きじゅんきけんさきそく
基準器検査規則
平成5年通商産業省令第71号
計量法(平成4年法律第51号)第5章第4節、第160条及び第167条並びに計量法施行令(平成5年政令第329号)第25条の規定に基づき、並びにこれらの規定及び計量法第161条の規定を実施するため、基準器検査規則を次のように制定する。
第1章 総則
第1節 通則
(用語)
第1条 この省令において使用する用語は、この省令に特段の定めのない限り、計量法(平成4年法律第51号。以下「法」という。)、計量法関係政令及び特定計量器検定検査規則(平成5年通商産業省令第70号)において使用する用語の例による。
(基準器を用いる計量器の検査及び基準器検査を受けることができる者)
第2条 法第102条第1項の経済産業省令で定めるものは、次の表の上欄に掲げるとおりとし、法第102条第2項の経済産業省令で定める基準器検査を受けることができる者は、同表の上欄に掲げる区分に応じ、同表の下欄のとおりとする。
計量器の検査 | 基準器検査を受けることができる者 |
定期検査 | 都道府県知事、特定市町村の長又は指定定期検査機関 |
法第43条の規定による届出製造事業者の検査 | 届出製造事業者 |
法第47条の規定による届出製造事業者又は届出修理事業者の検査 | 届出製造事業者又は届出修理事業者 |
法第60条第2項第2号(法第69条第1項で準用する場合を含む。)の規定による特殊容器の検査 | 特殊容器の指定製造者(指定外国製造者を含む。) |
検定 | 都道府県知事、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「研究所」という。)、日本電気計器検定所又は指定検定機関 |
変成器付電気計器検査 | 研究所、日本電気計器検定所又は指定検定機関 |
装置検査 | 都道府県知事 |
法第95条第2項(法第101条第3項で準用する場合を含む。)の規定による指定製造事業者の検査 | 指定製造事業者(指定外国製造事業者及び法第101条第1項の申請をしようとする外国製造事業者を含む。) |
都道府県知事又は日本電気計器検定所が行う基準器検査 | 研究所、都道府県知事又は日本電気計器検定所 |
計量証明検査 | 都道府県知事又は指定計量証明検査機関 |
法第151条第1項、法第152条第1項、法第153条第1項、法第154条第1項及び同条第2項の規定による特定計量器の検査 | 都道府県知事、研究所、日本電気計器検定所又は特定市町村の長 |
法第19条第2項、法第25条第1項、法第116条第2項、法第120条第1項及び法第128条第1号の規定による計量士が行う検査 | 計量士 |
2 前項の表の下欄に掲げる者は、代理人により基準器検査を受けることができる。
(基準器検査を行う計量器の種類)
第3条 法第102条第2項の経済産業省令で定める基準器検査を行う計量器の種類は、次の各号に掲げる物象の状態の量を計るための計量器とする。
一 長さ、質量、電流、温度、面積、体積、密度、圧力、電圧、電気抵抗、電力量、照度、音圧レベル、振動加速度レベル及び濃度
二 比重
(基準器の種類)
第4条 基準器の種類は、次のとおりとする。
一 長さ基準器
イ 基準巻尺
ロ タクシーメーター装置検査用基準器
二 質量基準器
イ 次に掲げる基準はかり
(1) 基準手動天びん
(2) 基準台手動はかり
(3) 基準直示天びん
ロ 次に掲げる基準分銅
(1) 特級である旨の表記のある基準分銅(以下「特級基準分銅」という。)
(2) 1級である旨の表記のある基準分銅(以下「1級基準分銅」という。)
(3) 2級である旨の表記のある基準分銅(以下「2級基準分銅」という。)
(4) 3級である旨の表記のある基準分銅(以下「3級基準分銅」という。)
三 温度基準器
イ 基準ガラス製温度計
四 面積基準器
イ 基準面積板
五 体積基準器
イ 基準フラスコ
ロ 基準ビュレット
ハ 次に掲げる基準積算体積計
(1) 基準ガスメーター
(2) 基準水道メーター
(3) 基準燃料油メーター
ニ 次に掲げる基準タンク
(1) 液体メーター用基準タンク
(2) 液体タンク用基準タンク
ホ 次に掲げる基準体積管
(1) ガスメーター用基準体積管
(イ) 液中に沈降させた浮鐘内の体積を計量しながら排出させるもの(以下「基準ベルプルーバー」という。)
(ロ) 管内を移動するピストン状の運動子により管内の体積を計量しながら排出又は注入させるもの(以下「基準ピストンプルーバー」という。)
(2) 液体メーター用基準体積管
(イ) 管内を移動する球状の運動子により管内の体積を計量しながら排出又は注入させるもの(以下「基準パイププルーバー」という。)
(ロ) 基準ピストンプルーバー
六 密度基準器
イ 基準密度浮ひょう
ロ 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計
七 圧力基準器
イ 基準液柱型圧力計
ロ 基準重錘型圧力計
八 削除
九 電流、電圧、電気抵抗及び電力量に係る基準器(以下「電気基準器」という。)
イ 基準電流計
ロ 基準電圧計
ハ 基準電圧発生器
ニ 基準抵抗器
ホ 次に掲げる基準電力量計
(1) 1級である旨の表記のある基準電力量計(以下「1級基準電力量計」という。)
(2) 2級である旨の表記のある基準電力量計(以下「2級基準電力量計」という。)
(3) 3級である旨の表記のある基準電力量計(以下「3級基準電力量計」という。)
十 照度基準器
イ 単平面型基準電球
十一 騒音基準器
イ 基準静電型マイクロホン
十二 振動基準器
イ 基準サーボ式ピックアップ
十三 濃度基準器
イ 基準酒精度浮ひょう
十四 比重基準器
イ 基準比重浮ひょう
ロ 基準重ボーメ度浮ひょう
(都道府県知事及び日本電気計器検定所が行う基準器検査の種類)
第5条 計量法施行令(平成5年政令第329号)第25条第1号の経済産業省令で定めるものは、次の各号に掲げる計量器ごとに、当該各号に掲げるもの(研究所が検定又は基準器検査に用いるものを除く。)とする。
一 長さ計 タクシーメーター装置検査用基準器
二 質量計 ひょう量が2トン以下の基準手動天びん又は基準直示天びんであって目量又は感量がひょう量の4000分の1以上のもの、ひょう量が5トン以下の基準台手動はかりであって目量又は感量がひょう量の2万分の1以上のもの、1級基準分銅、2級基準分銅及び3級基準分銅
三 体積計 基準ガスメーターのうち計ることができるガスの体積が計量室の1回転につき20リットル以下の湿式のもの、全量が1000リットル未満の液体メーター用基準タンク(最少測定量の200分の1の量による液面の位置の変化が2ミリメートル未満のものに限る。)であって水道メーター、温水メーター又は積算熱量計の検査に用いるもの及び全量が25リットル以下の液体メーター用基準タンクであって燃料油メーターの検査に用いるもの
2 日本電気計器検定所が行う基準器検査の種類は、電気基準器及び照度基準器に係るものとする。
第2節 申請等
(基準器検査の申請)
第6条 基準器検査を受けようとする者は、様式第1による申請書を都道府県知事、研究所又は日本電気計器検定所(以下「検査機関等」という。)に提出しなければならない。
2 代理人により基準器検査を受けようとする者は、前項の申請書に様式第2によるその権限を証明する書面を添付しなければならない。
3 第1項の申請書には、当該申請に係る計量器が法第103条第1項各号の条件に適合していることを経済産業大臣が指定する者(外国に住所を有する者に限る。)が明らかにする書面を添付することができる。
4 検査機関等が行う前項の書面に係る部分についての基準器検査の方法は、当該書面の審査とすることができる。
5 第1項の申請書には、法第144条第1項の登録事業者が交付した計量器の校正に係る同項の証明書(当該発行から30日以内のものに限る。)を添付することができる。
(基準器検査を行う計量器の提出)
第7条 基準器検査を受けようとする者は、前条第1項の申請書を提出すると同時に、その基準器検査を行う計量器を検査機関等に提出しなければならない。ただし、同項において検査機関等が指定する場所以外の場所で基準器検査を受ける場合にあっては、この限りでない。
2 基準器検査の申請をした者は、基準器検査を受けるときは、その基準器検査を行う計量器を直ちに基準器検査を行うことができる状態にしておかなければならない。
3 基準器検査を受けるために提出された計量器は、修理、加工その他の行為によりその現状を変更してはならない。
(出張基準器検査の旅費等)
第8条 研究所又は日本電気計器検定所は、その指定する場所以外の場所で基準器検査を受ける者に対し、これを行うのに要する職員の旅費及び検査用具を運搬するのに要する経費に相当する金額を支払うべき旨を請求することができる。
第3節 基準器検査の合格条件
(構造に係る技術上の基準)
第9条 法第103条第1項第1号の経済産業省令で定める技術上の基準(以下「構造に係る技術上の基準」という。)は、次条から第14条までに定めるほか、第2章から第15章までの各章の構造に係る技術上の基準の節に規定するものとする。
(表記等)
第10条 基準器の表記及び目盛標識(以下「表記等」という。)は、容易に消滅するもの、不鮮明なもの又は誤認のおそれがあるものであってはならない。
2 基準器の表記等には、誤記があってはならない。
3 基準器の表記等は、その性能を妨げる部分に付されていてはならない。
4 基準器の表記等は、その見やすい箇所に付されていなければならない。
5 基準器には、その見やすい箇所に、その器物番号が表記されていなければならない。
6 基準器(タクシーメーター装置検査用基準器を除く。)の表示機構には、その計量値の計量単位又はその記号が表記されていなければならない。
(計量単位)
第11条 基準器には、法定計量単位及び計量単位規則(平成4年通商産業省令第80号。以下「単位規則」という。)第1条に規定する計量単位(以下「法定計量単位等」という。)以外の計量単位による表記等があってはならない。
2 基準器に表記されている法定計量単位等の記号は、単位規則第2条に定めるものを標準とするものでなければならない。
(合番号)
第12条 基準器の重要な部分を構成するものであって分離することができるものを有する基準器及び当該分離することができるものには、合番号が付されていなければならない。
(材質)
第13条 基準器の材料の材質は、通常の使用状態において、摩耗、変質、変形又は破損により、その性能及び器差に影響を与えるものであってはならない。
(複数の表示機構)
第14条 複数の表示機構がある基準器は、いずれの表示機構も基準器検査に不合格になったものであってはならない。
(器差の基準)
第15条 法第103条第1項第2号の経済産業省令で定める基準は、第2章から第15章までの各章の基準器公差の節に、基準器の種類ごとにそれぞれ定める器差の絶対値(以下「基準器公差」という。)を超えないこととする。
2 前項の規定にかかわらず、第6条第5項の規定により法第144条第1項の登録事業者が交付した証明書が添付された場合には、当該証明書に記載された測定結果のうち計量器の表示する物象の状態の量と法第134条第1項の規定による指定に係る計量器が現示する計量器の標準となる特定の物象の状態の量との差が前項の基準器公差を超えず、かつ、当該証明書に記載された測定の不確かさが基準器公差の3分の1を超えないこととすることができる。
(構造検査の方法)
第16条 法第103条第2項の経済産業省令で定める方法は、第2章から第15章までの各章の検査方法の節に規定する方法及び目視その他必要と認められる適切な方法とする。
2 基準器検査において、必要があると認めるときは、基準器検査を行う計量器を分解して、又は当該計量器に使用されている部品若しくは材料と同一の形状若しくは材質を有する部品若しくは材料の提出を求めて、検査を行うことができる。
(器差検査の方法)
第17条 法第103条第3項の経済産業省令で定める方法は、第2章から第15章までに規定する方法その他必要と認められる適切な方法により、その基準器検査を行う計量器の表示する物象の状態の量と、研究所が行う基準器検査にあっては特定標準器等を、都道府県知事が行う基準器検査にあっては基準器を、日本電気計器検定所が行う基準器検査にあっては特定標準器等又は基準器を用いて表示される物象の状態の量との差を測定することとする。
(都道府県知事及び日本電気計器検定所が行う基準器検査に用いる基準器)
第18条 都道府県知事が行う基準器検査に用いる基準器は、次の表の1の上欄に掲げる基準器に係る基準器検査に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとし、日本電気計器検定所が行う基準器検査に用いる基準器は、次の表の2の上欄に掲げる基準器に係る基準器検査に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
表の1
タクシーメーター装置検査用基準器 | 基準巻尺 |
基準はかり | 1級基準分銅、2級基準分銅又は3級基準分銅 |
1級基準分銅 | 特級基準分銅及び基準はかり又は経済産業大臣が別に定める非自動はかり |
2級基準分銅 | 特級基準分銅又は1級基準分銅及び基準はかり又は経済産業大臣が別に定める非自動はかり |
3級基準分銅 | 特級基準分銅、1級基準分銅又は2級基準分銅及び基準はかり又は経済産業大臣が別に定める非自動はかり |
面積基準器 | 基準巻尺 |
基準ガスメーター | ガスメーター用基準体積管 |
液体メーター用基準タンク | 基準フラスコ又は液体タンク用基準タンクのいずれか及び基準ビュレット |
基準電流計及び基準電圧計 | 基準電圧発生器及び基準抵抗器 |
2級基準電力量計及び3級基準電力量計 | 1級基準電力量計 |
第4節 基準器検査証印
(基準器検査証印)
第19条 法第104条第1項の基準器検査証印の形状及び種類は、次のとおりとする。ただし、面積基準器にあっては、その種類は、スタンプであることを妨げない。
(基準器検査証印を付する部分)
第20条 基準器検査証印を付する基準器の部分は、次のとおりとする。
一 長さ基準器については、次の部分
イ 基準巻尺については、零を表す目盛線に近接した部分
ロ タクシーメーター装置検査用基準器については、器物番号の表記がある部分に近接した部分
二 質量基準器については、次の部分
イ 基準手動天びんについては、支柱の正面又は台の上面
ロ 基準台手動はかりについては、次の部分
(1) 目盛さおの末端又は目盛板
(2) 質量を表す目盛標識がないものについては、さおの中央部
(3) 感量がひょう量の5000分の1以下のものについては、感量の表記がある部分に近接した部分
ハ 基準直示天びんについては、感量の表記がある部分に近接した部分
ニ 基準分銅については、上面又は側面(特級基準分銅にあっては、収納する容器の見やすい箇所)
三 温度基準器については、上端付近
四 面積基準器については、表す面積の表記がある部分に近接した部分
五 体積基準器については、次の部分
イ 基準フラスコ及び基準ビュレットについては、全量の表記がある部分に近接した部分
ロ 基準ガスメーター、基準水道メーター及び基準燃料油メーターについては、器物番号の表記がある部分に近接した部分又は外箱
ハ 基準タンクについては、次の部分
(1) ゲージグラスがある基準タンクについては、全量の表記がある部分に近接した部分
(2) ゲージグラスがない基準タンクについては、全量の表記がある部分に近接した部分及び体積調整装置の任意の箇所
ニ 基準体積管については、全量の表記がある部分に近接した部分
六 密度基準器、濃度基準器及び比重基準器については、胴部又は目盛線の上部
七 圧力基準器については、次の部分
イ 基準液柱型圧力計については、目盛面
ロ 基準重錘型圧力計については、本体の見やすい箇所及び重錘の任意の箇所
八 電気基準器については、外箱又は本体に緊着した物体
九 照度基準器については、外箱又はガラス球の口金に近い部分
十 振動基準器及び騒音基準器については、外箱
2 基準器の構造上前項各号に掲げる部分に基準器検査証印を付することができないときは、前項の規定にかかわらず、基準器の見やすい箇所に基準器検査証印を付するものとする。
3 基準器検査証印が付されているものについては、既に付されている基準器検査証印をもって基準器検査証印に代えることができる。
(基準器検査証印の有効期間)
第21条 法第104条第2項の経済産業省令で定める基準器検査証印の有効期間は、次の表の上欄に掲げる基準器の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
基準器の種類 | 有効期間 |
一 長さ基準器
|
|
イ 基準巻尺
|
5年 |
ロ タクシーメーター装置検査用基準器
|
4年 |
二 質量基準器
|
|
イ 鋳鉄製又は軟鋼製の基準分銅
|
1年 |
ロ イに掲げる以外の基準分銅(特級基準分銅を除く。)
|
5年 |
ハ イ又はロに掲げるもの以外のもの
|
3年 |
三 温度基準器
|
5年 |
四 面積基準器
|
3年 |
五 体積基準器
|
|
イ 基準フラスコ及び基準ビュレット
|
10年 |
ロ 基準ガスメーター、基準水道メーター及び基準燃料油メーター
|
2年 |
ハ 基準タンク(ニに掲げるものを除く。)及びガスメーター用基準体積管
|
5年 |
ニ ステンレス製の液体メーター用基準タンクであって、水道メーター、温水メーター又は積算熱量計の検定に用いるもの
|
8年 |
ホ イからニまでに掲げるもの以外のもの
|
3年 |
六 密度基準器
|
|
イ 基準密度浮ひょう
|
8年 |
ロ 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計
|
3年 |
七 圧力基準器
|
4年 |
八 電気基準器
|
|
イ 基準電流計、基準電圧計及び3級基準電力量計
|
6月 |
ロ 基準電圧発生器、基準抵抗器、1級基準電力量計及び2級基準電力量計
|
1年 |
九 照度基準器
|
5年 |
十 騒音基準器
|
2年 |
十一 振動基準器
|
4年 |
十二 濃度基準器及び比重基準器
|
8年 |
(基準器検査証印の除去)
第22条 法第104条第3項の規定による基準器検査証印の除去は、次の表の形状及び種類の消印を付す方法で行うことができる。
形状 | 種類 | |
打ち込み印 | すり付け印 | |
長径1・8ミリメートル | 長径3ミリメートル | |
短径1・2ミリメートル | 短径2ミリメートル | |
長径3ミリメートル | 長径6ミリメートル | |
短径2ミリメートル | 短径3・9ミリメートル | |
長径6ミリメートル | ||
短径3・9ミリメートル |
第5節 雑則
(基準器検査成績書)
第23条 法第105条第1項の基準器検査成績書は、様式第3によるものとする。ただし、次の表の上欄に掲げる基準器については、基準器の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる様式によるものとする。
基準積算体積計 | 様式第5 |
基準電流計及び基準電圧計 | 様式第6 |
基準電圧発生器 | 様式第7 |
基準抵抗器 | 様式第8 |
基準電力量計 | 様式第9 |
照度基準器 | 様式第10 |
騒音基準器 | 様式第11 |
振動基準器 | 様式第12 |
(器差の記載)
第24条 基準器検査成績書に器差を記載する基準器の量を表す箇所は、別表の上欄に掲げる基準器の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
2 前項の規定の適用に関しては、別表に定める器差の記載の箇所のうち、2箇所以内の箇所については、基準器検査を受けようとする者の申請によることができる。
(基準器検査成績書に用途又は使用の方法を記載する基準器)
第25条 法第105条第2項の経済産業省令で定める基準器は、次のとおりとする。
一 基準積算体積計
二 液体メーター用基準タンクであって、水道メーター、温水メーター、積算熱量計又は燃料油メーターの検定に用いるもの
三 基準体積管
四 照度基準器
(基準器検査の期間)
第26条 法第160条第1項の経済産業省令で定める期間は、基準器検査については30日とする。ただし、次の表の上欄に掲げるものの基準器検査にあっては、同表の下欄のとおりとする。
基準ガラス製温度計であって300度以上の温度を表す目盛線のあるもの、基準密度浮ひょうであって目量が0・5キログラム毎立方メートル以下のもの及び基準比重浮ひょうであって目量が0・0005以下のもの | 37日 |
振動基準器 | 40日 |
騒音基準器 | 45日 |
液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計 | 46日 |
濃度基準器及び基準重ボーメ度浮ひょうであって目量が0・05重ボーメ度以下のもの | 50日 |
基準密度浮ひょうであって目量が0・2キログラム毎立方メートル以下のもの及び基準比重浮ひょうであって目量が0・0002以下のもの | 68日 |
(不合格票)
第27条 法第160条第1項に規定する場合において、不合格の処分をしたときの通知は、行政手続法(平成5年法律第88号)第8条第1項の規定により、様式第13による不合格票によってするものとする。
2 法第105条第3項の規定により基準器検査成績書に記載する消印は、1辺の長さが3センチメートルの正方形であって次の形状のものとする。
(検査用具の貸付け)
第28条 法第167条の経済産業省令で定めるものは、次のとおりとする。
一 基準器検査証印(はり付け印を除く。)
二 第22条及び前条第2項に規定する消印
(条例等に係る適用除外)
第28条の2 第6条第1項及び第2項、第7条第1項、第23条並びに第27条第1項(都道府県知事の事務に係る部分に限る。)の規定は、都道府県の条例、規則、その他の定めに別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。
第2章 長さ基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 基準巻尺
(表記)
第29条 基準巻尺には、その全長(計ることができる最大の長さをいう。以下この章において同じ。)及び器物番号が零を表す目盛線付近の見やすい箇所に表記されていなければならない。この場合において、3センチメートルを超えない盛足目盛が表す長さは、全長に含まれないものとする。
2 基準巻尺の主な目盛線には、それらの表す長さの値が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第30条 基準巻尺の目盛線は、その中心線によって長さを表すように付されており、かつ、各目盛線の中心線が平行でなければならない。
2 基準巻尺の目盛線は、その太さが0・05ミリメートルから0・3ミリメートルまでの範囲内で、かつ、最も細い目盛線の太さが最も太い目盛線の太さの0・7倍以上でなければならない。
3 基準巻尺は、その両端を目盛線としたものであってはならない。
4 基準巻尺の目盛線は、目盛面の縁に達していなければならない。
5 基準巻尺の目盛線は、目盛面の縁に垂直に付されていなければならない。ただし、角度0・5度以内の誤差があることを妨げない。
6 基準巻尺の目盛線は、二重線、枝線、折線又は目切れとなっていてはならない。
(標準温度)
第31条 基準巻尺の表す長さは、温度20度の場合を標準として定められたものでなければならない。
(標準張力)
第32条 基準巻尺の目盛線は、20ニュートンの張力を標準として付されたものでなければならない。ただし、20ニュートン以外の張力を標準として定められたものであって、19・6ニュートンから100ニュートンまでの範囲内の標準とする張力を表記したものにあっては、この限りでない。
(材質)
第33条 基準巻尺に使用されている材料は、鉄合金でなければならない。
2 基準巻尺に使用されている材料は、その線膨張係数が0・00002以下で、かつ、ビッカース硬さが200以上でなければならない。
(真直度)
第34条 基準巻尺の目盛面の縁の真直度は、平面上に置いて標準とされる張力をかけたときに、全長が5メートル以下のものにあっては任意の1メートルにつき0・15ミリメートルを、全長が5メートルを超えるものにあっては任意の5メートルにつき0・6ミリメートルを超えてはならない。
第2款 タクシーメーター装置検査用基準器
(表記)
第35条 タクシーメーター装置検査用基準器(以下単に「装置検査用基準器」という。)には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 主ローラー(車両の車輪が走行する距離を検出するローラーをいう。以下この章において同じ。)の円周の長さ
二 許容回転速度
三 定格電圧
(表示機構)
第36条 装置検査用基準器の表示機構は、主ローラーの回転の数又はその回転に応ずる距離を表示するものでなければならない。
2 装置検査用基準器の表示機構は、零復帰装置を有し、当該装置を操作したときに零に復帰するものでなければならない。
(ローラー等)
第37条 装置検査用基準器のローラー等(主ローラー及び補助ローラー(車輪を主ローラーに載せたときに車輪の安定を保っためのローラーをいう。)をいう。以下この章において同じ。)は、円滑に回転するものでなければならない。
2 装置検査用基準器のローラー等は、一様な円筒形でなければならない。
3 装置検査用基準器のローラー等は、その長さが0・4メートル以上でなければならない。
4 装置検査用基準器の主ローラーは、その円周の長さが0・5メートル以上でなければならない。
(制動装置)
第38条 装置検査用基準器は、ローラー等の制動装置を有するものでなければならない。
第2節 基準器公差
(長さ基準器の基準器公差)
第39条 長さ基準器の基準器公差は、次の各号に定めるところによる。
一 基準巻尺の基準器公差は、表す長さに応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
表す長さ | 基準器公差 |
1メートル以下 | 0・12ミリメートル |
5メートル以下 | 0・12ミリメートルに、1メートルまでを増すごとに0・02ミリメートルを加えた値 |
5メートルを超えるとき | 0・2ミリメートルに、5メートルまでを増すごとに0・2ミリメートルを加えた値 |
二 装置検査用基準器の基準器公差は、表記された主ローラーの円周の長さの1000分の2とする。
第3節 検査方法
第1款 基準巻尺
(検査の条件)
第40条 基準巻尺の検査は、常温常湿の環境下において行う。
(目盛線の検査)
第41条 基準巻尺が第30条第1項及び第2項の規定に適合するかどうかの検査は、測微顕微鏡を使用して行う。
2 基準巻尺が第30条第5項の規定に適合するかどうかの検査は、角度ゲージを使用して行う。
(材質の検査)
第42条 基準巻尺が第33条第2項の規定に適合するかどうかの検査は、線膨張係数測定装置及び金属材料用硬さ試験機を使用して行う。
2 前項の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
(真直度の検査)
第43条 基準巻尺が第34条の規定に適合するかどうかの検査は、基準巻尺を定盤上に定置し、測微顕微鏡を使用して行う。
(器差の検査)
第44条 基準巻尺の器差の検査は、その全長及び任意の2以上の長さについて特定標準器等と比較して行う。
2 前項の場合において、検査を行う基準巻尺の線膨張係数と特定標準器等の線膨張係数とが異なるときは、器差に次の式により算出された補正値を加えて行う。
補正値=L(20−t)(α−β)Lは、検査を行う基準巻尺の表す長さ
tは、検査を行ったときの温度
αは、特定標準器等の線膨張係数
βは、検査を行う基準巻尺の線膨張係数
第2款 タクシーメーター装置検査用基準器
(表示機構の検査)
第45条 装置検査用基準器が第36条第2項の規定に適合するかどうかの検査は、零復帰装置を2回以上操作して行う。
(ローラー等の検査)
第46条 装置検査用基準器が第37条第3項及び第4項の規定に適合するかどうかの検査は、基準巻尺を使用して行う。
(器差の検査)
第47条 装置検査用基準器の器差の検査は、基準巻尺を使用して行う。
2 装置検査用基準器の器差の検査は、主ローラーの中央部及び任意の2箇所について、次の式により器差を算出して行う。
器差=L−{L0−(3.1416t+(w2⁄2L0))}Lは、装置検査用基準器に表記された主ローラーの円周の長さ
L0は、主ローラーの円周の長さを測定したときの基準巻尺の読み
tは、基準巻尺の厚み
wは、基準巻尺の幅
第3章 質量基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 通則
(表記)
第48条 基準はかりには、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 ひょう量
二 感量又は目量
2 アナログ指示機構を有する基準はかりの主な目盛線には、その表す質量の値が表記されていなければならない。
(感量)
第49条 質量を表す目盛標識がない基準はかり及び目量がひょう量の2500分の1を超える基準はかり(副尺(質量を表す目盛標識の端数を読み取るための補助的な機構又は装置をいう。以下この章において同じ。)のあるものを除く。)は、感量がひょう量の2500分の1以下のものでなければならない。
2 副尺のある基準はかりは、感量が次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 ひょう量の2500分の1以下であること。
二 主目盛の目量以下であること。
三 副尺の目量の2倍以上10倍以下であること。
(目盛標識)
第50条 基準はかりの質量を表す目盛線は、その太さが目幅の3分の1以下であり、かつ、0・2ミリメートルを超えるものでなければならない。
2 基準はかりの度表(質量を表さない目盛線が付されている目盛板をいう。以下この章において同じ。)の目盛線は、その太さが目幅の6分の1以下であり、かつ、0・1ミリメートルを超えるものでなければならない。
3 前2項の規定は、目盛線をレンズにより拡大して読むアナログ指示機構の基準はかりについては、適用しない。
4 基準はかりの目盛線のうち、最も太いものは、その太さが最も細いものの太さの3倍を超えてはならない。
5 基準はかりの度表の目盛線は、その太さが均一でなければならない。
6 基準はかりの目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
7 基準はかりの目幅は、1ミリメートル以上でなければならない。ただし、目盛線をレンズにより拡大して読むアナログ指示機構の基準はかりにあっては、この限りでない。
8 基準はかりの度表及び副尺の目幅は、均一でなければならない。ただし、目幅の10分の1以内の誤差があることを妨げない。
(副尺のある基準はかり)
第51条 副尺のある基準はかりは、主目盛の任意の目盛線と副尺の零を表す目盛線とを一致させたときに、副尺の他の端の目盛線がそれに対応すべき主目盛の目盛線と一致するものでなければならない。ただし、副尺の目幅の10分の1以下の誤差があることを妨げない。
2 副尺のある基準はかりは、副尺の目量がひょう量の5000分の1以下のものでなければならない。
(指示機構)
第52条 基準はかりの度表の指針の先端部分は、その太さが度表の目盛間隔の5分の1を超えてはならない。
2 基準はかりの指示機構の指針の先端部分は、すべての目盛線に重なるか又は達するものでなければならない。ただし、指針の先端部分が目盛面と同一の平面上にある基準はかり(目盛線又は指針を光学的に投影するものを除く。次項において同じ。)にあっては、この限りでない。
3 指針の先端部分が目盛板と同一の平面上にある基準はかりは、指針の先端部分と目盛線との距離が1ミリメートル(基準手動天びん及び基準直示天びん(以下この章において「基準天びん」という。)にあっては、0・5ミリメートル)を超えてはならない。
(度表の指針の作動範囲)
第53条 基準はかりの度表の指針の先端部分は、度表の目盛標識がある範囲以上の範囲を動くことができるものでなければならない。
(表示値が表示窓に表示される基準はかり)
第54条 表示値が質量を表す目盛標識により表示窓に表示される基準はかりは、任意の示度において、質量の値が表記されている目盛標識が2以上同時に表示窓に示されるものでなければならない。
(釣合い)
第55条 基準はかりは、釣合いが安定(指示機構が静止点を中心として同じ振幅だけ振動する状態をいう。以下この章において同じ。)でなければならない。
2 基準はかりには、釣合いを視定する装置がなければならない。
(刃及び刃受け等の硬度)
第56条 基準はかりの刃及び刃受けは、ロックウェルC硬さが57以上のものでなければならない。
2 刃ぶた、まちその他基準はかりの刃又は刃受けの滑りを防止するために使用されているものの硬さは、刃の硬さとほぼ同一でなければならない。
(刃及び刃受け)
第57条 基準はかりの刃受け面は、滑らかでなければならない。
2 基準はかりの刃及び刃受けには、傷、焼きひび又は腐食があってはならない。
3 基準はかりの刃と刃受けとは、その接触すべき面の3分の2以上が互いに接触していなければならない。
(目盛さお)
第58条 基準はかりの目盛さおは、その基準はかりが釣り合ったときに、水平になるものでなければならない。
2 基準はかりの目盛さおは、水平の位置から上下に等しい距離を移動することができるものでなければならない。
3 にらみ窓等のある基準はかりの目盛さおがにらみ窓等の間で上下に移動することができる距離の和は、1センチメートル以上でなければならない。
(送りおもり)
第59条 基準はかりの送りおもりは、計量値を明確に読み取ることができるものでなければならない。
(風袋さお等)
第60条 基準はかりの風袋さお及び風袋送りおもりは、容易に基準はかりから分離しないものでなければならない。
(零点調整機構)
第61条 基準はかり(目量等(目量又は感量(感量が表記されているものに限る。)をいう。以下この章において同じ。)が1グラム未満のもの(以下この章において「基準天びん等」という。)を除く。以下次項及び第3項において同じ。)の零点調整機構は、適切に零点を調整できるものでなければならない。
2 基準はかりの零点調整機構は、正負いずれの側にもそれぞれ目量の20倍を超えて零点を調整できるものであってはならない。
3 基準はかりの零点調整機構であって、零点を正又は負の側において目量の5倍を超えて調整できるものは、零点調整機構をその5倍を超える側について調整できる最大限の状態にした後に零点を調整したときに、その基準はかりの使用範囲内の任意の質量の負荷における器差が目量の2分の1を超えてはならない。
4 基準はかりの零点調整機構は、容易に遊動するものであってはならない。
(重心玉)
第62条 基準はかり(基準天びん等を除く。)の重心玉(感量を調整するため、こうかんの重心を上下に動かす装置をいう。)は、容易に移動することができないように緊着されていなければならない。
(減衰機構)
第63条 基準はかりの減衰機構は、気温の変化その他による減衰作用の変動を調整できるものでなければならない。
(感じ)
第64条 基準はかりは、質量を負荷していない状態にあっては、その基準はかりの最小基準器公差等(その基準はかりの基準器公差のうち最も小さいもの(基準手動天びんにあっては、感量。)をいう。以下この章において同じ。)に相当する質量を、任意の質量の荷重を加えた状態にあっては、その基準はかりの基準器公差等(その荷重に応ずる基準器公差(基準手動天びんにあっては、感量。)をいう。以下この章において同じ。)に相当する質量を、それぞれ感ずるものでなければならない。この場合において、はかりが「質量を感ずる」とは、次の各号に掲げる変位以上の変位を生ずることをいう。
一 度表により釣合いを視定するものにあっては、度表の目幅の2分の1の変位
二 にらみにより釣合いを視定するものにあっては、にらみの位置において3ミリメートルの変位
三 にらみのないにらみ窓又は限界停止機構内の釣合い視定用装置(以下この章において「にらみ窓等」という。)により釣合いを視定するものにあっては、にらみ窓等の中心から上端又は下端までの変位
四 アナログ指示機構により釣合いを視定するものにあっては、任意の質量に応ずる基準器公差等に相当する変位の10分の8の変位
(偏置誤差)
第65条 基準はかりは、規定された質量を載せ台の中心から離れた位置に負荷したときに、その誤差が基準器公差(基準天びんにあっては、感量の2分の1)以下となるものでなければならない。
(耐久性)
第66条 基準はかり(基準手動天びん及び基準天びん等を除く。)の構造及び材料は、通常の使用状態において、十分な耐久性を有するものでなければならない。
第2款 基準天びん等
(基準天びん等)
第67条 基準天びん等の休み装置は、てこの両ひじに対して均等かつ同時に作用するものでなければならない。
2 懸垂装置のある基準天びん等の懸垂装置は、作動しているとき又は休み状態から作動状態に移るときに、著しく動揺するものであってはならない。
3 基準天びん等の分銅の加除装置は、確実に作用するものでなければならない。
(風よけ)
第68条 感量がひょう量の2万分の1以下又は1ミリグラム以下の基準手動天びん及びひょう量における基準器公差がひょう量の2万分の1以下又は1ミリグラム以下の基準直示天びんには、風よけが取り付けられていなければならない。ただし、感量がひょう量の15万分の1以上又はひょう量における基準器公差がひょう量の15万分の1以上のもののうち、そのひょう量が20キログラム以上のものにあっては、この限りでない。
(水平器及び水平調整用ねじ)
第69条 基準天びんには、角度20分の傾きを感ずる水平器及び水平調整用のねじが付されていなければならない。ただし、ひょう量が20キログラム以上のものにあっては、水平調整用ねじが付されていることを要しない。
(静止点の変化)
第70条 基準天びんは、質量を負荷していない状態及び任意の質量を負荷した状態において、休み装置により休み状態と作動状態とを交互に繰り返したときに、作動状態の静止点の位置の変化の最大が、感量がひょう量の50万分の1以下又は0・1ミリグラム以下の基準手動天びん(以下この章において「基準極微手動天びん」という。)及びひょう量における基準器公差がひょう量の50万分の1以下又は0・1ミリグラム以下の基準直示天びん(以下この章において「基準極微直示天びん」という。)にあっては、その質量において目量等に相当する質量を加えたときに生ずる変位の大きさの5分の1、基準極微手動天びん及び基準極微直示天びん以外の基準天びんにあっては、その質量において感量に相当する質量を加えたときに生ずる変位の大きさの10分の1を超えてはならない。
2 基準天びんは、使用する前及び使用した後において、質量を負荷していない状態における静止点の位置の変化が質量を負荷していない状態において感量に相当する質量を加えたときに生ずる変位の大きさの3分の1を超えてはならない。
(指示機構)
第71条 基準手動天びんの度表の指針の先端部分と目盛板との間隔は、1ミリメートルを超えてはならない。
2 基準手動天びんは、その度表の指針が目盛板の上を目盛板と常に同一の間隔を保って移動するものでなければならない。
(ライダーさお)
第72条 基準手動天びんのライダーさおは、その目盛線又は切込みのうち中央部及び左右両端にあるものの位置がそれぞれ支点の刃及び両端の刃の位置と一致し、かつ、すべての目盛線又は切込みが等間隔に付されているものでなければならない。
(ライダー掛け)
第73条 基準手動天びんのライダー掛けは、円滑に作動するものであり、かつ、ライダーさおに平行に移動させることができるものでなければならない。
(感じの開き)
第74条 基準手動天びんは、質量を負荷していない状態において感量に相当する質量を加えたときに生ずる変位の大きさと、ひょう量に相当する質量を負荷した状態において感量に相当する質量を加えたときの変位の大きさとの差が、これらの変位の大きさのうち小さいものの2分の1以下でなければならない。
(基準極微手動天びんのライダーさおの誤差)
第75条 基準極微手動天びんのライダーさおの目盛線の誤差は、感量の2分の1以下でなければならない。
第3款 基準台手動はかり
(性能)
第76条 基準台手動はかりは、ひょう量が20トン以下であり、かつ、感量又は目量がひょう量の2万分の1以上でなければならない。
(水平器)
第77条 基準台手動はかりには、外部から容易に視定できる位置に水平器が取り付けられていなければならない。
2 前項の水平器は、その基準はかりを縦又は横方向に傾けたときに、器差が基準器公差を超えないうちに水平でなくなったことを示すものでなければならない。
(同一質量による繰返し)
第78条 基準台手動はかりは、任意の同一の質量を繰り返し5回計量したときに、各回の器差の差の最大のものが、その荷重に応ずる基準器公差の2分の1以下でなければならない。
(さおしぼり)
第79条 基準台手動はかりは、目盛さおに目盛さおと平行方向及び直角方向に水平の力を加えたときの器差が、その質量に応ずる基準器公差の2倍以下でなければならない。
(休み装置)
第80条 休み装置のある基準台手動はかりは、刃と刃受けの位置の関係に変化を与えるように休み装置を働かせたときの器差が、その質量に応ずる基準器公差の2倍以下でなければならない。
(零点の変化)
第81条 基準台手動はかりは、ひょう量に等しい負荷による使用の前後において、計量値の変化がひょう量に応ずる基準器公差の2分の1を超えてはならない。
(台しぼり)
第82条 基準台手動はかりは、載せ台に対し水平方向に力を加えたときの器差が、その質量に応ずる基準器公差の2倍以下でなければならない。
第4款 基準分銅
(表記)
第83条 基準分銅には、次の表の1の上欄に掲げる種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる標識が表記されていなければならない。ただし、特級基準分銅、表す質量が次の表の2の上欄に掲げる線状の基準分銅であってそれぞれ同表の下欄に掲げる形状のもの及び表す質量が次の表の3の上欄に掲げる板状の基準分銅であってそれぞれ同表の下欄に掲げる形状のものについては、第10条第4項の規定にかかわらず収納する容器の見やすい箇所に表記されていなければならない。
2 特級基準分銅にあっては第10条第4項の規定にかかわらず本体又は収納する容器の見やすい箇所に、それ以外の基準分銅にあってはその上面又は側面に、その表す質量の数値が表記されていなければならない。ただし、表す質量が次の表の2の上欄に掲げる線状の基準分銅であってそれぞれ同表の下欄に掲げる形状のもの及び表す質量が次の表の3の上欄に掲げる板状の基準分銅であってそれぞれ同表の下欄に掲げる形状のものについては、この限りでない。
3 特級基準分銅及び表す質量が5ミリグラム以下の又は線状の基準分銅にあっては、第10条第5項の規定にかかわらず、その器物番号が本体又は収納する容器の見やすい箇所に表記されていなければならない。
表の1
種類 | 標識 |
特級基準分銅 | F1 |
1級基準分銅 | F2 |
2級基準分銅 | M1 |
3級基準分銅 | M2 |
表す質量 | 形状 |
1ミリグラム、10ミリグラム、100ミリグラム、1グラム | 三角形 |
2ミリグラム、20ミリグラム、200ミリグラム | 4角形 |
5ミリグラム、50ミリグラム、500ミリグラム | 5角形 |
表す質量 | 形状 |
1ミリグラム | 4角形 |
2ミリグラム | 三角形 |
5ミリグラム | 5角形、六角形 |
(基準分銅の材質)
第84条 基準分銅に使用されている材料は、特級基準分銅にあってはステンレス鋼、それ以外の基準分銅にあっては、真ちゅう、ニッケル、洋銀、ステンレス鋼又は次の各号に掲げる事項に適合する金属でなければならない。
一 ブリネル硬さが48以上であること。
二 耐腐食性が真ちゅうと同等以上であること。
三 密度が6500キログラム毎立方メートルから9500キログラム毎立方メートルまでの範囲内であること。
四 1級基準分銅又は2級基準分銅に使用されている材料にあっては、表面酸化等による質量変化が温度20度及び60湿度100分率の空気中に20日間放置したときに、100グラムにつき0・2ミリグラム以下であること。
2 前項の規定にかかわらず、1級基準分銅であって、表す質量が5ミリグラム以下のもの又は表す質量が10ミリグラム以下の線状のものに使用されている材料は、アルミニウム又はアルミ合金であることを妨げない。
3 第1項の規定にかかわらず、2級基準分銅又は3級基準分銅であって、表す質量が1グラム以下のものに使用されている材料は、アルミニウム又はアルミ合金であることを妨げない。
4 第1項の規定にかかわらず、2級基準分銅又は3級基準分銅であって、表す質量が200グラム以上のものに使用されている材料は、鋳鉄又は軟鋼であることを妨げない。
5 第1項の規定にかかわらず、質量の調整のために2級基準分銅又は3級基準分銅に詰められている材料は、鉛であることを妨げない。
6 第1項の規定にかかわらず、基準分銅(特級基準分銅を除く。)のノックに使用されている材料は、銅であることを妨げない。
(おもりの材質)
第85条 送りおもり及び増おもり(以下この章において単に「おもり」という。)に使用されている材料は、耐摩耗性が真ちゅうと同等以上の金属でなければならない。
(基準分銅の形状)
第86条 基準分銅の形状は、特級基準分銅及び1級基準分銅にあっては円筒形、2級基準分銅及び3級基準分銅にあっては円筒形、角とう形その他これらに類する表面積の小さいものでなければならない。
2 前項の規定にかかわらず表す質量が1グラム以下の基準分銅の形状は、板状又は線状であることを妨げない。
3 表す質量が1グラム以上の基準分銅(形状が板状又は線状のものを除く。)は、とがった部分又は角があってはならない。
4 基準分銅にノックが用いられているときは、ノックの頭部は、周囲の面から著しく突出し、又は陥入していてはならない。
(基準分銅類の表面)
第87条 基準分銅及びおもり(以下この章において「基準分銅類」という。)は表面が滑らかであるものでなければならない。
2 1級基準分銅であって、ニッケル、洋銀、ステンレス鋼、アルミニウム又はアルミ合金以外の金属が材料として使用されているものは、その表面にニッケル若しくはクロームメッキ又はこれらと同等以上の表面加工が施されており、かつ、そのメッキ又は加工された表面の物質が容易にはく離しないものでなければならない。
3 2級基準分銅、3級基準分銅又はおもりであって、鋳鉄その他さびが生ずるおそれのある材料が使用されているものは、エナメルの焼付け加工又はこれと同等以上の表面加工が施されており、かつ、その加工された表面の物質が容易にはく離しないものでなければならない。
(基準分銅類の調整用金属)
第88条 基準分銅類は、質量の調整のために詰められている金属の穴が象眼による方法、穴をふさぐ金属をねじ止めする方法その他これらに類する方法により、容易に質量を調整することができないようにふさがれているものでなければならない。
2 前項の穴をふさぐ金属の表面は、周囲の面と一様であり、かつ、滑らかでなければならない。
3 基準分銅類の質量の調整のために詰められている金属は、その基準分銅類の質量の15分の1以下でなければならない。
4 基準分銅の質量の調整のために金属が詰められている穴は、1個でなければならない。ただし、修理をした基準分銅については、穴が2個あることを妨げない。
(密度)
第89条 基準分銅の質量は、使用されている材料の密度が8000キログラム毎立方メートル(材料にアルミニウム又はアルミ合金が使用されているものにあっては、2700キログラム毎立方メートル)であるものとして調整されているものでなければならない。
(基準分銅の容器)
第90条 特級基準分銅及び板状又は線状の基準分銅は、収納する容器がなければならない。
第2節 基準器公差
(質量基準器の基準器公差)
第91条 質量基準器の基準器公差は、次の各号に定めるところによる。
一 基準手動天びんの基準器公差は、その表記された感量(ひょう量の2万分の1より小さい場合にあっては、ひょう量の2万分の1の値)とする。
二 基準台手動はかり及び基準直示天びんの基準器公差は、計量値の2500分の1とする。
三 前号の規定にかかわらず、同号に規定する基準器公差が計量値に応ずる目量(感量を表記したものにあっては、感量。次号において同じ。)より大きいときは、当該計量値に応ずる基準器公差は、その目量とする。
四 第2号の規定にかかわらず、同号に規定する基準器公差が計量値に応ずる目量の2分の1より小さいときは、当該計量値に応ずる基準器公差は、その目量の2分の1とする。
五 特級基準分銅の基準器公差は、表す質量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
表す質量 | 基準器公差 |
1ミリグラム | 0・02ミリグラム |
2ミリグラム | 0・02ミリグラム |
5ミリグラム | 0・02ミリグラム |
10ミリグラム | 0・025ミリグラム |
20ミリグラム | 0・03ミリグラム |
50ミリグラム | 0・04ミリグラム |
100ミリグラム | 0・05ミリグラム |
200ミリグラム | 0・06ミリグラム |
500ミリグラム | 0・08ミリグラム |
1グラム | 0・1ミリグラム |
2グラム | 0・12ミリグラム |
5グラム | 0・15ミリグラム |
10グラム | 0・2ミリグラム |
20グラム | 0・25ミリグラム |
50グラム | 0・3ミリグラム |
100グラム | 0・5ミリグラム |
200グラム | 1ミリグラム |
500グラム | 2・5ミリグラム |
1キログラム | 5ミリグラム |
2キログラム | 10ミリグラム |
5キログラム | 25ミリグラム |
10キログラム | 50ミリグラム |
20キログラム | 100ミリグラム |
六 1級基準分銅の基準器公差は、表す質量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
表す質量 | 基準器公差 |
1ミリグラム | 0・06ミリグラム |
2ミリグラム | 0・06ミリグラム |
5ミリグラム | 0・06ミリグラム |
10ミリグラム | 0・08ミリグラム |
20ミリグラム | 0・1ミリグラム |
50ミリグラム | 0・12ミリグラム |
100ミリグラム | 0・15ミリグラム |
200ミリグラム | 0・2ミリグラム |
500ミリグラム | 0・25ミリグラム |
1グラム | 0・3ミリグラム |
2グラム | 0・4ミリグラム |
5グラム | 0・5ミリグラム |
10グラム | 0・6ミリグラム |
20グラム | 0・8ミリグラム |
50グラム | 1ミリグラム |
100グラム | 1・5ミリグラム |
200グラム | 3ミリグラム |
500グラム | 7・5ミリグラム |
1キログラム | 15ミリグラム |
2キログラム | 30ミリグラム |
5キログラム | 75ミリグラム |
10キログラム | 150ミリグラム |
20キログラム | 300ミリグラム |
七 2級基準分銅の基準器公差は、表す質量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
表す質量 | 基準器公差 |
10ミリグラム以上 | 0・25ミリグラム |
20ミリグラム以上 | 0・3ミリグラム |
50ミリグラム以上 | 0・4ミリグラム |
100ミリグラム以上 | 0・5ミリグラム |
200ミリグラム以上 | 0・6ミリグラム |
500ミリグラム以上 | 0・8ミリグラム |
1グラム以上 | 1ミリグラム |
2グラム以上 | 1・2ミリグラム |
5グラム以上 | 1・5ミリグラム |
10グラム以上 | 2ミリグラム |
20グラム以上 | 2・5ミリグラム |
50グラム以上 | 3ミリグラム |
100グラム以上1トン以下 | 表す質量の10万分の5 |
八 3級基準分銅の基準器公差は、表す質量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
表す質量 | 基準器公差 |
10ミリグラム以上 | 0・75ミリグラム |
20ミリグラム以上 | 0・9ミリグラム |
50ミリグラム以上 | 1・2ミリグラム |
100ミリグラム以上 | 1・5ミリグラム |
200ミリグラム以上 | 2ミリグラム |
500ミリグラム以上 | 2・5ミリグラム |
1グラム以上 | 3ミリグラム |
2グラム以上 | 4ミリグラム |
5グラム以上 | 5ミリグラム |
10グラム以上 | 6ミリグラム |
20グラム以上 | 8ミリグラム |
50グラム以上 | 10ミリグラム |
100グラム以上1トン以下 | 表す質量の10万分の15 |
第3節 検査方法
第1款 通則
(検査の条件)
第92条 基準はかりの検査は、基準はかりを堅牢かつ水平な検査台その他の定盤の上に水平に載せて行う。ただし、土地又は建物その他の工作物に取り付けて使用される基準はかりについては、この限りでない。
2 基準はかりが基準はかり以外の器具、機械又は装置と構造上一体となっていて、基準はかりのみを取り外すことにより、その精度又は機能が変化するおそれがあるときは、その一体をなしている状態で検査を行う。
(器差の検査に使用する特定標準器等又は基準器)
第93条 基準はかりの器差の検査は、特定標準器等又は器差が検査をする基準はかりの基準器公差の3分の1を超えない基準分銅を使用して行う。
2 前項の規定にかかわらず、基準はかりの器差の検査は、経済産業大臣が別に定める方法により基準分銅と同等以上の精度に調整した分銅であって第83条第2項及び第84条(第1項第4号を除く。)の規定に適合するもの(以下「実用基準分銅」という。)で、かつその器差が検査をする基準はかりの基準器公差の3分の1を超えないものを使用して行うことができる。
(刃及び刃受け等の硬度の検査)
第94条 基準はかりの刃、刃受け及び刃ぶた、まちその他刃又は刃受けの滑りを防止するために使用されているもの(石製のものを除く。)が第56条第1項及び第2項の規定に適合するかどうかの検査は、ロックウェルC硬さが57のやすりを検査を行おうとする面に当て、やすりの面に対して角度約30度の方向に約50ニュートンの力を加えて行う。
(感じの検査)
第95条 基準はかりが第64条の規定に適合するかどうかの検査は、質量を負荷していない状態において最小基準器公差等に相当する質量の分銅を、ひょう量及び任意の1以上の質量を加えた状態においてこれらの質量に応ずる基準器公差等に相当する質量の分銅を、基準天びん等以外の基準はかりにあっては載せ台の上方約1センチメートル(これらの分銅の質量が5グラム以下の場合にあっては約2センチメートル、1キログラム以上の場合にあっては約5ミリメートル)の位置から落下させ、基準天びん等にあっては静かに増減させてそれぞれ行う。
(偏置誤差の検査)
第96条 基準はかりが第65条の規定に適合するかどうかの検査は、零点を設定した後に、次の各号に定めるところにより、質量を載せ台上の定められた位置に順次負荷し、それぞれの位置において行う。
一 一の載せ台のある基準はかりについては、次の図の1、台を有する基準はかりについては、次の図の2の位置にひょう量の約4分の1に相当する質量の特定標準器等又は基準器を順次載せて行う。
図の1
図の2
二 2の載せ台のある基準はかりについては、ひょう量の約4分の1に相当する質量の特定標準器等又は基準器を各載せ台の中心から載せ台の半径の3分の1の距離だけ離れたところに次の図の1又は図の2のように載せたときの静止点と、当該特定標準器等又は基準器を各載せ台の中心に載せたときの静止点との差について行う。
図の1
図の2
(耐久性の検査)
第97条 基準はかりが第66条の規定に適合するかどうかの検査は、ひょう量の約1・5倍(基準天びんにあっては、ひょう量)の質量を負荷して行う。
(器差の検査)
第98条 載せ台のある基準はかりの器差の検査は、載せ台のほぼ中央に特定標準器等又は基準器を載せて行う。
2 基準はかり(2の載せ台のある基準はかりを除く。)の器差の検査は、ひょう量及び任意の2以上の質量について、質量を負荷していない状態から順次ひょう量に相当する質量まで負荷を静かに加えた後に、順次質量を静かに減じて質量を負荷していない状態に戻して行う。
3 風袋引き機構(正味量を計量するために風袋の質量を計量値から減じる機構をいう。)を有するものの器差の検査は、前項の検査のほか、風袋引きを最大限に働かせた状態において行う。
4 2の載せ台のある基準はかりの器差の検査は、ひょう量及びひょう量の2分の1(ひょう量が30キログラム以下のものにあっては、4分の1)に相当する質量において行う。
第2款 基準天びん
(静止点の変化の検査)
第99条 基準天びんが第70条第1項の規定に適合するかどうかの検査は、質量を負荷していない状態及びひょう量に相当する質量の荷重を加えた状態において、それぞれ3回以上繰り返して行う。
2 基準天びんが第70条第2項の規定に適合するかどうかの検査は、使用する前の質量を負荷していない状態における静止点を3回測定して求めた値の平均値と、ひょう量に相当する質量の荷重を加えて使用した後の質量を負荷していない状態における静止点を2回測定して求めた値の平均値との差について行う。
(ライダーさおの誤差の検査)
第100条 基準極微手動天びんが第75条の規定に適合するかどうかの検査は、ライダーさおの両端の目盛線について、次の式により誤差を算出して行う。
器差={R×(N2−N△)(n1−n2)}/(n2〜n△)Rは、感量の10倍に相当する質量(感量の10倍に相当する質量が1ミリグラム未満のときは、1ミリグラム)
n1は、Rに相当する質量のライダーを一方の皿に、Rに相当する質量の分銅を他方の皿に載せたときの静止点の値
n2は、n1を求めたときのRに相当する質量のライダーを、n1を求めたときのライダーを載せた皿がある側のライダーさおの端の目盛線の位置に載せたときの静止点の値
N2は、n2を求めたときのライダーをライダーさおに載せた質量の読み
n△は、n2を求めたときのRに相当する質量のライダーを、感量に相当する質量の荷重又は感量の2倍に相当する質量の荷重を加えたときに生ずる変位と同一の変位が生ずるように移動させたときの静止点の値
n△は、n△を求めたときのライダーをライダーさおに載せた位置の読み
(器差の算出)
第101条 第98条第4項の器差は、基準極微手動天びん以外の基準はかりについては、次の式により算出する。
器差=(△/2)×{(n1+n2−2n0)/(n2〜n△)}△は、基準器公差等
n0は、空掛けの状態における静止点の位置
n1は、検査荷重に相当する質量の特定標準器等を両方の載せ台に載せたときの静止点の位置
n2は、n1を求めたときの特定標準器等を交換して両方の載せ台に載せたときの静止点の位置
n△は、n2を求めたときの状態において、基準器公差等に相当する質量の特定標準器等を更に一方の載せ台に載せたときの静止点の位置
2 前項の方法により器差を算出する場合において、質量を負荷していない状態における静止点の値は、測定を3回行って、その平均値により求めるものとする。
(基準極微手動天びんの器差の算出)
第102条 第98条第4項の器差は、基準極微手動天びんについては、次の式により算出する。
器差=(R/2)×[(N2〜N△){n1+(n2+n2’)/2−n0−n’0}/{(n2+n’2)/2−n△}+(N1+N2+2N0)]Rは、ライダーの質量
n0は、ライダーをライダーさおに載せ、両面に荷重を加えないときの静止点の位置
N0は、n0を求めたときのライダーをライダーさおに載せた位置の読み
n1は、検査荷重に相当する質量の特定標準器等を両皿に載せたときの静止点の値
N1は、n1を求めたときのライダーをライダーさおに載せた位置の読み
n2は、n1を求めたときの特定標準器等を交換して両皿に載せたときの静止点の値
N2は、n2を求めたときのライダーをライダーさおに載せた位置の読み
n△は、n2を求めたときの状態において、基準器公差等の2倍に相当する質量の特定標準器等を更に一方の皿に載せたときの荷重に等しい荷重が加わるように、ライダーをライダーさおに載せたときの静止点の値
N△は、n△を求めたときのライダーをライダーさおに載せた位置の読み
n’2は、n△を求めた後に更にn2を求めたときの状態に戻したときの静止点の値
n’0は、n’2を求めた後にライダーをN2に置き、すべての特定標準器等を取り去ったときの静止点の値
第3款 基準台手動はかり
(零点調整機構の検査)
第103条 基準台手動はかりが第61条第3項の規定に適合するかどうかの検査は、ひょう量又はひょう量の2分の1の質量を負荷して行う。
(水平器の検査)
第104条 基準台手動はかりの水平器が第77条第2項の規定に適合するかどうかの検査は、水平器の種類に応じ、次の各号に掲げる位置まで基準台手動はかりを傾けて器差の検査を行うことにより行う。
一 下げ振り式水平器であって、にらみ穴があるものについては、下げ振りが、水平器のにらみの位置において、下げ振りとにらみ穴との間げきの3分の1だけ移動するような位置
二 下げ振り式水平器であって、にらみ穴がないものについては、下げ振りの先端が1ミリメートルだけ移動するような位置
(同一質量による繰返しの検査)
第105条 基準台手動はかりが第78条の規定に適合するかどうかの検査は、ひょう量に相当する質量を負荷して行う。
(さおしぼりの検査)
第106条 基準台手動はかりが第79条の規定に適合するかどうかの検査は、ひょう量の約4分の1に相当する質量を加え、目盛さおを静かに各方向に動かして行う。
(休み装置による誤差の検査)
第107条 休み装置のある基準台手動はかりが第80条の規定に適合するかどうかの検査は、ひょう量の約4分の1に相当する質量を負荷して行う。
(零点の変化の検査)
第108条 基準台手動はかりが第81条の規定に適合するかどうかの検査は、器差の検査を行う前の質量を負荷していない状態における表示値と、器差の検査を行った後の質量を負荷していない状態における表示値との差について行う。
(台しぼりの検査)
第109条 基準台手動はかりが第82条の規定に適合するかどうかの検査は、ひょう量の約4分の1に相当する質量を載せ台の中央に加え、載せ台にひょう量の約10分の1に相当する力を前後左右に水平に加えて行う。
第4款 基準分銅
(基準分銅の器差の検査)
第110条 基準分銅の器差の検査は、器差が検査をする基準分銅の基準器公差の3分の1を超えない基準分銅を使用して二重ひょう量法又は置換ひょう量法により行う。
2 前項の検査において、特定標準器等又は基準器と検査を行う基準分銅との空気中の浮力の差が基準器公差の10分の1を超えるときは、浮力の補正をしなければならない。この場合において、基準分銅の密度は、8000キログラム毎立方メートル(その材料がアルミニウム又はアルミ合金であるものにあっては、2700キログラム毎立方メートル)とし、特定標準器等又は基準器の密度は、その材料が白金であるものにあっては2万1500キログラム毎立方メートル、ニッケル、洋銀又は真ちゅうであるものにあっては8400キログラム毎立方メートル、ステンレス鋼であるものにあっては8000キログラム毎立方メートル、鋳鉄であるものにあっては7000キログラム毎立方メートル、アルミニウム又はアルミ合金であるものにあっては2700キログラム毎立方メートルとし、空気の密度は、1・2キログラム毎立方メートルとする。
3 第1項の検査において、50キログラム以上の2級基準分銅及び3級基準分銅については、基準分銅に代えて実用基準分銅を使用して行うことができる。
第4章 温度基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 通則
(表記)
第111条 温度基準器の主な目盛線には、その表す温度の値が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第112条 温度基準器の目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
2 温度基準器の目盛線は、その中心線によって温度を表すように付されていなければならない。
3 温度基準器の目盛線は、その太さが目幅の5分の1以下でなければならない。
4 温度基準器の目盛線は、温度基準器を鉛直の状態にし、かつ、感温液の液面の位置までその目盛線が表す温度に保ったときに、その位置によって付されていなければならない。
5 温度基準器の目盛線は、感温液が水銀又は水銀アマルガム(以下「水銀等」という。)であるときは、液面の最上部による示度により付されていなければならない。
(材質)
第113条 温度基準器に使用されているガラスは、アルカリが遊離し難く、かつ、経年変化をし難いものでなければならない。
第114条 感温液が水銀等である温度基準器(以下この章において「基準水銀温度計」という。)に封入されている水銀等は、不純物を含有していないものでなければならない。
(機構)
第115条 温度基準器のガラスの部分は、継ぎ目の不完全、気泡、傷及びひずみ等があるため、通常の使用状態において、破損するおそれがあるものであってはならない。
2 温度基準器のガラスの部分の長さは、70センチメートル以下でなければならない。
3 温度基準器の形状は、直線状でなければならない。
4 温度基準器は、浸線(計るべき温度を保たなければならない部分を表示する線その他のものをいう。)が付されたものであってはならない。
5 温度基準器の感温液は、1本の毛細管に入っていなければならない。
6 温度基準器は、毛細管の内壁が著しく汚れ、毛細管の補球部に示度に影響を及ぼす程度の量の感温液が付着し、又は毛細管内に水分、空気及びちり等を含んでいること等のため、温度を計るときに、感温液の液切れ又は誤差を生ずるものであってはならない。
7 温度基準器は、温度を計るときに、感温液の移動が円滑であるものでなければならない。
8 温度基準器は、ガラス管が異常反射するもの、二重管のものにあっては、その毛細管若しくは目盛板が著しく動くもの、又はその外管に水及びちり等が入っていること等のため、示度の読み取り難いもの若しくは示度を読み取る際に誤認のおそれがあるものであってはならない。
(留点)
第116条 温度基準器は、留点があるものであってはならない。
第2款 基準ガラス製温度計
(目盛標識)
第117条 基準ガラス製温度計は、零下56度から365度までのうち、一定の範囲の温度を表す目盛線が付されたものであって、かつ、零度の温度を表す目盛線が付されたものでなければならない。
2 基準ガラス製温度計は、零度の温度を表す目盛線の上下に、その目盛線に連続して、当該基準ガラス製温度計の最小の目量の目盛線が3本以上ずつ付されたものでなければならない。
3 基準ガラス製温度計の目幅は、棒状の基準ガラス製温度計にあっては0・5ミリメートル以上、二重管の基準ガラス製温度計にあっては0・4ミリメートル以上でなければならない。
第118条 基準ガラス製温度計のうち、基準水銀温度計は、最小の目量が0・05度、0・1度、0・2度、0・5度又は1度のものでなければならない。
第119条 基準ガラス製温度計であって、感温液が水銀等以外の液体であるもの(以下この章において「基準液体温度計」という。)の目盛線は、液面の最下部による示度により付されていなければならない。
2 基準液体温度計は、目量が0・5度又は1度のものでなければならない。
(機構及び作用)
第120条 基準液体温度計に封入されている液体が染料により着色されているときは、その染料は、容易にたい色し、又は沈でんしないものでなければならない。
第121条 基準液体温度計は、計ることができる最高の温度が50度以下のものでなければならない。
第122条 目量が0・2度以下の基準ガラス製温度計は、常温に3日以上放置した後に零度の温度を計ったときの示度と、100度の温度(計ることができる最高の温度が100度未満のときは、計ることができる最高の温度の絶対値が計ることができる最低の温度の絶対値より大きいか又は等しい場合にあっては、計ることができる最高の温度、それ以外の場合にあっては、計ることができる最低の温度)に30分間保った直後に零度の温度を計ったときの示度との差が0・08度を超えるものであってはならない。
第123条 基準ガラス製温度計は、30分間以上計ることができる最高又は最低の温度に近い温度に保った後8時間以内に零度の目盛線における器差の検査を行ったときの器差と、再び30分間以上計ることができる最高又は最低の温度に保った後8時間以内に零度の目盛線における器差の検査を行ったときの器差との差が、基準器公差の2分の1以下のものでなければならない。
第124条 基準ガラス製温度計は、計ることができる最低の温度に保ったときに、感温液の移動が円滑でないため、示度の読み取り難いもの又は容易に誤差が生ずるものであってはならない。
第125条 基準ガラス製温度計は、計ることができる最高の温度に保ったときに、感温液の沸騰、酸化、蒸発、凝結若しくは気泡の発生又は球部の変形等が生ずるため、示度の読み取り難いもの又は容易に液切れ若しくは誤差が生ずるおそれがあるものであってはならない。
第126条 二重管の基準ガラス製温度計は、外管の頭部が溶接されたものでなければならない。
第127条 削除
第128条 削除
第129条 削除
第130条 削除
第2節 基準器公差
(温度基準器の基準器公差)
第131条 基準ガラス製温度計の基準器公差は、目量及び目盛線の表す温度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 目盛線の表す温度 | 基準器公差 |
0・1度以下 | 零下20度以下 | 0・2度 |
100度以下 | 0・1度 | |
300度以下 | 0・2度 | |
300度を超えるとき | 0・3度 | |
0・2度 | 零度未満 | 0・2度 |
100度以下 | 0・1度 | |
200度以下 | 0・2度 | |
300度以下 | 0・3度 | |
300度を超えるとき | 0・4度 | |
0・5度 | 100度以下 | 0・3度 |
100度を超えるとき | 0・5度 | |
1度 | 200度以下 | 0・5度 |
200度を超えるとき | 1度 |
第132条 基準ガラス製温度計が基準器検査に合格し、かつ、基準器検査成績書の記載により、検査を行った後3年を経過したことが明らかであるときは、基準器公差は、目量及び目盛線の表す温度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 目盛線の表す温度 | 基準器公差 |
0・1度以下 | 零下20度以下 | 0・3度 |
100度以下 | 0・2度 | |
300度以下 | 0・3度 | |
300度を超えるとき | 0・5度 | |
0・2度 | 零度未満 | 0・3度 |
100度以下 | 0・2度 | |
200度以下 | 0・3度 | |
300度以下 | 0・5度 | |
300度を超えるとき | 0・6度 | |
0・5度 | 100度以下 | 0・5度 |
100度を超えるとき | 0・8度 | |
1度 | 200度以下 | 0・8度 |
200度を超えるとき | 1・5度 |
第133条 前2条の規定の適用に関しては、目盛線の目量が2あるときは、そのうち小さいものによるものとする。
第3節 検査方法
(検査の条件)
第134条 基準ガラス製温度計の300度以上又は零下30度以下の目盛線の検査を行う場合には、検査の前後において、その基準ガラス製温度計に温度の激変が生じないようにして行う。
(機構及び作用の検査)
第135条 基準ガラス製温度計が第122条の規定に適合するかどうかの検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
第136条 基準ガラス製温度計が第123条の規定に適合するかどうかの検査は、計ることができる最高の温度が300度未満のものについては、必要がないと認めるときは、省略することができる。
第137条 300度を超える目盛線がある基準ガラス製温度計については、器差の検査を行う前に、2時間以上その計ることができる最高の温度に近い温度に保った後に、第125条の規定に適合するかどうかの検査を行う。
(器差の検査)
第138条 温度基準器の器差の検査は、計ることができる最高の温度、計ることができる最低の温度及び零度を表す目盛線並びに任意の1以上の目盛線について行う。ただし、計ることができる最高又は最低の温度を表す目盛線についての器差の検査が困難なときは、できるだけそれに近い目盛線について行う。
第139条 温度基準器の器差の検査は、検査を行う直前に30分間以上計ることができる最高の温度に保った後に、零度の目盛線について行い、その後計ることができる最低の温度を表す目盛線から始めて順次高い温度を表す目盛線について行うものとする。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
第140条 温度基準器の器差の検査は、検査槽を使用して行う。ただし、空気を飽和している水及び氷の平衡温度を用いて検査を行う場合は、この限りでない。
第141条 削除
第142条 温度基準器の器差の検査は、検査槽を使用するときは、特定標準器等及び検査を行う温度基準器の温度を感じる速さに応じ、検査槽の温度が検査に必要な一定の温度に保たれる状態又は極めて緩やかに上昇する状態において行う。
第143条 温度基準器の器差の検査は、検査槽を使用するときは、検査槽内の液体をかくはんして、液体の各部の温度が常に均一であるようにして行う。
第144条 温度基準器の器差の検査を行うときは、検査を行う温度基準器の目盛線を、目盛線が付されている面に視線が垂直になる位置に置いて、その正面から示度を視定する。
第145条 温度基準器の器差の検査は、感温液が水銀等であるときは液面の最上部において、水銀等以外の液体であるときは液面の最下部において行う。
第146条 温度基準器の器差の検査は、検査を行うべき温度を表す目盛線まで同一の温度とした状態で行う。ただし、検査槽の構造その他のやむを得ない事由があるため、目盛線まで同一の温度とすることができないときは、この限りでない。
第147条 前条ただし書の規定により、温度基準器の器差の検査を目盛線まで同一の温度としないで行ったときは、次の式により算出される値又は次項に規定する方法で実測された補正値により補正する。
補正値=n(T−t)Knは、露出部(検査を行う目盛線とそれに対応する温度に保った箇所との間の部分をいう。以下この条において同じ。)の長さをその目盛面における1度に相当する長さで除した値
Tは、検査槽の温度
tは、露出部の平均の温度
Kは、ガラスに対する感温液の見かけの膨張係数(基準液体温度計にあっては1000分の1、基準液体温度計以外の温度基準器にあっては6100分の1)
2 補正値を実測する場合は、検査を行うべき温度を表す目盛線まで同一の温度として検査を行った場合に得た器差から、当該温度基準器を通常検査を行う露出部の長さに露出させた状態で得た器差を減じて算出する。
第5章 面積基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
(表記)
第148条 面積基準器には、その見やすい箇所に、その表す面積の値が表記されていなければならない。
(材質)
第149条 面積基準器に使用されている材料は、常温常湿の状態から温度が10度変化したとき、又は湿度が10パーセント変化したときに、当該面積基準器の面積にその表す面積の0・25パーセント以上の変化を生じさせるものであってはならない。
(機構)
第150条 面積基準器は、傷、腐食、穴及び凹凸等があるため、通常の使用状態において、支障があるものであってはならない。
2 面積基準器は、表面が滑りやすいため、通常の使用状態において、支障があるものであってはならない。
3 面積基準器は、その形状が円形、正方形又は長方形でなければならない。
4 面積基準器は、その厚さが0・5ミリメートルから4ミリメートルまでの範囲内にあるものでなければならない。
第2節 基準器公差
(面積基準器の基準器公差)
第151条 面積基準器の基準器公差は、表す面積の100分の1とする。
第3節 検査方法
(材質の検査)
第152条 面積基準器が第149条の規定に適合するかどうかの検査は、常温常湿の環境下で、その面積基準器の面積を計量した後に、温度を10度変化させ、又は湿度を10パーセント変化させて、約10時間放置した直後に、当該面積基準器の面積を計量して行う。
2 前項の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
(器差)
第153条 面積基準器の器差は、表す面積から次の各号に定めるところにより算出された面積を減じて算出するものとする。
一 円形の面積基準器については、次の式により算出された面積
算出された面積=3.1416⁄16(d21+d22+d23+d24)d1、d2、d3、d4は、任意の4箇所についてそれぞれ3回ずつ計量した直径からそれぞれ求められた平均値
二 正方形又は長方形の面積基準器については、次の式により算出された面積
算出された面積=1⁄2(A1+A2+A3+A4)A1は、√{L1(L1−a)(L1−b)(L1−e)}により求められた値
A2は、√{L2(L2−c)(L2−d)(L2−e)}により求められた値
A3は、√{L3(L3−a)(L3−d)(L3−f)}により求められた値
A4は、√{L4(L4−b)(L4−c)(L4−f)}により求められた値
L1は、(a+b+e)/2により求められた値
L2は、(c+d+e)/2により求められた値
L3は、(a+f+d)/2により求められた値
L4は、(b+c+d)/2により求められた値
a、b、c、dは、正方形又は長方形の4つの辺
e、fは、正方形又は長方形の2つの対角線
(器差の検査)
第154条 面積基準器の器差の検査は、基準巻尺によりその面積基準器の寸法を計量して行う。
第6章 体積基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 基準フラスコ等
(表記)
第155条 基準フラスコ及び基準ビュレット(以下この章において「基準フラスコ等」という。)には、その基準器公差内で計量することができる最大の体積(以下この章において「全量」という。)が表記されていなければならない。
2 基準ビュレットには、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 用途
二 全量に相当する水を排出する時間(以下「排水時間」という。)
3 全量を表す目盛線以外の目盛線がある基準ビュレットの主な目盛線には、その目盛線が表す体積の値が表記されていなければならない。ただし、その目盛線が表す体積の値が明らかなときは、この限りでない。
(目盛標識)
第156条 基準フラスコ等の目盛線は、その目盛線が表す体積の水を用いて付されたものでなければならない。
2 基準フラスコ等は、その目盛線が表す体積を出用として付されたものでなければならない。
3 基準フラスコ等の目盛線は、水を使用して目盛線の上縁と液面の最下部とが水平に見て一致したときに、その目盛線が表す体積を示すように付されたものでなければならない。
4 基準フラスコ等の目盛線は、円筒形の部分に付されたものでなければならない。
5 基準フラスコ等の目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
6 基準フラスコ等の目盛線は、その太さが0・1ミリメートルから0・4ミリメートルまでの範囲内で、かつ、目盛間隔の5分の1以内でなければならない。
7 基準フラスコ等の目盛線は、その基準フラスコ等を使用する状態に置いたときに、水平になるように付されているものでなければならない。
8 基準フラスコ等の盛足目盛は、その全量の10分の1の体積の範囲内において付されていなければならない。
9 基準ビュレットの相互に対応する公差目盛の目盛間隔は、4ミリメートル以上でなければならない。
(標準温度)
第157条 基準フラスコ等の表す体積は、温度20度の場合を標準として定められたものでなければならない。ただし、温度20度以外の温度を標準として定められたものであって、15度から30度までの範囲内の標準とする温度が表記されているものにあっては、この限りでない。
(材質)
第158条 基準フラスコ等に使用されている材料は、透明のガラスでなければならない。
第159条 基準フラスコ等に使用されているガラスは、次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 傷、気泡、すじ及び凹凸があるため、液面が視定し難いもの又は破損しやすいものでないこと。
二 焼きなましされているものであること。
(機構及び作用)
第160条 基準フラスコは、その全量が1デシリットル、2デシリットル、5デシリットル、1リットル、2リットル、5リットル又は10リットルのものでなければならない。
第161条 基準ビュレットは、排水時間で全量に相当する体積の水を排出させたときのその水の体積と、排水時間を10分の1だけ変化させた時間で全量に相当する体積の水を排出させたときのその水の体積との差が、基準器公差の2分の1を超えるものであってはならない。
2 基準ビュレットに表記されている排水時間は、その実排水時間との差が表記された排水時間の20分の1(2秒未満のときは、2秒)を超えるものであってはならない。
(コック)
第162条 基準ビュレットに付されたコックは、容易に漏水するものであってはならない。この場合において、その全量に相当する体積の水を満たして5分間放置したときに、基準器公差に相当する体積以内の漏水のあることを妨げない。
2 基準ビュレットに付されたコックは、その栓が円滑にしゅう動するものでなければならない。
第2款 基準ガスメーター
(表記)
第163条 基準ガスメーターであって湿式のもの(以下「基準湿式ガスメーター」という。)には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 計量室における1周期の計量操作により計ることができるガスの体積(以下この章において「計量室の体積」という。)
二 ゲージグラスの目盛線又は指針により液面を調整するものは、その旨
三 2以上5以下の使用流量
2 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターには、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 口径
二 2以上5以下の使用流量
三 基準ガスメーターであって回転子式のもの(以下「基準回転子式ガスメーター」という。)以外のものにあっては、計量するガスの種類
3 基準ガスメーターには、ガスの入口又は出口を表す標識が表記されていなければならない。
4 基準ガスメーターの表示機構には、その表す体積の値が表記されていなければならない。
(アナログ指示機構)
第164条 基準ガスメーターのアナログ指示機構は、次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 目盛線の太さが0・1ミリメートル以上であること。
二 相互に対応する目盛線について、その大きさその他の性質が均一であること。
三 指針の先端部と目盛面との間隔が3ミリメートルを超えないこと。
四 指針の先端部の太さが目盛線のうち最も細いものの太さの1・5倍以内であること。
五 指針の先端部が目盛線に重なり、又は目盛線に達すること。
六 上位の指針の先端部の位置が、隣接する下位の指針が指示する計量値に相当する位置に対し、上位の指針の目盛間隔の3分の1以上の食い違いがないこと。
(デジタル表示機構)
第165条 基準ガスメーターのデジタル表示機構(次項に規定するものを除く。)は、各けた(最下位のけたを除く。)の数字の転換が、その隣接する下位のけたの最後の10分の1回転の間に行われるものでなければならない。
2 基準ガスメーターのデジタル表示機構であって、瞬間的に数字の転換が行われるものは、各けた(最下位のけたを除く。)の数字の転換が、その隣接する下位のけたの数字が零に転換する直前又は転換すると同時に行われるものでなければならない。
(目量)
第166条 基準湿式ガスメーターの目量は、計量室の体積に応じ、それぞれ次の表のとおりでなければならない。
計量室の体積 | 目量 |
2リットル | 10ミリリットル以下 |
20リットル以下 | 1デシリットル以下 |
100リットル以下 | 1リットル以下 |
100リットルを超えるとき | 10リットル以下 |
2 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターの目量は、使用流量のうち最大のもの(以下この章において「最大流量」という。)に応じ、それぞれ次の表のとおりでなければならない。
最大流量(1時間当たり) | 目量 |
2立方メートル以下 | 1デシリットル以下 |
10立方メートル以下 | 1リットル以下 |
100立方メートル以下 | 10リットル以下 |
100立方メートルを超えるとき | 100リットル以下 |
(材質)
第167条 基準ガスメーターの外箱は、金属又はこれと同等以上の耐久力を有する材料が使用されているものであり、かつ、使用中にくぼみを生じ又はガスが漏えいしないものでなければならない。
2 基準湿式ガスメーターの外箱は、封入液に溶解したガスの不純物により容易に腐食し難い材料が使用されているものでなければならない。
第168条 基準湿式ガスメーターの計量室は、すず合金、すずをメッキした銅若しくは黄銅又はこれと同等以上のものであって、封入液に溶解したガスの不純物により容易に腐食し難い材料が使用されているものでなければならない。
2 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターの計量室は、鋳鉄又はこれと同等以上のものであって、使用ガスによって腐食し難い材料が使用されているものでなければならない。
(機構及び作用)
第169条 基準ガスメーターの運動部分は、円滑に運動するものでなければならない。
第170条 基準湿式ガスメーターの計量室の体積は、2リットル以上でなければならない。
第171条 基準ガスメーターの外箱は、その外部から容易に内部の機構又は作用を変更することができるものであってはならない。
第172条 基準湿式ガスメーターは、液面調整装置及び水平装置(外箱の3以上の箇所に水準線を付したものに限る。以下この章において同じ。)を有するものでなければならない。
第173条 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターは、取付姿勢が明らかであるものでなければならない。
第174条 基準ガスメーターは、基準湿式ガスメーターにあっては圧力約1・5キロパスカル、その他の基準ガスメーターにあっては圧力約5キロパスカルのガス又は空気を基準ガスメーター内に密封して一定圧力にした後に約5分間放置したときに、圧力の降下が、基準湿式ガスメーターにあっては100パスカル以内、その他の基準ガスメーターにあっては200パスカル以内になるものでなければならない。
第175条 基準湿式ガスメーターは、ガス又は空気の通過中に出口の圧力が約400パスカルになるようにしたときに、入口の圧力の変化の範囲が60パスカル未満になるものでなければならない。
第176条 基準湿式ガスメーターは、次の表の上欄に掲げる計量室の体積に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる流量で空気を計量室の体積に相当する体積だけ通したときに、当該基準湿式ガスメーターの器差が10パーセントを超えるものであってはならない。
計量室の体積 | 流量(1時間当たり) |
5リットル以下 | 10リットル |
20リットル以下 | 20リットル |
50リットル以下 | 50リットル |
100リットル以下 | 100リットル |
500リットル以下 | 250リットル |
500リットルを超えるとき | 500リットル |
第177条 基準湿式ガスメーターは、温差補正計又は温度計(以下この章において「温差補正計等」という。)及び圧力計の取付孔があるものでなければならない。
2 前項の温差補正計等の取付孔は、基準湿式ガスメーターの液温(計量室の体積が100リットルを超えるものにあっては、液温及びガスの出口側の温度)を計ることができる位置に、圧力計の取付孔は、基準湿式ガスメーターのガスの入口側になければならない。
第178条 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターは、ガスの入口側及び出口側の圧力を測定することができる測定孔を有するものでなければならない。
第179条 計量室の体積が50リットル以上の基準湿式ガスメーターは、計量室内の封入液を除去する装置を有するものでなければならない。
第180条 基準回転子式ガスメーターは、その計量室に水その他の液体が滞留しないものでなければならない。
第181条 基準ガスメーターは、次の式により算出した値が0・15を超えないものでなければならない。
0.675√{S/(n−1)}Sは、同一の検査流量で6回以上検査を行った場合におけるそれぞれの器差からこれらの平均値を減じて得た数値を2乗した値の総和
nは、検査を行った回数
第182条 基準湿式ガスメーターは、検査流量における器差と相隣る検査流量の器差の差が0・5パーセントを超えるものであってはならない。
2 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターは、表記された使用流量における器差と当該使用流量の0・5倍の使用流量における器差との差が、1パーセントを超えるものであってはならない。
第3款 基準水道メーター
(表記)
第183条 基準水道メーターには、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 口径
二 2以上5以下の使用流量
2 基準水道メーターには、水の入口又は出口を表す標識が付されていなければならない。
3 基準水道メーターの表示機構には、その表す体積の値が表記されていなければならない。
4 取付姿勢によって精度が異なるおそれがある基準水道メーターには、その取り付けられるべき姿勢が明らかであるような標識が表記されていなければならない。
(アナログ指示機構)
第184条 基準水道メーターのアナログ指示機構は、次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 目盛線の太さが0・1ミリメートル以上であること。
二 相互に対応する目盛線について、その大きさその他の性質が均一であること。
三 指針の先端部と目盛面との間隔が3ミリメートルを超えないこと。
四 指針の先端部が目盛線に重なり、又は目盛線に達すること。
五 指針の先端部の太さが目盛線の太さの1・5倍以内であること。
六 上位の指針の先端部の位置が、隣接する下位の指針が指示する計量値に相当する位置に対して、上位の指針の目盛間隔の3分の1以上の食い違いがないこと。
(デジタル表示機構)
第185条 基準水道メーターのデジタル表示機構は、次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 数字車式のものにあっては、その数字が下から上方向へ回転移動すること。
二 各けた(最下位のけたを除く。)の数字の転換が、その隣接する下位のけたの最後の10分の1回転の間に行われること。この場合において、瞬間的に数字の転換が行われるものにあっては、その隣接する下位のけたの数字が零に転換する直前又は転換すると同時に行われること。
(材質)
第186条 基準水道メーターの外箱は、黄銅若しくは鋳鉄又はこれと同等以上の耐久力を有する材料が使用されているものであり、かつ、傷、巣及び埋金等による使用中の破損又は漏水を生じないものでなければならない。
(機構及び作用)
第187条 基準水道メーターの運動部分は、円滑に運動するものでなければならない。
第188条 基準水道メーターは、入口側の圧力と出口側の圧力との差を測定することができるような圧力測定孔があるものでなければならない。この場合において、ストレーナーを装置した基準水道メーターにあっては、水がストレーナーを通過した後の入口側の圧力を測定できるものでなければならない。
第189条 基準水道メーターは、表記された使用流量における器差と当該使用流量の0・5倍の流量における器差との差が1パーセントを超えるものであってはならない。
第190条 基準水道メーターは、使用するときの圧力が表記されているときは、その圧力より10パーセント大きい圧力に耐えるものでなければならない。
第191条 基準水道メーターは、次の式により算出した値が0・05を超えないものでなければならない。
0.675√{S/(n−1)}Sは、同一の検査流量で6回以上検査を行った場合におけるそれぞれの器差からこれらの平均値を減じて得た数値を2乗した値の総和
nは、検査を行った回数
第4款 基準燃料油メーター
(表記)
第192条 基準燃料油メーターには、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 口径
二 2以上5以下の使用流量
三 2以下の被計量物の種類
2 前項第3号の被計量物の種類は、揮発油、灯油、軽油及び重油とし、重油にあっては、粘度範囲が併記されていなければならない。
3 2種類の被計量物が表記されている基準燃料油メーターにあっては、使用流量の表記は、それぞれの被計量物に共通のものでなければならない。
4 基準燃料油メーターには、燃料油の入口又は出口を表す標識が表記されていなければならない。
5 基準燃料油メーターの表示機構には、その表す体積の値が表記されていなければならない。
6 取付姿勢によって精度が異なるおそれがある基準燃料油メーターには、その取り付けられるべき姿勢が明らかであるような標識が付されていなければならない。
(アナログ指示機構)
第193条 基準燃料油メーターのアナログ指示機構は、次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 目盛線の太さが0・1ミリメートル以上であること。
二 相互に対応する目盛線については、その大きさその他の性質が均一であること。
三 指針の先端部と目盛面との間隔が3ミリメートルを超えないこと。
四 指針の先端部が目盛線に重なり、又は目盛線に達すること。
五 指針の先端部の太さが目盛線の太さの1・5倍以内であること。
六 上位の指針の先端部の位置が、隣接する下位の指針が指示する計量値に相当する位置に対して、上位の指針の目盛間隔の3分の1以上の食い違いがないこと。
(デジタル表示機構)
第194条 基準燃料油メーターのデジタル表示機構は、次の各号に掲げる事項に適合するものでなければならない。
一 数字車式のものにあっては、その数字が下から上方向へ回転移動すること。
二 各けた(最下位のけたを除く。)の数字の転換が、その隣接する下位のけたの最後の10分の1回転の間に行われること。この場合において、瞬間的に数字の転換が行われるものにあっては、その隣接する下位のけたの数字が零に転換する直前又は転換すると同時に行われること。
(材質)
第195条 基準燃料油メーターの外箱は、黄銅若しくは鋳鉄又はこれと同等以上の耐久力を有する材料が使用されているものであり、かつ、傷、巣及び埋金等による使用中の破損又は漏えいを生じないものでなければならない。
第196条 基準燃料油メーターの燃料油の流路部分は、使用する燃料油によって腐食し難いものでなければならない。
(機構及び作用)
第197条 基準燃料油メーターは、口径が80ミリメートル以下のものでなければならない。
2 基準燃料油メーターの運動部分は、円滑に運動するものでなければならない。
第198条 基準燃料油メーターは、入口側の圧力と出口側の圧力との差を測定することができるような圧力測定孔があるものでなければならない。この場合において、ストレーナーを装置した基準燃料油メーターにあっては、燃料油がストレーナーを通過した後の入口側の圧力を測定できるものでなければならない。
第199条 基準燃料油メーターは、表記された使用流量における器差と当該使用流量の0・5倍の流量における器差との差が1パーセントを超えるものであってはならない。
第200条 基準燃料油メーターは、使用するときの圧力が表記されているときは、その圧力より10パーセント大きい圧力に耐えるものでなければならない。
第201条 2の種類の被計量物が表記されている燃料油メーターにあっては、それぞれの被計量物を計量したときに、同一の使用流量におけるそれぞれの器差の差が基準器公差に相当する値を超えるものであってはならない。
第202条 基準燃料油メーターは、次の式により算出した値が0・05を超えないものでなければならない。
0.675√{S/(n−1)}Sは、同一の検査流量で6回以上検査を行った場合におけるそれぞれの器差からこれらの平均値を減じて得た数値を2乗した値の総和
nは、検査を行った回数
第5款 基準タンク
(表記)
第203条 基準タンクには、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 タンクの種類
二 全量
三 被計量物の種類
四 最少測定量
2 前項第4号の規定にかかわらず、分量目盛がない基準タンクにあっては、その表記を省略することができる。
3 基準タンクの主な目盛線には、それらの表す体積の値が表記されていなければならない。ただし、ゲージグラスを使用する基準タンクにあっては、ゲージグラスに近接して取り付けられた側板の主な目盛線に対応する箇所に表記されていることを妨げない。
(目盛標識)
第204条 基準タンクの目盛線は、二重線、枝線、折れ線又は目切れとなっているため、通常の使用状態において、支障があるものであってはならない。
2 基準タンクの目盛線は、基準タンクを鉛直に据え付けたときに水平になるものでなければならない。ただし、基準タンクを鉛直に据え付ける必要がないものにあっては、この限りでない。
3 基準タンクの目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。ただし、その目盛線の値が全量その他の表記により明らかなときは、この限りでない。
4 ゲージグラスを使用する基準タンクのゲージグラスの目盛線は、ゲージグラスに直接付されていなければならない。
5 ゲージグラスを使用する基準タンクのゲージグラスの目盛線は、その太さが0・1ミリメートル以上で、かつ、目盛間隔の5分の1以下でなければならない。
6 ゲージグラスを使用する基準タンクであって、ゲージグラスが2以上あるものの同一の量を表す目盛線は、同一の量により付されたものでなければならない。この場合において、同一の表す量に応ずる基準器公差の3分の1以内の誤差があることを妨げない。
7 基準タンクの目盛線の付されている部分は、液面の水平視定ができるものでなければならない。
8 基準タンクの全量及び零に係る盛足目盛は、その全量の100分の4の体積の範囲内において付されていなければならない。
(材質)
第205条 基準タンクに使用する材料は、鉄又はこれと同等以上の耐久力を有し、かつ、容易に腐食するおそれがあるものにあっては、表面加工が施してあるものでなければならない。
2 ゲージグラスを使用する基準タンクのゲージグラスは、常温の状態から温度が50度変化したときに、変形又は破損するものであってはならない。
第206条 基準タンクは、液体を入れたときに、容易に変形し、又は漏えいするものであってはならない。
(機構及び作用)
第207条 基準タンクは、最少測定量の200分の1の量による液面の位置の変化が2ミリメートル(水道メーター、温水メーター及び積算熱量計の検査に使用するものにあっては、1ミリメートル)以上のものでなければならない。
2 基準タンクの表す体積は、温度20度(被計量物が油の場合には、15度)の場合を標準として定められたものでなければならない。
(最少測定量ごとの器差の均一性)
第208条 基準タンクは、最少測定量ごとの相隣る表す量に応ずる器差の差が、これらの表す量の差に相当する基準器公差に相当する値以下でなければならない。
(水平装置)
第209条 基準タンクは水平装置を有するものでなければならない。ただし、定置して使用するものにあっては、この限りでない。
第210条 ゲージグラスを使用する基準タンクは、そのゲージグラスとタンクとの接続管の内径がゲージグラスの内径以上のものでなければならない。
第211条 ゲージグラスを使用する基準タンクのゲージグラスは、傷、気泡、すじ及びひずみ等があるため、通常の使用状態において、破損するおそれがあるものであってはならない。
第212条 ゲージグラスを使用する基準タンクは、そのゲージグラスが表す量とこれに相当するタンクの体積との関係を表す位置が明らかなものでなければならない。
第213条 オーバーフローの口縁が全量を表す基準タンクは、その口縁が滑らかなものでなければならない。
(目量)
第214条 液体メーター用基準タンクの最小の目量は、全量に応じ、それぞれ次の表のとおりでなければならない。
全量 | 最小の目量 |
500リットル以下 | 1リットル以下 |
500リットルを超えるとき | 全量の500分の1に相当する体積以下 |
(ゲージグラスの内径)
第215条 ゲージグラスを使用する液体メーター用基準タンクのゲージグラスの内径は、全量に応じ、それぞれ次の表のとおりでなければならない。
全量 | ゲージグラスの内径 |
1000リットル以下 | 13ミリメートル以上 |
1000リットルを超えるとき | 20ミリメートル以上 |
2 ゲージグラスを使用する液体タンク用基準タンクのゲージグラスの内径は、13ミリメートル以上でなければならない。
第6款 基準体積管
(表記)
第216条 基準体積管には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 全量
二 被計量物の種類
三 最少測定量
四 基準ピストンプルーバーであって、パルス内挿機能を有するものは、その旨
2 被計量物の種類は、基準パイププルーバーにあっては揮発油、灯油、軽油、重油及び水、基準ピストンプルーバーにあっては揮発油、灯油、軽油、重油、水、液化石油ガス、空気及びガス、基準ベルプルーバーにあっては空気及びガスとする。
3 基準ピストンプルーバー又は基準パイププルーバーであって、検出端が2箇所以内のものについては、最少測定量を表記することを要しない。
4 基準ベルプルーバーの主な目盛線には、その表す体積の値が表記されていなければならない。
第217条 運動子を有する基準体積管は、その運動子の検出端を示す標識がなければならない。
(目盛標識)
第218条 基準ベルプルーバーの目盛線は、二重線、枝線、折れ線又は目切れとなっているため、通常の使用状態において、支障があるものであってはならない。
2 基準ベルプルーバーの目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。ただし、その目盛線の値が全量その他の表記により明らかなときは、この限りでない。
3 基準ベルプルーバーの目盛線は、その太さが0・1ミリメートル以上で、かつ、目盛間隔の5分の1以下でなければならない。
4 基準ベルプルーバーの目盛線は、基準ベルプルーバーを鉛直に据え付けたときに、水平になるものでなければならない。
5 基準ベルプルーバーの目盛線が付されている部分は、目盛面の水平視定ができるものでなければならない。
6 基準ベルプルーバーの全量に係る盛足目盛は、その全量の100分の4の体積の範囲内において付されていなければならない。
(材質)
第219条 基準体積管に使用する材料は、鉄又はこれと同等以上の耐久力を有し、かつ、容易に腐食するおそれがあるものにあっては、表面加工が施してあるものでなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、基準ベルプルーバーの浮鐘に使用する材料は、黄銅又はこれと同等以上の耐久力を有し、かつ、容易に腐食するおそれのないものでなければならない。
第220条 基準体積管(基準ベルプルーバーを除く。)は、液体を入れたときに、容易に変形し、又は漏えいするものであってはならない。
2 ガスメーター用基準体積管は、空気又はガスを密封したときに漏えいするものであってはならない。
3 液体メーター用基準体積管は、使用圧力の表記のあるものはその使用圧力、使用圧力の表記のないものは100キロパスカルの圧力に耐えるものでなければならない。
(機構及び作用)
第221条 基準体積管(基準ベルプルーバーを除く。)は、運動子が円滑に移動し、かつ、運動子の接触部分に漏えいを生じないものでなければならない。
第222条 基準体積管であって計量室を構成する部分が分離するものは、その分離する部分をノックピンを用いる方法その他の方法により接合し、偏心又は漏えいを生じないものでなければならない。
第223条 基準体積管は、温度計及び圧力計の取付孔があるものでなければならない。
2 前項の温度計の取付孔は、基準体積管の入口側で温度を計ることができる位置に、圧力計の取付孔は、基準体積管の被計量物の入口側及び出口側になければならない。
(安定性)
第224条 基準体積管は、2回以上器差の検査を行った場合におけるそれぞれの器差の差が基準器公差の5分の1以下となるものでなければならない。
(水平装置)
第225条 基準体積管は、水平装置を有するものでなければならない。ただし、定置して使用するものにあっては、この限りでない。
(目量)
第226条 基準ベルプルーバーの目量は、全量に応じ、それぞれ次の表のとおりでなければならない。
全量 | 目量 |
500リットル以下 | 1リットル以下 |
500リットルを超えるとき | 全量の500分の1に相当する体積以下 |
第2節 基準器公差
第227条 体積基準器の基準器公差は、次の各号に定めるところによる。
一 基準フラスコの基準器公差は、全量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
全量 | 基準器公差 |
1デシリットル | 0・2ミリリットル |
2デシリットル | 0・4ミリリットル |
5デシリットル | 0・5ミリリットル |
1リットル | 1ミリリットル |
2リットル | 2ミリリットル |
5リットル | 3ミリリットル |
10リットル | 5ミリリットル |
二 基準ビュレットの基準器公差は、全量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
全量 | 基準器公差 |
1デシリットル以下 | 0・2ミリリットル |
2デシリットル以下 | 0・4ミリリットル |
5デシリットル以下 | 0・5ミリリットル |
1リットル以下 | 1ミリリットル |
2リットル以下 | 2ミリリットル |
三 基準ガスメーターの基準器公差は、1000分の15とする。
四 基準水道メーター及び基準燃料油メーターの基準器公差は、200分の1とする。
五 基準タンク及び基準体積管の基準器公差は、最少測定量を超える量に応ずるものは、真実の体積の200分の1、最少測定量以下の量に応ずるものは、最少測定量の200分の1とする。
第3節 検査方法
第1款 基準フラスコ等
(目盛線の検査)
第228条 基準フラスコ等の目盛線が第156条第7項の規定に適合するかどうかの検査は、その目盛線の最も高い位置及び最も低い位置における体積を計って行い、それらの体積とその目盛線が表す体積との差がその体積に応ずる基準器公差に相当する体積の範囲内にあるときは、その基準フラスコ等は、同項の規定に適合するものとする。
(機構及び作用の検査)
第229条 基準フラスコ等が第161条第1項の規定に適合するかどうかの検査は、特定標準器等を用いて行う。
第230条 基準ビュレットに付されたコックが第162条第1項の規定に適合するかどうかの検査は、コックをあらかじめ布でぬぐって行う。
(器差の検査)
第231条 基準フラスコ等の器差の検査は、定置する形状のものにあっては、水平な定盤の上に置いて、取り付けて使用するものにあっては、その状態において、蒸留水を用いて行う。
2 基準フラスコ等の器差の検査は、温度の表記がないときは温度20度において、温度の表記があるときは表記された温度において行う。ただし、やむを得ない事由があるときは、常温において行うことを妨げない。
3 基準フラスコ等の器差の検査は、目盛線の上縁と液面の最下部について視定して行う。
4 前項の場合において、目盛線を視定するときは、水平視定により行う。
5 基準フラスコ等の器差の検査は、全量を表す目盛線及び任意の2箇所以上の目盛線について2回以上検査を行って、それぞれの平均値を算出して行う。
第232条 基準フラスコ等の器差の検査は、衡量法により行う。
2 衡量法は、基準フラスコ等に入れた水の質量及び温度を特定標準器等により計って行う。この場合において、基準フラスコにあっては、これに満たした水を徐々に排出し、20秒間口縁を下にして放置した後に行う。
(器差の算出)
第233条 基準フラスコ等の器差は、衡量法によるときは、次の式により真実の体積を算出するものとする。
Q=(W/d){1+ρ((1/d)−(1/δ))+a(T−t)}Qは、真実の体積(ミリリットル)
Wは、検査に使用する水と釣り合う特定標準器等の表す質量(グラム)
ρは、測定時の気温における空気の密度(グラム毎立方センチメートル)
dは、測定時の水の密度(グラム毎立方センチメートル)
δは、標準分銅の密度(8グラム毎立方センチメートル)
aは、検査を行う基準フラスコ等の体膨張係数(0・000025とする)
Tは、検査を行う基準フラスコ等に表記された温度(温度の表記がないときは、20度)
tは、測定時の水の温度(0・1度まで読むものとする。)
第2款 基準ガスメーター
(機構及び作用の検査)
第234条 基準ガスメーターが第174条の規定に適合するかどうかの検査は、漏えい検査装置を使用して行う。
2 基準ガスメーターが第182条の規定に適合するかどうかの検査は、表記された使用流量のうち最小のものにより行う。
(温度等の補正)
第235条 基準湿式ガスメーターが第176条の規定に適合するかどうかの検査は、基準湿式ガスメーターに同条に規定する流量でその計量室の体積に相当する体積の空気を通したときに、基準湿式ガスメーターの指示部が表す体積から特定標準器等又は基準器の示度が示す通過した空気の体積を減じ、その値に特定標準器等又は基準器の器差の補正、温度差の補正、湿度差の補正及び圧力差の補正を行って器差を算出して行う。
2 前項の規定は、第236条及び第240条の検査に準用する。
(器差の検査)
第236条 基準ガスメーターの器差の検査は、数個の検査を行う基準ガスメーターを検査台に取り付けて、基準ガスメーターに空気を通過させ、その示度と特定標準器等の示度とを比較して行う。
第237条 基準湿式ガスメーターの器差の検査は、あらかじめ、基準湿式ガスメーターを水平装置により水平な位置に保持し、液面の調整をして行う。
2 基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターの器差の検査は、その取付姿勢で行う。
(検査流量)
第238条 基準ガスメーターの検査流量は、表記された流量とする。
第239条 基準ガスメーターの器差の検査は、あらかじめ、検査流量のうち最大流量で当該基準ガスメーターに空気を通して行う。この場合において、その空気の体積は、基準湿式ガスメーターにあっては計量室の体積の10倍、基準湿式ガスメーター以外の基準ガスメーターにあっては目量の100倍以上とする。
第240条 基準ガスメーターの器差の検査は、基準ガスメーターの指示機構の表示部により任意の基準点を定め、基準ガスメーターの検査流量で検査を行う基準ガスメーターに空気を通して、その指示量から特定標準器等の示度が示す通過した空気の体積を減じて器差を算出して行う。この場合において、アナログ指示機構を有する基準ガスメーターにあっては、その表示部が整数回回転したときの指示量により、器差を算出する。
2 前項の検査において、基準ガスメーターに通す空気の体積は、検査流量ごとに5分間量(20リットル以下の基準湿式ガスメーターであって、その量が100リットルを超える場合は、100リットル)以上とする。
3 第1項の検査は、基準点を2とり、同一の指示量に対する基準点ごとに算出した器差の平均値(以下「基準点の器差」という。)に、検査を行う基準ガスメーターと特定標準器等との温度差及び圧力差の補正並びに空気中の水蒸気の質量の変化による補正をして行う。
4 基準点及び特定標準器等の示度を自動的に読み取ることができる装置を用いて第1項の検査を行う場合にあっては、前項の規定にかかわらず、基準点を1とすることを妨げない。
5 第1項の検査は、同一の検査流量について6回以上行い、その平均値を基準ガスメーターの器差とする。
(温度差の補正)
第241条 基準ガスメーターの器差の検査における温度差の補正は、温差補正計等により行う。
2 前項の温度差の補正は、基準ガスメーターに空気を通した直後及び空気を止める直前における特定標準器等の温差補正計の示度の平均値から、基準ガスメーターの温差補正計の示度の平均値を減じて得た値(温度計を用いる場合にあっては、2・73度の温度差を1パーセントとして換算した値)を基準ガスメーターの器差に加えたものを、基準点の器差に加えて行う。
(圧力差の補正)
第242条 基準ガスメーターの器差の検査における圧力差の補正は、空気の通過中における基準ガスメーターの空気の圧力から、特定標準器等の空気の圧力を減じて得た圧力差を、10パスカルの圧力差を0・01パーセントとして換算して、基準ガスメーターの器差に加えて行う。
第3款 基準水道メーター
(機構及び作用の検査)
第243条 基準水道メーターが第189条の規定に適合するかどうかの検査は、表記された使用流量のうち最小のものにより行う。
第244条 基準水道メーターが第190条の規定に適合するかどうかの検査は、表記された圧力より10パーセント大きい圧力の水で、5分間加圧して行う。
(器差の検査)
第245条 基準水道メーターの器差の検査は、表記された使用流量により行う。
2 基準水道メーターの器差の検査は、その取付姿勢の標識が付されているものは、その取付姿勢で行う。
第246条 基準水道メーターの器差の検査は、あらかじめ、その基準水道メーターに表記された使用流量のうち最大の流量で5分間以上水を通してから行う。
第247条 基準水道メーターの器差の検査は、基準水道メーターの指示機構の表示部により任意の基準点を定め、基準水道メーターの検査流量で検査を行う基準水道メーターに水を通して、その指示量から特定標準器等の示度が示す通過した水の体積を減じて器差を算出して行う。この場合において、アナログ指示機構を有する基準水道メーターにあっては、その表示部が整数回回転したときの指示量により、器差を算出する。
2 前項の検査において、基準水道メーターに通す水の体積は、その基準水道メーターに表記された使用流量ごとに目量の200倍以上とする。
3 第1項の検査は、基準点を2とり、基準点の器差を算出して行う。
4 基準点及び特定標準器等の示度を自動的に読み取ることができる装置を用いて第1項の検査を行う場合にあっては、前項の規定にかかわらず、基準点を1とすることを妨げない。
5 第1項の検査は、同一の検査流量について6回以上行い、その平均値を基準水道メーターの器差とする。
第4款 基準燃料油メーター
(機構及び作用の検査)
第248条 基準燃料油メーターが第199条の規定に適合するかどうかの検査は、表記された使用流量のうち最小のものにより行う。
第249条 使用するときの圧力の表記がある基準燃料油メーターが第200条の規定に適合するかどうかの検査は、表記された圧力より10パーセント大きい圧力の試験液(被計量物又はこれと同等以上の粘度を有する液体をいう。以下この章において同じ。)で5分間加圧して行う。
(器差の検査)
第250条 基準燃料油メーターの器差の検査は、表記された使用流量により行う。
2 基準燃料油メーターの器差の検査は、その取付姿勢の標識が付されているものは、その取付姿勢で行う。
第251条 基準燃料油メーターの器差の検査は、表記された被計量物に応ずる試験液(被計量物が重油の場合にあっては、0・01パスカル秒を超え0・1パスカル秒以下の重質油)を用いて行う。
2 前項の検査は、比較法又は衡量法により行う。
第252条 基準燃料油メーターの器差の検査は、あらかじめ、その基準燃料油メーターに表記された使用流量のうち最大の流量で5分間以上試験液を通してから行う。
第253条 基準燃料油メーターの器差の検査は、基準燃料油メーターの指示機構の表示部により任意の基準点を定め、基準燃料油メーターの検査流量で検査を行う基準燃料油メーターに試験液を通して、その指示量から特定標準器等の示度が示す通過した試験液の体積を減じて器差を算出して行う。この場合において、アナログ指示機構を有する基準燃料油メーターにあっては、その表示部が整数回回転したときの指示量により、器差を算出する。
2 前項の検査において通す試験液の体積は、その基準燃料油メーターに表記された使用流量ごとに目量の200倍以上とする。
3 第1項の検査は、基準点を2とり、基準点の器差を算出して行う。
4 基準点及び特定標準器等の示度を自動的に読み取ることができる装置を用いて第1項の検査を行う場合にあっては、前項の規定にかかわらず、基準点を1とすることを妨げない。
5 第1項の検査においては、同一の使用流量について6回以上行い、その平均値を基準燃料油メーターの器差とする。
第5款 基準タンク
(材質の検査)
第254条 基準タンクが第206条の規定に適合するかどうかの検査は、全量に相当する体積の液体を入れて約30分間放置して行う。
(器差の検査)
第255条 基準タンクの器差の検査は、常温の水によって行う。ただし、使用中のものにあっては、この限りでない。
第256条 基準タンクの器差の検査は、タンクに水平装置を有するものにあっては、水平装置により水平な位置に保持し、定置してあるものにあっては、その状態で行う。
第257条 基準タンクの器差の検査は、比較法又は衡量法により行う。
2 比較法は、特定標準器等(第4項に規定するものにあっては、基準器)により、検査を行う基準タンクに注入され又は検査を行う基準タンクから排出された水その他の液体を計量して行う。
3 衡量法は、特定標準器等により、検査を行う基準タンクに注入され又は検査を行う基準タンクから排出された水その他の液体の質量及び密度を測定して行う。
4 全量が1000リットル未満の液体メーター用基準タンクであって、水道メーター、温水メーター又は積算熱量計の検定に使用するもの並びに全量が25リットル未満の液体メーター用基準タンクであって、燃料油メーターの検定に用いるものについては、比較法により器差の検査を行う。
第6款 基準体積管
(材質の検査)
第258条 ガスメーター用基準体積管が第220条第2項の規定に適合するかどうかの検査は、全量に相当する体積で圧力500パスカルの空気又はガスを密封し、30分間放置して行う。この場合において、30分後の圧力の低下が、20パスカル以下であるときは、そのガスメーター用基準体積管は、同項の規定に適合するものとする。
(器差の検査)
第259条 基準体積管の器差の検査は、次の各号に定める方法により行う。
一 基準パイププルーバーについては、比較法又は衡量法
二 基準ピストンプルーバーについては、測長法、比較法又は衡量法
三 基準ベルプルーバーについては、測長法又は衡量法
第260条 比較法及び衡量法は、常温の水又は蒸留水により行う。ただし、使用中のものにあっては、この限りでない。
2 比較法は、特定標準器等により、検査を行う基準体積管に注入され又は検査を行う基準体積管から排出された水又は蒸留水その他の試験液を計量して行う。
3 衡量法は、特定標準器等により、検査を行う基準体積管に注入され又は検査を行う基準体積管から排出された水又は蒸留水その他の試験液の質量及び密度を計量して行う。
第261条 基準体積管の器差の検査は、水平装置を有するものにあっては、水平装置により水平な位置に保持して、定置してあるものにあっては、その状態で行う。
第7章 密度基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 通則
(表記)
第262条 密度基準器の主な目盛線には、その表す密度の値が表記されていなければならない。
2 密度基準器は、その見やすい箇所に、示度の視定の方法が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第263条 密度基準器の目盛線は、その中心線によって密度を表すように付されていなければならない。
2 密度基準器の目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
3 密度基準器の最上端の目盛線は、けい部の上端から15ミリメートル以上、最下端の目盛線は、けい部が胴部に移る箇所から上方に5ミリメートル以上離れていなければならない。
4 密度基準器の目盛線は、その長さがけい部の全周の長さの5分の1を超えなければならない。
5 密度基準器の目盛線は、その太さが0・1ミリメートルから0・5ミリメートルまでの範囲内にあって、かつ、目幅の5分の1以下でなければならない。
6 密度基準器の目盛線は、当該密度基準器を液体に浮かべたときに、水平面に対し角度3度以上傾斜してはならない。
7 密度基準器の目幅は、0・5ミリメートルを超えるものでなければならない。
(標準温度)
第264条 密度基準器の目盛線は、温度15度の場合を標準として付されたものでなければならない。
(材質)
第265条 密度基準器に使用されている材料は、透明なガラスでなければならない。
2 密度基準器の材料に使用されているガラスの体膨張係数の値は、0・00002から0・00003までの範囲内になければならない。ただし、体膨張係数の値を当該密度基準器に表記する場合は、この限りでない。
3 密度基準器は、その材料に使用されているガラスに傷、気泡及びひずみ等があるため、当該密度基準器が表す示度の読み取り難いもの又はつめで押してつぶれる気泡があるものであってはならない。
(機構及び作用)
第266条 密度基準器は、けい部の内側に目盛紙を入れたものでなければならない。
第267条 密度基準器は、けい部の内面と目盛紙との間に間げきがあるため、示度の視定の際に誤認のおそれがあるものであってはならない。
第268条 密度基準器は、目盛紙が離脱しないものでなければならない。
第269条 密度基準器は、胴部の下に散弾、水銀その他の重量付加物を入れるおもり室を有するものにあっては、重量付加物がおもり室の外に出るものであってはならない。
第270条 密度基準器は、液体に浮かべて静止させたときに、鉛直線に対して角度3度以上傾斜するものであってはならない。
第271条 密度基準器のけい部は、その軸に垂直な切断面が円形でなければならない。
第2款 基準密度浮ひょう
(目盛標識)
第272条 基準密度浮ひょうは、600キログラム毎立方メートルから2000キログラム毎立方メートルまでのうち、一定の範囲の密度を表す目盛線が付されたものでなければならない。
2 基準密度浮ひょうは、目量が0・2キログラム毎立方メートル又は0・5キログラム毎立方メートルのものでなければならない。
第273条 基準密度浮ひょうは、密度を表す目盛線以外の目盛線が付されたものであってはならない。
第3款 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計
(表記)
第274条 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計には、その見やすい箇所に、液化石油ガス用である旨が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第275条 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計は、470キログラム毎立方メートルから650キログラム毎立方メートルまでのうち、一定の範囲の密度を表す目盛線が付されたものでなければならない。
2 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計は、目量が1キログラム毎立方メートル又は2キログラム毎立方メートルのものでなければならない。
(機構)
第276条 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計は、密度を計るときに、くぼみが生じ、又は破損するおそれがあるものであってはならない。
第277条 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計は、密度を表す目盛線以外の目盛線が付されたものであってはならない。ただし、胴部に封入されている温度計の目盛線については、この限りでない。
第278条 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計の胴部に封入されている温度計は、零度から40度までの範囲の温度を表す目盛線が付されたものであって、かつ、目量が1度以下のものでなければならない。
2 前項の温度計は、器差が0・5度を超えるものであってはならない。
第2節 基準器公差
(密度基準器の基準器公差)
第279条 基準密度浮ひょうの基準器公差は、目量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 基準器公差 |
0・2キログラム毎立方メートル | 0・5キログラム毎立方メートル |
0・5キログラム毎立方メートル | 1キログラム毎立方メートル |
2 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計の基準器公差は、目量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 基準器公差 |
1キログラム毎立方メートル | 1キログラム毎立方メートル |
2キログラム毎立方メートル | 2キログラム毎立方メートル |
第280条 基準密度浮ひょうが基準器検査に合格し、かつ、基準器検査成績書の記載により、検査を行った後3年を経過したことが明らかであるときは、基準器公差は、目量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 基準器公差 |
0・2キログラム毎立方メートル | 1キログラム毎立方メートル |
0・5キログラム毎立方メートル | 2キログラム毎立方メートル |
2 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計が基準器検査に合格し、かつ、基準器検査成績書の記載により、検査を行った後3年を経過したことが明らかであるときは、基準器公差は、目量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 基準器公差 |
1キログラム毎立方メートル | 2キログラム毎立方メートル |
2キログラム毎立方メートル | 4キログラム毎立方メートル |
第3節 検査方法
(機構及び作用の検査)
第281条 密度基準器の目盛紙が第267条及び第268条の規定に適合するかどうかの検査は、密度基準器に手の平で上下に軽く振動を与えて、その目盛紙がけい部に密着しているかどうか又は脱落するおそれがあるかどうかについて行う。
第282条 液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計が第276条の規定に適合するかどうかの検査は、検査を行う液化石油ガス用基準浮ひょう型密度計に1メガパスカルの圧力を加えて行う。ただし、500キログラム毎立方メートル未満の密度を表す目盛線の付されたものについては、1・5メガパスカルの圧力を加えて行う。
(器差の検査)
第283条 密度基準器の器差の検査は、計ることができる最大及び最小の密度を表す目盛線並びに任意の1以上の目盛線について行う。ただし、計ることができる最大又は最小の密度を表す目盛線についての器差の検査が困難なときは、できるだけそれに近い目盛線について行う。
第284条 密度基準器の器差の検査は、検査を行う目盛線について2回以上測定し、その平均値を求めて行う。
第285条 密度基準器の器差の検査は、特定標準器等及び当該密度基準器を、検査を行う目盛線の表す密度と同一の密度の検査液中に浮かべて、その示度を比較して行う。
2 密度基準器の器差の検査において、当該密度基準器の検査を行う目盛線の表す密度と同一の密度の検査液を使用することができないときは、次の各号に定める式により器差を算出する。
一 1000キログラム毎立方メートル以下の密度を表す目盛線の器差を算出する場合
器差=R−{ (((W1(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T’)/((W1+P)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T))(δ−σ)+ρ} { 1+0.000025(t−15)}Rは、検査を行う目盛線の表す密度(キログラム毎立方メートル)
W1は、検査を行う密度基準器の重さに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
Pは、検査を行う密度基準器に巻き付けたおもりを針金で特定標準器等に釣り、水中に沈ませたときの重さに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
Dは、密度基準器の検査を行う目盛線がある箇所におけるけい部の直径(メートル)
Tは、水の表面張力(ニュートン毎メートル)
T’は、液体の表面張力(ニュートン毎メートル)
tは、水の温度
δは、温度tのときの水の密度(キログラム毎立方メートル)
ρは、検査を行うときの空気の密度(キログラム毎立方メートル)
σは、特定標準器等の密度(キログラム毎立方メートル)
二 1000キログラム毎立方メートルを超える密度を表す目盛線の器差を算出する場合
器差=R−{ (((W0−ω)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T’)/((W0−W)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T))(δ−σ)+ρ} { 1+0.000025(t−15)}W0は、密度ρの空気中で、質量ωの針金でつった密度基準器の重さに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
Wは、質量ωの針金で密度基準器を水中につり、ちょうどその示度がRを示すようにしたときに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
第286条 密度基準器の器差の検査に使用する検査液は、検査を行う密度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
検査を行う密度 | 検査液 |
650キログラム毎立方メートルから700キログラム毎立方メートルまで | 石油エーテル、エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液 |
700キログラム毎立方メートルから730キログラム毎立方メートルまで | エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液 |
730キログラム毎立方メートルから800キログラム毎立方メートルまで | 酒精とエチルエーテルとの混合液 |
800キログラム毎立方メートルから1000キログラム毎立方メートルまで | 水と酒精との混合液 |
1000キログラム毎立方メートルから1850キログラム毎立方メートルまで | 硫酸と水との混合液 |
1600キログラム毎立方メートル以上 | 硝酸第2水銀と硝酸との混合液 |
第287条 密度基準器の器差の検査は、検査を行う前に特定標準器等及び密度基準器を酒精又はエチルエーテルで洗浄した後に、当該特定標準器等及び当該密度基準器の表面の温度を通常の温度に戻してから行う。
2 密度基準器の器差の検査は、よく洗浄した容器に検査液を入れてかくはんし、気泡の上昇がやみ、液面が静止した後に行う。
3 密度基準器の器差の検査は、検査液の温度を室温に近い温度に保って行う。
第8章 圧力基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 基準液柱型圧力計
(表記)
第288条 基準液柱型圧力計には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 計ることができる圧力の範囲
二 目量
三 使用する液体の種類
2 基準液柱型圧力計の主な目盛線には、その表す圧力の値が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第289条 基準液柱型圧力計の目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
2 基準液柱型圧力計の目盛線は、その中心線によって圧力を表すように付されていなければならない。
3 基準液柱型圧力計の目盛線は、その太さが0・1ミリメートル以上で、かつ、目幅の5分の1以下でなければならない。
4 基準液柱型圧力計の目盛線は、使用する液体が水銀であるときは、液面の最上部にある示度により、水銀以外の液体であるときは、液面の最下部にある示度により付されていなければならない。
5 基準液柱型圧力計の目盛間隔は、0・5ミリメートル以上でなければならない。
(標準温度)
第290条 基準液柱型圧力計の目盛線は、温度20度の場合を標準として付されたものでなければならない。ただし、20度以外の温度を標準として付されたものであって、その標準とする温度が表記されたものについては、この限りでない。
第291条 目盛板に2種類以上の計量単位による目盛標識が付されている基準液柱型圧力計は、同一の圧力を表す目盛線の高さが同じでなければならない。この場合において、基準器公差の3分の1に相当する高さ以内の誤差のあることを妨げない。
(機構及び作用)
第292条 基準液柱型圧力計は、液体が漏えいしないものでなければならない。
2 基準液柱型圧力計は、計ることができる最大の圧力が220キロパスカル以下のものでなければならない。
第293条 基準液柱型圧力計は、水平装置を有するものでなければならない。
2 単管式基準液柱型圧力計は、基点を調整する装置を有するものでなければならない。
第294条 基準液柱型圧力計のガラス管又はプラスチック管(以下この章において「ガラス管等」という。)は、継ぎ目の不完全、気泡、傷及びひずみ等があってはならない。
2 基準液柱型圧力計のガラス管等は、目盛標識を付した部分が直線状でなければならない。
第295条 基準液柱型圧力計のガラス管等の内壁は、清浄でなければならない。
2 基準液柱型圧力計は、圧力を計るときに、使用する液体の移動が円滑であるものでなければならない。
第296条 基準液柱型圧力計に使用される液体は、不純物及びちり等の異物を含有していないものでなければならない。
第2款 基準重錘型圧力計
(表記)
第297条 基準重錘型圧力計には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 最大限界圧力(基準器公差を超えない誤差の範囲内において計ることができる最大の圧力をいう。以下この章において同じ。)の値
二 最小限界圧力(基準器公差を超えない誤差の範囲内において計ることができる最小の圧力をいう。以下この章において同じ。)の値
三 圧力媒体となる流体の種類
第298条 基準重錘型圧力計に使用する重錘(重錘付ピストンを含む。以下この章において同じ。)には、その見やすい箇所に、その重錘により生ずる圧力の値及び器物番号が表記されていなければならない。
2 基準重錘型圧力計の重錘には、同一圧力を生ずる重錘が2以上ある場合には、それらの見やすい箇所に、相互に識別することができるような標識が表記されていなければならない。
(材質)
第299条 基準重錘型圧力計のピストン及びシリンダーに使用されている材料は、容易に摩耗しないものでなければならない。
(機構及び作用)
第300条 基準重錘型圧力計のピストン及び重錘は、さび及び傷等により、それらの質量が著しく変化するものであってはならない。
第301条 基準重錘型圧力計は、その最小限界圧力が最大限界圧力の5分の1以下のものでなければならない。
2 基準重錘型圧力計は、その最大限界圧力が250メガパスカル以下のものでなければならない。
第302条 基準重錘型圧力計のピストンの直径は、均一でなければならない。
第303条 表記された圧力媒体が液体である基準重錘型圧力計のピストンは、表記された最大限界圧力を加えたときに、その降下する速さが、その最大限界圧力に応じ、それぞれ次の表のとおりでなければならない。
最大限界圧力 | 降下する速さ(1分間当たり) |
5メガパスカル以下 | 1ミリメートル以下 |
5メガパスカルを超えるとき | 2ミリメートル以下 |
第304条 表記された圧力媒体が気体である基準重錘型圧力計(ピストンの形状が球形であるものを除く。)のピストンは、表記された最大限界圧力を加えたときに、その降下する速さが5ミリメートル毎分以下でなければならない。
第305条 表記された圧力媒体が液体である基準重錘型圧力計のピストンは、表記された最小限界圧力で円滑に回転し、かつ、表記された最大限界圧力の3分の1の圧力を加えて回転させたときに、20秒以上円滑に回転するものでなければならない。
第306条 表記された圧力媒体が気体である基準重錘型圧力計(ピストンの形状が球形であるものを除く。)のピストンは、表記された最小限界圧力で円滑に回転し、表記された最大限界圧力の3分の1の圧力を加えて回転させたときに、1分間以上円滑に回転するものでなければならない。
第307条 基準重錘型圧力計の重錘(重錘付ピストンを除く。)は、重錘付ピストンに載せたときに、その重心がピストンの中心線上にあるものでなければならない。この場合において、表記された最大限界圧力を加えたときに、重錘の重心にピストンの中心線から5ミリメートル以内のずれがあることを妨げない。
第308条 基準重錘型圧力計は、その最大限界圧力の1・2倍の圧力を十分間加えたときに、そのバルブ、圧力計取付部若しくは加圧ポンプ等が変形し、又は圧力媒体となる流体が著しく漏えいするものであってはならない。
第309条 基準重錘型圧力計は、水準器を有するものでなければならない。
第2節 基準器公差
(基準液柱型圧力計の基準器公差)
第310条 基準液柱型圧力計の基準器公差は、最小の目量が、計ることができる最大の圧力(以下この章において「最大測定圧力」という。)の400分の1の値より大きいか又はそれに等しい場合は、最大測定圧力の400分の1の値とし、目量が最大測定圧力の400分の1の値より小さい場合は、最小の目量とする。
(基準重錘型圧力計の基準器公差)
第311条 基準重錘型圧力計の基準器公差は、500分の1とする。
第3節 検査方法
第1款 通則
(検査の条件)
第312条 圧力基準器の検査は、当該圧力基準器を水平に設置した後に、常温で行う。
第2款 基準液柱型圧力計
(機構及び作用の検査)
第313条 基準液柱型圧力計が第292条の規定に適合するかどうかの検査は、計ることができる最大の圧力で十分間加圧して行う。
2 前項の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
(器差の検査)
第314条 基準液柱型圧力計の器差の検査は、任意の2箇所以上の目盛線について行う。
2 前項の検査は、使用する液体が水銀であるときは液面の最上部、水銀以外の液体であるときは液面の最下部の示度により行う。
3 第1項の検査において、示度を読み取るときは、目盛線の付されている面に視線が垂直になる位置において、その正面から視定する。
第3款 基準重錘型圧力計
(機構及び作用の検査)
第315条 基準重錘型圧力計のピストンが第302条の規定に適合するかどうかの検査は、ピストンの次の各号に掲げる部分の先端に近い一端から、その部分の長さのそれぞれ5パーセント、20パーセント、40パーセント及び60パーセントの距離を取った位置におけるピストンの直径につき、その円周をほぼ3等分した点においてそれぞれ2回ずつ計った値の平均値により行う。
一 逃げ溝のないピストンにあっては、その先端より上部ねじの基部までの部分
二 2の逃げ溝があるピストンにあっては、その下部の逃げ溝の上縁から上部の逃げ溝の下縁までの部分
三 一の逃げ溝があるピストンにあっては、その逃げ溝の上縁から上部ねじの基部までの部分
四 逃げ溝があるシリンダーと組み合わされて用いるピストンにあっては、その先端から当該ピストンを最下降位置に置いたときに、シリンダーの逃げ溝の先端に接する位置までの部分
2 球形のピストンが第302条の規定に適合するかどうかの検査は、ピストンの直径につき異なった軸方向の6箇所において、それぞれ2回ずつ計った値の平均値により行う。
3 前2項の検査において、平均値のうち最大のものの値と最小のものの値との差は、最大のものの値の1000分の1以内になければならない。
第316条 基準重錘型圧力計のピストンが、第303条又は第304条の規定に適合するかどうかの検査は、最大限界圧力を加え、ストップバルブを閉じて圧力をシリンダーの内部に保持した後に、ピストンをその可動範囲の約半分の高さに置き、当該ピストンを緩く回転させながら放し、当該ピストンが1分間降下する間における速度を測定して行う。
(基準重錘型圧力計の器差)
第317条 基準重錘型圧力計の器差は、その重錘に表記された圧力の値から、その重錘に働く重力の大きさをピストンの断面積のうち最大のもの(ピストンの形状が球形のものにあっては、平均直径から算出した断面積)で除した値を減じて算出する。
第9章 削除
第318条 削除
第319条 削除
第320条 削除
第321条 削除
第322条 削除
第323条 削除
第324条 削除
第325条 削除
第326条 削除
第327条 削除
第328条 削除
第329条 削除
第10章 電気基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 基準電流計等
(表記)
第330条 基準電流計及び基準電圧計(以下「基準電流計等」という。)には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 基準電流計又は基準電圧計である旨
二 型の記号
三 計量範囲の上限(複数の計量範囲を有するものにあっては、計量範囲ごとのその上限)
(零位調整器)
第331条 基準電流計等の零位調整器は、容易に零位の調整ができるものでなければならない。
(安定性)
第332条 基準電流計等は、器差が安定したものでなければならない。
(絶縁抵抗)
第333条 基準電流計等の電気回路とベースとの間の絶縁抵抗は、通常の使用状態において、漏電するものであってはならない。
(自己加熱特性)
第334条 基準電流計等は、自己加熱の前後の器差の差が0・15パーセントを超えるものであってはならない。
(温度特性)
第335条 基準電流計等は、10度の温度変化による器差の差が0・2パーセントを超えるものであってはならない。
第2款 基準電圧発生器
(表記)
第336条 基準電圧発生器には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 基準電圧発生器である旨
二 型の記号
三 出力電圧が1・018ボルト又は10ボルトである旨
2 基準電圧発生器の端子には、正負を表す記号又は色が付されていなければならない。
(安定性)
第337条 基準電圧発生器は、出力電圧が安定したものでなければならない。
(温度特性)
第338条 基準電圧発生器は、温度変化による出力電圧の変化が表記された出力電圧の0・002パーセントを超えるものであってはならない。
第3款 基準抵抗器
(表記)
第339条 基準抵抗器には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 基準抵抗器である旨
二 電気抵抗の公称値(以下この章において単に「公称値」という。)
(機構)
第340条 基準抵抗器は、密閉型のものであって、電流端子及び電圧端子を有するものでなければならない。
(安定性)
第341条 基準抵抗器は、電気抵抗が安定したものでなければならない。
(自己加熱特性)
第342条 基準抵抗器は、自己加熱の前後の電気抵抗の差が公称値の0・002パーセントを超えるものであってはならない。
(温度係数)
第343条 基準抵抗器は、温度25度における1次温度係数が公称値のマイナス0・001パーセントからプラス0・002パーセントまでの範囲内にあるものでなければならない。
第4款 基準電力量計
(表記)
第344条 基準電力量計には、その見やすい箇所に、次に掲げる事項が表記されていなければならない。
一 1級基準電力量計、2級基準電力量計又は3級基準電力量計である旨
二 型の記号
三 使用回路の相及び線式
四 定格電流、定格電圧及び定格周波数
五 計器定数
(安定性)
第345条 基準電力量計は、器差が安定したものでなければならない。
(絶縁抵抗)
第346条 基準電力量計の電気回路とベースとの間及び電気回路間の絶縁抵抗は、通常の使用状態において、漏電するものであってはならない。
(電流特性)
第347条 基準電力量計は、負荷電流の変化による器差の差が、1級基準電力量計にあっては0・2パーセント、2級基準電力量計にあっては0・3パーセント、3級基準電力量計にあっては1・0パーセントを超えるものであってはならない。
(電圧特性)
第348条 基準電力量計は、定格電圧の10パーセントの電圧の変化による器差の差が、1級基準電力量計にあっては0・1パーセント、2級基準電力量計にあっては0・3パーセント、3級基準電力量計にあっては1・0パーセントを超えるものであってはならない。
(自己加熱特性)
第349条 基準電力量計は、自己加熱の前後の器差の差が、次の表の上欄に掲げる種類に応じ、同表の中欄に掲げる自己加熱の時間ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる限度を超えるものであってはならない。
種類 | 自己加熱の時間 | 限度(パーセント) |
1級基準電力量計 | 30分まで | 0・1 |
30分から120分まで | 0・05 | |
2級基準電力量計 | 30分まで | 0・2 |
30分から120分まで | 0・05 | |
3級基準電力量計 | 30分まで | 0・5 |
30分から120分まで | 0・2 |
(温度特性)
第350条 基準電力量計は、10度の温度変化による器差の差が、次の表の上欄に掲げる種類に応じ、同表の中欄に掲げる力率ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる限度を超えるものであってはならない。
種類 | 力率 | 限度(パーセント) |
1級基準電力量計 | 0・5及び1 | 0・1 |
2級基準電力量計 | 0・5及び1 | 0・2 |
3級基準電力量計 | 0・5 | 0・5 |
1 | 0・4 |
(周波数特性)
第351条 基準電力量計は、定格周波数の5パーセントの周波数の変化による器差の差が、次の表の上欄に掲げる種類に応じ、同表の中欄に掲げる力率ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる限度を超えるものであってはならない。
種類 | 力率 | 限度(パーセント) |
1級基準電力量計 | 0・5及び1 | 0・1 |
2級基準電力量計 | 0・5及び1 | 0・6 |
3級基準電力量計 | 0・5 | 1・5 |
1 | 1・0 |
第2節 基準器公差
(電気基準器の基準器公差)
第352条 電気基準器の基準器公差は、次の各号に定めるところによる。
一 基準電流計等の基準器公差は、計量範囲の上限の1000分の2とする。
二 基準電圧発生器の基準器公差は、表記された出力電圧の10万分の4とする。
三 基準抵抗器の基準器公差は、公称値の1万分の5とする。
四 1級基準電力量計の基準器公差は、1000分の2とする。
五 2級基準電力量計の基準器公差は、1000分の5とする。
六 3級基準電力量計の基準器公差は、1000分の10とする。
第3節 検査方法
第1款 基準電流計等
(零位調整器の検査)
第353条 基準電流計等の零位調整器が第331条の規定に適合するかどうかの検査は、電流等(基準電流計にあっては電流、基準電圧計にあっては電圧をいう。以下この款において同じ。)を加えない場合において、表示を計量範囲の2パーセント以上10パーセント以下の範囲内で変更することによって零にできるかどうかにより行う。ただし、自動的に零位の調整ができるものにあっては、この限りでない。
(安定性の検査)
第354条 基準電流計等が第332条の規定に適合するかどうかの検査は、計量範囲の上限に相当する電流等を加えた場合において、器差を2回測定し、その差を算出して行う。この場合において、その算出した差は、0・05パーセントを超えるものであってはならない。
(絶縁抵抗の検査)
第355条 基準電流計等が第333条の規定に適合するかどうかの検査は、500ボルトの直流電圧を加え、絶縁抵抗が5メガオーム以上あるかどうかにより行う。
(自己加熱特性の検査)
第356条 基準電流計等が第334条の規定に適合するかどうかの検査は、計量範囲の上限に相当する電流等を加えた場合において、その直後と15分後の器差を測定し、その差を算出して行う。
(温度特性の検査)
第357条 基準電流計等が第335条の規定に適合するかどうかの検査は、計量範囲の上限に相当する電流等を加えた場合において、温度10度、20度及び30度の器差を測定し、温度10度と20度及び20度と30度のそれぞれの器差の差を算出して行う。
(検査の省略)
第358条 第354条及び前2条の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
(器差の検査)
第359条 基準電流計等の器差の検査は、計量範囲の上限の20パーセント、40パーセント、60パーセント、80パーセント及び100パーセントに相当する電流等を加えた場合において、基準電圧発生器及び基準抵抗器が表す電流等との差を測定して行う。
第2款 基準電圧発生器
(安定性の検査)
第360条 基準電圧発生器が第337条の規定に適合するかどうかの検査は、特定標準器等により、出力電圧を2回計量し、その差を算出して行う。この場合において、その算出した差は、表記された出力電圧の0・004パーセントを超えるものであってはならない。
(温度特性の検査)
第361条 基準電圧発生器が第338条の規定に適合するかどうかの検査は、温度を25度、20度及び25度と変化させた場合の前後の25度における出力電圧並びに温度を25度、30度及び25度と変化させた場合の前後の25度における出力電圧を計量し、それぞれの前後の25度における出力電圧の差の表記された出力電圧に対する100分率を算出して行う。
(検査の省略)
第362条 前2条の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
第3款 基準抵抗器
(安定性の検査)
第363条 基準抵抗器が第341条の規定に適合するかどうかの検査は、特定標準器等により、その電気抵抗を2回計量し、その差を算出して行う。この場合において、その算出した差は、公称値の0・004パーセントを超えるものであってはならない。
(自己加熱特性の検査)
第364条 基準抵抗器が第342条の規定に適合するかどうかの検査は、1ワットの電力を15分間加えた場合において、その前後における電気抵抗を計量し、その差を算出して行う。
(温度係数の検査)
第365条 基準抵抗器が第343条の規定に適合するかどうかの検査は、温度20度、25度及び30度における電気抵抗を計量し、温度25度における1次温度係数を算出して行う。
(検査の省略)
第366条 前3条の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
第4款 基準電力量計
(安定性の検査)
第367条 基準電力量計が第345条の規定に適合するかどうかの検査は、次の表の上欄に掲げる種類に応じ、定格周波数、定格電圧、力率0・5及び同表の中欄に掲げる負荷電流の電力を加えた場合において、器差を20回繰り返し測定し、その測定値のうち最大のものと最小のものとの差を算出して行う。この場合において、その算出した差は、同表の下欄に掲げる限度を超えるものであってはならない。
種類 | 定格電流に対する負荷電流の100分率 | 限度 |
1級基準電力量計 | 100パーセント | 0・05パーセント |
2級基準電力量計 | 100パーセント | 0・1パーセント |
3級基準電力量計 | 20パーセント | 0・5パーセント |
(絶縁抵抗の検査)
第368条 基準電力量計が第346条の規定に適合するかどうかの検査は、500ボルトの直流電圧を加え、絶縁抵抗が5メガオーム以上あるかどうかにより行う。
(電流特性の検査)
第369条 基準電力量計が第347条の規定に適合するかどうかの検査は、定格周波数、定格電圧並びに力率0・5及び1並びに定格電流の20パーセント(3級基準電力量計の場合に限る。)、50パーセント、100パーセント及び120パーセントの負荷電流の電力を加えた場合において、器差を測定し、それぞれの力率において、その測定値のうち最大のものと最小のものとの差を算出して行う。
(電圧特性の検査)
第370条 基準電力量計が第348条の規定に適合するかどうかの検査は、定格周波数並びに定格電圧の90パーセント、100パーセント及び110パーセントの電圧並びに力率0・5及び1並びに定格電流の電力を加えた場合において、器差を測定し、それぞれの力率において、定格電圧の90パーセントと100パーセントの電圧を加えた場合及び定格電圧の100パーセントと110パーセントの電圧を加えた場合のそれぞれの器差の差を算出して行う。
(自己加熱特性の検査)
第371条 基準電力量計が第349条の規定に適合するかどうかの検査は、定格周波数、定格電圧、定格電流並びに力率0・5及び1の電力を加えた場合において、電力を加えた直後、30分後及び120分後の器差を測定し、電力を加えた直後と30分後及び30分後と120分後のそれぞれの器差の差を算出して行う。
(温度特性の検査)
第372条 基準電力量計が第350条の規定に適合するかどうかの検査は、定格周波数、定格電圧、同条の表の中欄に掲げる力率及び定格電流の電力を加えた場合において、温度10度、20度及び30度における器差を測定し、温度10度と20度及び20度と30度のそれぞれの器差の差を算出して行う。
(周波数特性の検査)
第373条 基準電力量計が第351条の規定に適合するかどうかの検査は、定格周波数の95パーセント、100パーセント及び105パーセントの周波数、定格電圧、同条の表の中欄に掲げる力率並びに定格電流の電力を加えた場合において、器差を測定し、それぞれの力率において、定格周波数の95パーセントと100パーセントの周波数の場合及び定格周波数の100パーセントと105パーセントの周波数の場合のそれぞれの器差の差を算出して行う。
(検査の省略)
第374条 第367条及び前5条の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
(器差の検査)
第375条 1級基準電力量計の器差の検査は、定格周波数、定格電圧、定格電流並びに力率0・5及び1の電力を加えて計量した電力量と特定標準器等が表す電力量との差を算出して行う。
2 2級基準電力量計及び3級基準電力量計の器差の検査は、定格周波数、定格電圧、定格電流(3級基準電力量計にあっては、定格電流の20パーセント、50パーセント及び100パーセントの負荷電流)並びに力率0・5及び1の電力を加えて計量した電力量と1級基準電力量計が表す電力量との差を算出して行う。
第11章 照度基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
(材質)
第376条 照度基準器に使用されているガラスは、無色透明のものでなければならない。
2 照度基準器の口金は、黄銅又はこれと同等以上の耐久力を有する材料にニッケルメッキをしたものでなければならない。
(機構)
第377条 照度基準器の口金は、ねじ込み形で、そのねじの外径が26・04ミリメートルから26・34ミリメートルまで、そのねじの谷の径が24・36ミリメートルから24・66ミリメートルまで、かつ、そのねじのピッチが3・629ミリメートルであるもの、又はそのねじの外径が39・05ミリメートルから39・50ミリメートルまで、そのねじの谷の径が36・55ミリメートルから37・00ミリメートルまで、かつ、そのねじのピッチが6・350ミリメートルであるものでなければならない。
第378条 照度基準器は、6ボルトから115ボルトまでの一定の電圧で、10カンデラから3000カンデラまでの一定の光度を表示し、かつ、そのときの分布温度が2846ケルビンから2866ケルビンまでの範囲内にあるものでなければならない。
2 前項の一定の電圧における光度の値とその電圧において引き続き10時間点灯した後の光度の値との差は、初めの値の0・5パーセントを超えるものであってはならない。
第2節 基準器公差
(照度基準器の基準器公差)
第379条 照度基準器の基準器公差は、その表示する光度の1000分の25とする。
第3節 検査方法
(器差の検査)
第380条 照度基準器の器差の検査は、6ボルトから115ボルトまでの一定の電圧で引き続き10時間点灯した後の光度及び分布温度を特定標準器等の表示する光度及び分布温度と比較して行う。
第12章 騒音基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
(付表)
第381条 騒音基準器には、次に掲げる事項を記載した表が付されていなければならない。
一 器物番号
二 周波数が、125ヘルツ、1000ヘルツ、4000ヘルツ及び8000ヘルツ(以下この章において「各周波数」と総称する。)についての音圧感度並びにその測定をした年月日
(機構及び作用)
第382条 騒音基準器は、その外径が23・72ミリメートル以上23・82ミリメートル以下又は12・65ミリメートル以上12・75ミリメートル以下のものでなければならない。
2 騒音基準器は、その音圧感度から自由音場感度を正確に算定できるものでなければならない。
(安定性)
第383条 騒音基準器は、音響的特性及び電気的特性が温度、湿度その他の外部条件に対して十分安定したものでなければならない。
第2節 基準器公差
(騒音基準器の基準器公差)
第384条 騒音基準器の基準器公差は、各周波数ごとに、第381条に規定する表に記載された音圧感度の値の1000分の35とする。
第3節 検査方法
(機構及び作用の検査)
第385条 騒音基準器が第382条第2項の規定に適合するかどうかの検査は、相互校正の方法により、検査を行う騒音基準器の音圧感度及び自由音場感度を求めて行う。
(安定性の検査)
第386条 騒音基準器が第383条の規定に適合するかどうかの検査は、周波数1000ヘルツにおける音圧感度を10日以内にそれぞれ24時間以上の間隔をおいて5回以上測定した場合に、その平均値に対する標準偏差の比及び温度変化1度当たりの音圧感度の変化率を求めて行う。この場合において、それぞれの値は、0・3パーセント以下でなければならない。
(検査の省略)
第387条 前2条の検査は、必要がないと認めるときは、省略することができる。
(器差の検査)
第388条 騒音基準器の器差の検査は、常温常湿常圧の環境下で、相互校正の方法により、検査を行う騒音基準器の各周波数ごとに求めた音圧感度と、第381条に規定する表に記載された音圧感度の値との差を求めて行う。
第13章 振動基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
(表記)
第389条 振動基準器に付属する信号変換器には、その見やすい箇所に、器物番号が表記されていなければならない。
(付表)
第390条 振動基準器には、次に掲げる事項を記載した表が付されていなければならない。
一 器物番号
二 信号変換器の器物番号
三 定格加速度(振動方向ごとの測定可能な最大加速度)
四 周波数が、4ヘルツ、6・3ヘルツ、8ヘルツ、16ヘルツ及び31・5ヘルツの各周波数(以下この章において「各周波数」と総称する。)についての感度及びその測定をした年月日(基準器検査の申請前3月以内に行ったものに限る。)
(機構及び作用)
第391条 振動基準器のピックアップは、その質量が700グラム以下のものでなければならない。
(安定性)
第392条 振動基準器の感度の安定性は、各周波数における感度を4回以上測定したとき、その平均値に対する標準偏差の2倍の値が100分の2以下のものでなければならない。
第2節 基準器公差
(振動基準器の基準器公差)
第393条 振動基準器の基準器公差は、各周波数ごとに、第390条に規定する表に記載された感度の値の100分の3とする。
第3節 検査方法
(安定性の検査)
第394条 振動基準器が第393条の規定に適合するかどうかの検査は、常温常湿の環境下において、第390条に規定する表に記載された定格加速度の90パーセント以下の振動加速度を加えて行う。
(器差の検査)
第395条 振動基準器の器差の検査は、常温常湿の環境下で、検査を行う振動基準器を振動台に取り付けて、各周波数で振動を与えたときに、当該振動基準器が表す感度と、第390条に規定する表に記載された感度の値との差を求めて行う。
第14章 濃度基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
(表記)
第396条 濃度基準器の主な目盛線には、その表す濃度の値が表記されていなければならない。
2 濃度基準器は、その見やすい箇所に、示度の視定の方法が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第397条 濃度基準器の目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
2 濃度基準器の目盛線は、その中心線によって濃度を表すように付されていなければならない。
3 濃度基準器の最上端の目盛線は、けい部の上端から15ミリメートル以上、最下端の目盛線は、けい部が胴部に移る箇所から上方に5ミリメートル以上離れていなければならない。
4 濃度基準器の目盛線は、その長さがけい部の全周の長さの5分の1を超えなければならない。
5 濃度基準器の目幅は、0・5ミリメートルを超えるものでなければならない。
6 濃度基準器の目盛線は、その太さが0・1ミリメートルから0・5ミリメートルまでの範囲内にあって、かつ、目幅の5分の1以下でなければならない。
7 濃度基準器の目盛線は、当該濃度基準器を液体に浮かべたときに、水平面に対し角度3度以上傾斜するものであってはならない。
8 濃度基準器は、目量が0・一体積100分率のものでなければならない。
9 濃度基準器は、濃度を表す目盛標識以外の目盛標識が付されたものであってはならない。
第398条 濃度基準器は、酒精と水との混合液の温度15度における酒精の濃度について、零体積100分率から100体積100分率までのうち一定の範囲のものを表す目盛線が付されたものでなければならない。
(標準温度)
第399条 濃度基準器の目盛線は、温度15度の場合を標準として付されたものでなければならない。
(材質)
第400条 濃度基準器に使用されている材料は、透明なガラスでなければならない。
2 濃度基準器の材料に使用されているガラスの体膨張係数の値は、0・00002から0・00003までになければならない。ただし、体膨張係数の値を当該濃度基準器に表記する場合は、この限りでない。
3 濃度基準器は、その材料に使用されるガラスに傷、気泡及びひずみ等があるため、当該濃度基準器が表す示度の読み取り難いもの又はつめで押してつぶれる気泡があるものであってはならない。
(機構及び作用)
第401条 濃度基準器は、けい部の内側に目盛紙を入れたものでなければならない。
第402条 濃度基準器は、けい部の内面と目盛紙との間に間げきがあるため、示度の視定の際に誤認のおそれがあるものであってはならない。
第403条 濃度基準器は、目盛紙が離脱しないものでなければならない。
第404条 濃度基準器は、胴部の下に散弾、水銀その他の重量付加物を入れるおもり室を有するものにあっては、重量付加物がおもり室の外に出るものであってはならない。
第405条 濃度基準器は、液体に浮かべて静止させたときに、鉛直線に対して角度3度以上傾斜するものであってはならない。
第406条 濃度基準器のけい部は、その軸に垂直な切断面が円形でなければならない。
第2節 基準器公差
(濃度基準器の基準器公差)
第407条 濃度基準器の基準器公差は、目盛線の表す濃度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目盛線の表す濃度 | 基準器公差 |
70体積100分率以下 | 0・3体積100分率 |
70体積100分率を超えるとき | 0・2体積100分率 |
第408条 濃度基準器が基準器検査に合格し、かつ、基準器検査成績表の記載により、検査を行った後3年を経過したことが明らかであるときは、基準器公差は、目盛線の表す濃度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目盛線の表す濃度 | 基準器公差 |
70体積100分率以下 | 0・6体積100分率 |
70体積100分率を超えるとき | 0・4体積100分率 |
第3節 検査方法
(機構及び作用の検査)
第409条 濃度基準器の目盛紙が第402条及び第403条の規定に適合するかどうかの検査は、濃度基準器に手の平で上下に軽く振動を与えて、その目盛紙がけい部に密着しているかどうか又は脱落するおそれがあるかどうかについて行う。
(器差の検査)
第410条 濃度基準器の器差の検査は、計ることができる最大及び最小の濃度を表す目盛線並びに任意の1以上の目盛線について行う。ただし、計ることができる最大又は最小の濃度を表す目盛線についての器差の検査が困難なときは、できるだけそれに近い目盛線について行う。
第411条 濃度基準器の器差の検査は、検査を行う目盛線について2回以上測定し、その平均値を求めて行う。
第412条 濃度基準器の器差の検査は、特定標準器等及び当該濃度基準器を、検査を行う目盛線の表す濃度と同一の濃度の検査液中に浮かべて、その示度を比較して行う。
第413条 濃度基準器の器差の検査に使用する検査液は、検査を行う濃度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
検査を行う濃度 | 検査液 |
零体積100分率から95体積100分率まで | 酒精と水との混合液 |
95体積100分率から100体積100分率まで | 酒精とエーテルとの混合液 |
第414条 濃度基準器の器差の検査は、検査を行う前に特定標準器等及び濃度基準器を酒精又はエチルエーテルで洗浄した後に、当該特定標準器等及び当該濃度基準器の表面の温度を通常の温度に戻してから行う。
2 濃度基準器の器差の検査は、よく洗浄した容器に検査液を入れてかくはんし、気泡の上昇がやみ、液面が静止した後に行う。
3 濃度基準器の器差の検査は、検査液の温度を室温に近い温度に保って行う。
第15章 比重基準器
第1節 構造に係る技術上の基準
第1款 通則
(表記)
第415条 比重基準器の主な目盛線には、その表す比重又は重ボーメ度(以下この章において「比重等」という。)の値が表記されていなければならない。
2 比重基準器は、その見やすい箇所に、示度の視定の方法が表記されていなければならない。
(目盛標識)
第416条 比重基準器の目盛線は、相互に対応するものについては、その大きさその他の性質が均一でなければならない。
2 比重基準器の目盛線は、その中心線によって比重等を表すように付されていなければならない。
3 比重基準器の最上端の目盛線は、けい部の上端から15ミリメートル以上、最下端の目盛線は、けい部が胴部に移る箇所から上方に5ミリメートル以上離れていなければならない。
4 比重基準器の目盛線は、その長さがけい部の全周の長さの5分の1を超えなければならない。
5 比重基準器の目幅は、0・5ミリメートルを超えなければならない。
6 比重基準器の目盛線は、その太さが0・1ミリメートルから0・5ミリメートルまでの範囲内にあって、かつ、目幅の5分の1以下でなければならない。
7 比重基準器の目盛線は、当該比重基準器を液体に浮かべたときに、水平面に対し角度3度以上傾斜するものであってはならない。
8 比重基準器は、比重等を表す目盛標識以外の目盛標識が付されているものであってはならない。
(標準温度)
第417条 比重基準器の目盛線は、温度15度の場合を標準として付されたものであって、かつ、温度4度の水を標準として定められた比重等を表さなければならない。
(材質)
第418条 比重基準器に使用されている材料は、透明なガラスでなければならない。
2 比重基準器の材料に使用されているガラスの体膨張係数の値は、0・00002から0・00003までのものでなければならない。ただし、体膨張係数の値を当該比重基準器に表記する場合は、この限りでない。
3 比重基準器は、その材料に使用されているガラスに傷、気泡及びひずみ等があるため、当該比重基準器が表す示度の読み取り難いもの又はつめで押してつぶれる気泡があるものであってはならない。
(機構及び作用)
第419条 比重基準器は、けい部の内側に目盛紙を入れたものでなければならない。
第420条 比重基準器は、けい部の内面と目盛紙との間に間げきがあるため、示度の視定の際に誤認のおそれがあるものであってはならない。
第421条 比重基準器は、目盛紙が離脱しないものでなければならない。
第422条 比重基準器は、胴部の下に散弾、水銀その他の重量付加物を入れるおもり室を有するものにあっては、重量付加物がおもり室の外に出るものであってはならない。
第423条 比重基準器は、液体に浮かべて静止させたときに、鉛直線に対して角度3度以上傾斜するものであってはならない。
第424条 比重基準器のけい部は、その軸に垂直な切断面が円形でなければならない。
第2款 基準比重浮ひょう
(目盛標識)
第425条 基準比重浮ひょうは、0・6から2までの範囲のうち、一定の比重を表す目盛線が付されたものでなければならない。
2 基準比重浮ひょうは、目量が0・0002、0・0005又は0・001のものでなければならない。
第3款 基準重ボーメ度浮ひょう
(目盛標識)
第426条 基準重ボーメ度浮ひょうは、零重ボーメ度から7二重ボーメ度までのうち、一定の範囲の重ボーメ度を表す目盛線が付されたものでなければならない。
2 基準重ボーメ度浮ひょうは、目量が0・05重ボーメ度又は0・1重ボーメ度のものでなければならない。
第2節 基準器公差
(比重基準器の基準器公差)
第427条 基準比重浮ひょうの基準器公差は、目量に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
目量 | 基準器公差 |
0・0002 | 0・0005 |
0・0005 | 0・001 |
0・001 | 0・001 |
2 基準重ボーメ度浮ひょうの基準器公差は、0・1重ボーメ度とする。
第428条 基準比重浮ひょうが基準器検査に合格し、かつ、基準器検査成績書の記載により、検査を行った後3年を経過したことが明らかであるときは、基準器公差は、目量に応じ、次の表のとおりとする。
目量 | 基準器公差 |
0・0002 | 0・001 |
0・0005 | 0・002 |
0・001 | 0・002 |
2 基準重ボーメ度浮ひょうが基準器検査に合格し、かつ、基準器検査成績書の記載により、検査を行った後3年を経過したことが明らかであるときは、基準器公差は、0・二重ボーメ度とする。
第3節 検査方法
(機構及び作用の検査)
第429条 比重基準器の目盛紙が第420条及び第421条の規定に適合するかどうかの検査は、比重基準器に手の平で上下に軽く振動を与えて、その目盛紙がけい部に密着しているかどうか又は脱落するおそれがあるかどうかについて行う。
(器差の検査)
第430条 比重基準器の器差の検査は、計ることができる最大及び最小の比重等を表す目盛線並びに任意の1以上の目盛線について行う。ただし、計ることができる最大又は最小の比重等を表す目盛線についての器差の検査が困難なときは、できるだけそれに近い目盛線について行う。
第431条 比重基準器の器差の検査は、検査を行う目盛線について2回以上測定し、その平均値を求めて行う。
第432条 比重基準器の器差の検査は、特定標準器等及び当該比重基準器を、検査を行う目盛線の表す比重等と同一の比重等の検査液中に浮かべて、その示度を比較して行う。
2 比重基準器の器差の検査において、当該比重基準器の検査を行う目盛線の表す比重等と同一の比重等の検査液を使用することができないときは、次の各号に定める式により器差を算出する。
一 1以下の比重を表す目盛線の器差を算出する場合
器差=S−[{ ((W1(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T’)/((W1+P)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T))(δ−σ)+ρ} { 1+0.000025(t−15)} ]/999.972Sは、検査を行う目盛線の表す比重
W1は、検査を行う比重基準器の重さに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
Pは、検査を行う比重基準器に巻き付けたおもりを針金で特定標準器等につり、水中に沈ませたときの重さに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
Dは、比重基準器の検査をする目盛線がある箇所におけるけい部の直径(メートル)
Tは、水の表面張力(ニュートン毎メートル)
Τ’は、液体の表面張力(ニュートン毎メートル)
tは、水の温度
δは、温度tのときの水の密度(キログラム毎立方メートル)
ρは、検査を行うときの空気の密度(キログラム毎立方メートル)
σは、特定標準器等の密度(キログラム毎立方メートル)
二 1を超える比重を表す目盛線の器差を算出する場合
器差=S−[{ (((WO−ω)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T’)/((WO−W)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T))(δ−σ)+ρ} { 1+0.000025(t−15)} ]/999.972W0は、密度ρの空気中で、質量ωの針金でつった比重基準器の重さに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
Wは、質量ωの針金で比重基準器を水中につり、ちょうどその示度がSを示すようにしたときに釣り合う特定標準器等の質量(キログラム)
三 重ボーメ度を表す目盛線の器差を算出する場合
器差=Bh−[144.3−[144.3/({ (((WO−ω)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T’)/((WO−W)(1−(ρ/σ))+(nD/9.8)T))(δ−σ)+ρ)(1+0.000025(t−15))} /999.972)]]Bhは、検査を行う目盛線の表す重ボーメ度
第433条 基準比重浮ひょうの器差の検査に使用する検査液は、検査を行う比重に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
検査を行う比重 | 検査液 |
0・65から0・7まで | 石油エーテル、エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液 |
0・7から0・73まで | エチルエーテル、ベンジン又はこれらの混合液 |
0・73から0・8まで | 酒精とエチルエーテルとの混合液 |
0・8から1まで | 水と酒精との混合液 |
1から1・85まで | 硫酸と水との混合液 |
1・6以上 | 硝酸第2水銀と硝酸との混合液 |
2 基準重ボーメ度浮ひょうの器差の検査に使用する検査液は、検査を行う重ボーメ度に応じ、それぞれ次の表のとおりとする。
検査を行う重ボーメ度 | 検査液 |
零重ボーメ度から65重ボーメ度まで | 硫酸と水との混合液 |
55重ボーメ度以上 | 硝酸第2水銀と硝酸との混合液 |
第434条 比重基準器の器差の検査は、検査を行う前に特定標準器等及び比重基準器を酒精又はエチルエーテルで洗浄した後に、当該特定標準器等及び当該比重基準器の表面の温度を通常の温度に戻してから行う。
2 比重基準器の器差の検査は、よく洗浄した容器に検査液を入れてかくはんし、気泡の上昇がやみ、液面が静止した後に行う。
3 比重基準器の器差の検査は、検査液の温度を室温に近い温度に保って行う。
附則
(施行期日)
1 この省令は、法の施行の日(平成5年11月1日)から施行する。
(基準器検査規則の廃止)
2 基準器検査規則(昭和42年通商産業省令第82号)は、廃止する。
(基準こうかんに係る経過措置)
3 基準こうかんは、平成10年10月31日までは、質量基準器とする。この場合において、法第103条第1項第1号の通商産業省令で定める技術上の基準、同項第2号の通商産業省令で定める基準、同条第2項の通商産業省令で定める方法及び同条第3項の通商産業省令で定める方法については、なお従前の例による。
(器差の定義の特例)
4 平成8年10月31日までに基準器検査の申請書が提出された基準ガスメーター、基準水道メーター及び基準燃料油メーターに係る基準器検査並びに平成10年10月31日までに基準器検査の申請書が提出された電気基準器に係る基準器検査においては、器差は、計量値から真実の値を減じた値又はその真実の値若しくは計量値に対する割合をいうものとする。
(基準器検査を受けることができる者の特例)
5 この省令の施行の際現に計量法(昭和26年法律第207号。以下「旧法」という。)に基づく基準器検査に合格した長さ基準器、質量基準器、温度基準器、面積基準器、速さ基準器、熱量基準器、電気基準器、照度基準器、照射線量基準器、騒音基準器、繊度基準器又は振動基準器を有している者であって、第2条第1項の表の下欄に掲げる者以外の者は、平成8年10月31日までは、第2条第1項の規定にかかわらず、当該基準器が表示する物象の状態の量に係る計量器の基準器検査を受けることができる。
6 この省令の施行の際現に旧法に基づく基準器検査に合格した温度基準器(零下3度以下の温度又は203度を超える温度を表す目盛線のあるものに限る。)、体積基準器又は圧力基準器を有している者であって、第2条第1項の表の下欄に掲げる者以外の者は、平成10年10月31日までは、第2条第1項の規定にかかわらず、当該基準器が表示する物象の状態の量に係る計量器の基準器検査を受けることができる。
7 この省令の施行の際現に旧法に基づく基準器検査に合格した密度基準器、濃度基準器又は比重基準器を有している者であって、第2条第1項の表の下欄に掲げる者以外の者は、平成12年10月31日までは、第2条第1項の規定にかかわらず、当該基準器が表示する物象の状態の量に係る計量器の基準器検査を受けることができる。
(基準器の種類の特例)
8 前3項の場合において、基準器の種類は、第4条各号に掲げるもの及び基準こうかんのほか、次の各号に掲げる基準器ごとに、当該各号に掲げるとおりとする。
一 長さ基準器 1級基準直尺、2級基準直尺及び2級基準巻尺
二 質量基準器 基準懸垂手動はかり、基準皿手動はかり、基準振子式指示はかり、基準手動指示併用はかり、基準環状ばね及び基準電気抵抗線式ロードセル
三 体積基準器 ます用基準はさみ尺、基準全量ピペット、全量フラスコ用基準ビュレット、メスシリンダー用基準ビュレット及び乳脂計用基準ビュレット
四 速さ基準器 基準回転計
五 熱量基準器 基準ボンベ型熱量計
六 電気基準器 基準電力計、1級基準標準電池及び1級基準抵抗器
七 振動基準器 基準圧電式ピックアップ
八 濃度基準器 基準しょ糖度浮ひょう
九 照射線量基準器 1級基準照射線量計、2級基準照射線量計、1級基準照射線量率計、2級基準照射線量率計、基準ラジウム・ガンマ線源、基準コバルト60・ガンマ線源及び基準セシウム137・ガンマ線源
十 繊度基準器 基準繊度分銅
十一 比重基準器 基準軽ボーメ度浮ひょう
9 附則第5項から第7項までの場合において、次の表の上欄に掲げる旧法に基づく基準器検査に合格した基準器は、それぞれ同表の下欄に掲げる基準器とみなす。
1級基準巻尺 | 基準巻尺 |
液用ます用基準ビュレット | 基準ビュレット |
ガスメーター用基準タンク | ガスメーター用基準体積管 |
2級基準標準電池 | 基準電圧発生器 |
2級基準抵抗器 | 基準抵抗器 |
(基準器検査の合格条件等の特例)
10 附則第8項各号に掲げる基準器に係る基準器検査の申請書、基準器検査の合格条件、基準器検査証印の有効期間及び基準器検査成績書については、なお従前の例による。
(補助基準分銅)
11 基準はかりであって、平成10年10月31日までに基準器検査の申請をしたものについての第93条の規定の適用については、同条表中「特定標準器等、1級基準分銅又は2級基準分銅」とあるのは「特定標準器等、1級基準分銅若しくは2級基準分銅又は基準器検査規則(昭和42年通商産業省令第82号。以下「旧基準器規則」という。)第221条の2に規定する補助基準分銅であって2級基準分銅と同等以上の精度があるもの」と、「特定標準器等、1級基準分銅、2級基準分銅又は3級基準分銅」とあるのは「特定標準器等、1級基準分銅、2級基準分銅若しくは3級基準分銅又は旧基準器規則第221条の2に規定する補助基準分銅であって3級基準分銅と同等以上の精度があるもの」とする。
12 表す質量が50キログラム以上の3級基準分銅であって、平成10年10月31日までに基準器検査の申請をしたものについての第110条第2項の規定の適用については、同条中「特定標準器等又は基準器」とあるのは、「特定標準器等若しくは基準器又は旧基準器規則第238条の2に規定する補助基準分銅」とする。
附則 (平成6年9月30日通商産業省令第66号)
(施行期日)
この省令は、行政手続法の施行の日(平成6年10月1日)から施行する。
附則 (平成6年12月6日通商産業省令第87号)
この省令は、公布の日から施行し、改正後の基準器検査規則の規定は、平成6年11月1日から適用する。
附則 (平成7年7月10日通商産業省令第64号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、平成8年4月1日から施行する。
(基準器の特例)
2 この省令の施行の際、改正前の基準器検査規則(平成5年通商産業省令第71号)第21条の基準器検査証印の有効期間を満了していない基準分銅については、基準器検査証印の有効期間満了までは基準器とみなす。
(基準器検査を行う者の特例)
3 1級基準分銅の基準器検査については、第5条第1項第2号の規定にかかわらず、平成13年3月31日までは経済産業大臣も行うことができるものとする。
4 基準はかりであって、平成11年3月31日までに基準器検査の申請をしたものについての第93条第1項の規定の適用については、同項中「基準分銅」とあるのは「基準分銅又は基準器検査規則(昭和42年通商産業省令第82号。以下「旧基準器規則」という。)第221条の2に規定する補助基準分銅」とする。
5 表す質量が50キログラム以上の基準分銅であって、平成11年3月31日までに基準器検査の申請をしたものについての第110条第1項の規定の適用については、同項中「超えない基準分銅」とあるのは「超えない基準分銅又は旧基準器規則第238条の2に規定する補助基準分銅」とする。
附則 (平成12年2月16日通商産業省令第12号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成12年3月7日通商産業省令第30号)
この省令は、平成12年4月1日から施行する。
附則 (平成12年4月7日通商産業省令第97号)
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(基準器検査証印の有効期間に関する経過措置)
第2条 この省令の施行の際現に改正前の第21条の表第3号に掲げる温度基準器、同表第4号に掲げる圧力基準器及び熱量基準器、同表第6号に掲げる密度基準器(基準密度浮ひょうに限る。)、同表第8号に掲げる振動基準器並びに同表第9号に掲げる濃度基準器及び比重基準器に付されている計量法第104条第2項に規定する基準器検査証印の有効期間については、改正後の第21条の表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成12年10月13日通商産業省令第246号)
この省令は、平成13年1月6日から施行する。
附則 (平成12年10月13日通商産業省令第247号)
この省令は、平成13年1月6日から施行する。
附則 (平成13年3月22日経済産業省令第31号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成13年4月1日から施行する。
(基準器検査証印の有効期間に関する経過措置)
第2条 この省令の施行の際現に改正前の第21条の表第1号に掲げるタクシーメーター装置検査用基準器、同表第4号に掲げる照度基準器に付されている計量法第104条第2項に規定する基準器検査証印の有効期間については、改正後の第21条の表の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附則 (平成17年3月15日経済産業省令第23号) 抄
(施行期日)
この省令は、平成17年7月1日から施行する。
附則 (平成22年5月31日経済産業省令第30号)
この省令は、平成22年6月1日から施行する。
附則 (平成27年4月1日経済産業省令第36号)
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(合格条件に係る特例)
第2条 この省令の施行の日前に基準器検査の申請書が提出された基準ガスメーターについての法第103条第1項第1号の経済産業省令で定める技術上の基準及び同条第3項の経済産業省令で定める方法の規定の適用については、なお従前の例による。
2 この省令の施行の日前に基準器検査の申請書が提出された騒音基準器についての法第103条第1項第1号の経済産業省令で定める技術上の基準及び同条第2項の経済産業省令で定める方法の規定の適用については、なお従前の例による。
3 この省令の施行の日前に基準器検査の申請書が提出された振動基準器についての法第103条第1項第1号の経済産業省令で定める技術上の基準の規定の適用については、なお従前の例による。
(基準器の特例)
第3条 この省令の施行の際、改正前の基準器検査規則(平成5年通商産業省令第71号)第21条の基準器検査証印の有効期間を満了していない基準ガスメーター、騒音基準器及び振動基準器については、基準器検査証印の有効期間満了までは基準器とみなす。
附則 (平成29年9月22日経済産業省令第71号)
この省令は、平成30年4月1日から施行する。
別表(第24条関係)
備考 温度基準器、密度基準器、濃度基準器及び比重基準器については、特別の理由があると認めるときは、右に掲げる箇所以外の箇所についての器差を記載することができる。
基準巻尺 | 零を表す目盛線から1メートルごとの目盛線のうち、10箇所以内の目盛線 |
タクシーメーター装置検査用基準器 | 表す量 |
基準台手動はかり | ひょう量並びにひょう量の4分の1、2分の1及び4分の3の量の目盛標識(これらの目盛標識のうち、任意の2箇所の目盛標識については、これらの目盛標識以外の目盛標識のうちの任意の2箇所の目盛標識に代えることができる。) |
基準手動天びん及び基準直示天びん | ひょう量 |
基準分銅 | 表す量 |
温度基準器(体温計に使用するものを除く。) | 10度の倍数を表す目盛線のうち、5箇所以内の目盛線及び零度を表す目盛線 |
体温計に使用する温度基準器 | 零度を含む1度ごとの目盛線のうち、5箇所以内の目盛線 |
面積基準器 | 表す量 |
基準フラスコ | 任意の5箇所以内の目盛線 |
基準ビュレット | 公差目盛についてはすべての目盛線、それ以外の目盛線については任意の箇所の目盛線 |
基準ガスメーター、基準水道メーター及び基準燃料油メーター | 検査流量 |
基準タンク | 任意の箇所の目盛線 |
基準体積管 | 任意の計量値 |
基準液柱型圧力計 | 任意の3箇所以内の目盛線 |
基準重錘型圧力計 | 任意の3箇所以内の計量値 |
熱量基準器 | 任意の1以上の表す量 |
基準密度浮ひょう | 任意の7箇所以内の目盛線 |
液化石油ガス用浮ひょう型密度計 | 任意の3箇所以内の目盛線 |
濃度基準器 | 任意の6箇所以内の目盛線 |
基準比重浮ひょう | 目量が0・001未満のものにあっては7箇所以内、目量が0・001以上のものにあっては3箇所以内の目盛線 |
基準重ボーメ度浮ひょう | 目量が0・1重ボーメ度未満のものにあっては6箇所以内、目量が0・1重ボーメ度以上のものにあっては3箇所以内の目盛線 |
別表第1(第6条関係)
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別表第2(第6条関係)
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別表第3(第23条関係)
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様式第4 削除
別表第5(第23条関係)
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別表第6(第23条関係)
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別表第7(第23条関係)
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別表第8(第23条関係)
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別表第9(第23条関係)
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別表第10(第23条関係)
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別表第11(第23条関係)
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別表第12(第23条関係)
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別表第13(第27条関係)
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