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下級裁判所事務処理規則

昭和23年8月18日最高裁判所規則第16号
下級裁判所事務処理規則を次のように定める。
第1条 この規則で、裁判所とは、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所をいう。
第2条 司法年度は、1月1日に始まり、12月31日に終る。
第3条 高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の各支部に勤務する裁判官が1人のときは、その裁判官を支部長とし、2人以上のときは、最高裁判所がそのうちの1人に支部長を命ずる。
2 支部長は、当該支部の事務を総括する。
第4条 各高等裁判所及び各地方裁判所に部を置く。高等裁判所及び地方裁判所の支部並びに家庭裁判所及び家庭裁判所の支部に部を置くことができる。
2 部の数は、最高裁判所が当該高等裁判所の長官又は当該地方裁判所若しくは家庭裁判所の所長の意見を聞いて、これを定める。
3 部には、合議体を構成するに足りる裁判官を置く。
4 部に属する裁判官のうち1人は、部の事務を総括する。
5 前項の規定により部の事務を総括する裁判官は、高等裁判所長官、地方裁判所長、家庭裁判所長又は知的財産高等裁判所長若しくは高等裁判所、地方裁判所若しくは家庭裁判所の支部長が属する部においては、その者とし、その他の部においては、毎年あらかじめ、最高裁判所が、当該高等裁判所の長官又は当該地方裁判所若しくは家庭裁判所の所長の意見を聞いて、指名した者とする。
6 最高裁判所は、前項の指名を受けた裁判官に病気その他の事由により引き続き差支のあるときは、当該高等裁判所の長官又は当該地方裁判所若しくは家庭裁判所の所長の意見を聞いて、その指名を取り消すことができる。
第5条 合議体は、一の部又は支部の裁判官でこれを構成する。
2 合議体では、第3条第2項又は前条第4項の裁判官が裁判長となる。但し、部が置かれない家庭裁判所においては、家庭裁判所長が裁判長となる。
3 前項の裁判官に差し支えのあるときは、第6条第1項又は第3項の規定により定められた順序により、他の裁判官が裁判長となる。
第6条 高等裁判所、地方裁判所及び家庭裁判所における裁判事務の分配、裁判官の配置及び裁判官に差支のあるときの代理順序については、毎年あらかじめ、当該裁判所の裁判官会議の議により、これを定める。
2 各部又は各支部の裁判官に対する裁判事務の分配は、当該部又は当該支部において、これを定める。
3 前2項の規定にかかわらず、知的財産高等裁判所における裁判事務の分配、裁判官の配置及び裁判官に差し支えのあるときの代理順序については、毎年あらかじめ、知的財産高等裁判所に勤務する裁判官の会議の議により、これを定め、知的財産高等裁判所の各部の裁判官に対する裁判事務の分配は、当該部において、これを定める。
第7条 前条第1項又は第3項(各部の裁判官に対する裁判事務の分配に係る部分を除く。)の規定により定められた事務の分配、裁判官の配置及び裁判官に差し支えのあるときの代理順序は、一の部の事務が多過ぎる場合、裁判官が退官、転官又は転所した場合その他長期にわたる欠勤等のために裁判官に引き続き差支のある場合を除いては、司法年度中、これを変更しない。
第8条 2人以上の裁判官を置く簡易裁判所の裁判官に対する裁判事務の分配及び簡易裁判所の裁判官に差支のあるときの代理順序は、毎年あらかじめ、監督地方裁判所が、これを定める。
2 前条の規定は、前項の規定により定められた事務の分配及び裁判官に差支のあるときの代理順序について、これを準用する。
第9条 開廷の日割は、各裁判所が、毎年あらかじめ、これを定め、庁内の公衆の見やすい場所に掲示しなければならない。但し、簡易裁判所においては、司法行政事務を掌理する裁判官がこれを定める。
2 前項本文の規定にかかわらず、知的財産高等裁判所における開廷の日割は、知的財産高等裁判所が、毎年あらかじめ、これを定め、庁内の公衆の見やすい場所に掲示しなければならない。
第10条 裁判官が、その勤務する裁判所の所在地外で職務を行おうとするときは、当該裁判所にその旨を届け出なければならない。
第10条の2 第4条の部に裁判所書記官及び裁判所速記官を置く。
2 各地方裁判所及び各家庭裁判所の裁判官で第4条の部に属しないもの及び各簡易裁判所の裁判官は、前項の規定の適用については、第4条の部とみなす。
第11条 裁判所は、当該裁判所及び管轄区域内の裁判所の裁判所書記官及び裁判所速記官に、互いにその職務を補助させることができる。
第12条 裁判官会議は、高等裁判所においては高等裁判所長官が、地方裁判所においては地方裁判所長が、家庭裁判所においては家庭裁判所長が、必要に応じてこれを招集する。
第13条 各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所の判事(判事の権限を有する判事補を含む。)の3分の1以上が会議の目的及び招集の理由を明らかにして請求したときは、高等裁判所長官、地方裁判所長又は家庭裁判所長は、速やかに裁判官会議を招集しなければならない。
第14条 裁判官会議の議に付すべき事項は、あらかじめ、当該裁判官会議を組織する各裁判官にこれを通知しなければならない。但し、緊急やむを得ない場合は、この限りでない。
第15条 裁判官会議は、公開しない。但し、裁判官会議の許可を受けた者は、これを傍聴することができる。
2 判事補(判事の権限を有する者を除く。)及び高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官の職務を行う裁判官は、所属の裁判所又は当該職務を行う裁判所の裁判官会議に出席して、意見を述べることができる。
3 事務局長は、裁判官会議に出席して、意見を述べることができる。但し、裁判官会議において適当と認めるときは、その出席を拒み、又はこれを退席させることができる。
4 首席書記官及び首席家庭裁判所調査官は、所管事務に関し、裁判官会議に出席して、意見を述べることができる。この場合においては、前項但書の規定を準用する。
5 裁判官会議において適当と認めるときは、当該裁判官会議を組織する裁判官以外の者の出席を求めて、説明又は意見を聞くことができる。
第15条の2 検察審査会事務局長は、当該検察審査会の所在地を管轄する地方裁判所の定めるところにより、検察審査会の事務局の職員に関する事項について、裁判官会議に出席して、意見を述べることができる。
第16条 裁判官会議は、当該裁判官会議を組織する裁判官の半数以上が出席しなければ決議をすることができない。
第17条 裁判官会議の議事は、出席裁判官の過半数で、これを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第18条 裁判官会議の議事については、議事録を作らなければならない。
2 議事録には、出席者の氏名、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及びこれを作った者が、これに署名しなければならない。
第19条 緊急の事情のため裁判官会議を開くことができない場合には、高等裁判所長官、地方裁判所長又は家庭裁判所長は、応急の措置を講ずることができる。この場合には、次の裁判官会議において承認を得なければならない。
第20条 司法行政事務は、裁判官会議の議により、その一部を当該裁判官会議を組織する1人又は2人以上の裁判官に委任することができる。
2 裁判官が、前項の規定により、その委任された事務を処理したときは、次の裁判官会議にこれを報告しなければならない。
第20条の2 第12条から前条まで(第15条の2を除く。)の規定は、知的財産高等裁判所に勤務する裁判官の会議について準用する。この場合において、第12条中「高等裁判所においては高等裁判所長官が、地方裁判所においては地方裁判所長が、家庭裁判所においては家庭裁判所長が」とあるのは「知的財産高等裁判所長が」と、第13条中「各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所の判事(判事の権限を有する判事補を含む。)」とあるのは「知的財産高等裁判所に勤務する判事」と、同条及び第19条中「高等裁判所長官、地方裁判所長又は家庭裁判所長」とあるのは「知的財産高等裁判所長」と、第15条第2項中「判事補(判事の権限を有する者を除く。)及び高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官の職務を行う裁判官」とあるのは「高等裁判所の裁判官の職務を行う裁判官のうち知的財産高等裁判所に勤務する裁判官」と、同条第3項中「事務局長」とあるのは「知的財産高等裁判所事務局長」と、同条第4項中「首席書記官及び首席家庭裁判所調査官」とあるのは「知的財産高等裁判所首席書記官」と読み替えるものとする。
第21条 高等裁判所長官、地方裁判所長及び家庭裁判所長は、所属の裁判所の監督に服する裁判所職員に対し、事務の取扱及び行状について注意を与えることができる。
第22条 各高等裁判所長官、各地方裁判所長、各家庭裁判所長、各支部長又は部の事務を総括する各裁判官に差支のある場合において、司法行政事務についてこれを代理する者の順序は、毎年あらかじめ、所属の裁判所の裁判官会議の議により、これを定める。
2 前項の規定による代理順序を変更する必要が生じたときは、当該裁判官会議の議により、これを変更する。
3 第1項の規定にかかわらず、知的財産高等裁判所長又は知的財産高等裁判所の部の事務を総括する各裁判官に差し支えのある場合において、司法行政事務についてこれを代理する者の順序は、毎年あらかじめ、知的財産高等裁判所に勤務する裁判官の会議の議により、これを定める。
4 第2項の規定は、前項の規定による代理順序について準用する。この場合において、第2項中「裁判官会議」とあるのは、「知的財産高等裁判所に勤務する裁判官の会議」と読み替えるものとする。
第23条 司法行政事務を掌理する簡易裁判所の裁判官に差支のある場合において、これを代理する者の順序は、毎年あらかじめ、所属の裁判所を監督する地方裁判所が、これを定める。
2 前項の規定による代理順序を変更する必要が生じたときは、監督地方裁判所がこれを変更する。
第24条 各高等裁判所の事務局に総務課、人事課及び会計課を、各地方裁判所及び各家庭裁判所の事務局に総務課及び会計課を置く。
2 高等裁判所、地方裁判所及び家庭裁判所の各支部並びに各簡易裁判所に庶務課を置く。
3 前項の規定にかかわらず、知的財産高等裁判所事務局に庶務第1課及び庶務第2課を置く。
4 第2項の規定にかかわらず、最高裁判所の指定する簡易裁判所に、その庶務をつかさどらせるため、事務部を置く。事務部に第1課及び第2課を置く。
5 各高等裁判所、各地方裁判所及び各家庭裁判所の事務局に事務局次長1人(最高裁判所の指定する裁判所にあっては最高裁判所の定める員数)を置き、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを補する。事務局次長は、事務局長を助け、事務局の事務を整理する。
6 知的財産高等裁判所事務局に知的財産高等裁判所事務局長を置き、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを補する。知的財産高等裁判所事務局長は、知的財産高等裁判所長の監督を受けて、知的財産高等裁判所事務局の事務を掌理し、知的財産高等裁判所事務局の職員を指揮監督する。
7 第4項に規定する事務部に事務部長を置き、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを補する。事務部長は、簡易裁判所の司法行政事務を掌理する裁判官の監督を受けて、事務部の事務を掌理し、事務部の職員を指揮監督する。
8 各課に課長1人を置き、当該裁判所に勤務する裁判所事務官で最高裁判所の定める基準に該当するものの中から、高等裁判所の課長については当該高等裁判所が、地方裁判所、家庭裁判所又は簡易裁判所の課長については当該裁判所の所在地を管轄する高等裁判所が、これを命ずる。課長は、上司の命を受けて課の事務を掌理する。
9 各課の組織及び所掌事務に関しては、最高裁判所が別に定める。
10 裁判所は、特別の事情があるときは、最高裁判所の認可を得て、第1項及び第2項の規定に異なる定をすることができる。
第25条 削除
第26条 地方裁判所又は家庭裁判所が、最高裁判所に、簡易裁判所が、最高裁判所又はその監督上級の高等裁判所に指示を求め、又は報告をするには、特別の定のある場合を除いて、中間の監督上級裁判所を経由しなければならない。但し、緊急の事項については、直接に指示を求め、又は報告をすることができる。この場合においては、当該地方裁判所、当該家庭裁判所又は当該簡易裁判所は、速やかに中間の監督上級裁判所にその旨を報告しなければならない。
第27条 裁判所と中央官庁、外国に在る日本の官庁及び外国官庁との間に文書を往復するには、特別の定のある場合を除いて、最高裁判所を経由しなければならない。但し、中央官庁との間に訴訟書類を往復する場合は、この限りでない。
第28条 各高等裁判所、各地方裁判所、各家庭裁判所、知的財産高等裁判所及び司法行政事務を掌理する簡易裁判所の各裁判官は、この規則の施行に関して必要な事項を定めることができる。ただし、司法行政事務を掌理する簡易裁判所の裁判官が定める場合には、当該裁判所を監督する地方裁判所の認可を得なければならない。

附則

この規則は、昭和23年10月1日から、これを施行する。
附則(昭和23年12月28日最高裁判所規則第38号)抄
第8条 この規則は、昭和24年1月1日から施行する。
附則(昭和24年7月1日最高裁判所規則第12号)
この規則は、昭和24年7月1日から施行する。
附則(昭和25年11月15日最高裁判所規則第25号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和28年6月30日最高裁判所規則第9号)
この規則は、昭和28年7月1日から施行する。
附則(昭和29年6月1日最高裁判所規則第8号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和30年11月17日最高裁判所規則第10号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和32年6月15日最高裁判所規則第11号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和34年10月1日最高裁判所規則第12号)
1 この規則は、昭和34年11月1日から施行する。
2 この規則施行の際現に課長又は主任の職にある者は、この規則による改正後の第24条の規定により、この規則施行の日に、それぞれ課長又は室長を命ぜられたものとみなす。
附則(昭和39年3月26日最高裁判所規則第2号)抄
1 この規則は、昭和39年4月1日から施行する。
附則(昭和40年3月31日最高裁判所規則第5号)
この規則は、昭和40年4月1日から施行する。
附則(昭和41年10月15日最高裁判所規則第8号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則(昭和44年3月25日最高裁判所規則第1号)
この規則は、昭和44年4月1日から施行する。
附則(昭和44年9月1日最高裁判所規則第6号)抄
1 この規則は、昭和44年10月1日から施行する。
2 この規則施行の際現に資料室長の職にある者は、別に辞令を発せられないときは、当該裁判所の資料課長を命ぜられたものとみなす。
附則(昭和48年7月16日最高裁判所規則第5号)
この規則は、昭和48年8月1日から施行する。
附則(昭和59年3月29日最高裁判所規則第2号)
この規則は、昭和59年4月1日から施行する。
附則(昭和61年10月30日最高裁判所規則第5号)
この規則は、昭和61年11月1日から施行する。
附則(昭和63年7月20日最高裁判所規則第4号)
この規則は、昭和63年8月1日から施行する。
附則(平成6年6月30日最高裁判所規則第3号)
この規則は、平成6年8月1日から施行する。
附則(平成16年3月31日最高裁判所規則第7号)抄
1 この規則は、裁判所法の一部を改正する法律(平成16年法律第8号)の施行の日(平成16年4月1日)から施行する。
附則(平成17年2月14日最高裁判所規則第7号)
この規則は、知的財産高等裁判所設置法(平成16年法律第119号)の施行の日(平成17年4月1日)から施行する。
附則(平成24年3月12日最高裁判所規則第2号)
この規則は,平成24年4月1日から施行する。

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