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ちょうたんぱおんせいたじゅうほうそうおよびちょうたんぱもじたじゅうほうそうにかんするそうしんのひょうじゅんほうしき

超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式

平成23年総務省令第89号
放送法(昭和25年法律第132号)第111条第1項及び第121条第1項の規定に基づき、超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式を次のように定める。
(目的)
第1条 この省令は、放送法(昭和25年法律第132号。以下「法」という。)第111条第1項及び第121条第1項の規定に基づき、基幹放送設備、特定地上基幹放送局等設備及び基幹放送局設備に適用される超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この省令において使用する用語は、法、電波法(昭和25年法律第131号)及び電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)において使用する用語の例による。
(主搬送波の変調)
第3条 主搬送波の変調の型式は、周波数変調とする。
2 主搬送波を変調する信号は、多重副搬送波(音声信号又は文字信号を伝送するための副搬送波をいう。以下同じ。)とする。
(多重副搬送波)
第4条 多重副搬送波の周波数は、76kHzとし、多重副搬送波の周波数とパイロット信号(超短波放送のステレオホニック放送の受信の補助のために伝送する信号をいう。以下同じ。)の周波数とは、相互に低調波と高調波の関係にあるものとする。
2 多重副搬送波は、パイロット信号が時間軸と交わるとき、同時に正傾斜で時間軸と交わるものとする。
3 多重副搬送波の変調の型式は、固定受信用送信方式(専ら固定受信の用に供する超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の方式をいう。以下同じ。)の場合にあっては4相位相変調とし、移動受信用送信方式(超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の方式であって、固定受信用送信方式以外のものをいう。以下同じ。)の場合にあっては振幅制御MSK(ステレオ音声信号の左側信号と右側信号との差の信号(ステレオ差信号という。以下同じ。)の振幅レベルによりMSK信号の振幅を制御する方式をいう。)とする。
4 多重副搬送波を変調する信号は、固定受信用送信方式の場合にあっては別表第1号に示す回路によって、移動受信用送信方式の場合にあっては別表第2号に示す回路によって非周期化された2値の符号系列とする。
5 多重副搬送波を変調する信号の伝送速度は、固定受信用送信方式の場合にあっては毎秒48キロビット、移動受信用送信方式の場合にあっては毎秒16キロビットとする。
6 固定受信用送信方式における多重副搬送波の相対位相偏移は、変調する信号の時系列順に表した連続する符号が「〇〇」のとき0度、「10」のとき(+)90度、「01」のとき(—)90度及び「11」のとき(+)180度とする。
7 移動受信用送信方式における多重副搬送波の周波数は、変調信号を差動符号化する前の「1」に対して80kHz、「0」に対して72kHzとする。
8 固定受信用送信方式における多重副搬送波の最大振幅によって生じる主搬送波の周波数偏移は、多重副搬送波を変調する信号の時系列順に表した連続する符号が「1」の連続であるとき、(±)3kHzとする。
9 移動受信用送信方式における主搬送波の最大周波数偏移は、ステレオ差信号の瞬時周波数偏移が1・875kHz以下のとき(±)3kHzとし、ステレオ差信号の瞬時周波数偏移が3・75kHz以上のとき(±)7・5kHzとし、その間は線形に変化するものとする。
10 固定受信用送信方式における多重副搬送波のスペクトルは、別表第3号に示す特性を有するものとする。
(符号系列)
第5条 固定受信用送信方式における符号系列は、次の各号の条件によるものとする。
 別表第1号に示す回路に入力される信号は、フレーム(34行273列の行列(以下「フレーム行列」という。)として構成される9、282ビットの符号系列をいう。)の集まりであること。
 符号化された音声多重信号のフレーム行列への書き込みは、別表第4号に示すところによるものであること。
 文字信号のフレーム行列への書き込みは、第1行から第23行において、各行の第184列から順に第191列まで行番号順に行い、次に第24行第184列から同行第189列まで行うものであること。
 フレーム行列からの符号の読み出しは、第1列の第1行から順に第34行まで行番号順に行い、次に別表第5号に示す順序で行うものであること。
 フレーム行列の構成は、総務大臣が別に告示するところによるものであること。
2 移動受信用送信方式における符号系列は、次の各号の条件によるものとする。
 別表第2号に示す回路に入力される信号は、288ビットの符号系列であること。
 前号に規定する符号系列の構成は、総務大臣が別に告示するところによるものであること。
(その他)
第6条 超短波音声多重放送に関する送信の標準方式は、第3条から前条までの規定によるほか、次のとおりとする。
 音声信号の最高周波数は、3・4kHzとする。
 音声信号は、200マイクロ秒の時定数を有するインピーダンス周波数特性の回路によりプレエンファシスを行うものとする。
 音声信号の標本化周波数は、8kHzとする。
 音声信号の送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものとする。
第7条 超短波文字多重放送に関する送信の標準方式は、第3条から第5条までの規定によるほか、文字信号の送出に関する詳細事項について総務大臣が別に告示するところによるものとする。
(スクランブル等)
第8条 超短波文字多重放送において有料放送を行う場合であって、文字信号にスクランブル(国内受信者が設置する受信装置によらなければ受信することができないようにするために、信号波を電気的にかくはんすることをいう。以下同じ。)を行う場合にあっては、次の各号によるものとする。
 スクランブルを行う範囲については、総務大臣が別に告示するところによるものであること。
 国内受信者が有料放送の役務の提供を受け、又はその対価として放送事業者が料金を徴収するために必要な情報を当該有料放送の電波に重畳する場合の送出手順は、総務大臣が別に告示するところによるものであること。
(緊急警報信号に適用する規定)
第9条 超短波音声多重放送により緊急警報信号を送る場合には、緊急警報信号を音声信号とみなし、この省令の音声信号に関する規定(第6条第1号を除く。)を適用する。

附則

(施行期日)
第1条 この省令は、放送法等の一部を改正する法律(平成22年法律第65号)の施行の日(平成23年6月30日)から施行する。
(省令の廃止)
第2条 超短波音声多重放送及び超短波文字多重放送に関する送信の標準方式(昭和63年郵政省令第25号)は、廃止する。
附則 (平成25年2月20日総務省令第7号) 抄
(施行期日)
1 この省令は、公布の日から施行する。
別表第1号(第4条第4項及び第5条第1項第1号関係)
1 □Dは、1ビット遅延素子を表す。
2 ○+は、排他的論理和の演算素子を表す。
3 スイッチは、フレーム行列の第1列の第1行から第18行までの符号を入力するときは上側に、その他のときは下側に接続するものとする。
4 フレーム行列の第19行第1列の符号が読み出されるときは、1ビット遅延素子の符号は上図の左側の1ビット遅延素子から順に「1010101010101」とする。
別表第2号(第4条第4項及び第5条第2項第1号関係)
1 □Dは、1ビット遅延素子を表す。
2 ○+は、排他的論理和の演算素子を表す。
3 スイッチは、フレーム行列の第1列の第1行から第16ビットまでの符号を入力するときは上側に、その他のときは下側に接続するものとする。
4 フレーム行列の第17ビットの符号が読み出されるとき、1ビット遅延素子の符号は上図の左側の1ビット遅延素子から順に「101010101」とする。
別表第3号(第4条第10項関係)
周波数(kHz) スペクトルの相対振幅
−0.7fc<f≦0.7fc 1
−1.3fc<f≦−0.7fc
0.7fc<f≦ 1.3fc
cos((|f|−0.7fc)π/1.2fc)
f≦−1.3fc
f> 1.3fc
0
1 fは、多重副搬送波周波数からの差の周波数とする。
2 fCは、遮断周波数を表し、多重副搬送波を変調する信号の伝送速度の4分の1とする。
3 πは、円周率を表す。
別表第4号(第5条第1項第2号関係)
1 フレーム行列の第2列から第181列までの符号を4列ごと及び1行ごとの4ビット単位に分割並びに第182列及び第183列の符号を2行ごとの4ビット単位に分割し、フレーム行列の第2列から第183列を4ビット単位の1547語に分割する。
2 符号化された音声信号1語の構成は、次に示すとおりとする。
3 次に示す番号順に符号化された音声信号をフレーム行列の第2列から第183列までに書き込むものとする。
別表第5号(第5条第1項第4号関係)
フレーム行列から第1列を除いた34行272列の行列の第r行第s列の符号をArsとしたとき、次に示す順序で読み出すものとする。
jが1のとき Am8(m—1)+k
jが1でないときでmが1から(35—j)のとき Am8{m+(j—2)}+k
jが1でないときでmが(36—j)から34のとき Am8{m—(36—j)}+k
1 jは、一から順に34まで増加させるものとする。
2 kは、jのそれぞれの値に対して1から順に8まで増加させるものとする。
3 mは、kのそれぞれの値に対して1から順に34まで増加させるものとする。

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