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全国健康保険協会の財務及び会計に関する省令

平成20年厚生労働省令第144号
健康保険法(大正11年法律第70号)第7条の26、第7条の28第2項から第4項まで、第7条の34及び第7条の41並びに健康保険法施行令(大正15年勅令第243号)第1条第1号及び第2号の規定に基づき、全国健康保険協会の財務及び会計に関する省令を次のように定める。
(企業会計原則)
第1条 全国健康保険協会(以下「協会」という。)の会計については、この省令の定めるところによるものとし、この省令に定めのないものについては、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従うものとする。
2 金融庁組織令(平成10年政令第392号)第24条第1項に規定する企業会計審議会により公表された企業会計の基準は、前項に規定する一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に該当するものとする。
(区分経理)
第2条 協会の会計においては、船員保険法(昭和14年法律第73号。以下「船保法」という。)に基づく船員保険事業に関する業務に係る経理については船員保険勘定を、その他の事業に関する業務に係る経理については健康保険勘定を設けて経理するものとする。
2 協会は、第22条の借入金、第23条の資金の運用、第25条の重要な財産の処分等及び第26条の準備金について、前項に掲げる経理の区分に従い、同項に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。
3 協会は、第1項の規定により区分して経理する場合において、経理すべき事項が当該経理に係る勘定以外の勘定において経理すべき事項と共通の事項であるため、当該勘定に係る部分を区分して経理することが困難なときは、当該事項については、厚生労働大臣の承認を受けた基準に従って、事業年度の期間中健康保険勘定において一括して経理し、当該事業年度の末日現在において各勘定に配分することにより経理することができる。
4 協会は第13条に規定する様式により、勘定ごとの財務諸表及びこれらの附属明細書を作成しなければならない。ただし、附属明細書について勘定別の内訳を明らかにした場合は、勘定別の附属明細書の作成は要しない。
(事業計画)
第3条 法第7条の27の事業計画には、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。
 事業運営の基本方針
 法第7条の2第2項各号に掲げる業務に関する計画
 その他事業の運営に関する重要事項
(予算の内容)
第4条 協会の予算は、予算総則及び収入支出予算とする。
(予算総則)
第5条 予算総則には、収入支出予算に関する総括的規定を設けるほか、次に掲げる事項に関する規定を設けるものとする。
 第8条の規定による債務を負担する行為について、事項ごとに、その負担する債務の限度額、その行為に基づいて支出すべき年限及びその必要な理由
 第9条第2項の規定による経費の指定
 第10条第1項ただし書の規定による経費の指定
 その他予算の実施に関し必要な事項
(収入支出予算)
第6条 収入支出予算は、第2条第1項の規定により区分した経理ごとに勘定を設け、収入にあってはその性質、支出にあってはその目的に従って区分するものとする。
(予備費)
第7条 協会は、予見することができない理由による支出予算の不足を補うため、収入支出予算に予備費を設けることができる。
2 協会は、予備費を使用したときは、直ちにその旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。
3 前項の規定による通知は、使用の理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類をもってするものとする。
(債務を負担する行為)
第8条 協会は、支出予算の金額の範囲内におけるもののほか、その業務を行うため必要があるときは、毎事業年度、予算をもって厚生労働大臣の認可を受けた金額の範囲内において、翌事業年度以降にわたる債務を負担する行為をすることができる。
(予算の流用等)
第9条 協会は、支出予算については、当該予算に定める目的のほかに使用してはならない。ただし、予算の実施上適当かつ必要であるときは、第6条の規定による区分にかかわらず、相互流用することができる。
2 協会は、業務経費、一般管理費その他の予算総則で指定する経費の金額については、厚生労働大臣の承認を受けなければ、それらの経費の間又は他の経費との間に相互流用し、又はこれに予備費を使用することができない。
3 協会は、前項の規定による承認を受けようとするときは、流用又は使用の理由、金額及び積算の基礎を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。
(予算の繰越し)
第10条 協会は、予算の実施上必要があるときは、支出予算の経費の金額のうち当該事業年度内に支出決定を終わらなかったものを翌事業年度に繰り越して使用することができる。ただし、予算総則で指定する経費の金額については、あらかじめ厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
2 協会は、前項ただし書の規定による承認を受けようとするときは、当該事業年度末までに、事項ごとに繰越しを必要とする理由及び金額を明らかにした書類を厚生労働大臣に提出しなければならない。
3 協会は、第1項の規定による繰越しをしたときは、翌事業年度の5月31日までに、繰越計算書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
4 前項の繰越計算書は、支出予算と同一の区分により作成し、かつ、これに次に掲げる事項を記載しなければならない。
 繰越しに係る経費の支出予算現額
 前号の経費の支出予算現額のうち支出決定済額
 第1号の経費の支出予算現額のうち翌事業年度への繰越額
 第1号の経費の支出予算現額のうち不用額
(事業計画等の認可の申請)
第11条 協会は、法第7条の27前段の規定により事業計画及び予算の認可を受けようとするときは、申請書に事業計画、予算総則及び様式第1号による収入支出予算並びに次に掲げる書類を添付して厚生労働大臣に提出しなければならない。
 前事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
 当該事業年度の予定貸借対照表及び予定損益計算書
 支部ごとの収支の見込みを記載した書類(健康保険勘定に限る。)
 協会及び支部ごとの後発医薬品(保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第20条第2号ニに規定する「後発医薬品」をいう。)の使用の促進その他の保険者としての機能を発揮するための取組の内容を記載した書類
 その他当該事業計画及び予算の参考となる書類
2 協会は、法第7条の27後段の規定により事業計画又は予算の変更の認可を受けようとするときは、変更しようとする事項及びその理由を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、変更が前項第2号から第4号までに掲げる書類の変更を伴うときは、当該変更後の書類を添付しなければならない。
(財務諸表)
第12条 法第7条の28第2項の厚生労働省令で定める書類は、キャッシュ・フロー計算書とする。
(財務諸表の様式)
第13条 貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらの附属明細書は、それぞれ様式第2号から第10号までにより作成しなければならない。
(附属明細書)
第14条 法第7条の28第2項の附属明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 次に掲げる主な資産及び負債の明細
 引当金明細(引当金の種類ごとの事業年度当初及び事業年度末における状況を含む。)
 資本金、準備金、積立金及び剰余金の明細(資本金、準備金、積立金及び剰余金の種類ごとの事業年度当初及び事業年度末における状況を含む。)
 固定資産の取得及び処分並びに減価償却費の明細
 次に掲げる主な費用及び収益の明細
 国からの補助金等の明細(当該事業年度に国から交付を受けた補助金等の名称並びに当該補助金等と貸借対照表及び損益計算書に掲記されている関連科目との関係を含む。)
 役員及び職員の給与費の明細
 イ及びロに掲げるもののほか、重要と認められる費用及び収益の明細
(重要な会計方針の注記)
第15条 財務諸表には、財務諸表の作成のために採用している会計処理の原則及び手続並びに表示方法その他財務諸表作成のための基本となる事項(以下「会計方針」という。)であって、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。ただし、重要性の乏しいものについては、記載を省略することができる。
 有価証券の評価基準及び評価方法
 棚卸資産の評価基準及び評価方法
 固定資産の減価償却の方法
 引当金の計上基準
 法第160条の2及び船保法第124条の準備金の計上基準
 キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
 その他財務諸表の作成のための基本となる重要な事項
(重要な会計方針の変更に関する注記)
第16条 重要な会計方針を変更した場合には、次の各号に掲げる事項を前条による記載の次に注記しなければならない。
 会計処理の原則又は手続を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
 表示方法を変更した場合には、その内容
(貸借対照表及び損益計算書の注記)
第17条 有形固定資産の減価償却累計額の記載その他貸借対照表及び損益計算書に関する注記については、会社計算規則(平成18年法務省令第13号)の規定の例による。
(重要な後発事象の注記)
第18条 貸借対照表日後、協会の翌事業年度以降の財政状況、運営状況及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす事象が発生したときは、当該事象を財務諸表に注記しなければならない。
(決算報告書)
第19条 法第7条の28の決算報告書は様式第11号により作成しなければならない。
(支部ごとの収支の状況等)
第20条 法第7条の28第3項の厚生労働省令で定めるものは、健康保険勘定に係る支部ごとの収支の状況及び事業の運営の状況とする。
(財務諸表等の閲覧期間)
第21条 法第7条の28第4項の厚生労働省令で定める期間は、5年とする。
(短期借入金の認可)
第22条 協会は、法第7条の31第1項の規定により短期借入金の借入れの認可を受けようとするとき又は同条第2項ただし書の規定により短期借入金の借換えの認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
 借入れを必要とする理由
 借入金の額
 借入先
 借入金の利率
 借入金の償還の方法及び期限
 利息の支払の方法及び期限
 その他必要な事項
(資金の運用)
第23条 健康保険法施行令(次項において「令」という。)第1条第1号に規定する厚生労働大臣の指定する有価証券は、次に掲げる有価証券とする。
 特別の法律により法人の発行する債券
 貸付信託の受益証券
 その他確実と認められる有価証券で、あらかじめ厚生労働大臣の承認を受けたもの
2 令第1条第2号に規定する厚生労働大臣の指定する金融機関は、臨時金利調整法(昭和22年法律第181号)第1条第1項に規定する金融機関(銀行を除く。)とする。
(重要な財産)
第24条 法第7条の34の厚生労働省令で定める重要な財産は、土地及び建物並びに厚生労働大臣が指定するその他の財産とする。
(重要な財産の処分等の認可の申請)
第25条 協会は、法第7条の34の規定により重要な財産を譲渡し、又は担保に供すること(以下この条において「処分等」という。)について認可を受けようとするときは、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
 処分等に係る財産の内容及び評価額
 処分等の条件
 処分等の方法
 協会の事業運営上支障がない旨及びその理由
(準備金)
第26条 協会の準備金(法第160条の2又は船保法第124条の準備金をいう。次項及び第3項において同じ。)は、貸借対照表の純資産の部に計上しなければならない。
2 協会は、各事業年度において、当期未処理損失を生じたときは、準備金を取り崩してこれに充て、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 準備金は、当期未処理損失のてん補に充てる場合を除いては、取り崩してはならない。
(会計規程の作成)
第27条 協会は、その財務及び会計に関し、法及びこれに基づく命令に定めるもののほか、会計規程を定めなければならない。
2 協会は、前項の会計規程を定めたときは、厚生労働大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。

附則

(施行期日)
第1条 この省令は、平成20年10月1日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(協会の設立に係る事業計画及び予算)
第2条 健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)附則第13条第3項の規定により同条第1項の設立委員が作成する同条第3項の事業計画及び予算については、第2条から第9条までの規定の例によるものとし、同項の認可の申請については、第10条第1項の規定の例によるものとする。この場合において、同項の申請書には、同項第1号から第3号までに掲げる書類を添付することを要しないものとする。
(承継調整積立金)
第3条 健康保険法等の一部を改正する法律附則第18条第1項の規定により協会が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項の規定により協会が承継した権利に係る資産の価額の合計額から、同項の規定により協会が承継した義務に係る負債並びに同条第2項の規定により政府から協会に対し出資された金額及び全国健康保険協会の設立に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(平成20年政令第283号)第25条の規定により協会の準備金として整理された額の価額の合計額を差し引いた額に相当する金額は、承継調整積立金として貸借対照表の純資産の部に計上するものとする。
2 前項の承継調整積立金は、平成20年10月1日に始まる事業年度に係る利益又は損失の処理に際して、その全額を取り崩すものとする。
3 平成20年10月1日に始まる事業年度において、前項の規定により取り崩した承継調整積立金の額は、厚生労働大臣の定めるところにより、利益の処分又は損失の処理に関する書類に記載するものとする。
(船員保険事業に係る事業計画及び予算)
第4条 雇用保険法等の一部を改正する法律(平成19年法律第30号)附則第22条の規定により協会が作成する船員保険事業に関する事業計画及び予算については、第3条から第10条までの規定の例によるものとし、当該事業計画及び予算の認可の申請については、第11条第1項の規定の例によるものとする。この場合において、同項の申請書には、同項第1号から第4号までに掲げる書類を添付することを要しないものとする。
(船員保険承継調整積立金)
第5条 雇用保険法等の一部を改正する法律附則第29条第1項の規定により協会が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項の規定により協会が承継した権利に係る資産の価額の合計額から、同項の規定により協会が承継した義務に係る負債並びに同条第2項の規定により政府から協会に出資された金額及び雇用保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(平成21年政令第296号)第56条の規定により協会の準備金として整理された額の価額の合計額を差し引いた額に相当する金額は、船員保険承継調整積立金として船員保険勘定の貸借対照表の純資産の部に計上するものとする。
2 前項の船員保険承継調整積立金は、雇用保険法等の一部を改正する法律附則第1条第3号に掲げる施行の日(次項において「施行日」という。)の属する事業年度に係る利益又は損失の処理に際して、その全額を取り崩すものとする。
3 施行日の属する事業年度において、前項の規定により取り崩した船員保険承継調整積立金の額は、厚生労働大臣の定めるところにより、利益の処分又は損失の処理に関する書類に記載するものとする。
(準備金の算定の特例)
第6条 平成25年度及び平成26年度においては、第14条第1号ロ中「準備金、積立金」とあるのは「積立金」と、第15条第5号中「法第160条の2及び船保法第124条」とあるのは「船保法第124条」と、第26条第1項中「法第160条の2又は船保法第124条」とあるのは「船保法第124条」とする。
附則 (平成21年3月27日厚生労働省令第51号)
この省令は、公布の日から施行する。
附則 (平成21年12月28日厚生労働省令第168号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、平成22年1月1日から施行する。
附則 (平成25年5月31日厚生労働省令第75号) 抄
(施行期日)
第1条 この省令は、公布の日から施行する。
様式第1号
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様式第2号
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様式第3号
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様式第4号
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様式第5号
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様式第6号
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様式第7号
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様式第8号
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様式第9号
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様式第10号
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様式第11号
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