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資金決済に関する法律

平成21年法律第59号

第1章 総則

(目的)
第1条 この法律は、資金決済に関するサービスの適切な実施を確保し、その利用者等を保護するとともに、当該サービスの提供の促進を図るため、前払式支払手段の発行、銀行等以外の者が行う為替取引、仮想通貨の交換等及び銀行等の間で生じた為替取引に係る債権債務の清算について、登録その他の必要な措置を講じ、もって資金決済システムの安全性、効率性及び利便性の向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「前払式支払手段発行者」とは、次条第6項に規定する自家型発行者及び同条第7項に規定する第三者型発行者をいう。
2 この法律において「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引(少額の取引として政令で定めるものに限る。)を業として営むことをいう。
3 この法律において「資金移動業者」とは、第37条の登録を受けた者をいう。
4 この法律において「外国資金移動業者」とは、この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において第37条の登録と同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を受けて為替取引を業として営む者をいう。
5 この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。
 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
6 この法律において「通貨建資産」とは、本邦通貨若しくは外国通貨をもって表示され、又は本邦通貨若しくは外国通貨をもって債務の履行、払戻しその他これらに準ずるもの(以下この項において「債務の履行等」という。)が行われることとされている資産をいう。この場合において、通貨建資産をもって債務の履行等が行われることとされている資産は、通貨建資産とみなす。
7 この法律において「仮想通貨交換業」とは、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいい、「仮想通貨の交換等」とは、第1号及び第2号に掲げる行為をいう。
 仮想通貨の売買又は他の仮想通貨との交換
 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
 その行う前2号に掲げる行為に関して、利用者の金銭又は仮想通貨の管理をすること。
8 この法律において「仮想通貨交換業者」とは、第63条の2の登録を受けた者をいう。
9 この法律において「外国仮想通貨交換業者」とは、この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において第63条の2の登録と同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を受けて仮想通貨交換業を行う者をいう。
10 この法律において「資金清算業」とは、為替取引に係る債権債務の清算のため、債務の引受け、更改その他の方法により、銀行等の間で生じた為替取引に基づく債務を負担することを業として行うことをいう。
11 この法律において「資金清算機関」とは、第64条第1項の免許を受けた者をいう。
12 この法律において「認定資金決済事業者協会」とは、第87条の規定による認定を受けた一般社団法人をいう。
13 この法律において「指定紛争解決機関」とは、第99条第1項の規定による指定を受けた者をいう。
14 この法律において「紛争解決等業務」とは、苦情処理手続(資金移動業又は仮想通貨交換業に関する苦情を処理する手続をいう。)及び紛争解決手続(資金移動業又は仮想通貨交換業に関する紛争で当事者が和解をすることができるものについて訴訟手続によらずに解決を図る手続をいう。第100条第3項を除き、以下同じ。)に係る業務並びにこれに付随する業務をいう。
15 この法律において「紛争解決等業務の種別」とは、紛争解決等業務に係る資金移動業務(資金移動業者が営む為替取引に係る業務をいう。第51条の2第1項第1号において同じ。)及び仮想通貨交換業務(仮想通貨交換業者が行う第7項各号に掲げる行為に係る業務をいう。第63条の12第1項第1号において同じ。)の種別をいう。
16 この法律において「信託会社等」とは、信託業法(平成16年法律第154号)第3条若しくは第53条第1項の免許を受けた信託会社若しくは外国信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。
17 この法律において「銀行等」とは、次に掲げる者をいう。
 銀行法(昭和56年法律第59号)第2条第1項に規定する銀行
 長期信用銀行法(昭和27年法律第187号)第2条に規定する長期信用銀行
 信用金庫
 信用金庫連合会
 労働金庫
 労働金庫連合会
 信用協同組合
 中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第9条の9第1項第1号の事業を行う協同組合連合会
 農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第10条第1項第3号の事業を行う農業協同組合
 農業協同組合法第10条第1項第3号の事業を行う農業協同組合連合会
十一 水産業協同組合法(昭和23年法律第242号)第11条第1項第4号の事業を行う漁業協同組合
十二 水産業協同組合法第87条第1項第4号の事業を行う漁業協同組合連合会
十三 水産業協同組合法第93条第1項第2号の事業を行う水産加工業協同組合
十四 水産業協同組合法第97条第1項第2号の事業を行う水産加工業協同組合連合会
十五 農林中央金庫
十六 株式会社商工組合中央金庫
18 この法律において「破産手続開始の申立て等」とは、破産手続開始の申立て、再生手続開始の申立て、更生手続開始の申立て、特別清算開始の申立て又は外国倒産処理手続の承認の申立て(外国の法令上これらに相当する申立てを含む。)をいう。
19 この法律において「銀行法等」とは、銀行法、長期信用銀行法、信用金庫法(昭和26年法律第238号)、労働金庫法(昭和28年法律第227号)、中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律(昭和24年法律第183号)、農業協同組合法、水産業協同組合法、農林中央金庫法(平成13年法律第93号)又は株式会社商工組合中央金庫法(平成19年法律第74号)をいう。

第2章 前払式支払手段

第1節 総則

(定義)
第3条 この章において「前払式支払手段」とは、次に掲げるものをいう。
 証票、電子機器その他の物(以下この章において「証票等」という。)に記載され、又は電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。以下この項において同じ。)により記録される金額(金額を度その他の単位により換算して表示していると認められる場合の当該単位数を含む。以下この号及び第3項において同じ。)に応ずる対価を得て発行される証票等又は番号、記号その他の符号(電磁的方法により証票等に記録される金額に応ずる対価を得て当該金額の記録の加算が行われるものを含む。)であって、その発行する者又は当該発行する者が指定する者(次号において「発行者等」という。)から物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために提示、交付、通知その他の方法により使用することができるもの
 証票等に記載され、又は電磁的方法により記録される物品又は役務の数量に応ずる対価を得て発行される証票等又は番号、記号その他の符号(電磁的方法により証票等に記録される物品又は役務の数量に応ずる対価を得て当該数量の記録の加算が行われるものを含む。)であって、発行者等に対して、提示、交付、通知その他の方法により、当該物品の給付又は当該役務の提供を請求することができるもの
2 この章において「基準日未使用残高」とは、前払式支払手段を発行する者が毎年3月31日及び9月30日(以下この章において「基準日」という。)までに発行したすべての前払式支払手段の当該基準日における未使用残高(次の各号に掲げる前払式支払手段の区分に応じ当該各号に定める金額をいう。)の合計額として内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。
 前項第1号の前払式支払手段 当該基準日において代価の弁済に充てることができる金額
 前項第2号の前払式支払手段 当該基準日において給付又は提供を請求することができる物品又は役務の数量を内閣府令で定めるところにより金銭に換算した金額
3 この章において「支払可能金額等」とは、第1項第1号の前払式支払手段にあってはその発行された時において代価の弁済に充てることができる金額をいい、同項第2号の前払式支払手段にあってはその発行された時において給付又は提供を請求することができる物品又は役務の数量をいう。
4 この章において「自家型前払式支払手段」とは、前払式支払手段を発行する者(当該発行する者と政令で定める密接な関係を有する者(次条第5号及び第32条において「密接関係者」という。)を含む。以下この項において同じ。)から物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合に限り、これらの代価の弁済のために使用することができる前払式支払手段又は前払式支払手段を発行する者に対してのみ、物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる前払式支払手段をいう。
5 この章において「第三者型前払式支払手段」とは、自家型前払式支払手段以外の前払式支払手段をいう。
6 この章において「自家型発行者」とは、第5条第1項の届出書を提出した者(第33条第1項の規定による発行の業務の全部の廃止の届出をした者であって、第20条第1項の規定による払戻しを完了した者を除く。)をいう。
7 この章において「第三者型発行者」とは、第7条の登録を受けた法人をいう。
8 この章において「基準期間」とは、基準日の翌日から次の基準日までの期間をいう。
(適用除外)
第4条 次に掲げる前払式支払手段については、この章の規定は、適用しない。
 乗車券、入場券その他これらに準ずるものであって、政令で定めるもの
 発行の日から政令で定める一定の期間内に限り使用できる前払式支払手段
 国又は地方公共団体(次号において「国等」という。)が発行する前払式支払手段
 法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人又は特別の法律により地方公共団体が設立者となって設立された法人であって、その資本金又は出資の額の全部が国等からの出資によるものその他の国等に準ずるものとして政令で定める法人が発行する前払式支払手段
 専ら発行する者(密接関係者を含む。)の従業員に対して発行される自家型前払式支払手段(専ら当該従業員が使用することとされているものに限る。)その他これに類するものとして政令で定める前払式支払手段
 割賦販売法(昭和36年法律第159号)その他の法律の規定に基づき前受金の保全のための措置が講じられている取引に係る前払式支払手段として政令で定めるもの
 その利用者のために商行為となる取引においてのみ使用することとされている前払式支払手段

第2節 自家型発行者

(自家型発行者の届出)
第5条 前払式支払手段を発行する法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)又は個人のうち、自家型前払式支払手段のみを発行する者は、基準日においてその自家型前払式支払手段の基準日未使用残高がその発行を開始してから最初に基準額(第14条第1項に規定する基準額をいう。)を超えることとなったときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。自家型前払式支払手段の発行の業務の全部を廃止した後再びその発行を開始したときも、同様とする。
 氏名、商号又は名称及び住所
 法人にあっては、資本金又は出資の額
 前払式支払手段の発行の業務に係る営業所又は事務所の名称及び所在地
 法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)にあっては、その代表者又は管理人の氏名
 当該基準日における基準日未使用残高
 前払式支払手段の種類、名称及び支払可能金額等
 物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限
 前払式支払手段の発行の業務の内容及び方法
 前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先
 その他内閣府令で定める事項
2 前項の届出書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
3 自家型発行者は、第1項各号(第5号を除く。)に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(自家型発行者名簿)
第6条 内閣総理大臣は、自家型発行者について、自家型発行者名簿を作成し、これを公衆の縦覧に供しなければならない。

第3節 第三者型発行者

(第三者型発行者の登録)
第7条 第三者型前払式支払手段の発行の業務は、内閣総理大臣の登録を受けた法人でなければ、行ってはならない。
(登録の申請)
第8条 前条の登録を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
 商号又は名称及び住所
 資本金又は出資の額
 前払式支払手段の発行の業務に係る営業所又は事務所の名称及び所在地
 役員の氏名又は名称
 前払式支払手段の種類、名称及び支払可能金額等
 物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限
 前払式支払手段の発行の業務の内容及び方法
 前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先
 その他内閣府令で定める事項
2 前項の登録申請書には、第10条第1項各号に該当しないことを誓約する書面、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
(第三者型発行者登録簿)
第9条 内閣総理大臣は、第7条の登録の申請があったときは、次条第1項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を第三者型発行者登録簿に登録しなければならない。
 前条第1項各号に掲げる事項
 登録年月日及び登録番号
2 内閣総理大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第三者型発行者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(登録の拒否)
第10条 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 法人でないもの(外国の法令に準拠して設立された法人で国内に営業所又は事務所を有しないものを含む。)
 次のいずれにも該当しない法人
 純資産額が、発行する前払式支払手段の利用が可能な地域の範囲その他の事情に照らして政令で定める金額以上である法人
 営利を目的としない法人で政令で定めるもの
 前払式支払手段により購入若しくは借受けを行い、若しくは給付を受けることができる物品又は提供を受けることができる役務が、公の秩序又は善良の風俗を害し、又は害するおそれがあるものでないことを確保するために必要な措置を講じていない法人
 加盟店(前払式支払手段により購入若しくは借受けを行い、若しくは給付を受けることができる物品の販売者若しくは貸出人又は提供を受けることができる役務の提供者をいう。第32条において同じ。)に対する支払を適切に行うために必要な体制の整備が行われていない法人
 この章の規定を遵守するために必要な体制の整備が行われていない法人
 他の第三者型発行者が現に用いている商号若しくは名称と同一の商号若しくは名称又は他の第三者型発行者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称を用いようとする法人
 第27条第1項若しくは第2項の規定により第7条の登録を取り消され、又はこの法律(この章の規定及び当該規定に係る第8章の規定に限る。以下この項において同じ。)に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。第9号ホにおいて同じ。)を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない法人
 この法律又はこの法律に相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。次号ニにおいて同じ。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない法人
 役員のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
 心身の故障のため前払式支払手段の発行の業務に係る職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者
 この法律又はこの法律に相当する外国の法令の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者
 第三者型発行者が第27条第1項若しくは第2項の規定により第7条の登録を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の役員であった者で、当該取消しの日から3年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
(変更の届出)
第11条 第三者型発行者は、第8条第1項各号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を第三者型発行者登録簿に登録しなければならない。
(名義貸しの禁止)
第12条 第三者型発行者は、自己の名義をもって、他人に第三者型前払式支払手段の発行の業務を行わせてはならない。

第4節 情報の提供、発行保証金の供託その他の義務

(情報の提供)
第13条 前払式支払手段発行者は、前払式支払手段を発行する場合には、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項に関する情報を利用者に提供しなければならない。
 氏名、商号又は名称
 前払式支払手段の支払可能金額等
 物品の購入若しくは借受けを行い、若しくは役務の提供を受ける場合にこれらの代価の弁済のために使用し、又は物品の給付若しくは役務の提供を請求することができる期間又は期限が設けられているときは、当該期間又は期限
 前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情又は相談に応ずる営業所又は事務所の所在地及び連絡先
 その他内閣府令で定める事項
2 前払式支払手段発行者が加入する認定資金決済事業者協会が当該前払式支払手段発行者に係る前項第4号及び第5号に掲げる事項を前払式支払手段の利用者に周知する場合その他の内閣府令で定める場合には、当該前払式支払手段発行者は、同項の規定にかかわらず、当該事項について同項の規定による情報の提供をすることを要しない。
(発行保証金の供託)
第14条 前払式支払手段発行者は、基準日未使用残高が政令で定める額(以下この章において「基準額」という。)を超えるときは、当該基準日未使用残高の2分の1の額(以下この章において「要供託額」という。)以上の額に相当する額の発行保証金を、内閣府令で定めるところにより、主たる営業所又は事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 前払式支払手段発行者は、第31条第1項の権利の実行の手続の終了その他の事実の発生により、発行保証金の額(次条に規定する保全金額及び第16条第1項に規定する信託財産の額の合計額を含む。第18条第2号及び第23条第1項第3号において同じ。)がその事実が発生した日の直前の基準日における要供託額(第20条第1項の規定による払戻しの手続又は第31条第1項の権利の実行の手続が終了した日の直前の基準日にあっては、これらの手続に係る前払式支払手段がないものとみなして内閣府令で定める方法により計算された額)に不足することとなったときは、内閣府令で定めるところにより、その不足額について供託を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
3 発行保証金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める債券(社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第278条第1項に規定する振替債を含む。第16条第3項において同じ。)をもってこれに充てることができる。この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
(発行保証金保全契約)
第15条 前払式支払手段発行者は、政令で定めるところにより、発行保証金保全契約(政令で定める要件を満たす銀行等その他政令で定める者が前払式支払手段発行者のために内閣総理大臣の命令に応じて発行保証金を供託する旨の契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該発行保証金保全契約の効力の存する間、保全金額(当該発行保証金保全契約において供託されることとなっている金額をいう。第17条において同じ。)につき、発行保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
(発行保証金信託契約)
第16条 前払式支払手段発行者は、信託会社等との間で、発行保証金信託契約(当該信託会社等が内閣総理大臣の命令に応じて信託財産を発行保証金の供託に充てることを信託の目的として当該信託財産の管理その他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の信託契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、内閣総理大臣の承認を受けたときは、当該発行保証金信託契約に基づき信託財産が信託されている間、当該信託財産の額につき、発行保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
2 発行保証金信託契約は、次に掲げる事項をその内容とするものでなければならない。
 発行保証金信託契約を締結する前払式支払手段発行者が発行する前払式支払手段の保有者を受益者とすること。
 受益者代理人を置いていること。
 内閣総理大臣の命令に応じて、信託会社等が信託財産を換価し、供託をすること。
 その他内閣府令で定める事項
3 発行保証金信託契約に基づき信託される信託財産の種類は、金銭若しくは預貯金(内閣府令で定めるものに限る。)又は国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める債券に限るものとする。この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
(供託命令)
第17条 内閣総理大臣は、前払式支払手段の利用者の利益の保護のために必要があると認めるときは、発行保証金保全契約若しくは発行保証金信託契約を締結した前払式支払手段発行者又はこれらの契約の相手方に対し、保全金額又は信託財産を換価した額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
(発行保証金の取戻し等)
第18条 発行保証金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
 基準日未使用残高が基準額以下であるとき。
 発行保証金の額が要供託額を超えるとき。
 第31条第1項の権利の実行の手続が終了したとき。
 前3号に掲げるもののほか、前払式支払手段の利用者の利益の保護に支障がない場合として政令で定める場合
(発行保証金の保管替えその他の手続)
第19条 この節に規定するもののほか、前払式支払手段発行者の主たる営業所又は事務所の所在地の変更に伴う発行保証金の保管替えその他発行保証金の供託に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(保有者に対する前払式支払手段の払戻し)
第20条 前払式支払手段発行者は、次の各号のいずれかに該当するときは、前払式支払手段の保有者に、当該前払式支払手段の残高として内閣府令で定める額を払い戻さなければならない。
 前払式支払手段の発行の業務の全部又は一部を廃止した場合(相続又は事業譲渡、合併若しくは会社分割その他の事由により当該業務の承継が行われた場合を除く。)
 当該前払式支払手段発行者が第三者型発行者である場合において、第27条第1項又は第2項の規定により第7条の登録を取り消されたとき。
 その他内閣府令で定める場合
2 前払式支払手段発行者は、前項の規定により払戻しをしようとする場合には、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を公告するとともに、当該事項に関する情報を当該払戻しに係る前払式支払手段の保有者に提供しなければならない。
 当該払戻しをする旨
 当該払戻しに係る前払式支払手段の保有者は、60日を下らない一定の期間内に債権の申出をすべきこと。
 前号の期間内に債権の申出をしない前払式支払手段の保有者は、当該払戻しの手続から除斥されるべきこと。
 その他内閣府令で定める事項
3 会社法(平成17年法律第86号)第940条第1項(第3号に係る部分に限る。)及び第3項の規定は、前払式支払手段発行者(会社に限る。)が電子公告(同法第2条第34号に規定する電子公告をいう。次項において同じ。)により前項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 会社法第940条第1項(第3号に係る部分に限る。)及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、前払式支払手段発行者(外国会社に限る。)が電子公告により第2項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
5 前払式支払手段発行者は、第1項各号に掲げる場合を除き、その発行する前払式支払手段について、保有者に払戻しをしてはならない。ただし、払戻金額が少額である場合その他の前払式支払手段の発行の業務の健全な運営に支障が生ずるおそれがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。
(情報の安全管理)
第21条 前払式支払手段発行者は、内閣府令で定めるところにより、その発行の業務に係る情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。
(苦情処理に関する措置)
第21条の2 前払式支払手段発行者は、前払式支払手段の発行及び利用に関する利用者からの苦情の適切かつ迅速な処理のために必要な措置を講じなければならない。

第5節 監督

(帳簿書類)
第22条 前払式支払手段発行者は、内閣府令で定めるところにより、その前払式支払手段の発行の業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(報告書)
第23条 前払式支払手段発行者は、基準日ごとに、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した前払式支払手段の発行の業務に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
 当該基準日を含む基準期間において発行した前払式支払手段の発行額
 当該基準日における前払式支払手段の基準日未使用残高
 当該基準日未使用残高に係る発行保証金の額
 その他内閣府令で定める事項
2 前項の報告書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
3 自家型発行者については、基準日未使用残高が基準額以下となった基準日の翌日から当該基準日以後の基準日であって再び基準日未使用残高が基準額を超えることとなった基準日の前日までの間の基準日については、第1項の規定は、適用しない。
(立入検査等)
第24条 内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の発行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該前払式支払手段発行者に対し当該前払式支払手段発行者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該前払式支払手段発行者の営業所、事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の発行の業務の健全かつ適切な運営を確保するため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該前払式支払手段発行者から業務の委託を受けた者(その者から委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条及び第32条において同じ。)に対し当該前払式支払手段発行者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該前払式支払手段発行者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該前払式支払手段発行者の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前項の前払式支払手段発行者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
(業務改善命令)
第25条 内閣総理大臣は、前払式支払手段発行者の前払式支払手段の発行の業務の運営に関し、前払式支払手段の利用者の利益を害する事実があると認めるときは、その利用者の利益の保護のために必要な限度において、当該前払式支払手段発行者に対し、当該業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(自家型発行者に対する業務停止命令)
第26条 内閣総理大臣は、自家型発行者が次の各号のいずれかに該当するときは、6月以内の期間を定めてその発行の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
 その発行する前払式支払手段に係る第31条第1項の権利の実行が行われるおそれがある場合において、当該前払式支払手段の利用者の被害の拡大を防止することが必要であると認められるとき。
(第三者型発行者に対する登録の取消し等)
第27条 内閣総理大臣は、第三者型発行者が次の各号のいずれかに該当するときは、第7条の登録を取り消し、又は6月以内の期間を定めてその第三者型前払式支払手段の発行の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 第10条第1項各号に該当することとなったとき。
 不正の手段により第7条の登録を受けたとき。
 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
 その発行する前払式支払手段に係る第31条第1項の権利の実行が行われるおそれがある場合において、当該前払式支払手段の利用者の被害の拡大を防止することが必要であると認められるとき。
2 内閣総理大臣は、第三者型発行者の営業所若しくは事務所の所在地を確知できないとき、又は第三者型発行者を代表する役員の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても当該第三者型発行者から申出がないときは、当該第三者型発行者の第7条の登録を取り消すことができる。
3 前項の規定による処分については、行政手続法(平成5年法律第88号)第3章の規定は、適用しない。
(登録の抹消)
第28条 内閣総理大臣は、前条第1項若しくは第2項の規定により第7条の登録を取り消したとき、又は第33条第2項の規定により第7条の登録がその効力を失ったときは、当該登録を抹消しなければならない。
(監督処分の公告)
第29条 内閣総理大臣は、第26条又は第27条第1項若しくは第2項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

第6節 雑則

(基準日に係る特例)
第29条の2 前払式支払手段発行者が、内閣府令で定めるところにより、この項の規定の適用を受けようとする旨その他内閣府令で定める事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出した場合には、当該届出書を提出した日後における当該前払式支払手段発行者についての第3条第2項の規定の適用については、同項中「及び9月30日」とあるのは、「、6月30日、9月30日及び12月31日」として、この章の規定を適用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 前項の規定の適用を受けている前払式支払手段発行者が、内閣府令で定めるところにより、同項の規定の適用を受けることをやめようとする旨その他内閣府令で定める事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出した場合には、当該前払式支払手段発行者については、当該届出書を提出した日(当該提出した日の属する基準期間が特例基準日(毎年6月30日及び12月31日をいう。)の翌日から次の通常基準日(毎年3月31日及び9月30日をいう。以下この項において同じ。)までの期間である場合にあっては、当該通常基準日。以下この項において同じ。)後は、前項の規定は、適用しない。ただし、当該前払式支払手段発行者が、当該提出した日後新たに同項の届出書を提出したときは、この限りでない。
3 第1項の規定の適用を受けている前払式支払手段発行者は、同項の届出書を提出した日から起算して政令で定める期間を経過した日以後でなければ、前項本文の届出書を提出することができない。
4 第2項本文の届出書を提出した前払式支払手段発行者は、当該届出書を提出した日から起算して政令で定める期間を経過した日以後でなければ、第1項の届出書を提出することができない。
(自家型前払式支払手段の発行の業務の承継に係る特例)
第30条 前払式支払手段発行者以外の者が相続又は事業譲渡、合併若しくは会社分割その他の事由により前払式支払手段発行者から自家型前払式支払手段の発行の業務を承継した場合(第三者型前払式支払手段の発行の業務を承継した場合を除く。)において、当該業務の承継に係る自家型前払式支払手段の承継が行われた日の直前の基準日未使用残高が基準額を超えるときは、当該前払式支払手段発行者以外の者を当該自家型前払式支払手段を発行する自家型発行者とみなして、この法律(第5条を除く。)の規定を適用する。
2 前項の規定により自家型発行者とみなされた者は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
 自家型前払式支払手段の発行の業務を承継した旨
 第5条第1項第1号から第4号までに掲げる事項
 自家型前払式支払手段の承継が行われた日の直前の基準日未使用残高
 承継した自家型前払式支払手段に係る第5条第1項第6号から第10号までに掲げる事項
3 前項の届出書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
4 第1項の規定により自家型発行者とみなされた者は、第2項第2号又は第4号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(発行保証金の還付)
第31条 前払式支払手段の保有者は、前払式支払手段に係る債権に関し、当該前払式支払手段に係る発行保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
2 内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合において、前払式支払手段の保有者の利益の保護を図るために必要があると認めるときは、前項の権利を有する者に対し、60日を下らない一定の期間内に内閣総理大臣に債権の申出をすべきこと及びその期間内に債権の申出をしないときは当該公示に係る発行保証金についての権利の実行の手続から除斥されるべきことを公示しなければならない。
 前項の権利の実行の申立てがあったとき。
 前払式支払手段発行者について破産手続開始の申立て等が行われたとき。
3 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、第1項の権利の実行に関する事務を銀行等その他の政令で定める者(次項及び第5項において「権利実行事務代行者」という。)に委託することができる。
4 権利実行事務代行者は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定により委託を受けた業務を行うことができる。
5 第3項の規定により業務の委託を受けた権利実行事務代行者又はその役員若しくは職員であって当該委託を受けた業務に従事する者は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
6 第2項から前項までに規定するもののほか、第1項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
(発行保証金の還付への協力)
第32条 前払式支払手段発行者から発行の業務の委託を受けた者、密接関係者、加盟店その他の当該前払式支払手段発行者の関係者は、当該前払式支払手段発行者が発行した前払式支払手段に係る前条第1項の権利の実行に関し内閣総理大臣から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるよう努めるものとする。
(廃止の届出等)
第33条 前払式支払手段発行者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。
 前払式支払手段の発行の業務の全部又は一部を廃止したとき。
 第31条第2項第2号に掲げるとき。
2 第三者型発行者が第三者型前払式支払手段の発行の業務の全部を廃止したときは、当該第三者型発行者の第7条の登録は、その効力を失う。
(登録の取消し等に伴う債務の履行の完了等)
第34条 第三者型発行者について、第27条第1項若しくは第2項の規定により第7条の登録が取り消されたとき、又は前条第2項の規定により第7条の登録が効力を失ったときは、当該第三者型発行者であった者は、その発行した第三者型前払式支払手段に係る債務の履行を完了する目的の範囲内においては、なお第三者型発行者とみなす。
(銀行等に関する特例)
第35条 政令で定める要件を満たす銀行等その他政令で定める者に該当する前払式支払手段発行者については、第14条第1項の規定は、適用しない。
(外国において発行される前払式支払手段の勧誘の禁止)
第36条 外国において前払式支払手段の発行の業務を行う者は、国内にある者に対して、その外国において発行する前払式支払手段の勧誘をしてはならない。

第3章 資金移動

第1節 総則

(資金移動業者の登録)
第37条 内閣総理大臣の登録を受けた者は、銀行法第4条第1項及び第47条第1項の規定にかかわらず、資金移動業を営むことができる。
(登録の申請)
第38条 前条の登録を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
 商号及び住所
 資本金の額
 資金移動業に係る営業所の名称及び所在地
 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役とし、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役とし、外国資金移動業者にあっては外国の法令上これらに相当する者とする。第40条第1項第10号において同じ。)の氏名
 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
 外国資金移動業者にあっては、国内における代表者の氏名
 資金移動業の内容及び方法
 資金移動業の一部を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る業務の内容並びにその委託先の氏名又は商号若しくは名称及び住所
 他に事業を行っているときは、その事業の種類
 その他内閣府令で定める事項
2 前項の登録申請書には、第40条第1項各号に該当しないことを誓約する書面、財務に関する書類、資金移動業を適正かつ確実に遂行する体制の整備に関する事項を記載した書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
(資金移動業者登録簿)
第39条 内閣総理大臣は、第37条の登録の申請があったときは、次条第1項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を資金移動業者登録簿に登録しなければならない。
 前条第1項各号に掲げる事項
 登録年月日及び登録番号
2 内閣総理大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、資金移動業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(登録の拒否)
第40条 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 株式会社又は外国資金移動業者(国内に営業所を有する外国会社に限る。)でないもの
 外国資金移動業者にあっては、国内における代表者(国内に住所を有するものに限る。)のない法人
 資金移動業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる財産的基礎を有しない法人
 資金移動業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人
 この章の規定を遵守するために必要な体制の整備が行われていない法人
 他の資金移動業者が現に用いている商号若しくは名称と同一の商号若しくは名称又は他の資金移動業者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称を用いようとする法人
 第56条第1項若しくは第2項の規定により第37条の登録を取り消され、第82条第1項若しくは第2項の規定により第64条第1項の免許を取り消され、又はこの法律若しくは銀行法等に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録若しくは免許(当該登録又は免許に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない法人
 この法律、銀行法等若しくは出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和29年法律第195号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない法人
 他に行う事業が公益に反すると認められる法人
 取締役若しくは監査役又は会計参与(外国資金移動業者にあっては、国内における代表者を含む。以下この章において「取締役等」という。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
 心身の故障のため資金移動業に係る職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 この法律、銀行法等、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 資金移動業者が第56条第1項若しくは第2項の規定により第37条の登録を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の取締役等であった者で、当該取消しの日から5年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
(変更の届出)
第41条 資金移動業者は、第38条第1項各号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を資金移動業者登録簿に登録しなければならない。
(名義貸しの禁止)
第42条 資金移動業者は、自己の名義をもって、他人に資金移動業を営ませてはならない。

第2節 業務

(履行保証金の供託)
第43条 資金移動業者は、1月を超えない範囲内で内閣府令で定める期間ごとに、当該期間における要履行保証額の最高額(第47条第1号において「要供託額」という。)以上の額に相当する額の履行保証金を、当該期間の末日(同号において「基準日」という。)から1週間以内に、その本店(外国資金移動業者である資金移動業者にあっては、国内における主たる営業所。第48条において同じ。)の最寄りの供託所に供託しなければならない。
2 前項の「要履行保証額」とは、各営業日における未達債務の額(資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務の額であって内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。以下この章において同じ。)と第59条第1項の権利の実行の手続に関する費用の額として内閣府令で定めるところにより算出した額の合計額(その合計額が小規模な資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務の履行を確保するために必要な額として政令で定める額以下である場合には、当該政令で定める額)をいう。
3 履行保証金は、国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める債券(社債、株式等の振替に関する法律第278条第1項に規定する振替債を含む。第45条第3項において同じ。)をもってこれに充てることができる。この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
(履行保証金保全契約)
第44条 資金移動業者は、政令で定めるところにより、履行保証金保全契約(政令で定める要件を満たす銀行等その他政令で定める者が資金移動業者のために内閣総理大臣の命令に応じて履行保証金を供託する旨の契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該履行保証金保全契約の効力の存する間、保全金額(当該履行保証金保全契約において供託されることとなっている金額をいう。以下この章において同じ。)につき、履行保証金の全部又は一部の供託をしないことができる。
(履行保証金信託契約)
第45条 資金移動業者が、信託会社等との間で、履行保証金信託契約(当該信託会社等が内閣総理大臣の命令に応じて信託財産を履行保証金の供託に充てることを信託の目的として当該信託財産の管理その他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の信託契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、内閣総理大臣の承認を受けた場合において、当該資金移動業者の各営業日において当該履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産の額が、その直前の営業日における要履行保証額(第43条第2項に規定する要履行保証額をいう。以下この章において同じ。)以上の額であるときは、同条第1項の規定は、適用しない。
2 履行保証金信託契約は、次に掲げる事項をその内容とするものでなければならない。
 履行保証金信託契約を締結する資金移動業者(以下この条において「信託契約資金移動業者」という。)が行う為替取引の利用者を受益者とすること。
 受益者代理人を置いていること。
 信託契約資金移動業者は、各営業日における要履行保証額を、その翌営業日までに信託会社等に通知すること。
 信託契約資金移動業者は、各営業日において信託されている信託財産の額が、その直前の営業日における要履行保証額以上の額となるよう、必要に応じてその財産を信託財産として拠出する義務を負うこと。
 信託会社等は、各営業日において信託されている信託財産の額が、その直前の営業日における要履行保証額以下となった場合には、当該信託財産に属する財産を信託契約資金移動業者に移転することができないこと。
 内閣総理大臣の命令に応じて、信託会社等が信託財産を換価し、供託をすること。
 その他内閣府令で定める事項
3 履行保証金信託契約に基づき信託される信託財産の種類は、金銭若しくは預貯金(内閣府令で定めるものに限る。)又は国債証券、地方債証券その他の内閣府令で定める債券に限るものとする。この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
4 第1項の規定の適用を受けていた資金移動業者について、各営業日のいずれかの日(以下この項において「特定日」という。)において履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産の額がその直前の営業日における要履行保証額未満の額となった場合における当該特定日が属する期間(第43条第1項に規定する内閣府令で定める期間をいう。以下この項において同じ。)の直前の期間についての同条第1項の規定の適用については、同項中「当該期間の末日(同号において「基準日」という。)から1週間以内に」とあるのは、「第45条第1項に規定する履行保証金信託契約に基づき信託されている信託財産の額がその直前の営業日における要履行保証額未満の額となった日(同号において「基準日」という。)に」とする。
(供託命令)
第46条 内閣総理大臣は、資金移動業の利用者の利益の保護のために必要があると認めるときは、履行保証金保全契約若しくは履行保証金信託契約を締結した資金移動業者又はこれらの契約の相手方に対し、保全金額又は信託財産を換価した額の全部又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
(履行保証金の取戻し等)
第47条 履行保証金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、その全部又は一部を取り戻すことができる。
 基準日における要供託額が、その直前の基準日における履行保証金の額と保全金額の合計額を下回るとき。
 第59条第1項の権利の実行の手続が終了したとき。
 為替取引に関し負担する債務の履行を完了した場合として政令で定める場合
(履行保証金の保管替えその他の手続)
第48条 この節に規定するもののほか、資金移動業者の本店の所在地の変更に伴う履行保証金の保管替えその他履行保証金の供託に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
(情報の安全管理)
第49条 資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、資金移動業に係る情報の漏えい、滅失又はき損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。
(委託先に対する指導)
第50条 資金移動業者は、資金移動業の一部を第三者に委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)をした場合には、内閣府令で定めるところにより、当該委託に係る業務の委託先に対する指導その他の当該業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
(利用者の保護等に関する措置)
第51条 資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、銀行等が行う為替取引との誤認を防止するための説明、手数料その他の資金移動業に係る契約の内容についての情報の提供その他の資金移動業の利用者の保護を図り、及び資金移動業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
(指定資金移動業務紛争解決機関との契約締結義務等)
第51条の2 資金移動業者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
 指定資金移動業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が資金移動業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合 一の指定資金移動業務紛争解決機関との間で資金移動業に係る手続実施基本契約(第99条第1項第8号に規定する手続実施基本契約をいう。次項において同じ。)を締結する措置
 指定資金移動業務紛争解決機関が存在しない場合 資金移動業に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
2 資金移動業者は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定資金移動業務紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3 第1項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
 第1項第1号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第2号に掲げる場合に該当することとなったとき 第101条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の83第1項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第100条第1項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
 第1項第1号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の1の指定資金移動業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第101条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の83第1項の規定により認可されたとき、又は同号の1の指定資金移動業務紛争解決機関の第99条第1項の規定による指定が第100条第1項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第1項第1号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
 第1項第2号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第1号に掲げる場合に該当することとなったとき 第99条第1項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
4 第1項第2号の「苦情処理措置」とは、利用者からの苦情の処理の業務に従事する使用人その他の従業者に対する助言若しくは指導を消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者に行わせること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。
5 第1項第2号の「紛争解決措置」とは、利用者との紛争の解決を認証紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成16年法律第151号)第2条第3号に規定する認証紛争解決手続をいう。)により図ること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。

第3節 監督

(帳簿書類)
第52条 資金移動業者は、内閣府令で定めるところにより、その資金移動業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(報告書)
第53条 資金移動業者は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、資金移動業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 資金移動業者は、前項の報告書のほか、6月を超えない範囲内で内閣府令で定める期間ごとに、内閣府令で定めるところにより、未達債務の額及び履行保証金の供託、履行保証金保全契約又は履行保証金信託契約に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 前2項の報告書には、財務に関する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
(立入検査等)
第54条 内閣総理大臣は、資金移動業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、資金移動業者に対し当該資金移動業者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金移動業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、資金移動業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該資金移動業者から業務の委託を受けた者(その者から委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条及び第60条において同じ。)に対し当該資金移動業者の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金移動業者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該資金移動業者の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前項の資金移動業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
(業務改善命令)
第55条 内閣総理大臣は、資金移動業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、資金移動業者に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第56条 内閣総理大臣は、資金移動業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第37条の登録を取り消し、又は6月以内の期間を定めて資金移動業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 第40条第1項各号に該当することとなったとき。
 不正の手段により第37条の登録を受けたとき。
 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 内閣総理大臣は、資金移動業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は資金移動業者を代表する取締役若しくは執行役(外国資金移動業者である資金移動業者にあっては、国内における代表者)の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても当該資金移動業者から申出がないときは、当該資金移動業者の第37条の登録を取り消すことができる。
3 前項の規定による処分については、行政手続法第3章の規定は、適用しない。
(登録の抹消)
第57条 内閣総理大臣は、前条第1項若しくは第2項の規定により第37条の登録を取り消したとき、又は第61条第2項の規定により第37条の登録がその効力を失ったときは、当該登録を抹消しなければならない。
(監督処分の公告)
第58条 内閣総理大臣は、第56条第1項又は第2項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

第4節 雑則

(履行保証金の還付)
第59条 資金移動業者がその行う為替取引に関し負担する債務に係る債権者は、履行保証金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
2 内閣総理大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合において、資金移動業の利用者の利益の保護を図るために必要があると認めるときは、前項の権利を有する者に対し、60日を下らない一定の期間内に内閣総理大臣に債権の申出をすべきこと及びその期間内に債権の申出をしないときは当該公示に係る履行保証金についての権利の実行の手続から除斥されるべきことを公示する措置その他の同項の権利の実行のために必要な措置をとらなければならない。
 前項の権利の実行の申立てがあったとき。
 資金移動業者について破産手続開始の申立て等が行われたとき。
3 内閣総理大臣は、内閣府令で定めるところにより、第1項の権利の実行に関する事務を銀行等その他の政令で定める者(次項及び第5項において「権利実行事務代行者」という。)に委託することができる。
4 権利実行事務代行者は、他の法律の規定にかかわらず、前項の規定により委託を受けた業務を行うことができる。
5 第3項の規定により業務の委託を受けた権利実行事務代行者又はその役員若しくは職員であって当該委託を受けた業務に従事する者は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
6 第2項から前項までに規定するもののほか、第1項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。
(履行保証金の還付への協力)
第60条 資金移動業者から資金移動業の委託を受けた者その他の当該資金移動業者の関係者は、当該資金移動業者の為替取引に係る前条第1項の権利の実行に関し内閣総理大臣から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるよう努めるものとする。
(廃止の届出等)
第61条 資金移動業者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。
 資金移動業の全部又は一部を廃止したとき。
 第59条第2項第2号に掲げるとき。
2 資金移動業者が資金移動業の全部を廃止したときは、当該資金移動業者の第37条の登録は、その効力を失う。
3 資金移動業者は、資金移動業の全部又は一部を廃止しようとするときは、その日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、全ての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
4 資金移動業者は、前項の規定による公告をしたときは、直ちに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5 資金移動業者は、第3項の規定による公告をした場合(事業譲渡、合併又は会社分割その他の事由により当該業務の承継に係る公告をした場合を除く。)には、廃止しようとする資金移動業として行う為替取引に関し負担する債務の履行を速やかに完了しなければならない。
6 会社法第940条第1項(第1号に係る部分に限る。)及び第3項の規定は、資金移動業者(外国資金移動業者を除く。)が電子公告(同法第2条第34号に規定する電子公告をいう。次項において同じ。)により第3項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
7 会社法第940条第1項(第1号に係る部分に限る。)及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、外国資金移動業者である資金移動業者が電子公告により第3項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(登録の取消し等に伴う債務の履行の完了等)
第62条 資金移動業者について、第56条第1項若しくは第2項の規定により第37条の登録が取り消されたとき、又は前条第2項の規定により第37条の登録が効力を失ったときは、当該資金移動業者であった者は、その行う為替取引に関し負担する債務の履行を完了する目的の範囲内においては、なお資金移動業者とみなす。
(外国資金移動業者の勧誘の禁止)
第63条 第37条の登録を受けていない外国資金移動業者は、法令に別段の定めがある場合を除き、国内にある者に対して、為替取引の勧誘をしてはならない。

第3章の2 仮想通貨

第1節 総則

(仮想通貨交換業者の登録)
第63条の2 仮想通貨交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。
(登録の申請)
第63条の3 前条の登録を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
 商号及び住所
 資本金の額
 仮想通貨交換業に係る営業所の名称及び所在地
 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役とし、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役とし、外国仮想通貨交換業者にあっては外国の法令上これらに相当する者とする。第63条の5第1項第10号において同じ。)の氏名
 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
 外国仮想通貨交換業者にあっては、国内における代表者の氏名
 取り扱う仮想通貨の名称
 仮想通貨交換業の内容及び方法
 仮想通貨交換業の一部を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る業務の内容並びにその委託先の氏名又は商号若しくは名称及び住所
 他に事業を行っているときは、その事業の種類
十一 その他内閣府令で定める事項
2 前項の登録申請書には、第63条の5第1項各号に該当しないことを誓約する書面、財務に関する書類、仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備に関する事項を記載した書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
(仮想通貨交換業者登録簿)
第63条の4 内閣総理大臣は、第63条の2の登録の申請があったときは、次条第1項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を仮想通貨交換業者登録簿に登録しなければならない。
 前条第1項各号に掲げる事項
 登録年月日及び登録番号
2 内閣総理大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
3 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
(登録の拒否)
第63条の5 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 株式会社又は外国仮想通貨交換業者(国内に営業所を有する外国会社に限る。)でないもの
 外国仮想通貨交換業者にあっては、国内における代表者(国内に住所を有するものに限る。)のない法人
 仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない法人
 仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人
 この章の規定を遵守するために必要な体制の整備が行われていない法人
 他の仮想通貨交換業者が現に用いている商号若しくは名称と同一の商号若しくは名称又は他の仮想通貨交換業者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称を用いようとする法人
 第63条の17第1項若しくは第2項の規定により第63条の2の登録を取り消され、又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない法人
 この法律若しくは出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない法人
 他に行う事業が公益に反すると認められる法人
 取締役若しくは監査役又は会計参与(外国仮想通貨交換業者にあっては、国内における代表者を含む。以下この章において「取締役等」という。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
 心身の故障のため仮想通貨交換業に係る職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 仮想通貨交換業者が第63条の17第1項若しくは第2項の規定により第63条の2の登録を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の取締役等であった者で、当該取消しの日から5年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
2 内閣総理大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。
(変更の届出)
第63条の6 仮想通貨交換業者は、第63条の3第1項各号に掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を仮想通貨交換業者登録簿に登録しなければならない。
(名義貸しの禁止)
第63条の7 仮想通貨交換業者は、自己の名義をもって、他人に仮想通貨交換業を行わせてはならない。

第2節 業務

(情報の安全管理)
第63条の8 仮想通貨交換業者は、内閣府令で定めるところにより、仮想通貨交換業に係る情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。
(委託先に対する指導)
第63条の9 仮想通貨交換業者は、仮想通貨交換業の一部を第三者に委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)をした場合には、内閣府令で定めるところにより、当該委託に係る業務の委託先に対する指導その他の当該業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
(利用者の保護等に関する措置)
第63条の10 仮想通貨交換業者は、内閣府令で定めるところにより、その取り扱う仮想通貨と本邦通貨又は外国通貨との誤認を防止するための説明、手数料その他の仮想通貨交換業に係る契約の内容についての情報の提供その他の仮想通貨交換業の利用者の保護を図り、及び仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
(利用者財産の管理)
第63条の11 仮想通貨交換業者は、その行う仮想通貨交換業に関して、内閣府令で定めるところにより、仮想通貨交換業の利用者の金銭又は仮想通貨を自己の金銭又は仮想通貨と分別して管理しなければならない。
2 仮想通貨交換業者は、前項の規定による管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期に、公認会計士(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第16条の2第5項に規定する外国公認会計士を含む。第63条の14第3項において同じ。)又は監査法人の監査を受けなければならない。
(指定仮想通貨交換業務紛争解決機関との契約締結義務等)
第63条の12 仮想通貨交換業者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。
 指定仮想通貨交換業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が仮想通貨交換業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合 一の指定仮想通貨交換業務紛争解決機関との間で仮想通貨交換業に係る手続実施基本契約(第99条第1項第8号に規定する手続実施基本契約をいう。次項において同じ。)を締結する措置
 指定仮想通貨交換業務紛争解決機関が存在しない場合 仮想通貨交換業に関する苦情処理措置及び紛争解決措置
2 仮想通貨交換業者は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定仮想通貨交換業務紛争解決機関の商号又は名称を公表しなければならない。
3 第1項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない。
 第1項第1号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第2号に掲げる場合に該当することとなったとき 第101条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の83第1項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可又は第100条第1項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
 第1項第1号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の1の指定仮想通貨交換業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第101条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の83第1項の規定により認可されたとき、又は同号の1の指定仮想通貨交換業務紛争解決機関の第99条第1項の規定による指定が第100条第1項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く。) その認可又は取消しの時に、第1項第1号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
 第1項第2号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第1号に掲げる場合に該当することとなったとき 第99条第1項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間
4 第1項第2号の「苦情処理措置」とは、利用者からの苦情の処理の業務に従事する使用人その他の従業者に対する助言若しくは指導を消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者に行わせること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。
5 第1項第2号の「紛争解決措置」とは、利用者との紛争の解決を認証紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律第2条第3号に規定する認証紛争解決手続をいう。)により図ること又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。

第3節 監督

(帳簿書類)
第63条の13 仮想通貨交換業者は、内閣府令で定めるところにより、その仮想通貨交換業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(報告書)
第63条の14 仮想通貨交換業者は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、仮想通貨交換業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 仮想通貨交換業者(第2条第7項第3号に掲げる行為を行う者に限る。)は、前項の報告書のほか、内閣府令で定める期間ごとに、内閣府令で定めるところにより、仮想通貨交換業に関し管理する利用者の金銭の額及び仮想通貨の数量その他これらの管理に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 第1項の報告書には、財務に関する書類、当該書類についての公認会計士又は監査法人の監査報告書その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
4 第2項の報告書には、仮想通貨交換業に関し管理する利用者の金銭の額及び仮想通貨の数量を証する書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。
(立入検査等)
第63条の15 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、仮想通貨交換業者に対し当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該仮想通貨交換業者の営業所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該仮想通貨交換業者から業務の委託を受けた者(その者から委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条において同じ。)に対し当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該仮想通貨交換業者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該仮想通貨交換業者の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前項の仮想通貨交換業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
(業務改善命令)
第63条の16 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、仮想通貨交換業者に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(登録の取消し等)
第63条の17 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業者が次の各号のいずれかに該当するときは、第63条の2の登録を取り消し、又は6月以内の期間を定めて仮想通貨交換業の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 第63条の5第1項各号に該当することとなったとき。
 不正の手段により第63条の2の登録を受けたとき。
 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2 内閣総理大臣は、仮想通貨交換業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は仮想通貨交換業者を代表する取締役若しくは執行役(外国仮想通貨交換業者である仮想通貨交換業者にあっては、国内における代表者)の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から30日を経過しても当該仮想通貨交換業者から申出がないときは、当該仮想通貨交換業者の第63条の2の登録を取り消すことができる。
3 前項の規定による処分については、行政手続法第3章の規定は、適用しない。
(登録の抹消)
第63条の18 内閣総理大臣は、前条第1項若しくは第2項の規定により第63条の2の登録を取り消したとき、又は第63条の20第2項の規定により第63条の2の登録がその効力を失ったときは、当該登録を抹消しなければならない。
(監督処分の公告)
第63条の19 内閣総理大臣は、第63条の17第1項又は第2項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

第4節 雑則

(廃止の届出等)
第63条の20 仮想通貨交換業者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。
 仮想通貨交換業の全部又は一部を廃止したとき。
 仮想通貨交換業者について破産手続開始の申立て等が行われたとき。
2 仮想通貨交換業者が仮想通貨交換業の全部を廃止したときは、当該仮想通貨交換業者の第63条の2の登録は、その効力を失う。
3 仮想通貨交換業者は、仮想通貨交換業の全部若しくは一部の廃止をし、仮想通貨交換業の全部若しくは一部の譲渡をし、合併(当該仮想通貨交換業者が合併により消滅する場合の当該合併に限る。)をし、合併及び破産手続開始の決定以外の理由による解散をし、又は会社分割による仮想通貨交換業の全部若しくは一部の承継をさせようとするときは、その日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、全ての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。
4 仮想通貨交換業者は、前項の規定による公告をしたときは、直ちに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
5 仮想通貨交換業者は、第3項の規定による公告をした場合(事業譲渡、合併又は会社分割その他の事由により当該業務の承継に係る公告をした場合を除く。)には、廃止しようとする仮想通貨交換業として行う仮想通貨の交換等に関し負担する債務の履行を速やかに完了し、かつ、当該仮想通貨交換業に関し管理する利用者の財産を速やかに返還し、又は利用者に移転しなければならない。
6 会社法第940条第1項(第1号に係る部分に限る。)及び第3項の規定は、仮想通貨交換業者(外国仮想通貨交換業者を除く。)が電子公告(同法第2条第34号に規定する電子公告をいう。次項において同じ。)により第3項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
7 会社法第940条第1項(第1号に係る部分に限る。)及び第3項、第941条、第946条、第947条、第951条第2項、第953条並びに第955条の規定は、外国仮想通貨交換業者である仮想通貨交換業者が電子公告により第3項の規定による公告をする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
(登録の取消し等に伴う債務の履行の完了等)
第63条の21 仮想通貨交換業者について、第63条の17第1項若しくは第2項の規定により第63条の2の登録が取り消されたとき、又は前条第2項の規定により第63条の2の登録が効力を失ったときは、当該仮想通貨交換業者であった者は、その行う仮想通貨の交換等に関し負担する債務の履行を完了し、かつ、その行う仮想通貨交換業に関し管理する利用者の財産を返還し、又は利用者に移転する目的の範囲内においては、なお仮想通貨交換業者とみなす。
(外国仮想通貨交換業者の勧誘の禁止)
第63条の22 第63条の2の登録を受けていない外国仮想通貨交換業者は、国内にある者に対して、第2条第7項各号に掲げる行為の勧誘をしてはならない。

第4章 資金清算

第1節 総則

(資金清算機関の免許等)
第64条 資金清算業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、行ってはならない。
2 前項の規定は、銀行等及び日本銀行については、適用しない。
(免許の申請)
第65条 前条第1項の免許を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した免許申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
 商号又は名称及び住所
 資本金又は基金(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)第131条に規定する基金をいう。)の額及び純資産額
 営業所又は事務所の名称及び所在地
 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役。次条第2項第4号において同じ。)又は理事及び監事の氏名
 会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名又は名称
 その他内閣府令で定める事項
2 前項の免許申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
 次条第2項各号に掲げる要件に該当しない旨を誓約する書面
 定款
 登記事項証明書
 業務方法書
 貸借対照表及び損益計算書
 収支の見込みを記載した書類
 その他内閣府令で定める書類
(免許の基準)
第66条 内閣総理大臣は、前条第1項の免許の申請があったときは、その申請が次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
 定款及び業務方法書の規定が法令に適合し、かつ、資金清算業を適正かつ確実に遂行するために十分であること。
 資金清算業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、資金清算業に係る収支の見込みが良好であること。
 その人的構成に照らして、資金清算業を適正かつ確実に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有すること。
2 内閣総理大臣は、免許申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は免許申請書若しくはその添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、免許を与えてはならない。
 株式会社又は一般社団法人(これらの者が次に掲げる機関を置く場合に限る。)でないもの
 取締役会又は理事会
 監査役、監査等委員会若しくは指名委員会等(会社法第2条第12号に規定する指名委員会等をいう。)又は監事
 会計監査人
 第56条第1項若しくは第2項の規定により第37条の登録を取り消され、若しくは第82条第1項若しくは第2項の規定により第64条第1項の免許を取り消され、又はこの法律若しくは銀行法等に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録若しくは免許(当該登録又は免許に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない法人
 この法律若しくは銀行法等又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない法人
 取締役等(取締役若しくは監査役若しくは会計参与又は理事若しくは監事をいう。以下この章において同じ。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人
 心身の故障のため職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 この法律、銀行法等、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 資金清算機関が第82条第1項若しくは第2項の規定により第64条第1項の免許を取り消された場合又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の免許若しくは登録(当該免許又は登録に類する許可その他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の取締役等であった者で、当該取消しの日から5年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者
(取締役等の欠格事由等)
第67条 前条第2項第4号イからホまでのいずれかに該当する者は、資金清算機関の取締役等となることができない。
2 資金清算機関の取締役等が前項に規定する者に該当することとなったときは、その職を失う。
3 内閣総理大臣は、資金清算機関の取締役等が法令又は法令に基づく行政官庁の処分に違反したときは、当該資金清算機関に対し、当該取締役等の解任を命ずることができる。
(会社法の適用関係)
第68条 会社法第331条第2項ただし書(同法第335条第1項において準用する場合を含む。)、第332条第2項(同法第334条第1項において準用する場合を含む。)、第336条第2項及び第402条第5項ただし書の規定は、資金清算機関が株式会社である場合には、適用しない。
2 資金清算機関が株式会社である場合における会社法第458条の規定の適用については、同条中「300万円」とあるのは、「300万円を下回らない範囲内において政令で定める金額」とする。

第2節 業務

(業務の制限)
第69条 資金清算機関は、資金清算業及びこれに関連する業務のほか、他の業務を行うことができない。ただし、当該資金清算機関が資金清算業を適正かつ確実に行うにつき支障を生ずるおそれがないと認められる業務について、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
2 資金清算機関は、前項ただし書の承認を受けた業務を廃止したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(資金清算業の一部の委託)
第70条 資金清算機関は、内閣府令で定めるところにより、資金清算業の一部を、内閣総理大臣の承認を受けて、第三者に委託することができる。
2 資金清算機関は、前項の規定による資金清算業の一部の委託に関する契約には、業務を委託する相手方が当該業務を適正かつ確実に遂行するための措置を講ずる旨の条件を付さなければならない。
(業務方法書)
第71条 資金清算機関は、業務方法書の定めるところにより、資金清算業を行わなければならない。
2 業務方法書には、次に掲げる事項を定めなければならない。
 資金清算業の対象とする債務の起因となる取引の種類
 資金清算業の相手方とする者(以下この章において「清算参加者」という。)の要件に関する事項
 資金清算業として行う債務の引受け、更改その他の方法に関する事項
 清算参加者の債務の履行の確保に関する事項
 資金清算業の継続的遂行の確保に関する事項
 資金清算業及びこれに関連する業務以外の業務を行う場合にあっては、当該業務が資金清算業の適正かつ確実な遂行を妨げないことを確保するための措置に関する事項
 資金清算業の一部を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る業務を適正かつ確実に遂行させることを確保するための体制の整備に関する事項
 資金清算業に関する契約であって内閣府令で定める重要な事項を内容とするものを、外国人又は外国の法令に準拠して設立された法人を相手方として締結する場合にあっては、その旨
 その他内閣府令で定める事項
(資金清算業の適切な遂行を確保するための措置)
第72条 資金清算機関は、資金清算業により損失が生じた場合に清算参加者が当該損失の全部を負担する旨を業務方法書において定めることその他の資金清算業の適切な遂行を確保するための措置を講じなければならない。
(未決済債務等の決済)
第73条 資金清算機関が業務方法書で未決済債務等について差引計算の方法、担保の充当の方法その他の決済の方法を定めている場合において、清算参加者に破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続が開始されたときは、これらの手続の関係において、未決済債務等に関する資金清算機関又は当該清算参加者が有する請求権の額の算定その他の決済の方法は、当該業務方法書の定めに従うものとする。
2 前項の「未決済債務等」とは、資金清算業として清算参加者から引受け、更改その他の方法により負担した債務、当該債務を負担した対価として当該清算参加者に対して取得した債権(当該債務と同一の内容を有するものに限る。)及び担保をいう。
3 破産手続、再生手続又は更生手続において、資金清算機関が有する第1項に規定する請求権は破産債権、再生債権又は更生債権とし、清算参加者が有する同項に規定する請求権は破産財団、再生債務者財産又は更生会社財産若しくは更生協同組織金融機関財産に属する財産とする。
(秘密保持義務等)
第74条 資金清算機関の取締役等(取締役等が法人であるときは、その職務を行うべき者。次項において同じ。)若しくは職員又はこれらの職にあった者は、資金清算業又はこれに関連する業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 資金清算機関の取締役等若しくは職員又はこれらの職にあった者は、資金清算業及びこれに関連する業務の実施に際して知り得た情報を、資金清算業及びこれに関連する業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
3 前2項の規定は、第70条第1項の規定により委託を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員その他の当該委託を受けた業務に従事する者又はこれらの者であった者について準用する。
(差別的取扱いの禁止)
第75条 資金清算機関は、資金清算業に関し特定の者に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。

第3節 監督

(定款又は業務方法書の変更の認可)
第76条 資金清算機関は、定款又は業務方法書を変更しようとするときは、内閣総理大臣の認可を受けなければならない。
(資本金の額等の変更の届出)
第77条 資金清算機関は、第65条第1項第2号に掲げる事項(純資産額を除く。)又は同項第3号から第5号までに掲げる事項のいずれかに変更があったときは、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
(帳簿書類)
第78条 資金清算機関は、内閣府令で定めるところにより、その資金清算業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(報告書)
第79条 資金清算機関は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、資金清算業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
(立入検査等)
第80条 内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、資金清算機関に対し当該資金清算機関の業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金清算機関の営業所若しくは事務所その他の施設に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該資金清算機関から業務の委託を受けた者(その者から委託(2以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条において同じ。)に対し当該資金清算機関の業務若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該資金清算機関から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該資金清算機関の業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
3 前項の資金清算機関から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告若しくは資料の提出又は質問若しくは検査を拒むことができる。
(業務改善命令)
第81条 内閣総理大臣は、資金清算業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、資金清算機関に対し、業務の運営又は財産の状況の改善に必要な措置その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(免許の取消し等)
第82条 内閣総理大臣は、資金清算機関がその免許を受けた時点において第66条第2項各号のいずれかに該当していたことが判明したときは、その免許を取り消すことができる。
2 内閣総理大臣は、資金清算機関がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、第64条第1項の免許若しくは第69条第1項ただし書の承認を取り消し、6月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又はその取締役等の解任を命ずることができる。

第4節 雑則

(解散等の認可)
第83条 資金清算機関の資金清算業の廃止又は解散の決議は、内閣総理大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
(財務大臣への協議)
第84条 内閣総理大臣は、資金清算機関に対し次に掲げる処分をすることが信用秩序の維持に重大な影響を与えるおそれがあると認めるときは、あらかじめ、信用秩序の維持を図るために必要な措置に関し、財務大臣に協議しなければならない。
 第82条第1項又は第2項の規定による第64条第1項の免許の取消し
 第82条第2項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令
(財務大臣への通知)
第85条 内閣総理大臣は、次に掲げる処分をしたときは、速やかに、その旨を財務大臣に通知するものとする。
 第64条第1項の規定による免許
 第82条第1項又は第2項の規定による第64条第1項の免許の取消し
 第82条第2項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令
 第83条の規定による認可
(日本銀行からの意見聴取)
第86条 内閣総理大臣は、この章の規定に基づく処分を行うために必要があると認めるときは、日本銀行に対し、意見を求めることができる。

第5章 認定資金決済事業者協会

(認定資金決済事業者協会の認定)
第87条 内閣総理大臣は、政令で定めるところにより、前払式支払手段発行者、資金移動業者又は仮想通貨交換業者が設立した一般社団法人であって、次に掲げる要件に該当すると認められるものを、その申請により、次条に規定する業務(以下この章において「認定業務」という。)を行う者として認定することができる。
 前払式支払手段(第3条第1項に規定する前払式支払手段をいう。以下この章において同じ。)の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業の適切な実施を確保し、並びにこれらの健全な発展及び利用者(第10条第1項第4号に規定する加盟店を含む。以下この章において同じ。)の利益の保護に資することを目的とすること。
 前払式支払手段発行者、資金移動業者又は仮想通貨交換業者を社員(以下この章において「会員」という。)とする旨の定款の定めがあること。
 認定業務を適正かつ確実に行うに必要な業務の実施の方法を定めているものであること。
 認定業務を適正かつ確実に行うに足りる知識及び能力並びに財産的基礎を有するものであること。
(認定資金決済事業者協会の業務)
第88条 認定資金決済事業者協会は、次に掲げる業務を行うものとする。
 会員が前払式支払手段の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業を行うに当たり、この法律その他の法令の規定及び第3号の規則を遵守させるための会員に対する指導、勧告その他の業務
 会員の行う前払式支払手段の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業に関し、契約の内容の適正化その他前払式支払手段、資金移動業又は仮想通貨交換業の利用者の利益の保護を図るために必要な指導、勧告その他の業務
 会員の行う前払式支払手段の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業の適正化及びその取り扱う情報の適切な管理を図るために必要な規則の制定
 会員のこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は前号の規則の遵守の状況の調査
 前払式支払手段、資金移動業又は仮想通貨交換業の利用者の利益を保護するために必要な情報の収集、整理及び提供
 会員の行う前払式支払手段の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業に関する利用者からの苦情の処理
 前払式支払手段、資金移動業又は仮想通貨交換業の利用者に対する広報その他認定資金決済事業者協会の目的を達成するために必要な業務
 前各号に掲げるもののほか、前払式支払手段の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業の健全な発展及びこれらの利用者の保護に資する業務
(会員名簿の縦覧等)
第89条 認定資金決済事業者協会は、会員名簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
2 認定資金決済事業者協会でない者は、その名称中に、認定資金決済事業者協会と誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
3 認定資金決済事業者協会の会員でない者は、その名称中に、認定資金決済事業者協会の会員と誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
(会員に関する情報の利用者への周知等)
第90条 前払式支払手段発行者をその会員とする認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段発行者である会員から第13条第1項第4号及び第5号に掲げる事項について当該前払式支払手段の利用者への周知を求められた場合には、当該事項を当該前払式支払手段の利用者に周知しなければならない。
2 認定資金決済事業者協会は、第97条の規定により内閣総理大臣から提供を受けた情報のうち利用者の保護に資する情報について、前払式支払手段、資金移動業又は仮想通貨交換業の利用者に提供できるようにしなければならない。
(利用者からの苦情に関する対応)
第91条 認定資金決済事業者協会は、前払式支払手段、資金移動業又は仮想通貨交換業の利用者から会員の行う前払式支払手段の発行の業務、資金移動業又は仮想通貨交換業に関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該会員に対しその苦情の内容を通知してその迅速な処理を求めなければならない。
2 認定資金決済事業者協会は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該会員に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 会員は、認定資金決済事業者協会から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
4 認定資金決済事業者協会は、第1項の申出、苦情に係る事情及びその解決の結果について会員に周知させなければならない。
5 第1項の規定は、認定資金決済事業者協会が第99条第1項の規定による指定を受けている場合において、第1項の申出が当該指定に係る紛争解決等業務の種別に関する苦情に係るものであるときは、適用しない。
(認定資金決済事業者協会への報告等)
第92条 会員は、前払式支払手段発行者、資金移動業者又は仮想通貨交換業者が行った利用者の保護に欠ける行為に関する情報その他利用者の利益を保護するために必要な情報として内閣府令で定めるものを取得したときは、これを認定資金決済事業者協会に報告しなければならない。
2 認定資金決済事業者協会は、その保有する前項に規定する情報について会員から提供の請求があったときは、正当な理由がある場合を除き、当該情報を提供しなければならない。
(秘密保持義務等)
第93条 認定資金決済事業者協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
2 認定資金決済事業者協会の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、その職務に関して知り得た情報を、認定業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
(定款の必要的記載事項)
第94条 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第11条第1項各号に掲げる事項及び第87条第2号に規定する定款の定めのほか、認定資金決済事業者協会は、その定款において、この法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は第88条第3号の規則に違反した会員に対し、定款で定める会員の権利の停止若しくは制限を命じ、又は除名する旨を定めなければならない。
(立入検査等)
第95条 内閣総理大臣は、この法律の施行に必要な限度において、認定資金決済事業者協会に対し、その業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該認定資金決済事業者協会の事務所に立ち入らせ、その業務若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
(認定資金決済事業者協会に対する監督命令等)
第96条 内閣総理大臣は、認定業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、認定資金決済事業者協会に対し、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2 内閣総理大臣は、認定資金決済事業者協会の業務の運営がこの法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したときは、その認定を取り消し、又は6月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
(認定資金決済事業者協会への情報提供)
第97条 内閣総理大臣は、認定資金決済事業者協会の求めに応じ、認定資金決済事業者協会が認定業務を適正に行うために必要な限度において、前払式支払手段発行者、資金移動業者又は仮想通貨交換業者に関する情報であって認定業務に資するものとして内閣府令で定める情報を提供することができる。
(公告)
第98条 内閣総理大臣は、第87条の規定による認定をしたとき、又は第96条第2項の規定により当該認定を取り消したとき、若しくはその業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

第6章 指定紛争解決機関

(紛争解決等業務を行う者の指定)
第99条 内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、紛争解決等業務を行う者として、指定することができる。
 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含み、外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体を除く。第4号ニにおいて同じ。)であること。
 次条第1項の規定によりこの項の指定を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるものを取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者でないこと。
 この法律、銀行法等若しくは弁護士法(昭和24年法律第205号)又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者でないこと。
 役員のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
 心身の故障のため紛争解決等業務に係る職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これに相当する者
 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 次条第1項の規定によりこの項の指定を取り消された場合若しくはこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前1月以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ニにおいて同じ。)であった者でその取消しの日から5年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であって紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるもの若しくは当該他の法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該政令で定める指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前1月以内にその法人の役員であった者でその取消しの日から5年を経過しない者
 この法律、銀行法等若しくは弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 紛争解決等業務を的確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有すること。
 役員又は職員の構成が紛争解決等業務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
 紛争解決等業務の実施に関する規程(以下この章において「業務規程」という。)が法令に適合し、かつ、この法律の定めるところにより紛争解決等業務を公正かつ的確に実施するために十分であると認められること。
 次項の規定により意見を聴取した結果、手続実施基本契約(紛争解決等業務の実施を内容とする契約をいう。以下この章において同じ。)の解除に関する事項その他の手続実施基本契約の内容(第101条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の67第2項各号に掲げる事項を除く。)その他の業務規程の内容(第101条第1項において読み替えて準用する同法第52条の67第3項の規定によりその内容とするものでなければならないこととされる事項並びに第101条第1項において読み替えて準用する同法第52条の67第4項各号及び第5項第1号に掲げる基準に適合するために必要な事項を除く。)について異議(合理的な理由が付されたものに限る。)を述べた資金移動業等関係業者(資金移動業者又は仮想通貨交換業者をいう。以下この章において同じ。)の数の資金移動業等関係業者の総数に占める割合が政令で定める割合以下の割合となったこと。
2 前項の申請をしようとする者は、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、資金移動業等関係業者に対し、業務規程の内容を説明し、これについて異議がないかどうかの意見(異議がある場合には、その理由を含む。)を聴取し、及びその結果を記載した書類を作成しなければならない。
3 内閣総理大臣は、第1項の規定による指定をしようとするときは、同項第5号から第7号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあっては、第101条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の67第4項各号及び第5項各号に掲げる基準に係るものに限る。)に該当していることについて、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
4 第1項の規定による指定は、紛争解決等業務の種別ごとに行うものとし、同項第8号の割合は、当該紛争解決等業務の種別ごとに算定するものとする。
5 内閣総理大臣は、第1項の規定による指定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
(指定の取消し等)
第100条 内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当するときは、前条第1項の規定による指定を取り消し、又は6月以内の期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 前条第1項第2号から第7号までに掲げる要件に該当しないこととなったとき、又は指定を受けた時点において同項各号のいずれかに該当していなかったことが判明したとき。
 不正の手段により前条第1項の規定による指定を受けたとき。
 法令又は法令に基づく処分に違反したとき。
2 内閣総理大臣は、指定紛争解決機関が次の各号のいずれかに該当する場合において、前項の規定による処分又は命令をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣に協議しなければならない。
 前条第1項第5号から第7号までに掲げる要件(紛争解決手続の業務に係る部分に限り、同号に掲げる要件にあっては、次条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の67第4項各号及び第5項各号に掲げる基準に係るものに限る。以下この号において同じ。)に該当しないこととなった場合又は前条第1項の規定による指定を受けた時点において同項第5号から第7号までに掲げる要件に該当していなかったことが判明した場合
 次条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の65、第52条の66、第52条の69又は第52条の73の規定に違反した場合(その違反行為が紛争解決手続の業務に係るものである場合に限る。)
3 第1項の規定により前条第1項の規定による指定の取消しの処分を受け、又はその業務の全部若しくは一部の停止の命令を受けた者は、当該処分又は命令の日から2週間以内に、当該処分又は命令の日に次条第1項において読み替えて準用する銀行法第52条の83第3項に規定する苦情処理手続又は紛争解決手続が実施されていた当事者、当該当事者以外の手続実施基本契約を締結した相手方である資金移動業等関係業者及び他の指定紛争解決機関に当該処分又は命令を受けた旨を通知しなければならない。
4 内閣総理大臣は、第1項の規定により前条第1項の規定による指定を取り消したとき、又はその業務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
(指定紛争解決機関に関する銀行法の規定の準用)
第101条 銀行法第2条第22項から第25項まで及び第52条の63から第52条の83までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。次項において「銀行法規定」という。)は、指定紛争解決機関について準用する。この場合において、次項に定める場合を除き、これらの規定中次の表の上欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとする。
銀行業務関連苦情 資金移動業等関連苦情
銀行業務関連紛争 資金移動業等関連紛争
加入銀行 加入資金移動業等関係業者
顧客 利用者
2 銀行法規定を指定紛争解決機関について準用する場合において、次の表の上欄に掲げる銀行法規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第52条の63第1項 前条第1項 資金決済に関する法律第99条第1項
次に掲げる事項 指定を受けようとする紛争解決等業務の種別(同法第2条第15項に規定する紛争解決等業務の種別をいう。第52条の73第3項第2号において同じ。)及び次に掲げる事項
第52条の63第2項第1号 前条第1項第3号 資金決済に関する法律第99条第1項第3号
第52条の63第2項第6号 前条第2項 資金決済に関する法律第99条第2項
第52条の73第3項第2号 銀行業務 紛争解決等業務の種別が資金移動業務(資金決済に関する法律第2条第15項に規定する資金移動業務をいう。)である場合にあっては為替取引に係る業務、紛争解決等業務の種別が仮想通貨交換業務(同項に規定する仮想通貨交換業務をいう。)である場合にあっては同条第7項各号に掲げる行為に係る業務
第52条の74第2項 第52条の62第1項の規定による指定が第52条の84第1項 資金決済に関する法律第99条第1項の規定による指定が同法第100条第1項
第52条の84第3項 同法第100条第3項
第52条の82第2項第1号 第52条の62第1項第5号 資金決済に関する法律第99条第1項第5号

第7章 雑則

(検査職員の証明書の携帯)
第102条 第24条第1項若しくは第2項、第54条第1項若しくは第2項、第63条の15第1項若しくは第2項、第80条第1項若しくは第2項又は第95条の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
2 前項に規定する各規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(財務大臣への資料提出等)
第103条 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、前払式支払手段発行者、資金移動業者、仮想通貨交換業者又は資金清算機関に係る制度の企画又は立案をするために必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができる。
2 財務大臣は、その所掌に係る金融破綻処理制度及び金融危機管理に関し、前払式支払手段発行者、資金移動業者、仮想通貨交換業者又は資金清算機関に係る制度の企画又は立案をするため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、前払式支払手段発行者、資金移動業者、仮想通貨交換業者、資金清算機関又は認定資金決済事業者協会その他の関係者に対し、資料の提出、説明その他の協力を求めることができる。
(権限の委任)
第104条 内閣総理大臣は、この法律による権限(政令で定めるものを除く。)を金融庁長官に委任する。
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(内閣府令への委任)
第105条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するために必要な事項は、内閣府令で定める。
(経過措置)
第106条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第8章 罰則

第107条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第7条の登録を受けないで第三者型前払式支払手段(第3条第5項に規定する第三者型前払式支払手段をいう。第3号において同じ。)の発行の業務を行った者
 不正の手段により第7条、第37条又は第63条の2の登録を受けた者
 第12条の規定に違反して、他人に第三者型前払式支払手段の発行の業務を行わせた者
 第42条の規定に違反して、他人に資金移動業を営ませた者
 第63条の2の登録を受けないで仮想通貨交換業を行った者
 第63条の7の規定に違反して、他人に仮想通貨交換業を行わせた者
 第64条第1項の規定に違反して、内閣総理大臣の免許を受けないで資金清算業を行った者
 不正の手段により第64条第1項の免許を受けた者
第108条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第56条第1項の規定による資金移動業の全部又は一部の停止の命令に違反した者
 第63条の11第1項の規定に違反した者
 第63条の17第1項の規定による仮想通貨交換業の全部又は一部の停止の命令に違反した者
 第82条第2項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者
 第96条第2項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者
第109条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第20条第2項、第61条第3項若しくは第63条の20第3項の規定による公告をせず、又は虚偽の公告をした者
 第43条第1項の規定に違反して、供託を行わなかった者
 第46条の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
 第52条、第63条の13若しくは第78条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
 第53条第1項若しくは第2項、第63条の14第1項若しくは第2項若しくは第79条の規定による報告書若しくは第53条第3項若しくは第63条の14第3項若しくは第4項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書若しくは添付書類を提出した者
 第54条第1項若しくは第2項、第63条の15第1項若しくは第2項若しくは第80条第1項若しくは第2項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
 第54条第1項若しくは第2項、第63条の15第1項若しくは第2項若しくは第80条第1項若しくは第2項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
 第65条第1項の規定による免許申請書又は同条第2項の規定による添付書類に虚偽の記載をして提出した者
第110条 第26条又は第27条第1項の規定による業務の全部又は一部の停止の命令に違反した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第111条 第74条第1項若しくは第2項(これらの規定を同条第3項において準用する場合を含む。)又は第93条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第112条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
 第5条第1項の規定による届出書若しくは同条第2項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした届出書若しくは添付書類を提出した者
 第8条第1項の規定による登録申請書若しくは同条第2項の規定による添付書類、第38条第1項の規定による登録申請書若しくは同条第2項の規定による添付書類又は第63条の3第1項の規定による登録申請書若しくは同条第2項の規定による添付書類に虚偽の記載をして提出した者
 第14条第1項又は第2項の規定に違反して、供託を行わなかった者
 第17条の規定による命令に違反して、供託を行わなかった者
 第22条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類の作成をした者
 第23条第1項の規定による報告書若しくは同条第2項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書若しくは添付書類を提出した者
 第24条第1項若しくは第2項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
 第24条第1項若しくは第2項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
 第95条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者
 第95条の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同条の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
第113条 第55条、第63条の16、第81条又は第96条第1項の規定による命令に違反した者は、100万円以下の罰金に処する。
第114条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
 第5条第3項、第11条第1項、第41条第1項若しくは第63条の6第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 第13条第1項の規定による情報の提供をせず、又は虚偽の情報の提供をした者
 第20条第4項、第61条第7項若しくは第63条の20第7項において準用する会社法第955条第1項の規定に違反して、調査記録簿等(同項に規定する調査記録簿等をいう。以下この号において同じ。)に同項に規定する電子公告調査に関し法務省令で定めるものを記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をし、又は同項の規定に違反して調査記録簿等を保存しなかった者
 第25条の規定による命令に違反した者
 第30条第2項の規定による届出書若しくは同条第3項の規定による添付書類を提出せず、又は虚偽の記載をした届出書若しくは添付書類を提出した者
 第30条第4項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 第69条第2項若しくは第77条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 第76条の規定に違反した者
 第89条第3項の規定に違反して、その名称中に認定資金決済事業者協会の会員(第87条第2号に規定する会員をいう。以下同じ。)と誤認されるおそれのある文字を用いた者
 第100条第3項の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をした者
第115条 法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
 第108条(第5号を除く。) 3億円以下の罰金刑
 第109条(第1号を除く。) 2億円以下の罰金刑
 第110条又は第112条(第1号、第2号、第9号及び第10号を除く。) 1億円以下の罰金刑
 第107条、第108条第5号、第109条第1号、第112条第1号、第2号、第9号若しくは第10号、第113条又は前条 各本条の罰金刑
2 人格のない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第116条 次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の過料に処する。
 第20条第4項、第61条第7項又は第63条の20第7項において準用する会社法第941条の規定に違反して、同条の調査を求めなかった者
 第20条第4項、第61条第7項若しくは第63条の20第7項において準用する会社法第946条第3項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者
 正当な理由がないのに、第20条第4項、第61条第7項又は第63条の20第7項において準用する会社法第951条第2項各号又は第955条第2項各号に掲げる請求を拒んだ者
第117条 次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の過料に処する。
 第33条第1項、第61条第1項若しくは第4項若しくは第63条の20第1項若しくは第4項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 正当な理由がないのに第89条第1項の規定による名簿の縦覧を拒んだ者
第118条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の過料に処する。
 第14条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 第89条第2項の規定に違反して、その名称中に認定資金決済事業者協会と誤認されるおそれのある文字を用いた者

附則

(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(前払式証票の規制等に関する法律の廃止)
第2条 前払式証票の規制等に関する法律(平成元年法律第92号)は、廃止する。
(前払式支払手段発行者に係る経過措置)
第3条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に前条の規定による廃止前の前払式証票の規制等に関する法律(以下「旧法」という。)第2条第1項に規定する前払式証票(以下単に「前払式証票」という。)以外の前払式支払手段(第3条第1項に規定する前払式支払手段をいう。以下同じ。)の発行の業務の全部を廃止した者(以下この条において「発行廃止者」という。)については、当該発行の業務の全部を廃止した前払式支払手段に関しては、この法律は、適用しない。ただし、発行廃止者が施行日以後再び当該前払式支払手段の発行の業務を開始したときは、その発行の業務を開始した日以後においては、この限りでない。
第4条 この法律の施行の際現に旧法第4条第1項の届出をしている者(旧法第5条第3項の規定による届出をした者で、施行日の直前の基準日(第3条第2項に規定する基準日をいう。以下同じ。)におけるその発行した自家発行型前払式証票(旧法第2条第4項に規定する自家発行型前払式証票をいう。)の基準日未使用残高(旧法第2条第2項に規定する基準日未使用残高をいう。)が基準額(第14条第1項に規定する基準額をいう。以下同じ。)を超えるものを含む。)は、施行日において自家型発行者(第3条第6項に規定する自家型発行者をいう。以下同じ。)となったものとみなす。
2 前項の規定により自家型発行者となったものとみなされる者は、施行日以後最初に到来する基準日から起算して内閣府令で定める期間を経過する日までに第5条第1項各号に掲げる事項を記載した書類及び同条第2項に規定する書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
第5条 この法律の施行の際現に旧法第6条の登録を受けている法人は、施行日において第三者型発行者(第3条第7項に規定する第三者型発行者をいう。以下同じ。)となったものとみなす。
2 前項の規定により第三者型発行者となったものとみなされる法人は、施行日以後最初に到来する基準日から起算して内閣府令で定める期間を経過する日までに第8条第1項各号に掲げる事項を記載した書類及び同条第2項に規定する書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の規定による書類の提出があったときは、当該書類に記載された第8条第1項各号に掲げる事項及び第9条第1項第2号に掲げる事項を第三者型発行者登録簿に登録するものとする。
4 第1項の規定により第三者型発行者となったものとみなされる法人に係る第27条第1項第1号の規定の適用については、同号中「第10条第1項各号」とあるのは、「第10条第1項第6号又は第9号」とする。
第6条 旧法第27条の規定により旧法第2条第7項に規定する第三者型発行者とみなされていた者は、その発行した前払式証票の債務の履行を完了する目的の範囲内においては、第三者型発行者とみなして、この法律の規定を適用する。
第7条 この法律の施行の際現に自家型前払式支払手段(第3条第4項に規定する自家型前払式支払手段をいう。)のみの発行の業務を行っている者(附則第4条第1項の規定により自家型発行者となったものとみなされる者を除く。)に対する第5条第1項の規定の適用については、同項中「その発行を開始してから」とあるのは、「この法律の施行の日以後において」とする。
第8条 この法律の施行の際現に第三者型前払式支払手段(第3条第5項に規定する第三者型前払式支払手段をいう。以下同じ。)の発行の業務を行っている者(附則第5条第1項の規定により第三者型発行者となったものとみなされる者を除く。)は、施行日から6月間(当該期間内に第10条第1項の規定による登録の拒否の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用される第27条第1項の規定により当該業務の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、第7条の規定にかかわらず、当該業務を行うことができる。
2 前項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務を行うことができる場合においては、その者を第三者型発行者とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、第27条第1項中「第7条の登録を取り消し」とあるのは、「第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 前項の規定により読み替えて適用される第27条第1項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じられた場合におけるこの法律の規定の適用については、当該廃止を命じられた者を同項の規定により第7条の登録を取り消された者と、当該廃止を命じられた日を同項の規定による同条の登録の取消しの日とみなす。
第9条 施行日から6月を経過する日において前条第1項の規定の適用を受けて第三者型前払式支払手段の発行の業務を行っている者で、施行日以後最初に到来する基準日における基準日未使用残高(第3条第2項に規定する基準日未使用残高をいう。以下同じ。)が基準額を下回らない範囲内で政令で定める額以下のものは、次に掲げる要件のすべてに該当する場合には、施行日から6月を経過した日以後施行日から3年を経過する日までの間(当該期間内に第10条第1項の規定による登録の拒否の処分があったとき、又は第3項の規定により読み替えて適用される第27条第1項の規定により当該業務の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間とし、施行日以後最初に到来する基準日の翌日以後の各基準期間(第3条第8項に規定する基準期間をいう。以下同じ。)における第23条第1項第1号に掲げる額が基準額を下回らない範囲内で政令で定める額を超えることとなったときは、当該超えることとなった基準期間の末日までの間とする。)は、第7条の規定にかかわらず、当該業務を行うことができる。
 法人でないこと又は外国の法令に準拠して設立された法人であって、国内に営業所若しくは事務所を有しないものであること。
 この法律の公布の日以前から第三者型前払式支払手段の発行の業務を行っていること。
 施行日以後最初に到来する基準日の翌日以後の各基準期間における第23条第1項第1号に掲げる額が基準額を下回らない範囲内で政令で定める額を超えないこと。
2 前項の規定の適用を受けて第三者型前払式支払手段の発行の業務を行う者は、施行日から6月を経過した日から内閣府令で定める期間を経過する日までに、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を内閣総理大臣に届け出なければならない。
 氏名、商号又は名称及び住所
 前払式支払手段の発行の業務に係る営業所又は事務所の名称及び所在地
 人格のない社団又は財団にあっては、その代表者又は管理人の氏名
 施行日以後最初に到来する基準日における基準日未使用残高
 発行する前払式支払手段の種類、名称及び支払可能金額等(第3条第3項に規定する支払可能金額等をいう。)
 その他内閣府令で定める事項
3 第1項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務を行う場合においては、その者を第三者型発行者とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、第27条第1項中「第7条の登録を取り消し」とあるのは、「第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
4 前条第3項の規定は、前項の規定により読み替えて適用される第27条第1項の規定により第三者型前払式支払手段の発行の業務の廃止を命じられた場合について準用する。
第10条 第13条の規定は、施行日以後発行する前払式支払手段について適用する。
第11条 第14条から第19条まで、第31条及び第32条の規定は、施行日以後最初に到来する基準日から適用し、当該基準日前における前払式証票に係る供託及び当該前払式証票の所有者の権利の実行については、なお従前の例による。
2 旧法第13条第1項(前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)の規定により供託した発行保証金は、第14条第1項の規定により供託した発行保証金とみなす。
3 この法律の施行の際現に前払式証票(旧法附則第7条第3項に規定する前払式証票を除く。)以外の前払式支払手段の発行の業務を行っている者(次項において「供託対象外発行者」という。)が発行した当該前払式支払手段に係る第14条第1項の規定の適用については、同項中「2分の1」とあるのは、次の表の上欄に掲げる基準日について、それぞれ同表の下欄のように読み替えるものとする。
施行日以後最初に到来する基準日 6分の1
施行日後2回目に到来する基準日 6分の2
4 供託対象外発行者が施行日前に発行した前払式支払手段と施行日以後に発行する前払式支払手段を区分している場合には、当該供託対象外発行者が発行した前払式支払手段に係る第14条第1項の規定の適用については、前項の規定にかかわらず、同条第1項中「基準日未使用残高」とあるのは、「施行日以後に発行した前払式支払手段に係る基準日未使用残高」とする。
第12条 第23条の規定は、施行日以後到来する基準日に係る同条第1項に規定する報告書について適用し、当該基準日前の基準日に係る旧法第17条第1項に規定する報告書については、なお従前の例による。
第13条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
 附則第4条第2項若しくは第5条第2項の書類の提出をせず、又は虚偽の記載をして提出した者
 附則第9条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の記載をして届出をした者
2 法人(人格のない社団又は財団であって代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
3 人格のない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその人格のない社団又は財団を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第14条 この法律の施行前にした旧法又はこれに基づく命令の規定によってした処分、手続その他の行為であって、この法律の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、この法律の相当の規定によってしたものとみなす。
(資金清算業に係る経過措置)
第15条 この法律の施行の際現に資金清算業を行っている者(銀行等及び日本銀行を除く。)は、施行日から6月間(当該期間内に第64条第1項の免許の拒否の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用される第82条第2項の規定により資金清算業の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、第64条第1項の規定にかかわらず、資金清算業を行うことができる。
2 前項の規定により資金清算業を行うことができる場合においては、その者を資金清算機関とみなして、第67条第3項、第74条、第78条、第80条、第81条及び第82条第2項の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。この場合において、同項中「第64条第1項の免許若しくは第69条第1項ただし書の承認を取り消し」とあるのは、「資金清算業の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 前項の規定により読み替えて適用される第82条第2項の規定により資金清算業の廃止を命じられた場合におけるこの法律の規定の適用については、当該廃止を命じられた者を同項の規定により第64条第1項の免許を取り消された者と、当該廃止を命じられた日を第82条第2項の規定により第64条第1項の免許の取消しの日とみなす。
(認定資金決済事業者協会に係る経過措置)
第16条 この法律の施行の際現にその名称又は商号中に、認定資金決済事業者協会又は認定資金決済事業者協会の会員であると誤認されるおそれのある文字を用いている者については、第89条第2項及び第3項の規定は、この法律の施行後6月間は、適用しない。
(罰則の適用に関する経過措置)
第34条 この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第35条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第36条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、資金決済に関する制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成21年6月24日法律第58号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一から四まで 略
 第16条の規定(資金決済に関する法律目次の改正規定(「第51条」を「第51条の2」に改める部分に限る。)、同法第3章第2節中第51条の次に1条を加える改正規定及び同法第91条に1項を加える改正規定を除く。) 資金決済に関する法律の施行の日又は施行日のいずれか遅い日
 第16条の規定(資金決済に関する法律目次の改正規定(「第51条」を「第51条の2」に改める部分に限る。)、同法第3章第2節中第51条の次に1条を加える改正規定及び同法第91条に1項を加える改正規定に限る。) 前号に掲げる規定の施行の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
(罰則の適用に関する経過措置)
第19条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第20条 附則第2条から第5条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第21条 政府は、この法律の施行後3年以内に、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下「改正後の各法律」という。)に規定する指定紛争解決機関(以下単に「指定紛争解決機関」という。)の指定状況及び改正後の各法律に規定する紛争解決等業務の遂行状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者庁及び消費者委員会設置法(平成21年法律第48号)附則第3項に係る検討状況も踏まえ、消費者庁の関与の在り方及び業態横断的かつ包括的な紛争解決体制の在り方も含めた指定紛争解決機関による裁判外紛争解決手続に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
2 政府は、前項に定める事項のほか、この法律の施行後5年以内に、この法律による改正後の規定の実施状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成26年6月27日法律第91号) 抄
この法律は、会社法の一部を改正する法律の施行の日から施行する。
附則 (平成28年6月3日法律第62号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(資金決済に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第8条 この法律の施行の際現に仮想通貨交換業(第11条の規定による改正後の資金決済に関する法律(以下この条において「新資金決済法」という。)第2条第7項に規定する仮想通貨交換業をいう。以下この条において同じ。)を行っている者は、施行日から起算して6月間(当該期間内に新資金決済法第63条の5第1項の規定による登録の拒否の処分があったとき、又は次項の規定により読み替えて適用される新資金決済法第63条の17第1項の規定により仮想通貨交換業の全部の廃止を命じられたときは、当該処分のあった日又は当該廃止を命じられた日までの間)は、新資金決済法第63条の2の規定にかかわらず、当該仮想通貨交換業を行うことができる。その者がその期間内に同条の登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。
2 前項の規定により仮想通貨交換業を行うことができる場合においては、その者を仮想通貨交換業者(新資金決済法第2条第8項に規定する仮想通貨交換業者をいう。)とみなして、新資金決済法の規定を適用する。この場合において、新資金決済法第63条の17第1項中「第63条の2の登録を取り消し」とあるのは、「仮想通貨交換業の全部の廃止を命じ」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 前項の規定により読み替えて適用される新資金決済法第63条の17第1項の規定により仮想通貨交換業の全部の廃止を命じられた場合における新資金決済法の規定の適用については、当該廃止を命じられた者を同項の規定により新資金決済法第63条の2の登録を取り消された者と、当該廃止を命じられた日を同項の規定による同条の登録の取消しの日とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第18条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第19条 附則第2条から第8条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第20条 政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律(以下この条において「改正後の各法律」という。)の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、改正後の各法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附則 (平成29年6月2日法律第49号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (令和元年6月14日法律第37号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第40条、第59条、第61条、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定に限る。)、第85条、第102条、第107条(民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律第26条の改正規定に限る。)、第111条、第143条、第149条、第152条、第154条(不動産の鑑定評価に関する法律第25条第6号の改正規定に限る。)及び第168条並びに次条並びに附則第3条及び第6条の規定 公布の日
 第3条、第4条、第5条(国家戦略特別区域法第19条の2第1項の改正規定を除く。)、第2章第2節及び第4節、第41条(地方自治法第252条の28の改正規定を除く。)、第42条から第48条まで、第50条、第54条、第57条、第60条、第62条、第66条から第69条まで、第75条(児童福祉法第34条の20の改正規定を除く。)、第76条、第77条、第79条、第80条、第82条、第84条、第87条、第88条、第90条(職業能力開発促進法第30条の19第2項第1号の改正規定を除く。)、第95条、第96条、第98条から第100条まで、第104条、第108条、第109条、第112条、第113条、第115条、第116条、第119条、第121条、第123条、第133条、第135条、第138条、第139条、第161条から第163条まで、第166条、第169条、第170条、第172条(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第29条第1項第1号の改正規定に限る。)並びに第173条並びに附則第16条、第17条、第20条、第21条及び第23条から第29条までの規定 公布の日から起算して6月を経過した日
(行政庁の行為等に関する経過措置)
第2条 この法律(前条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条及び次条において同じ。)の施行の日前に、この法律による改正前の法律又はこれに基づく命令の規定(欠格条項その他の権利の制限に係る措置を定めるものに限る。)に基づき行われた行政庁の処分その他の行為及び当該規定により生じた失職の効力については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第3条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第7条 政府は、会社法(平成17年法律第86号)及び一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)における法人の役員の資格を成年被後見人又は被保佐人であることを理由に制限する旨の規定について、この法律の公布後1年以内を目途として検討を加え、その結果に基づき、当該規定の削除その他の必要な法制上の措置を講ずるものとする。

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