ふせいきょうそうぼうしほうだい23じょうだい1こうにきていするじけんにかかるけいじそしょうてつづきのとくれいにかんするきそく
不正競争防止法第23条第1項に規定する事件に係る刑事訴訟手続の特例に関する規則
平成23年10月11日最高裁判所規則第4号
不正競争防止法第23条第1項に規定する事件に係る刑事訴訟手続の特例に関する規則を次のように定める。
(趣旨)
第1条 この規則は、不正競争防止法(平成5年法律第47号。以下「法」という。)第23条第1項に規定する事件に係る刑事訴訟手続に関し、刑事訴訟規則(昭和23年最高裁判所規則第32号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。
(法第23条第1項の申出の方式等)
第2条 法第23条第1項の申出は、次に掲げる事項を明らかにしてこれをしなければならない。
一 申出人の氏名又は名称及び住所
二 当該申出に係る事件を特定するに足りる事項
三 申出人が法第23条第1項の申出をすることができる者であることの基礎となるべき事実
四 第2号の事件に係る営業秘密を構成する情報のうち、法第23条第1項の決定の対象とすべき事項に係るもの
五 法第23条第1項の決定を必要とする事情
2 前項の申出は、書面でしなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、口頭でこれをすることができる。
3 法第23条第2項後段の通知は、第1項各号に掲げる事項を明らかにしてこれをしなければならない。
4 前項の通知は、書面でしなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、口頭でこれをすることができる。
5 検察官は、第3項の通知をする場合において、第2項の規定により提出を受けた書面があるときは、当該書面を裁判所に提出しなければならない。
(法第23条第3項の申出の方式)
第3条 法第23条第3項の申出は、次に掲げる事項を明らかにしてこれをしなければならない。
一 当該申出に係る営業秘密及びこれが営業秘密であることの基礎となるべき事実
二 当該申出に係る営業秘密を保有する者を特定するに足りる事項
三 当該申出に係る営業秘密を構成する情報のうち、法第23条第3項の決定の対象とすべき事項に係るもの
四 法第23条第3項の決定を必要とする事情
2 前項の申出は、書面でしなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、口頭でこれをすることができる。
(公開の法廷で明らかにされる可能性があると思料する営業秘密構成情報特定事項の告知・法第23条)
第4条 検察官は、法第23条第1項の決定があった場合において、事件の性質、審理の状況その他の事情を考慮して、営業秘密構成情報特定事項のうち公開の法廷で明らかにされる可能性があると思料するものがあるときは、裁判所及び被告人又は弁護人に対し、これを通知するものとする。
2 前項の規定は、法第23条第3項の決定があった場合において同項の申出をした者について準用する。この場合において、前項中「被告人又は弁護人」とあるのは、「相手方又はその弁護人」と読み替えるものとする。
3 前2項の通知は、書面でしなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、口頭でこれをすることができる。
(呼称等の決定についての書面の提出の求め・法第23条)
第5条 裁判所は、法第23条第1項の決定をした事件に関し、呼称等の決定をするに当たり、検察官に対し、次に掲げる事項を記載した書面の提出を求めることができる。
一 呼称等の決定の対象とすべき営業秘密構成情報特定事項に係る名称その他の表現
二 前号の名称その他の表現に代わるべき呼称その他の表現
三 その他呼称等の決定をするに当たり参考となるべき事項
2 前項の規定は、法第23条第3項の決定をした事件について準用する。この場合において、前項中「検察官」とあるのは、「法第23条第3項の申出をした者」と読み替えるものとする。
(決定の告知・法第23条)
第6条 裁判所は、秘匿決定若しくは呼称等の決定又はこれらの決定の全部若しくは一部を取り消す決定をしたときは、公判期日においてこれをした場合を除き、速やかに、その旨を訴訟関係人に通知しなければならない。秘匿決定をしないこととしたときも、同様とする。
2 裁判所は、法第23条第1項の決定又は当該決定の全部若しくは一部を取り消す決定をしたときは、速やかに、その旨を同項の申出をした者に通知しなければならない。同項の決定をしないこととしたときも、同様とする。
(営業秘密構成情報特定事項を明らかにしない方法で行う手続)
第7条 秘匿決定があったときは、次に掲げる手続は、営業秘密構成情報特定事項を明らかにしない方法でこれを行うものとする。
一 刑事訴訟規則第217条の31第1項又は第2項の規定による公判前整理手続調書、期日間整理手続調書又は刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第316条の2第3項(同法第316条の28第2項において準用する場合を含む。)に規定する書面の朗読又は要旨の告知
二 刑事訴訟規則第209条第4項の規定による訴因又は罰条を追加、撤回又は変更する書面の朗読
三 刑事訴訟規則第35条第2項の規定による判決の宣告
2 前項第2号の手続を行う場合には、検察官は、被告人に対し、同号に規定する書面を示さなければならない。
(公判期日外の被告人の供述を求める手続・法第26条)
第8条 刑事訴訟規則第38条(第2項第2号及び第4号から第10号まで並びに第7項を除く。)、第40条、第42条第1項本文、第52条の2、第52条の4、第52条の5第1項、第52条の6、第52条の14、第52条の15第1項、第52条の16、第106条(第1項ただし書、第2項及び第4項を除く。)、第108条、第109条、第114条,第126条及び第178条の11の規定は、法第26条第1項の規定による公判期日外において被告人の供述を求める手続について準用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる同規則の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
第38条第5項 | 被疑者又は弁護人 | 弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
裁判長又は尋問をした裁判官 | 裁判長 | |
第42条第1項本文 | その取調又は処分をした者 | 裁判長 |
第52条の2第1項 | 裁判所、受命裁判官又は受託裁判官 | 裁判所 |
被告人又は弁護人 | 弁護人及び共同被告人又はその弁護人 | |
第52条の2第3項及び第4項 | 又は弁護人 | 、弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
裁判長、受命裁判官又は受託裁判官 | 裁判長 | |
第52条の2第5項 | 又は弁護人 | 、弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
第52条の4ただし書 | 裁判所又は裁判官 | 裁判所 |
、被疑者又は弁護人 | 又は弁護人並びに共同被告人又はその弁護人 | |
第52条の6第1項 | 前条 | 前条第1項及び不正競争防止法第23条第1項に規定する事件に係る刑事訴訟手続の特例に関する規則(平成23年最高裁判所規則第4号。第4項において「特例規則」という。)第8条第2項において準用する前条第2項第1号及び第2号 |
その尋問に立ち会い又は立ち会うことのできた検察官、被告人、被疑者又は弁護人 | 検察官、被告人、弁護人、共同被告人又はその弁護人 | |
第52条の6第2項 | 又は弁護人 | 、弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
第52条の6第3項 | 裁判長、受命裁判官又は受託裁判官 | 裁判長 |
第52条の6第4項 | 前条 | 前条第1項及び特例規則第8条第2項において準用する前条第2項第1号及び第2号 |
又は弁護人 | 、弁護人、共同被告人又はその弁護人 | |
第52条の14 | 裁判所又は裁判官 | 裁判所 |
第52条の16第1項 | その尋問に立ち会い又は立ち会うことのできた検察官、被告人、被疑者又は弁護人 | 検察官、被告人、弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
第52条の16第2項 | 裁判長、受命裁判官又は受託裁判官 | 裁判長 |
第52条の16第4項 | 前条第4項 | 前条第1項 |
又は弁護人 | 、弁護人、共同被告人又はその弁護人 | |
第106条第1項本文 | 証人の尋問を請求した者 | 公判期日外において被告人の供述を求める検察官、弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
第106条第5項 | 相手方及びその弁護人 | 検察官、弁護人、共同被告人及びその弁護人(これらの者のうち第1項の書面を差し出す者を除く。) |
第108条第1項 | 被告人又は弁護人 | 弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
相手方及びその弁護人 | 検察官、弁護人、共同被告人及びその弁護人(これらの者のうち同項の書面を差し出した者を除く。) | |
第108条第2項 | 相手方又はその弁護人 | 前項の規定による告知を受けた者 |
第109条第1項 | 職権で | 裁判長又は陪席の裁判官が |
被告人及び弁護人 | 弁護人、共同被告人及びその弁護人 | |
第109条第2項 | 被告人又は弁護人 | 弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
第126条第1項 | 被告人又は弁護人 | 弁護人、共同被告人又はその弁護人 |
整理されたとき、又はその送付を受けた | 整理された | |
第126条第2項及び第3項 | 被告人 | 共同被告人 |
第178条の11第1項及び第2項 | 被告人 | 共同被告人 |
弁護人 | その弁護人 |
2 刑事訴訟規則第52条の5第2項第1号及び第2号の規定は、前項において読み替えて準用する同規則第52条の4本文の規定により公判期日外における被告人に対する質問及びその供述を速記した速記録を調書の一部とする場合において、被告人が速記原本の訳読を請求したときについて準用する。
3 刑事訴訟規則第52条の15第2項第1号及び第2号の規定は、第1項において読み替えて準用する同規則第52条の14の規定により公判期日外における被告人に対する質問及びその供述を録音した録音体を反訳した調書を作成する場合において、被告人が録音体の再生を請求したときについて準用する。
附則
この規則は、不正競争防止法の一部を改正する法律(平成23年法律第62号)の施行の日(平成23年12月1日)から施行する。
附則(平成28年10月18日最高裁判所規則第6号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成28年法律第54号)附則第1条第3号に掲げる規定の施行の日(平成28年12月1日)から施行する。
附則(平成30年1月15日最高裁判所規則第1号)抄
(施行期日)
第1条 この規則は、刑事訴訟法等の一部を改正する法律(平成28年法律第54号)附則第1条第4号に掲げる規定の施行の日から施行する。ただし、第3条の規定は、同法の施行の日から施行する。
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