でんきようひんのぎじゅつじょうのきじゅんをさだめるしょうれい
電気用品の技術上の基準を定める省令
平成25年経済産業省令第34号
電気用品安全法(昭和36年法律第234号)第8条第1項の規定に基づき、電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和37年通商産業省令第85号)の全部を改正する省令を次のように定める。
電気用品の技術上の基準を定める省令の全部を改正する省令
第1章 総則
第1条 この省令は、電気用品安全法第8条第1項に規定する経済産業省令で定める技術上の基準を定めるものとする。
第2章 一般要求事項
(安全原則)
第2条 電気用品は、通常の使用状態において、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないよう設計されるものとする。
2 電気用品は、当該電気用品の安全性を確保するために、形状が正しく設計され、組立てが良好で、かつ、動作が円滑であるものとする。
(安全機能を有する設計等)
第3条 電気用品は、前条の原則を踏まえ、危険な状態の発生を防止するとともに、発生時における被害を軽減する安全機能を有するよう設計されるものとする。
2 電気用品は、前項の規定による措置のみによってはその安全性の確保が困難であると認められるときは、当該電気用品の安全性を確保するために必要な情報及び使用上の注意について、当該電気用品又はこれに付属する取扱説明書等への表示又は記載がされるものとする。
(供用期間中における安全機能の維持)
第4条 電気用品は、当該電気用品に通常想定される供用期間中、安全機能が維持される構造であるものとする。
(使用者及び使用場所を考慮した安全設計)
第5条 電気用品は、想定される使用者及び使用される場所を考慮し、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように設計され、及び必要に応じて適切な表示をされているものとする。
(耐熱性等を有する部品及び材料の使用)
第6条 電気用品には、当該電気用品に通常想定される使用環境に応じた適切な耐熱性、絶縁性等を有する部品及び材料が使用されるものとする。
第3章 危険源に対する保護
(感電に対する保護)
第7条 電気用品には、使用場所の状況及び電圧に応じ、感電のおそれがないように、次に掲げる措置が講じられるものとする。
一 危険な充電部への人の接触を防ぐとともに、必要に応じて、接近に対しても適切に保護すること。
二 接触電流は、人体に影響を及ぼさないように抑制されていること。
(絶縁性能の保持)
第8条 電気用品は、通常の使用状態において受けるおそれがある内外からの作用を考慮し、かつ、使用場所の状況に応じ、絶縁性能が保たれるものとする。
(火災の危険源からの保護)
第9条 電気用品には、発火によって人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように、発火する温度に達しない構造の採用、難燃性の部品及び材料の使用その他の措置が講じられるものとする。
(火傷の防止)
第10条 電気用品には、通常の使用状態において、人体に危害を及ぼすおそれがある温度とならないこと、発熱部が容易に露出しないこと等の火傷を防止するための設計その他の措置が講じられるものとする。
(機械的危険源による危害の防止)
第11条 電気用品には、それ自体が有する不安定性による転倒、可動部又は鋭利な角への接触等によって人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように、適切な設計その他の措置が講じられるものとする。
2 電気用品には、通常起こり得る外部からの機械的作用によって生じる危険源によって人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように、必要な強度を持つ設計その他の措置が講じられるものとする。
(化学的危険源による危害又は損傷の防止)
第12条 電気用品は、当該電気用品に含まれる化学物質が流出し、又は溶出することにより、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないものとする。
(電気用品から発せられる電磁波による危害の防止)
第13条 電気用品は、人体に危害を及ぼすおそれのある電磁波が、外部に発生しないように措置されているものとする。
(使用方法を考慮した安全設計)
第14条 電気用品は、当該電気用品に通常想定される無監視状態での運転においても、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように設計され、及び必要に応じて適切な表示をされているものとする。
(始動、再始動及び停止による危害の防止)
第15条 電気用品は、不意な始動によって人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないものとする。
2 電気用品は、動作が中断し、又は停止したときは、再始動によって人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないものとする。
3 電気用品は、不意な動作の停止によって人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないものとする。
(保護協調及び組合せ)
第16条 電気用品は、当該電気用品を接続する配電系統や組み合わせる他の電気用品を考慮し、異常な電流に対する安全装置が確実に作動するよう安全装置の作動特性を設定するとともに、安全装置が作動するまでの間、回路が異常な電流に耐えることができるものとする。
(電磁的妨害に対する耐性)
第17条 電気用品は、電気的、磁気的又は電磁的妨害により、安全機能に障害が生じることを防止する構造であるものとする。
第4章 雑音の強さ
第18条 電気用品は、通常の使用状態において、放送受信及び電気通信の機能に障害を及ぼす雑音を発生するおそれがないものとする。
第5章 表示等
(一般)
第19条 電気用品は、安全上必要な情報及び使用上の注意(家庭用品品質表示法(昭和37年法律第104号)によるものを除く。)を、見やすい箇所に容易に消えない方法で表示されるものとする。
(長期使用製品安全表示制度による表示)
第20条 次の各号に掲げる製品の表示は、前条の規定によるほか、当該各号に定めるところによる。
一 扇風機及び換気扇(産業用のもの又は電気乾燥機(電熱装置を有する浴室用のものに限り、毛髪乾燥機を除く。)の機能を兼ねる換気扇を除く。) 機器本体の見やすい箇所に、明瞭に判読でき、かつ、容易に消えない方法で、次に掲げる事項を表示すること。
(イ) 製造年
(ロ) 設計上の標準使用期間(消費生活用製品安全法(昭和48年法律第31号)第32条の3第1項第1号に規定する設計標準使用期間をいう。以下同じ。)
(ハ) 設計上の標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火、けが等の事故に至るおそれがある旨
二 電気冷房機(産業用のものを除く。) 機器本体の見やすい箇所に、明瞭に判読でき、かつ、容易に消えない方法で、次に掲げる事項を表示すること。
(イ) 製造年
(ロ) 設計上の標準使用期間
(ハ) 設計上の標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火、けが等の事故に至るおそれがある旨
三 電気洗濯機(産業用のもの及び乾燥装置を有するものを除く。)及び電気脱水機(電気洗濯機と一体となっているものに限り、産業用のものを除く。) 機器本体の見やすい箇所に、明瞭に判読でき、かつ、容易に消えない方法で、次に掲げる事項を表示すること。
(イ) 製造年
(ロ) 設計上の標準使用期間
(ハ) 設計上の標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火、けが等の事故に至るおそれがある旨
四 テレビジョン受信機(ブラウン管のものに限り、産業用のものを除く。) 機器本体の見やすい箇所に、明瞭に判読でき、かつ、容易に消えない方法で、次に掲げる事項を表示すること。
(イ) 製造年
(ロ) 設計上の標準使用期間
(ハ) 設計上の標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火、けが等の事故に至るおそれがある旨
附則
1 この省令は、平成26年1月1日から施行する。
2 この省令の施行前に製造され、又は輸入された電気用品に係る技術上の基準については、この省令による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
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