ちいきにおけるれきしてきふうちのいじおよびこうじょうにかんするほうりつ
地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律
平成20年法律第40号
第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、地域におけるその固有の歴史及び伝統を反映した人々の活動とその活動が行われる歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地とが一体となって形成してきた良好な市街地の環境(以下「歴史的風致」という。)の維持及び向上を図るため、文部科学大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣による歴史的風致維持向上基本方針の策定及び市町村が作成する歴史的風致維持向上計画の認定、その認定を受けた歴史的風致維持向上計画に基づく特別の措置、歴史的風致維持向上地区計画に関する都市計画の決定その他の措置を講ずることにより、個性豊かな地域社会の実現を図り、もって都市の健全な発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「公共施設」とは、道路、駐車場、公園、水路その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
2 この法律において「重点区域」とは、次に掲げる要件に該当する土地の区域をいう。
一 次のイ又はロのいずれかに該当する土地の区域及びその周辺の土地の区域であること。
イ 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条第1項、第78条第1項又は第109条第1項の規定により重要文化財、重要有形民俗文化財又は史跡名勝天然記念物として指定された建造物(以下「重要文化財建造物等」という。)の用に供される土地
ロ 文化財保護法第144条第1項の規定により選定された重要伝統的建造物群保存地区(以下単に「重要伝統的建造物群保存地区」という。)内の土地
二 当該区域において歴史的風致の維持及び向上を図るための施策を重点的かつ一体的に推進することが特に必要であると認められる土地の区域であること。
(国及び地方公共団体の努力義務)
第3条 国及び地方公共団体は、地域における歴史的風致の維持及び向上を図るため、第31条第1項に規定する歴史的風致維持向上地区計画その他の都市計画の決定、景観法(平成16年法律第110号)第8条第1項に規定する景観計画の策定、地域における歴史的風致の維持及び向上に寄与する公共施設その他の施設(以下「歴史的風致維持向上施設」という。)の整備に関する事業の実施その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第2章 歴史的風致維持向上基本方針
第4条 主務大臣は、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する基本的な方針(以下「歴史的風致維持向上基本方針」という。)を定めなければならない。
2 歴史的風致維持向上基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 地域における歴史的風致の維持及び向上の意義に関する事項
二 重点区域の設定に関する基本的事項
三 地域における歴史的風致の維持及び向上のために必要な文化財の保存及び活用に関する基本的事項
四 歴史的風致維持向上施設の整備及び管理に関する基本的事項
五 良好な景観の形成に関する施策との連携に関する基本的事項
六 次条第1項に規定する歴史的風致維持向上計画の同条第8項の認定に関する基本的事項
七 前各号に掲げるもののほか、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する重要事項
3 主務大臣は、歴史的風致維持向上基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。
4 主務大臣は、歴史的風致維持向上基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、歴史的風致維持向上基本方針の変更について準用する。
第3章 歴史的風致維持向上計画の認定等
(歴史的風致維持向上計画の認定)
第5条 市町村は、歴史的風致維持向上基本方針に基づき、当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に関する計画(以下「歴史的風致維持向上計画」という。)を作成し、主務大臣の認定を申請することができる。
2 歴史的風致維持向上計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に関する方針
二 重点区域の位置及び区域
三 次に掲げる事項のうち、当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上のために必要なもの
イ 文化財の保存又は活用に関する事項
ロ 歴史的風致維持向上施設の整備又は管理に関する事項
四 第12条第1項の規定による歴史的風致形成建造物の指定の方針
五 第12条第1項の規定により指定された歴史的風致形成建造物の管理の指針となるべき事項
六 計画期間
七 その他主務省令で定める事項
3 前項第3号ロに掲げる事項には、次に掲げる事項を記載することができる。
一 次のイ又はロのいずれかに該当する歴史上価値の高い農業用用水路その他の農業用用排水施設であって、現に地域における歴史的風致を形成しており、かつ、当該農業用用排水施設の有する耕作の目的に供される土地の保全又は利用上必要な機能の確保と併せてその歴史的風致の維持及び向上を図ることが必要と認められるもの並びにその管理に関する事項
イ 土地改良法(昭和24年法律第195号)第85条第1項に規定する都道府県営土地改良事業によって生じた農業用用排水施設
ロ 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項の規定により農業振興地域整備計画において定められた同項第1号に規定する農用地区域(第23条において単に「農用地区域」という。)内に存する農業用用排水施設
二 都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条第1項に規定する都市公園(以下単に「都市公園」という。)の維持又は同条第2項に規定する公園施設(以下単に「公園施設」という。)の新設、増設若しくは改築であって、公園施設である城跡に係る城の復原に関する工事その他地域における歴史的風致の維持及び向上に寄与するものとして政令で定めるもののうち、当該市町村以外の地方公共団体が公園管理者(同法第5条第1項に規定する公園管理者をいう。以下同じ。)である重点区域内の都市公園について当該市町村が行おうとするものに関する事項
三 駐車場法(昭和32年法律第106号)第3条第1項に規定する駐車場整備地区内に整備されるべき同法第4条第2項第5号の主要な路外駐車場(都市計画において定められたものを除く。以下「特定路外駐車場」という。)の整備に関する事項
四 都市計画法(昭和43年法律第100号)第7条第1項に規定する市街化調整区域(以下単に「市街化調整区域」という。)内に存する遺跡で現に地域における歴史的風致を形成しているものに係る歴史上価値の高い楼門(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(以下単に「建築物」という。)であるものに限る。)その他当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に寄与する建築物の復原を目的とする開発行為(都市計画法第4条第12項に規定する開発行為のうち主として建築物の建築の用に供する目的で行うものをいう。第28条第1項において同じ。)又は建築行為(建築物の新築又は改築をいう。第28条第2項において同じ。)であって、当該建築物の用途からみて市街化調整区域内の土地において実施されることが適当と認められるものに関する事項
五 重点区域における歴史的風致の維持及び向上を図るため、電線をその地下に埋設し、その地上における電線及びこれを支持する電柱の撤去をし、又はこれらの設置の制限をすることが必要と認められる道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路又はその部分に関する事項
4 市町村は、歴史的風致維持向上計画に次の各号(当該市町村が地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項に規定する指定都市(以下単に「指定都市」という。)又は同法第252条の22第1項に規定する中核市(以下単に「中核市」という。)である場合にあっては、第4号を除く。)に掲げる事項を記載しようとするときは、その事項について、あらかじめ、当該各号に定める者(第1号、第2号及び第5号に定める者にあっては、当該市町村を除く。)に協議し、その同意を得なければならない。
一 第2項第3号ロに掲げる事項 当該歴史的風致維持向上施設の整備又は管理を行う者
二 前項第1号に掲げる事項 次のイ又はロに掲げる農業用用排水施設の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める者
イ 前項第1号に規定する農業用用排水施設(同号イに該当するものに限る。) 都道府県(土地改良法第94条の10第1項の規定により当該都道府県が当該農業用用排水施設を同法第94条の3第1項に規定する土地改良区等に管理させている場合にあっては、当該土地改良区等を含む。)
ロ 前項第1号に規定する農業用用排水施設(同号ロに該当するものに限る。) 都道府県知事
三 前項第2号に掲げる事項 当該都市公園の公園管理者
四 前項第4号に掲げる事項 都道府県知事
五 前項第5号に掲げる事項 当該道路又はその部分の道路管理者(道路法第18条第1項に規定する道路管理者をいう。)
5 市町村は、歴史的風致維持向上計画に第2項第3号イに掲げる事項を記載しようとするときは、その事項について、あらかじめ、当該文化財の所有者(所有者が2人以上いる場合にあってはその全員とし、文化財保護法第32条の2第5項(同法第80条において準用する場合を含む。)、第60条第3項(同法第90条第3項において準用する場合を含む。)又は第115条第1項(同法第133条において準用する場合を含む。)に規定する管理団体がある場合にあっては当該管理団体とする。)及び権原に基づく占有者(いずれも当該市町村を除く。)又は保持者(当該文化財が重要無形文化財(同法第71条第1項に規定する重要無形文化財をいう。第12条第1項において同じ。)である場合にあっては、同法第71条第2項の規定により保持者又は保持団体として認定されている者)の意見を聴かなければならない。
6 市町村は、歴史的風致維持向上計画を作成しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、第11条第1項の規定により協議会が組織され、又は文化財保護法第190条第1項の規定により当該市町村の教育委員会に地方文化財保護審議会が置かれている場合にあっては、当該協議会又は地方文化財保護審議会の意見を聴かなければならない。
7 歴史的風致維持向上計画は、都市計画法第6条の2第1項に規定する都市計画区域の整備、開発及び保全の方針並びに同法第18条の2第1項に規定する市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれたものでなければならない。
8 主務大臣は、第1項の規定による認定の申請があった歴史的風致維持向上計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
一 歴史的風致維持向上基本方針に適合するものであること。
二 当該歴史的風致維持向上計画の実施が当該市町村の区域における歴史的風致の維持及び向上に寄与するものであると認められること。
三 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
9 主務大臣は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
10 主務大臣は、第8項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該市町村に通知しなければならない。
11 市町村は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る歴史的風致維持向上計画を公表するよう努めるとともに、当該通知を受けた旨を都道府県に通知しなければならない。
(認定に関する処理期間)
第6条 主務大臣は、前条第1項の規定による認定の申請を受けた日から3月以内において速やかに、同条第8項の認定に関する処分を行わなければならない。
(認定を受けた歴史的風致維持向上計画の変更)
第7条 第5条第8項の認定を受けた市町村(以下「認定市町村」という。)は、当該認定を受けた歴史的風致維持向上計画の変更(主務省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。
2 第5条第4項から第11項まで及び前条の規定は、前項の認定について準用する。
(認定歴史的風致維持向上計画の実施状況に関する報告の徴収)
第8条 主務大臣は、認定市町村に対し、第5条第8項の認定(前条第1項の変更の認定を含む。第24条第1項を除き、以下同じ。)を受けた歴史的風致維持向上計画(変更があったときは、その変更後のもの。以下「認定歴史的風致維持向上計画」という。)の実施の状況について報告を求めることができる。
(認定の取消し)
第9条 主務大臣は、認定歴史的風致維持向上計画が第5条第8項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
2 主務大臣は、前項の規定による取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を当該市町村に通知しなければならない。
3 市町村は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、その旨を、公表するよう努めるとともに、都道府県に通知しなければならない。
(認定市町村への助言、援助等)
第10条 都道府県は、認定市町村に対し、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な助言を行うことができる。
2 国は、認定市町村に対し、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めなければならない。
3 前項に定めるもののほか、国及び認定市町村は、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
4 認定市町村の長及び教育委員会は、認定歴史的風致維持向上計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に緊密な連携を図りながら協力しなければならない。
(協議会)
第11条 市町村は、歴史的風致維持向上計画の作成及び変更に関する協議並びに認定歴史的風致維持向上計画の実施に係る連絡調整を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
一 当該市町村
二 歴史的風致維持向上計画にその整備又は管理に関する事項を記載しようとする歴史的風致維持向上施設の整備又は管理を行う者
三 第34条第1項の規定により当該市町村の長が指定した歴史的風致維持向上支援法人(次章において「支援法人」という。)
四 都道府県、重要文化財建造物等の所有者、学識経験者その他の市町村が必要と認める者
3 協議会は、必要があると認めるときは、関係行政機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
4 第1項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
5 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第4章 認定歴史的風致維持向上計画に基づく特別の措置
第1節 歴史的風致形成建造物
(歴史的風致形成建造物の指定)
第12条 市町村長は、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第5条第2項第6号の計画期間(以下「認定計画期間」という。)内に限り、当該認定歴史的風致維持向上計画に記載された同項第4号の方針に即し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された重点区域(以下「認定重点区域」という。)内の歴史上価値の高い重要無形文化財又は重要無形民俗文化財(文化財保護法第78条第1項に規定する重要無形民俗文化財をいう。)の用に供されることによりそれらの価値の形成に寄与している建造物その他の地域の歴史的な建造物(重要文化財建造物等及び重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物群(同法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。第17条第1項において同じ。)を構成している建造物を除く。)であって、現に当該認定重点区域における歴史的風致を形成しており、かつ、その歴史的風致の維持及び向上のためにその保全を図る必要があると認められるもの(これと一体となって歴史的風致を形成している土地又は物件を含む。)を、歴史的風致形成建造物として指定することができる。
2 市町村長は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該建造物の所有者(所有者が2人以上いる場合にあっては、その全員)及び当該市町村の教育委員会の意見を聴くとともに、当該建造物が公共施設である場合にあっては、当該公共施設の管理者(当該市町村を除く。)に協議し、その同意を得なければならない。
3 市町村の教育委員会は、前項の規定により意見を聴かれた場合において、当該建造物が文化財保護法第2条第1項第1号に規定する有形文化財、同項第3号に規定する民俗文化財又は同項第4号に規定する記念物(以下「有形文化財等」という。)に該当すると認めるときは、その旨を市町村長に通知しなければならない。
(歴史的風致形成建造物の指定の提案)
第13条 認定重点区域内の建造物の所有者は、認定計画期間内に限り、当該建造物が前条第1項に規定する建造物に該当すると思料するときは、主務省令で定めるところにより、市町村長に対し、当該建造物を歴史的風致形成建造物として指定することを提案することができる。この場合において、当該建造物に当該提案に係る所有者以外の所有者がいるときは、あらかじめ、その全員の合意を得なければならない。
2 支援法人は、認定計画期間内に限り、認定重点区域内の建造物が前条第1項に規定する建造物に該当すると思料するときは、主務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該建造物の所有者(所有者が2人以上いる場合にあっては、その全員)の同意を得て、市町村長に対し、当該建造物を歴史的風致形成建造物として指定することを提案することができる。
3 市町村長は、前2項の規定による提案が行われた場合において、当該提案に係る建造物について前条第1項の規定による指定をしないこととしたときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該提案をした者に通知しなければならない。
4 市町村長は、前項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、当該市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。
(指定の通知等)
第14条 市町村長は、第12条第1項の規定による指定をしたときは、直ちに、その旨(当該歴史的風致形成建造物が同条第3項の規定による通知がなされた建造物である場合にあっては、当該歴史的風致形成建造物が有形文化財等に該当する旨を含む。)を当該歴史的風致形成建造物の所有者(所有者が2人以上いる場合にあってはその全員とし、当該歴史的風致形成建造物の指定が前条第2項の規定による提案に基づくものである場合にあってはその提案をした支援法人を含む。第17条第3項において同じ。)に通知しなければならない。
2 市町村は、第12条第1項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、条例又は規則で定めるところにより、これを表示する標識を設置しなければならない。
(増築等の届出及び勧告等)
第15条 歴史的風致形成建造物の増築、改築、移転又は除却をしようとする者は、当該増築、改築、移転又は除却に着手する日の30日前までに、主務省令で定めるところにより、行為の種類、場所、着手予定日その他主務省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 都市計画法第4条第15項に規定する都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
四 前3号に掲げるもののほか、これらに類するものとして政令で定める行為
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち主務省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、主務省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。
3 市町村長は、第1項又は前項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が当該歴史的風致形成建造物の保全に支障を来すものであると認めるときは、その届出をした者に対し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第5条第2項第5号に掲げる事項を勘案して、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
4 市町村長は、前項の規定による勧告をしようとする場合において、当該歴史的風致形成建造物が第12条第3項の規定による通知がなされた建造物であるときは、あらかじめ、当該市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。
5 市町村長は、第3項の規定による勧告を受けた者の申出があった場合において、当該歴史的風致形成建造物の保全を図るために必要があると認めるときは、その者に対し、当該歴史的風致形成建造物に関する権利の処分についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるものとする。
6 国の機関又は地方公共団体が行う行為については、前各項の規定は、適用しない。この場合において、第1項の規定による届出を要する行為をしようとする者が国の機関又は地方公共団体であるときは、当該国の機関又は地方公共団体は、あらかじめ、その旨を市町村長に通知しなければならない。
7 市町村長は、前項の規定による通知があった場合において、当該歴史的風致形成建造物の保全を図るために必要があると認めるときは、その必要な限度において、当該国の機関又は地方公共団体に対し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第5条第2項第5号に掲げる事項を勘案して、当該歴史的風致形成建造物の保全のため講ずべき措置について協議を求めることができる。
(歴史的風致形成建造物の所有者等の管理義務)
第16条 歴史的風致形成建造物の所有者その他歴史的風致形成建造物の管理について権原を有する者は、当該歴史的風致形成建造物の保全に支障を来さないよう、適切に管理しなければならない。
(指定の解除)
第17条 市町村長は、歴史的風致形成建造物が重要文化財建造物等又は重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物群を構成する建造物に該当するに至ったとき、又は滅失、毀損その他の事由により歴史的風致形成建造物の指定の理由が消滅したときは、遅滞なく、当該歴史的風致形成建造物の指定を解除しなければならない。
2 市町村長は、歴史的風致形成建造物について、公益上の理由その他特別な理由があるときは、その指定を解除することができる。この場合において、当該歴史的風致形成建造物が第12条第3項の規定による通知がなされた建造物であるときは、あらかじめ、当該市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。
3 市町村長は、前2項の規定により歴史的風致形成建造物の指定を解除したときは、直ちに、その旨を当該歴史的風致形成建造物の所有者に通知しなければならない。
(所有者の変更の場合の届出)
第18条 歴史的風致形成建造物の所有者が変更したときは、新たに所有者となった者は、遅滞なく、その旨を市町村長に届け出なければならない。
(台帳)
第19条 市町村長は、歴史的風致形成建造物に関する台帳を作成し、これを保管しなければならない。
2 前項の台帳の作成及び保管に関し必要な事項は、主務省令で定める。
(歴史的風致形成建造物の現状に関する報告の徴収)
第20条 市町村長は、必要があると認めるときは、歴史的風致形成建造物の所有者に対し、その現状について報告を求めることができる。
(管理又は修理に関する技術的指導等)
第21条 第14条第1項の規定による通知(当該歴史的風致形成建造物が有形文化財等に該当する旨をその内容に含むものに限る。)を受けた歴史的風致形成建造物(文化財保護法第2条第1項第1号に規定する有形文化財、同法第90条第3項に規定する登録有形民俗文化財又は同法第133条に規定する登録記念物であるものを除く。以下この項において同じ。)の所有者その他当該歴史的風致形成建造物の管理について権原を有する者は、文部科学省令で定めるところにより、文化庁長官に対し、当該歴史的風致形成建造物の管理又は修理に関する技術的指導を求めることができる。
2 前項に定めるもののほか、歴史的風致形成建造物の所有者その他歴史的風致形成建造物の管理について権原を有する者は、市町村長又は支援法人に対し、当該歴史的風致形成建造物の管理又は修理に関し必要な助言その他の援助を求めることができる。
第2節 歴史的風致維持向上施設の整備等に関する特例
(土地改良施設である農業用用排水施設の管理の特例)
第22条 都道府県は、支援法人に対し、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第5条第3項第1号に規定する農業用用排水施設(同号イに該当するものに限る。)の管理の全部又は一部を委託することができる。
2 土地改良法第94条の6第2項の規定は、前項に規定する農業用用排水施設についての同項の規定による管理の委託について準用する。この場合において、同条第2項中「その国営土地改良事業」とあるのは「その都道府県営土地改良事業」と、「準拠して」とあるのは「準拠するとともに、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成20年法律第40号)第8条に規定する認定歴史的風致維持向上計画に記載された同法第5条第3項第1号に規定する農業用用排水施設(同号イに該当するものに限る。)の管理に関する事項の内容に即して」と読み替えるものとする。
(農用地区域内における開発行為の許可の特例)
第23条 第5条第3項第1号に掲げる事項(同号ロに該当する農業用用排水施設に係るものに限る。)が記載された歴史的風致維持向上計画が同条第8項の認定を受けた場合において、当該農業用用排水施設の存する農用地区域内の開発行為(農業振興地域の整備に関する法律第15条の2第1項に規定する開発行為をいう。)について、同法第15条の2第1項の許可の申請があったときにおける同条第4項の規定の適用については、同項第3号中「機能」とあるのは、「機能又は当該農業用用排水施設が形成している歴史的風致(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成20年法律第40号)第1条に規定する歴史的風致をいう。)の維持及び向上」とする。
(文化財保護法の規定による事務の認定市町村の教育委員会による実施)
第24条 文化庁長官は、次に掲げるその権限に属する事務であって、第5条第8項の認定を受けた町村(以下この条及び第29条において「認定町村」という。)の区域内の重要文化財建造物等に係るものの全部又は一部については、認定計画期間内に限り、政令で定めるところにより、当該認定町村の教育委員会が行うこととすることができる。
一 文化財保護法第43条第1項から第4項まで又は第125条第1項から第4項までの規定により、現状変更又は保存に影響を及ぼす行為の許可及びその取消し(重大な現状変更又は保存に重大な影響を及ぼす行為の許可及びその取消しを除く。)をし、並びに現状変更又は保存に影響を及ぼす行為の停止を命ずること。
二 文化財保護法第54条(同法第86条及び第172条第5項において準用する場合を含む。)、第55条第1項、第130条(同法第172条第5項において準用する場合を含む。)又は第131条第1項の規定により、報告を求め、並びに立入調査及び調査のため必要な措置をさせること。
2 前項の規定により認定町村の教育委員会が文化財保護法第43条第4項(同法第125条第3項において準用する場合を含む。)の規定による現状変更又は保存に影響を及ぼす行為の許可の取消しをする場合において、聴聞をしようとするときは、当該聴聞の期日の10日前までに、行政手続法(平成5年法律第88号)第15条第1項の規定による通知をし、かつ、当該処分の内容並びに当該聴聞の期日及び場所を公示しなければならない。この場合においては、文化財保護法第154条第3項の規定を準用する。
3 第1項の規定により認定町村の教育委員会が文化財保護法第55条第1項又は第131条第1項の規定による立入調査又は調査のため必要な措置をさせようとするときは、関係者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。この場合においては、同法第155条第2項から第4項までの規定を準用する。
4 文化財保護法第184条第2項、第4項(第3号に係る部分を除く。)及び第5項から第8項までの規定は、認定町村の教育委員会について準用する。
5 認定市町村の長は、認定歴史的風致維持向上計画を実施する上で特に必要があると認めるときは、その議会の議決を経て、文部科学大臣に対し、第1項に規定する事務の全部又は一部を、文化財保護法第184条第1項又は第1項の規定により当該認定市町村の教育委員会が処理することとするよう要請することができる。
6 認定市町村の議会は、前項の議決をしようとするときは、あらかじめ、当該認定市町村の教育委員会の意見を聴かなければならない。
(都市公園の管理の特例等)
第25条 認定市町村は、認定計画期間内に限り、都市公園法第2条の3の規定にかかわらず、認定歴史的風致維持向上計画に記載された第5条第3項第2号に規定する都市公園の維持又は公園施設の新設、増設若しくは改築(以下この条において「都市公園の維持等」という。)を行うことができる。
2 認定市町村は、前項の規定により都市公園の維持等を行おうとするとき、及び都市公園の維持等を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
3 認定市町村は、第1項の規定により都市公園の維持等を行う場合においては、政令で定めるところにより、当該都市公園の公園管理者に代わってその権限を行うものとする。
4 第1項の規定により認定市町村が行う都市公園の維持等に要する費用は、当該認定市町村の負担とする。
5 認定市町村が第3項の規定により公園管理者に代わってした都市公園法第34条第1項各号に掲げる処分についての審査請求の裁決に不服がある者は、国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。
6 第3項の規定により公園管理者に代わってその権限を行う認定市町村は、都市公園法第6章の規定の適用については、公園管理者とみなす。
(路外駐車場についての都市公園の占用の特例等)
第26条 認定市町村は、第5条第3項第3号に掲げる事項を記載した歴史的風致維持向上計画が同条第8項の認定を受けたときは、駐車場整備計画(駐車場法第4条第1項に規定する駐車場整備計画をいう。以下この条において同じ。)において、その記載された事項の内容に即して、おおむねその位置、規模、整備主体及び整備の目標年次を定めた特定路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要を定めることができる。
2 認定市町村は、前項の規定により駐車場整備計画において都市公園の地下に設けられる特定路外駐車場の整備に関する事業の計画の概要(以下この条において「地下駐車場整備計画概要」という。)を定めようとするときは、当該地下駐車場整備計画概要について、あらかじめ、当該都市公園の公園管理者の同意を得なければならない。
3 第1項の規定により地下駐車場整備計画概要が定められた駐車場整備計画が駐車場法第4条第4項(同条第5項において準用する場合を含む。)の規定により公表された日から2年以内に当該地下駐車場整備計画概要に基づく都市公園の地下の占用について都市公園法第6条第1項又は第3項の許可の申請があった場合においては、当該占用が同法第7条第1項の規定に基づく政令で定める技術的基準に適合する限り、公園管理者は、当該許可を与えるものとする。
(歴史的風致形成建造物等の管理の特例等)
第27条 認定市町村又は支援法人は、認定重点区域内の次に掲げる施設の所有者(所有者が2人以上いる場合にあっては、その全員)との契約に基づき、当該施設の管理を行うことができる。
一 歴史的風致形成建造物
二 認定歴史的風致維持向上計画にその整備又は管理に関する事項が記載された歴史的風致維持向上施設である公共施設その他地域における歴史的風致の維持及び向上に寄与するものとして主務省令で定める施設
2 支援法人が前項の規定により管理する施設内の樹木又は樹木の集団であって、都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律(昭和37年法律第142号)第2条第1項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについての同法の規定の適用については、同法第5条第1項中「所有者」とあるのは「所有者及び歴史的風致維持向上支援法人(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成20年法律第40号)第34条第1項に規定する歴史的風致維持向上支援法人をいう。以下同じ。)」と、同法第6条第2項及び第8条中「所有者」とあるのは「歴史的風致維持向上支援法人」と、同法第9条中「所有者」とあるのは「所有者又は歴史的風致維持向上支援法人」とする。
(市街化調整区域内における開発行為の許可の特例)
第28条 第5条第3項第4号に掲げる事項が記載された歴史的風致維持向上計画が同条第8項の認定を受けた場合には、その記載された事項の内容に即して行われる開発行為(都市計画法第34条各号に掲げるものを除く。)は、同法第34条第14号に掲げる開発行為とみなす。
2 都道府県知事又は指定都市若しくは中核市の長は、市街化調整区域のうち都市計画法第29条第1項の規定による許可を受けた開発区域(同法第4条第13項に規定する開発区域をいう。)以外の区域内において認定歴史的風致維持向上計画に記載された第5条第3項第4号に掲げる事項の内容に即して行われる建築行為について、同法第43条第1項の許可の申請があった場合において、当該申請に係る建築行為が同条第2項の政令で定める許可の基準のうち同法第33条に規定する開発許可の基準の例に準じて定められた基準に適合するときは、その許可をしなければならない。
(都市緑地法の規定による特別緑地保全地区における行為の制限に関する事務の町村長による実施)
第29条 都道府県知事は、都市緑地法(昭和48年法律第72号)第14条第1項から第8項まで、同法第15条において準用する同法第9条第1項及び第2項、同法第16条において準用する同法第10条第2項において準用する同法第7条第5項及び第6項、同法第17条第2項並びに同法第19条において読み替えて準用する同法第11条第1項及び第2項の規定によりその権限に属する事務であって、認定重点区域内の特別緑地保全地区(同法第12条第1項に規定する特別緑地保全地区をいう。)に係るものについては、認定計画期間内に限り、政令で定めるところにより、認定町村の長が行うこととすることができる。
2 前項の規定により認定町村の長が同項に規定する事務を行う場合における都市緑地法の適用については、同法第4条第2項第4号ロ中「第17条」とあるのは「第17条(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成20年法律第40号。以下「地域歴史的風致法」という。)第29条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)」と、同条第6項中「同号ロからニまでに掲げる事項」とあるのは「同号ロからニまでに掲げる事項(地域歴史的風致法第29条第2項の規定により読み替えて適用する第17条の規定による土地の買入れ及び買い入れた土地の管理に関する事項を除く。)」と、同法第16条において準用する同法第10条第1項中「都道府県等」とあるのは「地域歴史的風致法第24条第1項に規定する認定町村(以下単に「認定町村」という。)」と、同法第17条第1項及び第31条第1項中「都道府県等」とあるのは「認定町村」と、同法第17条第2項中「町村又は第69条第1項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第70条第1号ハに掲げる業務を行うものに限る。以下この条及び次条において単に「緑地保全・緑化推進法人」という。)を、市長にあっては当該土地の買入れを希望する都道府県又は緑地保全・緑化推進法人を、」とあるのは「第69条第1項の規定により指定された緑地保全・緑化推進法人(第70条第1号ハに掲げる業務を行うものに限る。以下この条及び次条において単に「緑地保全・緑化推進法人」という。)を」と、同条第3項中「都道府県、町村又は緑地保全・緑化推進法人」とあるのは「緑地保全・緑化推進法人」と、同法第31条第1項中「第16条」とあるのは「地域歴史的風致法第29条第2項の規定により読み替えて適用する第16条」と、「第17条第1項」とあるのは「地域歴史的風致法第29条第2項の規定により読み替えて適用する第17条第1項」と、「買入れ並びに都道府県又は町村が行う同条第3項の規定による土地の買入れ」とあるのは「買入れ」とする。
(電線共同溝を整備すべき道路の指定の特例)
第30条 第5条第3項第5号に掲げる事項が記載された歴史的風致維持向上計画が同条第8項の認定を受けた場合には、同号に規定する道路又はその部分に関する電線共同溝の整備等に関する特別措置法(平成7年法律第39号)第3条の規定の適用については、同条第1項中「安全かつ円滑な」とあるのは「安全な」と、「図る」とあるのは「図るとともに、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成20年法律第40号)第8条に規定する認定歴史的風致維持向上計画(以下単に「認定歴史的風致維持向上計画」という。)に記載された同法第5条第3項第5号に掲げる事項の内容に即し、地域における歴史的風致(同法第1条に規定する歴史的風致をいう。)の維持及び向上を図る」と、「特に必要である」とあるのは「必要である」と、同条第2項中「及び次項の規定による要請をした」とあるのは「、次項の規定による要請をした市町村及び当該道路又はその部分を認定歴史的風致維持向上計画に記載した」とする。
第5章 歴史的風致維持向上地区計画
(歴史的風致維持向上地区計画)
第31条 次に掲げる条件に該当する土地の区域で、当該区域における歴史的風致の維持及び向上と土地の合理的かつ健全な利用を図るため、その歴史的風致にふさわしい用途の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の整備(既存の建築物等の用途を変更して当該歴史的風致にふさわしい用途の建築物等とすることを含む。)及び当該区域内の市街地の保全を総合的に行うことが必要であると認められるものについては、都市計画に歴史的風致維持向上地区計画を定めることができる。
一 現に相当数の建築物等の建築又は用途の変更が行われつつあり、又は行われることが確実であると認められる土地の区域であること。
二 当該区域における歴史的風致の維持及び向上に支障を来し、又は来すおそれがあると認められる土地の区域であること。
三 当該区域における歴史的風致の維持及び向上と土地の合理的かつ健全な利用を図ることが、当該都市の健全な発展及び文化の向上に貢献することとなる土地の区域であること。
四 都市計画法第8条第1項第1号に規定する用途地域が定められている土地の区域であること。
2 歴史的風致維持向上地区計画については、都市計画法第12条の4第2項に定める事項のほか、都市計画に、第1号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第2号から第4号までに掲げる事項を定めるよう努めるものとする。
一 主として街区内の居住者、滞在者その他の者の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設(都市計画法第4条第6項に規定する都市計画施設(次条において単に「都市計画施設」という。)を除く。以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下この章において「歴史的風致維持向上地区整備計画」という。)
二 当該歴史的風致維持向上地区計画の目標
三 当該区域の土地利用に関する基本方針
四 当該区域の整備及び保全に関する方針
3 前項第3号の基本方針には、次に掲げる事項を定めることができる。
一 次に掲げる建築物等のうち、当該区域における歴史的風致の維持及び向上のため、当該区域において整備をすべき建築物等の用途及び規模に関する事項
イ 地域の伝統的な技術又は技能により製造された工芸品、食品その他の物品の販売を主たる目的とする店舗
ロ 地域の伝統的な特産物を主たる材料とする料理の提供を主たる目的とする飲食店
ハ 地域の伝統的な技術又は技能による工芸品、食品その他の物品の製造を主たる目的とする工場
ニ 地域の歴史上価値の高い美術品、地域の伝統的な技術又は技能により製造された工芸品その他これらに類する物品の展示を主たる目的とする展示場、博物館又は美術館
ホ その他地域における歴史的風致の維持及び向上に寄与するものとして政令で定める建築物等
二 前号に規定する建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限に関する基本的事項
三 第1号に規定する建築物等の整備(既存の建築物等の用途を変更して同号に規定する建築物等とすることを含む。)をすべき土地の区域
4 歴史的風致維持向上地区整備計画においては、次に掲げる事項を定めることができる。
一 地区施設の配置及び規模
二 建築物等の用途の制限、建築物の容積率(延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。)の最高限度又は最低限度、建築物の建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合をいう。)の最高限度、建築物の敷地面積又は建築面積の最低限度、壁面の位置の制限、壁面後退区域(壁面の位置の制限として定められた限度の線と敷地境界線との間の土地の区域をいう。次条において同じ。)における工作物(建築物を除く。次条において同じ。)の設置の制限、建築物等の高さの最高限度又は最低限度、建築物等の形態又は色彩その他の意匠の制限、建築物の緑化率(都市緑地法第34条第2項に規定する緑化率をいう。)の最低限度その他建築物等に関する事項で政令で定めるもの
三 現に存する樹林地、草地その他の緑地で歴史的風致の維持及び向上を図るとともに、良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項
四 前3号に掲げるもののほか、土地の利用に関する事項で政令で定めるもの
5 歴史的風致維持向上地区計画を都市計画に定めるに当たっては、次に掲げるところに従わなければならない。
一 土地利用に関する基本方針は、当該区域における歴史的風致の維持及び向上が図られるように定めること。この場合において、都市計画法第8条第1項第1号に規定する第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域及び田園住居地域については、当該区域の周辺の住宅に係る良好な住居の環境の保護に支障を来さないように定めること。
二 地区施設は、当該地区施設が、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域及びその周辺において定められている都市計画と相まって、当該区域における歴史的風致の維持及び向上並びに良好な都市環境の形成に資するよう、必要な位置に適切な規模で配置すること。
三 歴史的風致維持向上地区整備計画における建築物等に関する事項は、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域における歴史的風致にふさわしい用途、容積、高さ、配列及び形態を備えた建築物等の整備により当該区域内において土地の合理的かつ健全な利用が行われることとなるよう定めること。
6 歴史的風致維持向上地区計画を都市計画に定める際、当該歴史的風致維持向上地区計画の区域の全部又は一部について歴史的風致維持向上地区整備計画を定めることができない特別の事情があるときは、当該区域の全部又は一部について歴史的風致維持向上地区整備計画を定めることを要しない。この場合において、歴史的風致維持向上地区計画の区域の一部について歴史的風致維持向上地区整備計画を定めるときは、当該歴史的風致維持向上地区計画については、歴史的風致維持向上地区整備計画の区域をも都市計画に定めなければならない。
(区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物の整備を誘導する歴史的風致維持向上地区整備計画)
第32条 歴史的風致維持向上地区整備計画においては、当該歴史的風致維持向上地区整備計画の区域の特性に応じた高さ、配列及び形態を備えた建築物を整備することが合理的な土地利用の促進を図るため特に必要であると認められるときは、壁面の位置の制限(道路(都市計画施設又は地区施設である計画道路を含む。)に面する壁面の位置の制限を含むものに限る。)、壁面後退区域における工作物の設置の制限(当該壁面後退区域において連続的に有効な空地を確保するため必要な工作物の設置の制限を含むものに限る。)及び建築物の高さの最高限度を定めるものとする。
(行為の届出及び勧告等)
第33条 歴史的風致維持向上地区計画の区域(歴史的風致維持向上地区整備計画が定められている区域に限る。)内において、土地の区画形質の変更、建築物等の新築、改築又は増築その他政令で定める行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 国の機関又は地方公共団体が行う行為
四 都市計画法第4条第15項に規定する都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
五 都市計画法第29条第1項の許可を要する行為
六 前各号に掲げるもののほか、これらに類するものとして政令で定める行為
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。
3 市町村長は、第1項又は前項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が歴史的風致維持向上地区計画に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。この場合において、地域における歴史的風致の維持及び向上を図るため必要があると認められるときは、歴史的風致維持向上地区計画に定められた事項その他の事項に関し、適切な措置を講ずることについて助言又は指導をするものとする。
第6章 歴史的風致維持向上支援法人
(歴史的風致維持向上支援法人の指定)
第34条 市町村長は、一般社団法人若しくは一般財団法人又は特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人であって、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、歴史的風致維持向上支援法人(以下「支援法人」という。)として指定することができる。
2 市町村長は、前項の規定による指定をしたときは、当該支援法人の名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
3 支援法人は、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を市町村長に届け出なければならない。
4 市町村長は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
(支援法人の業務)
第35条 支援法人は、次に掲げる業務を行うものとする。
一 歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業を実施しようとする者に対し、当該事業に関する知識を有する者の派遣、情報の提供、相談その他の援助を行うこと。
二 認定重点区域又は歴史的風致維持向上地区計画の区域において歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業を実施すること、又は当該区域における歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業に参加すること。
三 前号の歴史的風致維持向上施設の整備に関する事業に有効に利用できる土地であって政令で定めるものの取得、管理及び譲渡を行うこと。
四 歴史的風致形成建造物の管理又は修理に関し、必要な助言その他の援助を行うこと。
五 第22条第1項に規定する農業用用排水施設又は第27条第1項に規定する施設の管理を行うこと。
六 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する調査研究を行うこと。
七 前各号に掲げるもののほか、地域における歴史的風致の維持及び向上を図るために必要な業務を行うこと。
(監督等)
第36条 市町村長は、前条各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、支援法人に対し、その業務に関し報告をさせることができる。
2 市町村長は、支援法人が前条各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、支援法人に対し、その業務の運営の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
3 市町村長は、支援法人が前項の規定による命令に違反したときは、第34条第1項の規定による指定を取り消すことができる。
4 市町村長は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
(情報の提供等)
第37条 国及び関係地方公共団体は、支援法人に対し、その業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。
第7章 雑則
(主務大臣及び主務省令)
第38条 この法律における主務大臣は、文部科学大臣、農林水産大臣及び国土交通大臣とする。
2 この法律における主務省令は、文部科学省令・国土交通省令とする。ただし、第5条第2項第7号及び第7条第1項に規定する主務省令については、文部科学省令・農林水産省令・国土交通省令とする。
(経過措置)
第39条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
第8章 罰則
第40条 第33条第1項又は第2項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第1項本文又は第2項に規定する行為をした者は、30万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
第41条 次に掲げる違反があった場合においては、その違反行為をした者は、5万円以下の過料に処する。
一 第15条第1項又は第2項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第1項本文又は第2項に規定する行為をしたとき。
二 第18条の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
附則
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(調整規定)
第2条 この法律の施行の日が一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の施行の日前である場合には、同法の施行の日の前日までの間における第34条第1項の規定の適用については、同項中「一般社団法人若しくは一般財団法人」とあるのは、「民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人」とする。
(検討)
第3条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則 (平成23年5月2日法律第35号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則 (平成23年6月22日法律第70号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、平成24年4月1日から施行する。ただし、次条の規定は公布の日から、附則第17条の規定は地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成23年法律第105号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。
附則 (平成23年8月30日法律第105号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 第2条、第10条(構造改革特別区域法第18条の改正規定に限る。)、第14条(地方自治法第252条の19、第260条並びに別表第1騒音規制法(昭和43年法律第98号)の項、都市計画法(昭和43年法律第100号)の項、都市再開発法(昭和44年法律第38号)の項、環境基本法(平成5年法律第91号)の項及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成9年法律第49号)の項並びに別表第2都市再開発法(昭和44年法律第38号)の項、公有地の拡大の推進に関する法律(昭和47年法律第66号)の項、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和50年法律第67号)の項、密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律(平成9年法律第49号)の項及びマンションの建替えの円滑化等に関する法律(平成14年法律第78号)の項の改正規定に限る。)、第17条から第19条まで、第22条(児童福祉法第21条の5の6、第21条の5の15、第21条の5の23、第24条の9、第24条の17、第24条の28及び第24条の36の改正規定に限る。)、第23条から第27条まで、第29条から第33条まで、第34条(社会福祉法第62条、第65条及び第71条の改正規定に限る。)、第35条、第37条、第38条(水道法第46条、第48条の2、第50条及び第50条の2の改正規定を除く。)、第39条、第43条(職業能力開発促進法第19条、第23条、第28条及び第30条の2の改正規定に限る。)、第51条(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第64条の改正規定に限る。)、第54条(障害者自立支援法第88条及び第89条の改正規定を除く。)、第65条(農地法第3条第1項第9号、第4条、第5条及び第57条の改正規定を除く。)、第87条から第92条まで、第99条(道路法第24条の3及び第48条の3の改正規定に限る。)、第101条(土地区画整理法第76条の改正規定に限る。)、第102条(道路整備特別措置法第18条から第21条まで、第27条、第49条及び第50条の改正規定に限る。)、第103条、第105条(駐車場法第4条の改正規定を除く。)、第107条、第108条、第115条(首都圏近郊緑地保全法第15条及び第17条の改正規定に限る。)、第116条(流通業務市街地の整備に関する法律第3条の2の改正規定を除く。)、第118条(近畿圏の保全区域の整備に関する法律第16条及び第18条の改正規定に限る。)、第120条(都市計画法第6条の2、第7条の2、第8条、第10条の2から第12条の2まで、第12条の4、第12条の5、第12条の10、第14条、第20条、第23条、第33条及び第58条の2の改正規定を除く。)、第121条(都市再開発法第7条の4から第7条の7まで、第60条から第62条まで、第66条、第98条、第99条の8、第139条の3、第141条の2及び第142条の改正規定に限る。)、第125条(公有地の拡大の推進に関する法律第9条の改正規定を除く。)、第128条(都市緑地法第20条及び第39条の改正規定を除く。)、第131条(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第7条、第26条、第64条、第67条、第104条及び第109条の2の改正規定に限る。)、第142条(地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律第18条及び第21条から第23条までの改正規定に限る。)、第145条、第146条(被災市街地復興特別措置法第5条及び第7条第3項の改正規定を除く。)、第149条(密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第20条、第21条、第191条、第192条、第197条、第233条、第241条、第283条、第311条及び第318条の改正規定に限る。)、第155条(都市再生特別措置法第51条第4項の改正規定に限る。)、第156条(マンションの建替えの円滑化等に関する法律第102条の改正規定を除く。)、第157条、第158条(景観法第57条の改正規定に限る。)、第160条(地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法第6条第5項の改正規定(「第2項第2号イ」を「第2項第1号イ」に改める部分を除く。)並びに同法第11条及び第13条の改正規定に限る。)、第162条(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律第10条、第12条、第13条、第36条第2項及び第56条の改正規定に限る。)、第165条(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第24条及び第29条の改正規定に限る。)、第169条、第171条(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第21条の改正規定に限る。)、第174条、第178条、第182条(環境基本法第16条及び第40条の2の改正規定に限る。)及び第187条(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律第15条の改正規定、同法第28条第9項の改正規定(「第4条第3項」を「第4条第4項」に改める部分を除く。)、同法第29条第4項の改正規定(「第4条第3項」を「第4条第4項」に改める部分を除く。)並びに同法第34条及び第35条の改正規定に限る。)の規定並びに附則第13条、第15条から第24条まで、第25条第1項、第26条、第27条第1項から第3項まで、第30条から第32条まで、第38条、第44条、第46条第1項及び第4項、第47条から第49条まで、第51条から第53条まで、第55条、第58条、第59条、第61条から第69条まで、第71条、第72条第1項から第3項まで、第74条から第76条まで、第78条、第80条第1項及び第3項、第83条、第87条(地方税法第587条の2及び附則第11条の改正規定を除く。)、第89条、第90条、第92条(高速自動車国道法第25条の改正規定に限る。)、第101条、第102条、第105条から第107条まで、第112条、第117条(地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(平成22年法律第72号)第4条第8項の改正規定に限る。)、第119条、第121条の2並びに第123条第2項の規定 平成24年4月1日
(罰則に関する経過措置)
第81条 この法律(附則第1条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第82条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成23年12月14日法律第122号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第6条、第8条、第9条及び第13条の規定 公布の日
附則 (平成26年5月30日法律第42号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 目次の改正規定(「/第2節 中核市に関する特例/第3節 特例市に関する特例/」を「第2節 中核市に関する特例」に改める部分に限る。)、第252条の22第1項の改正規定、第2編第12章第3節を削る改正規定、第260条の38を第260条の40とする改正規定及び第260条の37の次に2条を加える改正規定並びに次条、附則第3条、第33条、第34条、第40条、第41条、第45条から第48条まで、第51条、第52条、第54条、第55条、第58条、第59条、第63条、第64条、第68条、第69条及び第71条から第75条までの規定 平成27年4月1日
(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第73条 施行時特例市に対する前条の規定による改正後の地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第5条第4項及び第28条第2項の規定の適用については、同法第5条第4項中「又は同法」とあるのは「、同法」と、「「中核市」とあるのは「「中核市」という。)又は地方自治法の一部を改正する法律(平成26年法律第42号)附則第2条に規定する施行時特例市(第28条第2項において「施行時特例市」と、同法第28条第2項中「若しくは中核市」とあるのは「、中核市若しくは施行時特例市」とする。
附則 (平成26年6月13日法律第69号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日から施行する。
(経過措置の原則)
第5条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。
(訴訟に関する経過措置)
第6条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。
2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。
3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第9条 この法律の施行前にした行為並びに附則第5条及び前2条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第10条 附則第5条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則 (平成29年5月12日法律第26号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 附則第25条の規定 公布の日
二 第1条中都市緑地法第4条、第34条、第35条及び第37条の改正規定、第2条中都市公園法第3条第2項の改正規定及び同条の次に1条を加える改正規定、第4条中生産緑地法第3条に1項を加える改正規定、同法第8条に1項を加える改正規定、同法第10条の改正規定、同条の次に5条を加える改正規定及び同法第11条の改正規定並びに第5条及び第6条の規定並びに次条第1項及び第2項並びに附則第3条第2項、第6条、第7条、第10条、第13条、第14条、第18条(地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成20年法律第40号)第31条第5項第1号の改正規定に限る。)、第19条、第20条、第22条及び第23条(国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)第15条の改正規定に限る。)の規定 公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日
(罰則に関する経過措置)
第4条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(検討)
第5条 政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、第1条、第2条及び第4条から第6条までの規定による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第25条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
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