ゆくえふめいしゃはっけんかつどうにかんするきそく
行方不明者発見活動に関する規則
平成21年国家公安委員会規則第13号
警察法施行令(昭和29年政令第151号)第13条第1項の規定に基づき、行方不明者発見活動に関する規則を次のように定める。
第1章 総則
(目的)
第1条 この規則は、個人の生命及び身体の保護を図るために行う行方不明者の発見のための活動、発見時の措置等(以下「行方不明者発見活動」という。)に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(定義)
第2条 この規則において「行方不明者」とは、生活の本拠を離れ、その行方が明らかでない者であって、第6条第1項の規定により届出がなされたものをいう。
2 この規則において「特異行方不明者」とは、行方不明者のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 殺人、誘拐等の犯罪により、その生命又は身体に危険が生じているおそれがある者
二 少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
三 行方不明となる直前の行動その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
四 遺書があること、平素の言動その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
五 精神障害の状態にあること、危険物を携帯していることその他の事情に照らして、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがある者
六 病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
(行方不明者発見活動の基本)
第3条 行方不明者発見活動を行うに際しては、次に掲げる事項を基本とするものとする。
一 行方不明者の生命及び身体の保護を図るため、迅速かつ的確に対応すること。
二 行方不明となった原因が犯罪被害によるものである可能性を考慮し、事案に応じ、必要な捜査を行うこと。
三 行方不明者その他関係者の名誉及び生活の平穏を害することがないよう配慮すること。
四 関係都道府県警察及び警察の各部門が緊密に連携することにより、警察の組織的機能を十分に発揮すること。
(警察本部長)
第4条 警視総監、道府県警察本部長及び方面本部長(以下「警察本部長」という。)は、行方不明者発見活動の全般の指揮監督に当たるとともに、警察職員に対する指導教養の徹底等を図り、もって行方不明者発見活動を効果的に運営する責に任ずるものとする。
(警察署長)
第5条 警察署長は、所属の警察職員を指揮監督し、これを相互に連携させるなどにより行方不明者発見活動の適切な実施を確保するものとする。
2 警察署長が指揮すべき事項、指揮の方法、事案指揮簿の様式その他指揮に関し必要な事項は、警察本部長(方面本部長を除く。)の定めるところによる。
第2章 行方不明者届の受理等
(行方不明者届の受理)
第6条 行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する警察署長は、次に掲げる者から行方不明者に係る届出(以下「行方不明者届」という。)を受理するものとする。
一 行方不明者の親権を行う者又は後見人(後見人が法人の場合においては、当該法人の代表者その他当該法人において行方不明者の後見の事務に従事する者)
二 行方不明者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)その他の親族
三 行方不明者を現に監護する者
四 福祉事務所(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。)の職員その他の行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
五 前各号に掲げる者のほか、行方不明者の同居者、雇主その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者
2 行方不明者が行方不明となった場所又は行方不明者届をしようとする者の住所若しくは居所を管轄する警察署長は、行方不明者届をしようとする者が遠隔の地に居住していることその他の事情により前項の警察署長に対し行方不明者届をすることが困難であると認めるときは、前項各号に掲げる者から行方不明者届を受理することができる。
3 行方不明者届は、別記様式の行方不明者届出書により受理するものとする。
(行方不明者届の受理時の措置)
第7条 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、当該行方不明者届をした者(以下「届出人」という。)から次に掲げる事項について聴取するとともに、行方不明者を撮影した写真その他の行方不明者発見活動を適切に実施するために必要と認められる資料の提出を求めるものとする。
一 行方不明者の氏名、住所、年齢、性別、身体の特徴その他の行方不明者の特定に必要な事項
二 行方不明者が行方不明となった日時、場所及びその状況
三 行方不明となった原因、動機その他の特異行方不明者に該当するかどうかの判定に必要な事項
四 行方不明者の発見時の措置に関する届出人の意思
五 届出人の連絡先
六 前各号に掲げるもののほか、行方不明者発見活動に必要な事項
2 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、届出人に対して、行方不明者が発見された場合に警察がとり得る措置その他の警察が行う行方不明者発見活動の内容について説明するものとする。
3 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、行方不明者届受理票(以下「受理票」という。)を作成しなければならない。
(行方不明者に係る事項の報告)
第8条 警察署長は、行方不明者届を受理したときは、速やかに、行方不明者の氏名、住所その他警察庁長官が定める事項を、警視庁、道府県警察本部又は方面本部(以下「警察本部」という。)の行方不明者発見活動を主管する課の長(以下「行方不明者発見活動主管課長」という。)を通じて、警察本部長に報告しなければならない。
2 行方不明者発見活動主管課長は、前項の規定により報告を受けたときは、速やかに、当該事項を警察庁生活安全局生活安全企画課長(以下「警察庁生活安全企画課長」という。)に報告しなければならない。
3 警察庁生活安全企画課長は、前項の規定により報告を受けたときは、当該事項に係る記録を整理し、及び保管しなければならない。
4 警察署長は、第1項に規定する事項に変更があったときは、その旨を行方不明者発見活動主管課長を通じて、警察本部長に報告しなければならない。
5 第2項及び第3項の規定は、前項の規定により変更の報告があった場合について準用する。
(事案の引継ぎ)
第9条 第6条第2項の規定により行方不明者届を受理した警察署長は、自ら行方不明者発見活動を行うことが適当でないと認めるときは、前条第1項の規定により報告した後速やかに、当該行方不明者届に係る事案を当該行方不明者が行方不明となった時におけるその住所又は居所を管轄する警察署長に引き継がなければならない。
2 前項の規定による引継ぎは、行方不明者届引継書により行わなければならない。
3 警察署長は、第1項の規定により引継ぎをする場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
4 第1項の規定により引継ぎをした警察署長は、速やかに、届出人にその旨を通知しなければならない。
(事後に取得した情報の記録及び活用)
第10条 行方不明者届を受理した警察署長(前条第1項の規定により引継ぎがあった場合にあっては、引継ぎを受けた警察署長。以下「受理署長」という。)は、行方不明者届を受理した後に取得した行方不明者に係る情報について、これを記録するとともに、行方不明者発見活動に積極的に活用するものとする。
(特異行方不明者の判定)
第11条 受理署長は、第7条第1項の規定による聴取の内容、前条の情報及び第3章の規定による行方不明者の発見のための活動を通じて得られた情報に基づき、行方不明者が特異行方不明者に該当するかどうかを判定するものとする。
2 受理署長は、前項の規定により行方不明者が特異行方不明者に該当すると判定したとき及び特異行方不明者に該当すると判定した者がその後これに該当しないと判定したときは、速やかに、その旨を警察本部長に報告しなければならない。
第3章 行方不明者の発見のための活動
第1節 一般的な発見活動
(警察活動を通じた行方不明者の発見活動)
第12条 警察職員は、警ら、巡回連絡、少年の補導、交通の取締り、捜査その他の警察活動に際して、行方不明者の発見に配意するものとする。
(行方不明者照会)
第13条 警察本部の行方不明者発見活動を担当する課(隊その他課に準ずるものを含む。)の長又は警察署長は、行方不明者の発見のため必要があると認めるときは、警察本部長(方面本部長を除く。)を通じて、行方不明者照会(警察庁生活安全企画課長に対して、第8条第3項の規定により保管する記録のうちから必要な記録を検索し、該当する記録に係る情報を提供するよう求めることをいう。)を行うことができる。
2 警察庁生活安全企画課長は、前項の規定による行方不明者照会を受けたときは、直ちに第8条第3項の規定により保管する記録を検索し、その結果を回答しなければならない。
(行方不明者に係る資料の公表)
第14条 受理署長は、行方不明者の発見のために必要であり、かつ、届出人の意思その他の事情を考慮して適当と認めるときは、行方不明者の氏名、年齢その他の事項を記載した資料を作成し、警察署の掲示場への掲示、インターネットの利用その他の適切な方法により公表するものとする。
2 前項の規定により受理署長が資料を公表する期間は、当該資料に係る行方不明者が発見されたとき又はその死亡が確認されたときその他資料を公表する必要がなくなったと認めるときを除き、資料を公表した日からおおむね3月間とする。ただし、受理署長は、必要があると認めるときは、その期間を延長することができる。
3 受理署長は、届出人その他関係者から第1項の規定による資料に準じて作成された資料の提供を受けたときは、これを同項に規定する方法により公表することができる。
(受理票の写しの送付)
第15条 受理署長は、行方不明者届を受理した日から1月を経過しても当該行方不明者届に係る行方不明者が発見されないときは、受理票の写しを作成し、警察本部の鑑識課長(以下「本部鑑識課長」という。)に送付しなければならない。
(身元不明死体票の作成及び送付)
第16条 警察署長は、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成24年法律第34号)第4条第1項の規定による報告又は死体に関する法令に基づく届出に係る死体であって身元が明らかでないものについて、その死亡者に該当する可能性のある行方不明者届を受理しているかどうか確認し、これを受理していないときは、速やかに、身元不明死体票を作成し、本部鑑識課長に送付しなければならない。
(本部鑑識課長による対照等)
第17条 本部鑑識課長は、第15条又は第20条第3項の規定により受理票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該受理票の写しと第3項の規定により保管する身元不明死体票とを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写しに係る行方不明者が当該身元不明死体票に係る死亡者に該当したときは、その旨を当該受理票の写し及び身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
2 本部鑑識課長は、前条の規定により身元不明死体票の送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票と次項の規定により保管する受理票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票に係る死亡者が当該受理票の写しに係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票及び受理票の写しを送付した警察署長に通知しなければならない。
3 本部鑑識課長は、前2項に規定する調査により、受理票の写しに係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、送付を受けた受理票の写し又は身元不明死体票を整理し、及び保管するとともに、速やかに、その写しを作成し、警察庁刑事局犯罪鑑識官(以下「警察庁犯罪鑑識官」という。)に送付しなければならない。
(警察庁犯罪鑑識官による対照等)
第18条 警察庁犯罪鑑識官は、前条第3項の規定により受理票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該受理票の写しと第4項の規定により保管する身元不明死体票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写しに係る行方不明者が当該身元不明死体票の写しに係る死亡者に該当したときは、その旨を当該受理票の写し及び身元不明死体票の写しを送付した本部鑑識課長に通知しなければならない。
2 警察庁犯罪鑑識官は、前条第3項の規定により身元不明死体票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票の写しと第4項の規定により保管する受理票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票の写しに係る死亡者が当該受理票の写しに係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票の写し及び受理票の写しを送付した本部鑑識課長に通知しなければならない。
3 前2項の規定による通知を受けた本部鑑識課長は、当該通知があった旨を当該受理票の写し又は身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
4 警察庁犯罪鑑識官は、第1項又は第2項に規定する調査により、受理票の写しに係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、その旨を当該受理票の写し又は身元不明死体票の写しを送付した本部鑑識課長に通知するとともに、送付を受けた受理票の写し又は身元不明死体票の写しを整理し、及び保管しなければならない。
5 前項の規定による通知を受けた本部鑑識課長は、当該通知があった旨を当該受理票の写し又は身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
(迷い人についての確認)
第19条 警察職員は、生活の本拠を離れ、その身元が明らかでない者(以下「迷い人」という。)を発見したときは、速やかに、当該迷い人を発見した場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
2 警察署長は、前項の規定による報告を受けたときは、当該迷い人について、自ら又は他の警察署長が受理した行方不明者届の有無を確認するよう努めるものとする。
第2節 特異行方不明者の発見活動
(受理署長の措置)
第20条 受理署長は、特異行方不明者の発見のため、その行方に関する情報の収集又は必要な探索若しくは捜査を行うとともに、届出人その他関係者と適時必要な連絡をとるものとする。
2 受理署長は、前項に規定する場合において、特異行方不明者の発見のために必要があると認めるときは、関係行政機関若しくは地方公共団体又は関係事業者の協力を求めるものとする。
3 受理署長は、特異行方不明者(第2条第2項第2号に掲げる者を除く。)については、第15条の規定にかかわらず、第11条第1項の規定による判定をした後速やかに、受理票の写しを作成し、本部鑑識課長に送付しなければならない。
(特異行方不明者手配)
第21条 受理署長は、次に掲げるときは、他の警察署長に対して、特異行方不明者の発見を求める手配(以下「特異行方不明者手配」という。)を行うことができる。
一 特異行方不明者の立ち回り見込先が判明しているとき。
二 特異行方不明者の立ち回り見込地域が判明し、かつ、就業が予想される業種等が判明しているとき。
(特異行方不明者手配の手続)
第22条 特異行方不明者手配は、特異行方不明者手配書により、前条第1号の立ち回り見込先又は第2号の立ち回り見込地域を管轄する警察署長に対して行わなければならない。
2 受理署長は、特異行方不明者手配を行う場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
3 受理署長は、急を要すると認めるときは、前2項の規定にかかわらず、第1項に規定する警察署長に対して、電話その他の方法により直接特異行方不明者手配を行うことができる。この場合においては、特異行方不明者手配を行った後速やかに、前2項の規定による手続を行わなければならない。
(特異行方不明者手配を受けた警察署長の措置)
第23条 警察署長は、特異行方不明者手配を受けたときは、速やかに、次に掲げる特異行方不明者の発見のための活動を行わなければならない。
一 立ち回り見込先については、特異行方不明者の立ち回りの有無の調査及び立ち回り見込先の周辺の探索を行うとともに、立ち回り見込先の関係者に対して、特異行方不明者が立ち回った際における連絡の依頼その他の必要な協力を求めること。
二 立ち回り見込地域については、特異行方不明者の就業が予想される業種の営業所等に対する必要な調査を行うこと。
(特異行方不明者手配の有効期間)
第24条 特異行方不明者手配の有効期間は、手配をした日から3月を経過する日までとする。ただし、受理署長は、継続の必要があると認めるときは、3月ごとにその期間を更新することができる。
(特異行方不明者等DNA型記録の作成等)
第24条の2 受理署長は、特異行方不明者について第18条第5項の規定による通知を受けた場合において、届出人の求めがあり、当該特異行方不明者の発見のため必要かつ相当であると認めるときは、次の各号に掲げる者から、その同意を得て、当該各号に定める資料(以下「特異行方不明者等資料」という。)の提出を受け、警視庁又は道府県警察本部の科学捜査研究所長(以下「科学捜査研究所長」という。)に当該特異行方不明者等資料を送付することにより、当該資料のDNA型鑑定(DNA型記録取扱規則(平成17年国家公安委員会規則第15号)第2条第3号のDNA型鑑定をいう。以下同じ。)を嘱託することができる。
一 届出人(次号から第4号までに掲げる者を除く。) 当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料であってDNA型鑑定に用いられるもの
二 当該特異行方不明者の実子 当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料又は当該実子の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
三 当該特異行方不明者の実父 当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料又は当該実父の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
四 当該特異行方不明者の実母 当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料又は当該実母の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
2 前項の規定による嘱託を受けた科学捜査研究所長は、当該嘱託に係る資料のDNA型鑑定を行い、その特定DNA型(DNA型記録取扱規則第2条第2号の特定DNA型をいう。以下同じ。)が判明した場合において、前項に規定する受理署長から第4項の規定による対照をする必要があると認められる旨の通知を受けたときは、当該資料の特定DNA型その他の警察庁長官が定める事項の記録(以下「特異行方不明者等DNA型記録」という。)を作成し、これを警察庁犯罪鑑識官に電磁的方法により送信しなければならない。
3 科学捜査研究所長は、前項の規定による送信をしたときは、当該特異行方不明者等DNA型記録を抹消しなければならない。
4 第2項の規定による送信を受けた警察庁犯罪鑑識官は、速やかに、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特定DNA型と警察庁犯罪鑑識官の保管する変死者等DNA型記録(DNA型記録取扱規則第2条第9号の変死者等DNA型記録をいう。以下同じ。)及び死体DNA型記録(死体取扱規則(平成25年国家公安委員会規則第4号)第4条第2項に規定する死体DNA型記録をいう。以下同じ。)に係る特定DNA型とを対照し、直ちに、その結果を当該送信をした科学捜査研究所長に通知しなければならない。
5 前項の規定による通知を受けた科学捜査研究所長は、直ちに、当該通知の内容を第1項に規定する受理署長に通知しなければならない。
(特異行方不明者等DNA型記録の整理保管等)
第24条の3 警察庁犯罪鑑識官は、前条第2項の規定による特異行方不明者等DNA型記録の送信を受けたときは、行方不明者発見活動に資するため、これを整理保管しなければならない。
2 警察庁犯罪鑑識官は、特異行方不明者等DNA型記録の保管に当たっては、これに記録された情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るため必要かつ適切な措置を講じなければならない。
3 警察庁犯罪鑑識官は、その保管する特異行方不明者等DNA型記録が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該特異行方不明者等DNA型記録を抹消しなければならない。
一 前条第4項の規定による対照をした場合において、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特定DNA型が警察庁犯罪鑑識官の保管する変死者等DNA型記録又は死体DNA型記録に係る特定DNA型に該当し、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特異行方不明者が当該変死者等DNA型記録に係る変死者等又は死体DNA型記録に係る取扱死体(警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成24年法律第34号)第5条第1項に規定する取扱死体をいう。)であることが判明したとき。
二 前号に掲げるもののほか、特異行方不明者等DNA型記録を保管する必要がなくなったとき。
第4章 行方不明者の発見時の措置
(行方不明者を発見した警察職員等の措置)
第25条 警察職員は、行方不明者を発見し又はその死亡を確認したときは、速やかに、当該行方不明者を発見し又はその死亡を確認した場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
2 警察署長は、前項の規定により行方不明者を発見した旨の報告を受けたときは、当該行方不明者の生命又は身体の安全を確認するとともに、当該行方不明者及び届出人の意思を尊重しつつ、当該行方不明者に対して、届出人その他関係者に連絡するよう促すなどの措置をとらなければならない。
3 警察署長は、第1項の規定により報告を受けたときは、行方不明者発見票を作成しなければならない。
4 警察署長(受理署長を除く。)は、行方不明者について、第1項の規定による報告を受けたときは、速やかに、受理署長に対して、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一 当該行方不明者を発見し又はその死亡を確認した日時、場所及び状況
二 当該行方不明者に対してとった措置
三 当該行方不明者から聴取した事項
5 警察署長(受理署長を除く。)は、前項の規定により通知する場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
(届出人に対する通知)
第26条 受理署長は、行方不明者が発見されたとき又はその死亡が確認されたときは、速やかに、届出人に対して、発見又は死亡確認の日時、場所、状況その他の必要な事項を通知しなければならない。ただし、当該行方不明者の意思その他の事情を考慮して適当と認めるときは、通知をしないこと又は通知をする事項を限ることができる。
2 前項本文の規定にかかわらず、当該行方不明者が、次の各号のいずれかに掲げる場合に該当すると認めるときは、当該行方不明者の同意がある場合を除き、届出人に対して、前項に規定する通知をしないものとする。
一 届出人から、ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第1項に規定するつきまとい等又は同条第2項に規定するストーカー行為をされていた場合
二 届出人から、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第1項に規定する配偶者からの暴力又は同法第28条の2に規定する関係にある相手からの暴力を受けていた場合
(警察本部長等に対する報告等)
第27条 受理署長は、行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたときその他行方不明者に係る記録の保管の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、その旨を行方不明者発見活動主管課長を通じて警察本部長に報告しなければならない。
2 行方不明者発見活動主管課長は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その旨を警察庁生活安全企画課長に報告しなければならない。
3 警察庁生活安全企画課長は、前項の規定による報告を受けたときは、第8条第3項の規定により保管する当該行方不明者の記録を抹消しなければならない。
(本部鑑識課長等に対する報告等)
第28条 警察署長は、第15条、第16条又は第20条第3項の規定により受理票の写し又は身元不明死体票を送付した後において、当該受理票の写しに係る行方不明者が発見され又はその死亡が確認されたとき、当該身元不明死体票に係る死亡者の身元が確認されたときその他当該受理票の写し又は身元不明死体票の保管の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、その旨を本部鑑識課長に報告しなければならない。
2 本部鑑識課長は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その旨を警察庁犯罪鑑識官に報告するとともに、第17条第3項の規定により保管する当該受理票の写し又は身元不明死体票を廃棄しなければならない。
3 警察庁犯罪鑑識官は、前項の規定による報告を受けたときは、第18条第4項の規定により保管する当該受理票の写し又は身元不明死体票の写しを廃棄しなければならない。
(特異行方不明者手配の解除)
第29条 受理署長は、特異行方不明者手配に係る特異行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたときその他特異行方不明者手配の必要がなくなったと認めるときは、特異行方不明者手配を解除しなければならない。
2 前項の規定による特異行方不明者手配の解除は、特異行方不明者手配解除通報書により行わなければならない。
3 受理署長は、第1項の規定により特異行方不明者手配を解除する場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
第5章 雑則
(行方不明者届がなされていない場合等の特例)
第30条 警察署長は、行方不明者届がなされていない場合又は行方不明者届をしようとする者が第6条第1項各号に掲げる者でない場合であっても、生活の本拠を離れその行方が明らかでない者のうち、第2条第2項各号のいずれかに該当すると認められるもの、他の法令に基づき行方の調査等を求められたものその他特に必要があると認められるものについて、この規則による措置をとることができる。
附則
この規則は、平成22年4月1日から施行する。
附則 (平成24年3月16日国家公安委員会規則第1号)
この規則は、民法等の一部を改正する法律の施行の日(平成24年4月1日)から施行する。
附則 (平成25年3月8日国家公安委員会規則第4号) 抄
(施行期日)
第1条 この規則は、平成25年4月1日から施行する。
附則 (平成25年12月27日国家公安委員会規則第16号)
この規則は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則 (平成27年1月5日国家公安委員会規則第1号) 抄
(施行期日)
第1条 この規則は、平成27年4月1日から施行する。
附則 (平成28年12月14日国家公安委員会規則第25号)
この規則は、ストーカー行為等の規制等に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(平成29年1月3日)から施行する。
附則 (令和元年6月21日国家公安委員会規則第3号)
(施行期日)
1 この規則は、令和元年7月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則による改正前の犯罪捜査規範、国際捜査共助等に関する法律に関する書式例、警備員指導教育責任者及び機械警備業務管理者に係る講習等に関する規則、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則、風俗環境浄化協会等に関する規則、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則、地域交通安全活動推進委員及び地域交通安全活動推進委員協議会に関する規則、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律施行規則、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に基づく意見聴取の実施に関する規則、審査専門委員に関する規則、暴力追放運動推進センターに関する規則、交通事故調査分析センターに関する規則、盲導犬の訓練を目的とする法人の指定に関する規則、原動機を用いる歩行補助車等の型式認定の手続等に関する規則、届出自動車教習所が行う教習の課程の指定に関する規則、技能検定員審査等に関する規則、運転免許に係る講習等に関する規則、外国等の行政庁等の免許に係る運転免許証の日本語による翻訳文を作成する能力を有する法人の指定に関する規則、自転車の防犯登録を行う者の指定に関する規則、特定物質の運搬の届出等に関する規則、古物営業法施行規則、交通安全活動推進センターに関する規則、不正アクセス行為の再発を防止するための都道府県公安委員会による援助に関する規則、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定に基づく警察庁長官の意見の陳述等の実施に関する規則、運転免許取得者教育の認定に関する規則、ストーカー行為等の規制等に関する法律施行規則、ストーカー行為等の規制等に関する法律の規定に基づく意見の聴取の実施に関する規則、国家公安委員会関係自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行規則、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行規則、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行規則、配偶者からの暴力等による被害を自ら防止するための警察本部長等による援助に関する規則、確認事務の委託の手続等に関する規則、携帯音声通信役務提供契約に係る契約者確認に関する規則、警備員等の検定等に関する規則、届出対象病原体等の運搬の届出等に関する規則、遺失物法施行規則、犯罪による収益の移転防止に関する法律の規定に基づく事務の実施に関する規則、少年法第6条の2第3項の規定に基づく警察職員の職務等に関する規則、被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則、猟銃及び空気銃の取扱いに関する講習会及び年少射撃資格の認定のための講習会の開催に関する事務の一部を行わせることができる者の指定に関する規則、行方不明者発見活動に関する規則、国家公安委員会関係警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律施行規則、死体取扱規則、国際連合安全保障理事会決議第1267号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法施行規則、国際連合安全保障理事会決議第1267号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法の規定に基づく意見の聴取の実施に関する規則及び重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律施行規則に規定する様式による書面については、この規則による改正後のこれらの規則に規定する様式にかかわらず、当分の間、なおこれを使用することができる。
別記様式(第6条関係)
[画像]
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。