しきんせいさんきかんにかんするないかくふれい
資金清算機関に関する内閣府令
平成22年内閣府令第5号
資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)及び資金決済に関する法律施行令(平成22年政令第19号)の規定に基づき、並びに同法及び同令を実施するため、資金清算機関に関する内閣府令を次のように定める。
第1章 総則
(定義)
第1条 この府令において「資金清算業」又は「資金清算機関」とは、それぞれ資金決済に関する法律(以下「法」という。)第2条に規定する資金清算業又は資金清算機関をいう。
(免許申請書の経由)
第2条 法第65条第1項の規定により免許を受けようとする者は、免許申請書を金融庁長官を経由して提出しなければならない。
(免許申請書の記載事項)
第3条 法第65条第1項第6号に規定する内閣府令で定める事項は、会計監査人の氏名又は名称とする。
(免許申請書の添付書類)
第4条 法第65条第2項第7号に規定する内閣府令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
一 免許を受けようとする者が株式会社である場合にあっては、次に掲げる書類
イ 主要株主(総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成17年法律第86号)第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の100分の10以上の議決権を保有している株主をいう。第13条第2項第7号において同じ。)の氏名又は商号若しくは名称、住所又は所在地及びその保有する議決権の数を記載した書面
ロ 親法人(免許を受けようとする者の総株主の議決権(イに規定する議決権をいう。)の過半数を保有している法人その他の団体をいう。次号において同じ。)及び子法人(免許を受けようとする者が総株主、総社員又は総出資者の議決権(株式会社にあっては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の過半数を保有している法人その他の団体をいう。同号において同じ。)の概要を記載した書面
ハ 取締役及び監査役(委員会設置会社にあっては、取締役及び執行役)に係る次に掲げる書類
(1) 履歴書
(2) 住民票の抄本又はこれに代わる書面
(3) 婚姻前の氏名を、氏名に併せて法第65条第1項の免許申請書に記載した場合において、(2)に掲げる書類が当該婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
(4) 法第66条第2項第4号イからホまでのいずれにも該当しない者であることを当該取締役及び監査役が誓約する書面
ニ 会計参与設置会社にあっては、会計参与に係る次に掲げる書類
(1) 履歴書(会計参与が法人であるときは、当該会計参与の沿革を記載した書面)
(2) 住民票の抄本(会計参与が法人であるときは、当該会計参与の登記事項証明書)又はこれに代わる書面
(3) 婚姻前の氏名を、氏名に併せて法第65条第1項の免許申請書に記載した場合において、(2)に掲げる書類が当該婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
(4) 法第66条第2項第4号イからホまでのいずれにも該当しない者であることを当該会計参与が誓約する書面
ホ 取締役(指名委員会等設置会社にあっては、執行役)の担当業務を記載した書面
二 免許を受けようとする者が一般社団法人である場合にあっては、次に掲げる書類
イ 社員の氏名又は商号若しくは名称、住所又は所在地及びその保有する議決権の数を記載した書面
ロ 親法人及び子法人の概要を記載した書面
ハ 理事及び監事の履歴書及び住民票の抄本又はこれに代わる書面並びに理事及び監事が法第66条第2項第4号イからホまでのいずれにも該当しない者であることを当該理事及び監事が誓約する書面
ニ 理事及び監事の婚姻前の氏名を当該理事及び監事の氏名に併せて法第65条第1項の免許申請書に記載した場合において、ハの住民票の抄本又はこれに代わる書面が当該婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
ホ 理事の担当業務を記載した書面
三 資金清算業に関する知識及び経験を有する従業員の確保の状況並びに当該従業員の配置の状況を記載した書面
四 資金清算機関の事務の機構及び分掌を記載した書面
五 業務開始後3年間における収支の見込みを記載した書面
六 業務方法書に法第71条第2項第8号に掲げる事項を定める場合にあっては、契約の相手方その他の参考となるべき事項を記載した書面
七 その他参考となるべき事項を記載した書面
(心身の故障のため職務を適正に執行することができない者)
第4条の2 法第66条第2項第4号イに規定する内閣府令で定める者は、精神の機能の障害のため職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。
第2章 業務
(他の業務の承認の申請等)
第5条 法第69条第1項の承認を受けようとする資金清算機関は、次に掲げる事項を記載した申請書を金融庁長官に提出しなければならない。
一 承認を受けようとする業務の種類
二 当該業務の開始予定年月日
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 当該業務の内容及び方法を記載した書面
二 当該業務を所掌する組織及び人員配置を記載した書面
三 当該業務の運営に関する規則
四 当該業務の開始後3年間における収支の見込みを記載した書面
3 金融庁長官は、第1項の承認の申請があった場合においては、その申請が資金清算業を適正かつ確実に行うにつき支障を及ぼすおそれがないかどうかを審査しなければならない。
(承認を受けた業務の廃止の届出)
第6条 法第69条第2項の規定により届出を行う資金清算機関は、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。
一 法第69条第1項の規定により承認を受けた業務の種類
二 当該業務を廃止した年月日
三 当該業務を廃止した理由
(資金清算業の一部の委託の承認の申請等)
第7条 法第70条第1項の承認を受けようとする資金清算機関は、次に掲げる事項を記載した申請書を金融庁長官に提出しなければならない。
一 業務を委託する相手方(以下この条において「受託者」という。)の商号又は名称及び住所
二 委託する業務の内容及び範囲
三 委託の期間
四 委託する業務の委託契約において、受託者が当該業務を適正かつ確実に遂行するための措置として付している条件の内容
五 受託者の選定に係る基準
2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 理由書
二 委託する業務の委託契約の内容を記載した書面
三 受託者が法第66条第2項第2号及び第3号に掲げる要件に該当しない旨を誓約する書面
四 受託者の取締役及び監査役(理事、監事その他これらに準ずる者を含み、監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役とする。以下この条において同じ。)が法第66条第2項第4号に掲げる要件に該当しない旨を誓約する書面
五 受託者の登記事項証明書
六 受託者の定款
七 委託する業務の実施方法を記載した書面
八 受託者の最近3年の各年度における事業報告、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面
九 受託者の取締役及び監査役の氏名を記載した書面
十 受託者の取締役及び監査役の住民票の抄本又はこれに代わる書面
十一 受託者の取締役及び監査役の履歴書
十二 受託者が会計参与設置会社である場合にあっては、受託者の会計参与の氏名又は名称を記載した書面、住民票の抄本(会計参与が法人であるときは、当該会計参与の登記事項証明書)又はこれに代わる書面及び当該会計参与の履歴書(会計参与が法人であるときは、当該会計参与の沿革を記載した書面)並びに当該会計参与が法第66条第2項第4号に掲げる要件に該当しない旨を誓約する書面(会計参与が法人であるときは、当該会計参与が同項第3号に掲げる要件に該当しない旨を誓約する書面)
十三 受託者の取締役(理事その他これに準ずる者を含み、指名委員会等設置会社にあっては、執行役とする。)の担当業務を記載した書面
十四 その他参考となるべき事項を記載した書面
3 金融庁長官は、第1項の承認の申請があった場合においては、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
一 業務の委託が資金清算業を適正かつ確実に行うにつき支障を及ぼすおそれがないこと。
二 受託者が社会的信用のある法人であり、かつ、その受託する業務について、適正な計画を有し、確実にその業務を行うことができるものであること。
三 受託者が法第66条第2項第2号及び第3号に掲げる要件に該当しないこと。
四 受託者の取締役及び監査役並びに会計参与が法第66条第2項第4号に掲げる要件に該当しないこと。
五 受託者がその受託する業務の全部又は一部を他の者に再委託する場合には、資金清算機関が当該再委託を受けた者が行う業務を確認できる旨その他の受託者が当該業務を適正かつ確実に遂行するための措置を講ずる旨の条件が業務の委託契約において付されていること。
(外国人等との契約における重要事項)
第8条 法第71条第2項第8号に規定する内閣府令で定める重要な事項は、次に掲げるものとする。
一 通信手段の提供に関する事項
二 情報処理に係る業務の提供に関する事項
(業務方法書の記載事項)
第9条 法第71条第2項第9号に規定する内閣府令で定める事項は、未決済債務等(法第73条第2項に規定する未決済債務等をいう。)についての差引計算の方法、担保の充当の方法その他の決済の方法に関する事項とする。
第3章 監督
(定款又は業務方法書の変更の認可の申請等)
第10条 法第76条の認可を受けようとする資金清算機関は、次に掲げる事項を記載した認可申請書を金融庁長官に提出しなければならない。
一 変更の内容及び理由
二 変更予定年月日
2 前項の認可申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。ただし、業務方法書の変更の認可申請書にあっては、第2号に掲げる書類を提出することを要しない。
一 定款又は業務方法書の新旧対照表
二 株主総会又は社員総会の議事録その他必要な手続があったことを証する書面
三 その他参考となるべき事項を記載した書面
3 金融庁長官は、第1項の認可の申請があった場合には、その申請が法令に適合し、かつ、資金清算業を適正かつ確実に遂行するために十分かどうかを審査しなければならない。
(資本金の額等の変更の届出)
第11条 法第77条の規定による届出を行う資金清算機関は、次に掲げる事項を記載した届出書を金融庁長官に提出しなければならない。
一 変更の内容
二 変更年月日
2 前項の届出書には、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める書類を添付するものとする。
一 法第65条第1項第2号に掲げる事項(純資産額を除く。)又は同項第3号に掲げる事項の変更 同条第2項第3号に掲げる書類
二 法第65条第1項第4号に掲げる事項の変更 次に掲げる書類
イ 法第65条第2項第3号に掲げる書類
ロ 第4条第1号ハ((3)を除く。)又は第2号ハに掲げる書類
ハ 婚姻前の氏名を、氏名に併せて前項の届出書に記載した場合において、ロに掲げる書類(第4条第1号ハ(2)に掲げる書類又は同条第2号ハの住民票の抄本又はこれに代わる書面に限る。)が当該婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
三 法第65条第1項第5号に掲げる事項の変更 次に掲げる書類
イ 法第65条第2項第3号に掲げる書類
ロ 第4条第1号ニ((3)を除く。)に掲げる書類
ハ 婚姻前の氏名を、氏名に併せて前項の届出書に記載した場合において、ロに掲げる書類(第4条第1号ニ(2)に掲げる書類に限る。)が当該婚姻前の氏名を証するものでないときは、当該婚姻前の氏名を証する書面
(帳簿書類)
第12条 資金清算機関は、法第78条の規定により、資金清算業の処理及び計算を明らかにするため、資金清算業に係る取引記録その他の帳簿書類を作成し、その作成の日から7年間保存しなければならない。
(報告書)
第13条 資金清算機関は、法第79条の規定により、資金清算業に関する報告書を別紙様式により作成し、毎事業年度終了後3月以内に、金融庁長官に提出しなければならない。
2 前項の報告書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一 会社法第435条第2項又は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第123条第2項に規定する計算書類、事業報告及び附属明細書
二 会社法第381条第1項又は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第99条第1項に規定する監査報告
三 会社法第396条第1項又は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第107条第1項に規定する会計監査報告
四 有形固定資産明細表
五 担保明細表
六 その他諸勘定明細表
七 主要株主又は社員の氏名又は商号若しくは名称、住所又は所在地及びその保有する議決権の数を記載した書面
八 清算参加者(法第71条第2項第2号に規定する清算参加者をいう。以下同じ。)の商号又は名称及び住所を記載した書面
第4章 雑則
(資金清算業の廃止又は解散の決議に係る認可の申請等)
第14条 法第83条の認可を受けようとする資金清算機関は、申請書に次に掲げる書類を添付して金融庁長官に提出しなければならない。
一 資金清算業の廃止又は解散の理由を記載した書面
二 株主総会又は社員総会の議事録(会社法第319条第1項又は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第58条第1項の規定により株主総会又は社員総会の決議があったものとみなされる場合にあっては、当該場合に該当することを証する書面)
三 最終事業年度に係る貸借対照表(関連する注記を含む。)及び損益計算書(関連する注記を含む。)並びに当該決議時における資産及び負債の内容を明らかにした書面
四 資金清算業の結了の方法を記載した書面
五 その他参考となるべき事項を記載した書面
2 金融庁長官は、前項の認可の申請があった場合においては、次に掲げる基準のいずれかに適合するかどうかを審査しなければならない。
一 当該資金清算業の廃止又は解散が、当該資金清算機関の業務及び財産の状況に照らしてやむを得ないものであること。
二 当該資金清算業の廃止又は解散が、銀行等(法第2条に規定する銀行等をいう。)の間で行われる資金決済の円滑の確保及び当該資金清算機関の清算参加者の利便に支障を及ぼすおそれのないものであること。
3 金融庁長官は、法第81条又は第82条第2項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令をした資金清算機関から第1項の認可の申請があった場合においては、当該資金清算機関に対し、同項の認可をしてはならない。これらの命令をすること又は同条第1項若しくは第2項の規定により法第64条第1項の免許を取り消すことが必要であると認める資金清算機関から第1項の認可の申請があった場合も、同様とする。
(業務方法書に基づく規則の届出)
第15条 資金清算機関は、業務方法書に基づき規則を定め、又は廃止若しくは変更したときは、遅滞なく、その旨を金融庁長官に届け出なければならない。
(標準処理期間)
第16条 内閣総理大臣又は金融庁長官は、法第69条第1項ただし書の承認又は法第76条若しくは第83条の認可に関する申請がその事務所に到達してから1月以内に、法第64条第1項の免許に関する申請がその事務所に到達してから2月以内に、それぞれ当該申請に対する処分をするよう努めるものとする。
2 前項に規定する期間には、次に掲げる期間を含まないものとする。
一 当該申請を補正するために要する期間
二 当該申請をした者が当該申請の内容を変更するために要する期間
三 当該申請をした者が当該申請に係る審査に必要と認められる資料を追加するために要する期間
附則
この府令は、法の施行の日(平成22年4月1日)から施行する。
附則 (平成27年4月28日内閣府令第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この府令は、会社法の一部を改正する法律の施行の日(平成27年5月1日)から施行する。
附則 (平成28年3月1日内閣府令第9号)
この府令は、公布の日から施行する。
附則 (平成29年3月23日内閣府令第6号)
この府令は、平成29年4月1日から施行する。
附則 (令和元年11月21日内閣府令第41号)
この府令は、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(令和元年12月14日)から施行する。
別紙様式(第13条第1項関係)
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