しょうぼうようホースのぎじゅつじょうのきかくをさだめるしょうれい
消防用ホースの技術上の規格を定める省令
平成25年総務省令第22号
消防法(昭和23年法律第186号)第21条の16の3第1項の規定に基づき、消防用ホースの技術上の規格を定める省令(昭和43年自治省令第27号)の全部を改正する省令を次のように定める。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この省令は、消防用ホースの技術上の規格を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 消防用ホース 消防の用に供する平ホース、保形ホース、大容量泡放水砲用ホース及び濡れホースをいう。
二 平ホース ジャケットにゴム又は合成樹脂の内張りを施した消防用ホース(保形ホース、大容量泡放水砲用ホース及び濡れホースを除く。)をいう。
三 保形ホース ホースの断面が常時円形に保たれる消防用ホースをいう。
四 大容量泡放水砲用ホース 石油コンビナート等災害防止法施行令(昭和51年政令第129号)第13条第3項に規定する大容量泡放水砲用防災資機材等としての用途にのみ用いられる消防用ホースをいう。
五 濡れホース 水流によりホース全体が均一に濡れる消防用ホースをいう。
六 使用圧 折れ曲がった部分のない状態における消防用ホースに通水した場合の常用最高使用水圧(単位 メガパスカル)をいう。
七 設計破断圧 ホースが破断しない最高の圧力として設計された水圧(単位 メガパスカル)をいう。
八 ジャケット たて糸及びよこ糸により筒状に織られたものをいう。
九 ダブルジャケット 平ホース又は大容量泡放水砲用ホースを外とうで被覆した構造のものをいう。
(消防用ホースの構造)
第3条 消防用ホースの構造は、次に定めるところによらなければならない。
一 製造方法が適切で、耐久力に富み、かつ、使用上支障のないものであること。
二 良質の材料を使用したものであること。
三 被覆(ジャケットの外面を保護するために、ゴム又は合成樹脂その他外力に対して強度を有する材料により覆ったものをいう。以下同じ。)のないジャケットにあっては、全体にわたり均等に、かつ、しっかりと織られていること。
四 被覆のあるジャケットにあっては、全体にわたり均等に織られ、編まれ、又は巻かれていること。
五 織り等のむら、糸切れ、糸抜け、糸とび、著しい汚れ、ふし、外傷、きょう雑物の混入、よこ糸の露出又は補修不完全がないこと。
六 縦色線又は縦線を有していること。ただし、保形ホース及び大容量泡放水砲用ホースにあっては、縦色線又は縦線を有しないものとすることができる。
(内径)
第4条 消防用ホース(大容量泡放水砲用ホースを除く。)は、その呼称に応じ、次の表に掲げる内径を有するものでなければならない。
呼称 | 内径(単位 ミリメートル) |
150 | 152以上156以下 |
125 | 127以上131以下 |
100 | 102以上105以下 |
90 | 89以上92以下 |
75 | 76以上79以下 |
65 | 63・5以上66・5以下 |
50 | 51以上54以下 |
40 | 38以上41以下 |
30 | 30・5以上33・5以下 |
25 | 26以上28以下 |
20 | 18以上20以下 |
2 大容量泡放水砲用ホースの内径は、当該大容量泡放水砲用ホースに表示された呼び径(大容量泡放水砲用ホースの設計された内径(単位 ミリメートル)をいう。以下同じ。)からその呼び径の103パーセントの内径までの範囲内のものでなければならない。
(表示)
第5条 消防用ホースは、次の各号に掲げる事項を、その見やすい箇所に容易に消えないように表示するものでなければならない。
一 消防用である旨
二 製造者名又は商標
三 製造年
四 届出番号
五 呼称(大容量泡放水砲用ホースを除く。)、長さ(単位 メートル)及び第10条ただし書又は第22条ただし書が適用されるものにあってはその用途
六 「使用圧」という文字及び使用圧
七 「設計破断圧」という文字及び設計破断圧(設計破断圧が使用圧の3倍以上の平ホース、保形ホース及び濡れホース並びに大容量泡放水砲用ホースを除く。)
八 ダブルジャケットのものにあっては、その旨
九 保形ホースにあっては、最小曲げ半径(ホースを円形に曲げた場合に、曲げる方向と直角方向の外径が5パーセント増加したときの内円の半径の最小値をいう。以下同じ。)(単位 センチメートル)
十 大容量泡放水砲用ホースにあっては、次に掲げる事項
イ 大容量泡放水砲用である旨
ロ 呼び径
ハ 使用圧を超えない動力消防ポンプに用いる旨
十一 濡れホースにあっては、その旨
2 前項第7号の表示は、小数点以下1位未満の数値を切り捨てて得た数値を表示するものとする。
第2章 平ホース
(区分)
第6条 平ホースは、次の表のとおり区分する。
使用圧 | 呼称 | |||||||||
2・0 | 100 | 90 | 75 | 65 | 50 | 40 | ||||
1・6 | 150 | 125 | 100 | 90 | 75 | 65 | 50 | 40 | ||
1・3 | 150 | 125 | 100 | 90 | 75 | 65 | 50 | 40 | ||
0・9 | 150 | 125 | 65 | 50 | 40 | 30 | 25 | |||
0・7 | 65 | 50 | 40 | 30 | 25 |
(ゴム及び合成樹脂の品質)
第7条 平ホースの内張り及び被覆に使用されているゴムは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 切断時引張応力が、産業標準化法(昭和24年法律第185号)第20条第1項の日本産業規格(以下「JIS」という。)K 6251で定める方法により採取したダンベル状3号形試験片(以下この条において「3号形試験片」という。)を用いてJIS K 6251の切断時引張応力を測定した場合に、13メガパスカル以上であること。
二 切断時引張応力が、空気加熱老化試験(70度プラスマイナス1度の温度に96時間放置した後、3号形試験片を用いてJIS K 6251の引張試験を行うものをいう。)を行った場合に、7・8メガパスカル以上であること。
三 切断時伸びが、3号形試験片を用いてJIS K 6251の切断時伸びを測定した場合に、420パーセント以上であること。
四 次の式で求めた永久伸びが、25パーセント以下であること。
永久伸び(%)=(L1−L0)/L0×100
備考 この算式中次に掲げる記号の意義は、それぞれ次に定めるとおりとする。
L0 JIS K 6251で定める方法により採取したダンベル状1号形試験片(以下この条において「1号形試験片」という。)に付された伸び測定用の標線間の距離(単位 ミリメートル。以下この号において「標線距離」という。)
L1 1号形試験片をJIS K 6251の引張試験において算出した伸びの約2分の1に相当する長さに引っ張り、十分間保持した後、急に収縮させ、十分間放置した後に測定した標線距離
2 平ホースの内張り、被覆及び塗装(ジャケットの外面を着色等するために、塗料等を塗布したものをいう。以下同じ。)に使用されているゴムは、折り畳んだホースの上に10ニュートン毎平方センチメートルの荷重を加え、70度プラスマイナス1度の温度に96時間放置しても、相互に接着しないものでなければならない。
3 平ホースの内張り及び被覆に使用されている合成樹脂は、第1項第1号及び第2号の規定並びに次の各号に適合するものでなければならない。
一 伸びが、3号形試験片を用いてJIS K 6251の切断時伸びを測定した場合に、260パーセント以上であること。
二 ホースの長さ30センチメートルの部分を3つ折りに畳み、その上に2ニュートン毎平方センチメートルの等分布荷重を加え零下25度プラスマイナス2度の温度に24時間放置した後荷重を取り除き、折り曲げ部分の反転を繰り返し10回行った後、次条第2号及び第3号の規定並びに第12条の試験(ホースを折り曲げた状態で行うものを除く。)に適合すること。
三 3メートル以上のホースにその容積の1パーセントに相当する水を入れ、その両端を塞ぎ70度プラスマイナス3度の温度に360時間放置し、室温で10日間以上放置した後、次条第2号及び第3号の規定並びに第12条の試験(ホースを折り曲げた状態で行うものを除く。)に適合すること。
四 1号形試験片を室温で24時間以上乾燥器中に放置した後、質量を測定し、当該試験片を100度プラスマイナス2度とした加熱器中に48時間つるし、室温で乾燥器中に放冷した後、再び質量を測定した場合に、次の式で求めた減量が、2パーセント以下であること。
減量(%)=(W1−W2)/W1×100
備考 この算式中次に掲げる記号の意義は、それぞれ次に定めるとおりとする。
W1 加熱前の質量(単位 グラム)
W2 加熱後の質量(単位 グラム)
(内張り)
第8条 平ホースの内張りは、次の各号に適合するものでなければならない。
一 ゴム又は合成樹脂の厚さが0・2ミリメートル以上であること。
二 ジャケットとの密着の強さは、ジャケットのたて糸及びよこ糸の各方向について、JIS K 6256—1の布とのはく離強さ(試験片の長さは、100ミリメートル以上とする。ただし、100ミリメートルに満たないよこ糸方向のものにあっては、円周の長さとすることができる。)を測定した場合に、JIS K 6274に基づき解析されたピークの最小値が30ニュートン以上であること。
三 表面にしわ等の不均一な部分がなく、水流の摩擦損失が少ないものであること。
(被覆及び塗装)
第9条 平ホースの被覆及び塗装は、しわ等の不均一な部分がないものでなければならない。
2 平ホースの被覆は、前条第2号の規定に適合するものでなければならない。
(長さ)
第10条 平ホースの長さは、乾燥させた状態で10メートル、15メートル、20メートル又は30メートルとし、表示された長さからその長さの110パーセントの長さまでのものでなければならない。ただし、はしご付消防自動車、屈折はしご付消防自動車又は船舶の用に供されるものその他特殊な用途に使用されるものについては、この限りでない。
(質量)
第11条 平ホースは、乾燥させた状態で、その使用圧及び呼称に応じて次の表に掲げる質量(単位 グラム毎メートル)以下のものでなければならない。ただし、ダブルジャケット又は被覆のあるものにあっては、使用上支障のないものであれば、この限りでない。
呼称 | 150 | 125 | 100 | 90 | 75 | 65 | 50 | 40 | 30 | 25 | |
使用圧 | |||||||||||
2・0 | 千六百四十 | 千二百八十 | 940 | 650 | 470 | 350 | |||||
1・6 | 三千八百 | 二千五百 | 千五百二十 | 千百九十 | 880 | 620 | 450 | 340 | |||
1・3 | 三千四百 | 二千二百 | 千三百五十 | 千六十 | 780 | 550 | 400 | 300 | |||
0・9 | 三千百 | 二千 | 500 | 370 | 280 | 230 | 190 | ||||
0・7 | 500 | 370 | 280 | 230 | 190 |
(耐圧試験)
第12条 平ホースは、その使用圧及びホースの状態に応じて次の表に掲げる水圧を5分間加えた場合、破断、糸切れ、噴水、漏水等を生じてはならない。
ホースの状態 | まっすぐにした状態(単位 メガパスカル) | 折り曲げた状態(単位 メガパスカル) | |
使用圧 | |||
2・0 | 4・0 | 2・8 | |
1・6 | 3・2 | 2・2 | |
1・3 | 2・5 | 1・8 | |
0・9 | 1・8 | 1・3 | |
0・7 | 1・5 | 1・0 |
(破断試験)
第13条 平ホースは、1・5メートル以上のホースをまっすぐにした状態で設計破断圧の水圧を加えた場合、破断を生じてはならない。
(伸び)
第14条 平ホースは、まっすぐにした状態で使用圧を加えた場合におけるホースの伸びが、水圧0・1メガパスカルの状態におけるホースの長さを基準として10パーセント以下のものでなければならない。
(よじれ)
第15条 平ホースのよじれは、右方向のものであり、かつ、使用圧を加えた場合におけるホースのよじれが、その使用圧及び呼称に応じて次の表に掲げる角度(単位 度毎メートル)以下でなければならない。
呼称 | 150 | 125 | 100 | 90 | 75 | 65 | 50 | 40 | 30 | 25 | |
使用圧 | |||||||||||
2・0 | 80 | 100 | 120 | 140 | 160 | 200 | |||||
1・6 | 60 | 60 | 60 | 80 | 100 | 120 | 140 | 180 | |||
1・3 | 40 | 40 | 40 | 60 | 80 | 100 | 120 | 160 | |||
0・9 | 40 | 40 | 80 | 90 | 120 | 160 | 200 | ||||
0・7 | 80 | 90 | 120 | 160 | 200 |
(ゆがみ)
第16条 平ホースは、使用圧を加えた場合におけるホースのゆがみ(ホース中心線及びゆがみ部分の中心線との距離の最大値をいう。以下同じ。)が、水圧0・1メガパスカルの状態におけるホースを基準として、使用圧1・6以上のものにあっては750ミリメートル以下、使用圧1・3以下のものにあっては650ミリメートル以下のものでなければならない。
(耐摩耗性)
第17条 平ホースは、任意の場所において、別表及び別図に定める試験条件により摩擦試験を行った場合、次の表に掲げる使用圧に応じた回数の摩擦により漏水を生じてはならない。
使用圧 | 回数 |
2・0 | 80回 |
1・6 | 50回 |
1・3 | 30回 |
0・9 | 20回 |
0・7 | 10回 |
第3章 保形ホース
(区分)
第18条 保形ホースは、次の表のとおり区分する。
使用圧 | 呼称 | |||
2・0 | 40 | 30 | 25 | 20 |
1・6 | 40 | 30 | 25 | 20 |
1・0 | 40 | 30 | 25 | 20 |
0・7 | 40 | 30 | 25 | 20 |
(ゴム及び合成樹脂の品質)
第19条 保形ホースの内張り及び被覆に使用されているゴムは、第7条第1項各号の規定に適合するものでなければならない。
2 保形ホースの内張り及び被覆に使用されている合成樹脂は、第7条第1項第1号及び第2号並びに第3項第1号、第3号及び第4号の規定に適合するものでなければならない。
(内張り)
第20条 保形ホースの内張りは、第8条各号の規定に適合するものでなければならない。
(被覆及び塗装)
第21条 保形ホースの被覆及び塗装は、しわ等の不均一な部分がないものでなければならない。
2 保形ホースの被覆は、第8条第2号の規定に適合するものでなければならない。
(長さ)
第22条 保形ホースの長さは、乾燥させた状態で10メートル、15メートル、20メートル又は30メートルとし、表示された長さからその長さの110パーセントの長さまでのものでなければならない。ただし、船舶の用に供されるものその他特殊な用途に使用されるものについては、この限りでない。
(質量)
第23条 保形ホースは、乾燥させた状態で、その使用圧及び呼称に応じて次の表に掲げる質量(単位 グラム毎メートル)以下のものでなければならない。ただし、ジャケットに被覆のあるものにあっては、使用上支障ないものであれば、この限りでない。
呼称 | 40 | 30 | 25 | 20 | |
使用圧 | |||||
2・0 | 500 | 400 | 300 | 260 | |
1・6 | 500 | 400 | 300 | 260 | |
1・0 | 450 | 300 | 250 | 210 | |
0・7 | 450 | 300 | 250 | 210 |
(耐圧試験)
第24条 保形ホースは、その使用圧及びホースの状態に応じて次の表に掲げる水圧を5分間加えた場合、破断、糸切れ、噴水、漏水等を生じてはならない。
ホースの状態 | まっすぐにした状態(単位 メガパスカル) | 最小曲げ半径を内円の半径とする円形に曲げた状態(単位 メガパスカル) | |
使用圧 | |||
2・0 | 4・0 | 4・0 | |
1・6 | 3・2 | 3・2 | |
1・0 | 2・0 | 2・0 | |
0・7 | 1・5 | 1・5 |
(破断試験)
第25条 保形ホースは、1・5メートル以上のホースをまっすぐにした状態で設計破断圧の水圧を加えた場合、破断を生じてはならない。
(伸び)
第26条 保形ホースは、まっすぐにした状態で使用圧を加えた場合におけるホースの伸びが、水圧0・1メガパスカルの状態におけるホースの長さを基準として10パーセント以下のものでなければならない。
(よじれ)
第27条 保形ホースのよじれは、右方向のものであり、かつ、使用圧を加えた場合におけるホースのよじれが、その使用圧及び呼称に応じて次の表に掲げる角度(単位 度毎メートル)以下でなければならない。
呼称 | 40 | 30 | 25 | 20 | |
使用圧 | |||||
2・0 | 200 | 200 | 200 | 250 | |
1・6 | 180 | 180 | 200 | 250 | |
1・0 | 120 | 160 | 200 | 250 | |
0・7 | 120 | 160 | 200 | 250 |
(ゆがみ)
第28条 保形ホースは、使用圧を加えた場合におけるホースのゆがみが、水圧0・1メガパスカルの状態におけるホースを基準として、650ミリメートル以下のものでなければならない。
(耐摩耗性)
第29条 保形ホースは、任意の場所において、別表及び別図に定める試験条件により摩擦試験を行った場合、次の表に掲げる使用圧に応じた回数の摩擦により漏水を生じてはならない。
使用圧 | 回数 |
2・0 | 80 |
1・6 | 50 |
1・0 | 20 |
0・7 | 10 |
(保形性)
第30条 保形ホースの一端を次の図のように固定して、最小曲げ半径の曲率半径をもった枕木に沿って90度曲げ、その先端に20ニュートンの荷重を加えて30分間放置した場合、つぶれ(同図に掲げる算式により算出したものをいう。以下同じ。)が10パーセント以下であり、かつ、荷重を取り除いた後のつぶれが5パーセント以下でなければならない。
図
つぶれ(%)=(C1−C2)/C1×100
備考 この算式中次に掲げる記号の意義は、それぞれ次に定めるとおりとする。
C1 荷重を加える前のA点とB点を通る外径(単位 ミリメートル)
C2 荷重を加えた後及び荷重を取り除いた後のA点とB点を通る外径(単位 ミリメートル)
2 保形ホースは、長さ10センチメートルの部分に600ニュートンの荷重を10秒間加えた後において、次の各号に適合し、かつ、破損、亀裂、著しい変形等が生じないものでなければならない。
一 使用圧を1分間加え、水圧を取り除いた後、次に掲げる算式により算出した残留ひずみが5パーセント以下であること。
残留ひずみ(%)=(d1−d2)/d1×100
備考 この算式中次に掲げる記号の意義は、それぞれ次に定めるとおりとする。
d1 荷重を加える前のホースの外径(単位 ミリメートル)
d2 水圧を取り除いた後のホースの鉛直方向の外寸法(単位 ミリメートル)
二 その使用圧及びホースの状態に応じて次の表に掲げる水圧を5分間加えた場合、破断、糸切れ、噴水、漏水等を生じないこと。
ホースの状態 | まっすぐにした状態(単位 メガパスカル) | 最小曲げ半径を内円の半径とする円形に曲げた状態(単位 メガパスカル) | |
使用圧 | |||
2・0 | 4・0 | 4・0 | |
1・6 | 3・2 | 3・2 | |
1・0 | 2・0 | 2・0 | |
0・7 | 1・5 | 1・5 |
(耐閉塞性)
第31条 保形ホースは、次の図のようにホースの一部分を最小曲げ半径を内円の半径とする二重の輪にした状態で、JIS A 5705に適合する滑らかなビニル床タイルの床面上で、一端を固定して他の一端を最大100ニュートンの加重で、かつ、5キロメートル毎時の速度で引っ張った場合、通水を阻害するおそれのある折れ、変形等を生じないものでなければならない。
図
(耐低温性)
第32条 保形ホースは、最小曲げ半径を半径とする円筒に沿って1回巻き付けた状態で、零下25度プラスマイナス2度の温度に24時間放置した後、1秒間でまっすぐに伸ばした後に1秒間で当該円筒に沿って1回巻き付ける操作を10回繰り返し行った場合、第8条第2号及び第3号の規定並びに第24条の試験(最小曲げ半径を内円の半径とする円形に保形ホースを曲げた状態で行うものを除く。)に適合するものでなければならない。
第4章 大容量泡放水砲用ホース
(長さ)
第33条 大容量泡放水砲用ホースの長さ(単位 メートル)は、乾燥させた状態で、表示された長さからその長さの110パーセントの長さまでのものでなければならない。
(耐圧試験)
第34条 大容量泡放水砲用ホースは、まっすぐにした状態で使用圧の2・0倍(ジャケットの劣化等を防ぐための処置がされているものにあっては、1・5倍)の水圧を5分間加えた場合、破断、糸切れ、噴水、漏水等を生じてはならない。
(よじれ)
第35条 大容量泡放水砲用ホースのよじれは、右方向のものであり、かつ、使用圧を加えた場合におけるホースのよじれが、使用上支障のない範囲内でなければならない。
(準用)
第36条 第7条から第9条まで、第14条及び第16条の規定は、大容量泡放水砲用ホースについて準用する。この場合において、第7条第3項第2号中「長さ30センチメートルの部分」とあるのは「一部分」と、「第12条の試験(ホースを折り曲げた状態で行うものを除く。)」とあるのは「第34条の試験」と、同項第3号中「第12条の試験(ホースを折り曲げた状態で行うものを除く。)」とあるのは「第34条の試験」と、第16条中「使用圧1・3以下」とあるのは「その他」と読み替えるものとする。
第5章 濡れホース
(区分)
第37条 濡れホースは、次の表のとおり区分する。
使用圧 | 呼称 | |||||
1・3 | 90 | 75 | 65 | 50 | 40 | 25 |
(濡れホースの構造)
第38条 濡れホースは、濡れを適正に保持できるよう措置されたものでなければならない。
(品質)
第39条 濡れホースの内張りに使用されているゴムは、第7条第2項の規定及び次の各号に適合するものでなければならない。
一 ゴムの表面にしわ等の不均一な部分がなく、かつ、ジャケットに均一に密着したものであること。
二 ホースの長さ3メートルの部分を折り畳んだ状態でJIS K 6259の静的オゾン劣化試験の方法に基づいて、次の表に掲げる試験条件により試験を行った後において、第45条の規定に適合するものであること。
項目 | 試験条件 |
オゾン濃度 | 50pphm |
試験槽の温度 | 38度から42度までの間 |
試験時間 | 360時間 |
試料の状態及び入れ方 | 24時間密閉暗箱内に放置した後、ホースを折り畳んだ状態で槽の中心付近に入れる。 |
オゾン濃度の測定回数 | 試料を入れてから15分ごとに測定する。ただし、オゾン濃度自動調節器により濃度調節を行うものは、この限りでない。 |
オゾン濃度の測定方法 |
JIS K 6259に示す定電流電解法による。
|
2 前項第1号並びに第7条第3項第2号及び第4号の規定は、濡れホースの内張りに使用されている合成樹脂について準用する。この場合において、第7条第3項第2号中「次条第2号及び第3号の規定並びに第12条の試験(ホースを折り曲げた状態で行うものを除く。)」とあるのは「第8条第3号の規定及び第42条の試験」と読み替えるものとする。
(長さ)
第40条 濡れホースの長さは、乾燥させた状態で20メートル又は30メートルとし、表示された長さからその長さの110パーセントの長さまでのものでなければならない。
(質量)
第41条 濡れホースは、乾燥させた状態で、その呼称に応じて次の表に掲げる質量以下のものでなければならない。
呼称 | ホース1メートル当たりの質量(単位 グラム) |
90 | 千六十 |
75 | 780 |
65 | 550 |
50 | 400 |
40 | 300 |
25 | 200 |
(耐圧試験)
第42条 濡れホースは、その使用圧及びホースの状態に応じて次の表に掲げる水圧を5分間加えた場合、破断、糸切れ等を生じてはならない。
ホースの状態 | まっすぐにした状態(単位 メガパスカル) | 折り曲げた状態(単位 メガパスカル) | |
使用圧 | |||
1・3 | 2・5 | 1・8 |
(破断試験)
第43条 濡れホースは、1・5メートル以上のホースをまっすぐにした状態で設計破断圧の水圧を加えた場合、破断を生じてはならない。
(伸び)
第44条 濡れホースは、まっすぐにした状態で使用圧を加えた場合におけるホースの伸びが、水圧0・1メガパスカルの状態におけるホースの長さを基準として10パーセント以下のものでなければならない。
(漏水量)
第45条 濡れホースは、水圧を0・5メガパスカルとし、35分間保持したうちの最後の5分間の平均漏水量が、その呼称に応じて、次の表に掲げる漏水量以下のものであり、かつ、ホースの表面が均一に濡れるものでなければならない。
呼称 | ホース1メートル当たりの漏水量(単位 立方センチメートル毎分) |
90 | 350 |
75 | 300 |
65 | 250 |
50 | 200 |
40 | 150 |
25 | 100 |
(耐摩耗性)
第46条 濡れホースは、任意の場所において、別表及び別図に定める試験条件により摩擦試験を行った場合、30回の摩擦により漏水量が増加してはならない。
第6章 雑則
(基準の特例)
第47条 新たな技術開発に係る消防用ホースについて、その形状、構造、材質及び性能から判断して、この省令の規定に適合するものと同等以上の性能があると総務大臣が認めた場合は、この省令の規定にかかわらず、総務大臣が定める技術上の規格によることができる。
附則
(施行期日)
1 この省令は、平成26年4月1日から施行する。
附則 (平成26年3月31日総務省令第24号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (令和元年6月28日総務省令第19号)
この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年7月1日)から施行する。
別表(第17条、第29条及び第46条関係)
項目 | 試験条件 |
ホース内圧 | 水圧0・5メガパスカル |
摩擦面 | 摩擦板寸法以上でJIS R 6253に定める耐水研磨紙で研磨材の粒度が100番のもの |
摩擦面に対する措置 | 摩擦面の目詰まりを防止する措置(一定の頻度による摩擦面の交換又はエアーブロー等をいう。)を施すこと。 |
摩擦板の寸法 | 曲率半径150ミリメートル、25ミリメートル以上×250ミリメートル以上の長方形 |
摩擦板の荷重 | 全振幅の全ての位置で10ニュートン |
摩擦板の振動方向 | ホースと45度の角度 |
摩擦板の全振幅 | 200ミリメートル |
摩擦板の振動数 | 毎分20往復 |
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