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へいさきかんのさいむのべんさいとうにかんするめいれい

閉鎖機関の債務の弁済等に関する命令

昭和22年総理庁・大蔵省・外務省・商工省・運輸省・農林省・厚生省・司法省令第4号
閉鎖機関令第1条、第11条、第18条但書及び第28条の規定により閉鎖機関の債務の弁済等に関し次のように定める。
第1条 閉鎖機関の債務の弁済に関しては、財務大臣が別に定めるものの外、この命令の定めるところによる。
第2条 特殊清算のために必要な費用は、第4条及び閉鎖機関に対する債権の申出等に関する命令(昭和22年総理庁令、大蔵省令、外務省令、商工省令、運輸省令、農林省令、厚生省令、司法省令第1号。以下共同省令という。)第3条の規定にかかわらず、特殊清算人は、随時これを弁済することができる。
第3条 閉鎖機関に対する債権で、閉鎖機関令第3条の規定により指定業務となった業務に関するものについては、当該指定業務の解除の日までは、第4条の規定にかかわらず、特殊清算人は、随時これを弁済することができる。
○2 前項の債権で特殊清算人が弁済するものについては、財務大臣が別に定める場合を除き、閉鎖機関令第18条但書の規定に基き、当該債権の弁済の日まで、利息を附するものとする。
第4条 財務大臣の指定する閉鎖機関に対する国内債権(共同省令第1条の国内債権をいう。以下同じ。)、未払送金為替等に係る債権(共同省令第1条の2の未払送金為替等に係る債権をいう。以下同じ。)及び退職金等に係る債権(共同省令第1条の3の退職金等に係る債権をいう。以下同じ。)で共同省令第1条、第1条の2、第1条の3及び第2条の規定によって除斥されなかった国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権は、次の順位に従って、これを弁済する。但し、特殊清算人は、少額の債権については、財務大臣の承認を受けて、当該順位によらないで、これを弁済することができる。
第1 閉鎖機関に属する財産の上に存する留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権(以下担保権等という。)によって担保せられた債権。(第9順位の債権を除く。)但し、当該担保権の目的たる財産を以て弁済を受けることができる金額を限度とする。
第2 左に掲げる債権。但し、左の順位に従う。
 国税徴収法又は国税徴収の例若しくは国税滞納処分の例によって徴収することができる債権
 指定日(閉鎖機関令第3条第1項にいう指定日をいう。但し、旧昭和20年大蔵、外務、内務、司法省令第1号別表に掲げる機関については、閉鎖機関令附則第6項の規定により読み替えられた日をいう。以下同じ。)以前に確定した閉鎖機関の職員の給料及び賃金並びに閉鎖機関の役員又は職員の定期に支給せられる手当及び賞与の債権
 閉鎖機関の役員又は職員の強制貯蓄金、保証金又は給与の中から積立てた積立金の返還を目的とする債権
 前号に掲げるものの外、閉鎖機関の役員又は職員の退職金、年金、解雇手当、雇止手当その他これらに準ずべき利益(閉鎖機関の本邦外の地域にある事業所又は営業所において退職した従業員に対して、当該閉鎖機関の本邦内にある事業所又は営業所において退職金、年金その他これらに準ずべき利益を給付する旨の内部規定、契約又は慣習を有していた場合を含む。)、閉鎖機関の業務に関する臨時の役務に対する手当及び実費弁償並びに臨時に支給する賞与の債権
 其の他財務大臣の指定する債権
第3 第1順位、第2順位、第5順位、第6順位、第7順位、第8順位及び第9順位の債権を除く外、指定日の前日において会社経理応急措置法に定める特別経理会社であった閉鎖機関に対する債権で、昭和21年8月11日以後の原因に基いて生じた債権又は金融機関経理応急措置法に定める金融機関である閉鎖機関に対する債権で、その新勘定に属する債権
第4 前各順位及び第5順位から第10順位までの債権以外の債権
第5 閉鎖機関の未払送金為替に係る債務、退職金その他の債務等を定める省令(昭和29年大蔵省令第35号)第1条及び第2条に規定する債務に係る債権
第6 閉鎖機関の未払送金為替に係る債務、退職金その他の債務等を定める省令第3条に規定する債務に係る債権
第7 閉鎖機関の未払送金為替に係る債務、退職金その他の債務等を定める省令第7条に規定する債務に係る債権。ただし、当該省令の各号に規定する債務の順位に従う。
第8 閉鎖機関令第2条第2項第9号に規定する本邦を履行地とする債務に係る債権(社債を除く。)
第9 社債(特別の法令により発行された債券を含む。)
第10 旧掠奪品の没収及報告に関する件(昭和21年内務省令第25号)第1条に規定する物を国から有償で取得した場合における当該物件の対価に係る債権で第3順位以外の債権
○2 同一順位の国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権に関し、他の法令により順位の定めがあるものについては、当該国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権の順位は、その法令の定めるところによる。
○3 前2項の規定により同一順位において弁済すべき国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権は、その債権額の割合に応じてこれを弁済する。
第5条 前条第1項に規定する第1順位(以下第1順位という。)の債権者は、第1順位に於て弁済を受けない債権の部分についてのみ、当該債権に第1順位の優先権がない場合の順位において、担保権の目的たる財産以外の財産から弁済を受けることができる。但し、第1順位の優先権を抛棄した債権額につき、当該債権に第1順位の優先権のない場合の順位において、担保権の目的たる財産以外の財産から弁済を受けることを妨げない。
○2 第1順位の債権者が、同一の債権の担保として、数箇の財産の上に担保権を有する場合において、同時にその財産を以て弁済するときは、各財産の価額に応じて、その債権の負担を分つものとする。
○3 ある担保権の目的たる財産のみを以て弁済するときは、第1順位の債権者は、その価額につき債権の全部の弁済を受けることができる。この場合において、第1順位における次の順位の債権者は、前項の規定に従い、右の債権者が他の財産の価額につき弁済を受くべき金額を限度として、これに代位して優先権を有する。
第5条の2 第1順位の債権につき、前2条の規定により弁済し、弁済すべき財産を供託し、又は第8条の規定により信託したときは、当該債権に係る担保権等は消滅する。
○2 前項の定めるところにより担保権が消滅したときは、登記の抹消は、登記権利者だけで申請することができる。
第6条 第4条及び第5条の規定は、その同一順位又は優先順位に属する国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権の弁済に必要な財産を別除して、国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権を弁済することを妨げない。この場合において、異議のある債権、条件附債権その他不確定な債権がある場合において、異議のある債権についてはその弁済に必要と認められる金額に相当する財産を、条件附債権についてはその金額に相当する財産を、その他不確定な債権(第1順位の債権で担保権の目的たる財産を以て当該債権を完済することができない場合における不足額を含む。)についてはその見込額に相当する財産を別除しなければならない。
○2 前項の場合において条件附債権の条件が、財務大臣の指定する日までに成就しないときは、その条件が停止条件のときはその債権者は特殊清算から除斥され、その条件が解除条件のときは無条件とする。
第6条の2 第5条の2の規定は、前条の規定により閉鎖機関の本邦内にある財産をもって担保された国内債権の弁済に必要な財産を、財務大臣の承認を得て別除した場合に準用する。
第7条 会社経理応急措置法に定める特別経理会社につき閉鎖機関令第1条の規定による指定があった場合において、指定日から、当該特別経理会社の旧勘定の先取特権、質権又は抵当権は、会社経理応急措置法第12条第1項及び第2項の規定にかかわらず、その目的であった会社財産について消滅せず又は会社経理応急措置法第12条第2項の会社財産は、当該財団から除かれなかったものとみなす。但し、新勘定に所属せしめられた会社財産が当該会社以外の者の所属に帰した場合又は会社経理応急措置法第12条第2項の会社財産が当該財団以外の財団に属せしめられ若しくは第三者の権利の目的となった場合においては、この限りでない。
○2 前項の先取特権、質権又は抵当権と、これらの権利の目的であった会社財産が新勘定に所属した後当該会社財産の上に生じた先取特権、質権又は抵当権との間の順位に関しては、前項の先取特権、質権又は抵当権は、指定日において、設定されたものとみなす。
○3 第1項但書の場合において、同項但書の会社財産に対して先取特権、質権又は抵当権を有した者は、第4順位における他の債権者に先立って同項の旧債権の弁済を受ける権利を有する。
○4 前項の規定は、第4順位において、民法の一般の先取特権の行使を妨げない。
第8条 特殊清算人は、民法第494条に規定する場合の外、閉鎖機関に対する国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権の弁済に要する費用が当該国内債権、未払送金為替等に係る債権及び退職金等に係る債権の金額を超える場合においては、財務大臣の承認を得て、債権者のために弁済の目的物を供託するか又は信託してその債務を免れることができる。
第9条 民法第494条及び前条の規定による供託は、特殊清算人の主たる事務所又は従たる事務所の所在地の供託所においてすることができる。
○2 前項の場合において、特殊清算人に過失がなくて債権者又は履行地を確知することができないときは、特殊清算人は、債権者に対して民法第495条第3項に規定する供託の通知をすることを要しない。
第10条 閉鎖機関令第19条第1項に規定する閉鎖機関が、同項の規定により異議のある債務、条件付の債務その他不確定の債務について、その弁済に必要な財産を別除する場合には、異議のある債務についてはその弁済に必要と認められる金額に相当する財産を、条件付の債務についてはその金額に相当する財産を、その他不確定の債務についてはその見込額に相当する財産を別除しなければならない。
○2 前項の場合において条件付の債務の条件が、財務大臣の指定する日までに成就しないときは、その条件が停止条件のときは弁済することを要しないものとし、その条件が解除条件のときは無条件となるものとする。

附則

この命令は、公布の日から、これを施行する。
附則 (昭和23年10月8日外務省・大蔵省・法務庁・厚生省・農林省・商工省・運輸省・建設省令第2号)
この命令は、公布の日から施行し、昭和23年8月21日から適用する。
附則 (昭和23年12月22日大蔵省令第112号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令施行の日において、閉鎖機関が、すでに本令第4条第1項第2順位第2号、第3号、第4号、第5号又は第3順位の債権の弁済を開始しているときは、指定日以前に確定した閉鎖機関の役員の定期に支給せられる手当及び賞与の債権は、当該順位の債権を弁済した後において、第4順位の債権の弁済を開始しているときは、第4順位において、これを弁済する。
3 前項の規定は、閉鎖機関の役員の強制貯蓄金、保証金又は給与の中から積立てた積立金の返還を目的とする債権並びに閉鎖機関の役員の閉鎖機関の業務に関する臨時の役務に対する手当、実費弁償及び臨時に支給せられる賞与の債権の場合に、これを準用する。
4 この省令施行の日において、閉鎖機関が、すでに本令第4条第1項第2順位第4号、第5号、第3順位、第4順位又は第5順位の債権の弁済を開始しているときは、当該閉鎖機関の役員の退職金、年金その他これらに準ずべき利益の債権は、当該順位の債権を弁済した後において、これを弁済する。
附則 (昭和24年5月20日大蔵省令第33号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和25年4月6日大蔵省令第34号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令施行の日において、閉鎖機関が、すでに本令第4条第1項第2順位第4号、第5号、第3順位、第4順位又は第5順位の債権の弁済を開始しているときは、当該閉鎖機関の職員の解雇手当、雇止手当の債権は、当該順位の債権を弁済した後において弁済する。
附則 (昭和25年12月26日法務府・大蔵省令第6号) 抄
1 この命令は、公布の日から施行する。
3 省令第1号第1条第1項の規定の適用については、国内債権のうちこの改正命令により新たに国内債権となったもの(廃止前の閉鎖機関の債務の弁済等に関する件第4条第1項による債権指定の件により指定された債権で、改正前の省令第1号第1条第1項の規定による特殊清算人の催告に応じて申し出た国内債権のうちその申出を受理されなかったものを含む。以下同じ。)に対しては、「その就職の日(閉鎖機関令(以下「令」という。)第3条の規定による指定業務の指定があった閉鎖機関については、指定業務の解除の日)から2ケ月以内」とあるのは「閉鎖機関に対する債権の申出等に関する件等の一部を改正する命令(昭和25年法務府令、大蔵省令第6号)施行の日から1ケ月以内」と読み替えるものとする。
4 国内債権のうちこの改正命令により新たに国内債権となったものに対しては、改正前の省令第1号第1条第1項に規定する国内債権のうち既に弁済を開始しているものがある場合には、当該債権で弁済順位が最下位のものの直近上位の順位までの債権の弁済のためにこの改正命令施行前の省令第4号第6条の規定により留保した財産をもって、弁済してはならない。
附則 (昭和29年6月10日法務省・大蔵省令第1号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (昭和31年5月21日大蔵省令第33号) 抄
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令施行の際、すでに改正前の閉鎖機関の債務の弁済等に関する命令第4条第1項第7順位に規定する社債の弁済又は残余財産の分配を行っている閉鎖機関については、当該弁済又は分配をした後の財産をもって退職金等に係る債権を弁済すれば足りるものとする。
附則 (昭和40年2月12日大蔵省令第3号)
この省令は、公布の日から施行し、閉鎖機関に対する債権のうちこの省令施行の日において、弁済されていないものについて適用する。
附則 (平成12年8月21日大蔵省令第69号) 抄
1 この省令は、平成13年1月6日から施行する。

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