きんゆうきかんとうのこうせいてつづきのとくれいとうにかんするほうりつ
金融機関等の更生手続の特例等に関する法律
平成8年法律第95号
第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、協同組織金融機関及び相互会社について、利害関係人の利害を調整しつつその事業の維持更生を図るため、その更生手続に関し必要な事項を定めるとともに、金融機関等の更生手続、再生手続及び破産手続について、監督庁による申立て及び預金保険機構等による預金者等のためにするこれらの手続に属する行為の代理等に関し必要な事項を定めること等により、預金者等の権利の実現を確保しつつ、これらの手続の円滑な進行を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「銀行」とは、次に掲げる者(この法律の施行地外に本店を有するものを除く。)をいう。
一 銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行(以下「普通銀行」という。)
二 長期信用銀行法(昭和27年法律第187号)第2条に規定する長期信用銀行
2 この法律において「協同組織金融機関」とは、信用協同組合、信用金庫又は労働金庫をいう。
3 この法律において「金融機関」とは、銀行、協同組織金融機関又は株式会社商工組合中央金庫をいう。
4 この法律(第9項第1号、第377条第1項、第446条第1項及び第490条第1項を除く。)において「金融商品取引業者」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第9項に規定する金融商品取引業者であって、同法第79条の21に規定する投資者保護基金にその会員として加入しているものをいう。
5 この法律において「保険会社」とは、保険業法(平成7年法律第105号)第2条第2項に規定する保険会社又は同条第7項に規定する外国保険会社等(以下「外国保険会社等」という。)であって、同法第259条に規定する保険契約者保護機構にその会員として加入しているものをいう。
6 この法律において「相互会社」とは、保険業法第2条第5項に規定する相互会社をいう。
7 この法律において「預金等債権」とは、預金保険法(昭和46年法律第34号)第2条第2項に規定する預金等(政令で定めるものを除く。)に係る債権をいう。
8 この法律において「顧客債権」とは、金融商品取引業者の一般顧客(金融商品取引法第79条の20第1項に規定する一般顧客をいう。)が、対象有価証券関連取引(同法第43条の2第1項第2号に規定する対象有価証券関連取引をいう。)又は対象商品デリバティブ取引関連取引(同法第43条の2の2に規定する対象商品デリバティブ取引関連取引をいう。)に基づき、当該金融商品取引業者に対して有する債権(政令で定めるものを除く。)をいう。
9 この法律において「監督庁」とは、次に定める行政庁をいう。
一 銀行、外国銀行支店(銀行法第47条第2項に規定する外国銀行支店をいう。以下同じ。)、銀行持株会社(同法第2条第13項に規定する銀行持株会社をいう。以下同じ。)、長期信用銀行持株会社(長期信用銀行法第16条の4第1項に規定する長期信用銀行持株会社をいう。以下同じ。)、信用金庫、信用協同組合、信用金庫連合会、信用協同組合連合会(中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第9条の9第1項第1号の事業を行う協同組合連合会をいう。以下同じ。)、金融商品取引業者(金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者をいう。)、指定親会社(同法第57条の12第3項に規定する指定親会社をいう。以下同じ。)、保険会社、保険持株会社(保険業法第2条第16項に規定する保険持株会社をいう。以下同じ。)及び少額短期保険業者(同条第18項に規定する少額短期保険業者をいう。以下同じ。)については、内閣総理大臣とする。
二 労働金庫及び労働金庫連合会については、内閣総理大臣及び厚生労働大臣とする。
三 株式会社商工組合中央金庫については、内閣総理大臣、財務大臣及び経済産業大臣とする。
10 この法律において「組合員等」とは、信用協同組合の組合員又は信用金庫若しくは労働金庫の会員をいう。
11 この法律において「代表理事」とは、協同組織金融機関を代表する理事をいう。
12 この法律において「参事等」とは、信用協同組合若しくは労働金庫の参事又は信用金庫の支配人をいう。
第2章 協同組織金融機関の更生手続
第1節 総則
(協同組織金融機関の更生手続)
第3条 協同組織金融機関の更生手続については、第4章第3節及び第4節に定めるもののほか、この章の定めるところによる。
(定義)
第4条 この章において「更生手続」とは、協同組織金融機関について、この章並びに第4章第3節及び第4節の定めるところにより、更生計画を定め、更生計画が定められた場合にこれを遂行する手続(更生手続開始の申立てについて更生手続開始の決定をするかどうかに関する審理及び裁判をする手続を含む。)をいう。
2 この章において「更生計画」とは、更生債権者等又は組合員等の権利の全部又は一部を変更する条項その他の第92条に規定する条項を定めた計画をいう。
3 この章において「更生事件」とは、更生手続に係る事件をいう。
4 この章において「更生裁判所」とは、更生事件が係属している地方裁判所をいう。
5 この章(第158条の6及び第158条の11第1項を除く。)において「裁判所」とは、更生事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。
6 この章において「開始前協同組織金融機関」とは、更生裁判所に更生事件が係属している協同組織金融機関であって、更生手続開始の決定がされていないものをいう。
7 この章において「更生協同組織金融機関」とは、更生裁判所に更生事件が係属している協同組織金融機関であって、更生手続開始の決定がされたものをいう。
8 この章において「更生債権」とは、更生協同組織金融機関に対し更生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権又は次に掲げる権利であって、更生担保権又は共益債権に該当しないものをいう。
一 更生手続開始後の利息の請求権
二 更生手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権
三 更生手続参加の費用の請求権
四 第39条において準用する会社更生法(平成14年法律第154号)第58条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)に規定する債権
五 第41条第1項において準用する会社更生法第61条第1項の規定により双務契約が解除された場合における相手方の損害賠償の請求権
六 第41条第3項において準用する破産法(平成16年法律第75号)第58条第2項の規定による損害賠償の請求権
七 第41条第3項において準用する破産法第59条第1項の規定による請求権(更生協同組織金融機関の有するものを除く。)
八 第60条において準用する会社更生法第91条の2第2項第2号又は第3号に定める権利
9 この章において「更生債権者」とは、更生債権を有する者をいう。
10 この章において「更生担保権」とは、更生手続開始当時更生協同組織金融機関の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権及び商法(明治32年法律第48号)又は会社法(平成17年法律第86号)の規定による留置権に限る。)の被担保債権であって更生手続開始前の原因に基づいて生じたもの又は第8項各号に掲げるもの(共益債権であるものを除く。)のうち、当該担保権の目的である財産の価額が更生手続開始の時における時価であるとした場合における当該担保権によって担保された範囲のものをいう。ただし、当該被担保債権(社債を除く。)のうち利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金の請求権の部分については、更生手続開始後1年を経過する時(その時までに更生計画認可の決定があるときは、当該決定の時)までに生ずるものに限る。
11 この章において「更生担保権者」とは、更生担保権を有する者をいう。
12 この章において「更生債権等」とは、更生債権又は更生担保権をいう。ただし、次節第2款においては、開始前協同組織金融機関について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権又は更生担保権となるものをいう。
13 この章において「更生債権者等」とは、更生債権者又は更生担保権者をいう。ただし、次節第2款においては、開始前協同組織金融機関について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権者又は更生担保権者となるものをいう。
14 この章において「更生協同組織金融機関財産」とは、更生協同組織金融機関に属する一切の財産をいう。
15 この章において「租税等の請求権」とは、国税徴収法(昭和34年法律第147号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって、共益債権に該当しないものをいう。
(会社更生法の規定を準用する場合の読替え等)
第5条 この章(第7条、第104条、第127条第3項、第138条第6項、第140条第1項、第141条第1項、第143条第6項及び第7項並びに第162条第2項を除く。)の規定において会社更生法の規定を準用する場合には、特別の定めがある場合を除き、同法の規定中「この法律」とあるのは「更生特例法第2章」と、「開始前会社」とあるのは「開始前協同組織金融機関(更生特例法第4条第6項に規定する開始前協同組織金融機関をいう。)」と、「株式会社」とあるのは「協同組織金融機関(更生特例法第2条第2項に規定する協同組織金融機関をいう。)」と、「更生会社」とあるのは「更生協同組織金融機関(更生特例法第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)」と、「株主」とあるのは「組合員等(更生特例法第2条第10項に規定する組合員等をいう。)」と、「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「営業所」とあるのは「事務所」と、「取締役、会計参与」とあるのは「理事」と、「代表取締役」とあるのは「代表理事(更生特例法第2条第11項に規定する代表理事をいう。)」と、「監査役、執行役」とあるのは「監事」と、「支配人」とあるのは「参事等(更生特例法第2条第12項に規定する参事等をいう。)」と、「発起人、設立時取締役及び設立時監査役」とあるのは「発起人」と読み替えるものとする。
2 この章において準用するこの章の規定により読み替えられた会社更生法の規定中「更生特例法」とあるのは、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律をいうものとする。
(外国人の地位)
第6条 会社更生法第3条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における外国人又は外国法人の地位について準用する。
(更生事件の管轄)
第7条 会社更生法第5条(第2項、第4項及び第5項を除く。)及び第6条の規定は、協同組織金融機関の更生事件の管轄について準用する。この場合において、同法第5条第1項中「株式会社の主たる営業所の所在地(外国に主たる営業所がある場合にあっては、日本における主たる営業所の所在地)」とあるのは「協同組織金融機関(更生特例法第2条第2項に規定する協同組織金融機関をいう。以下この条において同じ。)の主たる事務所の所在地」と、同条第3項中「株式会社が他の株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)の過半数を有する」とあるのは「協同組織金融機関が株式会社を協同組合による金融事業に関する法律(昭和24年法律第183号)第4条第1項、信用金庫法(昭和26年法律第238号)第32条第6項又は労働金庫法(昭和28年法律第227号)第32条第5項に規定する子会社とする」と、「当該他の株式会社」とあるのは「当該株式会社」と、「当該株式会社(以下この項及び次項において「親株式会社」という。)」とあるのは「当該協同組織金融機関」と、「することができ、親株式会社について更生事件が係属しているときにおける子株式会社についての更生手続開始の申立ては、親株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができる」とあるのは「することができる」と、同法第6条中「この法律」とあるのは「更生特例法第2章」と読み替えるものとする。
(更生事件の移送)
第8条 会社更生法第7条の規定は、協同組織金融機関の更生事件の移送について準用する。この場合において、同条第3号中「第5条第2項から第6項まで」とあるのは、「更生特例法第7条において準用する第5条第3項又は第6項」と読み替えるものとする。
(任意的口頭弁論、不服申立て等)
第9条 会社更生法第8条及び第9条の規定は、協同組織金融機関の更生手続に関する審理及び裁判について準用する。
(公告等)
第10条 会社更生法第10条の規定は、この章の規定による公告又は送達について準用する。
(事件に関する文書の閲覧等)
第11条 会社更生法第11条及び第12条の規定は、協同組織金融機関の更生事件に関する文書その他の物件又は更生事件に関する事項の証明書について準用する。この場合において、同法第11条第1項中「この法律」とあるのは「更生特例法」と、同条第4項第1号中「第24条第1項若しくは第2項」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第24条第1項若しくは第2項」と、「第25条第2項」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第25条第2項」と、「第28条第1項」とあるのは「更生特例法第20条において準用する第28条第1項」と、「第29条第3項」とあるのは「更生特例法第21条において準用する第29条第3項」と、「第30条第2項」とあるのは「更生特例法第22条第2項」と、「第35条第2項」とあるのは「更生特例法第25条第2項」と、「第39条の2第1項」とあるのは「更生特例法第29条の2第1項」と、同法第12条第1項第1号中「第32条第1項ただし書、第46条第2項前段又は第72条第2項(第32条第3項において準用する場合を含む。)」とあるのは「更生特例法第23条において準用する第32条第1項ただし書、更生特例法第33条第2項前段又は更生特例法第45条において準用する第72条第2項(更生特例法第23条において準用する第32条第3項において準用する場合を含む。)」と、同項第2号中「第84条第2項」とあるのは「更生特例法第55条において準用する第84条第2項」と、「第125条第2項」とあるのは「更生特例法第72条第2項」と読み替えるものとする。
(民事訴訟法の準用)
第12条 協同組織金融機関の更生手続に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法(平成8年法律第109号)の規定を準用する。
(最高裁判所規則)
第13条 この章並びに第4章第3節及び第4節に定めるもののほか、協同組織金融機関の更生手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第14条 削除
第2節 更生手続開始の申立て及びこれに伴う保全措置
第1款 更生手続開始の申立て
(更生手続開始の申立て)
第15条 協同組織金融機関は、当該協同組織金融機関に更生手続開始の原因となる事実(次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する事実をいう。)があるときは、当該協同組織金融機関について更生手続開始の申立てをすることができる。
一 破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがある場合
二 弁済期にある債務を弁済することとすれば、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合
2 協同組織金融機関に前項第1号に掲げる場合に該当する事実があるときは、当該協同組織金融機関の登記された出資の総額の10分の1以上に当たる債権を有する債権者も、当該協同組織金融機関について更生手続開始の申立てをすることができる。
3 協同組織金融機関に第1項第1号に掲げる場合に該当する事実があるときは、次の各号に掲げる協同組織金融機関の種類に応じ、当該各号に定める者も、当該協同組織金融機関について更生手続開始の申立てをすることができる。
一 信用協同組合 総組合員の10分の1以上に当たる数の組合員
二 信用金庫 総会員の10分の1以上に当たる数の会員
三 労働金庫 総会員(個人会員(労働金庫法(昭和28年法律第227号)第13条第1項に規定する個人会員をいう。以下この章において同じ。)を除く。)の10分の1以上に当たる数の会員(個人会員を除く。)
(破産手続開始の申立義務と更生手続開始の申立て)
第16条 会社更生法第18条の規定は、他の法律の規定により協同組織金融機関の清算人が当該協同組織金融機関に対して破産手続開始の申立てをしなければならない場合について準用する。
(解散後の協同組織金融機関による更生手続開始の申立て)
第17条 清算中又は破産手続開始後の協同組織金融機関がその更生手続開始の申立てをするには、中小企業等協同組合法第53条、信用金庫法(昭和26年法律第238号)第48条の3又は労働金庫法第53条に定める決議によらなければならない。
(更生手続開始の申立ての手続等)
第18条 会社更生法第20条から第23条までの規定は、協同組織金融機関についての更生手続開始の申立てについて準用する。この場合において、同法第20条第1項中「第17条第1項」とあるのは「更生特例法第15条第1項」と、同条第2項中「第17条第2項」とあるのは「更生特例法第15条第2項」と、「債権者又は株主」とあるのは「債権者」と、「債権の額又は議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の数」とあるのは「債権の額」と、同法第22条第1項中「第17条」とあるのは「更生特例法第15条」と、同条第2項中「第17条第2項」とあるのは「更生特例法第15条第2項又は第3項」と、「代表者(外国に本店があるときは、日本における代表者)」とあるのは「代表者」と、同法第23条中「次条第1項若しくは第2項」とあるのは「更生特例法第19条において準用する次条第1項若しくは第2項」と、「第25条第2項」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第25条第2項」と、「第28条第1項」とあるのは「更生特例法第20条において準用する第28条第1項」と、「第29条第3項」とあるのは「更生特例法第21条において準用する第29条第3項」と、「第30条第2項」とあるのは「更生特例法第22条第2項」と、「第35条第2項」とあるのは「更生特例法第25条第2項」と、「第39条の2第1項」とあるのは「更生特例法第29条の2第1項」と読み替えるものとする。
第2款 更生手続開始の申立てに伴う保全措置
第1目 開始前協同組織金融機関に関する他の手続の中止命令等
第19条 会社更生法第24条(第1項第3号を除く。)及び第25条から第27条までの規定は、協同組織金融機関についての更生手続開始の申立てがあった場合について準用する。この場合において、同法第24条第1項第1号中「、再生手続又は特別清算手続」とあるのは「又は再生手続」と、同法第25条第1項中「第28条第1項」とあるのは「更生特例法第20条において準用する第28条第1項」と、「第30条第2項」とあるのは「更生特例法第22条第2項」と、「第35条第2項」とあるのは「更生特例法第25条第2項」と、同法第27条第6項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
第2目 開始前協同組織金融機関の業務及び財産に関する保全処分等
(開始前協同組織金融機関の業務及び財産に関する保全処分)
第20条 会社更生法第28条の規定は、協同組織金融機関についての更生手続開始の申立てがあった場合の保全処分について準用する。この場合において、同条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(更生手続開始前における商事留置権の消滅請求)
第21条 会社更生法第29条の規定は、開始前協同組織金融機関の財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合について準用する。
第3目 保全管理命令
(保全管理命令)
第22条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、開始前協同組織金融機関の業務及び財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下この章において「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。ただし、第44条において準用する会社更生法第67条第3項に規定する者は、保全管理人に選任することができない。
3 会社更生法第30条第3項から第5項まで及び第31条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における保全管理命令について準用する。この場合において、同条第3項中「第10条第4項」とあるのは、「更生特例法第10条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
(保全管理人の権限)
第23条 会社更生法第32条及び第33条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における保全管理人について準用する。この場合において、同条第1項中「第67条第3項」とあるのは、「更生特例法第44条において準用する第67条第3項」と読み替えるものとする。
(管財人に関する規定等の保全管理人等への準用)
第24条 第53条第1項から第4項までの規定並びに会社更生法第54条、第57条、第59条、第67条第2項、第68条、第69条、第73条、第74条第1項、第76条から第80条まで及び第82条第1項から第3項までの規定は協同組織金融機関の更生手続における保全管理人について、第53条第1項から第4項までの規定は協同組織金融機関の更生手続における保全管理人代理について、それぞれ準用する。この場合において、同法第54条第1項、第57条第2項及び第76条第2項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、同法第59条中「第43条第1項の規定による公告」とあるのは「更生特例法第22条第3項において準用する第31条第1項の規定による公告」と、同法第77条第2項中「会社法第2条第3号」とあるのは「協同組合による金融事業に関する法律第4条第1項、信用金庫法第32条第6項又は労働金庫法第32条第5項」と、同法第82条第2項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人又は管財人」と、同条第3項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人、管財人」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第52条第1項から第3項までの規定は協同組織金融機関の更生手続において保全管理命令が発せられた場合について、同条第4項から第6項までの規定は協同組織金融機関の更生手続において保全管理命令が効力を失った場合(更生手続開始の決定があった場合を除く。)について、それぞれ準用する。この場合において、同条第5項中「訴訟手続(第234条第3号又は第4号に掲げる事由が生じた場合における第97条第1項の訴えに係る訴訟手続を除く。)」とあるのは、「訴訟手続」と読み替えるものとする。
3 開始前協同組織金融機関の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。
一 保全管理命令が発せられた場合 会社更生法第52条第1項から第3項まで
二 保全管理命令が効力を失った場合(更生手続開始の決定があった場合を除く。) 会社更生法第52条第4項から第6項まで
4 会社更生法第66条第1項本文の規定は、保全管理人が選任されている期間中における開始前協同組織金融機関の理事、監事及び清算人について準用する。この場合において、同項中「会社法第361条第1項」とあるのは、「協同組合による金融事業に関する法律第5条の5、信用金庫法第35条の6又は労働金庫法第37条の4において準用する会社法第361条第1項」と読み替えるものとする。
第4目 監督命令
(監督命令)
第25条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下この章において「監督命令」という。)をする場合には、当該監督命令において、1人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ開始前協同組織金融機関がすることができない行為を指定しなければならない。
3 会社更生法第35条第3項の規定は協同組織金融機関の更生手続における監督委員の同意を得ないでした行為について、同条第4項から第6項までの規定は協同組織金融機関の更生手続における監督命令について、それぞれ準用する。
(監督命令に関する公告及び送達)
第26条 会社更生法第36条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における監督命令に関する公告又は送達について準用する。この場合において、同条第2項中「前条第4項」とあるのは「更生特例法第25条第3項において準用する前条第4項」と、同条第3項中「第10条第4項」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
(理事等の管財人の適性に関する調査)
第27条 会社更生法第37条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における監督委員による管財人の適性に関する調査について準用する。この場合において、同条中「発起人、設立時取締役若しくは設立時監査役」とあるのは、「発起人」と読み替えるものとする。
(管財人に関する規定の監督委員への準用)
第28条 第53条第1項から第4項までの規定並びに会社更生法第67条第2項、第68条、第69条第1項、第77条及び第80条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における監督委員について準用する。この場合において、同法第77条第2項中「会社法第2条第3号」とあるのは、「協同組合による金融事業に関する法律第4条第1項、信用金庫法第32条第6項又は労働金庫法第32条第5項」と読み替えるものとする。
第5目 更生手続開始前の調査命令等
(更生手続開始前の調査命令)
第29条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする第72条第2項に規定する調査命令を発することができる。
一 第15条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実及び第31条において準用する会社更生法第41条第1項第2号から第4号までに掲げる事由の有無、開始前協同組織金融機関の業務及び財産の状況その他更生手続開始の申立てについての判断をするのに必要な事項並びに更生手続を開始することの当否
二 第20条において準用する会社更生法第28条第1項の規定による保全処分、保全管理命令、監督命令、次条若しくは第30条の規定による保全処分又は第63条において準用する同法第100条第1項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分、命令又は決定の要否
三 その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項
(否認権のための保全処分)
第29条の2 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2 会社更生法第39条の2第2項から第6項までの規定は、前項の規定による保全処分について準用する。この場合において、同条第6項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(更生手続開始前の役員等の財産に対する保全処分)
第30条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、開始前協同組織金融機関(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、第62条において準用する会社更生法第99条第1項各号に掲げる保全処分をすることができる。
2 会社更生法第99条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による保全処分があった場合について準用する。この場合において、同条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
第3節 更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等
第1款 更生手続開始の決定
第31条 会社更生法第41条、第42条、第43条(第1項第5号を除く。)及び第44条の規定は、協同組織金融機関についての更生手続開始の決定について準用する。この場合において、同法第41条第1項中「第17条」とあるのは「更生特例法第15条」と、同項第2号中「、再生手続又は特別清算手続」とあるのは「又は再生手続」と、同法第42条第2項中「第138条から第140条まで又は第142条」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条若しくは第139条、更生特例法第82条において準用する第140条第1項若しくは第2項又は更生特例法第84条」と、同法第43条第1項中「公告しなければならない。ただし、第5号に規定する社債管理者等がないときは、同号に掲げる事項については、公告することを要しない。」とあるのは「公告しなければならない。」と、同条第3項第4号中「第39条」とあるのは「更生特例法第29条」と、同法第44条第2項中「前章第2節」とあるのは「更生特例法第2章第2節第2款」と読み替えるものとする。
第2款 更生手続開始の決定に伴う効果
(更生協同組織金融機関の組織に関する基本的事項の変更の禁止)
第32条 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生協同組織金融機関若しくは更生計画の定めにより更生協同組織金融機関がその組織を変更した後の協同組織金融機関(以下この章において「転換後協同組織金融機関」という。)について次に掲げる行為を行い、又は更生計画の定めにより更生協同組織金融機関がその組織を変更した後の普通銀行(以下この章において「転換後銀行」という。)について会社更生法第45条第1項各号に掲げる行為を行うことができない。
一 出資の受入れ
二 出資1口の金額の減少
三 剰余金の配当
四 合併
五 解散
六 転換(金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和43年法律第86号。以下「合併転換法」という。)第2条第7項に規定する転換であって、更生協同組織金融機関が他の種類の協同組織金融機関又は普通銀行となるものをいう。以下この章において同じ。)
2 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによるか、又は裁判所の許可を得なければ、更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関又は転換後銀行の定款の変更をすることができない。
(事業の譲渡)
第33条 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をすることができない。ただし、次項から第8項までの規定により更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をする場合は、この限りでない。
2 更生手続開始後更生計画案を決議に付する旨の決定がされるまでの間においては、管財人は、裁判所の許可を得て、更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をすることができる。この場合において、裁判所は、当該譲渡が当該更生協同組織金融機関の事業の更生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。
3 裁判所は、前項の許可をする場合には、次に掲げる者の意見を聴かなければならない。
一 知れている更生債権者(更生協同組織金融機関が更生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後更生債権(更生債権者と更生協同組織金融機関との間において、更生手続開始前に、当該協同組織金融機関について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法第99条第1項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下この章において同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後更生債権を有する者を除く。)。ただし、第67条第1項に規定する更生債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
二 知れている更生担保権者。ただし、第67条第2項に規定する更生担保権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
三 労働組合等(更生協同組織金融機関の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、更生協同組織金融機関の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは更生協同組織金融機関の使用人の過半数を代表する者をいう。)
4 管財人は、第2項の規定により更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をしようとする場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を公告し、又は組合員等(労働金庫の個人会員を除く。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
一 当該譲渡の相手方、時期及び対価並びに当該譲渡の対象となる事業の内容
二 当該譲渡に反対の意思を有する組合員等は、当該公告又は当該通知があった日から2週間以内にその旨を書面をもって管財人に通知すべき旨
5 前項の規定による組合員等に対する通知は、中小企業等協同組合法第50条第1項、信用金庫法第48条第1項若しくは労働金庫法第50条第1項本文に規定する場所又は組合員等が管財人に通知した住所にあてて、することができる。
6 第4項の規定による組合員等に対する通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第2項の許可をすることができない。
一 第4項の規定による公告又は通知があった日から1月を経過した後に第2項の許可の申立てがあったとき。
二 第4項第2号に規定する期間内に、次のイからハまでに掲げる更生協同組織金融機関の種類に応じ、当該イからハまでに定める者が、書面をもって管財人に第2項の譲渡に反対の意思を有する旨の通知をしたとき。
イ 信用協同組合 事業の全部を譲渡しようとする場合にあっては総組合員の3分の1を超える数の組合員、その他の場合にあっては総組合員の2分の1以上に当たる数の組合員
ロ 信用金庫 事業の全部を譲渡しようとする場合にあっては総会員の3分の1を超える数の会員、その他の場合にあっては総会員の2分の1以上に当たる数の会員
ハ 労働金庫 事業の全部を譲渡しようとする場合にあっては総会員(個人会員を除く。以下この号において同じ。)の3分の1を超える数の会員(個人会員を除く。以下この号において同じ。)、その他の場合にあっては総会員の2分の1以上に当たる数の会員
8 第4項から前項までの規定は、第2項の許可の時において更生協同組織金融機関がその財産をもって債務を完済することができない状態にある場合には、適用しない。
9 第2項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
10 第2項の許可を得て更生協同組織金融機関の事業の全部又は一部の譲渡をする場合には、中小企業等協同組合法第57条の3第1項、信用金庫法第58条第1項又は労働金庫法第62条第1項の規定並びに協同組合による金融事業に関する法律(昭和24年法律第183号)第6条第1項、信用金庫法第89条第1項又は労働金庫法第94条第1項において準用する銀行法第34条及び第35条の規定は、適用しない。
11 前項に規定する場合には、中小企業等協同組合法第57条の3第6項において準用する同法第57条、信用金庫法第58条第7項において準用する同法第52条の2又は労働金庫法第62条第7項において準用する同法第57条の2において準用する会社法第828条第1項(第5号に係る部分に限る。)及び第2項(第5号に係る部分に限る。)の規定にかかわらず、更生協同組織金融機関の組合員等、理事、監事、清算人、破産管財人又は債権者は、事業の全部の譲渡の無効の訴えを提起することができない。
(更生債権等の弁済の禁止等)
第34条 会社更生法第47条及び第47条の2の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生債権等について準用する。この場合において、同法第47条第7項第1号及び第2号中「第24条第2項」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第24条第2項」と、同法第47条の2中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
(相殺)
第35条 会社更生法第48条から第49条の2までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生債権者等による相殺について準用する。この場合において、同法第48条第1項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と、同法第49条第1項第4号中「、再生手続開始又は特別清算開始」とあるのは「又は再生手続開始」と読み替えるものとする。
(他の手続の中止等)
第36条 会社更生法第50条及び第51条の規定は、協同組織金融機関について更生手続開始の決定があった場合における強制執行その他の手続について準用する。この場合において、同法第50条第1項中「、更生手続開始若しくは特別清算開始」とあるのは「若しくは更生手続開始」と、「強制執行等、企業担保権の実行」とあるのは「強制執行等」と、「中止し、特別清算手続はその効力を失う」とあるのは「中止する」と、同項及び同条第5項第1号中「第24条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第24条第1項第2号」と、「強制執行等の手続、企業担保権の実行手続」とあるのは「強制執行等の手続」と、同条第2項、第5項第2号及び第10項中「第24条第2項」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第24条第2項」と、同条第11項中「第204条第2項」とあるのは「更生特例法第125条第3項において準用する第204条第2項」と、同法第51条第2項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(更生協同組織金融機関の財産関係の訴えの取扱い)
第37条 会社更生法第52条の規定は、更生協同組織金融機関の財産関係の訴訟手続について準用する。この場合において、同条第5項中「第234条第3号又は第4号」とあるのは「更生特例法第150条において準用する第234条第3号又は第4号」と、「第97条第1項」とあるのは「更生特例法第60条において準用する第97条第1項」と読み替えるものとする。
(債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱い)
第37条の2 民法(明治29年法律第89号)第423条若しくは第424条の規定により更生債権者の提起した訴訟又は破産法若しくは民事再生法(平成11年法律第225号)の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が更生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。
2 会社更生法第52条の2第2項から第6項までの規定は、前項の規定により訴訟手続が中断した場合について準用する。
(行政庁に係属する事件の取扱い)
第38条 会社更生法第53条の規定は、更生協同組織金融機関の財産関係の事件で行政庁に係属するものについて準用する。
(更生協同組織金融機関のした法律行為の効力等)
第39条 会社更生法第54条から第59条までの規定は、協同組織金融機関について更生手続が開始された後の行為の効力について準用する。この場合において、同法第54条第1項、第55条第1項及び第57条第2項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、同法第56条第2項中「若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記」とあるのは「又は変更に関する登録又は仮登録」と、同法第59条中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第43条第1項」と読み替えるものとする。
(共有関係)
第40条 会社更生法第60条の規定は、更生協同組織金融機関が他人と共同して財産権を有する場合について準用する。
(双務契約)
第41条 会社更生法第61条第1項から第4項まで及び第62条の規定は、更生協同組織金融機関が当事者である双務契約について準用する。
2 破産法第54条の規定は、前項において準用する会社更生法第61条第1項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、破産法第54条第1項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)第4条第9項に規定する更生債権者をいう。)」と、同条第2項中「破産者」とあるのは「更生協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)」と、「破産財団」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(同条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。
3 破産法第56条、第58条及び第59条の規定は、協同組織金融機関について更生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第56条第1項中「第53条第1項及び第2項」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第41条第1項において準用する会社更生法(平成14年法律第154号)第61条第1項及び第2項」と、「破産者」とあるのは「更生協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)」と、同条第2項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第58条第1項中「破産手続開始」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第1項に規定する更生手続をいう。)開始」と、同条第3項において準用する同法第54条第1項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第9項に規定する更生債権者をいう。)」と、同法第59条第1項中「破産手続」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第1項に規定する更生手続をいう。)」と、同条第2項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「更生債権(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第8項に規定する更生債権をいう。)」と読み替えるものとする。
(取戻権)
第42条 会社更生法第64条第1項の規定は、更生協同組織金融機関に属しない財産を更生協同組織金融機関から取り戻す権利について準用する。
2 破産法第63条及び第64条の規定は、協同組織金融機関について更生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第63条第1項中「破産手続開始の決定」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第1項に規定する更生手続をいう。)開始の決定」と、同項及び同法第64条中「破産管財人」とあるのは「管財人」と、同法第63条第2項中「第53条第1項及び第2項」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第41条第1項において準用する会社更生法第61条第1項及び第2項」と、同条第3項中「第1項」とあるのは「前2項」と、「同項」とあるのは「第1項」と、同法第64条第1項中「破産者」とあるのは「協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第2条第2項に規定する協同組織金融機関をいう。)」と、「破産手続開始」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第1項に規定する更生手続をいう。)開始」と読み替えるものとする。
(理事等の報酬等)
第43条 会社更生法第66条の規定は、更生協同組織金融機関の理事、監事及び清算人について準用する。この場合において、同条第1項中「会社法第361条第1項」とあるのは「協同組合による金融事業に関する法律第5条の5、信用金庫法第35条の6又は労働金庫法第37条の4において準用する会社法第361条第1項」と、「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同条第2項中「会社法第361条第1項(同法第482条第4項において準用する場合を含む。)及び第3項、第379条第1項及び第2項、第387条第1項及び第2項並びに第404条第3項」とあるのは「協同組合による金融事業に関する法律第5条の5若しくは第6条の2第2項、信用金庫法第35条の6若しくは第64条又は労働金庫法第37条の4若しくは第68条において準用する会社法第361条第1項の規定並びに協同組合による金融事業に関する法律第5条の6、信用金庫法第35条の7又は労働金庫法第37条の5において準用する会社法第387条第1項及び第2項」と読み替えるものとする。
第3款 管財人
第1目 管財人の選任及び監督
第44条 会社更生法第67条から第71条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人について準用する。この場合において、同法第67条第3項中「第100条第1項」とあるのは、「更生特例法第63条において準用する第100条第1項」と読み替えるものとする。
第2目 管財人の権限等
(管財人の権限)
第45条 会社更生法第72条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人の権限について準用する。この場合において、同条第2項第4号中「第61条第1項」とあるのは「更生特例法第41条第1項において準用する第61条第1項」と、同項第8号中「第64条第1項」とあるのは「更生特例法第42条第1項において準用する第64条第1項」と、同条第7項中「第10条第4項」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
(更生協同組織金融機関の業務及び財産の管理)
第46条 会社更生法第73条の規定は、更生協同組織金融機関の業務及び財産の管理について準用する。
(当事者適格等)
第47条 会社更生法第74条の規定は、更生協同組織金融機関の財産関係の訴えについて準用する。この場合において、同条第2項及び第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(郵便物等の管理)
第48条 会社更生法第75条及び第76条の規定は、更生協同組織金融機関にあてた郵便物等(郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第3項に規定する信書便物をいう。以下同じ。)の管理について準用する。この場合において、会社更生法第75条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同法第76条第2項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
(更生協同組織金融機関及び子会社に対する調査)
第49条 会社更生法第77条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人の権限について準用する。この場合において、同条第2項中「会社法第2条第3号」とあるのは、「協同組合による金融事業に関する法律第4条第1項、信用金庫法第32条第6項又は労働金庫法第32条第5項」と読み替えるものとする。
(管財人の自己取引)
第50条 会社更生法第78条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人の更生協同組織金融機関との取引について準用する。
(管財人の競業の制限)
第51条 会社更生法第79条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人が自己又は第三者のために更生協同組織金融機関の事業の部類に属する取引をしようとする場合について準用する。
(管財人の注意義務)
第52条 会社更生法第80条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人の職務について準用する。
(管財人の情報提供努力義務)
第52条の2 管財人は、更生債権等である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、更生手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。
(管財人の報酬等)
第53条 管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
2 管財人は、その選任後、更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関、転換後銀行若しくは更生計画の定めにより設立された協同組織金融機関若しくは株式会社に対する債権又は更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関若しくは更生計画の定めにより設立された協同組織金融機関の持分若しくは転換後銀行若しくは更生計画の定めにより設立された株式会社の株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。
3 管財人は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。
4 第1項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前各項の規定は、管財人代理及び第44条において準用する会社更生法第71条の法律顧問について準用する。
(任務終了の場合の報告義務等)
第54条 管財人の任務が終了した場合には、管財人は、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならない。
2 前項の場合において、管財人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の管財人がしなければならない。
3 管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、管財人又はその承継人は、後任の管財人又は更生協同組織金融機関が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
4 第150条において準用する会社更生法第234条第2号から第4号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合には、第158条の10第6項又は第158条の13に規定する場合を除き、管財人は、共益債権を弁済しなければならない。ただし、その存否又は額について争いのある共益債権については、その債権を有する者のために供託をしなければならない。
第3目 更生協同組織金融機関の財産状況の調査
(財産の価額の評定等)
第55条 会社更生法第83条及び第84条の規定は、更生協同組織金融機関の財産状況の調査について準用する。この場合において、同法第83条第5項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同法第84条第1項第3号中「第99条第1項」とあるのは「更生特例法第62条において準用する第99条第1項」と、「第100条第1項」とあるのは「更生特例法第63条において準用する第100条第1項」と読み替えるものとする。
(財産状況報告集会への報告)
第56条 会社更生法第85条の規定は、更生協同組織金融機関の財産状況を報告するための関係人集会について準用する。この場合において、同条第1項中「前条第1項各号」とあるのは「更生特例法第55条において準用する前条第1項各号」と、同条第3項中「第46条第3項第3号」とあるのは「更生特例法第33条第3項第3号」と読み替えるものとする。
第4款 否認権
(更生債権者等を害する行為の否認)
第57条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、更生手続開始後、更生協同組織金融機関財産のために否認することができる。
一 更生協同組織金融機関が更生債権者等を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
二 更生協同組織金融機関が支払の停止又は更生手続開始、破産手続開始若しくは再生手続開始の申立て(以下この条において「支払の停止等」という。)があった後にした更生債権者等を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 更生協同組織金融機関がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、更生手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、更生協同組織金融機関財産のために否認することができる。
3 更生協同組織金融機関が支払の停止等があった後又はその前6月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、更生手続開始後、更生協同組織金融機関財産のために否認することができる。
(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)
第57条の2 更生協同組織金融機関が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、更生手続開始後、更生協同組織金融機関財産のために否認することができる。
一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、更生協同組織金融機関において隠匿、無償の供与その他の更生債権者等を害する処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
二 更生協同組織金融機関が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三 相手方が、当該行為の当時、更生協同組織金融機関が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が更生協同組織金融機関の理事、監事、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生協同組織金融機関が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
第57条の3 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、更生手続開始後、更生協同組織金融機関財産のために否認することができる。
一 更生協同組織金融機関が支払不能(更生協同組織金融機関が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この条において同じ。)になった後又は更生手続開始、破産手続開始若しくは再生手続開始の申立て(以下この条において「更生手続開始の申立て等」という。)があった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
ロ 当該行為が更生手続開始の申立て等があった後にされたものである場合 更生手続開始の申立て等があったこと。
二 更生協同組織金融機関の義務に属せず、又はその時期が更生協同組織金融機関の義務に属しない行為であって、支払不能になる前30日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項第1号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
一 債権者が更生協同組織金融機関の理事、監事、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人である場合
二 前項第1号に掲げる行為が更生協同組織金融機関の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が更生協同組織金融機関の義務に属しないものである場合
3 第1項各号の規定の適用については、支払の停止(更生手続開始の申立て等の前1年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。
(手形債務支払の場合等の例外)
第58条 前条第1項第1号の規定は、更生協同組織金融機関から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の1人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、管財人は、これらの者に更生協同組織金融機関が支払った金額を償還させることができる。
3 前条第1項の規定は、更生協同組織金融機関が租税等の請求権(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和44年法律第46号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第11条第1項に規定する共助対象外国租税(以下「共助対象外国租税」という。)の請求権を除く。)又は第84条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。
(権利変動の対抗要件の否認)
第59条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から15日を経過した後悪意でしたものであるときは、これを否認することができる。ただし、当該仮登記又は当該仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいてされた本登記又は本登録については、この限りでない。
2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。
(否認権行使の効果等)
第60条 会社更生法第89条から第98条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における否認権について準用する。この場合において、同法第90条及び第91条第2項中「第86条第3項」とあるのは「更生特例法第57条第3項」と、同条第1項並びに同法第91条の2第1項、第2項及び第4項並びに第94条第3項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、同法第91条の2第1項及び第4項中「第86条第1項若しくは第3項又は第86条の2第1項」とあるのは「更生特例法第57条第1項若しくは第3項又は第57条の2第1項」と、同条第3項及び同法第93条第1項第2号中「第86条の2第2項各号に掲げる者のいずれか」とあるのは「更生協同組織金融機関の理事、監事、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人」と、同法第92条中「第86条の3第1項」とあるのは「更生特例法第57条の3第1項」と、同法第94条第1項中「第39条の2第1項」とあるのは「更生特例法第29条の2第1項」と、同項及び同条第3項中「第44条第2項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第44条第2項」と、同項中「第39条の2第2項」とあるのは「更生特例法第29条の2第2項において準用する第39条の2第2項」と、同法第96条第4項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と、同法第97条第6項中「第234条第2号又は第5号」とあるのは「更生特例法第150条において準用する第234条第2号又は第5号」と、「第52条第4項」とあるのは「更生特例法第37条において準用する第52条第4項」と読み替えるものとする。
第61条 削除
第5款 更生協同組織金融機関の役員等の責任の追及
(役員等の財産に対する保全処分)
第62条 会社更生法第99条の規定は、協同組織金融機関について更生手続開始の決定があった場合における保全処分について準用する。この場合において、同条第1項第1号中「発起人、設立時取締役、設立時監査役」とあるのは「発起人」と、同項第2号中「役員等(設立時監査役、会計参与、監査役、会計監査人及び清算人を除く。)」とあるのは「理事」と、「会社法第52条第1項、第52条の2第1項若しくは第2項、第103条第2項、第213条第1項、第213条の3第1項、第286条第1項又は第286条の3第1項」とあるのは「協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成5年法律第44号)第14条第2項において準用する会社法第213条の3第1項」と、同条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(役員等の責任の査定の申立て等)
第63条 会社更生法第100条から第103条までの規定は、前条において準用する同法第99条第1項各号に規定する請求権の査定について準用する。この場合において、同法第100条第1項中「前条第1項各号」とあるのは「更生特例法第62条において準用する前条第1項各号」と、同法第101条第3項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
第6款 担保権消滅の請求等
第1目 担保権消滅の請求
(担保権消滅許可の決定、価額決定の請求等)
第64条 会社更生法第104条から第112条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における担保権の消滅について準用する。この場合において、同法第104条第4項及び第6項、第106条第6項並びに第111条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と、同法第109条及び第111条第6項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同条第3項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
第2目 債権質の第三債務者の供託
第65条 会社更生法第113条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生担保権に係る質権の目的である金銭債権の債務者について準用する。
第7款 関係人集会
第66条 会社更生法第114条から第116条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における関係人集会について準用する。この場合において、同法第114条第1項第2号中「第117条第2項」とあるのは「更生特例法第67条第1項」と、同項第3号中「第117条第6項」とあるのは「更生特例法第67条第2項」と、同項第4号中「第117条第7項に規定する株主委員会」とあるのは「更生特例法第67条第3項に規定する組合員等委員会」と、同項第6号中「総株主の議決権の10分の1以上を有する」とあるのは「種類に応じ、更生協同組織金融機関の更生特例法第15条第3項各号に定める」と、同法第115条第1項中「第42条第2項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第42条第2項」と、同条第3項中「第46条第3項第3号」とあるのは「更生特例法第33条第3項第3号」と読み替えるものとする。
第8款 更生債権者委員会及び代理委員等
(更生債権者委員会等)
第67条 会社更生法第117条第1項の規定は協同組織金融機関の更生手続において更生債権者をもって構成する委員会がある場合について、同条第2項から第5項までの規定はこの項において準用する同条第1項の規定により承認された委員会(以下この章において「更生債権者委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同条第4項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第117条第1項の規定は協同組織金融機関の更生手続において更生担保権者をもって構成する委員会がある場合について、同条第2項から第5項までの規定はこの項において準用する同条第1項の規定により承認された委員会(以下この章において「更生担保権者委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同条第4項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
3 会社更生法第117条第1項の規定は協同組織金融機関の更生手続において組合員等をもって構成する委員会がある場合について、同条第2項から第5項までの規定はこの項において準用する同条第1項の規定により承認された委員会(以下この章において「組合員等委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同条第4項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
(更生債権者委員会の意見聴取等)
第68条 会社更生法第118条から第120条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続において更生債権者委員会がある場合について準用する。この場合において、同法第118条第1項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同法第119条第1項中「第83条第3項若しくは第4項又は第84条」とあるのは「更生特例法第55条において準用する第83条第3項若しくは第4項又は第84条」と、同条第2項中「第12条第1項」とあるのは「更生特例法第11条において準用する第12条第1項」と、同法第120条中「第84条第2項」とあるのは「更生特例法第55条において準用する第84条第2項」と読み替えるものとする。
(更生担保権者委員会及び組合員等委員会への準用)
第69条 会社更生法第118条から第120条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続において更生担保権者委員会又は組合員等委員会がある場合について準用する。この場合において、同法第118条第1項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同法第119条第1項中「第83条第3項若しくは第4項又は第84条」とあるのは「更生特例法第55条において準用する第83条第3項若しくは第4項又は第84条」と、同条第2項中「第12条第1項」とあるのは「更生特例法第11条において準用する第12条第1項」と、同法第120条中「第84条第2項」とあるのは「更生特例法第55条において準用する第84条第2項」と読み替えるものとする。
(代理委員)
第70条 会社更生法第122条及び第123条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における代理委員の選任について準用する。この場合において、同条第5項中「更生会社財産」とあるのは、「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
(報償金等)
第71条 会社更生法第124条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における費用の償還及び報償金の支払について準用する。この場合において、同条第1項中「更生会社財産」とあるのは、「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
第9款 調査命令
(調査命令)
第72条 裁判所は、更生手続開始後において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする調査委員による調査又は意見陳述を命ずる処分をすることができる。
一 第62条において準用する会社更生法第99条第1項の規定による保全処分又は第63条において準用する同法第100条第1項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分又は決定の要否
二 管財人の作成する貸借対照表及び財産目録の当否並びに更生協同組織金融機関の業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項に関する管財人の報告の当否
三 更生計画案又は更生計画の当否
四 その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項
2 裁判所は、前項の処分(以下この章において「調査命令」という。)をする場合には、当該調査命令において、1人又は数人の調査委員を選任し、かつ、調査委員の調査又は意見陳述の対象となるべき事項及び裁判所に対して報告又は陳述をすべき期間を定めなければならない。
3 会社更生法第125条第3項から第6項までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における調査命令について準用する。この場合において、同項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(管財人に関する規定の調査委員への準用)
第73条 第53条第1項から第4項までの規定並びに会社更生法第67条第2項、第68条、第69条第1項本文、第77条及び第80条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における調査委員について準用する。この場合において、同法第77条第2項中「会社法第2条第3号」とあるのは、「協同組合による金融事業に関する法律第4条第1項、信用金庫法第32条第6項又は労働金庫法第32条第5項」と読み替えるものとする。
第4節 共益債権及び開始後債権
第1款 共益債権
(共益債権となる請求権)
第74条 次に掲げる請求権は、共益債権とする。
一 更生債権者等及び組合員等の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権
二 更生手続開始後の更生協同組織金融機関の事業の経営並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権
三 更生計画の遂行に関する費用の請求権(更生手続終了後に生じたものを除く。)
四 第53条第1項(第24条第1項、第28条、第53条第5項及び前条において準用する場合を含む。)の規定、第67条において準用する会社更生法第117条第4項の規定、第70条において準用する同法第123条第5項の規定、第71条において準用する同法第124条第1項の規定並びに第88条において準用する同法第162条の規定により支払うべき費用、報酬及び報償金の請求権
五 更生協同組織金融機関の業務及び財産に関し管財人又は更生協同組織金融機関(第45条において準用する会社更生法第72条第4項前段の規定により更生協同組織金融機関の機関がその権限を回復した場合に限る。)が権限に基づいてした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権
六 事務管理又は不当利得により更生手続開始後に更生協同組織金融機関に対して生じた請求権
七 更生協同組織金融機関のために支出すべきやむを得ない費用の請求権で、更生手続開始後に生じたもの(前各号に掲げるものを除く。)
(開始前の借入金等)
第75条 保全管理人が開始前協同組織金融機関の業務及び財産に関し権限に基づいてした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権は、共益債権とする。
2 開始前協同組織金融機関(保全管理人が選任されているものを除く。以下この項及び第4項において同じ。)が、更生手続開始の申立て後更生手続開始前に、資金の借入れその他開始前協同組織金融機関の事業の継続に欠くことができない行為をする場合には、裁判所は、その行為によって生ずべき相手方の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。
3 裁判所は、監督委員に対し、前項の許可に代わる承認をする権限を付与することができる。
4 開始前協同組織金融機関が第2項の許可又は前項の承認を得て第2項に規定する行為をしたときは、その行為によって生じた相手方の請求権は、共益債権とする。
(源泉徴収所得税等)
第76条 更生協同組織金融機関に対して更生手続開始前の原因に基づいて生じた源泉徴収に係る所得税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、石油石炭税、特別徴収に係る国際観光旅客税、地方消費税、申告納付の方法により徴収する道府県たばこ税(都たばこ税を含む。)及び市町村たばこ税(特別区たばこ税を含む。)並びに特別徴収義務者が徴収して納入すべき地方税の請求権で、更生手続開始当時まだ納期限の到来していないものは、共益債権とする。
(使用人の給料等)
第77条 協同組織金融機関について更生手続開始の決定があった場合において、更生手続開始前6月間の当該協同組織金融機関の使用人の給料の請求権及び更生手続開始前の原因に基づいて生じた当該協同組織金融機関の使用人の身元保証金の返還請求権は、共益債権とする。
2 前項に規定する場合において、更生計画認可の決定前に退職した当該協同組織金融機関の使用人の退職手当の請求権は、退職前6月間の給料の総額に相当する額又はその退職手当の額の3分の1に相当する額のいずれか多い額を共益債権とする。
3 前項の退職手当の請求権で定期金債権であるものは、同項の規定にかかわらず、各期における定期金につき、その額の3分の1に相当する額を共益債権とする。
4 前2項の規定は、第74条の規定により共益債権とされる退職手当の請求権については、適用しない。
5 第1項に規定する場合において、更生手続開始前の原因に基づいて生じた当該協同組織金融機関の使用人の預り金の返還請求権は、更生手続開始前6月間の給料の総額に相当する額又はその預り金の額の3分の1に相当する額のいずれか多い額を共益債権とする。
(共益債権の取扱い)
第78条 会社更生法第132条及び第133条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における共益債権の取扱いについて準用する。この場合において、同法第132条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同法第133条第1項中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と読み替えるものとする。
第2款 開始後債権
第79条 更生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は更生債権等であるものを除く。)は、開始後債権とする。
2 会社更生法第134条第2項及び第3項の規定は、協同組織金融機関の更生手続における開始後債権について準用する。この場合において、同項中「、担保権の実行及び企業担保権の実行」とあるのは、「及び担保権の実行」と読み替えるものとする。
第5節 更生債権者及び更生担保権者
第1款 更生債権者及び更生担保権者の手続参加
第80条 会社更生法第135条第1項、第136条及び第137条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生債権者等の更生手続への参加について準用する。この場合において、同法第136条第2項第5号中「第142条第2号」とあるのは、「更生特例法第84条第2号」と読み替えるものとする。
2 破産法第104条及び第105条の規定は、協同組織金融機関について更生手続が開始された場合における更生債権者等の権利の行使について準用する。この場合において、同法第104条及び第105条中「破産手続開始」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第1項に規定する更生手続をいう。)開始」と、同法第104条第1項、第3項及び第4項並びに第105条中「破産手続に」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第1項に規定する更生手続をいう。)に」と、同法第104条第3項から第5項までの規定中「破産者」とあるのは「更生協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)」と、同条第4項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者等(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4条第13項に規定する更生債権者等をいう。)」と読み替えるものとする。
3 第1項において準用する会社更生法第135条第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって更生手続に参加するには、共助実施決定(租税条約等実施特例法第11条第1項に規定する共助実施決定をいう。第247条第3項において同じ。)を得なければならない。
第2款 更生債権及び更生担保権の届出
(更生債権等の届出)
第81条 会社更生法第138条及び第139条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生債権等の届出について準用する。この場合において、同法第138条第1項中「第42条第1項」とあるのは、「更生特例法第31条において準用する第42条第1項」と読み替えるものとする。
(退職手当の請求権の届出の特例)
第82条 会社更生法第140条第1項及び第2項の規定は、更生協同組織金融機関の理事、監事、代表理事、清算人、代表清算人又は使用人の退職手当の請求権について準用する。この場合において、同項中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(届出名義の変更)
第83条 会社更生法第141条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における届出をした更生債権等を取得した者について準用する。この場合において、同条中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(租税等の請求権等の届出)
第84条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額、原因及び担保権の内容並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨を裁判所に届け出なければならない。
一 租税等の請求権
二 更生手続開始前の罰金等の請求権(更生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権であって、共益債権に該当しないものをいう。)
第85条 削除
第3款 更生債権及び更生担保権の調査及び確定
第1目 更生債権及び更生担保権の調査
(更生債権者表及び更生担保権者表の作成等)
第86条 裁判所書記官は、届出があった更生債権等について、更生債権者表及び更生担保権者表を作成しなければならない。
2 前項の更生債権者表には、各更生債権について、第81条において準用する会社更生法第138条第1項第1号から第3号までに掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。
3 第1項の更生担保権者表には、各更生担保権について、第81条において準用する会社更生法第138条第2項第1号から第3号までに掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。
4 更生債権者表又は更生担保権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。
(更生債権等の調査)
第87条 会社更生法第145条から第150条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生債権等の調査について準用する。この場合において、同法第145条中「前条第2項及び第3項」とあるのは「更生特例法第86条第2項及び第3項」と、同法第146条第1項及び第147条第3項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と、同法第146条第2項及び第148条第1項中「第139条第1項若しくは第3項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第139条第1項若しくは第3項」と、同法第146条第3項中「第42条第1項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第42条第1項」と、同法第149条第1項中「第140条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)」とあるのは「更生特例法第82条において準用する第140条第2項」と、「第139条第5項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第139条第5項」と読み替えるものとする。
第2目 更生債権及び更生担保権の確定のための裁判手続
(更生債権等査定決定等)
第88条 会社更生法第151条から第163条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生債権等の確定について準用する。この場合において、同法第151条第1項中「第149条第3項前段」とあるのは「更生特例法第87条において準用する第149条第3項前段」と、同条第2項及び第158条第3項中「第149条第4項」とあるのは「更生特例法第87条において準用する第149条第4項」と、同法第151条第5項及び第154条第4項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第10条において準用する第10条第3項本文」と、同法第152条第3項中「第5条第6項」とあるのは「更生特例法第7条において準用する第5条第6項」と、「第7条第3号」とあるのは「更生特例法第8条において準用する第7条第3号」と、「第5条第1項」とあるのは「更生特例法第7条において準用する第5条第1項」と、同法第154条第5項第1号中「第138条第2項第2号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第2項第2号」と、同法第157条中「第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」と、同法第158条第4項中「第147条第1項又は第148条第4項」とあるのは「更生特例法第87条において準用する第147条第1項又は第148条第4項」と、同法第162条中「更生会社財産」とあるのは「更生協同組織金融機関財産(更生特例法第4条第14項に規定する更生協同組織金融機関財産をいう。)」と、同法第163条第5項中「第52条第4項」とあるのは「更生特例法第37条において準用する第52条第4項」と読み替えるものとする。
第3目 租税等の請求権等についての特例
第89条 会社更生法第164条第1項から第4項までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における租税等の請求権及び第84条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権について準用する。この場合において、同法第164条第1項中「前2款(第144条を除く。)」とあるのは「更生特例法第2章第5節第3款第1目及び第2目(更生特例法第86条を除く。)」と、同条第2項中「第142条」とあるのは「更生特例法第84条」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第150条第2項の規定は第84条の規定による届出があった請求権について、同法第157条、第160条及び第161条第1項の規定は前項において準用する同法第164条第2項の規定による異議又は同条第3項の規定による受継があった場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第157条中「第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」とあるのは、「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」と読み替えるものとする。
第6節 組合員等
(組合員等の手続参加)
第90条 組合員等は、その有する持分をもって更生手続に参加することができる。
2 組合員等として更生手続に参加することができる者は、組合員名簿又は会員名簿の記載又は記録によって定める。
3 裁判所は、組合員名簿又は会員名簿に記載又は記録のない組合員等の申立てにより、当該組合員等が更生手続に参加することを許可することができる。この場合において、裁判所は、併せて組合員名簿又は会員名簿に記載され、又は記録されている組合員等を更生手続に参加できないものとすることができる。
4 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、前項前段の規定による許可の決定又は同項後段の規定による決定を変更し、又は取り消すことができる。
5 第3項前段の申立てについての裁判並びに同項後段及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
6 前項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第10条において準用する会社更生法第10条第3項本文の規定は、適用しない。
(組合員等の議決権)
第91条 組合員等(労働金庫の個人会員を除く。)は、各々1個の議決権を有する。
2 労働金庫の個人会員は、各々1個の議決権の400分の1に相当する議決権を有する。
3 前2項の規定にかかわらず、更生協同組織金融機関が更生手続開始の時においてその財産をもって債務を完済することができない状態にあるときは、組合員等は、議決権を有しない。
第7節 更生計画の作成及び認可
第1款 更生計画の条項
(更生計画において定める事項)
第92条 更生計画においては、次に掲げる事項に関する条項を定めなければならない。
一 全部又は一部の更生債権者等又は組合員等の権利の変更
二 更生協同組織金融機関の理事、監事、会計監査人及び清算人
三 共益債権の弁済
四 債務の弁済資金の調達方法
五 更生計画において予想された額を超える収益金の使途
六 次のイ及びロに掲げる金銭の額又は見込額及びこれらの使途
イ 第36条において準用する会社更生法第51条第1項本文に規定する手続又は処分における配当等に充てるべき金銭の額又は見込額
ロ 第64条において準用する会社更生法第108条第1項の規定により裁判所に納付された金銭の額(第64条において準用する同法第112条第2項の場合にあっては、同項の規定により裁判所に納付された金銭の額及び第64条において準用する同法第111条第1項の決定において定める金額の合計額)
七 知れている開始後債権があるときは、その内容
2 第45条において準用する会社更生法第72条第4項前段に定めるもののほか、更生計画においては、第32条第1項各号に掲げる行為、定款の変更、中小企業等協同組合法第57条の3第1項若しくは第2項、信用金庫法第58条第1項若しくは第2項又は労働金庫法第62条第1項若しくは第2項に規定する行為、協同組織金融機関又は株式会社の設立その他更生のために必要な事項に関する条項を定めることができる。
(更生計画による権利の変更)
第93条 次に掲げる種類の権利を有する者についての更生計画の内容は、同一の種類の権利を有する者の間では、それぞれ平等でなければならない。ただし、不利益を受ける者の同意がある場合又は少額の更生債権等若しくは第80条第1項において準用する会社更生法第136条第2項第1号から第3号までに掲げる請求権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他同一の種類の権利を有する者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。
一 更生担保権
二 一般の先取特権その他一般の優先権がある更生債権
三 前号及び次号に掲げるもの以外の更生債権
四 約定劣後更生債権
五 組合員等の持分
2 前項第2号の更生債権について、優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、更生手続開始の時からさかのぼって計算する。
3 会社更生法第168条第3項から第7項まで及び第169条から第172条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画について準用する。この場合において、同法第168条第3項中「第1項各号」とあるのは「更生特例法第93条第1項各号」と、同条第4項及び第7項中「第142条第2号」とあるのは「更生特例法第84条第2号」と、同法第172条中「第151条第1項本文」とあるのは「更生特例法第88条において準用する第151条第1項本文」と読み替えるものとする。
(更生協同組織金融機関の理事等)
第94条 次の各号に掲げる条項においては、当該各号に定める事項を定めなければならない。
一 更生協同組織金融機関の理事に関する条項 理事及び代表理事の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
二 更生協同組織金融機関の監事に関する条項 監事の氏名又はその選任の方法及び任期
三 更生協同組織金融機関が更生計画認可の決定の時において特定信用協同組合等(協同組合による金融事業に関する法律第5条の8第3項に規定する特定信用協同組合等をいう。以下この章において同じ。)又は特定金庫(信用金庫法第38条の2第3項又は労働金庫法第41条の2第3項に規定する特定金庫をいう。以下この章において同じ。)となる場合における更生協同組織金融機関の会計監査人に関する条項 会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
2 更生協同組織金融機関が更生計画認可の決定の時において中小企業等協同組合法第69条、信用金庫法第63条又は労働金庫法第67条において準用する会社法第475条の規定により清算をする協同組織金融機関となる場合には、次の各号に掲げる条項において、当該各号に定める事項を定めなければならない。
一 更生協同組織金融機関の清算人に関する条項 清算人及び代表清算人の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
二 更生協同組織金融機関の監事に関する条項 監事の氏名又はその選任の方法及び任期
3 第1項第1号及び第2号並びに前項第2号の任期は、1年を超えることができない。
(出資1口の金額の減少等)
第95条 次に掲げる行為に関する条項においては、更生手続が行われていない場合に当該行為を行うとすれば総会の議決が必要となる事項を定めなければならない。
一 出資1口の金額の減少
二 定款の変更
三 中小企業等協同組合法第57条の3第1項若しくは第2項、信用金庫法第58条第1項若しくは第2項又は労働金庫法第62条第1項若しくは第2項に規定する行為
四 剰余金の配当
(出資の受入れ)
第96条 出資の受入れに関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 受け入れる出資の口数
二 金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨並びに当該財産の内容及び価額
三 出資の払込み又は前号の財産の給付の期日又はその期間
四 第126条において準用する会社更生法第205条第1項の規定により更生計画の定めに従い更生債権者等(組合員等となる資格を有する者に限る。次号及び第6号並びに第133条において同じ。)又は組合員等の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が出資の申込みをしたときは出資額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
五 更生債権者等又は組合員等に対して出資の申込みをすることにより更生協同組織金融機関の出資の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該出資の申込みの期日
六 前号に規定する場合には、更生債権者等又は組合員等に対する出資の割当てに関する事項
(更生債権者等又は組合員等の権利の消滅と引換えにする出資の受入れ)
第97条 更生債権者等(組合員等となる資格を有する者に限る。第2号及び第134条において同じ。)又は組合員等の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする出資の受入れに関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 受け入れる出資の口数
二 更生債権者等又は組合員等に対する出資の割当てに関する事項
(吸収合併)
第98条 吸収合併(更生協同組織金融機関が消滅する吸収合併(中小企業等協同組合法第63条の2、信用金庫法第60条、労働金庫法第62条の3又は合併転換法第2条第4項に規定する吸収合併をいう。以下この章において同じ。)であって、吸収合併後存続する金融機関(以下この章において「吸収合併存続金融機関」という。)が協同組織金融機関であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 吸収合併存続金融機関が吸収合併に際して更生債権者等に対して出資等(協同組織金融機関の出資又は金銭をいう。以下この章において同じ。)を交付するときは、当該出資等についての次に掲げる事項
イ 当該出資等が吸収合併存続金融機関の出資であるときは、当該出資の口数又はその算定方法(吸収合併存続金融機関の組合員等となることができない更生債権者等がある場合にあっては、当該更生債権者等に対して交付する金銭の額又はその算定方法を含む。)並びに当該吸収合併存続金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該出資等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の出資等の割当てに関する事項
2 吸収合併(更生協同組織金融機関が消滅する吸収合併であって、吸収合併存続金融機関が銀行であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 吸収合併存続金融機関が吸収合併に際して更生債権者等に対して株式等(株式又は金銭をいう。以下この章において同じ。)を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が吸収合併存続金融機関の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式等の割当てに関する事項
四 吸収合併存続金融機関が吸収合併に際して更生協同組織金融機関の組合員等に対して当該吸収合併存続金融機関の社債等(社債又は新株予約権をいう。以下この章において同じ。)を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が吸収合併存続金融機関の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が吸収合併存続金融機関の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が吸収合併存続金融機関の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、更生協同組織金融機関の組合員等に対する同号の社債等の割当てに関する事項
3 吸収合併(更生協同組織金融機関が吸収合併存続金融機関となるものに限る。)に関する条項においては、吸収合併契約において定めるべき事項を定めなければならない。
(新設合併)
第99条 新設合併(更生協同組織金融機関が消滅する新設合併(中小企業等協同組合法第63条の3、信用金庫法第61条、労働金庫法第62条の4又は合併転換法第2条第5項に規定する新設合併をいう。以下この章において同じ。)であって、新設合併により設立する金融機関(以下この章において「新設合併設立金融機関」という。)が協同組織金融機関であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立金融機関が新設合併に際して更生債権者等に対して当該新設合併設立金融機関の出資を交付するときは、当該出資の口数又はその算定方法(新設合併設立金融機関の組合員等となることができない更生債権者等がある場合にあっては、当該更生債権者等に対して交付する金銭の額又はその算定方法を含む。)並びに当該新設合併設立金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の出資の割当てに関する事項
2 新設合併(更生協同組織金融機関が消滅する新設合併であって、新設合併設立金融機関が銀行であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立金融機関が新設合併に際して更生債権者等に対して当該新設合併設立金融機関の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式の割当てに関する事項
四 新設合併設立金融機関が新設合併に際して新設合併により消滅する金融機関(以下この章において「新設合併消滅金融機関」という。)の組合員等又は株主に対して当該新設合併設立金融機関の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が新設合併設立金融機関の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が新設合併設立金融機関の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が新設合併設立金融機関の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、新設合併消滅金融機関の組合員等又は株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項
(解散)
第100条 会社更生法第178条の規定は、更生協同組織金融機関の解散に関する条項について準用する。
(転換)
第101条 転換(更生協同組織金融機関が他の種類の協同組織金融機関となるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 転換計画において定めるべき事項(合併転換法第61条第1項第3号及び第4号に掲げる事項を除く。)
二 転換後協同組織金融機関の理事、監事及び会計監査人についての次に定める事項
イ 転換後協同組織金融機関の理事及び代表理事の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
ロ 転換後協同組織金融機関の監事の氏名又はその選任の方法及び任期
ハ 転換後協同組織金融機関が特定信用協同組合等又は特定金庫である場合には、転換後協同組織金融機関の会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
三 転換後協同組織金融機関が転換に際して更生債権者等に対して出資等を交付するときは、当該出資等についての次に掲げる事項
イ 当該出資等が転換後協同組織金融機関の出資であるときは、当該出資の口数又はその算定方法(転換後協同組織金融機関の組合員等となることができない更生債権者等がある場合にあっては、当該更生債権者等に対して交付する金銭の額又はその算定方法を含む。)並びに当該転換後協同組織金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該出資等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
四 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の出資等の割当てに関する事項
2 第96条の規定は、転換後協同組織金融機関の出資の受入れに関する条項について、準用する。
3 第1項第2号イ及びロの任期は、1年を超えることができない。
第102条 転換(更生協同組織金融機関が普通銀行となるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 転換計画において定めるべき事項(合併転換法第59条第1項第4号及び第5号に掲げる事項を除く。)
二 転換後銀行の取締役及び会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期並びに転換後銀行が監査等委員会設置会社(会社法第2条第11号の2に規定する監査等委員会設置会社をいう。次号ハにおいて同じ。)である場合には監査等委員(同法第38条第2項に規定する監査等委員をいう。)である取締役又はそれ以外の取締役のいずれであるかの別
三 次のイからニまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからニまでに定める事項
イ 転換後銀行が会計参与設置会社(会社法第2条第8号に規定する会計参与設置会社をいう。)である場合 会計参与の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
ロ 転換後銀行が監査役設置会社(会社法第2条第9号に規定する監査役設置会社をいう。)である場合 代表取締役及び監査役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
ハ 転換後銀行が監査等委員会設置会社である場合 代表取締役の氏名又はその選定の方法及び任期
ニ 転換後銀行が指名委員会等設置会社(会社法第2条第12号に規定する指名委員会等設置会社をいう。)である場合 各委員会(同法第400条第1項に規定する各委員会をいう。)の委員、執行役及び代表執行役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
四 転換後銀行が転換に際して更生債権者等に対して株式等を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が転換後銀行の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該転換後銀行の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式等の割当てに関する事項
2 会社更生法第175条から第177条までの規定は、前項の転換後銀行の募集株式(会社法第199条第1項に規定する募集株式をいう。以下この章において同じ。)、募集新株予約権(会社法第238条第1項に規定する募集新株予約権をいい、当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)又は募集社債(会社法第676条に規定する募集社債をいい、新株予約権付社債についてのものを除く。以下この章において同じ。)を引き受ける者の募集に関する条項について準用する。この場合において、会社更生法第175条第2号、第176条第2号及び第177条第3号中「第205条第1項」とあるのは、「更生特例法第126条において準用する第205条第1項」と読み替えるものとする。
(新協同組織金融機関の設立)
第103条 協同組織金融機関の設立に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、新設合併により協同組織金融機関を設立する場合は、この限りでない。
一 設立する協同組織金融機関(以下この条において「新協同組織金融機関」という。)についての中小企業等協同組合法第33条第1項各号、信用金庫法第23条第3項各号又は労働金庫法第23条の2第1項各号に掲げる事項
二 新協同組織金融機関の定款で定める事項(前号に掲げる事項に係るものを除く。)
三 第126条において準用する会社更生法第205条第1項の規定により更生計画の定めに従い更生債権者等又は組合員等(新協同組織金融機関の組合員等となる資格を有する者に限る。以下この項において同じ。)の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が出資の申込みをしたときは新協同組織金融機関に対する出資額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
四 更生計画により、更生債権者等又は組合員等に対して出資の申込みをすることにより新協同組織金融機関に対する出資の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該出資の申込みの期日
五 前号に規定する場合には、更生債権者等又は組合員等に対する出資の割当てに関する事項
六 更生協同組織金融機関から新協同組織金融機関に移転すべき財産及びその額
七 新協同組織金融機関の理事、監事及び代表理事の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
八 新協同組織金融機関が特定信用協同組合等又は特定金庫である場合には、新協同組織金融機関の会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
九 新協同組織金融機関が更生債権者等又は組合員等の権利の全部又は一部の消滅と引換えに新協同組織金融機関の出資の受入れをするときは、第97条各号に掲げる事項
2 前項第7号の任期は、1年を超えることができない。
(新株式会社の設立)
第104条 会社更生法第183条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における株式会社の設立に関する条項について準用する。この場合において、同条中「新設合併、新設分割又は株式移転」とあるのは「新設合併(中小企業等協同組合法第63条の3、信用金庫法第61条、労働金庫法第62条の4又は合併転換法第2条第5項に規定する新設合併をいう。)」と、同条第4号中「第205条第1項」とあるのは「更生特例法第126条において準用する第205条第1項」と、同号から同条第6号まで及び同条第13号中「株主」とあるのは「組合員等(更生特例法第2条第10項に規定する組合員等をいう。)」と、同条第7号中「更生会社」とあるのは「更生協同組織金融機関(更生特例法第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。)」と読み替えるものとする。
第105条 削除
第106条 削除
第107条 削除
第2款 更生計画案の提出
(更生計画案の提出時期)
第108条 会社更生法第184条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画案の作成及び提出について準用する。この場合において、同条第1項中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(事業の全部の廃止を内容とする更生計画案)
第109条 更生協同組織金融機関の事業を当該更生協同組織金融機関が継続し(組織を変更する場合を含む。)、又は当該事業を事業の譲渡、合併若しくは協同組織金融機関若しくは株式会社の設立により他の者が継続することを内容とする更生計画案の作成が困難であることが更生手続開始後に明らかになったときは、裁判所は、前条において準用する会社更生法第184条第1項又は第2項に規定する者の申立てにより、更生協同組織金融機関の事業の全部の廃止を内容とする更生計画案の作成を許可することができる。ただし、債権者の一般の利益を害するときは、この限りでない。
2 会社更生法第185条第2項の規定は、前項本文の許可について準用する。
(更生計画案の修正)
第110条 会社更生法第186条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画案の修正について準用する。
(行政庁の意見)
第111条 会社更生法第187条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における行政庁の許可、認可、免許その他の処分を要する事項を定めた更生計画案について準用する。この場合において、同条中「前条」とあるのは、「更生特例法第110条において準用する前条」と読み替えるものとする。
(更生協同組織金融機関の労働組合等の意見)
第112条 裁判所は、更生計画案について、第33条第3項第3号に規定する労働組合等の意見を聴かなければならない。第110条において準用する会社更生法第186条の規定による修正があった場合における修正後の更生計画案についても、同様とする。
第3款 更生計画案の決議
(決議に付する旨の決定)
第113条 会社更生法第189条の規定は、協同組織金融機関の更生手続において更生計画案の提出があった場合について準用する。この場合において、同条第1項第1号中「第146条第3項」とあるのは「更生特例法第87条において準用する第146条第3項」と、同項第2号中「第84条第1項」とあるのは「更生特例法第55条において準用する第84条第1項」と、「第85条第1項」とあるのは「更生特例法第56条において準用する第85条第1項」と、同項第3号中「第199条第2項各号」とあるのは「更生特例法第120条第2項において準用する第199条第2項各号」と、同項第4号中「第236条第2号」とあるのは「更生特例法第152条第1項において準用する第236条第2号」と、同条第2項中「第193条第2項」とあるのは「更生特例法第116条において準用する第193条第2項」と、同条第3項中「第115条第1項本文」とあるのは「更生特例法第66条において準用する第115条第1項本文」と、同条第5項中「第114条第1項各号」とあるのは「更生特例法第66条において準用する第114条第1項各号」と読み替えるものとする。
(関係人集会が開催される場合における議決権の額又は数の定め方等)
第114条 裁判所が議決権行使の方法として前条において準用する会社更生法第189条第2項第1号又は第3号に掲げる方法を定めた場合においては、管財人、届出をした更生債権者等又は組合員等は、関係人集会の期日において、届出をした更生債権者等又は組合員等の議決権につき異議を述べることができる。ただし、第87条において準用する同法第150条第1項の規定によりその額が確定した届出をした更生債権者等の議決権については、この限りでない。
2 前項本文に規定する場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額又は数に応じて、議決権を行使することができる。
一 第87条において準用する会社更生法第150条第1項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出をした更生債権者等 確定した額
二 前項本文の異議のない議決権を有する届出をした更生債権者等 届出の額
三 前項本文の異議のない議決権を有する組合員等(労働金庫の個人会員を除く。) 1個
四 前項本文の異議のない議決権を有する労働金庫の個人会員 1個の議決権の400分の1
五 前項本文の異議のある議決権を有する届出をした更生債権者等又は組合員等 裁判所が定める額又は数。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。
3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第5号の規定による決定を変更することができる。
(関係人集会が開催されない場合における議決権の額又は数の定め方等)
第115条 裁判所が議決権行使の方法として第113条において準用する会社更生法第189条第2項第2号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額又は数に応じて、議決権を行使することができる。
一 第87条において準用する会社更生法第150条第1項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出をした更生債権者等 確定した額
二 届出をした更生債権者等(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。
三 組合員等(労働金庫の個人会員を除く。) 1個
四 労働金庫の個人会員 1個の議決権の400分の1
2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第2号の規定による決定を変更することができる。
(議決権の行使の方法等)
第116条 会社更生法第193条から第195条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における議決権について準用する。この場合において、同法第193条第2項中「第189条第2項前段」とあるのは「更生特例法第113条において準用する第189条第2項前段」と、同法第194条第1項中「株主名簿」とあるのは「組合員名簿若しくは会員名簿」と、同法第195条中「第200条第2項」とあるのは「更生特例法第121条において準用する第200条第2項」と読み替えるものとする。
(更生計画案の可決の要件)
第117条 会社更生法第196条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画案の決議について準用する。この場合において、同条第1項及び第2項中「第168条第1項各号」とあるのは「更生特例法第93条第1項各号」と、同項及び同条第5項第3号中「株式」とあるのは「組合員等(更生特例法第2条第10項に規定する組合員等をいう。)の持分」と読み替えるものとする。
(更生計画案の変更)
第118条 会社更生法第197条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画案の変更について準用する。この場合において、同条中「第189条第2項第1号又は第3号」とあるのは、「更生特例法第113条において準用する第189条第2項第1号又は第3号」と読み替えるものとする。
(関係人集会の期日の続行)
第119条 会社更生法第198条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における関係人集会の期日の続行について準用する。この場合において、同条第1項中「第189条第2項第1号又は第3号」とあるのは「更生特例法第113条において準用する第189条第2項第1号又は第3号」と、「第196条第1項」とあるのは「更生特例法第117条において準用する第196条第1項」と、同項第3号中「株式」とあるのは「組合員等(更生特例法第2条第10項に規定する組合員等をいう。)の持分」と読み替えるものとする。
第4款 更生計画の認可又は不認可の決定
(更生計画認可の要件等)
第120条 更生計画案が可決されたときは、裁判所は、更生計画の認可又は不認可の決定をしなければならない。
2 会社更生法第199条第2項から第7項までの規定は、協同組織金融機関の更生計画の認可又は不認可の決定について準用する。この場合において、同条第2項第5号中「他の会社と共に第45条第1項第7号に掲げる行為を行うこと」とあるのは「合併」と、「前項」とあるのは「更生特例法第120条第1項」と、「当該他の会社」とあるのは「合併の相手方である協同組織金融機関又は銀行」と、「当該行為」とあるのは「当該合併」と、同項第6号中「第187条」とあるのは「更生特例法第111条において準用する第187条」と、同条第4項中「前2項又は次条第1項」とあるのは「前2項の規定又は更生特例法第121条において準用する次条第1項」と、同条第5項中「第115条第1項本文」とあるのは「更生特例法第66条において準用する第115条第1項本文」と、同項及び同条第7項中「第46条第3項第3号」とあるのは「更生特例法第33条第3項第3号」と読み替えるものとする。
(同意を得られなかった種類の権利がある場合の認可)
第121条 会社更生法第200条第1項の規定は第117条において準用する同法第196条第1項に規定する種類の権利の一部に同条第5項の要件を満たす同意を得られなかったものがあるため更生計画案が可決されなかった場合について、同法第200条第2項及び第3項の規定は更生計画案につき第117条において準用する同法第196条第1項に規定する種類の権利の一部に同条第5項の要件を満たす同意を得られないことが明らかなものがある場合について、それぞれ準用する。
(更生計画の効力発生の時期)
第122条 更生計画は、認可の決定の時から、効力を生ずる。
(更生計画認可の決定等に対する即時抗告)
第123条 会社更生法第202条の規定は、協同組織金融機関の更生計画の認可又は不認可の決定に対する即時抗告について準用する。この場合において、同条第2項中「第168条第1項第4号から第6号まで」とあるのは「更生特例法第93条第1項第4号又は第5号」と、同条第5項中「第13条」とあるのは「更生特例法第12条」と読み替えるものとする。
第8節 更生計画認可後の手続
第1款 更生計画認可の決定の効力
(更生計画の効力範囲)
第124条 更生計画は、次に掲げる者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。
一 更生協同組織金融機関
二 すべての更生債権者等及び組合員等
三 更生協同組織金融機関の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供する者
四 転換後協同組織金融機関又は転換後銀行
五 新協同組織金融機関(更生計画の定めるところにより第103条第1項に規定する条項によって設立される協同組織金融機関をいう。以下この章において同じ。)
六 新株式会社(更生計画の定めるところにより第104条において準用する会社更生法第183条に規定する条項によって設立される株式会社をいう。以下この章において同じ。)
2 更生計画は、更生債権者等が更生協同組織金融機関の保証人その他更生協同組織金融機関と共に債務を負担する者に対して有する権利及び更生協同組織金融機関以外の者が更生債権者等のために提供した担保に影響を及ぼさない。
(更生債権等の免責等)
第125条 更生計画認可の決定があったときは、次に掲げる権利を除き、更生協同組織金融機関は、全ての更生債権等につきその責任を免れ、組合員等の権利及び更生協同組織金融機関の財産を目的とする担保権は全て消滅する。
一 更生計画の定め又はこの章の規定によって認められた権利
二 更生手続開始後に更生協同組織金融機関の理事等(理事、監事、代表理事、清算人又は代表清算人をいう。)又は使用人であった者で、更生計画認可の決定後も引き続きこれらの職に在職しているものの退職手当の請求権
三 第84条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権
四 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)のうち、これを免れ、若しくは免れようとし、不正の行為によりその還付を受け、又は徴収して納付し、若しくは納入すべきものを納付せず、若しくは納入しなかったことにより、更生手続開始後懲役若しくは罰金に処せられ、又は国税通則法(昭和37年法律第66号)第157条第1項若しくは地方税法(昭和25年法律第226号)第22条の28第1項の規定による通告の旨を履行した場合における、免れ、若しくは免れようとし、還付を受け、又は納付せず、若しくは納入しなかった額の租税等の請求権で届出のないもの
2 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責及び担保権の消滅の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。
3 会社更生法第204条第2項の規定は、協同組織金融機関の更生手続において更生計画認可の決定があった場合における第1項第3号及び第4号に掲げる請求権について準用する。
(届出をした更生債権者等の権利の変更等)
第126条 会社更生法第205条から第208条までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画認可の決定について準用する。この場合において、同法第205条第4項中「第151条から第153条までの規定」とあるのは「第151条の規定」と、同法第206条第2項中「第203条第1項第4号に掲げる持分会社、同項第5号に掲げる会社」とあるのは「更生特例法第124条第1項第4号に掲げる転換後協同組織金融機関及び転換後銀行、同項第5号に規定する新協同組織金融機関、同項第6号に規定する新株式会社」と、「及び」とあるのは「並びに」と、同法第207条中「第169条第1項」とあるのは「更生特例法第93条第3項において準用する第169条第1項」と、同法第208条中「第50条第1項」とあるのは「更生特例法第36条において準用する第50条第1項」と、「第24条第1項第2号に規定する強制執行等の手続、企業担保権の実行手続」とあるのは「更生特例法第19条において準用する第24条第1項第2号に規定する強制執行等の手続」と、「第50条第5項」とあるのは「更生特例法第36条において準用する第50条第5項」と読み替えるものとする。
第2款 更生計画の遂行
(更生計画の遂行)
第127条 会社更生法第209条(第3項を除く。)の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画について準用する。この場合において、同条第1項中「更生会社」とあるのは「更生特例法第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関(更生特例法第32条第1項に規定する転換後協同組織金融機関及び転換後銀行を含む。)」と、同条第2項中「第203条第1項第5号に掲げる会社」とあるのは「更生特例法第124条第1項第5号に規定する新協同組織金融機関及び同項第6号に規定する新株式会社」と、同条第4項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第45条において準用する第72条第4項前段」と、同項第2号中「第151条第1項本文」とあるのは「更生特例法第88条において準用する第151条第1項本文」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第209条第3項の規定は、転換後協同組織金融機関に対する管財人及び調査委員の報告徴収及び検査並びに新協同組織金融機関に対する管財人の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「理事、監事、会計監査人」と読み替えるものとする。
3 会社更生法第209条第3項の規定は、転換後銀行に対する管財人及び調査委員の報告徴収及び検査並びに新株式会社に対する管財人の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「会計監査人」と読み替えるものとする。
(総会の決議等に関する法令の規定等の排除)
第128条 更生計画の遂行については、中小企業等協同組合法、信用金庫法、労働金庫法その他の法令又は定款の規定にかかわらず、更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関、転換後銀行、新協同組織金融機関又は新株式会社の総会の決議、株主総会の決議その他の機関の決定を要しない。
2 更生計画の遂行については、会社法その他の法令の規定にかかわらず、転換後銀行又は新株式会社の株主は、転換後銀行又は新株式会社に対し、自己の有する株式を買い取ることを請求することができない。
3 更生計画の遂行については、会社法第828条第1項各号(中小企業等協同組合法第32条、第57条(同法第57条の3第6項において準用する場合を含む。)及び第67条の規定、信用金庫法第28条、第52条の2(同法第58条第7項において準用する場合を含む。)及び第61条の7の規定、労働金庫法第28条、第57条の2(同法第62条第7項において準用する場合を含む。)及び第65条の規定、合併転換法第53条第1項及び第65条第1項の規定並びに協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成5年法律第44号)第14条第3項の規定において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第2項各号並びに第829条各号(協同組織金融機関の優先出資に関する法律第14条第4項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)並びに協同組織金融機関の優先出資に関する法律第22条第5項第1号及び第2号の規定にかかわらず、更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関、転換後銀行、新協同組織金融機関又は新株式会社の組合員等、理事、監事、清算人、株主等(会社法第828条第2項第1号に規定する株主等をいう。)、新株予約権者、優先出資者(協同組織金融機関の優先出資に関する法律第13条第1項の優先出資者をいう。)、破産管財人又は債権者は、会社法第828条第1項各号に掲げる行為の無効の訴え又は同法第829条各号に掲げる行為が存在しないことの確認の訴えを提起することができない。
(更生協同組織金融機関の理事等に関する特例)
第129条 第94条の規定により更生計画において理事、監事、代表理事、会計監査人、清算人又は代表清算人の氏名又は名称を定めたときは、これらの者は、更生計画認可の決定の時に、それぞれ、理事、監事、代表理事、会計監査人、清算人又は代表清算人となる。
2 第94条の規定により更生計画において理事、監事、会計監査人又は清算人の選任の方法を定めたときは、これらの者の選任は、更生計画に定める方法による。
3 第94条第1項第1号又は第2項第1号の規定により更生計画において代表理事又は代表清算人の選定の方法を定めたときは、これらの者の選定は、更生計画に定める方法による。
4 更生協同組織金融機関の従前の理事、監事、会計監査人又は清算人は、更生計画認可の決定の時に退任する。ただし、第1項の規定により引き続き理事、監事、会計監査人又は清算人となることを妨げない。
5 前項の規定は、更生協同組織金融機関の従前の代表理事又は代表清算人について準用する。
6 第1項から第3項までの規定により理事、監事、会計監査人又は清算人に選任された者の任期及びこれらの規定により代表理事又は代表清算人に選定された者の任期は、更生計画の定めるところによる。
(出資1口の金額の減少に関する特例)
第130条 第95条第1号の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が出資1口の金額の減少をすることを定めた場合には、中小企業等協同組合法第56条及び第56条の2、信用金庫法第51条及び第52条又は労働金庫法第56条及び第57条の規定は、適用しない。
(定款の変更に関する特例)
第131条 会社更生法第213条の規定は、第95条第2号の規定により協同組織金融機関の更生手続における更生計画において更生協同組織金融機関が定款の変更をすることを定めた場合について準用する。
(事業の譲渡等に関する特例)
第132条 更生計画において更生協同組織金融機関が第95条第3号に掲げる行為をすることを定めた場合には、協同組合による金融事業に関する法律第6条第1項、信用金庫法第89条第1項又は労働金庫法第94条第1項において準用する銀行法第34条及び第35条の規定は、適用しない。
(出資の受入れに関する特例)
第133条 第96条第5号の規定により更生計画において更生債権者等又は組合員等に対して同号の出資の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生協同組織金融機関は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 当該更生債権者等又は組合員等が割当てを受ける出資の1口の金額及び口数
二 第96条第5号の期日
三 更生協同組織金融機関の承諾を得て組合員等又はその資格を有する者に第96条第5号の出資の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
2 前項の規定による通知は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
3 第96条第5号の出資の割当てを受ける権利を有する者は、更生協同組織金融機関が第1項の規定による通知をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに出資の申込みをしないときは、当該権利を失う。
4 第1項に規定する場合において、第96条第5号の出資の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は組合員等がその割当てを受ける出資の口数に1に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
(更生債権者等又は組合員等の権利の消滅と引換えにする出資の受入れに関する特例)
第134条 第97条の規定により更生計画において更生債権者等又は組合員等の権利の全部又は一部の消滅と引換えに出資の受入れをすることを定めた場合には、更生債権者等又は組合員等は、更生計画認可の決定の時に、同条第2号に掲げる事項についての定めに従い、組合員等となる。
(吸収合併に関する特例)
第135条 第98条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、吸収合併がその効力を生ずる日(以下この条において「効力発生日」という。)に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続金融機関の組合員等となる。
2 第98条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合には、中小企業等協同組合法第63条の4第1項、第2項、第4項及び第5項、信用金庫法第61条の2第1項、第2項、第4項及び第5項又は労働金庫法第62条の5第1項、第2項、第4項及び第5項並びに合併転換法第34条第1項及び第2項、第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)並びに第36条の2から第38条までの規定は、更生協同組織金融機関については、適用しない。
3 第98条第2項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、効力発生日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号イの株式の株主となる。
4 第98条第2項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生協同組織金融機関の組合員等は、効力発生日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第98条第2項第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第98条第2項第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第98条第2項第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
5 前項に規定する場合には、合併転換法第34条第1項及び第2項、第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)並びに第36条の2から第38条までの規定は、更生協同組織金融機関については、適用しない。
6 第98条第3項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合には、中小企業等協同組合法第63条の5第1項、第2項、第6項及び第7項、信用金庫法第61条の3第1項、第2項、第6項及び第7項又は労働金庫法第62条の6第1項、第2項、第6項及び第7項並びに合併転換法第40条、第42条の2並びに合併転換法第43条において準用する合併転換法第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)、第37条及び第38条の規定は、更生協同組織金融機関については、適用しない。
(新設合併に関する特例)
第136条 第99条の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が新設合併をすることを定めた場合には、更生協同組織金融機関についての設立委員の職務は、管財人が行う。
2 第99条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立金融機関の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、新設合併設立金融機関の組合員等となる。
3 第99条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合には、中小企業等協同組合法第63条の6第1項、第2項、第4項及び第5項、信用金庫法第61条の4第1項、第2項、第4項及び第5項又は労働金庫法第62条の7第1項、第2項、第4項及び第5項並びに合併転換法第34条第1項及び第2項、第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)並びに第36条の2から第38条までの規定は、更生協同組織金融機関については、適用しない。
4 第99条第2項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立金融機関の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の株式の株主となる。
5 第99条第2項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅金融機関の組合員等又は株主は、新設合併設立金融機関の成立の日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第99条第2項第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第99条第2項第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第99条第2項第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
6 前項に規定する場合には、合併転換法第34条第1項及び第2項、第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)並びに第36条の2から第38条までの規定は、更生協同組織金融機関については、適用しない。
(解散に関する特例)
第137条 第100条において準用する会社更生法第178条本文の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が解散することを定めた場合には、更生協同組織金融機関は、更生計画に定める時期に解散する。
(転換に関する特例)
第138条 第101条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する転換をすることを定めた場合において、同項第3号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、転換がその効力を生ずる日(以下この条において「効力発生日」という。)に、同項第4号に掲げる事項についての定めに従い、転換後協同組織金融機関の組合員等となる。
2 第129条第1項から第3項まで及び第6項の規定は、第101条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する転換をすることを定めた場合について準用する。この場合において、第129条第1項及び第2項中「第94条」とあるのは「第101条第1項第2号」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「転換の効力が生じた」と、同条第3項中「第94条第1項第1号又は第2項第1号」とあるのは「第101条第1項第2号イ」と、同項及び同条第6項中「代表理事又は代表清算人」とあるのは「代表理事」と読み替えるものとする。
3 第101条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する転換をすることを定めた場合には、合併転換法第63条において準用する合併転換法第34条第1項及び第2項、第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)、第37条並びに第38条の規定は、適用しない。
4 第2項の規定により選任された転換後協同組織金融機関の理事及び監事の任期については、合併転換法第61条第4項の規定は、適用しない。
5 第102条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する転換をすることを定めた場合において、同項第4号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、効力発生日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、同項第4号イの株式の株主となる。
6 会社更生法第211条第1項から第3項まで及び第6項の規定は、第102条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する転換をすることを定めた場合について準用する。この場合において、同法第211条第1項及び第2項中「第173条」とあるのは「更生特例法第102条第1項第2号又は第3号」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「転換(更生特例法第32条第1項第6号に規定する転換をいう。)の効力が生じた」と、同条第3項中「第173条第1項第2号から第4号まで若しくは第8号又は第2項第2号」とあるのは「更生特例法第102条第1項第3号ロ、ハ又はニ」と、同項及び同条第6項中「、代表執行役又は代表清算人」とあるのは「又は代表執行役」と読み替えるものとする。
7 第102条第1項の規定により更生計画において更生協同組織金融機関が同項に規定する転換をすることを定めた場合には、合併転換法第63条において準用する合併転換法第34条第1項及び第2項、第36条(質権者に対する通知に係る部分を除く。)、第37条並びに第38条の規定は、適用しない。
(転換後協同組織金融機関の出資の受入れに関する特例)
第139条 第133条の規定は、第101条第2項において準用する第96条第5号の規定により更生計画において更生債権者等又は組合員等に対して同号の出資の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合について準用する。この場合において、第133条第1項及び第3項中「更生協同組織金融機関」とあるのは「転換後協同組織金融機関」と、同条第1項第2号及び第3号、第3項並びに第4項中「第96条第5号」とあるのは「第101条第2項において準用する第96条第5号」と読み替えるものとする。
(転換後銀行の募集株式を引き受ける者の募集に関する特例)
第140条 会社更生法第215条第1項の規定は、第102条第2項において準用する同法第175条の規定により更生計画において転換後銀行が募集株式を引き受ける者の募集をすることを定めた場合において、株主に対して会社法第202条第1項第1号の募集株式の割当てを受ける権利を与える旨の定款の定めがあるときについて準用する。
2 第102条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の規定により更生計画において更生債権者等又は組合員等に対して同号の募集株式の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、転換後銀行は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 当該更生債権者等又は組合員等が割当てを受ける募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数)
二 第102条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の期日
三 第102条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の募集株式の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
3 前項の規定による通知は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
4 第102条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の募集株式の割当てを受ける権利を有する者は、転換後銀行が第2項の規定による通知をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集株式の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
5 第2項に規定する場合において、第102条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の募集株式の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は組合員等がその割当てを受ける募集株式の数に1株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
6 第1項に規定する場合には、会社法第199条第5項、第207条、第210条及び第2編第2章第8節第6款の規定は、適用しない。
(転換後銀行の募集新株予約権を引き受ける者の募集に関する特例)
第141条 会社更生法第215条第1項の規定は、第102条第2項において準用する同法第176条の規定により更生計画において転換後銀行が募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを定めた場合において、株主に対して会社法第241条第1項第1号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を与える旨の定款の定めがあるときについて準用する。
2 第102条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の規定により更生計画において更生債権者等又は組合員等に対して同号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、転換後銀行は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 当該更生債権者等又は組合員等が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数
二 第102条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の期日
三 第102条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
3 前項の規定による通知は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
4 第102条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する者は、転換後銀行が第2項の規定による通知をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集新株予約権の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
5 第2項に規定する場合において、第102条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は組合員等がその割当てを受ける募集新株予約権の数に1に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
6 第102条第2項において準用する会社更生法第176条の規定により更生計画において転換後銀行が募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを定めた場合には、会社法第238条第5項、第247条、第285条第1項第1号及び第2号、第286条、第286条の2第1項第1号並びに第286条の3の規定は、適用しない。
7 前項に規定する場合において、更生手続終了前に会社法第236条第1項第3号に掲げる事項についての定めのある新株予約権が行使されたときは、同法第284条の規定は、適用しない。
(転換後銀行の募集社債を引き受ける者の募集に関する特例)
第142条 第102条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の規定により更生計画において更生債権者等又は組合員等に対して同号の募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、転換後銀行は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 当該更生債権者等又は組合員等が割当てを受ける募集社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額
二 第102条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の期日
三 第102条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
2 前項の規定による通知は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
3 第102条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を有する者は、転換後銀行が第1項の規定による通知をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集社債の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
4 第1項に規定する場合において、第102条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は組合員等がその割当てを受ける募集社債の数に1に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
(新協同組織金融機関又は新株式会社の設立に関する特例)
第143条 第103条第1項の規定又は第104条において準用する会社更生法第183条本文の規定により更生計画において新協同組織金融機関又は新株式会社を設立することを定めた場合には、当該新協同組織金融機関又は新株式会社(以下この条において「新法人」という。)についての発起人の職務は、管財人が行う。
2 前項に規定する場合においては、新法人の定款は、裁判所の認証を受けなければ、その効力を生じない。
3 第1項に規定する場合には、新法人の創立総会における決議は、その内容が更生計画の趣旨に反しない限り、することができる。
4 第1項に規定する場合において、新法人が成立しなかったときは、更生協同組織金融機関は、管財人が同項の規定により新法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、新法人の設立に関して支出した費用を負担する。
5 第129条第1項から第3項まで及び第6項の規定は第1項に規定する場合において新協同組織金融機関を設立するときにおける理事、監事、代表理事及び会計監査人の選任又は選定及び任期について、第133条の規定は更生債権者等又は組合員等に対して新協同組織金融機関の出資の割当てを受ける権利を与える場合について、第134条の規定は更生債権者等又は組合員等の権利の消滅と引換えにする新協同組織金融機関の出資の受入れについて、それぞれ準用する。この場合において、第129条第1項及び第2項中「第94条」とあるのは「第103条第1項第7号又は第8号」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項及び第134条中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新協同組織金融機関が成立した」と、第129条第3項中「第94条第1項第1号又は第2項第1号」とあるのは「第103条第1項第7号」と、同項及び同条第6項中「代表理事又は代表清算人」とあるのは「代表理事」と、第133条第1項、第3項及び第4項中「第96条第5号」とあるのは「第103条第1項第4号」と、同条第1項及び第3項中「更生協同組織金融機関」とあるのは「新協同組織金融機関」と、第134条中「第97条」とあるのは「第103条第1項第9号」と、「同条第2号」とあるのは「同号」と読み替えるものとする。
6 会社更生法第211条第1項から第3項までの規定は第1項に規定する場合において新株式会社を設立するときにおける設立時取締役等(第104条において準用する同法第183条第10号に規定する設立時取締役等をいう。以下この項において同じ。)の選任又は選定について、同法第211条第6項の規定は新株式会社の設立時取締役等が新株式会社の成立後において新会社取締役等(同号に規定する新会社取締役等をいう。以下この項において同じ。)となった場合における当該新会社取締役等の任期について、それぞれ準用する。この場合において、同法第211条第1項及び第2項中「第173条」とあるのは「更生特例法第104条において準用する第183条第8号又は第9号」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新株式会社(更生特例法第124条第1項第6号に規定する新株式会社をいう。)が成立した」と、同条第3項中「第173条第1項第2号から第4号まで若しくは第8号又は第2項第2号」とあるのは「更生特例法第104条において準用する第183条第9号イ又はホ」と読み替えるものとする。
7 第140条第2項から第5項までの規定は更生債権者等又は組合員等に対して第104条において準用する会社更生法第183条第5号の新株式会社の設立時募集株式(会社法第58条第1項に規定する設立時募集株式をいう。以下この章において同じ。)の割当てを受ける権利を与える場合について、前2条の規定は新株式会社の募集新株予約権又は募集社債を引き受ける者の募集について、会社更生法第217条の2の規定は更生債権者等又は組合員等の権利の消滅と引換えにする新株式会社の設立時発行株式、新株予約権又は社債の発行について、それぞれ準用する。この場合において、第140条第2項及び第4項、第141条第2項及び第4項並びに前条第1項及び第3項中「転換後銀行」とあるのは「新株式会社」と、第140条第2項第2号及び第3号、第4項並びに第5項中「第102条第2項において準用する会社更生法第175条第3号」とあるのは「第104条において準用する会社更生法第183条第5号」と、第141条第1項中「第102条第2項において準用する同法第176条」とあるのは「第104条において準用する同法第183条第11号」と、同条第2項、第4項及び第5項中「第102条第2項において準用する会社更生法第176条第3号」とあり、並びに同条第6項中「第102条第2項において準用する会社更生法第176条」とあるのは「第104条において準用する会社更生法第183条第11号」と、前条第1項、第3項及び第4項中「第102条第2項において準用する会社更生法第177条第4号」とあるのは「第104条において準用する会社更生法第183条第12号」と、同法第217条の2第1項中「第177条の2第1項」及び「同項第3号」とあり、同条第2項中「第177条の2第2項」及び「同項第6号」とあり、並びに同条第3項中「第177条の2第3項」及び「同項第7号」とあるのは「更生特例法第104条において準用する第183条第13号」と、同条中「又は株主」とあるのは「又は組合員等(更生特例法第2条第10項に規定する組合員等をいう。)」と、「更生計画認可の決定の」とあるのは「新株式会社(更生特例法第124条第1項第6号に規定する新株式会社をいう。)が成立した」と読み替えるものとする。
8 第1項に規定する場合において新協同組織金融機関を設立することを定めたときは、中小企業等協同組合法第24条第1項、信用金庫法第22条第1項並びに第23条第2項及び第5項又は労働金庫法第22条第1項及び第23条第2項の規定は、適用しない。
9 第1項に規定する場合において新株式会社を設立することを定めたときは、会社法第25条第1項第1号及び第2項、第26条第2項、第27条第5号、第30条、第2編第1章第3節(第37条第3項を除く。)、第4節(第39条を除く。)、第5節及び第6節、第50条、第51条、同章第8節、第58条、第59条第1項第1号(公証人の氏名に係る部分に限る。)、第2号(同法第27条第5号及び第32条第1項各号に掲げる事項に係る部分に限る。)及び第3号、第65条第1項、第88条から第90条まで、第93条及び第94条(これらの規定中同法第93条第1項第1号及び第2号に掲げる事項に係る部分に限る。)並びに第103条の規定は、適用しない。
(転換後協同組織金融機関等に異動した者の退職手当の取扱い)
第144条 更生手続開始後に更生協同組織金融機関の第125条第1項第2号に規定する理事等又は使用人であった者で、更生計画の定めにより更生協同組織金融機関の組織が変更された際又は新協同組織金融機関若しくは新株式会社が設立された際に更生協同組織金融機関を退職し、かつ、引き続き転換後協同組織金融機関若しくは新協同組織金融機関の同号に規定する理事等若しくは使用人又は転換後銀行若しくは新株式会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役若しくは使用人となったものは、更生協同組織金融機関から退職手当の支給を受けることができない。
2 前項に規定する者の更生協同組織金融機関における在職期間は、退職手当の計算については、転換後協同組織金融機関、転換後銀行、新協同組織金融機関又は新株式会社における在職期間とみなす。
(管轄の特例)
第145条 更生計画において更生協同組織金融機関が転換をすることを定めた場合における合併転換法第67条において準用する合併転換法第51条において準用する会社法第234条第2項の規定による許可の申立てに係る事件は、合併転換法第67条において準用する合併転換法第51条において準用する会社法第868条第1項の規定にかかわらず、更生手続が終了するまでの間は、更生裁判所が管轄する。
(出資等の割当てを受ける権利の譲渡)
第146条 更生計画の定めによって更生債権者等又は組合員等に対して更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関又は新協同組織金融機関の出資の割当てを受ける権利が与えられた場合には、当該権利は、その協同組織金融機関の承諾を得て、これを組合員等又はその資格を有する者に譲渡することができる。
2 更生計画の定めによって更生債権者等又は組合員等に対して転換後銀行又は新株式会社の募集株式、設立時募集株式、募集新株予約権又は募集社債の割当てを受ける権利が与えられた場合には、当該権利は、これを他に譲渡することができる。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例)
第147条 会社更生法第229条の規定は、更生債権者等又は組合員等が転換後銀行又は更生計画の定めにより設立される株式会社の株式を更生計画の定めによって取得する場合について準用する。
(許可、認可等に基づく権利の承継)
第148条 更生計画において更生協同組織金融機関が行政庁から得ていた許可、認可、免許その他の処分に基づく権利及び義務を同種の新協同組織金融機関に移転することを定めたときは、当該新協同組織金融機関は、他の法令の規定にかかわらず、その権利及び義務を承継する。
(法人税法等の特例)
第148条の2 更生計画において新協同組織金融機関又は新株式会社が更生協同組織金融機関の租税等の請求権に係る債務を承継することを定めたときは、当該新協同組織金融機関又は当該新株式会社は当該債務を履行する義務を負い、更生協同組織金融機関は当該債務を免れる。
2 更生手続開始の決定があったときは、更生協同組織金融機関の事業年度は、その開始の時に終了し、これに続く事業年度は、更生計画認可の時(その時までに更生手続が終了したときは、その終了の日)に終了するものとする。ただし、法人税法(昭和40年法律第34号)第13条第1項ただし書及び地方税法第72条の13第4項の規定の適用を妨げない。
第3款 更生計画の変更
第149条 会社更生法第233条第1項から第5項までの規定は、協同組織金融機関の更生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で更生計画に定める事項を変更する必要が生じた場合について準用する。
2 前項において準用する会社更生法第233条第5項に規定する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3 会社更生法第202条第2項から第5項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第2項中「第168条第1項第4号から第6号まで」とあるのは「更生特例法第93条第1項第4号又は第5号」と、同条第5項中「第13条」とあるのは「更生特例法第12条」と読み替えるものとする。
4 会社更生法第72条第7項の規定は、更生計画の変更により第45条において準用する同法第72条第4項前段の規定による更生計画の定めが取り消された場合について準用する。この場合において、同法第72条第7項中「第10条第4項」とあるのは、「更生特例法第10条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
第9節 更生手続の終了
第1款 更生手続の終了事由
第150条 会社更生法第234条の規定は、協同組織金融機関の更生手続の終了について準用する。この場合において、同条第2号中「第44条第1項」とあるのは、「更生特例法第31条において準用する第44条第1項」と読み替えるものとする。
第2款 更生計画認可前の更生手続の終了
第1目 更生計画不認可の決定
(不認可の決定が確定した場合の更生債権者表等の記載の効力)
第151条 会社更生法第235条の規定は、協同組織金融機関の更生手続において更生計画不認可の決定が確定した場合について準用する。この場合において、同条第2項中「第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」とあるのは、「更生特例法第87条において準用する第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」と読み替えるものとする。
第2目 更生計画認可前の更生手続の廃止
(更生が困難な場合の更生手続廃止等)
第152条 会社更生法第236条、第237条及び第238条第1項から第5項までの規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生手続廃止の決定について準用する。この場合において、同法第236条第3号中「第198条第1項本文」とあるのは「更生特例法第119条において準用する第198条第1項本文」と、同法第237条第1項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と、「第17条第1項」とあるのは「更生特例法第15条第1項」と、同法第238条第3項中「第13条」とあるのは「更生特例法第12条」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第235条の規定は、前項において準用する同法第236条又は第237条の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合について準用する。この場合において、同法第235条第2項中「第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」とあるのは、「更生特例法第87条において準用する第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」と読み替えるものとする。
第3款 更生計画認可後の更生手続の終了
第1目 更生手続の終結
(更生手続終結の決定)
第153条 会社更生法第239条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生手続終結の決定について準用する。
(更生手続終結後の更生債権者表等の記載の効力)
第154条 会社更生法第240条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生手続終結後の更生債権者表及び更生担保権者表の記載の効力について準用する。
第2目 更生計画認可後の更生手続の廃止
第155条 会社更生法第241条第1項から第3項までの規定は、協同組織金融機関の更生手続廃止の決定について準用する。
2 会社更生法第238条第1項から第3項までの規定は前項において準用する同法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定をした場合について、同法第238条第4項の規定は当該決定を取り消す決定が確定した場合について、同法第240条の規定は前項において準用する同法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第238条第3項中「第13条」とあるのは、「更生特例法第12条」と読み替えるものとする。
第10節 外国倒産処理手続がある場合の特則
(外国管財人との協力)
第156条 会社更生法第242条の規定は、更生協同組織金融機関についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続であって、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この節において同じ。)がある場合について準用する。
(更生手続の開始原因の推定)
第157条 会社更生法第243条の規定は、協同組織金融機関についての外国倒産処理手続がある場合について準用する。この場合において、同条中「第17条第1項」とあるのは、「更生特例法第15条第1項」と読み替えるものとする。
(外国管財人の権限等)
第158条 会社更生法第244条及び第245条第1項の規定は、協同組織金融機関の外国倒産処理手続における外国管財人(外国倒産処理手続において協同組織金融機関の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。)について準用する。この場合において、同法第244条第1項中「第17条第1項第1号」とあるのは「更生特例法第15条第1項第1号」と、同条第2項及び第3項中「第242条第1項」とあるのは「更生特例法第156条において準用する第242条第1項」と、同項中「第184条第1項」とあるのは「更生特例法第108条において準用する第184条第1項」と、同条第4項中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第43条第1項」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第245条第2項及び第3項の規定は、協同組織金融機関の更生手続における管財人について準用する。
第11節 更生手続と他の倒産処理手続との間の移行等
第1款 破産手続から更生手続への移行
(破産管財人による更生手続開始の申立て)
第158条の2 会社更生法第246条の規定は、破産者である協同組織金融機関に第15条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実がある場合について準用する。この場合において、同法第246条第4項中「第20条第1項」とあるのは、「更生特例法第18条において準用する第20条第1項」と読み替えるものとする。
(更生債権の届出を要しない旨の決定)
第158条の3 裁判所は、更生手続開始の決定をする場合において、第36条において準用する会社更生法第50条第1項の規定により中止することとなる破産手続において届出があった破産債権の内容及び原因、破産法第125条第1項本文に規定する異議等のある破産債権の数、当該破産手続における配当の有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、更生債権であって当該破産手続において破産債権としての届出があったもの(同法第97条第4号に規定する租税等の請求権及び同条第6号に規定する罰金等の請求権を除く。)を有する更生債権者は当該更生債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 会社更生法第247条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。この場合において、同条第2項中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第43条第1項」と、同条第3項及び第5項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と、同条第4項第1号及び第2号中「第138条第1項第1号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第1号」と、同項第3号及び第4号中「第138条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第2号」と読み替えるものとする。
第2款 再生手続から更生手続への移行
(再生手続における管財人による更生手続開始の申立て)
第158条の4 会社更生法第248条の規定は、再生債務者である協同組織金融機関に第15条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実がある場合について準用する。この場合において、同法第248条第3項中「第246条第3項」とあるのは「更生特例法第158条の2において準用する第246条第3項」と、同条第4項中「第20条第1項」とあるのは「更生特例法第18条において準用する第20条第1項」と読み替えるものとする。
(更生債権の届出を要しない旨の決定)
第158条の5 裁判所は、更生手続開始の決定をする場合において、第36条において準用する会社更生法第50条第1項の規定により中止することとなる再生手続において届出があった再生債権の内容及び原因、民事再生法第105条第1項本文に規定する異議等のある再生債権の数、再生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、更生債権であって当該再生手続において再生債権としての届出があったもの(同法第97条第1号に規定する再生手続開始前の罰金等を除く。)を有する更生債権者は当該更生債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 会社更生法第249条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。この場合において、同条第2項中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第31条において準用する第43条第1項」と、同条第3項及び第5項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項」と、同条第4項第1号及び第2号中「第138条第1項第1号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第1号」と、同項第3号中「第138条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第2号」と読み替えるものとする。
第3款 更生手続から破産手続への移行
(更生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送)
第158条の6 裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、破産手続開始の前後を問わず、同一の債務者につき更生手続開始の決定があった場合において、当該破産事件を処理するために相当であると認めるときは、職権で、当該破産事件を更生裁判所に移送することができる。
(更生手続終了前の破産手続開始の申立て等)
第158条の7 破産手続開始前の更生協同組織金融機関について更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止又は更生計画不認可の決定があった場合には、第36条において準用する会社更生法第50条第1項の規定にかかわらず、当該決定の確定前においても、更生裁判所に当該更生協同組織金融機関についての破産手続開始の申立てをすることができる。破産手続開始後の更生協同組織金融機関について更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第155条第1項において準用する同法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定があった場合も、同様とする。
2 前項前段の規定は、同項前段に規定する更生協同組織金融機関について既に開始された再生手続がある場合については、適用しない。
3 第1項の規定による破産手続開始の申立てに係る破産手続開始の決定は、同項前段に規定する決定又は同項後段の更生手続廃止の決定が確定した後でなければ、することができない。
(更生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定)
第158条の8 破産手続開始前の協同組織金融機関について第150条において準用する会社更生法第234条第1号から第4号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合において、裁判所は、当該協同組織金融機関に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。ただし、当該協同組織金融機関について既に開始された再生手続がある場合は、この限りでない。
2 破産手続開始後の更生協同組織金融機関について更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第155条第1項において準用する会社更生法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。ただし、前条第1項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定をする場合は、この限りでない。
(更生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)
第158条の9 裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第24条第1項の規定による中止の命令、同法第25条第2項に規定する包括的禁止命令、同法第28条第1項の規定による保全処分、同法第91条第2項に規定する保全管理命令又は同法第171条第1項の規定による保全処分(以下この条及び第158条の12第4項において「保全処分等」という。)を命ずることができる。
一 破産手続開始前の協同組織金融機関につき更生手続開始の申立ての棄却の決定があった場合
二 破産手続開始前の更生協同組織金融機関につき更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止又は更生計画不認可の決定が確定した場合
三 破産手続開始後の更生協同組織金融機関につき更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第155条第1項において準用する会社更生法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合
2 裁判所は、前項第1号又は第2号の規定による保全処分等を命じた場合において、前条第1項本文の規定による破産手続開始の決定をしないこととしたときは、遅滞なく、当該保全処分等を取り消さなければならない。
3 第1項第1号の規定による保全処分等は、同号に規定する決定を取り消す決定があったときは、その効力を失う。
4 破産法第24条第4項、第25条第6項、第28条第3項、第91条第5項及び第171条第4項の規定にかかわらず、第2項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができない。
(更生手続の終了に伴う破産手続における破産法の適用関係)
第158条の10 破産手続開始前の協同組織金融機関に関する次に掲げる場合における破産法の関係規定(破産法第71条第1項第4号並びに第2項第2号及び第3号、第72条第1項第4号並びに第2項第2号及び第3号、第160条(第1項第1号を除く。)、第162条(第1項第2号を除く。)、第163条第2項、第164条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)、第166条並びに第167条第2項(同法第170条第2項において準用する場合を含む。)の規定をいう。第3項において同じ。)の適用については、更生手続開始の申立て等(更生手続開始の申立て、更生計画認可の決定により効力を失った再生手続における再生手続開始の申立て又は破産法第265条の罪に該当することとなる当該協同組織金融機関の理事若しくはこれに準ずる者の行為をいう。以下この項において同じ。)は、当該更生手続開始の申立て等の前に破産手続開始の申立てがないときに限り、破産手続開始の申立てとみなす。
一 第158条の8第1項本文の規定による破産手続開始の決定があった場合
二 更生手続開始の申立ての棄却の決定の確定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、当該決定の確定後に破産手続開始の決定があった場合
三 更生手続開始の決定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、第150条において準用する会社更生法第234条第2号若しくは第3号に掲げる事由の発生後又は第152条第1項において準用する同法第236条若しくは第237条第1項の規定による更生手続廃止の決定の確定後に、破産手続開始の決定があった場合
四 第158条の7第1項前段の規定による破産手続開始の申立てに基づき、破産手続開始の決定があった場合
2 更生計画不認可又は更生手続廃止の決定の確定による更生手続の終了に伴い前項各号に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第176条前段の規定の適用については、次に掲げる決定の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。
一 更生手続開始の決定
二 更生計画認可の決定により効力を失った再生手続における再生手続開始の決定
3 破産手続開始後の更生協同組織金融機関について第158条の7第1項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定があった場合又は第158条の8第2項の規定による破産手続開始の決定があった場合における破産法の関係規定の適用については、更生計画認可の決定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。
4 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第176条前段の規定の適用については、更生計画認可の決定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。
5 第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第148条第1項第3号の規定の適用については、同号中「包括的禁止命令」とあるのは「包括的禁止命令若しくは金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)第19条において準用する会社更生法(平成14年法律第154号)第25条第2項に規定する包括的禁止命令」と、「期間がある」とあるのは「期間又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第36条において準用する会社更生法第50条第2項の規定により国税滞納処分をすることができない期間がある」とする。
6 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合には、共益債権(更生手続が開始されなかった場合における第41条第1項において準用する会社更生法第62条第2項に規定する請求権並びに第75条第1項及び第4項に規定する請求権を含む。第158条の13において同じ。)は、財団債権とする。破産手続開始後の協同組織金融機関について第150条において準用する会社更生法第234条第1号から第3号までに掲げる事由の発生又は第152条第1項において準用する同法第236条若しくは第237条第1項の規定による更生手続廃止の決定の確定によって破産手続が続行された場合も、同様とする。
(破産債権の届出を要しない旨の決定)
第158条の11 裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、前条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定をする場合において、終了した更生手続において届出があった更生債権等の内容及び原因並びに議決権の額、第88条において準用する会社更生法第151条第1項本文に規定する異議等のある更生債権等の数、更生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、破産債権であって当該更生手続において更生債権等としての届出があったもの(租税等の請求権及び第84条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権を除く。)を有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 会社更生法第255条第2項から第6項までの規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。この場合において、同条第4項第1号中「第136条第1項第3号ロからニまで」とあるのは「更生特例法第80条第1項において準用する第136条第1項第3号ロからニまで」と、「第138条第1項第3号又は第2項第3号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第3号又は第2項第3号」と、同項第2号から第4号までの規定中「第138条第1項第1号又は第2項第1号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第1号又は第2項第1号」と、同項第3号中「第136条第1項第1号、第2号又は第3号イ」とあるのは「更生特例法第80条第1項において準用する第136条第1項第1号、第2号又は第3号イ」と、同項第4号中「第136条第2項第1号から第3号まで」とあるのは「更生特例法第80条第1項において準用する第136条第2項第1号から第3号まで」と、同項第5号及び第6号中「第138条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第2号」と、同項第7号中「第138条第1項第3号」とあるのは「更生特例法第81条において準用する第138条第1項第3号」と読み替えるものとする。
(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え等の取扱い)
第158条の12 第150条において準用する会社更生法第234条第3号又は第4号に掲げる事由が生じた場合において、第158条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があったときは、第37条において準用する同法第52条第4項の規定により中断した第60条において準用する同法第97条第1項の訴えに係る訴訟手続は、破産管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
2 前項の場合においては、相手方の管財人に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。
3 第1項の場合において、第37条において準用する会社更生法第52条第4項の規定により中断した第60条において準用する同法第97条第1項の訴えに係る訴訟手続について第1項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、終了する。
4 第37条において準用する会社更生法第52条第4項の規定により中断した第60条において準用する同法第97条第1項の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の協同組織金融機関についての更生事件に係るものは、その中断の日から1月(その期間中に第158条の9第1項第1号若しくは第2号の規定による保全処分等又は第158条の10第2項各号に掲げる破産手続開始の申立てに係る破産手続における保全処分等がされていた期間があるときは、当該期間を除く。)以内に第158条の10第1項各号に規定する破産手続開始の決定がされていないときは、終了する。
5 第88条において準用する会社更生法第163条第1項の規定により引き続き係属するものとされる第88条において準用する同法第151条第1項本文に規定する更生債権等査定申立ての手続及び第88条において準用する同法第153条第1項に規定する価額決定の申立ての手続は、第158条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があったときは、終了するものとする。この場合においては、第88条において準用する同法第163条第3項の規定は、適用しない。
6 第4項の規定は、第88条において準用する会社更生法第163条第4項の規定により中断した第88条において準用する同法第152条第1項に規定する更生債権等査定異議の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の協同組織金融機関についての更生事件に係るものについて準用する。
第4款 更生手続の終了に伴う再生手続の続行
第158条の13 協同組織金融機関について再生事件が係属している場合において、第150条において準用する会社更生法第234条第1号から第3号までに掲げる事由の発生又は第152条第1項において準用する同法第236条若しくは第237条第1項の規定による更生手続廃止の決定の確定によって再生手続が続行されたときは、共益債権は、再生手続における共益債権とする。
第12節 雑則
(更生協同組織金融機関についての登記の嘱託等)
第159条 更生手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、更生手続開始の登記を更生協同組織金融機関の主たる事務所の所在地の登記所に嘱託しなければならない。
2 前項の登記には、管財人の氏名又は名称及び住所、管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第44条において準用する会社更生法第69条第1項ただし書の許可があったときはその旨並びに管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。
3 第1項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
4 開始前協同組織金融機関について保全管理命令又は監督命令がされたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令又は監督命令の登記を開始前協同組織金融機関の主たる事務所の所在地の登記所に嘱託しなければならない。
5 前項の登記には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項をも登記しなければならない。
一 前項に規定する保全管理命令の登記 保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第24条第1項において準用する会社更生法第69条第1項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容
二 前項に規定する監督命令の登記 監督委員の氏名又は名称及び住所並びに第25条第2項の規定により指定された行為
6 第4項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
7 第1項の規定は、更生計画認可の決定があった場合又は第150条において準用する会社更生法第234条第2号から第5号までに掲げる事由が生じた場合について準用する。
8 登記官は、前項の規定により更生計画認可の登記をする場合において、更生協同組織金融機関について破産手続開始又は再生手続開始の登記があるときは、職権で、その登記を抹消しなければならない。
9 登記官は、第7項の規定により更生計画不認可の登記をする場合において、前項の規定により抹消した登記があるときは、職権で、その登記を回復しなければならない。
第160条 第45条において準用する会社更生法第72条第4項前段の規定により更生協同組織金融機関の機関がその権限を回復したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、その旨の登記を更生協同組織金融機関の主たる事務所の所在地の登記所に嘱託しなければならない。
2 前項の規定は、第45条において準用する会社更生法第72条第4項前段の規定による更生計画の定め又は裁判所の決定が取り消された場合について準用する。
(登記のある権利についての登記の嘱託等)
第161条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。
一 開始前協同組織金融機関に属する権利で登記がされたものに関し第20条(第31条において準用する会社更生法第44条第2項において準用する場合を含む。)において準用する同法第28条第1項の規定による保全処分があったとき。
二 登記のある権利に関し第29条の2第1項若しくは第30条第1項(これらの規定を第31条において準用する会社更生法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定又は第62条において準用する同法第99条第1項の規定による保全処分があったとき。
2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。
3 前項の規定による登記の抹消がされた場合において、更生手続開始の決定を取り消す決定が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、同項の規定により抹消された登記の回復を嘱託しなければならない。
(更生計画の遂行等に関する登記の嘱託等)
第162条 第159条第1項の規定は、更生計画の遂行又はこの章の規定により更生手続終了前に更生協同組織金融機関、転換後協同組織金融機関又は更生計画の定めにより設立される協同組織金融機関について登記すべき事項が生じた場合について準用する。この場合において、中小企業等協同組合法第93条第2項各号、信用金庫法第74条第2項各号又は労働金庫法第78条第2項各号に掲げる事項について登記すべき事項が生じたときは、第159条第1項中「主たる事務所」とあるのは、「主たる事務所及び従たる事務所」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第258条第1項の規定は、更生計画の遂行又はこの章の規定により更生手続終了前に転換後銀行又は更生計画の定めにより設立される株式会社について登記すべき事項が生じた場合について準用する。
3 更生協同組織金融機関が他の協同組織金融機関又は銀行と合併をする場合において、裁判所書記官が次に掲げる登記を嘱託するときは、合併の相手方である他の協同組織金融機関又は銀行の解散の登記をも嘱託しなければならない。
一 吸収合併後存続する更生協同組織金融機関の吸収合併による変更の登記
二 新設合併により設立する協同組織金融機関又は株式会社の新設合併による設立の登記
4 第1項及び第2項の規定は、他の協同組織金融機関又は銀行が更生協同組織金融機関と合併して合併後存続する場合における更生協同組織金融機関の解散の登記については、適用しない。
5 前条第1項の規定は、更生計画の遂行により更生手続終了前に登記のある権利の得喪又は変更が生じた場合について準用する。ただし、更生協同組織金融機関、更生債権者等、組合員等、転換後協同組織金融機関、転換後銀行、更生計画の定めにより設立される協同組織金融機関及び更生計画の定めにより設立される株式会社以外の者を権利者とする登記については、この限りでない。
6 協同組織金融機関の出資の総口数及び総額の変更の登記の嘱託に関する第1項において準用する第159条第1項の規定の適用については、同項中「遅滞なく」とあるのは、「毎事業年度末日現在により、事業年度終了後、遅滞なく」とする。
(否認の登記)
第163条 会社更生法第262条の規定は、協同組織金融機関の更生手続における否認の登記について準用する。この場合において、同条第6項中「第234条第2号若しくは第3号」とあるのは「更生特例法第150条において準用する第234条第2号若しくは第3号」と、「第236条若しくは第237条第1項」とあるのは「更生特例法第152条第1項において準用する第236条若しくは第237条第1項」と読み替えるものとする。
(登記嘱託書等の添付書面等)
第164条 この章の規定による登記の嘱託情報若しくは申請情報と併せて提供することが必要な情報又は嘱託書若しくは申請書に添付すべき書面その他のものは、政令で定める。
(登録免許税の特例)
第165条 第161条の規定及び第163条において準用する会社更生法第262条の規定による登記については、登録免許税を課さない。
2 更生計画において更生協同組織金融機関が吸収合併をすることを定めた場合における当該吸収合併による資本金の増加の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法(昭和42年法律第35号)第9条の規定にかかわらず、1000分の1(吸収合併により増加した資本金の額のうち、更生債権者等に株式を交付する部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、1000分の3・5)とする。
3 更生計画において更生協同組織金融機関が新設合併をすることを定めた場合における当該新設合併による株式会社の設立の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の1(資本金の額のうち、同法別表第1第24号(一)ホの税率欄に規定する部分に相当する金額(更生債権者等に株式を交付する部分に相当する金額を除く。)に対応する部分については、1000分の3・5)とする。
4 更生計画において更生協同組織金融機関が転換をすることを定めた場合における当該転換による株式会社の設立の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の1(資本金の額のうち、更生債権者等に株式を交付する部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、1000分の3・5)とする。
5 更生計画において転換後銀行が株式を発行することを定めた場合における資本金の増加の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の3・5とする。
6 会社更生法第264条第7項の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画において新株式会社を設立することを定めた場合における新株式会社の設立の登記の登録免許税の税率について準用する。
7 会社更生法第264条第8項の規定は、協同組織金融機関の更生手続における更生計画において新協同組織金融機関又は新株式会社が更生協同組織金融機関から不動産又は船舶に関する権利の移転又は設定を受けることを定めた場合におけるその移転又は設定の登記の登録免許税の税率について準用する。
(登録への準用)
第166条 第161条、第162条第5項、第163条において準用する会社更生法第262条、第164条及び前条第1項の規定は、登録のある権利について準用する。
第167条 削除
第3章 相互会社の更生手続
第1節 総則
(相互会社の更生手続)
第168条 相互会社の更生手続については、次章第3節及び第6節に定めるもののほか、この章の定めるところによる。
(定義)
第169条 この章において「更生手続」とは、相互会社について、この章並びに次章第3節及び第6節の定めるところにより、更生計画を定め、更生計画が定められた場合にこれを遂行する手続(更生手続開始の申立てについて更生手続開始の決定をするかどうかに関する審理及び裁判をする手続を含む。)をいう。
2 この章において「更生計画」とは、更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部を変更する条項その他の第259条に規定する条項を定めた計画をいう。
3 この章において「更生事件」とは、更生手続に係る事件をいう。
4 この章において「更生裁判所」とは、更生事件が係属している地方裁判所をいう。
5 この章(第331条の6及び第331条の11第1項を除く。)において「裁判所」とは、更生事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。
6 この章において「開始前会社」とは、更生裁判所に更生事件が係属している相互会社であって、更生手続開始の決定がされていないものをいう。
7 この章において「更生会社」とは、更生裁判所に更生事件が係属している相互会社であって、更生手続開始の決定がされたものをいう。
8 この章において「更生債権」とは、更生会社に対し更生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権又は次に掲げる権利であって、更生担保権又は共益債権に該当しないものをいう。
一 更生手続開始後の利息の請求権
二 更生手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権
三 更生手続参加の費用の請求権
四 第204条において準用する会社更生法第58条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)に規定する債権
五 第206条第1項において準用する会社更生法第61条第1項の規定により双務契約が解除された場合における相手方の損害賠償の請求権
六 第206条第3項において準用する破産法第58条第2項の規定による損害賠償の請求権
七 第206条第3項において準用する破産法第59条第1項の規定による請求権(更生会社の有するものを除く。)
八 第226条において準用する会社更生法第91条の2第2項第2号又は第3号に定める権利
9 この章において「更生債権者」とは、更生債権を有する者をいう。
10 この章において「更生担保権」とは、更生手続開始当時更生会社の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権及び商法又は会社法の規定による留置権に限る。)の被担保債権であって更生手続開始前の原因に基づいて生じたもの又は第8項各号に掲げるもの(共益債権であるものを除く。)のうち、当該担保権の目的である財産の価額が更生手続開始の時における時価であるとした場合における当該担保権によって担保された範囲のものをいう。ただし、当該被担保債権(社債を除く。)のうち利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金の請求権の部分については、更生手続開始後1年を経過する時(その時までに更生計画認可の決定があるときは、当該決定の時)までに生ずるものに限る。
11 この章において「更生担保権者」とは、更生担保権を有する者をいう。
12 この章において「更生債権等」とは、更生債権又は更生担保権をいう。ただし、次節第2款においては、開始前会社について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権又は更生担保権となるものをいう。
13 この章において「更生債権者等」とは、更生債権者又は更生担保権者をいう。ただし、次節第2款においては、開始前会社について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権者又は更生担保権者となるものをいう。
14 この章において「更生会社財産」とは、更生会社に属する一切の財産をいう。
15 この章において「租税等の請求権」とは、国税徴収法又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって、共益債権に該当しないものをいう。
(会社更生法の規定を準用する場合の読替え等)
第170条 この章(第172条、第273条、第308条第1項、第309条第1項、第316条第7項及び第335条第2項を除く。)の規定において会社更生法の規定を準用する場合には、特別の定めがある場合を除き、同法の規定中「この法律」とあるのは「更生特例法第3章」と、「株式会社」とあるのは「相互会社(更生特例法第2条第6項に規定する相互会社をいう。)」と、「株主」とあるのは「社員」と、「商号」とあるのは「名称」と、「本店」とあるのは「主たる事務所」と、「営業所」とあるのは「事務所」と読み替えるものとする。
2 この章において準用するこの章の規定により読み替えられた会社更生法の規定中「更生特例法」とあるのは、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律をいうものとする。
(外国人の地位)
第171条 会社更生法第3条の規定は、相互会社の更生手続における外国人又は外国法人の地位について準用する。
(更生事件の管轄)
第172条 会社更生法第5条(第2項及び第4項を除く。)及び第6条の規定は、相互会社の更生事件の管轄について準用する。この場合において、同法第5条第1項中「株式会社の主たる営業所の所在地(外国に主たる営業所がある場合にあっては、日本における主たる営業所の所在地)」とあるのは「相互会社(更生特例法第2条第6項に規定する相互会社をいう。以下この条において同じ。)の主たる事務所の所在地」と、同条第3項中「株式会社が他の株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)の過半数を有する」とあるのは「相互会社が株式会社を保険業法(平成7年法律第105号)第2条第12項に規定する子会社とする」と、「当該他の株式会社」とあるのは「当該株式会社」と、「当該株式会社(以下この項及び次項において「親株式会社」という。)」とあるのは「当該相互会社」と、「することができ、親株式会社について更生事件が係属しているときにおける子株式会社についての更生手続開始の申立ては、親株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができる」とあるのは「することができる」と、同条第5項中「株式会社が」とあるのは「相互会社が」と、「会社法第444条」とあるのは「保険業法第54条の10」と、「当該株式会社」とあるのは「当該相互会社」と、「他の株式会社」とあるのは「株式会社」と、「定時株主総会」とあるのは「定時社員総会(総代会を設けているときは、定時総代会)」と、「することができ、当該株式会社について更生事件が係属しているときにおける当該他の株式会社についての更生手続開始の申立ては、当該株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができる」とあるのは「することができる」と、同法第6条中「この法律」とあるのは「更生特例法第3章」と読み替えるものとする。
(更生事件の移送)
第173条 会社更生法第7条の規定は、相互会社の更生事件の移送について準用する。この場合において、同条第3号中「第5条第2項から第6項まで」とあるのは、「更生特例法第172条において準用する第5条第3項、第5項又は第6項」と読み替えるものとする。
(任意的口頭弁論、不服申立て等)
第174条 会社更生法第8条及び第9条の規定は、相互会社の更生手続に関する審理及び裁判について準用する。
(公告等)
第175条 会社更生法第10条の規定は、この章の規定による公告又は送達について準用する。
(事件に関する文書の閲覧等)
第176条 会社更生法第11条及び第12条の規定は、相互会社の更生事件に関する文書その他の物件又は更生事件に関する事項の証明書について準用する。この場合において、同法第11条第1項中「この法律」とあるのは「更生特例法」と、同条第4項第1号中「第24条第1項若しくは第2項」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第24条第1項若しくは第2項」と、「第25条第2項」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第25条第2項」と、「第28条第1項」とあるのは「更生特例法第185条において準用する第28条第1項」と、「第29条第3項」とあるのは「更生特例法第186条において準用する第29条第3項」と、「第30条第2項」とあるのは「更生特例法第187条第2項」と、「第35条第2項」とあるのは「更生特例法第190条第2項」と、「第39条の2第1項」とあるのは「更生特例法第194条の2第1項」と、同法第12条第1項第1号中「第32条第1項ただし書、第46条第2項前段又は第72条第2項(第32条第3項において準用する場合を含む。)」とあるのは「更生特例法第188条において準用する第32条第1項ただし書、更生特例法第198条第2項前段又は更生特例法第211条において準用する第72条第2項(更生特例法第188条において準用する第32条第3項において準用する場合を含む。)」と、同項第2号中「第84条第2項」とあるのは「更生特例法第221条において準用する第84条第2項」と、「第125条第2項」とあるのは「更生特例法第238条第2項」と読み替えるものとする。
(民事訴訟法の準用)
第177条 相互会社の更生手続に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定を準用する。
(最高裁判所規則)
第178条 この章並びに次章第3節及び第6節に定めるもののほか、相互会社の更生手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
第179条 削除
第2節 更生手続開始の申立て及びこれに伴う保全措置
第1款 更生手続開始の申立て
(更生手続開始の申立て)
第180条 相互会社は、当該相互会社に更生手続開始の原因となる事実(次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する事実をいう。)があるときは、当該相互会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
一 破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがある場合
二 弁済期にある債務を弁済することとすれば、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合
2 相互会社に前項第1号に掲げる場合に該当する事実があるときは、次に掲げる者も、当該相互会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
一 当該相互会社の基金(保険業法第56条の基金償却積立金を含む。)の総額の10分の1以上に当たる債権を有する債権者
二 当該相互会社の社員総数の10分の1以上に当たる数の社員又は1万名以上の社員
(破産手続開始等の申立義務と更生手続開始の申立て)
第181条 会社更生法第18条の規定は、他の法律の規定により相互会社の清算人が当該相互会社に対して破産手続開始又は特別清算開始の申立てをしなければならない場合について準用する。
(解散後の相互会社による更生手続開始の申立て)
第182条 清算中、特別清算中又は破産手続開始後の相互会社がその更生手続開始の申立てをするには、保険業法第62条第2項に定める決議によらなければならない。
(更生手続開始の申立ての手続等)
第183条 会社更生法第20条から第23条までの規定は、相互会社についての更生手続開始の申立てについて準用する。この場合において、同法第20条第1項中「第17条第1項」とあるのは「更生特例法第180条第1項」と、同条第2項及び同法第22条第2項中「第17条第2項」とあるのは「更生特例法第180条第2項」と、同法第20条第2項中「債権者又は株主」とあるのは「債権者」と、「債権の額又は議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の数」とあるのは「債権の額」と、同法第22条第1項中「第17条」とあるのは「更生特例法第180条」と、同条第2項中「代表者(外国に本店があるときは、日本における代表者)」とあるのは「代表者」と、同法第23条中「次条第1項若しくは第2項」とあるのは「更生特例法第184条において準用する次条第1項若しくは第2項」と、「第25条第2項」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第25条第2項」と、「第28条第1項」とあるのは「更生特例法第185条において準用する第28条第1項」と、「第29条第3項」とあるのは「更生特例法第186条において準用する第29条第3項」と、「第30条第2項」とあるのは「更生特例法第187条第2項」と、「第35条第2項」とあるのは「更生特例法第190条第2項」と、「第39条の2第1項」とあるのは「更生特例法第194条の2第1項」と読み替えるものとする。
第2款 更生手続開始の申立てに伴う保全措置
第1目 開始前会社に関する他の手続の中止命令等
第184条 会社更生法第24条から第27条までの規定は、相互会社についての更生手続開始の申立てがあった場合について準用する。この場合において、同法第25条第1項中「第28条第1項」とあるのは「更生特例法第185条において準用する第28条第1項」と、「第30条第2項」とあるのは「更生特例法第187条第2項」と、「第35条第2項」とあるのは「更生特例法第190条第2項」と、同法第27条第6項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
第2目 開始前会社の業務及び財産に関する保全処分等
(開始前会社の業務及び財産に関する保全処分)
第185条 会社更生法第28条の規定は、相互会社についての更生手続開始の申立てがあった場合の保全処分について準用する。この場合において、同条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(更生手続開始前における商事留置権の消滅請求)
第186条 会社更生法第29条の規定は、相互会社の更生手続において開始前会社の財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合について準用する。
第3目 保全管理命令
(保全管理命令)
第187条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、開始前会社の業務及び財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下この章において「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、1人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。ただし、第210条において準用する会社更生法第67条第3項に規定する者は、保全管理人に選任することができない。
3 会社更生法第30条第3項から第5項まで及び第31条の規定は、相互会社の更生手続における保全管理命令について準用する。この場合において、同条第3項中「第10条第4項」とあるのは、「更生特例法第175条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
(保全管理人の権限)
第188条 会社更生法第32条及び第33条の規定は、相互会社の更生手続における保全管理人について準用する。この場合において、同条第1項中「第67条第3項」とあるのは、「更生特例法第210条において準用する第67条第3項」と読み替えるものとする。
(管財人に関する規定等の保全管理人等への準用)
第189条 第219条第1項から第4項までの規定並びに会社更生法第54条、第57条、第59条、第67条第2項、第68条、第69条、第73条、第74条第1項、第76条から第80条まで及び第82条第1項から第3項までの規定は相互会社の更生手続における保全管理人について、第219条第1項から第4項までの規定は相互会社の更生手続における保全管理人代理について、それぞれ準用する。この場合において、同法第59条中「第43条第1項の規定による公告」とあるのは「更生特例法第187条第3項において準用する第31条第1項の規定による公告」と、同法第77条第2項中「子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社」とあるのは「実質子会社(保険業法第33条の2第1項に規定する実質子会社」と、同法第82条第2項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人又は管財人」と、同条第3項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人、管財人」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第52条第1項から第3項までの規定は相互会社の更生手続において保全管理命令が発せられた場合について、同条第4項から第6項までの規定は相互会社の更生手続において保全管理命令が効力を失った場合(更生手続開始の決定があった場合を除く。)について、それぞれ準用する。この場合において、同条第5項中「訴訟手続(第234条第3号又は第4号に掲げる事由が生じた場合における第97条第1項の訴えに係る訴訟手続を除く。)」とあるのは、「訴訟手続」と読み替えるものとする。
3 相互会社の更生手続における開始前会社の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。
一 保全管理命令が発せられた場合 会社更生法第52条第1項から第3項まで
二 保全管理命令が効力を失った場合(更生手続開始の決定があった場合を除く。) 会社更生法第52条第4項から第6項まで
4 会社更生法第65条の規定は、相互会社の更生手続において保全管理人が選任されている期間中に取締役、執行役又は清算人が自己又は第三者のために開始前会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合について準用する。この場合において、同条第1項中「会社法第356条第1項(同法第419条第2項又は第482条第4項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「保険業法第53条の15において準用する会社法第356条第1項(保険業法第53条の32において準用する会社法第419条第2項において準用する場合を含む。)又は保険業法第180条の8第4項において準用する会社法第356条第1項」と読み替えるものとする。
5 会社更生法第66条第1項本文の規定は、相互会社の更生手続において保全管理人が選任されている期間中における開始前会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人について準用する。この場合において、同項中「会社法第361条第1項」とあるのは、「保険業法第53条の28第3項」と読み替えるものとする。
第4目 監督命令
(監督命令)
第190条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下この章において「監督命令」という。)をする場合には、当該監督命令において、1人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ開始前会社がすることができない行為を指定しなければならない。
3 会社更生法第35条第3項の規定は相互会社の更生手続における監督委員の同意を得ないでした行為について、同条第4項から第6項までの規定は相互会社の更生手続における監督命令について、それぞれ準用する。
(監督命令に関する公告及び送達)
第191条 会社更生法第36条の規定は、相互会社の更生手続における監督命令に関する公告又は送達について準用する。この場合において、同条第2項中「前条第4項」とあるのは「更生特例法第190条第3項において準用する前条第4項」と、同条第3項中「第10条第4項」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
(取締役等の管財人の適性に関する調査)
第192条 会社更生法第37条の規定は、相互会社の更生手続における監督委員による管財人の適性に関する調査について準用する。
(管財人に関する規定の監督委員への準用)
第193条 第219条第1項から第4項までの規定並びに会社更生法第67条第2項、第68条、第69条第1項、第77条及び第80条の規定は、相互会社の更生手続における監督委員について準用する。この場合において、同法第77条第2項中「子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社」とあるのは、「実質子会社(保険業法第33条の2第1項に規定する実質子会社」と読み替えるものとする。
第5目 更生手続開始前の調査命令等
(更生手続開始前の調査命令)
第194条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする第238条第2項に規定する調査命令を発することができる。
一 第180条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実及び第196条において準用する会社更生法第41条第1項第2号から第4号までに掲げる事由の有無、開始前会社の業務及び財産の状況その他更生手続開始の申立てについての判断をするのに必要な事項並びに更生手続を開始することの当否
二 第185条において準用する会社更生法第28条第1項の規定による保全処分、保全管理命令、監督命令、次条若しくは第195条の規定による保全処分又は第229条において準用する同法第100条第1項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分、命令又は決定の要否
三 その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項
(否認権のための保全処分)
第194条の2 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2 会社更生法第39条の2第2項から第6項までの規定は、前項の規定による保全処分について準用する。この場合において、同条第6項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(更生手続開始前の役員等の財産に対する保全処分)
第195条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、第228条において準用する会社更生法第99条第1項各号に掲げる保全処分をすることができる。
2 会社更生法第99条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による保全処分があった場合について準用する。この場合において、同条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
第3節 更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等
第1款 更生手続開始の決定
第196条 会社更生法第41条、第42条、第43条(第3項第2号を除く。)及び第44条の規定は、相互会社についての更生手続開始の決定について準用する。この場合において、同法第41条第1項中「第17条」とあるのは「更生特例法第180条」と、同法第42条第2項中「第138条から第140条まで又は第142条」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条若しくは第139条、更生特例法第249条において準用する第140条第1項若しくは第2項又は更生特例法第251条」と、同法第43条第1項第5号中「第190条第1項各号」とあるのは「更生特例法第283条において準用する第190条第1項各号」と、同条第3項第4号中「第39条」とあるのは「更生特例法第194条」と、同条第4項第2号中「債務」とあるのは「基金に係る更生債権に優先する債権に係る債務」と、「株主」とあるのは「基金の拠出者」と、同条第5項中「第3項第1号から第3号まで及び前項」とあるのは「第3項第1号及び第3号並びに前項」と、「第3項第1号及び第2号並びに前項」とあるのは「第3項第1号及び前項」と、同法第44条第2項中「前章第2節」とあるのは「更生特例法第3章第2節第2款」と、同条第3項中「第4号」とあるのは「第2号及び第4号」と読み替えるものとする。
第2款 更生手続開始の決定に伴う効果
(更生会社の組織に関する基本的事項の変更の禁止)
第197条 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生会社について次に掲げる行為を行い、又は更生計画の定めにより更生会社がその組織を変更した後の株式会社(以下この章において「組織変更後株式会社」という。)について会社更生法第45条第1項各号に掲げる行為を行うことができない。
一 保険契約(保険契約者を社員とするものに限る。)の締結
二 剰余金の分配
三 基金償却積立金の取崩し
四 基金の募集
五 募集社債(相互会社にあっては保険業法第61条に規定する募集社債をいい、保険業(同法第2条第1項に規定する保険業をいう。以下同じ。)を営む株式会社にあっては会社法第676条に規定する募集社債をいう。以下この章及び次章第2節において同じ。)を引き受ける者の募集
六 組織変更(保険業法第86条第1項に規定する組織変更をいう。以下この章において同じ。)
七 組織変更株式交換(保険業法第96条の5第1項に規定する組織変更株式交換をいう。以下この章において同じ。)又は組織変更株式移転(同法第96条の8第1項に規定する組織変更株式移転をいう。以下この章において同じ。)
八 保険契約の移転(保険業法第135条第1項(同法第272条の29において準用する場合を含む。)の保険契約の移転をいう。以下同じ。)をし、又は保険契約の移転を受けること。
九 解散
十 合併
2 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによるか、又は裁判所の許可を得なければ、更生会社又は組織変更後株式会社の定款の変更をすることができない。
(事業等の譲渡)
第198条 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生会社に係る保険業法第62条の2第1項第1号から第2号の2までに掲げる行為(以下この条において「事業等の譲渡」という。)をすることができない。ただし、次項から第8項までの規定により更生会社に係る事業等の譲渡をする場合は、この限りでない。
2 更生手続開始後更生計画案を決議に付する旨の決定がされるまでの間においては、管財人は、裁判所の許可を得て、更生会社に係る事業等の譲渡をすることができる。この場合において、裁判所は、当該事業等の譲渡が当該更生会社の事業の更生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。
3 裁判所は、前項の許可をする場合には、次に掲げる者の意見を聴かなければならない。
一 知れている更生債権者(更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後更生債権(更生債権者と更生会社との間において、更生手続開始前に、当該会社について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法第99条第1項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下この章において同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後更生債権を有する者及び更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって基金に係る更生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該基金の拠出者を除く。)。ただし、第233条第1項に規定する更生債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
二 知れている更生担保権者。ただし、第233条第2項に規定する更生担保権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
三 労働組合等(更生会社の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、更生会社の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは更生会社の使用人の過半数を代表する者をいう。)
4 管財人は、第2項の規定により更生会社に係る事業等の譲渡をしようとする場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を公告し、又は社員に通知しなければならない。
一 当該事業等の譲渡の相手方、時期及び対価並びに当該事業等の譲渡の対象となる事業(保険業法第62条の2第1項第2号の2に掲げる行為をする場合にあっては、同号の実質子会社の事業)の内容
二 当該事業等の譲渡に反対の意思を有する社員は、当該公告又は当該通知があった日から2週間以内にその旨を書面をもって管財人に通知すべき旨
5 前項の規定による社員に対する通知は、当該社員が更生会社又は管財人に通知した場所又は連絡先にあてて、することができる。
6 第4項の規定による社員に対する通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第2項の許可をすることができない。
一 第4項の規定による公告又は通知があった日から1月を経過した後に第2項の許可の申立てがあったとき。
二 第4項第2号に規定する期間内に、社員の総数の4分の1を超える数の社員が、書面をもって管財人に第2項の規定による事業等の譲渡に反対の意思を有する旨の通知をしたとき。
8 第4項から前項までの規定は、第2項の許可の時において更生会社がその財産をもって債務を完済することができない状態にある場合には、適用しない。
9 第2項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
10 第2項の許可を得て更生会社に係る事業等の譲渡をする場合には、保険業法第62条の2の規定は、適用しない。
(更生債権等の弁済の禁止等)
第199条 会社更生法第47条及び第47条の2の規定は、相互会社の更生手続における更生債権等について準用する。この場合において、同法第47条第6項中「約定劣後更生債権である更生債権」とあるのは「約定劣後更生債権である更生債権及び基金に係る更生債権」と、同条第7項第1号及び第2号中「第24条第2項」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第24条第2項」と読み替えるものとする。
(相殺)
第200条 会社更生法第48条から第49条の2までの規定は、相互会社の更生手続における更生債権者等による相殺について準用する。この場合において、同法第48条第1項中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(他の手続の中止等)
第201条 会社更生法第50条及び第51条の規定は、相互会社について更生手続開始の決定があった場合における強制執行その他の手続について準用する。この場合において、同法第50条第1項及び第5項第1号中「第24条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第24条第1項第2号」と、同条第2項、第5項第2号及び第10項中「第24条第2項」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第24条第2項」と、同条第11項中「第204条第2項」とあるのは「更生特例法第295条第3項において準用する第204条第2項」と、同法第51条第2項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(更生会社の財産関係の訴えの取扱い)
第202条 会社更生法第52条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の財産関係の訴訟手続について準用する。この場合において、同条第5項中「第234条第3号又は第4号」とあるのは「更生特例法第323条において準用する第234条第3号又は第4号」と、「第97条第1項」とあるのは「更生特例法第226条において準用する第97条第1項」と読み替えるものとする。
(債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱い)
第202条の2 民法第423条若しくは第424条の規定により更生債権者の提起した訴訟又は破産法若しくは民事再生法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が更生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。
2 会社更生法第52条の2第2項から第6項までの規定は、前項の規定により訴訟手続が中断した場合について準用する。
(行政庁に係属する事件の取扱い)
第203条 会社更生法第53条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の財産関係の事件で行政庁に係属するものについて準用する。
(更生会社のした法律行為の効力等)
第204条 会社更生法第54条から第59条までの規定は、相互会社について更生手続が開始された後の行為の効力について準用する。この場合において、同条中「第43条第1項」とあるのは、「更生特例法第196条において準用する第43条第1項」と読み替えるものとする。
(共有関係)
第205条 会社更生法第60条の規定は、相互会社の更生手続において更生会社が他人と共同して財産権を有する場合について準用する。
(双務契約)
第206条 会社更生法第61条第1項から第4項まで及び第62条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社が当事者である双務契約について準用する。
2 破産法第54条の規定は、前項において準用する会社更生法第61条第1項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、破産法第54条第1項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第9項に規定する更生債権者をいう。)」と、同条第2項中「破産者」とあるのは「更生会社(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第7項に規定する更生会社をいう。)」と、「破産財団」とあるのは「更生会社財産(同条第14項に規定する更生会社財産をいう。)」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。
3 破産法第56条、第58条及び第59条の規定は、相互会社について更生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第56条第1項中「第53条第1項及び第2項」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第206条第1項において準用する会社更生法第61条第1項及び第2項」と、「破産者」とあるのは「更生会社(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第7項に規定する更生会社をいう。)」と、同条第2項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第58条第1項中「破産手続開始」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第1項に規定する更生手続をいう。)開始」と、同条第3項において準用する同法第54条第1項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第9項に規定する更生債権者をいう。)」と、同法第59条第1項中「破産手続」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第1項に規定する更生手続をいう。)」と、同条第2項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「更生債権(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第8項に規定する更生債権をいう。)」と読み替えるものとする。
(取戻権)
第207条 会社更生法第64条第1項の規定は、相互会社の更生手続における更生会社に属しない財産を更生会社から取り戻す権利について準用する。
2 破産法第63条及び第64条の規定は、相互会社について更生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第63条第1項中「破産手続開始の決定」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第1項に規定する更生手続をいう。)開始の決定」と、同項及び同法第64条中「破産管財人」とあるのは「管財人」と、同法第63条第2項中「第53条第1項及び第2項」とあるのは「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第206条第1項において準用する会社更生法第61条第1項及び第2項」と、同条第3項中「第1項」とあるのは「前2項」と、「同項」とあるのは「第1項」と、同法第64条第1項中「破産者」とあるのは「相互会社(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第2条第6項に規定する相互会社をいう。)」と、「破産手続開始」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第1項に規定する更生手続をいう。)開始」と読み替えるものとする。
(取締役等の競業の制限)
第208条 会社更生法第65条の規定は、相互会社についての更生手続開始後その終了までの間において更生会社の取締役、執行役又は清算人が自己又は第三者のために更生会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合について準用する。この場合において、同条第1項中「会社法第356条第1項(同法第419条第2項又は第482条第4項において準用する場合を含む。)」とあるのは「保険業法第53条の15において準用する会社法第356条第1項(保険業法第53条の32において準用する会社法第419条第2項において準用する場合を含む。)又は保険業法第180条の8第4項において準用する会社法第356条第1項」と、「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(取締役等の報酬等)
第209条 会社更生法第66条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人について準用する。この場合において、同条第1項中「会社法第361条第1項」とあるのは「保険業法第53条の28第3項」と、「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と、同条第2項中「会社法第361条第1項(同法第482条第4項において準用する場合を含む。)及び第3項、第379条第1項及び第2項、第387条第1項及び第2項並びに第404条第3項」とあるのは「保険業法第53条の15及び第180条の8第4項において準用する会社法第361条第1項、保険業法第53条の15において準用する会社法第361条第3項、保険業法第53条の17において準用する会社法第379条第1項及び第2項、保険業法第53条の20において準用する会社法第387条第1項及び第2項並びに保険業法第53条の28第3項」と読み替えるものとする。
第3款 管財人
第1目 管財人の選任及び監督
第210条 会社更生法第67条から第71条までの規定は、相互会社の更生手続における管財人について準用する。この場合において、同法第67条第3項中「第100条第1項」とあるのは、「更生特例法第229条において準用する第100条第1項」と読み替えるものとする。
第2目 管財人の権限等
(管財人の権限)
第211条 会社更生法第72条の規定は、相互会社の更生手続における管財人の権限について準用する。この場合において、同条第2項第4号中「第61条第1項」とあるのは「更生特例法第206条第1項において準用する第61条第1項」と、同項第8号中「第64条第1項」とあるのは「更生特例法第207条第1項において準用する第64条第1項」と、同条第7項中「第10条第4項」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
(更生会社の業務及び財産の管理)
第212条 会社更生法第73条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の業務及び財産の管理について準用する。
(当事者適格等)
第213条 会社更生法第74条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の財産関係の訴えについて準用する。この場合において、同条第2項及び第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(郵便物等の管理)
第214条 会社更生法第75条及び第76条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社にあてた郵便物等の管理について準用する。この場合において、同法第75条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(更生会社及び実質子会社に対する調査)
第215条 会社更生法第77条の規定は、相互会社の更生手続における管財人の権限について準用する。この場合において、同条第2項中「子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社」とあるのは、「実質子会社(保険業法第33条の2第1項に規定する実質子会社」と読み替えるものとする。
(管財人の自己取引)
第216条 会社更生法第78条の規定は、相互会社の更生手続における管財人の更生会社との取引について準用する。
(管財人の競業の制限)
第217条 会社更生法第79条の規定は、相互会社の更生手続における管財人が自己又は第三者のために更生会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合について準用する。
(管財人の注意義務)
第218条 会社更生法第80条の規定は、相互会社の更生手続における管財人の職務について準用する。
(管財人の情報提供努力義務)
第218条の2 管財人は、更生債権等である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、更生手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。
(管財人の報酬等)
第219条 管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
2 管財人は、その選任後、更生会社、組織変更後株式会社若しくは更生計画の定めにより設立された相互会社若しくは株式会社に対する債権又は更生会社若しくは更生計画の定めにより設立された相互会社の社員権若しくは組織変更後株式会社若しくは更生計画の定めにより設立された株式会社が発行した株式を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。
3 管財人は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。
4 第1項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前各項の規定は、管財人代理及び第210条において準用する会社更生法第71条の法律顧問について準用する。
(任務終了の場合の報告義務等)
第220条 管財人の任務が終了した場合には、管財人は、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならない。
2 前項の場合において、管財人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の管財人がしなければならない。
3 管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、管財人又はその承継人は、後任の管財人又は更生会社が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
4 第323条において準用する会社更生法第234条第2号から第4号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合には、第331条の10第6項又は第331条の13に規定する場合を除き、管財人は、共益債権を弁済しなければならない。ただし、その存否又は額について争いのある共益債権については、その債権を有する者のために供託をしなければならない。
第3目 更生会社の財産状況の調査
(財産の価額の評定等)
第221条 会社更生法第83条及び第84条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の財産状況の調査について準用する。この場合において、同法第83条第5項中「法務省令」とあるのは「内閣府令」と、同法第84条第1項第3号中「第99条第1項」とあるのは「更生特例法第228条において準用する第99条第1項」と、「第100条第1項」とあるのは「更生特例法第229条において準用する第100条第1項」と読み替えるものとする。
(財産状況報告集会への報告)
第222条 会社更生法第85条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の財産状況を報告するための関係人集会について準用する。この場合において、同条第1項中「前条第1項各号」とあるのは「更生特例法第221条において準用する前条第1項各号」と、同条第3項中「第46条第3項第3号」とあるのは「更生特例法第198条第3項第3号」と読み替えるものとする。
第4款 否認権
(更生債権者等を害する行為の否認)
第223条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
一 更生会社が更生債権者等を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
二 更生会社が支払の停止又は更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この条において「支払の停止等」という。)があった後にした更生債権者等を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 更生会社がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、更生手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、更生会社財産のために否認することができる。
3 更生会社が支払の停止等があった後又はその前6月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)
第223条の2 更生会社が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、更生会社において隠匿、無償の供与その他の更生債権者等を害する処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
二 更生会社が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三 相手方が、当該行為の当時、更生会社が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が更生会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、執行役、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人であるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生会社が同項第2号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
第223条の3 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
一 更生会社が支払不能(更生会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下この条において同じ。)になった後又は更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この条において「更生手続開始の申立て等」という。)があった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
ロ 当該行為が更生手続開始の申立て等があった後にされたものである場合 更生手続開始の申立て等があったこと。
二 更生会社の義務に属せず、又はその時期が更生会社の義務に属しない行為であって、支払不能になる前30日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項第1号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
一 債権者が更生会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、執行役、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人である場合
二 前項第1号に掲げる行為が更生会社の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が更生会社の義務に属しないものである場合
3 第1項各号の規定の適用については、支払の停止(更生手続開始の申立て等の前1年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。
(手形債務支払の場合等の例外)
第224条 前条第1項第1号の規定は、更生会社から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の1人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、管財人は、これらの者に更生会社が支払った金額を償還させることができる。
3 前条第1項の規定は、更生会社が租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)又は第251条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。
(権利変動の対抗要件の否認)
第225条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から15日を経過した後悪意でしたものであるときは、これを否認することができる。ただし、当該仮登記又は当該仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいてされた本登記又は本登録については、この限りでない。
2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。
(否認権行使の効果等)
第226条 会社更生法第89条から第98条までの規定は、相互会社の更生手続における否認権について準用する。この場合において、同法第90条及び第91条第2項中「第86条第3項」とあるのは「更生特例法第223条第3項」と、同法第91条の2第1項及び第4項中「第86条第1項若しくは第3項又は第86条の2第1項」とあるのは「更生特例法第223条第1項若しくは第3項又は第223条の2第1項」と、同条第3項及び同法第93条第1項第2号中「第86条の2第2項各号に掲げる者のいずれか」とあるのは「更生会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、執行役、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人」と、同法第92条中「第86条の3第1項」とあるのは「更生特例法第223条の3第1項」と、同法第94条第1項中「第39条の2第1項」とあるのは「更生特例法第194条の2第1項」と、同項及び同条第3項中「第44条第2項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第44条第2項」と、同項中「第39条の2第2項」とあるのは「更生特例法第194条の2第2項において準用する第39条の2第2項」と、同法第96条第4項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と、同法第97条第6項中「第234条第2号又は第5号」とあるのは「更生特例法第323条において準用する第234条第2号又は第5号」と、「第52条第4項」とあるのは「更生特例法第202条において準用する第52条第4項」と読み替えるものとする。
第227条 削除
第5款 更生会社の役員等の責任の追及
(役員等の財産に対する保全処分)
第228条 会社更生法第99条の規定は、相互会社について更生手続開始の決定があった場合における保全処分について準用する。この場合において、同条第1項第2号中「会社法第52条第1項、第52条の2第1項若しくは第2項、第103条第2項、第213条第1項、第213条の3第1項、第286条第1項又は第286条の3第1項」とあるのは「保険業法第30条の14において準用する会社法第52条第1項」と、同条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(役員等の責任の査定の申立て等)
第229条 会社更生法第100条から第103条までの規定は、前条において準用する同法第99条第1項各号に規定する請求権の査定について準用する。この場合において、同法第100条第1項中「前条第1項各号」とあるのは「更生特例法第228条において準用する前条第1項各号」と、同法第101条第3項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
第6款 担保権消滅の請求等
第1目 担保権消滅の請求
(担保権消滅許可の決定、価額決定の請求等)
第230条 会社更生法第104条から第112条までの規定は、相互会社の更生手続における担保権の消滅について準用する。この場合において、同法第104条第4項及び第6項、第106条第6項並びに第111条第5項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と、同法第109条及び第111条第6項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と、同条第3項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
第2目 債権質の第三債務者の供託
第231条 会社更生法第113条の規定は、相互会社の更生手続における更生担保権に係る質権の目的である金銭債権の債務者について準用する。
第7款 関係人集会
第232条 会社更生法第114条から第116条までの規定は、相互会社の更生手続における関係人集会について準用する。この場合において、同法第114条第1項第2号中「第117条第2項」とあるのは「更生特例法第233条第1項」と、同項第3号中「第117条第6項」とあるのは「更生特例法第233条第2項」と、同項第4号中「第117条第7項に規定する株主委員会」とあるのは「更生特例法第233条第3項に規定する社員委員会」と、同項第6号中「総株主の議決権の10分の1以上を有する」とあるのは「社員(第257条の届出をした社員に限る。以下この号において同じ。)の総数の10分の1以上に当たる数の」と、同法第115条第1項中「第42条第2項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第42条第2項」と、同条第3項中「第46条第3項第3号」とあるのは「更生特例法第198条第3項第3号」と読み替えるものとする。
第8款 更生債権者委員会及び代理委員等
(更生債権者委員会等)
第233条 会社更生法第117条第1項の規定は相互会社の更生手続において更生債権者をもって構成する委員会がある場合について、同条第2項から第5項までの規定はこの項において準用する同条第1項の規定により承認された委員会(以下この章において「更生債権者委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第117条第1項の規定は相互会社の更生手続において更生担保権者をもって構成する委員会がある場合について、同条第2項から第5項までの規定はこの項において準用する同条第1項の規定により承認された委員会(以下この章において「更生担保権者委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
3 会社更生法第117条第1項の規定は相互会社の更生手続において社員をもって構成する委員会がある場合について、同条第2項から第5項までの規定はこの項において準用する同条第1項の規定により承認された委員会(以下この章において「社員委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。この場合において、同条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
(更生債権者委員会の意見聴取等)
第234条 会社更生法第118条から第120条までの規定は、相互会社の更生手続において更生債権者委員会がある場合について準用する。この場合において、同法第118条第1項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と、同法第119条第1項中「第83条第3項若しくは第4項又は第84条」とあるのは「更生特例法第221条において準用する第83条第3項若しくは第4項又は第84条」と、同条第2項中「第12条第1項」とあるのは「更生特例法第176条において準用する第12条第1項」と、同法第120条中「第84条第2項」とあるのは「更生特例法第221条において準用する第84条第2項」と読み替えるものとする。
(更生担保権者委員会及び社員委員会への準用)
第235条 会社更生法第118条から第120条までの規定は、相互会社の更生手続において更生担保権者委員会又は社員委員会がある場合について準用する。この場合において、同法第118条第1項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と、同法第119条第1項中「第83条第3項若しくは第4項又は第84条」とあるのは「更生特例法第221条において準用する第83条第3項若しくは第4項又は第84条」と、同条第2項中「第12条第1項」とあるのは「更生特例法第176条において準用する第12条第1項」と、同法第120条中「第84条第2項」とあるのは「更生特例法第221条において準用する第84条第2項」と読み替えるものとする。
(代理委員)
第236条 会社更生法第122条及び第123条の規定は、相互会社の更生手続における代理委員の選任について準用する。
(報償金等)
第237条 会社更生法第124条の規定は、相互会社の更生手続における費用の償還及び報償金の支払について準用する。
第9款 調査命令
(調査命令)
第238条 裁判所は、更生手続開始後において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする調査委員による調査又は意見陳述を命ずる処分をすることができる。
一 第228条において準用する会社更生法第99条第1項の規定による保全処分又は第229条において準用する同法第100条第1項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分又は決定の要否
二 管財人の作成する貸借対照表及び財産目録の当否並びに更生会社の業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項に関する管財人の報告の当否
三 更生計画案又は更生計画の当否
四 その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項
2 裁判所は、前項の処分(以下この章において「調査命令」という。)をする場合には、当該調査命令において、1人又は数人の調査委員を選任し、かつ、調査委員の調査又は意見陳述の対象となるべき事項及び裁判所に対して報告又は陳述をすべき期間を定めなければならない。
3 会社更生法第125条第3項から第6項までの規定は、相互会社の更生手続における調査命令について準用する。この場合において、同項中「第10条第3項本文」とあるのは、「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と読み替えるものとする。
(管財人に関する規定の調査委員への準用)
第239条 第219条第1項から第4項までの規定並びに会社更生法第67条第2項、第68条、第69条第1項本文、第77条及び第80条の規定は、相互会社の更生手続における調査委員について準用する。この場合において、同法第77条第2項中「子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社」とあるのは、「実質子会社(保険業法第33条の2第1項に規定する実質子会社」と読み替えるものとする。
第4節 共益債権及び開始後債権
第1款 共益債権
(共益債権となる請求権)
第240条 次に掲げる請求権は、共益債権とする。
一 更生債権者等及び社員の共同の利益のためにする裁判上の費用の請求権
二 更生手続開始後の更生会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分に関する費用の請求権
三 更生計画の遂行に関する費用の請求権(更生手続終了後に生じたものを除く。)
四 第219条第1項(第189条第1項、第193条、第219条第5項及び前条において準用する場合を含む。)の規定、第233条において準用する会社更生法第117条第4項の規定、第236条において準用する同法第123条第5項の規定、第237条において準用する同法第124条第1項の規定並びに第255条において準用する同法第162条の規定により支払うべき費用、報酬及び報償金の請求権
五 更生会社の業務及び財産に関し管財人又は更生会社(第211条において準用する会社更生法第72条第4項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復した場合に限る。)が権限に基づいてした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権
六 事務管理又は不当利得により更生手続開始後に更生会社に対して生じた請求権
七 更生会社のために支出すべきやむを得ない費用の請求権で、更生手続開始後に生じたもの(前各号に掲げるものを除く。)
(開始前の借入金等)
第241条 保全管理人が開始前会社の業務及び財産に関し権限に基づいてした資金の借入れその他の行為によって生じた請求権は、共益債権とする。
2 開始前会社(保全管理人が選任されているものを除く。以下この項及び第4項において同じ。)が、更生手続開始の申立て後更生手続開始前に、資金の借入れその他開始前会社の事業の継続に欠くことができない行為をする場合には、裁判所は、その行為によって生ずべき相手方の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。
3 裁判所は、監督委員に対し、前項の許可に代わる承認をする権限を付与することができる。
4 開始前会社が第2項の許可又は前項の承認を得て第2項に規定する行為をしたときは、その行為によって生じた相手方の請求権は、共益債権とする。
(源泉徴収所得税等)
第242条 更生会社に対して更生手続開始前の原因に基づいて生じた源泉徴収に係る所得税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油税、石油ガス税、石油石炭税、特別徴収に係る国際観光旅客税、地方消費税、申告納付の方法により徴収する道府県たばこ税(都たばこ税を含む。)及び市町村たばこ税(特別区たばこ税を含む。)並びに特別徴収義務者が徴収して納入すべき地方税の請求権で、更生手続開始当時まだ納期限の到来していないものは、共益債権とする。
(使用人の給料等)
第243条 相互会社について更生手続開始の決定があった場合において、更生手続開始前6月間の当該相互会社の使用人の給料の請求権及び更生手続開始前の原因に基づいて生じた当該相互会社の使用人の身元保証金の返還請求権は、共益債権とする。
2 前項に規定する場合において、更生計画認可の決定前に退職した当該相互会社の使用人の退職手当の請求権は、退職前6月間の給料の総額に相当する額又はその退職手当の額の3分の1に相当する額のいずれか多い額を共益債権とする。
3 前項の退職手当の請求権で定期金債権であるものは、同項の規定にかかわらず、各期における定期金につき、その額の3分の1に相当する額を共益債権とする。
4 前2項の規定は、第240条の規定により共益債権とされる退職手当の請求権については、適用しない。
5 第1項に規定する場合において、更生手続開始前の原因に基づいて生じた当該相互会社の使用人の預り金の返還請求権は、更生手続開始前6月間の給料の総額に相当する額又はその預り金の額の3分の1に相当する額のいずれか多い額を共益債権とする。
(社債管理者等の費用及び報酬)
第244条 会社更生法第131条の規定は、第196条において準用する同法第43条第1項第5号に規定する社債管理者等について準用する。
(共益債権の取扱い)
第245条 会社更生法第132条及び第133条の規定は、相互会社の更生手続における共益債権の取扱いについて準用する。この場合において、同法第132条第3項中「第72条第4項前段」とあるのは、「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と読み替えるものとする。
第2款 開始後債権
第246条 更生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は更生債権等であるものを除く。)は、開始後債権とする。
2 会社更生法第134条第2項及び第3項の規定は、相互会社の更生手続における開始後債権について準用する。
第5節 更生債権者及び更生担保権者
第1款 更生債権者及び更生担保権者の手続参加
第247条 会社更生法第135条第1項、第136条及び第137条の規定は、相互会社の更生手続における更生債権者等の更生手続への参加について準用する。この場合において、同法第136条第2項第5号中「第142条第2号」とあるのは、「更生特例法第251条第2号」と読み替えるものとする。
2 破産法第104条及び第105条の規定は、相互会社について更生手続が開始された場合における更生債権者等の権利の行使について準用する。この場合において、同法第104条及び第105条中「破産手続開始」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第1項に規定する更生手続をいう。)開始」と、同法第104条第1項、第3項及び第4項並びに第105条中「破産手続に」とあるのは「更生手続(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第1項に規定する更生手続をいう。)に」と、同法第104条第3項から第5項までの規定中「破産者」とあるのは「更生会社(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第7項に規定する更生会社をいう。)」と、同条第4項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者等(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第169条第13項に規定する更生債権者等をいう。)」と読み替えるものとする。
3 第1項において準用する会社更生法第135条第1項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権をもって更生手続に参加するには、共助実施決定を得なければならない。
4 第1項において準用する会社更生法第136条第1項の規定にかかわらず、更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって基金に係る更生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあるときは、当該基金の拠出者は、議決権を有しない。
第2款 更生債権及び更生担保権の届出
(更生債権等の届出)
第248条 会社更生法第138条及び第139条の規定は、相互会社の更生手続における更生債権等の届出について準用する。この場合において、同法第138条第1項中「第42条第1項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第42条第1項」と、同項第1号中「原因」とあるのは「原因(更生債権が保険契約に係る債権である場合において、当該保険契約が保険契約者を社員とするものであるときは、その旨を含む。)」と、同項第2号中「又は約定劣後更生債権」とあるのは「、約定劣後更生債権又は基金に係る更生債権」と読み替えるものとする。
(退職手当の請求権の届出の特例)
第249条 会社更生法第140条第1項及び第2項の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役、清算人、代表清算人又は使用人の退職手当の請求権について準用する。この場合において、同項中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(届出名義の変更)
第250条 会社更生法第141条の規定は、相互会社の更生手続における届出をした更生債権等(更生債権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)を取得した者について準用する。この場合において、同条中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(租税等の請求権等の届出)
第251条 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額、原因及び担保権の内容並びに当該請求権が共助対象外国租税の請求権である場合にはその旨を裁判所に届け出なければならない。
一 租税等の請求権
二 更生手続開始前の罰金等の請求権(更生手続開始前の罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金又は過料の請求権であって、共益債権に該当しないものをいう。)
第252条 削除
第3款 更生債権及び更生担保権の調査及び確定
第1目 更生債権及び更生担保権の調査
(更生債権者表及び更生担保権者表の作成等)
第253条 裁判所書記官は、届出があった更生債権等について、更生債権者表及び更生担保権者表を作成しなければならない。
2 前項の更生債権者表には、各更生債権について、第248条において準用する会社更生法第138条第1項第1号から第3号までに掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。
3 第1項の更生担保権者表には、各更生担保権について、第248条において準用する会社更生法第138条第2項第1号から第3号までに掲げる事項その他最高裁判所規則で定める事項を記載しなければならない。
4 更生債権者表又は更生担保権者表の記載に誤りがあるときは、裁判所書記官は、申立てにより又は職権で、いつでもその記載を更正する処分をすることができる。
(更生債権等の調査)
第254条 会社更生法第145条から第150条までの規定は、相互会社の更生手続における更生債権等(更生債権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)の調査について準用する。この場合において、同法第145条中「前条第2項及び第3項」とあるのは「更生特例法第253条第2項及び第3項」と、同法第146条第1項及び第147条第3項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と、同法第146条第1項第1号中「又は約定劣後更生債権」とあるのは「、約定劣後更生債権又は基金に係る更生債権」と、「議決権の額」とあるのは「議決権の額並びに当該更生債権が保険契約に係る債権である場合(当該保険契約が保険契約者を社員とするものである旨の届出があった場合に限る。)においては社員権及びその議決権」と、同条第2項及び同法第148条第1項中「第139条第1項若しくは第3項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第139条第1項若しくは第3項」と、同法第146条第3項中「第42条第1項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第42条第1項」と、同法第149条第1項中「第140条第2項(同条第3項において準用する場合を含む。)」とあるのは「更生特例法第249条において準用する第140条第2項」と、「第139条第5項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第139条第5項」と読み替えるものとする。
第2目 更生債権及び更生担保権の確定のための裁判手続
(更生債権等査定決定等)
第255条 会社更生法第151条から第163条までの規定は、相互会社の更生手続における更生債権等(更生債権が保険契約に係る債権である場合においては、当該保険契約に係る社員権を含む。)の確定について準用する。この場合において、同法第151条第1項及び第3項並びに第156条第1項中「又は約定劣後更生債権」とあるのは「、約定劣後更生債権又は基金に係る更生債権」と、同法第151条第1項中「第149条第3項前段」とあるのは「更生特例法第254条において準用する第149条第3項前段」と、同条第2項及び第158条第3項中「第149条第4項」とあるのは「更生特例法第254条において準用する第149条第4項」と、同法第151条第5項及び第154条第4項中「第10条第3項本文」とあるのは「更生特例法第175条において準用する第10条第3項本文」と、同法第152条第3項中「第5条第6項」とあるのは「更生特例法第172条において準用する第5条第6項」と、「第7条第3号」とあるのは「更生特例法第173条において準用する第7条第3号」と、「第5条第1項」とあるのは「更生特例法第172条において準用する第5条第1項」と、同法第154条第5項第1号中「第138条第2項第2号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第2項第2号」と、同法第157条中「第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」と、同法第158条第4項中「第147条第1項又は第148条第4項」とあるのは「更生特例法第254条において準用する第147条第1項又は第148条第4項」と、同法第163条第5項中「第52条第4項」とあるのは「更生特例法第202条において準用する第52条第4項」と読み替えるものとする。
第3目 租税等の請求権等についての特例
第256条 会社更生法第164条第1項から第4項までの規定は、相互会社の更生手続における租税等の請求権及び第251条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権について準用する。この場合において、同法第164条第1項中「前2款(第144条を除く。)」とあるのは「更生特例法第3章第5節第3款第1目及び第2目(更生特例法第253条を除く。)」と、同条第2項中「第142条」とあるのは「更生特例法第251条」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第150条第2項の規定は第251条の規定による届出があった請求権について、同法第157条、第160条及び第161条第1項の規定は前項において準用する同法第164条第2項の規定による異議又は同条第3項の規定による受継があった場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第157条中「第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」とあるのは、「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第1号及び第2号並びに第2項第1号及び第2号」と読み替えるものとする。
第6節 社員
(社員の手続参加)
第257条 社員は、保険契約に係る債権の届出をした場合(当該保険契約が保険契約者を社員とするものである旨を届け出た場合に限る。)は、その有する社員権をもって更生手続に参加することができる。
(社員の議決権)
第258条 社員は、各々1個の議決権を有する。
2 前項の規定にかかわらず、更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって債務を完済することができない状態にあるときは、社員は、議決権を有しない。
第7節 更生計画の作成及び認可
第1款 更生計画の条項
(更生計画において定める事項)
第259条 更生計画においては、次に掲げる事項に関する条項を定めなければならない。
一 全部又は一部の更生債権者等又は社員の権利の変更
二 更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人及び清算人
三 共益債権の弁済
四 債務の弁済資金の調達方法
五 更生計画において予想された額を超える収益金の使途
六 次のイ及びロに掲げる金銭の額又は見込額及びこれらの使途
イ 第201条において準用する会社更生法第51条第1項本文に規定する手続又は処分における配当等に充てるべき金銭の額又は見込額
ロ 第230条において準用する会社更生法第108条第1項の規定により裁判所に納付された金銭の額(第230条において準用する同法第112条第2項の場合にあっては、同項の規定により裁判所に納付された金銭の額及び第230条において準用する同法第111条第1項の決定において定める金額の合計額)
七 知れている開始後債権があるときは、その内容
2 第211条において準用する会社更生法第72条第4項前段に定めるもののほか、更生計画においては、第197条第1項各号に掲げる行為、定款の変更、事業譲渡等(保険業法第62条の2第1項第1号から第3号までに掲げる行為をいう。第262条第4号及び第301条の2において同じ。)、業務及び財産の管理の委託(保険業法第144条第1項に規定する業務及び財産の管理の委託をいう。以下この章及び次章第2節において同じ。)、相互会社又は株式会社の設立その他更生のために必要な事項に関する条項を定めることができる。
(更生計画による権利の変更)
第260条 次に掲げる種類の権利を有する者についての更生計画の内容は、同一の種類の権利を有する者の間では、それぞれ平等でなければならない。ただし、不利益を受ける者の同意がある場合又は少額の更生債権等若しくは第247条第1項において準用する会社更生法第136条第2項第1号から第3号までに掲げる請求権について別段の定めをしても衡平を害しない場合その他同一の種類の権利を有する者の間に差を設けても衡平を害しない場合は、この限りでない。
一 更生担保権
二 一般の先取特権その他一般の優先権がある更生債権
三 前号、次号及び第5号に掲げるもの以外の更生債権
四 約定劣後更生債権
五 基金に係る更生債権
六 社員権
2 前項第2号の更生債権について、優先権が一定の期間内の債権額につき存在する場合には、その期間は、更生手続開始の時からさかのぼって計算する。
3 会社更生法第168条第3項から第7項まで及び第169条から第172条までの規定は、相互会社の更生手続における更生計画について準用する。この場合において、同法第168条第3項中「第1項各号」とあるのは「更生特例法第260条第1項各号」と、同条第4項及び第7項中「第142条第2号」とあるのは「更生特例法第251条第2号」と、同法第172条中「第151条第1項本文」とあるのは「更生特例法第255条において準用する第151条第1項本文」と読み替えるものとする。
(更生会社の取締役等)
第261条 次の各号に掲げる条項においては、当該各号に定める事項を定めなければならない。
一 更生会社の取締役に関する条項(次号及び第3号に掲げるものを除く。) 取締役及び代表取締役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
二 更生会社が更生計画認可の決定の時において監査等委員会設置会社(保険業法第4条第1項第3号に規定する監査等委員会設置会社をいう。以下この章において同じ。)となる場合における更生会社の取締役に関する条項 監査等委員(同法第2条第19項に規定する監査等委員をいう。以下この章において同じ。)である取締役及びそれ以外の取締役並びに代表取締役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
三 更生会社が更生計画認可の決定の時において指名委員会等設置会社(保険業法第4条第1項第3号に規定する指名委員会等設置会社をいう。以下この章において同じ。)となる場合における更生会社の取締役に関する条項 取締役及び各委員会(同法第53条の24第1項に規定する各委員会をいう。以下この章において同じ。)の委員の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
四 更生会社が更生計画認可の決定の時において会計参与設置会社(保険業法第8条の2第1項第2号に規定する会計参与設置会社をいう。以下この章において同じ。)となる場合における更生会社の会計参与に関する条項 会計参与の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
五 更生会社が更生計画認可の決定の時において監査役設置会社(保険業法第30条の11第1項に規定する監査役設置会社をいう。以下この章において同じ。)となる場合における更生会社の監査役に関する条項 監査役の氏名又はその選任の方法及び任期
六 更生会社が更生計画認可の決定の時において会計監査人設置会社(保険業法第53条の22第3項に規定する会計監査人設置会社をいう。以下この章において同じ。)となる場合における更生会社の会計監査人に関する条項 会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
七 更生会社が更生計画認可の決定の時において指名委員会等設置会社となる場合における更生会社の執行役に関する条項 執行役及び代表執行役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
2 更生会社が更生計画認可の決定の時において清算相互会社(保険業法第180条の2に規定する清算相互会社をいう。)となる場合には、次の各号に掲げる条項において、当該各号に定める事項を定めなければならない。
一 更生会社の清算人に関する条項(次号に掲げるものを除く。) 清算人の氏名又はその選任の方法及び任期
二 更生会社が更生計画認可の決定の時において代表清算人を定める場合における更生会社の清算人に関する条項 清算人及び代表清算人の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
三 更生会社の監査役に関する条項 監査役の氏名又はその選任の方法及び任期
(剰余金の分配等)
第262条 次に掲げる行為に関する条項においては、更生手続が行われていない場合に当該行為を行うとすれば社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議その他の相互会社の機関の決定が必要となる事項を定めなければならない。
一 剰余金の分配
二 基金償却積立金の取崩し
三 定款の変更
四 事業譲渡等
五 保険契約の移転をし、又は保険契約の移転を受けること。
六 業務及び財産の管理の委託
(基金の募集)
第263条 基金の募集に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 保険業法第60条の2第1項第2号及び第3号に掲げる事項
二 第296条において準用する会社更生法第205条第1項の規定により更生計画の定めに従い更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が保険業法第60条の2第2項の申込みをしたときは基金の拠出の額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
三 更生債権者等又は社員に対して保険業法第60条の2第2項の申込みをすることにより更生会社の基金の拠出の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該基金の拠出の申込みの期日
四 前号に規定する場合には、更生債権者等又は社員に対する基金の拠出の割当てに関する事項
(募集社債を引き受ける者の募集)
第264条 募集社債を引き受ける者の募集に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 保険業法第61条各号に掲げる事項
二 募集社債が担保付社債であるときは、その担保権の内容及び担保付社債信託法(明治38年法律第52号)第2条第1項に規定する信託契約の受託会社の商号
三 第296条において準用する会社更生法第205条第1項の規定により更生計画の定めに従い更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が保険業法第61条の2第2項の申込みをしたときは募集社債の払込金額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
四 更生債権者等又は社員に対して保険業法第61条の2第2項の申込みをすることにより更生会社の募集社債の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該募集社債の引受けの申込みの期日
五 前号に規定する場合には、更生債権者等又は社員に対する募集社債の割当てに関する事項
(更生債権者等又は社員の権利の消滅と引換えにする基金の拠出の割当て等)
第265条 更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする基金の拠出の割当てに関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新たに募集する基金の額
二 更生債権者等又は社員が有する権利及びその償却の方法
三 更生債権者等又は社員に対する基金の割当てに関する事項
2 更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする社債の発行に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 発行する社債の総額
二 発行する各社債の金額
三 発行する社債の利率
四 発行する社債の償還の方法及び期限
五 保険業法第61条第5号から第8号まで及び第12号に掲げる事項
六 発行する社債が担保付社債であるときは、その担保権の内容及び担保付社債信託法第2条第1項に規定する信託契約の受託会社の商号
七 更生債権者等又は社員に対する発行する社債の割当てに関する事項
(組織変更)
第266条 組織変更に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更計画において定めるべき事項(保険業法第86条第4項第3号及び第4号に掲げる事項並びに次条第1号及び第268条第1号に掲げる事項を除く。)
二 組織変更後株式会社の取締役の氏名又はその選任の方法及び任期並びに組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合には監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役のいずれであるかの別
三 次のイからホまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからホまでに定める事項
イ 組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合 会計参与の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
ロ 組織変更後株式会社が監査役設置会社である場合 代表取締役及び監査役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
ハ 組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合 会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
ニ 組織変更後株式会社が監査等委員会設置会社である場合 代表取締役の氏名又はその選定の方法及び任期
ホ 組織変更後株式会社が指名委員会等設置会社である場合 各委員会の委員、執行役及び代表執行役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
四 組織変更後株式会社が組織変更に際して更生債権者等に対して株式等(株式又は金銭をいう。以下この章において同じ。)を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が組織変更後株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該組織変更後株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式等の割当てに関する事項
六 第296条において準用する会社更生法第205条第1項の規定により更生計画の定めに従い更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が保険業法第93条第2項の申込みをしたときは組織変更後株式会社の組織変更時発行株式(同法第92条第1号に規定する組織変更時発行株式をいう。以下この章において同じ。)の払込金額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
七 更生債権者等又は社員に対して保険業法第93条第2項の申込みをすることにより組織変更後株式会社の組織変更時発行株式の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該組織変更時発行株式の引受けの申込みの期日
八 前号に規定する場合には、更生債権者等又は社員に対する組織変更時発行株式の割当てに関する事項
九 第307条第3項の規定により組織変更時発行株式の一部を発行しないで組織変更をする場合における組織変更に際して発行すべき組織変更時発行株式の下限の数
2 会社更生法第175条から第177条までの規定は、組織変更後株式会社の募集株式(会社法第199条第1項に規定する募集株式をいう。以下この章において同じ。)、募集新株予約権(会社法第238条第1項に規定する募集新株予約権をいい、当該募集新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)又は募集社債(新株予約権付社債についてのものを除く。以下この章において同じ。)を引き受ける者の募集に関する条項について準用する。この場合において、会社更生法第175条第2号、第176条第2号及び第177条第3号中「第205条第1項」とあるのは、「更生特例法第296条において準用する第205条第1項」と読み替えるものとする。
(組織変更株式交換)
第267条 組織変更株式交換に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更株式交換契約において定めるべき事項
二 組織変更株式交換完全親会社(保険業法第96条の5第1項に規定する組織変更株式交換完全親会社をいう。以下この条において同じ。)が組織変更株式交換に際して更生債権者等に対して株式等を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が組織変更株式交換完全親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該組織変更株式交換完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式等の割当てに関する事項
四 組織変更株式交換完全親会社が組織変更株式交換に際して更生会社の社員に対して当該組織変更株式交換完全親会社の社債等(社債又は新株予約権をいう。以下この章において同じ。)を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が組織変更株式交換完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が組織変更株式交換完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が組織変更株式交換完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、更生会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項
(組織変更株式移転)
第268条 組織変更株式移転に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更計画において定めるべき事項(組織変更株式移転に関するものに限る。)
二 組織変更株式移転設立完全親会社(保険業法第96条の8第1項に規定する組織変更株式移転設立完全親会社をいう。以下この章において同じ。)が組織変更株式移転に際して更生債権者等に対して株式等を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が組織変更株式移転設立完全親会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該組織変更株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式等の割当てに関する事項
四 組織変更株式移転設立完全親会社が組織変更株式移転に際して更生会社の社員に対して当該組織変更株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が組織変更株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が組織変更株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が組織変更株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、更生会社の社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項
(解散)
第269条 会社更生法第178条の規定は、相互会社の更生手続における更生会社の解散に関する条項について準用する。
(吸収合併)
第270条 吸収合併(更生会社が消滅する吸収合併(保険業法第160条に規定する吸収合併をいう。以下この章において同じ。)であって、吸収合併後存続する会社(以下この条において「吸収合併存続会社」という。)が相互会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 吸収合併存続会社が吸収合併に際して更生債権者等を当該吸収合併存続会社の基金の拠出者とするときは、基金の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の基金の割当てに関する事項
四 吸収合併存続会社が吸収合併に際して更生会社の社員に対して当該吸収合併存続会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、更生会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項
2 吸収合併(更生会社が消滅する吸収合併であって、吸収合併存続会社が株式会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 吸収合併存続会社が吸収合併に際して更生債権者等に対して株式等を交付するときは、当該株式等についての次に掲げる事項
イ 当該株式等が吸収合併存続会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該吸収合併存続会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該株式等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式等の割当てに関する事項
四 吸収合併存続会社が吸収合併に際して更生会社の基金の拠出者又は社員に対して当該吸収合併存続会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が吸収合併存続会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が吸収合併存続会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が吸収合併存続会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、更生会社の基金の拠出者又は社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項
3 吸収合併(更生会社が吸収合併存続会社となるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 更生会社が吸収合併に際して吸収合併により消滅する会社(以下この章において「吸収合併消滅会社」という。)の社員に対して当該更生会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項
(新設合併)
第271条 新設合併(更生会社が消滅する新設合併(保険業法第161条第1項に規定する新設合併をいう。以下この章において同じ。)であって、新設合併により設立する会社(以下この章において「新設合併設立会社」という。)が相互会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立会社が新設合併に際して更生債権者等を当該新設合併設立会社の基金の拠出者とするときは、基金の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の基金の割当てに関する事項
四 新設合併設立会社が新設合併に際して新設合併により消滅する会社(以下この章において「新設合併消滅会社」という。)の社員に対して当該新設合併設立会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、新設合併消滅会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項
2 新設合併(更生会社が消滅する新設合併であって、新設合併設立会社が株式会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立会社が新設合併に際して更生債権者等に対して当該新設合併設立会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立会社の資本金及び準備金の額に関する事項
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式の割当てに関する事項
四 新設合併設立会社が新設合併に際して新設合併消滅会社の基金の拠出者若しくは社員又は株主に対して当該新設合併設立会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が新設合併設立会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が新設合併設立会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が新設合併設立会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、新設合併消滅会社の基金の拠出者若しくは社員又は株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項
(新相互会社の設立)
第272条 相互会社の設立に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、新設合併により相互会社を設立する場合は、この限りでない。
一 設立する相互会社(以下この条において「新相互会社」という。)についての保険業法第23条第1項第1号から第4号まで及び第8号に掲げる事項
二 新相互会社の定款で定める事項(前号に掲げる事項に係るものを除く。)
三 第296条において準用する会社更生法第205条第1項の規定により更生計画の定めに従い更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部が消滅した場合において、これらの者が保険業法第28条第2項の申込みをしたときは新相互会社の拠出すべき基金の額の全部又は一部の払込みをしたものとみなすこととするときは、その旨
四 更生計画により、更生債権者等又は社員に対して保険業法第28条第2項の申込みをすることにより新相互会社の基金の拠出の割当てを受ける権利を与えるときは、その旨及び当該基金の拠出の申込みの期日
五 前号に規定する場合には、更生債権者等又は社員に対する基金の拠出の割当てに関する事項
六 更生会社から新相互会社に移転すべき財産及びその額
七 新相互会社の設立時取締役の氏名又はその選任の方法及び新相互会社が監査等委員会設置会社である場合には設立時監査等委員(保険業法第30条の10第2項に規定する設立時監査等委員をいう。第9号において同じ。)である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役のいずれであるかの別
八 次のイからホまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからホまでに定める事項
イ 新相互会社が会計参与設置会社である場合 設立時会計参与の氏名若しくは名称又はその選任の方法
ロ 新相互会社が監査役設置会社である場合 設立時代表取締役及び設立時監査役の氏名又はその選任若しくは選定の方法
ハ 新相互会社が会計監査人設置会社である場合 設立時会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法
ニ 新相互会社が監査等委員会設置会社である場合 設立時代表取締役の氏名又はその選定の方法
ホ 新相互会社が指名委員会等設置会社である場合 設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役の氏名又はその選任若しくは選定の方法
九 新相互会社の設立時取締役(新相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役、設立時代表取締役、設立時委員、設立時執行役、設立時代表執行役又は設立時会計監査人(第316条第5項において「設立時取締役等」という。)が新相互会社の成立後において取締役(新相互会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役又は会計監査人(同項において「新相互会社取締役等」という。)となった場合における当該新相互会社取締役等の任期
十 新相互会社が募集社債を引き受ける者の募集をするときは、第264条各号に掲げる事項
十一 新相互会社が更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部の消滅と引換えに新相互会社の設立時の基金の拠出の割当て又は新相互会社の社債の発行をするときは、第265条第1項各号又は第2項各号に掲げる事項
(新株式会社の設立)
第273条 会社更生法第183条の規定は、相互会社の更生手続における株式会社の設立に関する条項について準用する。この場合において、同条中「新設合併、新設分割又は株式移転」とあるのは「新設合併(保険業法第161条第1項に規定する新設合併をいう。)又は組織変更株式移転(同法第96条の8第1項に規定する組織変更株式移転をいう。)」と、同条第4号中「第205条第1項」とあるのは「更生特例法第296条において準用する第205条第1項」と、同号から同条第6号まで及び同条第13号中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとする。
第274条 削除
第275条 削除
第276条 削除
第2款 更生計画案の提出
(更生計画案の提出時期)
第277条 会社更生法第184条の規定は、相互会社の更生手続における更生計画案の作成及び提出について準用する。この場合において、同条第1項中「第138条第1項」とあるのは、「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と読み替えるものとする。
(事業の全部の廃止を内容とする更生計画案)
第278条 更生会社の事業を当該更生会社が継続し(組織を変更する場合を含む。)、又は当該事業を事業の譲渡、保険契約の移転、合併若しくは相互会社若しくは株式会社の設立により他の者が継続することを内容とする更生計画案の作成が困難であることが更生手続開始後に明らかになったときは、裁判所は、前条において準用する会社更生法第184条第1項又は第2項に規定する者の申立てにより、更生会社の事業の全部の廃止を内容とする更生計画案の作成を許可することができる。ただし、債権者の一般の利益を害するときは、この限りでない。
2 会社更生法第185条第2項の規定は、前項本文の許可について準用する。
(更生計画案の修正)
第279条 会社更生法第186条の規定は、相互会社の更生手続における更生計画案の修正について準用する。
(行政庁の意見)
第280条 会社更生法第187条の規定は、相互会社の更生手続における行政庁の許可、認可、免許その他の処分を要する事項を定めた更生計画案について準用する。この場合において、同条中「前条」とあるのは、「更生特例法第279条において準用する前条」と読み替えるものとする。
(更生会社の労働組合等の意見)
第281条 裁判所は、更生計画案について、第198条第3項第3号に規定する労働組合等の意見を聴かなければならない。第279条において準用する会社更生法第186条の規定による修正があった場合における修正後の更生計画案についても、同様とする。
第3款 更生計画案の決議
(決議に付する旨の決定)
第282条 会社更生法第189条の規定は、相互会社の更生手続において更生計画案の提出があった場合について準用する。この場合において、同条第1項第1号中「第146条第3項」とあるのは「更生特例法第254条において準用する第146条第3項」と、同項第2号中「第84条第1項」とあるのは「更生特例法第221条において準用する第84条第1項」と、「第85条第1項」とあるのは「更生特例法第222条において準用する第85条第1項」と、同項第3号中「第199条第2項各号」とあるのは「更生特例法第290条第2項において準用する第199条第2項各号」と、同項第4号中「第236条第2号」とあるのは「更生特例法第325条第1項において準用する第236条第2号」と、同条第2項中「第193条第2項」とあるのは「更生特例法第286条において準用する第193条第2項」と、同条第3項中「第115条第1項本文」とあるのは「更生特例法第232条において準用する第115条第1項本文」と、同条第5項中「第114条第1項各号」とあるのは「更生特例法第232条において準用する第114条第1項各号」と読み替えるものとする。
(社債権者の議決権の行使に関する制限)
第283条 会社更生法第190条の規定は、相互会社についての更生債権等である社債を有する社債権者について準用する。この場合において、同条第1項中「第43条第1項第5号」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第43条第1項第5号」と、同条第3項中「会社法第706条第1項」とあるのは「保険業法第61条の7第4項」と読み替えるものとする。
(関係人集会が開催される場合における議決権の額又は数の定め方等)
第284条 裁判所が議決権行使の方法として第282条において準用する会社更生法第189条第2項第1号又は第3号に掲げる方法を定めた場合においては、管財人、届出をした更生債権者等又は社員は、関係人集会の期日において、届出をした更生債権者等又は社員の議決権につき異議を述べることができる。ただし、第254条において準用する同法第150条第1項の規定によりその額が確定した届出をした更生債権者等の議決権及び同項の規定により確定した社員の議決権については、この限りでない。
2 前項本文に規定する場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額又は数に応じて、議決権を行使することができる。
一 第254条において準用する会社更生法第150条第1項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出をした更生債権者等 確定した額
二 前項本文の異議のない議決権を有する届出をした更生債権者等 届出の額
三 第254条において準用する会社更生法第150条第1項の規定により確定した社員権を有する社員又は前項本文の異議のない議決権を有する社員 1個
四 前項本文の異議のある議決権を有する届出をした更生債権者等又は社員 裁判所が定める額又は数。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。
3 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第4号の規定による決定を変更することができる。
(関係人集会が開催されない場合における議決権の額又は数の定め方等)
第285条 裁判所が議決権行使の方法として第282条において準用する会社更生法第189条第2項第2号に掲げる方法を定めた場合においては、議決権者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額又は数に応じて、議決権を行使することができる。
一 第254条において準用する会社更生法第150条第1項の規定によりその額が確定した議決権を有する届出をした更生債権者等 確定した額
二 届出をした更生債権者等(前号に掲げるものを除く。) 裁判所が定める額。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。
三 第254条において準用する会社更生法第150条第1項の規定により確定した社員権を有する社員 1個
四 届出をした社員(前号に掲げるものを除く。) 1個。ただし、裁判所が議決権を行使させない旨を定めたときは、議決権を行使することができない。
2 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも前項第2号又は第4号の規定による決定を変更することができる。
(議決権の行使の方法等)
第286条 会社更生法第193条から第195条までの規定は、相互会社の更生手続における議決権について準用する。この場合において、同法第193条第2項中「第189条第2項前段」とあるのは「更生特例法第282条において準用する第189条第2項前段」と、同法第194条第1項中「、更生担保権者表又は株主名簿に記載され、又は記録されている」とあるのは「又は更生担保権者表に記載されている」と、同法第195条中「第200条第2項」とあるのは「更生特例法第291条において準用する第200条第2項」と読み替えるものとする。
(更生計画案の可決の要件)
第287条 会社更生法第196条の規定は、相互会社の更生手続における更生計画案の決議について準用する。この場合において、同条第1項及び第2項中「第168条第1項各号」とあるのは「更生特例法第260条第1項各号」と、同項及び同条第5項第3号中「株式」とあるのは「社員権」と読み替えるものとする。
(更生計画案の変更)
第288条 会社更生法第197条の規定は、相互会社の更生手続における更生計画案の変更について準用する。この場合において、同条中「第189条第2項第1号又は第3号」とあるのは、「更生特例法第282条において準用する第189条第2項第1号又は第3号」と読み替えるものとする。
(関係人集会の期日の続行)
第289条 会社更生法第198条の規定は、相互会社の更生手続における関係人集会の期日の続行について準用する。この場合において、同条第1項中「第189条第2項第1号又は第3号」とあるのは「更生特例法第282条において準用する第189条第2項第1号又は第3号」と、「第196条第1項」とあるのは「更生特例法第287条において準用する第196条第1項」と、同項第3号中「株式」とあるのは「社員権」と読み替えるものとする。
第4款 更生計画の認可又は不認可の決定
(更生計画認可の要件等)
第290条 更生計画案が可決されたときは、裁判所は、更生計画の認可又は不認可の決定をしなければならない。
2 会社更生法第199条第2項から第7項までの規定は、相互会社の更生計画の認可又は不認可の決定について準用する。この場合において、同条第2項第5号中「会社と共に第45条第1項第7号」とあるのは「相互会社又は株式会社と共に更生特例法第197条第1項第7号、第8号又は第10号」と、「前項」とあるのは「更生特例法第290条第1項」と、「会社が」とあるのは「相互会社又は株式会社が」と、同項第6号中「第187条」とあるのは「更生特例法第280条において準用する第187条」と、同条第4項中「前2項又は次条第1項」とあるのは「前2項の規定又は更生特例法第291条において準用する次条第1項」と、同条第5項中「第115条第1項本文」とあるのは「更生特例法第232条において準用する第115条第1項本文」と、同項及び同条第7項中「第46条第3項第3号」とあるのは「更生特例法第198条第3項第3号」と読み替えるものとする。
(同意を得られなかった種類の権利がある場合の認可)
第291条 会社更生法第200条第1項の規定は第287条において準用する同法第196条第1項に規定する種類の権利の一部に同条第5項の要件を満たす同意を得られなかったものがあるため更生計画案が可決されなかった場合について、同法第200条第2項及び第3項の規定は更生計画案につき第287条において準用する同法第196条第1項に規定する種類の権利の一部に同条第5項の要件を満たす同意を得られないことが明らかなものがある場合について、それぞれ準用する。
(更生計画の効力発生の時期)
第292条 更生計画は、認可の決定の時から、効力を生ずる。
(更生計画認可の決定等に対する即時抗告)
第293条 会社更生法第202条の規定は、相互会社の更生計画の認可又は不認可の決定に対する即時抗告について準用する。この場合において、同条第2項中「第168条第1項第4号から第6号まで」とあるのは「更生特例法第260条第1項第4号又は第6号」と、同条第5項中「第13条」とあるのは「更生特例法第177条」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する会社更生法第202条第1項の規定にかかわらず、更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって基金に係る更生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合には、基金の拠出者は、更生計画の内容が第260条第1項第5号に違反することを理由とする場合を除き、即時抗告をすることができない。
第8節 更生計画認可後の手続
第1款 更生計画認可の決定の効力
(更生計画の効力範囲)
第294条 更生計画は、次に掲げる者のために、かつ、それらの者に対して効力を有する。
一 更生会社
二 すべての更生債権者等及び社員
三 更生会社の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供する者
四 組織変更後株式会社
五 更生計画の定めるところにより組織変更株式移転(共同してするものを除く。)により設立される株式会社又は新株式会社(更生計画の定めるところにより第273条において準用する会社更生法第183条に規定する条項により設立される株式会社をいう。以下この章において同じ。)
六 新相互会社(更生計画の定めるところにより第272条に規定する条項により設立される相互会社をいう。以下この章において同じ。)
2 更生計画は、更生債権者等が更生会社の保証人その他更生会社と共に債務を負担する者に対して有する権利及び更生会社以外の者が更生債権者等のために提供した担保に影響を及ぼさない。
(更生債権等の免責等)
第295条 更生計画認可の決定があったときは、次に掲げる権利を除き、更生会社は、全ての更生債権等につきその責任を免れ、社員の権利及び更生会社の財産を目的とする担保権は全て消滅する。
一 更生計画の定め又はこの章の規定によって認められた権利
二 更生手続開始後に更生会社の取締役等(取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役、清算人又は代表清算人をいう。)又は使用人であった者で、更生計画認可の決定後も引き続きこれらの職に在職しているものの退職手当の請求権
三 第251条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権
四 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)のうち、これを免れ、若しくは免れようとし、不正の行為によりその還付を受け、又は徴収して納付し、若しくは納入すべきものを納付せず、若しくは納入しなかったことにより、更生手続開始後懲役若しくは罰金に処せられ、又は国税通則法第157条第1項若しくは地方税法第22条の28第1項の規定による通告の旨を履行した場合における、免れ、若しくは免れようとし、還付を受け、又は納付せず、若しくは納入しなかった額の租税等の請求権で届出のないもの
2 前項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責及び担保権の消滅の効力は、租税条約等実施特例法第11条第1項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。
3 会社更生法第204条第2項の規定は、相互会社の更生手続において更生計画認可の決定があった場合における第1項第3号及び第4号に掲げる請求権について準用する。
(届出をした更生債権者等の権利の変更等)
第296条 会社更生法第205条第1項、第2項及び第5項並びに第206条から第208条までの規定は、相互会社の更生手続における更生計画認可の決定について準用する。この場合において、同法第205条第2項中「更生債権者等」とあるのは「更生債権者等又は社員」と、同項及び同法第206条第2項中「更生債権等」とあるのは「更生債権等又は社員権」と、同項中「第203条第1項第4号に掲げる持分会社、同項第5号に掲げる会社」とあるのは「更生特例法第294条第1項第4号及び第5号に掲げる株式会社、同項第6号に規定する新相互会社」と、「及び」とあるのは「並びに」と、同法第207条中「第169条第1項」とあるのは「更生特例法第260条第3項において準用する第169条第1項」と、同法第208条中「第50条第1項」とあるのは「更生特例法第201条において準用する第50条第1項」と、「第24条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第184条において準用する第24条第1項第2号」と、「第50条第5項」とあるのは「更生特例法第201条において準用する第50条第5項」と読み替えるものとする。
第2款 更生計画の遂行
(更生計画の遂行)
第297条 会社更生法第209条(第3項を除く。)の規定は、相互会社の更生手続における更生計画について準用する。この場合において、同条第1項中「更生会社」とあるのは「更生特例法第169条第7項に規定する更生会社(更生特例法第197条第1項に規定する組織変更後株式会社を含む。)」と、同条第2項中「第203条第1項第5号に掲げる会社」とあるのは「更生特例法第294条第1項第5号に掲げる株式会社及び同項第6号に規定する新相互会社」と、同条第4項中「第72条第4項前段」とあるのは「更生特例法第211条において準用する第72条第4項前段」と、同項第2号中「第151条第1項本文」とあるのは「更生特例法第255条において準用する第151条第1項本文」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第209条第3項の規定は、新相互会社に対する管財人の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「会計監査人」と読み替えるものとする。
3 会社更生法第209条第3項の規定は、組織変更後株式会社に対する管財人及び調査委員の報告徴収及び検査並びに第294条第1項第5号に掲げる株式会社に対する管財人の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同法第209条第3項中「会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「会計監査人」と読み替えるものとする。
(社員総会の決議等に関する法令の規定等の排除)
第298条 更生計画の遂行については、保険業法その他の法令又は定款の規定にかかわらず、更生会社、組織変更後株式会社、新相互会社又は新株式会社の社員総会(総代会を設けているときは、総代会)の決議、株主総会の決議その他の機関の決定を要しない。
2 更生計画の遂行については、会社法その他の法令の規定にかかわらず、組織変更後株式会社又は新株式会社の株主は、組織変更後株式会社又は新株式会社に対し、自己の有する株式を買い取ることを請求することができない。
3 更生計画の遂行については、会社法第828条第1項各号(保険業法第30条の15、第57条第6項、第60条の2第5項及び第171条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第2項各号並びに第829条並びに保険業法第96条の16第1項及び第2項の規定にかかわらず、更生会社、組織変更後株式会社、新相互会社又は新株式会社の社員等(保険業法第84条の2第2項に規定する社員等をいう。)、株主等(会社法第828条第2項第1号に規定する株主等をいう。)、新株予約権者、破産管財人又は債権者は、会社法第828条第1項各号に掲げる行為の無効の訴え若しくは保険業法第96条の16第1項の組織変更の無効の訴え又は会社法第829条各号に掲げる行為が存在しないことの確認の訴えを提起することができない。
(更生会社の取締役等に関する特例)
第299条 第261条の規定により更生計画において取締役(更生会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項及び次項において同じ。)、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役、会計監査人、清算人又は代表清算人の氏名又は名称を定めたときは、これらの者は、更生計画認可の決定の時に、それぞれ、取締役、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役、会計監査人、清算人又は代表清算人となる。
2 第261条の規定により更生計画において取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人の選任の方法を定めたときは、これらの者の選任は、更生計画に定める方法による。
3 第261条第1項第1号から第3号まで若しくは第7号又は第2項第2号の規定により更生計画において代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人の選定の方法を定めたときは、これらの者の選定は、更生計画に定める方法による。
4 更生会社の従前の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人は、更生計画認可の決定の時に退任する。ただし、第1項の規定により引き続き取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人となることを妨げない。
5 前項の規定は、更生会社の従前の代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人について準用する。
6 第1項から第3項までの規定により取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人に選任された者の任期及びこれらの規定により代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人に選定された者の任期は、更生計画の定めるところによる。
(基金償却積立金の取崩しに関する特例)
第300条 第262条第2号の規定により更生計画において更生会社の基金償却積立金の取崩しをすることを定めた場合には、保険業法第57条第4項の規定は、適用しない。
(定款の変更に関する特例)
第301条 会社更生法第213条の規定は、第262条第3号の規定により相互会社の更生手続における更生計画において更生会社の定款を変更することを定めた場合について準用する。
(事業譲渡等に関する特例)
第301条の2 第262条第4号の規定により更生計画において事業譲渡等(保険業法第62条の2第1項第1号又は第2号に掲げる行為に限る。)をすることを定めた場合には、同法第21条第1項において準用する会社法第23条の2の規定は、更生会社の債権者については、適用しない。
(保険契約の移転等に関する特例)
第302条 第262条第5号の規定により更生計画において更生会社が同号に掲げる行為をすることを定めた場合には、保険業法第136条の2、第137条及び第138条第2項(これらの規定を同法第272条の29において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
2 前項に規定する場合における更生会社に対する保険業法第138条第1項(同法第272条の29において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同項中「第136条第1項の決議」とあるのは、「保険契約の移転を内容とする更生計画認可の決定」とする。
3 第1項に規定する場合において、第262条第4号の規定により更生計画において更生会社が事業の譲渡をすることを定めたときにおける当該更生会社に対する保険業法第143条第1項の規定の適用については、同項中「保険金信託業務を行う相互会社が保険契約の全部に係る保険契約の移転の決議をした場合で、当該保険金信託業務に係る事業の譲渡について社員総会(総代会を設けているときは、総代会)又は取締役会の決議をした」とあるのは「保険金信託業務を行う相互会社について保険契約の全部に係る保険契約の移転及び当該保険金信託業務に係る事業の譲渡を内容とする更生計画認可の決定があった」と、「当該決議をした」とあるのは「当該決定のあった」と、「当該決議の」とあるのは「当該決定の」とする。
(基金の募集に関する特例)
第303条 第263条第3号の規定により更生計画において更生債権者等又は社員に対して同号の基金の拠出の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第117条において準用する同法第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 当該更生債権者等又は社員が割当てを受ける権利を有する基金の拠出の内容
二 第263条第3号の期日
三 第263条第3号の基金の拠出の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
2 前項の規定による通知又は公告は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
3 第263条第3号の基金の拠出の割当てを受ける権利を有する者は、更生会社が第1項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに基金の拠出の申込みをしないときは、当該権利を失う。
4 第1項に規定する場合において、第263条第3号の基金の拠出の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は社員がその割当てを受ける基金の額に1円に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
(募集社債を引き受ける者の募集に関する特例)
第304条 第264条第4号の規定により更生計画において更生債権者等又は社員に対して同号の募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律第117条において準用する同法第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、当該事項を公告しなければならない。
一 当該更生債権者等又は社員が割当てを受ける募集社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額
二 第264条第4号の期日
三 第264条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
2 前項の規定による通知又は公告は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
3 第264条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を有する者は、更生会社が第1項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集社債の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
4 第1項に規定する場合において、第264条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は社員がその割当てを受ける募集社債の数に1に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
(更生債権者等又は社員の権利の消滅と引換えにする基金の拠出の割当て等に関する特例)
第305条 第265条第1項の規定により更生計画において更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部の消滅と引換えに基金の拠出の割当てをすることを定めた場合には、更生債権者等又は社員は、更生計画認可の決定の時に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同号の基金の拠出者となる。
2 第265条第2項の規定により更生計画において更生債権者等又は社員の権利の全部又は一部の消滅と引換えに社債を発行することを定めた場合には、更生債権者等又は社員は、更生計画認可の決定の時に、同項第7号に掲げる事項についての定めに従い、同号の社債の社債権者となる。
(組織変更に関する特例)
第306条 第266条第1項の規定により更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合において、同項第4号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、組織変更がその効力を生ずる日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、同項第4号イの株式の株主となる。
2 会社更生法第211条第1項から第3項まで及び第6項の規定は、第266条第1項の規定により更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合について準用する。この場合において、同法第211条第1項及び第2項中「第173条」とあるのは「更生特例法第266条第1項第2号又は第3号」と、同条第1項、第3項及び第6項中「各委員会」とあるのは「各委員会(更生特例法第261条第1項第3号に規定する各委員会をいう。)」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「組織変更の効力が生じた」と、同条第3項中「第173条第1項第2号から第4号まで若しくは第8号又は第2項第2号」とあるのは「更生特例法第266条第1項第3号ロ、ニ又はホ」と、同項及び同条第6項中「、代表執行役又は代表清算人」とあるのは「又は代表執行役」と読み替えるものとする。
3 第266条第1項の規定により更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合には、保険業法第87条及び第88条の規定は、適用しない。
(組織変更時発行株式の発行に関する特例)
第307条 会社更生法第215条第2項から第5項までの規定は、第266条第1項第7号の規定により更生計画において更生債権者等又は社員に対して同号の組織変更時発行株式の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合について準用する。この場合において、同法第215条第2項中「無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の」とあるのは「無記名式の」と、「第4章」とあるのは「第117条において準用する同法第4章」と、同項第2号及び第3号並びに同条第4項及び第5項中「第175条第3号」とあるのは「更生特例法第266条第1項第7号」と読み替えるものとする。
2 更生計画において更生会社が組織変更時発行株式を発行することを定めた場合には、保険業法第96条の4において準用する会社法第207条、第212条(第1項第1号を除く。)及び第213条(第1項第1号及び第3号を除く。)、保険業法第96条の4の2において準用する会社法第213条の2並びに保険業法第96条の4の3の規定は、適用しない。
3 第1項に規定する場合において、組織変更時発行株式のうち割当てをすることができなかったものがあるときは、第266条第1項第9号の規定により更生計画に定められた組織変更に関する条件に反しない限り、当該組織変更時発行株式を発行しないで組織変更をすることができる。ただし、会社法第37条第3項の規定に反しない場合に限る。
(組織変更後株式会社の募集株式を引き受ける者の募集に関する特例)
第308条 会社更生法第215条第1項の規定は、第266条第2項において準用する同法第175条の規定により更生計画において組織変更後株式会社が募集株式を引き受ける者の募集をすることを定めた場合において、株主に対して会社法第202条第1項第1号の募集株式の割当てを受ける権利を与える旨の定款の定めがあるときについて準用する。
2 第266条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の規定により更生計画において更生債権者等又は社員に対して同号の募集株式の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、組織変更後株式会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律第117条において準用する同法第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 当該更生債権者等又は社員が割当てを受ける募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類及び数)
二 第266条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の期日
三 第266条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の募集株式の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
3 前項の規定による通知又は公告は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
4 第266条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の募集株式の割当てを受ける権利を有する者は、組織変更後株式会社が第2項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集株式の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
5 第2項に規定する場合において、第266条第2項において準用する会社更生法第175条第3号の募集株式の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は社員がその割当てを受ける募集株式の数に1株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
6 第1項に規定する場合には、会社法第199条第5項、第207条、第210条及び第2編第2章第8節第6款の規定は、適用しない。
(組織変更後株式会社の募集新株予約権を引き受ける者の募集に関する特例)
第309条 会社更生法第215条第1項の規定は、第266条第2項において準用する同法第176条の規定により更生計画において組織変更後株式会社が募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを定めた場合において、株主に対して会社法第241条第1項第1号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を与える旨の定款の定めがあるときについて準用する。
2 第266条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の規定により更生計画において更生債権者等又は社員に対して同号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、組織変更後株式会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律第117条において準用する同法第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。
一 当該更生債権者等又は社員が割当てを受ける募集新株予約権の内容及び数
二 第266条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の期日
三 第266条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
3 前項の規定による通知又は公告は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
4 第266条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する者は、組織変更後株式会社が第2項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集新株予約権の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
5 第2項に規定する場合において、第266条第2項において準用する会社更生法第176条第3号の募集新株予約権の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は社員がその割当てを受ける募集新株予約権の数に1に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
6 第266条第2項において準用する会社更生法第176条の規定により更生計画において組織変更後株式会社が募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを定めた場合には、会社法第238条第5項、第247条、第285条第1項第1号及び第2号、第286条、第286条の2第1項第1号並びに第286条の3の規定は、適用しない。
7 前項に規定する場合において、更生手続終了前に会社法第236条第1項第3号に掲げる事項についての定めのある新株予約権が行使されたときは、同法第284条の規定は、適用しない。
(組織変更後株式会社の募集社債を引き受ける者の募集に関する特例)
第310条 第266条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の規定により更生計画において更生債権者等又は社員に対して同号の募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、組織変更後株式会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律第117条において準用する同法第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、当該事項を公告しなければならない。
一 当該更生債権者等又は社員が割当てを受ける募集社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額
二 第266条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の期日
三 第266条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
2 前項の規定による通知又は公告は、同項第2号の期日の2週間前にしなければならない。
3 第266条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を有する者は、組織変更後株式会社が第1項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第2号の期日までに募集社債の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
4 第1項に規定する場合において、第266条第2項において準用する会社更生法第177条第4号の募集社債の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は社員がその割当てを受ける募集社債の数に1に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
(組織変更株式交換に関する特例)
第311条 第267条の規定により更生計画において更生会社が組織変更株式交換をすることを定めた場合において、同条第2号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、組織変更がその効力を生ずる日(次項において「効力発生日」という。)に、同条第3号に掲げる事項についての定めに従い、同条第2号イの株式の株主となる。
2 第267条の規定により更生計画において組織変更株式交換をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生会社の社員は、効力発生日に、同条第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第267条第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第267条第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第267条第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
(組織変更株式移転に関する特例)
第312条 第268条の規定により更生計画において更生会社が組織変更株式移転をすることを定めた場合において、同条第2号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、組織変更株式移転設立完全親会社の成立の日に、同条第3号に掲げる事項についての定めに従い、同条第2号イの株式の株主となる。
2 第268条の規定により更生計画において組織変更株式移転をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生会社の社員は、組織変更株式移転設立完全親会社の成立の日に、同条第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第268条第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第268条第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第268条第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
(解散に関する特例)
第313条 第269条において準用する会社更生法第178条本文の規定により更生計画において更生会社が解散することを定めた場合には、更生会社は、更生計画に定める時期に解散する。
2 前項の場合には、保険業法第156条の2及び第157条の規定は、適用しない。
(吸収合併に関する特例)
第314条 第270条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、吸収合併がその効力を生ずる日(以下この条において「効力発生日」という。)に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の基金の拠出者となる。
2 第270条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第4号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生会社の社員は、効力発生日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、同項第4号の社債の社債権者となる。
3 第270条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合には、保険業法第61条の8第2項において準用する会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の15、第165条の16の2及び第165条の17の規定は、更生会社については、適用しない。
4 第270条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、効力発生日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号イの株式の株主となる。
5 第270条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、更生会社の基金の拠出者又は社員は、効力発生日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第270条第2項第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第270条第2項第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第270条第2項第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
6 前項に規定する場合には、保険業法第61条の8第2項において準用する会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の15、第165条の16の2及び第165条の17の規定は、更生会社については、適用しない。
7 第270条第3項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、吸収合併消滅会社の社員は、効力発生日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の社債の社債権者となる。
8 第270条第3項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合には、保険業法第61条の8第2項において準用する会社法第740条の規定、保険業法第165条の19の規定並びに同法第165条の20において準用する同法第165条の16の2及び第165条の17の規定は、更生会社については、適用しない。
(新設合併に関する特例)
第315条 第271条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の基金の拠出者となる。
2 第271条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第4号に掲げる事項についての定めがあるときは、新設合併消滅会社の社員は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、同項第4号の社債の社債権者となる。
3 第271条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合には、保険業法第61条の8第2項において準用する会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の15、第165条の16の2及び第165条の17の規定は、更生会社については、適用しない。
4 第271条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の株式の株主となる。
5 第271条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅会社の基金の拠出者若しくは社員又は株主は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第271条第2項第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第271条第2項第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第271条第2項第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
6 前項に規定する場合には、保険業法第61条の8第2項において準用する会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の15、第165条の16の2及び第165条の17の規定は、更生会社については、適用しない。
(新相互会社又は新株式会社の設立に関する特例)
第316条 第272条本文の規定又は第273条において準用する会社更生法第183条本文の規定により更生計画において新相互会社又は新株式会社を設立することを定めた場合には、当該新相互会社又は新株式会社(以下この条において「新法人」という。)についての発起人の職務は、管財人が行う。
2 前項に規定する場合においては、新法人の定款は、裁判所の認証を受けなければ、その効力を生じない。
3 第1項に規定する場合には、新法人の創立総会における決議は、その内容が更生計画の趣旨に反しない限り、することができる。
4 第1項に規定する場合において、新法人が成立しなかったときは、更生会社は、管財人が同項の規定により新法人の設立に関してした行為についてその責任を負い、新法人の設立に関して支出した費用を負担する。
5 第299条第1項から第3項までの規定は第1項に規定する場合において新相互会社を設立するときにおける設立時取締役等の選任又は選定について、同条第6項の規定は新相互会社の設立時取締役等が新相互会社の成立後において新相互会社取締役等となった場合における当該新相互会社取締役等の任期について、第303条の規定は更生債権者等又は社員に対して新相互会社の基金の拠出の割当てを受ける権利を与える場合について、第304条の規定は新相互会社の募集社債を引き受ける者の募集について、第305条の規定は更生債権者等又は社員の権利の消滅と引換えにする新相互会社の設立時の基金の拠出の割当て又は社債の発行について、それぞれ準用する。この場合において、第299条第1項及び第2項中「第261条」とあるのは「第272条第7号又は第8号」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新相互会社が成立した」と、同条第3項中「第261条第1項第1号から第3号まで若しくは第7号又は第2項第2号」とあるのは「第272条第8号ロ、ニ又はホ」と、第303条第1項、第3項及び第4項中「第263条第3号」とあるのは「第272条第4号」と、同条第1項及び第3項並びに第304条第1項及び第3項中「更生会社」とあるのは「新相互会社」と、同条第1項、第3項及び第4項中「第264条第4号」とあるのは「第272条第10号」と、第305条中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新相互会社が成立した」と、同条第1項中「第265条第1項」とあり、及び同条第2項中「第265条第2項」とあるのは「第272条第11号」と、同条第1項中「同項第3号」とあり、及び同条第2項中「同項第7号」とあるのは「同号」と読み替えるものとする。
6 会社更生法第211条第1項から第3項までの規定は第1項に規定する場合において新株式会社を設立するときにおける設立時取締役等(第273条において準用する同法第183条第10号に規定する設立時取締役等をいう。以下この項において同じ。)の選任又は選定について、同法第211条第6項の規定は新株式会社の設立時取締役等が新株式会社の成立後において新会社取締役等(同号に規定する新会社取締役等をいう。以下この項において同じ。)となった場合における当該新会社取締役等の任期について、それぞれ準用する。この場合において、同法第211条第1項及び第2項中「第173条」とあるのは「更生特例法第273条において準用する第183条第8号又は第9号」と、同条第1項及び第3項中「各委員会」とあるのは「各委員会(更生特例法第261条第1項第3号に規定する各委員会をいう。)」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新株式会社(更生特例法第294条第1項第5号に規定する新株式会社をいう。)が成立した」と、同条第3項中「第173条第1項第2号から第4号まで若しくは第8号又は第2項第2号」とあるのは「更生特例法第273条において準用する第183条第9号イ又はホ」と読み替えるものとする。
7 第308条第2項から第5項までの規定は更生債権者等又は社員に対して第273条において準用する会社更生法第183条第5号の新株式会社の設立時募集株式(会社法第58条第1項に規定する設立時募集株式をいう。以下この章において同じ。)の割当てを受ける権利を与える場合について、第309条及び第310条の規定は新株式会社の募集新株予約権又は募集社債を引き受ける者の募集について、会社更生法第217条の2の規定は更生債権者等又は社員の権利の消滅と引換えにする新株式会社の設立時発行株式、新株予約権又は社債の発行について、それぞれ準用する。この場合において、第308条第2項及び第4項、第309条第2項及び第4項並びに第310条第1項及び第3項中「組織変更後株式会社」とあるのは「新株式会社」と、第308条第2項第2号及び第3号、第4項並びに第5項中「第266条第2項において準用する会社更生法第175条第3号」とあるのは「第273条において準用する会社更生法第183条第5号」と、第309条第1項中「第266条第2項において準用する同法第176条」とあるのは「第273条において準用する同法第183条第11号」と、同条第2項、第4項及び第5項中「第266条第2項において準用する会社更生法第176条第3号」とあり、並びに同条第6項中「第266条第2項において準用する会社更生法第176条」とあるのは「第273条において準用する会社更生法第183条第11号」と、第310条第1項、第3項及び第4項中「第266条第2項において準用する会社更生法第177条第4号」とあるのは「第273条において準用する会社更生法第183条第12号」と、同法第217条の2第1項中「第177条の2第1項」及び「同項第3号」とあり、同条第2項中「第177条の2第2項」及び「同項第6号」とあり、並びに同条第3項中「第177条の2第3項」及び「同項第7号」とあるのは「更生特例法第273条において準用する第183条第13号」と、同条中「又は株主」とあるのは「又は社員」と、「更生計画認可の決定の」とあるのは「新株式会社(更生特例法第294条第1項第5号に規定する新株式会社をいう。)が成立した」と読み替えるものとする。
8 第1項に規定する場合において新相互会社を設立することを定めたときは、保険業法第22条第2項、第23条第1項第9号及び第4項、第24条第2項、第28条第1項第1号(公証人の氏名に係る部分に限る。)及び第2号(同法第23条第1項第9号に係る部分に限る。)、第30条の7第1項第1号(公証人の氏名に係る部分に限る。)及び第2号(同法第23条第1項第9号に係る部分に限る。)、第30条の8第1項、第30条の10第1項及び第8項、第30条の11(同条第1項第1号及び第2号に掲げる事項に係る部分に限る。)並びに第30条の14の規定は、適用しない。
9 第1項に規定する場合において新株式会社を設立することを定めたときは、会社法第25条第1項第1号及び第2項、第26条第2項、第27条第5号、第30条、第2編第1章第3節(第37条第3項を除く。)、第4節(第39条を除く。)、第5節及び第6節、第50条、第51条、同章第8節、第58条、第59条第1項第1号(公証人の氏名に係る部分に限る。)、第2号(同法第27条第5号及び第32条第1項各号に掲げる事項に係る部分に限る。)及び第3号、第65条第1項、第88条から第90条まで、第93条及び第94条(これらの規定中同法第93条第1項第1号及び第2号に掲げる事項に係る部分に限る。)並びに第103条の規定は、適用しない。
(組織変更後相互会社等に異動した者の退職手当の取扱い)
第317条 更生手続開始後に更生会社の第295条第1項第2号に規定する取締役等又は使用人であった者で、更生計画の定めにより更生会社の組織が変更された際又は新相互会社若しくは新株式会社が設立された際に更生会社を退職し、かつ、引き続き組織変更後株式会社の同号に規定する取締役等若しくは使用人又は新相互会社若しくは新株式会社の同号に規定する取締役等若しくは使用人となったものは、更生会社から退職手当の支給を受けることができない。
2 前項に規定する者の更生会社における在職期間は、退職手当の計算については、組織変更後株式会社、新相互会社又は新株式会社における在職期間とみなす。
(管轄の特例)
第318条 更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合における保険業法第90条第3項において準用する会社法第234条第2項の規定による許可の申立てに係る事件は、保険業法第90条第3項において準用する会社法第868条第1項の規定にかかわらず、更生手続が終了するまでの間は、更生裁判所が管轄する。
(基金の拠出等の割当てを受ける権利の譲渡)
第319条 更生計画の定めによって更生債権者等又は社員に対して更生会社又は新相互会社の基金の拠出又は募集社債の割当てを受ける権利が与えられた場合には、当該権利は、これを他に譲渡することができる。
2 更生計画の定めによって更生債権者等又は社員に対して組織変更後株式会社又は新株式会社の募集株式、組織変更時発行株式若しくは設立時募集株式、募集新株予約権又は募集社債の割当てを受ける権利が与えられた場合には、当該権利は、これを他に譲渡することができる。
(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の特例)
第320条 会社更生法第229条の規定は、更生債権者等又は社員が組織変更後株式会社又は更生計画の定めにより設立される株式会社の株式を更生計画の定めによって取得する場合について準用する。
(許可、認可等に基づく権利の承継)
第321条 更生計画において更生会社が行政庁から得ていた許可、認可、免許その他の処分に基づく権利及び義務を新相互会社又は新株式会社に移転することを定めたときは、当該新相互会社又は当該新株式会社は、他の法令の規定にかかわらず、その権利及び義務を承継する。
(法人税法等の特例)
第321条の2 更生計画において新相互会社又は新株式会社が更生会社の租税等の請求権に係る債務を承継することを定めたときは、当該新相互会社又は当該新株式会社は当該債務を履行する義務を負い、更生会社は当該債務を免れる。
2 更生手続開始の決定があったときは、更生会社の事業年度は、その開始の時に終了し、これに続く事業年度は、更生計画認可の時(その時までに更生手続が終了したときは、その終了の日)に終了するものとする。ただし、法人税法第13条第1項ただし書及び地方税法第72条の13第4項の規定の適用を妨げない。
3 更生手続開始の時に続く更生会社の事業年度又は連結事業年度の法人税及び事業税については、法人税法第71条又は第81条の19及び地方税法第72条の26の規定は、適用しない。
第3款 更生計画の変更
第322条 会社更生法第233条第1項から第5項までの規定は、相互会社の更生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で更生計画に定める事項を変更する必要が生じた場合について準用する。
2 前項において準用する会社更生法第233条第5項に規定する決定に対しては、即時抗告をすることができる。
3 第293条第2項及び会社更生法第202条第2項から第5項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第293条第2項中「前項において準用する会社更生法第202条第1項」とあるのは「第322条第2項」と、同法第202条第2項中「第168条第1項第4号から第6号まで」とあるのは「更生特例法第260条第1項第4号又は第6号」と、同条第5項中「第13条」とあるのは「更生特例法第177条」と読み替えるものとする。
4 会社更生法第72条第7項の規定は、更生計画の変更により第211条において準用する同法第72条第4項前段の規定による更生計画の定めが取り消された場合について準用する。この場合において、同法第72条第7項中「第10条第4項」とあるのは、「更生特例法第175条において準用する第10条第4項」と読み替えるものとする。
第9節 更生手続の終了
第1款 更生手続の終了事由
第323条 会社更生法第234条の規定は、相互会社の更生手続の終了について準用する。この場合において、同条第2号中「第44条第1項」とあるのは、「更生特例法第196条において準用する第44条第1項」と読み替えるものとする。
第2款 更生計画認可前の更生手続の終了
第1目 更生計画不認可の決定
(不認可の決定が確定した場合の更生債権者表等の記載の効力)
第324条 会社更生法第235条の規定は、相互会社の更生手続において更生計画不認可の決定が確定した場合について準用する。この場合において、同条第1項中「更生債権等については」とあるのは「更生債権等又は社員権については」と、同条第2項中「第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」とあるのは「更生特例法第254条において準用する第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」と読み替えるものとする。
第2目 更生計画認可前の更生手続の廃止
(更生が困難な場合の更生手続廃止等)
第325条 会社更生法第236条、第237条及び第238条第1項から第5項までの規定は、相互会社の更生手続における更生手続廃止の決定について準用する。この場合において、同法第236条第3号中「第198条第1項本文」とあるのは「更生特例法第289条において準用する第198条第1項本文」と、同法第237条第1項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と、「第17条第1項」とあるのは「更生特例法第180条第1項」と、同法第238条第3項中「第13条」とあるのは「更生特例法第177条」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第235条の規定は、前項において準用する同法第236条又は第237条の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合について準用する。この場合において、同法第235条第1項中「更生債権等については」とあるのは「更生債権等又は社員権については」と、同条第2項中「第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」とあるのは「更生特例法第254条において準用する第147条第2項、第148条第4項又は第149条第3項後段」と読み替えるものとする。
第3款 更生計画認可後の更生手続の終了
第1目 更生手続の終結
(更生手続終結の決定)
第326条 会社更生法第239条の規定は、相互会社の更生手続における更生手続終結の決定について準用する。
(更生手続終結後の更生債権者表等の記載の効力)
第327条 会社更生法第240条の規定は、相互会社の更生手続における更生手続終結後の更生債権者表及び更生担保権者表の記載の効力について準用する。
第2目 更生計画認可後の更生手続の廃止
第328条 会社更生法第241条第1項から第3項までの規定は、相互会社の更生手続廃止の決定について準用する。
2 会社更生法第238条第1項から第3項までの規定は前項において準用する同法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定をした場合について、同法第238条第4項の規定は当該決定を取り消す決定が確定した場合について、同法第240条の規定は前項において準用する同法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合について、それぞれ準用する。この場合において、同法第238条第3項中「第13条」とあるのは、「更生特例法第177条」と読み替えるものとする。
第10節 外国倒産処理手続がある場合の特則
(外国管財人との協力)
第329条 会社更生法第242条の規定は、相互会社の更生手続において更生会社についての外国倒産処理手続(外国で開始された手続であって、破産手続又は再生手続に相当するものをいう。以下この節において同じ。)がある場合について準用する。
(更生手続の開始原因の推定)
第330条 会社更生法第243条の規定は、相互会社についての外国倒産処理手続がある場合について準用する。この場合において、同条中「第17条第1項」とあるのは、「更生特例法第180条第1項」と読み替えるものとする。
(外国管財人の権限等)
第331条 会社更生法第244条及び第245条第1項の規定は、相互会社の外国倒産処理手続における外国管財人(外国倒産処理手続において相互会社の財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。)について準用する。この場合において、同法第244条第1項中「第17条第1項第1号」とあるのは「更生特例法第180条第1項第1号」と、同条第2項及び第3項中「第242条第1項」とあるのは「更生特例法第329条において準用する第242条第1項」と、同項中「第184条第1項」とあるのは「更生特例法第277条において準用する第184条第1項」と、同条第4項中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第43条第1項」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第245条第2項及び第3項の規定は、相互会社の更生手続における管財人について準用する。
第11節 更生手続と他の倒産処理手続との間の移行等
第1款 破産手続から更生手続への移行
(破産管財人による更生手続開始の申立て)
第331条の2 会社更生法第246条の規定は、破産者である相互会社に第180条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実がある場合について準用する。この場合において、同法第246条第4項中「第20条第1項」とあるのは、「更生特例法第183条において準用する第20条第1項」と読み替えるものとする。
(更生債権の届出を要しない旨の決定)
第331条の3 裁判所は、更生手続開始の決定をする場合において、第201条において準用する会社更生法第50条第1項の規定により中止することとなる破産手続において届出があった破産債権の内容及び原因、破産法第125条第1項本文に規定する異議等のある破産債権の数、当該破産手続における配当の有無その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、更生債権であって当該破産手続において破産債権としての届出があったもの(同法第97条第4号に規定する租税等の請求権及び同条第6号に規定する罰金等の請求権を除く。)を有する更生債権者は当該更生債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 会社更生法第247条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。この場合において、同条第2項中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第43条第1項」と、同条第3項及び第5項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と、同条第4項第1号及び第2号中「第138条第1項第1号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第1号」と、同項第3号及び第4号中「第138条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第2号」と読み替えるものとする。
第2款 再生手続から更生手続への移行
(再生手続における管財人による更生手続開始の申立て)
第331条の4 会社更生法第248条の規定は、再生債務者である相互会社に第180条第1項に規定する更生手続開始の原因となる事実がある場合について準用する。この場合において、同法第248条第3項中「第246条第3項」とあるのは「更生特例法第331条の2において準用する第246条第3項」と、同条第4項中「第20条第1項」とあるのは「更生特例法第183条において準用する第20条第1項」と読み替えるものとする。
(更生債権の届出を要しない旨の決定)
第331条の5 裁判所は、更生手続開始の決定をする場合において、第201条において準用する会社更生法第50条第1項の規定により中止することとなる再生手続において届出があった再生債権の内容及び原因、民事再生法第105条第1項本文に規定する異議等のある再生債権の数、再生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、更生債権であって当該再生手続において再生債権としての届出があったもの(同法第97条第1号に規定する再生手続開始前の罰金等を除く。)を有する更生債権者は当該更生債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 会社更生法第249条第2項から第5項までの規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。この場合において、同条第2項中「第43条第1項」とあるのは「更生特例法第196条において準用する第43条第1項」と、同条第3項及び第5項中「第138条第1項」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項」と、同条第4項第1号及び第2号中「第138条第1項第1号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第1号」と、同項第3号中「第138条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第2号」と読み替えるものとする。
第3款 更生手続から破産手続への移行
(更生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送)
第331条の6 裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、破産手続開始の前後を問わず、同一の債務者につき更生手続開始の決定があった場合において、当該破産事件を処理するために相当であると認めるときは、職権で、当該破産事件を更生裁判所に移送することができる。
(更生手続終了前の破産手続開始の申立て等)
第331条の7 破産手続開始前の更生会社について更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止又は更生計画不認可の決定があった場合には、第201条において準用する会社更生法第50条第1項の規定にかかわらず、当該決定の確定前においても、更生裁判所に当該更生会社についての破産手続開始の申立てをすることができる。破産手続開始後の更生会社について更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第328条第1項において準用する同法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定があった場合も、同様とする。
2 前項前段の規定は、同項前段に規定する更生会社について既に開始された再生手続がある場合については、適用しない。
3 第1項の規定による破産手続開始の申立てに係る破産手続開始の決定は、同項前段に規定する決定又は同項後段の更生手続廃止の決定が確定した後でなければ、することができない。
(更生手続の終了に伴う職権による破産手続開始の決定)
第331条の8 破産手続開始前の相互会社について第323条において準用する会社更生法第234条第1号から第4号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合において、裁判所は、当該相互会社に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をすることができる。ただし、当該相互会社について既に開始された再生手続がある場合は、この限りでない。
2 破産手続開始後の更生会社について更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第328条第1項において準用する会社更生法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合には、裁判所は、職権で、破産法に従い、破産手続開始の決定をしなければならない。ただし、前条第1項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定をする場合は、この限りでない。
(更生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)
第331条の9 裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第24条第1項の規定による中止の命令、同法第25条第2項に規定する包括的禁止命令、同法第28条第1項の規定による保全処分、同法第91条第2項に規定する保全管理命令又は同法第171条第1項の規定による保全処分(以下この条及び第331条の12第4項において「保全処分等」という。)を命ずることができる。
一 破産手続開始前の相互会社につき更生手続開始の申立ての棄却の決定があった場合
二 破産手続開始前の更生会社につき更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止又は更生計画不認可の決定が確定した場合
三 破産手続開始後の更生会社につき更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に第328条第1項において準用する会社更生法第241条第1項の規定による更生手続廃止の決定が確定した場合
2 裁判所は、前項第1号又は第2号の規定による保全処分等を命じた場合において、前条第1項本文の規定による破産手続開始の決定をしないこととしたときは、遅滞なく、当該保全処分等を取り消さなければならない。
3 第1項第1号の規定による保全処分等は、同号に規定する決定を取り消す決定があったときは、その効力を失う。
4 破産法第24条第4項、第25条第6項、第28条第3項、第91条第5項及び第171条第4項の規定にかかわらず、第2項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができない。
(更生手続の終了に伴う破産手続における破産法の適用関係)
第331条の10 破産手続開始前の相互会社に関する次に掲げる場合における破産法の関係規定(破産法第71条第1項第4号並びに第2項第2号及び第3号、第72条第1項第4号並びに第2項第2号及び第3号、第160条(第1項第1号を除く。)、第162条(第1項第2号を除く。)、第163条第2項、第164条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)、第166条並びに第167条第2項(同法第170条第2項において準用する場合を含む。)の規定をいう。第3項において同じ。)の適用については、更生手続開始の申立て等(更生手続開始の申立て、更生手続開始によって効力を失った特別清算の手続における特別清算開始の申立て、更生計画認可の決定により効力を失った再生手続における再生手続開始の申立て又は破産法第265条の罪に該当することとなる当該相互会社の取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者の行為をいう。以下この項において同じ。)は、当該更生手続開始の申立て等の前に破産手続開始の申立てがないときに限り、破産手続開始の申立てとみなす。
一 第331条の8第1項本文の規定による破産手続開始の決定があった場合
二 更生手続開始の申立ての棄却の決定の確定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、当該決定の確定後に破産手続開始の決定があった場合
三 更生手続開始の決定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、第323条において準用する会社更生法第234条第2号若しくは第3号に掲げる事由の発生後又は第325条第1項において準用する同法第236条若しくは第237条第1項の規定による更生手続廃止の決定の確定後に、破産手続開始の決定があった場合
四 第331条の7第1項前段の規定による破産手続開始の申立てに基づき、破産手続開始の決定があった場合
2 更生計画不認可又は更生手続廃止の決定の確定による更生手続の終了に伴い前項各号に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第176条前段の規定の適用については、次に掲げる決定の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。
一 更生手続開始の決定
二 更生計画認可の決定により効力を失った再生手続における再生手続開始の決定
3 破産手続開始後の更生会社について第331条の7第1項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定があった場合又は第331条の8第2項の規定による破産手続開始の決定があった場合における破産法の関係規定の適用については、更生計画認可の決定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。
4 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第176条前段の規定の適用については、更生計画認可の決定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。
5 第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第148条第1項第3号の規定の適用については、同号中「包括的禁止命令」とあるのは「包括的禁止命令若しくは金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第184条において準用する会社更生法第25条第2項に規定する包括的禁止命令」と、「期間がある」とあるのは「期間又は金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第201条において準用する会社更生法第50条第2項の規定により国税滞納処分をすることができない期間がある」とする。
6 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合には、共益債権(更生手続が開始されなかった場合における第206条第1項において準用する会社更生法第62条第2項に規定する請求権並びに第241条第1項及び第4項に規定する請求権を含む。第331条の13において同じ。)は、財団債権とする。破産手続開始後の相互会社について第323条において準用する会社更生法第234条第1号から第3号までに掲げる事由の発生又は第325条第1項において準用する同法第236条若しくは第237条第1項の規定による更生手続廃止の決定の確定によって破産手続が続行された場合も、同様とする。
(破産債権の届出を要しない旨の決定)
第331条の11 裁判所(破産事件を取り扱う1人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、前条第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定をする場合において、終了した更生手続において届出があった更生債権等の内容及び原因並びに議決権の額、第255条において準用する会社更生法第151条第1項本文に規定する異議等のある更生債権等の数、更生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、破産債権であって当該更生手続において更生債権等としての届出があったもの(租税等の請求権及び第251条第2号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権を除く。)を有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。
2 会社更生法第255条第2項から第6項までの規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。この場合において、同条第4項第1号中「第136条第1項第3号ロからニまで」とあるのは「更生特例法第247条第1項において準用する第136条第1項第3号ロからニまで」と、「第138条第1項第3号又は第2項第3号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第3号又は第2項第3号」と、同項第2号から第4号までの規定中「第138条第1項第1号又は第2項第1号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第1号又は第2項第1号」と、同項第3号中「第136条第1項第1号、第2号又は第3号イ」とあるのは「更生特例法第247条第1項において準用する第136条第1項第1号、第2号又は第3号イ」と、同項第4号中「第136条第2項第1号から第3号まで」とあるのは「更生特例法第247条第1項において準用する第136条第2項第1号から第3号まで」と、同項第5号及び第6号中「第138条第1項第2号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第2号」と、同項第7号中「第138条第1項第3号」とあるのは「更生特例法第248条において準用する第138条第1項第3号」と読み替えるものとする。
(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え等の取扱い)
第331条の12 第323条において準用する会社更生法第234条第3号又は第4号に掲げる事由が生じた場合において、第331条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があったときは、第202条において準用する同法第52条第4項の規定により中断した第226条において準用する同法第97条第1項の訴えに係る訴訟手続は、破産管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
2 前項の場合においては、相手方の管財人に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。
3 第1項の場合において、第202条において準用する会社更生法第52条第4項の規定により中断した第226条において準用する同法第97条第1項の訴えに係る訴訟手続について第1項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、終了する。
4 第202条において準用する会社更生法第52条第4項の規定により中断した第226条において準用する同法第97条第1項の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の相互会社についての更生事件に係るものは、その中断の日から1月(その期間中に第331条の9第1項第1号若しくは第2号の規定による保全処分等又は第331条の10第2項各号に掲げる破産手続開始の申立てに係る破産手続における保全処分等がされていた期間があるときは、当該期間を除く。)以内に第331条の10第1項各号に規定する破産手続開始の決定がされていないときは、終了する。
5 第255条において準用する会社更生法第163条第1項の規定により引き続き係属するものとされる第255条において準用する同法第151条第1項本文に規定する更生債権等査定申立ての手続及び第255条において準用する同法第153条第1項に規定する価額決定の申立ての手続は、第331条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定があったときは、終了するものとする。この場合においては、第255条において準用する同法第163条第3項の規定は、適用しない。
6 第4項の規定は、第255条において準用する会社更生法第163条第4項の規定により中断した第255条において準用する同法第152条第1項に規定する更生債権等査定異議の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の相互会社についての更生事件に係るものについて準用する。
第4款 更生手続の終了に伴う再生手続の続行
第331条の13 相互会社について再生事件が係属している場合において、第323条において準用する会社更生法第234条第1号から第3号までに掲げる事由の発生又は第325条第1項において準用する同法第236条若しくは第237条第1項の規定による更生手続廃止の決定の確定によって再生手続が続行されたときは、共益債権は、再生手続における共益債権とする。
第12節 雑則
(更生会社についての登記の嘱託等)
第332条 更生手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、更生手続開始の登記を更生会社の主たる事務所の所在地の登記所に嘱託しなければならない。
2 前項の登記には、管財人の氏名又は名称及び住所、管財人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第210条において準用する会社更生法第69条第1項ただし書の許可があったときはその旨並びに管財人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各管財人が分掌する職務の内容をも登記しなければならない。
3 第1項の規定は、前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
4 開始前会社について保全管理命令又は監督命令がされたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、保全管理命令又は監督命令の登記を開始前会社の主たる事務所の所在地の登記所に嘱託しなければならない。
5 前項の登記には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項をも登記しなければならない。
一 前項に規定する保全管理命令の登記 保全管理人の氏名又は名称及び住所、保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第189条第1項において準用する会社更生法第69条第1項ただし書の許可があったときはその旨並びに保全管理人が職務を分掌することについて同項ただし書の許可があったときはその旨及び各保全管理人が分掌する職務の内容
二 前項に規定する監督命令の登記 監督委員の氏名又は名称及び住所並びに第190条第2項の規定により指定された行為
6 第4項の規定は、同項に規定する裁判の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。
7 第1項の規定は、更生計画認可の決定があった場合又は第323条において準用する会社更生法第234条第2号から第5号までに掲げる事由が生じた場合について準用する。
8 登記官は、第1項の規定により更生手続開始の登記をする場合において、更生会社について特別清算開始の登記があるときは、職権で、その登記を抹消しなければならない。
9 登記官は、第7項の規定により更生手続開始の決定の取消しの登記をする場合において、前項の規定により抹消した登記があるときは、職権で、その登記を回復しなければならない。
10 第8項の規定は更生計画認可の登記をする場合における破産手続開始又は再生手続開始の登記について、前項の規定は更生計画認可の決定を取り消す決定が確定した場合におけるこの項において準用する第8項の規定により抹消した登記について、それぞれ準用する。
第333条 第211条において準用する会社更生法第72条第4項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、その旨の登記を更生会社の主たる事務所の所在地の登記所に嘱託しなければならない。
2 前項の規定は、第211条において準用する会社更生法第72条第4項前段の規定による更生計画の定め又は裁判所の決定が取り消された場合について準用する。
(登記のある権利についての登記の嘱託等)
第334条 次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。
一 開始前会社に属する権利で登記がされたものに関し第185条(第196条において準用する会社更生法第44条第2項において準用する場合を含む。)において準用する同法第28条第1項の規定による保全処分があったとき。
二 登記のある権利に関し第194条の2第1項若しくは第195条第1項(これらの規定を第196条において準用する会社更生法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定又は第228条において準用する同法第99条第1項の規定による保全処分があったとき。
2 前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。
3 裁判所書記官は、更生手続開始の決定があった場合において、更生会社に属する権利で登記がされたものについて保険業法第184条において準用する会社法第938条第3項(保険業法第184条において準用する会社法第938条第4項において準用する場合を含む。)の規定による登記があることを知ったときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。
4 前項の規定による登記の抹消がされた場合において、更生手続開始の決定を取り消す決定が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、同項の規定により抹消された登記の回復を嘱託しなければならない。
(更生計画の遂行等に関する登記の嘱託等)
第335条 第332条第1項の規定は、更生計画の遂行又はこの章の規定により更生手続終了前に更生会社又は更生計画の定めにより設立される相互会社について登記すべき事項が生じた場合について準用する。この場合において、保険業法第64条第3項において準用する会社法第930条第2項各号に掲げる事項について登記すべき事項が生じたときは、第332条第1項中「主たる事務所」とあるのは、「主たる事務所及び従たる事務所」と読み替えるものとする。
2 会社更生法第258条第1項の規定は、更生計画の遂行又はこの章の規定により更生手続終了前に組織変更後株式会社又は更生計画の定めにより設立される株式会社について登記すべき事項が生じた場合について準用する。
3 更生会社が他の相互会社又は株式会社と合併をする場合において、裁判所書記官が次に掲げる登記を嘱託するときは、合併の相手方である他の相互会社又は株式会社の解散の登記をも嘱託しなければならない。
一 吸収合併後存続する更生会社の吸収合併による変更の登記
二 新設合併により設立する相互会社又は株式会社の新設合併による設立の登記
4 第1項及び第2項の規定は、他の相互会社又は株式会社が更生会社と合併して合併後存続する場合における更生会社の解散の登記については、適用しない。
5 前条第1項の規定は、更生計画の遂行により更生手続終了前に登記のある権利の得喪又は変更が生じた場合について準用する。ただし、更生会社、更生債権者等、社員、組織変更後株式会社、更生計画の定めにより設立される相互会社及び更生計画の定めにより設立される株式会社以外の者を権利者とする登記については、この限りでない。
(否認の登記)
第336条 会社更生法第262条の規定は、相互会社の更生手続における否認の登記について準用する。この場合において、同条第6項中「第234条第2号若しくは第3号」とあるのは「更生特例法第323条において準用する第234条第2号若しくは第3号」と、「第236条若しくは第237条第1項」とあるのは「更生特例法第325条第1項において準用する第236条若しくは第237条第1項」と読み替えるものとする。
(登記嘱託書等の添付書面等)
第337条 この章の規定による登記の嘱託情報若しくは申請情報と併せて提供することが必要な情報又は嘱託書若しくは申請書に添付すべき書面その他のものは、政令で定める。
(登録免許税の特例)
第338条 第332条から第334条までの規定並びに第336条において準用する会社更生法第262条の規定による登記については、登録免許税を課さない。
2 更生計画において更生会社が吸収合併をすることを定めた場合における当該吸収合併による資本金の増加の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の1(吸収合併により増加した資本金の額のうち、更生債権者等に株式を交付する部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、1000分の3・5)とする。
3 更生計画において更生会社が新設合併をすることを定めた場合における当該新設合併による株式会社の設立の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の1(資本金の額のうち、同法別表第1第24号(一)ホの税率欄に規定する部分に相当する金額(更生債権者等に株式を交付する部分に相当する金額を除く。)に対応する部分については、1000分の3・5)とする。
4 更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合における当該組織変更による株式会社の設立の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の1(資本金の額のうち、更生債権者等に株式を交付する部分に相当する金額以外の金額に対応する部分については、1000分の3・5)とする。
5 更生計画において組織変更後株式会社が株式を発行することを定めた場合における資本金の増加の登記の登録免許税の税率は、登録免許税法第9条の規定にかかわらず、1000分の3・5とする。
6 会社更生法第264条第3項の規定は、第267条の規定により更生計画において更生会社が組織変更株式交換をすることを定めた場合における組織変更株式交換による資本金の増加の登記の登録免許税の税率について準用する。
7 会社更生法第264条第4項の規定は、第268条の規定により更生計画において更生会社が組織変更株式移転をすることを定めた場合における当該組織変更株式移転による株式会社の設立の登記の登録免許税の税率について準用する。
8 会社更生法第264条第7項の規定は、相互会社の更生手続における更生計画において新株式会社を設立することを定めた場合における新株式会社の設立の登記の登録免許税の税率について準用する。
9 会社更生法第264条第8項の規定は、相互会社の更生手続における更生計画において新相互会社又は当該更生計画の定めにより設立された株式会社が更生会社から不動産又は船舶に関する権利の移転又は設定を受けることを定めた場合におけるその移転又は設定の登記の登録免許税の税率について準用する。
(登録への準用)
第339条 第334条、第335条第5項、第336条において準用する会社更生法第262条、第337条及び前条第1項の規定は、登録のある権利について準用する。
第340条 削除
第4章 金融機関等の更生手続の特例
第1節 銀行の更生手続の特例
第1款 総則
(定義)
第341条 この節において「更生会社」とは、会社更生法第2条第7項に規定する更生会社であって、銀行であるものをいう。
2 この節において「更生債権者等」とは、会社更生法第2条第13項に規定する更生債権者等をいう。
3 この節において「更生計画」とは、会社更生法第2条第2項に規定する更生計画をいう。
4 この節において「更生手続」とは、会社更生法第2条第1項に規定する更生手続をいう。
5 この節において「裁判所」とは、会社更生法第2条第5項に規定する裁判所をいう。
(銀行についての会社更生法の規定の適用)
第342条 銀行についての会社更生法の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第11条第1項 | を含む。) | を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号。以下「更生特例法」という。) |
第14条 | この法律 | この法律並びに更生特例法第4章第1節、第3節及び第4節 |
第45条第1項 | 行う | 行い、又は更生計画の定めにより更生会社がその組織を変更した後の信用金庫(以下「転換後信用金庫」という。)について更生特例法第32条第1項各号に掲げる行為を行う |
第45条第1項第7号 | 持分会社 | 持分会社若しくは信用金庫 |
第45条第2項 | 更生会社 | 更生会社又は転換後信用金庫 |
第77条第2項 | (会社法第2条第3号 | (銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第8項又は長期信用銀行法(昭和27年法律第187号)第13条の2第2項 |
第81条第2項 | 若しくは更生計画 | 、転換後信用金庫若しくは更生計画 |
会社に | 会社若しくは協同組織金融機関(更生特例法第2条第2項に規定する協同組織金融機関をいう。以下同じ。)に | |
持分を | 持分若しくは転換後信用金庫若しくは更生計画の定めにより設立された協同組織金融機関の持分を | |
第167条第2項 | 設立 | 設立、協同組織金融機関の設立 |
第185条第1項 | 継続し | 継続し(組織を変更する場合を含む。) |
株式会社の | 株式会社若しくは協同組織金融機関の | |
第199条第2項第5号 | 会社 | 会社又は協同組織金融機関 |
第203条第1項第4号 | 持分会社 | 持分会社又は転換後信用金庫 |
第203条第1項第5号 | 又は第183条 | 若しくは第183条 |
設立される会社 | 設立される会社又は更生計画の定めるところにより更生特例法第346条において準用する更生特例法第103条第1項に規定する条項により設立される協同組織金融機関(以下「新協同組織金融機関」という。) | |
第204条第1項第1号 | この法律 | この法律の規定若しくは更生特例法第4章第1節 |
第206条第2項 | 持分会社、同項第5号に掲げる会社 | 持分会社又は転換後信用金庫、同項第5号に掲げる会社又は新協同組織金融機関 |
第209条第1項 | 更生会社 | 更生会社(転換後信用金庫を含む。) |
第209条第2項 | 会社 | 会社又は新協同組織金融機関 |
第209条第3項 | 会社 | 会社又は新協同組織金融機関 |
執行役 | 執行役、理事、監事 | |
第209条第4項第1号 | この法律 | この法律の規定若しくは更生特例法第4章第1節 |
第210条第1項 | 株式会社 | 株式会社若しくは新協同組織金融機関 |
第210条第3項 | 第828条、第829条及び | 第828条第1項各号(中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第32条、信用金庫法(昭和26年法律第238号)第28条、労働金庫法(昭和28年法律第227号)第28条並びに金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和43年法律第86号)第53条第1項及び第65条第1項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第2項各号、第829条並びに |
株式会社 | 株式会社、転換後信用金庫若しくは新協同組織金融機関 | |
同法第828条第2項第1号 | 会社法第828条第2項第1号 | |
新株予約権者 | 新株予約権者、組合員等(更生特例法第2条第10項に規定する組合員等をいう。)、理事、監事 | |
第232条第1項 | 新会社が | 新会社又は更生特例法第354条第1項に規定する新協同組織金融機関が |
新会社は | 新会社又は当該新協同組織金融機関は | |
第241条第3項 | 及びこの法律 | 並びにこの法律の規定及び更生特例法第4章第1節 |
第261条第1項 | この法律 | この法律の規定若しくは更生特例法第4章第1節 |
第261条第2項 | 他の会社 | 他の会社又は協同組織金融機関 |
第261条第2項第2号 | 会社 | 会社又は信用金庫 |
第261条第3項 | 他の会社 | 他の会社又は信用金庫 |
第261条第6項 | 及び | 、転換後信用金庫並びに |
会社 | 会社及び協同組織金融機関 | |
第264条第8項 | 株式会社 | 株式会社又は協同組織金融機関 |
第2款 更生計画の条項に関する特例
(吸収合併)
第343条 吸収合併(更生会社(普通銀行であるものに限る。)が消滅する吸収合併(合併転換法第2条第4項に規定する吸収合併をいう。以下この節において同じ。)であって、吸収合併後存続する金融機関(以下この節において「吸収合併存続金融機関」という。)が信用金庫であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 吸収合併存続金融機関が吸収合併に際して更生債権者等に対して出資等(協同組織金融機関の出資又は金銭をいう。以下この節において同じ。)を交付するときは、当該出資等についての次に掲げる事項
イ 当該出資等が吸収合併存続金融機関の出資であるときは、当該出資の口数又はその算定方法(吸収合併存続金融機関の会員となることができない更生債権者等がある場合にあっては、当該更生債権者等に対して交付する金銭の額又はその算定方法を含む。)並びに当該吸収合併存続金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該出資等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の出資等の割当てに関する事項
2 吸収合併(更生会社が吸収合併存続金融機関となるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 更生会社が吸収合併に際して吸収合併により消滅する金融機関(以下この節において「吸収合併消滅金融機関」という。)の組合員等に対して当該更生会社の社債等(社債又は新株予約権をいう。以下この節において同じ。)を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が更生会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が更生会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が更生会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅金融機関の組合員等に対する同号の社債等の割当てに関する事項
(新設合併)
第344条 新設合併(更生会社が消滅する新設合併(合併転換法第2条第5項に規定する新設合併をいう。以下この節において同じ。)であって、新設合併により設立する金融機関(以下この節において「新設合併設立金融機関」という。)が株式会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立金融機関が新設合併に際して更生債権者等に対して当該新設合併設立金融機関の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式の割当てに関する事項
四 新設合併設立金融機関が新設合併に際して新設合併により消滅する金融機関(以下この節において「新設合併消滅金融機関」という。)の株主又は組合員等に対して当該新設合併設立金融機関の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が新設合併設立金融機関の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が新設合併設立金融機関の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が新設合併設立金融機関の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、新設合併消滅金融機関の株主又は組合員等に対する同号の社債等の割当てに関する事項
2 新設合併(更生会社(普通銀行であるものに限る。)が消滅する新設合併であって、新設合併設立金融機関が信用金庫であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立金融機関が新設合併に際して更生債権者等に対して当該新設合併設立金融機関の出資を交付するときは、当該出資の口数又はその算定方法(新設合併設立金融機関の会員となることができない更生債権者等がある場合にあっては、当該更生債権者等に対して交付する金銭の額又はその算定方法を含む。)並びに当該新設合併設立金融機関の資本金及び準備金の額に関する事項
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の出資の割当てに関する事項
(転換)
第345条 転換(合併転換法第2条第7項に規定する転換であって、更生会社(普通銀行であるものに限る。)が信用金庫となるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 転換計画において定めるべき事項(合併転換法第56条第1項第3号及び第4号に掲げる事項を除く。)
二 転換後信用金庫(合併転換法第56条第1項第1号に規定する転換後信用金庫をいう。以下この節において同じ。)の理事、監事及び会計監査人についての次に定める事項
イ 転換後信用金庫の理事及び代表理事の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
ロ 転換後信用金庫の監事の氏名又はその選任の方法及び任期
ハ 転換後信用金庫が特定金庫(信用金庫法第38条の2第3項に規定する特定金庫をいう。)である場合には、転換後信用金庫の会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
三 転換後信用金庫が転換に際して更生債権者等に対して出資等を交付するときは、当該出資等についての次に掲げる事項
イ 当該出資等が転換後信用金庫の出資であるときは、当該出資の口数又はその算定方法(転換後信用金庫の会員となることができない更生債権者等がある場合にあっては、当該更生債権者等に対して交付する金銭の額又はその算定方法を含む。)並びに当該転換後信用金庫の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該出資等が金銭であるときは、当該金銭の額又はその算定方法
四 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の出資等の割当てに関する事項
2 第96条(第2号及び第3号(第2号に係る部分に限る。)を除く。)の規定は、転換後信用金庫の出資の受入れに関する条項について準用する。この場合において、同条第4号中「第126条において準用する会社更生法」とあるのは「会社更生法」と、「組合員等と」とあるのは「会員と」と、「組合員等の」とあるのは「株主の」と、同条第5号及び第6号中「組合員等」とあるのは「株主」と読み替えるものとする。
3 第1項第2号イ及びロの任期は、1年を超えることができない。
(新協同組織金融機関の設立)
第346条 第103条の規定は、銀行の更生手続における協同組織金融機関の設立に関する条項について準用する。この場合において、同条第1項第3号中「第126条において準用する会社更生法」とあるのは「会社更生法」と、「又は組合員等」とあるのは「又は株主」と、同項第4号、第5号及び第9号中「組合員等」とあるのは「株主」と、同項第6号中「更生協同組織金融機関」とあるのは「更生会社(第341条第1項に規定する更生会社をいう。)」と読み替えるものとする。
第347条 削除
第348条 削除
第3款 更生計画の遂行に関する特例
(事業の譲渡等に関する特例)
第349条 会社更生法第174条第6号の規定により更生計画において更生会社が事業の全部の譲渡若しくは譲受け又は事業の一部の譲渡若しくは譲受けをすることを定めた場合には、銀行法第34条及び第35条の規定は、更生会社については、適用しない。
(吸収合併に関する特例)
第350条 第343条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、吸収合併がその効力を生ずる日(以下この条において「効力発生日」という。)に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、吸収合併存続金融機関の会員となる。
2 第343条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合には、合併転換法第21条、第23条(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第26条の規定は、更生会社については、適用しない。
3 第343条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅金融機関の組合員等は、効力発生日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第343条第2項第2号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第343条第2項第2号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第343条第2項第2号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
4 前項に規定する場合には、合併転換法第28条の規定並びに合併転換法第31条において準用する合併転換法第23条(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第26条の規定は、更生会社については、適用しない。
(新設合併に関する特例)
第351条 第344条の規定により更生計画において更生会社が新設合併をすることを定めた場合には、更生会社についての設立委員の職務は、管財人が行う。
2 第344条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立金融機関の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の株式の株主となる。
3 第344条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅金融機関の株主又は組合員等は、新設合併設立金融機関の成立の日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第344条第1項第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第344条第1項第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第344条第1項第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
4 前項に規定する場合には、合併転換法第21条、第23条(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第26条の規定は、更生会社については、適用しない。
5 第344条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立金融機関の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、新設合併設立金融機関の会員となる。
6 第344条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合には、合併転換法第21条、第23条(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第26条の規定は、更生会社については、適用しない。
(転換に関する特例)
第352条 第345条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する転換をすることを定めた場合において、同項第3号イに掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、転換がその効力を生ずる日に、同項第4号に掲げる事項についての定めに従い、転換後信用金庫の会員となる。
2 第129条第1項から第3項まで及び第6項の規定は、第345条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する転換をすることを定めた場合について準用する。この場合において、第129条第1項及び第2項中「第94条」とあるのは「第345条第1項第2号」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「転換の効力が生じた」と、同条第3項中「第94条第1項第1号又は第2項第1号」とあるのは「第345条第1項第2号イ」と、同項及び同条第6項中「代表理事又は代表清算人」とあるのは「代表理事」と読み替えるものとする。
3 第345条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する転換をすることを定めた場合には、合併転換法第58条において準用する合併転換法第21条、第23条(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第26条の規定は、適用しない。
4 第2項の規定により選任された転換後信用金庫の理事及び監事の任期については、合併転換法第56条第6項の規定は、適用しない。
5 会社更生法第209条第3項の規定は、転換後信用金庫に対する管財人及び調査委員の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「理事、監事、会計監査人」と読み替えるものとする。
(転換後信用金庫の出資の受入れに関する特例)
第353条 第133条の規定は、第345条第2項において準用する第96条第5号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して同号の出資の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合について準用する。この場合において、第133条第1項及び第3項中「更生協同組織金融機関」とあるのは「転換後信用金庫」と、同条第1項中「通知しなければ」とあるのは「通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、次に掲げる事項を公告しなければ」と、同項第1号及び第3号並びに同条第4項中「組合員等」とあるのは「株主」と、同条第1項第2号及び第3号、第3項並びに第4項中「第96条第5号」とあるのは「第345条第2項において準用する第96条第5号」と、同条第2項及び第3項中「通知」とあるのは「通知又は公告」と読み替えるものとする。
(新協同組織金融機関の設立に関する特例)
第354条 第346条において準用する第103条第1項の規定により更生計画において協同組織金融機関を設立することを定めた場合には、当該協同組織金融機関(以下この条において「新協同組織金融機関」という。)についての発起人の職務は、管財人が行う。
2 前項に規定する場合には、新協同組織金融機関の定款は、裁判所の認証を受けなければ、その効力を生じない。
3 第1項に規定する場合には、新協同組織金融機関の創立総会における決議は、その内容が更生計画の趣旨に反しない限り、することができる。
4 第1項に規定する場合において、新協同組織金融機関が成立しなかったときは、更生会社は、管財人が同項の規定により新協同組織金融機関の設立に関してした行為についてその責任を負い、新協同組織金融機関の設立に関して支出した費用を負担する。
5 第129条第1項から第3項まで及び第6項の規定は第1項に規定する場合における理事、監事、代表理事及び会計監査人の選任又は選定及び任期について、第133条の規定は更生債権者等又は株主に対して新協同組織金融機関の出資の割当てを受ける権利を与える場合について、第134条の規定は更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする新協同組織金融機関の出資の受入れについて、それぞれ準用する。この場合において、第129条第1項及び第2項中「第94条」とあるのは「第346条において準用する第103条第1項第7号又は第8号」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項及び第134条中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新協同組織金融機関が成立した」と、第129条第3項中「第94条第1項第1号又は第2項第1号」とあるのは「第346条において準用する第103条第1項第7号」と、同項及び同条第6項中「代表理事又は代表清算人」とあるのは「代表理事」と、第133条第1項、第3項及び第4項中「第96条第5号」とあるのは「第346条において準用する第103条第1項第4号」と、同条第1項及び第3項中「更生協同組織金融機関」とあるのは「新協同組織金融機関」と、同条第1項中「通知しなければ」とあるのは「通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の社債券が発行されているとき、又は社債、株式等の振替に関する法律第4章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、次に掲げる事項を公告しなければ」と、同項第1号及び第3号並びに同条第4項中「組合員等」とあるのは「株主」と、同条第2項及び第3項中「通知」とあるのは「通知又は公告」と、第134条中「第97条」とあるのは「第346条において準用する第103条第1項第9号」と、「又は組合員等」とあるのは「又は株主」と、「同条第2号」とあるのは「同号」と読み替えるものとする。
6 第1項に規定する場合には、中小企業等協同組合法第24条第1項、信用金庫法第22条第1項並びに第23条第2項及び第5項又は労働金庫法第22条第1項及び第23条第2項の規定は、適用しない。
7 会社更生法第209条第3項の規定は、新協同組織金融機関に対する管財人の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「理事、監事、会計監査人」と読み替えるものとする。
(転換後信用金庫等に異動した者の退職手当の取扱い)
第354条の2 更生手続開始後に更生会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役又は使用人であった者で、更生計画の定めにより更生会社の組織が変更された際又は前条第1項に規定する新協同組織金融機関が設立された際に更生会社を退職し、かつ、引き続き転換後信用金庫又は当該新協同組織金融機関の理事、監事、代表理事又は使用人となったものは、更生会社から退職手当の支給を受けることができない。
2 前項に規定する者の更生会社における在職期間は、退職手当の計算については、転換後信用金庫又は前条第1項に規定する新協同組織金融機関における在職期間とみなす。
(出資等の割当てを受ける権利の譲渡)
第354条の3 更生計画の定めによって更生債権者等又は株主に対して転換後信用金庫又は第354条第1項に規定する新協同組織金融機関の出資の割当てを受ける権利が与えられた場合には、当該権利は、転換後信用金庫又は当該新協同組織金融機関の承諾を得て、これを組合員等又はその資格を有する者に譲渡することができる。
第4款 雑則
(更生計画の遂行に関する登記の嘱託)
第355条 会社更生法第258条第1項の規定は、更生計画の遂行又は同法の規定若しくはこの節の規定により更生手続終了前に転換後信用金庫又は更生計画の定めにより設立される協同組織金融機関について登記すべき事項が生じた場合について準用する。この場合において、中小企業等協同組合法第93条第2項各号、信用金庫法第74条第2項各号又は労働金庫法第78条第2項各号に掲げる事項について登記すべき事項が生じたときは、会社更生法第258条第1項中「本店(外国に本店があるときは、日本における営業所。第4項及び次条第1項において同じ。)」とあるのは、「主たる事務所及び従たる事務所」と読み替えるものとする。
2 転換後信用金庫の出資の総口数及び総額の変更の登記の嘱託に関する前項において準用する会社更生法第258条第1項の規定の適用については、同項中「遅滞なく」とあるのは、「毎事業年度末日現在により、事業年度終了後、遅滞なく」とする。
(登記嘱託書等の添付書面等)
第356条 この節の規定による登記の嘱託書又は申請書に添付すべき書面その他のものは、政令で定める。
第1節の2 株式会社商工組合中央金庫の更生手続の特例
第356条の2 株式会社商工組合中央金庫についての会社更生法の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第11条第1項 | を含む。) | を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号。以下「更生特例法」という。) |
第14条 | この法律 | この法律並びに更生特例法第4章第1節の2、第3節及び第4節 |
第77条第2項 | (会社法第2条第3号 | (株式会社商工組合中央金庫法(平成19年法律第74号)第23条第2項 |
第2節 保険業を営む株式会社の更生手続の特例
第1款 総則
(定義)
第357条 この節において「更生手続」とは、会社更生法第2条第1項に規定する更生手続をいう。
2 この節において「更生会社」とは、会社更生法第2条第7項に規定する更生会社であって、保険業を営むものをいう。
3 この節において「更生債権者等」とは、会社更生法第2条第13項に規定する更生債権者等をいう。
4 この節において「更生計画」とは、会社更生法第2条第2項に規定する更生計画をいう。
5 この節において「裁判所」とは、会社更生法第2条第5項に規定する裁判所をいう。
(保険業を営む株式会社についての会社更生法の規定の適用)
第358条 保険業を営む株式会社についての会社更生法の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第11条第1項 | を含む。) | を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下「更生特例法」という。) |
第14条 | この法律 | この法律並びに更生特例法第4章第2節、第3節及び第6節 |
第45条第1項 | 行う | 行い、又は更生計画の定めにより更生会社がその組織を変更した後の相互会社(更生特例法第2条第6項に規定する相互会社をいう。以下同じ。)(以下「組織変更後相互会社」という。)について更生特例法第197条第1項各号に掲げる行為を行う |
第45条第1項第7号 | 持分会社 | 持分会社若しくは相互会社 |
株式交換若しくは株式移転 | 株式交換(保険業法(平成7年法律第105号)第96条の5第1項に規定する組織変更株式交換を含む。)、株式移転(相互会社と共にする同法第96条の8第1項に規定する組織変更株式移転を含む。)若しくは保険契約の移転(同法第135条第1項(同法第272条の29において準用する場合を含む。)の保険契約の移転をいう。以下同じ。) | |
第45条第2項 | 更生会社 | 更生会社又は組織変更後相互会社 |
第77条第2項 | 子会社(会社法第2条第3号に規定する子会社 | 実質子会社(保険業法第33条の2第1項に規定する実質子会社 |
第81条第2項 | 若しくは更生計画 | 、組織変更後相互会社若しくは更生計画 |
会社に | 会社若しくは相互会社に | |
持分を | 持分若しくは組織変更後相互会社若しくは更生計画の定めにより設立された相互会社の社員権を | |
第167条第2項 | 掲げる行為 | 掲げる行為、業務及び財産の管理の委託(保険業法第144条第1項に規定する業務及び財産の管理の委託をいう。) |
設立 | 設立、相互会社の設立 | |
第185条第1項 | 継続し | 継続し(組織を変更する場合を含む。) |
若しくは株式会社の設立 | 、株式会社若しくは相互会社の設立若しくは保険契約の移転 | |
第199条第2項第5号 | 会社 | 会社又は相互会社 |
第203条第1項第4号 | 持分会社 | 持分会社又は相互会社 |
第203条第1項第5号 | 又は第183条 | 若しくは第183条 |
設立される会社 | 設立される会社又は更生計画の定めるところにより更生特例法第363条において準用する更生特例法第272条に規定する条項により設立される相互会社(以下「新相互会社」という。) | |
第204条第1項第1号 | この法律 | この法律の規定若しくは更生特例法第4章第2節 |
第206条第2項 | 持分会社、同項第5号に掲げる会社 | 持分会社又は相互会社、同項第5号に掲げる会社又は新相互会社 |
第209条第1項 | 更生会社 | 更生会社(組織変更後相互会社を含む。) |
第209条第2項 | 会社 | 会社又は新相互会社 |
第209条第3項 | 会社 | 会社又は新相互会社 |
第209条第4項第1号 | この法律 | この法律の規定若しくは更生特例法第4章第2節 |
第210条第1項 | 株式会社 | 株式会社若しくは新相互会社 |
第210条第3項 | 第828条、第829条及び第846条の2 | 第828条第1項各号(保険業法第30条の15及び第171条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)及び第2項各号、第829条並びに第846条の2並びに保険業法第84条の2 |
株式会社 | 株式会社、組織変更後相互会社若しくは新相互会社 | |
同法 | 会社法 | |
新株予約権者 | 新株予約権者、社員等(保険業法第84条の2第2項に規定する社員等をいう。) | |
訴え、 | 訴え若しくは保険業法第84条の2第1項の組織変更の無効の訴え、 | |
第212条 | の規定は | の規定並びに保険業法第16条及び第17条の規定は |
第220条第2項 | の規定 | の規定並びに保険業法第165条の24(第9項を除く。)の規定 |
第220条第6項 | の規定は | の規定並びに保険業法第165条の24(第9項を除く。)の規定は |
第221条第2項 | の規定 | の規定並びに保険業法第165条の24(第9項を除く。)の規定 |
第222条第1項 | の規定は | の規定並びに保険業法第173条の4(第10項及び第12項を除く。)の規定は |
第222条第3項 | の規定は | の規定並びに保険業法第173条の4(第10項及び第12項を除く。)の規定は |
第223条第1項 | の規定は | の規定並びに保険業法第173条の4(第10項及び第12項を除く。)の規定は |
第232条第1項 | 新会社が | 新会社又は更生特例法第372条第1項に規定する新相互会社が |
新会社は | 新会社又は当該新相互会社は | |
第241条第3項 | 及びこの法律 | 並びにこの法律の規定及び更生特例法第4章第2節 |
第261条第1項 | この法律 | この法律の規定若しくは更生特例法第4章第2節 |
第261条第2項 | 他の会社 | 他の会社又は相互会社 |
第261条第2項第2号 | 設立する会社 | 設立する会社又は相互会社 |
第261条第3項 | 他の会社 | 他の会社又は相互会社 |
第261条第6項 | 及び | 、組織変更後相互会社並びに |
設立される会社 | 設立される会社及び相互会社 | |
第264条第8項 | 株式会社 | 株式会社又は相互会社 |
第2款 更生計画の条項に関する特例
(保険契約の移転等)
第359条 次に掲げる行為に関する条項においては、更生手続が行われていない場合に当該行為を行うとすれば株主総会の決議が必要となる事項を定めなければならない。
一 保険契約の移転をし、又は保険契約の移転を受けること。
二 業務及び財産の管理の委託
(組織変更)
第360条 組織変更(保険業法第68条第3項に規定する組織変更をいう。以下この節において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 組織変更計画において定めるべき事項
二 組織変更後の相互会社(以下この節において「組織変更後相互会社」という。)の取締役の氏名又はその選任の方法及び任期並びに組織変更後相互会社が監査等委員会設置会社(保険業法第4条第1項第3号に規定する監査等委員会設置会社をいう。次号ニにおいて同じ。)である場合には監査等委員(同法第2条第19項に規定する監査等委員をいう。)である取締役又はそれ以外の取締役のいずれであるかの別
三 次のイからホまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからホまでに定める事項
イ 組織変更後相互会社が会計参与設置会社(保険業法第8条の2第1項第2号に規定する会計参与設置会社をいう。)である場合 会計参与の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
ロ 組織変更後相互会社が監査役設置会社(保険業法第30条の11第1項に規定する監査役設置会社をいう。)である場合 代表取締役及び監査役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
ハ 組織変更後相互会社が会計監査人設置会社(保険業法第53条の22第3項に規定する会計監査人設置会社をいう。)である場合 会計監査人の氏名若しくは名称又はその選任の方法及び任期
ニ 組織変更後相互会社が監査等委員会設置会社である場合 代表取締役の氏名又はその選定の方法及び任期
ホ 組織変更後相互会社が指名委員会等設置会社(保険業法第4条第1項第3号に規定する指名委員会等設置会社をいう。)である場合 各委員会(同法第53条の24第1項に規定する各委員会をいう。)の委員、執行役及び代表執行役の氏名又はその選任若しくは選定の方法及び任期
四 組織変更後相互会社が組織変更に際して更生債権者等を当該組織変更後相互会社の基金の拠出者とするときは、基金の額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の基金の割当てに関する事項
2 第263条の規定は組織変更後相互会社の基金の募集に関する条項について、第264条の規定は組織変更後相互会社の募集社債を引き受ける者の募集に関する条項について、それぞれ準用する。この場合において、第263条第2号及び第264条第3号中「第296条において準用する会社更生法」とあるのは「会社更生法」と、第263条第2号から第4号まで及び第264条第3号から第5号までの規定中「社員」とあるのは「株主」と、第263条第3号及び第264条第4号中「更生会社」とあるのは「組織変更後相互会社」と読み替えるものとする。
(吸収合併)
第361条 吸収合併(更生会社が消滅する吸収合併(保険業法第160条に規定する吸収合併をいう。以下この節において同じ。)であって、吸収合併後存続する会社(以下この条において「吸収合併存続会社」という。)が相互会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 吸収合併存続会社が吸収合併に際して更生債権者等を当該吸収合併存続会社の基金の拠出者とするときは、基金の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の基金の割当てに関する事項
2 吸収合併(更生会社が吸収合併存続会社となるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 吸収合併契約において定めるべき事項
二 更生会社が吸収合併に際して吸収合併により消滅する会社(以下この節において「吸収合併消滅会社」という。)の基金の拠出者又は社員に対して当該更生会社の社債等(社債又は新株予約権をいう。以下この節において同じ。)を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が更生会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が更生会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が更生会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
三 前号に規定する場合には、吸収合併消滅会社の基金の拠出者又は社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項
(新設合併)
第362条 新設合併(更生会社が消滅する新設合併(保険業法第161条第1項に規定する新設合併をいう。以下この節において同じ。)であって、新設合併により設立する会社(以下この節において「新設合併設立会社」という。)が株式会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立会社が新設合併に際して更生債権者等に対して当該新設合併設立会社の株式を交付するときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該新設合併設立会社の資本金及び準備金の額に関する事項
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の株式の割当てに関する事項
四 新設合併設立会社が新設合併に際して新設合併により消滅する会社(以下この節において「新設合併消滅会社」という。)の株主又は基金の拠出者若しくは社員に対して当該新設合併設立会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が新設合併設立会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が新設合併設立会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が新設合併設立会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
五 前号に規定する場合には、新設合併消滅会社の株主又は基金の拠出者若しくは社員に対する同号の社債等の割当てに関する事項
2 新設合併(更生会社が消滅する新設合併であって、新設合併設立会社が相互会社であるものに限る。以下この項において同じ。)に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 新設合併契約において定めるべき事項
二 新設合併設立会社が新設合併に際して更生債権者等を当該新設合併設立会社の基金の拠出者とするときは、基金の額又はその算定方法
三 前号に規定する場合には、更生債権者等に対する同号の基金の割当てに関する事項
四 新設合併設立会社が新設合併に際して新設合併消滅会社の社員に対して当該新設合併設立会社の社債を交付するときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、新設合併消滅会社の社員に対する同号の社債の割当てに関する事項
(新相互会社の設立)
第363条 第272条の規定は、保険業を営む株式会社の更生手続における相互会社の設立に関する条項について準用する。この場合において、同条第3号中「第296条において準用する会社更生法」とあるのは「会社更生法」と、同号から同条第5号まで及び同条第11号中「社員」とあるのは「株主」と読み替えるものとする。
第364条 削除
第365条 削除
第3款 更生計画の遂行に関する特例
(保険契約の移転に関する特例)
第366条 第302条第1項及び第2項の規定は、更生計画において更生会社が第359条第1号に掲げる行為をすることを定めた場合について準用する。
(組織変更に関する特例)
第367条 第360条第1項の規定により更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合において、同項第4号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、組織変更がその効力を生ずる日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、同項第4号の基金の拠出者となる。
2 第299条第1項から第3項まで及び第6項の規定は、第360条第1項の規定により更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合について準用する。この場合において、第299条第1項及び第2項中「第261条」とあるのは「第360条第1項第2号又は第3号」と、同条第1項中「、会計監査人、清算人又は代表清算人」とあり、並びに同条第2項及び第6項中「、会計監査人又は清算人」とあるのは「又は会計監査人」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「組織変更の効力が生じた」と、同条第3項中「第261条第1項第1号から第3号まで若しくは第7号又は第2項第2号」とあるのは「第360条第1項第3号ロ、ニ又はホ」と、同項及び同条第6項中「、代表執行役又は代表清算人」とあるのは「又は代表執行役」と読み替えるものとする。
3 第360条第1項の規定により更生計画において更生会社が組織変更をすることを定めた場合には、会社法第740条の規定並びに保険業法第69条の2、第70条及び第72条から第79条までの規定は、適用しない。
4 会社更生法第209条第3項の規定は、組織変更後相互会社に対する管財人及び調査委員の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「設立時取締役、設立時監査役、取締役」とあるのは「取締役」と、「会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは「会計監査人」と読み替えるものとする。
(組織変更後相互会社の基金の募集に関する特例)
第368条 第303条の規定は、第360条第2項において準用する第263条第3号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して組織変更後相互会社の基金の拠出の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合について準用する。この場合において、第303条第1項及び第3項中「更生会社」とあるのは「組織変更後相互会社」と、同条第1項中「無記名式の」とあるのは「無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の」と、「第117条において準用する同法第4章」とあるのは「第4章」と、同項第1号及び同条第4項中「社員」とあるのは「株主」と、同条第1項第2号及び第3号、第3項並びに第4項中「第263条第3号」とあるのは「第360条第2項において準用する第263条第3号」と読み替えるものとする。
(組織変更後相互会社の募集社債を引き受ける者の募集に関する特例)
第369条 会社更生法第217条の規定は、第360条第2項において準用する第264条第4号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合について準用する。この場合において、同法第217条第1項及び第3項中「更生会社」とあるのは「組織変更後相互会社」と、同条第1項第2号及び第3号、第3項並びに第4項中「第177条第4号」とあるのは「更生特例法第360条第2項において準用する更生特例法第264条第4号」と読み替えるものとする。
(吸収合併に関する特例)
第370条 第361条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、吸収合併がその効力を生ずる日(以下この条において「効力発生日」という。)に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の基金の拠出者となる。
2 第361条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合には、会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の2、第165条の3の2、第165条の4(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第165条の7の規定は、更生会社については、適用しない。
3 第361条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する吸収合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、吸収合併消滅会社の基金の拠出者又は社員は、効力発生日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第361条第2項第2号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第361条第2項第2号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第361条第2項第2号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
4 前項に規定する場合には、会社法第740条の規定、保険業法第165条の9及び第165条の11の2の規定並びに同法第165条の12において準用する同法第165条の4(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第165条の7の規定は、更生会社については、適用しない。
(新設合併に関する特例)
第371条 第362条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の株式の株主となる。
2 第362条第1項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、次の各号に掲げる場合には、新設合併消滅会社の株主又は基金の拠出者若しくは社員は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
一 第362条第1項第4号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの社債の社債権者
二 第362条第1項第4号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの新株予約権の新株予約権者
三 第362条第1項第4号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
3 前項に規定する場合には、会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の2、第165条の3の2、第165条の4(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第165条の7の規定は、更生会社については、適用しない。
4 第362条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第2号に掲げる事項についての定めがあるときは、更生債権者等は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第3号に掲げる事項についての定めに従い、同項第2号の基金の拠出者となる。
5 第362条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合において、同項第4号に掲げる事項についての定めがあるときは、新設合併消滅会社の社員は、新設合併設立会社の成立の日に、同項第5号に掲げる事項についての定めに従い、同項第4号の社債の社債権者となる。
6 第362条第2項の規定により更生計画において更生会社が同項に規定する新設合併をすることを定めた場合には、会社法第740条の規定並びに保険業法第165条の2、第165条の3の2、第165条の4(登録株式質権者及び登録新株予約権質権者に対する通知に係る部分を除く。)及び第165条の7の規定は、更生会社については、適用しない。
(新相互会社の設立に関する特例)
第372条 第363条において準用する第272条本文の規定により更生計画において相互会社を設立することを定めた場合には、当該相互会社(以下この条において「新相互会社」という。)についての発起人の職務は、管財人が行う。
2 前項に規定する場合においては、新相互会社の定款は、裁判所の認証を受けなければ、その効力を生じない。
3 第1項に規定する場合には、新相互会社の創立総会における決議は、その内容が更生計画の趣旨に反しない限り、することができる。
4 第1項に規定する場合において、新相互会社が成立しなかったときは、更生会社は、管財人が同項の規定により新相互会社の設立に関してした行為についてその責任を負い、新相互会社の設立に関して支出した費用を負担する。
5 第299条第1項から第3項までの規定は第1項に規定する場合における新相互会社の設立時取締役等(第363条において準用する第272条第9号に規定する設立時取締役等をいう。以下この項において同じ。)の選任又は選定について、第299条第6項の規定は新相互会社の設立時取締役等が新相互会社の成立後において新相互会社取締役等(同号に規定する新相互会社取締役等をいう。以下この項において同じ。)となった場合における当該新相互会社取締役等の任期について、第303条の規定は更生債権者等又は株主に対して新相互会社の基金の拠出の割当てを受ける権利を与える場合について、第304条の規定は新相互会社の募集社債を引き受ける者の募集について、第305条の規定は更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする新相互会社の設立時の基金の拠出の割当て又は社債の発行について、それぞれ準用する。この場合において、第299条第1項及び第2項中「第261条」とあるのは「第363条において準用する第272条第7号又は第8号」と、同条第1項中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新相互会社が成立した」と、同条第3項中「第261条第1項第1号から第3号まで若しくは第7号又は第2項第2号」とあるのは「第363条において準用する第272条第8号ロ、ニ又はホ」と、第303条第1項、第3項及び第4項中「第263条第3号」とあるのは「第363条において準用する第272条第4号」と、同条第1項及び第3項並びに第304条第1項及び第3項中「更生会社」とあるのは「新相互会社」と、第303条第1項及び第304条第1項中「無記名式の」とあるのは「無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の」と、「第117条において準用する同法第4章」とあるのは「第4章」と、第303条第1項第1号及び第4項、第304条第1項及び第4項並びに第305条中「社員」とあるのは「株主」と、第304条第1項、第3項及び第4項中「第264条第4号」とあるのは「第363条において準用する第272条第10号」と、第305条中「更生計画認可の決定の」とあるのは「新相互会社が成立した」と、同条第1項中「第265条第1項」とあり、及び同条第2項中「第265条第2項」とあるのは「第363条において準用する第272条第11号」と、同条第1項中「同項第3号」とあり、及び同条第2項中「同項第7号」とあるのは「同号」と読み替えるものとする。
6 第1項に規定する場合には、保険業法第22条第2項、第23条第1項第9号及び第4項、第24条第2項、第28条第1項第1号(公証人の氏名に係る部分に限る。)及び第2号(同法第23条第1項第9号に係る部分に限る。)、第30条の7第1項第1号(公証人の氏名に係る部分に限る。)及び第2号(同法第23条第1項第9号に係る部分に限る。)、第30条の8第1項、第30条の10第1項及び第8項、第30条の11(同条第1項第1号及び第2号に掲げる事項に係る部分に限る。)並びに第30条の14の規定は、適用しない。
7 会社更生法第209条第3項の規定は、新相互会社に対する管財人の報告徴収及び検査について準用する。この場合において、同項中「会計監査人、業務を執行する社員」とあるのは、「会計監査人」と読み替えるものとする。
(組織変更後相互会社等に異動した者の退職手当の取扱い)
第373条 更生手続開始後に更生会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役又は使用人であった者で、更生計画の定めにより更生会社の組織が変更された際又は前条第1項に規定する新相互会社が設立された際に更生会社を退職し、かつ、引き続き組織変更後相互会社又は当該新相互会社の取締役、会計参与、監査役、代表取締役、執行役、代表執行役又は使用人となったものは、更生会社から退職手当の支給を受けることができない。
2 前項に規定する者の更生会社における在職期間は、退職手当の計算については、組織変更後相互会社又は前条第1項に規定する新相互会社における在職期間とみなす。
(基金の拠出等の割当てを受ける権利の譲渡)
第373条の2 更生計画の定めによって更生債権者等又は株主に対して組織変更後相互会社又は第372条第1項に規定する新相互会社の基金の拠出又は募集社債の割当てを受ける権利が与えられた場合には、当該権利は、これを他に譲渡することができる。
第4款 雑則
(更生計画の遂行に関する登記の嘱託)
第374条 会社更生法第258条第1項の規定は、更生計画の遂行又は同法の規定若しくはこの節の規定により更生手続終了前に組織変更後相互会社又は更生計画の定めにより設立される相互会社について登記すべき事項が生じた場合について準用する。この場合において、保険業法第64条第3項において準用する会社法第930条第2項各号に掲げる事項について登記すべき事項が生じたときは、会社更生法第258条第1項中「本店(外国に本店があるときは、日本における営業所。第4項及び次条第1項において同じ。)」とあるのは、「主たる事務所及び従たる事務所」と読み替えるものとする。
(登記嘱託書等の添付書面等)
第375条 この節の規定による登記の嘱託書又は申請書に添付すべき書面その他のものは、政令で定める。
第3節 監督庁による更生手続開始の申立て等
(定義)
第376条 この節から第6節までにおいて「更生手続」、「更生事件」、「更生債権者等」、「裁判所」、「更生債権等」、「更生債権者」、「更生債権」又は「更生計画」とは、株式会社についてはそれぞれ会社更生法第2条に規定する更生手続、更生事件、更生債権者等、裁判所、更生債権等、更生債権者、更生債権又は更生計画をいい、協同組織金融機関についてはそれぞれ第4条に規定する更生手続、更生事件、更生債権者等、裁判所、更生債権等、更生債権者、更生債権又は更生計画をいい、相互会社についてはそれぞれ第169条に規定する更生手続、更生事件、更生債権者等、裁判所、更生債権等、更生債権者、更生債権又は更生計画をいう。
(更生手続開始の申立て等)
第377条 監督庁は、金融機関、外国銀行支店に係る外国銀行(銀行法第10条第2項第8号に規定する外国銀行をいう。以下同じ。)、銀行持株会社、長期信用銀行持株会社、金融商品取引業者(金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者をいう。)、指定親会社、保険会社、保険持株会社及び少額短期保険業者(以下この節において「金融機関等」という。)に破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがあるときは、当該金融機関等について更生手続開始の申立てをすることができる。
2 監督庁は、前項の規定により金融機関、外国銀行支店に係る外国銀行、銀行持株会社及び長期信用銀行持株会社の更生手続開始の申立てをすることが信用秩序の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、信用秩序の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。ただし、当該更生手続開始の申立てが株式会社商工組合中央金庫についてのものである場合は、この限りでない。
3 監督庁は、第1項の規定により金融商品取引業者及び指定親会社の更生手続開始の申立てをすることが有価証券の流通に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、有価証券の流通の円滑を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
4 監督庁は、第1項の規定により保険会社、保険持株会社及び少額短期保険業者の更生手続開始の申立てをすることが保険業に対する信頼性の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
5 第1項の規定により監督庁が更生手続開始の申立てをするときは、会社更生法第20条第1項(第18条及び第183条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
6 会社更生法第22条第2項(第18条及び第183条において準用する場合を含む。)の規定は、第1項の規定により監督庁が更生手続開始の申立てをした場合について準用する。
(更生手続開始の申立てを棄却する決定に対する抗告)
第378条 監督庁は、会社更生法第9条前段(第9条及び第174条において準用する場合を含む。以下この節において同じ。)の規定にかかわらず、前条第1項の規定による更生手続開始の申立てを棄却する決定に対して、即時抗告をすることができる。
(監督庁への通知)
第379条 金融機関等について更生手続開始の申立てがあったとき(第377条第1項の規定により監督庁が更生手続開始の申立てをしたときを除く。)は、裁判所書記官は、監督庁にその旨を通知しなければならない。
(他の手続の中止命令等の申立て等)
第380条 金融機関等について更生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、会社更生法第24条第1項又は第25条第1項(これらの規定を第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、会社更生法第9条前段の規定にかかわらず、同法第24条第1項若しくは第2項(これらの規定を第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による中止の命令、同法第24条第4項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定、同法第24条第5項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による取消しの命令、同法第25条第1項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による禁止の命令、同法第25条第4項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定、同法第25条第5項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による取消しの命令又は同法第27条第1項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(保全処分の申立て等)
第381条 金融機関等について更生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、会社更生法第28条第1項(第20条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第185条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、会社更生法第9条前段の規定にかかわらず、同法第28条第1項の規定による保全処分又は同条第2項(第20条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第185条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(保全管理命令の申立て等)
第382条 金融機関等について更生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、第22条第1項(第31条において準用する会社更生法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)若しくは第187条第1項(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)又は同法第30条第1項(同法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、会社更生法第9条前段の規定にかかわらず、第22条第1項若しくは第187条第1項若しくは同法第30条第1項の処分又は同法第30条第3項(第22条第3項(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第187条第3項(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(監督命令の申立て等)
第383条 金融機関等について更生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、第25条第1項(第31条において準用する会社更生法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)若しくは第190条第1項(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)又は同法第35条第1項(同法第44条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、会社更生法第9条前段の規定にかかわらず、第25条第1項若しくは第190条第1項若しくは同法第35条第1項の処分又は同法第35条第4項(第25条第3項(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び第190条第3項(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)並びに同法第44条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(更生事件の通知の特例)
第383条の2 金融機関等に係る更生事件についての会社更生法第42条第2項(第31条及び第196条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、知れている更生債権者等の数が1000人以上であるものとみなす。
第4節 預金保険機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第384条 裁判所は、金融機関について更生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、会社更生法第42条第1項(第31条において準用する場合を含む。)の規定により定める更生債権等の届出をすべき期間について、預金保険機構(以下「機構」という。)の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第385条 金融機関について会社更生法第26条第1項(第19条(第31条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び同法第44条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、当該金融機関について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権者となる預金者等(預金等債権に係る債権者をいう。以下同じ。)に対しては、同法第26条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、会社更生法第26条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(更生手続開始の決定等に関する通知の特例)
第386条 金融機関について更生手続開始の決定をしたときは、更生債権者である預金者等に対しては、会社更生法第43条第3項第1号(第31条において準用する場合を含む。)の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、会社更生法第43条第1項及び第2項(これらの規定を第31条において準用する場合を含む。)の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 金融機関の更生手続において、第392条第1項の規定による預金者表の提出があるまでに、会社更生法第43条第1項第2号若しくは第3号(これらの規定を第31条において準用する場合を含む。次項において同じ。)に掲げる事項に変更を生じた場合(同号に掲げる事項にあっては、更生債権等の届出をすべき期間に変更を生じた場合に限る。)又は更生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、更生債権者である預金者等であって同法第138条第1項(第81条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしていないものに対しては、同法第43条第5項(第31条において準用する場合を含む。)において準用する同法第43条第3項第1号の規定又は同法第44条第3項本文(第31条において準用する場合を含む。)の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、機構に対して、会社更生法第43条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、更生債権等の届出をすべき期間に限る。)について生じた変更の内容又は更生手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同法第42条第2項(第31条において準用する場合を含む。)の決定があったときは、この限りでない。
(事業の譲渡)
第387条 裁判所は、金融機関の更生手続において第33条第2項又は会社更生法第46条第2項の許可をする場合には、機構の意見を聴かなければならない。
(財産状況報告集会)
第388条 金融機関の更生手続における会社更生法第85条第1項(第56条において準用する場合を含む。)に規定する関係人集会においては、裁判所は、機構から、管財人の選任並びに当該金融機関の業務及び財産の管理に関する事項につき、意見を聴かなければならない。
(関係人集会の期日の通知)
第389条 裁判所書記官は、金融機関の更生手続において、債権届出期間(会社更生法第138条第1項(第81条において準用する場合を含む。)に規定する債権届出期間をいう。以下この節において同じ。)の満了前に関係人集会が招集された場合においては、機構に対し、当該関係人集会の期日を通知しなければならない。ただし、同法第42条第2項(第31条において準用する場合を含む。)の決定があったときは、この限りでない。
(更生債権者委員会)
第390条 機構が第392条第1項の規定による預金者表の提出をする前における第67条第1項及び会社更生法第117条第1項並びに同条第4項(第67条第1項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第67条第1項及び同法第117条第1項中「更生債権者をもって」とあるのは「更生債権者(預金保険機構を含む。)をもって」と、同条第4項中「更生債権者の申立て」とあるのは「更生債権者(預金保険機構を含む。)の申立て」とする。
2 第396条の規定は、機構が会社更生法第117条第2項(第67条第1項において準用する場合を含む。)に規定する更生債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第396条中「機構代理預金者」とあるのは、「預金者等」と読み替えるものとする。
(預金者表の作成及び縦覧等)
第391条 機構は、第386条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている更生債権である預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)について、第86条第2項又は会社更生法第144条第2項に規定する事項を記載した預金者表を作成しなければならない。
2 機構は、預金者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、預金者表を預金者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による預金者表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該預金者表に、当該預金等債権に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該預金者表に記載されている預金等債権について当該預金等債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該預金者表に記載されている預金者等の承諾を得て、当該預金者等に係る預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該預金者表に記載されている預金者等に係る預金等債権を、預金保険法第58条第1項若しくは第3項の規定により取得し、又は同法第70条の規定により買い取った場合において、当該預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該預金者等の承諾を要しない。
(預金者表の提出)
第392条 機構は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した預金者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、機構が、預金者表を裁判所に提出した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるもの及び既に預金者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加は、更生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 機構は、第1項の規定による預金者表の提出又は第2項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、会社更生法第138条第1項各号(第81条において準用する場合を含む。)に掲げる事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
(預金者表の提出の効果)
第393条 会社更生法の規定又は第2章の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された預金者表に記載されている預金等債権(預金者等が当該提出があるまでに同法第138条第1項(第81条において準用する場合を含む。)の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第391条第4項前段の規定による記載の追加に係る預金等債権については同法第139条第1項(第81条において準用する場合を含む。)の規定による届出があったものとみなす。
(預金者等の参加)
第394条 前条の規定により届出があったものとみなされる預金等債権(機構が会社更生法第141条(第83条において準用する場合を含む。)の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら更生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、更生債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、更生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした預金者等は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該預金者等に係る預金等債権の全部をもって自ら更生手続に参加するものとする。
(預金保険機構の権限)
第395条 機構は、第393条の規定により届出があったものとみなされる預金等債権に係る債権者(参加の届出をした預金者等を除く。以下この節において「機構代理預金者」という。)のために、当該機構代理預金者に係る預金等債権(以下この節において「機構代理債権」という。)をもって、更生手続に属する一切の行為(更生債権等の調査において、機構が異議を述べた機構代理債権に係る更生債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は機構代理債権に係る更生債権等査定申立て(会社更生法第151条第1項(第88条において準用する場合を含む。)に規定する更生債権等査定申立てをいう。)を取り下げ、若しくは機構代理債権に係る更生債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該機構代理債権に係る機構代理預金者の授権がなければならない。
(預金保険機構の義務)
第396条 機構は、機構代理預金者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 機構は、機構代理預金者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第397条 機構は、機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第392条第3項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第1項の規定による変更は、会社更生法の規定又は第2章の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第139条第5項(第81条において準用する場合を含む。)の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第398条 機構代理債権に係る会社更生法第148条第1項(第87条において準用する場合を含む。)に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、同法第148条第2項(第87条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の負担とする。ただし、機構は、同法第92条(第60条において準用する場合を含む。)の規定により原状に復した預金等債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、機構代理預金者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第399条 更生債権等の調査において、機構代理債権の内容について管財人が認めず、又は届出をした更生債権者等(会社更生法第42条第2項(第31条において準用する場合を含む。)に規定する届出をした更生債権者等をいう。)若しくは株主若しくは組合員等が異議を述べた場合(機構が当該機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、機構は、遅滞なく、その旨を当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
2 更生債権等の調査において、機構が機構代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第400条 機構は、更生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として会社更生法第189条第2項第1号(第113条において準用する場合を含む。)に掲げる方法が定められた場合において、機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、当該更生計画案又は変更計画案が決議に付される最初の関係人集会の期日の2週間前までに、同意しようとする更生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を機構代理預金者(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
2 機構は、更生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として会社更生法第189条第2項第2号又は第3号(これらの規定を第113条において準用する場合を含む。)に掲げる方法が定められた場合において、機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、同法第189条第2項第2号(第113条において準用する場合を含む。)に規定する期間の末日の2週間前までに、同意しようとする更生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を機構代理預金者(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
(預金保険機構がする通知等)
第401条 第399条第1項及び前条の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 会社更生法第10条第1項及び第2項の規定は、第391条第2項及び前条の規定による公告について準用する。
(決済債務の弁済等の許可)
第402条 更生手続開始の決定があった金融機関に対し預金保険法第69条の3第1項(同法第127条において準用する場合を含む。)の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、会社更生法第47条第1項(第34条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、裁判所は、管財人の申立てにより、預金保険法第69条の3第1項に規定する決済債務の弁済又は同法第127条において準用する同項に規定する預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う預金等の種別、弁済又は払戻し(以下この条、第473条第2項及び第3項並びに第513条第2項及び第3項において「弁済等」という。)の限度額及び弁済等をする期間(当該期間の末日は、債権届出期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う預金等の種別、弁済等の限度額及び弁済等をする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第5節 投資者保護基金の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第403条 裁判所は、金融商品取引業者について更生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、会社更生法第42条第1項の規定により定める更生債権等の届出をすべき期間について、投資者保護基金(金融商品取引法第79条の21に規定する投資者保護基金であって、当該金融商品取引業者が加入しているものをいう。以下「基金」という。)の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第404条 金融商品取引業者について会社更生法第26条第1項(同法第44条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、当該金融商品取引業者について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権者となる顧客(顧客債権に係る債権者をいう。以下同じ。)に対しては、同法第26条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、会社更生法第26条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(更生手続開始の決定等に関する通知の特例)
第405条 金融商品取引業者について更生手続開始の決定をしたときは、更生債権者である顧客に対しては、会社更生法第43条第3項第1号の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、会社更生法第43条第1項及び第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 金融商品取引業者の更生手続において、第411条第1項の規定による顧客表の提出があるまでに、会社更生法第43条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項に変更を生じた場合(同号に掲げる事項にあっては、更生債権等の届出をすべき期間に変更を生じた場合に限る。)又は更生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、更生債権者である顧客であって同法第138条第1項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第43条第5項において準用する同条第3項第1号の規定又は同法第44条第3項本文の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、基金に対して、会社更生法第43条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、更生債権等の届出をすべき期間に限る。)について生じた変更の内容又は更生手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同法第42条第2項の決定があったときは、この限りでない。
(事業等の譲渡)
第406条 裁判所は、金融商品取引業者の更生手続において会社更生法第46条第2項の許可をする場合には、基金の意見を聴かなければならない。
(財産状況報告集会)
第407条 金融商品取引業者の更生手続における会社更生法第85条第1項に規定する関係人集会においては、裁判所は、基金から、管財人の選任並びに当該金融商品取引業者の業務及び財産の管理に関する事項につき、意見を聴かなければならない。
(関係人集会の期日の通知)
第408条 裁判所書記官は、金融商品取引業者の更生手続において、債権届出期間(会社更生法第138条第1項に規定する債権届出期間をいう。以下この節において同じ。)の満了前に関係人集会が招集された場合においては、基金に対し、当該関係人集会の期日を通知しなければならない。ただし、同法第42条第2項の決定があったときは、この限りでない。
(更生債権者委員会)
第409条 基金が第411条第1項の規定による顧客表の提出をする前における会社更生法第117条第1項及び第4項の規定の適用については、同条第1項中「更生債権者をもって」とあるのは「更生債権者(投資者保護基金(金融商品取引法第79条の21に規定する投資者保護基金であって、更生会社が加入しているものをいう。以下この条において同じ。)を含む。)をもって」と、同条第4項中「更生債権者の申立て」とあるのは「更生債権者(投資者保護基金を含む。)の申立て」とする。
2 第415条の規定は、基金が会社更生法第117条第2項に規定する更生債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第415条中「基金代理顧客」とあるのは、「顧客」と読み替えるものとする。
(顧客表の作成及び縦覧等)
第410条 基金は、第405条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている更生債権である顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)について、会社更生法第144条第2項に規定する事項を記載した顧客表を作成しなければならない。
2 基金は、顧客表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、顧客表を顧客の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による顧客表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該顧客表に、当該顧客債権に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該顧客表に記載されている顧客債権について当該顧客債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後でも、当該顧客表に記載されている顧客の承諾を得て、当該顧客に係る顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該顧客表に記載されている顧客に係る顧客債権を、金融商品取引法第79条の57第4項の規定により取得した場合において、当該顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うときは、当該顧客の承諾を要しない。
(顧客表の提出)
第411条 基金は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した顧客表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、基金が、顧客表を裁判所に提出した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるもの及び既に顧客が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加は、更生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 基金は、第1項の規定による顧客表の提出又は第2項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、会社更生法第138条第1項各号に掲げる事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 金融商品取引業者の更生手続についての会社更生法第14条第1項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」とする。
(顧客表の提出の効果)
第412条 会社更生法の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された顧客表に記載されている顧客債権(顧客が当該提出があるまでに同法第138条第1項の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第410条第4項前段の規定による記載の追加に係る顧客債権については同法第139条第1項の規定による届出があったものとみなす。
(顧客の参加)
第413条 前条の規定により届出があったものとみなされる顧客債権(基金が会社更生法第141条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら更生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、更生債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、更生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを基金に通知しなければならない。
4 参加の届出をした顧客は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該顧客に係る顧客債権の全部をもって自ら更生手続に参加するものとする。
(投資者保護基金の権限)
第414条 基金は、第412条の規定により届出があったものとみなされる顧客債権に係る債権者(参加の届出をした顧客を除く。以下この節において「基金代理顧客」という。)のために、当該基金代理顧客に係る顧客債権(以下この節において「基金代理債権」という。)をもって、更生手続に属する一切の行為(更生債権等の調査において、基金が異議を述べた基金代理債権に係る更生債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、基金代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の不利益となる変更を加えようとするとき、又は基金代理債権に係る更生債権等査定申立て(会社更生法第151条第1項に規定する更生債権等査定申立てをいう。)を取り下げ、若しくは基金代理債権に係る更生債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該基金代理債権に係る基金代理顧客の授権がなければならない。
(投資者保護基金の義務)
第415条 基金は、基金代理顧客のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 基金は、基金代理顧客に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第416条 基金は、基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第411条第3項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第1項の規定による変更は、会社更生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第139条第5項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第417条 基金代理債権に係る会社更生法第148条第1項に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、同法第148条第2項の規定にかかわらず、基金の負担とする。ただし、基金は、同法第92条の規定により原状に復した顧客債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、基金代理顧客に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第418条 更生債権等の調査において、基金代理債権の内容について管財人が認めず、又は届出をした更生債権者等(会社更生法第42条第2項に規定する届出をした更生債権者等をいう。)若しくは株主が異議を述べた場合(基金が当該基金代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、基金は、遅滞なく、その旨を当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
2 更生債権等の調査において、基金が基金代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第419条 基金は、更生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として会社更生法第189条第2項第1号に掲げる方法が定められた場合において、基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、当該更生計画案又は変更計画案が決議に付される最初の関係人集会の期日の2週間前までに、同意しようとする更生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を基金代理顧客(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
2 基金は、更生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として会社更生法第189条第2項第2号又は第3号に掲げる方法が定められた場合において、基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、同項第2号に規定する期間の末日の2週間前までに、同意しようとする更生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を基金代理顧客(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
(投資者保護基金がする通知等)
第420条 第418条第1項及び前条の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 会社更生法第10条第1項及び第2項の規定は、第410条第2項及び前条の規定による公告について準用する。
第6節 保険契約者保護機構の権限等
第1款 保険契約者保護機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第421条 裁判所は、保険会社について更生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、会社更生法第42条第1項(第196条において準用する場合を含む。)の規定により定める更生債権等の届出をすべき期間について、保険契約者保護機構(保険業法第259条に規定する保険契約者保護機構であって、当該保険会社が加入しているものをいう。以下「保護機構」という。)の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第422条 保険会社について会社更生法第26条第1項(第184条(第196条において準用する同法第44条第2項において準用する場合を含む。)及び同法第44条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、当該保険会社について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権者となる保険契約者等(保険契約者その他の保険契約に係る権利(保険契約者が相互会社の社員であるときは、社員権を含む。以下この節において同じ。)を有する者をいう。以下この節において同じ。)に対しては、同法第26条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、会社更生法第26条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(更生手続開始の決定等に関する通知の特例)
第423条 保険会社について更生手続開始の決定をしたときは、更生債権者である保険契約者等に対しては、会社更生法第43条第3項第1号(第196条において準用する場合を含む。)の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、会社更生法第43条第1項及び第2項(これらの規定を第196条において準用する場合を含む。)の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 保険会社の更生手続において、第429条第1項の規定による保険契約者表の提出があるまでに、会社更生法第43条第1項第2号若しくは第3号(これらの規定を第196条において準用する場合を含む。次項において同じ。)に掲げる事項に変更を生じた場合(同号に掲げる事項にあっては、更生債権等の届出をすべき期間に変更を生じた場合に限る。)又は更生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、更生債権者である保険契約者等であって同法第138条第1項(第248条において準用する場合を含む。)の規定による届出をしていないものに対しては、同法第43条第5項(第196条において準用する場合を含む。)において準用する同法第43条第3項第1号の規定又は同法第44条第3項本文(第196条において準用する場合を含む。)の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、会社更生法第43条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、更生債権等の届出をすべき期間に限る。)について生じた変更の内容又は更生手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同法第42条第2項(第196条において準用する場合を含む。)の決定があったときは、この限りでない。
(事業等の譲渡)
第424条 裁判所は、保険会社の更生手続において第198条第2項又は会社更生法第46条第2項の許可をする場合には、保護機構の意見を聴かなければならない。
(財産状況報告集会)
第425条 保険会社の更生手続における会社更生法第85条第1項(第222条において準用する場合を含む。)に規定する関係人集会においては、裁判所は、保護機構から、管財人の選任並びに当該保険会社の業務及び財産の管理に関する事項につき、意見を聴かなければならない。
(関係人集会の期日の通知)
第426条 裁判所書記官は、保険会社の更生手続において、債権届出期間(会社更生法第138条第1項(第248条において準用する場合を含む。)に規定する債権届出期間をいう。以下この節において同じ。)の満了前に関係人集会が招集された場合においては、保護機構に対し、当該関係人集会の期日を通知しなければならない。ただし、同法第42条第2項(第196条において準用する場合を含む。)の決定があったときは、この限りでない。
(更生債権者委員会)
第427条 保護機構が第429条第1項の規定による保険契約者表の提出をする前における第233条第1項及び会社更生法第117条第1項並びに同条第4項(第233条第1項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、第233条第1項及び同法第117条第1項中「更生債権者をもって」とあるのは「更生債権者(保険契約者保護機構(保険業法第259条に規定する保険契約者保護機構であって、更生会社が加入しているものをいう。以下この条において同じ。)を含む。)をもって」と、同条第4項中「更生債権者の申立て」とあるのは「更生債権者(保険契約者保護機構を含む。)の申立て」とする。
2 第433条の規定は、保護機構が会社更生法第117条第2項(第233条第1項において準用する場合を含む。)に規定する更生債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第433条中「保護機構代理保険契約者」とあるのは、「保険契約者等」と読み替えるものとする。
(保険契約者表の作成及び縦覧等)
第428条 保護機構は、第423条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている更生債権である保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)について、第253条第2項又は会社更生法第144条第2項に規定する事項を記載した保険契約者表を作成しなければならない。
2 保護機構は、保険契約者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、保険契約者表を保険契約者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による保険契約者表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該保険契約者表に、当該保険契約に係る権利に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利について当該保険契約に係る権利を有する者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等の承諾を得て、当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等に係る保険契約に係る権利を、保険業法第270条の6の8の規定により買い取った場合において、当該保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該保険契約者等の承諾を要しない。
(保険契約者表の提出)
第429条 保護機構は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した保険契約者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、保護機構が、保険契約者表を裁判所に提出した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるもの及び既に保険契約者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加は、更生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 保護機構は、第1項の規定による保険契約者表の提出又は第2項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、会社更生法第138条第1項各号(第248条において準用する場合を含む。)に掲げる事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
(保険契約者表の提出の効果)
第430条 会社更生法の規定又は前章の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利(保険契約者等が当該提出があるまでに同法第138条第1項(第248条において準用する場合を含む。)の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第428条第4項前段の規定による記載の追加に係る保険契約に係る権利については同法第139条第1項(第248条において準用する場合を含む。)の規定による届出があったものとみなす。
(保険契約者等の参加)
第431条 前条の規定により届出があったものとみなされる保険契約に係る権利(保護機構が会社更生法第141条(第250条において準用する場合を含む。)の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)を有する者は、自ら更生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、更生債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、更生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを保護機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした保険契約者等は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利の全部をもって自ら更生手続に参加するものとする。
(保険契約者保護機構の権限)
第432条 保護機構は、第430条の規定により届出があったものとみなされる保険契約に係る権利を有する者(参加の届出をした保険契約者等を除く。以下この節において「保護機構代理保険契約者」という。)のために、当該保護機構代理保険契約者に係る保険契約に係る権利(以下この節において「保護機構代理債権」という。)をもって、更生手続に属する一切の行為(次に掲げる保護機構代理債権に係る更生債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、保護機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は保護機構代理債権に係る更生債権等査定申立て(会社更生法第151条第1項(第255条において準用する場合を含む。)に規定する更生債権等査定申立てをいう。)を取り下げ、若しくは保護機構代理債権に係る更生債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の授権がなければならない。
一 保険金請求権
二 損害をてん補することを請求する権利(前号に掲げるものを除く。)
三 更生債権等の調査において、保護機構が異議を述べた保護機構代理債権
(保険契約者保護機構の義務)
第433条 保護機構は、保護機構代理保険契約者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 保護機構は、保護機構代理保険契約者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第434条 保護機構は、保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第429条第3項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第1項の規定による変更は、会社更生法の規定又は前章の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第139条第5項(第248条において準用する場合を含む。)の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第435条 保護機構代理債権に係る会社更生法第148条第1項(第254条において準用する場合を含む。)に規定する特別調査期間(以下この条において「特別調査期間」という。)に関する費用は、同法第148条第2項(第254条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、保護機構の負担とする。ただし、保護機構は、同法第92条(第226条において準用する場合を含む。)の規定により原状に復した保険契約に係る債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、保護機構代理保険契約者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第436条 更生債権等の調査において、保護機構代理債権の内容について管財人が認めず、又は届出をした更生債権者等(会社更生法第42条第2項(第196条において準用する場合を含む。)に規定する届出をした更生債権者等をいう。)若しくは株主若しくは社員が異議を述べた場合(保護機構が当該保護機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、保護機構は、遅滞なく、その旨を当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。
2 更生債権等の調査において、保護機構が保護機構代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第437条 保護機構は、更生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として会社更生法第189条第2項第1号(第282条において準用する場合を含む。)に掲げる方法が定められた場合において、保護機構代理保険契約者のために議決権を行使しようとするときは、当該更生計画案又は変更計画案が決議に付される最初の関係人集会の期日の2週間前までに、同意しようとする更生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を保護機構代理保険契約者(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
2 保護機構は、更生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として会社更生法第189条第2項第2号又は第3号(これらの規定を第282条において準用する場合を含む。)に掲げる方法が定められた場合において、保護機構代理保険契約者のために議決権を行使しようとするときは、同法第189条第2項第2号(第282条において準用する場合を含む。)に規定する期間の末日の2週間前までに、同意しようとする更生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を保護機構代理保険契約者(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
(保険契約者保護機構がする通知等)
第438条 第436条第1項及び前条の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 会社更生法第10条第1項及び第2項の規定は、第428条第2項及び前条の規定による公告について準用する。
第2款 保険会社の更生手続における保険契約の取扱い等
(管財人の解除権に関する特例)
第439条 保険会社を保険者とする保険契約(再保険契約を除く。)については、会社更生法第61条第1項から第4項まで(第206条第1項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
(補償対象保険金の弁済に関する特例)
第440条 保険会社について更生手続開始の決定があった場合において、当該保険会社は、保護機構と保険業法第270条の6の7第3項の規定による契約を締結したときは、会社更生法第47条第1項(第199条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、保険業法第270条の3第2項第1号に規定する補償対象契約(第445条第2項及び第4項並びに第546条第1項において「補償対象契約」という。)に係る保険金請求権その他の政令で定める権利(以下この条から第442条まで、第546条及び第547条において「保険金請求権等」という。)に係る更生債権者の請求に基づき、同法第245条第1号に規定する補償対象保険金(第546条第1項において「補償対象保険金」という。)に係る債務の弁済をすることができる。
2 債権届出期間経過後更生計画認可の決定前に前項の規定による請求がされた保険金請求権等については、当該保険金請求権等に係る更生債権者は、その請求をした後2週間の不変期間内に、会社更生法第138条若しくは第139条第1項(これらの規定を第248条において準用する場合を含む。)の規定による届出、同法第139条第5項(第248条において準用する場合を含む。)の規定による届出事項の変更又は同法第141条(第250条において準用する場合を含む。)の規定による届出名義の変更(以下「届出等」という。)をしなければならない。
3 更生債権者は、第1項の規定により弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって更生手続に参加することができる。
4 第1項の規定により弁済を受けた更生債権者は、同じ性質の権利を有する他の更生債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、更生手続により、弁済を受けることができない。
5 前項の更生債権者は、第1項の規定により弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができない。
第441条 保険会社は、前条第1項の規定による請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る保険金請求権等について第428条第1項に規定する事項を保護機構に通知しなければならない。
(保険契約に係る権利の届出に関する特例)
第442条 保険契約者が更生債権である保険契約に係る権利について届出等をしたときは、更生計画において、更生債権である当該保険契約に係る権利であって届出等がなかったもの(当該保険契約者以外の者が有するものを含み、第440条第1項の規定による請求に係る保険金請求権等を除く。)についても、第259条第1項第1号又は会社更生法第167条第1項第1号の事項に関する条項を定めなければならない。
2 前項の規定は、保険契約に係る権利を有する者(保険契約者を除く。)が、届出等をすることを妨げない。この場合における届出等は、保険事故の発生その他の事由により当該権利が生じた後にするものとする。
(保険契約に係る権利の調査及び確定に関する特例)
第443条 第440条第2項の規定による届出等がされた場合又は前条第2項の規定による届出等が債権届出期間経過後更生計画認可の決定前にされた場合においては、当該届出等に係る権利については、会社更生法第145条から第148条の2まで(これらの規定を第254条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
2 前項の届出等があった場合には、裁判所は、当該届出等に係る更生債権等の調査を行うため、直ちに、その旨を、管財人及び保険会社に通知しなければならない。
3 管財人は、前項の規定による通知があった日から2週間以内に、裁判所に対し、書面で、第1項の届出等に係る権利についての会社更生法第146条第2項各号(保険会社が相互会社である場合にあっては、第254条において準用する同法第146条第2項各号)に掲げる区分に応じ当該各号に定める事項について、異議を述べることができる。保険会社が当該届出等に係る権利の内容について異議を述べる場合についても、同様とする。
4 前項前段の規定による異議があったときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を、第1項の届出等に係る権利に係る債権者に通知しなければならない。
5 第3項前段の管財人の異議があった権利に対する会社更生法第151条第2項(第255条において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定の適用については、同項中「前項本文に規定する異議等のある更生債権等に係る調査期間の末日又は第149条第4項の通知」とあるのは、「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第443条第4項の規定による通知」とする。
(保険契約者の保険契約に係る債権の評価)
第444条 会社更生法第136条第1項第3号(第247条第1項において準用する場合を含む。)に規定する更生手続開始の時における評価額は、保険契約者の保険契約に係る債権(更生手続開始の時において既に保険事故の発生その他の事由により保険金請求権その他の政令で定める権利(以下この条において「保険金請求権等」という。)が生じている保険契約(当該保険金請求権等に係る支払により消滅することとなるものに限る。)に係る債権を除く。)については、生命保険会社(保険業法第2条第3項に規定する生命保険会社をいう。次条第3項において同じ。)及び外国生命保険会社等(保険業法第2条第8項に規定する外国生命保険会社等をいう。次条第3項において同じ。)にあっては第1号に掲げる金額とし、損害保険会社(保険業法第2条第4項に規定する損害保険会社をいう。)及び外国損害保険会社等(保険業法第2条第9項に規定する外国損害保険会社等をいう。)にあっては第2号及び第3号に掲げる金額の合計額とする。
一 更生手続開始の時において被保険者のために積み立てた金額
二 未経過期間(保険契約に定めた保険期間のうち、更生手続開始の時において、まだ経過していない期間をいう。)に対応する保険料の金額
三 更生手続開始の時において払戻積立金として積み立てた金額
(保険会社の更生計画)
第445条 第260条第1項又は会社更生法第168条第1項の規定は、更生計画で同種の保険契約に係る債権を変更する場合において、責任準備金の積立方式及び予定死亡率その他の責任準備金の計算の基礎となるべき係数の水準について、同一の水準を用いることを妨げるものと解してはならない。
2 第260条第1項又は会社更生法第168条第1項の規定は、更生計画において、保険会社の更生手続開始後(裁判所が会社更生法第28条第1項(第185条において準用する場合を含む。)の規定により保険会社が更生債権者等に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合にあっては、当該保全処分がされた後)に発生する解約返戻金及び保険業法第250条第1項に規定する内閣府令・財務省令で定める給付金に係る債権(同法第245条第2号に規定する特定補償対象契約(第4項において「特定補償対象契約」という。)以外の補償対象契約に係るものに限る。)について、その他の保険契約に係る債権に比して不利な条件を定めることを妨げるものと解してはならない。
3 第260条第1項又は会社更生法第168条第1項の規定は、更生計画において、運用実績連動型保険契約(保険業法第100条の5第1項に規定する運用実績連動型保険契約をいう。)に係る債権について、その他の保険契約に係る債権に比して有利な条件を定めることを妨げるものと解してはならない。
4 保険契約(特定補償対象契約以外の補償対象契約に限る。以下この項において同じ。)に係る債権のうち保険会社の更生手続開始後に収入した保険料により積み立てるべき責任準備金に対応する保険契約者の保険契約に係る債権の部分については、更生計画において減免その他権利に影響を及ぼす定めをすることができない。
第5章 金融機関等の再生手続の特例
第1節 監督庁による再生手続開始の申立て等
(再生手続開始の申立て等)
第446条 監督庁は、金融機関、外国銀行支店に係る外国銀行、銀行持株会社、長期信用銀行持株会社、信用金庫連合会、信用協同組合連合会、労働金庫連合会、金融商品取引業者(金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者をいう。)、指定親会社及び保険持株会社(以下この節において「金融機関等」という。)に破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるときは、裁判所に対し、再生手続開始の申立てをすることができる。
2 第377条第2項の規定は監督庁が前項の規定によりする金融機関、外国銀行支店に係る外国銀行、銀行持株会社、長期信用銀行持株会社、信用金庫連合会、信用協同組合連合会及び労働金庫連合会の再生手続開始の申立てについて、同条第3項の規定は監督庁が前項の規定によりする金融商品取引業者及び指定親会社の再生手続開始の申立てについて、同条第4項の規定は監督庁が前項の規定によりする保険持株会社の再生手続開始の申立てについて、それぞれ準用する。
3 第1項の規定により監督庁が再生手続開始の申立てをするときは、民事再生法第23条第1項の規定は、適用しない。
(再生手続開始の申立てを棄却する決定に対する抗告)
第447条 監督庁は、民事再生法第9条前段の規定にかかわらず、前条第1項の規定による再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して、即時抗告をすることができる。
(監督庁への通知)
第448条 金融機関等について再生手続開始の申立てがあったとき(第446条第1項の規定により監督庁が再生手続開始の申立てをしたときを除く。)は、裁判所書記官は、監督庁にその旨を通知しなければならない。
(他の手続の中止命令等の申立て等)
第449条 金融機関等について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第26条第1項又は第27条第1項(これらの規定を同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第9条前段の規定にかかわらず、同法第26条第1項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による中止の命令、同法第26条第2項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定、同法第26条第3項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による取消しの命令、同法第27条第1項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による禁止の命令、同法第27条第3項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定、同法第27条第4項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による取消しの命令又は同法第29条第1項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(保全処分の申立て等)
第450条 金融機関等について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第30条第1項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第9条前段の規定にかかわらず、同法第30条第1項の規定による保全処分又は同条第2項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(保全管理命令の申立て等)
第451条 金融機関等について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第79条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第9条前段の規定にかかわらず、同法第79条第1項の処分又は同条第4項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(担保権の実行手続の中止命令の申立て)
第452条 金融機関等について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、再生手続開始の決定前に限り、民事再生法第31条第1項の規定による申立てをすることができる。
(管理命令の申立て等)
第453条 金融機関等について再生手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、民事再生法第64条第1項の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、民事再生法第9条前段の規定にかかわらず、同法第64条第1項の処分及び同条第4項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(事業の譲渡に関する信用金庫法等の特例)
第454条 民事再生法第43条(第8項を除く。)の規定は、協同組織金融機関について準用する。この場合において、同条第1項中「株式会社」とあるのは「協同組織金融機関(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)第2条第2項に規定する協同組織金融機関をいう。)」と、「会社法第467条第1項第1号から第2号の2までに掲げる行為(以下この項及び第8項において「事業等の譲渡」という。)」とあり、及び「事業等の譲渡」とあるのは「事業の全部又は一部の譲渡」と、「同条第1項」とあるのは「信用金庫法(昭和26年法律第238号)第48条の3及び第58条第1項、中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第53条及び第57条の3第1項並びに労働金庫法(昭和28年法律第227号)第53条及び第62条第1項」と、「株主総会の決議による承認」とあるのは「総会又は総代会の議決」と、同条第2項及び第6項中「株主」とあるのは「会員又は組合員」と、同条第4項中「株主に」とあるのは「会員若しくは組合員に」と、「株主名簿」とあるのは「会員名簿若しくは組合員名簿」と、「株主が」とあるのは「会員若しくは組合員が」と読み替えるものとする。
(再生事件の管轄、移送及び通知の特例)
第455条 金融機関等に係る再生事件についての民事再生法第5条第8項及び第9項並びに第7条第4号ロ及びハの規定の適用については、再生債権者の数が1000人以上であるものとみなす。
2 金融機関等に係る再生事件についての民事再生法第34条第2項の規定の適用については、知れている再生債権者の数が1000人以上であるものとみなす。
第456条 削除
第2節 預金保険機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第457条 裁判所は、金融機関について再生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、民事再生法第34条第1項の規定により定める再生債権の届出をすべき期間について、機構の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第458条 金融機関について民事再生法第28条第1項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、再生債権者である預金者等に対しては、同法第28条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第28条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(再生手続開始の決定等に関する通知の特例)
第459条 金融機関について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である預金者等に対しては、民事再生法第35条第3項第1号の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第35条第1項及び第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 金融機関の再生手続において、第463条第1項の規定による預金者表の提出があるまでに、民事再生法第34条第1項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である預金者等であって同法第94条第1項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第35条第5項において準用する同条第3項第1号の規定又は同法第37条本文の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、機構に対して、民事再生法第34条第1項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同条第2項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者集会の期日の通知)
第460条 裁判所書記官は、金融機関の再生手続において、債権届出期間(民事再生法第94条第1項に規定する債権届出期間をいう。以下この章において同じ。)の満了前に債権者集会が招集された場合においては、機構に対し、当該債権者集会の期日を通知しなければならない。ただし、同法第34条第2項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者委員会)
第461条 機構が第463条第1項の規定による預金者表の提出をする前における民事再生法第117条第1項及び第4項の規定の適用については、同条第1項中「再生債権者をもって」とあるのは「再生債権者(預金保険機構を含む。)をもって」と、同条第4項中「再生債権者の申立て」とあるのは「再生債権者(預金保険機構を含む。)の申立て」とする。
2 第467条の規定は、機構が民事再生法第117条第2項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第467条中「機構代理預金者」とあるのは、「預金者等」と読み替えるものとする。
(預金者表の作成及び縦覧等)
第462条 機構は、第459条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)について、民事再生法第99条第2項に規定する事項を記載した預金者表を作成しなければならない。
2 機構は、預金者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、預金者表を預金者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による預金者表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該預金者表に、当該預金等債権に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該預金者表に記載されている預金等債権について当該預金等債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該預金者表に記載されている預金者等の承諾を得て、当該預金者等に係る預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該預金者表に記載されている預金者等に係る預金等債権を、預金保険法第58条第1項若しくは第3項の規定により取得し、又は同法第70条の規定により買い取った場合において、当該預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該預金者等の承諾を要しない。
(預金者表の提出)
第463条 機構は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した預金者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、機構が、預金者表を裁判所に提出した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるもの及び既に預金者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加は、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 機構は、第1項の規定による預金者表の提出又は第2項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、民事再生法第94条第1項に規定する事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 金融機関の再生手続についての民事再生法第16条第1項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)」とする。
(預金者表の提出の効果)
第464条 民事再生法の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された預金者表に記載されている預金等債権(預金者等が当該提出があるまでに同法第94条第1項の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第462条第4項前段の規定による記載の追加に係る預金等債権については同法第95条第1項の規定による届出の追完があったものとみなす。
(預金者等の参加)
第465条 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる預金等債権(機構が民事再生法第96条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした預金者等は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該預金者等に係る預金等債権の全部をもって自ら再生手続に参加するものとする。
(預金保険機構の権限)
第466条 機構は、第464条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる預金等債権に係る債権者(参加の届出をした預金者等を除く。以下この節において「機構代理預金者」という。)のために、当該機構代理預金者に係る預金等債権(以下この節において「機構代理債権」という。)をもって、再生手続に属する一切の行為(再生債権の調査において、機構が異議を述べた機構代理債権に係る再生債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は機構代理債権に係る民事再生法第105条第1項本文の査定の申立てを取り下げ、若しくは機構代理債権に係る再生債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該機構代理債権に係る機構代理預金者の授権がなければならない。
(預金保険機構の義務)
第467条 機構は、機構代理預金者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 機構は、機構代理預金者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第468条 機構は、機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第463条第3項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第1項の規定による変更は、民事再生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第95条第5項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第469条 機構代理債権に係る民事再生法第103条第1項に規定する特別調査期間(以下この章において「特別調査期間」という。)に関する費用は、同条第2項の規定にかかわらず、機構の負担とする。ただし、機構は、同法第133条の規定により原状に復した預金等債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、機構代理預金者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第470条 再生債権の調査において、機構代理債権の内容について再生債務者等(民事再生法第2条第2号に規定する再生債務者等をいう。以下この章において同じ。)が認めず、又は届出再生債権者(同法第102条第1項に規定する届出再生債権者をいう。以下この章において同じ。)が異議を述べた場合(機構が当該機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、機構は、遅滞なく、その旨を当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
2 再生債権の調査において、機構が機構代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第471条 機構は、再生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として民事再生法第169条第2項第1号に掲げる方法が定められた場合において、機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、当該再生計画案又は変更計画案が決議に付される最初の債権者集会の期日の2週間前までに、同意しようとする再生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を機構代理預金者(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
2 機構は、再生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として民事再生法第169条第2項第2号又は第3号に掲げる方法が定められた場合において、機構代理預金者のために議決権を行使しようとするときは、同項第2号に規定する期間の末日の2週間前までに、同意しようとする再生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を機構代理預金者(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
3 機構は、機構代理預金者のために民事再生法第211条第1項又は同法第217条第1項の再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その2週間前までに、当該再生計画案の内容を機構代理預金者に通知するとともに、公告しなければならない。
(預金保険機構がする通知等)
第472条 第470条第1項及び前条の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 民事再生法第10条第1項及び第2項の規定は、第462条第2項及び前条の規定による公告について準用する。
(決済債務の弁済等の許可)
第473条 再生手続開始の決定があった金融機関に対し預金保険法第69条の3第1項(同法第127条において準用する場合を含む。)の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、民事再生法第85条第1項の規定にかかわらず、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、預金保険法第69条の3第1項に規定する決済債務の弁済又は同法第127条において準用する同項に規定する預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う預金等の種別、弁済等の限度額及び弁済等をする期間(当該期間の末日は、債権届出期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う預金等の種別、弁済等の限度額及び弁済等をする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第3節 投資者保護基金の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第474条 裁判所は、金融商品取引業者について再生手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、民事再生法第34条第1項の規定により定める再生債権の届出をすべき期間について、基金の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第475条 金融商品取引業者について民事再生法第28条第1項(同法第36条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、再生債権者である顧客に対しては、同法第28条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第28条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(再生手続開始の決定等に関する通知の特例)
第476条 金融商品取引業者について再生手続開始の決定をしたときは、再生債権者である顧客に対しては、民事再生法第35条第3項第1号の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第35条第1項及び第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 金融商品取引業者の再生手続において、第480条第1項の規定による顧客表の提出があるまでに、民事再生法第34条第1項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合又は再生手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、再生債権者である顧客であって同法第94条第1項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第35条第5項において準用する同条第3項第1号の規定又は同法第37条本文の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、基金に対して、民事再生法第34条第1項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間について生じた変更の内容又は再生手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同条第2項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者集会の期日の通知)
第477条 裁判所書記官は、金融商品取引業者の再生手続において、債権届出期間の満了前に債権者集会が招集された場合においては、基金に対し、当該債権者集会の期日を通知しなければならない。ただし、民事再生法第34条第2項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者委員会)
第478条 基金が第480条第1項の規定による顧客表の提出をする前における民事再生法第117条第1項及び第4項の規定の適用については、同条第1項中「再生債権者をもって」とあるのは「再生債権者(投資者保護基金(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第79条の21に規定する投資者保護基金であって、再生債務者が加入しているものをいう。以下この条において同じ。)を含む。)をもって」と、同条第4項中「再生債権者の申立て」とあるのは「再生債権者(投資者保護基金を含む。)の申立て」とする。
2 第484条の規定は、基金が民事再生法第117条第2項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第484条中「基金代理顧客」とあるのは、「顧客」と読み替えるものとする。
(顧客表の作成及び縦覧等)
第479条 基金は、第476条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている再生債権である顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)について、民事再生法第99条第2項に規定する事項を記載した顧客表を作成しなければならない。
2 基金は、顧客表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、顧客表を顧客の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による顧客表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該顧客表に、当該顧客債権に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該顧客表に記載されている顧客債権について当該顧客債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後でも、当該顧客表に記載されている顧客の承諾を得て、当該顧客に係る顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該顧客表に記載されている顧客に係る顧客債権を、金融商品取引法第79条の57第4項の規定により取得した場合において、当該顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うときは、当該顧客の承諾を要しない。
(顧客表の提出)
第480条 基金は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した顧客表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、基金が、顧客表を裁判所に提出した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるもの及び既に顧客が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加は、再生計画案を決議に付する旨の決定がされた後は、することができない。
4 基金は、第1項の規定による顧客表の提出又は第2項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、民事再生法第94条第1項に規定する事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
5 金融商品取引業者の再生手続についての民事再生法第16条第1項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」とする。
(顧客表の提出の効果)
第481条 民事再生法の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された顧客表に記載されている顧客債権(顧客が当該提出があるまでに同法第94条第1項の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第479条第4項前段の規定による記載の追加に係る顧客債権については同法第95条第1項の規定による届出の追完があったものとみなす。
(顧客の参加)
第482条 前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる顧客債権(基金が民事再生法第96条の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら再生手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、再生債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、再生手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを基金に通知しなければならない。
4 参加の届出をした顧客は、前条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる当該顧客に係る顧客債権の全部をもって自ら再生手続に参加するものとする。
(投資者保護基金の権限)
第483条 基金は、第481条の規定により届出又は届出の追完があったものとみなされる顧客債権に係る債権者(参加の届出をした顧客を除く。以下この節において「基金代理顧客」という。)のために、当該基金代理顧客に係る顧客債権(以下この節において「基金代理債権」という。)をもって、再生手続に属する一切の行為(再生債権の調査において、基金が異議を述べた基金代理債権に係る再生債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、基金代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の不利益となる変更を加えようとするとき、又は基金代理債権に係る民事再生法第105条第1項本文の査定の申立てを取り下げ、若しくは基金代理債権に係る再生債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該基金代理債権に係る基金代理顧客の授権がなければならない。
(投資者保護基金の義務)
第484条 基金は、基金代理顧客のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 基金は、基金代理顧客に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第485条 基金は、基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 第480条第3項の規定は、前項の変更について準用する。
3 第1項の規定による変更は、民事再生法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、同法第95条第5項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間の費用)
第486条 基金代理債権に係る特別調査期間に関する費用は、民事再生法第103条第2項の規定にかかわらず、基金の負担とする。ただし、基金は、同法第133条の規定により原状に復した顧客債権について調査するため特別調査期間が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、基金代理顧客に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第487条 再生債権の調査において、基金代理債権の内容について再生債務者等が認めず、又は届出再生債権者が異議を述べた場合(基金が当該基金代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、基金は、遅滞なく、その旨を当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
2 再生債権の調査において、基金が基金代理債権の内容について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
(議決権の行使のための通知及び公告)
第488条 基金は、再生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として民事再生法第169条第2項第1号に掲げる方法が定められた場合において、基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、当該再生計画案又は変更計画案が決議に付される最初の債権者集会の期日の2週間前までに、同意しようとする再生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を基金代理顧客(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
2 基金は、再生計画案又は変更計画案についての議決権行使の方法として民事再生法第169条第2項第2号又は第3号に掲げる方法が定められた場合において、基金代理顧客のために議決権を行使しようとするときは、同項第2号に規定する期間の末日の2週間前までに、同意しようとする再生計画案又は変更計画案の内容又はその要旨を基金代理顧客(議決権を行使することができない者を除く。)に通知するとともに、公告しなければならない。
3 基金は、基金代理顧客のために民事再生法第211条第1項又は同法第217条第1項の再生計画案についての同意並びに再生債権の調査及び確定の手続を経ないことについての同意をしようとするときは、その2週間前までに、当該再生計画案の内容を基金代理顧客に通知するとともに、公告しなければならない。
(投資者保護基金がする通知等)
第489条 第487条第1項及び前条の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 民事再生法第10条第1項及び第2項の規定は、第479条第2項及び前条の規定による公告について準用する。
第6章 金融機関等の破産手続の特例
第1節 監督庁による破産手続開始の申立て等
(破産手続開始の申立て等)
第490条 監督庁は、金融機関、外国銀行支店に係る外国銀行、銀行持株会社、長期信用銀行持株会社、信用金庫連合会、信用協同組合連合会、労働金庫連合会、金融商品取引業者(金融商品取引法第2条第9項に規定する金融商品取引業者をいう。)、指定親会社、保険会社、保険持株会社及び少額短期保険業者(以下この節において「金融機関等」という。)に破産手続開始の原因となる事実があるときは、破産手続開始の申立てをすることができる。
2 第377条第2項の規定は監督庁が前項の規定によりする金融機関、外国銀行支店に係る外国銀行、銀行持株会社、長期信用銀行持株会社、信用金庫連合会、信用協同組合連合会及び労働金庫連合会の破産手続開始の申立てについて、同条第3項の規定は監督庁が前項の規定によりする金融商品取引業者及び指定親会社の破産手続開始の申立てについて、同条第4項の規定は監督庁が前項の規定によりする保険会社、保険持株会社及び少額短期保険業者の破産手続開始の申立てについて、それぞれ準用する。
3 第1項の規定により監督庁が破産手続開始の申立てをするときは、破産法第20条第2項及び第23条第1項前段の規定は、適用しない。
(破産手続開始の申立てを棄却する決定に対する抗告)
第491条 監督庁は、破産法第9条前段の規定にかかわらず、前条第1項の規定による破産手続開始の申立てを棄却する決定に対して、即時抗告をすることができる。
(監督庁への通知)
第492条 金融機関等について破産手続開始の申立てがあったとき(第490条第1項の規定により監督庁が破産手続開始の申立てをしたときを除く。)は、裁判所書記官は、監督庁にその旨を通知しなければならない。
(他の手続の中止命令等の申立て等)
第493条 金融機関等について破産手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、破産法第24条第1項又は第25条第1項(これらの規定を同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、破産法第9条前段の規定にかかわらず、同法第24条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による中止の命令、同法第24条第2項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定、同法第24条第3項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による取消しの命令、同法第25条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による禁止の命令、同法第25条第4項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定、同法第25条第5項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による取消しの命令又は同法第27条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の申立てについての裁判に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(保全処分の申立て等)
第494条 金融機関等について破産手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、破産法第28条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、破産法第9条前段の規定にかかわらず、同法第28条第1項の規定による保全処分又は同条第2項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。)の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(保全管理命令の申立て等)
第495条 金融機関等について破産手続開始の申立てがあった場合においては、監督庁は、破産法第91条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による申立てをすることができる。
2 前項に規定する場合においては、監督庁は、破産法第9条前段の規定にかかわらず、同法第91条第1項の規定による処分又は同条第4項の規定による決定に対して、即時抗告をすることができる。
3 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
(破産事件の管轄、移送及び通知の特例)
第496条 金融機関等に係る破産事件についての破産法第5条第8項及び第9項並びに第7条第4号ロ及びハの規定の適用については、破産手続開始の決定がされたとすれば破産債権となるべき債権を有する債権者(破産手続開始の決定後にあっては、破産債権者)の数が1000人以上であるものとみなす。
2 金融機関等に係る破産事件についての破産法第31条第5項の規定の適用については、知れている破産債権者の数が1000人以上であるものとみなす。
第2節 預金保険機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第497条 裁判所は、金融機関について破産手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、破産法第31条第1項第1号の規定により定める破産債権の届出をすべき期間について、機構の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第498条 金融機関について破産法第26条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、預金者等に対しては、同法第26条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、破産法第26条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(破産手続開始の決定等に関する通知の特例)
第499条 金融機関について破産手続開始の決定をしたときは、破産債権者である預金者等に対しては、破産法第32条第3項第1号の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、機構に対して、破産法第32条第1項及び第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 金融機関の破産手続において、第504条第1項の規定による預金者表の提出があるまでに、破産法第32条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項に変更を生じた場合(同号に掲げる事項にあっては、同法第31条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に変更を生じた場合に限る。)又は破産手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、破産債権者である預金者等であって同法第111条第1項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第32条第5項において準用する同条第3項第1号の規定又は同法第33条第3項本文の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、機構に対して、破産法第32条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、同法第31条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に限る。)について生じた変更の内容又は破産手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同法第31条第5項の決定があったときは、この限りでない。
(少額配当受領申出に関する通知)
第500条 機構は、前条第2項の規定による通知を受けたときは、破産債権者である預金者等に対し、遅滞なく、自己に対する配当額の合計額が破産法第111条第1項第4号に規定する最高裁判所規則で定める額に満たない場合においても配当金を受領する意思(以下この章において「少額配当受領の意思」という。)があるときは債権届出期間(同項に規定する債権届出期間をいう。以下この章において同じ。)の末日の前日までに機構に申し出るべき旨を通知しなければならない。
(債権者集会の期日の通知)
第501条 裁判所書記官は、金融機関の破産手続において、債権届出期間の満了前に債権者集会が招集された場合においては、機構に対し、当該債権者集会の期日を通知しなければならない。ただし、破産法第31条第5項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者委員会)
第502条 機構が第504条第1項の規定による預金者表の提出をする前における破産法第144条第1項及び第4項の規定の適用については、同条第1項中「破産債権者をもって」とあるのは「破産債権者(預金保険機構を含む。)をもって」と、同条第4項中「破産債権者の申立て」とあるのは「破産債権者(預金保険機構を含む。)の申立て」とする。
2 第508条の規定は、機構が破産法第144条第2項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第508条中「機構代理預金者」とあるのは、「預金者等」と読み替えるものとする。
(預金者表の作成及び縦覧等)
第503条 機構は、第499条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている破産債権である預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)について、破産法第115条第2項に規定する事項を記載した預金者表を作成しなければならない。
2 機構は、預金者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、預金者表を預金者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による預金者表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該預金者表に、当該預金等債権に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該預金者表に記載されている預金等債権について当該預金等債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後、当該預金者表に記載されている預金等債権に係る債権者から、少額配当受領の意思がある旨の申出(以下この章において「少額配当受領申出」という。)があったときは、当該預金者表に、その旨の記載の追加をしなければならない。
6 機構は、預金者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該預金者表に記載されている預金者等の承諾を得て、当該預金者等に係る預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該預金者表に記載されている預金者等に係る預金等債権を、預金保険法第58条第1項若しくは第3項の規定により取得し、又は同法第70条の規定により買い取った場合において、当該預金等債権について、その記載を削除し、又は当該預金者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該預金者等の承諾を要しない。
(預金者表の提出)
第504条 機構は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した預金者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、機構が、預金者表を裁判所に提出した後、当該預金者表に記載されていない預金等債権(機構が債権者であるもの及び既に預金者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 機構は、第1項の規定による預金者表の提出又は前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、破産法第111条第1項各号に掲げる事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
4 前条第5項の規定は、機構が預金者表を裁判所に提出した後、少額配当受領申出があった場合について準用する。
5 金融機関の破産手続についての破産法第11条第1項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」とする。
(預金者表の提出の効果)
第505条 破産法の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された預金者表に記載されている預金等債権(預金者等が当該提出があるまでに同法第111条第1項の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第503条第4項前段の規定による記載の追加に係る預金等債権については、当該記載の追加が同法第112条第1項に規定する一般調査期間(以下この章において「一般調査期間」という。)の満了前又は同項に規定する一般調査期日(以下この章において「一般調査期日」という。)の終了前の記載の追加であるときは債権届出期間の経過後であって一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があったものと、当該記載の追加が一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後の記載の追加であるときは同項の規定による届出があったものとみなす。
(預金者等の参加)
第506条 前条の規定により届出があったものとみなされる預金等債権(機構が破産法第113条第1項の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら破産手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、破産債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、破産手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした預金者等は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該預金者等に係る預金等債権の全部をもって自ら破産手続に参加するものとする。
(預金保険機構の権限)
第507条 機構は、第505条の規定により届出があったものとみなされる預金等債権に係る債権者(参加の届出をした預金者等を除く。以下この節において「機構代理預金者」という。)のために、当該機構代理預金者に係る預金等債権(以下この節において「機構代理債権」という。)をもって、破産手続に属する一切の行為(破産債権の調査において、機構が異議を述べた機構代理債権に係る破産債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は機構代理債権に係る破産債権査定申立て(破産法第125条第1項に規定する破産債権査定申立てをいう。以下この章において同じ。)を取り下げ、若しくは機構代理債権に係る破産債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該機構代理債権に係る機構代理預金者の授権がなければならない。
(預金保険機構の義務)
第508条 機構は、機構代理預金者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 機構は、機構代理預金者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第509条 機構は、機構代理債権に関する届出に係る事項について当該機構代理債権に係る機構代理預金者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 前項の規定による変更は、破産法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、当該変更が一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前の変更であるときは債権届出期間の経過後であって一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にされた届出事項の変更と、当該変更が一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後の変更であるときは同法第112条第4項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間又は特別調査期日の費用)
第510条 機構代理債権に係る破産法第119条第1項に規定する特別調査期間(以下この章において「特別調査期間」という。)又は同法第122条第1項に規定する特別調査期日(以下この章において「特別調査期日」という。)に関する費用は、同法第119条第3項(同法第122条第2項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、機構の負担とする。ただし、機構は、同法第169条の規定により原状に復した預金等債権について調査するため特別調査期間又は特別調査期日が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、機構代理預金者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第511条 破産債権の調査において、機構代理債権の額等(破産法第125条第1項に規定する額等をいう。以下この章において同じ。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者(同法第31条第5項に規定する届出をした破産債権者をいう。以下この章において同じ。)が異議を述べた場合(機構が当該機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、機構は、遅滞なく、その旨を当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
2 破産債権の調査において、機構が機構代理債権の額等について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該機構代理債権に係る機構代理預金者に通知しなければならない。
(預金保険機構がする通知等)
第512条 第500条及び前条第1項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 破産法第10条第1項及び第2項の規定は、第503条第2項の規定による公告について準用する。
(決済債務の弁済等の許可)
第513条 破産手続開始の決定を受けた金融機関に対し預金保険法第69条の3第1項(同法第127条において準用する場合を含む。)の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、破産法第100条第1項の規定にかかわらず、裁判所は、破産管財人の申立てにより、預金保険法第69条の3第1項に規定する決済債務の弁済又は同法第127条において準用する同項に規定する預金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う預金等の種別、弁済等の限度額及び弁済等をする期間(当該期間の末日は、債権届出期間の末日より前の日でなければならないものとする。)を定めなければならない。
3 裁判所は、前項の規定により、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う預金等の種別、弁済等の限度額及び弁済等をする期間を定めるときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
第3節 投資者保護基金の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第514条 裁判所は、金融商品取引業者について破産手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、破産法第31条第1項第1号の規定により定める破産債権の届出をすべき期間について、基金の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第515条 金融商品取引業者について破産法第26条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、顧客に対しては、同法第26条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、破産法第26条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(破産手続開始の決定等に関する通知の特例)
第516条 金融商品取引業者について破産手続開始の決定をしたときは、破産債権者である顧客に対しては、破産法第32条第3項第1号の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、基金に対して、破産法第32条第1項及び第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 金融商品取引業者の破産手続において、第521条第1項の規定による顧客表の提出があるまでに、破産法第32条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項に変更を生じた場合(同号に掲げる事項にあっては、同法第31条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に変更を生じた場合に限る。)又は破産手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、破産債権者である顧客であって同法第111条第1項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第32条第5項において準用する同条第3項第1号の規定又は同法第33条第3項本文の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、基金に対して、破産法第32条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、同法第31条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に限る。)について生じた変更の内容又は破産手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同法第31条第5項の決定があったときは、この限りでない。
(少額配当受領申出に関する通知)
第517条 基金は、前条第2項の規定による通知を受けたときは、破産債権者である顧客に対し、遅滞なく、少額配当受領の意思があるときは債権届出期間の末日の前日までに基金に申し出るべき旨を通知しなければならない。
(債権者集会の期日の通知)
第518条 裁判所書記官は、金融商品取引業者の破産手続において、債権届出期間の満了前に債権者集会が招集された場合においては、基金に対し、当該債権者集会の期日を通知しなければならない。ただし、破産法第31条第5項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者委員会)
第519条 基金が第522条第1項の規定による顧客表の提出をする前における破産法第144条第1項及び第4項の規定の適用については、同条第1項中「破産債権者をもって」とあるのは「破産債権者(投資者保護基金(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第79条の21に規定する投資者保護基金であって、破産者が破産手続開始の時に加入しているものをいう。以下この条において同じ。)を含む。)をもって」と、同条第4項中「破産債権者の申立て」とあるのは「破産債権者(投資者保護基金を含む。)の申立て」とする。
2 第525条の規定は、基金が破産法第144条第2項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第525条中「基金代理顧客」とあるのは、「顧客」と読み替えるものとする。
(顧客表の作成及び縦覧等)
第520条 基金は、第516条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている破産債権である顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)について、破産法第115条第2項に規定する事項を記載した顧客表を作成しなければならない。
2 基金は、顧客表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、顧客表を顧客の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による顧客表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該顧客表に、当該顧客債権に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該顧客表に記載されている顧客債権について当該顧客債権に係る債権者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後、当該顧客表に記載されている顧客債権に係る債権者から、少額配当受領申出があったときは、当該顧客表に、その旨の記載の追加をしなければならない。
6 基金は、顧客表を縦覧に供することを開始した後でも、当該顧客表に記載されている顧客の承諾を得て、当該顧客に係る顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該顧客表に記載されている顧客に係る顧客債権を、金融商品取引法第79条の57第4項の規定により取得した場合において、当該顧客債権について、その記載を削除し、又は当該顧客の不利益となる記載の変更を行うときは、当該顧客の承諾を要しない。
(顧客表の提出)
第521条 基金は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した顧客表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、基金が、顧客表を裁判所に提出した後、当該顧客表に記載されていない顧客債権(基金が債権者であるもの及び既に顧客が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 基金は、第1項の規定による顧客表の提出又は前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、破産法第111条第1項各号に掲げる事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
4 前条第5項の規定は、基金が顧客表を裁判所に提出した後、少額配当受領申出があった場合について準用する。
5 金融商品取引業者の破産手続についての破産法第11条第1項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」とする。
(顧客表の提出の効果)
第522条 破産法の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された顧客表に記載されている顧客債権(顧客が当該提出があるまでに同法第111条第1項の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第520条第4項前段の規定による記載の追加に係る顧客債権については、当該記載の追加が一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前の記載の追加であるときは債権届出期間の経過後であって一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があったものと、当該記載の追加が一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後の記載の追加であるときは同法第112条第1項の規定による届出があったものとみなす。
(顧客の参加)
第523条 前条の規定により届出があったものとみなされる顧客債権(基金が破産法第113条第1項の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら破産手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、破産債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、破産手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを基金に通知しなければならない。
4 参加の届出をした顧客は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該顧客に係る顧客債権の全部をもって自ら破産手続に参加するものとする。
(投資者保護基金の権限)
第524条 基金は、第522条の規定により届出があったものとみなされる顧客債権に係る債権者(参加の届出をした顧客を除く。以下この節において「基金代理顧客」という。)のために、当該基金代理顧客に係る顧客債権(以下この節において「基金代理債権」という。)をもって、破産手続に属する一切の行為(破産債権の調査において、基金が異議を述べた基金代理債権に係る破産債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、基金代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の不利益となる変更を加えようとするとき、又は基金代理債権に係る破産債権査定申立てを取り下げ、若しくは基金代理債権に係る破産債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該基金代理債権に係る基金代理顧客の授権がなければならない。
(投資者保護基金の義務)
第525条 基金は、基金代理顧客のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 基金は、基金代理顧客に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第526条 基金は、基金代理債権に関する届出に係る事項について当該基金代理債権に係る基金代理顧客の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 前項の規定による変更は、破産法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、当該変更が一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前の変更であるときは債権届出期間の経過後であって一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にされた届出事項の変更と、当該変更が一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後の変更であるときは同法第112条第4項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間又は特別調査期日の費用)
第527条 基金代理債権に係る特別調査期間又は特別調査期日に関する費用は、破産法第119条第3項(同法第122条第2項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、基金の負担とする。ただし、基金は、同法第169条の規定により原状に復した顧客債権について調査するため特別調査期間又は特別調査期日が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、基金代理顧客に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第528条 破産債権の調査において、基金代理債権の額等について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合(基金が当該基金代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、基金は、遅滞なく、その旨を当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
2 破産債権の調査において、基金が基金代理債権の額等について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該基金代理債権に係る基金代理顧客に通知しなければならない。
(投資者保護基金がする通知等)
第529条 第517条及び前条第1項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 破産法第10条第1項及び第2項の規定は、第520条第2項の規定による公告について準用する。
第4節 保険契約者保護機構の権限
(届出期間を定める場合の特例)
第530条 裁判所は、保険会社について破産手続開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、破産法第31条第1項第1号の規定により定める破産債権の届出をすべき期間について、保護機構の意見を聴かなければならない。
(包括的禁止命令に関する通知の特例)
第531条 保険会社について破産法第26条第1項(同法第33条第2項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する決定があった場合には、保険契約者等(保険契約者その他の保険契約に係る権利を有する者をいう。以下この節において同じ。)に対しては、同法第26条第1項の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、破産法第26条第1項の決定の主文を通知しなければならない。
(破産手続開始の決定等に関する通知の特例)
第532条 保険会社について破産手続開始の決定をしたときは、破産債権者である保険契約者等に対しては、破産法第32条第3項第1号の規定による通知をすることを要しない。
2 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、破産法第32条第1項及び第2項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
3 保険会社の破産手続において、第537条第1項の規定による保険契約者表の提出があるまでに、破産法第32条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項に変更を生じた場合(同号に掲げる事項にあっては、同法第31条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に変更を生じた場合に限る。)又は破産手続開始の決定を取り消す決定が確定した場合においては、破産債権者である保険契約者等であって同法第111条第1項の規定による届出をしていないものに対しては、同法第32条第5項において準用する同条第3項第1号の規定又は同法第33条第3項本文の規定による通知をすることを要しない。
4 前項に規定する場合においては、保護機構に対して、破産法第32条第1項第2号若しくは第3号に掲げる事項(同号に掲げる事項にあっては、同法第31条第1項第1号の期間又は同項第2号の期日に限る。)について生じた変更の内容又は破産手続開始の決定を取り消す決定の主文を通知しなければならない。ただし、同法第31条第5項の決定があったときは、この限りでない。
(少額配当受領申出に関する通知)
第533条 保護機構は、前条第2項の規定による通知を受けたときは、破産債権者である保険契約者等に対し、遅滞なく、少額配当受領の意思があるときは債権届出期間の末日の前日までに保護機構に申し出るべき旨を通知しなければならない。
(債権者集会の期日の通知)
第534条 裁判所書記官は、保険会社の破産手続において、債権届出期間の満了前に債権者集会が招集された場合においては、保護機構に対し、当該債権者集会の期日を通知しなければならない。ただし、破産法第31条第5項の決定があったときは、この限りでない。
(債権者委員会)
第535条 保護機構が第537条第1項の規定による保険契約者表の提出をする前における破産法第144条第1項及び第4項の規定の適用については、同条第1項中「破産債権者をもって」とあるのは「破産債権者(保険契約者保護機構(保険業法(平成7年法律第105号)第259条に規定する保険契約者保護機構であって、破産者が破産手続開始の時に加入しているものをいう。以下この条において同じ。)を含む。)をもって」と、同条第4項中「破産債権者の申立て」とあるのは「破産債権者(保険契約者保護機構を含む。)の申立て」とする。
2 第541条の規定は、保護機構が破産法第144条第2項に規定する債権者委員会を構成する者である場合について準用する。この場合において、第541条中「保護機構代理保険契約者」とあるのは、「保険契約者等」と読み替えるものとする。
(保険契約者表の作成及び縦覧等)
第536条 保護機構は、第532条第2項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、知れている保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)について、破産法第115条第2項に規定する事項を記載した保険契約者表を作成しなければならない。
2 保護機構は、保険契約者表を作成したときは、直ちに、その旨及び縦覧の場所を公告するとともに、債権届出期間の末日の前日までの間、保険契約者表を保険契約者等の縦覧に供しなければならない。
3 前項の規定による保険契約者表の縦覧の開始の日は、債権届出期間の末日の前日の2週間以上前の日でなければならない。
4 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるものを除く。)があることを知ったときは、遅滞なく、当該保険契約者表に、当該保険契約に係る権利に係る第1項に規定する事項の記載の追加をしなければならない。当該保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利について当該保険契約に係る権利を有する者の利益となる記載の変更を行うべきことを知ったときも、同様とする。
5 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後、当該保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利を有する者から、少額配当受領申出があったときは、当該保険契約者表に、その旨の記載の追加をしなければならない。
6 保護機構は、保険契約者表を縦覧に供することを開始した後でも、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等の承諾を得て、当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うことができる。ただし、当該保険契約者表に記載されている保険契約者等に係る保険契約に係る権利を、保険業法第270条の6の8の規定により買い取った場合において、当該保険契約に係る権利について、その記載を削除し、又は当該保険契約者等の不利益となる記載の変更を行うときは、当該保険契約者等の承諾を要しない。
(保険契約者表の提出)
第537条 保護機構は、債権届出期間の末日に、前条の規定により作成した保険契約者表を裁判所に提出しなければならない。
2 前条第4項前段の規定は、保護機構が、保険契約者表を裁判所に提出した後、当該保険契約者表に記載されていない保険契約に係る権利(保護機構が債権者であるもの及び既に保険契約者等が裁判所に届け出ているものを除く。)があることを知った場合について準用する。
3 保護機構は、第1項の規定による保険契約者表の提出又は前項において準用する前条第4項前段の規定による記載の追加をする場合においては、破産法第111条第1項各号に掲げる事項(前条第1項に規定する事項を除く。)を裁判所に届け出なければならない。
4 前条第5項の規定は、保護機構が保険契約者表を裁判所に提出した後、少額配当受領申出があった場合について準用する。
5 保険会社の破産手続についての破産法第11条第1項の規定の適用については、同項中「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)」とあるのは、「この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律」とする。
(保険契約者表の提出の効果)
第538条 破産法の規定の適用については、前条第1項の規定により提出された保険契約者表に記載されている保険契約に係る権利(保険契約者等が当該提出があるまでに同法第111条第1項の規定により届け出たものを除く。)については債権届出期間内に届出があったものと、前条第2項において準用する第536条第4項前段の規定による記載の追加に係る保険契約に係る権利については、当該記載の追加が一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前の記載の追加であるときは債権届出期間の経過後であって一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前に届出があったものと、当該記載の追加が一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後の記載の追加であるときは同法第112条第1項の規定による届出があったものとみなす。
(保険契約者等の参加)
第539条 前条の規定により届出があったものとみなされる保険契約に係る権利(保護機構が破産法第113条第1項の規定による届出名義の変更を受けたものを除く。以下この条及び次条において同じ。)に係る債権者は、自ら破産手続に参加しようとするときは、その旨を裁判所に届け出なければならない。ただし、破産債権の確定に関する裁判手続に関する行為については、この限りでない。
2 前項の規定による届出(以下この条及び次条において「参加の届出」という。)は、破産手続が終了するまでの間、することができる。
3 参加の届出があったときは、裁判所は、これを保護機構に通知しなければならない。
4 参加の届出をした保険契約者等は、前条の規定により届出があったものとみなされる当該保険契約者等に係る保険契約に係る権利の全部をもって自ら破産手続に参加するものとする。
(保険契約者保護機構の権限)
第540条 保護機構は、第538条の規定により届出があったものとみなされる保険契約に係る権利を有する者(参加の届出をした保険契約者等を除く。以下この節において「保護機構代理保険契約者」という。)のために、当該保護機構代理保険契約者に係る保険契約に係る権利(以下この節において「保護機構代理債権」という。)をもって、破産手続に属する一切の行為(次に掲げる保護機構代理債権に係る破産債権の確定に関する裁判手続に関する行為を除く。)をするものとする。ただし、保護機構代理債権に係る届出を取り下げ、若しくは保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の不利益となる変更を加えようとするとき、又は保護機構代理債権に係る破産債権査定申立てを取り下げ、若しくは保護機構代理債権に係る破産債権の確定に関する訴訟において民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為をしようとするときは、当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の授権がなければならない。
一 保険金請求権
二 損害をてん補することを請求する権利(前号に掲げるものを除く。)
三 破産債権の調査において、保護機構が異議を述べた保護機構代理債権
(保険契約者保護機構の義務)
第541条 保護機構は、保護機構代理保険契約者のために、公平かつ誠実に前条の行為をしなければならない。
2 保護機構は、保護機構代理保険契約者に対し、善良な管理者の注意をもって前条の行為をしなければならない。
(届出に係る事項の変更)
第542条 保護機構は、保護機構代理債権に関する届出に係る事項について当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者の利益となる変更を加えるべきことを知ったときは、遅滞なく、当該届出に係る事項について変更を加えなければならない。
2 前項の規定による変更は、破産法の規定の適用については、この章に別段の定めがある場合を除き、当該変更が一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前の変更であるときは債権届出期間の経過後であって一般調査期間の満了前又は一般調査期日の終了前にされた届出事項の変更と、当該変更が一般調査期間の経過後又は一般調査期日の終了後の変更であるときは同法第112条第4項の規定による変更とみなす。
(特別調査期間又は特別調査期日の費用)
第543条 保護機構代理債権に係る特別調査期間又は特別調査期日に関する費用は、破産法第119条第3項(同法第122条第2項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、保護機構の負担とする。ただし、保護機構は、同法第169条の規定により原状に復した保険契約に係る権利について調査するため特別調査期間又は特別調査期日が定められた場合その他の相当の事由がある場合には、保護機構代理保険契約者に当該費用の全部又は一部の償還を求めることができる。
(異議の通知)
第544条 破産債権の調査において、保護機構代理債権の額等について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合(保護機構が当該保護機構代理債権について異議を述べた場合を除く。)には、保護機構は、遅滞なく、その旨を当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。
2 破産債権の調査において、保護機構が保護機構代理債権の額等について異議を述べた場合には、裁判所書記官は、これを当該保護機構代理債権に係る保護機構代理保険契約者に通知しなければならない。
(保険契約者保護機構がする通知等)
第545条 第533条及び前条第1項の規定による通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
2 破産法第10条第1項及び第2項の規定は、第536条第2項の規定による公告について準用する。
(補償対象保険金の弁済に関する特例)
第546条 保険会社について破産手続開始の決定があった場合において、当該保険会社は、保護機構と保険業法第270条の6の7第3項の規定による契約を締結したときは、破産法第100条第1項の規定にかかわらず、補償対象契約に係る保険金請求権等に係る破産債権者の請求に基づき、補償対象保険金に係る債務の弁済をすることができる。
2 破産債権者は、前項の規定により弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全部をもって破産手続に参加することができる。
3 第1項の規定により弁済を受けた破産債権者は、他の破産債権者が自己の受けた弁済と同一の割合の弁済を受けるまでは、破産手続により、弁済を受けることができない。
4 前項の破産債権者は、第1項の規定により弁済を受けた債権の部分については、議決権を行使することができない。
第547条 保険会社は、前条第1項の規定による請求があったときは、遅滞なく、当該請求に係る保険金請求権等について第536条第1項に規定する事項を保護機構に通知しなければならない。
第7章 雑則
(権限の委任)
第548条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
第8章 罰則
(詐欺更生罪)
第549条 第4条第1項に規定する更生手続の開始の前後を問わず、債権者、協同組織金融機関に係る担保権者(協同組織金融機関の財産につき特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権を有する者をいう。以下この章において同じ。)又は組合員等を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、協同組織金融機関について第31条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第4号に掲げる行為の相手方となった者も、第31条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、同様とする。
一 協同組織金融機関の財産を隠匿し、又は損壊する行為
二 協同組織金融機関の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
三 協同組織金融機関の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
四 協同組織金融機関の財産を債権者、協同組織金融機関に係る担保権者若しくは組合員等の不利益に処分し、又は債権者、協同組織金融機関に係る担保権者若しくは組合員等に不利益な債務を協同組織金融機関が負担する行為
2 前項に規定するもののほか、協同組織金融機関について第31条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定がされ、又は第22条第2項に規定する保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者、協同組織金融機関に係る担保権者又は組合員等を害する目的で、第4条第1項に規定する更生手続における管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その協同組織金融機関の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、前項と同様とする。
3 第169条第1項に規定する更生手続の開始の前後を問わず、債権者、相互会社に係る担保権者(相互会社の財産につき特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権を有する者をいう。以下この章において同じ。)又は社員を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者も、相互会社について第196条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、第1項と同様とする。情を知って、第4号に掲げる行為の相手方となった者も、第196条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、同様とする。
一 相互会社の財産を隠匿し、又は損壊する行為
二 相互会社の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
三 相互会社の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
四 相互会社の財産を債権者、相互会社に係る担保権者若しくは社員の不利益に処分し、又は債権者、相互会社に係る担保権者若しくは社員に不利益な債務を相互会社が負担する行為
4 前項に規定するもののほか、相互会社について第196条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定がされ、又は第187条第2項に規定する保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者、相互会社に係る担保権者又は社員を害する目的で、第169条第1項に規定する更生手続における管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その相互会社の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、第1項と同様とする。
(特定の債権者等に対する担保の供与等の罪)
第550条 協同組織金融機関の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、第4条第1項に規定する更生手続の開始の前後を問わず、その協同組織金融機関の業務に関し、特定の債権者又は協同組織金融機関に係る担保権者に対するその協同組織金融機関の債務について、他の債権者又は協同組織金融機関に係る担保権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であってその協同組織金融機関の義務に属せず又はその方法若しくは時期がその協同組織金融機関の義務に属しないものをし、協同組織金融機関について第31条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 相互会社の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、第169条第1項に規定する更生手続の開始の前後を問わず、その相互会社の業務に関し、特定の債権者又は相互会社に係る担保権者に対するその相互会社の債務について、他の債権者又は相互会社に係る担保権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であってその相互会社の義務に属せず又はその方法若しくは時期がその相互会社の義務に属しないものをし、相互会社について第196条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときも、前項と同様とする。
(管財人等の特別背任罪)
第551条 第4条第1項に規定する更生手続における管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理、監督委員又は調査委員が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者、協同組織金融機関に係る担保権者若しくは組合員等に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者、協同組織金融機関に係る担保権者又は組合員等に財産上の損害を加えたときは、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 第169条第1項に規定する更生手続における管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理、監督委員又は調査委員が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者、相互会社に係る担保権者若しくは社員に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者、相互会社に係る担保権者又は社員に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。
3 第4条第1項又は第169条第1項に規定する更生手続における管財人、保全管理人、監督委員又は調査委員(以下この項において「管財人等」という。)が法人であるときは、前2項の規定は、管財人等の職務を行う役員又は職員に適用する。
(報告及び検査の拒絶等の罪)
第552条 第4条第6項に規定する開始前協同組織金融機関、同条第7項に規定する更生協同組織金融機関、第124条第1項第4号に掲げる転換後協同組織金融機関若しくは転換後銀行、同項第5号に規定する新協同組織金融機関又は同項第6号に規定する新株式会社(第3項において「開始前協同組織金融機関等」という。)の設立時取締役、設立時監査役、理事、取締役、会計参与、監事、監査役、執行役、会計監査人、清算人若しくは使用人その他の従業者若しくはこれらの者であった者又は発起人であった者が、第24条第1項、第28条、第49条若しくは第73条において準用する会社更生法第77条第1項の規定又は第127条第2項若しくは第3項において準用する同法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項に規定する者の代表者、代理人、使用人その他の従業者(第4項及び第6項において「代表者等」という。)が、前項に規定する者の業務に関し、第24条第1項、第28条、第49条若しくは第73条において準用する会社更生法第77条第1項の規定又は第127条第2項若しくは第3項において準用する同法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。
3 第1項に規定する者(同項に規定するこれらの者であった者を除く。)が、その開始前協同組織金融機関等の業務に関し、第24条第1項、第28条、第49条若しくは第73条において準用する会社更生法第77条第1項の規定又は第127条第2項若しくは第3項において準用する同法第209条第3項の規定による検査を拒んだときも、第1項と同様とする。
4 第4条第6項に規定する開始前協同組織金融機関又は同条第7項に規定する更生協同組織金融機関の子会社(協同組合による金融事業に関する法律第4条第1項、信用金庫法第32条第6項又は労働金庫法第32条第5項に規定する子会社をいう。以下この項において同じ。)の代表者等が、その子会社の業務に関し、第24条第1項、第28条、第49条又は第73条において準用する会社更生法第77条第2項の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
5 第345条第1項第2号に規定する転換後信用金庫又は第354条第1項に規定する新協同組織金融機関(第7項において「転換後信用金庫等」という。)の理事、監事、会計監査人、清算人若しくは使用人その他の従業者又はこれらの者であった者が、第352条第5項又は第354条第7項において準用する会社更生法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
6 前項に規定する者の代表者等が、同項に規定する者の業務に関し、第352条第5項又は第354条第7項において準用する会社更生法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
7 第5項に規定する者(同項に規定するこれらの者であった者を除く。)が、その転換後信用金庫等の業務に関し、第352条第5項又は第354条第7項において準用する会社更生法第209条第3項の規定による検査を拒んだときも、第1項と同様とする。
第553条 第169条第6項に規定する開始前会社、同条第7項に規定する更生会社、第294条第1項第4号に掲げる組織変更後株式会社、同項第5号に規定する株式会社若しくは新株式会社又は同項第6号に規定する新相互会社(第3項において「開始前会社等」という。)の設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、清算人若しくは使用人その他の従業者若しくはこれらの者であった者又は発起人であった者が、第189条第1項、第193条、第215条若しくは第239条において準用する会社更生法第77条第1項の規定又は第297条第2項若しくは第3項において準用する同法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項に規定する者の代表者、代理人、使用人その他の従業者(第4項及び第6項において「代表者等」という。)が、前項に規定する者の業務に関し、第189条第1項、第193条、第215条若しくは第239条において準用する会社更生法第77条第1項の規定又は第297条第2項若しくは第3項において準用する同法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。
3 第1項に規定する者(同項に規定するこれらの者であった者を除く。)が、その開始前会社等の業務に関し、第189条第1項、第193条、第215条若しくは第239条において準用する会社更生法第77条第1項の規定又は第297条第2項若しくは第3項において準用する同法第209条第3項の規定による検査を拒んだときも、第1項と同様とする。
4 第169条第6項に規定する開始前会社又は同条第7項に規定する更生会社の実質子会社(保険業法第33条の2第1項に規定する実質子会社をいう。以下この項において同じ。)の代表者等が、その実質子会社の業務に関し、第189条第1項、第193条、第215条又は第239条において準用する会社更生法第77条第2項の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
5 第360条第1項第2号に規定する組織変更後相互会社又は第372条第1項に規定する新相互会社(第7項において「組織変更後相互会社等」という。)の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、清算人若しくは使用人その他の従業者又はこれらの者であった者が、第367条第4項又は第372条第7項において準用する会社更生法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
6 前項に規定する者の代表者等が、同項に規定する者の業務に関し、第367条第4項又は第372条第7項において準用する会社更生法第209条第3項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第1項と同様とする。
7 第5項に規定する者(同項に規定するこれらの者であった者を除く。)が、その組織変更後相互会社等の業務に関し、第367条第4項又は第372条第7項において準用する会社更生法第209条第3項の規定による検査を拒んだときも、第1項と同様とする。
(業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪)
第554条 第4条第1項に規定する更生手続の開始の前後を問わず、債権者、協同組織金融機関に係る担保権者又は組合員等を害する目的で、協同組織金融機関の業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、協同組織金融機関について第31条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 第169条第1項に規定する更生手続の開始の前後を問わず、債権者、相互会社に係る担保権者又は社員を害する目的で、相互会社の業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者も、相互会社について第196条において準用する会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定が確定したときは、前項と同様とする。
(管財人等に対する職務妨害の罪)
第555条 偽計又は威力を用いて、第4条第1項又は第169条第1項に規定する更生手続における管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理、監督委員又は調査委員の職務を妨害した者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(収賄罪)
第556条 第4条第1項又は第169条第1項に規定する更生手続における管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理、監督委員、調査委員又は法律顧問(第44条又は第210条において準用する会社更生法第71条の法律顧問をいう。次項において同じ。)が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の場合において、その管財人、管財人代理、保全管理人、保全管理人代理、監督委員、調査委員又は法律顧問が不正の請託を受けたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
3 第1項の更生手続における管財人、保全管理人、監督委員又は調査委員(以下この条において「管財人等」という。)が法人である場合において、管財人等の職務を行うその役員又は職員が、その管財人等の職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。管財人等が法人である場合において、その役員又は職員が、その管財人等の職務に関し、管財人等に賄賂を収受させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様とする。
4 前項の場合において、その役員又は職員が不正の請託を受けたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
5 第1項の更生手続における第4条第13項若しくは第169条第13項に規定する更生債権者等、組合員等、社員若しくは代理委員又はこれらの者の代理人、役員若しくは職員が、関係人集会の期日における議決権の行使又は第113条若しくは第282条において準用する会社更生法第189条第2項第2号に規定する書面等投票による議決権の行使に関し、不正の請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
6 前各項の場合において、犯人又は法人である管財人等が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
(贈賄罪)
第557条 前条第1項又は第3項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前条第2項、第4項又は第5項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(国外犯)
第558条 第549条、第550条、第554条、第555条及び前条の罪は、刑法(明治40年法律第45号)第2条の例に従う。
2 第551条及び第556条(第5項を除く。)の罪は、刑法第4条の例に従う。
3 第556条第5項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
(両罰規定)
第559条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関し、第549条、第550条、第552条(第1項及び第5項を除く。)、第553条(第1項及び第5項を除く。)、第554条、第555条又は第557条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
(過料)
第560条 第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関又はその更生協同組織金融機関の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供する者は、第127条第1項において準用する会社更生法第209条第4項の規定による裁判所の命令に違反した場合には、100万円以下の過料に処する。
2 第169条第7項に規定する更生会社又はその更生会社の事業の更生のために債務を負担し、又は担保を提供する者は、第297条第1項において準用する会社更生法第209条第4項の規定による裁判所の命令に違反した場合も、前項と同様とする。
附則
(施行期日)
第1条 この法律は、平成9年4月1日から施行する。
(金融機関の更生手続の特例に関する経過措置)
第2条 第4章の規定は、この法律の施行前に銀行について更生手続開始の申立てがあった事件については、適用しない。
(金融機関の破産手続の特例に関する経過措置)
第3条 第5章の規定は、この法律の施行前に金融機関について破産の申立てがあった事件については、適用しない。
(預金保険機構の権限に関する経過措置)
第4条 民事訴訟法(平成8年法律第109号)の施行の日がこの法律の施行の日後となる場合には、民事訴訟法の施行の日の前日までの間における第171条及び第188条の規定の適用については、第171条中「民事訴訟法(平成8年法律第109号)第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為」とあるのは「訴え、控訴若しくは上告の取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾若しくは民事訴訟法(明治23年法律第29号)第72条の規定による脱退」と、第188条中「民事訴訟法第32条第2項第1号若しくは第2号に掲げる訴訟行為」とあるのは「訴え、控訴若しくは上告の取下げ、和解、請求の放棄若しくは認諾若しくは民事訴訟法第72条の規定による脱退」とする。
附則 (平成9年6月6日法律第72号)
(施行期日)
1 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成9年法律第71号)の施行の日から施行する。
(経過措置)
2 この法律の施行前に締結された合併契約に係る合併に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。
(罰則の適用に関する経過措置)
3 この法律の施行前にした行為及び前項の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成9年6月20日法律第102号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、金融監督庁設置法(平成9年法律第101号)の施行の日から施行する。
(大蔵大臣等がした処分等に関する経過措置)
第2条 この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により大蔵大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、証券投資信託法、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、外国為替銀行法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、預金保険法、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法又は銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2 この法律の施行の際現に旧担保附社債信託法等の規定により大蔵大臣その他の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づいて、内閣総理大臣その他の相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3 旧担保附社債信託法等の規定により大蔵大臣その他の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、新担保附社債信託法等の相当規定により内閣総理大臣その他の相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、新担保附社債信託法等の規定を適用する。
(大蔵省令等に関する経過措置)
第3条 この法律の施行の際現に効力を有する旧担保附社債信託法等の規定に基づく命令は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づく命令としての効力を有するものとする。
(罰則に関する経過措置)
第5条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第6条 附則第2条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成9年12月12日法律第121号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、持株会社の設立等の禁止の解除に伴う金融関係法律の整備等に関する法律(平成9年法律第120号)の施行の日から施行する。
附則 (平成10年6月15日法律第107号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成10年12月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中証券取引法第4章の次に1章を加える改正規定(第79条の29第1項に係る部分に限る。)並びに同法第189条第2項及び第4項の改正規定、第21条の規定、第22条中保険業法第2編第10章第2節第1款の改正規定(第265条の6に係る部分に限る。)、第23条の規定並びに第25条の規定並びに附則第40条、第42条、第58条、第136条、第140条、第143条、第147条、第149条、第158条、第164条、第187条(大蔵省設置法(昭和24年法律第144号)第4条第79号の改正規定を除く。)及び第188条から第190条までの規定 平成10年7月1日
(処分等の効力)
第188条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第189条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第190条 附則第2条から第146条まで、第153条、第169条及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第191条 政府は、この法律の施行後においても、新保険業法の規定による保険契約者等の保護のための特別の措置等に係る制度の実施状況、保険会社の経営の健全性の状況等にかんがみ必要があると認めるときは、保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置を講ずるものとする。
2 政府は、前項に定めるものを除くほか、この法律の施行後5年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況、金融システムを取り巻く社会経済状況の変化等を勘案し、この法律による改正後の金融諸制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成10年10月16日法律第131号)
(施行期日)
第1条 この法律は、金融再生委員会設置法(平成10年法律第130号)の施行の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この法律による改正前の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「旧担保附社債信託法等」という。)の規定により内閣総理大臣その他の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為は、この法律による改正後の担保附社債信託法、信託業法、農林中央金庫法、無尽業法、銀行等の事務の簡素化に関する法律、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、農業協同組合法、証券取引法、損害保険料率算出団体に関する法律、水産業協同組合法、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律、船主相互保険組合法、地方税法、証券投資信託及び証券投資法人に関する法律、信用金庫法、長期信用銀行法、貸付信託法、中小漁業融資保証法、信用保証協会法、労働金庫法、自動車損害賠償保障法、農業信用保証保険法、地震保険に関する法律、登録免許税法、金融機関の合併及び転換に関する法律、外国証券業者に関する法律、農村地域工業等導入促進法、農水産業協同組合貯金保険法、銀行法、貸金業の規制等に関する法律、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律、抵当証券業の規制等に関する法律、金融先物取引法、前払式証票の規制等に関する法律、商品投資に係る事業の規制に関する法律、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律、特定債権等に係る事業の規制に関する法律、金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律、協同組織金融機関の優先出資に関する法律、不動産特定共同事業法、保険業法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、農林中央金庫と信用農業協同組合連合会との合併等に関する法律、日本銀行法、銀行持株会社の創設のための銀行等に係る合併手続の特例等に関する法律、特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律又は金融システム改革のための関係法律の整備等に関する法律(以下「新担保附社債信託法等」という。)の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関がした免許、許可、認可、承認、指定その他の処分又は通知その他の行為とみなす。
2 この法律の施行の際現に旧担保附社債信託法等の規定により内閣総理大臣その他の国の機関に対してされている申請、届出その他の行為は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づいて、金融再生委員会その他の相当の国の機関に対してされた申請、届出その他の行為とみなす。
3 旧担保附社債信託法等の規定により内閣総理大臣その他の国の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、これを、新担保附社債信託法等の相当規定により金融再生委員会その他の相当の国の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、新担保附社債信託法等の規定を適用する。
第3条 この法律の施行の際現に効力を有する旧担保附社債信託法等の規定に基づく命令は、新担保附社債信託法等の相当規定に基づく命令としての効力を有するものとする。
第4条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第5条 前3条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成11年7月16日法律第87号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成12年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中地方自治法第250条の次に5条、節名並びに2款及び款名を加える改正規定(同法第250条の9第1項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第40条中自然公園法附則第9項及び第10項の改正規定(同法附則第10項に係る部分に限る。)、第244条の規定(農業改良助長法第14条の3の改正規定に係る部分を除く。)並びに第472条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第6条、第8条及び第17条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第7条、第10条、第12条、第59条ただし書、第60条第4項及び第5項、第73条、第77条、第157条第4項から第6項まで、第160条、第163条、第164条並びに第202条の規定 公布の日
(国等の事務)
第159条 この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第161条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第160条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第163条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第2条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第161条 施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする。
(罰則に関する経過措置)
第163条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第250条 新地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第1に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第251条 政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成11年8月13日法律第125号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成11年12月22日法律第160号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第995条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第1305条、第1306条、第1324条第2項、第1326条第2項及び第1344条の規定 公布の日
二 第3章(第3条を除く。)及び次条の規定 平成12年7月1日
附則 (平成11年12月22日法律第225号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(民法等の一部改正に伴う経過措置)
第25条 この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。
一から十八まで 略
十九 金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第24条第1項、第26条、第27条、第31条、第45条、第48条第1項第2号から第4号まで及び第49条第1項
(罰則の適用に関する経過措置)
第26条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則において従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成12年5月31日法律第91号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成12年法律第90号)の施行の日から施行する。
附則 (平成12年5月31日法律第92号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第16条 第2条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下「新更生特例法」という。)第4章の規定は、施行日前に保険会社(新更生特例法第2条第5項に規定する保険会社をいう。次条において同じ。)について更生手続開始の申立てがあった事件については、適用しない。
第17条 新更生特例法第5章の規定は、施行日前に保険会社について破産の申立てがあった事件については、適用しない。
(罰則の適用に関する経過措置)
第29条 この法律(附則第1条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第30条 附則第2条から第17条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成12年5月31日法律第93号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条、第2条、第4条及び第5条並びに附則第2条、第3条、第4条第2項、第13条、第18条、第19条、第23条及び第24条の規定 公布の日から起算して、1月を超えない範囲内において政令で定める日
(経過措置)
第12条 第11条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第4章の2の規定は、施行日前に金融機関(同条の規定による改正前の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下この条において「旧更生特例法」という。)第2条第3項に規定する金融機関をいう。)又は証券会社(旧更生特例法第2条第4項に規定する証券会社をいう。)について再生手続の申立てがあった事件については、適用しない。
(罰則の適用に関する経過措置)
第23条 この法律の各改正規定の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る各改正規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、それぞれなお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第24条 附則第2条から第12条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成12年11月29日法律第128号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成13年3月30日法律第6号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成13年3月31日から施行する。
附則 (平成13年6月29日法律第80号)
この法律は、商法等改正法の施行の日から施行する。
附則 (平成13年11月28日法律第129号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、平成14年4月1日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
2 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成14年5月29日法律第45号) 抄
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成14年7月3日法律第79号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成14年8月1日から施行する。
附則 (平成14年7月3日法律第80号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成14年8月1日から施行する。
附則 (平成14年7月31日法律第100号)
(施行期日)
第1条 この法律は、民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)の施行の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第2条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第3条 前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成14年12月13日法律第155号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、会社更生法(平成14年法律第154号)の施行の日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成14年12月18日法律第175号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第2条から第7条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成15年3月31日法律第8号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成15年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一から三まで 略
四 次に掲げる規定 平成15年10月1日
イからヘまで 略
ト 第9条中石油税法の題名の改正規定、同法第1条の改正規定、同法第3条の改正規定(「石油税」を「石油石炭税」に改める部分に限る。)、同法第4条の改正規定、同法第5条の改正規定、同法第6条第2項の改正規定、同法第7条の改正規定(「石油税」を「石油石炭税」に改める部分に限る。)、同法第8条から第19条までの改正規定、同法第21条の改正規定、同法第23条の改正規定及び同法第24条の改正規定並びに附則第44条から第48条まで、第50条、第137条、第138条、第139条(国税徴収法(昭和34年法律第147号)第2条第3号の改正規定に限る。)、第140条、第142条(国税通則法(昭和37年法律第66号)第2条第3号、第15条第2項第7号、第46条第1項第1号イ及び第60条第2項の改正規定に限る。)、第143条、第153条から第168条まで、第171条、第172条、第176条、第180条、第181条、第187条(会社更生法(平成14年法律第154号)第129条の改正規定に限る。)及び第188条第1項の規定
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第181条 前条の規定の施行の際に納期限の到来していない石油税は、納期限の到来していない石油石炭税とみなして、同条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第76条又は第242条の規定を適用する。
附則 (平成15年5月9日法律第39号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(検討)
第11条 政府は、この法律の施行後3年以内に、保険契約者等の保護のための特別の措置等に係る制度等の実施状況、保険会社の経営の健全性の状況等を勘案し、この法律による改正後の保険契約者等の保護のための制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて保険業に対する信頼性の維持を図るために必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成15年7月25日法律第129号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成15年8月1日法律第134号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成16年6月2日法律第76号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、破産法(平成16年法律第75号。次条第8項並びに附則第3条第8項、第5条第8項、第16項及び第21項、第8条第3項並びに第13条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第5条 施行日前にされた第4条の規定による改正前の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下この項、第9項、第10項及び第17項から第21項まで並びに附則第12条第1項及び第13条において「旧更生特例法」という。)第15条若しくは第377条第1項の規定又は旧更生特例法第158条第1項において準用する旧会社更生法第244条第1項の規定による更生手続開始の申立てに係る協同組織金融機関(第4条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下この項から第17項まで、第19項及び第21項並びに附則第12条第1項第3号及び第2項第3号において「新更生特例法」という。)第2条第2項に規定する協同組織金融機関をいう。第3項及び第4項において同じ。)の更生事件(新更生特例法第4条第3項に規定する更生事件をいう。次項から第5項まで、第7項及び第8項において同じ。)については、なお従前の例による。
2 前項の規定にかかわらず、同項の更生事件における破産手続開始前の更生協同組織金融機関(新更生特例法第4条第7項に規定する更生協同組織金融機関をいう。以下この項から第6項まで及び第8項において同じ。)について施行日以後に新更生特例法第158条の7第1項前段に規定する更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止若しくは更生計画不認可の決定があった場合又は第1項の更生事件における破産手続開始後の更生協同組織金融機関について施行日以後に同条第1項後段に規定する更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に新更生特例法第155条第1項において準用する新会社更生法第241条第1項に規定する更生手続廃止の決定があった場合には、新更生特例法第158条の7の規定を適用する。
3 第1項の規定にかかわらず、同項の更生事件における破産手続開始前の協同組織金融機関について施行日以後に新更生特例法第158条の8第1項本文に規定する新更生特例法第150条において準用する新会社更生法第234条第1号から第4号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合又は第1項の更生事件における破産手続開始後の更生協同組織金融機関について施行日以後に新更生特例法第158条の8第2項本文に規定する更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に新更生特例法第155条第1項において準用する新会社更生法第241条第1項に規定する更生手続廃止の決定が確定した場合には、新更生特例法第158条の8の規定を適用する。
4 第1項の規定にかかわらず、同項の更生事件における破産手続開始前の協同組織金融機関について施行日以後に新更生特例法第158条の9第1項第1号に規定する更生手続開始の申立ての棄却の決定があった場合、第1項の更生事件における破産手続開始前の更生協同組織金融機関について施行日以後に同条第1項第2号に規定する更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止若しくは更生計画不認可の決定が確定した場合又は第1項の更生事件における破産手続開始後の更生協同組織金融機関について施行日以後に同条第1項第3号に規定する更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に新更生特例法第155条第1項において準用する新会社更生法第241条第1項に規定する更生手続廃止の決定が確定した場合には、新更生特例法第158条の9の規定を適用する。
5 第1項の規定にかかわらず、同項の更生事件における更生協同組織金融機関又は開始前協同組織金融機関(新更生特例法第4条第6項に規定する開始前協同組織金融機関をいう。第8項において同じ。)について施行日以後に新更生特例法第158条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定をする場合には、新更生特例法第158条の11の規定を適用する。
6 施行日前に更生債権者等(新更生特例法第4条第13項本文に規定する更生債権者等をいう。以下この項において同じ。)につき更生協同組織金融機関に対する債務負担の原因が生じた場合における更生債権者等による相殺の禁止及び施行日前に更生協同組織金融機関に対して債務を負担する者につき更生債権等(新更生特例法第4条第12項本文に規定する更生債権等をいう。)の取得の原因が生じた場合における当該者による相殺の禁止については、新更生特例法第35条において準用する新会社更生法第49条及び第49条の2の規定にかかわらず、なお従前の例による。
7 施行日前にされた行為の更生事件における否認については、新更生特例法第2章第3節第4款(第60条(新会社更生法第94条から第97条までの規定を準用する部分に限る。)を除く。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
8 第1項の更生事件における更生協同組織金融機関又は開始前協同組織金融機関について施行日以後に新更生特例法第158条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定がされた場合における当該決定に係る破産事件に関する相殺の禁止及び否認については、新破産法第71条及び第72条並びに第6章第2節(第171条から第175条までを除く。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
9 施行日前にされた旧更生特例法第180条若しくは第377条第1項の規定又は旧更生特例法第331条第1項において準用する旧会社更生法第244条第1項の規定による更生手続開始の申立てに係る相互会社(新更生特例法第2条第6項に規定する相互会社をいう。第11項及び第12項において同じ。)の更生事件(新更生特例法第169条第3項に規定する更生事件をいう。次項から第13項まで、第15項及び第16項において同じ。)については、なお従前の例による。
10 前項の規定にかかわらず、同項の更生事件における破産手続開始前の更生会社(新更生特例法第169条第7項に規定する更生会社をいう。以下この項から第14項まで及び第16項において同じ。)について施行日以後に新更生特例法第331条の7第1項前段に規定する更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止若しくは更生計画不認可の決定があった場合又は第9項の更生事件における破産手続開始後の更生会社について施行日以後に更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に新更生特例法第328条第1項において準用する新会社更生法第241条第1項に規定する更生手続廃止の決定があった場合には、新更生特例法第331条の7の規定を適用する。
11 第9項の規定にかかわらず、同項の更生事件における破産手続開始前の相互会社について施行日以後に新更生特例法第331条の8第1項本文に規定する新更生特例法第323条において準用する新会社更生法第234条第1号から第4号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合又は第9項の更生事件における破産手続開始後の更生会社について施行日以後に新更生特例法第331条の8第2項本文に規定する更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に新更生特例法第328条第1項において準用する新会社更生法第241条第1項に規定する更生手続廃止の決定が確定した場合には、新更生特例法第331条の8の規定を適用する。
12 第9項の規定にかかわらず、同項の更生事件における破産手続開始前の相互会社について施行日以後に新更生特例法第331条の9第1項第1号に規定する更生手続開始の申立ての棄却の決定があった場合、第9項の更生事件における破産手続開始前の更生会社について施行日以後に同条第1項第2号に規定する更生手続開始の決定の取消し、更生手続廃止若しくは更生計画不認可の決定が確定した場合又は第9項の更生事件における破産手続開始後の更生会社について施行日以後に同条第1項第3号に規定する更生計画認可の決定により破産手続が効力を失った後に新更生特例法第328条第1項において準用する新会社更生法第241条第1項に規定する更生手続廃止の決定が確定した場合には、新更生特例法第331条の9の規定を適用する。
13 第9項の規定にかかわらず、同項の更生事件における更生会社又は開始前会社(新更生特例法第169条第6項に規定する開始前会社をいう。第16項において同じ。)について施行日以後に新更生特例法第331条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定をする場合には、新更生特例法第331条の11の規定を適用する。
14 施行日前に更生債権者等(新更生特例法第169条第13項本文に規定する更生債権者等をいう。以下この項において同じ。)につき更生会社に対する債務負担の原因が生じた場合における更生債権者等による相殺の禁止及び施行日前に更生会社に対して債務を負担する者につき更生債権等(新更生特例法第169条第12項本文に規定する更生債権等をいう。)の取得の原因が生じた場合における当該者による相殺の禁止については、新更生特例法第200条において準用する新会社更生法第49条及び第49条の2の規定にかかわらず、なお従前の例による。
15 施行日前にされた行為の更生事件における否認については、新更生特例法第3章第3節第4款(第226条(新会社更生法第94条から第97条までの規定を準用する部分に限る。)を除く。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
16 第9項の更生事件における更生会社又は開始前会社について施行日以後に新更生特例法第331条の10第1項各号又は第3項に規定する破産手続開始の決定がされた場合における当該決定に係る破産事件に関する相殺の禁止及び否認については、新破産法第71条及び第72条並びに第6章第2節(第171条から第175条までを除く。)の規定にかかわらず、なお従前の例による。
17 施行日前にされた旧更生特例法第377条第1項又は旧会社更生法第17条若しくは第244条第1項の規定による更生手続開始の申立てに係る銀行(新更生特例法第2条第1項に規定する銀行をいう。次項において同じ。)、証券会社(新更生特例法第2条第4項に規定する証券会社をいう。第19項及び第21項において同じ。)及び保険業(保険業法第2条第1項に規定する保険業をいう。次項において同じ。)を営む株式会社の更生事件(新会社更生法第2条第3項に規定する更生事件をいう。次項において同じ。)については、なお従前の例による。
18 附則第3条第2項から第5項まで及び第8項の規定は、施行日前にされた旧更生特例法第377条第1項の規定による更生手続開始の申立てに係る銀行及び保険業を営む株式会社の更生事件について準用する。
19 施行日前にされた旧更生特例法第450条第1項又は旧民事再生法第21条若しくは第209条第1項の規定による再生手続開始の申立てに係る金融機関(新更生特例法第2条第3項に規定する金融機関をいう。次項及び第21項において同じ。)及び証券会社の再生事件については、なお従前の例による。
20 附則第2条第2項から第5項まで及び第8項の規定は、施行日前にされた旧更生特例法第450条第1項の規定による再生手続開始の申立てに係る金融機関の再生事件について準用する。
21 施行日前にされた旧更生特例法第493条第1項又は新破産法附則第2条の規定による廃止前の破産法(大正11年法律第71号。以下この項、次条第3項並びに附則第12条第2項及び第13条において「旧破産法」という。)第132条第1項、第133条(旧破産法第135条において準用する場合を含む。)若しくは第357条の3第1項の規定による破産の申立てに係る金融機関、証券会社及び保険会社(新更生特例法第2条第5項に規定する保険会社をいう。)の破産事件については、なお従前の例による。
(罰則の適用等に関する経過措置)
第12条 施行日前にした行為並びに附則第2条第1項、第3条第1項、第4条、第5条第1項、第9項、第17項、第19項及び第21項並びに第6条第1項及び第3項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。この場合において、旧民事再生法第246条及び第247条の規定の適用については第1号に掲げる再生手続開始の決定は同号に定める再生手続開始の決定と、旧会社更生法第255条及び第256条の規定の適用については第2号に掲げる更生手続開始の決定は同号に定める更生手続開始の決定と、旧更生特例法第539条及び第540条の規定の適用については第3号に掲げる更生手続開始の決定は同号に定める更生手続開始の決定と、それぞれみなす。
一及び二 略
三 新更生特例法第31条又は第196条において準用する新会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定 旧更生特例法第31条又は第196条において準用する旧会社更生法第41条第1項に規定する更生手続開始の決定
(政令への委任)
第14条 附則第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成16年6月9日法律第88号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して5年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、第1条中社債等の振替に関する法律第48条の表第33条の項を削る改正規定、同表第89条第2項の項の次に第90条第1項の項を加える改正規定、同法第115条、第118条、第121条及び第123条の改正規定、第128条の改正規定(同条を第299条とする部分を除く。)、同法第6章の次に7章を加える改正規定(第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項、第252条第1項(同項において準用する第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項に係る部分に限る。)、第253条、第261条第1項(同項において準用する第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項に係る部分に限る。)、第262条、第268条第1項(同項において準用する第158条第2項(第2号から第4号までを除く。)、第3項及び第4項に係る部分に限る。)並びに第269条に係る部分に限る。)並びに同法附則第19条の表の改正規定(「第111条第1項」を「第111条」に改める部分に限る。)、同法附則第33条の改正規定(「同法第2条第2項」を「投資信託及び投資法人に関する法律第2条第2項」に改める部分に限る。)、第2条の規定、第3条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第9条第3項の改正規定を除く。)、第4条から第7条までの規定、附則第3条から第29条まで、第34条(第1項を除く。)、第36条から第43条まで、第47条、第50条及び第51条の規定、附則第59条中協同組合による金融事業に関する法律(昭和24年法律第183号)第4条の4第1項第3号の改正規定、附則第70条、第85条、第86条、第95条及び第109条の規定、附則第112条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)第126条の改正規定、附則第120条から第122条までの規定、附則第123条中産業活力再生特別措置法(平成11年法律第131号)第12条の8第3項及び第12条の11第7項の改正規定、附則第125条の規定並びに附則第129条中会社更生法(平成14年法律第154号)第205条第4項及び第214条の改正規定は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から施行する。
附則 (平成16年6月18日法律第124号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、新不動産登記法の施行の日から施行する。
附則 (平成17年3月31日法律第21号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成17年4月1日から施行する。
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第78条 施行日前に金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の規定による更生手続開始の決定がされた場合については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第89条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成17年5月2日法律第38号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条中保険業法第118条の改正規定、同法第199条の改正規定(「設ける」を「設けなければならない」に改める部分に限る。)、同法第245条の改正規定、同法第247条第1項の改正規定、同法第250条の改正規定(同条第1項中「保険会社は」を「保険会社等又は外国保険会社等は」に改める部分及び「第210条第1項」の下に「及び第272条の29」を加える部分、同条第2項中「保険会社」を「保険会社等又は外国保険会社等」に改める部分、同条第4項中「第1項の保険会社は、外国保険会社等以外の会社であるときは」を「第1項の場合において、保険会社等にあっては」に改める部分、「第136条第1項」の下に「(第272条の29において準用する場合を含む。)」を加える部分及び「外国保険会社等であるときは」を「外国保険会社等にあっては」に改める部分並びに同条第5項中「保険会社」を「保険会社等又は外国保険会社等」に改める部分を除く。)、同法第254条の改正規定(同条第4項中「補償対象保険金支払業務」の下に「及び特定補償対象契約解約関連業務」を加える部分に限る。)、同法第255条の2の改正規定(同条第3項中「補償対象保険金支払業務」の下に「及び特定補償対象契約解約関連業務」を加える部分に限る。)、同法第267条の改正規定、同法第270条の3の改正規定、同法第270条の5第2項第1号の改正規定及び同法第270条の6の8第2項の改正規定並びに同法附則第1条の2の13の改正規定(同条に1項を加える部分を除く。)、同法附則第1条の2の14の改正規定及び同条を同法附則第1条の2の15とし、同法附則第1条の2の13の次に1条を加える改正規定並びに第3条中金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第440条の改正規定及び同法第445条の改正規定 平成18年4月1日
(保険会社の更生計画に関する経過措置)
第18条 第3条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下「新更生特例法」という。)第445条の規定は、平成18年4月1日以後に保険会社(新更生特例法第2条第5項に規定する保険会社をいう。以下この条において同じ。)について更生手続開始の申立てがあった事件について適用し、同日前に保険会社について更生手続開始の申立てがあった事件については、なお従前の例による。
(内閣府令等への委任)
第34条 この附則に定めるもののほか、この附則の規定による認可又は承認に関する申請の手続、書類の提出その他この法律を実施するため必要な事項は、内閣府令又は主務省令で定める。
(行政庁等)
第34条の2 この附則(附則第15条第4項を除く。)及びこの附則において読み替えて準用する保険業法における行政庁は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、当該各号に定める者とする。
一 この法律の公布の際現に特定保険業を行っていた民法第34条の規定により設立された法人 移行登記をした日の前日において整備法第95条の規定によりなお従前の例により当該法人の業務の監督を行っていた行政機関(同日以前にあっては、同条の規定によりなお従前の例により当該法人の業務の監督を行う行政機関)
二 前号に掲げる法人以外の法人 内閣総理大臣
2 この附則及びこの附則において読み替えて準用する保険業法における主務省令は、内閣総理大臣及び前項第1号に掲げる法人の業務の監督に係る事務を所掌する大臣が共同で発する命令とする。
(罰則に関する経過措置)
第35条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(権限の委任)
第36条 内閣総理大臣は、この附則及びこの附則において読み替えて準用する保険業法による権限(金融庁の所掌に係るものに限り、政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2 この附則及びこの附則において読み替えて準用する保険業法による行政庁(都道府県の知事その他の執行機関を除く。)の権限は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長に行わせることができる。
3 第1項の規定により金融庁長官に委任された権限については、政令で定めるところにより、その一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(政令への委任)
第37条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第38条 政府は、この法律の施行後3年以内に、生命保険契約者保護機構に対する政府の補助及び生命保険契約者保護機構による資金援助等の保険契約者等の保護のための特別の措置等に係る制度等の実施状況、生命保険契約者保護機構の財務の状況、保険会社の経営の健全性の状況等を勘案し、生命保険契約者保護機構の資金援助等に要する費用に係る負担の在り方、政府の補助に係る規定の継続の必要性等について検討を行い、適切な見直しを行うものとする。
2 政府は、この法律の施行後5年以内に、再保険を保険会社に付して行う業務その他の少額短期保険業者の業務の状況、保険会社が引き受ける保険の多様化の状況、経済社会情勢の変化等を勘案し、この法律に規定する保険業に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成17年7月26日法律第87号) 抄
この法律は、会社法の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第242条の規定 この法律の公布の日
附則 (平成18年3月31日法律第10号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成18年4月1日から施行する。
附則 (平成18年6月2日法律第50号) 抄
この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
附則 (平成18年6月14日法律第66号) 抄
この法律は、平成18年証券取引法改正法の施行の日から施行する。
附則 (平成18年12月15日法律第109号) 抄
この法律は、新信託法の施行の日から施行する。
附則 (平成19年6月1日法律第74号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成20年10月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第3条から第22条まで、第25条から第30条まで、第101条及び第102条の規定 公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
(処分等に関する経過措置)
第100条 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において同じ。)の規定によってした処分、手続その他の行為であって、改正後のそれぞれの法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、改正後のそれぞれの法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第101条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第102条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成21年3月31日法律第13号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成21年4月1日から施行する。
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第96条 前条の規定の施行の際に納期限の到来していない地方道路税は、納期限の到来していない地方揮発油税とみなして、同条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第76条又は第242条の規定を適用する。
(罰則に関する経過措置)
第101条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第102条 この法律の公布の日が附則第1条本文に規定する日後となる場合におけるこの法律による改正後のそれぞれの法律の規定の適用に関し必要な事項(この附則の規定の読替えを含む。)その他のこの法律の円滑な施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
第103条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成22年5月19日法律第32号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中金融商品取引法第2条第28項の改正規定(「、デリバティブ取引その他」を「若しくはデリバティブ取引(取引の状況及び我が国の資本市場に与える影響その他の事情を勘案し、公益又は投資者保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定める取引を除く。)又はこれらに付随し、若しくは関連する取引として」に改める部分に限る。)及び同法第205条の2の3第9号の改正規定、第4条の規定、第5条中信託業法第49条第1項及び第2項の改正規定並びに附則第13条及び第14条の規定 公布の日
(罰則の適用に関する経過措置)
第13条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第14条 附則第2条から第5条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第15条 政府は、この法律の施行後5年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成22年11月19日法律第51号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第2条
6 この法律の施行前にした行為及び前各項の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
7 前各項に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成23年6月24日法律第74号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して20日を経過した日から施行する。
附則 (平成24年3月31日法律第16号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成24年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一から五まで 略
六 次に掲げる規定 平成25年7月1日
イ及びロ 略
ハ 第7条の規定及び附則第72条から第78条までの規定
(罰則の適用に関する経過措置)
第79条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第80条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成24年3月31日法律第23号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第1条中保険業法第106条の改正規定、同法第107条の改正規定、同法第127条第1項の改正規定、同法第135条第3項の改正規定、同法第138条の改正規定、同法第173条の4第2項第2号ロの改正規定、同法第173条の5の改正規定、同法第210条第1項の改正規定、同法第270条の4第9項の改正規定(「(第140条」を「(次条第1項、第140条」に改める部分及び「第139条第2項」を「第138条第1項中「移転先会社」とあるのは「加入機構」と、「第135条第1項」とあるのは「第270条の4第8項」と、第139条第2項」に改める部分に限る。)、同法第271条の21第1項の改正規定、同法第271条の22第1項の改正規定、同法第311条の3第1項第2号の改正規定、同法第333条第1項第33号及び第46号の改正規定並びに同法附則第1条の2第2項の改正規定、第2条中保険業法等の一部を改正する法律附則第2条第1項、第4項、第5項、第7項第1号、第10項及び第11項の改正規定、同条第12項の改正規定(「第138条」を「第137条第5項及び第138条」に改める部分を除く。)、同法附則第4条の見出し及び同条第1項の改正規定、同条第2項の改正規定(同項の表第100条の2の項を次のように改める部分を除く。)、同条第3項、第5項及び第6項の改正規定、同条第11項の改正規定(「新保険業法第2編第7章第1節」を「保険業法第2編第7章第1節」に改める部分及び「新保険業法の規定」を「同法の規定」に改める部分に限る。)、同項の表第137条第5項の項の次に次のように加える改正規定、同表第333条第1項第13号、第45号及び第46号の項の改正規定、同条第12項から第15項まで、第17項から第19項まで及び第21項の改正規定、同法附則第4条の2の表第300条第1項第8号の項の改正規定、同法附則第15条の改正規定、同法附則第33条の2第1項の改正規定、同法附則第33条の3の改正規定、同法附則第34条の2並びに第36条第1項及び第2項の改正規定、第3条の規定並びに次条第1項及び第3項、附則第3条第1項及び第2項、第4条、第5条、第8条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成8年法律第95号)第302条の改正規定に限る。)並びに第9条から第13条までの規定 公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第9条 前条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(以下この条において「新更生特例法」という。)第302条第1項及び第2項(新更生特例法第366条において準用する場合を含む。)の規定は、第2号施行日以後にされる会社更生法(平成14年法律第154号)第199条第6項(新更生特例法第290条第2項において準用する場合を含む。)の規定による公告に係る更生計画において定めた保険契約の移転について適用し、第2号施行日前にされた会社更生法第199条第6項(前条の規定による改正前の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第290条第2項において準用する場合を含む。)の規定による公告に係る更生計画において定めた保険契約の移転については、なお従前の例による。
(罰則の適用に関する経過措置)
第12条 この法律(附則第1条第2号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第13条 この附則に規定するもののほか、この法律(附則第1条第2号及び第3号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成24年9月12日法律第86号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第4条第13項及び第18条の規定 公布の日
二 第1条、次条及び附則第17条の規定 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
(罰則の適用に関する経過措置)
第17条 この法律(附則第1条第2号及び第3号に掲げる規定については、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第18条 附則第2条から第5条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成25年6月19日法律第45号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第1条中金融商品取引法第197条の2の次に1条を加える改正規定、同法第198条第2号の次に2号を加える改正規定並びに同法第198条の3、第198条の6第2号、第205条第14号並びに第207条第1項第2号及び第2項の改正規定、第3条の規定、第4条中農業協同組合法第11条の4第4項の次に1項を加える改正規定、第5条のうち水産業協同組合法第11条の11中第5項を第6項とし、第4項の次に1項を加える改正規定、第8条の規定(投資信託及び投資法人に関する法律第252条の改正規定を除く。)、第14条のうち銀行法第13条中第5項を第6項とし、第4項の次に1項を加える改正規定及び同法第52条の22第4項中「前3項」を「前各項」に改め、同項を同条第5項とし、同条第3項の次に1項を加える改正規定、第15条の規定、第19条のうち農林中央金庫法第58条中第5項を第6項とし、第4項の次に1項を加える改正規定、第21条中信託業法第91条、第93条、第96条及び第98条第1項の改正規定、第22条の規定並びに附則第30条(株式会社地域経済活性化支援機構法(平成21年法律第63号)第23条第2項の改正規定に限る。)、第31条(株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法(平成23年法律第113号)第17条第2項の改正規定に限る。)、第32条、第36条及び第37条の規定 公布の日から起算して20日を経過した日
二 第1条中金融商品取引法第79条の49第1項、第79条の53第4項及び第5項、第79条の55第2項並びに第185条の16の改正規定、第13条の規定、第16条中保険業法第240条の6第1項、第241条第1項、第249条第1項、第249条の2第1項及び第5項、第249条の3並びに第265条の28第1項の改正規定、第17条の規定(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第445条第3項の改正規定を除く。)、第20条の規定並びに附則第17条から第19条まで、第22条から第24条まで、第29条(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(平成19年法律第133号)第31条の改正規定に限る。)、第30条(株式会社地域経済活性化支援機構法第23条第2項の改正規定を除く。)、第31条(株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法第17条第2項の改正規定を除く。)、第33条及び第34条の規定 公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日
(罰則の適用に関する経過措置)
第36条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第37条 附則第2条から第15条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第38条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この条において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成26年6月27日法律第91号) 抄
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則 (平成29年3月31日法律第2号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成29年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一〜三 略
四 第2条(次号及び第6号に掲げる改正規定を除く。)並びに附則第3条、第4条、第10条、第12条、第20条、第24条から第30条まで、第32条(外国居住者等の所得に対する相互主義による所得税等の非課税等に関する法律第8条第1項、第12条第4項及び第16条第1項の改正規定に限る。)、第35条、第36条、第38条(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律第3条の2の2第3項の改正規定に限る。)、第41条から第45条まで及び第46条(地方法人特別税等に関する暫定措置法(平成20年法律第25号)第19条の改正規定に限る。)の規定 平成30年4月1日
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第42条 前条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第125条第1項(第4号に係る部分に限る。)及び第295条第1項(第4号に係る部分に限る。)の規定の適用については、30年旧法において準用する廃止前国税犯則取締法第14条第1項の規定による通告は、30年新法第22条の28第1項の規定による通告とみなす。
附則 (平成29年3月31日法律第4号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成29年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一〜四 略
五 次に掲げる規定 平成30年4月1日
イ〜ハ 略
ニ 第8条の規定(同条中国税通則法第19条第4項第3号ハの改正規定、同法第34条の2(見出しを含む。)の改正規定及び同法第71条第2項の改正規定を除く。)並びに附則第40条第2項及び第3項、第105条、第106条、第108条から第114条まで、第118条、第124条、第125条、第129条から第133条まで、第135条並びに第136条の規定
(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第131条 前条の規定による改正後の金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第125条第1項(第4号に係る部分に限る。)及び第295条第1項(第4号に係る部分に限る。)の規定の適用については、旧国税犯則取締法第14条第1項の規定による通告は、新国税通則法第157条第1項の規定による通告とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第140条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第141条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附則 (平成30年4月18日法律第16号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成31年1月7日から施行する。
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