げんごちょうかくしほう
言語聴覚士法
平成9年法律第132号
第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、言語聴覚士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律で「言語聴覚士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。
第2章 免許
(免許)
第3条 言語聴覚士になろうとする者は、言語聴覚士国家試験(以下「試験」という。)に合格し、厚生労働大臣の免許(第33条第6号を除き、以下「免許」という。)を受けなければならない。
(欠格事由)
第4条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 罰金以上の刑に処せられた者
二 前号に該当する者を除くほか、言語聴覚士の業務に関し犯罪又は不正の行為があった者
三 心身の障害により言語聴覚士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
四 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
(言語聴覚士名簿)
第5条 厚生労働省に言語聴覚士名簿を備え、免許に関する事項を登録する。
(登録及び免許証の交付)
第6条 免許は、試験に合格した者の申請により、言語聴覚士名簿に登録することによって行う。
2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、言語聴覚士免許証を交付する。
(意見の聴取)
第7条 厚生労働大臣は、免許を申請した者について、第4条第3号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあったときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。
(言語聴覚士名簿の訂正)
第8条 言語聴覚士は、言語聴覚士名簿に登録された免許に関する事項に変更があったときは、30日以内に、当該事項の変更を厚生労働大臣に申請しなければならない。
(免許の取消し等)
第9条 言語聴覚士が第4条各号のいずれかに該当するに至ったときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定めて言語聴覚士の名称の使用の停止を命ずることができる。
2 前項の規定により免許を取り消された者であっても、その者がその取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至ったときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第6条の規定を準用する。
(登録の消除)
第10条 厚生労働大臣は、免許がその効力を失ったときは、言語聴覚士名簿に登録されたその免許に関する事項を消除しなければならない。
(免許証の再交付手数料)
第11条 言語聴覚士免許証の再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を国に納付しなければならない。
(指定登録機関の指定)
第12条 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、言語聴覚士の登録の実施等に関する事務(以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
2 指定登録機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
3 厚生労働大臣は、他に第1項の規定による指定を受けた者がなく、かつ、前項の申請が次の要件を満たしていると認めるときでなければ、指定登録機関の指定をしてはならない。
一 職員、設備、登録事務の実施の方法その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が、登録事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 前号の登録事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
4 厚生労働大臣は、第2項の申請が次のいずれかに該当するときは、指定登録機関の指定をしてはならない。
一 申請者が、一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
二 申請者がその行う登録事務以外の業務により登録事務を公正に実施することができないおそれがあること。
三 申請者が、第23条の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過しない者であること。
四 申請者の役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。
イ この法律に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者
ロ 次条第2項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して2年を経過しない者
(指定登録機関の役員の選任及び解任)
第13条 指定登録機関の役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 厚生労働大臣は、指定登録機関の役員が、この法律(この法律に基づく命令又は処分を含む。)若しくは第15条第1項に規定する登録事務規程に違反する行為をしたとき、又は登録事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定登録機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。
(事業計画の認可等)
第14条 指定登録機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(第12条第1項の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあっては、その指定を受けた後遅滞なく)、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 指定登録機関は、毎事業年度の経過後3月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
(登録事務規程)
第15条 指定登録機関は、登録事務の開始前に、登録事務の実施に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録事務規程で定めるべき事項は、厚生労働省令で定める。
3 厚生労働大臣は、第1項の認可をした登録事務規程が登録事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定登録機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
(規定の適用等)
第16条 指定登録機関が登録事務を行う場合における第5条、第6条第2項(第9条第2項において準用する場合を含む。)、第8条、第10条及び第11条の規定の適用については、第5条中「厚生労働省」とあるのは「指定登録機関」と、第6条第2項中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、「免許を与えたときは、言語聴覚士免許証」とあるのは「前項の規定による登録をしたときは、当該登録に係る者に言語聴覚士免許証明書」と、第8条及び第10条中「厚生労働大臣」とあるのは「指定登録機関」と、第11条中「言語聴覚士免許証」とあるのは「言語聴覚士免許証明書」と、「国」とあるのは「指定登録機関」とする。
2 指定登録機関が登録事務を行う場合において、言語聴覚士名簿に免許に関する事項の登録を受けようとする者又は言語聴覚士免許証明書の書換え交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を指定登録機関に納付しなければならない。
3 第1項の規定により読み替えて適用する第11条及び前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、指定登録機関の収入とする。
(秘密保持義務等)
第17条 指定登録機関の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 登録事務に従事する指定登録機関の役員又は職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
(帳簿の備付け等)
第18条 指定登録機関は、厚生労働省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに登録事務に関する事項で厚生労働省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。
(監督命令)
第19条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
(報告)
第20条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、厚生労働省令で定めるところにより、指定登録機関に対し、報告をさせることができる。
(立入検査)
第21条 厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、指定登録機関の帳簿、書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
3 第1項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(登録事務の休廃止)
第22条 指定登録機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、登録事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
(指定の取消し等)
第23条 厚生労働大臣は、指定登録機関が第12条第4項各号(第3号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
2 厚生労働大臣は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第12条第3項各号の要件を満たさなくなったと認められるとき。
二 第13条第2項、第15条第3項又は第19条の規定による命令に違反したとき。
三 第14条又は前条の規定に違反したとき。
四 第15条第1項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行ったとき。
五 次条第1項の条件に違反したとき。
(指定等の条件)
第24条 第12条第1項、第13条第1項、第14条第1項、第15条第1項又は第22条の規定による指定、認可又は許可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、当該指定、認可又は許可に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、当該指定、認可又は許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
(指定登録機関がした処分等に係る審査請求)
第25条 指定登録機関が行う登録事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、厚生労働大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、厚生労働大臣は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第25条第2項及び第3項、第46条第1項及び第2項、第47条並びに第49条第3項の規定の適用については、指定登録機関の上級行政庁とみなす。
(厚生労働大臣による登録事務の実施等)
第26条 厚生労働大臣は、指定登録機関の指定をしたときは、登録事務を行わないものとする。
2 厚生労働大臣は、指定登録機関が第22条の規定による許可を受けて登録事務の全部若しくは一部を休止したとき、第23条第2項の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災その他の事由により登録事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、登録事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
(公示)
第27条 厚生労働大臣は、次の場合には、その旨を官報に公示しなければならない。
一 第12条第1項の規定による指定をしたとき。
二 第22条の規定による許可をしたとき。
三 第23条の規定により指定を取り消し、又は登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
四 前条第2項の規定により登録事務の全部若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた登録事務の全部若しくは一部を行わないこととするとき。
(厚生労働省令への委任)
第28条 この章に規定するもののほか、免許の申請、言語聴覚士名簿の登録、訂正及び消除、言語聴覚士免許証又は言語聴覚士免許証明書の交付、書換え交付及び再交付、第26条第2項の規定により厚生労働大臣が登録事務の全部又は一部を行う場合における登録事務の引継ぎその他免許及び指定登録機関に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第3章 試験
(試験)
第29条 試験は、言語聴覚士として必要な知識及び技能について行う。
(試験の実施)
第30条 試験は、毎年1回以上、厚生労働大臣が行う。
(言語聴覚士試験委員)
第31条 試験の問題の作成及び採点を行わせるため、厚生労働省に言語聴覚士試験委員(次項及び次条において「試験委員」という。)を置く。
2 試験委員に関し必要な事項は、政令で定める。
(不正行為の禁止)
第32条 試験委員は、試験の問題の作成及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。
(受験資格)
第33条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第2項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者で、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成所において、3年以上言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得したもの
二 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正7年勅令第388号)に基づく大学又は厚生労働省令で定める学校、文教研修施設若しくは養成所において2年(高等専門学校にあっては、5年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成所において、1年以上言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得したもの
三 学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令に基づく大学又は厚生労働省令で定める学校、文教研修施設若しくは養成所において1年(高等専門学校にあっては、4年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者で、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成所において、2年以上言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得したもの
四 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)又は旧大学令に基づく大学において厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者
五 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)又は旧大学令に基づく大学を卒業した者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者で、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した言語聴覚士養成所において、2年以上言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得したもの
六 外国の第2条に規定する業務に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で言語聴覚士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が前各号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの
(試験の無効等)
第34条 厚生労働大臣は、試験に関して不正の行為があった場合には、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させ、又はその試験を無効とすることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による処分を受けた者に対し、期間を定めて試験を受けることができないものとすることができる。
(受験手数料)
第35条 試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を国に納付しなければならない。
2 前項の受験手数料は、これを納付した者が試験を受けない場合においても、返還しない。
(指定試験機関の指定)
第36条 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。
2 指定試験機関の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
(指定試験機関の言語聴覚士試験委員)
第37条 指定試験機関は、試験の問題の作成及び採点を言語聴覚士試験委員(次項及び第3項並びに次条並びに第40条において読み替えて準用する第13条第2項及び第17条において「試験委員」という。)に行わせなければならない。
2 指定試験機関は、試験委員を選任しようとするときは、厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定試験機関は、試験委員を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。試験委員に変更があったときも、同様とする。
第38条 試験委員は、試験の問題の作成及び採点について、厳正を保持し不正の行為のないようにしなければならない。
(受験の停止等)
第39条 指定試験機関が試験事務を行う場合において、指定試験機関は、試験に関して不正の行為があったときは、その不正行為に関係のある者に対しては、その受験を停止させることができる。
2 前項に定めるもののほか、指定試験機関が試験事務を行う場合における第34条及び第35条第1項の規定の適用については、第34条第1項中「その受験を停止させ、又はその試験」とあるのは「その試験」と、同条第2項中「前項」とあるのは「前項又は第39条第1項」と、第35条第1項中「国」とあるのは「指定試験機関」とする。
3 前項の規定により読み替えて適用する第35条第1項の規定により指定試験機関に納められた受験手数料は、指定試験機関の収入とする。
(準用)
第40条 第12条第3項及び第4項、第13条から第15条まで並びに第17条から第27条までの規定は、指定試験機関について準用する。この場合において、これらの規定中「登録事務」とあるのは「試験事務」と、「登録事務規程」とあるのは「試験事務規程」と、第12条第3項中「第1項」とあるのは「第36条第1項」と、「前項」とあるのは「同条第2項」と、同条第4項中「第2項の申請」とあるのは「第36条第2項の申請」と、第13条第2項中「役員」とあるのは「役員(試験委員を含む。)」と、第14条第1項中「第12条第1項」とあるのは「第36条第1項」と、第17条中「役員」とあるのは「役員(試験委員を含む。)」と、第23条第2項第3号中「又は前条」とあるのは「、前条又は第37条」と、第24条第1項及び第27条第1号中「第12条第1項」とあるのは「第36条第1項」と読み替えるものとする。
(試験の細目等)
第41条 この章に規定するもののほか、試験科目、受験手続、試験事務の引継ぎその他試験及び指定試験機関に関し必要な事項は厚生労働省令で、第33条第1号から第3号まで及び第5号の規定による学校又は言語聴覚士養成所の指定に関し必要な事項は文部科学省令、厚生労働省令で定める。
第4章 業務等
(業務)
第42条 言語聴覚士は、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第31条第1項及び第32条の規定にかかわらず、診療の補助として、医師又は歯科医師の指示の下に、嚥下訓練、人工内耳の調整その他厚生労働省令で定める行為を行うことを業とすることができる。
2 前項の規定は、第9条第1項の規定により言語聴覚士の名称の使用の停止を命ぜられている者については、適用しない。
(連携等)
第43条 言語聴覚士は、その業務を行うに当たっては、医師、歯科医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。
2 言語聴覚士は、その業務を行うに当たって、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者に主治の医師又は歯科医師があるときは、その指導を受けなければならない。
3 言語聴覚士は、その業務を行うに当たっては、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者の福祉に関する業務を行う者その他の関係者との連携を保たなければならない。
(秘密を守る義務)
第44条 言語聴覚士は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。言語聴覚士でなくなった後においても、同様とする。
(名称の使用制限)
第45条 言語聴覚士でない者は、言語聴覚士又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
(権限の委任)
第45条の2 この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。
2 前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
(経過措置)
第46条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第5章 罰則
第47条 第17条第1項(第40条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、登録事務又は試験事務に関して知り得た秘密を漏らした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第48条 第23条第2項(第40条において準用する場合を含む。)の規定による登録事務又は試験事務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第49条 第32条又は第38条の規定に違反して、不正の採点をした者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第50条 第44条の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、50万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第51条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
一 第9条第1項の規定により言語聴覚士の名称の使用の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、言語聴覚士の名称を使用したもの
二 第45条の規定に違反して、言語聴覚士又はこれに紛らわしい名称を使用した者
第52条 次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定登録機関又は指定試験機関の役員又は職員は、30万円以下の罰金に処する。
一 第18条(第40条において準用する場合を含む。)の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。
二 第20条(第40条において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
三 第21条第1項(第40条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
四 第22条(第40条において準用する場合を含む。)の許可を受けないで登録事務又は試験事務の全部を廃止したとき。
附則
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(受験資格の特例)
第2条 言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得させる学校又は養成所であって、文部大臣又は厚生大臣が指定したものにおいて、この法律の施行の際現に言語聴覚士として必要な知識及び技能の修得を終えている者又はこの法律の施行の際現に言語聴覚士として必要な知識及び技能を修得中であり、その修得をこの法律の施行後に終えた者は、第33条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。
第3条 この法律の施行の際現に病院、診療所その他厚生省令で定める施設において適法に第2条に規定する業務を業として行っている者その他その者に準ずるものとして厚生労働省令で定める者であって、次の各号のいずれにも該当するに至ったものは、平成15年3月31日までは、第33条の規定にかかわらず、試験を受けることができる。
一 厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した者
二 病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設において、適法に第2条に規定する業務を5年以上業として行った者
(名称の使用制限に関する経過措置)
第4条 この法律の施行の際現に言語聴覚士又はこれに紛らわしい名称を使用している者については、第45条の規定は、この法律の施行後6月間は、適用しない。
(検討)
第5条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の規定の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
2 政府は、他の資格制度における障害者に係る欠格事由についての検討の状況を踏まえ、適正な医療を確保しつつ障害者の自立及び社会経済活動への参加を促進するという観点から、言語聴覚士の資格に係る欠格事由の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
附則 (平成13年6月29日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第2条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律における障害者に係る欠格事由の在り方について、当該欠格事由に関する規定の施行の状況を勘案して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(再免許に係る経過措置)
第3条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定する免許の取消事由により免許を取り消された者に係る当該取消事由がこの法律による改正後のそれぞれの法律により再免許を与えることができる取消事由(以下この条において「再免許が与えられる免許の取消事由」という。)に相当するものであるときは、その者を再免許が与えられる免許の取消事由により免許が取り消された者とみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の再免許に関する規定を適用する。
(罰則に係る経過措置)
第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成13年7月11日法律第105号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第56条に1項を加える改正規定、第57条第3項の改正規定、第67条に1項を加える改正規定並びに第73条の3及び第82条の10の改正規定並びに次条及び附則第5条から第16条までの規定 平成14年4月1日
附則 (平成13年12月12日法律第153号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(処分、手続等に関する経過措置)
第42条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第43条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(経過措置の政令への委任)
第44条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成18年6月2日法律第50号) 抄
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則 (平成19年6月27日法律第96号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成23年6月24日法律第74号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
附則 (平成26年6月4日法律第51号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成27年4月1日から施行する。
(処分、申請等に関する経過措置)
第7条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この項において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この項において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又はこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後におけるこの法律による改正後のそれぞれの法律の適用については、この法律による改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、この法律による改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第8条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第9条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
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