ドイツざいさんかんりれい
ドイツ財産管理令
昭和25年政令第252号
内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和20年勅令第542号)に基き、この政令を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この政令は、日本国との平和条約第20条の規定に基き、ドイツ財産を管理し、且つ、昭和20年のベルリン会議の議事の議定書に基いてドイツ財産を処分する権利を有するアメリカ合衆国、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びフランス(以下「3国」という。)の決定に従ってドイツ財産を処分するため必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この政令において「本邦」とは、本州、北海道、四国、九州及び主務省令で定めるその附属の島をいう。
2 この政令において「ドイツ人」とは、左の各号に掲げるものをいう。
一 昭和14年9月1日以後ドイツ国の国籍を有したことのある者。但し、昭和20年9月20日においてドイツ国外に住所又は居所を有していた者で左のイ又はロに該当するものを除く。
イ ドイツ国が昭和13年1月1日以後併合し、又は併合したと主張した国の国籍を有する者
ロ 戦時中にドイツ国若しくはその同盟国を援助し、又は援助しようとしたことがなく、且つ、戦争準備のためドイツ国又はその同盟国を援助したことのない者
二 ドイツ国政府、その下部行政機関若しくは公共団体又はこれらの代理機関若しくは補助機関
三 ドイツ国の法令により設立され、又はドイツ国に本店若しくは主たる事務所を有する法人その他の団体
3 この政令において「準ドイツ人」とは、昭和14年9月1日以後ドイツ国の国籍を有したことのある者のうち、昭和20年9月20日において本邦に住所又は居所を有し、且つ、昭和23年7月1日において本邦に住所又は居所を有していなかった者で前項第1号イ又はロに該当するものをいう。
4 この政令において「ドイツ系法人」とは、昭和20年9月20日においてドイツ人又は本項に規定する者が支配していた法人その他の団体で、本邦の法令により設立され、又は本邦に本店若しくは主たる事務所を有するものをいう。但し、第2項第3号に該当するものを除く。
5 この政令において「ドイツ人財産」とは、昭和20年9月20日以後昭和23年7月1日前にドイツ人が有していた債務以外の財産(ドイツ人が他人にその管理処分を委託していたもの又は他人の名義で有していたものを含む。)で本邦内にあるものをいう。
6 この政令において「準ドイツ人財産」とは、昭和20年9月20日以後昭和23年7月1日前に準ドイツ人が有していた債務以外の財産(準ドイツ人が他人にその管理処分を委託していたもの又は他人の名義で有していたものを含む。)で本邦内にあるものをいう。
7 この政令において「ドイツ系法人財産」とは、昭和20年9月20日以後ドイツ系法人が有していた債務以外の財産(ドイツ系法人が他人にその管理処分を委託していたもの又は他人の名義で有していたものを含む。)で本邦内にあるものをいう。
8 前3項に規定するドイツ人財産、準ドイツ人財産又はドイツ系法人財産のうちには、これらの項に規定する財産以外の財産(本邦内にあるものに限るものとし、債務を除く。)で、主務大臣が3国の請求に基きドイツ人財産、準ドイツ人財産又はドイツ系法人財産として指定するものを含むものとする。
9 主務大臣は、前項の指定をしたときは、これを告示する。
10 第5項から第7項までに規定する財産(第8項の規定により指定されたものを含む。)のうちには、昭和20年9月20日(第8項の規定により指定されたものについては、その指定の日)以後において当該財産に起因し、又はこれらのものの異動により取得した債務以外の財産で本邦内にあるものを含むものとする。
11 この政令の規定の適用について財産が本邦内にあるかどうかについては、主務省令で定めるところによる。
12 この政令において「ドイツ財産」とは、ドイツ人財産、準ドイツ人財産及びドイツ系法人財産をいう。
13 この政令において「ドイツ財産株式」とは、ドイツ財産である株式のうち、本邦以外の地に本店を有する会社(旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令(昭和24年政令第291号)に規定する在外会社でその決定整理計画書において同令に規定する新会社について定をしているものを除く。)、この政令施行の際清算手続中である会社(企業再建整備法(昭和21年法律第40号)に規定する決定整備計画において同法に規定する第2会社について定をしているもの及び金融機関再建整備法(昭和21年法律第39号)の規定による主務大臣の認可を受けた整備計画書において同法に規定する譲受金融機関について定をしているものを除く。)、この政令施行の際破産手続中である会社及び閉鎖機関令(昭和22年勅令第74号)第1条に規定する閉鎖機関の発行する株式以外の株式及びこれに代わる株式をいう。
14 この政令において「子株」とは、左に掲げる株式(左の各号中「ドイツ財産株式」とあるのを「子株」と読み替えた場合において左の各号に該当する株式を含む。)をいう。
一 ドイツ財産株式(第3条第1項の規定により主務大臣が指定した株式を含む。以下同じ。)の発行会社が昭和20年9月20日以後(当該株式が第8項の規定により主務大臣が指定したものである場合においては、その指定した日以後、当該株式が第3条第1項の規定により主務大臣が指定したものである場合においては、昭和20年9月20日からその指定の日まで、当該株式が第8項の規定により主務大臣が指定し、さらに、第3条第1項の規定により主務大臣が指定したものである場合においては、第8項の規定による指定の日から第3条第1項の規定による指定の日まで。以下本項において同じ。)においてその資本を増加し、又は新株を発行した場合(商法(明治32年法律第48号)第293条ノ2第1項の規定により利益の配当に充てるために新株を発行した場合及び同法第293条ノ3第1項の規定による利益準備金のみをもってする準備金の資本への組入に因り新株を発行した場合を除く。)において、当該ドイツ財産株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式又はこれに代わる株式
二 ドイツ財産株式の株主が昭和20年9月20日以後においてその発行会社の承継会社(企業再建整備法に規定する第2会社、金融機関再建整備法に規定する譲受金融機関、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令に規定する新会社その他その営業又は資産の主要部分をドイツ財産株式の発行会社から譲り受け、又は賃借している会社をいう。以下同じ。)の発行する株式を優先して有償で取得する権利を与えられた場合において、当該ドイツ財産株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった承継会社の発行する株式又はこれに代わる株式
三 前号に掲げるものを除く外、ドイツ財産株式の株主が昭和20年9月20日以後においてその発行会社以外の会社の発行する株式を優先して有償で取得する権利を与えられた場合において、当該ドイツ財産株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであったその発行会社以外の会社の発行する株式又はこれに代わる株式
四 前各号に掲げるものを除く外、昭和20年9月20日以後において、ドイツ財産株式の発行会社が資本を増加し、若しくは新株を発行し、又はその承継会社が株式を発行した際その株式を公募し、若しくはドイツ財産株式の発行会社の株主以外の者に優先して有償で取得する権利を与えた場合において、これらの株式について主務大臣の指定する株式又はこれに代わる株式
15 前2項において「これに代わる株式」とは、左に掲げる株式をいう。但し、第22条第1項、第3項若しくは第4項又は第22条の2第2項の規定による命令に基き譲渡され、売却され、又は引き渡された株式に相当する株式及び第24条第1項の規定による通知があった株式を除く。
一 前2項に掲げる株式の発行会社が合併した場合において、当該株式について割り当てられ、又は割り当てられるべきであった合併後存続する会社又は合併に因り設立された会社の株式
二 前2項に掲げる株式の発行会社が株式を分割し、若しくは併合し、又はその券面額を変更した場合において、当該株式について新たに発行し、又は発行すべきであった株式
三 前2項に掲げる株式の発行会社がその営業又は財産を1又は2以上の承継会社に出資し、又は譲渡した場合において、当該株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった、又は残余財産として分配され、若しくは分配されるべきであった当該承継会社の株式
(ドイツ財産からの除外)
第3条 ドイツ財産で主務大臣の指定するものは、その指定の日からドイツ財産でなくなるものとする。
2 前条第9項の規定は、前項の主務大臣の指定について準用する。
(ドイツ人財産の帰属)
第4条 昭和24年10月13日においてドイツ人財産であった財産は、他の法令の規定にかかわらず、同日において3国に帰属したものとする。
2 第2条第8項の規定により指定されたドイツ人財産は、他の法令の規定にかかわらず、その指定の日において3国に帰属するものとする。
3 ドイツ人財産で前条第1項の規定により指定されたものは、前2項の規定にかかわらず、3国に帰属しなかったものとする。
第2章 ドイツ財産の管理及び処分
(財産保有者の義務)
第5条 ドイツ財産を保有する者は、善良な管理者の注意をもってこれを保全しなければならない。
2 ドイツ財産を保有する者が前項の注意を怠ったためその財産に損害を生じたときは、主務大臣は、その財産を保有する者に対し、その財産を原状に回復し、又はその損害を賠償することを命ずることができる。
3 前項の規定により原状に回復された財産又は損害の賠償として取得された財産は、同項の財産の区分に応じ、ドイツ人財産、準ドイツ人財産又はドイツ系法人財産とみなす。
4 ドイツ財産を保有する者は、その財産について権利若しくは義務に変更を生じ、又は滅失、き損、移動その他現状の変更を生じたときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に報告しなければならない。
(ドイツ財産を変更する行為の制限)
第6条 ドイツ財産について権利又は義務に変更を生ずる行為をするには、主務大臣の許可を得なければならない。
2 前項の規定に違反した行為は、無効とする。
3 ドイツ財産について滅失、き損、移動その他現状の変更を生ずる行為をするには、主務大臣の許可を得なければならない。
4 主務大臣は、第1項又は前項の規定に違反する行為によりドイツ財産に損害を生じたときは、当該違反行為をした者に対し、その財産を原状に回復し、又はその損害を賠償することを命ずることができる。
5 前条第3項の規定は、前項の規定により原状に回復された財産又は損害賠償として取得された財産について準用する。
(行為の制限及び義務の免除)
第7条 主務大臣は、必要があると認めるときは、行為若しくは義務の内容又は財産の種類を指定して第5条第4項又は前条第1項若しくは第3項に定める行為の制限又は義務を免除することができる。
2 主務大臣は、前項の規定により前条第1項又は第3項の規定による行為の制限を免除したときは、これを告示する。
(管理人の選任及び解任等)
第8条 主務大臣は、ドイツ財産の管理又は処分のため必要があると認めるときは、管理人を選任して当該財産の管理又は処分をさせることができる。
2 主務大臣は、必要があると認めるときは、前項の管理人を解任することができる。
3 主務大臣は、第1項又は前項の規定により管理人を選任し、又は解任したときは、これを告示する。
4 準ドイツ人財産について第1項の規定により管理人が選任されたときは、当該財産について代理に関する権限を有する者は、管理人が選任された日において、その権限を失うものとする。
5 ドイツ系法人財産(本邦の法令に基いて設立された法人の有していたものに限る。)について第1項の規定により管理人が選任されたときは、当該財産を有する法人の取締役、監査役及び支配人は、管理人が選任された日において解任されたものとし、その他の当該法人について業務執行、代表又は代理に関する権限を有する者は、当該日においてその権限を失うものとする。
6 前項のドイツ系法人財産以外のドイツ系法人財産について第1項の規定により管理人が選任されたときは、当該財産を有する法人の取締役、支配人その他の当該法人について業務執行、代表又は代理に関する権限を有する者及び監査役は、管理人が選任された日において、本邦内においてはその権限を失うものとする。
(管理人に対するドイツ財産等の引渡)
第9条 前条第1項の規定によりドイツ財産について管理人が選任されたときは、当該財産を保有する者は、他の法令の規定にかかわらず、遅滞なく、当該財産又は当該財産に係る帳簿書類を管理人に引き渡さなければならない。この場合において、第6条第3項の規定は、適用しない。
(管理人の職務)
第10条 第8条第1項の規定により選任された管理人は、ドイツ財産を管理し、又は処分するには、主務大臣の指示に従わなければならない。この場合において、第6条第1項及び第3項の規定は適用しない。
2 前項の規定に違反した行為は、無効とする。
(主務大臣の権限)
第11条 主務大臣は、ドイツ財産の管理又は処分を適切ならしめるため必要があると認めるときは、自らドイツ財産を管理し、又は処分することができる。
2 主務大臣は、ドイツ財産の管理又は処分のため必要があると認めるときは、他の法令の規定にかかわらず、ドイツ財産を保有する者に対し、その財産を主務大臣の指定する者に引き渡すことを命ずることができる。
3 主務大臣は、管理人に対し、ドイツ財産の管理又は処分のため必要があると認めるときは、当該財産に関し、帳簿書類の作製若しくは備置又は報告書の提出を命ずることができる。
(譲渡されたドイツ財産)
第12条 ドイツ財産で、第6条第1項に規定する主務大臣の許可を得て譲渡されたもの、第7条第1項の規定により譲渡の制限を免除されて譲渡されたもの、第10条第1項に規定する主務大臣の指示に従って譲渡されたもの及び前条第1項の規定により主務大臣が譲渡したものは、その譲渡の日からドイツ財産でなくなるものとする。
(時効の特例)
第13条 ドイツ財産については、昭和20年9月20日(第2条第8項の規定により指定された財産については、その指定の日)から、他の法令の規定にかかわらず、時効は、進行しないものとする。
(財産に関する通知)
第14条 ドイツ財産について、当該財産を有する者に対してなすべき催告又は通知は、他の法令の規定にかかわらず、主務大臣(当該財産について第8条第1項の規定により選任された管理人があるときには、その管理人)にしなければならない。
(記名証券の再発行)
第14条の2 主務大臣は、3国から、公債、社債、特別の法律により設立された法人の発行する債券、株式又は出資であってドイツ人財産であるもの又はドイツ人財産であったものに係る記名証券で、3国が本邦にないと認めたものの再発行を請求された場合においては、当該請求があった旨及び利害関係人が当該請求に係る記名証券の再発行について異議があれば一定の期間内に事由を具して主務大臣に申し出るべき旨を公告しなければならない。
2 前項の公告は、2回以上するものとし、同項の期間は、最初の公告の日から2月を下らないものとする。
3 主務大臣は、3国からの記名証券の再発行の請求について第1項の公告をした場合において、同項の異議の申出がなかったとき、又は同項の異議の申出を調査して当該記名証券が本邦にないと認めたときは、当該記名証券を無効とし、その再発行を当該記名証券を発行した者に対し命じなければならない。
4 主務大臣は、前項の規定により記名証券を無効とするには、これを告示でしなければならない。
第3章 ドイツ系法人に関する特例
(公益法人でないドイツ系法人の機関の選任等に関する特例)
第15条 主務大臣は、ドイツ系法人財産について第8条第1項の規定により選任された管理人に対し、当該財産を有する法人(民法(明治29年法律第89号)以外の本邦の法令により設立された法人に限る。)の取締役その他の当該法人について業務執行若しくは代表に関する権限を有する者及び監査役を新たに選任するため又は定款を変更するため、株主総会若しくは社員総会を招集し、又は総社員の同意を取りまとめることを命ずることができる。
2 前項の管理人は、同項の株主総会又は社員総会の招集については、取締役と同一の権限を有する。
3 第1項に規定する株主総会若しくは社員総会の決議又は総社員の同意については、ドイツ財産株式又はドイツ財産である出資に基く権利は、主務大臣の指定する者が行使する。
4 第1項の規定による主務大臣の命令に基いて招集された株主総会又は社員総会においてされ、又は当該命令に基いて取りまとめられた総社員の同意によってされた当該法人の取締役その他の当該法人について業務執行又は代表に関する権限を有する者及び監査役の選任又は定款の変更は、同項に規定する管理人が解任された日からその効力を生ずる。但し、商法第12条(有限会社法(昭和13年法律第74号)第13条第3項において準用する場合を含む。)の規定の適用を妨げない。
(公益法人であるドイツ系法人の機関の選任等に関する特例)
第16条 主務大臣は、ドイツ系法人で民法第34条の規定により設立されたものの理事の全員が欠けた場合又は本邦内に居住しない場合においては、同法第56条の規定にかかわらず、仮理事を選任することができる。
2 前項の法人の理事又は同項の規定により選任された仮理事は、主務大臣の許可を得て当該法人の定款又は寄附行為を変更することができる。この場合において定款の変更については、民法第38条第1項の規定は適用しないものとし、また、同条第2項の規定の適用を妨げないものとする。
3 民法第38条第2項の規定は、前項の寄附行為の変更について準用する。
(ドイツ系法人の解散)
第16条の2 主務大臣は、3国からドイツ系法人が有する財産についての清算を請求された場合においては、これを告示する。
2 前項の規定による告示があった場合においては、当該告示に係るドイツ系法人は、当該告示があった日において、解散したものとみなす。
3 第1項の規定によりドイツ系法人が有する財産についての清算の請求の告示があったときは、当該法人の取締役、監査役及び支配人は、当該告示があった日において解任されたものとし、その他の当該法人について業務執行、代表又は代理に関する権限を有する者は、当該日において、その権限を失うものとする。
4 第1項の規定による告示があったときは、当該告示に係るドイツ系法人が有する財産について第8条第1項の規定により選任されている管理人は、当該告示があった日において、解任されたものとする。
(ドイツ系法人の財産の清算)
第16条の3 前条第1項に規定する告示があった場合においては、主務大臣の監督の下に特別の清算人が、この政令の定めるところにより、当該告示に係るドイツ系法人が有する財産の清算を行うものとする。
2 前項に規定するドイツ系法人は、同項の規定による清算の目的の範囲内においては、なお存続するものとみなす。
(特別清算人の選任及び解任)
第16条の4 主務大臣は、第16条の2第1項の規定による告示をした場合においては、遅滞なく、前条第1項の特別の清算人(以下「特別清算人」という。)を選任しなければならない。
2 主務大臣は、必要があると認めるときは、特別清算人を解任することができる。
3 主務大臣は、前2項の規定により特別清算人を選任し、又は解任したときは、これを告示する。
(特別清算人の代表権)
第16条の5 前条第1項の規定によりドイツ系法人について特別清算人が選任された場合においては、当該ドイツ系法人の代表権限は、当該特別清算人に属する。
(特別清算人の職務及び権限)
第16条の6 特別清算人の職務は、左の通りとする。
一 現務の結了
二 財産の管理及び処分(第11条第1項の規定により主務大臣が自ら管理し、処分する場合を除く。)
三 債権の取立及び債務の弁済
四 残余財産の処理
2 特別清算人は、前項の職務を行うについて、一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
3 第6条第1項及び第3項の規定は、特別清算人がその職務上行う行為については、適用しない。
(債務消滅行為等の禁止)
第16条の7 特別清算人は、第16条の11第1項の規定による清算計画書の認可があった後でなければ、ドイツ系法人の債務について、弁済その他の債務を消滅させる行為をしてはならない。但し、左に掲げる債務については、この限りでない。
一 清算に要する費用として主務大臣が承認したものに係る債務
二 国又は地方公共団体の公租公課その他主務省令で定めるこれに準ずる債務
三 少額の債務その他の債務で弁済をしても他の債権者を害する虞がないものとして主務大臣が承認したもの
2 特別清算人は、第16条の11第1項の規定による清算計画書の認可があった後でなければ、ドイツ系法人が有する財産(債務を除く。)を処分してはならない。但し、主務大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
(債権者に対する催告)
第16条の8 特別清算人は、その就職の日から1月内に、2回の公告をもって、ドイツ系法人に対し債権を有する者に対して、一定の期間内にその有する債権の額及び原因その他の主務省令で定める事項を申し出るように催告しなければならない。但し、その期間は、最後の公告の日から1月を下ることができない。
2 前項の公告には、債権者が当該公告において定めた債権申出の期間内に申出をしないときは、清算から除斥される旨を附記しなければならない。
3 特別清算人は、知れている債権者には各別にその債権の申出を催告しなければならない。
4 知れている債権者は、清算から除斥することができない。
5 清算から除斥された債権者は、第16条の20において準用する民法第72条若しくは第688条第2項若しくは商法第425条又は有限会社法第73条の規定による引渡、分割又は分配がされていない残余財産(当該残余財産が株式会社、株式合資会社又は有限会社の残余財産である場合において、当該株式会社若しくは株式合資会社の一部の株主又は当該有限会社の一部の社員に対し残余財産の分配がされているときは、当該株式会社若しくは株式合資会社の他の株主又は当該有限会社の他の社員に対し当該一部の株主又は社員に対してした分割の割合と同一の割合をもって分配するのに必要な財産を控除したものに限る。)に対してのみ弁済を請求することができる。
(清算計画書の認可申請)
第16条の9 特別清算人は、左に掲げる事項を記載した清算計画書を作製し、その就職の日から3月内に、主務大臣の認可を申請しなければならない。
一 債権者の氏名又は名称、債権額、債権の担保の有無及び弁済の順位、株主又は社員その他の出資者(以下「株主等」という。)の氏名又は名称及び持株数又は出資の価額並びに株主等に対する残余財産分配額
二 財産が第16条の8第1項に規定する債権申出の期間内に申出があった債権及び知れている債権を弁済するのに足りないときは、各債権者が受けるべき金額
三 その他主務省令で定める事項
2 前項の清算計画書には、ドイツ系法人が第16条の2第1項の規定による告示があった日において有していた財産に関する財産目録及びその財産の内容を明らかにした明細書を添附しなければならない。
3 前項の財産目録には、各財産について帳簿価額とともに時価を記載しなければならない。
(清算計画書の公示及びこれに対する異議の申立)
第16条の10 特別清算人は、前条第1項の規定により清算計画書の認可を申請したときは、遅滞なく、その旨を公告し、且つ、当該清算計画書及び同条第2項に規定するその添附書類をその事務所に備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
2 利害関係人は、前項の清算計画書又はその添附書類について異議があるときは、同項の規定による公告の日から2週間以内に、事由を具し、書面をもって主務大臣にその旨を申し出ることができる。
(清算計画書の認可)
第16条の11 主務大臣は、第16条の9第1項の規定による申請があった場合においては、当該申請に係る清算計画書を審査し、前条第2項の規定による異議の申出があったときは、これを参しゃくし、認可すべきものと認めたときは、同項の期間経過後、遅滞なく、これを認可しなければならない。この場合において、主務大臣は、当該清算計画書を変更して認可することができる。
2 特別清算人は、前項の規定による清算計画書の認可があった場合においては、その旨を公告しなければならない。
(認可を受けた決定清算計画書の変更)
第16条の12 主務大臣は、前条第1項の規定による認可をした後、やむを得ない事由がある場合においては、特別清算人の申請に基き、清算計画書の変更を認可することができる。この場合において、当該清算計画書に添附して既に主務大臣に提出した財産目録及びその財産の明細書の変更をも要するときは、その変更後の財産目録及びその財産の内容を明らかにした明細書を主務大臣に提出しなければならない。
2 第16条の10の規定は、前項に規定する申請があった場合に、前条第1項の規定は、前項の規定による認可をする場合に、前条第2項の規定は、前項の規定による認可があった場合について準用する。この場合において、第16条の10中「当該清算計画書及び同条第2項に規定するその添附書類」又は「前項の清算計画書又はその添附書類」とあるのは「当該変更後の清算計画書(第16条の12第1項後段の規定により変更後の財産目録及びその財産の内容を明らかにした明細書を提出したときは、これらの書類を含む。)」と読み替えるものとする。
(決定清算計画書の公示)
第16条の13 特別清算人は、第16条の11第1項の規定による認可を受けた清算計画書(前条第1項の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後の清算計画書。以下「決定清算計画書」という。)をその事務所に備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
(決定清算計画書の効力)
第16条の14 決定清算計画書の定は、ドイツ系法人の株主等及び債権者の全員のため、且つ、その全員に対して効力を有する。
(決定清算計画書の実行)
第16条の15 特別清算人は、第16条の11第1項の規定による認可を受けた場合においては、決定清算計画書の定めるところに従い、清算を行わなければならない。
(債権の取立)
第16条の16 特別清算人は、第16条の11第1項の規定による清算計画書の認可を受けた後、遅滞なく、ドイツ系法人が有する債権を取り立てなければならない。
2 第16条の2第1項の規定による告示があった日以後において、当該告示に係るドイツ系法人に対し債権を取得し、又は債務を負担した者は、相殺をもって当該ドイツ系法人に対抗することができない。
3 相殺又は第1項の規定による取立は、弁済期に至らない債権又は債務についてもすることができる。
(債務の弁済)
第16条の17 特別清算人は、ドイツ系法人が有する財産が第16条の8第1項に規定する債権申出の期間内に申出があった債権及び知れている債権を弁済するのに足りないときは、これらの債権のうち、破産の場合において別除権を行使することができる債権者の債権については、当該債権者がその別除権の行使によって弁済を受けることができる債権額を弁済し、当該債権者が別除権の行使によっても弁済を受けることができない債権額に相当する債権及び他の債権については、当該債権が優先権を有するものであるときはその順位に従い、当該債権が同一順位のものであるときはその債権額に応じて弁済しなければならない。
2 特別清算人は、ドイツ系法人の債務で弁済期に至らないものをも弁済することができる。
(弁済期に至らない債務の弁済額等)
第16条の18 商法第125条第2項から第4項までの規定は、第16条の16第3項の規定による相殺及び取立並びに前条第2項の規定による弁済について準用する。
(無限責任社員の責任の特例)
第16条の19 第16条の2第1項の規定による告示に係るドイツ系法人の無限責任社員の持分が第4条第1項又は第2項の規定により3国に帰属している場合において、当該ドイツ系法人の財産がその債務を完済するのに不足するときは、商法第80条第1項(同法第147条及び商法の一部を改正する法律(昭和25年法律第167号)による改正前の商法第458条第1項において準用する場合を含む。以下本条において同じ。)の規定は、3国については適用せず、当該持分が3国に帰属した際に当該持分を有していた者を同項に規定する社員とみなして、同項の規定を適用する。
2 第16条の2第1項の規定による告示に係るドイツ系法人の財産がその債務を完済するのに不足する場合においては、当該告示の日において当該ドイツ系法人の無限責任社員であった者(3国を除く。)及び前項の規定により当該ドイツ系法人の商法第80条第1項に規定する社員とみなされた者の責任については、商法第145条第1項の規定を準用する。
(残余財産の処理)
第16条の20 民法第72条(同条第2項但書を除く。)の規定は、同法第34条の規定に基き設立されたドイツ系法人又は法人でないドイツ系法人(民法第667条に規定する組合契約による組合を除く。以下本項において同じ。)が有する財産の清算の結果生じた残余財産の引渡について、同法第688条第2項の規定は、同法第667条に規定する組合契約による組合であるドイツ系法人が有する財産の清算の結果生じた残余財産の分割、合名会社又は合資会社であるドイツ系法人が有する財産の清算の結果生じた残余財産の分配及び株式合資会社であるドイツ系法人が有する財産の清算の結果生じた残余財産の無限責任社員に対する分配について、商法第425条の規定は、株式会社又は株式合資会社であるドイツ系法人が有する財産の清算の結果生じた残余財産の株主に対する分配について、有限会社法第73条の規定は、有限会社であるドイツ系法人が有する財産の清算の結果生じた残余財産の分配について準用する。この場合において、民法第72条第2項本文中「理事」とあるのは「特別清算人」と、「主務官庁」とあるのは法人でないドイツ系法人については「主務大臣」と読み替えるものとする。
(詐害行為の取消権の排除及び破産宣告の禁止)
第16条の21 決定清算計画書に従ってする特別清算人の行為については、民法第424条の規定は、適用しない。
2 第16条の2第1項の規定による告示に係るドイツ系法人に対しては、破産の宣告をすることができない。
(清算結了報告書の承認及び特別清算人の責任の解除)
第16条の22 特別清算人は、清算が結了したときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、清算結了報告書を作製し、主務大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
2 前項の規定による清算結了報告書の承認があったときは、特別清算人又は特別清算人であった者は、当該報告書に係る清算に関しては、責任を解除されたものとする。但し、これらの者にその清算に関し不正の行為があったときは、この限りでない。
(公益法人の清算結了の届出)
第16条の23 民法第83条の規定は、同法第34条の規定に基き設立されたドイツ系法人が有する財産の清算が結了し、前条第1項の規定による承認があった場合について準用する。この場合において、「清算人」とあるのは「特別清算人」と読み替えるものとする。
(重要書類の引渡)
第16条の24 特別清算人は、第16条の22第1項の規定による承認を受けたときは、遅滞なく、ドイツ系法人の帳簿及び業務又は清算に関する重要書類で本邦内にあるものを主務大臣に引き渡さなければならない。
2 主務大臣は、前項の規定により帳簿及び重要書類の引渡を受けた後10年間、当該帳簿及び重要書類を保存しなければならない。
(特別清算人による引渡等のあったドイツ系法人財産)
第16条の25 特別清算人の職務上の行為によって第16条の20において準用する民法第72条若しくは第688条第2項若しくは商法第425条又は有限会社法第73条の規定により引き渡され、分割され、又は分配されたドイツ系法人財産(3国に引き渡され、分割され、又は分配されたものを除く。)その他特別清算人の職務上の行為により払い渡され、又は譲渡されたドイツ系法人財産は、その引渡、分割、分配、払渡又は譲渡の日からドイツ系法人財産でなくなるものとする。
第4章 ドイツ財産株式に関する特例
(子株に相当する株式の確保)
第17条 子株の発行会社は、主務大臣の指示する数の子株に相当する株式を確保しなければならない。
2 子株の発行会社は、前項の措置をするため、主務大臣の指示する数の範囲内で自己の株式を取得することができる。
(承継会社の株式の保有)
第18条 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、その承継会社の発行する株式を優先して有償で取得する権利を当該ドイツ財産株式又は子株の発行会社の株主に与える場合において、他の法令の規定にかかわらず、ドイツ財産株式、前条第2項の規定により取得した自己の株式(以下「自己取得株式」という。)又はドイツ財産管理令の一部を改正する政令(昭和26年政令第244号)による改正前のこの政令(以下「旧令」という。)第17条第3項の規定、同条第6項において準用する連合国財産である株式の回復に関する政令の一部を改正する政令(昭和26年政令第243号)による改正前の連合国財産である株式の回復に関する政令(昭和24年政令第310号。以下「旧回復政令」という。)第10条第1項の規定若しくは旧令第19条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により保留した自己の株式(以下「自己保留株式」という。)について割り当てられるべき当該承継会社の株式を保有しなければならない。この場合において、ドイツ財産株式の株主には、当該承継会社の株式を優先して有償で取得する権利は与えられないものとする。
2 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、前項の規定により保有したその承継会社の株式については、議決権を行使することができない。
3 前項の承継会社の株主総会の決議については、同項の規定により行使することができない議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入しない。
(新株の引受権を与えられない株主等)
第19条 ドイツ財産株式又は子株の発行会社が新株を発行する場合においては、そのドイツ財産株式及び前条第1項の規定により保有された株式(以下「保有株式」という。)の株主には、新株の引受権は与えられないものとする。
2 ドイツ財産株式又は子株の発行会社が再評価積立金の資本組入に関する法律(昭和26年法律第143号)第3条第1項の規定により新株を発行する場合においては、同法の適用については、そのドイツ財産株式及び保有株式の株主は、同法第3条第1項及び第5条第1項に規定する株主には含まれないものとする。
3 ドイツ財産株式又は子株の発行会社が商法第293条ノ3第1項の規定による準備金の資本への組入に因り同条第2項の規定により新株を発行する場合において、その資本に組み入れられた準備金が資本準備金のみであるときは、同項の規定の適用については、そのドイツ財産株式及び保有株式の株主は、同項に規定する株主には含まれないものとする。
4 前項の場合において、資本に組み入れられた準備金のうちに資本準備金及び利益準備金があるときは、商法第293条ノ3第2項の規定の適用については、ドイツ財産株式及び保有株式の株主に対し発行される新株の割当の基準となる当該株主が有する株式の数は、同項の規定にかかわらず、当該株主が有する株式の数に資本に組み入れられた利益準備金の総額が資本に組み入れられた準備金の総額に対して有する割合を乗じて得た数(準備金の資本への組入に因り既に株式が発行されているときは、当該株主が有する株式の数に左の算式により計算した割合を乗じて得た数)とする。〔(資本に組み入れられた利益準備金の総額−組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている利益準備金の額)÷{資本に組み入れられた準備金の総額−(組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている利益準備金の額+組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている資本準備金の額)}〕
5 前項の算式において、「組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている利益準備金の額」とは、準備金の資本への組入に因り既に発行した株式の発行ごとに、発行した株式の発行価額にその発行数を乗じて得た額にそれぞれその発行の際において資本に組み入れられていた利益準備金の額がその際において資本に組み入れられていた準備金の総額に対して有する割合を乗じて得た額の合計額とし、「組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている資本準備金の額」とは、準備金の資本への組入に因り既に発行した株式の発行ごとに、発行した株式の発行価額にその発行数を乗じて得た額にそれぞれその発行の際において資本に組み入れられていた資本準備金の額がその際において資本に組み入れられていた準備金の総額に対して有する割合を乗じて得た額の合計額とする。
6 第1項の規定は、ドイツ財産株式又は子株の発行会社の承継会社が設立又は資本増加の際その発行する株式を優先して有償で取得する権利をドイツ財産株式又は子株の発行会社の株主に与える場合について準用する。
(自己保有株式)
第19条の2 ドイツ財産株式又は子株の発行会社でそのドイツ財産株式、自己取得株式、自己保留株式及び保有株式並びに自己保有株式(本項又は第2項の規定により保有した自己の株式をいう。以下同じ。)の数(以下「確保株数」という。)がそのドイツ財産株式及び子株の数と等しいものは、再評価積立金の資本組入に関する法律第3条第1項の規定により新株を発行する場合においては、当該新株のうち、当該新株の数に当該会社についての確保株式率(当該会社の確保株数を当該会社の発行済株式の総数で除して得た割合をいう。以下同じ。)を乗じて得た数に相当する株数のものを当該会社の名義で発行して、これを保有することができる。この場合における再評価積立金の資本組入に関する法律の適用については、同法第3条第1項前段中「株式を発行」とあるのは「株式を発行し、且つ、当該会社の名義で株式を発行」と、同項後段中「株主に払い込ませる金額」とあるのは「株主に払い込ませ、又は自ら払い込む金額」と、同法第4条第1項中「株主に払い込ませる」とあるのは「株主に払い込ませ、且つ、当該会社の名義で発行する新株の発行価額のうちその株主に払い込ませる金額と等しい金額を自ら払い込む」と、「その払い込ませる金額」とあるのは「その払い込ませ、又は自ら払い込む」と、同法第5条第1項中「株主は」とあるのは「株主及び当該新株の発行会社は」と、同法第7条第1項中「前条第1項に規定する一定の期日までに株式の申込をした者は、払込期日までに、各株について」とあるのは「会社は、当該会社の名義で発行する株式について、前条第1項に規定する一定の期日までに株式の申込をした者は、各株について、それぞれ、払込期日までに、」とする。
2 前項に規定するドイツ財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定による準備金の資本組入に因り同条第2項の規定により新株を発行する場合において、その資本に組み入れられた準備金が資本準備金のみであるときは、当該新株のうち、当該新株の数に当該会社についての確保株式率を乗じて得た数に相当する株数のものを当該会社の名義で発行して、これを保有することができる。この場合における商法第293条ノ3第2項の規定の適用については、同項中「株式ヲ発行」とあるのは「株式ヲ発行シ且会社ノ名義ヲ以テ株式ヲ発行」と、「株主ハ」とあるのは「株主及会社ハ」とする。
(再評価積立金の資本への組入及び取りくずしの制限)
第20条 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、資産再評価法(昭和25年法律第110号)第109条第1項の規定により再評価積立金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する株主総会において前条第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議しないとき(当該会社が前条第1項に規定する会社であって当該株主総会においてその資本への組入に因る当該会社の株式の額面金額の増加(以下「資本組入に因る額面金額の増加」という。)の決議をするときを除く。)は、資産再評価法第109条第1項の規定にかかわらず、その資本への組入をする際において当該会社の貸借対照表の負債の部に計上されている再評価積立金の金額のうち同項の規定により資本に組み入れることができる金額(第3項の規定により他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額があるときは、その同項の算式により計算した金額を差し引いた金額)からその金額に当該会社についての株式未回復率(当該会社のドイツ財産株式及び子株の数が、当該会社の発行済株式の総数と当該ドイツ財産株式及び子株の数との合計数から当該会社の確保株数を差し引いた数に対して有する割合をいう。以下同じ。)を乗じて得た額(当該会社がその確保株数がそのドイツ財産株式及び子株の数に満たない場合において、当該株主総会において資本組入に因る額面金額の増加の決議をするときは、その額面金額の増加額に当該会社の確保株数を乗じて得た金額を差し引いた金額)を差し引いた額をこえて、再評価積立金を資本に組み入れてはならない。
2 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、資産再評価法第109条第1項の規定により再評価積立金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する株主総会において前条第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するとき、又は当該会社が同項に規定する会社であって当該株主総会において資本組入に因る額面金額の増加の決議をするときは、資産再評価法第109条第1項の規定にかかわらず、その資本への組入をする際において当該会社の貸借対照表の負債の部に計上されている再評価積立金の金額のうち同項の規定により資本に組み入れることができる金額とその資本への組入をする際までに資本に組み入れられた再評価積立金の総額(その際までに再評価積立金の資本への組入に因り新株が発行されているときは、その新株の発行価額(当該新株につき再評価積立金の資本組入に関する法律第4条第1項に規定する払込金額(以下「払込金額」という。)の定があった場合においては、その金額を差し引いた金額)の総額を、その際までに資本組入に因る額面金額の増加がされているときは、その額面金額の増加額の総額を、それぞれ差し引いた額)との合計額から、前条第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行するときは、その資本への組入をする際において再評価積立金の資本への組入に因り発行する新株の発行価額(当該新株につき払込金額を定める場合においては、その金額を差し引いた金額)の総額を、資本組入に因る額面金額の増加をするときは、その額面金額の増加額の総額を、それぞれ差し引いた金額に当該会社についての株式未回復率を乗じて得た額をその資本に組み入れることができる金額から差し引いた額をこえて、再評価積立金を資本に組み入れてはならない。
3 再評価積立金を資本に組み入れたことがあるドイツ財産株式又は子株の発行会社は、左の各号に掲げる金額の合計額が零である場合を除く外、当該合計額に相当する再評価積立金を他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上するものとする。
一 当該会社の資本に組み入れられた再評価積立金の総額から、前条第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行した場合において再評価積立金の資本への組入に因り発行した株式の発行価額(当該株式につき払込金額の定があった場合においては、その金額を差し引いた金額)の総額と資本組入に因る額面金額の増加による額面金額の増加額の総額と第22条第4項の規定による命令に基き資本に組み入れられた再評価積立金の総額と第22条の2第3項の規定による命令に基き再評価積立金を資本に組み入れて新株を発行した場合における当該新株に相当する子株で資本組入に因る額面金額の増加があったものの額面金額の増加額の総額との合計額を差し引いた額に左の算式により計算した割合を乗じて得た金額{当該会社のドイツ財産株式及び子株の数÷(当該会社の発行済株式の総数−当該会社の確保株数)}
二 資本組入に因る額面金額の増加による額面金額の増加額の総額と第22条第4項の規定による命令に基き資本に組み入れられた再評価積立金の総額と第22条の2第3項の規定による命令に基き再評価積立金を資本に組み入れて新株を発行した場合における当該新株に相当する子株で資本組入に因る額面金額の増加があったものの額面金額の増加額の総額との合計額に左の算式により計算した割合を乗じて得た金額{(当該会社のドイツ財産株式及び子株の数−当該会社の確保株数)÷当該会社の発行済株式の総数}
4 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、前項の規定により他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する再評価積立金については第22条第4項又は第22条の2第3項の規定による命令に基き再評価積立金を資本に組み入れる場合を除く外、これを取りくずすことができない。
5 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、資産再評価法第109条第1項の規定により再評価積立金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する株主総会において前条第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するとき、又は当該株主総会において資本組入に因る額面金額の増加の決議をするときは、前項の規定にかかわらず、第3項の規定により他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する再評価積立金のうち、当該新株の発行価額(当該新株につき払込金額を定める場合においては、その金額を差し引いた金額)又は当該額面金額の増加額に当該会社の確保株数を乗じて得た金額に相当するものを資本に組み入れることができる。
(資本準備金の資本への組入及び取りくずしの制限)
第20条の2 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定により資本準備金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する取締役会において第19条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議しないときは、商法第293条ノ3第1項の規定にかかわらず、資本準備金の金額(第3項の規定により他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する資本準備金があるときは、その同項の算式により計算した金額を差し引いた金額)からその金額に当該会社についての株式未回復率を乗じて得た額を差し引いた額をこえて、資本準備金を資本に組み入れてはならない。
2 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定により資本準備金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する取締役会において第19条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するときは、商法第293条ノ3第1項の規定にかかわらず、資本準備金の金額とその資本への組入をする際までに資本に組み入れられた資本準備金の総額(その際までに資本準備金の資本への組入に因り新株が発行されているときは、その新株の発行価額の総額を差し引いた額)との合計額からその資本への組入をする際において資本準備金の資本への組入に因り発行する新株の発行価額の総額を差し引いた金額に当該会社についての株式未回復率を乗じて得た額を資本準備金の金額から差し引いた額をこえて、資本準備金を資本に組み入れてはならない。
3 資本準備金を資本に組み入れたことがあるドイツ財産株式又は子株の発行会社は、その資本に組み入れられた資本準備金の総額(当該会社が第19条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行したことがある場合においては、その場合において資本準備金の資本への組入に因り発行した株式の発行価額の総額を差し引いた額)に左の算式により計算した割合を乗じて得た金額が零である場合を除く外、当該金額に相当する資本準備金を他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上するものとする。{当該会社のドイツ財産株式及び子株の数÷(当該会社の発行済株式の総数−当該会社の確保株数)}
4 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、前項の規定により他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する資本準備金については、第22条の2第3項の規定による命令に基き資本準備金を資本に組み入れる場合を除く外、これを取りくずすことができない。
5 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定により資本準備金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する取締役会において第19条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するときは、前項の規定にかかわらず、第3項の規定により他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する資本準備金のうち、当該新株の発行価額に当該会社の確保株数を乗じて得た金額に相当するものを資本に組み入れることができる。
(ドイツ財産株式又は子株の発行会社が連合国財産株式又は子株の発行会社である場合の特例)
第20条の3 ドイツ財産株式又は子株の発行会社が連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「回復政令」という。)に規定する連合国財産株式又は子株の発行会社である場合においては、回復政令第14条から第17条までの規定(これに係る罰則の規定を含む。)は適用せず、第19条の2中「(以下「確保株数」という。)がそのドイツ財産株式及び子株の数」とあるのは「(以下「確保株数」という。)とその連合国財産である株式の回復に関する政令に規定する特定株式、自己取得株式、自己保留株式、保有株式及び自己保有株式の数との合計数がそのドイツ財産株式及び子株の数とその同令に規定する連合国財産株式及び子株の数との合計数」と、第20条及び第20条の2中「ドイツ財産株式及び子株」とあるのは「ドイツ財産株式及び子株並びに連合国財産である株式の回復に関する政令に規定する連合国財産株式及び子株」と、「確保株数」とあるのは「確保株数と連合国財産である株式の回復に関する政令に規定する特定株式、自己取得株式、自己保留株式、保有株式及び自己保有株式の数との合計数」と、「第22条第4項」とあるのは「第22条第4項又は連合国財産である株式の回復に関する政令第19条第1項」と、「第22条の2第3項」とあるのは「第22条の2第3項又は連合国財産である株式の回復に関する政令第20条の2第6項若しくは第20条の3第1項」と、回復政令第12条の2中「(以下「確保株数」という。)がその連合国財産株式及び子株の数」とあるのは「(以下「確保株数」という。)とそのドイツ財産管理令に規定するドイツ財産株式、自己取得株式、自己保留株式、保有株式及び自己保有株式の数との合計数がその連合国財産株式及び子株の数とその同令に規定するドイツ財産株式及び子株の数との合計数」と読み替えてこれらの規定を適用する。
(自己取得株式等の処分の制限)
第21条 自己取得株式、自己保留株式、保有株式又は自己保有株式は、主務大臣の許可を得なければ譲渡し、又は担保に供してはならない。
2 前項の規定に違反した行為は、無効とする。
(自己取得株式等の処分命令)
第22条 主務大臣は、3国から子株を3国、準ドイツ人又はドイツ系法人(第2条第8項の規定により指定された財産をその指定の日において有していたものを含む。以下本章において「3国等」という。)に回復することを請求された場合においては、ドイツ財産株式又は子株の発行会社に対し、自己取得株式、自己保留株式又は保有株式を3国等で主務大臣の指定するものに譲渡することを命ずることができる。
2 前項の場合において、同項の規定により指定された者は、ドイツ財産株式又は子株の発行会社に対し、自己取得株式又は自己保留株式については、当該会社が発行する額面株式の券面額(当該自己取得株式又は自己保留株式につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた額)に相当する金額、保有株式については、第18条第1項に規定する優先して有償で取得する権利を与えた際における価額に相当する金額を対価として支払わなければならない。
3 主務大臣は、3国の請求に基き、ドイツ財産株式又は子株の発行会社に対し、自己取得株式、自己保留株式又は保有株式を時価で売却し、且つ、その売却価額が自己取得株式若しくは自己保留株式についてはその券面額(当該自己取得株式又は自己保留株式につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた額)をこえ、保有株式については第18条第1項に規定する優先して有償で取得する権利を与えた際におけるその価額をこえるときは、その超過額(売却に関し委託手数料を要したときは、当該超過額からその金額を差し引いた額)を3国等で主務大臣の指定するものに支払うことを命ずることができる。
4 主務大臣は、第1項又は前項の規定により譲渡され、又は売却される株式がないとき、又はその株式の数が3国等で主務大臣の指定するものに回復される子株の数に不足するときは、3国の請求に基き、その3国等で主務大臣の指定するものに回復される株式の数又はその不足する数の子株を3国等で主務大臣の指定するものに回復するため、当該子株の発行会社に対し、発行価額を指示して3国等で主務大臣の指定するものの名義のその3国等で主務大臣の指定するものに回復される株式の数又はその不足する数の新株を発行し、その株券を3国等で主務大臣の指定するものに引き渡すこと又はその新株を売却し、且つ、その売却価額がその指示に係る発行価額(当該新株に相当する子株につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた金額)をこえるときは、その超過額(売却に関し委託手数料を要したときは、当該超過額からその金額を差し引いた額)を3国等で主務大臣の指定するものに支払うことを命ずることができる。この場合において、主務大臣は、その新株を発行するため必要があるときは、期日を指定して会社が発行する株式の総数を増加することを命じ、その新株に相当する子株につき資本組入に因る額面金額の増加があったときは、その指示する金額の再評価積立金を期日を指定して資本に組み入れることを併せて命ずることができる。
5 自己保留株式の発行会社は、第1項から第3項までの規定により自己保留株式の譲渡又は売却を命ぜられた場合において、当該株式に係る株券を発行していないときは、遅滞なく、株券を発行しなければならない。
6 第4項の規定による命令に基き子株の発行会社から株券の引渡を受けた3国等で主務大臣の指定するものは、当該子株の発行会社に対し、当該株券に係る株式の発行価額(当該株式に相当する子株につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた額)に相当する金額を支払わなければならない。
7 回復政令第19条第2項から第6項までの規定は、第4項の規定による命令を受けた会社がその命令に基いて新株を発行し、又はその発行する株式の総数を増加する場合について準用する。この場合において、回復政令第19条第2項及び第3項中「大蔵大臣」及び「連合国財産株式」とあるのはそれぞれ「主務大臣」及び「ドイツ財産株式」と読み替えるものとする。
8 第1項の規定により譲渡され、又は第3項の規定により売却された自己保留株式については、その発行価額に相当する金額がその譲渡又は売却の日において払い込まれているものとみなす。
(再評価積立金に係る子株及び準備金に係る子株の回復)
第22条の2 3国から子株を3国等で主務大臣の指定するものに回復することを請求された場合において、3国等で主務大臣の指定するものが再評価積立金に係る子株(ドイツ財産株式又は子株の発行会社が資産再評価法第109条の規定による再評価積立金の資本への組入に因り株式を発行した場合において、当該ドイツ財産株式若しくは子株について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式又はこれに代わる株式をいう。以下同じ。)又は準備金に係る子株(ドイツ財産株式又は子株の発行会社が商法第293条ノ3の規定による準備金の資本への組入に因り株式を発行した場合において、当該ドイツ財産株式若しくは子株について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式又はこれに代わる株式をいう。以下同じ。)の回復を受けることができる株式の数は、子株の発行会社が再評価積立金又は準備金の資本への組入に因り株式を発行した際に、当該3国等で主務大臣の指定するものが有していたドイツ財産株式及び子株について割り当てられ、又は割り当てられるべきであった株式の数(その資本に組み入れられた準備金のうちに利益準備金があるときは、その割り当てられ、又は割り当てられるべきであった株式の数から、その数に資本に組み入れられた利益準備金の額が資本に組み入れられた準備金の額に対して有する割合を乗じて得た数(その資本への組入に因り発行された株式の発行価額にその発行数を乗じて得た数がその資本に組み入れられた準備金の総額に満たないときは、当該ドイツ財産株式及び子株の合計数に第19条第4項に掲げる算式により計算した割合を乗じて得た数)を差し引いた数)とする。
2 主務大臣は、3国の請求に基き、再評価積立金に係る子株又は資本準備金に係る子株を3国等に回復するため、当該再評価積立金に係る子株又は資本準備金に係る子株の発行会社に対し、自己保有株式を3国等で主務大臣の指定するものに譲渡すること又はその自己保有株式を売却し、且つ、当該自己保有株式が払込金額の定のある再評価積立金に係る子株であるときは、その売却価額(売却に関し委託手数料を要したときは、当該価額からその金額を差し引いた金額。以下本項及び第3項において同じ。)からその払込金額を差し引いた金額に相当する金額、当該株式がその他の株式であるときは、その売却価額に相当する金額を3国等で主務大臣の指定するものに支払うことを命ずることができる。
3 主務大臣は、前項の規定により譲渡され、若しくは売却される株式がないとき、又はその株式の数が再評価積立金に係る子株若しくは資本準備金に係る子株の回復として3国等で主務大臣の指定するものに回復される株式の数に不足するときは、3国の請求に基き、その3国等で主務大臣の指定するものに回復される株式の数又はその不足する数の株式を3国等で主務大臣の指定するものに回復するため、当該再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の発行会社に対し、その指示する金額の再評価積立金又は準備金をその指定する日において資本に組み入れて、その3国等で主務大臣の指定するものに回復される株式の数又はその不足する数及びその指示する発行価額の3国等で主務大臣の指定するものの名義の新株を発行し、その株券を3国等で主務大臣の指定するものに引き渡すこと又はその株式を売却し、且つ、当該株式が払込金額の定のある再評価積立金に係る子株に相当する株式であるときは、その売却価額からその払込金額を差し引いた金額に相当する金額、当該株式がその他の株式であるときは、その売却価額に相当する金額を3国等で主務大臣の指定するものに支払うことを命じ、且つ、その新株を発行するため必要がある場合においては、会社の発行する株式の総数を増加することを命ずることができる。
4 第2項又は前項の規定による命令に基き払込金額の定のある再評価積立金に係る子株の発行会社から株式の譲渡又は株券の引渡を受けた3国等で主務大臣の指定するものは、当該子株の発行会社に対し、当該払込金額に相当する金額を支払わなければならない。
5 第3項の規定による命令を受けた会社がその命令に基いて再評価積立金を資本に組み入れ、新株を発行する場合における再評価積立金の資本組入に関する法律の適用については、同法第11条第1項中「第4条第1項の規定により新株の払込金額を定めた場合においては、その新株」とあるのは「ドイツ財産管理令第22条の2第3項の規定による命令に基き売却された株式又は同項の規定による命令に基き3国等で主務大臣の指定するものに引き渡された株券に係る株式に相当する再評価積立金に係る子株について第4条第1項の規定により新株の払込金額が定められている場合においては、その売却された株式及びその引き渡された株券に係る株式」とする。
6 第2項の規定により譲渡され、又は同項の規定により売却された自己保有株式並びに第3項の規定による命令に基き売却された株式及び同項の規定による命令に基き引き渡された株券に係る株式でこれに相当する再評価積立金に係る子株につき払込金額の定があるものについては、その払込金額に相当する金額がその譲渡、売却又は引渡の日において払い込まれているものとみなす。
7 回復政令第19条第5項及び第6項並びに第20条の2第7項から第9項までの規定は、第3項の規定による命令があった場合について準用する。この場合において、回復政令第19条第5項中「回復期日」とあるのは「その命令を受けた日」と、同令第20条の2第7項中「大蔵大臣」とあるのは「主務大臣」と読み替えるものとする。
(自己取得株式等の譲渡に伴う他の法令との関係)
第23条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「私的独占禁止法」という。)第10条、第11条及び第14条の規定は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和22年法律第138号)第1条第8号の規定にかかわらず、第22条第1項又は前条第2項の命令により自己取得株式、自己保留株式、保有株式又は自己保有株式の譲渡を受けた者及び第22条第4項又は前条第3項の規定による命令に基き株券の引渡を受けた者が当該株式をその譲渡を受けた後継続して所有する場合について適用する。この場合において、これらの者には3国は含まれないものとする。
2 前項の場合において、当該譲渡を受けた者は、その譲渡を受けた日後60日以内に私的独占禁止法のこれらの規定に適合するために必要な措置をとらなければならない。但し、当該譲渡を受けた者は、公正取引委員会規則で定めるところにより、当該期間について相当期間の延長を公正取引委員会に申請することができる。この場合における公正取引委員会の認可は、私的独占禁止法のこれらの規定に適合するために必要な株式の処分がすみやかに行われることを条件としなければならない。
(自己取得株式等の主務大臣の通知による処分)
第24条 主務大臣は、子株についての第22条第1項若しくは第3項又は第22条の2第2項に規定する3国の請求がないことが明らかになったときは、その旨を当該子株の発行会社又は第18条第1項の規定により当該子株に相当する株式を保有する会社に通知しなければならない。
2 前項の会社は、同項の通知を受けたときは、遅滞なく、同項に規定する請求がないことが明らかになった子株に相当する株式のうち、自己取得株式若しくは自己保留株式については、これを消却又は売却し、保有株式若しくは自己保有株式については、これを売却しなければならない。
3 第22条第5項及び第8項並びに第22条の2第6項の規定は、前項の規定により株式を売却する場合について準用する。
(株式の名義書換命令)
第25条 主務大臣は、ドイツ財産株式の発行会社に対し、ドイツ財産株式の名義を当該株式を所有する3国等の名義に書き換えることを命ずることができる。
(損失の処理)
第26条 第22条第1項から第4項まで又は第24条第2項の規定による株式の処分をすることにより当該処分をした会社に生じた損失の処理に関しては、別に法律で定める。
(発行会社の報告義務)
第27条 ドイツ財産株式又は子株の発行会社は、この政令施行の日から60日以内に主務省令で定めるところにより、その発行する株式の種類ごとにドイツ財産株式又は子株の数を主務大臣に報告しなければならない。
2 ドイツ財産株式若しくは子株の発行会社がその発行する株式の総数若しくは発行済株式の総数を増加し、若しくは減少し、その発行する株式の額面金額を変更し、合併し、解散し、若しくは第18条第1項の規定によりその承継会社の株式を保有したとき、又はその承継会社が設立されたときは、当該会社(合併の場合においては、合併後存続する会社又は合併に因り設立された会社)は、その登記(会社が発行する株式の総数又は発行済株式の総数の増加又は減少については当該増加又は減少による変更の登記、承継会社の株式の保有については当該承継会社の設立の登記)の日から2週間以内に、主務省令で定める事項を主務大臣に報告しなければならない。
第5章 雑則
第28条 削除
(商標法との関係)
第28条の2 商標法(大正10年法律第99号)第34条第1号、第4号及び第7号の規定は、ドイツ人財産である商標権に係る商標と同一又は類似の商標を使用する同一又は類似の商品で、3国の承認を得て通商産業大臣がその輸入を許可したものに関してする行為については、適用しない。
2 前項の許可の手続は、総理府令、大蔵省令、通商産業省令で定める。
(報告の徴取及び立入検査)
第29条 主務大臣は、ドイツ財産の管理若しくは処分に関し、又は前章に規定するドイツ財産株式若しくは子株に関する措置に関し必要があると認めるときは、その必要の範囲内において、当該財産の保有者若しくは債務者又は当該株式の発行会社から報告若しくは資料を徴し、又は部下の職員をしてこれらの者の事務所、倉庫その他これらの者が管理する場所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の業務若しくは財産に関係のある物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする場合には、当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人に対し、これを呈示しなければならない。
3 第1項の立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(登記及び登録の嘱託)
第30条 主務大臣は、第4条第1項又は第2項の規定によりドイツ財産が3国に帰属した場合における権利移転の登記又は登録を嘱託することができる。
2 主務大臣は、第4条第1項又は第2項の規定によりドイツ財産である会社の社員の持分が3国に帰属した場合において、その社員を主務大臣の指定する者に変更する登記を嘱託することができる。
3 主務大臣は、第10条第1項の規定により管理人がドイツ財産を処分した場合又は第11条第1項の規定により主務大臣がドイツ財産を処分した場合における権利移転の登記又は登録を嘱託することができる。
4 主務大臣は、特別清算人がドイツ系法人財産を第16条の20において準用する民法第72条若しくは第688条第2項若しくは商法第425条又は有限会社法第73条の規定による処分に因り3国に引き渡し、分割し、又は分配した場合における権利移転の登記又は登録を嘱託することができる。
5 主務大臣は、ドイツ財産に関し、第6条第1項の規定に違反した行為を原因として登記又は登録がされた場合においては、その登記又は登録の抹消を嘱託することができる。
6 主務大臣は、ドイツ財産についてドイツ人、準ドイツ人、ドイツ系法人又は第2条第8項の規定により指定された財産をその指定の日において有していた者が登記又は登録の権利者としてすべき登記又は登録がされていない場合においては、その登記又は登録を嘱託することができる。
7 主務大臣は、前各項の規定による登記又は登録の嘱託をするため必要な登記又は登録を嘱託することができる。
8 第1項、第3項又は第4項の登記を嘱託する場合において、当該権利の移転の当時その権利を有していた者が登記名義人と同一人でないときは、登記の嘱託書に、登記名義人の表示の外、当該権利を有していた者の氏名又は名称及び住所又は事務所を記載しなければならない。
9 前項の登記の嘱託については、不動産登記法(明治32年法律第24号)第25条第2項の規定にかかわらず、同法第49条第6号の規定を準用しない。
10 主務大臣は、ドイツ系法人財産について第8条第1項の規定により管理人を選任し、又は同条第2項の規定により管理人を解任したときは、その法人につき、その旨の登記を嘱託しなければならない。
11 主務大臣は、第16条の2第1項の規定による告示をした場合においては、当該告示に係るドイツ系法人(法人でないものを除く。)の解散の登記を嘱託しなければならない。
12 主務大臣は、第16条の4第1項又は第2項の規定により特別清算人を選任し、又は解任したときは、その旨の登記を嘱託しなければならない。但し、法人でないドイツ系法人の財産について選任された特別清算人については、この限りでない。
13 主務大臣は、第16条の22第1項の規定によりドイツ系法人(法人でないもの及び民法第34条の規定に基き設立されたものを除く。)が有する財産についての清算結了報告書を承認したときは、当該ドイツ系法人の清算結了の登記を嘱託しなければならない。
14 主務大臣は、3国から第2条第2項第1号に掲げる者が登記している商号の登記をまっ消すべき旨を請求された場合においては、当該商号の登記のまっ消を嘱託しなければならない。
15 主務大臣は、3国から第2条第2項第3号に掲げるものの営業所で本邦内にあるものの閉鎖の登記をすべき旨を請求された場合においては、当該営業所の閉鎖の登記を嘱託しなければならない。
(職権による登記)
第31条 第8条第5項の規定による取締役、監査役及び支配人の解任の登記は、前条第10項の規定による管理人の選任の登記がされた時に、登記官が職権をもってする。
2 第16条の2第3項の規定による取締役、監査役及び支配人の解任の登記は、前条第11項の規定によるドイツ系法人の解散の登記がされた時に、登記官が職権をもってする。
3 第16条の2第4項の規定による管理人の解任の登記は、前条第11項の規定による解散の登記がされた時に、登記官が職権をもってする。
第32条 削除
(登記及び登録の細則)
第33条 第30条及び第31条の規定による登記又は登録の手続に関し必要な事項は、登記については法務省令、社債、地方債、特別の法律により法人の発行する債券及び外国又は外国の法人の発行する公債又は社債の登録については法務省令、大蔵省令、国債の登録については大蔵省令、著作権の登録については文部省令、漁業権の登録については農林省令、鉱業権、特許権、実用新案権、意匠権及び商標権の登録については通商産業省令、船舶の登録については運輸省令でそれぞれ定める。
(課税上の特例)
第34条 第30条第1項、第2項、第4項から第7項まで及び第10項から第15項までの規定による登記又は登録については、登録税を課さない。
第35条 削除
(主務大臣及び主務省令)
第36条 この政令において主務大臣は、財務大臣とする。
2 この政令において主務省令は、財務省令とする。
第6章 罰則
第37条 左の各号の一に該当する者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
一 第6条第1項又は第3項の規定に違反した者
二 第10条第1項の規定による主務大臣の指示に違反する管理若しくは処分をした者
三 第16条の7第1項又は第2項の規定に違反した者
四 第16条の15の規定に違反して決定清算計画書に従わないで清算を行った者
五 第16条の20において準用する民法第72条若しくは第688条第2項若しくは商法第425条又は有限会社法第73条の規定に違反して引渡、分割又は分配をした者
六 第27条第1項の規定に違反して報告をせず、又は虚偽の報告をした者
第38条 左の各号の一に該当する場合においては、その違反行為をした会社の取締役又はこれに準ずる者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
一 第18条第1項の規定に違反したとき。
二 第20条第1項又は第2項の規定に違反して再評価積立金を資本に組み入れたとき。
三 第20条第4項の規定に違反して再評価積立金を取りくずしたとき。
四 第20条の2第1項又は第2項の規定に違反して資本準備金を資本に組み入れたとき。
五 第20条の2第4項の規定に違反して資本準備金を取りくずしたとき。
六 第21条第1項の規定に違反したとき。
七 第22条第1項若しくは第4項又は第22条の2第2項若しくは第3項の規定に基く主務大臣の命令に違反して株式の譲渡又は株券の引渡をしなかったとき。
八 第22条第3項若しくは第4項又は第22条の2第2項若しくは第3項の規定に基く主務大臣の命令に違反して株式の売却をせず、又は支払うべき金額の支払をしなかったとき。
九 第22条第4項又は第22条の2第3項の規定に基く主務大臣の命令に違反して新株を発行しなかったとき。
第39条 左の各号の一に該当する者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
一 第5条第1項の規定に違反してドイツ財産の保全をしなかった者
二 第5条第4項又は第27条第2項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第9条の規定に違反してドイツ財産又はドイツ財産に係る帳簿書類の引渡をしなかった者
四 第10条第1項の規定による主務大臣の指示に違反してドイツ財産の管理又は処分をしなかった者
五 第11条第2項の規定による主務大臣の命令に違反してドイツ財産の引渡をしなかった者
六 第14条の2第3項の規定による主務大臣の命令に違反して記名証券の再発行をしなかった者
七 第15条第1項の規定による主務大臣の命令に違反して株主総会若しくは社員総会の招集又は総社員の同意を取りまとめる手続をしなかった者
八 第16条の8第1項の規定に違反して催告をしなかった者
九 第16条の9第1項の規定に違反して清算計画書の認可を申請しなかった者
十 第16条の10第1項(第16条の12第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
十一 第16条の11第2項(第16条の12第2項において準用する場合を含む。)の規定に違反して公告をしなかった者
十二 第16条の13の規定に違反して決定清算計画書を事務所に備え置かなかった者
十三 第16条の16第1項の規定に違反して債権の取立をしなかった者
十四 第16条の20において準用する民法第72条若しくは第688条第2項若しくは商法第425条又は有限会社法第73条の規定に違反して引渡、分割又は分配をしなかった者
十五 第16条の22第1項の規定に違反して清算結了報告書を提出しなかった者
十六 第25条の規定に違反して名義の書換をしなかった者
第40条 左の各号の一に該当する者は、10万円以下の罰金に処する。
一 第11条第3項の規定による主務大臣の命令に違反して、帳簿書類の作製若しくは備置をせず、若しくは報告書の提出をせず、又は虚偽の帳簿書類を作製し、若しくは虚偽の報告書を提出した者
二 第14条の規定に違反して催告又は通知をしなかった者
三 第29条第1項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の立入若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第41条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、前4条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。但し、法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の当該違反行為を防止するため当該業務に対し相当の注意及び監督が尽されていることの証明があったときは、その法人又は人については、この限りでない。
第42条 左の各号の一に該当する者は、5000円以下の過料に処する。
一 第16条の24第1項の規定に違反して帳簿及び重要書類の引渡をしなかった者
二 第22条の2第7項において準用する回復政令第19条第6項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をした者
三 第24条第2項の規定による株式の消却又は売却をしなかった者
附則
1 この政令は、昭和25年8月5日から施行する。
2 左に掲げる省令は、廃止する。
特定国財産等の保全に関する件(昭和20年大蔵省令第78号)特定商社財産の管理に関する件(昭和21年大蔵司法省令第6号)
3 この政令施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
4 この政令施行前旧特定国財産等の保全に関する件第3条に規定する特定国財産で、連合国最高司令官が譲渡したもの、同令第4条の規定により大蔵大臣の許可を得て譲渡されたもの及び同令第7条の規定により譲渡の制限を免除されて譲渡されたものは、第2条第5項から第8項まで及び第10項の規定にかかわらず、ドイツ人財産、準ドイツ人財産及びドイツ系法人財産には含まれないものとする。
5 この政令施行前旧特定国財産等の保全に関する件第4条の規定によってされた大蔵大臣の許可は、第6条第1項又は第3項の規定によってされた主務大臣の許可とみなす。
6 この政令施行前旧特定国財産等の保全に関する件第7条の規定によってされた同令第4条に規定する行為の制限の免除は、第7条第1項の規定によってされた第6条第1項又は第3項に規定する行為の制限の免除とみなす。
7 この政令施行前旧特定国財産等の保全に関する件第7条の規定によってされた同令第5条第2項に規定する義務の免除は、第7条第1項の規定によってされた第5条第4項に規定する義務の免除とみなす。
8 旧特定商社財産の管理に関する件第2条第1項の規定により選任されたアスカニア株式会社(本店の所在地、東京都中央区日本橋呉服橋1丁目3番地2)の財産の管理人及びその登記は、同社の財産について第8条第1項の規定による選任された管理人及び第30条第9項の規定によるその登記とみなす。
9 主務大臣は、この政令施行前旧特定国財産の保全に関する件第4条の規定に違反した行為を原因として登記がされた場合においては、その登記のまっ消を嘱託することができる。
10 主務大臣は、前項の規定による登記の嘱託をするため必要な登記を嘱託することができる。
11 第33条の規定は、前2項の規定による登記について準用する。
附則 (昭和26年2月26日政令第30号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和26年5月9日政令第145号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和26年6月30日政令第244号)
1 この政令は、昭和26年7月1日から施行する。
2 この政令による改正前のドイツ財産管理令(以下「旧令」という。)第20条、第22条、第32条、第33条、第34条第2項及び第42条第2号の規定は、ドイツ財産株式又は子株の発行会社がこの政令施行前旧令第17条第3項、同条第6項において準用する連合国財産である株式の回復に関する政令の一部を改正する政令(昭和26年政令第243号)による改正前の連合国財産である株式の回復に関する政令(昭和24年政令第310号。以下「旧回復政令」という。)第10条第1項若しくは旧令第19条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定により又はこの政令施行後附則第5項の規定によりなおその効力を有するこれらの規定により保留した自己の株式(以下「自己保留株式」という。)については、この政令施行後も、なお、その効力を有する。この場合において、これらの規定中「回復政令」とあるのは「旧回復政令」と、旧令第32条第1項中「資本増加の登記」とあるのは「新株発行による変更の登記」と、「株式の種類」とあるのは「株式の額面無額面の別、種類」とする。
3 商法第246条、第288条、第291条第4項、第297条第1項及び第381条第1項の規定の適用については、自己保留株式の券面額は、その発行会社の資本の額に算入しない。
4 商法第237条第1項(第430条第2項において準用する場合を含む。)、第239条第1項、第242条第2項、第256条ノ2、第256条ノ4、第257条第3項(第280条において準用する場合を含む。)、第264条第2項、第266条第5項(第430条第2項において準用する場合を含む。)、第280条ノ8第1項、第293条ノ6第1項(第430条第2項において準用する場合を含む。)、第294条第1項、第343条第1項(第56条第4項において準用する場合を含む。)、第345条第2項、第381条第1項、第406条ノ2第1項、第426条第2項、第452条第1項及び第494条第1項第2号の規定の適用については、自己保留株式の数は、その発行会社の発行済株式の総数に算入しない。
5 旧令第17条第1項及び第3項から第6項まで、第19条、第20条、第27条第2項、第32条、第33条、第38条第1号から第3号まで、第39条第2号並びに第42条第1号から第3号までの規定は、この政令施行前ドイツ財産株式又は子株の発行会社が資本増加の決議をした場合、この政令施行前その承継会社の設立に際しその発起人が株式の総数を引き受け、若しくは株主の募集に着手した場合、この政令施行前ドイツ財産株式又は子株の発行会社が旧令第17条第6項において準用する旧回復政令第10条第1項の規定により資本を増加して新株を保留すべきことを命ぜられ、若しくは資本の減少を命ぜられた場合及びこの政令施行前ドイツ財産株式又は子株の発行会社が設立又は資本増加の際その発行する株式を優先して有償で取得する権利を当該ドイツ財産株式又は子株の発行会社の株主に与えた場合におけるその資本の増加及び減少、承継会社の設立並びに新株の保留については、この政令施行後も、なお、その効力を有する。この場合において、旧令第20条において準用する旧回復政令第16条及び旧令第32条第1項中「株式の種類」とあるのは「株式の額面無額面の別、種類」と、旧令第32条第1項中「資本増加の登記」とあるのは「新株の発行による変更の登記」とする。
6 旧令において準用されている旧回復政令の規定は、その旧回復政令の規定を準用している旧令の規定がこの政令の附則の規定によりなおその効力を有するものとされている限りにおいて、この政令施行後も、なお、その効力を有する。
7 この政令施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和26年10月11日政令第328号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和27年2月15日政令第25号)
1 この政令は、公布の日から施行する。
2 この政令施行前改正前のドイツ財産管理令第22条の2第2項の規定によってされた主務大臣の命令は、この政令施行後は、改正後のドイツ財産管理令(以下「新令」という。)第22条の2第3項の規定によってされた主務大臣の命令とみなす。
3 連合国財産である株式の回復に関する政令に規定する連合国財産株式又は子株の発行会社が連合国財産である株式の回復に関する政令の一部を改正する政令(昭和27年政令第24号)附則第3項の規定により新株を発行する場合において、当該会社がドイツ財産株式又は子株の発行会社であるときは、新令第20条第4項の規定は、適用しない。
附則 (昭和27年4月23日法律第95号)
1 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。
附則 (昭和27年7月31日法律第268号) 抄
1 この法律は、昭和27年8月1日から施行する。
附則 (昭和38年7月9日法律第126号) 抄
この法律は、商業登記法の施行の日(昭和39年4月1日)から施行する。
附則 (昭和54年12月18日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
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