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しほうしょしほう

司法書士法

昭和25年法律第197号
司法書士法(大正8年法律第48号)の全部を改正する。

第1章 総則

(目的)
第1条 この法律は、司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、登記、供託及び訴訟等に関する手続の適正かつ円滑な実施に資し、もって国民の権利の保護に寄与することを目的とする。
(職責)
第2条 司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
(業務)
第3条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
 登記又は供託に関する手続について代理すること。
 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第4号において同じ。)を作成すること。ただし、同号に掲げる事務を除く。
 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。
 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続(不動産登記法(平成16年法律第123号)第6章第2節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。第8号において同じ。)において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。
 前各号の事務について相談に応ずること。
 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起(自ら代理人として手続に関与している事件の判決、決定又は命令に係るものを除く。)、再審及び強制執行に関する事項(ホに掲げる手続を除く。)については、代理することができない。
 民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定による手続(ロに規定する手続及び訴えの提起前における証拠保全手続を除く。)であって、訴訟の目的の価額が裁判所法(昭和22年法律第59号)第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
 民事訴訟法第275条の規定による和解の手続又は同法第7編の規定による支払督促の手続であって、請求の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
 民事訴訟法第2編第4章第7節の規定による訴えの提起前における証拠保全手続又は民事保全法(平成元年法律第91号)の規定による手続であって、本案の訴訟の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
 民事調停法(昭和26年法律第222号)の規定による手続であって、調停を求める事項の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
 民事執行法(昭和54年法律第4号)第2章第2節第4款第2目の規定による少額訴訟債権執行の手続であって、請求の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないもの
 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)であって紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理すること。
 筆界特定の手続であって対象土地(不動産登記法第123条第3号に規定する対象土地をいう。)の価額として法務省令で定める方法により算定される額の合計額の2分の1に相当する額に筆界特定によって通常得られることとなる利益の割合として法務省令で定める割合を乗じて得た額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は代理すること。
2 前項第6号から第8号までに規定する業務(以下「簡裁訴訟代理等関係業務」という。)は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができる。
 簡裁訴訟代理等関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であって法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。
 前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。
 司法書士会の会員であること。
3 法務大臣は、次のいずれにも該当するものと認められる研修についてのみ前項第1号の指定をするものとする。
 研修の内容が、簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力の習得に十分なものとして法務省令で定める基準を満たすものであること。
 研修の実施に関する計画が、その適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
 研修を実施する法人が、前号の計画を適正かつ確実に遂行するに足りる専門的能力及び経理的基礎を有するものであること。
4 法務大臣は、第2項第1号の研修の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、当該研修を実施する法人に対し、当該研修に関して、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は必要な命令をすることができる。
5 司法書士は、第2項第2号の規定による認定を受けようとするときは、政令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。
6 第2項に規定する司法書士は、民事訴訟法第54条第1項本文(民事保全法第7条又は民事執行法第20条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、第1項第6号イからハまで又はホに掲げる手続における訴訟代理人又は代理人となることができる。
7 第2項に規定する司法書士であって第1項第6号イ及びロに掲げる手続において訴訟代理人になったものは、民事訴訟法第55条第1項の規定にかかわらず、委任を受けた事件について、強制執行に関する訴訟行為をすることができない。ただし、第2項に規定する司法書士であって第1項第6号イに掲げる手続のうち少額訴訟の手続において訴訟代理人になったものが同号ホに掲げる手続についてする訴訟行為については、この限りでない。
8 司法書士は、第1項に規定する業務であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、これを行うことができない。
(資格)
第4条 次の各号のいずれかに該当する者は、司法書士となる資格を有する。
 司法書士試験に合格した者
 裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官若しくは検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して10年以上になる者又はこれと同等以上の法律に関する知識及び実務の経験を有する者であって、法務大臣が前条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めたもの
(欠格事由)
第5条 次に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない。
 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから3年を経過しない者
 未成年者
 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
 公務員であって懲戒免職の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者
 第47条の規定により業務の禁止の処分を受け、その処分の日から3年を経過しない者
 懲戒処分により、公認会計士の登録を抹消され、又は土地家屋調査士、弁理士、税理士若しくは行政書士の業務を禁止され、これらの処分の日から3年を経過しない者

第2章 司法書士試験

(試験の方法及び内容等)
第6条 法務大臣は、毎年1回以上、司法書士試験を行わなければならない。
2 司法書士試験は、次に掲げる事項について筆記及び口述の方法により行う。ただし、口述試験は、筆記試験に合格した者について行う。
 憲法、民法、商法及び刑法に関する知識
 登記、供託及び訴訟に関する知識
 その他第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
3 筆記試験に合格した者に対しては、その申請により、次回の司法書士試験の筆記試験を免除する。
4 司法書士試験を受けようとする者は、政令で定めるところにより、受験手数料を納めなければならない。
(司法書士試験委員)
第7条 法務省に、司法書士試験の問題の作成及び採点を行わせるため、司法書士試験委員を置く。
2 司法書士試験委員は、司法書士試験を行うについて必要な学識経験のある者のうちから、試験ごとに、法務大臣が任命する。
3 前2項に定めるもののほか、司法書士試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。

第3章 登録

(司法書士名簿の登録)
第8条 司法書士となる資格を有する者が、司法書士となるには、日本司法書士会連合会に備える司法書士名簿に、氏名、生年月日、事務所の所在地、所属する司法書士会その他法務省令で定める事項の登録を受けなければならない。
2 司法書士名簿の登録は、日本司法書士会連合会が行う。
(登録の申請)
第9条 前条第1項の登録を受けようとする者は、その事務所を設けようとする地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に登録申請書を提出しなければならない。
2 前項の登録申請書には、前条第1項の規定により登録を受けるべき事項その他法務省令で定める事項を記載し、司法書士となる資格を有することを証する書類を添付しなければならない。
(登録の拒否)
第10条 日本司法書士会連合会は、前条第1項の規定による登録の申請をした者が司法書士となる資格を有せず、又は次の各号のいずれかに該当すると認めたときは、その登録を拒否しなければならない。この場合において、当該申請者が第2号又は第3号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、第67条に規定する登録審査会の議決に基づいてしなければならない。
 第57条第1項の規定による入会の手続をとらないとき。
 心身の故障により司法書士の業務を行うことができないとき。
 司法書士の信用又は品位を害するおそれがあるときその他司法書士の職責に照らし司法書士としての適格性を欠くとき。
2 日本司法書士会連合会は、当該申請者が前項第2号又は第3号に該当することを理由にその登録を拒否しようとするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知して、相当の期間内に自ら又はその代理人を通じて弁明する機会を与えなければならない。
(登録に関する通知)
第11条 日本司法書士会連合会は、第9条第1項の規定による登録の申請を受けた場合において、登録をしたときはその旨を、登録を拒否したときはその旨及びその理由を当該申請者に書面により通知しなければならない。
(登録を拒否された場合の審査請求)
第12条 第10条第1項の規定により登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、法務大臣に対して審査請求をすることができる。
2 第9条第1項の規定による登録の申請をした者は、その申請の日から3月を経過しても当該申請に対して何らの処分がされないときは、当該登録を拒否されたものとして、法務大臣に対して審査請求をすることができる。
3 前2項の場合において、法務大臣は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第25条第2項及び第3項並びに第46条第2項の規定の適用については、日本司法書士会連合会の上級行政庁とみなす。
(所属する司法書士会の変更の登録)
第13条 司法書士は、他の法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を移転しようとするときは、その管轄区域内に設立された司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会に、所属する司法書士会の変更の登録の申請をしなければならない。
2 司法書士は、前項の変更の登録の申請をするときは、現に所属する司法書士会にその旨を届け出なければならない。
3 第1項の申請をした者が第57条第1項の規定による入会の手続をとっていないときは、日本司法書士会連合会は、変更の登録を拒否しなければならない。
4 前2条の規定は、第1項の変更の登録の申請に準用する。
(登録事項の変更の届出)
第14条 司法書士は、司法書士名簿に登録を受けた事項に変更(所属する司法書士会の変更を除く。)が生じたときは、遅滞なく、所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出なければならない。
(登録の取消し)
第15条 司法書士が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本司法書士会連合会は、その登録を取り消さなければならない。
 その業務を廃止したとき。
 死亡したとき。
 司法書士となる資格を有しないことが判明したとき。
 第5条各号(第2号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
2 司法書士が前項各号に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは相続人は、遅滞なく、当該司法書士が所属し、又は所属していた司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出なければならない。
第16条 司法書士が次の各号のいずれかに該当する場合には、日本司法書士会連合会は、その登録を取り消すことができる。
 引き続き2年以上業務を行わないとき。
 心身の故障により業務を行うことができないとき。
2 司法書士が心身の故障により業務を行うことができないおそれがある場合として法務省令で定める場合に該当することとなったときは、その者又はその法定代理人若しくは同居の親族は、遅滞なく、当該司法書士が所属する司法書士会を経由して、日本司法書士会連合会にその旨を届け出るものとする。
3 日本司法書士会連合会は、第1項の規定により登録を取り消したときは、その旨及びその理由を当該司法書士に書面により通知しなければならない。
4 第10条第1項後段の規定は、第1項の規定による登録の取消しに準用する。
(登録拒否に関する規定の準用)
第17条 第12条第1項及び第3項の規定は、第15条第1項又は前条第1項の規定による登録の取消しに準用する。この場合において、第12条第3項中「第46条第2項」とあるのは、「第46条第1項」と読み替えるものとする。
(登録及び登録の取消しの公告)
第18条 日本司法書士会連合会は、司法書士の登録をしたとき、及びその登録の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならない。
(登録事務に関する報告等)
第19条 法務大臣は、必要があるときは、日本司法書士会連合会に対し、その登録事務に関し、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告をすることができる。

第4章 司法書士の義務

(事務所)
第20条 司法書士は、法務省令で定める基準に従い、事務所を設けなければならない。
(依頼に応ずる義務)
第21条 司法書士は、正当な事由がある場合でなければ依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く。)を拒むことができない。
(業務を行い得ない事件)
第22条 司法書士は、公務員として職務上取り扱った事件及び仲裁手続により仲裁人として取り扱った事件については、その業務を行ってはならない。
2 司法書士は、次に掲げる事件については、第3条第1項第4号及び第5号(第4号に関する部分に限る。)に規定する業務(以下「裁判書類作成関係業務」という。)を行ってはならない。
 相手方の依頼を受けて第3条第1項第4号に規定する業務を行った事件
 司法書士法人(第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うことを目的として、第5章の定めるところにより、司法書士が共同して設立した法人をいう。以下同じ。)の社員又は使用人である司法書士としてその業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が相手方の依頼を受けて前号に規定する業務を行った事件であって、自らこれに関与したもの
 司法書士法人の使用人である場合に、当該司法書士法人が相手方から簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件
3 第3条第2項に規定する司法書士は、次に掲げる事件については、裁判書類作成関係業務を行ってはならない。ただし、第3号及び第6号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
 司法書士法人の社員又は使用人である司法書士としてその業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が、簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件であって、自らこれに関与したもの
 司法書士法人の社員又は使用人である司法書士としてその業務に従事していた期間内に、当該司法書士法人が簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるものであって、自らこれに関与したもの
 司法書士法人の使用人である場合に、当該司法書士法人が簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件(当該司法書士が自ら関与しているものに限る。)の相手方からの依頼による他の事件
4 第3条第2項に規定する司法書士は、第2項各号及び前項各号に掲げる事件については、簡裁訴訟代理等関係業務を行ってはならない。この場合においては、同項ただし書の規定を準用する。
(会則の遵守義務)
第23条 司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則を守らなければならない。
(秘密保持の義務)
第24条 司法書士又は司法書士であった者は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱った事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない。
(研修)
第25条 司法書士は、その所属する司法書士会及び日本司法書士会連合会が実施する研修を受け、その資質の向上を図るように努めなければならない。

第5章 司法書士法人

(設立)
第26条 司法書士は、この章の定めるところにより、司法書士法人を設立することができる。
(名称)
第27条 司法書士法人は、その名称中に司法書士法人という文字を使用しなければならない。
(社員の資格)
第28条 司法書士法人の社員は、司法書士でなければならない。
2 次に掲げる者は、社員となることができない。
 第47条の規定により業務の停止の処分を受け、当該業務の停止の期間を経過しない者
 第48条第1項の規定により司法書士法人が解散又は業務の全部の停止の処分を受けた場合において、その処分を受けた日以前30日内にその社員であった者でその処分を受けた日から3年(業務の全部の停止の処分を受けた場合にあっては、当該業務の全部の停止の期間)を経過しないもの
 司法書士会の会員でない者
(業務の範囲)
第29条 司法書士法人は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。
 法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部
 簡裁訴訟代理等関係業務
2 簡裁訴訟代理等関係業務は、社員のうちに第3条第2項に規定する司法書士がある司法書士法人(司法書士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる。
(簡易裁判所における訴訟等の代理事務の取扱い)
第30条 司法書士法人は、第3条第1項第6号に掲げる事務については、依頼者からその社員又は使用人である第3条第2項に規定する司法書士(以下この条において「社員等」という。)に行わせる事務の委託を受けるものとする。この場合において、当該司法書士法人は、依頼者に、当該司法書士法人の社員等のうちからその代理人を選任させなければならない。
2 司法書士法人は、前項に規定する事務についても、社員等がその業務の執行に関し注意を怠らなかったことを証明しなければ、依頼者に対する損害賠償の責めを免れることはできない。
(登記)
第31条 司法書士法人は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(設立の手続)
第32条 司法書士法人を設立するには、その社員となろうとする司法書士が、共同して定款を定めなければならない。
2 会社法(平成17年法律第86号)第30条第1項の規定は、司法書士法人の定款について準用する。
3 定款には、少なくとも次に掲げる事項を記載しなければならない。
 目的
 名称
 主たる事務所及び従たる事務所の所在地
 社員の氏名、住所及び第3条第2項に規定する司法書士であるか否かの別
 社員の出資に関する事項
(成立の時期)
第33条 司法書士法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
(成立の届出)
第34条 司法書士法人は、成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会(以下「主たる事務所の所在地の司法書士会」という。)及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(定款の変更)
第35条 司法書士法人は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によって、定款の変更をすることができる。
2 司法書士法人は、定款を変更したときは、変更の日から2週間以内に、変更に係る事項を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(業務の執行)
第36条 司法書士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
2 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人における簡裁訴訟代理等関係業務については、前項の規定にかかわらず、第3条第2項に規定する司法書士である社員(以下「特定社員」という。)のみが業務を執行する権利を有し、義務を負う。
(法人の代表)
第37条 司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によって、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
2 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人における簡裁訴訟代理等関係業務については、前項本文の規定にかかわらず、特定社員のみが、各自司法書士法人を代表する。ただし、当該特定社員の全員の同意によって、当該特定社員のうち特に簡裁訴訟代理等関係業務について司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
3 第1項の規定により司法書士法人を代表する社員は、司法書士法人の業務(前項の簡裁訴訟代理等関係業務を除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
4 前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
5 第1項の規定により司法書士法人を代表する社員は、定款によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
(社員の責任)
第38条 司法書士法人の財産をもってその債務を完済することができないときは、各社員は、連帯して、その弁済の責任を負う。
2 司法書士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかったときも、前項と同様とする。
3 前項の規定は、社員が司法書士法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。
4 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人が簡裁訴訟代理等関係業務に関し依頼者に対して負担することとなった債務を当該司法書士法人の財産をもって完済することができないときは、第1項の規定にかかわらず、特定社員(当該司法書士法人を脱退した特定社員を含む。以下この条において同じ。)が、連帯して、その弁済の責任を負う。ただし、当該司法書士法人を脱退した特定社員については、当該債務が脱退後の事由により生じた債務であることを証明した場合は、この限りでない。
5 前項本文に規定する債務についての司法書士法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかったときは、第2項及び第3項の規定にかかわらず、特定社員が当該司法書士法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明した場合を除き、前項と同様とする。
6 会社法第612条の規定は、司法書士法人の社員の脱退について準用する。ただし、第4項本文に規定する債務については、この限りでない。
(社員であると誤認させる行為をした者の責任)
第38条の2 社員でない者が自己を社員であると誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて司法書士法人と取引をした者に対し、社員と同一の責任を負う。
(社員の常駐)
第39条 司法書士法人は、その事務所に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員である社員を常駐させなければならない。
(簡裁訴訟代理等関係業務の取扱い)
第40条 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人は、特定社員が常駐していない事務所においては、簡裁訴訟代理等関係業務を取り扱うことができない。
(特定の事件についての業務の制限)
第41条 司法書士法人は、次に掲げる事件については、裁判書類作成関係業務を行ってはならない。
 相手方の依頼を受けて第3条第1項第4号に規定する業務を行った事件
 使用人が相手方から簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件
 第22条第1項、第2項第1号若しくは第2号又は第3項第1号から第5号までに掲げる事件として社員の半数以上の者が裁判書類作成関係業務を行ってはならないこととされる事件
2 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人(過去に簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的としていたものを含む。)は、次に掲げる事件については、裁判書類作成関係業務を行ってはならない。ただし、第3号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして、相手方の協議を受けて賛助し、又はその依頼を承諾した事件
 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして相手方の協議を受けた事件で、その協議の程度及び方法が信頼関係に基づくと認められるもの
 簡裁訴訟代理等関係業務に関するものとして受任している事件の相手方からの依頼による他の事件
3 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人は、次に掲げる事件については、簡裁訴訟代理等関係業務を行ってはならない。ただし、前項第3号に掲げる事件については、受任している事件の依頼者が同意した場合は、この限りでない。
 第1項各号及び前項各号に掲げる事件
 第22条第1項に掲げる事件又は同条第4項に規定する同条第2項第1号若しくは第2号若しくは第3項第1号から第5号までに掲げる事件として特定社員の半数以上の者が簡裁訴訟代理等関係業務を行ってはならないこととされる事件
(社員の競業の禁止)
第42条 司法書士法人の社員は、自己若しくは第三者のためにその司法書士法人の業務の範囲に属する業務を行い、又は他の司法書士法人の社員となってはならない。
2 司法書士法人の社員が前項の規定に違反して自己又は第三者のためにその司法書士法人の業務の範囲に属する業務を行ったときは、当該業務によって当該社員又は第三者が得た利益の額は、司法書士法人に生じた損害の額と推定する。
(法定脱退)
第43条 司法書士法人の社員は、次に掲げる理由によって脱退する。
 司法書士の登録の取消し
 定款に定める理由の発生
 総社員の同意
 第28条第2項各号のいずれかに該当することとなったこと。
 除名
(解散)
第44条 司法書士法人は、次に掲げる理由によって解散する。
 定款に定める理由の発生
 総社員の同意
 他の司法書士法人との合併
 破産手続開始の決定
 解散を命ずる裁判
 第48条第1項第3号の規定による解散の処分
2 司法書士法人は、前項の規定による場合のほか、社員が1人になり、そのなった日から引き続き6月間その社員が2人以上にならなかった場合においても、その6月を経過した時に解散する。
3 司法書士法人は、第1項第3号の事由以外の事由により解散したときは、解散の日から2週間以内に、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
4 司法書士法人の清算人は、司法書士でなければならない。
(裁判所による監督)
第44条の2 司法書士法人の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。
2 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
3 司法書士法人の解散及び清算を監督する裁判所は、法務大臣に対し、意見を求め、又は調査を嘱託することができる。
4 法務大臣は、前項に規定する裁判所に対し、意見を述べることができる。
(解散及び清算の監督に関する事件の管轄)
第44条の3 司法書士法人の解散及び清算の監督に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
(検査役の選任)
第44条の4 裁判所は、司法書士法人の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
2 前項の検査役の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
3 裁判所は、第1項の検査役を選任した場合には、司法書士法人が当該検査役に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該司法書士法人及び検査役の陳述を聴かなければならない。
(合併)
第45条 司法書士法人は、総社員の同意があるときは、他の司法書士法人と合併することができる。
2 合併は、合併後存続する司法書士法人又は合併により設立する司法書士法人が、その主たる事務所の所在地において登記することによって、その効力を生ずる。
3 司法書士法人は、合併したときは、合併の日から2週間以内に、登記事項証明書(合併により設立する司法書士法人にあっては、登記事項証明書及び定款の写し)を添えて、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
4 合併後存続する司法書士法人又は合併により設立する司法書士法人は、当該合併により消滅する司法書士法人の権利義務を承継する。
(債権者の異議等)
第45条の2 合併をする司法書士法人の債権者は、当該司法書士法人に対し、合併について異議を述べることができる。
2 合併をする司法書士法人は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第3号の期間は、1箇月を下ることができない。
 合併をする旨
 合併により消滅する司法書士法人及び合併後存続する司法書士法人又は合併により設立する司法書士法人の名称及び主たる事務所の所在地
 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
3 前項の規定にかかわらず、合併をする司法書士法人が同項の規定による公告を、官報のほか、第6項において準用する会社法第939条第1項の規定による定款の定めに従い、同項第2号又は第3号に掲げる方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。
4 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該合併について承認をしたものとみなす。
5 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べたときは、合併をする司法書士法人は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該合併をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。
6 会社法第939条第1項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)及び第3項、第940条第1項(第3号に係る部分に限る。)及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、司法書士法人が第2項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、同法第939条第1項及び第3項中「公告方法」とあるのは「合併の公告の方法」と、同法第946条第3項中「商号」とあるのは「名称」と読み替えるものとする。
(合併の無効の訴え)
第45条の3 会社法第828条第1項(第7号及び第8号に係る部分に限る。)及び第2項(第7号及び第8号に係る部分に限る。)、第834条(第7号及び第8号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第836条第2項及び第3項、第837条から第839条まで、第843条(第1項第3号及び第4号並びに第2項ただし書を除く。)並びに第846条の規定は司法書士法人の合併の無効の訴えについて、同法第868条第6項、第870条第2項(第6号に係る部分に限る。)、第870条の2、第871条本文、第872条(第5号に係る部分に限る。)、第872条の2、第873条本文、第875条及び第876条の規定はこの条において準用する同法第843条第4項の申立てについて、それぞれ準用する。
(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び会社法の準用等)
第46条 第2条、第20条、第21条及び第23条の規定は、司法書士法人について準用する。
2 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第4条並びに会社法第600条、第614条から第619条まで、第621条及び第622条の規定は司法書士法人について、同法第581条、第582条、第585条第1項及び第4項、第586条、第593条、第595条、第596条、第601条、第605条、第606条、第609条第1項及び第2項、第611条(第1項ただし書を除く。)並びに第613条の規定は司法書士法人の社員について、同法第859条から第862条までの規定は司法書士法人の社員の除名並びに業務を執行する権利及び代表権の消滅の訴えについて、それぞれ準用する。この場合において、同法第613条中「商号」とあるのは「名称」と、同法第859条第2号中「第594条第1項(第598条第2項において準用する場合を含む。)」とあるのは「司法書士法(昭和25年法律第197号)第42条第1項」と読み替えるものとする。
3 会社法第644条(第3号を除く。)、第645条から第649条まで、第650条第1項及び第2項、第651条第1項及び第2項(同法第594条の準用に係る部分を除く。)、第652条、第653条、第655条から第659条まで、第662条から第664条まで、第666条から第673条まで、第675条、第863条、第864条、第868条第1項、第869条、第870条第1項(第1号及び第2号に係る部分に限る。)、第871条、第872条(第4号に係る部分に限る。)、第874条(第1号及び第4号に係る部分に限る。)、第875条並びに第876条の規定は、司法書士法人の解散及び清算について準用する。この場合において、同法第644条第1号中「第641条第5号」とあるのは「司法書士法第44条第1項第3号」と、同法第647条第3項中「第641条第4号又は第7号」とあるのは「司法書士法第44条第1項第5号若しくは第6号又は第2項」と、同法第668条第1項及び第669条中「第641条第1号から第3号まで」とあるのは「司法書士法第44条第1項第1号又は第2号」と、同法第670条第3項中「第939条第1項」とあるのは「司法書士法第45条の2第6項において準用する第939条第1項」と、同法第673条第1項中「第580条」とあるのは「司法書士法第38条」と読み替えるものとする。
4 会社法第824条、第826条、第868条第1項、第870条第1項(第10号に係る部分に限る。)、第871条本文、第872条(第4号に係る部分に限る。)、第873条本文、第875条、第876条、第904条及び第937条第1項(第3号ロに係る部分に限る。)の規定は司法書士法人の解散の命令について、同法第825条、第868条第1項、第870条第1項(第1号に係る部分に限る。)、第871条、第872条(第1号及び第4号に係る部分に限る。)、第873条、第874条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)、第875条、第876条、第905条及び第906条の規定はこの項において準用する同法第824条第1項の申立てがあった場合における司法書士法人の財産の保全について、それぞれ準用する。
5 会社法第828条第1項(第1号に係る部分に限る。)及び第2項(第1号に係る部分に限る。)、第834条(第1号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第837条から第839条まで並びに第846条の規定は、司法書士法人の設立の無効の訴えについて準用する。
6 会社法第833条第2項、第834条(第21号に係る部分に限る。)、第835条第1項、第837条、第838条、第846条及び第937条第1項(第1号リに係る部分に限る。)の規定は、司法書士法人の解散の訴えについて準用する。
7 破産法(平成16年法律第75号)第16条の規定の適用については、司法書士法人は、合名会社とみなす。

第6章 懲戒

(司法書士に対する懲戒)
第47条 司法書士がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、当該司法書士に対し、次に掲げる処分をすることができる。
 戒告
 2年以内の業務の停止
 業務の禁止
(司法書士法人に対する懲戒)
第48条 司法書士法人がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は、当該司法書士法人に対し、次に掲げる処分をすることができる。
 戒告
 2年以内の業務の全部又は一部の停止
 解散
2 司法書士法人がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その従たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長(前項に規定するものを除く。)は、当該司法書士法人に対し、次に掲げる処分をすることができる。ただし、当該違反が当該従たる事務所に関するものであるときに限る。
 戒告
 当該法務局又は地方法務局の管轄区域内にある当該司法書士法人の事務所についての2年以内の業務の全部又は一部の停止
(懲戒の手続)
第49条 何人も、司法書士又は司法書士法人にこの法律又はこの法律に基づく命令に違反する事実があると思料するときは、当該司法書士又は当該司法書士法人の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に対し、当該事実を通知し、適当な措置をとることを求めることができる。
2 前項の規定による通知があったときは、同項の法務局又は地方法務局の長は、通知された事実について必要な調査をしなければならない。
3 法務局又は地方法務局の長は、第47条第2号又は前条第1項第2号若しくは第2項第2号の処分をしようとするときは、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
4 前項に規定する処分又は第47条第3号若しくは前条第1項第3号の処分に係る行政手続法第15条第1項の通知は、聴聞の期日の1週間前までにしなければならない。
5 前項の聴聞の期日における審理は、当該司法書士又は当該司法書士法人から請求があったときは、公開により行わなければならない。
(登録取消しの制限等)
第50条 法務局又は地方法務局の長は、司法書士に対して第47条第2号又は第3号に掲げる処分をしようとする場合においては、行政手続法第15条第1項の通知を発送し、又は同条第3項前段の掲示をした後直ちに日本司法書士会連合会にその旨を通告しなければならない。
2 日本司法書士会連合会は、司法書士について前項の通告を受けた場合においては、法務局又は地方法務局の長から第47条第2号又は第3号に掲げる処分の手続が結了した旨の通知を受けるまでは、当該司法書士について第15条第1項第1号又は第16条第1項各号の規定による登録の取消しをすることができない。
(懲戒処分の公告)
第51条 法務局又は地方法務局の長は、第47条又は第48条の規定により処分をしたときは、遅滞なく、その旨を官報をもって公告しなければならない。

第7章 司法書士会

(設立及び目的等)
第52条 司法書士は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに、会則を定めて、1箇の司法書士会を設立しなければならない。
2 司法書士会は、会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。
3 司法書士会は、法人とする。
4 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第4条及び第78条の規定は、司法書士会について準用する。
(会則)
第53条 司法書士会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 名称及び事務所の所在地
 役員に関する規定
 会議に関する規定
 会員の品位保持に関する規定
 会員の執務に関する規定
 入会及び退会に関する規定(入会金その他の入会についての特別の負担に関するものを含む。)
 司法書士の研修に関する規定
 会員の業務に関する紛議の調停に関する規定
 司法書士会及び会員に関する情報の公開に関する規定
 資産及び会計に関する規定
十一 会費に関する規定
十二 その他司法書士会の目的を達成するために必要な規定
(会則の認可)
第54条 司法書士会の会則を定め、又はこれを変更するには、法務大臣の認可を受けなければならない。ただし、前条第1号及び第7号から第11号までに掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。
2 前項の場合において、法務大臣は、日本司法書士会連合会の意見を聞いて、認可し、又は認可しない旨の処分をしなければならない。
(司法書士会の登記)
第55条 司法書士会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2 前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(司法書士会の役員)
第56条 司法書士会に、会長、副会長及び会則で定めるその他の役員を置く。
2 会長は、司法書士会を代表し、その会務を総理する。
3 副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行なう。
(司法書士の入会及び退会)
第57条 第9条第1項の規定による登録の申請又は第13条第1項の変更の登録の申請をする者は、その申請と同時に、申請を経由すべき司法書士会に入会する手続をとらなければならない。
2 前項の規定により入会の手続をとった者は、当該登録又は変更の登録の時に、当該司法書士会の会員となる。
3 第13条第1項の変更の登録の申請をした司法書士は、当該申請に基づく変更の登録の時に、従前所属していた司法書士会を退会する。
(司法書士法人の入会及び退会)
第58条 司法書士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在地の司法書士会の会員となる。
2 司法書士法人は、その清算の結了の時又は破産手続開始の決定を受けた時に、所属するすべての司法書士会を退会する。
3 司法書士法人の清算人は、清算が結了したときは、清算結了の登記後速やかに、登記事項証明書を添えて、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
4 司法書士法人は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域外に事務所を設け、又は移転したときは、事務所の新所在地においてその旨の登記をした時に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員となる。
5 司法書士法人は、その事務所の移転又は廃止により、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有しないこととなったときは、旧所在地においてその旨の登記をした時に、当該管轄区域内に設立された司法書士会を退会する。
6 司法書士法人は、第4項の規定により新たに司法書士会の会員となったときは、会員となった日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、当該司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
7 司法書士法人は、第5項の規定により司法書士会を退会したときは、退会の日から2週間以内に、その旨を、当該司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(紛議の調停)
第59条 司法書士会は、所属の会員の業務に関する紛議につき、当該会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。
(法務局等の長に対する報告義務)
第60条 司法書士会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令に違反すると思料するときは、その旨を、その司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。
(注意勧告)
第61条 司法書士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

第8章 日本司法書士会連合会

(設立及び目的)
第62条 全国の司法書士会は、会則を定めて、日本司法書士会連合会を設立しなければならない。
2 日本司法書士会連合会は、司法書士会の会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、司法書士会及びその会員の指導及び連絡に関する事務を行い、並びに司法書士の登録に関する事務を行うことを目的とする。
(会則)
第63条 日本司法書士会連合会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 第53条第1号、第7号、第10号及び第11号に掲げる事項
 第53条第2号及び第3号に掲げる事項
 司法書士の登録に関する規定
 日本司法書士会連合会に関する情報の公開に関する規定
 その他日本司法書士会連合会の目的を達成するために必要な規定
(会則の認可)
第64条 日本司法書士会連合会の会則を定め、又はこれを変更するには、法務大臣の認可を受けなければならない。ただし、前条第1号及び第4号に掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。
(建議等)
第65条 日本司法書士会連合会は、司法書士又は司法書士法人の業務又は制度について、法務大臣に建議し、又はその諮問に答申することができる。
(司法書士会に関する規定の準用)
第66条 第52条第3項及び第4項、第55条並びに第56条の規定は、日本司法書士会連合会に準用する。
(登録審査会)
第67条 日本司法書士会連合会に、登録審査会を置く。
2 登録審査会は、日本司法書士会連合会の請求により、第10条第1項第2号若しくは第3号の規定による登録の拒否又は第16条第1項の規定による登録の取消しについて審議を行うものとする。
3 登録審査会は、会長及び委員4人をもって組織する。
4 会長は、日本司法書士会連合会の会長をもって充てる。
5 委員は、会長が、法務大臣の承認を受けて、司法書士、法務省の職員及び学識経験者のうちから委嘱する。
6 委員の任期は、2年とする。ただし、欠員が生じた場合の補充の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第9章 公共嘱託登記司法書士協会

(設立及び組織)
第68条 その名称中に公共嘱託登記司法書士協会という文字を使用する一般社団法人は、社員である司法書士及び司法書士法人がその専門的能力を結合して官庁、公署その他政令で定める公共の利益となる事業を行う者(以下「官公署等」という。)による不動産の権利に関する登記の嘱託又は申請の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的とし、かつ、次に掲げる内容の定款の定めがあるものに限り、設立することができる。
 社員は、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有する司法書士又は司法書士法人でなければならないものとすること。
 前号に規定する司法書士又は司法書士法人が社員になろうとするときは、正当な理由がなければ、これを拒むことができないものとすること。
 理事の員数の過半数は、社員(社員である司法書士法人の社員を含む。)でなければならないものとすること。
2 前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。
(成立の届出)
第68条の2 前条第1項の一般社団法人(以下「協会」という。)は、成立したときは、成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長及びその管轄区域内に設立された司法書士会に届け出なければならない。
(業務)
第69条 協会は、第68条第1項に規定する目的を達成するため、官公署等の嘱託を受けて、不動産の権利に関する登記につき第3条第1項第1号から第5号までに掲げる事務を行うことをその業務とする。
2 協会は、その業務に係る前項に規定する事務を、司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者に取り扱わせてはならない。
(協会の業務の監督)
第69条の2 協会の業務は、その主たる事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長の監督に属する。
2 前項の法務局又は地方法務局の長は、協会の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及び協会の財産の状況を検査し、又は協会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(司法書士及び司法書士法人に関する規定の準用)
第70条 第21条の規定は協会の業務について、第48条、第49条及び第51条の規定は協会に対する懲戒について、それぞれ準用する。
(司法書士会の助言)
第71条 司法書士会は、所属の会員が社員である協会に対し、その業務の執行に関し、必要な助言をすることができる。

第10章 雑則

(法務省令への委任)
第72条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し司法書士の試験、資格の認定、登録及び業務執行並びに協会の設立及び業務執行について必要な事項は、法務省令で定める。
(非司法書士等の取締り)
第73条 司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者(協会を除く。)は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行ってはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
2 協会は、その業務の範囲を超えて、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行ってはならない。
3 司法書士でない者は、司法書士又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
4 司法書士法人でない者は、司法書士法人又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
5 協会でない者は、公共嘱託登記司法書士協会又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。

第11章 罰則

第74条 司法書士となる資格を有しない者が、日本司法書士会連合会に対し、その資格につき虚偽の申請をして司法書士名簿に登録させたときは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第75条 第21条の規定に違反した者は、100万円以下の罰金に処する。
2 司法書士法人が第46条第1項において準用する第21条の規定に違反したときは、その違反行為をした司法書士法人の社員又は使用人は、100万円以下の罰金に処する。
3 協会が第70条において準用する第21条の規定に違反したときは、その違反行為をした協会の理事又は職員は、100万円以下の罰金に処する。
第76条 第24条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第77条 協会が第69条第2項の規定に違反したときは、その違反に係る第3条第1項第1号から第5号までに掲げる事務を取り扱い、又は取り扱わせた協会の理事又は職員は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第78条 第73条第1項の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 協会が第73条第2項の規定に違反したときは、その違反行為をした協会の理事又は職員は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第79条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。
 第73条第3項の規定に違反した者
 第73条第4項の規定に違反した者
 第73条第5項の規定に違反した者
第79条の2 第45条の2第6項において準用する会社法第955条第1項の規定に違反して、同項に規定する調査記録簿等に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は当該調査記録簿等を保存しなかった者は、30万円以下の罰金に処する。
第80条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第75条第2項若しくは第3項又は第77条から前条までの違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
第81条 司法書士会又は日本司法書士会連合会が第55条第1項(第66条において準用する場合を含む。)の規定に基づく政令に違反して登記をすることを怠ったときは、その司法書士会又は日本司法書士会連合会の代表者は、30万円以下の過料に処する。
第82条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の過料に処する。
 第45条の2第6項において準用する会社法第946条第3項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
 正当な理由がないのに、第45条の2第6項において準用する会社法第951条第2項各号又は第955条第2項各号に掲げる請求を拒んだ者
第83条 次の各号のいずれかに該当する場合には、司法書士法人の社員又は清算人は、30万円以下の過料に処する。
 この法律に基づく政令の規定に違反して登記をすることを怠ったとき。
 第45条の2第2項又は第5項の規定に違反して合併をしたとき。
 第45条の2第6項において準用する会社法第941条の規定に違反して同条の調査を求めなかったとき。
 定款又は第46条第2項において準用する会社法第615条第1項の会計帳簿若しくは第46条第2項において準用する同法第617条第1項若しくは第2項の貸借対照表に記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
 第46条第3項において準用する会社法第656条第1項の規定に違反して破産手続開始の申立てを怠ったとき。
 第46条第3項において準用する会社法第664条の規定に違反して財産を分配したとき。
 第46条第3項において準用する会社法第670条第2項又は第5項の規定に違反して財産を処分したとき。

附則

1 この法律は、昭和25年7月1日から施行する。
2 この法律施行の際現に司法書士である者は、この法律の規定による司法書士とみなす。
3 第2条第1号の規定の適用については、裁判所書記官補又は裁判所書記の在職年数は、裁判所事務官の在職年数とみなし、法務庁事務官、司法事務官又は司法属の在職年数は、法務事務官の在職年数とみなす。
4 この法律施行の際現に設けられている司法書士の事務所は、この法律の規定により設けられたものとみなす。
5 従前の規定により定められた書記料は、第7条第1項の規定により法務総裁が報酬の額を定めるまでは、同項の規定により定められた報酬の額とみなす。
6 この法律施行前にした旧司法書士法第11条第1項に該当する行為に対する処分については、なお従前の例による。
7 この法律施行の際現に存する司法書士会は、この法律の規定により設立されたものとみなす。
8 前項の司法書士会は、この法律施行の日から6箇月内に第15条の規定により会則を定めなければならない。
附則 (昭和26年6月13日法律第235号)
1 この法律は、昭和26年7月1日から施行する。
2 この法律施行の際現に存する司法書士会は、すみやかに、この法律による改正後の司法書士法第15条の規定により、その会則中に司法書士の報酬に関する規定を定めなければならない。
3 前項の規定による司法書士の報酬に関する規定について、この法律による改正後の司法書士法第15条の2に規定する法務総裁の認可があるまでは、その司法書士会の区域内における司法書士の報酬の額は、なお従前の例による。
附則 (昭和27年7月31日法律第268号) 抄
1 この法律は、昭和27年8月1日から施行する。
3 従前の機関及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となり、同一性をもって存続するものとする。
4 この法律の施行前における法務府の各長官、法務総裁官房長、法務府事務官及び法務府教官の在職は、裁判所法第41条、第42条(判事補の職権の特例等に関する法律第1条第2項において準用する場合を含む。)及び第44条、検察庁法第19条、弁護士法第5条並びに司法書士法第3条の規定の適用については、それぞれ法務省の事務次官、法務事務官及び法務教官の在職とみなす。
附則 (昭和31年3月22日法律第18号)
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して6箇月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第3項及び第4項の規定は、公布の日から施行する。
(従前の司法書士に関する経過規定)
2 この法律の施行の際現に司法書士である者は、司法書士法第2条及び第4条の改正規定にかかわらず、この法律による改正後の司法書士法(以下「新法」という。)の規定による司法書士とみなす。
(従前の司法書士会に関する経過規定)
3 この法律の公布の際現に存する司法書士会は、この法律の施行前に、新法第15条及び第15条の2の例により、会則を変更し、法務大臣の認可を受けることができる。この場合において、新法第15条の2第2項中「司法書士会連合会」とあるのは、「司法書士法の一部を改正する法律(昭和31年法律第18号)による改正前の司法書士法の規定による司法書士会連合会」と読み替えるものとする。
4 前項の規定による会則の変更は、この法律の施行の日にその効力を生ずるものとし、この法律による改正前の司法書士法の規定による司法書士会は、前項の規定による認可を受けたものに限り、この法律の施行後も、引き続き、新法の規定による司法書士会として存続するものとする。
(従前の司法書士会連合会に関する経過規定)
5 この法律の施行の際現に存する司法書士会連合会は、新法の規定による司法書士会連合会とする。
附則 (昭和36年6月15日法律第137号) 抄
1 この法律は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
15 弁護士法第7条第3号及び第12条第1項第2号の規定の適用については、旧法の規定による懲戒処分たる税理士の登録の取消しは、新法の規定による懲戒処分たる税理士業務の禁止とみなす。
附則 (昭和40年3月31日法律第27号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、昭和40年4月1日から施行する。
附則 (昭和42年7月18日法律第66号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して6月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。ただし、附則第3項及び附則第5項並びに附則第6項中附則第3項及び附則第5項の規定の例による部分の規定は、公布の日から施行する。
(司法書士法の一部改正に伴う経過措置)
2 この法律の施行と同時に、第1条の規定による改正前の司法書士法(以下「旧司法書士法」という。)による司法書士会(以下「旧司法書士会」という。)は、同条の規定による改正後の司法書士法(以下「新司法書士法」という。)による法人たる司法書士会(以下「新司法書士会」という。)となり、旧司法書士会の役員は、退任するものとする。
3 旧司法書士会は、この法律の施行前に、あらかじめ、その会則を新司法書士法の規定に適合するように変更するため必要な措置をとり、かつ、新司法書士会の役員を選任しておかなければならない。
4 この法律の施行と同時に、旧司法書士法による司法書士会連合会(以下「旧連合会」という。)は、新司法書士法による法人たる日本司法書士会連合会(以下「新連合会」という。)となり、旧連合会の役員は、退任するものとする。
5 旧連合会は、この法律の施行前に、あらかじめ、新連合会の会則について、新司法書士法の例により同法の規定による法務大臣の認可を受け、かつ、新連合会の役員を選任しておかなければならない。
附則 (昭和46年6月4日法律第101号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律中、次条第2項及び第4項の規定は公布の日から、第1条、次条第1項、第3項及び第5項並びに附則第3条の規定は公布の日から起算して6月をこえない範囲内で政令で定める日から、第2条、附則第4条及び附則第5条の規定は第1条の規定の施行の日から起算して1年を経過した日から施行する。
(第2条の規定による改正に伴う関係法律の一部改正)
第5条 司法書士法(昭和25年法律第197号)の一部を次のように改正する。
(「次のよう」略)
2 略
3 前2項の規定による改正後の司法書士法第3条第5号及び税理士法第4条第8号の規定の適用については、旧法の規定による行政書士の登録の取消しは、新法の規定による行政書士の業務の禁止とみなす。
附則 (昭和53年6月23日法律第82号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、昭和54年1月1日から施行する。
(従前の司法書士に関する経過措置)
2 この法律の施行の際現に司法書士である者は、改正後の司法書士法(以下「新法」という。)の規定による司法書士となる資格を有する者とみなす。
3 前項に規定する者でこの法律の施行の際現に司法書士会に入会しているものは、新法第6条の登録を受け当該司法書士会に入会している司法書士とみなす。この場合において、その者が、この法律の施行の日から3月の期間内に、法務省令で定めるところにより、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に対し、氏名、事務所の所在地その他の法務省令で定める事項を届け出ないときは、その期間の満了の時に、その者について登録の取消しがあったものとみなす。
(欠格事由に関する経過措置)
4 この法律の施行の際新法第4条各号の一に該当する者で改正前の司法書士法(以下「旧法」という。)第3条に該当しないものに対しては、当該事由について、新法第4条の規定は、適用しない。
5 新法第4条第5号の適用については、旧法第12条の規定による認可の取消しの処分は、新法第12条の規定による登録の取消しの処分とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
6 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和60年6月28日法律第86号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超え1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第1条中司法書士法第17条の4の次に5条を加える改正規定(同法第17条の5に係る部分を除く。)、同法第18条及び第19条の各改正規定、同法第20条の改正規定(金額を改める部分に限る。)、同法第21条から第23条までの各改正規定、同法第25条の改正規定、同条を同法第28条とする改正規定、同法第24条の改正規定、同条を同法第25条とし、同条の次に2条を加える改正規定並びに同法第23条の次に1条を加える改正規定並びに第2条中土地家屋調査士法第17条の4の次に5条を加える改正規定(同法第17条の5に係る部分を除く。)、同法第18条及び第19条の各改正規定、同法第20条の改正規定(金額を改める部分に限る。)、同法第21条及び第22条の各改正規定、同法第24条の改正規定、同条を同法第27条とする改正規定、同法第23条の改正規定、同条を同法第24条とし、同条の次に2条を加える改正規定並びに同法第22条の次に1条を加える改正規定並びに附則第3条及び第4条の規定は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
(経過措置)
第2条 第1条の規定による改正後の司法書士法(以下「新司法書士法」という。)第4条第5号の規定及び第2条の規定による改正後の土地家屋調査士法(以下「新調査士法」という。)第4条第8号の規定又は新司法書士法第4条第6号の規定及び新調査士法第4条第5号の規定の適用については、第1条の規定による改正前の司法書士法(以下「旧司法書士法」という。)第12条第3号の規定による登録の取消しの処分又は第2条の規定による改正前の土地家屋調査士法(以下「旧調査士法」という。)第13条第1項第3号の規定による登録の取消しの処分は、新司法書士法第12条第3号の規定による業務の禁止の処分又は新調査士法第13条第1項第3号の規定による業務の禁止の処分とみなす。
2 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前において旧司法書士法又は旧調査士法の規定により法務局又は地方法務局の長に対して行った登録の申請は、施行日において新司法書士法第6条の2第1項又は新調査士法第7条第1項の規定により日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会に対して行った登録の申請とみなす。
3 施行日前において旧司法書士法又は旧調査士法の規定により法務局又は地方法務局の長に対して行った登録の移転の申請は、施行日において新司法書士法第6条の6第1項又は新調査士法第8条の4第1項の規定により日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会に対して行った変更の登録の申請とみなす。
4 旧司法書士法の規定による司法書士名簿の登録又は旧調査士法の規定による土地家屋調査士名簿の登録は、施行日以後は、新司法書士法又は新調査士法の規定による司法書士名簿の登録又は土地家屋調査士名簿の登録とみなす。
5 旧司法書士法又は旧調査士法の規定により法務局又は地方法務局の長がした登録の拒否又は登録の取消しの処分に不服がある者の不服申立てについては、なお従前の例による。
6 法務局又は地方法務局の長は、施行日において、法務局又は地方法務局に備えた司法書士名簿その他司法書士の登録に関する書類又は土地家屋調査士名簿その他土地家屋調査士の登録に関する書類を日本司法書士会連合会又は日本土地家屋調査士会連合会に引き継がなければならない。
第3条 第1条中司法書士法第19条に1項を加える改正規定又は第2条中土地家屋調査士法第19条に1項を加える改正規定(以下この条において「改正規定」という。)の施行の際現に公共嘱託登記司法書士協会若しくはこれに紛らわしい名称を用いている者又は公共嘱託登記土地家屋調査士協会若しくはこれに紛らわしい名称を用いている者については、新司法書士法第19条第4項又は新調査士法第19条第4項の規定は、改正規定施行後6月間は、適用しない。
第4条 この法律の各改正規定の施行前にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
附則 (平成5年11月12日法律第89号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政手続法(平成5年法律第88号)の施行の日から施行する。
(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)
第2条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第13条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第13条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)
第14条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。
(政令への委任)
第15条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成11年12月8日法律第151号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。
(経過措置)
第3条 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第3項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
一から二十五まで 略
第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成14年5月7日法律第33号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 略
 附則第5条及び第9条の規定 公布の日
(司法書士試験の筆記試験の免除に関する経過措置)
第2条 この法律による改正後の司法書士法(昭和25年法律第197号)第6条第3項の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後に司法書士試験の筆記試験に合格した者について適用する。
(日本司法書士会連合会に対する懲戒手続開始の通告に関する経過措置)
第3条 この法律による改正後の司法書士法第50条第1項の規定は、施行日前に行政手続法(平成5年法律第88号)第15条第1項の通知を発送し、又は同条第3項前段の掲示をした場合については、適用しない。
(司法書士の懲戒処分の公告に関する経過措置)
第4条 この法律による改正後の司法書士法第51条の規定は、施行日前にこの法律による改正前の司法書士法第12条の規定による処分をした場合については、適用しない。
(司法書士会及び日本司法書士会連合会の会則の変更に関する経過措置)
第5条 司法書士会及び日本司法書士会連合会は、施行日までに、この法律の施行に伴い必要となる会則の変更をし、かつ、当該変更に伴い必要となる法務大臣の認可を受けなければならない。この場合において、当該変更及び当該認可の効力は、施行日から生ずるものとする。
(罰則の適用に関する経過措置)
第10条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成15年7月16日法律第108号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成15年7月25日法律第128号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成16年4月1日から施行する。
附則 (平成16年6月2日法律第76号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、破産法(平成16年法律第75号。次条第8項並びに附則第3条第8項、第5条第8項、第16項及び第21項、第8条第3項並びに第13条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
(罰則の適用等に関する経過措置)
第12条 施行日前にした行為並びに附則第2条第1項、第3条第1項、第4条、第5条第1項、第9項、第17項、第19項及び第21項並びに第6条第1項及び第3項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第14条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成16年6月9日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前にした行為及び前条においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成16年6月18日法律第124号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。
附則 (平成16年12月3日法律第152号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第39条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第40条 附則第3条から第10条まで、第29条及び前2条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成17年4月13日法律第29号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(司法書士法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 この法律の施行前に第2条の規定による改正前の司法書士法(次項において「旧司法書士法」という。)第3条第2項第1号に規定する研修の課程を修了した者は、第2条の規定による改正後の司法書士法(次項において「新司法書士法」という。)第3条第2項第1号に規定する研修の課程を修了した者とみなす。
2 この法律の施行前に旧司法書士法第3条第2項第2号の規定による認定を受けた者は、新司法書士法第3条第2項第2号の規定による認定を受けた者とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成17年7月26日法律第87号) 抄
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
附則 (平成18年6月2日法律第50号) 抄
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則 (平成23年5月25日法律第53号)
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。
附則 (平成23年6月24日法律第74号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成26年6月27日法律第91号) 抄
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則 (令和元年6月14日法律第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第40条、第59条、第61条、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定に限る。)、第85条、第102条、第107条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第26条の改正規定に限る。)、第111条、第143条、第149条、第152条、第154条(不動産の鑑定評価に関する法律第25条第6号の改正規定に限る。)及び第168条並びに次条並びに附則第3条及び第6条の規定 公布の日
(行政庁の行為等に関する経過措置)
第2条 この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第7条 政府は、会社法(平成17年法律第86号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後1年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。

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