ちほうこうきょうだんたいきんゆうきこうのざいむおよびかいけいにかんするしょうれい
地方公共団体金融機構の財務及び会計に関する省令
平成20年総務省令第87号
地方公営企業等金融機構法(平成19年法律第64号)及び地方公営企業等金融機構法施行令(平成19年政令第384号)の規定に基づき、並びに同法を実施するため、地方公営企業等金融機構の財務及び会計に関する省令を次のように定める。
(会計の原則)
第1条 地方公共団体金融機構(以下「機構」という。)の会計は、この省令の定めるところによるものとし、この省令に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。
2 金融庁組織令(平成10年政令第392号)第24条第1項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
3 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和38年大蔵省令第59号)第1条第3項に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準は、第1項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
(財務諸表に含める書類)
第2条 地方公共団体金融機構法(以下「法」という。)第36条第1項の総務省令で定める書類は、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及び中間財務諸表(中間事業年度(当該事業年度の4月1日から9月30日までの期間をいう。以下同じ。)に係る中間貸借対照表、中間損益計算書、中間純資産変動計算書及び中間キャッシュ・フロー計算書をいう。以下同じ。)とする。
(財務諸表作成の一般原則)
第3条 法の規定により提出される財務諸表(貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類、純資産変動計算書、キャッシュ・フロー計算書及びこれらの附属明細書をいう。以下同じ。)の用語、様式及び作成方法は、次に掲げる基準に適合したものでなければならない。
一 機構の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する真実な内容を表示すること。
二 機構の利害関係人に対して、その財政、経営及びキャッシュ・フローの状況に関する判断を誤らせないために必要な会計事実を明瞭に表示すること。
三 機構が採用する会計処理の原則及び手続については、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて継続して適用されていること。
2 財務諸表に記載すべき事項で同一の内容のものについては、正当な理由により変更を行う場合を除き、財務諸表を作成する各時期を通じて、同一の表示方法を採用しなければならない。
(定義)
第4条 この省令において「1年内」とは、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内の日をいう。
2 この省令において「先物取引」とは、次に掲げる取引をいう。
一 金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金商法」という。)第2条第21項に規定する市場デリバティブ取引(同項第1号及び第2号に掲げる取引に限る。)及び同条第23項に規定する外国市場デリバティブ取引(同条第21項第1号及び第2号に掲げる取引に類似する取引に限る。)
二 商品先物取引法(昭和25年法律第239号)第2条第3項に規定する先物取引(同項第1号から第3号までに掲げる取引に限る。)及びこれらに類似する外国商品市場取引(同条第13項に規定する外国商品市場取引をいう。以下同じ。)
3 この省令において「オプション取引」とは、次に掲げる取引をいう。
一 金商法第2条第21項に規定する市場デリバティブ取引(同項第3号に掲げる取引に限る。)、同条第22項に規定する店頭デリバティブ取引(同項第3号及び第4号に掲げる取引に限る。)及び同条第23項に規定する外国市場デリバティブ取引(同条第21項第3号に掲げる取引に類似する取引に限る。)
二 商品先物取引法第2条第3項に規定する先物取引(同項第4号に掲げる取引に限る。)、同条第10項に規定する商品市場における取引(同項第1号ホ及びトに掲げる取引に限る。)及びこれらに類似する外国商品市場取引並びに同条第14項に規定する店頭商品デリバティブ取引(同項第4号及び第5号に掲げる取引に限る。)
三 前2号に掲げる取引に類似する取引(取引所金融商品市場(金商法第2条第17項に規定する取引所金融商品市場をいう。)における取引、外国金融商品市場における取引、商品先物取引法第2条第10項に規定する商品市場における取引又は外国商品市場取引(次項第3号及び第11条第2項において「市場取引」という。)以外の取引を含む。)
4 この省令において「先渡取引」とは、次に掲げる取引をいう。
一 金商法第2条第22項に規定する店頭デリバティブ取引(同項第1号及び第2号に掲げる取引に限る。)
二 商品先物取引法第2条第14項に規定する店頭商品デリバティブ取引(同項第1号から第3号までに掲げる取引に限る。)
三 前2号に掲げる取引以外の取引で先物取引に類似する取引(市場取引以外の取引に限る。)
5 この省令において「スワップ取引」とは、次に掲げる取引をいう。
一 金商法第2条第21項に規定する市場デリバティブ取引(同項第4号に掲げる取引に限る。)、同条第22項に規定する店頭デリバティブ取引(同項第5号に掲げる取引に限る。)及び同条第23項に規定する外国市場デリバティブ取引(同条第21項第4号に掲げる取引に類似する取引に限る。)
二 商品先物取引法第2条第3項に規定する先物取引(同項第5号及び第6号に掲げる取引に限る。)、同条第10項に規定する商品市場における取引(同項第1号ヘに掲げる取引に限る。)及びこれらに類似する外国商品市場取引並びに同条第14項に規定する店頭商品デリバティブ取引(同項第6号に掲げる取引に限る。)
三 前2号に掲げる取引に類似する取引
6 この省令において「その他のデリバティブ取引」とは、次に掲げる取引をいう。
一 金商法第2条第21項に規定する市場デリバティブ取引(同項第5号及び第6号に掲げる取引に限る。)、同条第22項に規定する店頭デリバティブ取引(同項第6号及び第7号に掲げる取引に限る。)及び同条第23項に規定する外国市場デリバティブ取引(同条第21項第5号及び第6号に掲げる取引に類似する取引に限る。)
二 前号に掲げる取引に類似する取引
7 この省令において「デリバティブ取引」とは、第2項から前項までに規定する取引をいう。
8 この省令において「関連当事者」とは、次に掲げる者をいう。
一 機構の役員(理事長、副理事長、理事及び監事をいう。第3号及び第12条第2項第2号において同じ。)及びその近親者(2親等内の親族をいう。)
二 前号に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社等及び当該会社等の子会社
三 役職員(役員及び機構と雇用関係にある職員をいう。以下同じ。)のための共済年金(機構と重要な取引(掛金の拠出を除く。)を行う場合に限る。)
9 この省令において「キャッシュ・フロー」とは、次項に規定する資金の増加又は減少をいう。
10 この省令において「資金」とは、現金(当座預金、普通預金その他預金者が一定の期間を経ることなく引き出すことができる預金を含む。)及び現金同等物(容易に換金することが可能であり、かつ、価値の変動のリスクが低い短期的な投資をいう。)の合計額をいう。
11 この省令において「売買目的有価証券」とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。
12 この省令において「満期保有目的の債券」とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債券その他の債券(満期まで所有する意図をもって取得したものに限る。)をいう。
13 この省令において「その他有価証券」とは、売買目的有価証券及び満期保有目的の債券以外の有価証券をいう。
14 この省令において、「金融商品」とは、金融資産(金銭債権、有価証券及びデリバティブ取引により生じる債権(これらに準ずるものを含む。)をいう。第9条の2第3項において同じ。)及び金融負債(金銭債務及びデリバティブ取引により生じる債務(これらに準ずるものを含む。)をいう。同項において同じ。)をいう。
15 この省令において「会計方針」とは、財務諸表の作成に当たって採用した会計処理の原則及び手続をいう。
16 この省令において「表示方法」とは、財務諸表の作成に当たって採用した表示の方法をいう。
17 この省令において「会計上の見積り」とは、資産、負債、収益及び費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、それらの合理的な金額を算定することをいう。
18 この省令において「会計方針の変更」とは、一般に公正妥当と認められる会計方針を他の一般に公正妥当と認められる会計方針に変更することをいう。
19 この省令において「表示方法の変更」とは、一般に公正妥当と認められる表示方法を他の一般に公正妥当と認められる表示方法に変更することをいう。
20 この省令において「会計上の見積りの変更」とは、新たに入手可能となった情報に基づき、前事業年度以前の財務諸表の作成に当たって行った会計上の見積りを変更することをいう。
21 この省令において「誤謬」とは、その原因となる行為が意図的であるか否かにかかわらず、財務諸表作成時に入手可能な情報を使用しなかったこと又は誤って使用したことにより生じた誤りをいう。
22 この省令において「遡及適用」とは、新たな会計方針を前事業年度以前の財務諸表に遡って適用したと仮定して会計処理を行うことをいう。
23 この省令において「修正再表示」とは、前事業年度以前の財務諸表における誤謬の訂正を財務諸表に反映することをいう。
24 この省令において「退職給付」とは、退職以後に役職員(退職給付制度の対象となる者に限る。次項、第26項及び第28項において同じ。)に支払われる退職手当及び退職年金をいう。
25 この省令において「退職給付債務」とは、各役職員(既に退職した者を含む。以下この項において同じ。)に支払われると見込まれる退職給付(既に支払われたものを除く。)の額のうち、当該各役職員の貸借対照表日まで(既に退職した者については、退職の日まで)の勤務に基づき生じる部分に相当する額について、貸借対照表日における割引率(国債、政府関係機関債券又はその他の信用度の高い債券の利回りを基礎とし、貸借対照表日から当該各役職員に退職給付を支払うと見込まれる日までの期間を反映して機構が定める率をいう。次項、第27項及び第13条第1項第7号イにおいて同じ。)を用いて割引計算することにより算出した額を、全ての役職員について合計した額によって計算される負債をいう。
26 この省令において「勤務費用」とは、各役職員に支払われると見込まれる退職給付の額のうち、当該各役職員の当事業年度開始の日から貸借対照表日までの間の勤務に基づき生じる部分に相当する額について、割引率を用いて割引計算することにより算出した額を、全ての役職員について合計した額によって計算される費用をいう。
27 この省令において「利息費用」とは、当事業年度開始の日における退職給付債務に割引率を用いて計算される利息に相当する費用をいう。
28 この省令において「年金資産」とは、特定の退職給付制度に関し、機構と役職員との契約等に基づき退職給付に充てるために積み立てられている特定の資産であって次に掲げる要件の全てを満たすものをいう。
一 退職給付の支払以外に使用できないこと。
二 機構及び機構の債権者から法的に分離されていること。
三 積立超過分を除き、機構への返還、機構からの解約及び退職給付の支払以外の目的による払出し等ができないこと。
四 機構の資産と交換できないこと。
29 この省令において「期待運用収益」とは、年金資産の運用により生じると合理的に期待される収益をいう。
30 この省令において「数理計算上の差異」とは、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差異、退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績との差異及び見積数値の変更等により発生した差異をいう。
31 この省令において「過去勤務費用」とは、退職給付制度の採用又は退職給付水準の改訂により発生する退職給付債務の増加又は減少分をいう。
32 この省令において「未認識数理計算上の差異」とは、数理計算上の差異のうち、当期純利益又は当期純損失を構成する項目として費用処理(費用の減額処理又は費用を超過して減額した場合の利益処理を含む。以下同じ。)されていないものをいう。
33 この省令において「未認識過去勤務費用」とは、過去勤務費用のうち、当期純利益又は当期純損失を構成する項目として費用処理されていないものをいう。
(重要な会計方針の注記)
第5条 会計方針については、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 有価証券の評価基準及び評価方法
二 固定資産の減価償却の方法
三 繰延資産の処理方法
四 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
五 引当金の計上基準
六 収益及び費用の計上基準
七 ヘッジ会計(ヘッジ手段(資産(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)若しくは負債(将来の取引により確実に発生すると見込まれるものを含む。以下この号において同じ。)又はデリバティブ取引に係る価格変動、金利変動及び為替変動による損失の危険を減殺することを目的とし、かつ、当該損失の危険を減殺することが客観的に認められる取引をいう。以下この号において同じ。)に係る損益とヘッジ対象(ヘッジ手段の対象である資産若しくは負債又はデリバティブ取引をいう。第11条第3項において同じ。)に係る損益を同一の会計期間に認識するための会計処理をいう。第11条第1項及び第3項において同じ。)の方法
八 キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
九 地方公共団体健全化基金(以下「基金」という。)の会計処理
十 金利変動準備金の会計処理
十一 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項
(会計基準等の改正等に伴う会計方針の変更に関する注記)
第6条 会計基準その他の規則(以下「会計基準等」という。)の改正及び廃止並びに新たな会計基準等の作成(次条において「会計基準等の改正等」という。)に伴い会計方針の変更を行った場合(当該会計基準等に遡及適用に関する経過措置が規定されていない場合に限る。)には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 当該会計基準等の名称
二 当該会計方針の変更の内容
三 当事業年度の期首における純資産額に対する累積的影響額
2 前項の規定にかかわらず、当事業年度の期首における遡及適用による累積的影響額を算定することが実務上不可能な場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 当該会計基準等の名称
二 当該会計方針の変更の内容
三 財務諸表の主な科目に対する実務上算定可能な影響額
四 当事業年度の期首における遡及適用による累積的影響額を算定することが実務上不可能な旨
五 当事業年度の期首における遡及適用による累積的影響額を算定することが実務上不可能な理由
六 当該会計方針の変更の適用方法及び適用開始日
3 会計基準等に規定されている遡及適用に関する経過措置に従って会計処理を行った場合において、遡及適用を行っていないときは、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 当該会計基準等の名称
二 当該会計方針の変更の内容
三 当該経過措置に従って会計処理を行った旨及び当該経過措置の概要
四 当該経過措置が当事業年度の翌事業年度以降の財務諸表に影響を与える可能性がある場合には、その旨及びその影響額(当該影響額が不明であり、又は合理的に見積ることが困難な場合には、その旨)
五 財務諸表の主な科目に対する実務上算定可能な影響額
4 前3項の規定にかかわらず、これらの規定により注記すべき事項に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。
(会計基準等の改正等以外の正当な理由による会計方針の変更に関する注記)
第6条の2 会計基準等の改正等以外の正当な理由により会計方針の変更を行った場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 当該会計方針の変更の内容
二 当該会計方針の変更を行った正当な理由
三 当事業年度の期首における純資産額に対する累積的影響額
2 前項の規定にかかわらず、当事業年度の期首における遡及適用による累積的影響額を算定することが実務上不可能な場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 当該会計方針の変更の内容
二 当該会計方針の変更を行った正当な理由
三 財務諸表の主な科目に対する実務上算定可能な影響額
四 当事業年度の期首における遡及適用による累積的影響額を算定することが実務上不可能な旨
五 当事業年度の期首における遡及適用による累積的影響額を算定することが実務上不可能な理由
六 当該会計方針の変更の適用方法及び適用開始日
3 前2項の規定にかかわらず、これらの規定により注記すべき事項に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができる。
(未適用の会計基準等に関する注記)
第6条の3 既に公表されている会計基準等のうち、適用していないものがある場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 当該会計基準等の名称及びその概要
二 当該会計基準等の適用予定日(当該会計基準等の適用を開始すべき日前に適用する場合には、当該適用予定日)
三 当該会計基準等が財務諸表に与える影響に関する事項
(表示方法の変更に関する注記)
第6条の4 表示方法の変更を行った場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 表示方法の変更の内容
二 表示方法の変更を行った理由
(会計上の見積りの変更に関する注記)
第6条の5 会計上の見積りの変更を行った場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 当該会計上の見積りの変更の内容
二 財務諸表に対する影響額
三 次のイ又はロに掲げる区分に応じ、当該イ又はロに定める事項
イ 当該会計上の見積りの変更が当事業年度の翌事業年度以降の財務諸表に影響を与える可能性があり、かつ、当該影響額を合理的に見積ることができる場合 当該影響額
ロ 当該会計上の見積りの変更が当事業年度の翌事業年度以降の財務諸表に影響を与える可能性があり、かつ、当該影響額を合理的に見積ることが困難な場合 その旨
(会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合の注記)
第6条の6 会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 当該会計方針の変更の内容
二 当該会計方針の変更を行った正当な理由
三 財務諸表に対する影響額
四 次のイ又はロに掲げる区分に応じ、当該イ又はロに定める事項
イ 当該会計方針の変更が当事業年度の翌事業年度以降の財務諸表に影響を与える可能性があり、かつ、当該影響額を合理的に見積ることができる場合 当該影響額
ロ 当該会計方針の変更が当事業年度の翌事業年度以降の財務諸表に影響を与える可能性があり、かつ、当該影響額を合理的に見積ることが困難な場合 その旨
(修正再表示に関する注記)
第6条の7 修正再表示を行った場合には、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 誤謬の内容
二 当事業年度の期首における純資産額に対する累積的影響額
(重要な後発事象の注記)
第7条 貸借対照表日後、機構の翌事業年度以降の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす事象(以下「重要な後発事象」という。)が発生したときは、当該事象を注記しなければならない。
(追加情報の注記)
第8条 この省令において特に定める注記のほか、利害関係人が機構の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められる事項があるときは、当該事項を注記しなければならない。
(リース取引に関する注記)
第9条 ファイナンス・リース取引(リース契約に基づくリース期間の中途において当該リース契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引(次項において「解約不能のリース取引」という。)で、当該リース契約により使用する物件(以下「リース物件」という。)の借主が、当該リース物件からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じる費用等を実質的に負担することとなるものをいう。以下同じ。)については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 機構がリース物件の借主である場合
イ 当事業年度末におけるリース資産の内容
ロ リース資産の減価償却の方法
二 機構がリース物件の貸主である場合
イ 当事業年度末におけるリース投資資産に係るリース料債権(将来のリース料を収受する権利をいう。以下この号において同じ。)部分の金額及び見積残存価額(リース期間終了時に見積られる残存価額で借主又は第三者による保証のない額をいう。)部分の金額並びに受取利息相当額
ロ 当事業年度末におけるリース債権及びリース投資資産に係るリース料債権部分の金額について、貸借対照表日後5年内における1年ごとの回収予定額及び貸借対照表日後5年超の回収予定額
2 当事業年度末におけるオペレーティング・リース取引(リース取引のうち、ファイナンス・リース取引以外のものをいう。)のうち解約不能のリース取引については、当該解約不能のリース取引に係る未経過リース料の金額を1年内のリース期間に係る金額及びそれ以外の金額に区分して注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
3 転リース取引(リース物件の所有者から物件のリースを受け、さらに当該物件をほぼ同一の条件で第三者にリースする取引をいう。以下この項において同じ。)であって、借主としてのリース取引及び貸主としてのリース取引がともにファイナンス・リース取引に該当する場合において、機構が転リース取引に係るリース債権若しくはリース投資資産又はリース債務について利息相当額を控除する前の金額で貸借対照表に計上しているときには、当該リース債権若しくはリース投資資産又はリース債務の金額を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
(金融商品に関する注記)
第9条の2 金融商品については、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 金融商品の状況に関する次に掲げる事項
イ 金融商品に対する取組方針
ロ 金融商品の内容及び当該金融商品に係るリスク
ハ 金融商品に係るリスク管理体制
二 金融商品の時価に関する次に掲げる事項
イ 貸借対照表日における貸借対照表の科目ごとの貸借対照表計上額
ロ 貸借対照表日における貸借対照表の科目ごとの時価
ハ 貸借対照表日における貸借対照表の科目ごとの貸借対照表計上額と貸借対照表日における貸借対照表の科目ごとの時価との差額
ニ 貸借対照表の科目ごとの時価の算定方法
ホ ロからニまでに掲げる事項に関する説明
2 前項第2号ロからホまでに掲げる事項については、時価の把握が極めて困難な場合には、同項本文の規定にかかわらず、注記することを要しない。この場合には、その旨及びその理由を注記しなければならない。
3 金融資産及び金融負債の双方がそれぞれ資産の総額及び負債の総額の大部分を占めており、かつ、当該金融資産及び金融負債の双方が事業目的に照らして重要である場合にあっては、当該金融資産及び金融負債の主要な市場リスク(金利、通貨の価格、金融商品市場(金商法第2条第14項に規定する金融商品市場をいう。以下この項において同じ。)における相場その他の指標の数値の変動による損失の危険をいう。以下この項及び次項において同じ。)の要因となる当該指標の数値の変動に対する当該金融資産及び金融負債の価値の変動率に重要性があるときには、次の各号に掲げる金融商品の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。
一 そのリスク管理において、市場リスクに関する定量的分析を利用している金融商品 当該分析に基づく定量的情報及びこれに関連する情報
二 そのリスク管理において、市場リスクに関する定量的分析を利用していない金融商品 次のイ及びロに掲げる事項
イ そのリスク管理において、市場リスクに関する定量的分析を利用していない旨
ロ 市場リスクの要因となる金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標の数値の変動を合理的な範囲で仮定して算定した時価の増減額及びこれに関連する情報
4 前項第2号ロに掲げる事項が、機構の市場リスクの実態を適切に反映していない場合には、その旨及びその理由を注記しなければならない。
5 金銭債権(時価の変動により利益を得ることを目的として保有するものを除く。)及び有価証券(売買目的有価証券を除く。)のうち満期のあるものについては、償還予定額の合計額を一定の期間に区分した金額を注記しなければならない。
6 地方公共団体金融機構債券、長期借入金、リース債務及びその他の負債であって、金利の負担を伴うものについては、返済予定額の合計額を一定の期間に区分した金額を注記しなければならない。ただし、当該金額が様式第2号の地方公共団体金融機構債券等明細書又は借入金等明細書に記載されている場合には、その旨の注記をもって代えることができる。
(有価証券に関する注記)
第10条 前条に定める事項のほか、有価証券については、次の各号に掲げる有価証券の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 売買目的有価証券 当該事業年度(特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令(平成5年大蔵省令第22号)第23条第2号に規定する特定有価証券であって、計算期間の終了の時における当該有価証券の評価額を翌計算期間における期首の帳簿価額として記載する方法を採用している場合にあっては、最終の計算期間)の損益に含まれた評価差額
二 満期保有目的の債券 当該債券を貸借対照表日における時価が貸借対照表日における貸借対照表計上額を超えるもの及び当該時価が当該貸借対照表計上額を超えないものに区分し、その区分ごとの次に掲げる事項
イ 貸借対照表日における貸借対照表計上額
ロ 貸借対照表日における時価
ハ 貸借対照表日における貸借対照表計上額と貸借対照表日における時価との差額
三 その他有価証券 有価証券(株式、債券及びその他の有価証券をいう。第5号において同じ。)の種類ごとに当該有価証券を貸借対照表日における貸借対照表計上額が取得原価を超えるもの及び当該貸借対照表計上額が取得原価を超えないものに区分し、その区分ごとの次に掲げる事項
イ 貸借対照表日における貸借対照表計上額
ロ 取得原価
ハ 貸借対照表日における貸借対照表計上額と取得原価との差額
四 当該事業年度中に売却した満期保有目的の債券 債券の種類ごとの売却原価、売却額、売却損益及び売却の理由
五 当該事業年度中に売却したその他有価証券 有価証券の種類ごとの売却額、売却益の合計額及び売却損の合計額
2 当該事業年度中に売買目的有価証券、満期保有目的の債券及びその他有価証券の保有目的を変更した場合には、その旨、変更の理由(満期保有目的の債券の保有目的を変更した場合に限る。)及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
3 当該事業年度中に有価証券の減損処理を行った場合には、その旨及び減損処理額を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
(デリバティブ取引に関する注記)
第11条 第9条の2に定める事項のほか、デリバティブ取引については、次の各号に掲げる取引の区分に応じ、当該各号に定める事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、注記を省略することができる。
一 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引 取引の対象物(通貨、金利、株式、債券、商品及びその他の取引の対象物をいう。次号において同じ。)の種類ごとの次に掲げる事項
イ 貸借対照表日における契約額又は契約において定められた元本相当額
ロ 貸借対照表日における時価及び評価損益
ハ 時価の算定方法
二 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引 取引の対象物の種類ごとの次に掲げる事項
イ 貸借対照表日における契約額又は契約において定められた元本相当額
ロ 貸借対照表日における時価
ハ 時価の算定方法
2 前項第1号に定める事項は、取引(先物取引、オプション取引、先渡取引、スワップ取引及びその他のデリバティブ取引をいう。次項において同じ。)の種類、市場取引又は市場取引以外の取引、買付約定に係るもの又は売付約定に係るもの、貸借対照表日から取引の決済日又は契約の終了時までの期間及びその他の項目に区分して記載しなければならない。
3 第1項第2号に定める事項は、ヘッジ会計の方法、取引の種類、ヘッジ対象及びその他の項目に区分して記載しなければならない。
(関連当事者との取引に関する注記)
第12条 機構が関連当事者との取引(当該関連当事者が第三者のために機構との間で行う取引及び機構と第三者との間の取引で当該関連当事者が当該取引に関して機構に重要な影響を及ぼしているものを含む。)を行っている場合には、その重要なものについて、次の各号に掲げる事項を関連当事者ごとに注記しなければならない。
一 当該関連当事者が会社等の場合には、その名称、所在地、資本金又は出資金及び事業の内容
二 当該関連当事者が個人の場合には、その氏名及び職業
三 機構と当該関連当事者との関係
四 取引の内容
五 取引の種類別の取引金額
六 取引条件及び取引条件の決定方針
七 取引により発生した債権債務に係る主な科目別の期末残高
八 取引条件の変更があった場合には、その旨、変更の内容及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
2 関連当事者との取引のうち次の各号に定める取引については、前項に規定する注記を要しない。
一 一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当の受取りその他取引の性質からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
二 役員に対する報酬、賞与及び退職手当の支払い
3 第1項に掲げる事項は、様式第1号により注記しなければならない。
(確定給付制度に基づく退職給付に関する注記)
第13条 確定給付制度(確定拠出制度(一定の掛金を機構以外の外部に積み立て、機構が当該掛金以外に退職給付に係る追加的な拠出義務を負わない退職給付制度をいう。)以外の退職給付制度をいう。第1号において同じ。)に基づく退職給付については、次に掲げる事項を注記しなければならない。
一 確定給付制度の概要
二 退職給付債務の期首残高と期末残高の次に掲げる項目の金額を含む調整表
イ 勤務費用
ロ 利息費用
ハ 数理計算上の差異の発生額
ニ 退職給付の支払額
ホ 過去勤務費用の発生額
ヘ その他
三 年金資産の期首残高と期末残高の次に掲げる項目の金額を含む調整表
イ 期待運用収益
ロ 数理計算上の差異の発生額
ハ 事業主である機構からの拠出額
ニ 退職給付の支払額
ホ その他
四 退職給付債務及び年金資産の期末残高と貸借対照表に計上された退職給付引当金及び前払年金費用の次に掲げる項目の金額を含む調整表
イ 未認識数理計算上の差異
ロ 未認識過去勤務費用
ハ その他
五 退職給付費用及び次に掲げるその内訳項目の金額
イ 勤務費用
ロ 利息費用
ハ 期待運用収益
ニ 数理計算上の差異の費用処理額
ホ 過去勤務費用の費用処理額
ヘ その他
六 年金資産に関する次に掲げる事項
イ 年金資産の主な内訳(退職給付信託(退職給付を目的とする信託をいう。)が設定されている企業年金制度(機構以外の外部に積み立てた資産を原資として退職給付を支払う制度をいう。)において、年金資産の合計額に対する当該退職給付信託に係る信託財産の額の割合に重要性がある場合には、当該割合又は金額を含む。)
ロ 長期期待運用収益率の設定方法
七 数理計算上の計算基礎に関する次に掲げる事項
イ 割引率
ロ 長期期待運用収益率
ハ その他
八 その他の退職給付に関する事項
2 前項第2号ヘ、第3号ホ及び第5号ヘに掲げる項目に属する項目については、その金額に重要性が乏しいと認められる場合を除き、当該項目を示す名称を付して掲記しなければならない。
(継続法人の前提に関する注記)
第14条 貸借対照表日において、機構が将来にわたって事業活動を継続するとの前提(以下「継続法人の前提」という。)に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合であって、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続法人の前提に関する重要な不確実性が認められるときは、次に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、貸借対照表日後において、当該重要な不確実性が認められなくなった場合は、注記することを要しない。
一 当該事象又は状況が存在する旨及びその内容
二 当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応策
三 当該重要な不確実性が認められる旨及びその理由
四 当該重要な不確実性の影響を財務諸表に反映しているか否かの別
(注記の方法)
第15条 第5条の規定による注記は、キャッシュ・フロー計算書の次に記載しなければならない。
2 第6条及び第6条の2の規定による注記は、第5条の規定による注記の次に記載しなければならない。
3 この省令の規定により記載すべき注記(第5条から第6条の2までの規定による注記を除く。)は、脚注(当該注記に係る事項が記載されている財務諸表中の表又は計算書の末尾に記載することをいう。)として記載することが適当であると認められるものを除き、第6条及び第6条の2の規定による注記の次に記載しなければならない。ただし、第5条の規定による注記と関係がある事項については、これと併せて記載することができる。
4 前条の規定による注記は、前項の規定にかかわらず、キャッシュ・フロー計算書の次に記載しなければならない。この場合において、第5条の規定による注記は、第1項の規定にかかわらず、前条の規定による注記の次に記載しなければならない。
5 この省令の規定により特定の科目に関係ある注記を記載する場合には、当該科目に記号を付記する方法その他これに類する方法によって、当該注記との関連を明らかにしなければならない。
(金額の表示の単位)
第16条 財務諸表に掲記される科目その他の事項の金額は、100万円単位をもって表示するものとする。
(財務諸表の記載方法)
第17条 財務諸表は様式第2号により作成するものとする。
(中間財務諸表の作成)
第18条 中間財務諸表は、原則として財務諸表の作成に当たって適用される様式、会計処理の原則及び手続等に準拠して作成するものとする。
(業務並びに資産及び債務の状況に関する事項)
第19条 法第36条第3項の総務省令で定めるものは、事業年度ごとの、機構の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当な事項及び機構の財務諸表その他の情報の適正性を確保するために必要な財務報告に係る内部統制(機構における財務報告(財務諸表及び財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示に関する事項に係る外部報告をいう。)が法令等に従って適正に作成されるための体制をいう。以下同じ。)についての評価とする。
2 機構は様式第3号により機構の経理の状況その他事業の内容に関する重要な事項その他の公益又は投資者保護のため必要かつ適当な事項を記載するものとする。
(閲覧期間)
第20条 法第36条第3項の総務省令で定める期間は、5年間とする。
(電磁的記録)
第21条 法第36条第4項の総務省令で定めるものは、磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものとする。
(電磁的方法)
第22条 法第36条第5項の電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって総務省令で定めるものは、次に掲げる方法とする。
一 電子情報処理組織を使用する方法のうちイ又はロに掲げるもの
イ 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
ロ 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された情報の内容を電気通信回線を通じて情報の提供を受ける者の閲覧に供し、当該情報の提供を受ける者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報を記録する方法
二 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したものを交付する方法
2 前項各号に掲げる方法は、受信者がファイルへの記録を出力することにより書面を作成することができるものでなければならない。
(電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置)
第23条 法第36条第5項の総務省令で定める措置は、電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法とする。
(監事の監査報告の内容)
第24条 監事は、財務諸表、中間財務諸表及び決算報告書を受領したときは、次に掲げる事項を内容とする監査報告を作成しなければならない。
一 監事の監査の方法及びその内容
二 会計監査人の監査の方法又は結果を相当でないと認めたときは、その旨及びその理由
三 重要な後発事象(監査報告書又は中間監査報告書の内容となっているものを除く。)
四 会計監査人の職務の遂行が適正に実施されることを確保するための体制に関する事項
五 監査のため必要な調査ができなかったときは、その旨及びその理由
六 監査報告を作成した日
(監査証明の手続)
第25条 財務諸表及び決算報告書(以下「財務諸表等」という。)の監査証明は、会計監査人が作成する監査報告書により、中間財務諸表の監査証明は、会計監査人が作成する中間監査報告書により行うものとする。
2 前項の監査報告書又は中間監査報告書は、一般に公正妥当と認められる監査に関する基準及び慣行に従って実施された監査又は中間財務諸表の監査(以下「中間監査」という。)の結果に基づいて作成されなければならない。
3 金融庁組織令第24条第1項に規定する企業会計審議会により公表された監査に関する基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる監査に関する基準に該当するものとする。
(監査報告書等の記載事項)
第26条 前条第1項の監査報告書又は中間監査報告書には、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を簡潔明瞭に記載し、かつ、会計監査人が作成の年月日を付して自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。この場合において、当該監査報告書又は中間監査報告書が監査法人の作成するものであるときは、当該監査法人の代表者のほか、当該監査証明に係る業務を執行した社員(以下「業務執行社員」という。)が、自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。ただし、指定証明(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第34条の10の4第2項に規定する指定証明をいう。以下同じ。)又は特定証明(同法第34条の10の5第2項に規定する特定証明をいう。以下同じ。)であるときは、当該指定証明に係る指定社員(同法第34条の10の4第2項に規定する指定社員をいう。以下同じ。)又は当該特定証明に係る指定有限責任社員(同法第34条の10の5第2項に規定する指定有限責任社員をいう。以下同じ。)である業務執行社員が作成の年月日を付して自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。
一 監査報告書 次に掲げる事項
イ 監査の対象
ロ 理事長の責任
ハ 監査を実施した会計監査人の責任
ニ 監査の対象となった財務諸表が、機構関係法令(法及び法に基づく命令その他関係法令をいう。以下同じ。)及び一般に公正妥当と認められる会計の基準に準拠して、当該財務諸表に係る事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見
ホ 監査の対象となった決算報告書が、予算の区分に従い決算の状況を正しく示しているかどうかについての意見
ヘ 追記情報
ト 公認会計士法第25条第2項(同法第16条の2第6項及び第34条の12第3項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定により明示すべき利害関係
二 中間監査報告書 次に掲げる事項
イ 中間監査の対象
ロ 理事長の責任
ハ 中間監査を実施した会計監査人の責任
ニ 中間監査の対象となった中間財務諸表が、機構関係法令及び一般に公正妥当と認められる中間財務諸表の作成基準に準拠して、当該中間財務諸表に係る中間会計期間の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示しているかどうかについての意見
ホ 追記情報
ヘ 公認会計士法第25条第2項の規定により明示すべき利害関係
2 前項第1号イに掲げる監査の対象は、監査の対象となった財務諸表等の範囲について記載するものとする。
3 第1項第1号ロに掲げる理事長の責任は、次に掲げる事項について記載するものとする。
一 財務諸表等の作成責任は理事長にあること。
二 財務諸表等に重要な虚偽の表示がないように内部統制を整備及び運用する責任は理事長にあること。
4 第1項第1号ハに掲げる監査を実施した会計監査人の責任は、次に掲げる事項について記載するものとする。
一 監査を実施した会計監査人の責任は独立の立場から財務諸表等に対する意見を表明することにあること。
二 監査が一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して行われた旨
三 監査の基準は監査を実施した会計監査人に財務諸表等に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めていること。
四 監査は財務諸表項目に関する監査証拠を得るための手続を含むこと。
五 監査は理事長が採用した会計方針及びその適用方法並びに理事長によって行われた見積りの評価も含め全体として財務諸表等の表示を検討していること。
六 監査手続の選択及び適用は監査を実施した会計監査人の判断によること。
七 財務諸表等監査の目的は、内部統制の有効性について意見を表明するためのものではないこと。
八 監査の結果として入手した監査証拠が意見表明の基礎を与える十分かつ適切なものであること。
5 第1項第1号ニに掲げる意見は、次の各号に掲げる意見の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載するものとする。
一 無限定適正意見 監査の対象となった財務諸表が、機構関係法令及び一般に公正妥当と認められる会計の基準に準拠して、当該財務諸表に係る事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示していると認められる旨
二 除外事項を付した限定付適正意見 監査の対象となった財務諸表が、除外事項を除き機構関係法令及び一般に公正妥当と認められる会計の基準に準拠して、当該財務諸表に係る事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示していると認められる旨並びに除外事項及び当該除外事項が当該財務諸表に与えている影響又は実施できなかった重要な監査手続及び当該事実が影響する事項
三 不適正意見 監査の対象となった財務諸表が不適正である旨及びその理由
6 第1項第1号ホに掲げる意見は、次の各号に掲げる意見の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載するものとする。
一 無限定適正意見 監査の対象となった決算報告書が、予算の区分に従って、決算の状況を正しく示しているものと認められる旨
二 除外事項を付した限定付適正意見 監査の対象となった決算報告書が、除外事項を除き、予算の区分に従って、決算の状況を正しく示しているものと認められる旨並びに除外事項及び当該除外事項が決算報告書に与えている影響又は実施できなかった重要な監査手続及び当該事実が影響する事項
三 不適正意見 監査の対象となった決算報告書が、予算の区分に従って、決算の状況を正しく示していないものと認められる旨及びその理由
7 第1項第1号ヘに掲げる事項は、第14条の規定による注記に係る事項及び会計方針の変更、重要な偶発事象、重要な後発事象等で、監査を実施した会計監査人が強調し、又は説明することが適当と判断した事項について区分して記載するものとする。
8 第1項第2号イに掲げる中間監査の対象は、中間監査の対象となった中間財務諸表の範囲について記載するものとする。
9 第1項第2号ロに掲げる理事長の責任は、次に掲げる事項について記載するものとする。
一 中間財務諸表の作成責任は理事長にあること。
二 中間財務諸表に重要な虚偽の表示がないように内部統制を整備及び運用する責任は理事長にあること。
10 第1項第2号ハに掲げる中間監査を実施した会計監査人の責任は、次に掲げる事項について記載するものとする。
一 中間監査を実施した会計監査人の責任は独立の立場から中間財務諸表に対する意見を表明することにあること。
二 中間監査が一般に公正妥当と認められる中間監査の基準に準拠して行われた旨
三 中間監査の基準は中間監査を実施した会計監査人に中間財務諸表には全体として中間財務諸表の有用な情報の表示に関して投資者の判断を損なうような重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めていること。
四 中間監査は分析的手続等を中心とした監査手続に必要に応じて追加の監査手続を適用して行われていること。
五 中間監査は理事長が採用した会計方針及びその適用方法並びに理事長によって行われた見積りの評価も含め中間財務諸表の表示を検討していること。
六 中間監査手続の選択及び適用は中間監査を実施した会計監査人の判断によること。
七 中間監査の目的は、内部統制の有効性について意見を表明するためのものではないこと。
八 中間監査の結果として入手した監査証拠が意見表明の基礎を与える十分かつ適切なものであること。
11 第1項第2号ニに掲げる意見は、次の各号に掲げる意見の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載するものとする。
一 中間財務諸表が有用な情報を表示している旨の意見 中間監査の対象となった中間財務諸表が、機構関係法令及び一般に公正妥当と認められる中間財務諸表の作成基準に準拠して、当該中間財務諸表に係る中間会計期間の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示している旨
二 除外事項を付した限定付意見 中間監査の対象となった中間財務諸表が、除外事項を除き機構関係法令及び一般に公正妥当と認められる中間財務諸表の作成基準に準拠して、当該中間財務諸表に係る中間会計期間の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示している旨並びに除外事項及び当該除外事項が当該中間財務諸表に与えている影響又は実施できなかった重要な中間監査手続及び当該事実が影響する事項
三 中間財務諸表が有用な情報を表示していない旨の意見 中間監査の対象となった中間財務諸表が有用な情報を表示していない旨及びその理由
12 第1項第2号ホに掲げる事項は、第14条の規定による注記に係る事項及び会計方針の変更、重要な偶発事象、重要な後発事象等で、中間監査を実施した会計監査人が強調し、又は説明することが適当と判断した事項について区分して記載するものとする。
13 会計監査人は、重要な監査手続が実施されなかったこと等により、第1項第1号ニに定める意見を表明するための基礎を得られなかった場合又は同項第2号ニに定める意見を表明するための基礎を得られなかった場合には、同項の規定にかかわらず、同項第1号ニ又は第2号ニの意見の表明をしない旨及びその理由を監査報告書又は中間監査報告書に記載しなければならない。
(監査調書の作成及び備置)
第27条 会計監査人は、監査等の終了後遅滞なく、当該監査等に係る記録又は資料を当該監査等に係る監査調書として整理し、これをその事務所に備えておかなければならない。
(内部統制報告書の記載事項)
第28条 機構は、様式第4号により機構の財務諸表その他の情報の適正性を確保するために必要な財務報告に係る内部統制についての評価を記載するものとする。
(会計監査人による監査証明)
第29条 機構が前条の規定に基づき作成する書類(以下「内部統制報告書」という。)には、会計監査人の監査証明を受けなければならない。
(適用の一般原則)
第30条 内部統制報告書の用語、様式及び作成方法は、この省令の定めるところによるものとし、この省令において定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に従うものとする。
2 前条の規定による内部統制報告書の監査証明は、会計監査人が作成する内部統制監査報告書により行うものとする。
3 前項の内部統制監査報告書は、この省令の定めるところによるもののほか、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査に関する基準及び慣行に従って実施された監査の結果に基づいて作成されなければならない。
4 金融庁組織令第24条第1項に規定する企業会計審議会により公表された財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準は、第1項に規定する一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準及び前項に規定する一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査に関する基準に該当するものとする。
(基準日)
第31条 機構は、機構の事業年度の末日を基準日として内部統制報告書を作成するものとする。
(内部統制監査報告書の記載事項)
第32条 第30条第2項に規定する内部統制監査報告書には、次の各号に掲げる事項を簡潔明瞭に記載し、かつ、会計監査人が作成の年月日を付して自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。この場合において、当該内部統制監査報告書が監査法人の作成するものであるときは、当該監査法人の代表者のほか、業務執行社員が、自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。ただし、指定証明又は特定証明であるときは、当該指定証明に係る指定社員又は当該特定証明に係る指定有限責任社員である業務執行社員が作成の年月日を付して自署し、かつ、自己の印を押さなければならない。
一 内部統制監査の対象
二 理事長の責任
三 内部統制監査を実施した会計監査人の責任
四 内部統制報告書が、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価結果について、すべての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見
五 追記情報
六 公認会計士法第25条第2項の規定により明示すべき利害関係
2 前項第1号に掲げる内部統制監査の対象は、内部統制監査の対象となった内部統制報告書の範囲について記載するものとする。
3 第1項第2号に掲げる理事長の責任は、次に掲げる事項について記載するものとする。
一 財務報告に係る内部統制の整備及び運用並びに内部統制報告書の作成の責任は理事長にあること。
二 財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があること。
4 第1項第3号に掲げる内部統制監査を実施した会計監査人の責任は、次に掲げる事項について記載するものとする。
一 内部統制監査を実施した会計監査人の責任は、独立の立場から内部統制報告書に対する意見を表明することにあること。
二 内部統制監査に当たって、会計監査人が一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の監査の基準に準拠して監査を実施したこと。
三 財務報告に係る内部統制の監査の基準は、会計監査人に内部統制報告書には重要な虚偽表示がないことについて、合理的な保証を得ることを求めていること。
四 内部統制監査は、内部統制報告書における財務報告に係る内部統制の評価結果に関して監査証拠を得るための手続を含むこと。
五 内部統制監査は、理事長が決定した評価範囲、評価手続及び評価結果を含め、全体としての内部統制報告書の表示を検討していること。
六 内部統制監査の監査手続の選択及び適用は、会計監査人の判断によること。
七 内部統制監査の結果として入手した監査証拠が意見表明の基礎を与える十分かつ適切なものであること。
5 第1項第4号に掲げる意見は、次の各号に掲げる意見の区分に応じ、当該各号に定める事項を記載するものとする。
一 無限定適正意見 内部統制監査の対象となった内部統制報告書が、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価について、すべての重要な点において適正に表示していると認められる旨
二 除外事項を付した限定付適正意見 内部統制監査の対象となった内部統制報告書が、除外事項を除き一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して、財務報告に係る内部統制の評価について、すべての重要な点において適正に表示していると認められる旨並びに除外した不適切な事項及び当該除外事項が財務諸表監査に及ぼす影響又は実施できなかった重要な監査手続等及び当該事実が財務諸表監査に及ぼす影響
三 不適正意見 内部統制監査の対象となった内部統制報告書が、不適正である旨及びその理由並びに財務諸表監査に及ぼす影響
6 第1項第5号に掲げる事項は、次に掲げる事項その他の内部統制監査を実施した会計監査人が強調すること又はその他説明することが適当と判断した事項について区分して記載するものとする。
一 内部統制報告書に財務報告に係る内部統制に開示すべき重要な不備の内容及びそれが是正されない理由を区分して記載している場合は、当該開示すべき重要な不備がある旨及び当該開示すべき重要な不備が財務諸表監査に及ぼす影響
二 前号の場合において、当該事業年度の末日後に、開示すべき重要な不備を是正するために実施された措置がある場合には、その内容
三 財務報告に係る内部統制の有効性の評価に重要な影響を及ぼす後発事象
四 内部統制報告書において、理事長の評価手続の一部が実施できなかったことについて、やむを得ない事情によると認められるとして無限定適正意見を表明する場合において、十分な評価手続を実施できなかった範囲及びその理由
7 会計監査人は、重要な監査手続が実施されなかったこと等により、第1項第4号の意見を表明するための基礎を得られなかった場合には、同項の規定にかかわらず、同号の意見の表明をしない旨及びその理由を内部統制監査報告書に記載しなければならない。
第33条 第30条第2項に規定する内部統制監査報告書は、第25条に規定する監査報告書と合わせて作成するものとする。ただし、やむを得ない理由がある場合には、この限りでない。
(金利変動準備金として積み立てる金額等)
第34条 法第38条第1項の総務省令で定めるところにより計算した金額は、次に掲げる額のうちいずれか少ない額とする。
一 次項に定める収益の額
二 機構が行った資金の貸付け及び地方債の応募に係る債権の当該事業年度末における合計額の1000分の125に相当する額から、当該事業年度の前事業年度末の金利変動準備金の額を差し引いた額(当該額が負になる場合にあっては零とする。)
2 法第38条第1項に規定する収益の額は、当該事業年度における貸付平均残高(法第28条第1項に規定する資金の貸付けをした事業年度(以下この項において「貸付事業年度」という。)ごとの当該事業年度に属する各日の貸付残高の合計額をその事業年度の日数で除して得た額をいう。以下この項において同じ。)に、貸付事業年度に係る貸付けごとに第1号に規定する金利から第2号に規定する金利を差し引いた率(第1号に規定する金利が第2号に規定する金利以下である場合には、零とする。)を乗じて得た額の合計額とし、法第38条第2項に規定する損失の額は、当該事業年度における貸付平均残高に、貸付事業年度に係る貸付けごとに第2号に規定する金利から第1号に規定する金利を差し引いた率(第2号に規定する金利が第1号に規定する金利以下である場合には、零とする。)を乗じて得た額の合計額とする。
一 各貸付事業年度の平均資金調達金利(1事業年度における各日の貸付額に、当該貸付日の資金調達に係る金利に相当するものとして総務大臣が定める率を乗じて得た額の合計額を当該事業年度の貸付額の合計額で除して得た率をいう。次号において同じ。)
二 各貸付事業年度に係る貸付けについて、各貸付けの日以降10年を経過した日の属する事業年度における貸付平均残高から当該貸付けの日以降9年を経過した日の属する事業年度において法第38条第1項の規定により金利変動準備金として積み立てた額を控除した額(同条第2項の規定により金利変動準備金の取崩しを行った場合には、当該取崩し額を加算した額)に当該貸付けの日以降10年を経過した日の属する事業年度の平均資金調達金利を乗じて得た額を、当該事業年度の貸付平均残高で除して得た金利(当該貸付けの日以降20年以上を経過している場合にあっては、当該貸付けの日以降20年を経過した日の属する事業年度の平均資金調達金利)
(募集事項)
第35条 地方公共団体金融機構法施行令(以下「令」という。)第4条第12号の総務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 数回に分けて募集機構債券と引換えに金銭の払込みをさせる場合におけるその旨及び各払込みの期日における各募集機構債券と引換えに払い込む金銭の額
二 募集機構債券と引換えにする金銭の払込みに代えて金銭以外の財産を給付する旨の契約を締結するときは、その契約の内容
(申込みをしようとする者に対して通知すべき事項)
第36条 令第5条第1項第2号の総務省令で定める事項は、法第40条第1項の規定による機構債券の発行に関する事務の委託を受ける者を定めた場合におけるその名称及び住所とする。
(機構債券の種類)
第37条 令第9条第1項第1号の総務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 機構債券の利率
二 機構債券の償還の方法及び期限
三 利息支払の方法及び期限
四 機構債券を発行するときは、その旨
五 機構債券の発行に関する事務の委託を受ける者を定めたときは、その名称及び住所
六 機構債券に係る債務の担保に供するため法第42条の規定により貸付債権を信託するときは、その旨、当該信託の受託者の名称及び住所並びに当該貸付債権の概要
(機構債券原簿記載事項)
第38条 令第9条第1項第5号の総務省令で定める事項は、次に掲げるものとする。
一 募集機構債券と引換えにする金銭の払込みに代えて金銭以外の財産の給付があったときは、その財産の価額及び給付の日
二 機構債券の債権者が募集機構債券と引換えにする金銭の払込みをする債務と機構に対する債権とを相殺した場合におけるその債権の額及び相殺をした日
(有価証券)
第39条 法第45条第1号に規定する総務省令で定める有価証券は、特別の法律により法人の発行する債券(同号に規定する政府保証債を除く。)とする。
(金融機関)
第40条 法第45条第2号に規定する総務省令で定める金融機関は、次のとおりとする。
一 農業協同組合及び農業協同組合連合会
二 漁業協同組合及び漁業協同組合連合会
三 信用協同組合及び信用協同組合連合会
四 信用金庫及び信金中央金庫
五 労働金庫及び労働金庫連合会
六 農林中央金庫
七 株式会社商工組合中央金庫
(住民生活の基盤の整備のために特に必要な事業等)
第41条 法第46条第1項の総務省令で定める事業は、次に掲げるものとする。
一 公営企業(主として事業の経費を当該事業の経営に伴う収入をもって充てる事業をいう。)以外の事業
二 水道事業
三 交通事業
四 病院事業
五 下水道事業
六 公営住宅事業(地方公共団体が自ら居住するため住宅を必要とする者に対し賃貸し、又は譲渡するための住宅を建設する事業及びこれに附帯する事業をいう。)
七 工業用水道事業
八 電気事業
九 ガス事業
十 介護サービス事業
十一 市場事業
十二 と畜場事業
十三 駐車場事業
2 法第46条第1項の総務省令で定める地方債は、地方財政法(昭和23年法律第109号)第33条の5の2第1項に規定する地方債その他の総務大臣が定める地方債とする。
(基金の経理)
第42条 機構は、基金に係る経理については、一般の経理と区別して、次の事項を明らかにするように整理しなければならない。
一 法第46条第1項に規定する納付金の受入れ
二 法第46条第5項の規定による剰余の基金への組入れ
三 法第46条第6項ただし書の規定による基金の取崩し
(地方債の利子の軽減に充てる収益等)
第43条 法第46条第5項に規定する収益は、当該年度に属する各日の基金の残高の合計額を当該年度の日数で除して得た額に地方債の資金の貸付けに充てる機構の資金の運用利回りを乗じた額から基金の管理に直接要した費用を控除した金額とする。
2 法第46条第5項に規定する費用は、利子を軽減された地方債(発行した日より40年以内のものに限る。)に係る貸付金の当該年度に属する各日の残高の合計額を当該年度の日数で除して得た額に次に掲げる率のうちいずれか小さい率を乗じて得た金額の範囲内で総務大臣が定めるところにより算出した金額とする。
一 基準利率から貸付けの日における財政融資資金法(昭和26年法律第100号)第10条の規定による貸付けの利率を控除した率
二 基準利率から貸付利率を控除した率
三 次に掲げる貸付けの区分に応じ当該各号に定める率
イ 第41条第1項第1号から第5号まで及び第8号の事業並びに同条第2項の地方債に係る貸付け 1万分の35
ロ 第41条第1項第6号、第7号及び第9号から第13号までの事業に係る貸付け 1万分の30
3 前項の「基準利率」とは、法第28条第1項第1号若しくは第2号又は第2項の規定による資金の貸付けの利率について、調達した貸付原資(一時借入金を除く。)に係るキャッシュ・フローの割引現在価値と、機構の貸付けにおけるそれぞれの償還期限及び据置期間並びに償還形態ごとにこれを貸し付けた場合のそれぞれのキャッシュ・フローの割引現在価値とが等しくなるよう、機構が定める利率をいう。
(基金の管理に関する書類)
第44条 法第47条第1項の基金に係る収入及び支出の見込み並びに基金運用益による地方債の利子の軽減の方針を記載した書類の様式は、様式第5号に、同条第2項に規定する基金に係る収入及び支出の実績並びに基金運用益による地方債の利子の軽減の状況を記載した書類の様式は、様式第6号によるものとする。
附則
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。ただし、第39条から第42条までの規定及び附則第5条から第11条までの規定は平成20年10月1日から、第18条の規定は平成21年4月1日から施行する。
(経過措置)
第2条 第19条第1項(機構の財務諸表その他の情報の適正性を確保するために必要な財務報告に係る内部統制についての評価に係る部分に限る。)及び第28条から第33条までの規定は、平成21年度から適用する。
(平成20年度における地方債の利子の軽減に充てる収益等の特例)
第3条 平成20年度における第41条の適用については、同条中「当該年度の」とあるのは「平成20年10月1日から平成21年3月31日までの」と、「小さい率」とあるのは「小さい率の2分の1」とする。
(財務諸表の様式等の特例)
第4条 法附則第9条第1項の規定により機構が承継する公営企業金融公庫(以下「公庫」という。)が貸し付けた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、第5条中「10 金利変動準備金の会計処理 11 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」とあるのは「10 金利変動準備金及び公庫債権金利変動準備金の会計処理 11 利差補てん積立金の会計処理 12 管理勘定利益積立金又は管理勘定繰越欠損金の会計処理 13 その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」とする。
2 財務諸表は第17条の規定にかかわらず、法附則第9条第1項の規定により機構が承継する公庫が貸し付けた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、様式第7号により作成するものとする。この場合において、第9条の2第6項中「様式第2号」とあるのは、「様式第7号」とする。
3 機構は、法附則第9条第1項の規定により機構が承継する公庫が貸し付けた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、貸借対照表の注記は様式第8号に定めるところにより、損益計算書の注記は様式第9号に定めるところにより、それぞれの科目について、勘定ごとの金額、勘定相互間の取引等を相殺消去等するための金額及び機構における金額を注記しなければならない。
(地方債の利子の軽減に充てる収益等の特例)
第5条 法附則第9条第1項の規定により機構が承継する公庫が貸し付けた資金に係る債権の回収が終了するまでの間、第41条第1項中「基金の残高」とあるのは「基金の残高(法附則第9条第12項の規定に基づき一般勘定から管理勘定へ融通された額を除く。)」とし、「機構の資金」とあるのは「機構の資金(機構が貸し付けたものに限る。)」とし、「乗じた額」とあるのは「乗じた額と附則第6条第1号の規定により管理勘定から一般勘定へ繰り入れられる額との合算額」とし、同条第3項中「一時借入金」とあるのは「一時借入金及び法附則第13条第4項の規定に基づき管理勘定から融通を受けた資金」とする。
(法附則第9条第12項の総務省令で定める条件)
第6条 法附則第9条第12項の総務省令で定める条件は次に掲げるものとする。
一 法附則第9条第12項の規定に基づき一般勘定から管理勘定へ融通された現金の当該年度に属する各日の残高の合計額を当該年度の日数(平成20年度においては、平成20年10月1日から平成21年3月31日までの日数)で除して得た額に法附則第9条第1項の規定により機構が承継する公庫が貸し付けた地方債の資金の運用利回りを乗じた額を、管理勘定から一般勘定へ繰り入れること。
二 一般勘定から管理勘定へ融通された現金については、一般勘定及び管理勘定の資金繰りの状況を踏まえつつ、平成21年度から平成28年度までの間に、公庫債権管理計画に定めるところにより管理勘定から一般勘定へ戻入すること。
(公庫が貸し付けた地方債の利子の軽減に要する費用)
第7条 法附則第27条第3項の規定により法第46条第1項に規定する地方債の利子とみなされた法附則第26条の規定による廃止前の公営企業金融公庫法(昭和32年法律第83号)第28条の2第1項に規定する地方債の利子の軽減に要する費用は、第41条第2項の規定にかかわらず、利子を軽減された地方債に係る貸付金(公庫が貸し付けたものに限る。)の当該年度に属する各日の残高の合計額を当該年度の日数(平成20年度においては、平成20年10月1日から平成21年3月31日までの日数)で除して得た額に公営企業金融公庫法の廃止に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(平成20年政令第226号)第1条の規定による廃止前の公営企業金融公庫法施行令(昭和32年政令第79号)第15条に規定する主務大臣が定める率を乗じて得た額とする。
(公庫が貸し付けた地方債の利子の軽減に要する費用の管理勘定への繰入れ)
第8条 法附則第27条第4項の総務省令で定めるところにより算定した額は、前条の規定により算定した額とする。
附則 (平成21年3月31日総務省令第32号)
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令による改正後の地方公営企業等金融機構の財務及び会計に関する省令(以下「新省令」という。)第4条第14項、第5条第7号、第9条の2、第10条第1項、第2項及び第5項並びに第11条の規定は、平成22年3月31日以後に終了する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。ただし、平成22年3月31日前に終了する事業年度に係る財務諸表のうち、この省令の施行の日以後に提出されるものについては、これらの規定により作成することができる。
2 前項の規定にかかわらず、新省令第9条の2第3項及び第4項の規定による注記は、平成23年3月31日前に終了する事業年度に係る財務諸表については記載しないことができる。
附則 (平成21年5月15日総務省令第49号)
(施行期日)
第1条 この省令は、平成21年6月1日から施行する。
(地方公営企業等金融機構の財務及び会計に関する省令の一部改正に伴う経過措置)
第2条 第2条の規定による改正後の地方公共団体金融機構の財務及び会計に関する省令(以下「新省令」という。)の適用は、次の各号に掲げる改正規定の区分に応じ、当該各号の定めるところによる。
一 第14条の改正規定、様式第2号の改正規定(同様式損失の処理に関する書類及び同様式1から4までに係る部分(同様式2中「地方公営企業等金融機構債券明細書」を「地方公共団体金融機構債券等明細書」に改める部分を除く。)に限る。)、様式第7号の改正規定(同様式1から4までに係る部分(同様式2中「地方公営企業等金融機構債券等明細書」を「地方公共団体金融機構債券等明細書」に改める部分及び「地方公営企業等金融機構債券小計」を「地方公共団体金融機構債券及び地方公営企業等金融機構債券小計」に改める部分を除く。)に限る。)、様式第8号の改正規定(「債権繰延資産」を「債券繰延資産」に改める部分に限る。)並びに様式第9号の改正規定(「日)」を「日まで)」に改める部分及び「営業費用」を「営業経費」に改める部分に限る。) 平成21年3月31日以後に終了する事業年度に係る財務諸表について適用する。
二 様式第3号の改正(「及び経営成績」を「、経営成績及びキャッシュ・フローの状況」に改める部分に限る。) 平成21年4月1日以後に終了する事業年度に係る説明書類(地方交付税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第10号)第5条の規定による改正後の地方公共団体金融機構法(平成19年法律第64号)第36条第3項に規定する説明書類をいう。以下同じ。)について適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。ただし、同日前に終了する事業年度に係る説明書類のうち、この省令の施行の日以後に備え置き、公衆の縦覧に供するものについては、当該改正規定による新省令の規定により作成することができる。
附則 (平成22年3月31日総務省令第33号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成23年3月31日総務省令第26号)
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令による改正後の地方公共団体金融機構の財務及び会計に関する省令(以下「新省令」という。)第4条第15項から第24項まで、第5条から第6条の7まで及び第15条の規定並びに様式第2号及び様式第7号は、平成23年4月1日以後に開始する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。
2 新省令第26条の規定は、平成24年3月31日以後に終了する事業年度に係る監査報告書及び中間監査報告書について適用し、同日前に終了する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。
3 新省令第32条の規定は、平成23年4月1日以後に開始する事業年度に係る内部統制監査報告書について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。
4 地方公共団体金融機構が、平成21年3月31日から平成22年3月31日までに売買目的有価証券又はその他有価証券を満期保有目的の債券(この省令による改正前の地方公共団体金融機構の財務及び会計に関する省令第4条第12項に規定する満期保有目的の債券をいう。以下この項において同じ。)へ変更した場合における当該変更後の満期保有目的の債券についての新省令第4条第12項及び第10条の規定の適用については、なお従前の例による。
附則 (平成23年9月26日総務省令第133号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成25年3月28日総務省令第30号)
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第2条 この省令による改正後の地方公共団体金融機構の財務及び会計に関する省令第4条第24項から第33項まで及び第13条の規定は、平成25年4月1日以後に開始する事業年度に係る財務諸表について適用し、同日前に開始する事業年度に係るものについては、なお従前の例による。
附則 (平成28年3月31日総務省令第40号)
この省令は、平成28年4月1日から施行する。
様式第1号
[画像]
様式第2号
[画像]
様式第3号
[画像]
様式第4号
[画像]
様式第5号
[画像]
様式第6号
[画像]
様式第7号
[画像]
様式第8号
[画像]
様式第9号
[画像]
インターネット六法に掲載している法令データは、原則、官報その他政府提供データを基にしています。
※原則とは、現在有効ではない法令の場合は図書館等にて収集しております
データ内容の正確性については万全を期しておりますが、官報に掲載された内容と異なる場合はそちらが優先します。
インターネット六法.comの利用に伴って発生した不利益や問題について、当サイトの運営者は何らの責任を負いません。
掲載している法令等に誤植(ふりがな等)がありましたら、「お問い合わせ」よりお知らせください。ご協力お願いいたします。
インターネット六法が少しでもあなたの役に立てれば光栄です。これからもインターネット六法を宜しくお願いします。
※スマホやタブレットで左の画像を読み込むと現在の法令ページを読み込めます。