ちほうじちほうだい255じょうの5だい1こうのきていによるじちふんそうしょりいいんのしんりとうのてつづきにかんするしょうれい
地方自治法第255条の5第1項の規定による自治紛争処理委員の審理等の手続に関する省令
平成28年総務省令第7号
地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第178条の4の規定に基づき、及び同令を実施するため、地方自治法第255条の5第1項の規定による自治紛争処理委員の審理等の手続に関する省令を次のように定める。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第255条の5第1項に規定する自治紛争処理委員(以下「自治紛争処理委員」という。)の審理等の手続については、法及び地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。第6条第1項及び第23条第14号において「令」という。)に定めるもののほか、この省令の定めるところによる。
第2章 自治紛争処理委員
(職務の執行)
第2条 自治紛争処理委員は、何人からも指示を受けず、良心に従い、かつ、法令に基づいてその職務を執行しなければならない。
(代表自治紛争処理委員)
第3条 自治紛争処理委員は、代表自治紛争処理委員を互選しなければならない。
2 代表自治紛争処理委員は、自治紛争処理委員の会議を主宰し、自治紛争処理委員を代表する。
3 自治紛争処理委員の会議は、代表自治紛争処理委員がこれを招集する。
4 代表自治紛争処理委員に事故があるときは、代表自治紛争処理委員の指定する自治紛争処理委員がその職務を代理する。
(異動)
第4条 法第251条第5項並びに第6項により準用する法第250条の9第8項、第9項(第2号を除く。)、第10項及び第11項の規定により自治紛争処理委員の欠員を生じた場合においては、法第251条第2項に定める資格を有する者のうちから、総務大臣又は都道府県知事が自治紛争処理委員を任命することができる。
2 前項の規定により自治紛争処理委員の中に異動があった場合においても、既に行った審理の手続は、影響は受けないものとする。
第3章 法第255条の5第1項に規定する審査請求があった場合の審理
(審理の期日及び場所)
第5条 自治紛争処理委員の審理の期日及び場所は、代表自治紛争処理委員がこれを定める。
2 自治紛争処理委員は、審査請求人及び処分庁(以下「当事者」という。)に出席を求める場合には、自治紛争処理委員の審理の期日及び場所並びに出席を求める旨を記載した通知書を送付しなければならない。
3 代表自治紛争処理委員は、必要があると認めるときは、自治紛争処理委員の審理の期日及び場所を変更することができる。
4 前項の場合において、当事者の出席する予定がないときを除き、自治紛争処理委員は、その審理の期日及び場所を、当該当事者に通知しなければならない。
(利害関係人の参加)
第6条 令第178条の2第1項の規定により読み替えて適用する行政不服審査法(平成26年法律第68号。以下「読替え後の行政不服審査法」という。)第13条第1項の規定による、利害関係人の法第255条の5第1項に規定する審査請求(以下「審査請求」という。)への参加は、参加理由を記載した書面をもって行うものとする。
2 自治紛争処理委員は、読替え後の行政不服審査法第13条第1項の規定により利害関係人の参加を許可したときは、その旨を当事者、当該利害関係人及び同条第4項に規定する参加人に通知しなければならない。
3 自治紛争処理委員が、読替え後の行政不服審査法第13条第2項の規定に基づき利害関係人に対して審査請求への参加を求める場合には、前項の規定を準用する。
4 前条第2項及び第4項の規定は、参加人について準用する。
(審理の公開)
第7条 審理関係人(読替え後の行政不服審査法第28条に規定する審理関係人をいう。以下同じ。)が出席する審理は、自治紛争処理委員が公開とすることを相当と認める場合に限り公開する。
(秩序の維持)
第8条 審理期日における秩序の維持は、代表自治紛争処理委員が行う。
2 代表自治紛争処理委員は、審理関係人が行う陳述が既になした陳述と重複し、又は審査請求に係る事件と関係のない事項にわたるときその他特に必要と認めるときは、これを制限することができる。
3 代表自治紛争処理委員は、前2項に定めるもののほか、審理手続の円滑な進行を確保するために必要な措置をとることができる。
(出席者の発言)
第9条 審理に出席した者が発言しようとするときは、代表自治紛争処理委員の許可を受けなければならない。
2 審理に出席した者の陳述は、事件の範囲を超えてはならない。
(釈明及び発問)
第10条 自治紛争処理委員は、事実関係を明らかにするため、審理関係人に対し、発問し、又は立証を促すことができる。
2 審理関係人は、他の審理関係人の陳述の趣旨が明らかでないときは、代表自治紛争処理委員に発問を求め、又は代表自治紛争処理委員の許可を得て直接に相手方に発問することができる。
(審理関係人への通知)
第11条 自治紛争処理委員は、行政不服審査法第27条の規定による審査請求の取下げが行われた場合には、速やかにその旨を他の審理関係人に通知しなければならない。
(物件の提出要求等の申立て)
第12条 読替え後の行政不服審査法第33条の規定による物件の提出要求、読替え後の行政不服審査法第34条の規定による参考人の陳述及び鑑定の要求並びに読替え後の行政不服審査法第35条第1項の規定による検証(以下「物件の提出要求等」という。)の申立ては文書で行わなければならない。
(物件の提出要求等の申立ての期限)
第13条 自治紛争処理委員は、物件の提出要求等の申立てができる期限を定めて、審理関係人に通知するものとする。
(物件の提出要求等の申立ての採否)
第14条 自治紛争処理委員は、物件の提出要求等の申立てがあった場合にはその採否について、読替え後の行政不服審査法第33条、第34条及び第35条第1項の規定により職権で物件の提出要求等を行う場合にはその決定について、審理関係人に通知するものとする。
(書類その他の物件の提出要求の申立て)
第15条 審理関係人が、読替え後の行政不服審査法第33条に規定する物件の提出要求の申立てを行うときは、次に掲げる事項を明示して行わなければならない。
一 書類その他の物件の表示
二 書類その他の物件の所在及び所持人
三 証明しようとする事実
(参考人の陳述の申立て)
第16条 読替え後の行政不服審査法第34条に基づく参考人の陳述の申立ては、陳述を求めようとする事項を明示して行わなければならない。
(鑑定の申立て)
第17条 読替え後の行政不服審査法第34条に基づく鑑定の申立ては、鑑定を求めようとする事項を明示して行わなければならない。
(呼出状)
第18条 自治紛争処理委員は、参考人又は鑑定人に出席を求めるときには、次に掲げる事項を記載した呼出状によって行わなければならない。
一 事件の要旨
二 出席すべき日時及び場所
三 陳述又は鑑定を求めようとする事項
四 その他必要と認める事項
(参考人の審尋)
第19条 参考人の審尋については、自治紛争処理委員が特に必要と認める場合には、審理関係人を立ち会わせることができる。この場合においては、審理関係人は、代表自治紛争処理委員の許可を得て、参考人を審尋することができる。
(検証の申立て)
第20条 読替え後の行政不服審査法第35条第1項に基づく検証の申立ては、検証の場所及び目的を明示して行わなければならない。
2 検証については、読替え後の行政不服審査法第35条第2項に規定するもののほか、自治紛争処理委員が特に必要と認める場合には、審理関係人を立ち会わせることができる。
(自治紛争処理委員による物件の提出要求等)
第21条 自治紛争処理委員は、物件の提出要求等を行うときは、自治紛争処理委員の審理期日外においてもこれを行うことができる。
(合議)
第22条 次に掲げる事項は、自治紛争処理委員の合議によるものとする。
一 第5条第2項の規定による当事者に出席を求める決定(第6条第4項の規定により準用して行う決定を含む。)
二 第7条の規定による審理関係人が出席する審理の公開の決定
三 第13条の規定による物件の提出要求等の申立ての期限の決定
四 第18条の規定による参考人又は鑑定人に出席を求める決定
五 第19条の規定による参考人の審尋について審理関係人の立会いを認める決定
六 第20条第2項の規定による検証について審理関係人の立会いを認める決定
(代表自治紛争処理委員が行う事項)
第23条 次に掲げる事項は、代表自治紛争処理委員が行うものとする。
一 読替え後の行政不服審査法第29条第1項の規定による処分庁への審査請求書又は審査請求録取書の写しの送付
二 読替え後の行政不服審査法第29条第2項の規定による処分庁に対する弁明書の提出の求め
三 読替え後の行政不服審査法第29条第5項の規定による審査請求人及び参加人への弁明書の送付
四 読替え後の行政不服審査法第30条第1項の規定による反論書を提出すべき期間の決定
五 読替え後の行政不服審査法第30条第2項の規定による意見書を提出すべき期間の決定
六 読替え後の行政不服審査法第30条第3項の規定による参加人及び処分庁への反論書の送付並びに審査請求人及び処分庁への意見書の送付
七 読替え後の行政不服審査法第31条第2項の規定による口頭意見陳述の期日及び場所の指定
八 読替え後の行政不服審査法第31条第4項の規定による申立人の陳述の制限
九 読替え後の行政不服審査法第31条第5項の規定による申立人の発問の許可
十 読替え後の行政不服審査法第35条第2項の規定による検証の日時及び場所の決定
十一 読替え後の行政不服審査法第38条第2項の規定による提出書類等の提出人からの意見聴取
十二 読替え後の行政不服審査法第38条第2項ただし書の規定による提出書類等の提出人の意見を聴かないことの決定
十三 読替え後の行政不服審査法第41条第3項の規定による自治紛争処理委員意見書及び事件記録を審査庁に提出する予定時期の決定
十四 令第178条の2第2項の規定により読み替えて適用する行政不服審査法施行令(平成27年政令第391号)第9条の規定による通話者及び通話先の場所の確認
十五 次条の規定により読み替えて適用する行政不服審査法施行規則(平成28年総務省令第5号。次号において「読替え後の行政不服審査法施行規則」という。)第1条の規定による場所の指定
十六 読替え後の行政不服審査法施行規則第4条第3号の規定による自治紛争処理委員意見書とともに提出する書類の決定
(行政不服審査法施行規則の規定の適用に関する読替え)
第24条 審査請求についての行政不服審査法施行規則の規定の適用については、同令第1条及び第4条中「審理員」とあるのは、「自治紛争処理委員」とする。
第4章 法第255条の5第1項に規定する審査の申立て、審決の申請等があった場合の審理
(審査の申立て等への審査請求に関する規定の準用)
第25条 第3章の規定(前条の規定を除く。)は、法第255条の5第1項に規定する審査の申立て又は審決の申請(次条において「審査の申立て等」という。)について準用する。
(審査の申立て等への行政不服審査法施行規則の規定の準用等)
第26条 審査の申立て等についての次条において準用する行政不服審査法施行規則の規定の適用については、同令第1条及び第4条中「審理員」とあるのは、「自治紛争処理委員」とする。
第27条 前条に特別の定めがあるものを除くほか、法第258条第1項に規定する異議の申出、審査の申立て又は審決の申請については、行政不服審査法施行規則第1条から第4条までの規定を準用する。
附則
(施行期日)
第1条 この省令は、行政不服審査法の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
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