かじじけんてつづききそく
家事事件手続規則
平成24年最高裁判所規則第8号
家事事件手続規則を次のように定める。
第1編 総則
第1章 通則
(当事者等が裁判所に提出すべき書面の記載事項)
第1条 申立書その他の当事者、利害関係参加人又は代理人が裁判所に提出すべき書面には、次に掲げる事項を記載し、当事者、利害関係参加人又は代理人が記名押印するものとする。
一 当事者及び利害関係参加人の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名及び住所
二 事件の表示
三 附属書類の表示
四 年月日
五 裁判所の表示
2 前項の規定にかかわらず、当事者、利害関係参加人又は代理人からその住所を記載した同項の書面が提出されているときは、以後裁判所に提出する同項の書面については、これを記載することを要しない。
(裁判所に提出すべき書面のファクシミリによる提出)
第2条 裁判所に提出すべき書面は、次に掲げるものを除き、ファクシミリを利用して送信することにより提出することができる。
一 民事訴訟費用等に関する法律(昭和46年法律第40号)の規定により手数料を納付しなければならない申立てに係る書面
二 その提出により家事事件の手続の開始、続行、停止又は完結をさせる書面(前号に該当する書面を除く。)
三 法定代理権、家事事件の手続における手続上の行為(第15条において「手続行為」という。)をするのに必要な授権又は手続代理人の権限を証明する書面その他の家事事件の手続上重要な事項を証明する書面
四 特別抗告の抗告理由書又は家事事件手続法(平成23年法律第52号。以下「法」という。)第97条第2項(法第102条及び第288条において準用する場合を含む。)の申立てに係る理由書
2 ファクシミリを利用して書面が提出されたときは、裁判所が受信した時に、当該書面が裁判所に提出されたものとみなす。
3 裁判所は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、提出者に対し、送信に使用した書面を提出させることができる。
(裁判所に提出する書面に記載した情報の電磁的方法による提供等)
第3条 裁判所は、書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者が当該書面に記載されている情報の内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この項において同じ。)を有している場合において、必要があると認めるときは、その者に対し、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)であって裁判所の定めるものにより裁判所に提供することを求めることができる。
2 裁判所は、申立書その他の書面を送付しようとするときその他必要があると認めるときは、当該書面を裁判所に提出した者又は提出しようとする者に対し、その写しを提出することを求めることができる。
(公告の方法等)
第4条 公告は、特別の定めがある場合を除き、裁判所の掲示場その他裁判所内の公衆の見やすい場所に掲示し、かつ、官報に掲載してする。
2 公告に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
(申立てその他の申述の方式等に関する民事訴訟規則の準用)
第5条 民事訴訟規則(平成8年最高裁判所規則第5号)第1条の規定は家事事件の手続における申立てその他の申述の方式について、同規則第4条の規定は家事事件の手続における催告及び通知について、同規則第5条の規定は家事事件の手続における書類の記載の仕方について準用する。
第2章 管轄
(法第7条の最高裁判所規則で定める地の指定)
第6条 法第7条の最高裁判所規則で定める地は、東京都千代田区とする。
(移送の申立ての方式・法第9条)
第7条 移送の申立ては、家事事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の申立てをするときは、申立ての理由を明らかにしなければならない。
(移送等における取扱い・法第9条)
第8条 家庭裁判所は、法第9条第1項ただし書の規定による裁判(移送の裁判を除く。)をするときは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴かなければならない。
2 家庭裁判所は、法第9条第1項ただし書又は第2項の規定による移送の裁判をするときは、当事者及び利害関係参加人の意見を聴くことができる。
(移送に関する民事訴訟規則の準用・法第9条)
第9条 民事訴訟規則第9条の規定は、家事事件の移送の裁判について準用する。
第3章 裁判所職員の除斥、忌避及び回避
(除斥又は忌避の申立ての方式等・法第10条等)
第10条 裁判官に対する除斥又は忌避の申立ては、その原因を明示して、裁判官の所属する裁判所にしなければならない。
2 前項の申立ては、家事事件の手続の期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
3 除斥又は忌避の原因は、申立てをした日から3日以内に疎明しなければならない。法第11条第2項ただし書に規定する事実についても、同様とする。
(除斥又は忌避についての裁判官の意見陳述・法第12条)
第11条 裁判官は、その除斥又は忌避の申立てについて意見を述べることができる。
(裁判官の回避)
第12条 裁判官は、法第10条第1項又は第11条第1項に規定する場合には、監督権を有する裁判所の許可を得て、回避することができる。
(裁判所書記官等の除斥等・法第13条等)
第13条 裁判所書記官、参与員及び家事調停官の除斥、忌避及び回避については、前3条の規定を準用する。この場合において、簡易裁判所の裁判所書記官の回避の許可は、その裁判所書記官の所属する裁判所の裁判所法(昭和22年法律第59号)第37条に規定する裁判官がする。
(家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥及び回避・法第16条)
第14条 家庭裁判所調査官及び家事調停委員の除斥及び回避については、第10条から第12条までの規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。
第4章 当事者能力及び手続行為能力
(法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出等・法第17条)
第15条 家事事件の手続における法人でない社団又は財団の当事者能力の判断資料の提出については民事訴訟規則第14条の規定を、家事事件の手続における法定代理権及び手続行為をするのに必要な授権の証明については同規則第15条前段の規定を準用する。
(法定代理権の消滅の届出・法第20条)
第16条 法第20条の規定による通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
2 法別表第2に掲げる事項についての審判事件及び家事調停事件以外の家事事件において法定代理権が消滅したときは、本人又は代理人は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
(法人の代表者等への準用・法第21条)
第17条 法人の代表者及び法人でない社団又は財団で当事者能力を有するものの代表者又は管理人については、この規則中法定代理及び法定代理人に関する規定を準用する。
第5章 手続代理人
(手続代理人の代理権の証明等・法第22条等)
第18条 手続代理人の権限は、書面で証明しなければならない。
2 前項の書面が私文書であるときは、裁判所は、公証人その他の認証の権限を有する公務員の認証を受けるべきことを手続代理人に命ずることができる。
3 法第25条の規定により他方の当事者に通知をした者は、その旨を裁判所に書面で届け出なければならない。
4 法第25条の規定による裁判所に対する通知は、書面でしなければならない。
第6章 手続費用
第1節 手続費用の負担
(後見登記法に定める登記の手数料の予納等)
第19条 裁判所は、後見登記等に関する法律(平成11年法律第152号)に定める登記(第77条において「後見登記法に定める登記」という。)の手数料に充てるための費用に限り、金銭に代えて収入印紙で予納させることができる。
2 前項の規定により予納させた収入印紙の管理については、民事訴訟費用等に関する法律第13条の規定により予納させた郵便切手の管理の例による。
(手続費用に関する民事訴訟規則の準用・法第31条)
第20条 民事訴訟規則第1編第4章第1節の規定は、手続費用(家事審判及び家事調停に関する手続の費用をいう。第51条において同じ。)の負担について準用する。この場合において、同規則第24条第2項中「訴訟費用又は和解の費用」とあるのは「手続費用(家事審判及び家事調停に関する手続の費用をいう。)又は家事事件手続法(平成23年法律第52号)第29条第4項の訴訟費用」と、同項並びに同規則第25条、第26条及び第28条中「訴訟費用等」とあるのは「手続費用等」と、同規則第24条第2項中「第47条(書類の送付)第1項」とあるのは「家事事件手続規則(平成24年最高裁判所規則第8号)第26条第1項」と読み替えるものとする。
第2節 手続上の救助
(手続上の救助の申立ての方式等・法第32条)
第21条 手続上の救助の申立ては、書面でしなければならない。
2 手続上の救助の事由は、疎明しなければならない。
第7章 家事事件の審理等
(受命裁判官又は受託裁判官の期日指定・法第34条)
第22条 受命裁判官又は受託裁判官が行う家事事件の手続の期日は、その裁判官が指定する。
(期日変更の制限・法第34条)
第23条 家事事件の手続の期日の変更は、次に掲げる事由に基づいては、してはならない。ただし、やむを得ない事由があるときは、この限りでない。
一 当事者又は利害関係参加人の1人につき手続代理人が数人ある場合において、その一部の代理人について変更の事由が生じたこと。
二 期日指定後にその期日と同じ日時が他の事件の期日に指定されたこと。
(裁判長等が定めた期間の伸縮・法第34条)
第24条 裁判長、受命裁判官又は受託裁判官が定めた期間の伸縮については、民事訴訟規則第38条の規定を準用する。
(送達・法第36条)
第25条 送達については、民事訴訟規則第1編第5章第4節の規定(同規則第41条第2項及び第47条の規定を除く。)を準用する。この場合において、同規則第39条中「地方裁判所」とあるのは、「家庭裁判所」と読み替えるものとする。
(書類の送付)
第26条 直送(当事者又は利害関係参加人(以下この条及び第46条第3項において「当事者等」という。)の他の当事者等に対する直接の送付をいう。以下この条及び第46条第3項において同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
2 裁判所が当事者等その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3 裁判所が当事者等の提出に係る書類の他の当事者等への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者等がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4 当事者等が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者等は、裁判所に対し、当該書類の他の当事者等への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。
第2編 家事審判に関する手続
第1章 総則
第1節 家事審判の手続
第1款 通則
(参加の申出の方式等・法第41条等)
第27条 法第41条第3項の書面には、家事審判の手続に参加する者が同条第1項又は第2項に規定する者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
2 法第41条第1項の規定による参加の申出があった場合には、当該申出を却下する裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
3 法第41条第2項の規定による参加の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
4 第1項の規定は法第42条第4項において準用する法第41条第3項の書面について、第2項の規定は法第42条第1項の規定による参加の申出があった場合について、前項の規定は同条第2項の規定による参加の許可の裁判又は同条第3項の規定による参加の裁判があった場合について準用する。この場合において、第1項中「同条第1項又は第2項」とあるのは、「法第42条第1項又は第2項」と読み替えるものとする。
(手続からの排除の通知・法第43条)
第28条 法第43条第1項の規定による排除の裁判があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
(受継の申立ての方式等・法第44条等)
第29条 法第44条第1項又は第3項の規定による受継の申立ては、書面でしなければならない。
2 前項の書面には、家事審判の手続を受け継ぐ者が法令により手続を続行する資格のある者であることを明らかにする資料を添付しなければならない。
3 法第44条第1項又は第3項の規定による受継があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
4 第1項及び第2項の規定は法第45条第1項の規定による受継の申立てについて、前項の規定は法第45条第1項又は第2項の規定による受継があった場合について準用する。この場合において、第2項中「法令により手続を続行する資格のある」とあるのは、「当該家事審判の申立てをすることができる」と読み替えるものとする。
(家事審判の申立人の死亡等の届出・法第45条)
第30条 家事審判の申立人に死亡、資格の喪失その他の家事審判の手続を続行することができない事由が生じた場合において、法令により手続を続行する資格のある者がないときは、当該申立人又はその手続代理人は、その事由が生じた旨を家庭裁判所に書面で届け出なければならない。
(期日調書の形式的記載事項・法第46条等)
第31条 法第46条及び第114条第1項の調書(以下「期日調書」という。)には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事件の表示
二 裁判官及び裁判所書記官の氏名
三 出頭した当事者、利害関係参加人、代理人、補佐人、通訳人及びその他の関係人の氏名
四 期日の日時及び場所
2 期日調書には、裁判所書記官が記名押印し、裁判長が認印しなければならない。
3 前項の場合において、裁判長に支障があるときは、陪席裁判官がその事由を付記して認印しなければならない。裁判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。
(期日調書の実質的記載事項・法第46条等)
第32条 期日調書には、手続の要領を記載し、特に、次に掲げる事項を明確にしなければならない。
一 申立ての趣旨又は理由の変更及び申立ての取下げ
二 証人、当事者本人及び鑑定人の陳述
三 証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
四 検証の結果
五 裁判長が記載を命じた事項及び当事者の請求により記載を許した事項
六 書面を作成しないでした裁判
2 前項の規定にかかわらず、家事審判の手続が裁判によらないで完結した場合には、裁判長の許可を得て、証人、当事者本人及び鑑定人の陳述並びに検証の結果の記載を省略することができる。ただし、当事者が家事審判の手続の完結を知った日から1週間以内にその記載をすべき旨の申出をしたときは、この限りでない。
3 期日調書には、手続の要領のほか、当事者及び利害関係参加人による書面の提出の予定その他手続の進行に関する事項を記載することができる。
(期日及び期日調書に関する民事訴訟規則の準用・法第46条等)
第33条 民事訴訟規則第68条から第77条までの規定は、家事審判の手続の期日及び期日調書について準用する。この場合において、同規則第68条第1項中「前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)第1項」とあるのは「家事事件手続規則第32条第1項」と、同規則第74条第1項第3号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「審判に対する即時抗告若しくは特別抗告の提起又は家事事件手続法第97条第2項」と、同規則第77条中「法廷」とあるのは「家事審判の手続の期日」と読み替えるものとする。
(家事審判事件の記録の正本等の様式・法第47条)
第34条 家事審判事件の記録の正本、謄本又は抄本には、正本、謄本又は抄本であることを記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
(家事審判事件の記録の閲覧等の許可・法第47条)
第35条 家事審判事件の記録の閲覧等(法第47条第1項に規定する記録の閲覧等をいう。以下この条において同じ。)を許可する裁判においては、当該事件の記録中記録の閲覧等を許可する部分を特定しなければならない。
(受命裁判官の指定)
第36条 受命裁判官にその職務を行わせる場合には、裁判長がその裁判官を指定する。
第2款 家事審判の申立て
(家事審判の申立書の記載事項等・法第49条)
第37条 家事審判の申立書には、申立ての趣旨及び申立ての理由(申立てを特定するのに必要な事実をいう。次項において同じ。)を記載するほか、事件の実情を記載しなければならない。
2 申立ての理由及び事件の実情についての証拠書類があるときは、その写しを家事審判の申立書に添付しなければならない。
3 家庭裁判所は、家事審判の申立てをした者又はしようとする者に対し、家事審判の申立書及び前項の証拠書類の写しのほか、当該申立てに係る身分関係についての資料その他家事審判の手続の円滑な進行を図るために必要な資料の提出を求めることができる。
(家事審判の申立書の補正の促し・法第49条)
第38条 裁判長は、家事審判の申立書の記載について必要な補正を促す場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(家事審判の申立書の却下の命令に対する即時抗告・法第49条等)
第39条 家事審判の申立書の却下の命令に対し即時抗告をするときは、抗告状には、却下された家事審判の申立書を添付しなければならない。
(参考事項の聴取・法第49条)
第40条 裁判長は、家事審判の申立てがあったときは、当事者から、家事審判の手続の進行に関する意見その他手続の進行について参考とすべき事項の聴取をすることができる。
2 裁判長は、前項の聴取をする場合には、裁判所書記官に命じて行わせることができる。
(申立ての変更の通知・法第50条)
第41条 申立人が法第50条第1項の規定により申立ての趣旨又は理由を変更した場合には、同条第3項又は第4項の規定による裁判があったときを除き、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
第3款 家事審判の手続の期日
(音声の送受信による通話の方法による手続・法第54条)
第42条 家庭裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって家事審判の手続の期日における手続(証拠調べを除く。)を行うときは、家庭裁判所又は受命裁判官は、通話者及び通話先の場所の確認をしなければならない。
2 前項の手続を行ったときは、その旨及び通話先の電話番号を家事審判事件の記録上明らかにしなければならない。この場合においては、通話先の電話番号に加えてその場所を明らかにすることができる。
(手続代理人の陳述禁止等の通知・法第55条)
第43条 手続代理人の陳述禁止等の通知については、民事訴訟規則第65条の規定を準用する。
第4款 事実の調査及び証拠調べ
(事実の調査・法第56条等)
第44条 事実の調査は、必要に応じ、事件の関係人の性格、経歴、生活状況、財産状態及び家庭環境その他の環境等について、医学、心理学、社会学、経済学その他の専門的知識を活用して行うように努めなければならない。
2 事実の調査については、裁判所書記官は、その要旨を家事審判事件の記録上明らかにしておかなければならない。
(裁判所の嘱託の手続・法第61条等)
第45条 裁判所がする事実の調査及び証拠調べに関する嘱託の手続は、特別の定めがある場合を除き、裁判所書記官がする。
(証拠調べ・法第64条)
第46条 家事審判の手続における証拠調べについては、民事訴訟規則第2編第3章第1節から第6節までの規定(同規則第99条第2項、第100条、第101条、第121条及び第139条の規定を除く。)を準用する。この場合において、これらの規定中「直送」とあるのは「家事事件手続規則第26条第1項の直送」と、同規則第129条の2中「口頭弁論若しくは弁論準備手続の期日又は進行協議期日」とあるのは「家事審判の手続の期日」と、同規則第140条第3項中「第99条(証拠の申出)第2項」とあるのは「家事事件手続規則第46条第3項」と読み替えるものとする。
2 法第64条第5項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しない場合には、民事訴訟規則第111条の規定は、前項において準用する同規則第127条ただし書の規定にかかわらず、当該当事者の勾引について準用する。
3 当事者等が第1項において準用する民事訴訟規則第99条第1項の証拠の申出を記載した書面を裁判所に提出する場合には、当該書面について直送をしなければならない。
4 裁判長は、必要があると認めるときは、第1項の証拠調べの期日において参与員、家庭裁判所調査官又は医師である裁判所技官が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる。
第5款 家事調停をすることができる事項についての家事審判の手続の特則
(家事審判の申立書の写しの添付・法第67条)
第47条 法別表第2に掲げる事項についての家事審判の申立てをするときは、家事審判の申立書に相手方の数と同数の写しを添付しなければならない。
(審問の期日の通知・法第69条)
第48条 法第69条の審問の期日は、当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。ただし、その通知をすることにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。
第6款 審判等
(審判確定証明書等・法第74条等)
第49条 家庭裁判所の裁判所書記官は、法第47条第1項又は第6項の規定による請求により、家事審判事件の記録に基づいて審判の確定についての証明書を交付する。
2 家事審判事件がなお抗告審に係属中であるときは、前項の規定にかかわらず、当該家事審判事件の記録の存する裁判所の裁判所書記官が、審判の確定した部分のみについて同項の証明書を交付する。
3 前2項の規定は、審判以外の裁判について準用する。
(審判の方式等・法第76条等)
第50条 審判書には、審判をした裁判官が記名押印しなければならない。
2 合議体の構成員である裁判官が審判書に記名押印することに支障があるときは、他の裁判官が審判書にその事由を付記して記名押印しなければならない。
3 審判の告知がされたときは、裁判所書記官は、その旨及び告知の方法を家事審判事件の記録上明らかにしなければならない。
4 前3項の規定は、審判以外の裁判について準用する。
(脱漏した手続費用の負担の裁判を求める申立て・法第79条等)
第51条 手続費用の負担の裁判を脱漏した場合における手続費用の負担の裁判を求める申立てについては、民事訴訟規則第161条の規定を準用する。
第7款 取下げによる事件の終了
(家事審判の申立ての取下げがあった場合の取扱い・法第82条等)
第52条 家事審判の申立ての取下げがあった場合において、相手方の同意を要しないときは、裁判所書記官は、申立ての取下げがあった旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
2 家事審判の申立ての取下げについて相手方の同意を要する場合において、相手方が申立ての取下げに同意したとき(法第82条第4項の規定により同意したものとみなされた場合を含む。)は、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
3 第1項の規定は、法第83条の規定により家事審判の申立ての取下げがあったものとみなされた場合について準用する。
第8款 高等裁判所が第1審として行う手続
(高等裁判所が第1審として家事審判の手続を行う場合におけるこの節の規定の適用・法第84条)
第53条 高等裁判所が第1審として家事審判の手続を行う場合におけるこの節の規定の適用については、第30条、第37条第3項、第42条第1項及び第49条第1項中「家庭裁判所」とあるのは「高等裁判所」と、同項及び同条第2項並びに第50条第3項中「審判の」とあるのは「審判に代わる裁判の」と、同条第1項及び第2項中「審判書」とあるのは「審判に代わる裁判の裁判書」と、同条第1項中「審判を」とあるのは「審判に代わる裁判を」とする。
2 第39条の規定は、高等裁判所が第1審として家事審判の手続を行う場合については、適用しない。
第2節 不服申立て
第1款 審判に対する不服申立て
第1目 即時抗告
(抗告状の写しの添付・法第88条)
第54条 審判に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)の数と同数の写しを添付しなければならない。
(原審判の取消事由等を記載した書面)
第55条 審判に対する即時抗告をする場合において、抗告状に原審判の取消し又は変更を求める事由の具体的な記載がないときは、抗告人は、即時抗告の提起後14日以内に、これらを記載した書面を原裁判所に提出しなければならない。
2 前条の規定は、前項の書面について準用する。
(抗告裁判所への事件送付)
第56条 審判に対する即時抗告があった場合には、原裁判所は、抗告却下の審判をしたときを除き、遅滞なく、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、家事審判事件の記録を送付してしなければならない。
(原裁判所の意見)
第57条 審判(法別表第2に掲げる事項についての審判を除く。)に対する即時抗告があった場合において、抗告裁判所に事件を送付するときは、原裁判所は、抗告事件についての意見を付さなければならない。
(原審判の取消事由等を記載した書面の写しの送付・法第88条)
第58条 抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、即時抗告が不適法であるとき又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、第55条第1項の書面(即時抗告の提起後14日以内に提出されたものに限る。)の写しを送付しなければならない。ただし、抗告審における手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められる場合は、この限りでない。
(審判書の引用・法第91条)
第59条 抗告審の決定書における理由の要旨の記載は、審判書を引用してすることができる。
(家事審判の手続の規定及び民事訴訟規則の準用・法第93条)
第60条 審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第1款から第7款までの規定(第39条並びに第52条第1項及び第3項の規定を除く。)、第4節の規定及び次章の規定を準用する。
2 民事訴訟規則第173条、第177条及び第185条の規定は、審判に対する即時抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第173条第3項及び第177条第2項中「相手方」とあるのは、「原審における当事者及び利害関係参加人」と読み替えるものとする。
第2目 特別抗告
(特別抗告をする場合における費用の予納・法第94条等)
第61条 特別抗告をするときは、抗告状の写しの送付に必要な費用のほか、抗告提起通知書の送達及び送付、抗告理由書の写しの送付、裁判の告知並びに抗告裁判所が家事審判事件又は抗告事件の記録の送付を受けた旨の通知に必要な費用の概算額を予納しなければならない。
(特別抗告の抗告提起通知書の送達及び送付・法第94条等)
第62条 特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は法第96条第1項において準用する法第87条第3項の規定による抗告却下の決定があったときを除き、抗告提起通知書を、抗告人に送達するとともに、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に送付しなければならない。
(特別抗告の抗告理由書の提出期間・法第94条等)
第63条 特別抗告の抗告理由書の提出の期間は、抗告人が前条の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から14日とする。
(特別抗告の理由を記載した書面の写しの添付・法第94条等)
第64条 特別抗告の理由を記載した書面には、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)の数に6を加えた数の写しを添付しなければならない。
(抗告裁判所への事件送付・法第94条等)
第65条 特別抗告があった場合には、原裁判所は、抗告状却下の命令又は抗告却下の決定があったときを除き、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。この場合において、原裁判所は、抗告人が特別抗告の理由中に示した家事審判事件の手続に関する事実の有無について意見を付することができる。
2 前項の規定による事件の送付は、原裁判所の裁判所書記官が、抗告裁判所の裁判所書記官に対し、家事審判事件の記録を送付してしなければならない。ただし、原裁判所が家事審判事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
3 抗告裁判所の裁判所書記官は、前項の規定による家事審判事件又は抗告事件の記録の送付を受けたときは、速やかに、その旨を原審における当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
4 第2項ただし書の規定により抗告事件の記録のみが送付された場合において、抗告裁判所が同項の家事審判事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
(特別抗告の抗告理由書の写しの送付・法第94条等)
第66条 抗告裁判所は、原裁判所から事件の送付を受けた場合には、特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、特別抗告の抗告理由書の写しを送付しなければならない。
(執行停止の申立ての方式・法第95条)
第67条 法第95条第1項ただし書の申立ては、書面でしなければならない。
(即時抗告の規定及び民事訴訟規則の準用・法第96条)
第68条 第54条、第59条及び第60条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第59条中「審判書」とあるのは、「原審の裁判書」と読み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第50条の2、第190条第1項、第192条、第193条、第196条及び第202条の規定は、特別抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第196条第1項中「第194条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「家事事件手続規則第63条」と、「第190条(法第312条第1項及び第2項の上告理由の記載の方式)又は第191条(法第312条第3項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第68条第2項において準用する第190条第1項」と読み替えるものとする。
第3目 許可抗告
(即時抗告等の規定及び民事訴訟規則の準用・法第98条)
第69条 第54条及び第59条から第67条までの規定は、許可抗告及びその抗告審に関する手続について準用する。この場合において、第54条中「審判に対する即時抗告」とあり、並びに第61条、第62条、第64条及び第65条第1項中「特別抗告」とあるのは「法第97条第2項の申立て」と、第54条及び第61条中「抗告状」とあるのは「法第97条第2項の規定による許可の申立書」と、第59条中「審判書」とあるのは「原審の裁判書」と、第61条から第63条までの規定中「抗告提起通知書」とあるのは「抗告許可申立て通知書」と、第61条中「抗告理由書」とあり、並びに第63条及び第66条中「特別抗告の抗告理由書」とあるのは「法第97条第2項の申立てに係る理由書」と、第62条及び第65条第1項中「抗告状却下」とあるのは「法第97条第2項の規定による許可の申立書の却下」と、第62条中「法第96条第1項において準用する法第87条第3項の規定による抗告却下」とあり、及び第65条第1項中「抗告却下」とあるのは「法第97条第2項の申立ての却下若しくは不許可」と、第66条中「特別抗告が不適法であるとき又は特別抗告」とあるのは「法第97条第2項の申立てが不適法であるとき又は同項の申立て」と読み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第192条、第193条、第196条及び第199条第1項の規定は法第97条第2項の申立てについて、同規則第200条の規定は法第97条第2項の規定による許可をする場合について、同規則第50条の2及び第202条の規定は許可抗告の抗告審に関する手続について準用する。この場合において、同規則第196条第1項中「第194条(上告理由書の提出期間)」とあるのは「家事事件手続規則第69条第1項において読み替えて準用する同規則第63条」と、「第190条(法第312条第1項及び第2項の上告理由の記載の方式)又は第191条(法第312条第3項の上告理由の記載の方式)」とあるのは「同規則第69条第2項において準用する第199条第1項」と、同条第2項中「法第316条(原裁判所による上告の却下)第1項第2号の規定による上告却下」とあるのは「家事事件手続法第97条第2項の規定による申立ての不許可」と、「法第315条(上告の理由の記載)第2項」とあるのは「家事事件手続規則第69条第2項において準用する第199条第1項」と読み替えるものとする。
第2款 審判以外の裁判に対する不服申立て
(抗告状の記載事項・法第99条)
第70条 審判以外の裁判に対する即時抗告をするときは、抗告状には、原裁判の取消し又は変更を求める事由を具体的に記載しなければならない。
(即時抗告の提起に係る記録の送付・法第99条)
第71条 審判以外の裁判に対する即時抗告(第3項の即時抗告を除く。)があった場合において、原裁判所が家事審判事件の記録を送付する必要がないと認めたときは、次条において準用する第56条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付すれば足りる。
2 前項の規定により抗告事件の記録が送付された場合において、抗告裁判所が同項の家事審判事件の記録が必要であると認めたときは、抗告裁判所の裁判所書記官は、速やかに、その送付を原裁判所の裁判所書記官に求めなければならない。
3 法第47条第10項の規定による即時抗告があったときは、次条において準用する第56条第2項の規定にかかわらず、原裁判所の裁判所書記官は、抗告事件の記録のみを抗告裁判所の裁判所書記官に送付するものとする。
4 前項の場合には、同項の記録に、抗告事件についての原裁判所の意見を記載した書面及び抗告事件の審理に参考となる資料を添付しなければならない。
(審判に対する不服申立ての規定の準用・法第102条)
第72条 前款の規定(第54条(第68条第1項及び第69条第1項において準用する場合を含む。)、第55条及び第58条の規定を除く。)は、裁判所、裁判官又は裁判長がした審判以外の裁判に対する不服申立てについて準用する。
第3節 再審
(再審の手続・法第103条)
第73条 再審の申立書には、不服の申立てに係る裁判書の写しを添付しなければならない。
2 前項に規定するほか、再審の手続については、その性質に反しない限り、各審級における家事審判の手続に関する規定を準用する。
(法第104条第1項の申立て)
第74条 法第104条第1項の規定による申立てについては、第67条の規定を準用する。
第4節 審判前の保全処分
(審判前の保全処分の手続・法第106条等)
第75条 審判前の保全処分の申立ての取下げについては、第52条第1項の規定は、適用しない。ただし、その取下げが、家庭裁判所(法第105条第2項の場合にあっては、高等裁判所)が審判前の保全処分の事件における審判を受ける者となるべき者に対し当該事件が係属したことを通知し、又は審判前の保全処分を告知した後にされたものである場合は、この限りでない。
2 第67条の規定は、法第111条第1項(法第113条第3項において準用する場合を含む。)の規定による申立てについて準用する。
3 民事保全規則(平成2年最高裁判所規則第3号)第2条、第12条及び第17条の規定は審判前の保全処分に関する手続における担保について、同規則第18条から第20条までの規定(これらの規定(同規則第19条第1項を除く。)を同規則第23条において準用する場合を含む。)及び同規則第22条の規定は審判前の保全処分について、同規則第24条第2項及び第27条第1項の規定は審判前の保全処分の取消しの申立てについて準用する。この場合において、同規則第27条第1項中「第9条第2項第2号又は第6号」とあるのは、「家事事件手続法第76条第2項第2号又は第3号」と読み替えるものとする。
第5節 戸籍の記載等の嘱託
(戸籍の記載の嘱託・法第116条)
第76条 法第116条第1号の審判又はこれに代わる裁判であって、同条ただし書の戸籍の記載の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判及びこれに代わる裁判とする。
一 親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判
二 未成年後見人又は未成年後見監督人の選任の審判
三 未成年後見人又は未成年後見監督人の辞任についての許可の審判
四 未成年後見人又は未成年後見監督人の解任の審判
五 未成年後見人又は未成年後見監督人の権限の行使についての定め及びその取消しの審判
六 性別の取扱いの変更の審判
2 法第116条第2号の審判前の保全処分であって、同条ただし書の戸籍の記載の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判前の保全処分とする。
一 法第166条第1項(同条第5項において準用する場合を含む。)の規定により親権者若しくは未成年後見人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前の保全処分及び同条第3項(同条第5項において準用する場合を含む。)の規定により職務代行者を改任する審判前の保全処分
二 法第174条第1項又は第175条第3項の規定により親権者の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前の保全処分及び法第174条第3項又は第175条第5項の規定により職務代行者を改任する審判前の保全処分
三 法第181条において準用する法第127条第1項の規定により未成年後見人若しくは未成年後見監督人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前の保全処分及び同条第3項の規定により職務代行者を改任する審判前の保全処分
3 法第116条の規定により戸籍の記載を嘱託する場合には、嘱託書に次に掲げる事項を記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
一 審判(これに代わる裁判を含む。以下この号において同じ。)を受ける者及び当該戸籍の記載に係る未成年者(第1項第6号に掲げる審判にあっては、審判を受ける者に限る。)の氏名及び戸籍の表示(審判を受ける者が法人である場合にあっては、名称及び住所)
二 戸籍の記載の原因及びその原因が生じた日
三 戸籍の記載をすべき事項
四 嘱託の年月日
五 裁判所書記官の氏名及び所属裁判所
4 前項の嘱託書には、戸籍の記載の原因を証する書面を添付しなければならない。
(後見登記法に定める登記の嘱託・法第116条)
第77条 法第116条第1号の審判又はこれに代わる裁判であって、同条ただし書の後見登記法に定める登記の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判及びこれに代わる裁判とする。
一 後見開始、保佐開始又は補助開始の審判及びその取消しの審判
二 成年後見人、成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人(以下「成年後見人等」という。)の選任の審判
三 任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の審判並びに任意後見監督人が欠けた場合及び任意後見監督人を更に選任する場合における任意後見監督人の選任の審判
四 成年後見人等又は任意後見監督人の辞任についての許可の審判
五 成年後見人等、任意後見監督人又は任意後見人の解任の審判
六 成年後見人等又は任意後見監督人の権限の行使についての定め及びその取消しの審判
七 保佐人又は補助人の同意を得なければならない行為の定めの審判及びその取消しの審判
八 保佐人又は補助人に対する代理権の付与の審判及びその取消しの審判
2 法第116条第2号の審判前の保全処分であって、同条ただし書の後見登記法に定める登記の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものは、次に掲げる審判前の保全処分とする。
一 法第126条第2項、第134条第2項又は第143条第2項の規定により財産の管理者の後見、保佐又は補助を受けることを命ずる審判前の保全処分並びに法第126条第8項、第134条第6項及び法第143条第6項において準用する法第125条第1項の規定により財産の管理者を改任する審判前の保全処分
二 法第127条第1項(同条第5項並びに法第135条、第144条及び第225条第1項において準用する場合を含む。)の規定により成年後見人等若しくは任意後見監督人の職務の執行を停止し、又はその職務代行者を選任する審判前の保全処分及び法第127条第3項(同条第5項並びに法第135条、第144条及び第225条第1項において準用する場合を含む。)の規定により職務代行者を改任する審判前の保全処分
三 法第225条第2項において読み替えて準用する法第127条第1項の規定により任意後見人の職務の執行を停止する審判前の保全処分
3 後見開始、保佐開始若しくは補助開始の審判又はこれに代わる裁判が効力を生じた場合において、任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号。以下「任意後見契約法」という。)第10条第3項の規定により終了する任意後見契約があるときは、裁判所書記官は、遅滞なく、登記所に対し、その任意後見契約が終了した旨の後見登記法に定める登記を嘱託しなければならない。
4 法第116条及び前項の規定により後見登記法に定める登記を嘱託する場合には、嘱託書に次に掲げる事項を記載し、裁判所書記官が記名押印しなければならない。
一 成年被後見人、被保佐人、被補助人、財産の管理者の後見、保佐若しくは補助を受けるべきことを命ぜられた者又は任意後見契約法第2条第2号の本人の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(外国人にあっては、国籍)
二 登記すべき事項を記録すべき登記記録があるときは、その登記記録の登記番号
三 登記の事由
四 登記すべき事項
五 嘱託の年月日
六 裁判所書記官の氏名及び所属裁判所
七 登記所の表示
八 登記手数料の額
5 前項の嘱託書には、登記の事由を証する書面を添付しなければならない。
第2章 家事審判事件
第1節 成年後見に関する審判事件
(申立ての取下げの理由の明示等・法第121条)
第78条 法第121条各号に掲げる申立ての取下げをするときは、取下げの理由を明らかにしなければならない。
2 前項の取下げについては、第52条第1項の規定は、適用しない。
3 法第121条の許可があったときは、裁判所書記官は、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。
(成年後見人の解任に関する家庭裁判所調査官の報告等)
第79条 家庭裁判所調査官は、成年後見人に民法(明治29年法律第89号)第846条に規定する事由があると認めるときは、その旨を家庭裁判所に報告しなければならない。
2 前項の規定による報告は、次に掲げる事項を記載した報告書によってしなければならない。
一 解任すべき成年後見人及び成年被後見人の氏名及び住所(成年後見人が法人である場合にあっては、名称及び住所)
二 成年後見開始の原因及び年月日
三 第1号の成年後見人が就職した年月日
四 解任すべき事由
五 その他参考となる事項
3 前2項の規定は、成年後見監督人の解任について準用する。
(成年後見の事務の監督に関する家庭裁判所調査官の報告・法第124条)
第80条 家庭裁判所調査官は、民法第863条の規定による成年後見の事務に関する処分の必要があると認めるときは、その旨を家庭裁判所に報告しなければならない。
2 前条第2項の規定は、前項の規定による報告について準用する。
(成年後見人に対する指示等)
第81条 家庭裁判所は、いつでも、成年後見人に対し、成年被後見人の療養看護及び財産の管理その他の成年後見の事務に関し相当と認める事項を指示することができる。
2 家庭裁判所は、いつでも、成年後見監督人に対し、成年後見監督の事務に関し相当と認める事項を指示することができる。
(管理者による財産の目録の提出等・法第125条)
第82条 第三者が成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任された管理者及び法第125条第1項の規定により改任された管理者は、法令の規定によりその管理すべき財産の目録を作成する場合には、2通を作成し、その1通を家庭裁判所に提出しなければならない。
2 家庭裁判所は、前項の財産の目録が不十分であると認めるときは、同項の管理者に対し、公証人に財産の目録を作成させることを命ずることができる。
(抵当権の設定等の登記の嘱託書の添付書類・法第125条)
第83条 法第125条第5項の規定により抵当権の設定の登記を嘱託するときは、嘱託書に抵当権の設定を命ずる審判書の謄本を添付しなければならない。
2 前項の規定は、法第125条第5項の規定により設定した抵当権の変更又は消滅の登記を嘱託する場合について準用する。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第126条)
第84条 第82条の規定は法第126条第1項の規定により選任された財産の管理者及び同条第8項において準用する法第125条第1項の規定により改任された財産の管理者について、前条の規定は法第126条第8項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第2節 保佐に関する審判事件
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第133条等)
第85条 第78条の規定は保佐開始の申立ての取下げ及び保佐人の選任の申立ての取下げについて、第79条第1項及び第2項の規定は保佐人又は保佐監督人の解任について、第80条及び第81条第1項の規定は保佐の事務について、同条第2項の規定は保佐監督の事務について、第82条の規定は法第134条第1項において準用する法第126条第1項の規定により選任された財産の管理者及び法第134条第6項において準用する法第125条第1項の規定により改任された財産の管理者について、第83条の規定は法第134条第6項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第3節 補助に関する審判事件
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第142条等)
第86条 第78条の規定は補助開始の申立ての取下げ及び補助人の選任の申立ての取下げについて、第79条第1項及び第2項の規定は補助人又は補助監督人の解任について、第80条及び第81条第1項の規定は補助の事務について、同条第2項の規定は補助監督の事務について、第82条の規定は法第143条第1項において準用する法第126条第1項の規定により選任された財産の管理者及び法第143条第6項において準用する法第125条第1項の規定により改任された財産の管理者について、第83条の規定は法第143条第6項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第4節 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第146条)
第87条 第82条の規定は民法第25条第1項の規定により選任された管理人及び同法第26条又は法第146条第1項の規定により改任された管理人について、第83条の規定は法第146条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第5節 失踪の宣告に関する審判事件
(公告すべき事項・法第148条)
第88条 法第148条第3項の規定による公告には、同項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を掲げなければならない。
一 申立人の氏名又は名称及び住所
二 不在者の氏名、住所及び出生の年月日
(失踪の宣告の審判等の確定の公告及び通知・法第148条等)
第89条 失踪の宣告の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、その旨を公告し、かつ、失踪者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
2 前項の規定は、失踪の宣告の取消しの審判が確定した場合について準用する。
第6節 婚姻等に関する審判事件
(夫婦間の協力扶助に関する処分の審判における指示・法第154条)
第90条 家庭裁判所は、夫婦間の協力扶助に関する処分の審判において、扶助の程度若しくは方法を定め、又はこれを変更する場合には、必要な事項を指示することができる。
(共有財産の分割に関する処分の審判の申立書の記載事項等・法第155条)
第91条 共有財産の分割に関する処分の審判の申立書には、共有者を記載し、かつ、共有財産の目録を添付しなければならない。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第158条)
第92条 第82条の規定は法第158条第1項の規定により選任された財産の管理者及び同条第3項において準用する法第125条第1項の規定により改任された財産の管理者について、第83条の規定は法第158条第3項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第7節 親子に関する審判事件
(特別養子縁組の成立の審判の申立書の記載事項等・法第164条)
第93条 特別養子縁組の成立の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 養子となるべき者の父母の同意の有無及びその同意がないときは民法第817条の6ただし書に規定する場合に該当することを示す事情
二 養親となるべき者による養子となるべき者の監護の開始の年月日、開始の経緯及び開始後の状況
三 児童相談所又は養子縁組をあっせんする事業を行う者(以下この号及び第3項において「児童相談所等」という。)のあっせんの有無並びにそのあっせんが行われたときは当該児童相談所等の氏名又は名称及び住所
2 特別養子縁組の成立の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、養親の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
3 特別養子縁組の成立の申立てについての審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該特別養子縁組のあっせんを行った児童相談所等及び当該特別養子縁組について家庭裁判所からの嘱託に応じて調査を行った児童相談所に対し、その旨を通知しなければならない。
(特別養子縁組の離縁の審判の確定の通知・法第165条)
第94条 特別養子縁組の離縁の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、養子の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
第8節 親権に関する審判事件
(親権者の指定又は変更の審判等の確定の通知・法第167条等)
第95条 親権者の指定又は変更の審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、子の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判の取消しの審判が確定したときも、同様とする。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第173条)
第96条 第82条の規定は第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任された管理者及び法第173条において準用する法第125条第1項の規定により改任された管理者について、第83条の規定は法第173条において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第9節 未成年後見に関する審判事件
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第180条)
第97条 第78条の規定は未成年後見人の選任の申立ての取下げについて、第79条第1項及び第2項の規定は未成年後見人又は未成年後見監督人の解任について、第80条及び第81条第1項の規定は未成年後見の事務について、同条第2項の規定は未成年後見監督の事務について、第82条の規定は第三者が未成年被後見人に与えた財産の管理に関する処分の審判事件において選任された管理者及び法第180条において準用する法第125条第1項の規定により改任された管理者について、第83条の規定は法第180条において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第10節 扶養に関する審判事件
(扶養の程度又は方法についての決定の審判等における指示・法第185条)
第98条 家庭裁判所は、扶養の程度又は方法についての決定及びその決定の変更又は取消しの審判において、必要な事項を指示することができる。
第11節 推定相続人の廃除に関する審判事件
(推定相続人の廃除の審判事件における手続・法第188条)
第99条 推定相続人の廃除の審判事件における手続については、申立人及び廃除を求められた推定相続人を当事者とみなして、第47条及び第48条の規定を準用する。
(推定相続人の廃除の審判等の確定の通知・法第188条)
第100条 推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判が確定したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、廃除された者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第189条)
第101条 第82条の規定は推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分の審判事件において選任された管理人及び法第189条第2項において準用する法第125条第1項の規定により改任された管理人について、第83条の規定は法第189条第2項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。この場合において、第82条中「家庭裁判所」とあるのは、「推定相続人の廃除の審判又はその取消しの審判の確定前の遺産の管理に関する処分を命じた裁判所」と読み替えるものとする。
第12節 遺産の分割に関する審判事件
(遺産の分割の審判の申立書の記載事項等・法第191条等)
第102条 遺産の分割の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載し、かつ、遺産の目録を添付しなければならない。
一 共同相続人
二 民法第903条第1項に規定する遺贈又は贈与の有無及びこれがあるときはその内容
2 寄与分を定める処分の審判の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 寄与の時期、方法及び程度その他の寄与の実情
二 遺産の分割の審判又は調停の申立てがあったときは、当該事件の表示
三 民法第910条に規定する場合にあっては、共同相続人及び相続財産の表示、認知された日並びに既にされた遺産の分割その他の処分の内容
(遺産の換価を命ずる裁判に関する手続・法第194条)
第103条 法第194条第1項又は第2項の規定による裁判(第6項において「換価を命ずる裁判」という。)が確定したときは、裁判所書記官は、同条第6項又は法第200条第1項の規定により選任された財産の管理者に対し、その旨を通知しなければならない。
2 法第194条第1項の規定による裁判により換価を命じられた相続人は、執行裁判所又は執行官に対して競売の申立てをしたときは、その旨及び事件の表示を家庭裁判所に届け出なければならない。
3 前項の規定による届出があったときは、裁判所書記官は、執行裁判所又は執行官に対し、第1項の財産の管理者の氏名又は名称及び住所を通知しなければならない。同項の財産の管理者がその地位を失ったときも、同様とする。
4 家庭裁判所は、法第194条第2項の規定により遺産の全部又は一部について任意に売却して換価することを命ずるときは、売却の方法及び期限その他の条件を付することができる。
5 家庭裁判所は、法第194条第2項の規定により遺産のうち不動産について任意に売却して換価することを命ずるときは、最低売却価額を定めなければならない。
6 換価を命ずる裁判により換価を命じられた相続人は、換価の手続が終了したときはその結果を、換価することができなかったときはその理由及び結果を、遅滞なく、家庭裁判所に対して報告しなければならない。
7 法第194条第2項の規定による裁判により換価を命じられた相続人は、換価の手続が終了したときは、直ちに、換価代金を第1項の財産の管理者に引き渡さなければならない。
8 第82条の規定は法第194条第6項の規定により選任された財産の管理者及び同条第8項において準用する法第125条第1項の規定により改任された財産の管理者について、第83条の規定は法第194条第8項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
9 民事執行規則(昭和54年最高裁判所規則第5号)第123条及び第124条の規定は、法第194条第2項の規定による裁判に基づいて動産を売却する場合について準用する。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第200条)
第104条 第82条の規定は法第200条第1項の規定により選任された財産の管理者及び同条第3項において準用する法第125条第1項の規定により改任された財産の管理者について、第83条の規定は法第200条第3項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第13節 相続の承認及び放棄に関する審判事件
(限定承認及び相続の放棄の申述書の記載事項等・法第201条)
第105条 限定承認及び相続の放棄の申述書には、法第201条第5項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 被相続人の氏名及び最後の住所
二 被相続人との続柄
三 相続の開始があったことを知った年月日
2 限定承認の取消し及び相続の放棄の取消しの申述書には、法第201条第5項各号及び前項第1号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 限定承認又は相続の放棄の申述を受理した裁判所及び受理の年月日
二 限定承認又は相続の放棄の取消しの原因
三 追認をすることができるようになった年月日
3 第37条から第41条までの規定は、限定承認及びその取消し並びに相続の放棄及びその取消しの申述について準用する。
(限定承認等の申述の受理・法第201条)
第106条 法第201条第7項の規定により申述書に同条第5項の申述の受理の審判をする旨を記載するときは、審判をした裁判官が当該申述書に記名押印しなければならない。この場合においては、第50条第2項の規定を準用する。
2 前項の審判がされたときは、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、その旨を通知しなければならない。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第201条)
第107条 第82条の規定は相続財産の保存又は管理に関する処分の審判事件において選任された相続財産の管理人及び法第201条第10項において準用する法第125条第1項の規定により改任された相続財産の管理人について、第83条の規定は法第201条第10項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第14節 財産分離に関する審判事件
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第202条)
第108条 第82条の規定は財産分離の請求後の相続財産の管理に関する処分の審判事件において選任された相続財産の管理人及び法第202条第3項において準用する法第125条第1項の規定により改任された相続財産の管理人について、第83条の規定は法第202条第3項において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第15節 相続人の不存在に関する審判事件
(相続財産の管理人の選任等の公告・法第203条等)
第109条 民法第952条第2項の規定による公告には、次に掲げる事項を掲げなければならない。
一 申立人の氏名又は名称及び住所
二 被相続人の氏名、職業及び最後の住所
三 被相続人の出生及び死亡の場所及び年月日
四 相続財産の管理人の氏名又は名称及び住所
2 民法第958条の規定による公告には、次に掲げる事項を掲げなければならない。
一 前項第1号から第3号までに掲げる事項
二 相続人は、一定の期間までにその権利の申出をすべきこと。
(特別縁故者に対する相続財産の分与の審判の申立書の記載事項等・法第204条)
第110条 特別縁故者に対する相続財産の分与の審判の申立書には、被相続人との特別の縁故関係を記載しなければならない。
2 特別縁故者に対する相続財産の分与の申立てがあったときは、裁判所書記官は、遅滞なく、民法第952条第1項の規定により選任され、又は法第208条において準用する法第125条第1項の規定により改任された相続財産の管理人に対し、その旨を通知しなければならない。当該申立てについての審判が確定したときも、同様とする。
(遺産の換価を命ずる裁判に関する手続の規定の準用・法第207条)
第111条 第103条第4項から第6項まで及び第9項の規定は、特別縁故者に対する相続財産の分与の審判事件について準用する。この場合において、同条第6項中「相続人」とあるのは、「相続財産の管理人」と読み替えるものとする。
(管理者による財産の目録の提出等の規定の準用・法第208条)
第112条 第82条の規定は相続人の不存在の場合における相続財産の管理に関する処分の審判事件において選任された相続財産の管理人及び法第208条において準用する法第125条第1項の規定により改任された相続財産の管理人について、第83条の規定は法第208条において準用する法第125条第5項の規定による登記の嘱託について準用する。
第16節 遺言に関する審判事件
(遺言書の検認の方法・法第211条)
第113条 家庭裁判所は、遺言書の検認をするには、遺言の方式に関する一切の事実を調査しなければならない。
(遺言書の検認の調書の記載事項・法第211条)
第114条 法第211条の調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 事件の表示
二 裁判官及び裁判所書記官の氏名
三 申立人の氏名又は名称及び住所
四 立ち会った相続人その他の利害関係人の氏名及び住所
五 検認の年月日
六 証人、当事者本人及び鑑定人の陳述の要旨
七 証人、当事者本人及び鑑定人の宣誓の有無並びに証人及び鑑定人に宣誓をさせなかった理由
八 事実の調査の結果
2 前項の調書については、第31条第1項並びに第32条第1項及び第2項の規定は、適用しない。
(遺言書の検認の期日の通知等・法第211条等)
第115条 裁判所書記官は、申立人及び相続人に対し、遺言書の検認の期日を通知しなければならない。
2 遺言書の検認がされたときは、裁判所書記官は、遺言書の検認の期日に立ち会わなかった相続人、受遺者その他の利害関係人(前項の規定による通知を受けた者を除く。)に対し、その旨を通知しなければならない。
(遺言の確認の申立ての取下げ及び遺言書の検認の申立ての取下げ・法第212条)
第116条 遺言の確認の申立ての取下げ及び遺言書の検認の申立ての取下げについては、第78条の規定を準用する。この場合において、同条第3項中「法第121条」とあるのは「法第212条」と、「及び利害関係参加人」とあるのは「、利害関係参加人及び第115条第1項の規定による通知を受けた者」と読み替えるものとする。
第17節 任意後見契約法に規定する審判事件
(任意後見監督人に対する指示・法第217条等)
第117条 家庭裁判所は、任意後見監督人に対し、任意後見契約法第7条第1項第2号に規定する報告の時期及び内容を指示しなければならない。
2 家庭裁判所は、いつでも、任意後見監督人に対し、任意後見監督人の事務に関し相当と認める事項を指示することができる。
(成年後見に関する審判事件の規定の準用・法第221条等)
第118条 第78条の規定は任意後見契約の効力を発生させるための任意後見監督人の選任の申立ての取下げ及び任意後見監督人が欠けた場合における任意後見監督人の選任の申立ての取下げについて、第79条第1項及び第2項の規定は任意後見監督人の解任について、第80条の規定は任意後見監督人の職務について準用する。この場合において、第78条第3項中「法第121条」とあるのは「法第221条」と、第79条第2項第1号中「成年後見人及び成年被後見人」とあるのは「任意後見監督人、任意後見契約法第2条第2号の本人及び任意後見人」と、「成年後見人が」とあるのは「任意後見監督人及び任意後見人が」と、同項第2号中「成年後見開始の原因及び」とあるのは「任意後見契約法第4条第1項の規定により任意後見監督人が選任された」と、同項第3号中「成年後見人が就職した」とあるのは「任意後見監督人が選任された」と、第80条第1項中「民法第863条」とあるのは「任意後見契約法第7条第3項」と読み替えるものとする。
第18節 戸籍法に規定する審判事件
(就籍許可の審判の発効等の通知・法第226条等)
第119条 次の各号に掲げる場合には、裁判所書記官は、遅滞なく、当該各号に定める地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
一 就籍許可の審判が効力を生じたとき 就籍しようとする地
二 戸籍の訂正についての許可の審判が確定したとき その戸籍のある地
第19節 厚生年金保険法に規定する審判事件
(請求すべき按あん分割合に関する処分の審判の申立書の添付書類・法第233条)
第120条 請求すべき按あん分割合に関する処分の審判の申立書には、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第78条の4第1項の情報の内容が記載された文書であって、同項の規定により提供されたものを添付しなければならない。
第20節 破産法に規定する審判事件
(相続の放棄の承認についての申述書の記載事項等・法第242条)
第121条 破産手続における相続の放棄の承認についての申述書には、法第242条第3項において準用する法第201条第5項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 被相続人の氏名及び最後の住所
二 相続の放棄をした者の氏名及び住所
三 被相続人と相続の放棄をした者との続柄
四 相続の放棄の申述を受理した裁判所及び受理の年月日
五 申述者が相続の放棄があったことを知った年月日
2 第37条から第41条までの規定は、破産手続における相続の放棄の承認についての申述について準用する。
(共有財産の分割に関する処分の審判の申立書の記載事項等に関する規定の準用・法第242条)
第122条 第91条の規定は破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判の申立書について、第92条の規定は破産手続が開始された場合における夫婦財産契約による財産の管理者の変更等の審判事件を本案とする保全処分について、第106条の規定は破産手続における相続の放棄の承認についての申述の受理の審判について準用する。
第21節 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律に規定する審判事件
(遺留分の算定に係る合意についての許可の審判の申立書の添付書類・法第243条)
第123条 遺留分の算定に係る合意についての許可の審判の申立書には、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成20年法律第33号)第7条第1項の確認をしたことを証明する経済産業大臣の作成した書面(当該確認に係る合意の内容が明らかにされたものに限る。)を添付しなければならない。
第3編 家事調停に関する手続
第1章 総則
第1節 通則
(移送等における取扱い等に関する規定の準用・法第246条)
第124条 第8条第2項の規定は法第246条第2項及び第3項の規定による移送の裁判について、第9条の規定は法第246条第1項から第3項までの規定による移送の裁判について準用する。
(家事調停官の権限・法第251条)
第125条 家事調停官は、その取り扱う家事調停事件の処理について、この規則において家庭裁判所、裁判官又は裁判長が行うものとして定める家事調停事件の処理に関する権限を行うことができる。
(期日調書等に関する規定及び民事訴訟規則の準用・法第253条等)
第126条 第31条及び第32条の規定は法第253条の調書について、第34条の規定は家事調停事件の記録の正本等について、第35条の規定は家事調停事件の記録の閲覧等について準用する。この場合において、第31条第1項第2号中「裁判官」とあるのは「裁判官又は家事調停官、家事調停委員」と、第32条第1項第1号中「及び申立ての取下げ」とあるのは「、申立ての取下げ、法第268条の合意及び法第271条又は第272条第1項の規定による事件の終了」と、第35条中「法第47条第1項に規定する記録の閲覧等」とあるのは「家事調停事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は家事調停事件に関する事項の証明書の交付」と読み替えるものとする。
2 民事訴訟規則第68条から第77条までの規定は、家事調停の手続の期日及び前項の調書について準用する。この場合において、同規則第68条第1項中「前条(口頭弁論調書の実質的記載事項)第1項」とあるのは「家事事件手続規則第126条第1項において読み替えて準用する同規則第32条第1項」と、同規則第74条第1項第3号中「上訴の提起又は上告受理」とあるのは「家事調停に関する審判に対する即時抗告若しくは特別抗告の提起又は家事事件手続法第288条において準用する同法第97条第2項」と、同規則第77条中「法廷」とあるのは「家事調停の手続の期日」と読み替えるものとする。
第2節 家事調停の申立て
(家事調停の申立て等・法第255条等)
第127条 家事調停の申立てについては第37条から第41条まで及び第47条の規定を、遺産の分割の調停の申立書については第102条第1項の規定を、寄与分を定める処分の調停の申立書については同条第2項の規定を、請求すべき按分割合に関する処分の調停の申立書については第120条の規定を準用する。
第3節 家事調停の手続
(家事調停の手続における参加及び排除等・法第258条)
第128条 家事調停の手続における参加及び排除については第27条及び第28条の規定を、家事調停の手続における受継については第29条(第4項を除く。)の規定を、家事調停の手続における受命裁判官の指定については第36条の規定を、家事調停の手続の期日については第42条及び第43条の規定を、家事調停の手続における事実の調査及び証拠調べについては第44条第1項、第45条及び第46条の規定を、家事調停に関する審判については第49条から第51条まで(第49条第3項及び第50条第4項を除く。)の規定を、家事調停に関する審判以外の裁判については第49条第3項、第50条第4項及び第51条の規定を準用する。この場合において、第49条第1項中「第47条第1項又は第6項」とあるのは、「第254条第1項又は第4項」と読み替えるものとする。
2 調停委員会を組織する家事調停委員は、家事調停の手続における証拠調べにおいて、調停委員会を組織する裁判官に告げて、証人、当事者本人又は鑑定人を尋問することができる。
(調停前の処分に違反した場合の制裁の告知・法第266条)
第129条 調停委員会(裁判官のみで家事調停の手続を行う場合にあっては、その裁判官。第131条において同じ。)は、法第266条第1項の処分を命ずる場合には、同時に、その違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。
2 調停委員会を組織する裁判官が法第266条第2項の規定により同条第1項の処分を命ずる場合には、当該裁判官は、同時に、その違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。
第4節 調停の成立
(調停の成立の通知・法第268条等)
第130条 調停が成立したときは、裁判所書記官は、当事者(法第270条第1項の規定により調停条項案を受諾する旨の書面を提出した者に限る。)及び利害関係参加人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
2 次の各号に掲げる事項についての調停が成立したときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該各号に定める者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。
一 離婚、離縁その他戸籍の届出又は訂正を必要とする事項(親権者の指定及び変更を除く。) 当該調停に係る身分関係の当事者
二 親権者の指定又は変更 子
(調停条項案の書面による受諾の手続・法第270条)
第131条 調停委員会が法第270条第1項の規定により調停条項案を提示するときは、書面に記載してしなければならない。この書面には、同項に規定する効果を付記するものとする。
2 法第270条第1項に規定する調停条項案を受諾する旨の書面の提出があったときは、調停委員会は、その書面を提出した当事者の真意を確認しなければならない。
第5節 調停の成立によらない事件の終了
(調停をしない場合等の取扱い・法第271条等)
第132条 法第271条の規定により家事調停事件が終了したときは、裁判所書記官は、当事者及び利害関係参加人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
2 法第272条第1項(法第277条第4項において準用する場合を含む。)の規定により家事調停事件が終了したときは、裁判所書記官は、利害関係参加人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
3 第1項の規定は、家事調停の申立ての取下げがあった場合について準用する。
第6節 付調停等
(訴えの取下げの擬制等の通知・法第276条)
第133条 法第276条第1項の規定により訴えの取下げがあったものとみなされたときは、裁判所書記官は、当該訴えに係る訴訟が係属していた裁判所に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
2 法第276条第2項の規定により家事審判事件が終了したときは、裁判所書記官は、当該家事審判事件が係属していた裁判所に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
第2章 合意に相当する審判
(審判の確定の通知・法第277条)
第134条 法第277条第1項の審判(法第274条第3項の規定により高等裁判所が自ら調停を行う場合にあっては、審判に代わる裁判。以下この条及び第136条において同じ。)について、法第279条第1項の規定による異議の申立てがないときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該審判に係る身分関係の当事者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。当該審判について、同項の規定による異議の申立てを却下する審判が確定したときも、同様とする。
(異議の申立ての方式・法第279条)
第135条 法第279条第1項の規定による異議の申立ては、書面でしなければならない。
2 当事者が前項の異議の申立てをするときは、同項の書面には、異議の理由を記載し、かつ、異議の理由を明らかにする資料を添付しなければならない。
3 利害関係人が第1項の異議の申立てをするときは、同項の書面には、利害関係を記載し、かつ、利害関係を有することを明らかにする資料を添付しなければならない。
第3章 調停に代わる審判
(審判の確定の通知・法第284条)
第136条 次の各号に掲げる事項についての法第284条第1項の審判について、法第286条第1項の規定による異議の申立てがないときは、裁判所書記官は、遅滞なく、当該各号に定める者の本籍地の戸籍事務を管掌する者に対し、その旨を通知しなければならない。当該審判について、同項の規定による異議の申立てを却下する審判が確定したときも、同様とする。
一 離婚、離縁その他戸籍の届出又は訂正を必要とする事項(親権者の指定及び変更を除く。) 当該審判に係る身分関係の当事者
二 親権者の指定又は変更 子
(異議の申立ての方式等・法第286条)
第137条 法第286条第1項の規定による異議の申立ては、書面でしなければならない。
2 第132条第2項の規定は、法第286条第5項の規定により法第284条第1項の審判が効力を失った場合について準用する。
第4章 不服申立て等
(家事調停の手続においてされた裁判に対する不服申立て及び再審・法第288条)
第138条 家事調停の手続においてされた裁判に対する不服申立て及び再審については、特別の定めのある場合を除き、それぞれ前編第1章第2節及び第3節の規定を準用する。
第4編 履行の確保
(義務の履行状況の調査及び履行の勧告の手続における嘱託等・法第289条)
第139条 法第289条第2項又は第5項(これらの規定を同条第7項において準用する場合を含む。)の規定による嘱託の手続は、裁判所書記官がする。
2 法第289条第6項(同条第7項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による許可があった場合における同条第6項の記録の閲覧等又はその複製の請求に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3 第35条の規定は、法第289条第1項の規定による調査及び勧告の事件の記録の閲覧等について準用する。
(義務履行の命令に違反した場合の制裁の告知等・法第290条)
第140条 家庭裁判所は、法第290条第1項(同条第3項において準用する場合を含む。)の規定による義務の履行をすべきことを命ずる審判をする場合には、同時に、義務者に対し、その違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。
2 前項に規定するもののほか、同項の審判の手続については、第2編第1章に定めるところによる。
附則
(施行期日)
第1条 この規則(以下「新規則」という。)は、法の施行の日から施行する。(施行の日=平成25年1月1日)
(経過措置の原則)
第2条 新規則は、非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成23年法律第53号。次条において「整備法」という。)第4条に規定する事件以外の家事事件の手続について適用する。
(履行の確保に関する規定に関する経過措置)
第3条 整備法第3条の規定による廃止前の家事審判法(昭和22年法律第152号)の規定による義務を定める審判その他の裁判、調停若しくは調停に代わる審判又は同法第28条第2項に規定する調停前の措置(整備法第4条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるものを含む。以下この条において「義務を定める審判等」という。)がされた場合においては、義務を定める審判等を法の規定による義務を定める審判その他の裁判、調停若しくは調停に代わる審判又は調停前の処分とみなして、第139条及び第140条の規定を適用する。
(訴訟に関する経過措置)
第4条 第133条第1項の規定は、新規則の施行前に訴えの提起があった訴訟については、適用しない。
(民法附則に関する経過措置)
第5条 新規則の規定の適用に関しては、次に掲げる事項は、法別表第2に掲げる事項とみなす。
一 民法の一部を改正する法律(昭和22年法律第222号)の附則(次号において「民法附則」という。)第24条の規定による扶養に関してされた判決の変更又は取消し
二 民法附則第32条の規定による遺産の分割に関する処分
2 第98条の規定は、前項第1号に掲げる事項についての審判事件について準用する。
3 第102条から第104条まで(第102条第2項を除く。)の規定は、第1項第2号に掲げる事項についての審判事件及び当該事件を本案とする保全処分について準用する。
(後見登記法に定める登記の手数料の予納等に関する経過措置)
第6条 裁判所は、当分の間、第19条第1項に規定する費用を、金銭に代えて登記印紙で予納させることができる。
2 第19条第2項の規定は、前項の規定により予納させた登記印紙の管理について準用する。
附則(平成27年8月3日最高裁判所規則第7号)
この規則は、平成27年10月1日から施行する。
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