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きゅうにっぽんせんりょうちいきにほんてんをゆうするかいしゃのほんぽうないにあるざいさんのせいりにかんするせいれい

旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令

昭和24年政令第291号
内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和20年勅令第542号)に基き、この政令を制定する。

第1章 総則

(目的)
第1条 旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産は、この政令の定めるところにより整理する。
(定義)
第2条 この政令における用語の定義は、左の各号の定めるところによる。
 「旧日本占領地域に本店を有する会社」 旧日本占領地域に本店又は主たる事務所を有する法人その他の団体(閉鎖機関令(昭和22年勅令第74号)第1条に規定する閉鎖機関を除く。)でその本邦内にある財産を整理するものとして主務大臣が告示で指定するものをいい、以下「在外会社」と略称する。
一の2 「在外金融機関」 在外会社のうち金融機関として主務大臣が告示で指定するものをいう。
 「本邦」 本州、北海道、四国、九州及び主務省令で定めるその附属の島しょをいう。
 「旧日本占領地域」 満洲、中華民国、台湾、朝鮮、樺太、琉球列島、南洋群島及び主務省令で定めるその他の島しょ並びに明治27年以後において日本により占領又は統治されていたその他の一切の地域をいう。
 「人」 個人及び法人その他の一切の団体をいい、国、地方公共団体及び国又は地方公共団体の機関を含むものとする。
 「未払送金為替に係る債務」 在外金融機関が本邦内の金融機関の店舗に向けて振り出した送金為替の、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律(昭和29年法律第107号。以下「法律第107号」という。)の施行の際未払となっている部分につき、当該在外金融機関が当該為替の所持人に対し負う債務をいう。但し、その所持人が左の一に該当する場合に限る。
 本邦内に住所(法人にあっては主たる事務所)を有する者
 在外会社又は閉鎖機関令に規定する閉鎖機関(以下「閉鎖機関」という。)
五の2 「預金等に係る債務」 前号に掲げる債務を除く外、在外金融機関の負う預金その他の金融業務上の債務で主務省令で定めるものをいう。但し、その債権者が前号イ又はロに該当する場合に限る。
 「整理財産」 在外会社の資産及び負債であって左に掲げるものをいう。
 左に掲げる資産
(一) 旧金、銀、有価証券等に関する金融取引の取締に関する件(昭和20年大蔵省令第88号。以下「大蔵省令第88号」という。)第2条第2号の規定に該当する在外会社の本邦内にある資産
(二) (一)に掲げるものを除き、未払送金為替に係る債務又は預金等に係る債務の債権者に対して在外金融機関の有する債権。但し、その債権の金額は、当該債務の金額(第27条の3の規定により支払う金額を含む。)を限度とする。
(三) (一)及び(二)に掲げるものを除き、この政令又は他の法令の規定により在外会社又は金融機関再建整備法(昭和21年法律第39号)に規定する金融機関若しくは閉鎖機関から本邦内において支払を受けることができる債権
(四) (一)から(三)までに掲げるものを除き、在外会社の本店、主たる事務所その他本邦外にある店舗(以下「在外店舗」という。)が負うロの(五)又は(六)に掲げる債務の債権者に対して有する債権。ただし、その債権の金額は、当該債務の金額を限度とする。
(五) (一)から(四)までに掲げるものを除き、主務大臣が指定し、又は特殊整理人が主務大臣の承認を受けた資産
 左に掲げる負債
(一) その履行地が本邦内にあるかどうかを問わず、本邦内にある資産について担保権が設定されている負債
(二) その履行地が本邦内にあるかどうかを問わず、在外会社の本邦内にある店舗(支店、従たる事務所、出張所、工場及び事業場をいう。以下同じ。)の事業又は財産から生じた負債
(三) 未払送金為替に係る債務及び預金等に係る債務(第27条の3の規定により支払う金額を含む。)
(四) (一)から(三)までに掲げる負債を除き、この政令又は他の法令の規定により在外会社又は金融機関再建整備法に規定する金融機関若しくは閉鎖機関に対して本邦内において支払う債務。但し、その債務の金額は、当該債務の債権者ごとに、当該在外会社がその者に対して有するイの(二)及び(三)に掲げる債権の金額を限度とする。
(五) (一)から(四)までに掲げるものを除き、在外店舗がその役員又は従業員で本邦内に住所を有する者に対して負う退職金その他の債務で主務省令で定めるもの
(六) (一)から(五)までに掲げるものを除き、在外店舗の事業又は財産から生じた債務のうち第5号イ又はロに掲げる者に対して負う本邦を履行地とする債務。ただし、主務省令で定めるものを除く。
 「特殊整理」 整理財産につき、この政令の規定により行う整理をいう。
2 前項第6号の規定の適用については、在外会社の本邦内にある店舗と在外店舗との間の相互の勘定における貸借は、資産及び負債に含まれないものとする。
(許可業務以外の業務の禁止)
第3条 在外会社は、前条第1項第1号に規定する指定のあった日(以下「指定日」という。)以後は、本邦内において、その業務を行うことができない。但し、指定日において、現に大蔵省令第88号第2条第2号の規定に基き大蔵大臣の許可を受けている範囲内において行う業務(以下「許可業務」という。)については、この限りでない。
2 主務大臣は、在外会社の許可業務の範囲を公告しなければならない。
3 主務大臣は、第1項に規定する大蔵大臣の許可の取消があったときは、その旨を公告しなければならない。
(整理財産の引渡義務及び大蔵省令第88号の適用)
第4条 整理財産に属する資産を所持し、若しくは管理し、又はその所在を確知する本邦内の一切の人は、指定日から90日内にその旨を第10条に規定する特殊整理人(特殊整理人が選任されていない場合は、主務大臣)に報告し、又、特殊整理人の要求があるときは、整理財産に属する資産を所持し、又は管理する人は、他の法令又は契約にかかわらず、その整理財産に属する資産を遅滞なく特殊整理人に引き渡さなければならない。但し、主務省令で定める場合においては、この限りでない。
2 前項に規定する資産を所持し、又は管理する人は、同項の規定による資産の引渡をするまで、その資産を善良な管理者の注意をもって所持し、又は管理しなければならない。
3 左に掲げる場合を除き、この政令の規定は、整理財産について大蔵省令第88号の規定の適用を妨げるものではない。
 整理財産が第17条第1項第2号に規定する新会社に出資又は譲渡される場合(当該整理財産に限る。)
 第7条第1項第1号から第3号までに掲げる債務について弁済その他債務を消滅させる行為をする場合
 第5条第6項の規定により、同条第1項に規定する記名証券の再発行に係る行為をする場合
 第5条第8項の規定により、同項に規定する登録債の元利の支払を受ける場所を変更する場合
 その他主務省令で定める場合
(在外店舗所有有価証券の処理)
第5条 在外会社がその在外店舗において国若しくは本邦の地方公共団体又は本邦内に本店若しくは主たる事務所を有する法人の発行に係る記名証券(記名式の国債証券、地方債証券、社債券、特別の法律により設立された法人の発行する債券、株券及び出資証券をいう。以下同じ。)を有しているときは、特殊整理人は、就職の後遅滞なく、主務省令の定めるところにより、在外店舗所有記名証券一覧表を作成し、主務大臣に提出してその承認を求めなければならない。但し、主務省令で定める記名証券については、この限りでない。
2 前項の場合において、特殊整理人は、遅滞なく、当該記名証券が在外会社の在外店舗の有するものである旨、前項に規定する主務大臣の承認により当該記名証券は無効とし新たにその再発行を請求する旨及び利害関係人がこれについて異議があれば一定の期間内に事由を具して主務大臣に申し出るべき旨を公告し、且つ、在外店舗所有記名証券一覧表の写を第13条に規定する主たる店舗に備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
3 前項の公告は、2回以上するものとし、同項の期間は、最初の公告の日から60日とする。
4 主務大臣は、第1項の承認をするには、利害関係人の異議の申出を参しゃくしなければならない。
5 主務大臣は、第1項の承認をしたときは、その旨を公告しなければならない。
6 第1項の承認があったときは、当該記名証券は無効とし、特殊整理人は、その再発行を請求することができる。
7 民法施行法(明治31年法律第11号)第57条、商法(明治32年法律第48号)第230条及び国債に関する法律(明治39年法律第34号)第5条の規定は、前6項の場合には、適用しない。
8 在外会社がその在外店舗において国若しくは本邦の地方公共団体又は本邦内に本店若しくは主たる事務所を有する法人の発行に係る登録債(登録国債、登録地方債、登録社債及び特別の法律により設立された法人の発行する債券で登録されているものをいう。以下同じ。)で本邦外をその元利の支払を受ける場所とするものを所有しているときは、特殊整理人は、就職の後遅滞なく、当該登録債の元利の支払を受ける場所を本邦内に変更しなければならない。但し、主務省令で定める登録債については、この限りでない。
9 第6項の請求により再発行された記名証券に係る国債、地方債、社債、特別の法律により設立された法人の発行する債券及び株式又は出資の持分並びに前項の規定により元利の支払を受ける場所を変更された登録債は、第2条第1項第6号イに該当する整理財産とみなす。
(担保権の消滅及び財団からの分離)
第6条 整理財産に属する資産を目的とする担保権は、指定日において消滅する。
2 前項の場合において、担保権の登記の抹消は、登記権利者だけで申請することができる。
3 整理財産に属する資産が工場財団又は鉱業財団に属する場合には、当該資産は、指定日において、当該財団から除かれ、当該財団に属さないこととする。
4 前項の場合における工場財団又は鉱業財団の財団目録の記載の変更の登記の申請書には、当該財団に属する財産の一部が整理財産に属するものであることの証明書を添附しなければならない。
5 前項の申請書には、抵当権者の同意書又はこれに代るべき裁判の謄本を添附することを要しない。
(債務消滅行為等の禁止)
第7条 特殊整理人は、第19条の規定による整理計画書の認可があり、且つ、主務大臣の指示があった後でなければ、整理財産に属する債務について、弁済その他債務を消滅する行為をすることができない。但し、左に掲げる債務については、この限りでない。
 特殊整理に要する費用に係る債務(第10条第5項に規定する特殊整理人の報酬を除く。)
 許可業務について生じた債務
 国又は地方公共団体の公租公課(戦時補償特別税、非戦災者税及び非戦災家屋税並びに昭和20年9月2日以前に終了した事業年度分に対するものを除く。)その他主務省令で定めるこれに準ずる債務
 弁済その他債務を消滅する行為について、財務大臣の許可を受けた債務
2 特殊整理人は、第19条の規定による整理計画書の認可があり、かつ、主務大臣の指示があった後でなければ整理財産に属する資産を処分することができない。ただし、資産を処分する取引又は行為について、財務大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
(相殺、強制執行等の禁止)
第8条 整理財産に属する債務の債権者は、当該債権につき相殺をなし、又は整理財産に属する資産に対して強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行としての競売をすることができない。
2 前項の規定にかかわらず、第2条第1項第6号ロの(三)、(四)又は(六)に掲げる債務の債権者は、当該債権につき相殺をすることができる。

第2章 特殊整理

(監督)
第9条 特殊整理は、主務大臣の監督に属する。
(特殊整理人)
第10条 特殊整理は、特殊整理人が行う。
2 特殊整理人は、在外会社の本邦内における代表者、代表者がいないとき又は代表者が特殊整理人として不適当であるときは、代表者以外の者のうちから主務大臣が選任する。
3 主務大臣は、特殊整理人が法令若しくは主務大臣の処分に違反したとき、公益を害する行為をしたとき又は特殊整理人を不適当と認めたときは、これを解任することができる。
4 主務大臣は、前2項の規定により特殊整理人を選任し、又は解任したときは、その旨を公告する。
5 特殊整理人の報酬は、主務大臣が定める。
(特殊整理人の代表権)
第11条 在外会社の本邦内における会社の代表並びに整理財産の管理及び処分の権限は、特殊整理人に専属する。
2 特殊整理人が主務大臣の認可を受けてする行為については、民法(明治29年法律第89号)第108条の規定は、適用しない。
(特殊整理人の職務)
第12条 特殊整理人がこの政令の定めるところにより行う職務は、左の通りとする。
 現務の結了
 財産の管理及び処分
 債権の取立及び債務の弁済
 残余財産の処理
 許可業務の執行
2 特殊整理人は、特に必要がある場合には、主務大臣の承認を得て、整理財産以外の財産についても、前項各号(第4号を除く。)に規定する職務を行うことができる。
3 特殊整理人は、前2項の職務を行うについて、一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
(主たる店舗)
第13条 特殊整理人は、就職の日後遅滞なく、在外会社の本邦内における主たる店舗を定めなければならない。この場合において、本邦内に在外会社の支店又は従たる事務所があるときは、その支店又は従たる事務所のうちから主たる店舗を定めなければならない。
(報告事項)
第14条 特殊整理人は、就職の日から2週間内に、左に掲げる事項を主務大臣に報告しなければならない。
 在外会社である旨
 在外会社の本邦内における主たる店舗
 許可業務があるときは、その許可業務
 特殊整理人の氏名及び住所
2 前項の報告をする場合には、定款又は定款の内容を識別することのできる書面を添附しなければならない。
3 特殊整理人は、第1項の報告について変更があったときは、2週間内に変更された事項を主務大臣に報告しなければならない。
(債権者に対する催告)
第15条 特殊整理人は、就職の日から1月内に、少くとも2回の公告をもって、整理財産に属する債務の債権者に対し一定の期間内にその債権を申し出るように催告しなければならない。但し、その期間は、1月を下ることができない。
2 前項の公告には、債権者が期間内に申出をしないときは、特殊整理から除斥される旨を附記しなければならない。
3 特殊整理人は、知れている債権者には各別にその債権の申出を催告しなければならない。
4 知れている債権者は、特殊整理から除斥することができない。
第15条の2 特殊整理人は、法律第107号の施行の日(その施行の日において在外金融機関でないものについては、指定日)から1月内に、少くとも2回の公告をもって、未払送金為替に係る債務及び預金等に係る債務の債権者に対し、1月を下らない範囲において主務大臣の定める期間内にその債権を申し出るように催告をしなければならない。
2 前条第2項から第4項までの規定は、前項の規定により催告をする場合に準用する。
第15条の3 特殊整理人は、主務省令で定める日から1月内に、少くとも2回の公告をもって、第2条第1項第6号ロの(五)又は(六)に掲げる債務の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るように催告しなければならない。ただし、その期間は、1月を下ることができない。
2 第15条第2項から第4項までの規定は、前項の規定により催告をする場合に準用する。
(特殊整理人の義務)
第16条 特殊整理人は、就職の日から90日内に、主務省令の定めるところにより、指定日における整理財産に関し、財産目録、貸借対照表、昭和24年1月1日から指定日までの収支計算書及び第28条の規定による債務の弁済及び残余財産の分配の順位を附した債務等支払一覧表を主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 前項の財産目録、貸借対照表及び収支計算書には、その内容を明らかにする完全な明細書を添附しなければならない。なお、財産目録には、各資産について、帳簿価額とともに時価(統制額を含む。)を記載しなければならない。
(整理計画書)
第17条 特殊整理人は、主務大臣の指定する日までに、主務省令の定めるところにより、左に掲げる事項を記載した整理計画書を作成し、主務大臣の認可を申請しなければならない。
 債権者の氏名又は名称、債権額、担保の有無、弁済又は相殺その他の方法により債務を免かれる額及び順位並びに株主又は社員その他の出資者(以下「株主等」という。)の氏名又は名称、持株数又は出資の価額及び株主等に対する残余財産分配額
 資産の全部若しくは一部を出資若しくは譲渡すべき会社を新たに設立する場合又は資産の全部若しくは一部の出資若しくは譲渡を受けるため発行済株式の総数と同数以上の新株を発行する会社にその資産を出資若しくは譲渡する場合には、新たに設立する会社又は新株を発行する会社(以下「新会社」という。)について商法第166条第1項第1号から第4号までに掲げる事項及び発起人又は取締役の氏名並びに株式の募集、売出その他処分に関する事項
 その他主務省令で定める事項
2 整理計画書には、新会社の事業及び資金の計画その他主務省令で定める事項を記載した書類を添附しなければならない。
3 在外会社の資産を新会社に出資又は譲渡する場合には、在外会社の株主等及び社債権者(その社債に係る債務の履行地が本邦内にあるかどうかを問わず、本邦内にある資産について指定日において担保権が設定されていた社債を有する者をいう。以下同じ。)は、整理計画書の定めるところにより、他に優先して新会社の株式を取得する権利を有する。
4 在外会社の株主等及び社債権者は、新会社の株式を取得する場合においては、整理計画書の定めるところにより、発行価額の払込をし、若しくは在外会社に対する請求権を出資し、又は在外会社に対する請求権をもって相殺することができる。
5 第19条又は第21条の規定により新会社の設立又は新株の発行に関する事項を含む整理計画書の認可又は変更の認可があった場合においては、前項の規定の適用については、在外会社の株主等は、当該整理計画書の認可又は変更の認可のあった時において、当該整理計画書に定めた残余財産分配額につき在外会社に対する請求権を取得したものとみなす。
6 第3項の場合においては、在外会社の役員及び従業員は、整理計画書の定めるところにより、在外会社の株主等及び社債権者に次いで新会社の株式を取得する権利を有する。
(整理計画書の公示、異議の申立)
第18条 特殊整理人は、前条の規定による認可を申請したときは、遅滞なくその旨を公告し、在外会社の本邦内にある各店舗に整理計画書及び第16条に規定する書類の写を備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
2 利害関係人は、前項の公告に定められた事項について異議があるときは、主務省令の定めるところにより、同項の規定による公告の日から30日内に事由を具して主務大臣にその旨を申し出ることができる。
(整理計画書の認可又は却下)
第19条 主務大臣は、第17条の規定による申請があった場合には、当該整理計画書が適正でその実行に支障がなく、且つ、公益に反しないかどうかを審査し、前条第2項の期間経過後、これを認可し、又は却下する。
2 主務大臣は、必要があると認めるときは、当該整理計画書に定める事項を変更し、又はこれに定めない事項を追加して認可することができる。
3 前条第2項の規定により利害関係人から異議を申し出た場合においては、主務大臣は、その申出を参しゃくして当該整理計画書を認可し、又は却下するものとする。
(決定整理計画書の公示)
第20条 特殊整理人は、前条の規定による認可があったときには、遅滞なくその旨を公告し、且つ、認可を受けた整理計画書(以下「決定整理計画書」という。)の写を各店舗に備え置き、利害関係人の閲覧に供しなければならない。
(決定整理計画書の変更)
第21条 やむを得ない事由により決定整理計画書に定める事項を変更する必要を生じたときは、特殊整理人は、主務省令の定めるところにより、遅滞なく決定整理計画書を変更し、主務大臣の認可を申請しなければならない。但し、主務省令で定める場合は、この限りでない。
2 第18条から前条までの規定は、前項の場合に準用する。
(特殊整理の実行)
第22条 特殊整理人は、第19条の規定(前条第2項において準用する場合を含む。)により認可を受けたときは、決定整理計画書に従い遅滞なく整理を行わなければならない。
(物資配給の統制に関する法令の特例)
第23条 特殊整理人は、整理財産に属する資産を処分する場合において、物資配給の統制に関する法令の規定又は処分を禁止し、若しくは制限する旨の定款の定若しくは契約に因り処分することができないときは、主務大臣の認可を得てこれらの定にかかわらず処分することができる。
2 前項の規定により資産を処分する場合においては、その処分の相手方の行為についても、物資の配給の統制に関する法令の規定は、適用しない。
(株主総会等決議に関する特例)
第24条 決定整理計画書に定める事項については、在外会社の株主等の同意又はその総会の決議を経ることを要しない。
2 決定整理計画書の定は、在外会社の株主等及び債権者並びに新会社、その発起人、株式引受人及び株主の全員のため、且つ、その全員に対して効力を有する。
3 第1項の規定は、在外会社の株主等、社債権者、役員及び従業員が新会社の株式の取得に関し協議するため会議を開くことを妨げるものではない。この場合においては、大蔵省令第88号第2条の規定は、当然適用がないものとする。
(新会社の設立、新株の発行の場合等の特例)
第25条 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「私的独占禁止法」という。)第10条第1項及び第11条第1項の規定は、決定整理計画書の定めるところにより、在外会社の発行に係る株式若しくは出資(以下「株式等」という。)又は社債(その社債に係る債務の履行地が本邦内にあるかどうかを問わず、本邦内にある資産について指定日において担保権が設定されていた社債をいう。以下同じ。)を所有する会社が新会社の株式を取得する場合には適用せず、又、同法第16条において準用する同法第15条第2項から第4項までの規定は、決定整理計画書の定めるところにより、新会社が在外会社からその本邦内にある営業の全部若しくは重要部分又は営業上の固定資産の全部若しくは重要部分を譲り受ける場合には適用しない。但し、本項の規定は、新会社がその譲り受けた、若しくは譲り受けるべき営業若しくは営業上の固定資産を所有することにより、又は在外会社の発行に係る株式等若しくは社債を所有する会社が新会社の株式を取得した日から60日を経過した後において当該株式を継続して所有することにより、同法第3条、第6条第1項若しくは第2項、第10条、第11条第1項若しくは第19条の規定に違反することとなると認められる場合において、公正取引委員会が同法第7条、第17条の2(第16条において準用する第15条第1項の規定に係る部分を除く。)又は第20条の規定により必要な措置を命ずるために審判開始決定をし、又は勧告することを妨げるものと解してはならない。
2 前項の場合において、在外会社の株式等又は社債を所有する会社が、その取得に係る新会社の株式で私的独占禁止法第10条第1項又は第11条第1項に該当するものをその取得の日から60日をこえて所有しようとするときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、公正取引委員会の認可を受けなければならない。この場合における公正取引委員会の認可は、在外会社の株式等又は社債を所有する会社が当該新会社の株式又は社債をすみやかに処分することを条件としなければならない。
3 決定整理計画書に定めるところにより行う新会社の設立又は新株の発行の場合においては、商法第165条、第168条第1項第5号及び第6号、同条第2項、第173条、第181条、第184条第2項、第185条から第187条まで、第280条ノ2第3号並びに第280条ノ8の規定は、適用しない。
4 保険業法(昭和14年法律第41号)第3条の規定は、決定整理計画書の定めるところにより設立される保険会社には、適用しない。この場合においては、外国保険事業者に関する法律(昭和24年法律第184号)附則第8項及び第9項の規定の適用については、当該会社は、同法施行前に設立されたものとみなす。
(詐害行為取消権の排除)
第26条 決定整理計画書に従ってする特殊整理人の行為については、民法第424条の規定は、適用しない。
(特殊整理人の報告義務)
第27条 特殊整理人は、昭和24年9月30日(指定日が同日後の場合は、主務大臣の指定する日)及びその日から3月を経過する日ごとに、主務省令の定めるところにより、整理財産に関し、貸借対照表及び収支計算書を主務大臣に提出しなければならない。この場合において、整理計画書の認可を受けた後には、主務省令の定めるところにより、決定整理計画の実行状況及びまだ整理を完了していない事項についての整理見込を記載した書類を当該貸借対照表及び収支計算書に添附しなければならない。
(換算方法)
第27条の2 未払送金為替に係る債務で別表第1に換算率の定があるもの及び預金等に係る債務又は第2条第1項第6号ロの(五)若しくは(六)に掲げる債務で別表第2に換算率の定があるものの金額は、それぞれこれらの表に定める換算率により換算した金額とする。
2 第2条第1項第6号イの(二)、(三)及び(四)に掲げる債権並びに同号ロの(四)に掲げる債務で別表第2に換算率の定があるものの金額は、前項又は他の法令に別段の定がある場合を除き、同表に定める換算率により換算した金額とする。
3 第2条第1項第6号イの(四)に掲げる債権又は同号ロの(四)、(五)若しくは(六)に掲げる債務で別表第2に換算率の定がない外貨により表示されているものの金額は、当該外貨の有した購買力等を勘案して主務大臣が定める換算率により換算した金額とする。
4 主務大臣は、前項の換算率を告示しなければならない。
(加算金額)
第27条の3 在外金融機関は、未払送金為替に係る債務又は預金等に係る債務の債権者に対し、主務省令の定めるところにより計算した金額を当該債務の金額に加算して支払うことができる。
(債務弁済等の順位)
第28条 在外会社の整理財産に属する債務の弁済及び残余財産の分配は、左の順位によるものとする。
 第7条第1項第1号若しくは第2号に掲げる債務又は国若しくは地方公共団体の公租公課その他主務省令で定めるこれに準ずる債務
 その履行地が本邦内にあるかどうかを問わず、本邦内にある資産について、指定日において、担保権が設定されていた債権に対する債務で社債以外のもの(担保の目的たる資産の価額を限度とする。)
 その履行地が本邦内にあるかどうかを問わず、在外会社の本邦内にある店舗の事業又は財産から生じた債務
 未払送金為替に係る債務で、1件の金額が5万円以下のものは全額、5万円をこえるものは5万円までの金額
 前号に掲げるものを除く未払送金為替に係る債務
 預金等に係る債務で、1件の金額が5万円以下のものは全額、5万円をこえるものは5万円までの金額
 前号に掲げるものを除く預金等に係る債務
 第27条の3の規定により支払う金額
 第2条第1項第6号ロの(五)に掲げる債務。ただし、当該債務の間における順位は、主務省令で定める。
 第2条第1項第6号ロの(六)に掲げる債務(社債に係る債務を除く。)
十一 社債(担保の目的たる資産の価額を限度とする。)
十二 前号に掲げる社債以外の社債で本邦を履行地とするもの
十三 残余財産の分配
2 同一順位の債務に関し他の法令により順位の定があるものについては、当該債務の順位による。
3 前2項の規定により同一順位において弁済しなければならない債務は、その債務額の割合に応じて弁済する。
(在外債務超過額の留保等)
第28条の2 在外会社は、前条第1項第1号から第12号までに掲げる債務を弁済した後、在外店舗の事業又は財産から生じた債務(整理財産である負債を除く。)の総額が昭和20年8月15日において本邦外にあった在外会社の資産(整理財産である資産を除く。)の総額をこえる場合には、その超過額に相当する金額を整理財産に属する資産のうちから留保した後でなければ、残余財産の分配をすることができない。
2 在外会社は、前条第1項第1号から第12号までに掲げる債務を弁済した後、前項に規定する超過額が不明である場合には、その整理財産に属する資産に残余がある場合においても、残余財産の分配をすることができない。
(管理人)
第28条の3 前条第1項の規定により留保した財産及び同条第2項に規定する残余の資産(以下「引当財産」という。)の管理は、主務大臣の選任する管理人が行う。
2 第10条第3項から第5項までの規定は、前項の管理人に準用する。
(引当財産の引継)
第28条の4 引当財産を有する在外会社の特殊整理人は、特殊整理の事務が終ったときは、遅滞なく、当該財産を管理人に引き継がなければならない。
(財産の管理)
第28条の5 管理人は、引当財産の管理に関し、当該引当財産を所有する在外会社を代理する一切の権限を有する。
2 管理人は、引当財産を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 主務大臣は、管理人が行う引当財産の管理に関する事務を監督する。
4 主務大臣は、管理人に対し、引当財産の管理に関する事務について必要な指示をすることができる。
5 管理人は、主務大臣の指示に基いてした行為については、その責に任じない。ただし、管理人に不正の行為があった場合は、この限りでない。
(管理費用の負担)
第28条の6 引当財産の管理に必要な費用は、当該引当財産を所有する在外会社の負担とする。
2 管理人は、主務大臣の承認を受けて、その管理する引当財産から前項の費用を支弁するものとする。
(時効の特例)
第28条の7 引当財産に関しては、他の法令の規定にかかわらず、第28条の4の規定による引継の日から、別に法律で指定する日までは、その時効は、完成しないものとする。
(引当財産の処理)
第28条の8 前5条に定めるものを除くほか、引当財産の処理に関し必要な事項は、別に法律で定める。
(残余財産の分配)
第28条の9 在外会社の残余財産は、払い込んだ株金額又は出資の価額の割合に応じて、株主等に分配しなければならない。但し、主務省令で定める場合においては、この限りでない。
2 前項の規定による残余財産の分配は、決定整理計画書の定めるところにより、新会社の株式ですることができる。
3 特殊整理人は、前項の規定により新会社の株式をもって残余財産の分配をする場合において、各株主等に分配すべき新会社の株式に1株未満の端数を生じたときは、その1株未満の株式を売却し、その代金を当該株主等に交付するものとする。
4 商法第204条第2項の規定は、前2項の規定により新会社の株式をもって残余財産等の分配をする場合及び当該株式を売却する場合には、適用しない。
5 外国為替及び外国貿易管理法(昭和24年法律第228号)第26条第3項及び第27条第1項の規定は、同法第26条第1項に規定する外国投資家が第2項の規定により新会社の株式をもって残余財産の分配を受ける場合には、適用しない。
6 決定整理計画書において新会社が将来発行する株式の引受権を在外会社の株主等に与える旨を定めた場合においては、特殊整理人は、新会社からその引受権を証する書面の発行を受け、これを当該株主等のために日本銀行に預託しなければならない。
(供託)
第28条の10 在外会社の整理財産に属する債務の弁済又は残余財産の分配のためにする供託は、国外居住外国人等に対する債務の弁済のためにする供託の特例に関する政令(昭和25年政令第22号)の規定の適用を受ける場合を除く外、民法第495条第1項の規定にかかわらず、当該在外会社の第13条に規定する主たる店舗の所在地の供託所においてすることができる。
2 前項の供託は、2人以上の債権者又は株主等のために同一の手続により一括してすることができる。
3 特殊整理人は、整理財産に属する債務の弁済又は残余財産の分配のためにする供託をした場合においては、第33条第1項の規定による重要書類の引渡の際に、当該供託書を主務大臣に引き渡さなければならない。
4 前項の供託書の引渡を受けた主務大臣は、供託に関する法令の規定の適用については、供託者とみなす。
5 特殊整理人(第3項の規定により供託書を主務大臣に引き渡した場合には、主務大臣。以下本条中同じ。)は、第2項の規定による供託をした場合においては、供託物の還付を受ける権利を有する者に対し、供託書の引渡に代え、還付を承諾する旨の承諾書を交付することができる。
6 前項の規定により承諾書の交付を受けた者は、供託書の添附に代え、承諾書を添附して供託物の還付を請求することができる。
7 供託所は、前項の規定による請求に基き供託物を還付した場合においては、当該供託物を供託した特殊整理人に対し、供託書の提出又は呈示を求めることができる。
8 民法第495条第3項の規定は、第1項の規定による供託をした場合には、適用しない。
(損害賠償及び時効の特例)
第28条の11 在外会社は、許可業務以外の原因に基いて生じた債務の不履行に因り昭和20年9月24日以後に生じた損害について、賠償の責に任じない。
2 新会社は、決定整理計画書の定めるところにより前項の在外会社の債務を承継した場合においては、当該債務の不履行に因り当該決定整理計画書に定められた当該債務の履行期日(当該決定整理計画書にその履行期日の定がない場合には、当該債務を承継した日から6月を経過した日。以下本条中同じ。)の前日までに生じた損害について、賠償の責に任じない。
3 在外会社の債権又は債務で許可業務以外の原因に基いて生じたもの(昭和20年9月23日までにその時効の完成したものを除く。)については、主務大臣が第31条第3項の規定による特殊整理結了の公告をするまでは、その時効は完成しないものとする。
4 前項の在外会社の債権又は債務で決定整理計画書の定めるところにより新会社が承継したものについては、当該債権については当該債権を承継した日から6月以内、当該債務については当該決定整理計画書に定められた当該債務の履行期日から6月以内は、その時効は完成しないものとする。
(信託)
第28条の12 特殊整理人は、主務省令の定めるところにより、債権者のために弁済すべき財産を信託して、その債務を免かれることができる。
(賃貸借契約の解約)
第29条 在外会社を当事者とする賃貸借(許可業務に関するものを除く。)で期間の定があるものについても、特殊整理人は、民法第617条(借家法(大正10年法律第50号)施行の地区にある建物については、同法第3条第1項)の規定により解約の申入をすることができる。
(指定日以後の権利義務の承継)
第30条 許可業務につき指定日以後の原因に基いて生じた権利義務は、新会社が承継する。但し、指定日から新会社が当該権利義務を承継する日までの期間において当該許可業務から生じた所得に対し在外会社が納付すべき法人税及び事業税の金額に相当する資産については、この限りでない。
2 許可業務につき指定日前の原因に基いて生じた債務を新会社に承継する場合においては、特殊整理人は、当該債務の額に相当する整理財産に属する資産を新会社に譲渡しなければならない。
3 前2項の規定による承継及び譲渡については、決定整理計画書の定めるところによる。
(特殊整理の結了)
第31条 特殊整理人は、特殊整理の事務が結了したときは、主務省令の定めるところにより、遅滞なく整理完結報告書を作成し、主務大臣に提出して、その承認を受けなければならない。
2 前項の規定により主務大臣の承認があったときは、特殊整理人又は特殊整理人であった者は、特殊整理に関しては、責任を解除されたものとみなす。但し、これらの者に不正の行為があったときは、この限りでない。
3 主務大臣は、第1項の承認をしたときは、その旨を公告しなければならない。
(特殊整理結了の登記)
第32条 主務大臣は、前条第1項の承認をしたときは、在外会社の支店の所在地の管轄登記所に特殊整理結了の登記を嘱託しなければならない。
2 前項の嘱託があったときは、登記官は、その登記をしなければならない。
(重要書類の引渡)
第33条 特殊整理人は、第31条第1項の規定による承認を受けたときは、遅滞なく在外会社の本邦内にある帳簿並びに営業若しくは事業及び特殊整理に関する重要書類(以下「重要書類」と総称する。)を主務大臣に引き渡さなければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による重要書類の引渡を受けた後10年間、これを保存しなければならない。

第3章 雑則

(在外会社に対する課税)
第34条 在外会社に対する所得税、法人税、特別法人税、臨時利得税及び事業税の課税については、在外会社は、昭和20年8月15日以後その本店又は主たる事務所を本邦内において有することとなったものとみなし、且つ、指定日において解散したものとみなす。但し、この場合における在外会社の昭和20年8月15日を含む事業年度以後の事業年度に係る所得又は剰余金は、当該在外会社の本邦内における事業又は財産から生ずる所得又は剰余金に限るものとし、同日を含む事業年度以後の事業年度に係る積立金の増減は、当該在外会社の本邦内における事業又は財産に係る益金又は損金に因るものに限るものとする。
2 第30条第1項の規定により新会社が在外会社の権利義務を承継した場合においては、新会社の当該権利義務の承継に因る益金又は損金(当該権利義務の評価換に因る益金又は損金を除く。)は、新会社の当該権利義務を承継した事業年度の法人税法(昭和40年法律第34号)の規定による所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入しない。
(指定の解除)
第34条の2 主務大臣は、特殊整理の続行の必要がなくなったときは、第2条第1項第1号の規定による指定の解除をすることができる。
2 前項の指定の解除は、告示で行う。
3 第31条第2項の規定は、第1項の規定による指定の解除があった場合に準用する。この場合において、同条第2項中「前項の規定により主務大臣の承認」とあるのは、「第34条の2第1項の規定による指定の解除」と読み替えるものとする。
(公告の方法)
第35条 特殊整理人がこの政令の規定に基いてする公告は、主務省令の定めるところにより、官報又は時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で本邦内で発行するものに掲げてしなければならない。
(主務大臣、主務省令)
第36条 第2条第1項第1号の2及び第6号、第3条、第12条、第15条の2、第27条の2、第28条の3、第28条の5、第28条の6、第28条の10、第32条並びに第33条の規定における主務大臣は、財務大臣とし、第5条の規定における主務大臣は、法務大臣、財務大臣並びに在外会社及び在外会社の業務に関する行政の所管大臣とし、その他の規定における主務大臣は、財務大臣並びに在外会社及び在外会社の業務に関する行政の所管大臣とする。
2 第2条第1項第5号の2及び第6号、第7条、第15条の3、第27条の3、第28条第1項第1号及び第9号並びに第28条の12の規定における主務省令は、財務省令とし、第5条の規定における主務省令は、法務大臣、財務大臣並びに在外会社及び在外会社の業務に関する行政の所管大臣の発する命令とし、その他の規定における主務省令は、財務大臣並びに在外会社及び在外会社の業務に関する行政の所管大臣の発する命令とする。
(報告徴収及び立入検査)
第37条 主務大臣は、特殊整理事務及び整理財産につき調査の必要があると認めるときは、特殊整理人、在外会社の債権者又は債務者その他関係人から報告をとり、又は当該職員をして整理財産があると認められる場所に立ち入り、義務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により、当該職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人にこれを呈示しなければならない。
3 第1項の立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第4章 罰則

第38条 左の場合においては、特殊整理人を3年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第7条の規定に違反して弁済その他債務を消滅する行為をし、又は資産を処分したとき。
 第16条第1項の規定による財産目録、貸借対照表、収支計算書及び債務等支払一覧表を提出せず、又はこれらの書類に虚偽の記載をしたとき。
 第17条第1項の規定に違反して整理計画書の認可の申請をせず、又はその計画書に虚偽の記載をしたとき。
 第21条第1項の規定に違反して決定整理計画書の変更の認可の申請をせず、又はその計画書に虚偽の記載をしたとき。
 決定整理計画書の記載事項に違反して整理を実行したとき。
第39条 第2条第1項第1号の規定による指定があったことを知りながら第4条第1項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は特殊整理人の要求に係る資産を引き渡さなかった者は、3年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第40条 第37条第1項の規定に違反して報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、3万円以下の罰金に処する。
第41条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。
第42条 左の場合においては、特殊整理人を3万円以下の過料に処する。
 第14条第1項又は第3項の規定に違反して報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
 第15条から第15条の3まで、第18条第1項又は第20条の規定(第21条第2項において準用する場合を含む。)に違反して公告をせず、又は虚偽の公告をしたとき。
 第18条第1項又は第20条の規定(第21条第2項において準用する場合を含む。)に違反して書類を備え置かず、又は書類の閲覧を拒んだとき。
 第27条の規定に違反して貸借対照表、収支計算書並びに決定整理計画の実行状況及びまだ整理を完了していない事項についての整理見込を記載した書類を提出せず、又はこれらの書類に虚偽の記載をしたとき。
 第33条第1項の規定に違反して重要書類を引き渡さなかったとき。

附則

この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和25年5月1日政令第114号)
1 この政令は、公布の日から施行する。
2 この政令施行前に在外会社が納付した、又は徴収された改正後の旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令第34条第1項に掲げる国税の税額のうち、同項の規定により過納となった部分の金額に係る国税徴収法(明治30年法律第21号)第31条ノ6第1項の規定による還付加算金については、その計算の基礎となる日数の起算日は、同条第4項の規定にかかわらず、この政令公布の日から起算して3月を経過した日とする。
附則 (昭和26年6月8日法律第211号) 抄
1 この法律は、昭和26年7月1日から施行する。
附則 (昭和26年12月25日政令第386号)
この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和27年3月31日法律第43号) 抄
1 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。
附則 (昭和27年7月31日法律第268号) 抄
1 この法律は、昭和27年8月1日から施行する。
附則 (昭和28年9月1日法律第259号) 抄
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和29年5月15日法律第107号) 抄
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和31年5月21日法律第111号)
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律の施行の日において、在外会社が債務(改正前の旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令(以下「旧令」という。)第2条第1項第6号ロの(五)に掲げる債務を除く。)の弁済のために供託しているときは、その特殊整理人(在外会社の特殊整理が結了している場合には、大蔵大臣の指定する者。以下次項において同じ。)は、債権者のために、供託金の還付を請求することができる。
3 前項の規定により供託金の還付を受けた特殊整理人は、大蔵省令で定めるところにより、当該還付を受けた財産を同項の債権者のために信託し、又は債権者に交付しなければならない。
4 この法律の施行の日において、在外会社が旧令第2条第1項第6号ロの(五)に掲げる債務の弁済のために供託しているものがあるときは、第2条第1項第6号イに掲げる整理財産があるものとし、その特殊整理人は、供託物の取戻しをしなければならない。
5 この法律の施行の日において、旧令第34条の3第1項の規定により大蔵大臣が管理している整理財産に属する資産又はこれを証する書面があるときは、第2条第1項第6号イに規定する整理財産があるものとし、大蔵大臣は、当該資産又は書面をその特殊整理人に引き渡さなければならない。
6 この法律の施行の日において、旧令第28条第1項第11号又は第12号の規定により社債の弁済又は残余財産の分配を行っている在外会社は、この法律の施行により新たに整理財産となった負債があるときは、当該社債の弁済又は残余財産の分配をした後において、なお整理財産に属する資産に残余がある場合に、その残余の資産の範囲内で弁済すれば足りるものとする。
7 この法律の施行前に、旧令第28条第1項第11号又は第12号の規定により社債の弁済又は残余財産の分配を完了した在外会社について、整理財産に属することとなる資産がその完了後生じている場合において、この法律の施行により新たに整理財産に属することとなる負債があるときは、当該在外会社は、当該資産の範囲内で当該債務を弁済すれば足りるものとする。
附則 (昭和38年7月9日法律第126号) 抄
この法律は、商業登記法の施行の日(昭和39年4月1日)から施行する。
附則 (昭和40年3月31日法律第36号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和40年4月1日から施行する。
(その他の法令の一部改正に伴う経過規定の原則)
第5条 第2章の規定による改正後の法令の規定は、別段の定めがあるものを除き、昭和40年分以後の所得税又はこれらの法令の規定に規定する法人の施行日以後に終了する事業年度分の法人税について適用し、昭和39年分以前の所得税又は当該法人の同日前に終了した事業年度分の法人税については、なお従前の例による。
附則 (昭和54年3月30日法律第5号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、民事執行法(昭和54年法律第4号)の施行の日(昭和55年10月1日)から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則 (昭和54年12月18日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成3年4月26日法律第40号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
別表第1
表示通貨単位名 換算率(本邦通貨1円に対する金額)
円(中国連合準備銀行券) 表示金額のうち330,000円以下の部分 11円
表示金額のうち 330,000円をこえ750,000円以下の部分 21円
表示金額のうち750,000円をこえる部分 51円
円(中央儲備銀行券) 表示金額のうち1,830,000円以下の部分 61円
表示金額のうち 1,830,000円をこえ4,170,000円以下の部分 117円
表示金額のうち4,170,000円をこえる部分 394円
別表第2
店舗所在地域 表示通貨単位名 換算率(本邦通貨1円に対する金額)
朝鮮 1.5円
台湾 1.5円
華北 円(中国連合準備銀行券) 100円
華中
華南
円(中央儲備銀行券) 2,400円

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