完全無料の六法全書
れんごうこくざいさんじょうのかおくとうのじょうととうにかんするせいれい

連合国財産上の家屋等の譲渡等に関する政令

昭和23年政令第298号
内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和20年勅令第542号)に基き、ここに連合国財産上の家屋等の譲渡に関する政令を制定する。
(目的)
第1条 この政令は、主務大臣が連合国財産の返還等に関する政令(昭和26年政令第6号)第13条第1項又は同令第14条第1項の規定により連合国財産である土地(主務大臣の指定する土地に関する権利を含む。)について返還の措置をとる場合において、当該財産の返還請求権者又はその者に代り当該財産の返還を請求することができる連合国の政府の請求に基き、当該財産を同令第7条第4項各号の区分に応じ当該各号に掲げる時において有していた同令第2条第2項に規定する連合国人の同意(当該連合国人が同令第2条第2項第5号に掲げる法人であって、その株式又は持分が旧敵産管理法施行令(昭和16年勅令第1179号)第4条第1項の規定により選任された管理人の管理に付せられたことのあるものであるときは、当該株式又は持分が当該管理人の管理に付せられたことに因り連合国人が当該法人の経営を支配することができなかった間においてされた当該法人の同意を除く。)を得ないでその時後当該財産(当該財産が所有権以外の主務大臣の指定する権利であるときは、その権利の目的物)の上に建設された家屋その他の工作物(以下「家屋等」という。)をその返還請求権者又は連合国の政府(以下「返還請求権者等」という。)に譲渡し、又は除去するため必要な事項を定めることを目的とする。
(譲渡及び除去の請求の手続)
第1条の2 返還請求権者等は、連合国財産の返還等に関する政令第12条の2第1項、第2項又は第4項の規定により前条の土地の返還を請求する場合においては、その返還の請求に際し、主務大臣に対し、同条の家屋等を譲渡し、又は除去することを請求することができる。
2 連合国財産の返還等に関する政令第12条第7項及び第12条の2第4項の規定は、前項の譲渡又は除去を請求する場合について準用する。
(収用の権限及び手続)
第2条 主務大臣は、前条の規定により返還請求権者等から家屋等を譲渡することを請求された場合において必要があると認めるときは、当該家屋等を収用することができる。
2 主務大臣は、家屋等を収用しようとするときは、その所有者に対し、左に掲げる事項を記載した収用令書を交付しなければならない。
 収用する家屋等の所有者の氏名
 収用の事由
 収用する家屋等の種類、構造及び所在
 収用の時期
 引渡の時期
 その他必要な事項
3 主務大臣は、前項の規定にかかわらず、家屋等の所有者が収用令書の受領を拒んだとき又は日本国内に住所、居所を有しないとき、その所有者の住所、居所ともに不明なとき、緊急の必要によりこれを交付するいとまのないときその他これをその所有者に交付することが著しく困難なときは、収用令書の要旨を公告し、収用令書の交付に代えることができる。
第3条 主務大臣は、前条第2項又は第3項の規定により収用令書を交付し、又はその要旨の公告をしたときは、家屋等について所有権以外の権利を有する者(以下関係権利者という。)で知れている者に対し、その要旨を通知するとともに、前条第3項の規定による公告をした場合を除き、これを公告しなければならない。
(収用の効果)
第4条 主務大臣が、第2条第2項又は第3項の規定により収用令書を交付し、又はその要旨の公告をしたときは、当該収用令書に記載された収用の時期又は当該公告中に定められた収用の時期において、国が家屋等の所有権を取得し、関係権利者の当該家屋等について有する権利は、消滅する。
2 前項の規定により国が所有権を取得した家屋等については、国有財産法(昭和23年法律第73号)の規定は、適用しない。
(引渡命令の権限及び手続)
第5条 主務大臣は、第1条の2の規定により返還請求権者等から家屋等を譲渡することを請求された場合において必要があると認めるときは、当該家屋等の占有者に対し、これを引き渡すことを命ずることができる。
2 主務大臣は、家屋等の引渡を命じようとするときは、その占有者に対し、左に掲げる事項を記載した引渡令書を交付しなければならない。
 引渡を命ぜられる家屋等の占有者の氏名
 引渡の事由
 引渡を命ぜられる家屋等の種類、構造及び所在
 引渡の時期
 その他必要な事項
3 第2条第3項の規定は、前項の場合に、準用する。
(家屋等の管理)
第6条 家屋等の所有者又は占有者は、収用令書若しくは引渡令書を受領した時又はこれらの交付に代える公告のあった時から、当該家屋等を主務大臣に引き渡す時まで、良好な状態においてこれを管理しなければならない。
(引渡の義務)
第7条 家屋等の所有者又は占有者は、収用令書又は引渡令書に記載された引渡の時期に、当該家屋等を主務大臣に引き渡さなければならない。
2 前項の規定は、当該家屋等に関して強制執行手続、国税徴収法による強制徴収手続その他これらの手続に準ずるものが進行中であっても、その適用を妨げない。
(引渡の方法)
第8条 主務大臣は、当該職員に家屋等の引渡を受けさせるものとする。
2 当該職員は、前項の規定により引渡を受ける場合には、その身分を示す証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
(家屋等の譲渡)
第9条 主務大臣は、第1条の2の規定により返還請求権者等から家屋等を譲渡することを請求された場合においては、他の法令の規定にかかわらず、当該家屋等を当該家屋等の存する第1条に規定する土地の返還請求権者に譲渡しなければならない。
(除去の権限及び手続)
第10条 主務大臣は、第1条の2の規定により返還請求権者等から家屋等を除去することを請求されたときは、当該家屋等の所有者に対し、当該家屋等を除去することを命ずることができる。
2 主務大臣は、前項の命令をしようとするときは、その所有者に対し、左に掲げる事項を記載した除去令書を交付しなければならない。
 除去を命ぜられる家屋等の所有者の氏名
 除去の事由
 除去を命ぜられる家屋等の種類、構造及び所在
 除去の時期
 その他必要な事項
3 第2条第3項及び第3条の規定は、前項の場合に、準用する。
第10条の2 主務大臣は、家屋等の所有者が前条第1項の命令に係る除去をしないときは、当該職員をして当該家屋等を除去させることができる。
2 主務大臣は、前項の家屋等の除去をしようとするときは、その所有者及び占有者に対し、左に掲げる事項を記載した除去通知書を交付しなければならない。
 除去すべき家屋等の所有者又は占有者の氏名
 除去の事由
 除去すべき家屋等の種類、構造及び所在
 除去の時期
 その他必要な事項
3 当該職員は、家屋等を除去する場合においては、当該除去のため必要な範囲内において当該家屋等が建設されている土地その他必要な場所に立ち入ることができる。
4 第8条第2項の規定は、前項の規定により当該職員が立ち入る場合に、準用する。
(損失の補償)
第10条の3 家屋等の収用若しくは引渡又は除去によって当該家屋等の所有者又は関係権利者の受けた損失は、別に法律の定めるところにより、補償する。
(登記)
第11条 主務大臣が家屋等を収用し、譲渡し、又は除去した場合において必要な登記は、主務大臣において遅滞なく登記所に嘱託しなければならない。
2 前項の登記に関する特例は、法務大臣が定める。
(非課税)
第12条 前条第1項の規定による登記については、登録税を課さない。
2 地方公共団体は、第9条の規定による譲渡による連合国人の家屋等の取得については、地方税を課することができない。
(報告及び資料の徴収、立入並びに検査)
第13条 主務大臣は、必要があると認めるときは、家屋等について報告若しくは資料を徴し、又は当該職員をして必要な場所に立ち入り、若しくは当該家屋等の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 当該職員は、前項の規定により立入又は検査をする場合には、その身分を示す証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
(承継人に対する効力)
第14条 この政令の規定によりなした手続その他の行為は、家屋等の所有者及び関係権利者の承継人に対しても、その効力を有する。
(主務大臣)
第14条の2 この政令における主務大臣は、連合国財産である土地が国の所有に属するものである場合は連合国財産の返還等に関する政令第14条第1項に規定する各省各庁の長とし、その他の場合は財務大臣とする。
(罰則)
第15条 第6条又は第7条第1項の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
第16条 第13条第1項の規定に違反して報告若しくは資料の提出を怠り、虚偽の報告若しくは資料を提出し、又は当該職員の立入若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、1年以下の懲役又は1万円以下の罰金に処する。
第17条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人若しくは人の業務又は家屋等に関して、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するの外、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

附則

第18条 この政令は、公布の日から、施行する。
第19条 この政令の規定は、昭和23年4月19日からこの政令施行の日の前日までの間に、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く連合国財産の返還等に関する件第2条第1項の規定により大蔵大臣が返還その他必要な措置を命じた土地の上に建設された家屋等の譲渡についても、適用する。
附則 (昭和24年5月31日法律第134号) 抄
1 この法律は、昭和24年6月1日から施行する。
附則 (昭和26年1月22日政令第7号) 抄
1 この政令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和26年11月28日政令第356号)
1 この政令は、昭和27年2月1日から施行する。
2 この政令施行前連合国最高司令官からされた連合国財産上の家屋等の譲渡又は除去の要求は、この政令施行後は、改正後の連合国財産上の家屋等の譲渡等に関する政令第1条の2の規定による譲渡又は除去の請求とみなす。
附則 (昭和27年4月23日法律第95号) 抄
1 この法律は、日本国との平和条約の最初の効力発生の日から施行する。
附則 (昭和27年7月31日法律第268号) 抄
1 この法律は、昭和27年8月1日から施行する。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日

現在の法令ページのURL

あなたのブログやホームページから現在の法令ページをリンクするためのHTMLタグ

はてなでシェアする

インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。