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ガスじぎょうたくそうきょうきゅうやっかんりょうきんさんていきそく

ガス事業託送供給約款料金算定規則

平成29年経済産業省令第22号
ガス事業託送供給約款料金算定規則(平成16年経済産業省令第17号)の全部を次のように改正する。

第1章 用語の意義

第1条 この省令において使用する用語は、ガス事業法(昭和29年法律第51号。以下「法」という。)、ガス事業法施行規則(昭和45年通商産業省令第97号。以下「施行規則」という。)、ガス事業会計規則(昭和29年通商産業省令第15号。)及びガス事業託送供給収支計算規則(平成29年経済産業省令第23号。以下「託送収支規則」という。)において使用する用語の例による。

第2章 一般ガス導管事業者の託送供給約款料金の算定

第1節 認可料金の算定

(原価等の算定)
第2条 法第48条第1項の規定により定めようとする、又は同条第2項の規定により変更しようとする託送供給約款で設定する料金(以下「託送供給約款認可料金」という。)を算定しようとする一般ガス導管事業者(以下単に「一般ガス導管事業者」という。)は、当該一般ガス導管事業者の事業年度の開始の日又はその日から6月を経過する日を始期とする3年間(変更しようとする託送供給約款で設定する料金を算定しようとする一般ガス導管事業者にあっては1年間を単位とする1年以上の期間)を将来の合理的な期間(以下この章、別表第1から別表第4まで及び様式第1から様式第11までにおいて「原価算定期間」という。)として定め、当該原価算定期間において一般ガス導管事業等(一般ガス導管事業(最終保障供給を行う事業を除く。)及び法第55条第1項に規定する特定ガス導管事業をいう。以下同じ。)を運営するに当たって必要であると見込まれる原価に利潤を加えて得た額(以下この章、別表第1から別表第4まで及び様式第1から様式第11までにおいて「原価等」という。)を算定しなければならない。
2 前項の原価等は、第4条の規定により算定される営業費の額、第5条の規定により算定される営業費以外の項目の額及び第6条の規定により算定される事業報酬の額の合計額から第7条の規定により算定される控除項目の額を控除して得た額とする。
(一般ガス導管事業等の需要想定)
第3条 一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業等に関連するガス需要計画及び設備投資計画を供給計画(法第56条第1項の規定に基づき届け出た供給計画をいう。別表第1において同じ。)、需要想定及び事業環境の将来の見込みに基づき策定し、様式第1第1表及び第2表に整理しなければならない。
(一般ガス導管事業等の営業費の算定)
第4条 一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業等の営業費として、別表第1第1表(1)に掲げる項目ごとに、同表(1)に掲げる算定方法により算定される額を、様式第2第1表及び第2表に整理しなければならない。
(一般ガス導管事業等の営業費以外の項目の算定)
第5条 一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業等の営業費以外の項目として、別表第1第1表(2)に掲げる項目ごとに、同表(2)に掲げる算定方法により算定される額を、様式第2第1表及び第2表に整理しなければならない。
(一般ガス導管事業等の事業報酬の算定)
第6条 一般ガス導管事業者(新設事業者(法第48条第1項の規定により託送供給約款を定めようとする事業者をいう。以下同じ。)又は地方公共団体である事業者を除く。)は、一般ガス導管事業等の事業報酬として、レートベースに事業報酬率を乗じて得た額(以下この章、別表第1から別表第4まで及び様式第1から様式第11までにおいて「事業報酬額」という。)を算定し、様式第3第1表及び第2表に整理しなければならない。
2 前項のレートベースは、一般ガス導管事業等の効率的な実施のために投下された有効かつ適切な事業資産の価値として、別表第1第2表に掲げる算定方法により算定した額とする。
3 第1項の事業報酬率は、一般ガス導管事業者の健全な財務体質を維持しつつ、安定的かつ安全なガスの供給を確保するための適正な設備投資を円滑に実施するために必要となる事業報酬の額を算定するために十分な率として、別表第1第2表に掲げる算定方法により算定した値とする。
4 一般ガス導管事業者(新設事業者であって地方公共団体を除く。)は、一般ガス導管事業等の事業報酬として、事業開始の初年度及び第2年度においては社債及び借入金に対する支払利息の額を、第3年度においては、レートベースに事業報酬率を乗じた額を超えない額を算定し、様式第3第1表及び第2表に整理しなければならない。
5 一般ガス導管事業者(地方公共団体に限る。)は、一般ガス導管事業等の事業報酬として、企業債、一時借入金及び他会計からの繰入金に対する支払利息の額を算定し、様式第3第3表及び第4表に整理しなければならない。
6 前項の一般ガス導管事業者(新設事業者を除く。)は、当該一般ガス導管事業者の事業活動の実情に応じて適正かつ合理的な範囲内において、事業報酬として算定した額に、原価算定期間内の各事業年度(原価算定期間の始期を当該一般ガス導管事業者の事業年度の開始の日から6月を経過する日とした場合にあっては、その日から1年を単位とする各年)における一般ガス導管事業等に係る期首固定資産帳簿価額及び期末固定資産予想帳簿価額の平均に対して2パーセントを超えない率を乗じて得た額を加算することができる。
(一般ガス導管事業等の控除項目の算定)
第7条 一般ガス導管事業者は、一般ガス導管事業等の控除項目として、別表第1第3表に掲げる項目ごとに、同表に掲げる算定方法により算定される額を、様式第4第1表及び第2表に整理しなければならない。
(原価等の整理)
第8条 一般ガス導管事業者は、原価等として、第4条から前条までの規定により算定した営業費、営業費以外の項目、事業報酬及び控除項目の額を、第3項及び第4項に掲げる算定方法により次の各号に分類し、原価等の額とともに、様式第5第1表に整理しなければならない。
 供給販売費
 一般管理費
 その他項目
2 中小事業者(直近の事業年度末のガスメーター取付数が1万個未満の一般ガス導管事業者をいう。以下同じ。)は、前項の規定にかかわらず、原価等として、第4条から前条までの規定により算定した営業費、営業費以外の項目、事業報酬及び控除項目の額を、次項及び第4項に掲げる算定方法により次の各号に分類し、様式第5第1表に整理することができる。
 供給販売費等
 その他項目
3 営業費の額は、営業費の項目ごとに発生の主な原因に基づき、第1項第1号及び第2号(簡易整理者(前項の規定により原価等を整理する者をいう。以下同じ。)が分類する場合にあっては、前項第1号)に分類しなければならない。
4 営業費以外の項目、事業報酬及び控除項目の額は、第1項第3号(簡易整理者が分類する場合にあっては、第2項第2号)に分類しなければならない。
(原価等の機能別原価への配分)
第9条 一般ガス導管事業者は、原価等を前条第1項各号(簡易整理者にあっては、前条第2項各号)に掲げる項目ごとに、別表第2に掲げる配分方法及び別表第3に掲げる配分基準に基づき、機能別原価として、別表第4の項目に配分し、様式第5第2表に整理しなければならない。
(減少事業報酬額の算定)
第10条 一般ガス導管事業者(法第48条第1項ただし書の承認を受けた一般ガス導管事業者であって法第49第1項の規定による届出を行っていないもの及び託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の当期内部留保相当額(当該額が零を下回る場合にあっては、零。以下この章において「当期内部留保相当額」という。)と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額が零の一般ガス導管事業者を除く。)は、減少事業報酬額を算定し、様式第5第3表を作成しなければならない。
2 減少事業報酬額は、次項の規定により前項に規定する一般ガス導管事業者が定める還元額に第4項の規定により算定される内部留保相当額控除額を加えた額とする。
3 還元額は、託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の一定水準超過額(当該事業年度と連続する前事業年度において一定水準超過額が零でない場合(当該事業年度(開始の日を除く。)及び翌事業年度の開始の日において第14条第1項の規定により設定した料金を実施する場合を除く。)には、当該一定水準超過額から前事業年度の一定水準超過額を控除した額(当該額が零を下回る場合にあっては、零)とする。)に1から効率化比率(託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の当期乖離額累積額の当期超過利潤累積額に占める割合に100分の50を乗じて得た値(当該値が1を上回る場合にあっては1と、当該当期乖離額累積額が零を下回る場合にあっては零とする。)をいう。)を控除して得た値を乗じて得た額と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額を5で除して得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額(当該額が第6条第1項又は第5項及び第6項の規定により算定された事業報酬額を超える場合にあっては、当該事業報酬額)を下回らない額であって、第1項に規定する一般ガス導管事業者が定める額とする。
4 内部留保相当額控除額は、当期内部留保相当額から前項の規定により第1項に規定する一般ガス導管事業者が定めた額に100分の50を乗じて得た額を控除して得た額に第6条第3項の規定により算定した事業報酬率を乗じて得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額とする。
(減少事業報酬額の減少機能別原価への配分)
第11条 前条第1項に規定する一般ガス導管事業者は、減少機能別原価として、前条第1項の規定により算定した減少事業報酬額を別表第4に掲げる各項目ごとに整理した事業報酬額とその合計値との比として算定した配分比を用いて、別表第4に掲げる機能別原価の各項目に配分し、様式第5第4表に整理しなければならない。
(減少事業報酬額減少後の機能別原価の整理)
第12条 第10条第1項に規定する一般ガス導管事業者は、機能別原価として、第9条の規定により整理した機能別原価から前条の規定により整理した減少機能別原価を控除して得た額を、様式第5第5表に整理しなければならない。
(託送供給約款料金原価等の算定)
第13条 一般ガス導管事業者は、第9条(第10条第1項に規定する一般ガス導管事業者にあっては、前条)により算定した機能別原価の各項目の合計額を託送供給約款料金原価等としなければならない。
(託送供給約款認可料金の算定)
第14条 一般ガス導管事業者は、託送供給約款認可料金を、前条の規定により算定された託送供給約款料金原価等を基に、ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し、定額基本料金(ガスの供給量及び託送供給契約において確保する導管の容量にかかわらず支払いを受けるべきものをいう。以下同じ。)、流量基本料金(ガスの供給量にかかわらず支払いを受けるべき料金であって、託送供給契約において確保する導管の容量に応じて支払いを受けるべきものをいう。以下同じ。)若しくは従量料金(ガスの供給量に応じて支払いを受けるべき料金をいう。以下同じ。)又はこれらを組み合わせたものとして設定しなければならない。
2 一般ガス導管事業者は、託送供給約款認可料金として、一般ガス導管事業等の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に資すると見込まれる場合には、選択的託送供給約款料金を設定することができる。
3 一般ガス導管事業者は、託送供給約款認可料金を、託送供給約款料金原価等と原価算定期間中の託送供給約款に係るガスの供給量により算定される託送供給約款認可料金による収入額(以下この章、別表第1から別表第4まで及び様式第1から様式第11までにおいて「料金収入」という。)が一致するように設定しなければならない。
4 一般ガス導管事業者は、様式第6第1表の託送供給約款料金原価等と料金収入の比較表(選択的託送供給約款料金を設定した場合にあっては、同表及び様式第6第2表の選択的託送供給約款料金種別一覧表)を作成しなければならない。
(変動額託送供給約款料金原価等の算定)
第15条 一般ガス導管事業者は、電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第47号。以下「改正法」という。)附則第18条第1項又は法第48条第1項、第2項、第6項若しくは第9項若しくは法第50条第2項の規定により託送供給約款で設定した料金(以下「現行託送供給約款料金」という。)を次項の規定により算定する事業者間精算費及び事業者間精算収益の変動額(他の導管事業者(一般ガス導管事業者又は特定ガス導管事業者をいう。以下同じ。)が設定する事業者間精算料金表(連結託送供給(導管事業者が一の需要場所に対する託送供給を連続して行う場合における託送供給のうち、当該一の需要場所に対して行う最後の託送供給以外の託送供給をいう。以下同じ。)に係る費用を導管事業者間で精算するための料金を算出するための基礎となる料金表をいう。以下同じ。)及び想定連結託送供給ガス量(連結託送供給を行うことが見込まれるガスの量をいう。以下同じ。)の変更に起因するもの)を基に変更しようとするときは、第2条から第13条までの規定にかかわらず、当該変動額を基に変動額託送供給約款料金原価等を算定することができる。
2 前項の一般ガス導管事業者は、前項に規定する変動額について、第1号に掲げる額から第2号に掲げる額を減じて得る算定方法により整理した変動額(以下「特別変動額」という。)を算定し、様式第7第1表に整理しなければならない。
 事業者間精算料金表及び想定連結託送供給ガス量等を基に、別表第1第1表(1)の規定により算定した事業者間精算費の額から別表第1第3表の規定により算定した事業者間精算収益の額を控除した額
 現行託送供給約款料金を算定した際に別表第1第1表(1)の規定により算定された事業者間精算費の額から別表第1第3表の規定により算定した事業者間精算収益の額を控除した額
3 第1項の一般ガス導管事業者は、前項により算定した特別変動額を、託送供給約款料金変動額として整理しなければならない。
4 第1項の一般ガス導管事業者は、現行託送供給約款料金原価等に前項の託送供給約款料金変動額を加えた額を、変動額託送供給約款料金原価等として整理し、様式第7第2表に整理しなければならない。
(託送供給約款変動額認可料金の算定)
第16条 第14条の規定は、前条の一般ガス導管事業者に準用する。この場合において、同条中「託送供給約款認可料金」とあるのは「託送供給約款変動額認可料金」と、「託送供給約款料金原価等」とあるのは「変動額託送供給約款料金原価等」と、「原価算定期間」とあるのは「現行託送供給約款料金の算定時における原価算定期間」と読み替えるものとする。

第2節 届出料金の算定

(届出託送供給約款料金原価等の算定)
第17条 法第48条第5項の規定により変更しようとする託送供給約款で設定する料金(以下「託送供給約款届出料金」という。)を算定しようとする一般ガス導管事業者(以下この条から第20条において「届出事業者」という。)は、当該届出事業者の事業年度の開始の日又はその日から6月を経過する日を始期とする1年間を単位とした将来の合理的な期間(以下「原資算定期間」という。)を定め、次の各号に掲げるいずれかの方式により、届出託送供給約款料金原価等を算定しなければならない。
 届出上限値方式
 総括原価方式
(届出上限値方式による届出託送供給約款料金原価等の算定)
第18条 届出上限値方式により託送供給約款届出料金を算定しようとする届出事業者は、効率化成果等(届出事業者が原資算定期間における経営の効率化等によって生じることが見込まれる費用の削減額を見積もった額をいう。以下同じ。)を料金引下げ原資(原価等の引下げのための原資をいう。以下同じ。)と財務体質強化原資(届出事業者の財務体質を強化するための原資をいう。以下同じ。)に配分しなければならない。この場合において、配分の比率は当該届出事業者の経営判断に基づき任意に設定することができる。
2 第10条の規定は、届出上限値方式により託送供給約款届出料金を算定しようとする届出事業者に準用する。この場合において、第10条第3項中「原価算定期間」とあるのは「原資算定期間」と、「第6条第1項又は第5項及び第6項の規定により算定された事業報酬額」とあるのは「既に法第48条第1項又は第2項の認可を受けた又は同条第6項の届出(本条の規定による届出を除く。)を行った際に第6条第1項又は第5項及び第6項の規定により算定された事業報酬額」と、第10条第4項中「第6条第3項の規定により算定した事業報酬率」とあるのは「既に法第48条第1項又は第2項の認可を受けた又は同条第6項の届出(本条の規定による届出を除く。)を行った際に第6条第3項の規定により算定した事業報酬率」と読み替えるものとする。
3 第1項の届出事業者は、同項の規定により算定した料金引下げ原資に前項において準用する第10条第2項の規定により算定した減少事業報酬額を加えた額を、託送供給約款料金引下げ原資として、様式第8第1表に整理しなければならない。
4 第1項の届出事業者は、届出託送供給約款料金原価等として、変更前料金収入額(変更前の託送供給約款により設定されている料金により想定される料金収入をいう。以下同じ。)から託送供給約款料金引下げ原資を差し引いた額を算定し、様式第8第1表に整理しなければならない。
(総括原価方式による届出託送供給約款料金原価等の算定)
第19条 総括原価方式により託送供給約款届出料金を算定しようとする届出事業者は、原資算定期間において一般ガス導管事業等を運営するに当たって必要であると見込まれる原価に利潤を加えて得た額(以下「届出原価等」という。)を算定しなければならない。
2 第2条第2項及び第3条から第13条まで(第6条第4項を除く。)の規定は、前項の規定により届出原価等を算定しようとする届出事業者に準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第2条第2項 前項の原価等 第19条第1項の届出原価等
第4条及び第5条 様式第2第1表及び第2表 様式第2第1表
第6条第1項 乗じて得た額 乗じて得た額及び届出事業者が効率化成果等を財務体質強化原資に配分しようとする場合にあってはその額
様式第3第1表及び第2表 様式第3第1表
第6条第3項 値とする。 値とする。この場合において、同表中、他人資本報酬率の算定については、届出事業者の事業活動の実情を踏まえ適正かつ合理的な範囲内において、当該届出事業者の用いる平均有利子負債利子率に代えて、当該届出事業者の実績有利子負債利子率を用いることができることとする。
第6条第5項 様式第3第3表及び第4表 様式第3第3表
第6条第6項並びに第10条第3項及び第4項 原価算定期間 原資算定期間
第7条 様式第4第1表及び第2表 様式第4第1表
第8条及び第9条 原価等 届出原価等
3 第1項の届出事業者は、前項の規定により算定した届出託送供給約款料金原価等の額並びに変更前料金収入額及び託送供給約款料金引下げ原資の額を算定し、様式第8第2表に整理しなければならない。
(託送供給約款届出料金の算定)
第20条 第14条の規定は、第18条第1項又は前条第1項の届出事業者に準用する。この場合において、第14条中「託送供給約款認可料金」とあるのは「託送供給約款届出料金」と、「託送供給約款料金原価等」とあるのは「届出託送供給約款料金原価等」と、「原価算定期間」とあるのは「原資算定期間」と読み替えるものとする。
(付加的託送供給約款料金の算定)
第21条 一般ガス導管事業者は、収支等予測期間(付加的託送供給約款に係るガスの供給を開始する日から起算して5年以内の期間であって一般ガス導管事業者が定める期間をいう。以下この章において同じ。)において、当該一般ガス導管事業者の一般ガス導管事業等の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に特に資すると見込まれる場合であって、当該収支等予測期間における一般ガス導管事業者の託送供給に係る収支に影響が生じない場合には、第14条第2項の規定により設定した選択的託送供給約款料金とは異なる選択的託送供給約款料金(以下この章及び様式第9において「付加的託送供給約款料金」という。)を、ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金又はこれらを組み合わせたものとして設定することができる。
2 前項の規定により付加的託送供給約款料金を設定した一般ガス導管事業者は、様式第9第1表の収支等予測表及び様式第9第2表の付加的託送供給約款料金種別一覧表を作成しなければならない。

第3節 雑則

(地域別料金)
第22条 一般ガス導管事業者は、その供給区域が複数の地域に分かれている場合であって、託送供給を行うことができるガスの熱量等の範囲、組成その他のガスの受入条件が著しく異なる場合その他託送供給約款料金をこれらの地域ごとに定めることが適当であると認められる場合においては、託送供給約款料金をこれらの地域ごとに定め又は変更することができる。この場合においては、託送供給約款料金原価等、変動額託送供給約款料金原価等又は届出託送供給約款料金原価等の算定及び配分はこれらの地域ごとに行わなければならない。
2 前項前段の場合における料金の設定は、第2条から前条までに規定する算定方法その他これに類する算定方法であって一般ガス導管事業者の事業活動の実情に応じた適正かつ合理的な算定方法により行わなければならない。
(事業の譲渡等)
第23条 一般ガス導管事業者は、事業譲渡等の場合における事業譲渡等の後の託送供給約款料金については、第3項に規定する料金算定への影響が軽微であると認められるときは、第2条から第20条までの規定にかかわらず、次項に規定する譲受け等一般ガス導管事業者の託送供給約款料金をもって譲受け等後の託送供給約款料金とすることができる。この場合において、一般ガス導管事業者は、次項及び第3項の規定による平均単価その他の事項を様式第10第1表及び第2表に整理しなければならない。
2 前項に規定する事業譲渡等の場合とは、次の各号に掲げる場合とする。
 法第42条の認可を受けた事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併及び分割であって、譲渡しをする又は合併若しくは分割をされる(以下「譲渡し等」という。)一般ガス導管事業者の直近の事業年度末のガスメーター取付数が、譲受けをする又は合併若しくは分割をする(以下「譲受け等」という。)一般ガス導管事業者の直近の事業年度末のガスメーター取付数の20分の1以下の場合
 前条第1項の規定により一般ガス導管事業者が供給区域のある地域別に複数の託送供給約款料金を設定しているときの、託送供給約款が適用される地域を異なる託送供給約款が適用される地域へ併合する変更であって、前号に準じる場合(この場合において、第3項中「譲渡し等」とあるのは「併合される」と、「譲受け等」とあるのは「併合する」と、「一般ガス導管事業者」とあるのは「地域における一般ガス導管事業者」と読み替えるものとする。)
3 第1項に規定する料金算定に与える影響が軽微なときとは、譲受け等一般ガス導管事業者の既に改正法附則第18条の規定により同項の認可を受けた託送供給約款料金原価等、法第48条第1項若しくは第2項の規定により認可を受けた託送供給約款料金原価等若しくは変動額託送供給約款料金原価等又は同条第6項の規定により届け出た届出託送供給約款料金原価等(以下「直近改定時託送供給約款料金原価等という。)を、当該直近改定時託送供給約款料金原価等の算定に用いたガス需要量の需要想定(以下「直近改定時託送供給約款ガス需要量」という。)で除して算定した平均単価と、譲渡し等一般ガス導管事業者及び譲受け等一般ガス事業者の直近改定時託送供給約款料金原価等の和を直近改定時託送供給約款ガス需要量の和で除した値との格差が、1パーセント以内のときとする。この場合において、譲渡し等一般ガス導管事業者のガス需要量は、譲受け等一般ガス導管事業者のガスの熱量が譲渡し等一般ガス導管事業者のガスの熱量と異なるときは、譲受け等一般ガス導管事業者のガスの熱量で換算したガス需要量を用いるものとする。
(一般ガス導管事業者が定める算定方法)
第24条 一般ガス導管事業者は、当該一般ガス導管事業者が行う事業の実施に係る特別な事情が存在する場合であって、当該事情を勘案せずに託送供給約款料金を算定することが合理的でないと認められる場合においては、第9条から第14条まで(これらの規定を第16条、第18条第2項、第19条第2項又は第20条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、適正かつ合理的な範囲内において、これらの規定の趣旨に基づくものであって、これらの規定とは異なる料金の算定方法を定めることができる。この場合において、当該一般ガス導管事業者は当該算定方法を様式第11に整理しなければならない。

第3章 特定ガス導管事業者の託送供給約款料金の算定

第1節 届出料金の算定

(原価等の算定)
第25条 法第76条第1項本文の規定により定めようとする、又は同条第2項の規定により変更しようとする託送供給約款で設定する料金(以下この章、別表第5から別表第8まで及び様式第12から様式第19までにおいて「託送供給約款料金」という。)を算定しようとする特定ガス導管事業者(以下単に「特定ガス導管事業者」という。)は、当該特定ガス導管事業者の事業年度の開始の日又はその日から6月を経過する日を始期とする1年間を単位とした将来の合理的な期間(以下この章、別表第5から別表第8まで及び様式第12から様式第19までにおいて「原価算定期間」という。)を定め、当該原価算定期間において特定ガス導管事業を運営するに当たって必要であると見込まれる原価に利潤を加えて得た額(以下この章、別表第5から別表第8まで及び様式第12から様式第19までにおいて「原価等」という。)を算定しなければならない。
2 前項の原価等は、第27条の規定により算定される営業費の額、第28条の規定により算定される営業費以外の項目の額及び第29条の規定により算定される事業報酬の額の合計額から第30条の規定により算定される控除項目の額を控除して得た額とする。
(特定ガス導管事業の需要想定)
第26条 特定ガス導管事業者は、特定ガス導管事業に関連するガス需要計画及び設備投資計画を供給計画(法第81条第1項の規定に基づき届け出た供給計画をいう。別表第5において同じ。)、需要想定及び事業環境の将来の見込みに基づき策定し、様式第12第1表及び第2表に整理しなければならない。
(特定ガス導管事業の営業費の算定)
第27条 特定ガス導管事業者は、特定ガス導管事業の営業費として、別表第5第1表(1)に掲げる項目ごとに、同表(1)に掲げる算定方法により算定される額を、様式第13に整理しなければならない。
(特定ガス導管事業の営業費以外の項目の算定)
第28条 特定ガス導管事業者は、特定ガス導管事業の営業費以外の項目として、別表第5第1表(2)に掲げる項目ごとに、同表(2)に掲げる算定方法により算定される額を、様式第13に整理しなければならない。
(特定ガス導管事業の事業報酬の算定)
第29条 特定ガス導管事業者は、特定ガス導管事業の事業報酬として、レートベースに事業報酬率を乗じて得た額(以下この章、別表第5から別表第8まで及び様式第12から様式第19までにおいて「事業報酬額」という。)を算定し、様式第14に整理しなければならない。
2 前項のレートベースは、特定ガス導管事業の効率的な実施のために投下された有効かつ適切な事業資産の価値として、別表第5第2表に規定する算定方法により算定した額とする。
3 第1項の事業報酬率は、特定ガス導管事業者の健全な財務体質を維持しつつ、安定的かつ安全なガスの供給を確保するための適正な設備投資を円滑に実施するために必要となる事業報酬の額を算定するために十分な率として、別表第5第2表に規定する算定方法により算定した値とする。
(特定ガス導管事業の控除項目の算定)
第30条 特定ガス導管事業者は、特定ガス導管事業の控除項目として、別表第5第3表に掲げる項目ごとに、同表に掲げる算定方法により算定される額を、様式第15に整理しなければならない。
(原価等の整理)
第31条 特定ガス導管事業者は、原価等として、第27条から前条までの規定により算定した営業費、営業費以外の項目、事業報酬及び控除項目の額を様式第16第1表に整理しなければならない。
(原価等の機能別原価への配分)
第32条 特定ガス導管事業者は、原価等を、別表第6に掲げる配分方法及び別表第7に掲げる配分基準に基づき、機能別原価として、別表第8の項目に配分し、様式第16第2表に整理しなければならない。
(減少事業報酬額の算定)
第33条 特定ガス導管事業者(法第76条第1項ただし書の承認を受けた特定ガス導管事業者であって法第77条第1項の規定による届出を行っていないもの及び託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の当期内部留保相当額(当該額が零を下回る場合にあっては、零。以下この章において「当期内部留保相当額」という。)と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額が零の特定ガス導管事業者を除く。)は、減少事業報酬額を算定し、様式第16第3表を作成しなければならない。
2 減少事業報酬額は、次項の規定により前項に規定する特定ガス導管事業者が定める還元額に第4項の規定により算定される内部留保相当額控除額を加えた額とする。
3 還元額は、託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の一定水準超過額(当該事業年度と連続する前事業年度において一定水準超過額が零でない場合(当該事業年度(開始の日を除く。)及び翌事業年度の開始の日において第37条第1項の規定により設定した料金を実施する場合を除く。)には、当該一定水準超過額から前事業年度の一定水準超過額を控除した額(当該額が零を下回る場合にあっては、零)とする。)に1から効率化比率(託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の当期乖離額累積額の当期超過利潤累積額に占める割合に100分の50を乗じて得た値(当該値が1を上回る場合にあっては1と、当該当期乖離額累積額が零を下回る場合にあっては零とする。)をいう。)を控除して得た値を乗じて得た額と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額を5で除して得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額(当該額が第29条第1項の規定により算定された事業報酬額を超える場合にあっては、当該事業報酬額)を下回らない額であって、第1項に規定する特定ガス導管事業者が定める額とする。
4 内部留保相当額控除額は、当期内部留保相当額から前項の規定により第1項に規定する特定ガス導管事業者が定めた額に100分の50を乗じて得た額を控除して得た額に第29条第3項の規定により算定した事業報酬率を乗じて得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額とする。
(減少事業報酬額の減少機能別原価への配分)
第34条 前条第1項に規定する特定ガス導管事業者は、減少機能別原価として、前条第1項の規定により算定した減少事業報酬額を別表第8に掲げる各項目ごとに整理した事業報酬額とその合計値との比として算定した配分比を用いて、別表第8に掲げる機能別原価の各項目に配分し、様式第16第4表に整理しなければならない。
(減少事業報酬額減少後の機能別原価の整理)
第35条 第33条第1項に規定する特定ガス導管事業者は、機能別原価として、第32条の規定により整理した機能別原価から前条の規定により整理した減少機能別原価を控除して得た額を、様式第16第5表に整理しなければならない。
(託送供給約款料金原価等の算定)
第36条 特定ガス導管事業者は、第32条(第33条第1項に規定する特定ガス導管事業者にあっては、前条)により算定した機能別原価の各項目の合計額を託送供給約款料金原価等としなければならない。
(託送供給約款料金の算定)
第37条 特定ガス導管事業者は、託送供給約款料金を、前条の規定により算定された託送供給約款料金原価等を基に、ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金又はこれらを組み合わせたものとして設定しなければならない。
2 特定ガス導管事業者は、託送供給約款料金として、その事業の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に資すると見込まれる場合には、選択的託送供給約款料金を設定することができる。
3 特定ガス導管事業者は、託送供給約款料金を、託送供給約款料金原価等と原価算定期間中の託送供給約款に係るガスの供給量により算定される託送供給約款料金による収入額(以下この章、別表第5から別表第8まで及び様式第12から様式第19までにおいて「料金収入」という。)が一致するように設定しなければならない。
4 特定ガス導管事業者は、様式第17第1表の託送供給約款料金原価等と料金収入の比較表(選択的託送供給約款料金を設定した場合にあっては、同表及び様式第17第2表の選択的託送供給約款料金種別一覧表)を作成しなければならない。
(付加的託送供給約款料金の算定)
第38条 特定ガス導管事業者は、収支等予測期間(付加的託送供給約款に係るガスの供給を開始する日から起算して5年以内の期間であって特定ガス導管事業者が定める期間をいう。以下この章において同じ。)において、当該特定ガス導管事業者の特定ガス導管事業の用に供する設備の効率的な使用その他の効率的な事業運営に特に資すると見込まれる場合であって、当該収支等予測期間における特定ガス導管事業者の託送供給に係る収支に影響が生じない場合には、前条第2項の規定により設定した選択的託送供給約款料金とは異なる選択的託送供給約款料金(以下この章及び様式第18において「付加的託送供給約款料金」という。)を、ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金又はこれらを組み合わせたものとして設定することができる。
2 前項の規定により付加的託送供給約款料金を設定した特定ガス導管事業者は、様式第18第1表の収支等予測表及び様式第18第2表の付加的託送供給約款料金種別一覧表を作成しなければならない。

第2節 雑則

(特定導管ごとの料金)
第39条 特定ガス導管事業者は、その事業の用に供する特定導管が地理的に複数の地域に分かれている場合であって、その運用方法が著しく異なる場合その他託送供給約款料金を特定導管ごとに定めることが適当であると認められる場合においては、託送供給約款料金を特定導管ごとに定め、又は変更することができる。この場合において、原価等の算定及び配分は特定導管ごとに行わなければならない。
2 前項前段の場合のほか、特定ガス導管事業者は、その事業の用に供する同一の特定導管のうちに帳簿価額が著しく異なる部分が存在する場合その他特定導管の一部に係る託送供給約款料金を定めることが特に必要であると認められる場合においては、第37条の規定による託送供給約款料金(前項の託送供給約款料金を含む。)のほか、当該特定導管の一部について託送供給約款料金を定め、又は変更することができる。この場合において、原価等の算定及び配分は、当該特定導管の一部について、その他の部分と区分して行わなければならない。
3 第1項前段及び第2項前段の場合における料金の設定は、第25条から前条までに規定する算定方法その他これに類する算定方法であって特定ガス導管事業者の事業活動の実情に応じた適正かつ合理的な算定方法により行わなければならない。
(特定ガス導管事業者が定める算定方法)
第40条 特定ガス導管事業者は、当該特定ガス導管事業者が行う事業の実施に係る特別な事情が存在する場合であって、当該事情を勘案せずに託送供給約款料金を算定することが合理的でないと認められる場合においては、第32条及び第34条から第37条までの規定にかかわらず、適正かつ合理的な範囲内において、これらの規定の趣旨に基づくものであって、これらの規定とは異なる料金の算定方法を定めることができる。この場合において、当該特定ガス導管事業者は、当該算定方法を様式第19に整理しなければならない。

附則

(施行期日)
第1条 この省令は、電気事業法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第47号)附則第1条第5号に掲げる規定の施行の日(平成29年4月1日)から施行する。
(省令の廃止)
第2条 ガス事業法第76条第1項本文の規定に基づき特定ガス導管事業者が定める託送供給約款で設定する託送供給約款料金の算定に関する省令(平成28年経済産業省令第98号。)は廃止する。
(経過措置)
第3条 この省令の施行の日からガス事業託送供給収支計算規則(平成29年経済産業省令第23号。以下「託送収支規則」という。)第8条第1項及び第2項の規定による最初の公表の日までの間にあっては、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第10条第1項及び第33条第1項 託送収支規則 改正前のガス事業託送供給収支計算規則
当期内部留保相当額(当該額が零を下回る場合にあっては、零。以下この章において「当期内部留保相当額」という。)と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額 当期内部留保相当額(当該額が零を下回る場合にあっては、零。以下この章において「当期内部留保相当額」という。)
第10条第3項 託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の一定水準超過額(当該事業年度と連続する前事業年度において一定水準超過額が零でない場合(当該事業年度(開始の日を除く。)及び翌事業年度の開始の日において第14条第1項の規定により設定した料金を実施する場合を除く。)には、当該一定水準超過額から前事業年度の一定水準超過額を控除した額とする。)に1から効率化比率(託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の当期乖離額累積額の当期超過利潤累積額に占める割合に100分の50を乗じて得た値(当は1と、当該当期乖離額累積額が零を下回る場合にあっては零とする。)をいう。)を控除して得た値を乗じて得た額と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額を5で除して得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額(当該額が第6条第1項又は第5項及び第6項の規定により算定された事業報酬額を超える場合にあっては、当該事業報酬額)を下回らない額 当期内部留保相当額の範囲内を上回らない額
第33条第3項 託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の一定水準超過額(当該事業年度と連続する前事業年度において一定水準超過額が零でない場合(当該事業年度(開始の日を除く。)及び翌事業年度の開始の日において第37条第1項の規定により設定した料金を実施する場合を除く。)には、当該一定水準超過額から前事業年度の一定水準超過額を控除した額とする。)に1から効率化比率(託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第2表の当期乖離額累積額の当期超過利潤累積額に占める割合に100分の50を乗じて得た値(当該値が1を上回る場合にあっては1と、当該当期乖離額累積額が零を下回る場合にあっては零とする。)をいう。)を控除して得た値を乗じて得た額と託送収支規則の規定により公表した最近の託送収支規則様式第3第4表の還元義務額残高の合計額を5で除して得た額に原価算定期間の年数を乗じて得た額(当該額が第29条第1項の規定により算定された事業報酬額を超える場合にあっては、当該事業報酬額)を下回らない額 当期内部留保相当額の範囲内を上回らない額
附則 (平成31年4月26日経済産業省令第50号)
この省令は、公布の日から施行する。
別表第1(第4条から第7条及び第15条関係)
第1表
原価等の分類及び算定方法(営業費等)
(1) 営業費
項目 算定方法
労務費 原価算定期首における実績又は直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した適正な額とする。
修繕費 以下により算定するものとする。
A.基準修繕費(ガスメーター修繕費を除く。)
供給販売費及び一般管理費の別に以下の算式により算定するものとする。
原価算定期首帳簿原価×(原価算定直前2年間の経常修繕費の合計額/原価算定直前2年間の各事業年度期首帳簿原価の合計額)×(12/事業年度月数)
経常修繕費にガスホルダー修繕引当金に係る費用を算入していない場合であって、原価算定期間において当該費用の引当を行う場合には、適正な額を加算することができるものとする。
なお、帳簿原価は、土地及びガスメーターに係るものを除いたものであって、工事負担金圧縮後のものとする。
B.ガスメーター修繕費
原価算定期間中のガスメーターの取替計画、修繕計画等に対応した数量に、時価を基礎とする適正な単価を乗じたものとする。
C.新設事業者の修繕費は、上記A及びBにかかわらず、通常予想される経常修繕に要する適正な見積額とする。
租税課金(法人税及び地方法人税並びに住民税のうち法人税割を除く。) A.固定資産税、事業税(地方法人特別税を含む。)等の諸税は、各税法の定めるところにより算定した適正な額とする。
B.報償金、道路占用料等の公課は、原価算定時において、契約され、又は変更されることが確実なものの適正な見積額とする。
減価償却費 原価算定期間を通じて存する固定資産の帳簿価額及び原価算定期間中増加する固定資産の期間計算を行った帳簿価額に対し、当該一般ガス導管事業者が採用している減価償却の計算方法により算定した額とする。この場合において、耐用年数及び残存価額は、法人税法(昭和40年法律第34号)の定めるところによるものとする。
ただし、新規に一般ガス導管事業者間の供給区域を連結する導管又は特定導管(施行規則第1条第2項第8号ニに該当するものを除く。この表及び第2表において同じ。)を敷設する場合であって、当該導管の耐用年数を30年とした定率法及び定額法により算定した額が上記の計算方法により算定した額よりも低い場合においては、この方法により算定した額とすることができる。
なお、新設事業者にあっては、減価償却費の計算は、定額法によるものとする。
需給調整費 A.調整力コスト
原価算定期間中における調整力の確保に要する費用(事業報酬相当額及び法人税等相当額を含む。)と、直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した必要調整力(※1)により算定した適正な見積額とする。
B.振替供給コスト
原価算定期間中における調整力単価(※2)と、直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した振替供給能力(※3)により算定した適正な見積額とする。
バイオガス調達費 ガス小売事業者のバイオガス調達に係る契約を踏まえて適正に算定した額から、ガス小売事業者の原料コストと製造コストを合計して得た額を減じた適正な見積額とする。
需要調査・開拓費 A.需要調査費
原価算定期間内において想定される適正な見積額とする。
B.需要開拓費
当該一般ガス導管事業者が新たな導管の整備を検討する周辺地域及び当該一般ガス導管事業者が過去5年以内(一般ガス導管事業者間の供給区域を連結する導管及び特定導管にあっては、過去15年以内)に敷設した既存導管の周辺地域における年間開発ガス量(増分需要)を想定し、託送料金収入額増加額の5年分の1⁄2として算定した額の範囲内における適正な見積額とする。
事業者間精算費 当該一般ガス導管事業者の直前に連結託送供給(一般ガス導管事業者又は特定ガス導管事業者(以下この(1)において「導管事業者」という。)が一の需要場所に対する託送供給を連続して行う場合における託送供給のうち、当該一の需要場所に対して行う最後の託送供給以外の託送供給をいう。以下この(1)において同じ。)を行うことが見込まれる他の導管事業者が設定する事業者間精算料金表(連結託送供給に係る費用を導管事業者間で精算するための料金を算出するための基礎となる料金表をいう。以下この別表において同じ。)及び当該他の導管事業者の想定連結託送供給ガス量(連結託送供給を行うことが見込まれるガスの量をいう。以下この別表において同じ。)等を基に計算した金額の合計額とする。(※4)
その他諸経費(上記以外の営業費をいう。) 原価算定期間中におけるガス需要計画等に対応した適正な見積額とする。
関連費の振替 建設工事、受注工事及び附帯事業に関する労務費その他の費用は、当該建設工事等に配分すべき費用の部分を適正に算定し、営業費から控除するものとする。
(注) 各項目の算定に当たり原価算定期間が2年以上の期間である場合にあっては、各年度(原価算定期間の始期を当該一般ガス導管事業者の事業年度の開始の日から6月を経過する日とした場合にあっては、その日から1年間を単位とする各年)ごとに算定した額の合計額とする(この表において同じ。)。
(※1) 原価算定期間における1時間当たりの必要調整力(m3/h)として算定した適正な見積量
(※2) 調整力コストを原価算定期間の必要調整力の合計で除した値
(※3) 原価算定期間における1時間当たりの振替供給能力(m3/h)として算定した適正な見積能力
(※4) 一般ガス導管事業者の供給区域内における需要に係るガス及び一般ガス導管事業者が連結託送供給を行うガスについて、他の導管事業者が連結託送供給を行うことにより生ずる費用は、当該他の導管事業者が設定する事業者間精算料金表及び当該他の導管事業者が連結託送供給を行ったガス量等を基に計算するものとする。
(2) 営業費以外の項目
項目 算定方法
営業外費用 A.株式交付費償却及び社債発行費償却は、原価算定期間における株式の交付及び社債の発行計画等に基づく適正な見積額とする。
B.雑支出は原価算定期間中における適正な見積額とする。
法人税及び地方法人税並びに住民税(法人税割に限る。) 法人税は、原価算定期間中の平均資本金額に適正な配当率を乗じて得た配当金及び利益準備金を基礎として算定した適正な額とする。この場合において、税率は法人税法に定めるところによるものとする。
地方法人税は地方法人税法(平成26年法律第11号)に、住民税は地方税法(昭和25年法律第226号)に定めるところによるものとする。
第2表
原価等の分類及び算定方法(事業報酬)
項目 算定方法
レートベース 様式第1第2表の設備投資計画等により算定した以下のAからCまでの額の合計額とする。
A.固定資産投資額
原価算定期首固定資産帳簿価額及び期末固定資産予想帳簿価額の平均とする。この場合の予想帳簿価額とは、原価算定期首に存する固定資産の帳簿価額に原価算定期間中に増加する固定資産の帳簿原価を加算して得た額から、それぞれについて別表第1第1表に定める算定方法により算定した減価償却費の額及び固定資産除却損の額を控除した額をいう。
ただし、圧縮記帳に代えて設定した積立金に相当する資産、資産除去債務相当資産並びに休止設備及びガス需要計画に比して過大な余裕設備については、原価算定期首固定資産帳簿価額及び期末固定資産予想帳簿価額から除くものとする。
B.運転資本
以下のa及びbの額の合計額とする。
a.営業費等
原価算定期間中の営業費等から減価償却費(資産除去債務相当資産に係るものを除く。)、固定資産除却損、退職給付引当金等引当金純増額、繰延資産償却費、事業税等を除いた額の1.5月分
b.貯蔵品
原価算定直前2年間の各月残額の平均額×原価算定期間中の月末平均メーター取付数÷原価算定直前2年間の月末平均メーター取付数
C.繰延資産の残高
原価算定期首の繰延資産帳簿価額及び期末の繰延資産予想帳簿価額の平均とする。
事業報酬率 次により算定した自己資本報酬率及び他人資本報酬率を35:65で加重平均した率とする。
A.自己資本報酬率
一般ガス導管事業者を除く全産業の自己資本利益率の実績率に相当する率(以下「全産業自己資本利益率」という。)を上限とし、国債、地方債等公社債の利回りの実績値(以下「公社債利回り実績値」という。)を下限として以下の算式により各年度ごとに算定した値の一般ガス導管事業者の経営状況を判断するに適当な年限の平均(全産業自己資本利益率が公社債利回り実績値を下回る場合には公社債利回り実績値)
自己資本報酬率=(1−β)×公社債利回り実績値+β×全産業自己資本利益率
β値:ガス事業の事業経営リスク、市場全体の株式価格が1%上昇するときのガス事業の株式の平均上昇率
β値=(ガス事業の収益率と株式市場の収益率との共分散/株式市場の収益率の分散)
B.他人資本報酬率
ガスメーター取付数30万個以上の一般ガス導管事業者にあっては、ガスメーター取付数150万個以上の一般ガス導管事業者の直近1年間の有利子負債の実績額に応じて当該有利子負債の実績額に係る実績利子率を加重平均した値(以下「平均実績有利子負債利子率」という。)(この場合において、当該一般ガス導管事業者の有利子負債の中に転換社債等が含まれているときは、この利子率を当該一般ガス導管事業者に適用される普通社債の利子率に置き換えることとする。)、ガスメーター取付数30万個未満の一般ガス導管事業者にあっては、平均実績有利子負債利子率を社債利子率の格付による格差により補正した値とする。
この場合において、一般ガス導管事業者の経営状況を反映するための年限、全産業自己資本利益率、公社債利回り実績値及びβ値並びに平均実績有利子負債利子率及び平均実績有利子負債利子率を社債利子率の格付による格差により補正した値は、それぞれ経済産業大臣が別に告示する値とする。
(注) 1. レートベースの算定に当たり原価算定期間が2年以上の期間である場合にあっては、各年度(原価算定期間の始期を当該一般ガス導管事業者の事業年度の開始の日から6月を経過する日とした場合にあっては、その日から1年間を単位とする各年)ごとに算定した額の合計額とする。
2. 一般ガス導管事業者間の供給区域を連結する導管又は特定導管を新設する一般ガス導管事業者は、当該導管に係る事業報酬率を、この表に掲げる事業報酬率の1.4倍とすることができる。
第3表
原価等の分類及び算定方法(控除項目)
項目 算定方法
営業雑益(ガスメーター賃貸料等) 実情に応じた適正な見積額とする。
雑収入(賃貸料等) それぞれ実情に応じた適正な見積額とする。賃貸料は、事業報酬算定の基礎となった資産から生じたものに限るものとする。
事業者間精算収益 当該一般ガス導管事業者が設定する事業者間精算料金表(※)に実績値及び供給計画等を基に算定した当該一般ガス導管事業者の想定連結託送供給ガス量等を基に計算した金額とする。
(注) 各項目の算定に当たり原価算定期間が2年以上の期間である場合にあっては、各年度(原価算定期間の始期を当該一般ガス導管事業者の事業年度の開始の日から6月を経過する日とした場合にあっては、その日から1年間を単位とする各年)ごとに算定した額の合計額とする。
(※) 一般ガス導管事業者は、事業者間精算料金表を、原価等を基に、ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金又はこれらを組み合わせたものとして設定しなければならない。また、一般ガス導管事業者は、事業者間精算料金表を設定したときは、遅滞なく、次の事項を記載した書類を経済産業大臣に提出しなければならない。
(1) 事業者間精算料金表及び当該料金表の算定根拠又は金額決定の方法に関する説明
(2) 想定連結託送供給ガス量
別表第2(第9条関係)
供給販売費の機能別原価への配分方法
(1) 内容に応じて機能別原価のいずれかに直課できるものは可能な限り当該機能別原価に直課することを原則としつつ、それ以外のものについては、当該配分基準により、各機能別原価に配分(帰属)するものとする。
(2) 供給販売部門全般に係る管理費用的なもの(以下「供給販売部門管理費」という。)については、その額をそれぞれ抽出し、その合計額を、機能別原価金額比により、各機能別原価に配分(配賦)するものとする。
一般管理費の機能別原価への配分方法
(1) 業務の内容に即して、コストプールに区分した上で、機能別原価のいずれかに直課できるものは可能な限り当該機能別原価に直課することを原則としつつ、それ以外のものについては、客観的かつ合理的な基準を設定できるものは、当該配分基準により、各機能別原価に配分(帰属)するものとする。
(2) 客観的かつ合理的な基準を設定できない費用は、機能別原価金額比によって、各機能別原価に配分(配賦)するものとする。
(3) 各事業者の実情に応じて、コストプールを省略できるものとする。
その他項目の機能別原価への配分方法
(1) 内容に応じて機能別原価のいずれかに直課できるものは可能な限り当該機能別原価に直課することを原則としつつ、それ以外のものについては、客観的かつ合理的な基準を設定できるものは、当該配分基準により、各機能別原価に配分(帰属)するものとする。
(2) 客観的かつ合理的な基準を設定できない費用は、機能別原価金額比によって、各機能別原価に配分(配賦)するものとする。
別表第3(第9条関係)
第1表
供給販売費の機能別原価への配分基準表
項目 直課 帰属(括弧内は例示) 配賦
労務費 給料 人員比
雑給 内容に応じて直課 人員比
賞与手当 人員比
法定福利費 人員比
厚生福利費 人員比
退職手当 人員比
諸経費 修繕費 内容に応じて直課 人員比(器具備品等の少額資産等)
固定資産金額比
電力料 人員比
水道料 人員比
使用ガス費 人員比
消耗品費 内容に応じて直課
導管関連 導管延長比
車両関連 人員比(共用自動車が多い事業者等)
車両台数比(共用自動車が少ない事業者等)
その他 人員比(印刷・事務用品等)
固定資産金額比
運賃 人員比(宅配便等)
導管延長比(導管資材等)
旅費交通費 人員比
通信費 内容に応じて直課 人員比
保険料 人員比
賃借料 内容に応じて直課
導管関連 導管延長比、ガバナ基数比
車両関連 人員比(共用自動車が多い事業者等)
車両台数比(共用自動車が少ない事業者等)
その他 人員比(事務用品リース料等)
固定資産金額比
委託作業費 内容に応じて直課
導管関連 導管延長比
その他 人員比(警備料等)
固定資産金額比
租税課金 内容に応じて直課
設備関連 導管延長比(道路占用料等)
固定資産金額比(固定資産税・都市計画税等)
その他 人員比(自動車税等)
試験研究費 内容に応じて直課 導管延長比(導管関連等)
固定資産金額比(導管関連以外等)
教育費 人員比
需要開発費 内容に応じて直課 人員比
たな卸減耗費 機能別項目に直課
固定資産除却費 内容に応じて直課 固定資産金額比
貸倒償却 機能別項目に直課
雑費 内容に応じて直課 人員比(会議費・諸会費等)
導管延長比
需給調整費 託送供給特定原価に直課
バイオガス調達費 託送供給特定原価に直課
需要調査・開拓費 託送供給特定原価に直課
事業者間精算費 託送供給特定原価に直課
減価償却費 内容に応じて直課 人員比(器具備品等の少額資産等)
固定資産金額比
供給販売部門管理費 機能別原価金額比
第2表
一般管理費の機能別原価への配分基準表
項目 コストプール 直課 帰属 配賦
役員給与
給料
雑給
賞与手当
法定福利費
厚生福利費
退職手当
修繕費
電力料
水道料
使用ガス費
消耗品費
運賃
旅費交通費
通信費
保険料
賃借料
委託作業費
租税課金
試験研究費
教育費
固定資産除却費
雑費
減価償却費
経営管理関連 機能別原価金額比
社内監査関連 人員比
基礎的研究関連 内容に応じて直課
環境政策関連 機能別原価金額比
国際業務関連 機能別原価金額比
総務・庶務関連 人員比
土地建物関連 固定資産金額比
法務関連 人員比
広告・宣伝関連 内容に応じて直課
人事関連 人員比
経理関連 レートベース比
(うち、事業税) (機能別原価金額比)
資材関連 投資金額比
システム関連 内容に応じて直課
第3表
その他項目の機能別原価への配分基準表
項目 直課 帰属 配賦
営業外費用 内容に応じて直課 レートベース比 機能別原価金額比
事業報酬額 レートベース比
法人税・地方法人税・住民税(法人税割に限る。) レートベース比
営業雑益 内容に応じて控除 レートベース比により控除 機能別原価金額比により控除
雑収入 内容に応じて控除 レートベース比により控除 機能別原価金額比により控除
事業者間精算収益 託送供給特定原価より控除
別表第4(第9条及び第11条関係)
機能別原価の分類表
機能別原価項目 機能別原価に関する費用の内訳
ホルダー原価 ガスホルダー及び圧送機の建設・維持・管理に関する費用
高圧導管原価 高圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧導管原価 中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧A導管原価と中圧B導管原価に区分するときは
中圧A導管原価 導管への供給圧力0.3MPa以上1.0MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧B導管原価 導管への供給圧力0.1MPa以上0.3MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
低圧導管原価 低圧導管の建設・維持・保全に関する費用
供給管原価 供給管の建設・維持・保全に関する費用
メーター原価 ガスメーターの設置・維持・管理に関する費用
検針原価 検針に係る費用(検針票投函に係る費用を除く。)
内管保安原価 需要家の保安に係る費用(消費機器に係る保安を除く。)
託送供給特定原価 託送供給に特定される費用
別表第5(第27条から第30条まで関係)
第1表
原価等の分類及び算定方法(営業費等)
(1) 営業費
項目 算定方法
労務費 原価算定期首における実績又は直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した適正な額とする。
修繕費 原価算定期間中における通常予想される経常修繕に要する適正な見積額とする。
租税課金(法人税及び地方法人税並びに住民税のうち法人税割を除く。) A.固定資産税、事業税(地方法人特別税を含む。)等の諸税は、各税法の定めるところにより算定した適正な額とする。
B.報償金、道路占用料等の公課は、原価算定時において、契約され、又は変更されることが確実なものの適正な見積額とする。
減価償却費 原価算定期間を通じて存する固定資産の帳簿価額及び原価算定期間中増加する固定資産の期間計算を行った帳簿価額に対し、当該特定ガス導管事業者が採用している減価償却の計算方法により算定した額とする。この場合において、耐用年数及び残存価額は、法人税法(昭和40年法律第34号)の定めるところによるものとする。ただし、新規に導管を敷設する場合であって、次のイ及びロに定める方法により算定した額が上記の計算方法により算定した額よりも低い場合においては、イ又はロに定める方法により算定した額とすることができる。
イ. ガス導管の耐用年数を30年として、定額法又は定率法
ロ. 次の数式を用いて算定する方法導管取得原価×0.9×原価算定期間想定利用量÷見積総利用可能量
需給調整費 A.調整力コスト
原価算定期間中における調整力の確保に要する費用(事業報酬相当額及び法人税等相当額を含む。)と、直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した必要調整力(※1)により算定した適正な見積額とする。
B.振替供給コスト
原価算定期間中における調整力単価(※2)と、直近実績と原価算定期間中の変動とを考慮した振替供給能力(※3)により算定した適正な見積額とする。
バイオガス調達費 ガス小売事業者のバイオガス調達に係る契約を踏まえて適正に算定した額から、ガス小売事業者の原料コストと製造コストを合計して得た額を減じた適正な見積額とする。
需要調査・開拓費 A.需要調査費
原価算定期間内において想定される適正な見積額とする。
B.需要開拓費
当該特定ガス導管事業者が新たな導管の整備を検討する周辺地域及び当該特定ガス導管事業者が過去5年以内(一般ガス導管事業者間の供給区域を連結する導管及び特定導管にあっては、過去15年以内)に敷設した既存導管の周辺地域における年間開発ガス量(増分需要)を想定し、託送料金収入額増加額の5年分の1⁄2として算定した額の範囲内における適正な見積額とする。
事業者間精算費 当該特定ガス導管事業者の直前に連結託送供給(一般ガス導管事業者又は特定ガス導管事業者(以下この(1)において「導管事業者」という。)が一の需要場所に対する託送供給を連続して行う場合における託送供給のうち、当該一の需要場所に対して行う最後の託送供給以外の託送供給をいう。以下この(1)において同じ。)を行うことが見込まれる他の導管事業者が設定する事業者間精算料金表(連結託送供給に係る費用を導管事業者間で精算するための料金を算出するための基礎となる料金表をいう。以下この別表において同じ。)及び当該他の導管事業者の想定連結託送供給ガス量(連結託送供給を行うことが見込まれるガスの量をいう。以下この別表において同じ。)等を基に計算した金額の合計額とする。(※4)
その他諸経費(上記以外の営業費をいう。) 原価算定期間中におけるガス需要計画等に対応した適正な見積額とする。
関連費の振替 建設工事、受注工事及び附帯事業に関する労務費その他の費用は、当該建設工事等に配分すべき費用の部分を適正に算定し、営業費から控除するものとする。
(注) 各項目の算定に当たり原価算定期間が2年以上の期間である場合にあっては、各年度(原価算定期間の始期を当該特定ガス導管事業者の事業年度の開始の日から6月を経過する日とした額の場合にあっては、その日から1年間を単位とする各年)ごとに算定した合計額とする(以下この表において同じ。)。
(※1) 原価算定期間における1時間当たりの必要調整力(m3/h)として算定した適正な見積量
(※2) 調整力コストを原価算定期間の必要調整力の合計で除した値
(※3) 原価算定期間における1時間当たりの振替供給能力(m3/h)として算定した適正な見積能力
(※4) 特定ガス導管事業者の供給地点における需要に係るガス及び特定ガス導管事業者が連結託送供給を行うガスについて、他の導管事業者が連結託送供給を行うことにより生ずる費用は、当該他の導管事業者が設定する事業者間精算料金表及び当該他の導管事業者が連結託送供給を行ったガス量等を基に計算するものとする。
(2) 営業費以外の項目
項目 算定方法
営業外費用 A.株式交付費償却及び社債発行費償却は、原価算定期間における株式の交付及び社債の発行計画等に基づく適正な見積額とする。
B.雑支出は原価算定期間中における適正な見積額とする。
法人税及び地方法人税並びに住民税(法人税割に限る。) 法人税は、原価算定期間中の平均資本金額に適正な配当率を乗じて得た配当金及び利益準備金を基礎として算定した適正な額とする。この場合において、税率は法人税法に定めるところによるものとする。
地方法人税は地方法人税法(平成26年法律第11号)に、住民税は地方税法(昭和25年法律第226号)に定めるところによるものとする。
第2表
原価等の分類及び算定方法(事業報酬)
項目 算定方法
レートベース 様式第12第2表の設備投資計画等により、以下のAからCまでに掲げる方法に準じて算定した額の合計額とする。
A.固定資産投資額
原価算定期首固定資産帳簿価額及び期末固定資産予想帳簿価額の平均とする。この場合の予想帳簿価額とは、原価算定期首に存する固定資産の帳簿価額に原価算定期間中に増加する固定資産の帳簿原価を加算して得た額から、それぞれについて別表第5第1表に定める算定方法により算定した減価償却費の額及び固定資産除却損の額を控除した額をいう。
ただし、圧縮記帳に代えて設定した積立金に相当する資産、資産除去債務相当資産並びに休止設備及びガス需要計画に比して過大な余裕設備については、原価算定期首固定資産帳簿価額及び期末固定資産予想帳簿価額から除くものとする。
B.運転資本
以下のa及びbの額の合計額とする。
a.営業費等
原価算定期間中の営業費等から減価償却費(資産除去債務相当資産に係るものを除く。)、固定資産除却損、退職給付引当金等引当金純増額、繰延資産償却費、事業税等を除いた額の1.5月分
b.貯蔵品
原価算定直前2年間の各月残額の平均額×原価算定期間中の月末平均メーター取付数÷原価算定直前2年間の月末平均メーター取付数
C.繰延資産の残高
原価算定期首の繰延資産帳簿価額及び期末の繰延資産予想帳簿価額の平均とする。
事業報酬率 次により算定した自己資本報酬率及び他人資本報酬率を資本構成比率により加重平均した率とする。
A.自己資本報酬率
当期純利益と自己資本を基に算定する。
B.他人資本報酬率
原価算定期間の直近年度の平均有利子負債利子率を基に算定した率とする。
C.資本構成比率
自己資本比率の実態水準を勘案して算定した率とする。
ただし、一般ガス導管事業者が行う特定ガス導管事業(法第55条第1項に規定する特定ガス導管事業を除く。)にあっては、電気事業法等の一部を改正する等の法律附則第18条第1項本文の規定に基づき一般ガス事業者が定める託送供給約款で設定する託送供給約款料金の算定に関する省令(平成28年経済産業省令第78号)又は別表第1第2表に基づき算定された直近の料金改定時の率としなければならない。また、一般送配電事業者が行う特定ガス導管事業にあっては、一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則(平成28年経済産業省令第22号)に基づき算定された直近の料金改定時の率としなければならない。
(注) 次のいずれにも該当する特定導管を自ら維持し、及び運用する特定ガス導管事業者は、当該特定導管又はその一部以外の導管についてこの表に掲げるレートベース、事業報酬率を用いて算定した事業報酬額に、当該特定導管又はその一部に係るレートベースに5年を超えない範囲内において当該事業者が任意に定める一定の期間で算定した導管投資に係る投下資本利益率の範囲内において適切に設定した率を乗じて得た額を加えることができる。
(1) 一般ガス導管事業者の供給区域以外の地域に設置される部分が総延長の過半を占める導管
(2) ガス供給設備(15トン/h以上の気化装置を有するガス供給設備又は天然ガス田におけるガス供給設備に限る。)に連結する導管又は当該導管に直接若しくは間接に連結する導管
第3表
原価等の分類及び算定方法(控除項目)
項目 算定方法
営業雑益(ガスメーター賃貸料等) 実情に応じた適正な見積額とする。
雑収入(賃貸料等) それぞれ実情に応じた適正な見積額とする。賃貸料は、事業報酬算定の基礎となった資産から生じたものに限るものとする。
事業者間精算収益 当該特定ガス導管事業者が設定する事業者間精算料金表(※)に実績値及び供給計画等を基に算定した当該特定ガス導管事業者の想定連結託送供給ガス量等を基に計算した金額とする。
(注) 各項目の算定に当たり原価算定期間が2年以上の期間である場合にあっては、各年度(原価算定期間の始期を当該特定ガス導管事業者の事業年度の開始の日から6月を経過する日とした場合にあっては、その日から1年間を単位とする各年)ごとに算定した額の合計額とする。
(※) 特定ガス導管事業者は、事業者間精算料金表を、原価等を基に、ガスの供給圧力が中圧以上の場合又は低圧の場合に区分し、定額基本料金、流量基本料金若しくは従量料金又はこれらを組み合わせたものとして設定しなければならない。また、特定ガス導管事業者は事業者間精算料金表を設定したときは、遅滞なく、次の事項を記載した書類を経済産業大臣に提出しなければならない。
(1) 事業者間精算料金表及び当該料金表の算定根拠又は金額決定の方法に関する説明
(2) 想定連結託送供給ガス量
別表第6(第32条関係)
原価等の機能別原価への配分方法
(1) 内容に応じて機能別原価のいずれかに直課できるものは可能な限り当該機能別原価に直課することを原則としつつ、それ以外のものについては、当該配分基準により、各機能別原価に配分(帰属)するものとする。
(2) 供給販売部門全般に係る管理費用的なもの及び客観的かつ合理的な基準を設定できない費用については、機能別原価金額比により、各機能別原価に配分(配賦)するものとする。
別表第7(第32条関係)
原価等の機能別原価への配分基準表
項目 直課 帰属(括弧内は例示) 配賦
労務費 人員比
諸経費 修繕費 内容に応じて直課 人員比(器具備品等の少額資産等)
固定資産金額比
租税課金 内容に応じて直課
設備関連 導管延長比(道路占用料等)
固定資産金額比(固定資産税・都市計画税等)
その他 人員比(自動車税等)
需給調整費 託送供給特定原価に直課
バイオガス調達費 託送供給特定原価に直課
需要調査・開拓費 託送供給特定原価に直課
事業者間精算費 託送供給特定原価に直課
その他諸雑費 内容に応じて直課 導管延長比(導管関連等)
人員比(導管関連以外等)
減価償却費 内容に応じて直課 人員比(器具備品等の少額資産等)
固定資産金額比
営業外費用 内容に応じて直課 レートベース比 機能別原価金額比
事業報酬額 レートベース比
法人税・地方法人税・住民税(法人税割に限る。) レートベース比
営業雑益 内容に応じて控除 レートベース比により控除 機能別原価金額比により控除
雑収入 内容に応じて控除 レートベース比により控除 機能別原価金額比により控除
事業者間精算収益 託送供給特定原価より控除
別表第8(第32条及び第34条関係)
機能別原価の分類表
機能別原価項目 機能別原価に関する費用の内訳
ホルダー原価 ガスホルダー及び圧送機の建設・維持・管理に関する費用
高圧導管原価 高圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧導管原価 中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧A導管原価と中圧B導管原価に区分するときは
中圧A導管原価 導管への供給圧力0.3MPa以上1.0MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
中圧B導管原価 導管への供給圧力0.1MPa以上0.3MPa未満の中圧導管の建設・維持・保全に関する費用
低圧導管原価 低圧導管の建設・維持・保全に関する費用
供給管原価 供給管の建設・維持・保全に関する費用
メーター原価 ガスメーターの設置・維持・管理に関する費用
検針原価 検針に係る費用(検針票投函に係る費用を除く。)
内管保安原価 需要家の保安に係る費用(消費機器に係る保安を除く。)
託送供給特定原価 託送供給に特定される費用
別表第1(第3条関係)
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様式第2(第4条及び第5条関係)
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別表第3(第6条関係)
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別表第4(第7条関係)
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様式第5(第8条から第12条まで関係)
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別表第6(第14条関係)
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別表第7(第15条関係)
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様式第8(第18条及び第19条関係)
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別表第9(第21条関係)
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別表第10(第23条関係)
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別表第11(第24条関係)
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別表第12(第26条関係)
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様式第13(第27条及び第28条関係)
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別表第14(第29条関係)
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別表第15(第30条関係)
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様式第16(第31条から第35条まで関係)
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様式第17(第37条第4項関係)
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別表第18(第38条関係)
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別表第19(第40条関係)
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