だい1しゅしていでんきつうしんせつびせつぞくかいけいきそく
第1種指定電気通信設備接続会計規則
平成9年郵政省令第91号
電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第38条の2第9項の規定に基づき、指定電気通信設備接続会計規則を次のように定める。
第1章 総則
(目的)
第1条 この省令は、第1種指定電気通信設備との接続に関する会計の整理の方法を定めるとともに、当該接続に関する収支の状況等を明らかにし、もって接続料の適正な算定に資することを目的とする。
(用語)
第2条 この省令において使用する用語は、電気通信事業法(以下「法」という。)及び電気通信事業会計規則(昭和60年郵政省令第26号)において使用する用語の例による。
2 この省令の規定の解釈については、次の定義に従うものとする。
一 「第1種指定設備管理部門」とは、第1種指定電気通信設備及びその管理運営(開発、計画、設置、運用、保守、撤去及びその他の活動並びにこれらに付随する活動をいう。以下同じ。)に必要な資産及び費用並びに当該設備との接続及び当該設備の提供に関連する収益を整理するために設定される会計単位をいう。
二 「第1種指定設備利用部門」とは、電気通信役務の販売その他の電気通信事業に属する活動(第1種指定電気通信設備及びその管理運営を除く。)に必要な資産及び費用並びに当該活動に関連する収益を整理するために設定される会計単位をいう。
三 「支援設備」とは、第1種指定電気通信設備が有する機能を支援するために使用される電力設備、総合監視設備及び試験受付設備等に関連する資産及び費用を整理する補助部門をいう。
四 「全般管理」とは、営業所等における共通的作業及び本社等管理部門における活動に関連する資産及び費用を整理する補助部門をいう。
五 「一般第1種指定設備」とは、第1種指定電気通信設備接続料規則(平成12年郵政省令第64号。以下「接続料規則」という。)第4条の2の項(端末系ルータ交換機能及び一般収容ルータ優先パケット識別機能に限る。)、5の項(関門系ルータ交換機能に限る。)、5の2の項、6の2の項(一般中継系ルータ交換伝送機能に限る。)、6の3の項及び9の項の機能(以下別表第2において「端末系ルータ交換機能等」という。)に係る設備並びに接続料規則第4条に規定する対象設備等以外の一般第1種指定ルータ及びその附属設備をいう。
六 「特別第1種指定設備」とは、一般第1種指定設備以外の第1種指定電気通信設備をいう。
七 「設備区分」とは、第1種指定設備管理部門又は第1種指定設備利用部門のそれぞれに帰属させた電気通信設備を、別表第1勘定科目表資産の項(建物から建設仮勘定までの各項を除く。)を基礎として階梯別又は用途別に分けた会計単位の細区分をいう。
(遵守義務)
第3条 第1種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者(以下「事業者」という。)は、この省令の定めるところにより、第1種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理しなければならない。ただし、特別の理由がある場合には、総務大臣の許可を受けて、この省令の規定によらないことができる。
2 この省令に定めのない事項については、電気通信事業会計規則その他一般に公正妥当と認められる会計の原則に従わなければならない。
(会計の基準の整備等)
第4条 事業者は、次の各号に掲げるところにより第1種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理しなければならない。
一 資本的支出と収益的支出との区分に関する適正な基準を定めるほか、この省令の規定に基づく資産並びに費用及び収益の計算を正確に行うための規程その他経理に関する制度を整えること
二 設備区分において直接に発生する費用を正確に把握するよう努めること
(会計単位の区分)
第5条 事業者は、電気通信事業に関連する資産並びに費用及び収益を、第1種指定設備管理部門と第1種指定設備利用部門とに適正に区分して整理しなければならない。
2 前項の場合において、第1種指定電気通信設備の利用に関する第1種指定設備管理部門と第1種指定設備利用部門との取引は、法第33条第9項に規定する認可接続約款等に記載された当該取引に適用することが相当と認められる接続料の振替によって整理しなければならない。ただし、当該接続料が認可接続約款等に定められていないときは、接続料規則の規定を準用して算定した金額の振替によって整理しなければならない。
(勘定科目、接続会計財務諸表、接続会計報告書及び接続会計整理手順書)
第6条 事業者は、別表第1によりその勘定科目を分類し、かつ、別表第2の様式による損益計算書その他接続に係る会計の計算に関する諸表(以下「接続会計財務諸表」という。)、別表第3による接続会計報告書並びにこの省令の定めるところにより接続会計財務諸表を作成する際に準拠した資産並びに費用及び収益の整理の手順を詳細に記載した書類(以下この条において「接続会計整理手順書」という。)を作成しなければならない。
2 前項の接続会計財務諸表を作成するに当たっては、別表第1の勘定科目の項に属する資産又は費用の項目のうち、光信号の伝送に係るものについては、法第33条第1項の総務省令で定める区域ごとに区分して会計を整理しなければならない。
3 別表第1の勘定科目の項に属する資産若しくは費用又は収益で、当該勘定科目の項を細区分して経理することが適当であると認められる場合には、当該細区分により会計を整理しなければならない。
4 接続会計財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、1000円単位をもって表示することができる。
第2章 資産並びに費用及び収益
(資産の整理)
第7条 別表第1の勘定科目の2以上の項に関連する資産は、回線数比その他の適正な基準によりそれぞれの項に整理しなければならない。
2 支援設備及び全般管理に整理した資産は、適正な基準により第1種指定設備管理部門又は第1種指定設備利用部門に帰属させなければならない。
(費用及び収益の整理)
第8条 別表第1の勘定科目の2以上の項に関連する費用及び収益は、適正な基準によりそれぞれの項に整理しなければならない。
2 支援設備及び全般管理に整理した費用は、別表第2に掲げる基準により第1種指定設備管理部門又は第1種指定設備利用部門に帰属させなければならない。
(設備区分への費用の整理)
第9条 前条の規定により整理し又は帰属させた費用のうち電気通信設備の管理運営に関連するものは、適正な基準により設備区分に帰属させなければならない。
第3章 接続会計報告書等の公表等
(接続会計報告書等の公表等)
第10条 事業者は、第6条第1項の接続会計報告書及び接続会計整理手順書(以下「接続会計報告書等」という。)を、毎事業年度経過後4月以内に書面又は別に定める磁気ディスクにより総務大臣に提出しなければならない。
2 事業者は、接続会計報告書等の写しを、営業所(商業登記簿に登記した本店又は支店に限る。)に備え置き、接続会計報告書等を総務大臣に提出した日から5年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供しなければならない。
3 事業者は、接続会計報告書等の写しを、刊行物の発行その他の適切な方法により公表しなければならない。
4 前2項の規定にかかわらず、事業者は、総務大臣の許可を受けて、その事業上の秘密の保持の必要により接続会計報告書等の一部を公衆の縦覧に供しないこと又は公表しないことができる。
(計算結果証明)
第11条 事業者は、第6条第1項の接続会計財務諸表が、この省令の規定に基づいて適正に作成されていることについての職業的に資格のある会計監査人による証明を得なければならない。
(会計記録の保存)
第12条 事業者は、第6条第1項の接続会計財務諸表の作成に用いた帳簿その他の会計記録を毎事業年度経過後5年間保存しなければならない。
附則
この省令は、公布の日から施行し、平成10年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。ただし、事業者の事業年度の中途に総務大臣が法第38条の2第1項の規定により指定を行ったときは、当該指定に係る第1種指定電気通信設備との接続に関する会計については、当該指定の日以後に開始する事業年度から適用する。
附則 (平成11年1月11日郵政省令第3号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成12年9月27日郵政省令第60号)
(施行期日)
第1条 この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日(平成13年1月6日)から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令による改正前の様式又は書式により調製した用紙は、この省令の施行後においても当分の間、使用することができる。この場合、改正前の様式又は書式により調製した用紙を修補して、使用することがある。
2 この省令の施行前に交付された郵便貯金通帳、郵便貯金証書、カード、払戻証書、郵便貯金本人票、郵便為替証書、払出書、郵便振替払出証書、郵便振替支払通知書及び簡易生命保険保険料領収帳は、この省令による改正後の様式又は書式により交付されたものとみなす。
附則 (平成12年11月16日郵政省令第64号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、電気通信事業法の一部を改正する法律(平成12年法律第79号)の施行の日から施行する。
附則 (平成13年11月29日総務省令第150号)
この省令は、電気通信事業法等の一部を改正する法律(平成13年法律第62号)の施行の日(平成13年11月30日)から施行する。
附則 (平成13年12月11日総務省令第164号)
この省令は公布の日から施行し、平成14年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。
附則 (平成15年11月5日総務省令第137号)
この省令は、公布の日から施行し、施行の日以後終了する事業年度に係る接続会計財務諸表及び接続会計報告書から適用する。
附則 (平成16年3月22日総務省令第44号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日から施行する。
附則 (平成17年4月1日総務省令第72号)
この省令は、平成17年4月1日から施行する。
附則 (平成20年3月21日総務省令第27号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 平成20年3月31日以前に終了する事業年度に係る財務諸表及び接続会計報告書等については、この省令による改正後の電気通信事業会計規則及び第1種指定電気通信設備接続会計規則の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。
附則 (平成21年5月21日総務省令第51号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成28年3月29日総務省令第30号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、電気通信事業法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)の施行の日(平成28年5月21日)から施行する。
附則 (平成28年5月23日総務省令第58号)
この省令は、公布の日から施行し、第2条の規定による改正後の第1種指定電気通信設備接続会計規則の規定は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度に係る接続会計財務諸表及び接続会計報告書等について適用する。
附則 (平成30年2月26日総務省令第6号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、平成30年4月1日から施行する。ただし、次項から附則第6項までの規定は、公布の日から施行する。
別表第1〔第2条・第6条・第7条・第8条〕勘定科目表
資産
科目 | 款(原価部門) | 項 |
1 電気通信事業固定資産
|
||
(1)有形固定資産 | 第1種指定設備管理部門 |
1 一般第1種指定設備
一般第1種指定収容ルータ(端末系ルータ交換機能及び一般収容ルータ優先パケット識別機能に係るものに限る。)一般第1種指定中継ルータ SIPサーバ ゲートウェイルータ メディアゲートウェイ 一般第1種指定収容ルータ(端末系ルータ交換機能及び一般収容ルータ優先パケット識別機能に係るものを除く。) 網終端装置(IP—VPNサービスに係るもの) 網終端装置(インターネット接続サービスに係るもの) 収容イーサネットスイッチ 中継イーサネットスイッチ ゲートウェイスイッチ 伝送路 (何) 2 特別第1種指定設備
端末系伝送路(電気信号の伝送に係るもの)主配線盤(電気信号の伝送に係るもの) 端末系伝送路(光信号の伝送に係るもの) 主配線盤(光信号の伝送に係るもの) 公衆電話設備 端末系交換設備(主として音声伝送役務の提供に用いられるもの) 端末系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもの) 端末系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもののうち、ルーティング伝送機能に係るもの) 端末系交換設備〜端末系又は中継系交換設備伝送路(主として音声伝送役務の提供に用いられるもの) 端末系交換設備〜端末系又は中継系交換設備伝送路(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもの) 端末系交換設備〜端末系又は中継系交換設備伝送路(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもののうち、ルーティング伝送機能に係るもの) 中継系交換設備(主として音声伝送役務の提供に用いられるもの) 中継系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもの) 中継系交換設備(主としてデータ伝送役務の提供に用いられるもののうち、ルーティング伝送機能に係るもの) 信号網設備 番号案内データベース及び番号案内設備 折返し通信路設定機能に係る設備 専用加入者線装置モジュール 専用加入者線装置モジュールのうち、光信号電気信号変換機能に係るもの 専用線ノード装置 専用加入者線装置モジュールから専用線ノード装置伝送路 専用線ノード装置から専用線ノード装置伝送路又は相互接続点伝送路 (何) 建物 土地 構築物 機械及び装置 車両及び船舶 工具、器具及び備品 休止設備 建設仮勘定 |
第1種指定設備利用部門 |
機械設備 空中線設備 通信衛星設備 端末設備 市内線路設備 市外線路設備 土木設備 海底線設備 建物 土地 構築物 機械及び装置 車両及び船舶 工具、器具及び備品 休止設備 建設仮勘定 |
|
支援設備(補助部門) |
電力設備 監視設備 試験受付設備 (何) |
|
全般管理(補助部門) |
共通部門設備 管理部門設備 |
|
(2)無形固定資産 | 第1種指定設備管理部門 | 電気通信事業会計規則の科目に従って整理 |
第1種指定設備利用部門 | 同上 | |
(3)投資その他の資産 | 第1種指定設備管理部門 | 電気通信事業会計規則の科目に従って整理 |
第1種指定設備利用部門 | 同上 | |
2 繰延資産
|
第1種指定設備管理部門 | 電気通信事業会計規則の科目に従って整理 |
第1種指定設備利用部門 | 同上 |
営業費用
科目 | 款(原価部門) | 項 |
営業費 | 第1種指定設備管理部門 | (何) |
第1種指定設備利用部門 |
契約管理 料金収納 広報・広告 役務販売 (何) |
|
運用費 | 第1種指定設備管理部門 | 番号案内 |
第1種指定設備利用部門 |
電報運用 (何) |
|
施設保全費 | 第1種指定設備管理部門 |
(何)設備保守 (何)設備ソフト作成・使用料 通信設備外ソフト作成・使用料 |
第1種指定設備利用部門 |
(何)設備保守 (何)設備ソフト作成・使用料 通信設備外ソフト作成・使用料 |
|
支援設備(補助部門) |
電力設備 監視設備 試験受付 (何) |
|
共通費 | 全般管理(補助部門) |
資材 研修 医療 一般共通 |
管理費 | 全般管理(補助部門) |
ネットワーク関連部門 サービス関連部門 一般管理部門 |
試験研究費及び研究費償却 | 第1種指定設備管理部門 |
インフラ系応用技術 インフラ系基礎技術 |
第1種指定設備利用部門 |
インフラ系応用技術 インフラ系基礎技術 ユーザー系応用技術 ユーザー系基礎技術 宅内系応用技術 純粋基礎技術 |
|
減価償却費 | 第1種指定設備管理部門 |
(何)設備 建物 構築物 機械及び装置 車両及び船舶 工具、器具及び備品 休止設備 |
第1種指定設備利用部門 |
(何)設備 建物 構築物 機械及び装置 車両及び船舶 工具、器具及び備品 休止設備 |
|
支援設備(補助部門) |
電力設備 監視設備 試験受付 (何) |
|
全般管理(補助部門) |
共通部門設備 管理部門設備 |
|
固定資産除却費 | 減価償却に倣う | |
通信設備使用料 | 第1種指定設備管理部門 | (何)設備使用料 |
第1種指定設備利用部門 | (何)設備使用料 | |
租税公課 | 第1種指定設備管理部門 |
国税 地方税 道路占用料 (何) |
第1種指定設備利用部門 |
国税 地方税 道路占用料 (何) |
|
振替網使用料 | 第1種指定設備管理部門 | (何)設備使用料 |
第1種指定設備利用部門 | (何)設備使用料 |
営業収益
科目 | 款(原価部門) | 項 |
受取網使用料 | 第1種指定設備管理部門 | 事業者の接続形態に応じた項を規定する。 |
振替網使用料 | 第1種指定設備管理部門 | 事業者の接続形態に準じた項を規定する。 |
第1種指定設備利用部門 | (何)設備使用料 | |
接続装置使用料 | 第1種指定設備管理部門 | 装置の種別ごとに項を設ける。 |
網改造料 | 第1種指定設備管理部門 | 改造対象設備の種別ごとに項を設ける。 |
役務収入 | 第1種指定設備利用部門 | (何) |
(注) ゲートウェイスイッチとは、一般第1種指定電気通信設備に該当するイーサネットスイッチと他の電気通信事業者の電気通信設備とを相互に接続するためにこれらの設備の間に設置されるイーサネットスイッチをいう。
別表第2〔第6条・第8条〕接続会計財務諸表様式
様式第1
[画像]
様式第2
[画像]
様式第3
[画像]
様式第3の2
[画像]
様式第4
[画像]
様式第4の2
[画像]
別表第3〔第6条・第10条〕
[画像] |
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。