ひさいちいききょうかいきほんちょうささぎょうきていじゅんそく
被災地域境界基本調査作業規程準則
平成28年国土交通省令第66号
国土調査法(昭和26年法律第180号)第3条第2項の規定に基づき、被災地域境界基本調査作業規程準則を次のように定める。
第1章 総則
(目的)
第1条 国土調査法(昭和26年法律第180号。以下「法」という。)第2条第2項の規定による地籍調査の基礎とするために行う土地及び水面の測量のうち、地震による地盤の著しい変動が生じたことにより地籍調査の成果が現況に適合しなくなり、再び地籍調査を実施することが必要な地域において、現況と地籍調査の成果との差異を明らかにするために行う測量(以下「被災地域境界基本調査」という。)に関する作業規程の準則は、この省令の定めるところによる。
(定義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 座標値 国土調査法施行令(昭和27年政令第59号。以下「令」という。)別表第1に掲げる平面直角座標系(以下「座標系」という。)による平面直角座標値をいう。
二 被災地域境界基本調査点 土地の区画又は位置及び形状を構成する点をいう。
三 被災地域境界基本調査点計算 被災地域境界基本調査点の座標値の計算をいう。
四 被災地域境界基本細部点 被災地域境界基本調査点計算の基礎とするために設置する基準点のうち、令別表第3に掲げる地籍基本細部点をいう。
五 被災地域境界基本細部点計算 被災地域境界基本細部点における地盤の変動の計算をいう。
六 被災地域境界基本三角点 被災地域境界基本細部点計算の基礎とするために設置する基準点のうち、令別表第3に掲げる地籍基本三角点をいう。
七 被災地域境界基本三角測量 被災地域境界基本三角点の測量をいう。
(趣旨の普及)
第3条 被災地域境界基本調査を行う者は、あらかじめ被災地域境界基本調査の意義及び作業の内容を一般に周知し、その実施について地域住民その他の者の協力を得るように努めるものとする。
(被災地域境界基本調査の作業)
第4条 被災地域境界基本調査の作業は、次に掲げるとおりとする。
一 被災地域境界基本三角測量
二 被災地域境界基本細部点計算
三 被災地域境界基本調査点計算
四 被災地域境界基本調査図及び被災地域境界基本調査簿の作成
(計量単位)
第5条 前条第1号に規定する測量並びに同条第2号及び第3号に規定する計算(以下「被災地域境界基本測量」という。)における計量単位は、計量法(平成4年法律第51号)第8条第1項に規定する法定計量単位(同法附則第3条及び第4条の規定により法定計量単位とみなされる計量単位を含む。)によるものとする。
(管理及び検査)
第6条 被災地域境界基本調査を行う者又は被災地域境界基本調査の成果について認証を行う者は、被災地域境界基本調査が令別表第3に定める誤差の限度内の精度を保ち、かつ、被災地域境界基本調査に関する記録の記載又は表示に誤りがないように管理し、及び検査を行うものとする。
(記録等の保管)
第7条 被災地域境界基本調査を行う者は、被災地域境界基本調査に関する資料及び測量記録その他の記録を保管しなければならない。
(省令に定めのない方法)
第8条 被災地域境界基本調査を行う者は、地盤の変動の状況等によりこの省令に定める方法によりがたい場合には、国土交通大臣の承認を受けて、この省令に定めのない方法により被災地域境界基本調査を実施することができる。
第2章 計画
(被災地域境界基本調査の実施に関する計画)
第9条 被災地域境界基本調査を行う者は、当該被災地域境界基本調査の開始前に、次に掲げる事項について被災地域境界基本調査の実施に関する計画を作成するものとする。
一 調査地域及び調査面積
二 調査期間
三 被災地域境界基本調査図の縮尺
四 作業計画
(被災地域境界基本調査図の縮尺)
第10条 被災地域境界基本調査図の縮尺は、5000分の1又は1万分の1とする。
(作業計画)
第11条 第9条第4号の作業計画は、被災地域境界基本測量並びに被災地域境界基本調査図及び被災地域境界基本調査簿の作成の各作業別に定めるものとする。この場合において、各作業間の相互の関連及び進度を考慮して作成するものとする。
第3章 被災地域境界基本測量
第1節 総則
(被災地域境界基本測量の方式)
第12条 被災地域境界基本測量は、地上測量による数値法によって行うものとする。
(測量の基礎とする点)
第13条 被災地域境界基本測量は、基本三角点(測量法(昭和24年法律第188号)第2章の規定による基本測量の成果である三角点及び電子基準点をいう。以下同じ。)若しくは基本水準点(同法第2章の規定による基本測量の成果である水準点をいう。)若しくは法第19条第2項の規定により認証され、若しくは同条第5項の規定により指定された基準点又はこれらと同等以上の精度を有する基準点(以下「基準点等」という。)を基礎として行わなければならない。
(位置及び方向角の表示の方法)
第14条 被災地域境界基本測量における地点の位置は、座標値及び測量法施行令(昭和24年政令第322号)第2条第2項に規定する日本水準原点を基準とする高さ(以下「標高」という。)で表示するものとする。
2 方向角は、当該地点が属する座標系のX軸に平行な当該地点を通る軸の正の方向を基準とし、右回りに測定して表示するものとする。
(被災地域境界基本調査図の図郭)
第15条 被災地域境界基本調査図の図郭は、地図上において座標系原点からX軸の方向に25センチメートル、Y軸の方向に35センチメートルごとに区画して定めるものとする。
(作業の順序)
第16条 被災地域境界基本測量は、次に掲げる作業の順序に従って行うものとする。
一 被災地域境界基本三角測量
二 被災地域境界基本細部点計算
三 被災地域境界基本調査点計算
第2節 被災地域境界基本三角測量
(被災地域境界基本三角測量の方法)
第17条 被災地域境界基本三角測量は、多角測量法により行うものとする。ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合には、直接水準測量法を併用することができる。
(被災地域境界基本三角点の選定)
第18条 被災地域境界基本三角点は、調査地域における地形、地物、見通し障害等の状況、基本三角点の配置、地盤の変動の状況等を考慮し、適正な密度をもって配置するように選定するものとする。
2 被災地域境界基本三角点は、調査地域に設置されている基準点等の中から選定するものとし、選定に当たっては、基準点等の現況調査を行い、異常の有無を確認するものとする。
(多角路線の選定)
第19条 被災地域境界基本三角測量における多角路線の選定に当たっては、基準点等(補助基準点を除く。以下この条において同じ。)又は被災地域境界基本三角点を結合する多角網を形成するように努めなければならない。ただし、地形の状況等によりやむを得ない場合には、単路線を形成することができる。
2 前項の多角路線は、なるべく短い経路を選定しなければならない。
3 第1項の多角路線の次数は、基準点等又は被災地域境界基本三角点を基礎として1次までとする。
(選点図)
第20条 被災地域境界基本三角点及び前条の多角路線の選定の結果は、被災地域境界基本測量選点図に取りまとめるものとする。
(観測、測定及び計算)
第21条 被災地域境界基本三角測量における観測及び測定は、地図及び簿冊に令で定める限度以上の誤差が生じないように行うものとする。
2 被災地域境界基本三角点の座標値及び標高は、前項の観測及び測定の結果に基づいて求めるものとし、その結果は、被災地域境界基本三角点網図及び被災地域境界基本三角点成果簿に取りまとめるものとする。
第3節 被災地域境界基本細部点計算
(被災地域境界基本細部点計算の方法)
第22条 被災地域境界基本細部点計算は、補間法により行うものとする。
(被災地域境界基本細部点の選定)
第23条 被災地域境界基本細部点は、調査地域に平均的に配置し、その密度は、1平方キロメートルに9点以上を標準とする。
(計算)
第24条 被災地域境界基本細部点計算は、地図及び簿冊に令で定める限度以上の誤差が生じないように行うものとする。
2 被災地域境界基本細部点における地盤の変動は、被災地域境界基本三角測量又は被災地域境界基本三角測量と同等以上の精度を有する測量の結果に基づいて求めるものとし、その結果は、被災地域境界基本細部点成果簿に取りまとめるものとする。
第4節 被災地域境界基本調査点計算
(被災地域境界基本調査点計算の方法)
第25条 被災地域境界基本調査点計算は、補間法により行うものとする。
(計算)
第26条 被災地域境界基本調査点計算は、令別表第4に定める誤差の限度に準じて、当該誤差の限度以上の誤差が生じないように行うものとする。
2 被災地域境界基本調査点の座標値は、地籍図等が示す当該点の座標値を基礎として、第24条の被災地域境界基本細部点計算の結果を用いて求めるものとし、その結果は、被災地域境界基本調査点成果簿に取りまとめるものとする。
第4章 被災地域境界基本調査図及び被災地域境界基本調査簿の作成
(被災地域境界基本調査図原図及び被災地域境界基本調査簿案)
第27条 被災地域境界基本測量を終了したときは、被災地域境界基本調査図原図及び被災地域境界基本調査簿案を作成するものとする。
2 前項の被災地域境界基本調査図原図は、被災地域境界基本三角点網図並びに被災地域境界基本三角点成果簿、被災地域境界基本細部点成果簿及び被災地域境界基本調査点成果簿に基づいて作成するものとする。
3 第1項の被災地域境界基本調査簿案は、被災地域境界基本三角点成果簿、被災地域境界基本細部点成果簿及び被災地域境界基本調査点成果簿に基づいて作成するものとする。
(被災地域境界基本調査図及び被災地域境界基本調査簿)
第28条 前条において作成した被災地域境界基本調査図原図及び被災地域境界基本調査簿案について、法第17条の規定による手続が終了したときは、それぞれを被災地域境界基本調査の成果としての被災地域境界基本調査図及び被災地域境界基本調査簿とする。
附則
この省令は、公布の日から施行する。
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