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はつでんようすいりょくせつびにかんするぎじゅつきじゅんをさだめるしょうれい

発電用水力設備に関する技術基準を定める省令

平成9年通商産業省令第50号
電気事業法(昭和39年法律第170号)第39条第1項の規定に基づき、発電用水力設備に関する技術基準を定める省令(昭和40年通商産業省令第59号)の全部を改正する省令を次のように定める。

第1章 総則

(適用範囲)
第1条 この省令は、水力を原動力として電気を発生するために施設する電気工作物について適用する。
2 前項の電気工作物とは、一般用電気工作物及び事業用電気工作物をいう。
(定義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 「水路」とは、取水設備、沈砂池、導水路、ヘッドタンク、サージタンク、水圧管路(ヘッドタンク又はサージタンク(ヘッドタンク及びサージタンクがない場合は、取水設備)から水車に直接導水するための施設をいう。以下同じ。)及び放水路をいう。
 「設計洪水位」とは、ダム(河川法(昭和39年法律第167号)の規定の適用を受けるダム及び堰をいう。以下同じ。)の直上流の地点において、200年につき1回の割合で発生するものと予想される洪水の流量(当該流量の算定が、計算技法上不適当である場合は、100年につき1回の割合で発生する流量の1・2倍の流量)、当該地点において発生した最大の洪水の流量又は当該ダムに係る流域と水象若しくは気象が類似する流域のそれぞれにおいて発生した最大の洪水に係る水象若しくは気象の観測の結果に照らして当該地点に発生するおそれがあると認められる洪水の流量のうちいずれか大きい流量(フィルダムにあっては、当該流量の1・2倍の流量)の流水がダムの洪水吐きを流下する場合におけるダムの非越流部の直上流における最高の水位(貯水池の貯留効果が大きいダムにあっては、当該水位から当該貯留効果を考慮して得られる値を減じた水位)をいう。ただし、高さ15メートル未満の流量調節を目的としないダム及び河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号)第5章の規定の適用を受けるダムにあっては、当該ダムに係る流域の水象又は気象の観測の結果により求めた当該ダムの直上流の地点における洪水の流量の流水がダムを流下する場合におけるダムの直上流における最高の水位をいう。
(防護施設等)
第3条 ダム、水路等の人が転落するおそれがある箇所には、さく、塀等の防護施設を設け、又は危険である旨を表示しなければならない。ただし、土地の状況等により公衆が容易に立ち入るおそれがない箇所については、この限りでない。
2 発電用水力設備が一般用電気工作物である場合には、前項の規定は、同項中「ダム、水路等の人が転落するおそれがある箇所」とあるのは「水路のうち人が転落して危害を受けるおそれがある箇所」と読み替えて適用する。
3 発電用水力設備が一般用電気工作物である場合には、水車及び発電機その他発電用水力設備のうち人が接触して危害を受けるおそれがある箇所に、さく、塀等の防護施設を設け、かつ、危険である旨を表示しなければならない。ただし、土地の状況等により公衆が容易に立ち入るおそれがない箇所については、この限りでない。
(急傾斜地の崩壊の防止)
第4条 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の規定により指定された急傾斜地崩壊危険区域内に施設する電気工作物は、当該区域内の急傾斜地(同法第2条第1項に規定するものをいう。)の崩壊を助長し、又は誘発するおそれがないように施設しなければならない。
(ばい煙の防止)
第5条 発電用火力設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第51号)第4条第1項及び第2項の規定は、水力発電所に施設する電気工作物(火力を原動力として電気を発生するために施設するものを除く。)について準用する。

第2章 ダム

第1節 通則

(ダム)
第6条 ダムは、次の各号により施設しなければならない。
 コンクリート重力ダム及びコンクリート中空重力ダムは、水位、流量その他の河川の状況並びに自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力及び揚圧力を考慮した安全な構造のものであること。
 アーチダムは、水位、流量その他の河川の状況並びに自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、揚圧力及び温度荷重を考慮した安全な構造のものであること。
 フィルダムは、水位、流量その他の河川の状況並びに自重、静水圧、地震力及び間げき圧を考慮した安全な構造のものであること。
 前各号に掲げるダム以外のダムは、水位、流量その他の河川の状況及び自重、水圧その他の予想される荷重を考慮した安全な構造のものであること。
2 前項各号に掲げるダムにおいて、極寒地で対岸距離が小さいため大きな氷圧が加わるおそれがあるときは、考慮すべき荷重として氷圧を加えなければならない。
(非越流部頂の位置)
第7条 ダムの堤体の非越流部頂の高さは、設計洪水位、サーチャージ水位又は常時満水位に、それぞれダムの種類及び洪水吐きゲートの有無に応じた各水位の余裕高を加えた値のいずれか大きい値以上でなければならない。
(基礎地盤)
第8条 ダムの基礎地盤は、ダムの安定に必要な強度及び水密性を有するものでなければならない。
(ダムのコンクリートの材料)
第9条 ダムに使用するコンクリートの材料は、次の各号によらなければならない。
 セメントは、その品質に応じて、適切に凝結し、固化するものであること。
 骨材は、強硬で耐久性のあるものであること。
 骨材、水又は混和材料は、コンクリートの凝結を妨げ、鉄筋を著しくさびさせ、又はコンクリートと鉄筋との付着を妨げる酸、塩、有機物又は泥土を含まないこと。
(漏水の防止)
第10条 堤体及び堤体とその基礎地盤との接触部は、危険な漏水が生じないものでなければならない。
(ダムの監視施設)
第11条 高さが15メートル以上のダムには、ダムの健全性を監視するための施設を設けなければならない。
(ダムの洪水吐き)
第12条 堤体又はその付近には、洪水に適切に対処するために、次の各号により洪水吐きを施設しなければならない。
 洪水吐きは、フィルダムにあっては堤体の付近、その他のダムにあっては堤体又はその付近に設けること。
 洪水吐き(ゲートを除く。)は、自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、揚圧力及び温度荷重並びに設計洪水位において当該洪水吐きから放流される流量の流水が流下する場合における荷重に対し安定であること。
 洪水吐き(ゲートを除く。)のコンクリート構造物に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、揚圧力及び温度荷重並びに設計洪水位において当該洪水吐きから放流される流量の流水が流下する場合における荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 洪水吐きは、設計洪水位において洪水吐きから放流される流量の流水が流下する場合に流水を安全に流下することができ、ダム及びその付近に悪影響を及ぼすおそれがないようにすること。
 洪水吐きの機能に支障を及ぼすような流下物が流入するおそれがないようにすること。
2 前項の洪水吐きのゲートは、次の各号により施設しなければならない。
 水密性を有すること。
 扉体の開閉が容易かつ確実であること。
 扉体に使用する材料は、扉体に必要な化学的成分及び機械的性能を有するものであること。
 扉体に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、浮力、開閉力及び氷圧による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 扉体の開閉の際に、危険な振動がないこと。
 扉体は、座屈しない構造であること。
 扉体に加わる荷重を堤体等に安全に伝える構造であること。
 扉体の開閉に異常が発生した場合に当該扉体を確実に停止できること。
 扉体の作動状況を操作員に対して知らせるための装置を設けること。
(洪水吐き以外の放流設備)
第13条 洪水吐き以外の放流設備は、ダム及びその付近に悪影響を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。

第2節 コンクリート重力ダム及びコンクリート中空重力ダム

(堤体の強度)
第14条 コンクリート重力ダム又はコンクリート中空重力ダムの堤体に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力及び揚圧力による圧縮応力は、使用するコンクリートごとにそれぞれの許容圧縮応力を超えてはならない。
2 コンクリート重力ダム又はコンクリート中空重力ダムの堤体(引張応力に対し鉄筋で補強されている越流部付近の部分を除く。次項において同じ。)に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力及び揚圧力による引張応力は、次項に規定する場合は除き、使用するコンクリートごとにそれぞれの許容引張応力を超えてはならない。
3 コンクリート重力ダム又はコンクリート中空重力ダムの堤体(第2条第2号ただし書のダムの堤体を除く。)に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力及び揚圧力による引張応力は、当該堤体の上流端において鉛直方向に生ずるものであってはならない。
(堤体の安定)
第15条 コンクリート重力ダム又はコンクリート中空重力ダムは、堤体及び堤体と基礎地盤との接触部における滑りに対して安定であるよう、適切なせん断摩擦安全率を有するものでなければならない。
(堤体の施設)
第16条 コンクリート重力ダム又はコンクリート中空重力ダムの堤体は、次の各号により施設しなければならない。
 コンクリートに有害なひび割れを生じないようにすること。
 堤体の内部に設ける通廊、放流設備、水圧管路等の開孔の周辺部分は、応力集中及び温度変化による応力に対し構造上安全であること。
 コンクリート中空重力ダムのヘッド又はフーチングとウェブとの接合部は、応力集中による応力に対し構造上安全であること。

第3節 アーチダム

(堤体の強度)
第17条 アーチダムの堤体に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、揚圧力及び温度荷重による圧縮応力は、使用するコンクリートごとにそれぞれの許容圧縮応力を超えてはならない。
2 アーチダムの堤体に作用する自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、揚圧力及び温度荷重による引張応力は、使用するコンクリートごとにそれぞれの許容引張応力を超えてはならない。
(堤体及び基礎地盤の安定)
第18条 アーチダムは、堤体と基礎地盤との接触部及び基礎地盤における滑りに対して安定であるよう、適切なせん断摩擦安全率を有するものでなければならない。
(堤体の施設)
第19条 アーチダムの堤体は、次の各号により施設しなければならない。
 コンクリートに有害なひび割れを生じないようにすること。
 断面が急に変化する部分及び堤体の内部に設ける通廊、放流設備、水圧管路等の開孔の周辺部分は、応力集中及び温度変化による応力に対し構造上安全であること。

第4節 フィルダム

(堤体の材料)
第20条 フィルダムの堤体に使用する土質材料は、次の各号に適合するものでなければならない。
 ダムの安定に必要な強度及び水密性を有するものであること。
 ダムの安定に支障を及ぼすような膨張性又は収縮性がないものであること。
 軟泥化しないものであること。
 有機物を含まず、かつ、水溶性のものでないこと。
2 フィルダムの遮水壁に使用する土質材料以外の材料は、ダムの安定に必要な水密性、強度及び耐久性を有するものでなければならない。
3 フィルダムの遮水壁以外の堤体の部分に使用する土質材料以外の材料は、ダムの安定に必要な強度、耐久性及び透水性を有するものでなければならない。
(堤体の安定)
第21条 フィルダムは、堤体における滑りに対して安定であるよう、適切な滑り安全率を有するものでなければならない。
(堤体の施設)
第22条 フィルダムの堤体は、次の各号により施設しなければならない。
 フィルダムの遮水壁は、次によること。
 遮水壁の頂部の高さは、設計洪水位、サーチャージ水位又は常時満水位に、それぞれ洪水吐きゲートの有無に応じた各水位の余裕高を加えた値のいずれか大きい値以上であること。
 変形又はひび割れにより遮水機能を失わないものであること。
 遮水壁及び遮水壁と基礎地盤との接触部に貫孔作用を生じないものであること。
 遮水壁の材料が土質材料の場合は、遮水壁の上流面及び下流面は、その材料が流出しないようにすること。
 堤体におおむね均一の材料を使用しているフィルダムにあっては、浸潤線が堤体の下流のり面と交わらないようにすること。
 フィルダムの堤体ののり面は、波浪又は雨水等により浸食されないこと。
(放流施設)
第23条 遮水壁を堤体の上流側の表面に設けるフィルダムは、ダムの直上流の水位を低下できる施設を設けなければならない。
(放流設備等の施設制限)
第24条 フィルダムの堤体には、放流設備又は水路を施設してはならない。

第3章 水路

(一般事項)
第25条 水路は、次の各号により施設しなければならない。
 洪水、山崩れ、なだれ等により損傷を受けるおそれがないこと。
 設計水量以上の水量が流入するおそれがある場合には、その水量を安全に排除できること。
 流木、じんかい、土砂等の流入により著しく損傷を受けるおそれがないこと。
 水路に使用するコンクリートの材料は、第9条各号によること。
 水路に使用するコンクリート以外の材料は、水路に必要な化学的成分及び機械的性能を有するものであること。
 制水門又は制水弁を設ける場合にあっては、次によること。
 制水門又は制水弁は、第12条第2項各号(第3号及び第4号を除く。)によること。
 制水門又は制水弁の扉体に作用する自重、静水圧、動水圧、地震力及び浮力による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
2 発電用水力設備が一般用電気工作物である場合には、水路は全負荷を遮断した場合に、人家、田畑又は道路その他財産を侵害せず安全に余水を処理できるよう施設しなければならない。ただし、当該設備周辺の地形その他状況からみて人家、田畑又は道路その他財産を侵害するおそれがない場所にあるものについては、この限りでない。
(取水設備)
第26条 取水設備は、次の各号により施設しなければならない。
 取水設備は、自重、静水圧、動水圧、泥圧、地震力、揚圧力及び土圧に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 取水設備が圧力導水路又は水圧管路の管胴本体に直接接続している場合は、取水設備は、良好な流入状況を保持することができ、かつ、水路及び水車に悪影響を及ぼすおそれのない構造であること。
 取水設備は、水路への流入量が構造物の設計水量以上となるおそれがない場合又は渓流取水設備である場合を除き、制水門又は制水弁を設けること。
(沈砂池)
第27条 沈砂池は、次の各号により施設しなければならない。
 沈砂池は、自重、水圧、地震力及び土圧に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 下流の水路及び水車に著しく損傷を与えるおそれがある土砂を沈殿させる能力を有すること。
(導水路)
第28条 導水路は、次の各号により施設しなければならない。
 導水路は、自重、水の重量、水圧、地震力、土圧、載荷重、雪荷重、風荷重、温度荷重及び外圧に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 漏水により人家、田畑、道路等に悪影響を及ぼすおそれがないこと。
 トンネル又は開きょを巻き立てない場合は、はだ落ち等により水路及び水車に著しい損傷を与えるおそれがないこと。
 圧力導水路にあっては、次によること。
 取水設備及びサージタンクにおける水位が最低の場合の動水こう配線以下に位置すること。
 圧力導水路に渓流取水等を合流させる場合は、空気の連行により水路及び水車に著しい損傷を与えるおそれがないこと。
 充水する場合における空気の流出及び排水する場合における空気の流入が容易かつ確実な構造であること。
(ヘッドタンク)
第29条 ヘッドタンクは、次の各号により施設しなければならない。
 ヘッドタンクは、自重、水圧、地震力及び土圧に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 水圧管路の管胴本体の入口は、良好な流入状況を保持することができ、かつ、水圧管路及び水車に悪影響を及ぼすおそれのない構造であること。
 ヘッドタンクは、全負荷を遮断した場合に余水を安全に処理する機能を有すること。ただし、ヘッドタンク以外の施設が余水を安全に処理する機能を有する場合又は第25条第2項の設備が同項ただし書の規定に該当する場合は、この限りでない。
 前号の場合において、ヘッドタンクに余水吐き及び余水路を設ける場合は、次によること。
 管路式の余水路において、過大な負圧が生じないようにすること。
 余水の放流により、余水吐き、余水路又は人家、田畑、道路等に悪影響を及ぼすおそれがないこと。
 余水が越流する場合の水位上昇が導水路に悪影響を及ぼすおそれがないようにすること。
(サージタンク)
第30条 サージタンクは、次の各号により施設しなければならない。
 サージタンクは、自重、水の重量、水圧、地震力、土圧、風荷重及び温度荷重に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 水位の変動が加速されず、短時間で平衡状態に回復すること。
 次に掲げる場合について、水位の変動により溢水するおそれはなく、かつ、水路又は水車に悪影響を及ぼすおそれがないこと。ただし、溢水するおそれについては、余水を安全に放流するための余水吐き及び余水路を前条第4号イ及びロにより施設する場合は、この限りでない。
 全負荷遮断した場合。
 半負荷から全負荷に急増した場合。
 揚水式水力発電所にあっては、入力遮断した場合。
 周波数調整用の水力発電所のサージタンクは、当該発電所の属する電力系統の周波数の変動による水位の変動により他の物件に損傷を与えるおそれがないこと。
(水圧管路)
第31条 水圧管路は、次の各号により施設しなければならない。
 次の表の上欄に掲げる形式の水圧管路にあっては、それぞれ同表の下欄に掲げる荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
水圧管路の種類 荷重
露出形式 静水圧、水撃圧及びサージングによる上昇水圧の合成最大水圧、管の自重、温度荷重、外圧、管内水の重量、雪荷重、地震力、風荷重並びに管内の流水による力
岩盤埋設形式 静水圧、水撃圧及びサージングによる上昇水圧の合成最大水圧、温度荷重並びに外圧
土中埋設形式 静水圧、水撃圧及びサージングによる上昇水圧の合成最大水圧、土圧、載荷重、温度荷重、外圧、管内水の重量並びに雪荷重
 管胴本体は、振動、座屈及び腐食に対し安全であること。
 ヘッドタンク又はサージタンク(これらがない場合は、取水設備)の水位が最低の場合における最低動水こう配線以下に位置すること。
 危険な漏水がないこと。
 アンカーブロックは、次によること。
 管胴本体を確実に固定するものであること。
 アンカーブロックは、自重、管胴本体及びその附属設備並びに管内の水の重量、管内の流水による力、漸縮管に作用する水圧による力、地震力、載荷重、雪荷重、風荷重並びに温度荷重に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 支台は、次によること。
 支台は、自重、管胴本体及びその附属設備並びに管内の水の重量、地震力、載荷重、雪荷重並びに風荷重に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
 支台の支承部は、管胴本体の伸縮の際に管胴本体が安全かつ円滑に移動できる構造であること。
2 発電用水力設備が一般用電気工作物である場合には、前項第6号ロの規定は適用しない。
(放水路)
第32条 第28条(第4号イ及びロを除く。)の規定は、放水路について準用する。この場合において、同条中「導水路」とあるのは「放水路」、「圧力導水路」とあるのは「圧力放水路」と読み替えるものとする。
2 放水口は、自重、静水圧、動水圧、地震力、揚圧力及び土圧に対し安定であり、かつ、これらの荷重による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えてはならない。
3 圧力放水路に調圧水室を設ける場合には、第30条の規定に準じて施設しなければならない。

第4章 水車及び地下発電所

(水車及び揚水用のポンプ)
第33条 水車又は揚水式水力発電所における揚水用のポンプは、次の各号により施設しなければならない。
 流木、じんかい、土砂等の流入により著しく損傷を受けるおそれがないこと。
 水圧を受ける部分にあっては負荷又は入力を遮断したときの最大水圧に対し、耐えるものであること。
 回転部にあっては負荷又は入力を遮断したときの最大速度に対して、耐えるものであること。
 運転中に水車又は揚水用のポンプに損傷を与えるような振動がないこと。
 水の流入又は流出を迅速に遮断する施設を水車又は揚水用のポンプに設けること。ただし、当該施設を水路に設ける場合、又は水車の無拘束回転を停止できるまでの間、回転部が構造上安全であり、かつ、この間の下流への放流により人体に危害を及ぼし、若しくは物件に損傷を与えるおそれのない場合は、この限りでない。
 水車の入口弁又は揚水用のポンプの吐出弁を設ける場合にあっては、次によること。
 水車の入口弁又は揚水用のポンプの吐出弁は、第12条第2項各号(第4号を除く。)によること。
 水車の入口弁又は揚水用のポンプの吐出弁の扉体に作用する自重、水圧及び地震力による応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。
2 水車には、発電機の容量が500キロボルトアンペア未満の場合を除き、運転中に生じた過回転その他の異常による危害等の発生を防止するため、その異常が発生した場合に水車を自動的かつ確実に停止する装置を設けなければならない。
3 発電用水力設備として使用する圧油装置及び圧縮空気装置は、耐食性を有し、圧力上昇による破損がないように施設しなければならない。
4 発電用水力設備が一般用電気工作物である場合には、運転中に水車で生じた過回転その他の異常による危害等の発生を防止するため、その異常が発生した場合に水車を自動的かつ確実に停止する装置を施設しなければならない。ただし、当該設備において、その異常が発生した場合に発電機を電路から遮断する装置を施設し、無拘束回転を停止できるまでの間回転部が構造上安全な状態を確保でき、かつ、この間の下流への放流により人体に危害を及ぼし、又は財産を侵害するおそれのないときは、この限りでない。
(地下発電所等の施設)
第34条 水車及び発電機を収容する施設であって、地下に施設するものは、次の各号によらなければならない。
 地下発電所等に使用するコンクリートの材料は、第9条各号によること。
 地下発電所等は、自重、水圧、地震力及び土圧若しくは地圧に対し安定であり、かつ、これらの荷重によりコンクリート構造物の部分に生じる応力は、使用する材料ごとにそれぞれの許容応力を超えないこと。

第5章 貯水池及び調整池

(貯水池及び調整池)
第35条 貯水池及び調整池は、次の各号により施設しなければならない。
 ダムの設置による流水の貯留に起因する漏水又は地滑りにより人家、田畑、道路等に悪影響を及ぼすおそれがないこと。
 土砂の堆積により、ダムに危険を及ぼし、又は付近に悪影響を及ぼすような水位の上昇がないこと。

附則

1 この省令は、平成9年6月1日から施行する。
2 この省令の施行の際現に施設し、又は施設に着手した電気工作物については、なお従前の例による。
附則 (平成16年9月17日経済産業省令第92号)
1 この省令は、公布の日から施行する。
2 この省令の施行の際現に施設し、又は施設に着手した電気工作物については、平成17年6月1日までの間は、適用しない。
附則 (平成17年3月29日経済産業省令第33号)
この省令は、平成17年4月1日から施行する。ただし、この省令の施行の際現に設置され、又は設置のための工事に着手している電気工作物については、この省令の施行の日から1年間は、なお従前の例による。
附則 (平成21年3月16日経済産業省令第14号)
この省令は、平成21年4月1日から施行する。ただし、この省令の施行の際現に設置され、又は設置のための工事に着手している電気工作物については、なお従前の例による。

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