かっすいじゅんびひきあてきんにかんするしょうれい
渇水準備引当金に関する省令
平成28年経済産業省令第53号
電気事業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第72号)附則第16条第3項の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される同法第1条の規定による改正前の電気事業法(昭和39年法律第170号)第36条の規定に基づき、渇水準備引当金に関する省令を次のように定める。
(定義)
第1条 この省令において使用する用語は、電気事業法及び電気事業法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)において使用する用語の例による。
2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 「水力発電電力量」とは、1事業年度において電気事業の用に供するため水力発電所において自ら発電する電力量をいう。
二 「水力受電電力量」とは、1事業年度において電気事業の用に供するため、河川の流量の増減により受給電力量が増減する旨の定めのある受給契約に基づいて他の者から供給を受ける水力発電所において発電した電力量をいう。
三 「水力発受電電力量」とは、水力発電電力量及び水力受電電力量の合計をいう。
四 「火力発電電力量」とは、1事業年度において小売電気事業の用に供するため火力発電所において自ら発電する電力量(他の小売電気事業者にその小売電気事業の用に供するために供給する電力量を除く。)をいう。
五 「火力受電電力量」とは、1事業年度において小売電気事業の用に供するため他の者から供給を受ける火力発電所において発電した電力量をいう。
六 「火力発受電電力量」とは、火力発電電力量及び火力受電電力量の合計をいう。
七 「水力発電単位当たり運転費」とは、水力発電所において発電する電気の発電に要する費用のうち、水力発電電力量の増減に比例して増減する費用の1キロワット時当たりの値をいう。
八 「水力受電平均購入単価」とは、他の者から供給を受ける水力発電所において発電した電気の購入に要する費用のうち、水力受電電力量の増減に比例して増減する費用の1キロワット時当たりの値をいう。
九 「水力発受電単位当たり運転費」とは、水力発電単位当たり運転費と水力受電平均購入単価の水力発電電力量と水力受電電力量による加重平均値をいう。
十 「火力発電単位当たり運転費」とは、火力発電所において発電する電気の発電に要する費用のうち、火力発電電力量の増減に比例して増減する費用の1キロワット時当たりの値をいう。
十一 「火力受電平均購入単価」とは、他の者から供給を受ける火力発電所において発電した電気の購入に要する費用のうち、火力受電電力量の増減に比例して増減する費用の1キロワット時当たりの値をいう。
十二 「火力発受電単位当たり運転費」とは、火力発電単位当たり運転費と火力受電平均購入単価の火力発電電力量と火力受電電力量による加重平均値をいう。
十三 「年間水力発受電電力量」とは、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間(以下「限度額算定期間」という。)に属する事業年度における水力発受電電力量の合計をいう。
十四 「年間水力発受電単位当たり運転費」とは、一の限度額算定期間に属する事業年度における水力発受電単位当たり運転費のそれぞれの事業年度における水力発受電電力量による加重平均値をいう。
十五 「年間火力発受電単位当たり運転費」とは、一の限度額算定期間に属する事業年度における火力発受電単位当たり運転費のそれぞれの事業年度における火力発受電電力量による加重平均値をいう。
十六 「特定小売供給割合」とは、特定小売供給に係る販売電力量を電気事業に係る販売電力量で除して得た値をいう。
(積立て又は取崩しの基準となる電気の量)
第2条 改正法附則第16条第3項の規定によりなおその効力を有するものとして読み替えて適用される改正法第1条の規定による改正前の電気事業法(以下「旧法」という。)第36条第1項の経済産業省令で定める量及び同条第2項の経済産業省令で定める量は、事業年度ごとに、みなし小売電気事業者が当該事業年度の開始の日以後2月以内に定めた当該事業年度における水力発受電電力量の予定値に相当する量とする。ただし、その予定値を変更したときは、その変更後の予定値に相当する量とする。
2 みなし小売電気事業者は、前項に規定する予定値を定め、又は変更しようとするときは、経済産業大臣の承認を受けなければならない。
3 前2項の規定による水力発受電電力量の予定値は、平水、発電所の能力及び電気の受給契約を基礎として算定するものとする。
(積立ての限度額)
第3条 旧法第36条第1項の経済産業省令で定める額は、一の限度額算定期間に属する事業年度ごとに、みなし小売電気事業者が当該限度額算定期間の開始の日以後2月以内に定めた当該限度額算定期間における年間火力発受電単位当たり運転費、年間水力発受電単位当たり運転費及び年間水力発受電電力量のそれぞれの予定値により、次の算式を用いて算定した値に相当する額とする。ただし、これらの予定値を変更したときは、その変更後の予定値により、次の算式を用いて算定した値に相当する額とする。
(年間火力発受電単位当たり運転費の予定値−年間水力発受電単位当たり運転費の予定値)×年間水力発受電電力量の予定値×特定小売供給割合の予定値×1⁄2
2 みなし小売電気事業者は、前項に規定する予定値を定め、又は変更しようとするときは、経済産業大臣の承認を受けなければならない。
3 前2項の規定による予定値は、特別の事情がある場合を除き、次の各号に定めるところによるものとする。
一 年間火力発受電単位当たり運転費の予定値は、当該限度額算定期間の前3年間における火力発電単位当たり運転費の年平均値及び受給契約を基礎として算定した火力受電平均購入単価により算定されていること。
二 年間水力発受電単位当たり運転費の予定値は、当該限度額算定期間の前3年間における水力発電単位当たり運転費の年平均値及び受給契約を基礎として算定した水力受電平均購入単価により算定されていること。
三 年間水力発受電電力量の予定値は、平水、発電所の能力及び受給契約を基礎として算定されていること。
四 特定小売供給割合の予定値は、特定需要及び一般の需要を基礎として算定されていること。
(収益又は費用の増加又は減少の額の算出の方法)
第4条 旧法第36条第1項又は第2項に規定する収益又は費用の増加又は減少の額の算定は、事業年度ごとに、みなし小売電気事業者が第2条第1項の規定により定めた水力発受電電力量の予定値並びに当該事業年度の開始前(4月1日に開始する事業年度にあっては、当該事業年度の開始の日以後2月以内)に経済産業大臣の承認を受けて定めた当該事業年度における火力発受電単位当たり運転費及び水力発受電単位当たり運転費のそれぞれの予定値により、次の算式を用いて行うものとする。ただし、火力発受電単位当たり運転費又は水力発受電単位当たり運転費の予定値を経済産業大臣の承認を受けて変更したときは、その変更後の予定値により、次の算式を用いて行うものとする。
一 収益の増加又は費用の減少の額の算出の場合
(火力発受電単位当たり運転費の予定値−水力発受電単位当たり運転費の予定値)×(水力発受電電力量の実績値−水力発受電電力量の予定値)×特定小売供給割合の実績値
二 収益の減少又は費用の増加の額の算出の場合
(火力発受電単位当たり運転費の予定値−水力発受電単位当たり運転費の予定値)×(水力発受電電力量の予定値−水力発受電電力量の実績値)×特定小売供給割合の実績値
2 前条第3項の規定は、前項の予定値(水力発受電電力量の予定値を除く。)について準用する。
附則
(施行期日)
第1条 この省令は、改正法の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。
(渇水準備引当金に関する省令の廃止)
第2条 渇水準備引当金に関する省令(昭和40年通商産業省令第56号)は、廃止する。
(経過措置)
第3条 この省令の施行の日の属する事業年度における第2条第1項、第3条第1項及び第4条第1項の規定の適用については、第2条第1項、第3条第1項及び第4条第1項中「2月以内」とあるのは「3月以内」と読み替えるものとする。
第4条 平成28年度においては、第3条第1項中「特定小売供給割合の予定値」とあるのは、「1」とする。
2 平成29年度においては、第3条第1項中「特定小売供給割合の予定値」とあるのは、「(0・75+特定小売供給割合の予定値×0・25)」とする。
3 平成30年度においては、第3条第1項中「特定小売供給割合の予定値」とあるのは、「(0・5+特定小売供給割合の予定値×0・5)」とする。
4 平成31年度においては、第3条第1項中「特定小売供給割合の予定値」とあるのは、「(0・25+特定小売供給割合の予定値×0・75)」とする。
第5条 改正法第1条の規定による改正前の電気事業法第36条第1項の規定により積み立てられた渇水準備引当金は、同項の規定が適用されないこととなった時に取り崩し、当該取り崩した額に相当する金額を繰越利益剰余金に振り替えるものとする。
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