、容疑事実の内容、関係書類その他捜査資料の有無等を照会して処理するものとする。
4 指名通報を行った被疑者については、事件処理に必要な証拠資料、関係書類等を完全に整備しておき、被疑者を発見した警察から要求のあったときは、速やかに事件引継書(規範別記様式第5号)とともに、証拠資料、関係書類等をその警察に送付しなければならない。

第3節 専門捜査員の派遣

(専門重要犯罪の報告)
第12条 都道府県警察は、航空機事故、列車事故その他のその捜査に関し専門的な知識若しくは技能又は経験を必要とする重要な事案で警察庁長官(以下「長官」という。)が定めるものに係る犯罪(以下「専門重要犯罪」という。)を認知したとき(第26条の2及び第26条の3に規定する場合を除く。)は、その旨を速やかに警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
(専門捜査員の派遣の要求)
第13条 都道府県公安委員会は、専門重要犯罪の捜査を適確に行うため必要があると認めるときは、警察法(昭和29年法律第162号。以下「法」という。)第60条第1項の規定により、警察庁、管区警察局又は他の都道府県警察に対し、専門重要犯罪の捜査に関し専門的な知識若しくは技能又は経験を有する警察職員(以下「専門捜査員」という。)の派遣の要求をするものとする。
2 警察庁、管区警察局及び都道府県警察は、前項の要求があったときは、その事務の遂行に著しい支障のない限り、専門捜査員を派遣しなければならない。
3 警察庁、管区警察局及び都道府県警察は、相互の連絡の方法に係る措置、専門捜査員に関する資料の交換その他の専門捜査員の派遣を迅速かつ円滑に行うために必要な措置を講ずるものとする。
(専門捜査員の派遣に関する指示)
第13条の2 長官は、専門重要犯罪を認知した場合において、当該専門重要犯罪の捜査を適確に行うため必要があると認めるとき(第26条の5に規定する場合を除く。)は、当該専門重要犯罪の捜査を行う都道府県警察に対し、専門捜査員の派遣の要求をすべきことを指示するものとする。
2 長官は、専門捜査員の派遣の要求をする都道府県警察から第4条第4項の規定によりあっせんを求められた場合において、専門重要犯罪の捜査を適確に行うため特に必要があると認めるとき(第26条の5に規定する場合を除く。)は、当該要求を受ける都道府県警察に対し、専門捜査員を派遣するよう指示するものとする。

第4節 補則

(手配等の適正)
第14条 第5条から第7条まで及び第11条に規定する手配又は通報については、その実効を期するため、犯罪の種別、軽重、緊急の度合等に応じ、手配の範囲、種別及び方法を合理的に定め、いやしくも濫用にわたることのないように注意しなければならない。
(手配等の解除)
第15条 第5条から第7条まで及び第11条に規定する手配又は通報に係る事件について、被疑者を逮捕し、事件を解決したときは、その手配又は通報をした都道府県警察は、速やかに、かつ、確実に、その手配又は通報の解除を行わなければならない。
2 逮捕状の有効期間が経過し、逮捕状の再発付を受けない場合も、また、前項と同様とする。
3 前2項のほか、共助の依頼をした場合において、その必要がなくなったときは、第1項の規定に準じ、必要な手続をとらなければならない。
(参考通報)
第16条 都道府県警察は、他の都道府県警察の管轄に属する犯罪事件について、その被疑者、証拠物その他捜査上参考となるべき事項を発見したときは、直ちに、適当な措置をとるとともに、その旨を当該都道府県警察に通報しなければならない。
2 都道府県警察は、前項の通報のほか、重要事件、他に波及するおそれのある事件その他犯罪の捜査又は予防上参考となるべき事件又は事項についても、関係都道府県警察に通報するものとする。
(被疑者の護送費用)
第17条 逮捕警察が被疑者を護送した場合においては、その護送に要した費用は、引渡しを受けた都道府県警察が、その定める一定の基準により、これを負担するものとする。
(留置の依頼)
第18条 都道府県警察は、被疑者の護送その他捜査のため必要があるときは、他の都道府県警察に対し、被疑者の留置を依頼することができる。
2 前項の依頼による被疑者の留置に特に要した費用は、当該依頼をした都道府県警察の負担とする。この場合において、逮捕警察が当該依頼をしたときは、手配警察の負担とする。

第3章 広域犯罪に係る捜査の連携

第1節 広域重要犯罪の捜査

(広域重要犯罪の報告等)
第19条 都道府県警察は、数都道府県の地域に関係のある重要な犯罪で長官の定めるもの(以下「広域重要犯罪」という。)を認知したとき(第26条の2及び第26条の3に規定する場合を除く。)は、その旨を速やかに警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
2 広域重要犯罪を認知した場合において、その捜査を効率的に行うため必要があると認めるときは、関係都道府県警察は、緊密な連絡を取り、共同してこれを行うものとする。
(合同捜査)
第20条 前条第2項の場合において、関係都道府県警察の捜査事項の全部又は大部分が一致すると認められるときは、関係都道府県警察の警察本部長(警視総監又は道府県警察本部長をいう。以下同じ。)は、法第61条の2第1項の規定により、協定を締結し、当該協定に従って当該広域重要犯罪の捜査に関し関係都道府県警察の1の警察官に指揮を行わせるものとする。
2 関係都道府県警察の警察本部長は、合同捜査(前項の1の警察官の指揮に係る広域重要犯罪の捜査をいう。以下同じ。)を行わせるため、合同捜査本部又は合同捜査班(以下「合同捜査本部等」という。)を設置しなければならない。
3 合同捜査本部等の長は、合同捜査本部長又は合同捜査班長(以下「合同捜査本部長等」という。)とし、第1項の警察官をもって充てるものとする。
4 第1項の協定において定める事項は、次のとおりとする。
 合同捜査に係る都道府県警察
 合同捜査に係る事件
 合同捜査本部長等が指揮を行うに当たって遵守すべき事項
 合同捜査本部長等の指名
 合同捜査本部等の編成
 合同捜査本部等の設置場所
 合同捜査本部等の解散
 前各号に掲げるもののほか、合同捜査を行うため必要な事項
5 第1項の協定には、前項に掲げるもののほか、被疑者の逮捕、事件の送致その他の捜査上の重要事項に係る指揮は、あらかじめ、関係都道府県警察の警察本部長の承認を得て行う旨を定めなければならない。
(合同捜査本部等における情報資料の活用)
第21条 関係都道府県警察は、合同捜査に係る事件に関する情報資料を合同捜査本部等に集め、当該合同捜査への活用を図らなければならない。
(捜査本部との関係等)
第22条 関係都道府県警察が、規範第22条第1項の捜査本部を設置している場合において、当該捜査本部に係る事件に関し第20条第1項の協定が締結されたときは、当該捜査本部は解散する。
2 合同捜査本部に係る事件に関し捜査に関する発表を行おうとする場合における規範第25条の規定の適用については、同条中「捜査本部」とあるのは「合同捜査本部」と、「捜査本部長」とあるのは「合同捜査本部長」とする。
3 合同捜査本部が設置される場合における規範第36条第1項の規定の適用については、同項第1号中「捜査本部」とあるのは、「捜査本部又は合同捜査本部」とする。
(合同捜査本部等の解散)
第23条 合同捜査本部等を設置した事件の捜査主任官は、事件を解決するに至らないで合同捜査本部等を解散する場合においては、関係都道府県警察の警察本部長が相互に協議して定めたところにより、当該事件について継続して捜査を担当すべき関係都道府県警察の捜査主任官に関係書類、証拠物等の引継ぎを確実に行うとともに、捜査の状況その他必要な事項を明らかにし、事後の捜査に支障を来すことのないようにしなければならない。
(共同捜査)
第24条 広域重要犯罪の捜査のうち第19条第2項の規定により共同して行うもの(合同捜査を除く。)については、関係都道府県警察は、共同捜査会議を開き、捜査方針を立て、その方針に基づいて捜査を行わなければならない。
(協定の内容等の報告)
第25条 都道府県警察は、第20条第1項の協定を締結し若しくは廃止し、又は当該協定の内容を変更したとき(第26条の4第2項第3号に規定する場合を除く。)はその旨及び当該協定の内容を、共同捜査(前条の規定により行う捜査をいう。以下同じ。)を行い、又は終了したとき(第26条の4第2項第4号に規定する場合を除く。)はその旨を、それぞれ警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
(合同捜査等に関する指示)
第26条 長官は、広域重要犯罪を認知した場合において、必要があると認めるとき(第26条の5に規定する場合を除く。)は、関係都道府県警察に対し、合同捜査又は共同捜査を行うべきことを指示するものとする。
2 長官は、合同捜査又は共同捜査を行う関係都道府県警察のいずれかから第4条第4項の規定によりあっせんを求められた場合において、当該合同捜査又は共同捜査を適確に行うため特に必要があると認めるとき(第26条の5に規定する場合を除く。)は、関係都道府県警察以外の都道府県警察に対し当該捜査について共助をするよう指示するものとする。

第2節 広域組織犯罪等の捜査

(広域組織犯罪等の報告等)
第26条の2 都道府県警察は、法第5条第4項第6号に規定する広域組織犯罪その他の事案で同号イに掲げるものに該当すると認められる次に掲げる犯罪があると認めるときは、その旨を速やかに警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
 全国の広範な区域において発散させられるおそれのあるサリン等(サリン等による人身被害の防止に関する法律(平成7年法律第78号)第2条に規定するサリン等をいう。)に係る製造その他の行為に係る犯罪
 全国の広範な区域に及ぶおそれのある広域暴力団相互間の対立抗争に係る犯罪
 全国の広範な区域において使用されるおそれのある大量の薬物又は銃器に係る輸入、譲受けその他の行為に係る犯罪
 公衆に販売される飲食物への毒物の混入等に係る犯罪で全国の広範な区域に及ぶおそれのあるもの
 インターネットその他の高度情報通信ネットワーク関係犯罪で全国の広範な区域に及ぶおそれのあるもの
 前各号に掲げるもののほか、その犯罪に係る組織の構成、目的及び活動状況、犯行の態様、犯罪地等を勘案して、法第5条第4項第6号に規定する広域組織犯罪その他の事案で同号イに掲げるものに該当すると認められる犯罪
第26条の3 都道府県警察は、法第5条第4項第6号に規定する広域組織犯罪その他の事案で同号ロに掲げるものに該当すると認められる次に掲げる犯罪があると認めるときは、その旨を速やかに警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
 国外における日本国民の生命又は身体を害する放射線、生物剤、毒素若しくは毒性物質の発散又は爆発物の使用に係る犯罪
 国外における日本国民に対する人質による強要に係る犯罪
 国外における日本航空機及び日本船舶の強取又は破壊に係る犯罪
 国外における薬物又は銃器の本邦への輸入に係る犯罪
 前各号に掲げるもののほか、国外における次に掲げる犯罪で法第5条第4項第6号に規定する広域組織犯罪その他の事案に該当すると認められるもの
 刑法(明治40年法律第45号)第2条に掲げる罪に係る犯罪(同条の例に従う罪に係る犯罪を含む。)
 条約により国外において犯したときであっても罰すべきものとされている罪に係る犯罪又は罰することができるものとされている罪に係る犯罪
 イ及びロに掲げるもののほか、日本国民の生命、身体及び財産を害する犯罪であって日本国の重大な利益を害するものに準ずるもの
第26条の4 都道府県警察は、前2条に規定する犯罪(以下単に「広域組織犯罪等」という。)の捜査に着手したときは、速やかに、捜査本部又は合同捜査本部の設置の状況その他その捜査を行うための態勢に関する事項を警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
2 都道府県警察は、次のいずれかに該当するときは、あらかじめ(緊急やむを得ない場合においては、事後速やかに)、警察庁及び管区警察局にその旨を報告しなければならない。
 広域組織犯罪等の捜査に関し法第60条の3、法第61条その他の法の規定によりその管轄区域外に権限を及ぼそうとするとき。
 広域組織犯罪等の捜査に関し法第60条第1項の規定により他の都道府県警察に対して援助の要求をしようとするとき。
 広域組織犯罪等の捜査に関し法第61条の2第1項の規定により協定を締結し若しくは廃止し、又は当該協定の内容を変更しようとするとき。
 広域組織犯罪等の捜査に関し共同捜査を行おうとし、又は終了しようとするとき。
(捜査態勢に関する指示)
第26条の5 長官は、広域組織犯罪等の捜査に関し必要があると認めるときは、法第61条の3第1項の規定に基づき、都道府県警察に対し、次に掲げる事項について必要な指示を行うものとする。
 捜査本部の設置及びその構成
 当該捜査を合同捜査又は共同捜査により行うべきこと。
 合同捜査が行われる場合にあっては、合同捜査本部の設置及び合同捜査本部長の指名その他の合同捜査本部の構成
 関係都道府県警察間の任務分担
 前各号に掲げるもののほか、広域組織犯罪等の捜査を行うための態勢に関する事項

第3節 広域初動捜査等

(広域捜査隊の編成等)
第27条 管轄区域が隣接し又は近接する都道府県警察は、法第60条の2の規定により、境界の周辺の区域における犯罪の初動捜査(事件の発生を認知した段階における捜査一般をいう。)その他犯人を当該区域において発見し検挙するための捜査(以下「広域初動捜査等」という。)を共同して行うため必要があると認めるときは、同条の規定に基づき締結した協定(以下この節において「公安委員会協定」という。)に従って、当該関係都道府県警察の管轄区域に権限を及ぼすものとする。
2 前項の規定により共同して行う広域初動捜査等は、広域捜査隊を編成して、これを行うものとする。
3 関係都道府県警察が前項の規定により広域捜査隊を編成するときは、関係都道府県警察の警察本部長は、法第61条の2第1項の規定により協定を締結し、当該協定(以下この節において「本部長協定」という。)に従って関係都道府県警察の1の警察官(法第60条第1項の規定による援助の要求により派遣された警察庁又は管区警察局の警察官を含む。)に当該広域捜査隊の指揮を行わせるものとする。
4 広域捜査隊の長は、広域捜査隊長とし、前項の1の警察官をもって充てるものとする。
(広域捜査隊に関する協定)
第28条 公安委員会協定において定める事項は、次のとおりとする。
 広域初動捜査等を共同して行う都道府県警察
 広域初動捜査等を共同して行うこととする事案の種別
 広域初動捜査等を共同して行うこととする区域
 広域初動捜査等の具体的範囲
2 本部長協定において定める事項は、次のとおりとする。
 広域捜査隊長が指揮を行うに当たって遵守すべき事項
 広域捜査隊長の指名
 広域捜査隊の編成
 広域捜査隊の活動の拠点となる場所
 広域捜査隊の解散
3 前2項に定めるもののほか、前条第1項の規定により共同して広域初動捜査等を行うため必要な事項は、本部長協定において定めるものとする。
(協定の内容等の報告)
第29条 都道府県警察は、公安委員会協定又は本部長協定を締結し若しくは廃止し、又はこれらの協定の内容を変更したときは、その旨及び当該協定の内容を警察庁及び管区警察局に報告しなければならない。
(警察庁等の調整)
第30条 警察庁及び管区警察局は、公安委員会協定又は本部長協定の締結及び実施に関し、協定の案の提示その他の必要な調整を行うものとする。

附則

この規則は、昭和32年9月1日から施行する。
附則 (昭和47年10月26日国家公安委員会規則第5号)
この規則は、昭和47年12月1日から施行する。
附則 (昭和49年9月12日国家公安委員会規則第5号)
この規則は、昭和49年10月1日から施行する。
附則 (平成5年9月13日国家公安委員会規則第11号) 抄
1 この規則は、平成5年10月1日から施行する。
附則 (平成6年7月19日国家公安委員会規則第21号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則 (平成7年5月26日国家公安委員会規則第7号)
この規則は、刑法の一部を改正する法律の施行の日(平成7年6月1日)から施行する。
附則 (平成8年7月5日国家公安委員会規則第7号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則 (平成11年6月18日国家公安委員会規則第8号) 抄
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行する。
附則 (平成16年4月1日国家公安委員会規則第8号)
この規則は、公布の日から施行する。ただし、第12条及び第13条の改正規定、第2章第3節中第13条の次に1条を加える改正規定並びに第27条第3項の改正規定は、平成16年7月1日から施行する。
附則 (平成28年3月31日国家公安委員会規則第8号)
この規則は、平成28年4月1日から施行する。

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