くないちょうほう
宮内庁法
昭和22年法律第70号
第1条 内閣府に、内閣総理大臣の管理に属する機関として、宮内庁を置く。
2 宮内庁は、皇室関係の国家事務及び政令で定める天皇の国事に関する行為に係る事務をつかさどり、御璽国璽を保管する。
第2条 宮内庁の所掌事務は、次のとおりとする。
一 皇室制度の調査に関すること。
二 行幸啓に関すること。
三 賜与及び受納に関すること。
四 皇室会議及び皇室経済会議に関すること。
五 御璽国璽を保管すること。
六 側近に関すること。
七 皇族に関すること。
八 儀式に関すること。
九 交際に関すること。
十 雅楽に関すること。
十一 皇統譜の調製、登録及び保管に関すること。
十二 陵墓に関すること。
十三 図書及び記録の保管、出納、複刻及び編集に関すること。
十四 皇室用財産を管理すること。
十五 供進及び調理に関すること。
十六 皇室の車馬に関すること。
十七 皇室の衛生に関すること。
十八 正倉院宝庫及び正倉院宝物に関すること。
十九 御料牧場に関すること。
二十 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき、宮内庁に属させられた事務
第3条 宮内庁に、その所掌事務を遂行するため、長官官房並びに侍従職、東宮職及び式部職(以下「侍従職等」という。)を置くほか、政令の定めるところにより、必要な部を置くことができる。
2 長官官房及び部の所掌事務の範囲は、政令で定める。
3 長官官房、侍従職等及び部には、課及びこれに準ずる室を置くことができるものとし、これらの設置及び所掌事務の範囲は、政令で定める。
第4条 侍従職においては、左の事務をつかさどる。
一 御璽国璽を保管すること。
二 側近に関すること。
三 内廷にある皇族に関すること。
第5条 削除
第6条 東宮職においては、皇太子に関する事務をつかさどる。
第7条 式部職においては、左の事務をつかさどる。
一 儀式に関すること。
二 交際に関すること。
三 雅楽に関すること。
第8条 宮内庁の長は、宮内庁長官とする。
2 宮内庁長官(以下「長官」という。)の任免は、天皇が認証する。
3 長官は、宮内庁の事務を統括し、職員の服務について統督する。
4 長官は、宮内庁の所掌事務について、内閣総理大臣に対し、案をそなえて、内閣府令を発することを求めることができる。
5 長官は、宮内庁の所掌事務について、公示を必要とする場合においては、告示を発することができる。
6 長官は、宮内庁の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。
7 長官は、宮内庁の所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、皇宮警察の事務につき、警察庁長官に対して所要の措置を求めることができる。
第9条 宮内庁に、宮内庁次長1人を置く。
2 宮内庁次長は、長官を助け、庁務を整理し、各部局の事務を監督する。
3 宮内庁には、特に必要がある場合においては、その所掌事務の一部を総括整理する職を置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令で定める。
4 宮内庁に、宮内庁長官秘書官を置く。
5 宮内庁長官秘書官の定数は、政令で定める。
6 宮内庁長官秘書官は、長官の命を受け、機密の事務をつかさどる。
第10条 侍従職に、侍従長及び侍従次長1人を置く。
2 侍従長の任免は、天皇が認証する。
3 侍従長は、側近に奉仕し、命を受け、侍従職の事務を掌理する。
4 侍従次長は、命を受け、侍従長を助け、侍従職の事務を整理する。
第11条 削除
第12条 東宮職に、東宮大夫を置く。
2 東宮大夫は、命を受け、東宮職の事務を掌理する。
第13条 式部職に、式部官長を置く。
2 式部官長は、命を受け、式部職の事務を掌理する。
第14条 宮内庁には、特に必要がある場合においては、長官官房、侍従職等及び部の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で部長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令で定める。
2 宮内庁には、特に必要がある場合においては、前項の職のつかさどる職務の全部又は一部を助ける職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令で定める。
第15条 部、課及び課に準ずる室に、それぞれ部長、課長及び室長を置く。
2 長官官房には、長を置くことができるものとし、その設置及び職務は、政令で定める。
3 部には、次長を置くことができるものとし、その設置、職務及び定数は、政令で定める。
4 長官官房、侍従職等又は部には、その所掌事務の一部を総括整理する職又は課(課に準ずる室を含む。)の所掌に属しない事務の能率的な遂行のためこれを所掌する職で課長に準ずるものを置くことができるものとし、これらの設置、職務及び定数は、政令で定める。
第16条 宮内庁には、その所掌事務の範囲内で、法律又は政令の定めるところにより、重要事項に関する調査審議その他学識経験を有する者等の合議により処理することが適当な事務をつかさどらせるための合議制の機関を置くことができる。
2 宮内庁には、その所掌事務の範囲内で、政令の定めるところにより、文教研修施設(これに類する施設を含む。)及び作業施設を置くことができる。
第17条 宮内庁に、地方支分部局として京都事務所を置く。
2 京都事務所は、内閣府令の定めるところにより、宮内庁の所掌事務の一部を分掌する。
3 京都事務所の位置及び内部組織は、内閣府令で定める。
第18条 内閣府設置法(平成11年法律第89号)第56条及び第57条の規定は宮内庁について、同法第58条第4項の規定は長官について準用する。
2 内閣府設置法第7条第4項の規定は、前項において準用する同法第58条第4項の命令について準用する。
附則
第1条 この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
第2条 宮内庁は、第2条各号に掲げる事務のほか、上皇に関する事務をつかさどる。この場合において、内閣府設置法第4条第3項第57号の規定の適用については、同号中「第2条」とあるのは、「第2条及び附則第2条第1項前段」とする。
2 第3条第1項の規定にかかわらず、宮内庁に、前項前段の所掌事務を遂行するため、上皇職を置く。
3 上皇職に、上皇侍従長及び上皇侍従次長1人を置く。
4 上皇侍従長の任免は、天皇が認証する。
5 上皇侍従長は、上皇の側近に奉仕し、命を受け、上皇職の事務を掌理する。
6 上皇侍従次長は、命を受け、上皇侍従長を助け、上皇職の事務を整理する。
7 第3条第3項及び第15条第4項の規定は、上皇職について準用する。
8 上皇侍従長及び上皇侍従次長は、国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条に規定する特別職とする。この場合において、特別職の職員の給与に関する法律(昭和24年法律第252号。以下この項及び次条第6項において「特別職給与法」という。)及び行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年法律第33号。以下この項及び次条第6項において「定員法」という。)の規定の適用については、特別職給与法第1条第42号中「侍従長」とあるのは「侍従長、上皇侍従長」と、同条第73号中「の者」とあるのは「の者及び上皇侍従次長」と、特別職給与法別表第1中「式部官長」とあるのは「上皇侍従長及び式部官長」と、定員法第1条第2項第2号中「侍従長」とあるのは「侍従長、上皇侍従長」と、「及び侍従次長」とあるのは「、侍従次長及び上皇侍従次長」とする。
第3条 第3条第1項の規定にかかわらず、宮内庁に、天皇の退位等に関する皇室典範特例法(平成29年法律第63号)第2条の規定による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関する事務を遂行するため、皇嗣職を置く。
2 皇嗣職に、皇嗣職大夫を置く。
3 皇嗣職大夫は、命を受け、皇嗣職の事務を掌理する。
4 第3条第3項及び第15条第4項の規定は、皇嗣職について準用する。
5 第1項の規定により皇嗣職が置かれている間は、東宮職を置かないものとする。
6 皇嗣職大夫は、国家公務員法第2条に規定する特別職とする。この場合において、特別職給与法及び定員法の規定の適用については、特別職給与法第1条第42号及び別表第1並びに定員法第1条第2項第2号中「東宮大夫」とあるのは、「皇嗣職大夫」とする。
附則 (昭和24年5月31日法律第134号) 抄
1 この法律は、昭和24年6月1日から施行する。
2 法律(法律に基く命令を含む。)に別段の定のある場合を除く外、従前の機関及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となり同一性をもって存続するものとする。
3 前項の規定は、職員の定員に関する法律の適用に影響を及ぼすものではない。
附則 (昭和26年12月22日法律第317号) 抄
1 この法律は、昭和27年1月1日から施行する。
附則 (昭和31年6月26日法律第161号) 抄
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律の施行の際、現に東宮大夫又は式部官長の職にある者は、それぞれ宮内庁法による東宮大夫又は式部官長に任命されたものとする。
附則 (昭和36年6月2日法律第111号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和36年4月1日から適用する。
(常勤の職員に対する暫定措置)
3 昭和36年4月1日において、現に2月以内の期間を定めて雇用されている職員のうち常勤の職員は、当分の間、国家行政組織法第19条第1項若しくは第2項又は第21条第2項の規定に基づいて定められる定員の外に置くことができる。
附則 (昭和37年4月16日法律第77号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 改正後の宮内庁法第11条の規定は、昭和37年4月1日から適用する。
附則 (昭和38年6月11日法律第102号) 抄
この法律中第1条から第3条までの規定は公布の日から、第4条の規定は昭和39年1月1日から施行する。
附則 (昭和39年7月1日法律第126号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和42年6月30日法律第44号)
この法律は、昭和42年7月1日から施行する。
附則 (昭和44年5月16日法律第33号) 抄
(施行期日)
この法律は、公布の日から施行し、昭和44年4月1日から適用する。
附則 (昭和44年7月5日法律第59号)
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第8条及び第10条の改正規定は、同日から起算して9月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和55年3月31日法律第13号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (昭和58年12月2日法律第78号)
1 この法律(第1条を除く。)は、昭和59年7月1日から施行する。
2 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附則 (平成元年1月11日法律第1号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (平成11年7月16日法律第102号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第10条第1項及び第5項、第14条第3項、第23条、第28条並びに第30条の規定 公布の日
(別に定める経過措置)
第30条 第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附則 (平成13年4月18日法律第32号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、平成13年7月1日から施行する。
附則 (平成29年6月16日法律第63号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第1条並びに次項、次条、附則第8条及び附則第9条の規定は公布の日から、附則第10条及び第11条の規定はこの法律の施行の日の翌日から施行する。
2 前項の政令を定めるに当たっては、内閣総理大臣は、あらかじめ、皇室会議の意見を聴かなければならない。
(この法律の失効)
第2条 この法律は、この法律の施行の日以前に皇室典範第4条の規定による皇位の継承があったときは、その効力を失う。
(政令への委任)
第9条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。