れんごうこくざいさんであるかぶしきのかいふくにかんするせいれい
連合国財産である株式の回復に関する政令
昭和24年政令第310号
内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和20年勅令第542号)に基き、この政令を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この政令は、日本国との平和条約その他の連合国との間の平和の回復に関する条約を実施するため、連合国財産である株式に関する権利の回復に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(連合国財産の返還等に関する政令との関係)
第1条の2 連合国財産の返還等に関する政令(昭和26年政令第6号)の規定は、同令第2条、第8条、第9条、第12条、第13条第1項第1号及び第5号、第22条の2、第35条第3号及び第4号、第38条並びに附則第8項及び附則第17項から附則第20項までの規定を除く外、この政令の適用を受ける株式については、適用しない。
(連合国、連合国人及び連合国人等の意義)
第1条の3 この政令において「連合国」とは、連合国財産の返還等に関する政令第2条第2項第1号に掲げる国をいう。
2 この政令において「連合国人」とは、連合国財産の返還等に関する政令第2条第2項に規定する連合国人をいう。
3 この政令において「連合国人等」とは、連合国財産の返還等に関する政令第2条第3項第1号に規定する連合国人等をいう。
(連合国財産株式及び子株の意義)
第2条 この政令において「連合国財産株式」とは、左に掲げる株式をいう。但し、在外会社等株式(本邦以外の地に本店を有する会社(旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令(昭和24年政令第291号)に規定する在外会社(以下「在外会社」という。)でその決定整理計画書において同令に規定する新会社について定めをしているものを除く。)、この政令施行の際清算手続中である会社(企業再建整備法(昭和21年法律第40号)に規定する決定整備計画において同法に規定する第2会社について定めをしているもの又は金融機関再建整備法(昭和21年法律第39号)の規定による主務大臣の認可を受けた整備計画書において同法に規定する譲受金融機関について定めをしているものを除く。以下第32条において同じ。)、この政令施行の際破産手続中である会社又は閉鎖機関令(昭和22年勅令第74号)第1条に規定する閉鎖機関の発行する株式をいう。以下第4条第1項において同じ。)、旧連合国財産の返還等に関する件(昭和21年勅令第294号)第2条第1項の規定に基いて大蔵大臣が返還その他必要な措置を命じた株式、旧敵産管理法(昭和16年法律第99号)第1条第1項の規定による管理人(以下「旧敵産管理人」という。)の管理に付せられていた株式で当該株式を回復するため旧敵産管理法施行令(昭和16年勅令第1179号)第4条第2項の規定により当該旧敵産管理人が解任されたもの、第18条第4項又は第19条第1項の規定による回復の措置がとられた株式及び第23条第1項の規定による通知があった株式を除く。
一 旧敵産管理人の管理に付せられたことのある株式で当該管理に付せられた時において連合国人等であった者が当該時において有していたもの又はこれに代わる株式
二 前号に掲げる株式以外の株式で財務大臣が連合国財産の返還等に関する政令第12条第2項の規定による認定の請求に基づき昭和16年12月8日から昭和20年9月2日までの期間内における政府若しくは日本人による不当な取扱いにより当該株式に係る権利が侵害されたと認定したもののうち、その侵害があった時において連合国人等であった者が当該時において有していたもので財務大臣が指定するもの又はこれに代わる株式
2 この政令において「子株」とは、左に掲げる株式(左の各号中「連合国財産株式」とあるのを「子株」と読み替えた場合において左の各号に該当する株式を含む。)をいう。
一 連合国財産株式(旧連合国財産の返還等に関する件第2条第1項の規定に基づいて大蔵大臣が返還その他必要な措置を命じた株式を含む。以下この項において同じ。)の発行会社が昭和16年12月8日(財務大臣が同日前の日を指定した場合においては、その指定した日。以下同じ。)以後において資本を増加し、又は新株を発行した場合(商法(明治32年法律第48号)第293条ノ2第1項の規定により利益の配当に充てるため新株を発行した場合及び同法第293条ノ3第1項の規定による利益準備金のみをもってする資本への組入れにより新株を発行した場合を除く。)において、当該連合国財産株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式又はこれに代わる株式
二 連合国財産株式の株主が昭和16年12月8日以後においてその発行会社の承継会社(企業再建整備法に規定する第2会社、金融機関再建整備法に規定する譲受金融機関、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内に在る財産の整理に関する政令に規定する新会社その他その営業又は資産の主要部分を連合国財産株式の発行会社から譲り受け、又は賃借している会社をいう。以下同じ。)の発行する株式を優先して有償で取得する権利を与えられた場合において、当該連合国財産株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった承継会社の発行する株式又はこれに代わる株式
三 前号に掲げるものを除く外、連合国財産株式の株主が昭和16年12月8日以後においてその発行会社以外の会社の発行する株式を優先して有償で取得する権利を与えられた場合において、当該連合国財産株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであったその発行会社以外の会社の発行する株式又はこれに代わる株式
四 前各号に掲げるものを除く外、昭和16年12月8日以後において、連合国財産株式の発行会社が資本を増加し、若しくは新株を発行し、又はその承継会社が株式を発行した際、その株式を公募し、若しくは連合国財産株式の発行会社の株主以外の者に優先して有償で取得する権利を与えた場合において、これらの株式について財務大臣の指定する株式又はこれに代わる株式
3 この政令において「これに代わる株式」とは、左に掲げる株式をいう。
一 前2項各号に掲げる株式の発行会社が合併した場合において、当該株式について割り当てられ、又は割り当てられるべきであった合併後存続する会社又は合併に因り設立された会社の株式
二 前2項各号に掲げる株式の発行会社が株式を分割し、若しくは併合し、又はその券面額を変更した場合において、当該株式について新たに発行し、又は発行すべきであった株式
三 前2項各号に掲げる株式の発行会社がその営業又は財産を1又は2以上の承継会社に譲渡した場合において、当該株式について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった、又は残余財産として分配され、若しくは分配されるべきであった当該承継会社の株式
4 この政令における株式は、株券の再発行又は株券の記載の変更によりその同一性を失うことはない。
(特定株式の意義)
第3条 この政令において「特定株式」とは、連合国財産株式であって左に掲げるものをいう。
一 連合国財産の返還等に関する政令第8条第1項の規定により選任された管理人の管理に付せられているもの
二 第2条第1項第2号に掲げる連合国財産株式について同号の侵害がされた時において当該株式を有していた者又はその者の一般承継人が同号の指定のあった時において有していた当該株式又はこれに代わる株式
三 第2条第1項第1号に掲げる連合国財産株式を旧敵産管理人から譲り受けた者(その者の一般承継人を含む。)がその譲り受けた株式又はこれに代わる株式をその譲受の時後引き続き有している場合におけるこれらの株式
四 旧特殊財産資金特別会計法(昭和18年法律第86号)第6条の規定により大蔵大臣が旧敵産管理人から買い入れた第2条第1項第1号に掲げる連合国財産株式を大蔵大臣から譲り受けた者(その者の一般承継人を含む。)がその譲り受けた株式又はこれに代わる株式をその譲受の時後引き続き有している場合におけるこれらの株式
五 第2条第1項第2号に掲げる連合国財産株式について同号の侵害がされた時において当該株式を有していた者又はその者のために当該株式を処分した者(以下「準敵産管理人」という。)から当該株式を譲り受けた者(その者の一般承継人を含む。)がその譲り受けた株式又はこれに代わる株式をその譲受の時後引き続き有している場合におけるこれらの株式
六 信託法(大正11年法律第62号)の規定により信託された連合国財産株式でその信託の当時前3号に掲げるものに該当していたものをその信託の受託者がその信託の時後引き続き有している場合におけるこれらの株式。但し、委託者が死亡し、又は消滅している場合においては、その者の一般承継人が受益者であるときに限る。
七 戦時補償特別措置法(昭和21年法律第38号)、財産税法(昭和21年法律第52号)又は相続税法(昭和25年法律第73号)の規定により国に納付された連合国財産株式でその納付の当時第3号から第5号までに掲げるものに該当していたもの又はこれに代わる株式を国がその納付の時後引き続き有している場合におけるこれらの株式
八 第6条第1項の規定による財務大臣の許可を受けて譲渡された連合国財産株式でその譲渡の当時前各号に掲げるものに該当していたもの又はこれに代わる株式
九 旧持株会社整理委員会令(昭和21年勅令第233号)に規定する持株会社整理委員会が同令の規定により譲り受けた連合国財産株式でその譲受の当時第3号から第5号までに掲げるものに該当していたもの若しくはこれに代わる株式のうち同委員会がこの政令施行の際有していたもの又はこれに代る株式
十 前各号に掲げるものを除く外、財務大臣の指定するもの又はこれに代わる株式
2 前項において「その者の一般承継人」とは、当該者が死亡した場合若しくは合併に因り解散した場合又は在外会社であってその決定整理計画書において旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令に規定する新会社について定めをしている場合、企業再建整備法に規定する決定整備計画において同法に規定する第2会社について定めをしている場合、金融機関再建整備法の規定による主務大臣の認可を受けた整備計画において同法に規定する譲受金融機関について定めをしている場合その他その営業又は資産の主要部分を1又は2以上の法人に譲渡した場合におけるその相続人、受遺者、合併後存続する法人、合併に因り設立された法人、新会社、第2会社、譲受金融機関及び営業又は資産の主要部分を譲り受けた法人をいい、本項中「当該者」とあるのを「本項に規定する相続人、受遺者、合併後存続する法人、合併に因り設立された法人、新会社、第2会社、譲受金融機関、営業又は資産の主要部分を譲り受けた法人」と読み替えた場合において該当する者を含む。
(回復請求の手続)
第4条 次の各号に掲げる連合国財産株式又は在外会社等株式(旧連合国財産の返還等に関する件第2条第1項の規定に基づいて大蔵大臣が返還その他必要な措置を命じた株式、旧敵産管理人の管理に付せられていた株式で当該株式を回復するため旧敵産管理法施行令第4条第2項の規定により当該旧敵産管理人が解任されたもの、第32条第2項の規定による回復の措置がとられた株式及び同条第5項の規定による告示があった株式を除く。以下同じ。)を、これらの号の区分に応じ当該各号に掲げる時において有していた者(その者が死亡し、又は消滅している場合においては、その者がその死亡又は消滅の際日本国以外の国の公共団体若しくはこれに準ずるもの、日本国以外の国の国籍を有する者又は日本国以外の国の法令に基づき設立された法人その他の団体であったときは、当該国の政府が、その者がその際その他のものであったときは、財務大臣がそれぞれその者の包括承継人で当該株式の回復請求権を有する者として認めたもの。以下この項において同じ。)で連合国人であるものは、財務省令の定めるところにより、財務大臣に対して、当該株式又はこれに代わる株式(当該株式又はこれに代わる株式に係る子株があるときは、当該株式又はこれに代わる株式及び当該子株)の回復を請求することができる。ただし、その次の各号に掲げる連合国財産株式又は在外会社等株式をこれらの号の区分に応じ当該各号に掲げる時において有していた者が法人である場合において、政府が当該法人の株式又は持分について生じた損害について連合国財産補償法(昭和26年法律第264号)第15条第1項に規定する補償金支払請求書の提出を受けているときは、この限りでない。
一 第2条第1項第1号に掲げる株式 当該株式が旧敵産管理人の管理に付せられた時
二 第2条第1項第2号に掲げる株式 当該株式について同号の侵害がされた時
2 前項の規定による連合国財産株式又は在外会社等株式の回復請求権の承継人で連合国人であるものは、財務省令の定めるところにより、財務大臣に対して、当該株式(当該株式に係る子株があるときは、当該株式及び当該子株)の回復を請求することができる。
3 前2項の規定による株式の回復の請求は、第1項又は前項の規定により株式の回復を請求することができる者(以下「回復請求権者」という。)が連合国の公共団体若しくはこれに準ずるもの、連合国の国籍を有するもの又は連合国の法令に基き設立された法人その他の団体であるときは、当該連合国の政府を経由して、その者がその他のものであるときは、直接に、しなければならない。
4 回復請求権者が連合国の公共団体若しくはこれに準ずるもの連合国の国籍を有する者又は連合国の法令に基き設立された法人その他の団体であるときは、当該連合国の政府は、財務省令の定めるところにより、当該回復請求権者に代り、財務大臣に対して直接に、当該回復請求権者が第1項又は第2項の規定により回復の請求をすることができる株式の回復を請求することができる。
5 第1項において「その者の包括承継人」とは、当該者が死亡し、又は合併に因り解散した場合におけるその相続人、受遺者、合併後存続する法人及び合併に因り設立された法人をいい、本項中「当該者」とあるのを「本項に規定する相続人、受遺者、合併後存続する法人及び合併に因り設立された法人」と読み替えた場合において該当する者を含む。
(回復請求権の消滅)
第5条 第2条第1項第1号に掲げる株式の回復請求権者が連合国財産の返還等に関する政令第2条第2項第1号中「日本国との平和条約第25条に規定する連合国及び同条約以外の平和の回復に関する条約を日本国との間に締結した国で政令で定めるもの」とあるのを「日本国との平和条約の最初の効力発生時において同条約第25条に規定する連合国である国」と読み替えた場合において連合国人であるときは日本国との平和条約の最初の効力発生時から9月内に、当該回復請求権者がその時において連合国でなかった国がその時後連合国となったことに因り連合国人となったものであるときは、その国が連合国となった時から9月内に、当該株式の回復の請求がされなかったときは、当該株式(当該株式に係る子株があるときは、当該株式及び当該子株)の回復請求権は、消滅する。
2 第2条第1項第2号の規定により財務大臣が指定した株式又はこれに代わる株式の回復の請求が当該指定の時から9月内にされなかったときは、当該株式(当該株式に係る子株があるときは、当該株式及び当該子株)の回復請求権は、消滅する。
第2章 連合国財産株式及び子株の確保
(特定株式の取引制限)
第6条 特定株式は、第18条第4項に規定する回復期日までは、財務省令の定めるところにより財務大臣の許可を得なければ、譲渡し、又は担保に供してはならない。特定株式を譲り受け、又は担保としてこれを受けることも同様とする。
2 前項の規定に違反した行為は、無効とする。
(特定株式の株券の保管)
第7条 特定株式の株券の所持人は、他の法令の規定又は既存の契約の条項にかかわらず、この政令施行の日(在外会社の発行する株式については、その整理計画書が認可された日、第2条第1項第2号に掲げる株式であってこの政令施行の日後財務大臣が同号の規定により指定したものについては、その指定の日。以下第8条第1項及び第13条第1項において同じ。)から30日以内(財務大臣が指定する特定株式については、財務大臣の指定する日まで)に、その株券をその発行会社に提出しなければならない。この場合において、提出することのできない者は、その期間内にその旨を財務大臣及び発行会社に届け出なければならない。
2 連合国財産株式の発行会社は、前項の規定により提出された株券を保管しなければならない。この場合において、当該発行会社は、当該株券をその株主又は質権者のために占有するものとし、議決権その他株主としての権利を行使することはできない。
(会社の報告義務)
第8条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、この政令施行の日から45日以内に、財務省令の定めるところにより、その発行する株式の種類ごとに連合国財産株式、特定株式又は子株の数を財務大臣に報告しなければならない。
2 連合国財産株式若しくは子株の発行会社がその発行する株式の総数若しくは発行済株式の総数を増加し、若しくは減少し、その発行する株式の額面金額を変更し、合併し、解散し、若しくは第11条第1項の規定によりその承継会社の株式を保有したとき、又はその承継会社が設立されたときは、当該会社(合併の場合においては、合併後存続する会社又は合併に因り設立された会社)は、その登記(会社が発行する株式の総数又は発行済株式の総数の増加又は減少については当該増加又は減少による変更の登記、承継会社の株式の保有については当該承継会社の設立の登記)の日から2週間以内に、財務省令の定めるところにより、財務省令で定める事項を財務大臣に報告しなければならない。
(特定株式以外の連合国財産株式又は子株に相当する株式の確保)
第9条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、特定株式以外の連合国財産株式又は子株に相当する株式を回復するため、財務大臣の指示する株数の自己又は承継会社の株式を確保しなければならない。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社は、前項の措置をするため、同項の規定により財務大臣の指示する株数の範囲内で自己の株式を取得することができる。
3 第6条の規定は、前項の規定により取得された株式に準用する。
第10条 削除
(承継会社の株式の保有)
第11条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、その承継会社の発行する株式を優先して有償で取得する権利を連合国財産株式又は子株の発行会社の株主に与える場合において、他の法令の規定にかかわらず、その特定株式、第9条第2項の規定により取得した自己の株式(以下「自己取得株式」という。)、及び連合国財産である株式の回復に関する政令の一部を改正する政令(昭和26年政令第243号)による改正前のこの政令(以下「旧令」という。)第9条第3項、第10条第1項若しくは第12条第1項(旧令第12条の2において準用する場合を含む。)の規定により保留した自己の株式(以下「自己保留株式」という。)について割り当てられるべき当該承継会社の株式を保有しなければならない。この場合において、特定株式の株主には、当該株式を優先して有償で取得する権利は、与えられないものとする。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社は、前項の規定により保有したその承継会社の株式については、議決権を行使することができない。
3 前項の承継会社の株主総会の決議については、同項の規定により行使することができない議決権の数は、出席した株主の議決権の数に算入しない。
4 第6条の規定は、第1項の規定により保有された株式に準用する。
(新株の引受権を与えられない株主等)
第12条 連合国財産株式又は子株の発行会社が新株を発行する場合においては、その特定株式並びに前条第1項及び旧令第11条第1項の規定により保有された株式(以下「保有株式」という。)の株主には、新株の引受権は与えられないものとする。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社が再評価積立金の資本組入に関する法律(昭和26年法律第143号)第3条第1項の規定により新株を発行する場合においては、同法の適用については、その特定株式及び保有株式の株主は、同法第3条第1項及び第5条第1項に規定する株主には含まれないものとする。
3 連合国財産株式又は子株の発行会社が商法第293条ノ3第1項の規定による準備金の資本への組入に因り同条第2項の規定により新株を発行する場合において、その資本に組み入れられた準備金が資本準備金のみであるときは、同項の規定の適用については、その特定株式及び保有株式の株主は、同項に規定する株主には含まれないものとする。
4 前項の場合において、資本に組み入れられた準備金のうちに資本準備金及び利益準備金があるときは、商法第293条ノ3第2項の規定の適用については、特定株式及び保有株式の株主に対し発行される新株の割当の基準となる当該株主が有する株式の数は、同項の規定にかかわらず、当該株主が有する株式の数に資本に組み入れられた利益準備金の総額が資本に組み入れられた準備金の総額に対して有する割合を乗じて得た数(準備金の資本への組入に因り既に株式が発行されているときは、当該株主が有する株式の数に左の算式により計算した割合を乗じて得た数)とする。〔(資本に組み入れられた利益準備金の総額−組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている利益準備金の額)÷{資本に組み入れられた準備金の総額−(組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている利益準備金の額+組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている資本準備金の額)}〕
5 前項の算式において、「組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている利益準備金の額」とは、準備金の資本への組入に因り既に発行した株式の発行ごとに、発行した株式の発行価額にその発行数を乗じて得た額にそれぞれその発行の際において資本に組み入れられていた利益準備金の額がその際において資本に組み入れられていた準備金の総額に対して有する割合を乗じて得た額の合計額とし、「組入に因る発行済株式に相当する組み入れられている資本準備金の額」とは、準備金の資本への組入に因り既に発行した株式の発行ごとに、発行した株式の発行価額にその発行数を乗じて得た額にそれぞれその発行の際において資本に組み入れられていた資本準備金の額がその際において資本に組み入れられていた準備金の総額に対して有する割合を乗じて得た額の合計額とする。
6 第1項の規定は、連合国財産株式又は子株の発行会社の承継会社が設立又は新株発行の際その発行する株式を優先して有償で取得する権利を連合国財産株式又は子株の発行会社の株主に与える場合に準用する。
(自己保有株式)
第12条の2 連合国財産株式又は子株の発行会社でその特定株式、自己取得株式、自己保留株式及び保有株式並びに自己保有株式(本項又は第2項の規定により保有した自己の株式をいう。以下同じ。)の数(以下「確保株数」という。)がその連合国財産株式及び子株の数と等しいものは、再評価積立金の資本組入に関する法律第3条第1項の規定により新株を発行する場合においては、当該新株のうち、当該新株の数に当該会社についての確保株式率(当該会社の確保株数を当該会社の発行済株式の総数で除して得た割合をいう。以下同じ。)を乗じて得た数に相当する株数のものを当該会社の名義で発行して、これを保有することができる。この場合における再評価積立金の資本組入に関する法律の適用については、同法第3条第1項前段中「株式を発行」とあるのは「株式を発行し、且つ、当該会社の名義で株式を発行」と、同項後段中「株主に払い込ませる金額」とあるのは「株主に払い込ませ、又は自ら払い込む金額」と、同法第4条第1項中「株主に払い込ませる」とあるのは「株主に払い込ませ、且つ、当該会社の名義で発行する新株の発行価額のうちその株主に払い込ませる金額と等しい金額を自ら払い込む」と、「その払い込ませる金額」とあるのは「その払い込ませ、又は自ら払い込む」と、同法第5条第1項中「株主は」とあるのは「株主及び当該新株の発行会社は」と、同法第7条第1項中「前条第1項に規定する一定の期日までに株式の申込をした者は、払込期日までに、各株について」とあるのは「会社は、当該会社の名義で発行する株式について、前条第1項に規定する一定の期日までに株式の申込をした者は、各株について、それぞれ、払込期日までに、」とする。
2 前項に規定する連合国財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定による準備金の資本組入に因り同条第2項の規定により新株を発行する場合において、その資本に組み入れられた準備金が資本準備金のみであるときは、当該新株のうち、当該新株の数に当該会社についての確保株式率を乗じて得た数に相当する株数のものを当該会社の名義で発行して、これを保有することができる。この場合における商法第293条ノ3第2項の規定の適用については、同項中「株式ヲ発行」とあるのは「株式ヲ発行シ且会社ノ名義ヲ以テ株式ヲ発行」と、「株主ハ」とあるのは「株主及会社ハ」とする。
3 第6条の規定は、自己保有株式に準用する。
(株金払込強制の猶予)
第13条 特定株式又は自己取得株式については、この政令施行の日後は、その株主は、他の法令の規定にかかわらず、株金の払込を要しない。
2 前項の規定は、企業再建整備法施行令(昭和21年勅令第501号)第13条又は金融機関再建整備法第25条第1項の規定により未払込株金の払込を催告しなければならない連合国財産株式又は子株の発行会社が決定整備計画又は決定最終処理方法書の定めるところにより株金の払込を催告した場合には、適用しない。この場合においては、企業再建整備法施行令第16条第4項若しくは第24条第1項又は金融機関再建整備法第25条の4第3項若しくは第25条の13第1項の規定により帰属した特定株式の処分については、企業再建整備法施行令第24条第3項又は金融機関再建整備法第25条の13第2項の規定にかかわらず、第6条の規定を適用する。
第3章 再評価積立金及び資本準備金の資本への組入及び取りくずしに関する制限
(再評価積立金の資本への組入の制限及び再評価積立金の区分経理)
第14条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、資産再評価法(昭和25年法律第110号)第109条第1項の規定により再評価積立金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する株主総会において第12条の2第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議しないとき(当該会社が第12条の2第1項に規定する会社であって当該株主総会においてその資本への組入に因る当該会社の株式の額面金額の増加(以下「資本組入に因る額面金額の増加」という。)の決議をするときを除く。)は、資産再評価法第109条第1項の規定にかかわらず、その資本への組入をする際において当該会社の貸借対照表の負債の部に計上されている再評価積立金の金額のうち同項の規定により資本に組み入れることができる金額(第3項の規定により他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額があるときは、その同項の算式により計算した金額を差し引いた金額)からその金額に当該会社についての株式未返還率(当該会社の連合国財産株式及び子株の数が、当該会社の発行済株式の総数と当該連合国財産株式及び子株の数との合計数から当該会社の確保株数を差し引いた数に対して有する割合をいう。以上同じ。)を乗じて得た額(当該会社がその確保株数がその連合国財産株式及び子株の数に満たない場合において、当該株主総会において資本組入に因る額面金額の増加の決議をするときは、その額面金額の増加額に当該会社の確保株数を乗じて得た金額を差し引いた金額)を差し引いた額をこえて、再評価積立金を資本に組み入れてはならない。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社は、資産再評価法第109条第1項の規定により再評価積立金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する株主総会において第12条の2第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するとき、又は当該会社が第12条の2第1項に規定する会社であって当該株主総会において資本組入に因る額面金額の増加の決議をするときは、資産再評価法第109条第1項の規定にかかわらず、その資本への組入をする際において当該会社の貸借対照表の負債の部に計上されている再評価積立金の金額のうち同項の規定により資本に組み入れることができる金額とその資本への組入をする際までに資本に組み入れられた再評価積立金の総額(その際までに再評価積立金の資本への組入に因り新株が発行されているときは、その新株の発行価額(当該新株につき再評価積立金の資本組入に関する法律第4条第1項に規定する払込金額(以下「払込金額」という。)の定めがあった場合においては、その金額を差し引いた金額)の総額を、その際までに資本組入に因る額面金額の増加がされているときは、その額面金額の増加額の総額を、それぞれ差し引いた額)との合計額から、第12条の2第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行するときは、その資本への組入をする際において再評価積立金の資本への組入に因り発行する新株の発行価額(当該新株につき払込金額を定める場合においては、その金額を差し引いた金額)の総額を、資本組入に因る額面金額の増加をするときは、その額面金額の増加額の総額を、それぞれ差し引いた金額に当該会社についての株式未返還率を乗じて得た額をその資本に組み入れることができる金額から差し引いた額をこえて、再評価積立金を資本に組み入れてはならない。
3 再評価積立金を資本に組み入れたことがある連合国財産株式又は子株の発行会社は、左の各号に掲げる金額の合計額が零である場合を除く外、当該合計額に相当する再評価積立金を他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上するものとする。
一 当該会社の資本に組み入れられた再評価積立金の総額から、第12条の2第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行した場合において再評価積立金の資本への組入に因り発行した株式の発行価額(当該株式につき払込金額の定めがあった場合においては、その金額を差し引いた金額)の総額と資本組入に因る額面金額の増加による額面金額の増加額の総額と第19条第1項の規定による命令に基き資本に組み入れられた再評価積立金の総額と第20条の2第6項又は第20条の3第1項の規定による命令に基き再評価積立金を資本に組み入れて新株を発行した場合における当該新株に相当する子株で資本組入に因る額面金額の増加があったものの額面金額の増加額の総額との合計額を差し引いた額に左の算式により計算した割合を乗じて得た金額{当該会社の連合国財産株式及び子株の数÷(当該会社の発行済株式の総数−当該会社の確保株数)}
二 資本組入に因る額面金額の増加による額面金額の増加額の総額と第19条第1項の規定による命令に基き資本に組み入れられた再評価積立金の総額と第20条の2第6項又は第20条の3第1項の規定による命令に基き再評価積立金を資本に組み入れて新株を発行した場合における当該新株に相当する子株で資本組入に因る額面金額の増加があったものの額面金額の増加額の総額との合計額に左の算式により計算した割合を乗じて得た金額{(当該会社の連合国財産株式及び子株の数−当該会社の確保株数)÷当該会社の発行済株式の総数}
(再評価積立金の取りくずしの制限)
第15条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、前条第3項の規定により他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する再評価積立金については、第19条第1項、第20条の2第6項又は第20条の3第1項の規定による命令に基き再評価積立金を資本に組み入れる場合を除く外、これを取りくずすことができない。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社は、資産再評価法第109条第1項の規定により再評価積立金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する株主総会において第12条の2第1項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するとき、又は当該株主総会において資本組入に因る額面金額の増加の決議をするときは、前項の規定にかかわらず、前条第3項の規定により他の再評価積立金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する再評価積立金のうち、当該新株の発行価額(当該新株につき払込金額を定める場合においては、その金額を差し引いた金額)又は当該額面金額の増加額に当該会社の確保株数を乗じて得た金額に相当するものを資本に組み入れることができる。
(資本準備金の資本への組入の制限及び資本準備金の区分経理)
第16条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定により資本準備金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する取締役会において第12条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議しないときは、商法第293条ノ3第1項の規定にかかわらず、資本準備金の金額(第3項の規定により他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する資本準備金があるときは、その同項の算式により計算した金額を差し引いた金額)からその金額に当該会社についての株式未返還率を乗じて得た額を差し引いた額をこえて、資本準備金を資本に組み入れてはならない。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定により資本準備金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する取締役会において第12条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するときは、商法第293条の3第1項の規定にかかわらず、資本準備金の金額とその資本への組入をする際までに資本に組み入れられた資本準備金の総額(その際までに資本準備金の資本への組入に因り新株が発行されているときは、その新株の発行価額の総額を差し引いた額)との合計額からその資本への組入をする際において資本準備金の資本への組入に因り発行する新株の発行価額の総額を差し引いた金額に当該会社についての株式未返還率を乗じて得た額を資本準備金の金額から差し引いた額をこえて、資本準備金を資本に組み入れてはならない。
3 資本準備金を資本に組み入れたことがある連合国財産株式又は子株の発行会社は、その資本に組み入れられた資本準備金の総額(当該会社が第12条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行したことがある場合においては、その場合において資本準備金の資本への組入に因り発行した株式の発行価格の総額を差し引いた額)に左の算式により計算した割合を乗じて得た金額が零である場合を除く外、当該金額に相当する資本準備金を他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上するものとする。{当該会社の連合国財産株式及び子株の数÷(当該会社の発行済株式の総数−当該会社の確保株数)}
(資本準備金の取りくずしの制限)
第17条 連合国財産株式又は子株の発行会社は、前条第3項の規定により他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する資本準備金については、第20条の2第6項の規定による命令に基き資本準備金を資本に組み入れる場合を除く外、これを取りくずすことができない。
2 連合国財産株式又は子株の発行会社は、商法第293条ノ3第1項の規定により資本準備金を資本に組み入れる場合において、その資本への組入を決議する取締役会において第12条の2第2項の規定に基き自己の名義で新株を発行することを決議するときは、前項の規定にかかわらず、前条第3項の規定により他の資本準備金と区分して貸借対照表の負債の部に計上されている同項の算式により計算した金額に相当する資本準備金のうち、当該新株の発行価額に当該会社の確保株数を乗じて得た金額に相当するものを資本に組み入れることができる。
第4章 連合国財産株式又は子株の回復
(超過額の支払に関する通知、回復される株式の数及び株券の引渡)
第18条 財務大臣は、回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り連合国財産株式又は子株の回復を請求することができる連合国の政府から連合国財産株式又は子株を回復することを請求された場合において、回復請求権者が回復を受けることができる株式(連合国財産株式又は子株の発行会社が資産再評価法第109条の規定による再評価積立金の資本への組入に因り株式を発行した場合において、当該連合国財産株式若しくは子株について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式又はこれに代わる株式(以下「再評価積立金に係る子株」という。)及び連合国財産株式又は子株の発行会社が商法第293条ノ3の規定による準備金の資本への組入に因り株式を発行した場合において、当該連合国財産株式若しくは子株について割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式又はこれに代わる株式(以下「準備金に係る子株」という。)に相当する株式を除く。以下第20条までにおいて同じ。)の発行価額(当該株式が第4項の規定により回復請求権者に回復されるもの(保有株式を除く。)であるときは、その株式の発行会社が発行する額面株式の券面額(当該株式につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた額)、当該株式が同項の規定により回復請求権者に回復される保有株式であるときは、その株式を優先して取得する権利が与えられた際における価額、当該株式が第19条第1項の規定により回復請求権者に回復されるものであるときは、同項の規定により財務大臣がその発行を命ずる際に指示する価額(当該株式に相当する連合国財産株式又は子株につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた額)をいう。以下第19条第1項から第3項まで並びに第20条の2第6項及び第7項の場合を除き同じ。)にその株数を乗じて得た金額(当該回復請求権者が回復を受けることができる株式が連合国財産株式又は連合国財産株式に相当する株式であるときは、当該株式については、当該金額から当該連合国財産株式につき旧権利者(当該連合国財産株式を第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時において所有していた者をいう。以下同じ。)及びその前者が第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時までに払込をした金額を差し引いた金額)を当該回復を請求した者に対し通知しなければならない。
2 前項に規定する回復を請求した者は、同項の規定により財務大臣から通知を受けたときは、遅滞なく、その通知に係る金額の全部又は一部を支払うかどうかを財務大臣に通知しなければならない。この場合において、当該回復を請求した者がその財務大臣からの通知に係る金額の一部を支払う旨を通知するときは、その通知する金額は、その通知する金額と回復請求権者が回復を受けることができる株式に相当する連合国財産株式について旧権利者及びその前者が第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時までに払込をした金額との合計額(当該回復請求権者が回復を受けることができる株式に相当する連合国財産株式がないときは、その回復を受けることができる株式の発行価額にその株数を乗じて得た額)を回復請求権者が回復を受けることができる株式の発行価額で除した場合において、その除して得た数に1未満の端数を生ずるものであってはならない。
3 回復請求権者に回復される株式(再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株に相当する株式を除く。以下第20条までにおいて同じ。)の数は、回復請求権者が回復を受けることができる株式に相当する連合国財産株式について旧権利者及びその前者が第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時までに払込をした金額と第1項に規定する回復を請求した者が前項の規定により支払う旨を通知した金額との合計額(当該回復請求権者が回復を受けることができる株式に相当する連合国財産株式がないときは、その回復を受けることができる株式の発行価額にその株数を乗じて得た額)を回復請求権者が回復を受けることができる株式の発行価額で除して得た数とする。
4 財務大臣は、回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り株式の回復を請求することができる連合国の政府から第1項の請求を受けた場合において、回復請求権者に回復される株式を回復するため、特定株式の株主、又は連合国財産株式若しくは子株の発行会社に対し、財務大臣が連合国財産株式又は子株を回復請求権者に回復すべき日として指定した日(以下「回復期日」という。)において、特定株式、自己取得株式、自己保留株式又は保有株式の株券を財務大臣に引き渡すことを命ずることができる。この場合において、財務大臣は、回復期日において当該回復を請求した者に当該株券を引き渡さなければならない。
(会社が発行する株式の総数の増加及び新株の発行の命令)
第19条 財務大臣は、回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り株式の回復を請求することができる連合国の政府から前条第1項の請求を受けた場合において、同条第4項の規定により引渡を受ける株式がないとき、又はその株式の数が回復請求権者に回復される株式の数に不足するときは、その回復請求権者に回復される株式の数又はその不足する数の株式を回復請求権者に回復するため、当該株式の発行会社に対し、発行価額を指示して回復請求権者の名義のその不足する数の新株を発行し、その株券を回復期日において財務大臣に引き渡すことを命じ、その新株を発行するため必要があるときは、回復期日において会社の発行する株式の総数を増加することを命じ、且つ、その新株に相当する連合国財産株式又は子株につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その指示する金額の再評価積立金を回復期日において資本に組み入れることを命ずることができる。この場合において、財務大臣は、回復期日において当該回復を請求した者に当該株券を引き渡さなければならない。
2 前項の規定により財務大臣が指示する新株の発行価額は、昭和26年7月1日以後連合国財産株式又は子株の発行会社が設立され、又は新株を発行した際割り当てられ、若しくは割り当てられるべきであった株式に相当する株式については、その設立に際しその株式を優先して有償で取得する権利を与えられた際における価額又はその新株発行の際新株引受権を有していた者が当該株式について払い込んだ金額に相当する金額(当該株式につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を加えた額)、その他の株式については、その株式の発行会社の発行する額面株式の券面額とする。
3 第1項の規定による命令を受けた会社は、定款の定め及び商法第280条ノ3の規定にかかわらず、同項の規定による財務大臣の指示する発行価額で新株を発行し、又は定款の定め及び再評価積立金の資本組入に関する法律第2条の規定にかかわらず、同項の規定により財務大臣の指示する金額の再評価積立金を資本に組み入れることができる。
4 商法第280条ノ2但書及び第2号、同法第342条第1項並びに会社が発行する株式の総数の増加の制限に関する他の法令の規定は、第1項の規定による命令を受けた会社がその命令に基いてその発行する株式の総数を増加し、又は新株を発行する場合については適用しない。
5 第1項の規定により会社がその発行する株式の総数の増加が命ぜられたときは、回復期日において、定款に定められているその会社が発行する株式の総数の増加があったものとみなす。
6 第1項の規定による命令を受けた会社は、当該命令を受けた日から2週間以内に、当該命令があった旨及び当該命令の要旨を公告しなければならない。
(通知した金額の支払等)
第20条 連合国財産株式又は子株の回復を請求した者は、第18条第4項又は前条第1項の規定により財務大臣から引渡を受ける株券と引き換えに、回復期日において、第18条第2項の規定により支払う旨を通知した金額を財務大臣に支払わなければならない。
2 第18条第4項又は前条第1項の規定により連合国財産株式又は子株の回復を請求した者に引き渡された株券に係る株式のうち回復請求権者の有するもの以外のものは、回復期日において、回復請求権者に帰属する。
3 第18条第4項又は前条第1項の規定により回復請求権者が回復を受けることができる株式が連合国財産株式である第2条第3項各号に掲げる株式に相当するものである場合においては、その回復を受けることができる株式については、第18条第1項中「当該連合国財産株式につき旧権利者(当該連合国財産株式を第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時において所有していた者をいう。以下同じ。)及びその前者が第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時までに払込をした金額」並びに同条第2項後段及び同条第3項中「回復請求権者が回復を受けることができる株式に相当する連合国財産株式について旧権利者及びその前者が第4条第1項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時までに払込をした金額」とあるのは「回復請求権者が回復を受けることができる株式に相当するこれに代わる株式について第2条第3項各号に掲げる場合において払込があったものとされた金額」とする。
4 回復請求権者が回復を受けることができる株式についてその発行会社が2以上あるときは、その発行会社の異る株式ごとに、第18条第1項から第3項までの規定を適用する。
5 回復請求権者が回復を受けることができる株式について同一の会社が発行し、その発行価額が異る株式が2以上あるときは、その発行価額の異る株式ごとに、第18条第1項から第3項までの規定を適用する。
6 第18条第4項又は前条第1項の規定により回復請求権者に回復された株式については、その発行価額に相当する金額が回復期日において払い込まれているものとみなす。
7 第18条第4項又は前条第1項の規定により回復請求権者が回復を受けた株式の上に存する質権その他の権利で昭和16年12月7日以後設定されたものは、回復期日に消滅する。この場合において、質権者の保護に関しては、第28条に定めるものの外、民法(明治29年法律第89号)の規定によるものとする。
(再評価積立金に係る子株及び準備金に係る子株の回復)
第20条の2 回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り連合国財産株式又は子株の回復を請求することができる連合国の政府から連合国財産株式又は子株を回復することを請求された場合において、回復請求権者が再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の回復として回復を受けることができる株式の数は、連合国財産株式又は子株の発行会社が再評価積立金又は準備金の資本への組入に因り株式を発行した際に、当該回復請求権者が第18条第4項若しくは第19条第1項の規定又は第5項若しくは第6項の規定により回復を受ける株式に相当する連合国財産株式又は子株について割り当てられ、又は割り当てられるべきであった株式の数(その資本に組み入れられた準備金のうちに利益準備金があるときは、その割り当てられ、又は割り当てられるべきであった株式の数から、その数に資本に組み入れられた利益準備金の額が資本に組み入れられた準備金の額に対して有する割合を乗じて得た数(その資本への組入に因り発行された株式の発行価額にその発行数を乗じて得た額がその資本に組み入れられた準備金の総額に満たないときは、当該連合国財産株式及び子株の合計数に第12条第4項に掲げる算式により計算した割合を乗じて得た数)を差し引いた数)とする。
2 財務大臣は、回復請求権者が再評価積立金に係る子株の回復として回復を受けることができる株式に相当する株式が払込金額の定めのある株式であるときは、当該回復を請求した者に対し、その払込金額に相当する金額を通知しなければならない。
3 前項に規定する回復を請求した者は、同項の規定により財務大臣から通知を受けたときは、遅滞なく、その通知に係る金額の全部又は一部を支払うかどうかを財務大臣に通知しなければならない。この場合において、当該回復を請求した者がその金額の一部を支払う旨を通知するときは、その通知する金額は、その通知する金額を払込金額で除した場合において、その除して得た数に1未満の端数を生ずるものであってはならない。
4 再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の回復として回復請求権者に回復される株式の数は、回復請求権者が回復を受けることができる株式が払込金額の定めのない再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株に相当する株式であるときは、第1項に規定する回復請求権者が回復を受けることができる株式の数とし、回復請求権者が回復を受けることができる株式が払込金額の定めのある再評価積立金に係る子株に相当する株式であるときは、当該株式の回復を請求した者が前項の規定により支払う旨を通知した金額を払込金額で除して得た数とする。
5 財務大臣は、回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り連合国財産株式又は子株の回復を請求することができる連合国の政府から第1項の請求を受けた場合において、再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の回復として回復請求権者に回復される株式を回復するため、当該再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の発行会社に対し、回復期日において、当該再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株に相当する自己保有株式の株券を財務大臣に引き渡すことを命ずることができる。この場合において、財務大臣は、回復期日において当該回復を請求した者に当該株券を引き渡さなければならない。
6 財務大臣は、回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り連合国財産株式又は子株の回復を請求することができる連合国の政府から第1項の請求を受けた場合において、前項の規定により引渡を受ける株式がないとき、又はその株式の数が再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の回復として回復請求権者に回復される株式の数に不足するときは、その回復請求権者に回復される株式の数又はその不足する数の株式を回復請求権者に回復するため、当該再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の発行会社に対し、その指示する金額の再評価積立金又は準備金を回復期日において資本に組み入れて、その回復請求権者に回復される株式の数又はその不足する数及びその指示する発行価額の回復請求権者の名義の新株を発行し、その株券を回復期日において財務大臣に引き渡すことを命じ、且つ、その新株を発行するため必要があるときは、回復期日において会社の発行する株式の総数を増加することを命ずることができる。この場合において、財務大臣は、回復期日において、当該回復を請求した者に当該株券を引き渡さなければならない。
7 前項の規定により財務大臣が指示する新株の発行価額は、当該新株に相当する再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株の発行価額(当該子株につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を加えた額)とする。
8 第6項の規定による命令を受けた会社は、定款の定め並びに再評価積立金の資本組入に関する法律第2条及び第3条並びに商法第280条ノ3及び第293条ノ3の規定にかかわらず、その命令に係る再評価積立金又は準備金の資本への組入及び新株の発行をすることができる。
9 商法第280条ノ2但書及び第2号、第341条第1項並びに会社が発行する株式の総数の増加の制限に関する他の法令の規定は、第6項の規定による命令をうけた会社がその命令に基いて会社が発行する株式の総数を増加し、又は新株を発行する場合については適用しない。
10 第6項の規定による命令を受けた会社がその命令に基いて再評価積立金を資本に組み入れ、新株を発行する場合における再評価積立金の資本組入に関する法律の適用については、同法第11条第1項中「第4条第1項の規定により新株の払込金額を定めた場合においては、その新株」とあるのは「連合国財産である株式の回復に関する政令第20条の2第6項の規定により再評価積立金に係る子株の回復として回復請求権者に回復された株式に相当する再評価積立金に係る子株について第4条第1項の規定により新株の払込金額が定められている場合においては、その回復された株式」とする。
11 第5項又は第6項の規定により再評価積立金に係る子株の回復として回復請求権者に回復された株式のうち、当該株式に相当する再評価積立金に係る子株につき払込金額の定めがあるものについては、その払込金額に相当する金額が回復期日において払い込まれているものとみなす。
12 第19条第5項の規定は、第6項の規定により会社がその発行する株式の総数の増加を命ぜられた場合に、第19条第6項の規定は、第6項の規定による命令を受けた会社に、第20条第1項の規定は、連合国財産株式又は子株の回復を請求した者が第5項又は第6項の規定により株券の引渡を受ける場合に、第20条第2項の規定は、第5項又は第6項の規定により当該回復を請求した者に引き渡された株券に係る株式に、第20条第4項及び第5項の規定は、第1項の規定により回復請求権者が回復を受けることができる株式に準用する。この場合において、第20条第4項及び第5項中「第18条第1項から第3項まで」とあるのは、「第20条の2第1項から第4項まで」と読み替えるものとする。
(回復請求権者の金銭分配請求権)
第20条の3 財務大臣は、連合国財産株式又は子株の回復を請求した者が前条第2項の規定による財務大臣からの通知に係る金額の全部又は一部を支払わないときは、その支払わないことに因り回復請求権者に回復されないこととなった再評価積立金に係る子株の発行会社に対し、当該再評価積立金に係る子株に相当する自己保有株式を財務大臣の指定する日までに売却することを命じ、且つ、当該再評価積立金に係る子株に相当する自己保有株式がないときは、その指示する金額に相当する再評価積立金を資本に組み入れ、株主を募集して当該再評価積立金に係る子株の数の新株を、当該再評価積立金に係る子株に相当する自己保有株式の数が当該再評価積立金に係る子株の数に不足するときは、その指示する金額に相当する再評価積立金を資本に組み入れ、株主を募集してその不足する数の新株を、それぞれ財務大臣の指定する日までに発行することを命ずることができる。この場合において、財務大臣は、その新株を発行するため必要があるときは、会社の発行する株式の総数を増加することを併せて命ずることができる。
2 前項の規定による命令を受けた会社は、定款の定め並びに再評価積立金の資本組入に関する法律第2条及び第3条並びに商法第280条ノ3の規定にかかわらず、その命令に係る再評価積立金の資本への組入及び新株の発行をすることができる。
3 商法第280条ノ2但書及び第342条第1項並びに会社が発行する株式の総数の制限に関する他の法令の規定は、第1項の命令を受けた会社がその命令に基いて会社が発行する株式の総数を増加し、又は新株を発行する場合については適用しない。
4 連合国財産株式又は子株の回復を請求した者で前条第2項の規定による財務大臣からの通知に係る金額の全部又は一部を支払わなかったものは、その支払わないことにより回復されないこととなった再評価積立金に係る子株の発行会社に対し、当該会社が第1項の規定による命令に基き売却した自己保有株式又は同項の規定による命令に基き募集した新株の発行価額(当該新株に相当する再評価積立金に係る子株につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた金額)からその自己保有株式又はその新株に相当する再評価積立金に係る子株について定められた払込金額を差し引いた額の合計額に相当する金銭を分配すべきことを請求することができる。
5 第19条第5項の規定は、会社が第1項の規定によりその発行する株式の総数の増加を命ぜられた場合に、第19条第6項の規定は、第1項の規定による命令を受けた会社に準用する。この場合において、第19条第5項中「回復期日」とあるのは、「その命令を受けた日」と読み替えるものとする。
6 第1項の規定による命令を受けた会社がその命令に基いて再評価積立金を資本に組み入れ、株主を募集し、新株を発行する場合における再評価積立金の資本組入に関する法律の適用については、同法第11条第1項中「第4条第1項の規定により新株の払込金額を定めた場合において」とあるのは、「連合国財産である株式の回復に関する政令第20条の3第1項の規定による命令に基き募集された新株について払込がされた場合において当該新株に相当する再評価積立金に係る子株について、第4条第1項の規定により新株の払込金額が定められているとき」と、同法同条第2項中「第8条第1項の規定による」とあるのは、「連合国財産である株式の回復に関する政令第20条の3第1項の規定による命令に基く」と、「発行価額」とあるのは「発行価額(当該新株に相当する再評価積立金に係る子株について、資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を差し引いた金額)」と、同法第12条第2項中「第10条」とあるのは、「連合国財産である株式の回復に関する政令第20条の3第4項」とする。
第21条 第18条第4項、第19条第1項又は第20条の2第5項若しくは第6項の規定により株券の引渡を命ぜられた会社は、財務大臣の命ずるところに従い、その株券を当該職員に引き渡さなければならない。この場合において、回復請求権者の所有の名義の株式以外の株式については、他の法令の規定又は定款の定めにかかわらず、回復期日の日附で回復請求権者に名義の書換をしなければならない。
2 回復期日前に株主総会の通知があったときは、株主である回復請求権者に対する株主総会の招集の通知は、商法第232条第1項の規定にかかわらず、回復期日においてすれば足りる。
3 当該職員は、第1項の規定により株券の引渡を受ける場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを呈示しなければならない。
(回復に伴う他の法令との関係)
第22条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「私的独占禁止法」という。)第10条、第11条及び第14条の規定は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外等に関する法律(昭和22年法律第138号)第1条第8号の規定にかかわらず、国内において事業を営む回復請求権者が第18条第4項、第19条第1項又は第20条の2第5項若しくは第6項の規定により回復を受けた株式を回復期日後継続して所有する場合に適用する。この場合において、回復請求権者は、回復期日後60日以内に私的独占禁止法のこれらの規定に適合するために必要な措置をとらなければならない。但し、回復請求権者は、公正取引委員会規則の定めるところにより、当該期間について相当期間の延長を公正取引委員会に申請することができる。この場合における公正取引委員会の認可は、私的独占禁止法のこれらの規定に適合するために必要な株式の処分がすみやかに行われることを条件としなければならない。
2 第18条第4項、第19条第1項又は第20条の2第5項若しくは第6項の規定により財務大臣に引き渡された株券は、会計法(昭和22年法律第35号)及び同法に基く命令の規定の適用については、国の保管するものとしない。
(回復を要しない株式の処分)
第23条 財務大臣は、回復請求権者から連合国財産株式若しくは子株の回復を請求しない旨の通知があったことに因り、連合国財産補償法第15条第1項に規定する補償金支払請求書の提出があったため第4条第1項但書の規定により連合国財産株式又は子株の回復の請求をすることができなくなったことに因り、第5条第1項若しくは第2項の規定により連合国財産株式若しくは子株の回復請求権が消滅したことに因り、又は連合国財産株式若しくは子株の回復を請求した者が第18条第1項若しくは第20条の2第2項の規定による財務大臣からの通知に係る金額の全部若しくは一部を支払わないことに因り特定株式又は連合国財産株式若しくは子株に相当する株式の全部又は一部を回復請求権者に回復することを要しないことが明らかになったときは、その旨をその発行会社又は第11条第1項の規定によりその株式を保有する会社に通知しなければならない。
2 特定株式につき前項の規定による通知があった場合において、当該株式が当該通知があった日において連合国財産の返還等に関する政令第8条第1項の規定により選任された管理人の管理に付せられているものであるときは、当該管理人は、当該日において解任されたものとみなす。
3 第3条第1項第1号若しくは第2号に掲げる特定株式で回復請求権者からその回復を請求しない旨の通知があったことに因り、又は第5条第1項若しくは第2項の規定により回復請求権が消滅したことに因り回復請求権者に回復することを要しないことが明らかになったもののうち、当該株式について第1項の規定による通知があった日までに払込期日が到来している株金額の全部が当該通知があった日までに払い込まれているものは、当該日において国庫に帰属するものとする。
4 第1項に規定する会社は、同項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、回復請求権者に回復することを要しないことが明らかになった株式について、左の各号に定める措置をとらなければならない。
一 当該株式が前項の規定により国庫に帰属した株式であるときは、財務大臣の命ずるところに従い、その株券を当該職員に引き渡すこと。
二 当該株式が、当該通知があった際第3条第1項第1号若しくは第2号に掲げる特定株式であった株式であって、回復請求権者からその回復を請求しない旨の通知があったことに因り、又は第5条第1項若しくは第2項の規定により回復請求権が消滅したことに因り回復請求権者に回復することを要しないことが明らかになったもののうち、当該株式について第1項の規定による通知があった日までに既に払い込まれた株金額が当該日までに払込期日が到来している株金額に満たないものであるときは、これを売却すること。
三 当該株式が当該通知があった際第3条第1項第1号又は第2号に掲げる特定株式であった株式であって、当該株式の回復を請求した者が第18条第1項の規定による財務大臣からの通知に係る金額の全部又は一部を支払わないことに因り回復請求権者に回復することを要しないことが明らかになったものであるときは、これを消却し、又は売却すること。
四 当該株式が当該通知があった際第3条第1項第1号又は第2号に掲げる特定株式であった株式であって、第4条第1項但書の規定により回復の請求をすることができなくなったものであるときは、当該株式の株主にその株券を引き渡すこと。
五 当該株式が当該通知があった際第3条第1項第1号又は第2号に掲げる特定株式以外の特定株式であった株式であるときは、第7条第1項の規定により提出した者にその株券を引き渡すこと。
六 当該株式が自己取得株式又は自己保留株式であるときは、これを消却し、又は売却すること。
七 当該株式が保有株式であるときは、これを売却すること。
八 当該株式が自己保有株式であるときは、これを売却すること。
5 第21条第3項の規定は、前項第1号の株券の引渡の場合に準用する。
6 第1項の規定による通知に係る株式の発行会社は、第4項第2号の措置をとった場合においては、遅滞なく、当該株式について当該通知があった日までに払込期日が到来している株金額から当該通知があった日までに払込があった株金額を控除した金額を当該株式の売却価額から差し引いた金額の国庫に納付しなければならない。この場合において、当該株式の売却価額が、当該株式について当該通知があった日までに払込期日が到来している株金額から当該通知があった日までに払込があった株金額を控除した金額に満たないときは、当該会社は、当該株式につき当該通知があった日において株主であった者に対し、その満たない金額の弁済を請求することができる。
7 第1項の規定による通知を受けた会社は、第4項第6号又は第7号の措置による消却又は売却の処分に先き立ち、第11条第1項後段、第12条第1項若しくは第6項又は旧令第12条第1項後段の規定により権利を与えられなかった当該通知があった際特定株式(第3条第1号及び第2号に掲げる特定株式を除く。)であった株式の株主に対し、その権利を与えられなかった株式を第11条第1項、第12条第6項若しくは旧令第12条の2に規定する優先して取得する権利を与えた際における価額、第12条第1項に規定する新株発行の際その新株の引受権を有していた者が当該株式について払い込んだ金額に相当する金額又は旧令第12条第1項に規定する資本増加の際における株式の引受価額で、買い受ける機会を与えなければならない。
8 第1項の規定による通知を受けた会社は、第4項第8号の措置による自己保有株式の売却の処分に先立ち、第12条第2項から第4項までの規定により再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株を取得する権利を与えられなかった当該通知があった際特定株式(第3条第1号及び第2号に掲げる特定株式を除く。)であった株式の株主に対し、当該自己保有株式が払込金額の定めのない株式であるときは、その権利を与えられなかった再評価積立金に係る子株又は準備金に係る子株に相当する自己保有株式を無償で譲渡し、当該自己保有株式が払込金額の定めのある株式であるときは、その権利を与えられなかった再評価積立金に係る子株に相当する自己保有株式を当該払込金額に相当する金額で買い受ける機会を与えなければならない。
9 第4項第4号又は第5号の措置により特定株式であった株式の株券の引渡を受けた者は、当該株式について第13条第1項の規定に基き払込のされていない株金額があるときは、その引渡を受けた日から2週間以内にこれを払い込まなければならない。
10 第20条第6項の規定は、第4項第2号、第3号若しくは第6号の措置又は第7項の規定により売却された株式について準用する。この場合において、第20条第6項中「回復期日」とあるのは、「売却の日」と読み替えるものとする。
11 前条第1項の規定は、第3条第1号若しくは第2号に掲げる特定株式であった株式で第4条第1項但書の規定により回復の請求をすることができなくなったものの株主又は第7条第1項の規定により特定株式の株券を提出した者が第4項第4号又は第5号の措置により当該株式の発行会社からその株券の引渡を受けた場合に準用する。
第5章 関係人の権利の調整
(連合国財産株式の処分価額等の処理)
第24条 財務大臣は、第18条第4項の規定により第3条第1号又は第2号に掲げる特定株式以外の特定株式の株券の引渡を受けた場合においては、その株主に対し、旧敵産管理人、旧権利者又は準敵産管理人が当該特定株式を処分した際におけるその処分価額(旧特殊財産資金特別会計法第6条の規定により財務大臣が旧敵産管理人から買い入れて処分した株式については、財務大臣が処分した際におけるその処分価額)と当該特定株式についてその処分後払込があった株金額との合計額から当該特定株式の株主の負担する企業再建整備法に規定する特別損失又は金融機関再建整備法に規定する確定損を差し引いた金額(当該特定株式がその株券が第18条第4項の規定により財務大臣に引き渡された際清算手続中である会社の発行する株式であるときは、当該金額からその際までに当該特定株式について残余財産として分配された金銭の額を控除した金額)を支払わなければならない。
2 財務大臣は、第18条第4項の規定により特定株式の株券の引渡を受けた場合においては、その発行会社に対し、当該特定株式について回復期日までに払込期日が到来している株金額からすでに払込があった株金額を差し引いた金額を支払わなければならない。この場合において前項の規定による財務大臣の支払う金額の計算上差引不足額があるときは、その差引不足額を差し引いた額を支払えば足りる。
3 財務大臣は、第18条第4項又は第19条第1項の規定により連合国財産株式に相当する自己取得株式、自己保留株式又は第19条第1項の規定による命令に基いて発行された新株の株券の引渡を受けた場合においては、その発行会社に対し、旧敵産管理人、旧権利者又は準敵産管理人が当該連合国財産株式を処分した際におけるその処分価額(旧特殊財産資金特別会計法第6条の規定により財務大臣が旧敵産管理人から買い入れて処分した株式については、財務大臣が処分した際におけるその処分価額)と当該連合国財産株式について回復期日までに払込期日が到来している株金額との合計額からその処分までに払込があった株金額と当該連合国財産株式の株主の負担する企業再建整備法に規定する特別損失又は金融機関再建整備法に規定する確定損との合計額を差し引いた金額を支払わなければならない。
第25条 削除
(特別損失又は確定損のある場合の特例)
第26条 財務大臣が第18条第4項又は第19条第1項の規定により企業再建整備法に規定する特別経理会社の発行する株式の株券の引渡を受けた場合においては、第24条の規定による支払は、同法の規定による整備計画の認可の日後においてするものとする。
(子株についての発行価額の処理)
第27条 財務大臣は、第18条第4項、第19条第1項又は第20条の2第5項若しくは第6項の規定により子株に相当する株式の株券の引渡を受けた場合においては当該株券を引き渡した会社に対し、当該株式の発行価額(当該株式に相当する子株が再評価積立金に係る子株であって払込金額の定めのあるものであるときは、払込金額)を支払わなければならない。
(質権の保護)
第28条 第20条第7項の規定により消滅した特定株式を目的とする質権は、第24条第1項の規定により株主が支払を受ける金銭の上に存在する。
2 商法第209条第1項及び第2項の規定は、第24条第1項の規定により株主が金銭の支払を受ける場合に準用する。
(財務大臣による現金の取扱)
第29条 財務大臣が第20条第1項(第20条の2第12項において準用する場合を含む。)又は第25条の規定により受け入れて第24条又は第27条の規定により支払う現金については、歳入歳出外現金として取扱うものとする。
2 前項の歳入歳出外現金の出納に関して必要な事項は、財務省令で定める。
(損失の処理)
第30条 この政令の規定により連合国財産株式又は子株に関する権利を回復請求権者に回復することに因り当該株式の発行会社、株主その他の関係人に生じた損失の処理に関しては、この政令に定めるものを除く外、別に法律で定める。
(この章の規定の準用)
第31条 この章の規定は、この政令施行前大蔵大臣が旧連合国財産の返還等に関する件第2条第1項の規定に基いて株式について返還その他必要な措置を命じた場合に準用する。但し、大蔵大臣が返還その他必要な措置を命じた際在外会社等株式であった株式については、この限りでない。
第6章 雑則
(在外会社等株式の回復)
第32条 在外会社等株式で第2条第1項各号に該当するものは、第3項に規定する財務大臣の指定する日又は第5項の告示の日までは、財務省令の定めるところにより財務大臣の許可を得なければ、譲渡し、又は担保に供してはならない。当該株式を取得し、又は担保としてこれを受けることも同様とする。
2 第6条第2項の規定は、前項の場合に準用する。
3 財務大臣は、回復請求権者又は第4条第4項の規定によりその者に代り第1項に規定する在外会社等株式の回復を請求することができる連合国の政府から第1項に規定する在外会社等株式を回復することを請求された場合においては、財務大臣が指定する日において、当該株式の株主又はその株券の所持人に対して、当該株式の株券を財務大臣に引き渡すことを命ずることができる。この場合において、財務大臣は、その指定する日において当該回復を請求した者に当該株券を引き渡さなければならない。
4 第20条第2項及び第7項、第21条並びに第22条の規定は、前項の場合に準用する。
5 財務大臣は、回復請求権者から第1項に規定する在外会社等株式の回復を請求しない旨の通知があったとき、第4条第1項但書の規定により回復の請求をすることができなくなった第1項に規定する在外会社等株式があるとき、又は第5条第1項若しくは第2項の規定により回復請求権の消滅した第1項に規定する在外会社等株式があるときは、これを告示する。
6 前項の規定による告示があった株式がその告示があった日において連合国財産の返還等に関する政令第8条第1項の規定により選任された管理人の管理に付せられているものであるときは、当該管理人は、当該日において解任されたものとみなし、当該株式(第4条第1項但書の規定により回復の請求をすることができなくなった株式を除く。)は、当該日において国庫に帰属するものとする。
7 第3項の規定により在外会社等株式を回復請求権者に回復することに因り当該株式の株主その他の関係人に生じた損失の処理に関しては、別に法律で定める。
(報告及び資料の徴収並びに立入検査)
第33条 財務大臣は、連合国財産株式若しくは子株又は在外会社等株式の回復に関し必要があると認めるときは、その必要の範囲内において、これらの株式の発行会社から報告若しくは資料を徴し、又は当該職員をしてこれらの株式の株主、これらの株式の株券の所持人若しくはこれらの株式の発行会社の事務所その他の必要な場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 第21条第3項の規定は、前項の規定により当該職員が立入又は検査をする場合に、準用する。
3 第1項の立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(日本銀行への事務の委任)
第34条 財務大臣は、財務省令の定めるところにより、この政令の施行に関する事務の一部を日本銀行をして取り扱わせることができる。
(課税上の特例)
第35条 この政令の規定に基く株式の移転又は取得については、地方公共団体は、地方税を課することができない。
2 回復請求権者が第18条第4項又は第19条第1項の規定により連合国財産株式の回復を受けたことによる所得については、所得税を課さない。
3 回復請求権者が第18条第4項又は第19条第1項の規定により回復を受けた株式を回復期日後譲渡する場合における所得税法(昭和40年法律第33号)の適用については、当該株式は、回復請求権者が引き続きこれを有していたものとみなす。
4 回復請求権者が第32条第3項の規定により株式の回復を受けた場合においても、前2項と同様とする。
第36条 第18条第4項の規定により財務大臣に引き渡された株券に係る特定株式の株主が第24条第1項の規定により支払を受けたことに因る所得は、所得税法の適用については、当該特定株式の譲渡に因る所得とみなす。第31条において準用する第24条第1項の規定により支払を受けたことに因る所得についても同様とする。
第37条 第18条第4項又は第19条第1項の規定により自己保留株式又は同項の規定による命令に基いて発行された新株の株券を財務大臣に引き渡したその発行会社が第24条第3項の規定により支払を受けた金額が、これらの株式の発行価額のうち資本に組み入れた金額をこえる場合においては、法人税法(昭和40年法律第34号)の適用については、そのこえる金額を法人が額面をこえる価額で額面株式を発行した場合の額面をこえる金額及び無額面株式を発行した場合のその発行価額のうち資本に組み入れなかった金額とみなす。
第37条の2 第20条の3第1項の命令を受けた会社がその命令に基いて自己保有株式を売却した場合における当該株式の売却価額から当該株式について定められた払込金額(当該株式につき資本組入に因る額面金額の増加があった場合においては、その額面金額の増加額を加えた額)を差し引いた金額は、法人税法又は地方税法(昭和25年法律第226号)の規定による各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入しない。
2 第20条の3第1項の規定による命令を受けた会社がその命令に基いて自己保有株式を売却した場合において、同条第4項の規定による金銭の分配を請求した者に当該金銭を分配したときは、その分配した金銭の額は、法人税法又は地方税法の規定による各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入しない。
第7章 罰則
第38条 左の各号の一に該当する者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
一 第6条第1項(第9条第3項、第11条第4項又は第12条の2第3項において準用する場合を含む。)又は第32条第1項の規定に違反して株式を譲渡し、担保に供し、譲り受け、又は担保として受けた者
二 第7条第1項の規定に違反して株券を提出せず、又は提出することのできない旨の届出を怠った者
三 第8条第1項の規定に違反して報告を怠り、又は虚偽の報告をした者
四 第19条第1項、第20条の2第6項又は第20条の3第1項の規定に基く財務大臣の命令に違反して新株の発行を怠った者
五 第20条の3第1項の規定に基く財務大臣の命令に違反して自己保有株式の売却を怠った者
六 第32条第3項の規定に基く財務大臣の命令に違反して株券の引渡を怠った者
第39条 左の場合においては、その違反の行為をした会社の取締役又はこれに準ずる者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
一 第8条第2項の規定に違反して報告を怠り、又は虚偽の報告をしたとき。
二 第11条第1項の規定に違反して株式の保有を怠ったとき。
三 第14条第1項又は第2項の規定に違反して再評価積立金を資本に組み入れたとき。
四 第15条の規定に違反して再評価積立金を取りくずしたとき。
五 第16条第1項又は第2項の規定に違反して資本準備金を資本に組み入れたとき。
六 第17条の規定に違反して資本準備金を取りくずしたとき。
七 第23条第8項の規定に違反して株式を譲渡しなかったとき。
第40条 左の場合においては、その違反の行為をした会社の取締役又はこれに準ずる者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
一 第18条第4項、第19条第1項又は第20条の2第5項若しくは第6項の規定に基く財務大臣の命令に違反して株券の引渡を怠ったとき。
二 第21条第1項(第32条第4項において準用する場合を含む。)の規定に違反して名義の書換を怠ったとき。
三 第23条第7項又は第8項の規定に違反して株式を買い受ける機会を与えなかったとき。
四 第23条第6項の規定に違反して国庫に納付しなかったとき。
第41条 第33条第1項の規定に違反して報告若しくは資料の提出を怠り、虚偽の報告若しくは資料を提出し、又は当該職員の立入若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、10万円以下の罰金に処する。
第42条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、前4条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第43条 会社の取締役又はこれに準ずる者は、左の場合においては、5000円以下の過料に処する。
一 第19条第6項(第20条の2第12項又は第20条の3第5項において準用する場合を含む。)の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
二 第23条第4項の規定による株式の消却若しくは売却又は株券の引渡を怠ったとき。
附則
1 この政令は、公布の日から施行する。
2 持株会社整理委員会が昭和24年1月31日附の連合国最高司令官の要求によりフランス国法人液体空気株式会社(本店の所在地 フランス国パリー市ケー・ドルセー街75番地)に対してした帝国酸素株式会社(本店の所在地 兵庫県神戸市兵庫区高松町22番地)の株式7万3500株の譲渡は、大蔵大臣が第2条第1項第2号の規定により当該株式を連合国財産株式として指定し、第20条第1項の規定によりその株券の引渡を受け、これを液体空気株式会社に引き渡したものとみなす。
附則 (昭和25年3月31日法律第79号) 抄
1 この法律は、昭和25年4月1日から施行する。
附則 (昭和25年5月19日政令第145号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和26年1月22日政令第6号) 抄
1 この政令は、公布の日から施行する。
3 この政令施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和26年6月30日政令第243号) 抄
1 この政令は、昭和26年7月1日から施行する。
2 この政令施行前この政令による改正前の連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「旧令」という。)第20条第1項の規定による回復の措置がとられた株式並びに旧令第23条第1項若しくは第3項の規定による通知があった株式は、この政令による改正後の連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「新令」という。)第2条第1項の規定にかかわらず、連合国財産株式には含まれないものとする。
3 旧令第9条第6項、第10条第4項、第12条第3項(旧令第12条の2において準用する場合を含む。)第14条第1項及び第3項、第17条から第19条まで、第21条第1項、第37条第2項、第38条第1号、第40条第2号並びに第43条第3号の規定は、連合国財産株式又は子株の発行会社がこの政令施行前旧令第9条第3項、第10条第1項若しくは第12条第1項(旧令第12条の2において準用する場合を含む。)の規定により又はこの政令施行後附則第7項の規定によりなおその効力を有するこれらの規定により保留した自己の株式(以下「自己保留株式」という。)については、この政令施行後も、なお、その効力を有する。この場合において、旧令第17条第1項中「資本増加の登記」とあるのは「新株の発行による変更の登記」と、「株式の種類」とあるのは「株式の額面無額面の別、種類」とする。
4 旧令第22条第2項の規定は、旧令第20条第1項の規定により回復請求権者に回復された自己保留株式については、この政令施行後も、なお、その効力を有する。
5 商法第246条、第288条、第291条第4項、第297条第1項及び第381条第1項の規定の適用については、自己保留株式の券面額は、その発行会社の資本の額に算入しない。
6 商法第237条第1項(第430条第2項において準用する場合を含む。)、第239条第1項、第242条第2項、第256条ノ2、第256条ノ4、第257条第3項(第280条において準用する場合を含む。)、第264条第2項、第266条第5項(第430条第2項において準用する場合を含む。)、第280条ノ8第1項、第293条ノ6第1項(第430条第2項において準用する場合を含む。)、第294条第1項、第343条第1項(第56条第4項において準用する場合を含む。)、第345条第2項、第381条第1項、第406条ノ2第1項、第426条第2項、第452条第1項及び第494条第1項第2号の規定の適用については、自己保留株式の数は、その発行会社の発行済株式の総数に算入しない。
7 旧令第8条第2項、第9条第1項及び第3項から第5項まで、第10条、第12条(旧令第12条の2において準用する場合を含む。)、第14条第1項及び第2項、第16条から第18条まで、第38条第4号、第39条第1号並びに第43条第1号から第3号までの規定は、この政令施行前連合国財産株式又は子株の発行会社が資本増加の決議をした場合、この政令施行前その承継会社の設立に際しその発起人が株式の総数を引き受け、若しくは株主の募集に着手した場合、この政令施行前連合国財産株式又は子株の発行会社が旧令第10条第1項の規定により資本を増加して新株を保留すべきことを命ぜられ、若しくは資本の減少を命ぜられた場合及びこの政令施行前連合国財産株式又は子株の発行会社の承継会社が設立又は資本増加の際その発行する株式を優先して有償で取得する権利を当該連合国財産株式又は子株の発行会社の株主に与えた場合におけるその資本の増加及び減少、承継会社の設立並びに新株の保留については、この政令施行後も、なお、その効力を有する。この場合において、旧令第16条及び第17条第1項中「株式の種類」とあるのは「株式の額面無額面の別、種類」と、同令第17条第1項中「資本増加の登記」とあるのは「新株の発行による変更の登記」とする。
8 この政令施行前旧令第20条第1項の規定によってされた大蔵大臣の命令は、この政令施行後は、新令第18条第4項の規定によってされた大蔵大臣の命令とみなす。
9 旧令第20条及び第40条第1号の規定は、この政令施行前回復請求権者が旧令第20条第1項の規定により株式の回復を受けるため同条第3項の規定により同項の金額の全部又は一部を支払う旨を通知した場合において、この政令施行の際までに旧令第20条第1項の規定による当該株式の回復を受けていないときは、当該株式の回復及びその回復された株式については、この政令施行後も、なお、その効力を有する。
10 この政令施行前旧令第20条第1項の規定により回復請求権者に回復された株式及びこの政令施行後前項の規定によりなおその効力を有する旧令第20条第1項の規定により回復請求権者に回復された株式については、この政令施行後は、これを新令第18条第4項の規定により回復請求権者に回復された株式とみなして新令第22条第1項及び第35条第3項の規定を適用する。この場合において、旧令第35条第3項中「第7号」とあるのは「第8号」とする。
11 この政令施行前旧令第23条第1項又は第3項の規定によってされた大蔵大臣からの通知は、この政令施行後は、新令第23条第1項の規定によってされた大蔵大臣からの通知とみなす。
12 この政令施行後回復請求権者について附則第9項の規定により旧令第20条第3項の規定の適用がある場合において、回復請求権者が同項の金額の全部又は一部を支払わないことに因り特定株式の一部を回復請求権者に回復することを要しないことが明らかになったときは、同項の金額の全部又は一部を支払わないことを新令第18条第2項の規定による大蔵大臣からの通知に係る金額の全部又は一部を支払わないこととみなして新令第23条の規定を適用する。
13 この政令施行前旧令第20条第1項の規定によってされた株券の引渡及びこの政令施行後附則第9項の規定によりなおその効力を有する旧令第20条第1項の規定によってされた株券の引渡については、この政令施行後は、これを新令第18条第4項の規定によってされた株券の引渡とみなして新令第24条から第27条まで、第36条及び第37条の規定を適用する。
14 この政令施行前旧令第20条第10項の規定により消滅した特定株式を目的とする質権及びこの政令施行後附則第9項の規定によりなおその効力を有する旧令第20条第10項の規定により消滅した質権については、この政令施行後は、これを新令第20条第7項の規定により消滅した特定株式を目的とする質権とみなして新令第28条第1項の規定を適用する。
15 この政令施行前旧令第20条第4項の規定により大蔵大臣が受け入れた現金及びこの政令施行後附則第9項の規定によりなおその効力を有する旧令第20条第4項の規定により大蔵大臣が受け入れた現金については、これを新令第20条第1項の規定により大蔵大臣が受け入れた現金とみなして新令第29条第1項の規定を適用する。
16 この政令施行前回復請求権者が旧令第20条第1項の規定により連合国財産株式の回復を受けたことによる所得及びこの政令施行後附則第9項の規定によりなおその効力を有する旧令第20条第1項の規定により連合国財産株式の回復を受けたことによる所得については、この政令施行後は、これを回復請求権者が新令第18条第4項の規定により連合国財産株式の回復を受けたことによる所得とみなして新令第35条第2項の規定を適用する。
17 この政令施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和26年11月28日政令第357号)
1 この政令中第24条の改正規定は、公布の日から、その他の規定は、昭和27年2月1日から施行する。
2 昭和27年2月1日前改正前の連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「旧令」という。)第2条第1項第2号の規定により大蔵大臣が指定した株式は、同日以後は、改正後の連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「新令」という。)第2条第1項第2号の規定により大蔵大臣が指定した株式とみなす。
3 昭和27年2月1日前旧令第4条の規定により連合国最高司令官が連合国財産株式に関する権利を回復する権利を有するものとして指定した者及び同日前旧令第32条第3項の規定により連合国最高司令官が旧令第32条第1項に規定する株式を回復する権利を有するものとして指定した者は、同日以後は、新令第4条に規定する回復請求権者とみなす。
4 昭和27年2月1日前連合国最高司令官からされた連合国財産株式若しくは子株又は旧令第32条第1項に規定する株式の回復の要求は、同日以後は、新令第5条第1項の規定による回復請求権者からされた連合国財産株式若しくは子株又は在外会社等株式の回復の請求とみなす。
5 昭和27年2月1日前旧令第18条第4項又は第32条第3項の規定により連合国最高司令官が指定した日は、同年2月1日以後は、それぞれ、新令第18条第4項又は第32条第3項の規定により大蔵大臣が指定した日とみなす。
6 昭和27年2月1日前連合国財産株式又は子株の回復に関する連合国最高司令官の要求がないことが明らかになったことは、同日以後は、連合国財産株式又は子株の回復に関する回復請求権者の請求がないことが明らかになったこととみなす。
附則 (昭和27年2月15日政令第24号) 抄
1 この政令は、公布の日から施行する。
2 この政令施行前改正前の連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「旧令」という。)第20条の2第5項の規定によってされた大蔵大臣の命令は、この政令施行後は、改正後の連合国財産である株式の回復に関する政令(以下「新令」という。)第20条の2第6項の規定によってされた大蔵大臣の命令とみなす。
3 この政令施行前資産再評価法第109条第1項の規定による再評価積立金の資本への組入に因り株式を発行したことのある連合国財産株式又は子株の発行会社(その際当該会社の確保株数が当該会社の連合国財産株式及び子株の数に等しかった会社に限る。)は、この政令施行の日から当該会社がこの政令施行の日以後において新株の発行(新令第20条の2第6項又は第20条の3第1項の命令に基く新株の発行を除く。)をする日までの期間内において、当該会社の確保株数が当該会社の連合国財産株式及び子株(再評価積立金に係る子株を除く。)の数に等しいときは、大蔵大臣の許可を受けて、再評価積立金の資本組入に関する法律第3条第1項の規定により、当該会社の確保株数に当該会社がこの政令施行前に資産再評価法第109条第1項の規定による再評価積立金の資本への組入に因り株式を発行した際における特定株式及び保有株式以外の株式の株主に割り当てた株式の数を当該株主がその際有していた株式の数で除して得た割合を乗じて得た数及び大蔵大臣の指示する発行価額の新株を当該会社の名義で発行して、これを保有することができる。この場合における再評価積立金の資本組入に関する法律の適用については、同法第3条第1項中「株主に対してその有する株式の数に応じて」とあるのは「当該会社の名義で」と、同法第5条第1項中「株主は」とあるのは「当該新株の発行会社は」とする。
4 前項に規定する連合国財産株式又は子株の発行会社が同項の規定により新株を発行する場合において、再評価積立金を資本に組み入れる必要があるときは、新令第15条第1項の規定は、適用しない。
5 附則第3項に規定する連合国財産株式又は子株の発行会社が同項の規定により保有した株式は、新令の適用については、当該会社が新令第12条の2第1項の規定により保有した株式とみなす。
附則 (昭和27年4月23日法律第95号)
1 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。
附則 (昭和27年7月16日法律第233号)
この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和29年4月1日法律第52号) 抄
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和32年3月31日法律第27号) 抄
1 この法律は、昭和32年4月1日から施行する。
附則 (昭和40年3月31日法律第36号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和40年4月1日から施行する。
(その他の法令の一部改正に伴う経過規定の原則)
第5条 第2章の規定による改正後の法令の規定は、別段の定めがあるものを除き、昭和40年分以後の所得税又はこれらの法令の規定に規定する法人の施行日以後に終了する事業年度分の法人税について適用し、昭和39年分以前の所得税又は当該法人の同日前に終了した事業年度分の法人税については、なお従前の例による。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
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