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かいしゃけいりおうきゅうそちほう

会社経理応急措置法

昭和21年法律第7号
第1条 この法律で特別経理会社とは、左に掲げる会社(金融機関経理応急措置法第27条第1号に掲げる金融機関及び閉鎖機関令第1条に規定する閉鎖機関を除く。以下同じ。)をいふ。
 昭和21年8月11日午前零時(以下指定時といふ。)において、戦時補償金等の交付を受け、若しくはその交付を受ける権利を有し、又は在外資産を有する資本金(出資総額、株金総額又は出資総額及び株金総額の合計額をいふ。以下同じ。)20万円以上の会社。但し、主務大臣の指定する会社及び戦時補償金等の交付を受けた金額又は会社の貸借対照表の資産の部に計上した戦時補償金等の請求権及び在外資産の合計額が、指定時現在において、命令の定めるところにより計算した積立金の額及び貸借対照表に記載した指定時を以て終了する事業年度の利益金額の合計額を超えず、且つ債務超過又は支払不能に陥る虞のない会社であって、主務大臣の認可を受けたものを除く。
 左の各号の一に該当する会社であって、主務大臣の指定を受けたもの
 戦時補償金等の交付を受け、若しくはその交付を受ける権利を有し、又は在外資産を有する会社であって、指定時において資本金20万円未満のもの
 この法律施行後、債権の取立が著しく困難となったことその他の事由により、会社の資産の価額が減少したため、債務超過又は支払不能に陥る虞のある会社
 その所有する株式、出資証券又は社債の価額が、この法律施行後、著しく下落し、又はこれを処分することが困難となったため、債務超過又は支払不能に陥る虞のある会社
前項第1号但書の規定によって、主務大臣の認可を受けようとする会社は、命令の定めるところにより、この法律施行後2箇月以内に、文書を以て、主務大臣にその旨を申請しなければならない。
第1項第2号の指定を受けようとする会社は、命令の定めるところにより、この法律施行後2箇月以内に、文書を以て、主務大臣にその旨を申請しなければならない。
特別の事由があると認められる場合においては、主務大臣は、前2項の期間経過後にされた申請についても、認可又は指定をすることができる。
主務大臣は、第1項第1号但書の指定若しくは認可又は同項第2号の指定をしたときには、直ちにその旨を告示する。
資本金20万円以上の会社であって、戦時補償金等の交付を受けたことがなく、若しくはその交付を受ける権利を有せず、又は在外資産を有しないものは、この法律施行の日から3週間以内に、特別経理会社でない旨を主務大臣に届け出るとともに、その旨を公告しなければならない。
第2条 前条第1項第1号但書に該当する会社が、同条第2項の規定による認可の申請をしない場合には、当該会社に対し、指定時において払込株金額若しくは払込出資金額の10分の1以上に当る債権を有する者、指定時において出資金額が資本金の10分の1以上に当る社員又は指定時において資本金の10分の1以上に当る株式を有する株主は、同項の期間経過後20日以内に、会社に対して、同項の申請をするべき旨を請求することができる。
前項の規定は、前条第1項第2号イ乃至ハに該当する会社が、同条第3項の規定による指定の申請をしない場合に、これを準用する。
前2項の請求があった場合には、会社は、直ちに前条第2項又は第3項の規定に準じて、認可又は指定の申請をしなければならない。
第3条 会社は、第1条第1項第1号但書の指定若しくは認可又は同項第2号の指定を受けたときには、本店の所在地においては2週間以内に、支店の所在地においては3週間以内に、登記をしなければならない。
第1条第6項の会社は、この法律施行の日から、本店の所在地においては2週間以内に、支店の所在地においては3週間以内に、特別経理会社でない旨の登記をしなければならない。
第4条 指定時以前の原因に基いて生じた第1条第1項第1号本文の会社又は同項第2号の指定を受けた会社に対する債権について、指定時からこの法律施行の日前まで又は同項第2号の指定のあるまでにされた弁済その他債権を消滅させる行為(免除を除く。)は、これを無効とする。但し、第14条第1項但書に規定する債権については、この限りでない。
前項の規定は第三者の権利を害することができない。
第1項の会社が、指定時からこの法律施行の日前まで又は第1条第1項第2号の指定のあるまでにした不動産又は重要な財産の譲渡は、これを無効とする。
前項の場合において、譲受人の権利は、指定時以前の原因に基いて生じた債権とみなす。
第5条 特別経理会社は、遅滞なく、指定時現在における財産目録、貸借対照表、動産、不動産、債権その他の財産及び債務に関する明細書並びに指定時を含む事業年度開始の日から指定時に至るまでの損益計算書を作成しなければならない。
第6条 特別経理会社に特別管理人を置く。
第7条 特別経理会社には、指定時において、新勘定及び旧勘定を設ける。
特別経理会社の第5条の財産目録に記載した動産、不動産、債権その他の財産(以下会社財産といふ。)は、命令の定めるところにより、会社の目的たる現に行ってゐる事業の継続及び戦後産業の回復振興に必要なものを、指定時において、新勘定に所属せしめ、新勘定に所属せしめた会社財産以外の会社財産を、指定時において、旧勘定に所属せしめる。
前項の規定によって新勘定に所属せしめる会社財産の範囲は、命令の定めるところにより、特別管理人が、これを決定する。
指定時後、会社の計算は、新勘定と旧勘定とに区分経理しなければならない。
第2項の規定によって新勘定に所属せしむべき会社財産を有しない会社及び清算又は破産手続中の会社には、第1項の規定にかかはらず、旧勘定のみを設ける。
第1項乃至第4項の規定は、前項の会社において、新勘定及び旧勘定を設ける必要が生じ、特別管理人の決定があった場合に、これを準用する。
旧勘定に所属する財産のうちで、あらたに新勘定に所属せしめることを必要とするものを生じたときには、特別管理人の決定に基いて、これを新勘定に振り替へることができる。この場合においては、当該財産は、新勘定に振り替へられた日において、新勘定に所属せしめられたものとする。
特別経理会社は、新勘定旧勘定毎に、帳簿を作成し、前各項の規定によって、新勘定又は旧勘定に所属する会社財産を明確にしなければならない。
第8条 特別経理会社は、前条第3項の決定に基いて、新勘定旧勘定毎に、会社財産の明細書を作成し、命令の定めるところにより、特別管理人の承認を受けなければならない。
前項の規定によって、特別管理人の承認を受けた旧勘定に所属する会社財産の明細書は、特別管理人の承認を受けた日から2週間以内に、公証人の認証を受けなければならない。
特別の事由があるときには、主務大臣は、特別経理会社の申請により、前項の期間を延長することができる。
第2項の認証を受けなければ、前条第3項の決定は、その効力を生じない。
前条第7項の規定によって、新勘定及び旧勘定に所属する会社財産に変更のあった場合においては、旧勘定から新勘定に繰り替へられた会社財産について、前4項の規定を準用する。
特別経理会社は、旧勘定に所属する会社財産であって、登記又は登録のあるものについては、旧勘定に所属する旨の登記又は登録をしなければ、旧勘定に所属することを以て第三者に対抗することができない。
前項の規定の適用を受けない特別経理会社の財産であって、新勘定又は旧勘定のいづれに属するか分明でないものは、新勘定に所属するものと推定する。
前7項の規定は、旧勘定のみを設ける会社に対しては、これを適用しない。
第8条の2 特別経理会社が新勘定に所属せしめた会社財産のうちで旧勘定に所属せしめることを必要とするものを生じたときには、特別管理人の決定に基き主務大臣の認可を受け、これを旧勘定に振り替へることができる。この場合においては、当該会社財産は、旧勘定に振り替へられた日において、旧勘定に所属せしめられたものとし、第14条第5項の規定を準用する。
第8条第1項乃至第4項及び第6項の規定は、新勘定から旧勘定に振り替へた会社財産についてこれを準用する。
第9条 第7条第1項の規定によって、会社財産を新勘定及び旧勘定に区分経理した場合においては、旧勘定の貸借対照表の資産の部に、新勘定に対する未整理受取勘定を設けて、これに新勘定に所属せしめた会社財産の第5条の財産目録に記載した価額と同じ金額を計上し、新勘定の貸借対照表の負債の部に、旧勘定に対する未整理支払勘定を設けて、同一金額を計上するものとする。
前項の規定は、第7条第7項の場合に、これを準用する。
第10条 特別経理会社は、毎月末における新勘定の貸借対照表の負債の部の未整理支払勘定に計上した金額に命令の定める率を乗じて得た金額と同じ金額を、翌月の初めに新勘定から旧勘定に繰り入れなければならない。
月の途中において、新勘定の貸借対照表の負債の部の未整理支払勘定に計上した金額に増加又は減少のあった場合においては、前月末における未整理支払勘定に計上した金額に対して、前項の規定を適用して計算した金額に、未整理支払勘定に増加又は減少のあった日の翌日からその月の末日迄の日割を以て、当該増加額又は減少額につき前項の金額を計算し、これを加算又は控除したものを以て前項に規定する繰入金額とする。
第11条 特別経理会社は、指定時後の原因に基いて生じた収入及び支出を、新勘定の収入及び支出として、経理しなければならない。
特別経理会社は、指定時以前の原因に基いて生じた収入及び支出を、旧勘定の収入及び支出として、経理しなければならない。
指定時後に退職した者に対する退職金その他指定時の前後に渉る事項に係る収入及び支出に関しては、前2項の規定にかかはらず、命令により特別の定をなすことができる。
旧勘定に所属する会社財産の管理に要する支出は、第1項の規定にかかはらず、旧勘定の支出として、これを経理しなければならない。
特別経理会社が、指定時後、旧勘定に所属する財産の果実として収取した財産及び旧勘定に所属する財産の処分の対価として取得した財産その他命令で定めるものは、第1項の規定にかかはらず、これを旧勘定に所属せしめる。
第12条 指定時以前の原因に基いて生じた特別経理会社に対する債権(以下旧債権といふ。)の先取特権、質権又は抵当権であって、新勘定に所属する会社財産の上に存するものは、命令により定める場合を除くの外、当該会社財産を新勘定に所属せしめた日に、当該会社財産につき消滅する。
鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団又は自動車交通事業財団に属する会社財団の全部が新勘定に所属せしめられた場合においては、当該財団は、抵当権の消滅により消滅することはないものとする。
鉄道財団、工場財団、鉱業財団、軌道財団、運河財団、漁業財団又は自動車交通事業財団に属する会社財産の一部を新勘定に所属せしめる場合には当該会社財産は、命令により定める場合を除くの外、当該会社財産を新勘定に所属せしめる日において、当該財団から除かれ、当該財団に属さないことになったものとする。
特別経理会社の旧勘定及び新勘定の併合の日から、第1項の先取特権、質権若しくは抵当権は、その目的であった会社財産について消滅せず、又は前項の会社財産は、当該財団から除かれなかったものとみなす。但し、新勘定に所属せしめられた会社財産が当該会社以外の者の所有に帰した場合又は同項の会社財産が当該財団以外の財団に属せしめられ、若しくは第三者の権利の目的となった場合においては、この限りでない。
前項の先取特権、質権又は抵当権とこれらの権利の目的であった会社財産が新勘定に所属せしめられた後当該会社財産の上に生じた先取特権、質権又は抵当権との間の順位に関しては、同項の先取特権、質権又は抵当権は、旧勘定及び新勘定の併合の日において、設定せられたものとみなす。
第4項但書の場合において、同項但書の会社財産に対して先取特権、質権又は抵当権を有した者は、当該特別経理会社の総財産について、他の債権者に先立って当該旧債権(企業再建整備法第19条第1項の規定の適用を受ける場合においては、同項の規定によって確定する額の債権)の弁済を受ける権利を有する。
前項の規定は、民法の一般の先取特権の行使を妨げない。
第13条 指定時後の原因に基いて生じた特別経理会社に対する債権(旧勘定に所属する財産の管理のために生じた債権を除く。以下新債権といふ。)については、旧勘定に所属する財産に対して、強制執行、仮差押又は仮処分をすることができない。
第14条 旧債権(命令で定める債権を含む。)については、弁済をなし、又は弁済を受けその他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。但し、金銭その他物若しくは有価証券の引渡を目的とする債権以外の債権又は金銭以外の物の引渡を目的とする債権であって、その給付が特別経理会社の現に行ってゐる通常の業務に属し、且つ新勘定の計算において履行できるもの並びに左に掲げるものについては、この限りでない。
 国又は都道府県その他の地方公共団体に対する公租公課その他命令で定めるこれに準ずる債権
 指定時以前に確定した給料その他命令で定める定期的給与の債権
 従業員の預かり金その他これに準ずる債権(命令で定める制限を超えないものに限る。)
 指定時以前に確定した退職金その他命令で定める臨時的給与の債権(命令で定める制限を超えないものに限る。)
 会社の通常の業務の運営に伴ふ1000円未満の債権
 その他命令を以て定める債権
特別経理会社は、前項各号に掲げる債権については、これを旧勘定から弁済することができない場合に限り、特別管理人の承認を受けて、第9条の規定によって設けた新勘定の貸借対照表の負債の部の未整理支払勘定に計上した金額の限度において、これを新勘定から弁済することができる。
旧勘定に所属する財産の管理のために生じた債権についても前項と同様である。但し、この場合においては、命令の定めるところにより、主務大臣の承認を受けなければならない。
第1項第2号乃至第6号の債権及び前項の債権については、新勘定に所属する財産に対して、強制執行、仮差押又は仮処分をすることができない。
第2項及び第3項の場合においては、新勘定から弁済した金額と同じ金額を、旧勘定の貸借対照表の資産の部の未整理受取勘定に計上した金額及び新勘定の貸借対照表の負債の部の未整理支払勘定に計上した金額から、夫々減額しなければならない。
第15条 特別経理会社については、破産手続開始の決定をすることができない。
特別経理会社の解散、合併、組織変更又は資本(出資金を含む。)の減少に関する総社員の同意、株主総会の決議又は社員総会の決議は、その効力を生じない。但し、特別の事由により主務大臣の承認を受けた場合においては、この限りでない。
特別経理会社になったものの財産に対し、既にされた強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は担保権の実行としての競売の手続は、その会社が特別経理会社である間、これを中止する。ただし、その財産が新勘定に所属することとなったときには、これらの手続は、この法律の適用の限度において、その効力を失う。
特別経理会社の解散、合併及び組織変更については、この法律及び他の法令にかかはらず、命令を以て別段の定をなすことができる。指定時後合併する会社の一方又は双方が特別経理会社である場合において、合併後存続する会社であって特別経理会社でないもの又は合併に因り設立する会社についても、同様とする。
第16条 特別経理会社は、会社の事業年度毎に、新勘定旧勘定各別に、財産目録、貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならない。
商法中財産目録、貸借対照表及び損益計算書に関する規定は、前項に掲げる書類に、これを準用する。
新勘定において生じた各事業年度の利益金額及び損失金額は、新勘定において次の事業年度に繰り越さなければならない。
他の法令又は定款の定にかかはらず、特別経理会社の指定時を含む事業年度は、指定時に終了するものとし、これに続く期間は、次期の事業年度に属するものとする。
指定時に終了する事業年度において生じた利益は、他の法令又は定款の定にかかはらず、これを積み立てなければならない。
第17条 特別経理会社は、命令で定める場合を除くの外、取締役その他当該会社の業務を執行する役員のうちから2人、及び当該会社の旧債権を有する者(法人である場合においては、その代表者)のうちから2人の特別管理人を選任しなければならない。
前項の特別管理人の選任につき、時期、方法その他必要な事項は、命令の定めるところによる。
第1項の規定による最初の特別管理人の全員が選任されたときには、特別経理会社は、本店の所在地においては2週間以内に、支店の所在地においては3週間以内に、特別管理人の住所及び氏名並びに当該会社との関係を登記しなければならない。
前項の規定により登記した事項に変更を生じたときは、本店の所在地においては2週間以内に、支店の所在地においては3週間以内に、変更の登記をしなければならない。
特別経理会社は、特別管理人の選任があったときから2週間以内に、前2項の登記をしなければならない事項を、主務大臣に届け出なければならない。
第18条 特別管理人は、主務大臣が、これを監督する。
特別管理人の報酬その他特別管理人の職務に関し必要な事項は、命令で、これを定める。
第19条 特別管理人が、第7条第3項の規定による会社財産の範囲の決定、第14条第2項及び第3項の規定による弁済に対する承認、第21条第1項の規定による管理についての決定、第22条第1項の規定による処分に対する承認及び第23条第2項の規定による同意をするときには、その過半数を以て、これを決する。但し、可否の意見が同数の場合には、特別管理人の申請により、主務大臣がこれを裁定する。
第20条 主務大臣は、特別管理人が法令又は主務大臣の命令に違反したとき、公益を害する行為をしたとき、又は特別管理人を不適当と認めるときには、これを解任することができる。
第21条 特別経理会社の業務を執行する役員は、旧勘定に所属する財産の処分、保全その他の管理について、特別管理人の決定するところに従はなければならない。
特別管理人は、旧勘定に所属する財産の処分、保全その他の管理について、特別経理会社の業務を執行する役員を監督する。
第22条 特別経理会社は、会社財産及び指定時後取得した旧勘定に所属する財産を譲渡し、貸与し又は質権若しくは抵当権の目的としようとするときには、命令で定める場合を除くの外、特別管理人(特別管理人の選任されてゐないときには主務大臣)の承認を受けなければならない。
前項の規定は、第14条第1項但書の規定の適用を妨げない。
第1項の規定によって特別管理人の承認を受けないで、会社財産及び指定時後取得した旧勘定に所属する財産を処分した場合においては、その処分は、これを無効とする。但し、その処分の無効は、これを以て善意の第三者に対抗することができない。
第23条 特別経理会社の株式を譲渡しようとする者は、当該会社に対して、承認を求めなければならない。
前項の場合において、会社が承認しようとするときには、特別管理人の同意を得なければならない。会社法(平成17年法律第86号)第585条第1項又は第2項の規定によって持分の譲渡について承諾をしようとするときも、同様とする。
第1項の規定による承認を受けずに行はれた株式の譲渡は、会社に対して、その効力を生じない。
第24条 特別経理会社の旧勘定に所属する債権については、第14条第1項但書各号及び第2項後段に規定する債権を除き、その権利を行使できる日から1箇月以内は、時効が完成しない。
第25条 主務大臣は、必要があると認めるときには、特別経理会社に対して、監督上必要な命令をすることができる。
主務大臣は、この法律の施行に関し、必要があると認めるときには、業務及び財産の状況に関して報告をさせ、又は当該官吏に帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
主務大臣は、前項の規定によって、当該官吏に検査をさせるときには、命令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯させなければならない。
第26条 削除
第27条 主務大臣は、命令の定めるところにより、この法律の施行に関する事務の一部を日本銀行をして取り扱はせることができる。
第27条の2 この法律における主務大臣は、特別経理会社の営む業務の所管大臣及び財務大臣とする。
第28条 左の場合においては、その行為をした会社の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、これを3年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。
 第1条第2項又は第3項の規定による文書に、虚偽の記載をしたとき
 第2条第3項の規定による認可又は指定の申請を怠ったとき
 第7条第8項の規定に違反して帳簿を作成せず、又は帳簿に虚偽の記載をしたとき
 第8条第2項又は第5項の規定に違反して明細書について公証人の認証を受けず、又は虚偽の記載をした明細書について公証人の認証を受けたとき
 第14条第1項の規定に違反して弁済その他債権を消滅させる行為をしたとき
 第14条第2項又は第3項の規定による特別管理人の承認又は主務大臣の承認を受けないで弁済をしたとき
 第21条の規定による財産の処分、保全その他の管理について特別管理人の決定に従はなかったとき
 第22条第1項の規定による特別管理人(特別管理人が選任されてゐないときには主務大臣)の承認を受けないで財産を処分したとき
第29条 第14条第1項の規定に違反して弁済を受けその他債権を消滅させる行為をした者は、これを3年以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する。
第30条 特別管理人が、その職務に関して、賄賂を収受し、要求し又は約束したときには、これを3年以下の懲役又は3000円以下の罰金に処する。
前項の賄賂を供与し、又はその申込若しくは約束をした者も同様である。
第31条 左の場合においては、その行為をした特別経理会社の代表者、社員、代理人、使用人その他の従業者は、これを1年以下の懲役又は1万円以下の罰金に処する。
 第5条の規定による書類の作成を怠り、又は虚偽の記載をしたとき
 第17条第5項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき
 特別管理人の選任を怠ったとき
 第23条第2項の規定による特別管理人の同意を得ないで、株式又は持分の譲渡を承認又は承諾したとき
第32条 第25条第2項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、これを1年以下の懲役又は1万円以下の罰金に処する。同項による検査を拒み、妨げ又は忌避した者も同様である。
第33条 犯人又は情を知る第三者の収受した賄賂は、これを没収する。その全部又は一部を没収することができないときには、その価額を追徴する。
第34条 法人の代表者、法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、第28条、第29条、第31条又は第32条前段の違反行為をしたときには、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
第35条 左の場合においては、会社の取締役その他これに準ずる者は、これを3000円以下の過料に処する。
 この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反して登記を怠ったとき
 第1条第6項の規定による届出若しくは公告をせず、又は虚偽の届出若しくは公告をしたとき
 第25条第1項の規定による主務大臣の命令に違反したとき
第36条 第28条乃至前条の規定は、第1条第1項第1号但書の規定による指定又は認可があった場合には、その指定又は認可があったときまでの行為に対しては、指定又は認可の後でも、なほこれを適用する。
第37条 この法律のうち戦時補償金等及び在外資産の範囲については、命令でこれを定める。
第38条 削除
第39条 この法律のうち必要な規定は、命令の定めるところによって、特別経理会社以外のものに対し、これを準用することができる。
この法律のうち必要な規定は、命令の定めるところによって、命令の定める日以後命令の定める損失に因り債務超過又は支払不能に陥る虞のある会社その他の者に対し、これを準用することができる。
第28条乃至第36条の規定は、前2項において準用する場合に、これを適用する。但し、同条中会社又は特別経理会社とあるのは、第1項の特別経理会社以外の者又は前項の会社その他の者とし、同条に掲げる条項は、前2項の規定によって準用される場合の条項を含むものとする。
第40条 この法律に定めるものの外、登記その他に関し必要な事項は、命令の定めるところによる。

附則

この法律は、公布の日から、これを施行する。
附則 (昭和21年10月19日法律第40号) 抄
この法律の施行の期日は、勅令でこれを定める。
附則 (昭和22年3月10日勅令第74号) 抄
この勅令は、公布の日から、これを施行する。
附則 (昭和22年4月17日法律第68号) 抄
この法律は、公布の日から、これを施行する。
附則 (昭和22年12月11日法律第163号) 抄
この法律は、公布の日から、これを施行する。但し、会社経理応急措置法第12条の改正規定は、同法施行の日から、これを適用する。
この法律施行前改正後の会社経理応急措置法第12条第2項に規定する財団に属する会社財産の全部又は一部が、当該会社以外の者の所有に帰し、当該財団以外の財団に属せしめられ、その他第三者の権利の目的となった場合においては、同項の改正規定は、当該会社財産については、これを適用しない。
附則 (昭和26年3月28日法律第44号) 抄
1 この法律は、商法の一部を改正する法律(昭和25年法律第167号)施行の日(昭和26年7月1日)から施行する。
2 この法律施行前に整備計画の認可を受けた特別経理株式会社の決定整備計画に定める事項の実行については、第6条、第29条の3及び第29条の4の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。但し、決定整備計画に定める事項を改正後のこれらの規定に従ったものとするため、当該特別経理株式会社の特別管理人が企業再建整備法第20条第1項の規定により決定整備計画の変更の認可を申請することを妨げない。
3 前項の特別経理株式会社の決定整備計画に定める事項のうち第2会社の設立、合併及び資本の増加については、商法の一部を改正する法律施行後も、なお同法による改正前の商法の規定を適用する。但し、商法の一部を改正する法律施行後にする当該第2会社の設立の登記、合併による変更又は設立の登記及び資本増加の登記については、商法の一部を改正する法律施行法(昭和26年法律第210号)第5条但書、第39条第1項但書及び第44条第1項但書の規定の適用があるものとする。
4 前項に規定する合併の場合において、合併の相手方である株式会社が商法の一部を改正する法律施行後に合併契約書承認の決議をするときは、当該会社については、同項の規定にかかわらず、同法による改正後の商法第408条ノ2の規定を適用する。
附則 (昭和26年6月8日法律第211号) 抄
1 この法律は、昭和26年7月1日から施行する。
附則 (昭和54年3月30日法律第5号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、民事執行法(昭和54年法律第4号)の施行の日(昭和55年10月1日)から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行前に申し立てられた民事執行、企業担保権の実行及び破産の事件については、なお従前の例による。
3 前項の事件に関し執行官が受ける手数料及び支払又は償還を受ける費用の額については、同項の規定にかかわらず、最高裁判所規則の定めるところによる。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
附則 (平成16年6月2日法律第76号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、破産法(平成16年法律第75号。次条第8項並びに附則第3条第8項、第5条第8項、第16項及び第21項、第8条第3項並びに第13条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
(罰則の適用等に関する経過措置)
第12条 施行日前にした行為並びに附則第2条第1項、第3条第1項、第4条、第5条第1項、第9項、第17項、第19項及び第21項並びに第6条第1項及び第3項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第14条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成17年7月26日法律第87号) 抄
この法律は、会社法の施行の日から施行する。

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