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じつようはつでんようげんしろおよびそのふぞくしせつのいち、こうぞうおよびせつびのきじゅんにかんするきそく

実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則

平成25年原子力規制委員会規則第5号
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第43条の3の6第1項第4号の規定に基づき、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則を次のように定める。

第1章 総則

(適用範囲)
第1条 この規則は、実用発電用原子炉及びその附属施設について適用する。
(定義)
第2条 この規則において使用する用語は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。
2 この規則において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 「放射線」とは、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和53年通商産業省令第77号。以下「実用炉規則」という。)第2条第2項第1号に規定する放射線をいう。
 「通常運転」とは、設計基準対象施設において計画的に行われる発電用原子炉の起動、停止、出力運転、高温待機、燃料体の取替えその他の発電用原子炉の計画的に行われる運転に必要な活動をいう。
 「運転時の異常な過渡変化」とは、通常運転時に予想される機械又は器具の単一の故障若しくはその誤作動又は運転員の単一の誤操作及びこれらと類似の頻度で発生すると予想される外乱によって発生する異常な状態であって、当該状態が継続した場合には発電用原子炉の炉心(以下単に「炉心」という。)又は原子炉冷却材圧力バウンダリの著しい損傷が生ずるおそれがあるものとして安全設計上想定すべきものをいう。
 「設計基準事故」とは、発生頻度が運転時の異常な過渡変化より低い異常な状態であって、当該状態が発生した場合には発電用原子炉施設から多量の放射性物質が放出するおそれがあるものとして安全設計上想定すべきものをいう。
 「安全機能」とは、発電用原子炉施設の安全性を確保するために必要な機能であって、次に掲げるものをいう。
 その機能の喪失により発電用原子炉施設に運転時の異常な過渡変化又は設計基準事故が発生し、これにより公衆又は従事者に放射線障害を及ぼすおそれがある機能
 発電用原子炉施設の運転時の異常な過渡変化又は設計基準事故の拡大を防止し、又は速やかにその事故を収束させることにより、公衆又は従事者に及ぼすおそれがある放射線障害を防止し、及び放射性物質が発電用原子炉を設置する工場又は事業所(以下「工場等」という。)外へ放出されることを抑制し、又は防止する機能
 「安全機能の重要度」とは、発電用原子炉施設の安全性の確保のために必要な安全機能の重要性の程度をいう。
 「設計基準対象施設」とは、発電用原子炉施設のうち、運転時の異常な過渡変化又は設計基準事故の発生を防止し、又はこれらの拡大を防止するために必要となるものをいう。
 「安全施設」とは、設計基準対象施設のうち、安全機能を有するものをいう。
 「重要安全施設」とは、安全施設のうち、安全機能の重要度が特に高い安全機能を有するものをいう。
 「工学的安全施設」とは、発電用原子炉施設の損壊又は故障その他の異常による発電用原子炉内の燃料体の著しい損傷又は炉心の著しい損傷により多量の放射性物質の放出のおそれがある場合に、これを抑制し、又は防止するための機能を有する設計基準対象施設をいう。
十一 「重大事故等対処施設」とは、重大事故に至るおそれがある事故(運転時の異常な過渡変化及び設計基準事故を除く。以下同じ。)又は重大事故(以下「重大事故等」と総称する。)に対処するための機能を有する施設をいう。
十二 「特定重大事故等対処施設」とは、重大事故等対処施設のうち、故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムにより炉心の著しい損傷が発生するおそれがある場合又は炉心の著しい損傷が発生した場合において、原子炉格納容器の破損による工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を抑制するためのものをいう。
十三 「設計基準事故対処設備」とは、設計基準事故に対処するための安全機能を有する設備をいう。
十四 「重大事故等対処設備」とは、重大事故等に対処するための機能を有する設備をいう。
十五 「重大事故防止設備」とは、重大事故等対処設備のうち、重大事故に至るおそれがある事故が発生した場合であって、設計基準事故対処設備の安全機能又は使用済燃料貯蔵槽の冷却機能若しくは注水機能が喪失した場合において、その喪失した機能(重大事故に至るおそれがある事故に対処するために必要な機能に限る。)を代替することにより重大事故の発生を防止する機能を有する設備をいう。
十六 「重大事故緩和設備」とは、重大事故等対処設備のうち、重大事故が発生した場合において、当該重大事故の拡大を防止し、又はその影響を緩和するための機能を有する設備をいう。
十七 「多重性」とは、同一の機能を有し、かつ、同一の構造、動作原理その他の性質を有する2以上の系統又は機器が同一の発電用原子炉施設に存在することをいう。
十八 「多様性」とは、同一の機能を有する2以上の系統又は機器が、想定される環境条件及び運転状態において、これらの構造、動作原理その他の性質が異なることにより、共通要因(2以上の系統又は機器に同時に影響を及ぼすことによりその機能を失わせる要因をいう。以下同じ。)又は従属要因(単一の原因によって確実に系統又は機器に故障を発生させることとなる要因をいう。以下同じ。)によって同時にその機能が損なわれないことをいう。
十九 「独立性」とは、2以上の系統又は機器が、想定される環境条件及び運転状態において、物理的方法その他の方法によりそれぞれ互いに分離することにより、共通要因又は従属要因によって同時にその機能が損なわれないことをいう。
二十 「管理区域」とは、実用炉規則第2条第2項第4号に規定する管理区域をいう。
二十一 「周辺監視区域」とは、実用炉規則第2条第2項第6号に規定する周辺監視区域をいう。
二十二 「燃料材」とは、熱を発生させるために成形された核燃料物質をいう。
二十三 「燃料被覆材」とは、原子核分裂生成物の飛散を防ぎ、かつ、1次冷却材による侵食を防ぐために燃料材を覆う金属管をいう。
二十四 「燃料要素」とは、燃料材、燃料被覆材及び端栓からなる炉心の構成要素であって、構造上独立の最小単位であるものをいう。
二十五 「燃料要素の許容損傷限界」とは、燃料被覆材の損傷の程度であって、安全設計上許容される範囲内で、かつ、発電用原子炉を安全に運転することができる限界をいう。
二十六 「原子炉停止系統」とは、発電用原子炉を未臨界に移行し、及び未臨界を維持するために発電用原子炉を停止する系統をいう。
二十七 「反応度制御系統」とは、通常運転時に反応度を調整する系統をいう。
二十八 「反応度価値」とは、制御棒の挿入又は引き抜き、液体制御材の注入その他の発電用原子炉の運転に伴う発電用原子炉の反応度の変化量をいう。
二十九 「制御棒の最大反応度価値」とは、発電用原子炉が臨界(臨界近傍を含む。)にある場合において、制御棒を1本引き抜くことにより炉心に生ずる反応度価値の最大値をいう。
三十 「反応度添加率」とは、発電用原子炉の反応度を調整することにより炉心に添加される単位時間当たりの反応度の量をいう。
三十一 「1次冷却材」とは、炉心において発生した熱を発電用原子炉から直接に取り出すことを主たる目的とする流体をいう。
三十二 「2次冷却材」とは、1次冷却材の熱を熱交換器により取り出すための流体であって、蒸気タービンを駆動させることを主たる目的とする流体をいう。
三十三 「1次冷却系統」とは、炉心を直接冷却する冷却材が循環する回路をいう。
三十四 「最終ヒートシンク」とは、発電用原子炉施設において発生した熱を最終的に除去するために必要な熱の逃がし場をいう。
三十五 「原子炉冷却材圧力バウンダリ」とは、発電用原子炉施設のうち、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時において、圧力障壁となる部分をいう。
三十六 「原子炉格納容器」とは、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設の容器内の機械又は器具から放出される放射性物質の漏えいを防止するために設けられる容器をいう。
三十七 「原子炉格納容器バウンダリ」とは、発電用原子炉施設のうち、原子炉格納容器において想定される事象が発生した場合において、圧力障壁及び放射性物質の放出の障壁となる部分をいう。
三十八 「最高使用圧力」とは、対象とする機器又は炉心支持構造物がその主たる機能を果たすべき運転状態において受ける最高の圧力以上の圧力であって、設計上定めるものをいう。
三十九 「最高使用温度」とは、対象とする機器、支持構造物又は炉心支持構造物がその主たる機能を果たすべき運転状態において生ずる最高の温度以上の温度であって、設計上定めるものをいう。
四十 「安全保護回路」とは、運転時の異常な過渡変化及び設計基準事故を検知し、これらの事象が発生した場合において原子炉停止系統及び工学的安全施設を自動的に作動させる設備をいう。
四十一 「兼用キャスク」とは、使用済燃料を工場等内に貯蔵する乾式キャスク(第16条第2項第2号及び同条第4項において「キャスク」という。)のうち、使用済燃料の工場等外への運搬に使用する容器に兼用することができるものとして、核燃料物質等の工場又は事業所の外における運搬に関する規則(昭和53年総理府令第57号)第6条又は第7条及び第11条に定める技術上の基準(容器に係るものに限る。)に適合するものをいう。

第2章 設計基準対象施設

(設計基準対象施設の地盤)
第3条 設計基準対象施設は、次条第2項の規定により算定する地震力(設計基準対象施設のうち、地震の発生によって生ずるおそれがあるその安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度が特に大きいもの(以下「耐震重要施設」という。)及び兼用キャスクにあっては、同条第3項に規定する基準地震動による地震力を含む。)が作用した場合においても当該設計基準対象施設を十分に支持することができる地盤に設けなければならない。ただし、兼用キャスクにあっては、地盤により十分に支持されなくてもその安全機能が損なわれない方法により設けることができるときは、この限りでない。
2 耐震重要施設及び兼用キャスクは、変形した場合においてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならない。
3 耐震重要施設及び兼用キャスクは、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。ただし、兼用キャスクにあっては、地盤に変位が生じてもその安全機能が損なわれない方法により設けることができるときは、この限りでない。
(地震による損傷の防止)
第4条 設計基準対象施設は、地震力に十分に耐えることができるものでなければならない。
2 前項の地震力は、地震の発生によって生ずるおそれがある設計基準対象施設の安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度に応じて算定しなければならない。
3 耐震重要施設は、その供用中に当該耐震重要施設に大きな影響を及ぼすおそれがある地震による加速度によって作用する地震力(以下「基準地震動による地震力」という。)に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
4 耐震重要施設は、前項の地震の発生によって生ずるおそれがある斜面の崩壊に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
5 炉心内の燃料被覆材は、基準地震動による地震力に対して放射性物質の閉じ込めの機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
6 兼用キャスクは、次のいずれかの地震力に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
 兼用キャスクが地震力により安全機能を損なうかどうかをその設置される位置のいかんにかかわらず判断するために用いる合理的な地震力として原子力規制委員会が別に定めるもの
 基準地震動による地震力
7 兼用キャスクは、地震の発生によって生ずるおそれがある斜面の崩壊に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
(津波による損傷の防止)
第5条 設計基準対象施設(兼用キャスク及びその周辺施設を除く。)は、その供用中に当該設計基準対象施設に大きな影響を及ぼすおそれがある津波(以下「基準津波」という。)に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
2 兼用キャスク及びその周辺施設は、次のいずれかの津波に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
 兼用キャスクが津波により安全機能を損なうかどうかをその設置される位置のいかんにかかわらず判断するために用いる合理的な津波として原子力規制委員会が別に定めるもの
 基準津波
(外部からの衝撃による損傷の防止)
第6条 安全施設(兼用キャスクを除く。)は、想定される自然現象(地震及び津波を除く。次項において同じ。)が発生した場合においても安全機能を損なわないものでなければならない。
2 重要安全施設は、当該重要安全施設に大きな影響を及ぼすおそれがあると想定される自然現象により当該重要安全施設に作用する衝撃及び設計基準事故時に生ずる応力を適切に考慮したものでなければならない。
3 安全施設(兼用キャスクを除く。)は、工場等内又はその周辺において想定される発電用原子炉施設の安全性を損なわせる原因となるおそれがある事象であって人為によるもの(故意によるものを除く。以下「人為による事象」という。)に対して安全機能を損なわないものでなければならない。
4 兼用キャスクは、次に掲げる自然現象が発生した場合においても安全機能を損なわないものでなければならない。
 兼用キャスクが竜巻により安全機能を損なうかどうかをその設置される位置のいかんにかかわらず判断するために用いる合理的な竜巻として原子力規制委員会が別に定めるもの
 想定される森林火災
5 前項の規定は、兼用キャスクについて第1項の規定の例によることを妨げない。
6 兼用キャスクは、次に掲げる人為による事象に対して安全機能を損なわないものでなければならない。
 工場等内又はその周辺において想定される兼用キャスクの安全性を損なわせる原因となるおそれがある爆発
 工場等の周辺において想定される兼用キャスクの安全性を損なわせる原因となるおそれがある火災
7 前項の規定は、兼用キャスクについて第3項の規定の例によることを妨げない。
(発電用原子炉施設への人の不法な侵入等の防止)
第7条 工場等には、発電用原子炉施設への人の不法な侵入、発電用原子炉施設に不正に爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件が持ち込まれること及び不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第2条第4項に規定する不正アクセス行為をいう。第24条第6号において同じ。)を防止するための設備を設けなければならない。
(火災による損傷の防止)
第8条 設計基準対象施設は、火災により発電用原子炉施設の安全性が損なわれないよう、火災の発生を防止することができ、かつ、早期に火災発生を感知する設備(以下「火災感知設備」という。)及び消火を行う設備(以下「消火設備」といい、安全施設に属するものに限る。)並びに火災の影響を軽減する機能を有するものでなければならない。
2 消火設備(安全施設に属するものに限る。)は、破損、誤作動又は誤操作が起きた場合においても発電用原子炉を安全に停止させるための機能を損なわないものでなければならない。
(溢水による損傷の防止等)
第9条 安全施設は、発電用原子炉施設内における溢水が発生した場合においても安全機能を損なわないものでなければならない。
2 設計基準対象施設は、発電用原子炉施設内の放射性物質を含む液体を内包する容器、配管その他の設備から放射性物質を含む液体があふれ出た場合において、当該液体が管理区域外へ漏えいしないものでなければならない。
(誤操作の防止)
第10条 設計基準対象施設は、誤操作を防止するための措置を講じたものでなければならない。
2 安全施設は、容易に操作することができるものでなければならない。
(安全避難通路等)
第11条 発電用原子炉施設には、次に掲げる設備を設けなければならない。
 その位置を明確かつ恒久的に表示することにより容易に識別できる安全避難通路
 照明用の電源が喪失した場合においても機能を損なわない避難用の照明
 設計基準事故が発生した場合に用いる照明(前号の避難用の照明を除く。)及びその専用の電源
(安全施設)
第12条 安全施設は、その安全機能の重要度に応じて、安全機能が確保されたものでなければならない。
2 安全機能を有する系統のうち、安全機能の重要度が特に高い安全機能を有するものは、当該系統を構成する機械又は器具の単一故障(単一の原因によって1つの機械又は器具が所定の安全機能を失うこと(従属要因による多重故障を含む。)をいう。以下同じ。)が発生した場合であって、外部電源が利用できない場合においても機能できるよう、当該系統を構成する機械又は器具の機能、構造及び動作原理を考慮して、多重性又は多様性を確保し、及び独立性を確保するものでなければならない。
3 安全施設は、設計基準事故時及び設計基準事故に至るまでの間に想定される全ての環境条件において、その機能を発揮することができるものでなければならない。
4 安全施設は、その健全性及び能力を確認するため、その安全機能の重要度に応じ、発電用原子炉の運転中又は停止中に試験又は検査ができるものでなければならない。
5 安全施設は、蒸気タービン、ポンプその他の機器又は配管の損壊に伴う飛散物により、安全性を損なわないものでなければならない。
6 重要安全施設は、2以上の発電用原子炉施設において共用し、又は相互に接続するものであってはならない。ただし、2以上の発電用原子炉施設と共用し、又は相互に接続することによって当該2以上の発電用原子炉施設の安全性が向上する場合は、この限りでない。
7 安全施設(重要安全施設を除く。)は、2以上の発電用原子炉施設と共用し、又は相互に接続する場合には、発電用原子炉施設の安全性を損なわないものでなければならない。
(運転時の異常な過渡変化及び設計基準事故の拡大の防止)
第13条 設計基準対象施設は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。
 運転時の異常な過渡変化時において次に掲げる要件を満たすものであること。
 最小限界熱流束比(燃料被覆材から冷却材への熱伝達が低下し、燃料被覆材の温度が急上昇し始める時の熱流束(単位時間及び単位面積当たりの熱量をいう。以下同じ。)と運転時の熱流束との比の最小値をいう。)又は最小限界出力比(燃料体に沸騰遷移が発生した時の燃料体の出力と運転時の燃料体の出力との比の最小値をいう。)が許容限界値以上であること。
 燃料被覆材が破損しないものであること。
 燃料材のエンタルピーが燃料要素の許容損傷限界を超えないこと。
 原子炉冷却材圧力バウンダリにかかる圧力が最高使用圧力の1・1倍以下となること。
 設計基準事故時において次に掲げる要件を満たすものであること。
 炉心の著しい損傷が発生するおそれがないものであり、かつ、炉心を十分に冷却できるものであること。
 燃料材のエンタルピーが炉心及び原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性を維持するための制限値を超えないこと。
 原子炉冷却材圧力バウンダリにかかる圧力が最高使用圧力の1・2倍以下となること。
 原子炉格納容器バウンダリにかかる圧力及び原子炉格納容器バウンダリにおける温度が最高使用圧力及び最高使用温度以下となること。
 設計基準対象施設が工場等周辺の公衆に放射線障害を及ぼさないものであること。
(全交流動力電源喪失対策設備)
第14条 発電用原子炉施設には、全交流動力電源喪失時から重大事故等に対処するために必要な電力の供給が交流動力電源設備から開始されるまでの間、発電用原子炉を安全に停止し、かつ、発電用原子炉の停止後に炉心を冷却するための設備が動作するとともに、原子炉格納容器の健全性を確保するための設備が動作することができるよう、これらの設備の動作に必要な容量を有する蓄電池その他の設計基準事故に対処するための電源設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
(炉心等)
第15条 設計基準対象施設は、原子炉固有の出力抑制特性を有するとともに、発電用原子炉の反応度を制御することにより核分裂の連鎖反応を制御できる能力を有するものでなければならない。
2 炉心は、通常運転時又は運転時の異常な過渡変化時に発電用原子炉の運転に支障が生ずる場合において、原子炉冷却系統、原子炉停止系統、反応度制御系統、計測制御系統及び安全保護回路の機能と併せて機能することにより燃料要素の許容損傷限界を超えないものでなければならない。
3 燃料体、減速材及び反射材並びに炉心支持構造物は、通常運転時、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時において、発電用原子炉を安全に停止し、かつ、停止後に炉心の冷却機能を維持できるものでなければならない。
4 燃料体及び反射材並びに炉心支持構造物、熱遮蔽材並びに1次冷却系統に係る容器、管、ポンプ及び弁は、1次冷却材又は2次冷却材の循環、沸騰その他の1次冷却材又は2次冷却材の挙動により生ずる流体振動又は温度差のある流体の混合その他の1次冷却材又は2次冷却材の挙動により生ずる温度変動により損傷を受けないものでなければならない。
5 燃料体は、通常運転時における圧力、温度及び放射線に起因する最も厳しい条件において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
6 燃料体は、次に掲げるものでなければならない。
 通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時における発電用原子炉内の圧力、自重、附加荷重その他の燃料体に加わる負荷に耐えるものとすること。
 輸送中又は取扱中において、著しい変形を生じないものとすること。
(燃料体等の取扱施設及び貯蔵施設)
第16条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、通常運転時に使用する燃料体又は使用済燃料(以下この条において「燃料体等」という。)の取扱施設(安全施設に係るものに限る。)を設けなければならない。
 燃料体等を取り扱う能力を有するものとすること。
 燃料体等が臨界に達するおそれがないものとすること。
 崩壊熱により燃料体等が溶融しないものとすること。
 使用済燃料からの放射線に対して適切な遮蔽能力を有するものとすること。
 燃料体等の取扱中における燃料体等の落下を防止できるものとすること。
2 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、燃料体等の貯蔵施設(安全施設に属するものに限る。以下この項において同じ。)を設けなければならない。
 燃料体等の貯蔵施設は、次に掲げるものであること。
 燃料体等の落下により燃料体等が破損して放射性物質の放出により公衆に放射線障害を及ぼすおそれがある場合において、放射性物質の放出による公衆への影響を低減するため、燃料貯蔵設備を格納するもの及び放射性物質の放出を低減するものとすること。
 燃料体等を必要に応じて貯蔵することができる容量を有するものとすること。
 燃料体等が臨界に達するおそれがないものとすること。
 使用済燃料の貯蔵施設(キャスクを除く。)にあっては、前号に掲げるもののほか、次に掲げるものであること。
 使用済燃料からの放射線に対して適切な遮蔽能力を有するものとすること。
 貯蔵された使用済燃料が崩壊熱により溶融しないものであって、最終ヒートシンクへ熱を輸送できる設備及びその浄化系を有するものとすること。
 使用済燃料貯蔵槽(安全施設に属するものに限る。以下この項及び次項において同じ。)から放射性物質を含む水があふれ、又は漏れないものであって、使用済燃料貯蔵槽から水が漏えいした場合において水の漏えいを検知することができるものとすること。
 燃料体等の取扱中に想定される燃料体等の落下時及び重量物の落下時においてもその機能が損なわれないものとすること。
3 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、使用済燃料貯蔵槽の水位及び水温並びに燃料取扱場所の放射線量を測定できる設備を設けなければならない。
 使用済燃料貯蔵槽の水位及び水温並びに燃料取扱場所の放射線量の異常を検知し、それを原子炉制御室に伝え、又は異常が生じた水位及び水温を自動的に制御し、並びに放射線量を自動的に抑制することができるものとすること。
 外部電源が利用できない場合においても温度、水位その他の発電用原子炉施設の状態を示す事項(以下「パラメータ」という。)を監視することができるものとすること。
4 キャスクを設ける場合には、そのキャスクは、第2項第1号に定めるもののほか、次に掲げるものでなければならない。
 使用済燃料からの放射線に対して適切な遮蔽能力を有するものとすること。
 使用済燃料の崩壊熱を適切に除去することができるものとすること。
 使用済燃料が内包する放射性物質を適切に閉じ込めることができ、かつ、その機能を適切に監視することができるものとすること。
(原子炉冷却材圧力バウンダリ)
第17条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器(安全施設に属するものに限る。以下この条において同じ。)を設けなければならない。
 通常運転時、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時に生ずる衝撃、炉心の反応度の変化による荷重の増加その他の原子炉冷却材圧力バウンダリを構成する機器に加わる負荷に耐えるものとすること。
 原子炉冷却材の流出を制限するため隔離装置を有するものとすること。
 通常運転時、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時に瞬間的破壊が生じないよう、十分な破壊じん性を有するものとすること。
 原子炉冷却材圧力バウンダリからの原子炉冷却材の漏えいを検出する装置を有するものとすること。
(蒸気タービン)
第18条 蒸気タービン(安全施設に属するものに限る。以下この条において同じ。)は、当該蒸気タービンが損壊し、又は故障した場合においても、発電用原子炉施設の安全性を損なわないものでなければならない。
2 蒸気タービンには、当該蒸気タービンが損壊し、又は故障した場合においても発電用原子炉施設の安全性を損なわないよう、その運転状態を監視できる設備を設けなければならない。
(非常用炉心冷却設備)
第19条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、非常用炉心冷却設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
 1次冷却材を喪失した場合においても、燃料被覆材の温度が燃料材の溶融又は燃料体の著しい損傷を生ずる温度を超えて上昇することを防止できるものとすること。
 1次冷却材を喪失した場合においても、燃料被覆材と冷却材との反応により著しく多量の水素を生じないものとすること。
(1次冷却材の減少分を補給する設備)
第20条 発電用原子炉施設には、通常運転時又は1次冷却材の小規模漏えい時に発生した1次冷却材の減少分を補給する設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
(残留熱を除去することができる設備)
第21条 発電用原子炉施設には、発電用原子炉を停止した場合において、燃料要素の許容損傷限界及び原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性を維持するために必要なパラメータが設計値を超えないようにするため、原子炉圧力容器内において発生した残留熱を除去することができる設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
(最終ヒートシンクへ熱を輸送することができる設備)
第22条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、最終ヒートシンクへ熱を輸送することができる設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
 原子炉圧力容器内において発生した残留熱及び重要安全施設において発生した熱を除去することができるものとすること。
 津波、溢水又は工場等内若しくはその周辺における発電用原子炉施設の安全性を損なわせる原因となるおそれがある事象であって人為によるものに対して安全性を損なわないものとすること。
(計測制御系統施設)
第23条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、計測制御系統施設を設けなければならない。
 炉心、原子炉冷却材圧力バウンダリ及び原子炉格納容器バウンダリ並びにこれらに関連する系統の健全性を確保するために監視することが必要なパラメータは、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時においても想定される範囲内に制御できるものとすること。
 前号のパラメータは、通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時においても想定される範囲内で監視できるものとすること。
 設計基準事故が発生した場合の状況を把握し、及び対策を講ずるために必要なパラメータは、設計基準事故時に想定される環境下において、十分な測定範囲及び期間にわたり監視できるものとすること。
 前号のパラメータのうち、発電用原子炉の停止及び炉心の冷却に係るものについては、設計基準事故時においても2種類以上監視し、又は推定することができるものとすること。
 発電用原子炉の停止及び炉心の冷却並びに放射性物質の閉じ込めの機能の状況を監視するために必要なパラメータは、設計基準事故時においても確実に記録され、及び当該記録が保存されるものとすること。
(安全保護回路)
第24条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、安全保護回路(安全施設に属するものに限る。以下この条において同じ。)を設けなければならない。
 運転時の異常な過渡変化が発生する場合において、その異常な状態を検知し、及び原子炉停止系統その他系統と併せて機能することにより、燃料要素の許容損傷限界を超えないようにできるものとすること。
 設計基準事故が発生する場合において、その異常な状態を検知し、原子炉停止系統及び工学的安全施設を自動的に作動させるものとすること。
 安全保護回路を構成する機械若しくは器具又はチャンネルは、単一故障が起きた場合又は使用状態からの単一の取り外しを行った場合において、安全保護機能を失わないよう、多重性を確保するものとすること。
 安全保護回路を構成するチャンネルは、それぞれ互いに分離し、それぞれのチャンネル間において安全保護機能を失わないように独立性を確保するものとすること。
 駆動源の喪失、系統の遮断その他の不利な状況が発生した場合においても、発電用原子炉施設をより安全な状態に移行するか、又は当該状態を維持することにより、発電用原子炉施設の安全上支障がない状態を維持できるものとすること。
 不正アクセス行為その他の電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせる行為による被害を防止することができるものとすること。
 計測制御系統施設の一部を安全保護回路と共用する場合には、その安全保護機能を失わないよう、計測制御系統施設から機能的に分離されたものとすること。
(反応度制御系統及び原子炉停止系統)
第25条 発電用原子炉施設には、反応度制御系統(原子炉停止系統を含み、安全施設に係るものに限る。次項において同じ。)を設けなければならない。
2 反応度制御系統は、計画的な出力変化に伴う反応度変化を燃料要素の許容損傷限界を超えることなく制御できる能力を有し、かつ、次に掲げるものでなければならない。
 制御棒、液体制御材その他反応度を制御するものによる2以上の独立した系統を有するものとすること。
 通常運転時の高温状態において、2以上の独立した系統がそれぞれ発電用原子炉を未臨界に移行し、及び未臨界を維持できるものであり、かつ、運転時の異常な過渡変化時の高温状態においても反応度制御系統のうち少なくとも1つは、燃料要素の許容損傷限界を超えることなく発電用原子炉を未臨界に移行し、及び未臨界を維持できること。この場合において、非常用炉心冷却設備その他の発電用原子炉施設の安全性を損なうおそれがある場合に作動する設備の作動に伴って注入される液体制御材による反応度価値を加えることができる。
 通常運転時及び運転時の異常な過渡変化時における低温状態において、反応度制御系統のうち少なくとも1つは、発電用原子炉を未臨界に移行し、及び未臨界を維持できること。
 1次冷却材喪失その他の設計基準事故時において、反応度制御系統のうち少なくとも1つは、発電用原子炉を未臨界へ移行することができ、かつ、少なくとも1つは、発電用原子炉を未臨界に維持できること。この場合において、非常用炉心冷却設備その他の発電用原子炉施設の安全性を損なうおそれがある場合に作動する設備の作動に伴って注入される液体制御材による反応度価値を加えることができる。
 制御棒を用いる場合にあっては、反応度価値の最も大きな制御棒1本が固着した場合においても前3号の規定に適合すること。
3 制御棒の最大反応度価値及び反応度添加率は、想定される反応度投入事象(発電用原子炉に反応度が異常に投入される事象をいう。)に対して原子炉冷却材圧力バウンダリを破損せず、かつ、炉心の冷却機能を損なうような炉心、炉心支持構造物及び原子炉圧力容器内部構造物の損壊を起こさないものでなければならない。
4 制御棒、液体制御材その他の反応度を制御する設備は、通常運転時における圧力、温度及び放射線に起因する最も厳しい条件において、必要な物理的及び化学的性質を保持するものでなければならない。
(原子炉制御室等)
第26条 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより、原子炉制御室(安全施設に属するものに限る。以下この条において同じ。)を設けなければならない。
 設計基準対象施設の健全性を確保するために必要なパラメータを監視できるものとすること。
 発電用原子炉施設の外の状況を把握する設備を有するものとすること。
 発電用原子炉施設の安全性を確保するために必要な操作を手動により行うことができるものとすること。
2 発電用原子炉施設には、火災その他の異常な事態により原子炉制御室が使用できない場合において、原子炉制御室以外の場所から発電用原子炉を高温停止の状態に直ちに移行させ、及び必要なパラメータを想定される範囲内に制御し、その後、発電用原子炉を安全な低温停止の状態に移行させ、及び低温停止の状態を維持させるために必要な機能を有する装置を設けなければならない。
3 1次冷却系統に係る発電用原子炉施設の損壊又は故障その他の異常が発生した場合に発電用原子炉の運転の停止その他の発電用原子炉施設の安全性を確保するための措置をとるため、従事者が支障なく原子炉制御室に入り、又は一定期間とどまり、かつ、当該措置をとるための操作を行うことができるよう、次の各号に掲げる場所の区分に応じ、当該各号に定める設備を設けなければならない。
 原子炉制御室及びその近傍並びに有毒ガスの発生源の近傍 工場等内における有毒ガスの発生を検出するための装置及び当該装置が有毒ガスの発生を検出した場合に原子炉制御室において自動的に警報するための装置
 原子炉制御室及びこれに連絡する通路並びに運転員その他の従事者が原子炉制御室に出入りするための区域 遮蔽壁その他の適切に放射線から防護するための設備、気体状の放射性物質及び原子炉制御室外の火災により発生する燃焼ガスに対し換気設備を隔離するための設備その他の適切に防護するための設備
(放射性廃棄物の処理施設)
第27条 工場等には、次に掲げるところにより、通常運転時において放射性廃棄物(実用炉規則第2条第2項第2号に規定する放射性廃棄物をいう。以下同じ。)を処理する施設(安全施設に係るものに限る。以下この条において同じ。)を設けなければならない。
 周辺監視区域の外の空気中及び周辺監視区域の境界における水中の放射性物質の濃度を十分に低減できるよう、発電用原子炉施設において発生する放射性廃棄物を処理する能力を有するものとすること。
 液体状の放射性廃棄物の処理に係るものにあっては、放射性物質を処理する施設から液体状の放射性廃棄物が漏えいすることを防止し、及び工場等外へ液体状の放射性廃棄物が漏えいすることを防止できるものとすること。
 固体状の放射性廃棄物の処理に係るものにあっては、放射性廃棄物を処理する過程において放射性物質が散逸し難いものとすること。
(放射性廃棄物の貯蔵施設)
第28条 工場等には、次に掲げるところにより、発電用原子炉施設において発生する放射性廃棄物を貯蔵する施設(安全施設に係るものに限る。)を設けなければならない。
 放射性廃棄物が漏えいし難いものとすること。
 固体状の放射性廃棄物を貯蔵する設備を設けるものにあっては、放射性廃棄物による汚染が広がらないものとすること。
(工場等周辺における直接線等からの防護)
第29条 設計基準対象施設は、通常運転時において発電用原子炉施設からの直接線及びスカイシャイン線による工場等周辺の空間線量率が十分に低減できるものでなければならない。
(放射線からの放射線業務従事者の防護)
第30条 設計基準対象施設は、外部放射線による放射線障害を防止する必要がある場合には、次に掲げるものでなければならない。
 放射線業務従事者(実用炉規則第2条第2項第7号に規定する放射線業務従事者をいう。以下同じ。)が業務に従事する場所における放射線量を低減できるものとすること。
 放射線業務従事者が運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時において、迅速な対応をするために必要な操作ができるものとすること。
2 工場等には、放射線から放射線業務従事者を防護するため、放射線管理施設を設けなければならない。
3 放射線管理施設には、放射線管理に必要な情報を原子炉制御室その他当該情報を伝達する必要がある場所に表示できる設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
(監視設備)
第31条 発電用原子炉施設には、通常運転時、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時において、当該発電用原子炉施設及びその境界付近における放射性物質の濃度及び放射線量を監視し、及び測定し、並びに設計基準事故時における迅速な対応のために必要な情報を原子炉制御室その他当該情報を伝達する必要がある場所に表示できる設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
(原子炉格納施設)
第32条 原子炉格納容器は、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設が損壊し、又は故障した場合において漏えいする放射性物質が公衆に放射線障害を及ぼさないようにするため、想定される最大の圧力、最高の温度及び適切な地震力に十分に耐えることができ、かつ、適切に作動する隔離機能と併せて所定の漏えい率を超えることがないものでなければならない。
2 原子炉格納容器バウンダリを構成する設備は、通常運転時、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時に瞬間的破壊が生じないよう、十分な破壊じん性を有するものでなければならない。
3 原子炉格納容器を貫通する配管には、隔離弁(安全施設に属するものに限る。次項及び第5項において同じ。)を設けなければならない。ただし、計測装置又は制御棒駆動装置に関連する配管であって、当該配管を通じての漏えい量が十分許容される程度に抑制されているものについては、この限りでない。
4 主要な配管(事故の収束に必要な系統の配管を除く。)に設ける隔離弁は、設計基準事故時に隔離機能の確保が必要となる場合において、自動的、かつ、確実に閉止される機能を有するものでなければならない。
5 発電用原子炉施設には、次に掲げるところにより隔離弁を設けなければならない。
 原子炉格納容器に近接した箇所に設置するものとすること。
 原子炉格納容器内に開口部がある配管又は原子炉冷却材圧力バウンダリに接続している配管のうち、原子炉格納容器の外側で閉じていないものにあっては、原子炉格納容器の内側及び外側にそれぞれ1個の隔離弁を設けるものとすること。ただし、その一方の側の設置箇所における配管の隔離弁の機能が、湿気その他隔離弁の機能に影響を与える環境条件によって著しく低下するおそれがあると認められるときは、貫通箇所の外側であって近接した箇所に2個の隔離弁を設けることをもって、これに代えることができる。
 原子炉格納容器を貫通し、貫通箇所の内側又は外側において閉じている配管にあっては、原子炉格納容器の外側に1個の隔離弁を設けるものとすること。ただし、当該格納容器の外側に隔離弁を設けることが困難である場合においては、原子炉格納容器の内側に1個の隔離弁を適切に設けることをもって、これに代えることができる。
 前2号の規定にかかわらず、配管に圧力開放板を適切に設けるときは、原子炉格納容器の内側又は外側に通常時において閉止された1個の隔離弁を設けることをもって、前2号の規定による隔離弁の設置に代えることができる。
 閉止後において駆動動力源が喪失した場合においても隔離機能が失われないものとすること。
6 発電用原子炉施設には、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設が損壊し、又は故障した際に生ずる原子炉格納容器内の圧力及び温度の上昇により原子炉格納容器の健全性に支障が生ずることを防止するため、原子炉格納容器内において発生した熱を除去する設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
7 発電用原子炉施設には、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設が損壊し、又は故障した際に原子炉格納容器から気体状の放射性物質が漏えいすることにより公衆に放射線障害を及ぼすおそれがある場合は、放射性物質の濃度を低減させるため、原子炉格納施設内の雰囲気の浄化系(安全施設に係るものに限る。)を設けなければならない。
8 発電用原子炉施設には、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設が損壊し、又は故障した際に生ずる水素及び酸素により原子炉格納容器の健全性を損なうおそれがある場合は、水素及び酸素の濃度を抑制するため、可燃性ガス濃度制御系(安全施設に係るものに限る。)を設けなければならない。
(保安電源設備)
第33条 発電用原子炉施設は、重要安全施設がその機能を維持するために必要となる電力を当該重要安全施設に供給するため、電力系統に連系したものでなければならない。
2 発電用原子炉施設には、非常用電源設備(安全施設に属するものに限る。以下この条において同じ。)を設けなければならない。
3 保安電源設備(安全施設へ電力を供給するための設備をいう。)は、電線路、発電用原子炉施設において常時使用される発電機及び非常用電源設備から安全施設への電力の供給が停止することがないよう、機器の損壊、故障その他の異常を検知するとともに、その拡大を防止するものでなければならない。
4 設計基準対象施設に接続する電線路のうち少なくとも2回線は、それぞれ互いに独立したものであって、当該設計基準対象施設において受電可能なものであり、かつ、それにより当該設計基準対象施設を電力系統に連系するものでなければならない。
5 前項の電線路のうち少なくとも1回線は、設計基準対象施設において他の回線と物理的に分離して受電できるものでなければならない。
6 設計基準対象施設に接続する電線路は、同一の工場等の2以上の発電用原子炉施設を電力系統に連系する場合には、いずれの2回線が喪失した場合においても電力系統からこれらの発電用原子炉施設への電力の供給が同時に停止しないものでなければならない。
7 非常用電源設備及びその附属設備は、多重性又は多様性を確保し、及び独立性を確保し、その系統を構成する機械又は器具の単一故障が発生した場合であっても、運転時の異常な過渡変化時又は設計基準事故時において工学的安全施設及び設計基準事故に対処するための設備がその機能を確保するために十分な容量を有するものでなければならない。
8 設計基準対象施設は、他の発電用原子炉施設に属する非常用電源設備及びその附属設備から受電する場合には、当該非常用電源設備から供給される電力に過度に依存しないものでなければならない。
(緊急時対策所)
第34条 工場等には、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設の損壊その他の異常が発生した場合に適切な措置をとるため、緊急時対策所を原子炉制御室以外の場所に設けなければならない。
2 緊急時対策所及びその近傍並びに有毒ガスの発生源の近傍には、有毒ガスが発生した場合に適切な措置をとるため、工場等内における有毒ガスの発生を検出するための装置及び当該装置が有毒ガスの発生を検出した場合に緊急時対策所において自動的に警報するための装置その他の適切に防護するための設備を設けなければならない。
(通信連絡設備)
第35条 工場等には、設計基準事故が発生した場合において工場等内の人に対し必要な指示ができるよう、警報装置(安全施設に属するものに限る。)及び多様性を確保した通信連絡設備(安全施設に属するものに限る。)を設けなければならない。
2 工場等には、設計基準事故が発生した場合において発電用原子炉施設外の通信連絡をする必要がある場所と通信連絡ができるよう、多様性を確保した専用通信回線を設けなければならない。
(補助ボイラー)
第36条 発電用原子炉施設には、設計基準事故に至るまでの間に想定される使用条件に応じて必要な蒸気を供給する能力がある補助ボイラー(安全施設に属するものに限る。次項において同じ。)を設けなければならない。
2 補助ボイラーは、発電用原子炉施設の安全性を損なわないものでなければならない。

第3章 重大事故等対処施設

(重大事故等の拡大の防止等)
第37条 発電用原子炉施設は、重大事故に至るおそれがある事故が発生した場合において、炉心の著しい損傷を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない。
2 発電用原子炉施設は、重大事故が発生した場合において、原子炉格納容器の破損及び工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない。
3 発電用原子炉施設は、重大事故に至るおそれがある事故が発生した場合において、使用済燃料貯蔵槽内の燃料体又は使用済燃料(以下「貯蔵槽内燃料体等」という。)の著しい損傷を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない。
4 発電用原子炉施設は、重大事故に至るおそれがある事故が発生した場合において、運転停止中における発電用原子炉内の燃料体(以下「運転停止中原子炉内燃料体」という。)の著しい損傷を防止するために必要な措置を講じたものでなければならない。
(重大事故等対処施設の地盤)
第38条 重大事故等対処施設は、次に掲げる施設の区分に応じ、それぞれ次に定める地盤に設けなければならない。
 重大事故防止設備のうち常設のもの(以下「常設重大事故防止設備」という。)であって、耐震重要施設に属する設計基準事故対処設備が有する機能を代替するもの(以下「常設耐震重要重大事故防止設備」という。)が設置される重大事故等対処施設(特定重大事故等対処施設を除く。) 基準地震動による地震力が作用した場合においても当該重大事故等対処施設を十分に支持することができる地盤
 常設耐震重要重大事故防止設備以外の常設重大事故防止設備が設置される重大事故等対処施設(特定重大事故等対処施設を除く。) 第4条第2項の規定により算定する地震力が作用した場合においても当該重大事故等対処施設を十分に支持することができる地盤
 重大事故緩和設備のうち常設のもの(以下「常設重大事故緩和設備」という。)が設置される重大事故等対処施設(特定重大事故等対処施設を除く。) 基準地震動による地震力が作用した場合においても当該重大事故等対処施設を十分に支持することができる地盤
 特定重大事故等対処施設 第4条第2項の規定により算定する地震力が作用した場合及び基準地震動による地震力が作用した場合においても当該特定重大事故等対処施設を十分に支持することができる地盤
2 重大事故等対処施設(前項第2号の重大事故等対処施設を除く。次項及び次条第2項において同じ。)は、変形した場合においても重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならない。
3 重大事故等対処施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。
(地震による損傷の防止)
第39条 重大事故等対処施設は、次に掲げる施設の区分に応じ、それぞれ次に定める要件を満たすものでなければならない。
 常設耐震重要重大事故防止設備が設置される重大事故等対処施設(特定重大事故等対処施設を除く。) 基準地震動による地震力に対して重大事故に至るおそれがある事故に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものであること。
 常設耐震重要重大事故防止設備以外の常設重大事故防止設備が設置される重大事故等対処施設(特定重大事故等対処施設を除く。) 第4条第2項の規定により算定する地震力に十分に耐えることができるものであること。
 常設重大事故緩和設備が設置される重大事故等対処施設(特定重大事故等対処施設を除く。) 基準地震動による地震力に対して重大事故に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものであること。
 特定重大事故等対処施設 第4条第2項の規定により算定する地震力に十分に耐えることができ、かつ、基準地震動による地震力に対して重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものであること。
2 重大事故等対処施設は、第4条第3項の地震の発生によって生ずるおそれがある斜面の崩壊に対して重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
(津波による損傷の防止)
第40条 重大事故等対処施設は、基準津波に対して重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。
(火災による損傷の防止)
第41条 重大事故等対処施設は、火災により重大事故等に対処するために必要な機能を損なうおそれがないよう、火災の発生を防止することができ、かつ、火災感知設備及び消火設備を有するものでなければならない。
(特定重大事故等対処施設)
第42条 工場等には、次に掲げるところにより、特定重大事故等対処施設を設けなければならない。
 原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムに対してその重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものであること。
 原子炉格納容器の破損を防止するために必要な設備を有するものであること。
 原子炉建屋への故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムの発生後、発電用原子炉施設の外からの支援が受けられるまでの間、使用できるものであること。
(重大事故等対処設備)
第43条 重大事故等対処設備は、次に掲げるものでなければならない。
 想定される重大事故等が発生した場合における温度、放射線、荷重その他の使用条件において、重大事故等に対処するために必要な機能を有効に発揮するものであること。
 想定される重大事故等が発生した場合において確実に操作できるものであること。
 健全性及び能力を確認するため、発電用原子炉の運転中又は停止中に試験又は検査ができるものであること。
 本来の用途以外の用途として重大事故等に対処するために使用する設備にあっては、通常時に使用する系統から速やかに切り替えられる機能を備えるものであること。
 工場等内の他の設備に対して悪影響を及ぼさないものであること。
 想定される重大事故等が発生した場合において重大事故等対処設備の操作及び復旧作業を行うことができるよう、放射線量が高くなるおそれが少ない設置場所の選定、設置場所への遮蔽物の設置その他の適切な措置を講じたものであること。
2 重大事故等対処設備のうち常設のもの(重大事故等対処設備のうち可搬型のもの(以下「可搬型重大事故等対処設備」という。)と接続するものにあっては、当該可搬型重大事故等対処設備と接続するために必要な発電用原子炉施設内の常設の配管、弁、ケーブルその他の機器を含む。以下「常設重大事故等対処設備」という。)は、前項に定めるもののほか、次に掲げるものでなければならない。
 想定される重大事故等の収束に必要な容量を有するものであること。
 2以上の発電用原子炉施設において共用するものでないこと。ただし、2以上の発電用原子炉施設と共用することによって当該2以上の発電用原子炉施設の安全性が向上する場合であって、同一の工場等内の他の発電用原子炉施設に対して悪影響を及ぼさない場合は、この限りでない。
 常設重大事故防止設備は、共通要因によって設計基準事故対処設備の安全機能と同時にその機能が損なわれるおそれがないよう、適切な措置を講じたものであること。
3 可搬型重大事故等対処設備に関しては、第1項に定めるもののほか、次に掲げるものでなければならない。
 想定される重大事故等の収束に必要な容量に加え、十分に余裕のある容量を有するものであること。
 常設設備(発電用原子炉施設と接続されている設備又は短時間に発電用原子炉施設と接続することができる常設の設備をいう。以下同じ。)と接続するものにあっては、当該常設設備と容易かつ確実に接続することができ、かつ、2以上の系統又は発電用原子炉施設が相互に使用することができるよう、接続部の規格の統一その他の適切な措置を講じたものであること。
 常設設備と接続するものにあっては、共通要因によって接続することができなくなることを防止するため、可搬型重大事故等対処設備(原子炉建屋の外から水又は電力を供給するものに限る。)の接続口をそれぞれ互いに異なる複数の場所に設けるものであること。
 想定される重大事故等が発生した場合において可搬型重大事故等対処設備を設置場所に据え付け、及び常設設備と接続することができるよう、放射線量が高くなるおそれが少ない設置場所の選定、設置場所への遮蔽物の設置その他の適切な措置を講じたものであること。
 地震、津波その他の自然現象又は故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムによる影響、設計基準事故対処設備及び重大事故等対処設備の配置その他の条件を考慮した上で常設重大事故等対処設備と異なる保管場所に保管すること。
 想定される重大事故等が発生した場合において可搬型重大事故等対処設備を運搬し、又は他の設備の被害状況を把握するため、工場等内の道路及び通路が確保できるよう、適切な措置を講じたものであること。
 重大事故防止設備のうち可搬型のものは、共通要因によって、設計基準事故対処設備の安全機能、使用済燃料貯蔵槽の冷却機能若しくは注水機能又は常設重大事故防止設備の重大事故に至るおそれがある事故に対処するために必要な機能と同時にその機能が損なわれるおそれがないよう、適切な措置を講じたものであること。
(緊急停止失敗時に発電用原子炉を未臨界にするための設備)
第44条 発電用原子炉施設には、運転時の異常な過渡変化時において発電用原子炉の運転を緊急に停止することができない事象が発生するおそれがある場合又は当該事象が発生した場合においても炉心の著しい損傷を防止するため、原子炉冷却材圧力バウンダリ及び原子炉格納容器の健全性を維持するとともに、発電用原子炉を未臨界に移行するために必要な設備を設けなければならない。
(原子炉冷却材圧力バウンダリ高圧時に発電用原子炉を冷却するための設備)
第45条 発電用原子炉施設には、原子炉冷却材圧力バウンダリが高圧の状態であって、設計基準事故対処設備が有する発電用原子炉の冷却機能が喪失した場合においても炉心の著しい損傷を防止するため、発電用原子炉を冷却するために必要な設備を設けなければならない。
(原子炉冷却材圧力バウンダリを減圧するための設備)
第46条 発電用原子炉施設には、原子炉冷却材圧力バウンダリが高圧の状態であって、設計基準事故対処設備が有する発電用原子炉の減圧機能が喪失した場合においても炉心の著しい損傷及び原子炉格納容器の破損を防止するため、原子炉冷却材圧力バウンダリを減圧するために必要な設備を設けなければならない。
(原子炉冷却材圧力バウンダリ低圧時に発電用原子炉を冷却するための設備)
第47条 発電用原子炉施設には、原子炉冷却材圧力バウンダリが低圧の状態であって、設計基準事故対処設備が有する発電用原子炉の冷却機能が喪失した場合においても炉心の著しい損傷及び原子炉格納容器の破損を防止するため、発電用原子炉を冷却するために必要な設備を設けなければならない。
(最終ヒートシンクへ熱を輸送するための設備)
第48条 発電用原子炉施設には、設計基準事故対処設備が有する最終ヒートシンクへ熱を輸送する機能が喪失した場合において炉心の著しい損傷及び原子炉格納容器の破損(炉心の著しい損傷が発生する前に生ずるものに限る。)を防止するため、最終ヒートシンクへ熱を輸送するために必要な設備を設けなければならない。
(原子炉格納容器内の冷却等のための設備)
第49条 発電用原子炉施設には、設計基準事故対処設備が有する原子炉格納容器内の冷却機能が喪失した場合において炉心の著しい損傷を防止するため、原子炉格納容器内の圧力及び温度を低下させるために必要な設備を設けなければならない。
2 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷が発生した場合において原子炉格納容器の破損を防止するため、原子炉格納容器内の圧力及び温度並びに放射性物質の濃度を低下させるために必要な設備を設けなければならない。
(原子炉格納容器の過圧破損を防止するための設備)
第50条 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷が発生した場合において原子炉格納容器の過圧による破損を防止するため、原子炉格納容器バウンダリを維持しながら原子炉格納容器内の圧力及び温度を低下させるために必要な設備を設けなければならない。
2 発電用原子炉施設(原子炉格納容器の構造上、炉心の著しい損傷が発生した場合において短時間のうちに原子炉格納容器の過圧による破損が発生するおそれがあるものに限る。)には、前項の設備に加えて、原子炉格納容器内の圧力を大気中に逃がすために必要な設備を設けなければならない。
3 前項の設備は、共通要因によって第1項の設備の過圧破損防止機能(炉心の著しい損傷が発生した場合において原子炉格納容器の過圧による破損を防止するために必要な機能をいう。)と同時にその機能が損なわれるおそれがないよう、適切な措置を講じたものでなければならない。
(原子炉格納容器下部の溶融炉心を冷却するための設備)
第51条 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷が発生した場合において原子炉格納容器の破損を防止するため、溶融し、原子炉格納容器の下部に落下した炉心を冷却するために必要な設備を設けなければならない。
(水素爆発による原子炉格納容器の破損を防止するための設備)
第52条 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷が発生した場合において原子炉格納容器内における水素による爆発(以下「水素爆発」という。)による破損を防止する必要がある場合には、水素爆発による原子炉格納容器の破損を防止するために必要な設備を設けなければならない。
(水素爆発による原子炉建屋等の損傷を防止するための設備)
第53条 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷が発生した場合において原子炉建屋その他の原子炉格納容器から漏えいする気体状の放射性物質を格納するための施設(以下「原子炉建屋等」という。)の水素爆発による損傷を防止する必要がある場合には、水素爆発による当該原子炉建屋等の損傷を防止するために必要な設備を設けなければならない。
(使用済燃料貯蔵槽の冷却等のための設備)
第54条 発電用原子炉施設には、使用済燃料貯蔵槽の冷却機能又は注水機能が喪失し、又は使用済燃料貯蔵槽からの水の漏えいその他の要因により当該使用済燃料貯蔵槽の水位が低下した場合において貯蔵槽内燃料体等を冷却し、放射線を遮蔽し、及び臨界を防止するために必要な設備を設けなければならない。
2 発電用原子炉施設には、使用済燃料貯蔵槽からの大量の水の漏えいその他の要因により当該使用済燃料貯蔵槽の水位が異常に低下した場合において貯蔵槽内燃料体等の著しい損傷の進行を緩和し、及び臨界を防止するために必要な設備を設けなければならない。
(工場等外への放射性物質の拡散を抑制するための設備)
第55条 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷及び原子炉格納容器の破損又は貯蔵槽内燃料体等の著しい損傷に至った場合において工場等外への放射性物質の拡散を抑制するために必要な設備を設けなければならない。
(重大事故等の収束に必要となる水の供給設備)
第56条 設計基準事故の収束に必要な水源とは別に、重大事故等の収束に必要となる十分な量の水を有する水源を確保することに加えて、発電用原子炉施設には、設計基準事故対処設備及び重大事故等対処設備に対して重大事故等の収束に必要となる十分な量の水を供給するために必要な設備を設けなければならない。
(電源設備)
第57条 発電用原子炉施設には、設計基準事故対処設備の電源が喪失したことにより重大事故等が発生した場合において炉心の著しい損傷、原子炉格納容器の破損、貯蔵槽内燃料体等の著しい損傷及び運転停止中原子炉内燃料体の著しい損傷を防止するために必要な電力を確保するために必要な設備を設けなければならない。
2 発電用原子炉施設には、第33条第2項の規定により設置される非常用電源設備及び前項の規定により設置される電源設備のほか、設計基準事故対処設備の電源が喪失したことにより重大事故等が発生した場合において炉心の著しい損傷、原子炉格納容器の破損、貯蔵槽内燃料体等の著しい損傷及び運転停止中原子炉内燃料体の著しい損傷を防止するための常設の直流電源設備を設けなければならない。
(計装設備)
第58条 発電用原子炉施設には、重大事故等が発生し、計測機器(非常用のものを含む。)の故障により当該重大事故等に対処するために監視することが必要なパラメータを計測することが困難となった場合において当該パラメータを推定するために有効な情報を把握できる設備を設けなければならない。
(運転員が原子炉制御室にとどまるための設備)
第59条 発電用原子炉施設には、炉心の著しい損傷が発生した場合(重大事故等対処設備(特定重大事故等対処施設を構成するものを除く。)が有する原子炉格納容器の破損を防止するための機能が損なわれた場合を除く。)においても運転員が第26条第1項の規定により設置される原子炉制御室にとどまるために必要な設備を設けなければならない。
(監視測定設備)
第60条 発電用原子炉施設には、重大事故等が発生した場合に工場等及びその周辺(工場等の周辺海域を含む。)において発電用原子炉施設から放出される放射性物質の濃度及び放射線量を監視し、及び測定し、並びにその結果を記録することができる設備を設けなければならない。
2 発電用原子炉施設には、重大事故等が発生した場合に工場等において風向、風速その他の気象条件を測定し、及びその結果を記録することができる設備を設けなければならない。
(緊急時対策所)
第61条 第34条の規定により設置される緊急時対策所は、重大事故等が発生した場合においても当該重大事故等に対処するための適切な措置が講じられるよう、次に掲げるものでなければならない。
 重大事故等に対処するために必要な指示を行う要員がとどまることができるよう、適切な措置を講じたものであること。
 重大事故等に対処するために必要な指示ができるよう、重大事故等に対処するために必要な情報を把握できる設備を設けたものであること。
 発電用原子炉施設の内外の通信連絡をする必要のある場所と通信連絡を行うために必要な設備を設けたものであること。
2 緊急時対策所は、重大事故等に対処するために必要な数の要員を収容することができるものでなければならない。
(通信連絡を行うために必要な設備)
第62条 発電用原子炉施設には、重大事故等が発生した場合において当該発電用原子炉施設の内外の通信連絡をする必要のある場所と通信連絡を行うために必要な設備を設けなければならない。

附則

1 この規則は、原子力規制委員会設置法(平成24年法律第47号。以下「設置法」という。)附則第1条第4号に掲げる規定の施行の日(平成25年7月8日)から施行する。
2 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則等の一部を改正する規則(平成28年原子力規制委員会規則第1号)の施行の際現に設置され又は設置に着手されている発電用原子炉施設については、平成25年7月8日以後最初に行われる法第43条の3の9第1項の規定による認可(実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(平成25年原子力規制委員会規則第6号。以下「技術基準規則」という。)第11条及び第12条並びに第3章の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)の日から起算して5年を経過する日までの間は、第42条及び第57条第2項の規定は、適用しない。ただし、当該期間中に行われる法第43条の3の8第1項の規定による変更の許可(第42条及び第57条第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)及び当該期間中に法第43条の3の11の規定による検査(技術基準規則第53条及び第72条第2項の規定に適合するために必要な事項に係る法第43条の3の9第1項の規定による認可を受けた工事の計画に従って行われる工事に係るものに限る。)に合格した発電用原子炉施設については、この限りでない。
附則 (平成28年1月12日原子力規制委員会規則第1号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則 (平成29年5月1日原子力規制委員会規則第6号) 抄
(施行期日)
第1条 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この規則の施行の際現に設置され又は設置に着手されている発電用原子炉施設(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第43条の3の5第2項第5号に規定する発電用原子炉施設をいう。以下同じ。)については、平成32年5月1日以後最初に当該発電用原子炉施設に係る法第43条の3の15の検査を終了した日又は平成32年5月1日以後に発電用原子炉(法第2条第5項に規定する発電用原子炉をいう。)の運転を開始する日の前日のいずれか早い日までの間(以下この項において「経過措置期間」という。)は、なお従前の例による。ただし、次に掲げるものについては、この限りでない。
 経過措置期間中に行われる次に掲げる許可、認可及び検査
 法第43条の3の8第1項の規定による変更の許可(この規則による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則第26条第3項及び第34条第2項又はこの規則による改正後の研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則第26条第3項及び第34条第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の9第1項の規定による認可(この規則による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則第38条第5項及び第46条第2項又はこの規則による改正後の研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則第37条第5項及び第45条第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の11第1項の検査(ロの認可を受けた工事の計画に従って行われる工事に係るものに限る。)
 前号ハの検査に合格した発電用原子炉施設
附則 (平成29年9月11日原子力規制委員会規則第13号)
(施行期日)
1 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の際現に設置され又は設置に着手されている発電用原子炉施設(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第43条の3の5第2項第5号に規定する発電用原子炉施設をいう。以下同じ。)に対する第1条の規定による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下「新実用炉設置許可基準規則」という。)第4条第5項の規定及び第1条の規定による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(以下「新実用炉技術基準規則」という。)第5条第4項の規定の適用については、平成31年9月30日までの間は、なお従前の例による。ただし、次に掲げるものについては、この限りでない。
 平成31年9月30日までの間に行われる次に掲げる許可、認可及び検査
 法第43条の3の8第1項の規定による変更の許可(新実用炉設置許可基準規則第4条第5項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の9第1項の規定による認可(新実用炉技術基準規則第5条第4項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の11第1項の検査(ロの認可を受けた工事の計画に従って行われる工事に係るものに限る。)
 前号ハの検査に合格した発電用原子炉施設
附則 (平成29年12月14日原子力規制委員会規則第15号)
(施行期日)
第1条 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この規則の施行の際現に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第43条の3の9第1項の規定による認可(実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則第11条及び第12条並びに第3章の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)を受けた発電用原子炉施設(法第43条の3の5第2項第5号に規定する発電用原子炉施設をいう。以下同じ。)に対する第1条の規定による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下「新設置許可基準規則」という。)第50条及び第59条の規定並びに第1条の規定による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(以下「新技術基準規則」という。)第65条及び第74条の規定の適用については、平成31年1月1日以後最初に当該発電用原子炉施設に係る法第43条の3の15の検査を終了した日までの間(以下「経過措置期間」という。)は、なお従前の例による。ただし、次に掲げるものについては、この限りでない。
 経過措置期間中に行われる次に掲げる許可、認可及び検査
 法第43条の3の8第1項の規定による変更の許可(新設置許可基準規則第50条及び第59条の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の9第1項及び第2項の規定による認可(新技術基準規則第65条及び第74条の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の11第1項の検査(ロの認可を受けた工事の計画に従って行われる工事に係るものに限る。)
 前号ハの検査に合格した発電用原子炉施設
附則 (平成30年2月20日原子力規制委員会規則第3号)
(施行期日)
第1条 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この規則の施行の際現に設置され又は設置に着手されている試験研究用等原子炉施設(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第23条第2項第5号に規定する試験研究用等原子炉施設をいう。以下同じ。)に対するこの規則による改正後の試験研究の用に供する原子炉等の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下「新試験炉設置許可基準規則」という。)第9条第2項、この規則による改正後の試験研究の用に供する原子炉等の設計及び工事の方法の技術基準に関する規則(以下「新試験炉設工基準規則」という。)第13条の2第2項及びこの規則による改正後の試験研究の用に供する原子炉等の性能に係る技術基準に関する規則第17条第2項の規定の適用については、この規則の施行の日から起算して1年を経過する日(以下「経過日」という。)までの間は、なお従前の例による。ただし、次に掲げるものについては、この限りでない。
 経過日までの間に行われる次に掲げる許可、認可及び検査
 法第26条第1項の規定による変更の許可(新試験炉設置許可基準規則第9条第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第27条第1項及び第2項の規定による認可(新試験炉設工基準規則第13条の2第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第28条第1項の検査(ロの認可を受けた設計及び方法に従って行われる工事に係るものに限る。)
 前号ハの検査に合格した試験研究用等原子炉施設
第3条 この規則の施行の際現に設置され又は設置に着手されている発電用原子炉施設(法第43条の3の5第2項第5号に規定する発電用原子炉施設をいう。以下同じ。)に対するこの規則による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下「新実用炉設置許可基準規則」という。)第9条第2項、この規則による改正後の実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(以下「新実用炉技術基準規則」という。)第12条第2項、この規則による改正後の研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下「新研開炉設置許可基準規則」という。)第9条第2項及びこの規則による改正後の研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則(以下「新研開炉技術基準規則」という。)第12条第2項の規定の適用については、経過日までの間は、なお従前の例による。ただし、次に掲げるものについては、この限りでない。
 経過日までの間に行われる次に掲げる許可、認可及び検査
 法第43条の3の8第1項の規定による変更の許可(新実用炉設置許可基準規則第9条第2項又は新研開炉設置許可基準規則第9条第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の9第1項及び第2項の規定による認可(新実用炉技術基準規則第12条第2項又は新研開炉技術基準規則第12条第2項の規定に適合するために必要な事項に係るものに限る。)
 法第43条の3の11第1項の検査(ロの認可を受けた工事の計画に従って行われる工事に係るものに限る。)
 前号ハの検査に合格した発電用原子炉施設
第4条 この規則の施行前に施設に着手した工事であって、この規則の施行により新たに法第27条第1項及び第43条の3の9第1項の規定に該当するものを行っている者は、この規則の施行後においても引き続きその工事を行うことができる。
附則 (平成30年6月8日原子力規制委員会規則第6号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則 (平成31年4月2日原子力規制委員会規則第4号)
この規則は、公布の日から施行する。
附則 (令和元年7月1日原子力規制委員会規則第3号)
この規則は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。ただし、第44条の規定は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則の一部を改正する規則(平成30年原子力規制委員会規則第11号)の施行の日(令和元年9月1日)から施行する。

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