こくさいてきなこのだっしゅのみんじじょうのそくめんにかんするじょうやくのじっしにかんするほうりつによるこのへんかんにかんするじけんのてつづきとうにかんするきそく
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則
平成25年最高裁判所規則第5号
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則を次のように定める。
第1章 子の返還に関する事件の手続
第1節 通則
(当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項)
第1条 申立書その他の当事者、子の返還に関する事件の手続に参加した子(以下この条において単に「手続に参加した子」という。)又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、手続に参加した子又は代理人が記名押印するものとする。
一 当事者及び手続に参加した子の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
二 手続代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。次項において同じ。)
三 事件の表示
四 附属書類の表示
五 年月日
六 裁判所の表示
2 前項の規定にかかわらず、当事者、手続に参加した子又は代理人からその住所を記載した同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する同項の書面については、これを記載することを要しない。手続代理人からその郵便番号及び電話番号を記載した同項の書面が提出されているときも、同様とする。
(裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出)
第2条 裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
一 民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面
二 その提出により子の返還に関する事件の手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(前号に該当する書面を除く。)
三 法定代理権、子の返還に関する事件の手続における手続上の行為をするのに必要な授権又は手続代理人の権限を証明する書面その他の子の返還に関する事件の手続上重要な事項を証明する書面
四 特別抗告の抗告理由書又は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号。以下「法」という。)第111条第2項(法第116条第1項(法第133条において準用する場合を含む。)及び第133条において準用する場合を含む。)の申立てに係る理由書
2 ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
3 裁判所は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
(裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等)
第3条 裁判所は、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載されている情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有している場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
2 裁判所は、申立書その他の書面を送付しようとするときその他必要があると認めるときは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出することを求めることができる。
(申立てその他の申述の方式等に関する民事訴訟規則の準用)
第4条 民事訴訟規則(平成8年最高裁判所規則第5号)第1条の規定は子の返還に関する事件の手続における申立てその他の申述の方式について、同規則第4条の規定は子の返還に関する事件の手続における催告及び通知について、同規則第5条の規定は子の返還に関する事件の手続における書類の記載の仕方について準用する。
第2節 子の返還申立事件の手続
第1款 総則
第1目 管轄
(移送の申立ての方式・法第37条)
第5条 移送の申立ては、子の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
(移送等における取扱い・法第37条)
第6条 家庭裁判所は、法第37条第2項又は第4項の規定による移送の裁判をするときは、当事者及び子の返還申立事件の手続に参加した子(以下この節において単に「手続に参加した子」という。)の意見を聴くことができる。
2 家庭裁判所は、法第37条第3項の規定による裁判をするときは、当事者及び手続に参加した子の意見を聴かなければならない。
(移送に関する民事訴訟規則の準用・法第37条)
第7条 民事訴訟規則第9条の規定は、子の返還申立事件の移送の裁判について準用する。
第2目 裁判所職員の除斥、忌避及び回避
(除斥又は忌避の申立ての方式等・法第38条等)
第8条 裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
2 前項の申立ては、子の返還申立事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
3 除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から3日以内に疎明しなければならない。法第39条第2項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
(除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第40条)
第9条 裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
(裁判官の回避)
第10条 裁判官は、法第38条第1項又は第39条第1項に規定する場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
(裁判所書記官の除斥等・法第41条)
第11条 裁判所書記官の除斥、忌避及び回避については、前3条の規定を準用する。
(家庭裁判所調査官の除斥及び回避・法第42条)
第12条 家庭裁判所調査官の除斥及び回避については、第8条から第10条までの規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。
第3目 当事者能力及び手続行為能力
(法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出等・法第43条)
第13条 子の返還申立事件の手続における法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出については民事訴訟規則第14条の規定を、子の返還申立事件の手続における法定代理権及び手続上の行為をするのに必要な授権の証明については同規則第15条前段の規定を、子の返還申立事件の手続における法定代理権の消滅の届出については同規則第17条前段の規定を準用する。
(法人の代表者等への準用・法第46条)
第14条 法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。
第4目 参加
(参加の申出の方式等・法第47条等)
第15条 法第47条第3項の書面には、子の返還申立事件の手続に参加する者が当事者となる資格を有する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
2 法第47条第1項の規定による参加の申出があった場合には、当該申出を却下する裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
3 法第47条第2項の規定による参加の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
4 第2項の規定は法第48条第1項の規定による参加の申出があった場合について、前項の規定は同条第2項の規定による参加の裁判があった場合について準用する。
(手続からの排除の通知・法第49条)
第16条 法第49条第1項の規定による排除の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
第5目 手続代理人
(手続代理人の代理権の証明等・法第50条等)
第17条 手続代理人の権限の証明及び消滅の届出については、民事訴訟規則第23条の規定を準用する。
第6目 手続費用
(手続費用に関する民事訴訟規則の準用・法第58条)
第18条 民事訴訟規則第1編第4章第1節の規定は、子の返還申立事件の手続の費用の負担について準用する。この場合において、同規則第24条第2項中「第47条(書類の送付)第1項」とあるのは、「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則(平成25年最高裁判所規則第5号)第33条第1項」と読み替えるものとする。
(手続上の救助の申立ての方式等・法第59条)
第19条 手続上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
2 手続上の救助の事由は、疎明しなければならない。
第7目 子の返還申立事件の審理等
(受命裁判官の指定及び裁判所の嘱託の手続)
第20条 子の返還申立事件の手続における受命裁判官の指定及び裁判所がする嘱託の手続については、民事訴訟規則第31条の規定を準用する。
(期日調書の形式的記載事項・法第61条)
第21条 法第61条の調書(以下「期日調書」という。)には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事件の表示
二 裁判官及び裁判所書記官の氏名
三 出頭した当事者、手続に参加した子、代理人、補佐人、通訳人及びその他の関係人の氏名
四 期日の日時及び場所
2 期日調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
3 前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
(期日調書の実質的記載事項・法第61条)
第22条 期日調書には、手続の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
一 申立ての趣旨の変更、申立ての取下げ及び和解
二 証人、当事者本人及び鑑定人の陳述
三 証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
四 検証の結果
五 裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
六 書面を作成しないでした裁判
2 前項の規定にかかわらず、子の返還申立事件の手続が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が子の返還申立事件の手続の完結を知った日から1週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
3 期日調書には、手続の要領のほか、当事者及び手続に参加した子による書面の提出の予定その他手続の進行に関する事項を記載することができる。
(期日及び期日調書に関する民事訴訟規則の準用・法第61条)
第23条 民事訴訟規則第68条から第77条までの規定は、子の返還申立事件の手続の期日及び期日調書について準用する。この場合において、同規則第68条第1項中「前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)第1項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第22条第1項」と、同規則第74条第1項第3号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「終局決定に対する即時抗告若しくは特別抗告の提起又は国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号)第111条第2項」と、同規則第77条中「法廷」とあるのは「子の返還申立事件の手続の期日」と読み替えるものとする。
(子の返還申立事件の記録の正本等の様式・法第62条)
第24条 子の返還申立事件の記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
(住所等表示部分の閲覧等又はその複製の許可の申立て・法第62条)
第25条 当事者が子の返還申立事件の記録中住所等表示部分(法第62条第4項に規定する住所等表示部分をいう。第95条第1項において同じ。)の閲覧等(法第62条第1項に規定する閲覧等をいう。次条において同じ。)又はその複製の許可の申立てをするときは、同条第4項第1号又は第2号に該当することを明らかにする資料を提出しなければならない。
(子の返還申立事件の記録の閲覧等又はその複製の許可・法第62条)
第26条 法第62条第3項又は第6項の規定による許可の裁判においては、子の返還申立事件の記録中閲覧等又はその複製を許可する部分を特定しなければならない。
(受命裁判官又は受託裁判官の期日指定・法第63条)
第27条 受命裁判官又は受託裁判官が行う子の返還申立事件の手続の期日は、その裁判官が指定する。
(期日変更の制限・法第63条)
第28条 子の返還申立事件の手続の期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては、してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
一 当事者又は手続に参加した子の1人につき手続代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
二 期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
(裁判長等が定めた期間の伸縮・法第63条)
第29条 裁判長、受命裁判官又は受託裁判官が定めた期間の伸縮については、民事訴訟規則第38条の規定を準用する。
(受継の申立ての方式等・法第65条等)
第30条 法第65条第1項又は第3項の規定による受継の申立ては、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、子の返還申立事件の手続を受け継ぐ者が法令により手続を続行する資格のある者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
3 法第65条第1項又は第3項の規定による受継があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
4 第1項及び第2項の規定は法第66条第1項又は第3項の規定による受継の申立てについて、前項の規定は同条第1項又は第3項の規定による受継があった場合について準用する。この場合において、第2項中「法令により手続を続行する資格のある者」とあるのは、「当該子の返還申立事件において申立人となることができる者又は相手方の死亡後に子を監護している者」と読み替えるものとする。
(当事者の死亡の届出・法第66条)
第31条 当事者が死亡したときは、その手続代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
(送達・法第67条)
第32条 送達については、民事訴訟規則第1編第5章第4節の規定(同規則第41条第2項及び第47条の規定を除く。)を準用する。この場合において、同規則第39条中「地方裁判所」とあるのは、「家庭裁判所」と読み替えるものとする。
(書類の送付)
第33条 直送(当事者又は手続に参加した子(以下この条及び第46条第2項において「当事者等」という。)の他の当事者等に対する直接の送付をいう。以下この条及び同項において同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
2 裁判所が当事者等その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3 裁判所が当事者等の提出に係る書類の他の当事者等への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者等がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4 当事者等が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者等は、裁判所に対し、当該書類の他の当事者等への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
第2款 第1審裁判所における子の返還申立事件の手続
第1目 子の返還の申立て
(子の返還申立書の記載事項等・法第70条等)
第34条 子の返還申立書には、申立ての趣旨及び子の返還申立事件の手続による旨を記載するほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 法第27条各号に掲げる事由
二 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
三 第1号に掲げる事由及び予想される争点ごとの証拠
四 返還を求める子について親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件(人事訴訟法(平成15年法律第109号)第32条第1項に規定する附帯処分についての裁判及び同条第3項の親権者の指定についての裁判に係る事件を含む。第41条第1項第6号において同じ。)が係属している場合には、当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
2 前項第1号に掲げる事由及び予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを子の返還申立書に添付しなければならない。
3 子の返還申立書には、相手方の数と同数の写しを添付しなければならない。
4 家庭裁判所は、子の返還の申立てをした者に対し、前2項の写しのほか、子の返還申立事件の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。
(申立ての通知)
第35条 子の返還の申立てがあったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(子の返還申立書の補正の促し・法第70条)
第36条 裁判長は、子の返還申立書の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(子の返還申立書の却下の命令に対する即時抗告・法第70条等)
第37条 子の返還申立書の却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された子の返還申立書を添付しなければならない。
(参考事項の聴取・法第70条)
第38条 裁判長は、子の返還の申立てがあったときは、当事者から、子の返還申立事件の手続の進行に関する意見その他手続の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
2 裁判長は、前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(申立ての変更の通知・法第71条)
第39条 申立人が法第71条第1項の規定により申立ての趣旨を変更した場合には、同条第3項又は第4項の規定による裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
(答弁書の提出期限)
第40条 法第72条第1項の規定により子の返還申立書の写しが相手方に送付されるときは、裁判長は、答弁書の提出をすべき期限を定めなければならない
(答弁書の提出等)
第41条 相手方は、前条の期限までに、次に掲げる事項を記載した答弁書を提出しなければならない。
一 申立ての趣旨に対する答弁
二 子の返還申立書に記載された事実に対する認否
三 法第28条第1項各号に掲げる事由であって答弁を理由付けるもの
四 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実
五 第3号に掲げる事由及び予想される争点ごとの証拠
六 返還を求める子について親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件が係属している場合には、当該審判事件が係属している裁判所及び当該審判事件の表示
2 前項第3号に掲げる事由及び予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを答弁書に添付しなければならない。
第2目 子の返還申立事件の手続の期日
(音声の送受信による通話の方法による手続・法第75条)
第42条 家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって子の返還申立事件の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、家庭裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
2 前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を子の返還申立事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。
(手続代理人の陳述禁止等の通知・法第76条)
第43条 手続代理人の陳述禁止等の通知については、民事訴訟規則第65条の規定を準用する。
第3目 事実の調査及び証拠調べ
(事実の調査・法第77条等)
第44条 事実の調査は、必要に応じ、事件の関係人の性格、経歴、生活状況、財産状態及び家庭環境その他の環境等について、医学、心理学、社会学、経済学その他の専門的知識を活用して行うように努めなければならない。
2 事実の調査については、裁判所書記官は、その要旨を子の返還申立事件の記録上明らかにしておかなければならない。
(審問の期日の通知・法第85条)
第45条 法第85条第2項の審問の期日は、当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。ただし、その通知をすることにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。
(証拠調べ・法第86条)
第46条 子の返還申立事件の手続における証拠調べについては、民事訴訟規則第2編第3章第1節から第6節までの規定(同規則第99条第2項、第100条、第101条、第121条及び第139条の規定を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「直送」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第33条第1項の直送」と、同規則第104条中「地方裁判所又は簡易裁判所」とあるのは「家庭裁判所」と、同規則第129条の2中「口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日」とあるのは「子の返還申立事件の手続の期日」と、同規則第140条第3項中「第99条(証拠の申出)第2項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第46条第2項」と読み替えるものとする。
2 当事者等が前項において準用する民事訴訟規則第99条第1項の証拠の申出を記載した書面を裁判所に提出する場合には、当該書面について直送をしなければならない。
3 裁判長は、必要があると認めるときは、第1項の証拠調べの期日において家庭裁判所調査官又は医師である裁判所技官が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
第4目 裁判
(終局決定の確定証明書等・法第93条等)
第47条 家庭裁判所の裁判所書記官は、法第62条第1項又は第7項の規定による請求により、子の返還申立事件の記録に基づいて終局決定の確定についての証明書を交付する。
2 子の返還申立事件がなお抗告審に係属中であるときは、前項の規定にかかわらず、当該子の返還申立事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、終局決定の確定した部分のみについて同項の証明書を交付する。
3 前2項の規定は、終局決定以外の裁判について準用する。
(終局決定の確定の通知)
第48条 終局決定が確定したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(終局決定の方式等・法第94条等)
第49条 終局決定の裁判書には、終局決定をした裁判官が記名押印しなければならない。
2 合議体の構成員である裁判官が終局決定の裁判書に記名押印することに支障があるときは、他の裁判官が終局決定の裁判書にその事由を付記して記名押印しなければならない。
3 終局決定の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を子の返還申立事件の記録上明らかにしなければならない。
4 前3項の規定は、終局決定以外の裁判について準用する。
(脱漏した手続費用の負担の裁判を求める申立て・法第96条)
第50条 手続費用の負担の裁判を脱漏した場合における手続費用の負担の裁判を求める申立てについては、民事訴訟規則第161条の規定を準用する。
第5目 裁判によらない子の返還申立事件の終了
(裁判によらない子の返還申立事件の終了の通知)
第51条 子の返還申立事件が裁判によらないで終了したときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(子の返還の申立ての取下げがあった場合等の取扱い・法第99条等)
第52条 子の返還の申立ての取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、申立ての取下げがあった旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
2 子の返還の申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合において、相手方が申立ての取下げに同意したとき(法第99条第3項の規定により同意したものとみなされた場合を含む。)は、裁判所書記官は、その旨を当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
3 法第147条の規定により子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を 手続に参加した子(子の返還申立事件に係る家事調停の手続に参加したものを除く。)に通知しなければならない。
(和解・法第100条)
第53条 子の返還申立事件における和解については、民事訴訟規則第32条、第163条及び第164条の規定を準用する。
2 当事者が裁判所において和解をしたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を手続に参加した子に通知しなければならない。
第3款 不服申立て
第1目 終局決定に対する即時抗告
(抗告状の記載事項等・法第101条等)
第54条 終局決定に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原決定の取消し又は変更を求める事由を具体的に記載しなければならない。
2 前項の抗告状には、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)の数と同数の写しを添付しなければならない。
(抗告裁判所への事件送付)
第55条 終局決定に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の決定をしたときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、子の返還申立事件の記録を送付してしなければならない。
(反論書)
第56条 裁判長は、原審における当事者(抗告人を除く。)に対し、相当の期間を定めて、抗告人が主張する原決定の取消し又は変更を求める事由に対する当該当事者の主張を記載した書面の提出を命ずることができる。
(原審の終局決定の裁判書の引用・法第106条)
第57条 抗告審の終局決定の裁判書における理由の記載は、原審の終局決定の裁判書を引用してすることができる。
(第1審の手続の規定及び民事訴訟規則の準用・法第107条)
第58条 終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前款の規定(第35条、第37条、第40条、第41条及び第52条第1項の規定を除く。)を準用する。
2 民事訴訟規則第173条、第177条及び第185条の規定は、終局決定に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第173条第3項及び第177条第2項中「相手方」とあるのは、「原審における当事者及び手続に参加した子」と読み替えるものとする。
第2目 終局決定に対する特別抗告
(特別抗告をする場合における費用の予納・法第108条等)
第59条 特別抗告をするときは、抗告状の写しの送付に必要な費用のほか、抗告提起通知書の送達及び送付、抗告理由書の写しの送付、裁判の告知並びに抗告裁判所が子の返還申立事件又は抗告事件の記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
(特別抗告の抗告提起通知書の送達及び送付・法第108条等)
第60条 特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は法第110条第1項において準用する法第103条第3項の規定による抗告却下の決定があったときを除き、抗告提起通知書を、抗告人に送達するとともに、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)に送付しなければならない。
(特別抗告の抗告理由書の提出期間・法第108条等)
第61条 特別抗告の抗告理由書の提出の期間は、抗告人が前条の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から14日とする。
(特別抗告の理由を記載した書面の写しの添付・法第108条等)
第62条 特別抗告の理由を記載した書面には、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)の数に6を加えた数の写しを添付しなければならない。
(抗告裁判所への事件送付・法第108条等)
第63条 特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は抗告却下の決定があったときを除き、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。この場合において、原裁判所は、抗告人が特別抗告の理由中に示した子の返還申立事件の手続に関する事実の有無について意見を付することができる。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、子の返還申立事件の記録を送付してしなければならない。ただし、原裁判所が子の返還申立事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
3 抗告裁判所の裁判所書記官は、前項の規定による子の返還申立事件又は抗告事件の記録の送付を受けたときは、速やかに、その旨を原審における当事者及び手続に参加した子に通知しなければならない。
4 第2項ただし書の規定により抗告事件の記録のみが送付された場合において、抗告裁判所が同項の子の返還申立事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
(特別抗告の抗告理由書の写しの送付・法第108条等)
第64条 抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び手続に参加した子(抗告人を除く。)に対し、特別抗告の抗告理由書の写しを送付しなければならない。
(執行停止の申立ての方式等・法第109条)
第65条 法第109条第1項ただし書の申立ては、書面でしなければならない。
2 法第109条第1項ただし書の規定による裁判があったとき又は当該裁判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(差戻し等の通知)
第66条 法第110条第2項において準用する民事訴訟法(平成8年法律第109号)第325条第1項前段若しくは第2項又は第326条の規定による裁判があったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(即時抗告の規定及び民事訴訟規則の準用・法第110条)
第67条 第54条第2項、第57条及び第58条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。
2 民事訴訟規則第50条の2、第190条第1項、第192条、第193条、第196条及び第202条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第196条第1項中「第194条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第61条」と、「第190条(法第312条第1項及び第2項の上告理由の記載の方式)又は第191条(法第312条第3項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第67条第2項において準用する第190条第1項」と読み替えるものとする。
第3目 終局決定に対する許可抗告
(即時抗告等の規定及び民事訴訟規則の準用・法第112条)
第68条 第54条第2項及び第57条から第66条までの規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第54条第2項中「前項の抗告状」とあり、及び第59条中「抗告状」とあるのは「法第111条第2項の規定による許可の申立書」と、同条、第60条、第62条及び第63条第1項中「特別抗告」とあるのは「法第111条第2項の申立て」と、第59条から第61条までの規定中「抗告提起通知書」とあるのは「抗告許可申立て通知書」と、第59条中「抗告理由書」とあり、並びに第61条及び第64条中「特別抗告の抗告理由書」とあるのは「法第111条第2項の申立てに係る理由書」と、第60条及び第63条第1項中「抗告状却下」とあるのは「法第111条第2項の規定による許可の申立書の却下」と、第60条中「法第110条第1項において準用する法第103条第3項の規定による抗告却下」とあり、及び第63条第1項中「抗告却下」とあるのは「法第111条第2項の申立ての却下若しくは不許可」と、第64条中「特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告」とあるのは「法第111条第2項の申立てが不適法であるとき又は同項の申立て」と、第66条中「第110条第2項」とあるのは「第112条第2項」と読み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第192条、第193条、第196条及び第199条第1項の規定は法第111条第2項の申立てについて、同規則第200条の規定は法第111条第2項の規定による許可をする場合について、同規則第50条の2及び第202条の規定は許可抗告の抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第196条第1項中「第194条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第68条第1項において読み替えて準用する同規則第61条」と、「第190条(法第312条第1項及び第2項の上告理由の記載の方式)又は第191条(法第312条第3項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第68条第2項において準用する第199条第1項」と、同条第2項中「法第316条(原裁判所による上告の却下)第1項第2号の規定による上告却下」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第111条第2項の規定による申立ての不許可」と、「法第315条(上告の理由の記載)第2項」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律による子の返還に関する事件の手続等に関する規則第68条第2項において準用する第199条第1項」と読み替えるものとする。
第4目 終局決定以外の裁判に対する不服申立て
(即時抗告の提起に係る記録の送付・法第113条)
第69条 終局決定以外の裁判に対する即時抗告(第3項の即時抗告を除く。)があった場合において、原裁判所が子の返還申立事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、第71条において準用する第55条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
2 前項の規定により抗告事件の記録が送付された場合において、抗告裁判所が同項の子の返還申立事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
3 法第62条第11項の規定による即時抗告があったときは、第71条において準用する第55条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付するものとする。
4 前項の場合には、同項の記録に、抗告事件についての原裁判所の意見を記載した書面及び抗告事件の審理に参考となる資料を添付しなければならない。
(原裁判所の意見)
第70条 終局決定以外の裁判に対する即時抗告があった場合において、抗告裁判所に事件を送付するときは、原裁判所は、抗告事件についての意見を付さなければならない。
(終局決定に対する不服申立ての規定の準用・法第116条)
第71条 裁判所、裁判官又は裁判長がした終局決定以外の裁判に対する不服申立てについては、特別の定めがある場合を除き、前款の規定(第35条、第37条、第40条、第41条、第48条、第51条及び第52条第1項の規定を除く。)及び前3目の規定(第54条第2項及び第58条第1項(これらの規定を第67条第1項及び第68条第1項において準用する場合を含む。)並びに第62条、第64条、第65条第2項及び第66条(これらの規定を第68条第1項において準用する場合を含む。)の規定を除く。)を準用する。
第4款 終局決定の変更
(終局決定の変更の手続・法第117条)
第72条 法第117条第1項の規定による終局決定の変更の申立書(次項から第4項までにおいて「終局決定の変更の申立書」という。)には、変更を求める終局決定の裁判書の写しを添付しなければならない 。
2 終局決定の変更の申立書に記載すべき終局決定の変更を求める理由は、具体的な事実を含むものでなければならない。
3 前項の具体的な事実についての証拠書類があるときは、その写しを終局決定の変更の申立書に添付しなければならない。
4 終局決定の変更の申立書には、当事者(法第117条第1項の申立てをした者を除く。)及び手続に参加した子の数と同数の写しを添付しなければならない。
5 前各項に規定するもののほか、法第117条第1項の規定による終局決定の変更の手続については、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。
(法第118条第1項の申立て等・法第118条)
第73条 法第118条第1項の規定による申立てについては第65条第1項の規定を、法第118条第1項の規定による裁判があった場合又は当該裁判が効力を失った場合については第65条第2項の規定を準用する。
第5款 再審
(再審の手続・法第119条)
第74条 再審の申立書には、不服の申立てに係る裁判書の写しを添付しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、再審の手続については、その性質に反しない限り、各審級における手続に関する規定を準用する。
(法第120条第1項の申立て等・法第120条)
第75条 法第120条第1項の規定による申立てについては第65条第1項の規定を、法第120条第1項の規定による裁判があった場合又は当該裁判が効力を失った場合については第65条第2項の規定を準用する。
第3節 義務の履行状況の調査及び履行の勧告
(義務の履行状況の調査及び履行の勧告の手続・法第121条)
第76条 法第121条第5項(同条第7項において準用する場合を含む。)の規定による許可があった場合における同条第1項(同条第7項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は当該事件に関する事項の証明書の交付の請求に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
2 第26条の規定は、法第121条第1項の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付について準用する。
3 法第121条第1項の規定による調査及び勧告の手続については、その性質に反しない限り、前節第1款の規定を準用する。
第4節 出国禁止命令
(申立ての趣旨の記載方法・法第123条)
第77条 法第122条第2項の規定による裁判の申立ての趣旨の記載は、提出を求める旅券をできる限り特定してしなければならない。
(出国禁止命令の申立ての取下げの通知・法第123条)
第78条 出国禁止命令の申立ての取下げがあったとき(出国禁止命令事件の相手方に対し、当該出国禁止命令事件が係属したことの通知及び出国禁止命令の告知がされていないときを除く。)は、裁判所書記官は、その旨を当該出国禁止命令事件の当事者及び当該出国禁止命令事件の手続に参加した子に通知しなければならない。
(出国禁止命令の発効等の通知)
第79条 出国禁止命令が効力を生じたときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。当該出国禁止命令の効力発生後に当該出国禁止命令の申立てが取り下げられたときも、同様とする。
(法第128条第1項の申立て等・法第128条等)
第80条 法第128条第1項(法第129条第3項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の申立てについては第65条第1項の規定を、法第128条第1項の規定による裁判があった場合又は当該裁判が効力を失った場合については第65条第2項の規定を準用する。
(出国禁止命令取消事件の手続・法第129条)
第81条 出国禁止命令取消事件の申立ての取下げがあった場合については、第78条の規定を準用する。
2 出国禁止命令の取消しの裁判が効力を生じた場合については、第79条前段の規定を準用する。
3 民事保全規則(平成2年最高裁判所規則第3号)第27条第1項の規定は、出国禁止命令取消事件の申立てについて準用する。この場合において、同項中「第9条第2項第2号又は第6号」とあるのは「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号)第133条において読み替えて準用する同法第94条第2項第2号又は第3号」と、「保全命令」とあるのは「同法第122条第1項の規定による裁判」と読み替えるものとする。
(旅券提出の通知・法第131条)
第82条 外務大臣は、法第122条第2項の規定による裁判を受けた者から当該裁判に係る旅券の提出を受けたときは、その旨を出国禁止命令をした裁判所に通知しなければならない。
(子の返還申立事件の手続規定の準用・法第133条)
第83条 出国禁止命令事件及び出国禁止命令取消事件の手続については、特別の定めがある場合を除き、第2節第1款から第3款まで及び第5款の規定(第34条、第35条、第38条、第40条、第41条、第45条、第48条、第51条及び第53条の規定を除く。)を準用する。この場合において、第21条第1項中「第61条」とあるのは、「第130条」と読み替えるものとする。
第2章 子の返還の執行手続に関する民事執行規則の特則
(子の返還の強制執行の申立書の記載事項及び添付書類・法第134条等)
第84条 子の返還の強制執行(法第134条第1項に規定する子の返還の強制執行をいう。第87条第3項及び第91条において同じ。)の申立書には、民事執行規則(昭和54年最高裁判所規則第5号)第21条第1号及び第5号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 子の氏名及び生年月日
二 確定した子の返還を命ずる終局決定(確定した子の返還を命ずる終局決定と同一の効力を有するものを含む。次項において同じ。)の表示
三 子の返還の代替執行(法第135条第1項に規定する子の返還の代替執行をいう。次項第2号及び次条第2項において同じ。)を求めるときは、次に掲げる事項
イ 返還実施者(法第137条に規定する返還実施者をいう。以下同じ。)となるべき者の氏名及び住所
ロ 返還実施者となるべき者が債権者と異なるときは、返還実施者となるべき者と子との関係その他のその者を返還実施者として指定することの相当性に関する事項
ハ 子の住所
2 前項の申立書には、確定した子の返還を命ずる終局決定の正本のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 子の生年月日を証する書類の写し
二 子の返還の代替執行を求めるときは、民事執行法(昭和54年法律第4号)第172条第1項の規定による決定の謄本及び当該決定の確定についての証明書並びに前項第3号ロに掲げる事項についての証拠書類の写し
(解放実施の申立書の記載事項及び添付書類・法第140条等)
第85条 法第140条第1項又は第2項に規定する子の監護を解くために必要な行為(以下「解放実施」という。)を求める旨の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 債権者及び債務者の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
二 債権者又はその代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)
三 返還実施者の氏名、生年月日、性別及び住所並びに日本国内における居所及び連絡先
四 子の氏名、生年月日、性別及び住所
五 債務者の住居その他債務者の占有する場所において解放実施を求めるときは、当該場所
六 前号に規定する場所以外の場所において解放実施を求めるときは、当該場所、当該場所を占有する者の氏名又は名称及び当該場所において解放実施を行うことを相当とする理由
七 解放実施を希望する期間
2 前項の申立書には、子の返還の代替執行の手続における民事執行法第171条第1項の規定による決定(次条第1項において「子の返還の代替執行の決定」という。)の正本のほか、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 子の生年月日を証する書類の写し
二 債務者及び子の写真その他の執行官が解放実施を行うべき場所においてこれらの者を識別することができる資料
三 債務者及び子の生活状況に関する資料
(子の返還の代替執行に関する通知)
第86条 子の返還の代替執行の決定があったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
2 解放実施を求める申立てがあったときは、執行官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。
(解放実施に関する債権者等の協力等)
第87条 執行官は、解放実施を求める申立てをした債権者及び返還実施者に対し、解放実施を行うべき期日の前後を問わず、債務者及び子の生活状況、解放実施を行うべき場所の状況、解放実施の実現の見込み、子を常居所地国に返還する時期及び方法等についての情報並びに返還実施者を識別することができる情報の提供その他の解放実施に係る手続の円滑な進行のために必要な協力を求めることができる。
2 執行官は、解放実施を行うべき場所における外務大臣の立会いの方法その他の解放実施に係る手続の円滑な進行のために必要な事項について、あらかじめ外務大臣と協議することができる。
3 子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所(抗告裁判所が子の返還を命ずる終局決定をした場合にあっては、第1審裁判所である家庭裁判所。次項において同じ。)又は子の返還の強制執行をした裁判所は、解放実施に関し、執行官に対し、子の返還申立事件又は子の返還の強制執行に係る事件に関する情報の提供その他の必要な協力をすることができる。
4 子の返還を命ずる終局決定をした家庭裁判所は、前項の規定による協力をするに際し、必要があると認めるときは、法第79条第1項又は第2項の事実の調査をした家庭裁判所調査官及び法第81条第1項の診断をした裁判所技官に意見を述べさせることができる。
5 前2項の規定は、家庭裁判所における和解若しくは調停において子の返還の合意を調書に記載した場合の当該家庭裁判所(抗告裁判所における和解又は調停において子の返還の合意を調書に記載した場合にあっては、第1審裁判所である家庭裁判所)又は子の返還を命ずる家事事件手続法(平成23年法律第52号)第284条第1項の規定による審判をした家庭裁判所(抗告裁判所が子の返還を命ずる同法第274条第5項の規定により読み替えて適用される同法第284条第1項の規定による調停に代わる審判に代わる裁判をした場合にあっては、第1審裁判所である家庭裁判所)について準用する。
6 第2項から前項までの規定に基づく協議又は協力に際して執行官が作成し、又は取得した書類については、その閲覧又はその謄本若しくは抄本の交付の請求をすることができない。
(子の返還の実施の要件等)
第88条 返還実施者は、法第141条第1項に規定する行為をする権限を第三者に委任することができない。
2 解放実施は、返還実施者が解放実施を行うべき場所に出頭したときに限り、行うことができる。
3 返還実施者は、執行官が解放実施によって子の監護を解いたときに限り、法第141条第1項に規定する行為をすることができる。
(解放実施の目的を達することができない場合の解放実施に係る事件の終了)
第89条 次に掲げる場合において、解放実施の目的を達することができないときは、執行官は、解放実施に係る事件を終了させることができる。
一 解放実施を行うべき場所において債務者又は子に出会わないとき。
二 解放実施を行うべき場所において債務者及び子に出会ったにもかかわらず、子の監護を解くことができないとき。
三 返還実施者が法第140条第6項の規定による指示に従わないことその他の事情により、執行官が円滑に解放実施を行うことができないおそれがあるとき。
(解放実施に係る調書の記載事項)
第90条 解放実施を行ったときに作成すべき調書には、民事執行規則第13条第4項第1号において準用する同条第1項第1号及び第3号から第8号までに掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 解放実施を行った場所
二 解放実施を行った場所が債務者の住居その他債務者の占有する場所以外の場所であり、当該場所における解放実施を相当と認めた場合には、その事由
三 子の表示
(執行事件の記録の正本等の様式及び閲覧等・法第143条)
第91条 子の返還の強制執行に係る事件の記録の正本、謄本又は抄本の様式及び当該事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付については、第24条から第26条までの規定を準用する。
第3章 家事事件の手続に関する特則
第1節 子の返還申立事件に係る家事調停の手続等
(子の返還の申立ての取下げの擬制の通知・法第147条)
第92条 法第147条の規定により子の返還申立事件について申立ての取下げがあったものとみなされたときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を当該子の返還申立事件が係属していた裁判所に通知しなければならない。
第2節 面会その他の交流についての家事審判及び家事調停の手続等に関する特則
(申立書の記載事項の特則)
第93条 法第6条第1項に規定する外国返還援助の決定若しくは法第17条第1項に規定する日本国面会交流援助の決定を受けた者又は子の返還の申立てをした者が、子との面会その他の交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判又は家事調停の申立てをするときは、当該家事審判又は家事調停の申立書に当該各決定を受けた旨又は子の返還の申立てをした旨を記載しなければならない。
(申立て等の通知)
第94条 前条の家事審判又は家事調停の申立てがあったときは、裁判所書記官は、速やかに、その旨を外務大臣に通知しなければならない。 当該申立て(家事事件手続法第272条第4項又は第286条第7項の規定により家事審判の申立てがあったものとみなされた場合にあっては、その申立て。以下この条において同じ。)に係る審判(審判に対する即時抗告がされた場合にあっては、同法第91条第2項の審判に代わる裁判)が確定したとき又は当該申立てに係る家事審判事件若しくは家事調停事件が裁判によらないで終了したときも、同様とする。
(住所等表示部分の閲覧等に関する規定の準用・法第149条)
第95条 子との面会その他の交流の定めをすること又はその変更を求める家事審判の申立てに係る事件の記録中の住所等表示部分に関する家事事件手続法第47条第3項の申立てについては、第25条の規定を準用する。
2 子との面会その他の交流について定め、又はその変更について定める審判書又は調停調書の正本に基づく強制執行の申立てに係る事件の記録中に法第5条第4項(第2号に係る部分に限る。)の規定により外務大臣から提供を受けた情報が記載され、又は記録されたものがある場合における当該事件の記録の正本、謄本又は抄本の様式及び当該事件の記録の閲覧、謄写若しくは複製又はその正本、謄本若しくは抄本の交付については、第24条から第26条までの規定を準用する。
第4章 雑則
(審理の状況についての説明の求めの方式・法第151条)
第96条 法第151条の規定による説明の求めは、書面でしなければならない。
(本案事件が係属する裁判所に対する通知・法第152条)
第97条 子の返還申立事件が係属する裁判所の裁判所書記官は、遅滞なく、子の返還申立事件が係属した旨を当該子の返還申立事件に係る子についての親権者の指定若しくは変更又は子の監護に関する処分についての審判事件(人事訴訟法第32条第1項に規定する附帯処分についての裁判及び同条第3項の親権者の指定についての裁判に係る事件を含む。)が係属する裁判所(当該子の返還申立事件の記録上判明しているものに限る。次項において「本案事件が係属する裁判所」という。)に通知しなければならない。
2 子の返還申立事件が終了したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を本案事件が係属する裁判所に通知しなければならない。
附則
この規則は、法の施行の日から施行する。
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