せんいんほう
船員法
昭和22年法律第100号
第1章 総則
(船員)
第1条 この法律において「船員」とは、日本船舶又は日本船舶以外の国土交通省令で定める船舶に乗り組む船長及び海員並びに予備船員をいう。
○2 前項に規定する船舶には、次の船舶を含まない。
一 総トン数5トン未満の船舶
二 湖、川又は港のみを航行する船舶
三 政令の定める総トン数30トン未満の漁船
四 前3号に掲げるもののほか、船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)第2条第4項に規定する小型船舶であって、スポーツ又はレクリエーションの用に供するヨット、モーターボートその他のその航海の目的、期間及び態様、運航体制等からみて船員労働の特殊性が認められない船舶として国土交通省令の定めるもの
○3 前項第2号の港の区域は、港則法(昭和23年法律第174号)に基づく港の区域の定めのあるものについては、その区域によるものとする。ただし、国土交通大臣は、政令で定めるところにより、特に港を指定し、これと異なる区域を定めることができる。
第2条 この法律において「海員」とは、船内で使用される船長以外の乗組員で労働の対償として給料その他の報酬を支払われる者をいう。
○2 この法律において「予備船員」とは、前条第1項に規定する船舶に乗り組むため雇用されている者で船内で使用されていないものをいう。
第3条 この法律において「職員」とは、航海士、機関長、機関士、通信長、通信士及び国土交通省令で定めるその他の海員をいう。
○2 この法律において「部員」とは、職員以外の海員をいう。
(給料及び労働時間)
第4条 この法律において「給料」とは、船舶所有者が船員に対し一定の金額により定期に支払う報酬のうち基本となるべき固定給をいう。
○2 この法律において「労働時間」とは、船員が職務上必要な作業に従事する時間(海員にあっては、上長の職務上の命令により作業に従事する時間に限る。)をいう。
(船舶所有者に関する規定の適用)
第5条 この法律の規定(第11章の2、第113条第3項、第130条の2、第130条の3、第131条(第4号の2に係る部分に限る。)及び第135条第1項(第130条の2、第130条の3又は第131条第4号の2の違反行為に係る部分に限る。)を除く。)及びこの法律に基づく命令の規定(第11章の2の規定に基づく命令の規定を除く。)のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人に、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人以外の者が船員を使用する場合にはその者にこれを適用する。
○2 第11章の2、第113条第3項、第130条の2、第130条の3、第131条(第4号の2に係る部分に限る。)及び第135条第1項(第130条の2、第130条の3又は第131条第4号の2の違反行為に係る部分に限る。)の規定並びに第11章の2の規定に基づく命令の規定のうち、船舶所有者に関する規定は、船舶共有の場合には船舶管理人に、船舶貸借の場合には船舶借入人にこれを適用する。
(労働基準法の適用)
第6条 労働基準法(昭和22年法律第49号)第1条から第11条まで、第116条第2項、第117条から第119条まで及び第121条の規定は、船員の労働関係についても適用があるものとする。
第2章 船長の職務及び権限
(指揮命令権)
第7条 船長は、海員を指揮監督し、且つ、船内にある者に対して自己の職務を行うのに必要な命令をすることができる。
(発航前の検査)
第8条 船長は、国土交通省令の定めるところにより、発航前に船舶が航海に支障ないかどうかその他航海に必要な準備が整っているかいないかを検査しなければならない。
(航海の成就)
第9条 船長は、航海の準備が終ったときは、遅滞なく発航し、且つ、必要がある場合を除いて、予定の航路を変更しないで到達港まで航行しなければならない。
(甲板上の指揮)
第10条 船長は、船舶が港を出入するとき、船舶が狭い水路を通過するときその他船舶に危険の虞があるときは、甲板にあって自ら船舶を指揮しなければならない。
(在船義務)
第11条 船長は、やむを得ない場合を除いて、自己に代わって船舶を指揮すべき者にその職務を委任した後でなければ、荷物の船積及び旅客の乗込の時から荷物の陸揚及び旅客の上陸の時まで、自己の指揮する船舶を去ってはならない。
(船舶に危険がある場合における処置)
第12条 船長は、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、人命の救助並びに船舶及び積荷の救助に必要な手段を尽くさなければならない。
(船舶が衝突した場合における処置)
第13条 船長は、船舶が衝突したときは、互に人命及び船舶の救助に必要な手段を尽し、且つ船舶の名称、所有者、船籍港、発航港及び到達港を告げなければならない。但し、自己の指揮する船舶に急迫した危険があるときは、この限りでない。
(遭難船舶等の救助)
第14条 船長は、他の船舶又は航空機の遭難を知ったときは、人命の救助に必要な手段を尽さなければならない。但し、自己の指揮する船舶に急迫した危険がある場合及び国土交通省令の定める場合は、この限りでない。
(異常気象等)
第14条の2 国土交通省令の定める船舶の船長は、暴風雨、流氷その他の異常な気象、海象若しくは地象又は漂流物若しくは沈没物であって、船舶の航行に危険を及ぼすおそれのあるものに遭遇したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を附近にある船舶及び海上保安機関その他の関係機関に通報しなければならない。
(非常配置表及び操練)
第14条の3 国土交通省令の定める船舶の船長は、第12条乃至第14条に規定する場合その他非常の場合における海員の作業に関し、国土交通省令の定めるところにより、非常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示して置かなければならない。
○2 国土交通省令の定める船舶の船長は、国土交通省令の定めるところにより、海員及び旅客について、防火操練、救命艇操練その他非常の場合のために必要な操練を実施しなければならない。
(航海の安全の確保)
第14条の4 第8条から前条までに規定するもののほか、航海当直の実施、船舶の火災の予防、水密の保持その他航海の安全に関し船長の遵守すべき事項は、国土交通省令でこれを定める。
(水葬)
第15条 船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、国土交通省令の定めるところにより、これを水葬に付することができる。
(遺留品の処置)
第16条 船長は、船内にある者が死亡し、又は行方不明となったときは、法令に特別の定がある場合を除いて、船内にある遺留品について、国土交通省令の定めるところにより、保管その他の必要な処置をしなければならない。
(在外国民の送還)
第17条 船長は、外国に駐在する日本の領事官が、法令の定めるところにより、日本国民の送還を命じたときは、正当の事由がなければ、これを拒むことができない。
(書類の備置)
第18条 船長は、国土交通省令の定める場合を除いて、次の書類を船内に備え置かなければならない。
一 船舶国籍証書又は国土交通省令の定める証書
二 海員名簿
三 航海日誌
四 旅客名簿
五 積荷に関する書類
六 海上運送法(昭和24年法律第187号)第26条第3項に規定する証明書
○2 海員名簿、航海日誌及び旅客名簿に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(航行に関する報告)
第19条 船長は、左の各号の一に該当する場合には、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣にその旨を報告しなければならない。
一 船舶の衝突、乗揚、沈没、滅失、火災、機関の損傷その他の海難が発生したとき。
二 人命又は船舶の救助に従事したとき。
三 無線電信によって知ったときを除いて、航行中他の船舶の遭難を知ったとき。
四 船内にある者が死亡し、又は行方不明となったとき。
五 予定の航路を変更したとき。
六 船舶が抑留され、又は捕獲されたときその他船舶に関し著しい事故があったとき。
(船長の職務の代行)
第20条 船長が死亡したとき、船舶を去ったとき、又はこれを指揮することができない場合において他人を選任しないときは、運航に従事する海員は、その職掌の順位に従って船長の職務を行う。
第3章 紀律
(船内秩序)
第21条 海員は、次の事項を守らなければならない。
一 上長の職務上の命令に従うこと。
二 職務を怠り、又は他の乗組員の職務を妨げないこと。
三 船長の指定する時までに船舶に乗り込むこと。
四 船長の許可なく船舶を去らないこと。
五 船長の許可なく救命艇その他の重要な属具を使用しないこと。
六 船内の食料又は淡水を濫費しないこと。
七 船長の許可なく電気若しくは火気を使用し、又は禁止された場所で喫煙しないこと。
八 船長の許可なく日用品以外の物品を船内に持ち込み、又は船内から持ち出さないこと。
九 船内において争闘、乱酔その他粗暴の行為をしないこと。
十 その他船内の秩序を乱すようなことをしないこと。
(懲戒)
第22条 船長は、海員が前条の事項を守らないときは、これを懲戒することができる。
第23条 懲戒は、上陸禁止及び戒告の2種とし、上陸禁止の期間は、初日を含めて10日以内とし、その期間には、停泊日数のみを算入する。
第24条 船長は、海員を懲戒しようとするときは、3人以上の海員を立ち会わせて本人及び関係人を取り調べた上、立会人の意見を聴かなければならない。
(危険に対する処置)
第25条 船長は、海員が凶器、爆発又は発火しやすい物、劇薬その他の危険物を所持するときは、その物につき保管、放棄その他の処置をすることができる。
第26条 船長は、船内にある者の生命若しくは身体又は船舶に危害を及ぼすような行為をしようとする海員に対し、その危害を避けるのに必要な処置をすることができる。
第27条 船長は、必要があると認めるときは、旅客その他船内にある者に対しても、前2条に規定する処置をすることができる。
(強制下船)
第28条 船長は、雇入契約の終了の届出をした後当該届出に係る海員が船舶を去らないときは、その海員を強制して船舶から去らせることができる。
(行政庁に対する援助の請求)
第29条 船長は、海員その他船内にある者の行為が人命又は船舶に危害を及ぼしその他船内の秩序を著しくみだす場合において、必要があると認めるときは、行政庁に援助を請求することができる。
(争議行為の制限)
第30条 労働関係に関する争議行為は、船舶が外国の港にあるとき、又はその争議行為に因り人命若しくは船舶に危険が及ぶようなときは、これをしてはならない。
第4章 雇入契約等
(この法律に違反する契約)
第31条 この法律で定める基準に達しない労働条件を定める雇入契約(予備船員については、雇用契約。以下この条、次条、第33条、第34条、第58条、第84条及び第100条において同じ。)は、その部分については、無効とする。この場合には、雇入契約は、その無効の部分については、この法律で定める基準に達する労働条件を定めたものとみなす。
(雇入契約の締結前の書面の交付等)
第32条 船舶所有者は、雇入契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該雇入契約の相手方となろうとする者(次項において「相手方」という。)に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
一 船舶所有者の名称又は氏名及び住所
二 給料、労働時間その他の労働条件に関する事項であって、雇入契約の内容とすることが必要なものとして国土交通省令で定めるもの
○2 前項の場合において、当該雇入契約に係る航海が海上運送法第26条第1項の規定による命令によるものであるときは、船舶所有者は、あらかじめ、相手方に対し、その旨を書面を交付して説明しなければならない。
○3 船舶所有者は、雇入契約の内容(第1項第2号に掲げる事項に限る。)を変更しようとするときは、あらかじめ、船員に対し、当該変更の内容について書面を交付して説明しなければならない。
○4 第2項の規定は、前項の場合について準用する。
(募集受託者又は船員職業紹介事業者を利用した船員の雇入れの制限)
第32条の2 船舶所有者は、次に掲げる者を船員として雇い入れてはならない。
一 当該船舶所有者が、船員職業安定法(昭和23年法律第130号)第44条第1項の許可を受けないで日本国内において募集受託者(同条第2項に規定する募集受託者をいう。第3号において同じ。)に行わせた船員の募集(同法第6条第7項に規定する船員の募集をいう。同号において同じ。)に応じた者
二 船員職業安定法第34条第1項の許可を受けて、又は同法第40条第1項の規定による届出をして船員職業紹介事業(同法第6条第3項に規定する船員職業紹介事業をいう。第4号において同じ。)を行う者以外の者(日本政府及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和52年法律第96号)第7条第2項に規定する船員雇用促進センターを除く。)が日本国内において当該船舶所有者に紹介した求職者
三 当該船舶所有者が、外国において、当該外国における船員の募集を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない募集受託者に行わせた船員の募集に応じた者
四 外国において、当該外国における船員職業紹介事業を適確に実施することができるものとして国土交通省令で定める基準に適合しない者が当該船舶所有者に紹介した求職者
(賠償予定の禁止)
第33条 船舶所有者は、雇入契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
(貯蓄金の管理等)
第34条 船舶所有者は、雇入契約に附随して、貯蓄の契約をさせ、又は貯蓄金を管理する契約をしてはならない。
○2 船舶所有者は、船員の委託を受けてその貯蓄金を管理しようとする場合においては、国土交通省令の定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出なければならない。
○3 船舶所有者は、船員の委託を受けてその貯蓄金の管理をする場合において、貯蓄金の管理が預金の受入れであるときは、利子をつけなければならない。この場合において、その利率が金融機関の受け入れる預金の利率を考慮して国土交通省令の定める利率を下るときは、その国土交通省令の定める利率による利子をつけることとしたものとみなす。
○4 船員は、船舶所有者に管理を委託した貯蓄金については、いつでも、返還を請求することができる。
(相殺の制限)
第35条 船舶所有者は、船員に対する債権と給料の支払の債務とを相殺してはならない。但し、相殺の額が給料の額の3分の1を超えないとき及び船員の犯罪行為に因る損害賠償の請求権を以てするときは、この限りでない。
(雇入契約の成立時の書面の交付等)
第36条 船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を船員に交付しなければならない。
一 第32条第1項各号に掲げる事項
二 当該雇入契約を締結した船員の氏名、住所及び生年月日
三 当該雇入契約を締結した場所及び年月日
○2 船舶所有者は、雇入契約の内容(第32条第1項第2号に掲げる事項に限る。)を変更したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その変更の内容並びに当該変更について船員と合意した場所及び年月日を記載した書面を船員に交付しなければならない。
○3 船舶所有者は、前2項の書面の写しを船内に備え置かなければならない。
(雇入契約の成立等の届出)
第37条 船長は、雇入契約の成立、終了、更新又は変更(以下「雇入契約の成立等」という。)があったときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、国土交通大臣に届け出なければならない。
○2 前項の場合において船長が届け出ることができないときは、船舶所有者は、船長に代わって届け出なければならない。
第38条 国土交通大臣は、雇入契約の成立等の届出があったときは、その雇入契約が航海の安全又は船員の労働関係に関する法令の規定に違反するようなことがないかどうか及び当事者の合意が充分であったかどうかを確認するものとする。この場合において、国土交通大臣は、必要があると認めるときは、第101条第1項の規定による命令その他必要な措置を講ずるものとする。
(沈没等に因る雇入契約の終了)
第39条 船舶が左の各号の一に該当する場合には、雇入契約は、終了する。
一 沈没又は滅失したとき。
二 全く運航に堪えなくなったとき。
○2 船舶の存否が1箇月間分らないときは、船舶は、滅失したものと推定する。
○3 第1項の規定により雇入契約が終了したときでも、船員は、人命、船舶又は積荷の応急救助のために必要な作業に従事しなければならない。
○4 前項の規定により応急救助の作業に従事する場合には、第1項の規定にかかわらず、その作業が終了するまでは、雇入契約は、なお存続する。船員がその作業の終了後引き続き遺留品の保全、船員の送還その他必要な残務の処理に従事する場合において、その処理が終了するまでの間についても、同様とする。
○5 前項後段の規定により雇入契約が存続する間においては、船舶所有者又は船員は、いつでも、当該雇入契約を解除することができる。
(雇入契約の解除)
第40条 船舶所有者は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。
一 船員が著しく職務に不適任であるとき。
二 船員が著しく職務を怠ったとき、又は職務に関し船員に重大な過失のあったとき。
三 海員が船長の指定する時までに船舶に乗り込まないとき。
四 海員が著しく船内の秩序をみだしたとき。
五 船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。
六 前各号の場合を除いて、やむを得ない事由のあるとき。
第41条 船員は、左の各号の一に該当する場合には、雇入契約を解除することができる。
一 船舶が雇入契約の成立の時における国籍を失ったとき。
二 雇入契約により定められた労働条件と事実とが著しく相違するとき。
三 船員が負傷又は疾病のため職務に堪えないとき。
四 船員が国土交通省令の定めるところにより教育を受けようとするとき。
○2 船舶が外国の港からの航海を終了した場合において、その船舶に乗り組む船員が、24時間以上の期間を定めて書面で雇入契約の解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に、その者の雇入契約は、終了する。
○3 海員は、船長の適当と認める自己の後任者を提供したときは、雇入契約を解除することができる。
第42条 期間の定のない雇入契約は、船舶所有者又は船員が24時間以上の期間を定めて書面で解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に終了する。
(船舶所有者の変更に因る雇入契約の終了)
第43条 相続その他の包括承継の場合を除いて、船舶所有者の変更があったときは、雇入契約は、終了する。
○2 前項の場合には、雇入契約の終了の時から、船員と新所有者との間に従前と同一条件の雇入契約が存するものとみなす。この場合には、船員は、前条の規定に準じて雇入契約を解除することができる。
(雇入契約の延長)
第44条 雇入契約が終了した時に船舶が航行中の場合には、次の港に入港してその港における荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、雇入契約が終了した時に船舶が停泊中の場合には、その港における荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、その雇入契約は、存続するものとみなす。
○2 船舶所有者は、雇入契約が適当な船員を補充することのできない港において終了する場合には、適当な船員を補充することのできる港に到着して荷物の陸揚及び旅客の上陸が終る時まで、雇入契約を存続させることができる。但し、第41条第1項第1号乃至第3号の場合は、この限りでない。
(解雇制限)
第44条の2 船舶所有者は、船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため作業に従事しない期間及びその後30日間並びに女子の船員が第87条第1項又は第2項の規定によって作業に従事しない期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、療養のため作業に従事しない期間が3年を超えた場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、この限りでない。
○2 前項但書の天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては、その事由について国土交通大臣の認定を受けなければならない。
(解雇の予告)
第44条の3 船舶所有者は、予備船員を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない船舶所有者は、1箇月分の給料の額と同額の予告手当を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は予備船員の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。
○2 前項の予告の日数は、1日について、国土交通省令の定めるところにより算定する給料の額と同額の予告手当を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
○3 第1項但書の場合においては、その事由について国土交通大臣の認定を受けなければならない。
(失業手当)
第45条 船舶所有者は、第39条の規定により雇入契約が終了したときは、その翌日(行方不明となった船員については、その生存が知れた日)から2箇月(その行方不明について行方不明手当の支払を受くべき船員については、2箇月から行方不明中の期間を控除した期間)の範囲内において、船員の失業期間中毎月1回その失業日数に応じ給料の額と同額の失業手当を支払わなければならない。
(雇止手当)
第46条 船舶所有者(第4号の場合には旧所有者)は、左の各号の一に該当する場合には、遅滞なく、船員に1箇月分の給料の額と同額の雇止手当を支払わなければならない。
一 第40条第6号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
二 第41条第1項第1号又は第2号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
三 第42条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
四 第43条第1項の規定により雇入契約が終了したとき。
五 船員が第83条の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。
(送還)
第47条 船舶所有者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港又は雇入港までの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地(雇入れのため雇入港に招致した船員及び未成年者の船員にあっては、雇入港若しくは雇入契約の成立の時における船員の居住地又はこれらのいずれかまでの送還に要する費用の範囲内で送還することのできるその他の地。次項において「雇入港等」という。)まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
一 第39条の規定により雇入契約が終了したとき。
二 第40条第1号又は第6号の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
三 第40条第5号又は第41条第1項第3号の規定により船舶所有者又は船員が雇入契約を解除したとき。ただし、船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあったときは、この限りでない。
四 第41条第1項第1号又は第2号の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
五 第42条の規定により船舶所有者が雇入契約を解除したとき。
六 第43条第2項の規定により船員が雇入契約を解除したとき。
七 雇入契約が期間の満了により船員の本国以外の地で終了したとき。
八 船員が第83条の健康証明書を受けることができないため雇入契約が解除されたとき。
○2 船舶所有者は、第40条第2号から第4号までの規定により雇入契約を解除した場合又は同条第5号の規定により雇入契約を解除した場合(船員の職務外の負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のある場合に限る。)において、船員が自己の負担においてその希望する雇入港等まで移動することができないときは、遅滞なくその費用で、船員の希望により、雇入港等まで船員を送還しなければならない。ただし、送還に代えてその費用を支払うことができる。
○3 前2項の規定により船員を送還する場合における輸送手段は、正当な理由がある場合を除き、船員の希望に応じたものでなければならない。
○4 船舶所有者は、第2項の規定により、その費用で船員を送還したとき、又は送還に代えてその費用を支払ったときは、船員に対し、当該費用の償還を請求することができる。
(送還の費用)
第48条 船舶所有者の負担すべき船員の送還の費用は、送還中の運送賃、宿泊費及び食費並びに雇入契約の終了の時から遅滞なく出発する時までの宿泊費及び食費とする。
(送還手当)
第49条 船舶所有者は、第47条第1項の規定により船員を送還する場合には、船員の送還に要する日数に応じ給料の額と同額の送還手当を支払わなければならない。同項ただし書の規定により送還に代えてその費用を支払うときも同様とする。
○2 前項の送還手当は、船舶所有者が送還するときは、毎月1回、送還に代えてその費用を支払うときは、その際これを支払わなければならない。
(船員手帳)
第50条 船員は、船員手帳を受有しなければならない。
○2 船長は、海員の乗船中その船員手帳を保管しなければならない。
○3 船長は、国土交通省令で定めるところにより、船内における職務、雇入期間その他の船員の勤務に関する事項を船員手帳に記載しなければならない。
○4 船員手帳の交付、再交付、訂正、書換え及び返還に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(勤務成績証明書)
第51条 海員は、船長に対し勤務の成績に関する証明書の交付を請求することができる。
第5章 給料その他の報酬
(給料その他の報酬の定め方)
第52条 船員の給料その他の報酬は、船員労働の特殊性に基き、且つ船員の経験、能力及び職務の内容に応じて、これを定めなければならない。
(給料その他の報酬の支払方法)
第53条 給料その他の報酬は、その全額を通貨で、第56条の規定による場合を除き直接船員に支払わなければならない。ただし、法令又は労働協約に別段の定めがある場合においては給料その他の報酬の一部を控除して支払い、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は給料その他の報酬で国土交通省令で定めるものについて確実な支払の方法で国土交通省令で定めるものによる場合においては通貨以外のもので支払うことができる。
○2 国土交通省令の定める報酬を除いて、給料その他の報酬は、これを毎月1回以上一定の期日に支払わなければならない。
○3 船舶所有者は、船員に給料その他の報酬を支払う場合においては、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、給料その他の報酬の支払に関する事項を記載した書面を交付しなければならない。
第54条 船舶所有者は、左の場合には、支払期日前でも遅滞なく、船員が職務に従事した日数に応じ、前条第2項に規定する給料その他の報酬を支払わなければならない。
一 船員が解雇され、又は退職したとき。
二 船員、その同居の親族又は船員の収入によって生計を維持する者が結婚、葬祭、出産、療養又は不慮の災害の復旧に要する費用に充てようとする場合において、船員から請求のあったとき。
第55条 船長は、海員の給料その他の報酬が船内において支払われるときは、直接海員にこれを手渡さなければならない。但し、やむを得ない事由のあるときは、他の職員に手渡させることができる。
第56条 船舶所有者は、船員から請求があったときは、船員に支払わるべき給料その他の報酬をその同居の親族又は船員の収入によって生計を維持する者に渡さなければならない。
(傷病中の給料請求権)
第57条 船員は、負傷又は疾病のため職務に従事しない期間についても、雇入契約存続中給料及び国土交通省令の定める手当を請求することができる。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあったときは、この限りでない。
(歩合による報酬)
第58条 船員の報酬が歩合によって支払われる場合においては、その歩合による毎月の額が雇入契約に定める一定額に達しないときでも、その報酬の額は、その一定額を下ってはならない。
○2 第35条及び前条の規定の適用については、前項に規定する一定額の報酬は、これを給料とみなす。
○3 船員の報酬が歩合によって支払われるときは、第44条の3、第45条、第46条、第49条及び第78条の規定の適用については、雇入契約に定める額を以て1箇月分の給料の額とみなす。
○4 前項の額は、第1項の一定額以下であってはならない。
(報酬支払簿)
第58条の2 船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、報酬支払簿を備え置いて、船員に対する給料その他の報酬の支払に関する事項を記載しなければならない。
(最低報酬)
第59条 給料その他の報酬の最低基準に関しては、最低賃金法(昭和34年法律第137号)の定めるところによる。
第6章 労働時間、休日及び定員
(労働時間)
第60条 船員の1日当たりの労働時間は、8時間以内とする。
○2 船員の1週間当たりの労働時間は、基準労働期間について平均40時間以内とする。
○3 前項の基準労働期間とは、船舶の航行区域、航路その他の航海の期間及び態様に係る事項を勘案して国土交通省令で定める船舶の区分に応じて1年以下の範囲内において国土交通省令で定める期間(船舶所有者が就業規則その他これに準ずるものにより当該期間の範囲内においてこれと異なる期間を定めた場合又は労働協約により1年以下の範囲内においてこれらと異なる期間が定められた場合には、それぞれその定められた期間)をいう。
○4 国土交通大臣は、前項の国土交通省令の制定又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、交通政策審議会の議を経なければならない。
(休日)
第61条 船舶所有者が船員に与えるべき休日は、前条第2項の基準労働期間について1週間当たり平均一日以上とする。
(補償休日)
第62条 船舶所有者は、船員の労働時間(第66条(第88条の2の2第4項及び第5項並びに第88条の3第4項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける時間を除く。)が1週間において40時間を超える場合又は船員に1週間において少なくとも1日の休日を与えることができない場合には、その超える時間(当該1週間において少なくとも1日の休日が与えられない場合にあっては、その超える時間が8時間を超える時間。次項において「超過時間」という。)において作業に従事すること又はその休日を与えられないことに対する補償としての休日(以下「補償休日」という。)を、当該1週間に係る第60条第2項の基準労働期間以内にその者に与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるときその他の国土交通省令で定めるやむを得ない事由のあるときは、その事由の存する期間、補償休日を与えることを延期することができる。
○2 前項の規定により与えるべき補償休日の日数は、超過時間の合計8時間当たり又は少なくとも1日の休日が与えられない1週間当たり1日を基準として、第60条第2項及び前条の規定を遵守するために必要な日数として国土交通省令で定めるところにより算定される日数とし、その付与の単位は、1日(国土交通省令で定める場合は、国土交通省令で定める1日未満の単位)とする。
○3 第1項の規定により与えられた補償休日を含む1週間に係る同項の規定の適用については、当該補償休日はそれを与えられた船員が作業に従事した日であって休日以外のものとみなし、その労働時間は8時間(当該補償休日が前項の国土交通省令の規定による1日未満の単位で与えられたものである場合には、国土交通省令で定める時間)とみなす。
○4 前3項に定めるもののほか、補償休日の付与に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
第63条 船舶所有者は、前条第1項の規定により補償休日を与えるべき船員が当該補償休日を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与えるべき補償休日の日数に応じ、国土交通省令で定める補償休日手当を支払わなければならない。
(時間外、補償休日及び休息時間の労働)
第64条 船長は、船舶の航海の安全を確保するため臨時の必要があるときは、第60条第1項の規定若しくは第72条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させ、又は第62条第1項若しくは第65条の3の規定にかかわらず、補償休日若しくは休息時間において、自ら作業に従事し、若しくは海員を作業に従事させることができる。
○2 船長は、前項に規定する場合のほか、船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の必要がある場合においては、国土交通省令で定める時間を限度として、第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させることができる。
○3 船長は、第1項の規定により、補償休日又は休息時間において、自ら作業に従事し、又は海員を作業に従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。
第64条の2 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させることができる。
○2 国土交通大臣は、労働時間の延長を適正なものとするため、前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について、船員の福祉、時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
○3 第1項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者は、当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり、当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
○4 国土交通大臣は、第2項の基準に関し、第1項の協定をする船舶所有者及び労働組合又は船員の過半数を代表する者に対し、必要な助言及び指導を行うことができる。
第65条 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、第62条第1項の規定にかかわらず、その協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める補償休日の日数を限度として、補償休日において船員を作業に従事させることができる。
(労働時間の限度)
第65条の2 第64条第2項の規定により第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて船員を作業に従事させる場合であっても、船員の1日当たりの労働時間及び1週間当たりの労働時間は、第60条第1項の規定及び第72条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあっては次項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ14時間及び72時間を限度とする。
○2 第64条の2第1項の規定により第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて海員を作業に従事させる場合であっても、海員の1日当たりの労働時間及び1週間当たりの労働時間は、第60条第1項の規定及び第72条の国土交通省令の規定による労働時間並びに前項の規定による作業に従事する労働時間を含め、それぞれ14時間及び72時間を限度とする。
○3 船舶所有者は、船員を前2項に規定する労働時間の限度を超えて作業に従事させてはならない。
○4 第64条第1項の規定により船員が作業に従事した労働時間は、第1項及び第2項に規定する労働時間には算入しないものとする。
○5 第1項から第3項までの規定は、海底の掘削に従事する船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員がこれらの規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶として国土交通省令で定めるものについては、適用しない。
(休息時間)
第65条の3 船舶所有者は、休息時間を1日について3回以上に分割して船員に与えてはならない。
○2 船舶所有者は、前項に規定する休息時間を1日について2回に分割して船員に与える場合において、休息時間のうち、いずれか長い方の休息時間を6時間以上としなければならない。
○3 前2項の規定にかかわらず、船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、その使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは船員の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを国土交通大臣に届け出た場合においては、その協定で定めるところにより、休息時間を、1日について3回以上に分割して、又は前項に規定する場合において休息時間のうちいずれか長い方の休息時間を6時間未満として、船員(海員にあっては、次に掲げる者に限る。)に与えることができる。
一 船舶が狭い水路を通過するため航海当直の員数を増加する必要がある場合その他の国土交通省令で定める特別の安全上の必要がある場合において作業に従事する海員
二 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が前2項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに乗り組む海員
(割増手当)
第66条 船舶所有者は、第64条から第65条までの規定により、船員が、第60条第1項の規定若しくは第72条の国土交通省令の規定による労働時間の制限を超えて又は補償休日において作業に従事したときは、国土交通省令で定める割増手当を支払わなければならない。
(通常配置表)
第66条の2 船長は、第12条から第14条までに規定する場合その他非常の場合以外の通常の場合における船員の船内作業の時間帯及び作業内容に関し、国土交通省令で定めるところにより、通常配置表を定め、これを船員室その他適当な場所に掲示しておかなければならない。
(記録簿の備置き等)
第67条 船長は、国土交通省令で定めるところにより、船内に帳簿を備え置いて、船員の労働時間、補償休日、休息時間及び第66条(第88条の2の2第4項及び第5項並びに第88条の3第4項において準用する場合を含む。)の割増手当に関する事項を記載しなければならない。
○2 船長は、国土交通省令で定めるところにより、船員に対し、前項の帳簿の写しを交付しなければならない。
○3 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、休日付与簿を備え置いて、船員に対する休日の付与に関する事項を記載しなければならない。
(例外規定)
第68条 第60条から前条までの規定及び第72条の国土交通省令の規定は、船員が次に掲げる作業に従事する場合(海員にあっては、船長の命令によりこれらの作業に従事する場合に限る。)には、これを適用しない。
一 人命、船舶若しくは積荷の安全を図るため又は人命若しくは他の船舶を救助するため緊急を要する作業
二 防火操練、救命艇操練その他これらに類似する作業
三 航海当直の通常の交代のために必要な作業
○2 船長は、補償休日又は休息時間において、前項各号に掲げる作業に自ら従事し、又は海員を従事させたときは、船舶の運航の安全の確保に支障を及ぼさない限りにおいて、当該作業の終了後できる限り速やかに休息をし、又は休息をさせるよう努めなければならない。
(定員)
第69条 船舶所有者は、国土交通省令で定める場合を除いて、第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省令の規定を遵守するために必要な海員の定員を定めて、その員数の海員を乗り組ませなければならない。
○2 船舶所有者は、航海中海員に欠員を生じたときは、遅滞なくその欠員を補充しなければならない。
第70条 船舶所有者は、前条の規定によるほか、航海当直その他の船舶の航海の安全を確保するための作業を適切に実施するために必要な員数の海員を乗り組ませなければならない。
(適用範囲等)
第71条 第60条から第69条までの規定は、次に掲げる船舶については、これを適用しない。
一 漁船
二 船員が断続的作業に従事する船舶で船舶所有者が国土交通大臣の許可を受けたもの
○2 前項各号の船舶に係る前条の規定の適用については、同条中「前条の規定によるほか、航海当直」とあるのは、「航海当直」とする。
(特例)
第72条 定期的に短距離の航路に就航するため入出港が頻繁である船舶その他のその航海の態様が特殊であるため船員が第60条第1項の規定によることが著しく不適当な職務に従事することとなると認められる船舶で国土交通大臣の指定するものに関しては、当該船舶の航海の態様及び当該船員の職務に応じ、国土交通省令で定める一定の期間を平均した1日当たりの労働時間が8時間を超えず、かつ、1日当たりの労働時間が14時間を超えない範囲内において、船員の1日当たりの労働時間について国土交通省令で別段の定めをすることができる。
第73条 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、交通政策審議会の決議により、第60条から第69条までの規定の適用を受けない船員の労働時間、休日及び定員に関し必要な国土交通省令を発することができる。
第7章 有給休暇
(有給休暇の付与)
第74条 船舶所有者は、船員が同一の事業に属する船舶において初めて6箇月間連続して勤務(船舶のぎ装又は修繕中の勤務を含む。以下同じ。)に従事したときは、その6箇月の経過後1年以内にその船員に次条第1項又は第2項の規定による日数の有給休暇を与えなければならない。ただし、船舶が航海の途中にあるとき、又は船舶の工事のため特に必要がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、当該航海又は工事に必要な期間(工事の場合にあっては、3箇月以内に限る。)、有給休暇を与えることを延期することができる。
○2 船舶所有者は、船員が前項の規定により与えられた有給休暇に係る連続した勤務の後に当該同一の事業に属する船舶において1年間連続して勤務に従事したときは、その1年の経過後1年以内にその船員に次条第3項又は第4項の規定による日数の有給休暇を与えなければならない。
○3 第1項ただし書の規定は、前項の場合について準用する。
○4 船員が同一の事業に属する船舶における勤務に準ずる勤務として国土交通省令で定めるものに従事した期間並びに船員が職務上負傷し、又は疾病にかかり療養のため勤務に従事しない期間、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業(同法第61条第3項(同条第6項において準用する場合を含む。)に規定する介護をするための休業を含む。)をした期間及び女子の船員が第87条第1項又は第2項の規定によって勤務に従事しない期間は、連続して勤務に従事した期間の計算については、同一の事業に属する船舶において勤務に従事した期間とみなす。
○5 船舶における勤務が中断した場合において、その中断の事由が船員の故意又は過失によるものでなく、かつ、その中断の期間の合計が1年当たり6週間を超えないときは、その中断の期間は、船員が当該期間の前後の勤務と連続して勤務に従事した期間とみなす。
(有給休暇の日数)
第75条 前条第1項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、連続した勤務6箇月について15日とし、連続した勤務3箇月を増すごとに5日を加える。ただし、同項ただし書の規定により有給休暇の付与を延期したときは、その延期した期間1箇月を増すごとに2日を加える。
○2 沿海区域又は平水区域を航行区域とする船舶で国内各港間のみを航海するものに乗り組む船員に前条第1項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、前項の規定にかかわらず、連続した勤務6箇月について10日とし、連続した勤務3箇月を増すごとに3日(同項ただし書に規定する期間については、1箇月を増すごとに1日)を加える。
○3 前条第2項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、連続した勤務1年について25日とし、連続した勤務3箇月を増すごとに5日を加える。ただし、同条第3項において準用する同条第1項ただし書の規定により有給休暇の付与を延期したときは、その延期した期間1箇月を増すごとに2日を加える。
○4 第2項に規定する船員に前条第2項の規定により与えなければならない有給休暇の日数は、前項の規定にかかわらず、連続した勤務1年について15日とし、連続した勤務3箇月を増すごとに3日(同項ただし書に規定する期間については、1箇月を増すごとに1日)を加える。
第76条 船舶所有者が船員に週休日、祝祭日の休日、慣習による休日又はこれらに代わるべき休日を与えているときは、その休日の日数は、これを前条の有給休暇の日数に算入しないものとする。負傷又は疾病に因り勤務に従事しない日数も同様とする。
(有給休暇の与え方)
第77条 有給休暇を与うべき時期及び場所については、船舶所有者と船員との協議による。
○2 有給休暇は、労働協約の定めるところにより、期間を分けて、これを与えることができる。
(有給休暇中の報酬)
第78条 船舶所有者は、有給休暇中船員に給料並びに国土交通省令の定める手当及び食費を支払わなければならない。
○2 船舶所有者は、有給休暇を請求することができる船員が有給休暇を与えられる前に解雇され、又は退職したときは、その者に与うべき有給休暇の日数に応じ前項の給料、手当及び食費を支払わなければならない。
(適用範囲等)
第79条 この章の規定は、左の船舶については、これを適用しない。
一 漁船
二 船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶
第79条の2 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、交通政策審議会の決議により、漁船に乗り組む船員の有給休暇に関し必要な国土交通省令を発することができる。
第8章 食料並びに安全及び衛生
(食料の支給)
第80条 船舶所有者は、船員の乗船中、これに食料を支給しなければならない。
○2 前項の規定による食料の支給は、船員が職務に従事する期間又は船員が負傷若しくは疾病のため職務に従事しない期間においては、船舶所有者の費用で行わなければならない。
○3 第1項の規定による食料の支給は、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶で総トン数700トン以上のもの又は国土交通省令で定める漁船に乗り組む船員に支給する場合にあっては、国土交通大臣の定める食料表に基づいて行わなければならない。
○4 船舶所有者は、その大きさ、航行区域及び航海の態様を勘案して国土交通省令で定める船舶には、第1項の規定による船内における食料の支給を適切に行う能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に該当する者を乗り組ませなければならない。
(安全及び衛生)
第81条 船舶所有者は、作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備その他の船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令で定める事項を遵守しなければならない。
○2 船舶所有者は、国土交通省令で定める危険な船内作業については、国土交通省令で定める経験又は技能を有しない船員を従事させてはならない。
○3 船舶所有者は、次に掲げる船員を作業に従事させてはならない。
一 伝染病にかかった船員
二 心身の障害により作業を適正に行うことができない船員として国土交通省令で定めるもの
三 前2号に掲げるもののほか、労働に従事することによって病勢の増悪するおそれのある疾病として国土交通省令で定めるものにかかった船員
○4 船員は、船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し国土交通省令の定める事項を遵守しなければならない。
(医師)
第82条 船舶所有者は、左の船舶には、医師を乗り組ませなければならない。但し、国内各港間を航海するとき、国土交通省令の定める区域のみを航海するとき、又は国土交通省令の定める短期間の航海を行なう場合若しくはやむを得ない事由がある場合において国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
一 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする総トン数3000トン以上の船舶で最大とう載人員100人以上のもの
二 前号に掲げる船舶以外の遠洋区域を航行区域とする国土交通省令の定める船舶で国土交通大臣の指定する航路に就航するもの
三 国土交通省令の定める母船式漁業に従事する漁船
(衛生管理者)
第82条の2 船舶所有者は、左の船舶(前条各号に掲げるものを除く。)については、乗組員の中から衛生管理者を選任しなければならない。但し、国内各港間を航海する場合又は国土交通省令の定める区域のみを航海する場合は、この限りでない。
一 遠洋区域又は近海区域を航行区域とする総トン数3000トン以上の船舶
二 国土交通省令の定める漁船
○2 衛生管理者は、衛生管理者適任証書を受有する者でなければならない。但し、やむを得ない事由がある場合において、国土交通大臣の許可を受けたときは、この限りでない。
○3 国土交通大臣は、左に掲げる者に衛生管理者適任証書を交付する。
一 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣の行なう試験に合格した者
二 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣が前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
○4 衛生管理者は、国土交通省令の定めるところにより、船内の衛生管理に必要な業務に従事しなければならない。その業務については、衛生管理者は、必要に応じ、医師の指導を受けるように努めなければならない。
○5 前各項に定めるものの外、衛生管理者及び衛生管理者適任証書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(健康証明書)
第83条 船舶所有者は、国土交通大臣の指定する医師が船内労働に適することを証明した健康証明書を持たない者を船舶に乗り組ませてはならない。
○2 健康証明書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
第9章 年少船員
(未成年者の行為能力)
第84条 未成年者が船員となるには、法定代理人の許可を受けなければならない。
○2 前項の許可を受けた者は、雇入契約に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
(年少船員の就業制限)
第85条 船舶所有者は、年齢16年未満の者(漁船にあっては、年齢15年に達した日以後の最初の3月31日が終了した者を除く。)を船員として使用してはならない。ただし、同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、この限りでない。
○2 船舶所有者は、年齢18年未満の船員を第81条第2項の国土交通省令で定める危険な船内作業又は国土交通省令で定める当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事させてはならない。
○3 船舶所有者は、年齢18年未満の者を船員として使用しようとするときは、その者の船員手帳に国土交通大臣の認証を受けなければならない。
○4 前項の認証に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(年少船員の夜間労働の禁止)
第86条 船舶所有者は、年齢18年未満の船員を午後8時から翌日の午前5時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令の定める場合において午前零時から午前5時までの間を含む連続した9時間の休息をさせるときは、この限りでない。
○2 前項の規定は、第68条第1項第1号の作業に従事させる場合には、これを適用しない。
○3 第1項の規定は、漁船及び船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。
第9章の2 女子船員
(妊産婦の就業制限)
第87条 船舶所有者は、妊娠中の女子を船内で使用してはならない。ただし、次の各号の一に掲げる場合は、この限りでない。
一 国土交通省令で定める範囲の航海に関し、妊娠中の女子が船内で作業に従事することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたとき。
二 女子の船員が妊娠中であることが航海中に判明した場合において、その者が当該船舶の航海の安全を図るために必要な作業に従事するとき。
○2 船舶所有者は、出産後8週間を経過しない女子を船内で使用してはならない。ただし、出産後6週間を経過した女子が船内で作業に従事することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、この限りでない。
○3 船舶所有者は、第1項ただし書の規定に基づき、妊娠中の女子を船内で作業に従事させる場合において、その女子の申出があったときは、その者を軽易な作業に従事させなければならない。
第88条 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、妊娠中又は出産後1年以内の女子(以下「妊産婦」という。)の船員を国土交通省令で定める母性保護上有害な作業に従事させてはならない。
(妊産婦の労働時間及び休日の特例)
第88条の2 第61条、第64条から第65条の2まで、第65条の3第3項、第66条、第68条第1項及び第71条から第73条までの規定は、妊産婦の船員については、これを適用しない。
第88条の2の2 船舶所有者は、妊産婦の船員を第60条第1項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事させてはならない。
○2 船舶所有者は、出産後8週間を経過した妊産婦の船員が、第64条第1項に規定する場合において、第60条第1項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき(その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合に限る。)は、前項の規定にかかわらず、同条第1項の規定による労働時間の制限を超えて当該妊産婦の船員を作業に従事させることができる。
○3 船舶所有者は、出産後8週間を経過した妊産婦の船員が、第64条第2項に規定する場合において、第60条第1項の規定による労働時間の制限を超えて作業に従事することを申し出たとき(その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合に限る。)は、第1項の規定にかかわらず、第64条第2項の国土交通省令で定める時間を限度として、第60条第1項の規定による労働時間の制限を超えて当該妊産婦の船員を作業に従事させることができる。
○4 第64条第3項及び第66条の規定は、第2項の規定により妊産婦の船員が労働時間の制限を超えて作業に従事した場合について準用する。この場合において、第66条中「第60条第1項の規定若しくは第72条の国土交通省令の規定」とあるのは、「第60条第1項の規定」と読み替えるものとする。
○5 第65条の2第1項、第3項及び第4項並びに第66条の規定は、第3項の規定により妊産婦の船員が労働時間の制限を超えて作業に従事した場合について準用する。この場合において、第65条の2第1項中「第60条第1項の規定又は第72条の国土交通省令の規定」とあるのは「第60条第1項の規定」と、「第60条第1項の規定及び第72条の国土交通省令の規定による労働時間並びに海員にあっては次項の規定による作業に従事する」とあるのは「同項の規定による」と、同条第3項中「前2項」とあるのは「第88条の2の2第5項において準用する第1項」と、同条第4項中「第64条第1項」とあるのは「第88条の2の2第2項」と、「第1項及び第2項」とあるのは「同条第5項において準用する第1項」と、第66条中「第60条第1項の規定若しくは第72条の国土交通省令の規定」とあるのは「第60条第1項の規定」と読み替えるものとする。
○6 第65条の3第3項の規定は、出産後8週間を経過した妊産婦の船員(海員にあっては、同項各号に掲げる者に限る。)がその休息時間を同項の協定で定めるところによることを船舶所有者に申し出て、その者の母性保護上支障がないと医師が認めた場合について準用する。
第88条の3 船舶所有者は、妊産婦の船員に1週間について少なくとも1日の休日(第62条第1項の規定により与えられる補償休日を除く。)を与えなければならない。
○2 妊産婦の船員に係る第62条の規定の適用については、同条第1項中「1週間において40時間を超える場合又は船員に1週間において少なくとも1日の休日を与えることができない場合」とあるのは「1週間において40時間を超える場合」と、「当該1週間において少なくとも1日の休日が与えられない場合にあっては、その超える時間が8時間を超える時間。次項において」とあるのは「次項において」と、「作業に従事すること又はその休日を与えられないこと」とあるのは「作業に従事すること」と、同条第2項中「超過時間の合計8時間当たり又は少なくとも1日の休日が与えられない1週間当たり1日を基準として、第60条第2項及び前条」とあるのは「超過時間の合計8時間当たり1日を基準として、第60条第2項」とする。
○3 船舶所有者は、出産後8週間を経過した妊産婦の船員が次に掲げる申出をした場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、第1項及び前項の規定により読み替えて適用する第62条第1項の規定にかかわらず、当該妊産婦の船員を休日において作業に従事させることができる。
一 第64条第1項に規定する場合において、休日において作業に従事することの申出
二 第65条に規定する場合において、同条の協定で定めるところにより、かつ、国土交通省令で定める日数を超えない範囲内で、休日において作業に従事することの申出
○4 第66条の規定は、前項の規定により妊産婦の船員が休日において作業に従事した場合について準用する。
(妊産婦の夜間労働の制限)
第88条の4 船舶所有者は、妊産婦の船員を午後8時から翌日の午前5時までの間において作業に従事させてはならない。ただし、国土交通省令で定める場合において、これと異なる時刻の間において午前零時前後にわたり連続して9時間休息させるときは、この限りでない。
○2 前項の規定は、出産後8週間を経過した妊産婦の船員が同項本文の時刻の間において作業に従事すること又は同項ただし書の規定による休息時間を短縮することを申し出た場合において、その者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは、これを適用しない。
(例外規定)
第88条の5 第60条、第62条、第63条、第65条の3第1項及び第2項、第66条の2、第67条並びに前3条の規定は、船舶所有者が妊産婦の船員を第68条第1項第1号の作業に従事させる場合には、これを適用しない。
(妊産婦以外の女子船員の就業制限)
第88条の6 船舶所有者は、妊産婦以外の女子の船員を第88条に規定する作業のうち国土交通省令で定める女子の妊娠又は出産に係る機能に有害なものに従事させてはならない。
(生理日における就業制限)
第88条の7 船舶所有者は、生理日における就業が著しく困難な女子の船員の請求があったときは、その者を生理日において作業に従事させてはならない。
(適用範囲)
第88条の8 この章の規定は、船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶については、これを適用しない。
第10章 災害補償
(療養補償)
第89条 船員が職務上負傷し、又は疾病にかかったときは、船舶所有者は、その負傷又は疾病がなおるまで、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。
○2 船員が雇入契約存続中職務外で負傷し、又は疾病にかかったときは、船舶所有者は、3箇月の範囲内において、その費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担しなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあったときは、この限りでない。
第90条 前条の療養は、次の各号のものとする。
一 診察
二 薬剤又は治療材料の支給
三 処置、手術その他の治療
四 居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
六 治療に必要な自宅以外の場所への収容(食料の支給を含む。)
七 移送
(傷病手当及び予後手当)
第91条 船員が職務上負傷し、又は疾病にかかったときは、船舶所有者は、4箇月の範囲内においてその負傷又は疾病がなおるまで毎月1回、国土交通省令の定める報酬(以下標準報酬という。)の月額に相当する額の傷病手当を支払い、その4箇月が経過してもその負傷又は疾病がなおらないときは、そのなおるまで毎月1回、標準報酬の月額の100分の60に相当する額の傷病手当を支払わなければならない。
○2 船舶所有者は、前項の負傷又は疾病がなおった後遅滞なく、標準報酬の月額の100分の60に相当する額の予後手当を支払わなければならない。
○3 前2項の規定は、負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあったときは、これを適用しない。
(障害手当)
第92条 船員の職務上の負傷又は疾病がなおった場合において、なおその船員の身体に障害が存するときは、船舶所有者は、なおった後遅滞なく、標準報酬の月額に障害の程度に応じ別表に定める月数を乗じて得た額の障害手当を支払わなければならない。但し、その負傷又は疾病につき船員に故意又は重大な過失のあったときは、この限りでない。
(行方不明手当)
第92条の2 船舶所有者は、船員が職務上行方不明となったときは、3箇月の範囲内において、行方不明期間中毎月1回、国土交通省令の定める被扶養者に標準報酬の月額に相当する額の行方不明手当を支払わなければならない。但し、行方不明の期間が1箇月に満たない場合は、この限りでない。
(遺族手当)
第93条 船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族に標準報酬の月額の36箇月分に相当する額の遺族手当を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
(葬祭料)
第94条 船員が職務上死亡したときは、船舶所有者は、遅滞なく、国土交通省令の定める遺族で葬祭を行う者に標準報酬の月額の2箇月分に相当する額の葬祭料を支払わなければならない。船員が職務上の負傷又は疾病に因り死亡したときも同様とする。
(他の給付との関係)
第95条 第89条から前条までの規定により療養又は費用、手当若しくは葬祭料の支払(以下災害補償と総称する。)を受くべき者が、その災害補償を受くべき事由と同一の事由により労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)若しくは船員保険法による保険給付又は国土交通省令で指定する法令に基いて災害補償に相当する給付を受くべきときは、船舶所有者は、災害補償の責を免れる。
(審査及び仲裁)
第96条 職務上の負傷、疾病、行方不明又は死亡の認定、療養の方法、災害補償の金額の決定その他災害補償の実施に関して異議のある者は、国土交通大臣に対して審査又は事件の仲裁を申し立てることができる。
○2 国土交通大臣は、必要があると認めるときは、職権で審査又は事件の仲裁をすることができる。
○3 国土交通大臣は、審査又は事件の仲裁に際し船長その他の関係人の意見を聴かなければならない。
○4 国土交通大臣は、審査又は事件の仲裁のため必要があると認めるときは、医師に診断又は検案をさせることができる。
○5 第1項の規定による審査又は事件の仲裁の申立て及び第2項の規定による審査又は事件の仲裁の開始は、時効の中断に関しては、これを裁判上の請求とみなす。
第11章 就業規則
(就業規則の作成及び届出)
第97条 常時10人以上の船員を使用する船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、次の事項について就業規則を作成し、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
一 給料その他の報酬
二 労働時間
三 休日及び休暇
四 定員
○2 前項の船舶所有者は、次の事項について就業規則を作成したときは、これを国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更したときも同様とする。
一 食料並びに安全及び衛生
二 被服及び日用品
三 陸上における宿泊、休養、医療及び慰安の施設
四 災害補償
五 失業手当、雇止手当及び退職手当
六 送還
七 教育
八 賞罰
九 その他の労働条件
○3 船舶所有者を構成員とする団体で法人たるものは、その構成員たる第1項の船舶所有者について適用される就業規則を作成して、これを届け出ることができる。その変更についても同様とする。
○4 前項の規定による届出があったときは、同項に規定する船舶所有者は、当該就業規則の作成及びその作成又は変更の届出をしなくてもよい。
○5 第1項乃至第3項の規定による届出には、第98条の規定により聴いた意見を記載した書面を添附しなければならない。
(就業規則の作成の手続)
第98条 船舶所有者又は前条第3項に規定する団体は、就業規則を作成し、又は変更するには、その就業規則の適用される船舶所有者の使用する船員の過半数で組織する労働組合があるときは、その労働組合、船員の過半数で組織する労働組合がないときは、船員の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
(就業規則の監督)
第99条 国土交通大臣は、法令又は労働協約に違反する就業規則の変更を命ずることができる。
○2 国土交通大臣は、就業規則が不当であると認めるときは、交通政策審議会又は地方運輸局に置かれる政令で定める審議会(以下「交通政策審議会等」という。)の議を経て、その変更を命ずることができる。
(就業規則の効力)
第100条 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める雇入契約は、その部分については、無効とする。この場合には、雇入契約は、その無効の部分については、就業規則で定める基準に達する労働条件を定めたものとみなす。
第11章の2 船員の労働条件等の検査等
(定期検査)
第100条の2 総トン数500トン以上の日本船舶(漁船その他国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。以下「特定船舶」という。)の船舶所有者は、当該特定船舶を初めて本邦の港と本邦以外の地域の港との間又は本邦以外の地域の各港間の航海(以下「国際航海」という。)に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件、安全衛生その他の労働環境及び療養補償(以下「労働条件等」という。)について、国土交通大臣又は第100条の12の規定により国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)の行う定期検査を受けなければならない。次条第1項の海上労働証書又は第100条の6第3項の臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶をその有効期間満了後も国際航海に従事させようとするときも、同様とする。
2 前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他同項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であって、国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
(海上労働証書)
第100条の3 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条第1項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書を交付しなければならない。国土交通大臣又は登録検査機関が同項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めた場合において、国土交通大臣が当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めたときも、同様とする。
一 第32条第1項及び第3項の規定により、船員にこれらの規定に規定する書面が交付されていること。
二 第32条の2各号に掲げる者が船員として雇い入れられていないこと。
三 第36条第1項及び第2項の規定により、船員にこれらの規定に規定する書面が交付されていること。
四 第36条第3項の規定により、同項に規定する書面の写しが船内に備え置かれていること。
五 第47条第1項又は第2項の規定による送還(当該送還に代えてするその費用の支払を含む。)を確実に実施するために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置が講じられていること。
六 第50条第3項の規定により、船員の勤務に関する事項が船員手帳に記載されていること。
七 第53条第1項及び第2項並びに第56条の規定により、船員に給料その他の報酬が支払われていること。
八 第53条第3項の規定により、船員に同項に規定する書面が交付されていること。
九 船員の労働時間及び休日が、第60条第1項及び第2項、第61条、第62条、第64条第1項及び第2項、第64条の2第1項、第65条、第65条の2第1項(第88条の2の2第5項において準用する場合を含む。)及び第2項、第65条の2第3項及び第4項(これらの規定を第88条の2の2第5項において準用する場合を含む。)並びに第5項、第65条の3第1項及び第2項、同条第3項(第88条の2の2第6項において準用する場合を含む。)、第68条第1項、第71条、第72条、第88条の2、第88条の2の2第1項から第3項まで、第88条の3第1項から第3項まで並びに第88条の5の規定による基準に適合しているものであること。
十 第66条の2の規定により、通常配置表が定められ、及びこれが掲示されていること。
十一 第67条第1項の規定により同項に規定する事項が記載された帳簿が備え置かれており、かつ、同条第2項の規定によりその写しが船員に交付されていること。
十二 第70条の規定により、必要な員数の海員が乗り組んでいること。
十三 第80条第1項から第3項までの規定により、船員に食料が支給されていること。
十四 第80条第4項の国土交通省令で定める船舶にあっては、同項の国土交通省令で定める基準に該当する者が乗り組んでいること。
十五 船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し第81条第1項の国土交通省令で定める事項が遵守されていること。
十六 第81条第2項の国土交通省令で定める危険な船内作業に、同項の国土交通省令で定める経験又は技能を有しない船員が従事していないこと。
十七 第81条第3項各号に掲げる船員が作業に従事していないこと。
十八 第82条第1号及び第2号に掲げる船舶にあっては、同条の規定により、医師が乗り組んでいること。
十九 第82条の2第1項第1号に掲げる船舶にあっては、同項及び同条第2項の規定により、衛生管理者が選任されていること。
二十 第83条第1項の健康証明書を持たない者が船舶に乗り組んでいないこと。
二十一 年齢16年未満の者が船員として使用されていないこと。
二十二 年齢18年未満の船員が第81条第2項の国土交通省令で定める危険な船内作業又は第85条第2項の国土交通省令で定める当該船員の安全及び衛生上有害な作業に従事していないこと。
二十三 年齢18年未満の船員が第86条の規定により作業に従事させてはならない時刻の間において作業に従事していないこと。
二十四 第89条の規定により、船員が負傷し、又は疾病にかかったとき(第95条に規定する場合を除く。)において、船舶所有者がその費用で療養を施し、又は療養に必要な費用を負担していること。
二十五 第92条の障害手当及び第93条の遺族手当を確実に支払うために必要な金額を担保するための保険契約の締結その他の措置が講じられていること。
二十六 第113条第1項の規定により、同項に規定する書類が船内の見やすい場所に掲示され、又は備え置かれていること。
二十七 第117条の2第1項の国土交通省令で定める船舶にあっては、同項の規定により、同項に規定する航海当直部員が乗り組んでいること。
二十八 第118条の4第1項の規定により、同項に規定する船内苦情処理手続が定められていること。
二十九 第118条の4第2項の規定により、船員に同項に規定する書面が交付されていること。
三十 第118条の4第3項の規定により、同条第1項の苦情が処理されていること。
三十一 第118条の4第1項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して不利益な取扱いがされていないこと。
三十二 有効な船舶安全法(昭和8年法律第11号)第9条第1項の船舶検査証書又は同条第2項の臨時航行許可証の交付を受けていること。
三十三 船舶職員及び小型船舶操縦者法第2条第1項に規定する船舶(同条第4項に規定する小型船舶を除く。)にあっては、同法第18条、第19条第1項及び第23条第5項の規定により、同法第2条第2項に規定する船舶職員が乗り組んでいること。
三十四 国土交通省令で定めるところにより、当該船舶が前各号に掲げる要件に適合するために船舶所有者が実施すべき事項並びにその管理の体制及び方法が定められており、かつ、これらが適確に実施されていること。
2 前項の海上労働証書(以下「海上労働証書」という。)の有効期間は、5年とする。
3 前項の規定にかかわらず、海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者の変更があったときは、当該船舶に交付された海上労働証書の有効期間は、その変更があった日に満了したものとみなす。
4 従前の海上労働証書の有効期間が満了する日前3月以内に受けた前条第1項後段の検査に係る海上労働証書の交付を受けた場合における当該海上労働証書の有効期間は、第2項の規定にかかわらず、従前の海上労働証書の有効期間が満了する日の翌日から起算して5年を経過する日が経過するまでの期間とする。
(中間検査)
第100条の4 海上労働証書の交付を受けた船舶の船舶所有者は、当該海上労働証書の有効期間中において国土交通省令で定める時期に、当該船舶に係る船員の労働条件等について国土交通大臣又は登録検査機関の行う中間検査を受けなければならない。
(海上労働証書の効力の停止)
第100条の5 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が前条の検査の結果当該船舶が第100条の3第1項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めたときは、当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めるまでの間、当該船舶に交付された海上労働証書の効力を停止するものとする。
(臨時海上労働証書)
第100条の6 特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶について船舶所有者の変更があったことその他の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていない当該特定船舶を臨時に国際航海に従事させようとするときは、当該特定船舶に係る船員の労働条件等について、国土交通大臣又は登録検査機関(当該特定船舶が海上運送法第39条の5第4項の規定による検査を受けた船舶であるときは、正当な理由がある場合を除き、国土交通大臣又は登録検査機関のうち当該検査を行ったもの)の行う検査を受けなければならない。
2 前項の検査は、特定船舶以外の日本船舶(漁船その他第100条の2第1項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)であって、前項の国土交通省令で定める事由により有効な海上労働証書の交付を受けていないものを臨時に国際航海に従事させようとするものについても、船舶所有者の申請により実施することができる。
3 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が第1項の検査の結果当該船舶が次に掲げる要件の全てに適合すると認めたときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書を交付しなければならない。
一 第100条の3第1項第1号から第5号まで、第10号、第12号、第14号、第18号から第21号まで、第25号から第29号まで、第32号及び第33号の要件に適合していること。
二 船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関し第81条第1項の国土交通省令で定める事項のうち、作業用具の整備、船内衛生の保持に必要な設備の設置及び物品の備付け並びに船内作業による危害の防止及び船内衛生の保持に関する措置の船内における実施及びその管理の体制の整備に関するものとして国土交通省令で定める事項が遵守されていること。
三 国土交通省令で定めるところにより、当該船舶が第100条の3第1項第1号から第33号までに掲げる要件に適合するために船舶所有者が実施すべき事項並びにその管理の体制及び方法が定められていること。
4 前項の臨時海上労働証書(以下「臨時海上労働証書」という。)の有効期間は、6月とする。ただし、その有効期間は、当該船舶の船舶所有者が当該船舶について海上労働証書の交付を受けたときは、満了したものとみなす。
5 第100条の3第3項の規定は、臨時海上労働証書について準用する。
(特定船舶の航行)
第100条の7 特定船舶は、有効な海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けているものでなければ、国際航海に従事させてはならない。
(海上労働証書等の備置き)
第100条の8 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、当該特定船舶内に、国土交通省令で定めるところにより、これらの証書を備え置かなければならない。
(再検査)
第100条の9 第100条の2第1項、第100条の4又は第100条の6第1項の検査(以下「法定検査」という。)の結果に不服がある者は、その結果に関する通知を受けた日の翌日から起算して30日以内に、その理由を記載した文書を添えて国土交通大臣に再検査を申請することができる。
2 法定検査又は前項の再検査の結果に不服がある者は、その取消しの訴えを提起することができる。
3 再検査を申請した者は、国土交通大臣の許可を受けた後でなければ関係する帳簿書類その他の物件の現状を変更してはならない。
4 法定検査の結果に不服がある者は、第1項及び第2項の規定によることによってのみこれを争うことができる。
(証書の返納命令)
第100条の10 国土交通大臣は、海上労働証書の交付を受けた船舶が、第100条の3第1項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、海上労働証書の返納を命ずることができる。
2 国土交通大臣は、臨時海上労働証書の交付を受けた船舶が、第100条の6第3項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該船舶の船舶所有者に対し、臨時海上労働証書の返納を命ずることができる。
(国土交通省令への委任)
第100条の11 法定検査の申請書の様式、法定検査の実施方法その他法定検査に関し必要な事項並びに海上労働証書及び臨時海上労働証書の様式、これらの証書の交付、再交付及び書換えその他これらの証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第11章の3 登録検査機関
(登録)
第100条の12 第100条の2第1項の規定による登録(以下単に「登録」という。)は、法定検査を行おうとする者の申請により行う。
2 国土交通大臣は、前項の規定により登録の申請をした者(以下この項及び次項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
一 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者(第100条の17において「検査員」という。)が検査を実施すること。
イ 船員の労働条件等の検査について3年以上の実務の経験を有すること。
ロ 船舶職員及び小型船舶操縦者法第2条第2項に規定する船舶職員として5年以上の乗船経験を有すること。
ハ イ又はロに掲げる者と同等以上の知識経験を有すること。
二 登録申請者が、船舶所有者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、船舶所有者がその親法人(会社法(平成17年法律第86号)第879条第1項に規定する親法人をいい、当該登録申請者が外国にある事務所において検査に係る業務(以下「検査業務」という。)を行おうとする者である場合にあっては、外国における同法の親法人に相当するものを含む。)であること。
ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第575条第1項に規定する持分会社をいう。)にあっては、業務を執行する社員)に占める船舶所有者の役員又は職員(過去2年間に当該船舶所有者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が2分の1を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、船舶所有者の役員又は職員(過去2年間に当該船舶所有者の役員又は職員であった者を含む。)であること。
3 国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
一 この法律、船舶安全法、船員職業安定法若しくは船舶職員及び小型船舶操縦者法又はこれらの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第100条の26第1項又は第2項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
4 登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録を受けた者が検査を行う事業所の所在地
四 前3号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
(登録の更新)
第100条の13 登録は、3年を下らない政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2 前条の規定は、前項の登録の更新について準用する。
(検査の義務)
第100条の14 登録検査機関は、検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、検査を行わなければならない。
2 登録検査機関は、公正に、かつ、第100条の12第2項第1号に掲げる要件に適合する方法により検査を行わなければならない。
(登録事項の変更の届出)
第100条の15 登録検査機関は、第100条の12第4項第2号から第4号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の2週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
(検査業務規程)
第100条の16 登録検査機関は、検査業務の開始前に、検査業務の実施に関する規程(以下この章において「検査業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の認可をした検査業務規程が検査業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、登録検査機関(外国にある事務所において検査業務を行う登録検査機関(以下「外国登録検査機関」という。)を除く。)に対し、その検査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3 検査業務規程には、検査業務の実施方法、専任の管理責任者の選任その他の検査業務の信頼性を確保するための措置、検査に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
(検査員)
第100条の17 登録検査機関は、検査員を選任したときは、その日から15日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、検査員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは前条第1項の規定により認可を受けた検査業務規程に違反する行為をしたとき、又は検査業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、検査員の解任を命ずることができる。
3 前項の規定による命令により検査員の職を解任され、解任の日から2年を経過しない者は、検査員となることができない。
(役員及び職員の公務員たる性質)
第100条の18 登録検査機関の役員及び職員で検査業務に従事するものは、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第100条の19 登録検査機関は、毎事業年度経過後3月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この条において同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項、第100条の26第2項第4号及び第133条の2において「財務諸表等」という。)を作成し、国土交通大臣に提出するとともに、5年間事務所に備えて置かなければならない。
2 船舶所有者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
(業務の休廃止)
第100条の20 登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(適合命令)
第100条の21 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第100条の12第2項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(改善命令)
第100条の22 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第100条の14の規定に違反していると認めるときは、その登録検査機関に対し、同条の規定による検査業務を行うべきこと又は検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(準用)
第100条の23 第100条の16第2項、第100条の17第2項及び前2条の規定は、外国登録検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。
(報告の徴収)
第100条の24 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
(立入検査)
第100条の25 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(登録の取消し等)
第100条の26 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第100条の12第3項第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
二 第100条の15、第100条の17第1項、第100条の19第1項、第100条の20又は次条の規定に違反したとき。
三 第100条の16第1項の規定による認可を受けず、又は同項の規定による認可を受けた検査業務規程によらないで検査を行ったとき。
四 第100条の16第2項、第100条の17第2項、第100条の21又は第100条の22の規定による命令に違反したとき。
五 正当な理由がないのに第100条の19第2項各号の規定による請求を拒んだとき。
六 不正の手段により登録を受けたとき。
2 国土交通大臣は、外国登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
一 前項第1号、第2号(第100条の19第1項に係る部分を除く。)、第3号又は第6号のいずれかに該当するとき。
二 第100条の23の規定により読み替えて準用する第100条の16第2項、第100条の17第2項、第100条の21又は第100条の22の規定による請求に応じなかったとき。
三 国土交通大臣が、外国登録検査機関が前2号のいずれかに該当すると認めて、期間を定めて検査業務の全部又は一部の停止を請求した場合において、その請求に応じなかったとき。
四 第100条の19第1項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第2項各号の規定による請求を拒んだとき。
五 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、外国登録検査機関に対しその業務又は経理の状況に関し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
六 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、その職員に外国登録検査機関の事務所又は事業所に立ち入らせ、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。
七 次項の規定による費用の負担をしないとき。
3 前項第6号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録検査機関の負担とする。
(帳簿の記載)
第100条の27 登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、検査業務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
(公示)
第100条の28 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録をしたとき。
二 第100条の15の規定による届出があったとき。
三 第100条の20の規定による許可をしたとき。
四 第100条の26第1項の規定により登録を取り消し、又は検査業務の停止を命じたとき。
五 第100条の26第2項の規定により登録を取り消したとき。
第12章 監督
(監督命令等)
第101条 国土交通大臣は、この法律、労働基準法(船員の労働関係について適用される部分に限る。以下同じ。)又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実があると認めるときは、船舶所有者又は船員に対し、その違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
○2 国土交通大臣は、前項の規定に基づく命令を発したにもかかわらず、船舶所有者又は船員がその命令に従わない場合において、船舶の航海の安全を確保するため特に必要があると認めるときは、その船舶の航行の停止を命じ、又はその航行を差し止めることができる。この場合において、その船舶が航行中であるときは、国土交通大臣は、その船舶の入港すべき港を指定することができる。
○3 国土交通大臣は、前項の規定による処分に係る船舶について、第1項に規定する事実がなくなったと認めるときは、直ちにその処分を取り消さなければならない。
第102条 国土交通大臣は、船舶所有者及び船員の間に生じた労働関係に関する紛争(労働関係調整法第6条の労働争議及び個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律(平成13年法律第112号)第4条第1項の個別労働関係紛争であって同法第21条第1項の規定により読み替えられた同法第5条第1項の規定により地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。)が指名するあっせん員があっせんを委任されたものを除く。)の解決について、あっせんすることができる。
(外国における国土交通大臣の事務)
第103条 この法律によって国土交通大臣の行うべき事務は、外国にあっては、国土交通省令の定めるところにより、日本の領事官がこれを行う。
○2 行政不服審査法(平成26年法律第68号)に定めるもののほか、領事官の行う前項の事務に係る処分又はその不作為についての審査請求に関して必要な事項は、政令で定める。
(市町村が処理する事務)
第104条 この法律に規定する国土交通大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令の定める基準により国土交通大臣の指定する市町村長が行うこととすることができる。
○2 市町村長のした前項の事務(地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務であるものに限る。)に係る処分についての審査請求は、国土交通大臣に対してするものとする。
○3 市町村長の行う第1項の事務(地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務であるものに限る。)に係る処分の不作為についての審査請求は、市町村長、都道府県知事又は国土交通大臣のいずれかに対してするものとする。
(船員労務官)
第105条 国土交通大臣は、所部の職員の中から船員労務官を命じ、この法律及び労働基準法の施行に関する事項を掌らせる。
第106条 船員労務官は、必要があると認めるときは、船舶所有者又は船員に対し、この法律、労働基準法及びこの法律に基いて発する命令の遵守に関し注意を喚起し、又は勧告をすることができる。
第107条 船員労務官は、必要があると認めるときは、船舶所有者、船員その他の関係者に出頭を命じ、帳簿書類を提出させ、若しくは報告をさせ、又は船舶その他の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、若しくは船舶所有者、船員その他の関係者に質問をすることができる。
○2 船員労務官は、必要があると認めるときは、旅客その他船内にある者に質問をすることができる。
○3 前2項の場合には、船員労務官は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
○4 第1項又は第2項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
○5 船員労務官の服制は、国土交通省令でこれを定める。
第108条 船員労務官は、この法律、労働基準法及びこの法律に基づいて発する命令の違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察員の職務を行う。
第108条の2 船員労務官は、第101条第2項に規定する場合において、船舶の航海の安全を確保するため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。
第109条 船員労務官は、職務上知り得た秘密を漏してはならない。船員労務官を退職した後においても同様とする。
(交通政策審議会等の権限)
第110条 交通政策審議会等は、国土交通大臣の諮問に応じ、この法律及び労働基準法の施行又は改正に関する事項を調査審議する。
○2 交通政策審議会等は、船員の労働条件に関して、関係行政官庁に建議することができる。
(報告事項)
第111条 船舶所有者は、国土交通省令の定めるところにより、左の事項について、国土交通大臣に報告をしなければならない。
一 使用船員の数
二 給料その他の報酬の支払状況
三 災害補償の実施状況
四 その他国土交通省令の定める事項
(船員の申告)
第112条 この法律、労働基準法又はこの法律に基づいて発する命令に違反する事実があるときは、船員は、国土交通省令の定めるところにより、国土交通大臣、地方運輸局長、運輸支局長、地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長又は船員労務官にその事実を申告することができる。
○2 船舶所有者は、前項の申告をしたことを理由として、船員を解雇しその他船員に対して不利益な取扱を与えてはならない。
第13章 雑則
(就業規則等の掲示等)
第113条 船舶所有者は、この法律、労働基準法、この法律に基づく命令、労働協約、就業規則並びに第34条第2項、第64条の2第1項、第65条及び第65条の3第3項の協定を記載した書類を船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示し、又は備え置かなければならない。
○2 船舶所有者(漁船その他第100条の2第1項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶の船舶所有者を除く。)は、2006年の海上の労働に関する条約を記載した書類を船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示し、又は備え置かなければならない。
○3 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けた特定船舶の船舶所有者は、これらの証書の写しを船内及びその他の事業場内の見やすい場所に掲示しなければならない。
(報酬、補償及び手当の調整)
第114条 船舶所有者は、給料その他の報酬、失業手当、送還手当、傷病手当又は行方不明手当のうち、その2以上をともに支払うべき期間については、いずれか一の多額のものを支払うを以て足りる。
○2 船舶所有者は、給料その他の報酬を支払うべき場合において雇止手当又は予後手当を支払うべきときは、給料その他の報酬を支払うべき限度において、雇止手当又は予後手当の支払の義務を免れる。
(譲渡又は差押の禁止)
第115条 失業手当、雇止手当、送還の費用、送還手当又は災害補償を受ける権利は、これを譲り渡し、又は差し押えることができない。給料その他の報酬及び前条に規定する手当をともに支払うべき期間についての給料その他の報酬を受ける権利(これらの手当の額に相当する部分に関するものに限る。)についても同様とする。
(付加金の支払)
第116条 船舶所有者は、第44条の3から第46条まで、第47条第1項、第49条、第63条、第66条(第88条の2の2第4項及び第5項並びに第88条の3第4項において準用する場合を含む。)又は第78条の規定に違反したときは、これらの規定により船舶所有者が支払うべき金額(第47条第1項の規定に違反したときは、送還の費用)についての次項の規定による請求の時における未払金額に相当する額の付加金を船員に支払わなければならない。
○2 船員は、裁判所に対する訴えによってのみ前項の付加金の支払を請求することができる。ただし、その訴えは、同項に規定する違反のあった時から2年以内にこれをしなければならない。
(時効の特則)
第117条 船員の船舶所有者に対する債権は、2年間(退職手当の債権にあっては、5年間)これを行わないときは、時効によって消滅する。船舶所有者に対する行方不明手当、遺族手当及び葬祭料の債権も同様とする。
(航海当直部員)
第117条の2 船舶所有者は、国土交通省令で定める船舶に航海当直をすべき職務を有する部員(第5項において「航海当直部員」という。)として部員を乗り組ませようとする場合には、次項の規定により証印を受けている者を、国土交通省令で定めるところにより乗り組ませなければならない。
○2 国土交通大臣は、国土交通省令の定めるところにより航海当直をするために必要な知識及び能力を有すると認定した者に対し、その者の船員手帳に当該認定をした旨の証印をする。
○3 国土交通大臣は、次項の規定により証印を抹消され、その日から1年を経過しない者に対しては、前項の証印をしないことができる。
○4 国土交通大臣は、第2項の規定により証印を受けている者が、その職務に関してこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その者に対し船員手帳の提出を命じ、その証印を抹消することができる。
○5 前各項に定めるもののほか、航海当直部員及び第2項の規定による証印に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(危険物等取扱責任者)
第117条の3 船舶所有者は、国土交通省令で定めるタンカー(国土交通大臣が定める危険物又は有害物であるばら積みの液体貨物を輸送するために使用される船舶をいう。)又は国土交通省令で定める液化天然ガス等燃料船(液化天然ガスその他の国土交通大臣が定める危険物又は有害物である液体物質を燃料とする船舶をいう。)には、危険物又は有害物の取扱いに関する業務を管理すべき職務を有する者(第3項において「危険物等取扱責任者」という。)として、次項の規定により証印を受けている者を、国土交通省令で定めるところにより乗り組ませなければならない。
○2 国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより危険物又は有害物の取扱いに関する業務を管理するために必要な知識及び能力を有すると認定した者に対し、その者の船員手帳に当該認定をした旨の証印をする。
○3 前条第3項から第5項までの規定は、危険物等取扱責任者及び前項に規定する証印について準用する。
(救命艇手)
第118条 船舶所有者は、国土交通省令の定める船舶については、乗組員の中から国土交通省令の定める員数の救命艇手を選任しなければならない。
○2 救命艇手は、救命艇手適任証書を受有する者でなければならない。
○3 国土交通大臣は、左に掲げる者に救命艇手適任証書を交付する。
一 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣の行なう試験に合格した者
二 国土交通省令の定めるところにより国土交通大臣が前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認定した者
○4 国土交通大臣は、次項の規定により救命艇手適任証書の返納を命ぜられ、その日から1年を経過しない者に対しては、救命艇手適任証書の交付を行わないことができる。
○5 国土交通大臣は、救命艇手が、その職務に関してこの法律又はこの法律に基づく命令に違反したときは、その救命艇手適任証書の返納を命ずることができる。
○6 前各項に定めるもののほか、救命艇手及び救命艇手適任証書に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。
(旅客船の乗組員)
第118条の2 船舶所有者は、国土交通省令の定める旅客船には、国土交通省令の定めるところにより旅客の避難に関する教育訓練その他の航海の安全に関する教育訓練を修了した者以外の者を乗組員として乗り組ませてはならない。
(高速船の乗組員)
第118条の3 船舶所有者は、国土交通省令の定める高速船(最大速力が国土交通大臣の定める速力以上の船舶をいう。)には、国土交通省令の定めるところにより船舶の特性に応じた操船に関する教育訓練その他の航海の安全に関する教育訓練を修了した者以外の者を乗組員として乗り組ませてはならない。
(船内苦情処理手続)
第118条の4 船舶所有者は、国土交通省令で定めるところにより、船内苦情処理手続(船員が航海中に船舶所有者に申出をしたこの法律、労働基準法及びこの法律に基づく命令に規定する事項並びに船員の労働条件等に関し国土交通省令で定める事項に関する苦情を処理する手続をいう。以下この条において同じ。)を定めなければならない。
○2 船舶所有者は、雇入契約が成立したときは、遅滞なく、船内苦情処理手続を記載した書面を船員に交付しなければならない。
○3 船舶所有者は、船員から航海中に第1項の苦情の申出を受けた場合にあっては、船内苦情処理手続に定めるところにより、苦情を処理しなければならない。
○4 船舶所有者は、第1項の苦情の申出をしたことを理由として、船員に対して解雇その他の不利益な取扱いをしてはならない。
(戸籍証明)
第119条 船員、船員になろうとする者、船舶所有者又は船長は、船員又は船員になろうとする者の戸籍について、戸籍事務を管掌する者又はその代理者に対し無償で証明を請求することができる。
(経過措置)
第119条の2 この法律の規定に基づき、命令を制定し、又は改廃する場合においては、命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(年金制度、健康保険制度、雇用保険制度その他の社会保障制度及びこれらに関する政府の特別会計、労働関係調整制度その他の労働関係制度並びに罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
(国及び公共団体に対する適用)
第120条 この法律、労働基準法及びこの法律に基いて発する命令は、国、都道府県、市町村その他これに準ずるものについても適用があるものとする。
(船舶職員及び小型船舶操縦者法の一部の適用除外)
第120条の2 船舶職員及び小型船舶操縦者法第3章第5節の規定は、船長については、適用しない。
(外国船舶の監督等)
第120条の3 国土交通大臣は、その職員に、日本船舶以外の船舶(第1条第1項の国土交通省令で定める船舶及び同条第2項各号に定める船舶を除く。以下この条において「外国船舶」という。)で国土交通省令で定めるものが国内の港にある間、当該外国船舶に立ち入り、当該外国船舶の乗組員の労働条件等が2006年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合しているかどうか及び当該外国船舶の乗組員が次に掲げる要件の全てに適合しているかどうかについて検査を行わせることができる。
一 1978年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約に定める航海当直の基準に従った航海当直を実施していること。
二 操舵設備又は消防設備の操作その他の航海の安全の確保に関し国土交通省令で定める事項を適切に実施するために必要な知識及び能力を有していること。
○2 国土交通大臣は、前項の検査を行う場合において必要があると認めるときは、その必要と認める限度において、当該外国船舶の帳簿書類その他の物件を検査し、当該外国船舶の乗組員に質問し、又は当該外国船舶の乗組員が同項第2号に定める知識及び能力を有するかどうかについて審査を行うことができる。
○3 国土交通大臣は、第1項の規定による検査の結果、当該外国船舶の乗組員の労働条件等が2006年の海上の労働に関する条約に定める要件に適合していないと認めるとき、又は当該外国船舶の乗組員が同項各号に掲げる要件のいずれかに適合していないと認めるときは、当該外国船舶の船長に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを文書により通告するものとする。
○4 国土交通大臣は、前項の規定に基づく通告をしたにもかかわらず、なお当該通告に係る措置がとられていない場合において、当該外国船舶の大きさ及び種類並びに航海の期間及び態様を考慮して、航海を継続することが人の生命、身体若しくは財産に危険を生ぜしめ、又は海洋環境の保全に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該外国船舶の航行の停止を命じ、又はその航行を差し止めることができる。
○5 国土交通大臣があらかじめ指定するその職員は、前項に規定する場合において、人の生命、身体若しくは財産に対する危険を防止し、又は海洋環境の保全を図るため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。
○6 第101条第3項の規定は第4項の場合について、第107条第3項及び第4項の規定は第1項の場合について、それぞれ準用する。この場合において、第101条第3項中「前項」とあるのは「第120条の3第4項」と、「第1項に規定する事実がなくなった」とあるのは「2006年の海上の労働に関する条約に定める要件及び同条第1項各号に定める要件に適合するために必要な措置がとられた」と、第107条第3項中「前2項」とあるのは「第120条の3第1項」と、「船員労務官」とあるのは「同条第1項の規定により立入検査をする職員」と、同条第4項中「第1項又は第2項」とあるのは「第120条の3第1項」と読み替えるものとする。
○7 第112条の規定は、外国船舶の乗組員について準用する。この場合において、同条第1項中「この法律、労働基準法又はこの法律に基づいて発する命令」とあるのは「2006年の海上の労働に関する条約」と、「船員労務官」とあるのは「国土交通大臣があらかじめ指定するその職員」と読み替えるものとする。
(命令の制定)
第121条 この法律に基いて発する命令は、その草案について公聴会を開いて、船員及び船舶所有者のそれぞれを代表する者並びに公益を代表する者の意見を聴いて、これを制定するものとする。
(手数料の納付)
第121条の2 次に掲げる者(第104条第1項の規定により市町村長が行う事務に係る申請をする者を除く。)は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
一 船員手帳の交付、再交付、訂正又は書換えを受けようとする者
二 第82条の2第2項の衛生管理者適任証書又は第118条第2項の救命艇手適任証書の再交付を受けようとする者
三 第82条の2第3項第1号又は第118条第3項第1号の試験を受けようとする者
四 第82条の2第3項第2号又は第118条第3項第2号の規定による認定を受けようとする者
五 法定検査(国土交通大臣が行うものに限る。)を受けようとする者
六 海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付を受けようとする者(登録検査機関が検査を行った船舶に係るこれらの証書の交付を受けようとする者に限る。)
七 海上労働証書又は臨時海上労働証書の再交付又は書換えを受けようとする者
(事務の区分)
第121条の3 第104条第3項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
(権限の委任)
第121条の4 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令の定めるところにより、その一部を地方運輸局長に委任することができる。
○2 前項の規定により地方運輸局長に委任された権限は、国土交通省令の定めるところにより、運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長に委任することができる。
第14章 罰則
第122条 船長がその職権を濫用して、船内にある者に対し義務のない事を行わせ、又は行うべき権利を妨害したときは、2年以下の懲役に処する。
第123条 船長が第12条の規定に違反したときは、5年以下の懲役に処する。
第124条 船長が第13条の規定に違反して人命及び船舶の救助に必要な手段を尽くさなかったときは、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第125条 船長が次の各号の一に該当する場合には、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
一 第14条の規定に違反したとき。
二 船舶を遺棄したとき。
三 外国において海員を遺棄したとき。
第126条 船長が次の各号のいずれかに該当する場合には、30万円以下の罰金に処する。
一 第8条、第10条、第11条、第14条の3第1項、第16条、第17条、第50条第2項、第55条、第66条の2又は第67条第2項の規定に違反したとき。
二 第9条の規定に違反して予定の航路を変更したとき。
三 第13条の規定に違反して告げなかったとき。
四 第15条の規定に基づく国土交通省令に違反して水葬に付したとき。
五 第18条の規定による書類を備え置かず、又は同条第1項第2号から第4号までの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
六 第19条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
七 第50条第3項の規定に違反して、船員手帳に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
八 第67条第1項の規定による帳簿を備え置かず、又は帳簿に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
第127条 海員が上長に対し暴行又は脅迫をしたときは、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第128条 海員が左の各号の一に該当する場合には、1年以下の懲役に処する。
一 削除
二 第12条乃至第14条に規定する場合において、船長が人命、船舶、航空機又は積荷の救助に必要な手段をとるのに当り、上長の命令に服従しなかったとき。
三 第39条第3項に規定する場合において、人命、船舶又は積荷の応急救助のために必要な作業に従事しなかったとき。
四 外国において脱船したとき。
第128条の2 船員が第81条第4項の規定に違反したときは、30万円以下の罰金に処する。
第129条 船舶所有者が第85条第1項若しくは第2項、第88条又は第88条の6の規定に違反したときは、1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第130条 船舶所有者が第33条、第34条第1項、第35条、第44条の2第1項若しくは第2項、第44条の3第1項若しくは第3項、第45条、第46条、第47条第1項若しくは第2項、第49条、第62条、第63条、第65条の2第3項(第88条の2の2第5項において準用する場合を含む。)、第66条(第88条の2の2第4項及び第5項並びに第88条の3第4項において準用する場合を含む。)、第69条、第74条、第78条、第80条、第81条第1項から第3項まで、第82条、第86条第1項、第87条第1項若しくは第2項、第88条の2の2第1項、第88条の3第1項、第88条の4第1項、第89条、第91条から第94条まで、第112条第2項、第117条の2第1項、第117条の3第1項、第118条第1項、第118条の2、第118条の3若しくは第118条の4第4項の規定に違反し、又は第73条の規定に基づく国土交通省令に違反したときは、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第130条の2 船舶所有者が次の各号のいずれかに該当する場合には、200万円以下の罰金に処する。
一 偽りその他不正の行為により海上労働証書又は臨時海上労働証書の交付、再交付又は書換えを受けたとき。
二 第100条の4の規定による検査を受けないで、海上労働証書の交付を受けた船舶を国際航海に従事させたとき。
三 第100条の7の規定に違反して、特定船舶を国際航海に従事させたとき。
第130条の3 船舶所有者が第100条の10第1項又は第2項の規定による命令に違反したときは、50万円以下の罰金に処する。
第131条 船舶所有者が次の各号のいずれかに該当する場合には、30万円以下の罰金に処する。
一 第34条第2項、第36条第3項、第53条第1項若しくは第2項、第54条、第56条、第58条第1項、第82条の2第1項、第83条第1項、第85条第3項、第88条の7又は第113条の規定に違反したとき。
二 第32条第1項、第2項(同条第4項において準用する場合を含む。)若しくは第3項、第36条第1項若しくは第2項、第53条第3項又は第118条の4第2項の規定に違反して、書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付したとき。
三 第34条第4項の規定による船員の請求にかかわらず、貯蓄金を返還しなかったとき。
四 第58条の2又は第67条第3項の規定による帳簿を備え置かず、又は帳簿に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしたとき。
四の2 第100条の8の規定に違反して、特定船舶を国際航海に従事させたとき。
五 第111条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第131条の2 第100条の26第1項の規定による検査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第131条の3 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の役員又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
一 第100条の20の規定による許可を受けないで検査業務の全部を廃止したとき。
二 第100条の24の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第132条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
一 第101条第2項の規定による処分に違反した者
二 第120条の3第4項の規定による処分に違反した者
第133条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第37条の規定に違反して雇入契約の成立等の届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 自己の船員手帳を棄損した者
三 第50条第4項の規定に基づく国土交通省令に違反した者
四 偽りその他不正の行為により船員手帳の交付、再交付、訂正又は書換えを受けた者
五 他人の船員手帳を行使した者
六 第97条の規定による就業規則の作成若しくは届出をせず、又は虚偽の届出をした者
七 第98条の規定に違反した者
八 第99条の規定による命令に違反した者
九 第100条の25の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
十 第101条第1項の規定による命令に違反した者
十一 第107条第1項の規定による出頭の命令に応ぜず、帳簿書類を提出せず、若しくは虚偽の記載をした帳簿書類を提出し、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
十二 第109条の規定に違反した者
十三 第112条第1項に定める場合において、虚偽の申告をした者
十四 第120条の3第1項の規定による立入りを拒み、妨げ、又は忌避した者
十五 第120条の3第2項の規定による検査若しくは審査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
第133条の2 第100条の19第1項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第2項各号の規定による請求を拒んだ者(外国登録検査機関を除く。)は、20万円以下の過料に処する。
第134条 この章のうち船長に適用すべき規定は、船長に代わってその職務を行う者にこれを適用する。
第135条 船舶所有者の代表者、代理人、使用人その他の従業者が船舶所有者の業務に関し第129条から第131条まで、第132条第1号又は第133条第1号、第6号から第8号まで、第10号若しくは第11号の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その船舶所有者に対して、各本条の罰金刑を科する。
○2 第97条第3項に規定する団体の代表者、代理人、使用人その他の従業者がその団体の業務に関し第133条第6号から第8号まで又は第11号の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その団体に対して、同条の刑を科する。
附則
第1条 この法律は、第10章の規定を除いて、公布の日からこれを施行する。
○2 第10章の規定施行の期日は、命令でこれを定める。
第2条 この法律施行前に生じた事項については、なお従前の例による。
附則 (昭和28年8月15日法律第213号) 抄
1 この法律は、昭和28年9月1日から施行する。
2 この法律施行前従前の法令の規定によりなされた許可、認可その他の処分又は申請、届出その他の手続は、それぞれ改正後の相当規定に基いてなされた処分又は手続とみなす。
附則 (昭和28年8月18日法律第236号) 抄
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和34年4月15日法律第137号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律の施行期日は、公布の日から起算して90日をこえない範囲内において、各規定につき、政令で定める。
附則 (昭和37年5月12日法律第130号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和37年10月1日から施行する。
(貯蓄金の管理に関する経過規定)
第2条 この法律の施行の際現に改正前の第34条第2項の認可を受けて貯蓄金の管理をしている船舶所有者についての当該認可に係る事項は、改正後の同項の規定による届け出をした協定とみなす。
(雇入契約の終了に関する経過規定)
第3条 改正後の第39条第4項後段の規定は、この法律の施行後に同条第1項各号に掲げる事由が生じた船舶の船員について適用し、この法律の施行前にその事由が生じた船舶の船員については、なお従前の例による。
(送還に関する経過規定)
第4条 改正後の第47条の規定は、この法律の施行後に生じた事由による船員の送還について適用し、この法律の施行前に生じた事由による船員の送還については、なお従前の例による。
(医師に関する経過規定)
第5条 第82条の規定の改正により新たに医師を乗り組ますべきこととなった船舶であって、この法律の施行の際現に航海中であるものについては、改正後の同条の規定にかかわらず、当該航海が終了するまでは、医師を乗り組ませることを要しない。
(衛生管理者に関する経過規定)
第6条 昭和39年3月31日までは、第82条の2第2項の規定にかかわらず、衛生管理者適任証書を受有する者以外の者を衛生管理者に選任することができる。
(行方不明手当に関する経過規定)
第7条 第92条の2の規定は、この法律の施行後に行方不明となった船員について適用する。
(救命艇手に関する経過規定)
第8条 この法律の施行の際現に効力を有する船舶安全法(昭和8年法律第11号)の規定に基づく命令の規定による救命艇手適任証書は、改正後の第118条第3項の規定により行政官庁が交付したものとみなす。
(罰則に関する経過規定)
第9条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりこの法律の施行後もなおその例によることとされている規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和37年9月15日法律第161号) 抄
1 この法律は、昭和37年10月1日から施行する。
2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によって生じた効力を妨げない。
3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
5 第3項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかったものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
9 前8項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
10 この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和37年法律第140号)に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によってまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によって改正されるものとする。
附則 (昭和40年5月22日法律第80号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、昭和40年7月1日から施行する。
附則 (昭和45年5月15日法律第58号)
1 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第1条第2項第3号の改正規定は、昭和46年1月1日から施行する。
2 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和51年5月27日法律第34号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において、各規定につき、政令で定める日から施行する。
(船員法の一部改正に伴う経過措置)
第7条 前条の規定の施行の日前にした同条の規定による改正前の船員法の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和53年4月24日法律第27号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和56年5月19日法律第45号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (昭和57年5月1日法律第39号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(船員法の改正に伴う経過措置)
第2条 この法律の施行の際現に航海中である船舶については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、第1条の規定による改正後の船員法(以下「新船員法」という。)第14条の4(航海当直の実施に係る部分に限る。)、第117条の2及び第117条の3の規定は、適用しない。
第3条 この法律の施行前に第1条の規定による改正前の船員法第101条の規定により行政官庁がした処分は、新船員法第101条第1項の規定により行政官庁がした処分とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第12条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第13条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定めることができる。
附則 (昭和59年5月1日法律第23号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
附則 (昭和60年6月11日法律第57号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和61年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む女子の船員については、改正後の船員法第9章の2の規定にかかわらず、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前にした行為及び前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (昭和63年5月17日法律第39号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和64年4月1日から施行する。
(労働時間、休日及び定員に関する経過措置)
第2条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員の労働時間、休日及び定員については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、この法律による改正後の船員法(以下「新法」という。)第6章、第86条、第88条の2から第88条の3まで及び第88条の5の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(時効に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前に生じた退職手当の債権の消滅時効については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第4条 この法律の施行前にした行為及び附則第2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第5条 前3条に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定めることができる。
(検討)
第6条 政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成4年5月22日法律第59号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成5年4月1日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 船舶所有者は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、この法律による改正後の船員法(以下「新法」という。)第64条の2の協定を行政官庁に届け出ることができる。
2 新法第71条第1項第3号の許可は、施行日前においても行うことができる。
3 この法律による改正前の船員法(以下「旧法」という。)第71条第1号の船舶(以下「小型船」という。)についての新法第72条の2の規定による指定は、施行日前においても行うことができる。
第3条 小型船(新法第71条第1項第3号の船舶を除く。以下同じ。)であって、この法律の施行の際現に航海中であるものに乗り組む海員の労働時間及び定員については、当該航海が終了する日までは、新法第60条第1項、第64条(時間外労働に係る部分に限る。)、第64条の2、第66条(時間外労働に係る部分に限る。)及び第69条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第4条 施行日の前日において小型船に乗り組む海員及び小型船に乗り組むため雇用されている予備船員であって、その基準労働期間が同日を含むものの労働時間及び休日については、新法第146条第1項の規定により読み替えて適用する新法第60条第2項及び第62条第1項並びに新法第60条第3項、第61条、第62条第2項から第4項まで、第63条、第64条第1項(補償休日労働に係る部分に限る。)、第65条及び第66条(補償休日労働に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第5条 この法律の施行の際現に旧法第73条の命令の規定により小型船の船内に備え置かれている帳簿は、新法第67条第1項の規定による帳簿とみなす。
2 この法律の施行の際現に旧法第73条の命令の規定により備え置かれている休日付与簿は、新法第67条第2項の規定による休日付与簿とみなす。
第6条 この法律の施行の際現に航海中である船舶については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新法第70条(新法第71条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
(罰則に関する経過措置)
第7条 この法律の施行前にした行為及び附則第3条又は第4条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第8条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定めることができる。
附則 (平成6年6月29日法律第56号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成6年10月1日から施行する。
附則 (平成6年6月29日法律第75号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成7年4月1日から施行する。
(労働時間に関する経過措置)
第2条 海員の平成7年3月31日を含む基準労働期間に係る労働時間については、この法律による改正後の船員法(以下「新法」という。)第60条第2項及び第62条第1項(新法第88条の3第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この条において同じ。)又は新法第146条第1項の規定により読み替えて適用する新法第60条第2項及び第62条第1項(次項及び附則第4条第2項において「読替え後の新法第60条第2項及び第62条第1項」という。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 平成9年3月31日においてその労働時間について読替え後の新法第60条第2項及び第62条第1項の規定が適用されている海員の同日を含む基準労働期間に係る労働時間については、新法第60条第2項及び第62条第1項の規定にかかわらず、読替え後の新法第60条第2項及び第62条第1項の規定の例による。
(有給休暇に関する経過措置)
第3条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)において施行日前から引き続き同一の事業に属する船舶における勤務に従事している船員(施行日において新法第74条第4項の規定により当該勤務に従事した期間とみなされる期間中である船員及び施行日において船舶における勤務が中断している船員を含む。)に関しては、同条第1項から第3項まで並びに新法第75条第1項及び第2項の規定は、これらの船員のうち、同一の事業に属する船舶において初めて1年間連続して勤務に従事することとなる日が、施行日以後の日を初日として同一の事業に属する船舶において初めて6箇月間連続して勤務に従事した日後である船員(以下この項において「新法適用船員」という。)について適用し、その他の船員については、なお従前の例による。この場合において、新法適用船員に係る新法第74条第1項及び第2項並びに第75条第1項及び第2項の規定の適用については、新法第74条第1項中「初めて」とあるのは「船員法の一部を改正する法律(平成6年法律第75号。以下この条及び次条において「平成6年改正法」という。)の施行の日以後の日を初日として初めて」と、「次条第1項又は第2項」とあるのは「平成6年改正法附則第3条第1項の規定により読み替えて適用する次条第1項又は第2項」と、同条第2項中「前項」とあるのは「平成6年改正法附則第3条第1項の規定により読み替えて適用する前項」と、新法第75条第1項中「15日とし」とあるのは「15日とし、平成6年改正法の施行の日以後の日を初日として初めて6箇月間連続して勤務に従事した日までの連続して勤務に従事した期間からその6箇月を控除した期間(1箇月未満の端数があるときは、これを切り捨てた期間。次項において「先行勤務期間」という。)1箇月について2日を加え」と、「同項ただし書」とあるのは「前条第1項ただし書」と、同条第2項中「前項」とあるのは「平成6年改正法附則第3条第1項の規定により読み替えて適用する前項」と、「10日とし」とあるのは「10日とし、先行勤務期間1箇月について1日を加え」とする。
2 施行日前の育児休業等に関する法律(平成3年法律第76号)第2条第1項に規定する育児休業をした期間については、新法第74条第4項の規定は、適用しない。
(罰則に関する経過措置)
第4条 附則第2条第1項及び前条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
2 附則第2条第2項の規定により読替え後の新法第60条第2項及び第62条第1項の規定の例によることとされる場合における平成9年4月1日以後にした行為に対する罰則の適用については、同日以後も、なお従前の例による。
附則 (平成7年6月9日法律第107号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成7年10月1日から施行する。ただし、第2条並びに附則第3条、第5条、第7条、第11条、第13条、第14条、第16条、第18条、第20条及び第22条の規定は、平成11年4月1日から施行する。
附則 (平成8年6月14日法律第84号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中船員法第117条の2及び第117条の3の改正規定(同法第117条の2第2項及び第5項、第117条の3第2項並びに同条第3項において準用する第117条の2第5項に係る部分に限る。) 公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日
二 第1条中船員法第117条の2及び第117条の3の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)、同法第118条の改正規定、同条の次に2条を加える改正規定、同法第130条及び第131条の改正規定並びに附則第3条の規定 公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日
(船員法の改正に伴う経過措置)
第2条 この法律の施行前に第1条の規定による改正前の船員法(以下この条において「旧船員法」という。)第120条の2第1項の規定により行政官庁がした通告は、第1条の規定による改正後の船員法(以下この条において「新船員法」という。)第120条の2第3項の規定により行政官庁がした通告とみなし、この法律の施行前に旧船員法第120条の2第2項の規定により行政官庁がした処分は、新船員法第120条の2第4項の規定により行政官庁がした処分とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成10年9月30日法律第112号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成11年4月1日から施行する。
附則 (平成11年7月16日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中地方自治法第250条の次に5条、節名並びに2款及び款名を加える改正規定(同法第250条の9第1項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第40条中自然公園法附則第9項及び第10項の改正規定(同法附則第10項に係る部分に限る。)、第244条の規定(農業改良助長法第14条の3の改正規定に係る部分を除く。)並びに第472条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第6条、第8条及び第17条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第7条、第10条、第12条、第59条ただし書、第60条第4項及び第5項、第73条、第77条、第157条第4項から第6項まで、第160条、第163条、第164条並びに第202条の規定 公布の日
(国等の事務)
第159条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第160条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第163条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第161条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第162条 施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第163条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2 附則第18条、第51条及び第184条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第1に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成11年7月16日法律第104号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日から施行する。
附則 (平成11年12月8日法律第151号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。
(経過措置)
第3条 民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)附則第3条第3項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
一から二十五まで 略
第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
附則 (平成12年5月19日法律第71号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (平成13年7月11日法律第112号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年10月1日から施行する。
附則 (平成13年11月16日法律第118号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (平成14年5月15日法律第43号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則に係る経過措置)
第2条 この法律(前条ただし書に規定する規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成14年5月31日法律第54号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成14年7月1日から施行する。
(経過措置)
第28条 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令(以下「旧法令」という。)の規定により海運監理部長、陸運支局長、海運支局長又は陸運支局の事務所の長(以下「海運監理部長等」という。)がした許可、認可その他の処分又は契約その他の行為(以下「処分等」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、この法律による改正後のそれぞれの法律若しくはこれに基づく命令(以下「新法令」という。)の規定により相当の運輸監理部長、運輸支局長又は地方運輸局、運輸監理部若しくは運輸支局の事務所の長(以下「運輸監理部長等」という。)がした処分等とみなす。
第29条 この法律の施行前に旧法令の規定により海運監理部長等に対してした申請、届出その他の行為(以下「申請等」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、新法令の規定により相当の運輸監理部長等に対してした申請等とみなす。
第30条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成14年6月7日法律第60号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成14年7月31日法律第98号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1章第1節(別表第1から別表第4までを含む。)並びに附則第28条第2項、第33条第2項及び第3項並びに第39条の規定 公布の日
(罰則に関する経過措置)
第38条 施行日前にした行為並びにこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第39条 この法律に規定するもののほか、公社法及びこの法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成16年6月2日法律第71号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、附則第5条及び第11条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この法律の施行の際現に船長又は船舶所有者が第1条の規定による改正前の船員法(以下「旧船員法」という。)第37条の規定により終了の公認を受けている雇入契約は、施行日に、これらの者が第1条の規定による改正後の船員法(以下「新船員法」という。)第37条の規定により終了の届出をしたものとみなす。
第3条 この法律の施行の際現にされている旧船員法第37条の規定による雇入契約の公認の申請は、施行日に、新船員法第37条の規定による雇入契約の成立等の届出がされたものとみなす。
第4条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員に関する労働時間、休日及び割増手当並びに当該船員の労働時間に関する記録簿の記載事項については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新船員法第64条第1項、第65条の2、第66条、第67条第1項及び第88条の2の2第3項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第5条 船舶所有者は、施行日前においても、新船員法第64条の2の協定を国土交通大臣に届け出ることができる。
(罰則に関する経過措置)
第13条 この法律の施行前にした行為並びに附則第4条及び第8条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第14条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第15条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、新船員職業安定法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新船員職業安定法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成16年12月1日法律第147号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成17年10月21日法律第102号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第117条 この法律の施行前にした行為、この附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為、この法律の施行後附則第9条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便為替法第38条の8(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第13条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替法第70条(第2号及び第3号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第27条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧郵便振替預り金寄附委託法第8条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第39条第2項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第70条(第2号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為、この法律の施行後附則第42条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされる旧公社法第71条及び第72条(第15号に係る部分に限る。)の規定の失効前にした行為並びに附則第2条第2項の規定の適用がある場合における郵政民営化法第104条に規定する郵便貯金銀行に係る特定日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成19年4月23日法律第30号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一から二まで 略
三 第2条、第4条、第6条及び第8条並びに附則第27条、第28条、第29条第1項及び第2項、第30条から第50条まで、第54条から第60条まで、第62条、第64条、第65条、第67条、第68条、第71条から第73条まで、第77条から第80条まで、第82条、第84条、第85条、第90条、第94条、第96条から第100条まで、第103条、第115条から第118条まで、第120条、第121条、第123条から第125条まで、第128条、第130条から第134条まで、第137条、第139条及び第139条の2の規定 日本年金機構法の施行の日
(罰則に関する経過措置)
第141条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この項において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第142条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、この法律により改正された雇用保険法等の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第143条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成19年7月6日法律第109号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成22年4月1日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第3条から第6条まで、第8条、第9条、第12条第3項及び第4項、第29条並びに第36条の規定、附則第63条中健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第18条第1項の改正規定、附則第64条中特別会計に関する法律(平成19年法律第23号)附則第23条第1項、第67条第1項及び第191条の改正規定並びに附則第66条及び第75条の規定 公布の日
附則 (平成19年7月6日法律第111号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。
附則 (平成20年5月2日法律第26号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成20年10月1日から施行する。
(処分等に関する経過措置)
第2条 この法律による改正前の法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「旧法令」という。)の規定により次の表の中欄に掲げる従前の国の機関(以下この条において「旧機関」という。)がした認可、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律の施行後は、政令で定めるところにより、この法律による改正後の法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)の相当規定に基づいて、同表の下欄に掲げる相当の国等の機関(以下この条において「新機関」という。)がした認可、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
1 | 国土交通大臣(第1条の規定による改正前の国土交通省設置法(以下「旧設置法」という。)第4条第21号から第23号までに掲げる事務に係る場合に限る。) | 観光庁長官 |
2 | 航空・鉄道事故調査委員会 | 運輸安全委員会 |
3 | 海難審判庁 | 海難審判所 |
4 | 船員中央労働委員会(旧設置法第4条第96号に掲げる事務に係る場合に限る。) | 中央労働委員会 |
5 | 船員中央労働委員会(旧設置法第4条第97号及び第98号に掲げる事務に係る場合に限る。) | 交通政策審議会 |
6 | 船員地方労働委員会(旧設置法第4条第96号に掲げる事務に係る場合に限る。) | 中央労働委員会又は都道府県労働委員会 |
7 | 船員地方労働委員会(旧設置法第4条第97号及び第98号に掲げる事務のうち個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律及び雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に係る事務に係る場合に限る。) | 地方運輸局長(運輸監理部長を含む。) |
8 | 船員地方労働委員会(旧設置法第4条第97号及び第98号に掲げる事務に係る場合(7の項に掲げる場合を除く。)に限る。) | 地方運輸局に置かれる政令で定める審議会 |
9 | 地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)(旧設置法第4条第96号に掲げる事務に係る場合に限る。) | 厚生労働大臣又は都道府県知事 |
2 旧法令の規定により旧機関に対してされている申請、届出、申立てその他の行為は、附則第4条の規定によりなお従前の例によることとされるものを除き、この法律の施行後は、政令で定めるところにより、新法令の相当規定に基づいて、新機関に対してされた申請、届出、申立てその他の行為とみなす。
3 旧法令の規定により旧機関に対して届出その他の手続をしなければならないとされている事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律の施行後は、政令で定めるところにより、これを、新法令の相当規定により新機関に対してその手続をしなければならないとされた事項について、その手続がされていないものとみなして、当該相当規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第6条 この法律の施行前にした行為及び前条第4項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第7条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第9条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、運輸の安全の一層の確保を図る等の観点から運輸安全委員会の機能の拡充等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成20年6月6日法律第53号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第2条中船員法第64条の2に3項を加える改正規定及び附則第3条第3項の規定は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(船員法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員については、第2条の規定による改正後の船員法(以下「新船員法」という。)第64条第1項、第67条第1項(新船員法第88条の2の2第3項及び第88条の3第4項において読み替えて準用する場合を含む。)、第83条及び第86条第1項の規定にかかわらず、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、なお従前の例による。
2 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新船員法第65条の3(新船員法第88条の2の2第3項において準用する場合を含む。)、第66条の2及び第67条第2項(新船員法第88条の2の2第3項及び第88条の3第4項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
3 附則第1条ただし書に規定する規定の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、同条ただし書に規定する規定の施行の日から起算して3月を経過する日又は同条ただし書に規定する規定の施行の日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新船員法第64条の2第2項から第4項までの規定は、適用しない。
(罰則に関する経過措置)
第4条 この法律の施行前にした行為及び前条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第5条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、新海上運送法及び新船員法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、これらの法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成24年6月27日法律第42号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成25年4月1日から施行する。
附則 (平成24年9月12日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第4条及び第12条の規定 公布の日
二 目次を削り、題名の次に目次を付する改正規定、第5条の改正規定、第32条の次に1条を加える改正規定(第32条の2第3号及び第4号に係る部分に限る。)、第11章の次に2章を加える改正規定、第113条に2項を加える改正規定、第117条の2第1項の改正規定、第120条の3の改正規定、第121条の2の改正規定(同条第5号から第7号までに係る部分に限る。)、第130条の次に2条を加える改正規定、第131条の改正規定(同条第4号の次に1号を加える部分に限る。)、第131条の次に2条を加える改正規定、第133条の改正規定(同条第4号中「第50条第3項」を「第50条第4項」に、「基づいて発する」を「基づく」に改める部分及び同条第5号中「詐偽その他の不正行為をもって」を「偽りその他不正の行為により」に、「訂正」を「再交付、訂正」に改める部分を除く。)、第133条の次に1条を加える改正規定、第135条の改正規定並びに附則第5条及び第15条の規定、附則第17条の規定(国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律(昭和28年法律第236号)第6条第2項の改正規定に限る。)、附則第21条の規定、附則第23条の規定中船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和52年法律第96号)第14条第1項の改正規定(「第5条」を「第5条第1項」に改める部分、「第112条」の下に「、第113条第1項及び第2項、第114条」を加える部分及び「第113条」を「第113条第1項」に改め、「労働協約」と、」の下に「同項及び同条第2項中」を加える部分に限る。)並びに附則第24条の規定 2006年の海上の労働に関する条約が日本国について効力を生ずる日(以下「発効日」という。)
三 附則第6条から第9条まで、第19条及び第20条の規定 発効日前の政令で定める日
(経過措置)
第2条 この法律の施行前に成立した雇入契約(この法律の施行後において変更があった部分を除く。)については、この法律による改正後の船員法(以下「新法」という。)第36条の規定は、適用しない。この場合において、この法律による改正前の船員法(以下「旧法」という。)第36条の規定は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)以後においても、なおその効力を有する。
2 この法律の施行前に生じた事由による船員の送還については、新法第47条第2項から第4項までの規定は、適用しない。
3 この法律の施行前に雇入契約が成立した船員に係る新法第118条の4第2項の規定の適用については、同項中「雇入契約が成立したときは、遅滞なく」とあるのは、「船員法の一部を改正する法律(平成24年法律第87号)の施行後遅滞なく」とする。
4 この法律の施行前に生じた事由による新法第118条の4第1項に規定する苦情については、同条第3項及び第4項の規定は、適用しない。
第3条 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む船員に関する労働時間、休日、休息時間及び割増手当、これらの事項に関する記録簿、通常配置表並びに年少船員の就業制限については、新法第60条第1項及び第2項、第61条、第62条第1項及び第3項、第64条第1項及び第2項、第64条の2第1項、第65条、第65条の2第1項及び第3項から第5項まで、第65条の3第1項及び第2項、第66条、第66条の2、第67条第1項及び第2項、第68条第1項、第85条第1項、第88条の2、第88条の2の2、第88条の3第2項から第4項まで並びに第88条の5の規定にかかわらず、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、なお従前の例による。
2 この法律の施行の際現に航海中である帆船に乗り組む船員については、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する帆船にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新法第60条から第69条までの規定は、適用しない。
3 この法律の施行の際現に航海中である船舶に乗り組む海員であって旧法第72条各号に掲げるものについては、当該航海が終了する日まで(専ら国外各港間の航海に従事する船舶にあっては、施行日から起算して3月を経過する日又は施行日以後最初にいずれかの港に入港した日のいずれか遅い日まで)は、新法第60条から第69条までの規定は、適用しない。
第4条 船舶所有者(船舶共有の場合には船舶管理人、船舶貸借の場合には船舶借入人、船舶所有者、船舶管理人及び船舶借入人以外の者が船員を使用する場合にはその者。附則第7条第2項第2号及び第16項において同じ。)は、施行日前においても、新法第64条の2第1項若しくは第65条の協定(船長に係るものに限る。)又は第65条の3第3項の協定を国土交通大臣に届け出ることができる。
2 新法第65条の3第3項第2号の規定による指定は、同号の規定の例により、施行日前においても行うことができる。
第5条 発効日前に建造された新法第100条の2第1項に規定する特定船舶についての同項の規定の適用については、同項中「初めて」とあるのは、「2006年の海上の労働に関する条約が日本国について効力を生ずる日以後初めて」とする。
第6条 国土交通大臣又は登録検査機関(次条第1項の規定による国土交通大臣の登録を受けた者をいう。以下同じ。)は、発効日前においても、日本船舶(漁船その他新法第100条の2第1項の国土交通省令で定める特別の用途に供される船舶を除く。)における船員の労働条件等(同項に規定する労働条件等をいう。次条第2項第1号イにおいて同じ。)について新法第100条の2第1項又は第100条の6第1項の検査に相当する検査(以下「相当検査」という。)を行うことができる。
2 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が新法第100条の2第1項の検査に相当する検査の結果当該日本船舶が新法第100条の3第1項各号の要件に相当する要件の全てに適合すると認めたときは、当該検査を受けた船舶所有者(船舶共有の場合には船舶管理人、船舶借入の場合には船舶借入人。第4項並びに附則第8条第2項及び第5項において同じ。)に対し、新法第100条の3第1項の海上労働証書に相当する証書を交付しなければならない。国土交通大臣又は登録検査機関が新法第100条の2第1項の検査に相当する検査の結果当該日本船舶が新法第100条の3第1項各号の要件に相当する要件のいずれかに適合していないと認めた場合において、国土交通大臣が当該要件に適合するために必要な措置が講じられたものと認めたときも、同様とする。
3 前項の規定により交付した証書は、その交付後発効日までの間に国土交通省令で定める事由が生じたときを除き、発効日以後は、新法第100条の3第1項の規定により交付された海上労働証書とみなす。この場合において、当該証書の有効期間の起算日は、前項の規定によりその交付をした日とする。
4 国土交通大臣は、国土交通大臣又は登録検査機関が新法第100条の6第1項の検査に相当する検査の結果当該日本船舶が同条第3項各号の要件に相当する要件の全てに適合すると認めたときは、当該検査を受けた船舶所有者に対し、同項の臨時海上労働証書に相当する証書を交付しなければならない。
5 前項の規定により交付した証書は、その交付後発効日までの間に国土交通省令で定める事由が生じたときを除き、発効日以後は、新法第100条の6第3項の規定により交付された臨時海上労働証書とみなす。この場合において、当該証書の有効期間の起算日は、前項の規定によりその交付をした日とする。
6 相当検査の申請書の様式、相当検査の実施方法その他の相当検査に関し必要な事項並びに第2項の証書及び第4項の証書の様式並びに交付、再交付及び書換えその他これらの証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
7 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
一 国土交通大臣の行う相当検査を受けようとする者
二 第2項の証書又は第4項の証書の交付を受けようとする者(登録検査機関が相当検査を行った船舶に係るこれらの証書の交付を受けようとする者に限る。)
三 第2項の証書又は第4項の証書の再交付又は書換えを受けようとする者
第7条 国土交通大臣は、相当検査を行おうとする者の申請により、発効日前においても、その者を相当検査を行う者として登録することができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による登録(以下単に「登録」という。)の申請をした者(以下「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。
一 次に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者(以下「検査員」という。)が相当検査を実施すること。
イ 船員の労働条件等の検査について3年以上の実務の経験を有すること。
ロ 船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)第2条第2項に規定する船舶職員として5年以上の乗船経験を有すること。
ハ イ又はロに掲げる者と同等以上の知識経験を有すること。
二 登録申請者が、船舶所有者に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
イ 登録申請者が株式会社である場合にあっては、船舶所有者がその親法人(会社法(平成17年法律第86号)第879条第1項に規定する親法人をいい、当該登録申請者が外国にある事務所において相当検査に係る業務(以下「相当検査業務」という。)を行おうとする者である場合にあっては、外国における同法の親法人に相当するものを含む。)であること。
ロ 登録申請者の役員(持分会社(会社法第575条第1項に規定する持分会社をいう。)にあっては、業務を執行する社員)に占める船舶所有者の役員又は職員(過去2年間に当該船舶所有者の役員又は職員であった者を含む。)の割合が2分の1を超えていること。
ハ 登録申請者(法人にあっては、その代表権を有する役員)が、船舶所有者の役員又は職員(過去2年間に当該船舶所有者の役員又は職員であった者を含む。)であること。
3 国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号のいずれかに該当するときは、登録をしてはならない。
一 この法律、船員法、船舶安全法(昭和8年法律第11号)、船員職業安定法(昭和23年法律第130号)若しくは船舶職員及び小型船舶操縦者法又はこれらの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
二 第25項又は第26項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から2年を経過しない者
三 法人であって、その業務を行う役員のうちに前2号のいずれかに該当する者があるもの
4 登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 登録を受けた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 登録を受けた者が相当検査を行う事業所の所在地
四 前3号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項
5 登録検査機関は、相当検査を行うことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、相当検査を行わなければならない。
6 登録検査機関は、公正に、かつ、第2項第1号に掲げる要件に適合する方法により相当検査を行わなければならない。
7 登録検査機関は、第4項第2号から第4号までに掲げる事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の2週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
8 登録検査機関は、相当検査業務の開始前に、相当検査業務の実施に関する規程(以下「相当検査業務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
9 国土交通大臣は、前項の認可をした相当検査業務規程が相当検査業務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、登録検査機関(外国にある事務所において相当検査業務を行う登録検査機関(以下「外国登録検査機関」という。)を除く。)に対し、その相当検査業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
10 相当検査業務規程には、相当検査業務の実施方法、専任の管理責任者の選任その他の相当検査業務の信頼性を確保するための措置、相当検査に関する料金その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。
11 登録検査機関は、検査員を選任したときは、その日から15日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
12 国土交通大臣は、検査員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは第8項の規定により認可を受けた相当検査業務規程に違反する行為をしたとき、又は相当検査業務に関し著しく不適当な行為をしたときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、検査員の解任を命ずることができる。
13 前項の規定による命令により検査員の職を解任され、解任の日から2年を経過しない者は、検査員となることができない。
14 登録検査機関の役員及び職員で相当検査業務に従事するものは、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
15 登録検査機関は、毎事業年度経過後3月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支計算書並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、国土交通大臣に提出するとともに、5年間事務所に備えて置かなければならない。
16 船舶所有者その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。ただし、第2号又は第4号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。
一 財務諸表等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって国土交通省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
17 登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、相当検査業務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
18 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第2項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その登録検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
19 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が第5項又は第6項の規定に違反していると認めるときは、その登録検査機関に対し、第5項及び第6項の規定による相当検査業務を行うべきこと又は相当検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
20 第9項、第12項及び前2項の規定は、外国登録検査機関について準用する。この場合において、これらの規定中「命ずる」とあるのは、「請求する」と読み替えるものとする。
21 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)に対し、その業務又は経理の状況に関し報告をさせることができる。
22 国土交通大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その職員に、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
23 前項の規定により立入検査をする場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
24 第22項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
25 国土交通大臣は、登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて相当検査業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第3項第1号又は第3号に該当するに至ったとき。
二 第7項、第11項、第15項、第17項又は第28項の規定に違反したとき。
三 第8項の規定による認可を受けず、又は同項の規定による認可を受けた相当検査業務規程によらないで相当検査を行ったとき。
四 第9項、第12項、第18項又は第19項の規定による命令に違反したとき。
五 正当な理由がないのに第16項各号の規定による請求を拒んだとき。
六 不正の手段により登録を受けたとき。
26 国土交通大臣は、外国登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
一 前項第1号、第2号(第15項に係る部分を除く。)、第3号又は第6号のいずれかに該当するとき。
二 第20項の規定により読み替えて準用する第9項、第12項、第18項又は第19項の規定による請求に応じなかったとき。
三 国土交通大臣が、外国登録検査機関が前2号のいずれかに該当すると認めて、期間を定めて相当検査業務の全部又は一部の停止を請求した場合において、その請求に応じなかったとき。
四 第15項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに第16項各号の規定による請求を拒んだとき。
五 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、外国登録検査機関に対しその業務又は経理の状況に関し報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
六 国土交通大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、その職員に外国登録検査機関の事務所又は事業所に立ち入らせ、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。
七 次項の規定による費用の負担をしないとき。
27 前項第6号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録検査機関の負担とする。
28 登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、帳簿を備え、相当検査業務に関し国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
29 国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 登録をしたとき。
二 第7項の規定による届出があったとき。
三 第17項の規定による許可をしたとき。
四 第25項の規定により登録を取り消し、又は相当検査業務の停止を命じたとき。
五 第26項の規定により登録を取り消したとき。
30 登録検査機関は、発効日において、新法第100条の12第1項に規定する登録を受けた者とみなす。この場合において、次の表の上欄に掲げる新法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第100条の17第2項 | この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは前条第1項の規定により認可を受けた検査業務規程 | この法律若しくは船員法の一部を改正する法律(平成24年法律第87号。以下「一部改正法」という。)、これらの法律に基づく命令若しくは処分、前条第1項の規定により認可を受けた検査業務規程若しくは一部改正法附則第7条第8項の規定により認可を受けた相当検査業務規程 |
第100条の22 | 第100条の14 | 第100条の14又は一部改正法附則第7条第5項若しくは第6項 |
同条 | 第100条の14 | |
第100条の26第1項第1号 | 第100条の12第3項第1号又は第3号 | 第100条の12第3項第1号若しくは第3号又は一部改正法附則第7条第3項第1号若しくは第3号 |
第100条の26第1項第2号 | 第100条の20又は次条 | 第100条の20若しくは次条又は一部改正法附則第7条第7項、第11項、第15項、第17項若しくは第28項 |
第100条の26第1項第3号 | 第100条の16第1項の規定による認可を受けず、又は同項の規定による認可を受けた検査業務規程 | 第100条の16第1項の規定による認可を受けず、若しくは同項の規定による認可を受けた検査業務規程によらないで、又は一部改正法附則第7条第8項の規定による認可を受けず、若しくは同項の規定による認可を受けた相当検査業務規程 |
検査を | 検査又は一部改正法附則第6条第1項に規定する相当検査を | |
第100条の26第1項第5号 | 第100条の19第2項各号 | 第100条の19第2項各号又は一部改正法附則第7条第16項各号 |
第100条の26第2項第1号 | 第100条の19第1項 | 第100条の19第1項及び一部改正法附則第7条第15項 |
第100条の26第2項第2号 | 第100条の21又は第100条の22の規定 | 第100条の21若しくは第100条の22又は一部改正法附則第7条第20項の規定により読み替えて準用する同条第9項、第12項、第18項若しくは第19項の規定 |
第100条の26第2項第3号 | 前2号 | 前2号又は一部改正法附則第7条第26項第1号若しくは第2号 |
検査業務 | 検査業務又は一部改正法附則第7条第2項第2号イに規定する相当検査業務 | |
第100条の26第2項第4号 | 第100条の19第1項 | 第100条の19第1項若しくは一部改正法附則第7条第15項 |
同条第2項各号 | 第100条の19第2項各号若しくは一部改正法附則第7条第16項各号 | |
第100条の26第2項第5号 | この法律 | 外国登録検査機関に対し、この法律 |
、外国登録検査機関に対しその業務又は | その業務若しくは | |
求めた場合 | 求めた場合又は一部改正法附則第7条第26項第5号の報告を求めた場合 | |
第100条の26第2項第6号 | 、その職員に | その職員に |
又は事業所 | 若しくは事業所 | |
又は帳簿書類 | 若しくは帳簿書類 | |
検査させようとした場合 | 検査させようとした場合又はその職員に一部改正法附則第7条第26項第6号の検査をさせようとした場合 | |
第100条の26第2項第7号 | 次項 | 次項又は一部改正法附則第7条第27項 |
31 発効日前に第9項、第12項、第18項、第19項又は第25項の規定によりされた命令は、発効日以後は、新法第100条の16第2項、第100条の17第2項、第100条の21、第100条の22又は第100条の26第1項の規定によりされた命令とみなす。
32 第3項各号のいずれかに該当する者は、新法第100条の12第3項の規定の適用については、同項各号のいずれかに該当する者とみなす。
第8条 前条第25項の規定による相当検査業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録検査機関の役員又は職員は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 船舶所有者が、偽りその他不正の行為により附則第6条第2項の証書又は同条第4項の証書の交付、再交付又は書換えを受けたときは、200万円以下の罰金に処する。
3 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした登録検査機関(外国登録検査機関を除く。)の役員又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
一 前条第17項の規定による許可を受けないで相当検査業務の全部を廃止したとき。
二 前条第21項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
4 前条第22項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、30万円以下の罰金に処する。
5 船舶所有者の代表者又は代理人、使用人その他の従業者が、船舶所有者の業務に関し、第2項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その船舶所有者に対して、同項の刑を科する。
6 前条第15項の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに同条第16項各号の規定による請求を拒んだ者(外国登録検査機関を除く。)は、20万円以下の過料に処する。
(準備行為)
第9条 新法第100条の12第1項に規定する登録を受けようとする者は、発効日前においても、その申請を行うことができる。新法第100条の16第1項の規定による検査業務規程の認可の申請についても、同様とする。
(処分、手続等の効力に関する経過措置)
第10条 この法律(附則第1条第2号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした処分、手続その他の行為であって、新法(これに基づく命令を含む。)中相当する規定があるものは、これらの規定によってした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第11条 この法律の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第12条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成29年4月21日法律第21号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第6条の規定 公布の日
二 第2条中船員法第100条の3第1項並びに第100条の6第3項第1号及び第3号の改正規定並びに附則第4条の規定 平成26年4月11日に採択された2006年の海上の労働に関する条約の改正が日本国について効力を生ずる日
三 第2条中船員法第117条の3の次に1条を加える改正規定及び同法第130条の改正規定 平成28年11月25日に採択された1978年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約附属書の改正が日本国について効力を生ずる日
四 第2条中船員法第100条の3の改正規定(第2号に掲げる部分を除く。)及び同法第100条の6第5項の改正規定並びに附則第5条の規定 平成28年2月10日に採択された2006年の海上の労働に関する条約の改正が日本国について効力を生ずる日
(海上運送法の一部改正に伴う経過措置)
第3条 施行日において現に旧海上運送法第39条の5第3項の認定を受けている者(前条の規定によりなお従前の例によることとされた認定の申請について認定を受けた者を含む。以下この条において「旧認定事業者」という。)は、施行日以後、遅滞なく、当該認定に係る船舶(総トン数500トン以上の船舶に限る。)に係る船員の安全衛生(作業用具の整備に関する事項に係るものに限る。)について国土交通大臣又は登録検査機関(船員法第100条の2第1項に規定する登録検査機関をいう。)が行う検査を受けなければならない。
2 国土交通大臣は、前項の規定による検査の結果当該船舶が船員法第100条の6第3項第2号に掲げる要件(作業用具の整備に関する事項に係る部分に限る。第5項において同じ。)に適合していると認めたときは、当該旧認定事業者に対し、第1条の規定による改正後の海上運送法(次項において「新海上運送法」という。)第39条の5第6項に規定する認定証(以下この条において「新認定証」という。)を交付しなければならない。
3 前項の規定により新認定証の交付を受けたときは、当該新認定証に係る船舶は、新海上運送法第39条の5第4項の規定による検査を受け、かつ、同条第1項の規定による認定の申請に基づき同条第5項の認定を受けたものとみなす。
4 第2項の規定により新認定証の交付を受けた者は、遅滞なく、現に交付を受けている旧海上運送法第39条の5第4項に規定する認定証を国土交通大臣に返還しなければならない。
5 国土交通大臣は、旧認定事業者が第1項の規定に違反したと認めるとき、又は当該船舶が船員法第100条の6第3項第2号に掲げる要件に適合していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
6 前各項に定めるもののほか、第1項の規定による検査に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
7 第1項の規定による検査(国土交通大臣が行うものに限る。)の申請をしようとする者は、実費を勘案して国土交通省令で定める額の手数料を国に納めなければならない。
(船員法の一部改正に伴う経過措置)
第4条 附則第1条第2号に掲げる改正規定による改正前の船員法(以下この条において「第2号旧船員法」という。)第100条の3第1項の規定により交付された海上労働証書及び第2号旧船員法第100条の6第3項の規定により交付された臨時海上労働証書で当該改正規定の施行の際現に効力を有するものは、その有効期間中に限り、それぞれ当該改正規定による改正後の船員法(以下この条において「第2号新船員法」という。)第100条の3第1項の規定により交付された海上労働証書及び第2号新船員法第100条の6第3項の規定により交付された臨時海上労働証書とみなす。
第5条 附則第1条第4号に掲げる改正規定による改正後の船員法(以下この条において「第4号新船員法」という。)第100条の3第3項の規定は、当該改正規定の施行の日以後に第4号新船員法第100条の2第1項後段の検査を受けた同項に規定する特定船舶について適用する。
(政令への委任)
第6条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
別表
障害の程度 | 月数 |
第1級 | 48箇月 |
第2級 | 42箇月 |
第3級 | 39箇月 |
第4級 | 36箇月 |
第5級 | 33箇月 |
第6級 | 30箇月 |
第7級 | 25箇月 |
第8級 | 20箇月 |
第9級 | 15箇月 |
第10級 | 12箇月 |
第11級 | 9箇月 |
第12級 | 6箇月 |
第13級 | 4箇月 |
第14級 | 2箇月 |
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